JPWO2015046404A1 - 肺高血圧症の治療剤又は予防剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、肺血管拡張作用とsEH阻害作用の双方の作用メカニズムに基づき肺高血圧症を治療する肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供すること、並びに、肺血管拡張薬と併用して用いられる肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供すること、を目的としている。本発明は、下式に代表されるニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬と、を有効成分として含有する、肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供する。
Description
本発明は、肺高血圧症の治療剤又は予防剤に関する。
肺高血圧症とは、肺動脈圧の上昇を認める病態の総称であり、運動耐容能を著しく低下させ、そのほとんどが進行性で予後も不良であることが知られている。健常人では、肺動脈圧が全身の血圧より低く維持されているが、肺高血圧症患者では、平均の肺動脈圧が安静時でも25mmHg以上(運動時では、30mmHg以上)あり、この状態が長時間持続することで右心室肥大や右心不全が誘発され、最悪の場合には死に至るとされている。
肺高血圧症の発症原因の一つとしては、肺血管攣縮が関与すると考えられており、肺高血圧症の治療には、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及びエンドセリンレセプター拮抗剤等の肺血管拡張作用を示す薬剤(肺血管拡張薬)が使用され(特許文献1〜4及び非特許文献1)、単剤の投与で十分な降圧作用が得られない場合には、2剤又は3剤の肺血管拡張薬を併用して投与する治療が施されている(特許文献4及び5並びに非特許文献2及び3)。
近年、内皮細胞由来の過分極因子の一つであるエポキシエイコサトリエン酸(Epoxyeicosatrienoic acids;以下、EETs)が、血圧上昇抑制作用及び血管内皮保護作用を有し、肺疾患において臓器保護作用を示すことが報告された(非特許文献4及び5)。また、EETsは可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase;以下、sEH)の作用によってジヒドロキシエイコサトリエン酸(dihydroxyeicosatrienoic acids;以下、DHETs)に代謝されて失活するが、可溶性エポキシド加水分解酵素阻害剤(以下、sEH阻害剤)は、EETsの分解を抑制してEETsの量を増加させるため、sEH阻害剤は肺高血圧症の治療薬として有用であることが示唆された(特許文献6並びに非特許文献6及び7)。
sEH阻害活性を有する化合物が見出され、肺高血圧症の治療薬としての利用が示唆されたが(特許文献6及び非特許文献6)、sEH阻害活性を有していても自然発症型高血圧ラット(Spontaneously Hypertensive Rat)に対して治療効果を示さない例も報告されている(非特許文献8〜10)。
一方、ニペコチン酸ジアミド構造を有する化合物としては、ニペコチン酸にヘテロアリールアミンが縮合したヘテロアリールアミド誘導体(特許文献7)、アミジン誘導体(特許文献8)及びヒドロキサム酸誘導体(特許文献9)が報告されているが、sEH阻害活性については開示も示唆もされていない。
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中西宣文ら、肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)
Benzaら、The Journal of Heart and Lung Transplantation、2007年、第26巻、p.437−446
Leeら、The Journal of the Federation of America Societies for Experimantal Biology、2010年、第24巻、P.3770−3781
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Shenら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、2009年、第19巻、p.5314−5320
しかしながら、肺高血圧症の治療に使用されている肺血管拡張薬であっても、肺動脈圧上昇及びこれに引き続いて起こる右心室肥大、肺肥大、肺動脈肥厚及び心筋肥大を効果的に抑制するには限界があるのが現状であり、肺高血圧の治療には、肺血管拡張作用とは異なるメカニズムで肺血圧症を治療し得る強い薬効を併せ持つ薬剤又は併用薬の創出が急務であると言える。
また、sEH阻害活性を示す既存の化合物であっても、in vivoにおいて降圧作用などの薬理作用を発揮するとは限らなかったため、肺高血圧症に対して治療効果を発揮するsEH阻害剤を見出すことは困難であった。しかし、これまでニペコチン酸ジアミド構造を有するsEH阻害剤は創出されてこなかったため、sEH阻害活性に基づいて肺動脈圧上昇を抑制するニペコチン酸誘導体を見出すことができれば、肺高血圧症を治療するための新たな薬剤又は併用薬として利用できる可能性があると考えられた。
そこで本発明は、肺血管拡張作用とsEH阻害作用の双方の作用メカニズムに基づき肺高血圧症を治療する肺高血圧症の治療剤又は予防剤、並びに、肺血管拡張薬と併用して用いられる肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、新規なニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩が、強いsEH阻害活性を示すこと、並びに、その作用に基づき肺高血圧症に対し優れた治療効果及び予防効果を発揮することを見出し、さらに、上記の新規なニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬と、を組み合わせることにより、肺高血圧症に対し優れた治療効果及び予防効果を発揮することをも見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬と、を有効成分として含有する肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供する。
[式中、R1は、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アルキルオキシアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR6、−S(=O)−R6又は−S(=O)2R6で置換されていてもよい)、−N(R6)C(=O)R7、−N(R6)S(=O)2R7、−C(=O)N(R6)R7又は環構成原子数5のヘテロアリール基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基(該アルキル基及びアルキルオキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表すか、又は、一緒になって−(CH2)l−若しくは−(CH2)m−O−(CH2)n−を表すが、同時に水素原子を表すことはなく、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基(該アルキル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基及びシクロアルキルオキシ基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい)又は−C(=O)NH2を表すが、同時にアルキルオキシ基を表すことはなく、R6は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、シクロアルキル基、アルキルオキシアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表し、lは、2〜5の整数を表し、m及びnは、それぞれ独立して、1又は2を表す。]
上記のニペコチン酸誘導体は、R2及びR3が、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、一緒になって−(CH2)l−を表すが、同時に水素原子を表すことはなく、R4が、ベンゼン環上の2位の置換基を表し、R5が、ベンゼン環上の4位の置換基を表すことが好ましい。
この場合には、ニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩がより強いsEH阻害活性を示すことが期待できることから、肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、肺高血圧症に対してより優れた治療効果及び予防効果を発揮できる。
上記のニペコチン酸誘導体は、R1が、−N(R6)C(=O)R7又は−N(R6)S(=O)2R7を表し、R4が、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、R5が、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、R6が、水素原子を表すことがより好ましく、R1が、−N(H)C(=O)CH2CH3を表し、R2及びR3が、一緒になって−(CH2)3−を表し、R4が、−OCF3を表し、R5が、シアノ基を表すことが特に好ましい。
この場合には、ニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩がより強いsEH阻害活性を示すことが期待でき、加えて、その薬物動態も優れていることから、肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、肺高血圧症に対してさらに優れた治療効果及び予防効果を発揮できる。
上記の肺血管拡張薬は、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はエンドセリンレセプター拮抗剤であることが好ましく、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はエンドセリンレセプター拮抗剤がより好ましい。
また、上記のホスホジエステラーゼ阻害剤は、シルデナフィル若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、タダラフィルが好ましく、タダラフィルがより好ましく、上記のエンドセリンレセプター拮抗剤は、アンブリセンタン若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ボセンタン若しくはその水和物が好ましく、アンブリセンタン又はその薬理学的に許容される塩がより好ましい。
また本発明は、肺血管拡張薬と併用して用いられる、上記のニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、肺高血圧症の治療剤又は予防剤を提供する。
本発明の肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、肺血管拡張作用とsEH阻害作用に基づき、肺高血圧症を治療又は予防できる。また本発明の肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、肺血管拡張薬の薬理作用を増強することにより、肺高血圧症を治療又は予防できる。
本発明の肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、下記の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬と、を有効成分として含有することを特徴としている。
[式中、R1は、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アルキルオキシアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR6、−S(=O)−R6又は−S(=O)2R6で置換されていてもよい)、−N(R6)C(=O)R7、−N(R6)S(=O)2R7、−C(=O)N(R6)R7又は環構成原子数5のヘテロアリール基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基(該アルキル基及びアルキルオキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表すか、又は、一緒になって−(CH2)l−若しくは−(CH2)m−O−(CH2)n−を表すが、同時に水素原子を表すことはなく、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基(該アルキル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基及びシクロアルキルオキシ基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい)又は−C(=O)NH2を表すが、同時にアルキルオキシ基を表すことはなく、R6は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R7は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、シクロアルキル基、アルキルオキシアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表し、lは、2〜5の整数を表し、m及びnは、それぞれ独立して、1又は2を表す。]
「炭素数1〜6のアルキル基」とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は炭素原子を3〜6個有する分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基(tert−ブチル基)、2−メチル−1−プロピル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基又は3−ペンチル基が挙げられる。
「炭素数1〜6のアルキルオキシ基」とは、上記の炭素数1〜6のアルキル基が酸素原子に結合した基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基又は2−ブチルオキシ基が挙げられる。
「炭素数3〜6のシクロアルキル基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を意味する。
「炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基」とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基を意味する。
「炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基」とは、炭素原子を2〜7個有し、アルキル基の1個の水素原子がアルキルオキシ基で置換された基を意味し、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基又はイソプロポキシメチル基が挙げられる。
「炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基」とは、炭素原子を4〜7個有し、アルキル基の1個の水素原子がシクロアルキル基で置換された基を意味し、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基又はシクロヘキシルメチル基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
「環構成原子数5のヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される同一又は異なる原子を環構成原子として1〜4個含む、環構成原子数が5の複素芳香族基を意味し、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、フラニル基又はチアゾリル基が挙げられる。
上記のニペコチン酸誘導体は、一般式(I)において、R1は、−N(R6)C(=O)R7又は−N(R6)S(=O)2R7であることが好ましく、アセチルアミジル、プロピオンアミジル基又はメタンスルホニルアミジル基であることがより好ましい。
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基であるか、又は、一緒になって−(CH2)l−であることが好ましく、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜3のアルキル基(該アルキル基は、1個の水素原子が、水酸基で置換されていてもよい)であるか、又は、一緒になって−(CH2)2−若しくは−(CH2)3−であることがより好ましく、それぞれ独立して、水素原子、メチル基若しくは2−ヒドロキシ−2−プロピル基であるか、又は、一緒になって−(CH2)2−若しくは−(CH2)3−であることがさらに好ましいが、同時に水素原子となることはない。
R4は、ベンゼン環上の2位の置換基であることが好ましい。また、R4は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子又はアルキルオキシ基であることがより好ましく、アルキルオキシ基であることがさらに好ましい。
R5は、ベンゼン環上の4位の置換基であることが好ましい。また、R5は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子又はシアノ基であることがより好ましい。
R6は、水素原子であることが好ましく、R7は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、lは、2又は3であることが好ましく、mは、2であることが好ましく、nは、2であることが好ましい。
上記の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体(以下、ニペコチン酸誘導体(I))は、少なくとも1個の不斉炭素原子を有しており、光学異性体やジアステレオマーが存在するものであるが、ニペコチン酸誘導体(I)は単一異性体のみならず、ラセミ体及びジアステレオマー混合物も包含するものである。また、回転異性体が存在する場合、全ての回転異性体を包含する。
ニペコチン酸誘導体(I)の薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩として塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩又はメタンスルホン酸塩が挙げられるが、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩又はメタンスルホン酸塩が好ましい。
また、本発明の肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、肺血管拡張薬と併用して用いられるニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴としている。
ニペコチン酸誘導体(I)の製造に使用する出発物質と試薬は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により合成しても構わない。
ニペコチン酸誘導体(I−a)は、例えば、以下のスキーム1に示すように、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(III)との縮合反応により製造できる。
(スキーム1)
[式中、R1’は、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アルキルオキシアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR6、−S(=O)−R6又は−S(=O)2R6で置換されていてもよい)を表す。R2〜R6は、上記定義に同じ。]
(スキーム1)
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、シクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル−N‘−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(以下、HATU)が挙げられるが、HATUが好ましい。該縮合剤の当量は、1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
縮合反応に用いる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル又はジメチルエーテルが挙げられるが、DMF又はTHFが好ましく、DMFがより好ましい。
縮合反応に用いる塩基としては、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEA)、トリエチルアミン(以下、TEA)、ピリジン若しくはN−メチルモルホリン等の有機塩基又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸水素ナトリウム等の有機酸塩が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(II)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(III)の当量は、アミン誘導体(II)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.1〜10当量がより好ましく、0.8〜2当量がさらに好ましい。
縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。また、縮合反応の反応時間は、1分間〜48時間が好ましく、1分間〜24時間がより好ましく、10分間〜24時間がさらに好ましい。
縮合反応におけるアミン誘導体(II)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
また、R1が、−N(H)C(=O)R7であるニペコチン酸誘導体(I−b)は、例えば、以下のスキーム2に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(IV)と酸クロリド誘導体(V)との縮合反応、又は、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(IV)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応により製造できる。
(スキーム2)
[式中、R2〜R5及びR7は、上記定義に同じ。]
(スキーム2)
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル又は1,2−ジメトキシエタンが挙げられるが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル又はTHFが好ましく、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンがより好ましい。
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる酸クロリド(V)の当量は、アミン誘導体(IV)に対して0.1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる塩基としては、例えば、DIPEA、TEA、ピリジン又はN−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(IV)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、−20〜60℃がより好ましく、0〜40℃がさらに好ましい。また、酸クロリド(V)との縮合反応の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜8時間がさらに好ましい。
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応におけるアミン誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
一方、アミン誘導体(IV)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
R1が、−N(H)S(=O)2R7であるニペコチン酸誘導体(I−c)は、例えば、以下のスキーム3に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(IV)とスルホン酸クロリド誘導体(VII)とのスルホンアミド化反応により製造できる。
(スキーム3)
[式中、R2〜R5及びR7は、上記定義に同じ。]
(スキーム3)
スルホンアミド化反応に用いる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル又は1,2−ジメトキシエタンが挙げられるが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル又はTHFが好ましく、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンがより好ましい。
スルホンアミド化反応に用いるスルホン酸クロリド誘導体(VII)の当量は、アミン誘導体(IV)に対して0.1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
スルホンアミド化反応に用いる塩基としては、例えば、DIPEA、TEA、ピリジン又はN−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(IV)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
