JPWO2015037639A1 - テープ剤の新規な基剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、粘着力が良好で、徐放化可能な非水系貼付剤組成物を提供することを目的とする。本発明の貼付剤は、粉体成分(充填剤等)の添加により、貼付剤の粘着力の向上を図ると共に、薬剤の放出性の向上を果たすことができた。その結果、貼付剤の粘着力が長時間維持されることにより、経皮吸収性の向上と徐放化を可能にすることが出来た。この粉体成分を含有する貼付剤組成物を使用することにより、どのような薬物であろうとも、薬物を有機溶媒あるいはイオン液体に溶解し、有機溶媒と共に薬液として、本発明の非水系貼付剤に含有させることにより、経皮吸収性と徐放性が共に向上した製剤を作製できるようになった。

Description

本発明は、充填剤を含有する基剤組成物に関するものである。特に、溶媒法で作製される非水系テープ剤の基剤組成物に関するものである。
薬物を含有する貼付剤組成物の作製のために、一般的には薬物を有機溶媒等に溶解し、更に留去し易いトルエンやヘキサン等の揮発性溶媒で希釈して粘着剤と混合し、それを伸展して揮発性溶媒を留去し、貼付剤組成物を作製すること(溶媒法)が行われている。その際に使用される有機溶媒は、薬物を溶解すると共に、経皮吸収促進剤としての機能を果たすものが使用されている。
しかし、薬物を溶解させるために有機溶媒が多く使用されると、粘着剤層が軟化するため、テープ剤の接着力が低下したり、テープ剤を皮膚から剥離する時に粘着剤の一部が皮膚に残存することがおきる。これを回避するため、有機溶媒が多い場合には充填剤を添加して、粘着力の回復が行なわれている(特許文献1)。
近年、薬物の溶解液あるいは経皮吸収促進剤として脂肪酸系イオン液体を使用する試みが行なわれている(特許文献2)。しかし、テープ剤の基剤は、SIS系の親油性膏体基剤であるため、塩の形である極性が高い脂肪酸系イオン液体とは親和性が悪く、基剤の中に充分混和し難い傾向が見られる。そのため、脂肪酸系イオン液体を主に含有する薬効成分溶液は、親油性膏体基剤から分離し易い傾向が見られた。
これらの課題を解決するための方法がこれまで色々検討されてはいるが、抜本的な方法はほとんど見出されていない状況である。
特開平7−215850号公報 再公表2009−066457号公報
本発明では、粘着剤層と有機溶媒の両方に溶解しない充填剤を使用して、それが分散した親油性膏体基剤(粘着剤層)を作製することによって、基剤と充填剤との間の空間(空隙)あるいは充填剤同士の会合に基づく空間(空隙)を形成させた新たな親油性膏体基剤(粘着剤層)を提供することを目的とする。更に、充填剤により形成された空間(空隙)を利用し、薬効成分を溶解した薬液を担持させ、テープ剤の粘着性と薬剤の放出性が改良された、非水系テープ剤用の膏体基剤(粘着剤層)を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の脂肪酸系イオン液体を含有する非水系貼付剤(テープ剤)に、充填剤(紛体)を添加すると、粘着剤層の粘着力が向上すると共に、薬液の放出性、徐放性が達成できることを見出した(PCT/JP2013/66765)。そこで、本発明者らは、添加する充填剤(紛体)の材質や添加量を検討し、更に充填剤の組み合わせやその組成等を検討し、以下の知見を得ることができた。
a)膏体基剤(粘着剤層)中に溶媒を保持するための空間(空隙)を充填剤(紛体)で形成するためには、紛体のかさ密度を指標として、膏体基剤(粘着剤層)の重量に対して、概略、以下の数1の紛体の添加量が必要であることを見出した。
Figure 2015037639
b)充填剤(紛体)を会合させて空間(空隙)を形成させるには、単一の粉体でも複数の粉体でもよいが、複数の粉体を組み合わせる場合には、粒子径が大きい粉体と粒子径が小さい粉体を混合して使用することが望ましい。その際、粒子径の大きい(かさ密度が小さい)粉体が含量として20〜30%の範囲で組み合わせることが望ましいことを見出した。
c)充填剤(紛体)を会合させて空間(空隙)は、即ち、溶媒を保持できる容量を表わすものであるが、概略、以下の数2の溶媒量(容積)を超えると、溶媒が粘着剤層の表面に浮き出すことになるので、粘着力が低下する。
Figure 2015037639
d)上記組成を変動させた粉体含有の非水系テープ剤を作製することにより、図13に示されるように、薬剤の即放出性と徐放性の2つの特徴をコントロールして、所望の放出性を持った製剤を作成することができる。
そこで、本発明者らは、イオン液体や有機溶媒との混合物を使用した場合でも、親油性の膏体と有機溶媒・イオン液体の双方に溶解しない粉体を添加すると、粉体間の空隙、粉体と膏体間の空隙に薬剤を溶解した薬液が保持され、膏体から薬液の遊離がなくなった。その結果、テープ剤表面に薬液があまり浮き出て来なくなり、テープ剤の粘着力が向上すると共に、薬剤の放出性が向上することを見出した。また、イオン液体等が液滴として親油性膏体基剤(粘着剤層)膏体に包含される場合であっても、粉体を添加することにより、粉体間の空隙、あるいは粉体と膏体間の空隙を伝わって薬液が膏体表面に放出されることになり、薬剤放出性が向上することを見出した。
本発明者らは、以上の知見に基づいて、本件発明を完成した。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)薬剤と有機溶媒と親油性膏体基剤に溶解しない粉体を、以下の数3に記載の範囲で含有する非水系貼付製剤組成物。
Figure 2015037639
(2)上記粉体が結晶セルロース、無水ケイ酸、でんぷん、カルメロース,カルメロース金属塩,カオリン,カンテン,カラギーナン,ペクチン,粉糖の中から、一つ以上が選択される、上記(1)に記載の非水系貼付剤組成物。