スルホンアミド化反応の反応温度は、−50〜50℃が好ましく、−30〜30℃がより好ましく、−20〜20℃がさらに好ましい。また、スルホンアミド化反応の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜8時間がさらに好ましい。
スルホンアミド化反応におけるアミン誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
上記のスキーム2及び3における出発物質であるアミン誘導体(IV)は、例えば、以下のスキーム4に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
(スキーム4)
[式中、R2〜R5は、上記定義に同じであり、R8は、保護基を表す。]
(スキーム4)
アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
縮合反応に続く脱保護反応は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis第3版(Greenら著、1999年、John Wiley & Sons,Inc.)に記されている公知の方法により行うことができる。例えば、保護基が、tert−ブトキシカルボニル基である場合には、トリフルオロ酢酸などの強酸で処理することで保護基を除去することができる。
上記のスキーム4におけるカルボン酸誘導体(VIII)は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により製造しても構わない。
上記のスキーム1及び4における出発物質であるアミン誘導体(II)は、例えば、以下のスキーム5に示すように、塩基及び縮合剤存在下、ベンジルアミン誘導体(IX)とニペコチン酸誘導体(X)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
(スキーム5)
[式中、R4、R5及びR8は、上記定義に同じ。]
(スキーム5)
ベンジルアミン誘導体(IX)とニペコチン酸誘導体(X)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
脱保護反応は、スキーム4記載の方法と同様の条件にて行うことができる。
スキーム5の縮合反応は、ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換し、塩基存在下にて行うこともできる。
ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換する試薬としては、オキサリルクロリド又は塩化チオニルが挙げられるが、オキサリルクロリドが好ましい。該試薬の当量は、ニペコチン酸誘導体(X)に対して1〜10当量が好ましく、1〜1.5当量がより好ましい。
ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際に用いる溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン又はDMFが挙げられるが、ジクロロメタン、THF若しくはDMF、又は、これらの混合溶媒が好ましく、ジクロロメタンとDMFとの混合溶媒又はTHFとDMFとの混合溶媒がより好ましい。混合溶媒の比率としては、例えば、ジクロロメタンとDMFとの混合溶媒の場合、ジクロロメタン:DMF=1〜1000:1が好ましく、1〜100:1がより好ましい。
ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、−30〜30℃が好ましく、−20〜0℃がさらに好ましい。また、ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜2時間がさらに好ましい。
ニペコチン酸誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応開始時のニペコチン酸誘導体(X)の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜3Mがさらに好ましい。
以上のようにして得られる上記のニペコチン酸誘導体(I)、その薬理学的に許容される塩、又は、上記のニペコチン酸誘導体(I)の製造に用いる中間体、原料化合物若しくは試薬は、必要に応じて、抽出、蒸留、クロマトグラフィー又は再結晶等の方法で単離精製してもよい。
上記のニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と併用して用いられる肺血管拡張薬としては、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エンドセリンレセプター拮抗剤等が挙げられ、これらを複数種類包含してもよい。なお、肺血管拡張薬とは、肺動脈を拡張させることにより肺動脈圧を低下させることを主な作用機序とする薬剤のことである。
プロスタサイクリン誘導体としては、例えば、エポプロステノールナトリウム((Z)−(3aR,4R,5R,6aS)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(E)−(3S)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]−2H−シクロペンタ[b]フラン−Δ2,σ吉草酸ナトリウム)、ベラプロストナトリウム((1RS,2RS,3aSR,8bSR)−2,3,3a,8b−テトラヒドロ−2−ヒドロキシ−1−[(1E,3SR,4RS)−3−ヒドロキシ−4−メチルオクト−1−エン−6−イン−1−イル]−1H−シクロペンタ[b]ベンゾフラン−5−ブタン酸ナトリウム)、イロプロスト((E)−(3aS,4R,5R,6aR)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(E)−(3S,4RS)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテン−6−イニル]−Δ(2(1H),Δ−ペンタレン吉草酸)、トレプロスチニルナトリウム((1R,2R,3aS,9aS)−[[2,3,3a,4,9,9a−ヘキサヒドロ−2−ヒドロキシ−1−[(3S)−3−ヒドロキシオクチル]−1Hベンズ[f]インデン−5−イル]オキシ]酢酸ナトリウム)が挙げられるが、エポプロステノールナトリウムが好ましい。
ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、例えば、シルデナフィル(1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジン)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、タダラフィル((6R,12aR)−6−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチル−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロピラジノ[1’、2’:1,6]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン)が挙げられるが、シルデナフィル若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、タダラフィル、が好ましく、タダラフィルがより好ましい。
エンドセリンレセプター拮抗剤としては、例えば、アンブリセンタン((2S)−2[(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)オキシ]−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロパン酸)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ボセンタン(4−(1,1−ジメチルエチル)−N−[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(ピリミジン−2−イル)ピリミジン−4−イル]ベンゼンスルホンアミド)若しくはその水和物が挙げられるが、アンブリセンタン若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ボセンタン若しくはその水和物が好ましく、アンブリセンタン又はその薬理学的に許容される塩がより好ましい。
シルデナフィル又はアンブリセンタンの薬理学的に許容される塩とは、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩若しくはヨウ化水素酸塩等の無機酸塩、若しくは、シュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩若しくはケイ皮酸塩等の有機酸塩、又は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩若しくはアンモニウム塩等の無機塩基塩、若しくは、メチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジニウム塩、トリエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩若しくはグアニジン塩等の有機塩基塩が挙げられる。シルデナフィルの薬理学的に許容される塩は、クエン酸塩であることが好ましい。
プロスタサイクリン誘導体は、市販品として入手可能である他、例えば、公知文献(特公平1−53672)に記載の方法に従って合成することもできる。
ホスホジエステラーゼ阻害剤は、市販品として入手可能である他、例えば、公知文献(国際公開第95/19978号)に記載の方法に従って合成することもできる。
エンドセリンレセプター拮抗剤は、市販品として入手可能である他、例えば、公知文献(国際公開第96/11914号)に記載の方法に従って合成することもできる。
上記の肺高血圧症の治療剤又は予防剤の有効成分である、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩は、強いsEH阻害活性を示し、また、その作用に基づき肺高血圧症に対し優れた治療効果及び予防効果を発揮する。
「sEH」は、可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase)の略であり、エポキシドの加水分解を触媒し、それに対応するジオールに変換する代謝酵素である。sEHの最も知られた基質は、内皮細胞由来の過分極因子の一つであるEETsであり、sEHは、EETsをDHETsに代謝して失活させる作用を有している。「EETs」は、エポキシエイコサトリエン酸(Epoxyeicosatrienoic acids)の略であり、「DHETs」は、ジヒドロキシエイコサトリエン酸(Dihydroxyeicosatrienoic acids)の略である。EETsとして、例えば、14,15―エポキシエイコサトリエン酸(14,15―Epoxyeicosatrienoic acid;以下、14,15―EET)が挙げられる。DHETsとして、例えば、14,15―ジヒドロキシエイコサトリエン酸(14,15―Dihydroxyeicosatrienoic acid;以下、14,15―DHET)が挙げられる。
「sEH阻害活性」とは、sEHの作用を阻害する活性を意味する。したがって、sEH阻害活性とは、sEHの基質の一つであるEETsの加水分解を触媒するというsEHの酵素反応を阻害する活性を包含する。
「sEH阻害剤」とは、sEH阻害活性を示す化合物又は該化合物を有効成分として含有する組成物を意味する。
sEH阻害活性は、例えば、ヒトsEHと、その基質であるEETsとをsEH阻害剤の存在下で反応させ、産生されるDHETsの量を、sEH阻害剤非存在下におけるDHETs産生量と比較することで測定できる。また、市販の測定キット(Soluble Epoxide Hydrolase Inhibitor Screening Assay Kit;Cayman社)を用いるか、公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75等)に記載の方法によっても、sEH阻害剤のsEH阻害活性を測定できる。
また、sEH阻害剤存在下及び非存在下で、sEHの基質としてラセミ性4−ニトロフェニル−トランス−2,3−エポキシ−3−フェニルプロピルカルボナートを用いて、4−ニトロフェノラート陰イオンの出現を測定するか、又は、sEHの基質としてシアノ(6−メトキシナフタレン−2−イル)メチル 2−(3−フェニルオキシラン−2−イル)アセタートを用いて、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒドの出現を測定することによっても、sEH阻害剤のsEH阻害活性を測定できる。
sEH阻害剤が、EETsからDHETsへの代謝を抑制すること又はEETsの量を増加させることは、EETs濃度、DHETs濃度又はEETs/DHETs比を測定することで確認できる。EETs濃度、DHETs濃度及びEETs/DHETs比は、例えば、市販の測定キット(14,15―EET/DHET ELISA Kit;Detroit R&D社)を用いて測定できる。
「肺高血圧症」とは、血液を心臓から肺に送る肺動脈圧の上昇を認める病態のうち、安静臥位での平均肺動脈圧が25mmHg以上の状態、又は、肺疾患、睡眠時無呼吸症候群及び肺胞低換気症候群では、平均肺動脈圧が安静時で20mmHg以上(運動時では、30mmHg以上)の状態を意味する(ダイジェスト版 肺高血圧症治療ガイドライン(2006年改訂版)、P2−P3.)。肺高血圧症では、右心室収縮期圧上昇、右心室肥大、肺肥大、肺動脈肥厚、肺における細胞増殖又は心筋肥大が認められる。
上記の肺高血圧症の治療剤又は予防剤の、肺高血圧症に対する治療効果は、人為的に肺高血圧症を誘発させた動物モデルを用いて評価することができる。そのような動物モデルとしては、例えば、ラットを用いたモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)が挙げられる。なお、病態の進行は、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を測定することで確認できる。また、肺高血圧症に伴う右心室肥大及び肺肥大の病態は、それぞれ、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を測定することで確認できる。
肺高血圧症の肺の病変部位におけるsEHの発現は、肺組織を抗sEH抗体を用いて免疫組織染色することで確認できる。肺高血圧症の肺動脈肥厚は、肺組織をエラスチカ・ワンギーソン染色し、染色像の観察又は肺動脈中膜厚比((肺動脈中膜厚×2/肺動脈直径)×100)を測定することで確認できる。肺高血圧症の肺における細胞増殖は、肺組織を抗増殖性細胞核抗原(Proliferation cell nuclear antigen;以下、PCNA)抗体を用いて免疫染色することで確認できる。肺高血圧症の心筋肥大は、右心室をHE染色することで確認できる。肺高血圧症における全身血圧は実施例に記載した方法で確認できる。これらを確認することにより、肺動脈性肺高血圧症、肺静脈閉塞性疾患、肺毛細血管腫症、左心疾患による肺高血圧症、肺疾患及び低酸素による肺高血圧症、慢性血栓塞栓症肺高血圧症並びに原因不明の複合式要因による肺高血圧症に対する治療効果を評価することができる。
上記の肺高血圧症の治療剤又は予防剤は、ヒトに対して投与した場合に優れた肺高血圧症の治療効果又は予防効果を示す。また、ヒト以外の哺乳類に対して投与した場合にも、優れた肺高血圧症の治療効果又は予防効果を示す。ここでヒト以外の哺乳類としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ又はサルが挙げられる。
上記の肺高血圧症の治療剤又は予防剤の投与形態としては、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬(例えば、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はエンドセリンレセプター拮抗剤)とを、両者の混合物すなわち配合剤をそのまま又は医薬として許容される担体をさらに配合して、経口的又は非経口的に投与することができる。あるいは、両者を配合剤としてではなく、それぞれ単独で、すなわち単剤として準備しておき、これらをそのまま又は医薬として許容される担体をさらにそれぞれに配合して、同時に投与することもできる。さらには、それぞれの単剤を適当な間隔をおいて相前後して投与することも可能である。これらの場合、それぞれの単剤の剤形及び投与経路は同一である必要はなく、それぞれ異なっていても構わない。なお、上記の「適当な間隔」は、臨床上又は動物実験により確認することができる。
単剤又は配合剤として経口投与する場合の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤又は懸濁剤が挙げられ、また、非経口投与する場合の剤形としては、例えば、注射剤、注入剤、点滴剤又は坐剤が挙げられる。さらには、適当な基剤(例えば、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸−グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物又はポリグリセロール脂肪酸エステル等)と組合せて、徐放性製剤とすることも有効である。
上記剤形の単剤又は配合剤の調製は、製剤分野で一般的に用いられている公知の製造方法に従って行うことができる。この場合、必要に応じて、製剤分野において一般的に用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤又は乳化剤等を含有させて製造することができる。
単剤又は配合剤の錠剤としての調製は、賦形剤、結合剤、崩壊剤又は滑沢剤等を含有させて行うことができ、丸剤及び顆粒剤としての調製は、賦形剤、結合剤又は崩壊剤等を含有させて行うことができる。また、散剤及びカプセル剤としての調製は賦形剤等を、シロップ剤としての調製は甘味剤等を、乳剤及び懸濁剤としての調製は界面活性剤、懸濁化剤又は乳化剤等を、それぞれ含有させて行うことができる。
上記の賦形剤としては、例えば、乳糖、ブドウ糖、デンプン、ショ糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウムが挙げられる。
上記の結合剤としては、例えば、デンプンのり液、アラビアゴム液、ゼラチン液、トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液又はグリセリンが挙げられる。
上記の崩壊剤としては、例えば、デンプン又は炭酸カルシウムが挙げられる。
上記の滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム又は精製タルクが挙げられる。
上記の甘味剤としては、例えば、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン又は単シロップが挙げられる。
上記の界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル又はステアリン酸ポリオキシル40が挙げられる。
上記の懸濁化剤としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース又はベントナイトが挙げられる。
上記の乳化剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン又はポリソルベート80が挙げられる。
さらに上記剤形の単剤又は配合剤の調製では、製剤分野において一般的に用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤又は粘稠剤等を添加することができる。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬(例えば、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はエンドセリンレセプター拮抗剤)との投与量比又は配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状又は配合の組み合わせ等により適宜選択することができる。
プロスタサイクリン誘導体を含有する製剤の1日あたりの投与量は、患者の状態や体重、プロスタサイクリン誘導体の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、ベラプロストナトリウムを経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば0.1μg/kg〜100mg/kg、好ましくは1μg/kg〜50mg/kgの範囲で1日1〜4回に分けて投与することが好ましい。
ホスホジエステラーゼ阻害剤を含有する製剤の1日あたりの投与量は、患者の状態や体重、ホスホジエステラーゼ阻害剤の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、タダラフィルを経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば5〜80mgの範囲で1〜3回に分けて投与することが好ましく、シルデナフィル又はその薬理学的に許容される塩を経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば5〜90mgの範囲で1〜3回に分けて投与することが好ましい。
エンドセリンレセプター拮抗剤を含有する製剤の1日あたりの投与量は、例えば、アンブリセンタンを経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば1〜20mgの範囲で1〜3回に分けて投与することが好ましく、ボセンタン又はその水和物を経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば10〜400mgの範囲で1〜3回に分けて投与することが好ましい。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩を含有する製剤の1日あたりの投与量は、例えば、経口投与する場合には成人(体重約60kg)であれば1〜1000mgの範囲で1〜3回に分けて投与することが好ましく、非経口投与する場合には、注射剤であれば体重1kgあたり0.01〜100mgの範囲で静脈注射により投与することが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製は、特に記述のない場合、「HI−FLASH」カラム(山善社)及びPurif−α2(昭光サイエンティフィックス社)を用いて行った。
(実施例1)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドの合成:
−78℃下、4−ブロモ−1−ヨード−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(25g、68mmol)のTHF(0.40L)溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6規定、86mL、0.14mol)を1.5時間かけて滴下した。−78℃下で1時間撹拌した後、反応溶液に、DMF(11mL、0.14mmol)を10分間かけて滴下した。−78℃下で2時間撹拌した後、反応溶液に、クエン酸水溶液(0.25M、0.25L、63mmol)を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(以下、参考例化合物1)を16g(87%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドの合成:
−78℃下、4−ブロモ−1−ヨード−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(25g、68mmol)のTHF(0.40L)溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6規定、86mL、0.14mol)を1.5時間かけて滴下した。−78℃下で1時間撹拌した後、反応溶液に、DMF(11mL、0.14mmol)を10分間かけて滴下した。−78℃下で2時間撹拌した後、反応溶液に、クエン酸水溶液(0.25M、0.25L、63mmol)を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(以下、参考例化合物1)を16g(87%)得た。
〔ステップ2〕
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノールの合成:
−10℃下、参考例化合物1(16g、59mmol)のメタノール(0.23L)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、63mmol)を加えた。−10℃下で10分間撹拌した後、反応溶液に、アセトン(10mL)、1規定塩酸(10mL)を加えた。反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:1→1:1)で精製し、(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(以下、参考例化合物2)を15g(91%)得た。
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノールの合成:
−10℃下、参考例化合物1(16g、59mmol)のメタノール(0.23L)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、63mmol)を加えた。−10℃下で10分間撹拌した後、反応溶液に、アセトン(10mL)、1規定塩酸(10mL)を加えた。反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:1→1:1)で精製し、(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(以下、参考例化合物2)を15g(91%)得た。
〔ステップ3〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナートの合成:
氷冷下、参考例化合物2(2.0g、7.4mmol)、TEA(1.2mL、8.9mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.93g、8.1mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナート(以下、参考例化合物3)を2.6g(定量的)得た。
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナートの合成:
氷冷下、参考例化合物2(2.0g、7.4mmol)、TEA(1.2mL、8.9mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.93g、8.1mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナート(以下、参考例化合物3)を2.6g(定量的)得た。
〔ステップ4〕
2−(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)イソインドリン−1,3−ジオンの合成:
氷冷下、参考例化合物3(2.6g、7.4mmol)のDMF(20mL)溶液に、フタルイミドカリウム(2.1g、11mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、反応溶液に、水を加えた。析出した固体をろ取し、水で洗浄し、乾燥し、2−(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(以下、参考例化合物4)を2.7g(91%)得た。
2−(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)イソインドリン−1,3−ジオンの合成:
氷冷下、参考例化合物3(2.6g、7.4mmol)のDMF(20mL)溶液に、フタルイミドカリウム(2.1g、11mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、反応溶液に、水を加えた。析出した固体をろ取し、水で洗浄し、乾燥し、2−(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(以下、参考例化合物4)を2.7g(91%)得た。
〔ステップ5〕
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミンの合成:
室温下、参考例化合物4(2.6g、6.5mmol)のメタノール(40mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.98g、19mmol)を加えた。60℃下で2時間撹拌した後、室温下で析出した固体をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミン(以下、参考例化合物5)を1.5g(85%)得た。
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミンの合成:
室温下、参考例化合物4(2.6g、6.5mmol)のメタノール(40mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.98g、19mmol)を加えた。60℃下で2時間撹拌した後、室温下で析出した固体をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミン(以下、参考例化合物5)を1.5g(85%)得た。
〔ステップ6〕
(R)−tert−ブチル 3−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
室温下、参考例化合物5(0.50g、1.9mmol)、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(0.43g、1.9mmol)、DIPEA(0.53g、4.1mmol)のDMF(3.0mL)溶液に、HATU(0.77g、2.0mmol)を加えた。室温下で15時間撹拌した後、反応溶液に、酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)で精製し、(R)−tert−ブチル 3−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物6)を0.89g(定量的)得た。
(R)−tert−ブチル 3−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
室温下、参考例化合物5(0.50g、1.9mmol)、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(0.43g、1.9mmol)、DIPEA(0.53g、4.1mmol)のDMF(3.0mL)溶液に、HATU(0.77g、2.0mmol)を加えた。室温下で15時間撹拌した後、反応溶液に、酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)で精製し、(R)−tert−ブチル 3−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物6)を0.89g(定量的)得た。
〔ステップ7〕
(R)−tert−ブチル 3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
室温下、参考例化合物6(0.050g、0.10mmol)、シアン化亜鉛(0.012g、0.10mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.030g、0.026mmol)を加えた。150℃下で30分間撹拌した後、室温下で反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1→1:2)で精製し、(R)−tert−ブチル 3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物7)を0.017g(39%)得た。
(R)−tert−ブチル 3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
室温下、参考例化合物6(0.050g、0.10mmol)、シアン化亜鉛(0.012g、0.10mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.030g、0.026mmol)を加えた。150℃下で30分間撹拌した後、室温下で反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1→1:2)で精製し、(R)−tert−ブチル 3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物7)を0.017g(39%)得た。
〔ステップ8〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物7(6.9g、16mmol)のジクロロメタン(0.16L)溶液に、トリフルオロ酢酸(以下、TFA)(35mL、0.45mol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物8)を5.2g(98%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物7(6.9g、16mmol)のジクロロメタン(0.16L)溶液に、トリフルオロ酢酸(以下、TFA)(35mL、0.45mol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物8)を5.2g(98%)得た。
〔ステップ9〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロブチル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.20g、0.67mmol)、1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸(0.15g、0.67mmol)、DIPEA(0.24mL、1.3mmol)のDMF(0.70mL)溶液に、HATU(0.28g、0.73mmol)を加えた。室温下で86時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロブチル)カルバマート(以下、参考例化合物9)を0.25g(78%)得た。
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロブチル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.20g、0.67mmol)、1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸(0.15g、0.67mmol)、DIPEA(0.24mL、1.3mmol)のDMF(0.70mL)溶液に、HATU(0.28g、0.73mmol)を加えた。室温下で86時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロブチル)カルバマート(以下、参考例化合物9)を0.25g(78%)得た。
〔ステップ10〕
(R)−1−(1−アミノシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物9(0.25g、0.47mmol)のジクロロメタン(1.4mL)溶液に、TFA(0.70mL、9.1mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(1−アミノシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物10)を0.18g(90%)得た。
(R)−1−(1−アミノシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物9(0.25g、0.47mmol)のジクロロメタン(1.4mL)溶液に、TFA(0.70mL、9.1mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(1−アミノシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物10)を0.18g(90%)得た。
〔ステップ11〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物10(7.6g、18mmol)、TEA(5.5mL、40mmol)のジクロロメタン(54mL)溶液に、プロピオニルクロリド(1.8g、20mmol)を加えた。氷冷下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物1)を6.2g(71%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物10(7.6g、18mmol)、TEA(5.5mL、40mmol)のジクロロメタン(54mL)溶液に、プロピオニルクロリド(1.8g、20mmol)を加えた。氷冷下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−プロピオンアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物1)を6.2g(71%)得た。
(実施例2)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(3.5g、11mmol)、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸(2.6g、13mmol)、DIPEA(4.1mL、24mmol)のDMF(40mL)溶液に、HATU(4.9g、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物11)を5.2g(95%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(3.5g、11mmol)、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−メチルプロパン酸(2.6g、13mmol)、DIPEA(4.1mL、24mmol)のDMF(40mL)溶液に、HATU(4.9g、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物11)を5.2g(95%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物11(5.2g、10mmol)のジクロロメタン(0.10L)溶液に、TFA(25mL、0.32mol)を加えた。室温下で1.5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物12)を3.4g(82%)得た。
(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物11(5.2g、10mmol)のジクロロメタン(0.10L)溶液に、TFA(25mL、0.32mol)を加えた。室温下で1.5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物12)を3.4g(82%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物12(2.3g、5.6mmol)、TEA(1.6mL、11mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.97g、8.5mmol)を加えた。氷冷下で5分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物2)を2.4g(87%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物12(2.3g、5.6mmol)、TEA(1.6mL、11mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.97g、8.5mmol)を加えた。氷冷下で5分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物2)を2.4g(87%)得た。
(実施例3)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロプロピル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.67g、2.0mmol)、1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸(0.49g、2.4mmol)、DIPEA(1.1mL、6.1mmol)のDMF(5.0mL)溶液に、HATU(1.1g、2.5mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロプロピル)カルバマート(以下、参考例化合物13)を0.92g(88%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロプロピル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.67g、2.0mmol)、1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロプロパンカルボン酸(0.49g、2.4mmol)、DIPEA(1.1mL、6.1mmol)のDMF(5.0mL)溶液に、HATU(1.1g、2.5mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:6)で精製し、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロプロピル)カルバマート(以下、参考例化合物13)を0.92g(88%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−(1−アミノシクロプロパンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物13(0.92g、1.8mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、TFA(4.7mL、61mmol)を加えた。室温下で1.5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(1−アミノシクロプロパンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物14)を0.63g(87%)得た。
(R)−1−(1−アミノシクロプロパンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物13(0.92g、1.8mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、TFA(4.7mL、61mmol)を加えた。室温下で1.5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(1−アミノシクロプロパンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物14)を0.63g(87%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.63g、1.5mmol)、TEA(1.1mL、7.7mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.27g、2.3mmol)を加えた。氷冷下で1.5時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物3)を0.56g(74%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.63g、1.5mmol)、TEA(1.1mL、7.7mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.27g、2.3mmol)を加えた。氷冷下で1.5時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物3)を0.56g(74%)得た。
(実施例4)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸(0.054g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物4)を0.044g(58%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸(0.054g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物4)を0.044g(58%)得た。
(実施例5)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物5)を0.017g(71%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(メチルスルホンアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物5)を0.017g(71%)得た。
(実施例6)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
イソブチリルクロリド(0.0055g、0.052mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物6)を0.022g(95%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
イソブチリルクロリド(0.0055g、0.052mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物6)を0.022g(95%)得た。
(実施例7)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
ピバロイルクロリド(0.0063g、0.052mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物7)を0.017g(72%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
ピバロイルクロリド(0.0063g、0.052mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物7)を0.017g(72%)得た。
(実施例8)
(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロペンチル)カルバマートの合成:
1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸(0.078g、0.34mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロペンチル)カルバマート(以下、参考例化合物15)を0.13g(77%)得た。
(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロペンチル)カルバマートの合成:
1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロペンタンカルボン酸(0.078g、0.34mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (1−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)シクロペンチル)カルバマート(以下、参考例化合物15)を0.13g(77%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−(1−アミノシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物15(0.13g、0.24mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−アミノシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物16)を0.051g(49%)得た。
(R)−1−(1−アミノシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物15(0.13g、0.24mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−アミノシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物16)を0.051g(49%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物16(0.020g、0.046mmol)、TEA(0.019mL、0.14mmol)のジクロロメタン(0.20mL)溶液に、無水酢酸(0.0070g、0.068mmol)を加えた。氷冷下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物8)を0.014g(62%)得た。
(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物16(0.020g、0.046mmol)、TEA(0.019mL、0.14mmol)のジクロロメタン(0.20mL)溶液に、無水酢酸(0.0070g、0.068mmol)を加えた。氷冷下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−1−(1−アセトアミドシクロペンタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物8)を0.014g(62%)得た。
(実施例9)
(R)−1−(1−アセトアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−アセトアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物9)を0.013g(60%)得た。
(R)−1−(1−アセトアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−アセトアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物9)を0.013g(60%)得た。
(実施例10)
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾニトリルの合成:
氷冷下、2,2,2−トリフルオロエタノール(1.5g、15mmol)のTHF(50mL)溶液に、水素化ナトリウム(55重量%、0.67g、15mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、室温下で30分間撹拌した。氷冷下、反応溶液に、4−クロロ−2−フルオロベンゾニトリル(2.0g、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、0.1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:0→3:1)で精製し、4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾニトリル(以下、参考例化合物17)を2.6g(86%)得た。
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾニトリルの合成:
氷冷下、2,2,2−トリフルオロエタノール(1.5g、15mmol)のTHF(50mL)溶液に、水素化ナトリウム(55重量%、0.67g、15mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、室温下で30分間撹拌した。氷冷下、反応溶液に、4−クロロ−2−フルオロベンゾニトリル(2.0g、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、0.1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:0→3:1)で精製し、4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾニトリル(以下、参考例化合物17)を2.6g(86%)得た。
〔ステップ2〕
(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)メタンアミンの合成:
氷冷下、参考例化合物17(2.5g、11mmol)のジエチルエーテル(30mL)溶液に、水素化アルミニウムリチウム(1.0g、27mmol)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、THF(20mL)、水(1.0mL)、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)、水(3.0mL)を加えた。反応溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)メタンアミン(以下、参考例化合物18)を2.4g(94%)得た。
(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)メタンアミンの合成:
氷冷下、参考例化合物17(2.5g、11mmol)のジエチルエーテル(30mL)溶液に、水素化アルミニウムリチウム(1.0g、27mmol)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、THF(20mL)、水(1.0mL)、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)、水(3.0mL)を加えた。反応溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)メタンアミン(以下、参考例化合物18)を2.4g(94%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−tert−ブチル 3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
参考例化合物18(2.4g、10mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル 3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物19)を4.5g(定量的)得た。
(R)−tert−ブチル 3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
参考例化合物18(2.4g、10mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル 3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物19)を4.5g(定量的)得た。
〔ステップ4〕
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物19(2.0g、4.4mmol)に、濃塩酸(10mL、0.12mol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物20)を1.4g(87%)得た。
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物19(2.0g、4.4mmol)に、濃塩酸(10mL、0.12mol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物20)を1.4g(87%)得た。
〔ステップ5〕
(R)−tert−ブチル (1−3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物20(0.60g、1.7mmol)を用いて実施例2〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (1−3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物21)を0.77g(84%)得た。
(R)−tert−ブチル (1−3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物20(0.60g、1.7mmol)を用いて実施例2〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (1−3−((4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物21)を0.77g(84%)得た。
〔ステップ6〕
(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物21(0.83g、1.5mmol)に、TFA(10mL)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物22)を0.65g(96%)得た。
(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物21(0.83g、1.5mmol)に、TFA(10mL)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−(2−アミノ−2−メチルプロパノイル)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物22)を0.65g(96%)得た。
〔ステップ7〕
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物22(0.080g、0.18mmol)、ピリジン(0.030mL、0.37mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.023g、0.20mmol)を加えた。室温下で10時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を0.1規定塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=100:1→10:1)で精製し、(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物10)を0.030g(32%)得た。
(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物22(0.080g、0.18mmol)、ピリジン(0.030mL、0.37mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.023g、0.20mmol)を加えた。室温下で10時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を0.1規定塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=100:1→10:1)で精製し、(R)−N−(4−クロロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物10)を0.030g(32%)得た。
(実施例11)
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((R)−2−アミノ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.21g、0.65mmol)、(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メチルブタン酸(0.24g、0.72mmol)、DIPEA(0.14mL、0.78mmol)のDMF(3.5mL)溶液に、HATU(0.30g、0.78mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:9)で精製し、粗生成物を0.30g得た。氷冷下、得られた粗生成物(0.30g)のDMF(2.0mL)溶液に、モルホリン(0.20mL、2.3mmol)を加えた。室温下で2.5時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→90:10)で精製し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物23)を0.18g(2段階収率65%)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((R)−2−アミノ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.21g、0.65mmol)、(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メチルブタン酸(0.24g、0.72mmol)、DIPEA(0.14mL、0.78mmol)のDMF(3.5mL)溶液に、HATU(0.30g、0.78mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:9)で精製し、粗生成物を0.30g得た。氷冷下、得られた粗生成物(0.30g)のDMF(2.0mL)溶液に、モルホリン(0.20mL、2.3mmol)を加えた。室温下で2.5時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→90:10)で精製し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物23)を0.18g(2段階収率65%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物23(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物11)を0.018g(83%)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物23(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物11)を0.018g(83%)得た。
(実施例12)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物23(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物12)を0.020g(83%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物23(0.020g、0.047mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物12)を0.020g(83%)得た。
(実施例13)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(エチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.050g、0.12mmol)、DIPEA(0.043mL、0.24mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に、エタンスルホニルクロリド(0.017g、0.13mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、ピリジン(0.30mL、3.7mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を0.1規定塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=100:1→10:1)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(エチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物13)を0.0080g(13%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(エチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.050g、0.12mmol)、DIPEA(0.043mL、0.24mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に、エタンスルホニルクロリド(0.017g、0.13mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、ピリジン(0.30mL、3.7mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を0.1規定塩酸、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=100:1→10:1)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(エチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物13)を0.0080g(13%)得た。
(実施例14)
(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、実施例化合物2(0.020g、0.041mmol)、炭酸カリウム(0.0028g、0.020mmol)のDMF(0.38mL)溶液に、過酸化水素水(30重量%、0.021mL)を加えた。室温下で18時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→85:15)で精製し、(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物14)を0.013g(63%)得た。
(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、実施例化合物2(0.020g、0.041mmol)、炭酸カリウム(0.0028g、0.020mmol)のDMF(0.38mL)溶液に、過酸化水素水(30重量%、0.021mL)を加えた。室温下で18時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→85:15)で精製し、(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物14)を0.013g(63%)得た。
(実施例15)
(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
実施例化合物3(0.025g、0.051mmol)を用いて実施例14と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物15)を0.020g(77%)得た。
(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
実施例化合物3(0.025g、0.051mmol)を用いて実施例14と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−カルバモイル−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物15)を0.020g(77%)得た。
(実施例16)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(0.15g、0.46mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物16)を0.12g(62%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(0.15g、0.46mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物16)を0.12g(62%)得た。
(実施例17)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−ピバロイルピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物8(0.15g、0.46mmol)、ピバロイルクロリド(0.066g、0.55mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−ピバロイルピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物17)を0.19g(定量的)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−ピバロイルピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物8(0.15g、0.46mmol)、ピバロイルクロリド(0.066g、0.55mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−ピバロイルピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物17)を0.19g(定量的)得た。
(実施例18)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
氷冷下、1−アミノシクロプロパンカルボン酸エチル塩酸塩(2.0g、12mmol)、DIPEA(6.3mL、36mmol)のジクロロメタン(35mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.4g、12mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:2)で精製し、1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチル(以下、参考例化合物24)を2.3g(60%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
氷冷下、1−アミノシクロプロパンカルボン酸エチル塩酸塩(2.0g、12mmol)、DIPEA(6.3mL、36mmol)のジクロロメタン(35mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.4g、12mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:2)で精製し、1−(メチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチル(以下、参考例化合物24)を2.3g(60%)得た。
〔ステップ2〕
1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
氷冷下、参考例化合物24(2.0g、9.7mmol)のDMF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(55重量%、0.51g、12mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、室温下で30分間撹拌した。氷冷下、反応溶液に、ヨウ化メチル(0.78mL、13mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、0.1規定塩酸を加え、ヘキサン:酢酸エチル混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1)で精製し、1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチル(以下、参考例化合物25)を1.8g(84%)得た。
1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチルの合成:
氷冷下、参考例化合物24(2.0g、9.7mmol)のDMF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(55重量%、0.51g、12mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、室温下で30分間撹拌した。氷冷下、反応溶液に、ヨウ化メチル(0.78mL、13mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、0.1規定塩酸を加え、ヘキサン:酢酸エチル混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1)で精製し、1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸エチル(以下、参考例化合物25)を1.8g(84%)得た。
〔ステップ3〕
1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸の合成:
室温下で、参考例化合物25(1.8g、7.9mmol)のメタノール(20mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(12mL、12mmol)を加えた。50℃下で3時間撹拌した後、室温下、反応溶液に、1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸(以下、参考例化合物26)を0.88g(58%)得た。
1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸の合成:
室温下で、参考例化合物25(1.8g、7.9mmol)のメタノール(20mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(12mL、12mmol)を加えた。50℃下で3時間撹拌した後、室温下、反応溶液に、1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボン酸(以下、参考例化合物26)を0.88g(58%)得た。
〔ステップ4〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物26(0.13g、0.67mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物18)を0.17g(60%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物26(0.13g、0.67mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(N−メチルメチルスルホンアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物18)を0.17g(60%)得た。
(実施例19)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
室温下、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(1.0g、7.6mmol)のメタノール(7.5mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(9.1mL)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、1規定塩酸を加え、減圧濃縮した。氷冷下、得られた粗生成物(0.10g)、DIPEA(0.30mL、1.7mmol)のDMF(1.6mL)溶液に、HATU(0.35g、0.93mmol)を加えた。氷冷下で15分間撹拌した後、反応溶液に、参考例化合物8(0.28g、0.85mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=8:2→酢酸エチルのみ)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物19)を0.24g(2段階収率65%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
室温下、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸メチル(1.0g、7.6mmol)のメタノール(7.5mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(9.1mL)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、1規定塩酸を加え、減圧濃縮した。氷冷下、得られた粗生成物(0.10g)、DIPEA(0.30mL、1.7mmol)のDMF(1.6mL)溶液に、HATU(0.35g、0.93mmol)を加えた。氷冷下で15分間撹拌した後、反応溶液に、参考例化合物8(0.28g、0.85mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=8:2→酢酸エチルのみ)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物19)を0.24g(2段階収率65%)得た。