(3)上記粉体が、混合紛体である、上記(1)または(2)に記載の非水系貼付剤組成物。
(4)上記混合紛体が無水ケイ酸を20〜30w/w%の組成である、上記(3)に記載の非水系貼付剤組成物。
(5)有機溶媒として、脂肪酸系イオン液体及び/又はサリチル酸系イオン液体を含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
(6)脂肪酸系イオン液体が、炭素数3〜22の飽和または不飽和の脂肪酸と炭素数6〜9のアルカノールアミンとの等モル塩である、上記(5)に記載の非水系貼付剤組成物。
(7)炭素数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が更に添加されている、上記(5)又は(6)に記載の非水系貼付剤組成物。
(8)上記炭素数3〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が、乳酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸の中から一つ以上が選択されるものである、上記(7)に記載の非水系貼付剤組成物。
(9)上記アルカノールアミンが、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンの中から一つ以上が選択されるものである、上記(5)に記載の非水系貼付剤組成物。
(10)上記脂肪酸系イオン液体及び/又はサリチル酸系イオン液体が、乳酸トリエタノールアミン塩、乳酸トリイソプロパノールアミン塩、レブリン酸トリエタノールアミン塩、レブリン酸ジイソプロパノールアミン塩、デカン酸トリイソプロパノールアミン塩、サリチル酸トリエタノールアミン塩、オレイン酸ジイソプロパノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸ジイソプロパノールアミン塩、ミリスチン酸ジイソプロパノールアミンの中から、一つ以上が選択されるものである、上記(5)に記載の非水系貼付剤組成物。
(11)上記親油性膏体基剤のエラストマーがスチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体である、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
(12)上記薬剤が、低分子医薬化合物、タンパク医薬、抗原ペプチド、あるいは核酸誘導体から選択されるものである、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
(13)上記有機溶媒を、以下の数4に記載の範囲で含有する、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の非水系貼付製剤組成物。
Figure 2015037639
(14)更に、ジエステル類及び/又はトリエステル類を含有する、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の非水系貼付製剤組成物。
(15)上記ジエステル類が、セバシン酸ジエチル,アジピン酸ジイソプロピル,アジピン酸ジイソブチルの中から一つ以上が選択され、上記トリエステル類が、中鎖脂肪酸トリグリセリド,トリアセチンの中から一つ以上が選択される、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の非水系貼付製剤組成物。
本発明の非水系貼付剤組成物は、有機溶媒(主に脂肪酸系イオン液体を含む)に薬剤を溶解した薬液と親油性膏体基剤と粉体を配合した非水系貼付製剤(テープ剤)である。粉体を配合した結果、極性の高い上記薬液が、親油性膏体基剤中の粉体間に形成される空隙に貯留され、主薬液が親油性膏体から遊離し膏体表面に滲出することが回避できている。そのため、テープ剤の粘着力の劣化が阻止できている。更には、上記の空隙の間を伝わって薬液中の薬剤が膏体外に放出される流路が確保できているため、薬剤の放出性と有効利用率が大きく改善されている。
以上のように、紛体を含有させたテープ剤を作製することにより、これまで課題であった薬剤溶解のための極性の高い有機溶媒(主に脂肪酸系イオン液体を含む)の使用による粘着力の低下が改善されており、更に、薬剤の放出性と有効利用率が大きく改善されている。即ち、テープ剤の粘着力が長時間維持されることにより、経皮吸収性の向上と徐放化が可能になった。
更には、ジエステル類及び/又はトリエステル類を有機溶媒に含有させることにより、支持体(バッキング)への親油性膏体基剤の接着を強化することができ,貼付時に支持体が膏体基剤より剥落しなくなった。
本願発明の非水系貼付剤(テープ剤)の膏体の断面を表わした概念図である。親油性膏体基剤(油溶性粘着膏体)の中に、粉体が分散し、粉体間の空隙、粉体と膏体との間の空隙の間に、薬液が貯留されていることを表わしている。更に、これらの空隙同士が連通して、膏体内部から膏体表面に薬液を放出できる微細な流路を形成していることを表わしている。 また、粉体が膏体表面に出ている部分には、粉体の周りの空隙から薬液が滲出して来るが、粉体が膏体表面に出ていない部分には、薬液の滲出、遊離が少ないため、全体として貼付剤の粘着力の劣化が抑制されている。以上のことも本図で表わしている。 青色色素(ブリリアントブルーFCF)をレブリン酸トリエタノールアミン塩のマクロゴール400溶液(重量比6:14)に溶解させた溶液を、粉体として軽質ケイ酸を使用し、溶媒法にて親油性膏体基剤と混合した後に、伸展してテープ剤を作製した。このテープ剤を3×3cmに切り出し,8mLの精製水の入ったビーカーに浸し32℃で6時間インキュベートした。サンプルからの青色色素の放出を吸収スペクトル測定波長630nmで測定した。その青色色素の放出量と粉体/膏体基剤の容量比(粉体の容量÷脂溶性膏体基剤)の相関関係を表わした図である。なお、粉体の容量は、かさ密度により計算した。 粉体として結晶セルロースを使用し、図2の場合と同様に測定して、その青色色素の放出量と粉体/膏体基剤の容量比の相関関係を表わした図である。 粉体としてコーンスターチを使用し、図2の場合と同様に測定して、その青色色素の放出量と粉体/膏体基剤の容量比の相関関係を表わした図である。 図2と同じ相関関係を表わした図であるが、粉体/膏体基剤の容量比の計算において、タップ密度を使用した場合の図である。 図3と同じ相関関係を表わした図であるが、粉体/膏体基剤の容量比の計算において、タップ密度を使用した場合の図である。 図2と同じデータを使用し、製剤の粘着剤層中の粉体の含量を横軸として使用した図である。軽質ケイ酸の場合、含量が1〜5w/w%が好ましく、より好ましくは2.5〜5w/w%であることが示された。 図3と同じデータを使用し、製剤の粘着剤層中の粉体の含量を横軸として使用した図である。結晶セルロースの場合、含量が2.5〜18w/w%が好ましく、より好ましくは5〜15w/w%であることが示された。 図4と同じデータを使用し、製剤の粘着剤層中の粉体の含量を横軸として使用した図である。コーンスターチの場合、含量が20〜42w/w%が好ましく、より好ましくは29〜42w/w%であることが示された。 粒子径の異なる2種の粉体を組み合わせた場合、粉体の容積は、粒子径の大きい粉体が約70%前後の組成になる場合に、混合粉体の容積が最も小さくなることを示した図である。公知文献(川北公夫等、法政大学工学部研究集報第2号、47〜53頁)に記載された図である。 粉体を含有するテープ剤(試験No.A−244)に関する、マウスを用いたin vivo血中濃度の変化を表わした図である。この図に示されるように、粉体含有のテープ剤の場合、徐放化の効果が示されている。 粉体を含有しないテープ剤(試験No.A068)に関する、マウスの血中濃度変化を表わした図である。この図に示されるように、貼付後2時間で血中濃度がピークに達し、その後、急速に血中濃度が低下する。上記図11の血中濃度変化とは大きく異なっている。 図11の血中濃度の経時変化が、速放出性と徐放性の2相性になっていることを見易く表わした図である。 図13の2相性の原因として想定されている、粘着剤層中の粉体の偏りを表わした図である。粘着剤層に粉体が集積会合して空間(空隙)を形成している領域と、粉体が比較的疎な状態の領域、即ち充分な空間(空隙)が形成できていない領域があることを表わしている。 試験No.N423の製剤を使用した場合のラットの血中濃度の経時変化を表した図である。本製剤サンプルの場合、薬剤の速放出性が主に示されている。
本発明の「薬剤」とは、低分子医薬化合物、タンパク医薬、抗原ペプチド、あるいは核酸誘導体から選択される医療用の薬剤のことを言う。本発明に用いられる薬剤は、主に親水性残基を持っている(あるいは塩の形になっている)ものが多く、それ故、親油性膏体基剤に溶解し難いものとなっている。そこで、極性の強いイオン液体を使用して、薬剤の溶解を行い、薬液として使用する。本発明の薬剤として、例えば低分子医薬化合物とは、酸性を示す薬剤(「酸性薬剤」)あるいは塩基性を示す薬剤(「塩基性薬剤」)のことを言う。
本明細書において「酸性薬剤」とは、官能基としてカルボン酸を有し化合物として酸性を示す薬物であって、例えば、インドメタシン(indomethacin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、ジクロフェナク(diclofenac)、エトドラク(etodolac)、ロキソプロフェン(loxoprofen)等の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、トラニラスト(tranilast)、クロモグリク酸、ペシロラスト等の抗アレルギー薬、例えば、アモバルビタール、セコバルビタール、フェノバルビタール等の催眠鎮静・抗不安薬、例えば、ダントロレン、ミバクリン等の筋弛緩薬などを言う。好ましいものとしては、インドメタシン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、エトドラク、イブプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクを挙げることができる。
本発明において「塩基性薬剤」とは、官能基として1級、2級または3級のアミン構造を有し、化合物として塩基性を示す薬物であって、例えば、リドカイン(lidocaine)、ジブカイン(dibucaine)、ブピバカイン(bupivacaine)、プロカイン(procaine)、メピバカイン(mepivacaine)、ブピバカイン(bupivacaine)、テトラカイン等の局所麻酔薬、例えば、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)等の抗ヒスタミン薬、例えば、トラマドール(tramadol)等の鎮痛薬、例えば、エペリゾン(eperisone)等の鎮痙薬、例えばトルペリゾン(tolperisone)等の筋弛緩薬、例えば、デキストロメトロファン(dextromethorphan)等の鎮咳薬、例えば、ドネペジル(donepezil)等のアセチルコリン分解抑制薬、例えばモルヒネ、コデイン、ナロキソン、フェンタニル、オキソコドン等のオピオイド鎮痛剤などを挙げることができる。好ましいものとしては、リドカイン、トルペリゾン、ブビバカイン、エペリゾン、トラマドール、モルヒネ、ドネペジルをあげることができる。