(実施例20)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、シクロヘキサノン(3.0g、31mmol)、シアン化カリウム(2.2g、34mmol)の水(5.6mL)溶液に、硫酸水溶液(40重量%、5.6mL)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物に、濃塩酸(60mL)を加えた。80℃下で16時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、粗生成物を4.0g得た。氷冷下、得られた粗生成物(0.16g)、参考例化合物8(0.15g、0.46mmol)、DIPEA(0.24mL、1.4mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、HATU(0.45g、0.60mmol)を加えた。室温下で2時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物20)を0.061g(2段階収率29%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、シクロヘキサノン(3.0g、31mmol)、シアン化カリウム(2.2g、34mmol)の水(5.6mL)溶液に、硫酸水溶液(40重量%、5.6mL)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物に、濃塩酸(60mL)を加えた。80℃下で16時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、粗生成物を4.0g得た。氷冷下、得られた粗生成物(0.16g)、参考例化合物8(0.15g、0.46mmol)、DIPEA(0.24mL、1.4mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、HATU(0.45g、0.60mmol)を加えた。室温下で2時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物20)を0.061g(2段階収率29%)得た。
(実施例21)
(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸の合成:
氷冷下、(R)−2−アミノブタン酸(2.0g、19mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.6g、19mmol)の1,4−ジオキサン:水(1,4−ジオキサン:水=3:10、26mL)混合溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(4.7g、21mmol)を加えた。室温下で120時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルムに溶解させ、1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(以下、参考例化合物27)を2.0g(定量的)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸の合成:
氷冷下、(R)−2−アミノブタン酸(2.0g、19mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.6g、19mmol)の1,4−ジオキサン:水(1,4−ジオキサン:水=3:10、26mL)混合溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(4.7g、21mmol)を加えた。室温下で120時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルムに溶解させ、1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(以下、参考例化合物27)を2.0g(定量的)得た。
〔ステップ2〕
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物27(0.20g、1.0mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物28)を0.47g(定量的)得た。
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物27(0.20g、1.0mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物28)を0.47g(定量的)得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−((R)−2−アミノブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物28(0.47g、0.91mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アミノブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物29)を0.38g(定量的)得た。
(R)−1−((R)−2−アミノブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物28(0.47g、0.91mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アミノブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物29)を0.38g(定量的)得た。
〔ステップ4〕
(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物29(0.091g、0.22mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物21)を0.085g(85%)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物29(0.091g、0.22mmol)を用いて実施例8〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−((R)−2−アセトアミドブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物21)を0.085g(85%)得た。
(実施例22)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物29(0.096g、0.23mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物22)を0.090g(79%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物29(0.096g、0.23mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物22)を0.090g(79%)得た。
(実施例23)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−シアノシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
1−シアノシクロプロパンカルボン酸(0.034g、0.31mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−シアノシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物23)を0.081g(63%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−シアノシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
1−シアノシクロプロパンカルボン酸(0.034g、0.31mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−シアノシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物23)を0.081g(63%)得た。
(実施例24)
(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((R)−2−アミノプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
室温下、参考例化合物8(0.35g、1.1mmol)、(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(0.37g、1.2mmol)、DIPEA(0.56mL、3.2mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、HATU(0.53g、1.4mmol)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:9)で精製し、粗生成物を0.53g得た。室温下、得られた粗生成物(0.53g)のDMF(4.0mL)溶液に、モルホリン(0.36mL、4.1mmol)を加えた。室温下で6時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−1−((R)−2−アミノプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物30)を0.29g(2段階収率67%)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−1−((R)−2−アミノプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
室温下、参考例化合物8(0.35g、1.1mmol)、(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(0.37g、1.2mmol)、DIPEA(0.56mL、3.2mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、HATU(0.53g、1.4mmol)を加えた。室温下で30分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:9)で精製し、粗生成物を0.53g得た。室温下、得られた粗生成物(0.53g)のDMF(4.0mL)溶液に、モルホリン(0.36mL、4.1mmol)を加えた。室温下で6時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、(R)−1−((R)−2−アミノプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物30)を0.29g(2段階収率67%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物30(0.10g、0.25mmol)、TEA(0.11mL、0.14mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、無水酢酸(0.032g、0.32mmol)を加えた。氷冷下で5分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→90:10)で精製し、(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物24)を0.11g(定量的)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物30(0.10g、0.25mmol)、TEA(0.11mL、0.14mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、無水酢酸(0.032g、0.32mmol)を加えた。氷冷下で5分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→90:10)で精製し、(R)−1−((R)−2−アセトアミドプロパノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物24)を0.11g(定量的)得た。
(実施例25)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物30(0.10g、0.25mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物25)を0.099g(83%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物30(0.10g、0.25mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−(メチルスルホンアミド)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物25)を0.099g(83%)得た。
(実施例26)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、イソブチリルクロリド(0.0062g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物26)を0.017g(71%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、イソブチリルクロリド(0.0062g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−イソブチルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物26)を0.017g(71%)得た。
(実施例27)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、ピバロイルクロリド(0.0064g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物27)を0.018g(73%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、ピバロイルクロリド(0.0064g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−ピバルアミドシクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物27)を0.018g(73%)得た。
(実施例28)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
8−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンの合成:
室温下、ジヒドロ−2H−ピラン4(3H)−オン(2.0g、20mmol)、炭酸アンモニウム(9.6g、0.10mol)、TEA(2.8mL、20mmol)の水:メタノール(水:メタノール=1:1、60mL)混合溶液に、シアン化カリウム(3.9g、60mmol)を加えた。加熱環流下で48時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、溶媒を半分程度留去し、析出した固体をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、8−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(以下、参考例化合物31)を1.4g(41%)得た。また、ろ液に、酸性になるまで濃塩酸を加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、参考例化合物31を0.80g(24%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
8−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンの合成:
室温下、ジヒドロ−2H−ピラン4(3H)−オン(2.0g、20mmol)、炭酸アンモニウム(9.6g、0.10mol)、TEA(2.8mL、20mmol)の水:メタノール(水:メタノール=1:1、60mL)混合溶液に、シアン化カリウム(3.9g、60mmol)を加えた。加熱環流下で48時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、溶媒を半分程度留去し、析出した固体をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、8−オキサ−1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(以下、参考例化合物31)を1.4g(41%)得た。また、ろ液に、酸性になるまで濃塩酸を加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、参考例化合物31を0.80g(24%)得た。
〔ステップ2〕
4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸の合成:
室温下、参考例化合物31(2.2g、13mmol)の水(30mL)溶液に水酸化カルシウム(3.0g、41mmol)を加えた。加熱環流下で48時間撹拌した後、反応溶液をセライトろ過し、ろ物を熱湯で洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を水:1,4−ジオキサン:メタノール(水:1,4−ジオキサン:メタノール=10:10:3、23mL)混合溶液に溶解させた。室温下、反応溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(3.4g、16mmol)、水酸化ナトリウム(0.50g、13mmol)を加えた。室温下で15時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、希塩酸(15mL)を加え、クロロホルム:メタノール(クロロホルム:メタノール=10:1)混合溶液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(以下、参考例化合物32)を2.6g(82%)得た。
4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸の合成:
室温下、参考例化合物31(2.2g、13mmol)の水(30mL)溶液に水酸化カルシウム(3.0g、41mmol)を加えた。加熱環流下で48時間撹拌した後、反応溶液をセライトろ過し、ろ物を熱湯で洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を水:1,4−ジオキサン:メタノール(水:1,4−ジオキサン:メタノール=10:10:3、23mL)混合溶液に溶解させた。室温下、反応溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(3.4g、16mmol)、水酸化ナトリウム(0.50g、13mmol)を加えた。室温下で15時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、希塩酸(15mL)を加え、クロロホルム:メタノール(クロロホルム:メタノール=10:1)混合溶液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(以下、参考例化合物32)を2.6g(82%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−tert−ブチル (4−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物32(0.082g、0.34mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (4−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバマート(以下、参考例化合物33)を0.10g(62%)得た。
(R)−tert−ブチル (4−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバマートの合成:
参考例化合物32(0.082g、0.34mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル (4−(3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバマート(以下、参考例化合物33)を0.10g(62%)得た。
〔ステップ4〕
(R)−1−(4−アミノテトラヒドロ−2H−ピランカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物33(0.10g、0.19mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(4−アミノテトラヒドロ−2H−ピランカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物34)を0.050g(58%)得た。
(R)−1−(4−アミノテトラヒドロ−2H−ピランカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物33(0.10g、0.19mmol)を用いて実施例1〔ステップ10〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(4−アミノテトラヒドロ−2H−ピランカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物34)を0.050g(58%)得た。
〔ステップ5〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物34(0.040g、0.088mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物28)を0.024g(5.1%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物34(0.040g、0.088mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(4−(メチルスルホンアミド)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物28)を0.024g(5.1%)得た。
(実施例29)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(シクロプロパンカルボキサミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
シクロプロパンカルボニルクロリド(0.0059g、0.057mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(シクロプロパンカルボキサミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物29)を0.012g(52%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(シクロプロパンカルボキサミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
シクロプロパンカルボニルクロリド(0.0059g、0.057mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(シクロプロパンカルボキサミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物29)を0.012g(52%)得た。
(実施例30)
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸メチルの合成:
氷冷下、(R)−2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(3.0g、19mmol)、TEA(8.1mL、58mmol)のメタノール(50mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(4.6g、21mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、反応溶液に、希塩酸を加えた。室温下で1時間環撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1→2:1)で精製し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(以下、参考例化合物35)を4.1g(97%)得た。
(R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸メチルの合成:
氷冷下、(R)−2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(3.0g、19mmol)、TEA(8.1mL、58mmol)のメタノール(50mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(4.6g、21mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、反応溶液に、希塩酸を加えた。室温下で1時間環撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=20:1→2:1)で精製し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(以下、参考例化合物35)を4.1g(97%)得た。
〔ステップ2〕
(S)−tert−ブチル (1,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)カルバメートの合成:
−78℃下、参考例化合物35(4.0g、18mmol)のジエチルエーテル(0.12L)溶液に、メチルマグネシウムブロミドジエチルエーテル溶液(3規定、30mL、91mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.1規定希塩酸、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→3:1)で精製し、(S)−tert−ブチル (1,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)カルバメート(以下、参考例化合物36)を2.8g(84%)得た。
(S)−tert−ブチル (1,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)カルバメートの合成:
−78℃下、参考例化合物35(4.0g、18mmol)のジエチルエーテル(0.12L)溶液に、メチルマグネシウムブロミドジエチルエーテル溶液(3規定、30mL、91mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.1規定希塩酸、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→3:1)で精製し、(S)−tert−ブチル (1,3−ジヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)カルバメート(以下、参考例化合物36)を2.8g(84%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の合成:
35℃下、参考例化合物36(2.8g、13mmol)、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(0.40g、2.6mmol)、標準中性リン酸緩衝液(45mL)のアセトニトリル(50mL)溶液に、次亜塩素酸ナトリウム(0.8g、0.64mmol)の水(5.0mL)溶液、亜塩素酸(2.4g、27mmol)の水(10mL)溶液を、同時に別々にゆっくり加えた。35℃下で3時間撹拌した後、反応溶液に、酢酸(1.0mL)を加えた。35℃下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解させ、酢酸エチルで洗浄した。水層に、3規定塩酸を加え、酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(以下、参考例化合物37)を2.5g(84%)得た。
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸の合成:
35℃下、参考例化合物36(2.8g、13mmol)、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(0.40g、2.6mmol)、標準中性リン酸緩衝液(45mL)のアセトニトリル(50mL)溶液に、次亜塩素酸ナトリウム(0.8g、0.64mmol)の水(5.0mL)溶液、亜塩素酸(2.4g、27mmol)の水(10mL)溶液を、同時に別々にゆっくり加えた。35℃下で3時間撹拌した後、反応溶液に、酢酸(1.0mL)を加えた。35℃下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解させ、酢酸エチルで洗浄した。水層に、3規定塩酸を加え、酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(以下、参考例化合物37)を2.5g(84%)得た。
〔ステップ4〕
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
室温下、参考例化合物8(0.30g、0.92mmol)、参考例化合物37(0.24g、1.0mmol)、DIPEA(0.35mL、2.0mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、HATU(0.42g、1.1mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物38)を0.44g(89%)得た。
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
室温下、参考例化合物8(0.30g、0.92mmol)、参考例化合物37(0.24g、1.0mmol)、DIPEA(0.35mL、2.0mmol)のDMF(2.0mL)溶液に、HATU(0.42g、1.1mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物38)を0.44g(89%)得た。
〔ステップ5〕
(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物38(0.44g、0.82mmol)のジクロロメタン(8.0mL)溶液に、TFA(1.8mL、23mmol)を加えた。室温下で2時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物39)を0.20g(58%)得た。
(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物38(0.44g、0.82mmol)のジクロロメタン(8.0mL)溶液に、TFA(1.8mL、23mmol)を加えた。室温下で2時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物39)を0.20g(58%)得た。
〔ステップ6〕
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物39(0.040g、0.090mmol)、DIPEA(0.035mL、0.20mmol)のジクロロメタン(0.30mL)溶液に、無水酢酸(0.010g、0.10mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物30)を0.029g(66%)得た。
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物39(0.040g、0.090mmol)、DIPEA(0.035mL、0.20mmol)のジクロロメタン(0.30mL)溶液に、無水酢酸(0.010g、0.10mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物30)を0.029g(66%)得た。
(実施例31)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物39(0.0083g、0.019mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物31)を0.0065g(70%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物39(0.0083g、0.019mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物31)を0.0065g(70%)得た。
(実施例32)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物39(0.040g、0.090mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物32)を0.038g(81%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物39(0.040g、0.090mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物32)を0.038g(81%)得た。
(実施例33)
(R)−1−(1−ブチルアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
ブチリルクロリド(0.0060g、0.057mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−ブチルアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物33)を0.018g(79%)得た。
(R)−1−(1−ブチルアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
ブチリルクロリド(0.0060g、0.057mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−1−(1−ブチルアミドシクロブタンカルボニル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物33)を0.018g(79%)得た。
(実施例34)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.021g、0.049mmol)、2−シクロプロピル酢酸(0.0059g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物34)を0.0065g(26%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物10(0.021g、0.049mmol)、2−シクロプロピル酢酸(0.0059g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロブタンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物34)を0.0065g(26%)得た。
(実施例35)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、2−シクロプロピル酢酸(0.0059g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物35)を0.0083g(35%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物14(0.020g、0.049mmol)、2−シクロプロピル酢酸(0.0059g、0.058mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(1−(2−シクロプロピルアセトアミド)シクロプロパンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物35)を0.0083g(35%)得た。
(実施例36)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸エチルの合成:
室温下、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル(1.0g、5.1mmol)のDMF(25mL)溶液に、炭酸セシウム(5.0g、15mmol)、1,2,4−トリアゾール−1−イドナトリウム(0.58g、6.2mmol)を加えた。50℃下で24時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸エチル(以下、参考例化合物40)を0.84g(89%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸エチルの合成:
室温下、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル(1.0g、5.1mmol)のDMF(25mL)溶液に、炭酸セシウム(5.0g、15mmol)、1,2,4−トリアゾール−1−イドナトリウム(0.58g、6.2mmol)を加えた。50℃下で24時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物に、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸エチル(以下、参考例化合物40)を0.84g(89%)得た。
〔ステップ2〕
2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウムの合成:
氷冷下、参考例化合物40(0.65g、3.6mmol)のエタノール(18mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.9mL、3.9mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウム(以下、参考例化合物41)を0.67g(定量的)得た。
2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウムの合成:
氷冷下、参考例化合物40(0.65g、3.6mmol)のエタノール(18mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.9mL、3.9mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮し、2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウム(以下、参考例化合物41)を0.67g(定量的)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物41(0.090g、0.51mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3(以下、実施例化合物36)を0.12g(54%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物41(0.090g、0.51mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3(以下、実施例化合物36)を0.12g(54%)得た。
(実施例37)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸エチルの合成:
1H−ピラゾール(0.42g、6.2mmol)を用いて実施例36〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸エチル(以下、参考例化合物42)を0.81g(87%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸エチルの合成:
1H−ピラゾール(0.42g、6.2mmol)を用いて実施例36〔ステップ1〕と同様の反応を行うことにより、2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸エチル(以下、参考例化合物42)を0.81g(87%)得た。
〔ステップ2〕
2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウムの合成:
参考例化合物42(0.81g、4.5mmol)を用いて実施例36〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウム(以下、参考例化合物43)を0.80g得た。
2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウムの合成:
参考例化合物42(0.81g、4.5mmol)を用いて実施例36〔ステップ2〕と同様の反応を行うことにより、2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸ナトリウム(以下、参考例化合物43)を0.80g得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物43(0.090g、0.51mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物37)を0.16g(68%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物43(0.090g、0.51mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−(2−メチル−2−(1H−ピラゾール−1−イル)プロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物37)を0.16g(68%)得た。
(実施例38)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
2,4−ジクロロベンジルアミン(1.5g、8.5mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物44)を2.6g(定量的)得た。
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
2,4−ジクロロベンジルアミン(1.5g、8.5mmol)を用いて実施例1〔ステップ6〕と同様の反応を行うことにより、(R)−tert−ブチル 3−((2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物44)を2.6g(定量的)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物44(2.6g、6.7mmol)を用いて実施例1〔ステップ8〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物45)を1.8g(95%)得た。
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物44(2.6g、6.7mmol)を用いて実施例1〔ステップ8〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物45)を1.8g(95%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物45(0.10g、0.35mmol)を用いて実施例20と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物38)を0.030g(24%)得た。
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物45(0.10g、0.35mmol)を用いて実施例20と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物38)を0.030g(24%)得た。
(実施例39)
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−(2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物37(0.089g、0.38mmol)、参考例化合物45(0.10g、0.35mmol)、DIPEA(0.20mL、1.1mmol)のDMF(0.70mL)溶液に、HATU(0.16g、0.42mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−(2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物46)を0.15g(82%)得た。
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−(2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマートの合成:
氷冷下、参考例化合物37(0.089g、0.38mmol)、参考例化合物45(0.10g、0.35mmol)、DIPEA(0.20mL、1.1mmol)のDMF(0.70mL)溶液に、HATU(0.16g、0.42mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=7:3→4:6)で精製し、tert−ブチル ((R)−1−((R)−3−(2,4−ジクロロベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−イル)−3−ヒドロキシ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(以下、参考例化合物46)を0.15g(82%)得た。
〔ステップ2〕
氷冷下、参考例化合物46(0.70g、1.7mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、TFA(1.0mL、13mmol)を加えた。室温下で2.5時間撹拌した後、反応溶液に、TFA(1.0mL、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物47)を0.47g(84%)得た。
氷冷下、参考例化合物46(0.70g、1.7mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、TFA(1.0mL、13mmol)を加えた。室温下で2.5時間撹拌した後、反応溶液に、TFA(1.0mL、13mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−1−((R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物47)を0.47g(84%)得た。
〔ステップ3〕
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)、TEA(0.014mL、0.099mmol)のジクロロメタン(0.15mL)溶液に、無水酢酸(0.0056g、0.055mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物39)を0.021g(96%)得た。
((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)、TEA(0.014mL、0.099mmol)のジクロロメタン(0.15mL)溶液に、無水酢酸(0.0056g、0.055mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1→95:5)で精製し、((R)−1−((R)−2−アセトアミド−3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物39)を0.021g(96%)得た。
(実施例40)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物40)を0.018g(77%)得た。
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)を用いて実施例1〔ステップ11〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロピオンアミドブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物40)を0.018g(77%)得た。
(実施例41)
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物41)を0.020g(85%)得た。
(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
参考例化合物47(0.020g、0.050mmol)を用いて実施例2〔ステップ3〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−1−((R)−3−ヒドロキシ−3−メチル−2−(メチルスルホンアミド)ブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物41)を0.020g(85%)得た。
(実施例42)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシプロパン酸ナトリウム(0.019g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物42)を0.045g(74%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシプロパン酸ナトリウム(0.019g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシプロパノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物42)を0.045g(74%)得た。
(実施例43)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシブタン酸(0.017g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物43)を0.056g(89%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシブタン酸(0.017g、0.17mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物43)を0.056g(89%)得た。
(実施例44)
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(0.018g、0.15mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物44)を0.042g(64%)得た。
(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
(R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(0.018g、0.15mmol)を用いて実施例1〔ステップ9〕と同様の反応を行うことにより、(R)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−1−((R)−2−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、実施例化合物44)を0.042g(64%)得た。