本発明の「タンパク医薬」とは、医療用に使用される蛋白質のことであり、比較的低分子の各種の組換えタンパク質や改変タンパク質を挙げることができる。各種の組換えタンパク質や改変タンパク質としては、例えば、インシュリン、ヒト成長ホルモン、エルカトニン、カルシトニン、EGF、VEGF、GLP−1等を挙げることができる。
本発明の「抗原ペプチド」とは、免疫賦活のために使用される外来微生物の抗原断片または腫瘍細胞の抗原断片のことを言い、例えばWT-1、ヒトパピローマウイルス等の抗原ペプチドを挙げることができる。
本発明の「核酸誘導体」とは、薬効成分であるDNAおよびRNAを総称して言うものである。DNAとしては、遺伝子治療に用いられるDNAであれば特に限定されるものではない。例えばDNAワクチン、アンチセンス、リボザイム、アプタマー、siRNA等を挙げることができる。
本発明の「脂肪酸系イオン液体」とは、炭素数3〜22の脂肪酸と炭素数6〜9のアルカノールアミン化合物から形成される、常温粘稠液状のブレンステッド塩のことを言う。
本発明の「サリチル酸系イオン液体」とは、サリチル酸と炭素数6〜9のアルカノールアミン化合物から形成される、常温粘稠液状のブレンステッド塩のことを言う。
薬液に使用される上記イオン液体の場合、薬剤の皮膚透過性を促進させるため、薬液の薬剤溶解度が飽和に近い状態であることが好ましい。そのため、更に炭素数3〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸を一つ以上添加し、あるいは、複数の脂肪酸系イオン液体を組み合わせることにより、薬液の薬剤溶解度を調整することができる。
本発明の「脂肪酸系イオン液体及び/又はサリチル酸系イオン液体」には、ブレンステッド塩と共に、等モルの有機カルボン酸とアミン化合物の平衡混合物を含むものである。上記イオン液体として好ましいものは、乳酸トリエタノールアミン塩、乳酸トリイソプロパノールアミン塩、サリチル酸トリエタノールアミン塩、サリチル酸トリイソプロパノールアミン塩、デカン酸トリイソプロパノールアミン塩、デカン酸トリエタノールアミン塩、デカン酸ジイソプロパノールアミン塩、オレイン酸ジイソプロパノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸ジイソプロパノールアミン塩とこれらの混合物を挙げることができる。
本発明の「薬液」とは、有機溶媒に薬剤を溶解したものであり、更には、薬剤の溶解助剤又は経皮吸収促進剤としてのイオン液体を更に添加した溶液を言う。本発明の薬液は、基本的には、薬剤溶解性の高いイオン液体を含有するものであり、また、使用される有機溶媒も、イオン液体と混和できることが必要である。それ故、有機溶媒も基本的には極性のあるものが使用される。例えばプロピレングリコール等のアルコール類とセバシン酸ジエチルエステルやミリスチン酸イソプロピルエステル等のエステル類が使用されている。
本発明の「粉体」とは、上記薬液と親油性膏体基剤(油溶性粘着基剤)に溶解・混和しない固形粉末状の試剤を言う。即ち、薬液の有機溶媒などを吸収して膨潤しても、溶解しない固形粉末状の試剤である。例えば無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン及び炭酸カルシウム等の貼付剤の膏体に使用される固形粉末状の試剤(充填剤)を挙げることができ、更には、小麦粉、コーンスターチ等のでんぷん粉末、カルメロース,カルメロース金属塩,カンテン,カラギーナン,ペクチン,粉糖,ポリエチレン末,ポリスチレンスルホン酸塩を挙げることができる。本発明の粉末として好ましいものは、結晶セルロース、無水ケイ酸、でんぷん、カルメロース,カルメロース金属塩を挙げることができる。本発明の粉体の添加量が増加すれば、貼付剤の粘着力が向上するが、量が多すぎれば、貼付剤が硬くなり、粘着力が低下する。それ故、粉体の好ましい添加量としては、膏体基剤(粘着剤層)中に溶媒を保持するための空間(空隙)を紛体で形成するために、紛体のかさ密度を指標として、膏体基剤(粘着剤層)の重量に対して、以下の数5の紛体の添加量が必要である。
Figure 2015037639
更に、紛体を会合させて空間(空隙)を形成させるには、単一の粉体でも複数の粉体でもよいが、複数の粉体を組み合わせる場合には、粒子径が大きい粉体と粒子径が小さい粉体を混合して使用することが望ましい。その際、粒子径の大きい(かさ密度が小さい)粉体を、含量として20〜30%の範囲で組み合わせることが望ましい。
また、紛体を会合させて形成される空間(空隙)は、即ち、膏体基剤(粘着剤層)中に溶媒(薬液)を保持できる容量を表わすものである。この溶媒(薬液)保持容量は、以下の数6で表すことができる。この溶媒(薬液)保持容量を超えて有機溶媒が添加されると、溶媒(薬液)が粘着剤層の表面から滲出し、粘着力が低下することになる。
Figure 2015037639
以上のようにして、紛体の含量や紛体の組成を変動させることにより、粉体含有の非水系テープ剤の薬剤の即放出性と徐放性が変化する。例えば、図13に示されるように、薬剤の即放出性と徐放性の2つの特徴をコントロールして、所望の放出性を持った製剤を作成することができる。
薬剤の即放出性と徐放性をコントロールするため、かさ密度の異なる複数の粉体を組み合せて、形成される空隙を適宜調節する。例えば混合紛体として、かさ密度が小さい無水ケイ酸を20〜30w/w%含有させて、かさ密度の大きい紛体である結晶セルロースやコーンスターチを組み合わせて使用することができる。
本発明の「薬液に溶解せず,親油性膏体基剤にも溶解しない粉体」とは、親油性膏体中に粉体間で形成される空隙が維持できるように、粉体が有機溶媒やイオン液体に溶解せず、更に、親油性膏体にも溶解しないことを言う。ここで、「溶解しない」とは、不溶と言うことであり、米国の溶解度の定義(U.S. Pharmacopeia National Formulary)により、有機溶媒や親油性膏体の10g量に対して、粉体が1mgも溶けないということである。
本発明の「有機溶媒」とは、イオン液体と混和できる性質を持ち、イオン液体と共に併用されて、薬剤を溶解した薬液を構成するものである。本発明の有機溶媒は、経皮吸収促進剤としても使用される。更には、薬剤を溶解した有機カルボン酸系イオン液体を膏体中に分散させるためにも使用される。本発明で使用される有機溶媒としては、例えばエタノール、プロパノール、オレイルアルコール等のアルコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、グリセリン等の多価アルコール、例えばセバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレン、アジピン酸ジイソプロピル等のエステル類を挙げることができる。更には、乳酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類を挙げることができる。これらの有機溶媒は、上記の目的を達成するために、適宜組み合わせて使用することができる。より好ましいものとしては、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールとセバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、炭酸プロピレン、中鎖脂肪酸トリグリセリド等のエステル類を組み合わせて使用することが挙げられる。
なお、紛体が形成する空間(空隙)に保持される溶媒としては、上記有機溶媒の中で、粘着剤層(親油性膏体基剤)に溶解し難い溶媒(相溶性が乏しい溶媒)が主になる。粘着剤層に相溶性が乏しい溶媒としては、アルコール系溶媒(例えばマクロゴールやプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)や脂肪酸系イオン液体、脂肪酸等のプロトン性の溶媒を挙げることができる。一方、エステル系溶媒(例えばセバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル等)は、粘着剤層(親油性膏体基剤)とは相溶性が高く、粘着剤層中の空間(空隙)には貯留し難い傾向にある。従って、粘着力を維持するために、紛体が形成する空間(空隙)に保持される溶媒容量を考慮する場合には、溶媒として、上記の粘着剤層に相溶性が乏しい溶媒の容積を主に評価することになる。
本発明の「親油性膏体基剤」とは、親油性高分子を主な構成成分とする膏体(粘着剤)のことを言う。膏体は、エラストマーと親油性(疎水性)粘着剤に分けられ、この膏体の中に薬液を分散又は乳化させることになる。膏体がエラストマーと親油性(疎水性)粘着剤で形成される場合には、非水系のテープ剤(プラスター)として使用される。膏体がエラストマーと親水性粘着剤で形成される場合には、含水系の貼付剤(パップ剤)として使用される。以上のように、親油性膏体基剤は、エラストマー、粘着付与剤、軟化充填剤等から形成されている。
エラストマーとしては、例えばスチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、シリコンゴム、ポリイソブチレン、ポリスチレン・ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン等の合成ゴム樹脂、例えばアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等のアクリル酸系樹脂、天然ゴムなどを挙げることができる。
粘着付与剤とは、貼付剤の皮膚への接着性を向上させるためにSIS樹脂等のエラストマーに混合される試剤のことであり、例えばポリテルペン樹脂、ポリオレフィン樹脂(プラスチベース等)、ポリスチレン樹脂、芳香族石油樹脂、ロジン、水添ロジンを挙げることができる。好ましくは、ポリテルペン樹脂、ポリオレフィン樹脂(プラスチベース等)を挙げることができる。
軟化剤とは、SIS樹脂等のエラストマーと粘着剤に柔軟性を与えるために混合される試剤のことであり、例えばポリブテン、ポリイソブチレン、プロセスオイル等の石油系軟化剤、例えばヤシ油、ヒマシ油等の脂肪油系軟化剤、精製ラノリン、流動パラフィン等を挙げることができる。好ましいものとしては、ポリブテンや流動パラフィンを挙げることができる。
本発明の貼付剤においては、本発明の効果を妨げない範囲で、更に、抗酸化剤、界面活性剤、増粘剤、界面活性剤等の添加物を含んでいても良い。これらの添加剤は、市販の試薬を適宜目的に応じて使用することができる。
抗酸化剤としては、例えばBHT、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム等の有機系抗酸化剤、例えばチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機系抗酸化剤を挙げることができる。
更に、カーボポール等の増粘剤、紫外線吸収剤、粉体類等を添加することができる。
界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができ、非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレート、グリセリンモノステアレート、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリンポリリシノレート、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4,2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(7,5)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルアミン、ポリオキシ(5)オレイルアミン、ポリオキシ(5)オレイン酸アミド、ポリオキシエチレン(2)モノラウレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンヒマシ油(硬化ヒマシ油)等が挙げられる。