(比較例1) (R)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
氷冷下、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(20g、87mmol)のTHF(1.0L)溶液に、DMF(0.68mL、8.7mmol)、オキサリルクロリド(8.0mL、92mmol)を内温が5℃を超えないように加えた。氷冷下で30分間撹拌した後、−25℃下、反応溶液に、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(15g、92mmol)、ピリジン(15mL、0.18mmol)のTHF(0.10L)溶液を内温が−20℃を超えないように加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、飽和塩化ナトリウム水溶液を内温が5℃を超えないように加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物に、ヘキサンを加えた。析出した固体をろ取し、ろ液を減圧濃縮した。同様の精製操作を2回繰り返した。得られた固体を合わせ、(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物48)を26g(80%)得た。
〔ステップ1〕
(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラートの合成:
氷冷下、(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(20g、87mmol)のTHF(1.0L)溶液に、DMF(0.68mL、8.7mmol)、オキサリルクロリド(8.0mL、92mmol)を内温が5℃を超えないように加えた。氷冷下で30分間撹拌した後、−25℃下、反応溶液に、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(15g、92mmol)、ピリジン(15mL、0.18mmol)のTHF(0.10L)溶液を内温が−20℃を超えないように加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、飽和塩化ナトリウム水溶液を内温が5℃を超えないように加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物に、ヘキサンを加えた。析出した固体をろ取し、ろ液を減圧濃縮した。同様の精製操作を2回繰り返した。得られた固体を合わせ、(R)−tert−ブチル 3−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(以下、参考例化合物48)を26g(80%)得た。
〔ステップ2〕
(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物48(1.5g、4.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、TFA(2.2mL、28mmol)を加えて、室温下撹拌した。2時間後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水を加えて、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物49)を0.95g(87%)得た。
(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物48(1.5g、4.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、TFA(2.2mL、28mmol)を加えて、室温下撹拌した。2時間後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水を加えて、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、(R)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、参考例化合物49)を0.95g(87%)得た。
〔ステップ3〕
(R)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物49(0.13g、0.46mmol)、1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(0.079g、0.55mmol)、DIPEA(0.24mL、1.4mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、HATU(0.23g、0.60mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→3:7)で精製し、(R)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、比較例化合物1)を0.058g(32%)得た。
(R)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
氷冷下、参考例化合物49(0.13g、0.46mmol)、1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(0.079g、0.55mmol)、DIPEA(0.24mL、1.4mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、HATU(0.23g、0.60mmol)を加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液に、水、1規定塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=9:1→3:7)で精製し、(R)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、比較例化合物1)を0.058g(32%)得た。
(比較例2) (R)−1−(2−アセトアミドアセチル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミドの合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.31mmol)、N−アセチルグリシン(0.036g、0.31mmol)、DIPEA(0.16mL、0.92mmol)のDMF(5mL)溶液にHATU(0.14g、0.37mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、1規定希塩酸を加え、ヘキサン:酢酸エチル(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)混合溶媒で抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をジエチルエーテル(1.0mL)に溶解させ、ヘキサン(4.0mL)を加えた。析出したゲル状物質をろ取し、(R)−1−(2−アセトアミドアセチル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、比較例化合物2)を0.040g(31%)得た。
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.31mmol)、N−アセチルグリシン(0.036g、0.31mmol)、DIPEA(0.16mL、0.92mmol)のDMF(5mL)溶液にHATU(0.14g、0.37mmol)を加えた。室温下で14時間撹拌した後、氷冷下、反応溶液に、1規定希塩酸を加え、ヘキサン:酢酸エチル(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)混合溶媒で抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をジエチルエーテル(1.0mL)に溶解させ、ヘキサン(4.0mL)を加えた。析出したゲル状物質をろ取し、(R)−1−(2−アセトアミドアセチル)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピペリジン−3−カルボキサミド(以下、比較例化合物2)を0.040g(31%)得た。
表1−1〜表1−6には、実施例化合物1〜44の物性データを示し、表2には、比較例化合物1〜2の物性データを示し、表3−1〜表3−5には、参考例化合物1〜49の物性データを示した。なお、表中のN.D.は「データなし」を表す。
1H−NMRデータにおいて、プロトン積分値が整数でないものは、回転異性体の存在などによるものである。
1H−NMRデータ中の溶媒名は、測定に使用した溶媒を示している。また、400 MHzNMRスペクトルは、JNM−AL400型核磁気共鳴装置(日本電子社)を用いて測定した。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準としてδ(単位:ppm)で表し、シグナルはそれぞれs(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、brs(幅広)、dd(二重二重線)、dt(二重三重線)、ddd(二重二重二重線)、dq(二重四重線)、td(三重二重線)又はtt(三重三重線)で表した。溶媒は全て市販のものを用いた。ESI−MSスペクトルは、Agilent Technologies 1200 Series、G6130A(AgilentTechnology社)を用いて測定した。
(実施例45) ニペコチン酸誘導体(I)のIn vitroにおけるsEH阻害活性:
公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75)記載の方法に基づき、ヒトsEHを用いて、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩のsEH阻害活性を評価した。
公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75)記載の方法に基づき、ヒトsEHを用いて、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩のsEH阻害活性を評価した。
リコンビナント・ヒトsEH(最終濃度0.026μg/mL;Cayman社)を、被験化合物とともに、0.1mg/mL BSAを含む25mM Bis−Tris−HCl緩衝液(pH7.0)中にて室温で30分間インキュベートした。その後、蛍光基質としてシアノ(6−メトキシナフタレン−2−イル)メチル 2−(3−フェニルオキシラン−2−イル)アセタート(最終濃度6.25μmol/L;Cayman社)を加え、さらに室温で20分間インキュベートし、ZnSO4(最終濃度0.2mol/L)を加え反応を停止させ、蛍光強度(Fusionα(パッカード社);Excitation:330nm、Emission:485nm)を測定した。
sEH非添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を0%sEH酵素反応率とし、sEH添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を100%sEH酵素反応率として、得られた蛍光強度から、各被験化合物の各sEH酵素反応率を算出し、IC50を求めた。その結果を表4に示す。
その結果、実施例化合物1〜44は、比較例化合物1及び2と比較して、ヒトsEHの酵素反応に対して非常に強い阻害活性を示した。
したがって、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩が、ヒトsEHの酵素反応に対して非常に強い阻害活性を示すことが明らかとなった。
(実施例46) ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルにおけるニペコチン酸誘導体(I)の効果:
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)に、実施例化合物1、2又は31を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)に、実施例化合物1、2又は31を投与し、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
1)実施例化合物1のラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの心肺機能、右心室肥大、肺肥大、肺動脈肥厚、肺における細胞増殖及び心筋肥大に対する効果:
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、モノクロタリン投与日から24日間、実施例化合物1(3、10及び30mg/kg)又は陽性対照化合物タダラフィル(10mg/kg)を1日1回経口投与した。実施例化合物1及びタダラフィルは、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物1を、3、10及び30mg/kgの投与量で投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」、「実施例化合物1(10mg/kg)投与群」及び「実施例化合物1(30mg/kg)投与群」とした。また、タダラフィルを10mg/kgの投与量で投与した群を、「タダラフィル投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与の翌日に、右心室収縮期圧、全身収縮期血圧及び心拍数を測定した。右心室収縮期圧及び全身収縮期血圧は、血圧測定用アンプ(日本光電工業株式会社)を用いて測定し、心拍数は、瞬時心拍計ユニット(日本光電工業株式会社)を用いて測定した。また、同日に、体重、肺湿重量、並びに、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))及び肺重量比(肺重量/体重)を求めた。
また、肺は湿重量測定後にホルマリン液に浸漬し保存した。ホルマリン液で固定した肺をパラフィンに包埋後、切片を作製し、抗sEH抗体を用いて免疫染色組織標本を作製し、sEH発現を検討した。また、エラスチカ・ワンギーソン染色による病理組織標本を作製し、肺動脈肥厚を検討した。また、抗PCNA抗体を用いて免疫染色組織標本を作製し、細胞増殖を検討した。また、右心室は湿重量測定後にホルマリン液に浸漬し保存した。ホルマリン液で固定した右心室をパラフィンに包埋後、切片を作製し、HE染色による病理組織標本を作製し、心筋肥大を検討した。
さらに、摘出した肺を緩衝液中で破砕後、14,15―EET及び14,15―DHETを抽出した。抽出した14,15―EETを加水分解し、14,15―DHETへと変換し、ELISA法を用いて14,15―DHET濃度を測定した。加水分解反応の前後で増加した14,15―DHET濃度を14,15―EET濃度とし、14,15―EET/14,15―DHET比を求めた。
肺高血圧症におけるsEH発現を検討した結果、肺高血圧症誘発群の肺では、正常群の肺に比べて、病変部位でsEHの発現が認められた。したがって、sEHの発現は、肺高血圧症の肺の病変部位で亢進することが示された。
被験化合物最終投与の翌日の右心室収縮期圧、右心室重量比及び肺重量比について、結果を図1〜3に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は各測定値(平均値±標準誤差、n=10)を示す。図中の*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(Dunnett’s検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧は、正常群の右心室収縮期圧と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、肺高血圧症の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群の右心室収縮期圧は、肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(図1)。したがって、実施例化合物1が、肺動脈圧上昇を認める肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが示された。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(図2)。したがって、実施例化合物1が、右心室肥大を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
肺高血圧症対照群の肺重量比は、正常群の肺重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、肺肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(10mg/kg)投与群の肺重量比は、肺高血圧症対照群の肺重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(図3)。したがって、実施例化合物1が、肺肥大を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
一方、実施例化合物1(3mg/kg)投与群、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物1(30mg/kg)投与群の、心拍数及び全身収縮期血圧については、肺高血圧症対照群の心拍数及び全身収縮期血圧と比較して、いずれも有意な差は認められなかった(Dunnett’s検定、p<0.05)。したがって、実施例化合物1が、肺高血圧症において心拍数及び全身血圧に作用しないことが示された。
肺高血圧症における肺動脈肥厚を検討した結果、肺高血圧症対照群の肺では、正常群の肺に比べて、肺動脈肥厚が認められた。一方、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の肺では、肺高血圧症対照群の肺に比べて、肺動脈肥厚は認められなかった。したがって、実施例化合物1が、肺動脈肥厚を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
肺高血圧症における細胞増殖を検討した結果、肺高血圧症対照群の肺では、正常群の肺に比べて、細胞増殖が認められた。一方、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の肺では、肺高血圧症対照群の肺に比べて、細胞増殖は認められなかった。したがって、実施例化合物1が、肺における細胞増殖を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
肺高血圧症における心筋肥大を検討した結果、肺高血圧症対照群の右心室では、正常群の右心室に比べて、心筋肥大が認められた。一方、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の右心室では、肺高血圧症対照群の右心室に比べて、心筋肥大は認められなかった。したがって、実施例化合物1が、心筋肥大を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
肺高血圧症における14,15−EET/14,15−DHET比を検討した結果、肺高血圧症対照群の肺における14,15−EET/14,15−DHET比は、正常群の肺における14,15−EET/14,15−DHET比と比較して、低値を示した。したがって、肺高血圧症の肺では、14,15−EET/14,15−DHET比が低下することが示された。一方、実施例化合物1(10mg/kg)投与群の肺における14,15−EET/14,15−DHET比は、肺高血圧症対照群の肺における14,15−EET/14,15−DHET比と比較して、高値を示した。したがって、実施例化合物1が、肺高血圧症の肺における14,15−EET/14,15−DHET比を増加させることが示された。
2)実施例化合物1のラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの病態進行期からの投与による右心室肥大に対する効果:
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、実施例化合物1(3及び10mg/kg)又は陽性対照化合物タダラフィル(10mg/kg)を1日1回経口投与した。実施例化合物1(3及び10mg/kg)は、モノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間投与した。タダラフィル(10mg/kg)は、モノクロタリン投与日から28日間又は29日間投与した。実施例化合物1及びタダラフィルは、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物1を3及び10mg/kgの投与量で投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」及び「実施例化合物1(10mg/kg)投与群」とした。また、タダラフィルを10mg/kgの投与量で投与した群を、「タダラフィル投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与日に、ラットを麻酔下で腹大静脈より採血し、続けて安楽死させた後、心臓を摘出し、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。また、採取した血液中の14,15−DHET濃度をELISA法を用いて測定した。また、採取した血液に一定量の14,15−EETを添加し37℃で30分間反応させ、産生された14,15−DHET量をELISA法を用いて測定することで、血液中のsEH活性を求めた。
肺高血圧症対照群の血液中の14,15−DHET濃度及びsEH活性は、正常群の血液中の14,15−DHET濃度及びsEH活性に比べて高値を示した。したがって、肺高血圧症では、14,15−DHET濃度が上昇すること及びsEH活性が亢進することが示された。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について、結果を図4に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=10)を示す。図中の*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示した(t検定、p<0.05)。したがって、肺高血圧症対照群は、右心室肥大の病態を呈していることが示された。一方、実施例化合物1(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(t検定、p<0.05)(図4)。したがって、実施例化合物1は、肺高血圧症の病態進行期から投与しても、右心室肥大を認める肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが示された。
3)実施例化合物1のラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの全身血圧に対する作用:
モノクロタリン投与肺高血圧症モデルラットに、実施例化合物1を単回投与し、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の投与直後からの全身血圧に対する作用を評価した。
モノクロタリン投与肺高血圧症モデルラットに、実施例化合物1を単回投与し、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の投与直後からの全身血圧に対する作用を評価した。
ラット(SD系、雄性、11週齢;日本チャールス・リバー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた。
モノクロタリン投与7日後に、肺高血圧症を誘発させたラットを麻酔し、股部及び背頸部を除毛し、イソジン液を用いて術野を消毒した。股部及び背頸部皮膚を切開後、ピンセットを用いて鈍性に股部の筋層を切開し、大腿動脈を剥離露出した後、小切開しポリエチレンチューブを挿入留置した。モノクロタリン投与9日後に、大腿動脈に挿入したチューブに血圧トランスデューサーを接続し、血圧はBlood Pressure Amplifierにて増幅させ、心拍数は脈波形をトリガーとしHeart Rate Counterを介し、いずれもPower Labシステムにて波形を得た。全身血圧及び心拍数が安定したことを確認した。全身血圧が安定したことを確認した後、実施例化合物1を10mg/kgの投与量で単回経口投与した。なお、実施例化合物1は、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物1を投与した群を、「実施例化合物1投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症を誘発させたラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。実施例化合物1又は0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液の投与直後から投与1、2、3、4、5及び6時間後までの全身平均血圧を測定した。
その結果、実施例化合物1投与群の全身平均血圧は、肺高血圧症対照群の全身平均血圧と比較して、有意な差は認められなかった。したがって、実施例化合物1が、肺高血圧症において投与直後から全身血圧に作用しないことが示された。
4)実施例化合物2のラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの心肺機能及び右心室肥大に対する効果:
被験化合物が異なる点を除いて、実施例46の1)と同じ方法で、ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルに対する実施例化合物2の効果を評価した。