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(6)オイレルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記カチオン系界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。上記以外のものとして、ラウロイルジエタノールアミドも使用可能である。
更に、カーボポール等の増粘剤、紫外線吸収剤、粉体類等を添加することができる。
本発明の「貼付剤」とは、水を必須な成分として含有しない、非水系の貼付剤(テープ剤)である。本発明の貼付剤の膏体には、汎用の基剤を使用することができ、例えばアクリル酸樹脂の基剤、あるいはSIS樹脂と粘着付与剤、軟化剤等を添加した基剤を使用することができる。好ましいものとしては、SIS樹脂をエラストマーとする基剤を挙げることができる。
なお、本発明の貼付剤を調製する方法としては、粘着テープと同様な方法が採用可能であり、例えば、溶剤塗工法が挙げられる。上記溶剤塗工法は、薬剤(主薬液)を含有する膏体組成物を調製し、直接、支持体上に塗工、乾燥する方法である。また、上記膏体組成物を一旦剥離紙上に塗工、乾燥した後、剥離して支持体に転写密着させる方法も使用可能である。
上記剥離紙は粘着剤層の保護を目的として使用され、例えば、ポリエチレンコート上質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)フィルム、ポリプロピレンフィルムなどの片面をシリコン処理したものが使用可能である。
更に、本発明の貼付剤にジエステル類またはトリエステル類等の複数のエステルを持つ添加剤を添加することができる。粘着剤に粉体を混合するとバッキングへの接着が弱くなるため、鋭意検討の結果、ジエステル類またはトリエステル類等の複数のエステルを持つ添加剤を添加することによって支持体(バッキング)への粘着を強くすることができ、使用時の支持体の剥落を抑制できることを見いだした。上記ジエステル類としてセバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル等、上記トリエステル類として、中鎖脂肪酸トリグリセリド,トリアセチン等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何等限定されるものではない。
(実施例1)充填剤(粉体)のかさ密度及びタップ密度の測定
(1)充填剤(粉体)のかさ密度の測定
粉体のかさ密度(g/cm)は、タップしない(ゆるみ)状態での粉体試料の質量と粒子間空隙容積の因子を含んだ粉体の体積との比である。従って、かさ密度は粉体の粒子密度と粉体層内での粒子の空間的配列に依存する。
a)方法:
測定対象の粉体のかさ密度は、ふるいを通してメスシリンダーに入れた既知質量の粉体試料の体積を測定する。即ち、保存中に形成するかも知れない凝集体を解砕するために、粉体を1.0mm以上の目開きを持つふるいに通す。0.1%の精度で秤量した約100gの試料(m)を圧密せずに乾いた250mLメスシリンダー(最小目盛単位:2mL)に静かに入れる。粉体層の上面を圧密せずに注意深くならし,ゆるみかさ体積(V)を最小目盛単位まで読み取る。m/Vによってかさ密度(g/mL)を計算した。
b)測定結果:
日局コーンスターチ、軽質無水ケイ酸(登録商標アエロジル200)、結晶セルロース(登録商標セオラス)を使用して計測した結果を以下の表1に示す。
(2)充填剤(粉体)のタップ密度の測定
タップ密度は、粉体試料を入れた容器を機械的にタップした後に得られる、増大したかさ密度である。タップ密度は粉体試料を入れた測定用メスシリンダー又は容器を機械的にタップすることにより得られる。
a)方法:
粉体の初期体積又は質量を測定した後,測定用メスシリンダー又は容器を機械的にタップし、体積又は質量変化がほとんど認められなくなるまで体積又は質量を読み取る。機械的タッピングは、メスシリンダー又は容器を持ち上げ、自重下で所定の距離を落下させることにより行われる。即ち、質量220±44gの250mLメスシリンダー(最小目盛単位:2mL)を使用し、3±0.2mmの高さから250±15回/分のタップ速度を与えることができる落下装置を用いる。
上記(1)のかさ体積(V)の測定と同様に行う。測定対象の粉体試料について10回、500回及び1250回タップし、対応するかさ体積V10,V500及びV1250を最小目盛単位まで読み取る。V500とV1250の差が2mL未満であれば、V1250をタップ体積とする。V500とV1250の差が2mLを超える場合には、連続した測定値間の差が2mL未満となるまで1250回ずつタップを繰り返す。タップ密度(g/cm)は、式m/Vf(Vfは最終タップ体積)を用いて計算する。
b)測定結果:
日局コーンスターチ、軽質無水ケイ酸(登録商標アエロジル200)、結晶セルロース(登録商標セオラス)を使用して計測した結果を以下の表1に示す。
Figure 2015037639
上記かさ密度やタップ密度は、アエロジル、セオラス、コーンスターチの粉体が形成する体積の大きさを表わすことになる。即ち、1gの重量の粉体(充填剤)を使用すると、アエロジルは、25cm(かさ密度換算)の容積を占めることになる。また、コーンスターチでは、2cm(かさ密度換算)の容積を占める。
アエロジル、セオラス、コーンスターチの物質の比重が同程度のものであると考えると、上記容積は、粉体で形成される空間(空隙)の大きさを表わすことになる。即ち、アエロジルやセオラスの場合、粉体で形成される空間(空隙)は大きいが、コーンスターチの場合は、粉体で形成される空間(空隙)は小さいことが分かる。
従って、軽質無水ケイ酸や結晶セルロースを粘着剤層に添加する場合、粉体量が多い場合には、粉体で形成される空間(空隙)に粘着剤層が入り込む形になり、粉体で形成される空間(空隙)構造はあまり変化しないことになる。しかし、粉体量が多く、粘着剤層に空間(空隙)構造が形成されると、テープ剤が硬くなり、粘着力が失われる。それ故、紛体量の添加を考える場合には、粉体と粘着剤層の量比の最適化が必要になる。一方、粉体量が少ない場合には、あまり空間(空隙)が形成できないので、効果が充分発揮できないことになる。
(実施例2)充填剤(粉体)の容積と粘着剤層(テープ剤基剤)の量比の最適化について
テープ剤の基剤の中に形成される空間(空隙)構造を有効に利用するためには、粘着剤層にどの程度の充填剤(粉体)を添加すれば良いのかが課題となる。
そこで、粘着剤層をほぼ一定にし、粉体の添加量を増加させた。粉体の添加量がどの程度になると、粉体同士で形成される空間(空隙)が構築され、その空間(空隙)を伝わって薬液が放出されるようになるのかを評価した。なお、実施例1のかさ密度を用いて、粉体の添加量から紛体の容積を計算し、粉体の容積と粘着剤層の容積との関連を検討した。
粉体の添加量が多くなれば、図1に示されるように粉体同士で形成される空間(空隙)が構築されることになるので、この空間(空隙)に保持される薬剤が、空間(空隙)を伝わって、粘着剤層(油溶性粘着膏体)表面から外部に放出される。そこで、薬剤の放出性(粉体による空間(空隙)構築)を確認するため、薬剤の代わりにブリリアントブルーFCFを用いて、粘着剤層(油溶性粘着膏体)表面からの色素の放出性を評価した。
(1)粘着剤層(油溶性粘着膏体)の作製
以下の表2の組成で試薬を秤量し、ブリリアントブルーFCFをレブリン酸・トリエタノールアミンのマクロゴール400溶液(重量比6:14)に溶解させ、薬液とした。溶媒法によりテルペン樹脂、スチレンーイソプレンースチレン共重合体(SIS)、ブチルヒドロキシトルエン、流動パラフィンをトルエンに溶解させそれに、上記マクロゴール400溶液(重量比6:14)及び軽質無水ケイ酸(アエロジル200)を添加し、混合した。その後、混合したものをシリコン塗布したPETフィルムに塗工し乾燥させ、トルエンを除去した。そして、支持体をラミネートし調整した。
(2)薬液の放出性(粉体による空間(空隙)構築)の確認
上記テープ剤を用いて、ブリリアントブルーFCFの粘着剤層からの放出性試験を行なった。即ち、上記テープ剤を3×3cmに切り取り、8mLの精製水の入ったビーカーに浸し32℃で6時間インキュベートした。その後、実施例からの青色色素の放出を吸収スペクトル測定波長630nmで測定した。その結果を併せて以下の表2に示す。
Figure 2015037639

[注記]
アエロジルの容積は、重量/かさ密度で計算した。
薬液を含有する粘着剤層の比重を1として、「紛体/粘着剤層の容積比」を算出した。
表2のブリリアントブルーFCFの放出量をグラフ化したものが図2である。図2で示されるように、添加された紛体の容積が、粘着剤層の容積の約20%を越えてくると、ブリリアントブルーの放出が立ち上がってくることが示されている。また、添加された紛体の容積が、粘着剤層の容積の約50%を越えてくると、ブリリアントブルーの放出が最大になってくることが示された。
このことは、添加された紛体の容積が、粘着剤層の容積の約20%を越えてくると、粘着剤層の中に粉体で形成される空間(空隙)構造ができ始め、この空隙を通って、粘着剤層内部のブリリアントブルーが放出され始めると考えられる。そして、添加された紛体の容積が、粘着剤層の容積の約50%が越えてくると、粘着剤層の中に粉体で形成される空間(空隙)構造が完成するため、更に粉体を追加しても、ブリリアントブルーの放出性は変化しなくなると考えられた。
しかし、添加された紛体の容積が、粘着剤層の容積の約110%が越えると、製剤が硬くなり、粘着性が不良になり製剤には適さないことが示された。それ故、アエロジルの添加量の上限が約110%であることが示された。
そこで、アエロジルよりも粉体のかさ密度が大きい(粉体の粒子径が小さい)セオラス(結晶セルロース)を使用して、粉体の容積の相違に起因する影響を検討した。即ち、上記表2に準じて、セオラスを使用して、粘着剤層からのブリリアントブルーの放出性を検討した。
Figure 2015037639

[注記]
セオラスの容積は、重量/かさ密度で計算した。
薬液を含有する粘着剤層の比重を1として、「紛体/粘着剤層の容積比」を算出した。
上記表3のブリリアントブルーFCFの放出量をグラフ化したものが図3である。図3で示されるように、添加されたセオラスの容積が、粘着剤層の容積の約20%を越えてくると、ブリリアントブルーの放出がゆっくり立ち上がってくることが示されている。また、添加されたセオラスの容積が、粘着剤層の容積の約120%を越えてくると、ブリリアントブルーの放出が最大になってくることが示された。
上記の表2と表3の粉体の添加量(容積)の相違は、セオラスとアエロジルのかさ密度の相違が影響していることを示している。即ち、アエロジルが、セオラスよりかさ密度が小さいので、粉体で形成される空間(空隙)の容積が大きく、そのため、アエロジェルの方が少ない量で粘着剤層中に空間(空隙)の構築ができることを示している。