被験化合物が異なる点を除いて、実施例46の1)と同じ方法で、ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルに対する実施例化合物2の効果を評価した。
実施例46の1)と同じ方法で作製した、「肺高血圧症誘発群」のラットに、モノクロタリン投与日から24日間、実施例化合物2(10mg/kg)又は陽性対照化合物タダラフィル(10mg/kg)を1日1回経口投与した。実施例化合物2及びタダラフィルは、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物2を、10mg/kgの投与量で投与した群を、「実施例化合物2投与群」とし、タダラフィルを10mg/kgの投与量で投与した群を、「タダラフィル投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を、同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、モノクロタリン投与していない「正常群」にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
実施例46の1)と同様に、被験化合物最終投与の翌日に、右心室収縮期圧、全身収縮期血圧及び心拍数を測定した。また、同日に、体重、肺湿重量、並びに、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))及び肺重量比(肺重量/体重)を求めた。
その結果を図5〜7に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は各測定値(平均値±標準誤差、n=10)を示す。図中の*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(Dunnett’s検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧は、正常群の右心室収縮期圧と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、肺高血圧症の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物2投与群の右心室収縮期圧は、肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(図5)。したがって、実施例化合物2が、肺動脈圧上昇を認める肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが示された。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物2投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(図6)。したがって、実施例化合物2が、右心室肥大を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
肺高血圧症対照群の肺重量比は、正常群の肺重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、肺肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物2投与群の肺重量比は、肺高血圧症対照群の肺重量比と比較して、低値を示した(図7)。したがって、実施例化合物2が、肺肥大を認める肺高血圧症の病態に対しても治療効果を有することが示された。
一方、実施例化合物2投与群の、心拍数及び全身収縮期血圧については、肺高血圧症対照群の心拍数及び全身収縮期血圧と比較して、いずれも有意な差は認められなかった(Dunnett’s検定、p<0.05)。したがって、実施例化合物2が、肺高血圧症において心拍数及び全身血圧に作用しないことが示された。
5)実施例化合物31のラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの右心室肥大に対する効果:
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、モノクロタリン投与日から29日間又は30日間、実施例化合物31(3mg/kg及び10mg/kg)を1日1回経口投与した。実施例化合物31は、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物31を、3mg/kg及び10mg/kgの投与量で投与した群をそれぞれ「実施例化合物31(3mg/kg)投与群」及び「実施例化合物31(10mg/kg)投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与日に、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について調べた結果を図8に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=7〜18)を示す。図中の#印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(t検定、p<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物31(3mg/kg)投与群及び実施例化合物31(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、低値を示した(図8)。したがって、実施例化合物31が、右心室肥大を認める肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが示された。
実施例46の1)、2)、3)、4)及び5)の結果から、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩が、肺高血圧症に対して治療効果を示すことが明らかとなった。
(実施例47) ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルにおける、ニペコチン酸誘導体(I)と、肺血管拡張薬であるホスホジエステラーゼ阻害剤又はエンドセリンレセプター拮抗剤との併用効果:
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)に、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬であるホスホジエステラーゼ阻害剤又はエンドセリンレセプター拮抗剤とを、併用投与することによる肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)に、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬であるホスホジエステラーゼ阻害剤又はエンドセリンレセプター拮抗剤とを、併用投与することによる肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩としては、実施例化合物1及び実施例化合物31を選択した。また、ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、タダラフィルを選択した。エンドセリンレセプター拮抗剤としては、アンブリセンタンを選択した。
1)ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルの右心室肥大に対する、実施例化合物1とタダラフィルとの併用投与(同時投与)の効果:
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、実施例化合物1(10mg/kg)若しくはタダラフィル(10mg/kg)を単独で、又は、実施例化合物1(10mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)とを併用して、モノクロタリン投与日から24日間、1日1回経口投与した。実施例化合物1又はタダラフィルの単独投与用の投与液は、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液にそれぞれ懸濁して調製した。また、併用投与用の投与液は、実施例化合物1とタダラフィルとを0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に混合懸濁して調製した。
実施例化合物1を10mg/kgの投与量で投与した群を「実施例化合物1(10mg/kg)投与群」とした。タダラフィルを10mg/kgの投与量で投与した群を、「タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。10mg/kgの実施例化合物1と、10mg/kgのタダラフィルとを併用で投与した群を「実施例化合物1(10mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与日に、ラットをイソフルラン麻酔下で放血致死により安楽死させた後、心臓を摘出し、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について、結果を図9に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=5〜6)を示す。図中の#印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示し(t検定、p<0.05)、*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(t検定、P<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(10mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及びタダラフィル(10mg/kg)投与群と比較して低値を示し、さらに、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(t検定、p<0.05)(図9)。したがって、実施例化合物1とタダラフィルとを組み合わせて投与することによって、肺高血圧症の病態に対して優れた治療効果が得られることが示された。
2)タダラフィルを投与しているラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルにおける、実施例化合物1の病態進行期からの併用投与(追加投与)による効果:
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、実施例化合物1(3mg/kg)若しくはタダラフィル(10mg/kg)を単独で、又は、実施例化合物1(3mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)とを併用(タダラフィルを先行投与開始し、実施例化合物1を追加で投与)して投与した。実施例化合物1(3mg/kg)単独投与は、モノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間、1日1回経口投与した。タダラフィル(10mg/kg)単独投与は、モノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。実施例化合物1(3mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)との併用投与は、実施例化合物1(3mg/kg)をモノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間、1日1回経口投与し、タダラフィル(10mg/kg)をモノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。実施例化合物1(3mg/kg)又はタダラフィル(10mg/kg)を単独投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」及び「タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。また、実施例化合物1(3mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)との併用投与群を、「実施例化合物1(3mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。なお、実施例化合物1及びタダラフィルは、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、実施例化合物1(3mg/kg)投与群に実施例化合物1の投与開始までの期間、及び、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与日に、ラットをイソフルラン麻酔下で放血致死により安楽死させた後、心臓を摘出し、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
また、被験化合物最終投与日に肺も摘出し、肺を湿重量測定後にホルマリン液に浸漬し保存した。ホルマリン液で固定した肺をパラフィンに包埋後、エラスチカ・ワンギーソン染色による病理組織標本を作製し、肺動脈中膜厚を測定し、肺動脈中膜厚比((肺動脈中膜厚×2/肺動脈直径)×100)を求めた。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について、結果を図10に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=6〜12)を示す。図中の#印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示し(t検定、p<0.05)、*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(t検定、P<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(3mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の右心室重量比及びタダラフィル(10mg/kg)投与群の右心室重量比と比較して低値を示し、さらに、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(t検定、p<0.05)(図10)。
被験化合物最終投与日の肺動脈中膜厚比について、結果を表5に示す。表の値は肺動脈中膜厚比(%)(平均値±標準偏差、n=6〜12)を示す。図中の##印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示し(t検定、p<0.01)、**印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(steel検定、p<0.01)。
肺高血圧症対照群の肺動脈中膜厚比は、正常群の肺動脈中膜厚比に比べて、統計学的に有意に高値を示し(t検定、p<0.01)、肺動脈肥厚の病態を呈していることが認められた。また、実施例化合物1(3mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群の肺動脈中膜厚比は、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の肺動脈中膜厚比及びタダラフィル(10mg/kg)投与群の肺動脈中膜厚比と比較して低値を示し、さらに、肺高血圧症対照群の肺動脈中膜厚比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(steel検定、p<0.01)(表5)。
したがって、タダラフィルを先行して投与し、実施例化合物1を肺高血圧症の病態進行期からタダラフィルと併用投与することにより、肺高血圧症の病態に対して優れた治療効果が得られることが示された。
3)アンブリセンタンを投与しているラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルにおける、実施例化合物1の病態進行期からの併用投与(追加投与)による効果:
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、実施例化合物1(3mg/kg)若しくはアンブリセンタン(35mg/kg)を単独で、又は、実施例化合物1(3mg/kg)とアンブリセンタン(35mg/kg)とを併用(アンブリセンタンを先行投与開始し、実施例化合物1を追加で投与)して投与した。実施例化合物1(3mg/kg)単独投与は、モノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間、1日1回経口投与した。アンブリセンタン(35mg/kg)単独投与は、モノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。実施例化合物1(3mg/kg)とアンブリセンタン(35mg/kg)との併用投与は、実施例化合物1(3mg/kg)をモノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間、1日1回経口投与し、アンブリセンタンをモノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。実施例化合物1(3mg/kg)又はアンブリセンタン(35mg/kg)を単独投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」及び「アンブリセンタン(35mg/kg)投与群」とした。また、実施例化合物1(3mg/kg)とアンブリセンタン(35mg/kg)との併用投与群を「実施例化合物1(3mg/kg)+アンブリセンタン(35mg/kg)投与群」とした。なお、実施例化合物1及びアンブリセンタンは、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、実施例化合物1(3mg/kg)投与群に実施例化合物1の投与開始までの期間、及び、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与日に、ラットをイソフルラン麻酔下で放血致死により安楽死させた後、心臓を摘出し、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について、結果を図11に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=6〜12)を示す。図中の#印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示し(t検定、p<0.05)、*印及び**印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、*印:p<0.05、**印:p<0.01)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(t検定、P<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(3mg/kg)+アンブリセンタン(35mg/kg)投与群の右心室重量比は、実施例化合物1(3mg/kg)投与群の右心室重量比及びアンブリセンタン(35mg/kg)投与群の右心室重量比と比較して低値を示し、さらに、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(t検定、p<0.01)(図11)。したがって、アンブリセンタンを先行して投与し、実施例化合物1を病態進行期からアンブリセンタンと併用投与することにより、肺高血圧症の病態に対して優れた治療効果が得られることが示された。
4)タダラフィルを投与しているラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルにおける、実施例化合物31の病態進行期からの併用投与(追加投与)による効果:
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
ラット(Wistar系、雄性、6週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
肺高血圧症誘発群のラットに、タダラフィル(10mg/kg)を単独で、又は、実施例化合物31(10mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)とを併用(タダラフィルを先行投与開始し、実施例化合物31を追加で投与)して投与した。タダラフィル(10mg/kg)単独投与は、モノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。実施例化合物31(10mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)との併用投与は、実施例化合物31(10mg/kg)をモノクロタリン投与日の10日後から18日間又は19日間、1日1回経口投与し、タダラフィル(10mg/kg)をモノクロタリン投与日から28日間又は29日間、1日1回経口投与した。タダラフィル(10mg/kg)を単独投与した群を「タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。また、実施例化合物31(10mg/kg)とタダラフィル(10mg/kg)との併用投与群を、「実施例化合物31(10mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群」とした。なお、実施例化合物31及びタダラフィルは、それぞれ0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。
被験化合物最終投与の翌日に、ラットをイソフルラン麻酔下で放血致死により安楽死させた後、心臓を摘出し、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
被験化合物最終投与日の右心室重量比について、結果を図12に示す。図の横軸は各群を示し、縦軸は右心室重量比(平均値±標準誤差、n=9〜18)を示す。図中の#印は、正常群との比較で統計学的に有意であることを示し(t検定、p<0.05)、*印は、肺高血圧症対照群との比較で統計学的に有意であることを示す(t検定、p<0.05)。
肺高血圧症対照群の右心室重量比は、正常群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に高値を示し(t検定、P<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物31(10mg/kg)+タダラフィル(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、タダラフィル(10mg/kg)投与群の右心室重量比と比較して低値を示し、さらに、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(t検定、p<0.05)(図12)。
したがって、タダラフィルを先行して投与し、実施例化合物31を肺高血圧症の病態進行期からタダラフィルと併用投与することにより、肺高血圧症の病態に対して優れた治療効果が得られることが示された。
実施例47の1)、2)、3)及び4)の結果から、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬であるホスホジエステラーゼ阻害剤又はエンドセリンレセプター拮抗剤とを、併用投与することにより、肺高血圧症に対して優れた治療効果を示すことが明らかとなった。
本発明は、ニペコチン酸誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬とを有効成分として含有するものであり、肺高血圧症の治療剤又は予防剤として利用できる。
Claims (7)
- 以下の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩と、肺血管拡張薬と、を有効成分として含有する、肺高血圧症の治療剤又は予防剤。
- R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、一緒になって−(CH2)l−を表すが、同時に水素原子を表すことはなく、
R4は、ベンゼン環上の2位の置換基を表し、
R5は、ベンゼン環上の4位の置換基を表す、請求項1記載の治療剤又は予防剤。 - R1は、−N(R6)C(=O)R7又は−N(R6)S(=O)2R7を表し、
R4は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、
R5は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、
R6は、水素原子を表す、請求項1又は2記載の治療剤又は予防剤。 - 肺血管拡張薬と併用して用いられる、以下の一般式(I)で示されるニペコチン酸誘導体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、肺高血圧症の治療剤又は予防剤。
- R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、一緒になって−(CH2)l−を表すが、同時に水素原子を表すことはなく、
R4は、ベンゼン環上の2位の置換基を表し、
R5は、ベンゼン環上の4位の置換基を表す、請求項4記載の治療剤又は予防剤。 - R1は、−N(R6)C(=O)R7又は−N(R6)S(=O)2R7を表し、
R4は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、
R5は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基を表し、
R6は、水素原子を表す、請求項4又は5記載の治療剤又は予防剤。 - 前記肺血管拡張薬は、プロスタサイクリン誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤及び/又はエンドセリンレセプター拮抗剤である、請求項1〜6のいずれか一項記載の治療剤又は予防剤。
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