更に、セオラスよりかさ密度が大きいコーンスターチでは、以下の表4と図4に示すようになった。
Figure 2015037639

[注記]
コーンスターチの容積は、重量/かさ密度で計算した。
薬液を含有する粘着剤層の比重を1として、「紛体/粘着剤層の容積比」を算出した。
−:製剤が不良のため測定を行わず。
かさ密度が大きいコーンスターチの場合、粘着剤層中に紛体で形成される空間(空隙)を作製するためには、多くの添加量が必要になることが示された。しかし、添加量が多くなると製剤化が困難になり、途中で測定を中断することとなった。それ故、ブリリアントブルーの放出性が最大となるコーンスターチの添加量は見出せなかった。
また、かさ密度ではなく、タップ密度を使用した場合には、粉体の容積が小さく計算されるため、図5と図6に示されるように、(粉体の容積)/(粘着剤層の容積)の値は小さくなり、横軸が縮小することになった。
以上のことから、粘着剤層中に形成される粉体の会合で構成される空間(空隙)は、図2と3に示されるように、粉体の添加量として、粘着剤層(薬剤等を含む)の容積の約20%の粉体容積(かさ密度換算)を持つものを添加すると、粉体同士が会合して、空間(空隙)が形成され始める。そして、図5と6に示されるように、粉体の添加量が、粘着剤層(薬剤等を含む)の容積の約60%の粉体容積(タップ密度換算)の量となった時には、粉体で形成される空間(空隙)の構築は完了していることが分かった。この結果は、以下の数7のようにまとめられる。
Figure 2015037639
より詳細には、軽質無水ケイ酸の場合には、紛体の容積は、かさ密度換算で0.2〜0.6の範囲が好ましく、タップ密度換算で0.1〜0.3の範囲が好ましいことが示された。同様に、結晶セルロースの場合には、紛体の容積は、かさ密度換算で0.2〜1.2の範囲が好ましく、タップ密度換算で0.1〜0.6の範囲が好ましいことが示された。更に、かさ密度が大きいコーンスターチの場合には、紛体の容積は、かさ密度換算で0.2〜0.7の範囲が好ましく、タップ密度換算で0.1〜0.4の範囲が好ましいことが示された。
更に、上記数7を紛体の添加量(重量)に変換すると以下の数8になることが示された。
Figure 2015037639
なお、薬剤や溶媒を含む粘着剤層の全重量に依存して、紛体の添加量(重量)が規定されるので、薬剤、エラストマー、粘着付与剤等が一定であれば、使用可能な溶媒量も上限と下限が決まることになる。即ち、紛体で形成される空間(空隙)に充填される溶媒量が定まることになる。溶媒量がその上限を超える場合には、粘着剤層表面に溶媒が滲出するため、皮膚へのテープ剤の接着性が低下し、剥離されやすくなる。従って、添加する溶媒量の上限は、紛体の添加量によって決まることになる。
(実施例3)粉体の重量組成と粘着剤層中に形成される粉体会合の空間(空隙)について
(1)空間(空隙)形成に必要な粉体量の測定:
上記実施例2の結果を、粉体の重量組成に換算して、ブリリアントブルーFCFの放出性をグラフ化した。その結果を図7〜9に示す。
粉体の重量組成(w/w%)で、粘着剤層中に形成される粉体会合の空間(空隙)の構築の程度を推定すると、粉体のかさ密度(タップ密度)の影響を大きく受けることが示された。即ち、粒子径が大きく、かさ密度の小さい軽質無水ケイ酸は、少ない添加量で粘着剤層中に粉体会合の空間(空隙)を構築することができるが、結晶セルロース、コーンスターチの場合には更に添加量を増やす必要があり、粉体の重量組成(w/w%)が高くないと充分な粉体会合の空間(空隙)の構築ができないことが分かった。即ち、軽質無水ケイ酸のような粉体の粒子径が大きい場合には、1w/w%以上になると、空間(空隙)の構築ができ始め、2.5w/w%以上になれば充分な空間(空隙)の構築が得られていることが示された。また、ブリリアントブルーの放出性から5w/w%以下が好ましいことが示された。
更に、結晶セルロースの場合には、2.5w/w%以上の添加量になると空間(空隙)の構築ができ始め、15w/w%の添加量があれば、充分な空間(空隙)の構築が得られることが示された。また、ブリリアントブルーの放出性から18w/w%以下が好ましいことが示された。
以上のことから、粉体の添加量としては、添加する粉体にもよるが、1〜18w/w%の範囲が好ましいことが示された。また、充分な空間(空隙)の構築が得られるためには、軽質無水ケイ酸の場合には、含量が1〜5w/w%が好ましく、より好ましくは2.5〜5w/w%であることが示された。また、結晶セルロースの場合には、含量が2.5〜18w/w%が好ましく、より好ましくは5〜15w/w%であることが示された。
(2)形成された空間(空隙)を充填するために必要な溶媒量の測定:
粘着剤層(親油性粘着膏体)中に含有される粉体量を一定にして、溶媒を変更し、どの溶媒量になると、粉体で形成された空間(空隙)に貯留できなくなり、溶媒が粘着剤層表面に滲出するかを評価した。即ち、溶媒が粘着剤層表面に滲出すると、粘着剤層の粘着性が低下する。粘着剤層表面の粘着力を評価することにより、粉体で形成された空間(空隙)に貯留できる溶媒量が求まる。
そこで、以下の表5の組成(w/w%)で試薬を秤量し、溶媒法によりテルペン樹脂、スチレンーイソプレンースチレン共重合体(SIS)、セバシン酸ジエチル、流動パラフィンをトルエンに溶解させ、それに、マクロゴール400及び軽質無水ケイ酸(アエロジル200)を添加し,混合した。その後、混合したものをシリコン塗布したPETフィルムに塗工し乾燥させ,トルエンを除去した。そして、支持体をラミネートし調整した。これらのサンプルについてボールタック試験を行い、No.4のボールについて停止するかどうか試験を行った.
その結果を以下の表5に示す。
Figure 2015037639

[注記]
マクロゴール400:比重1.11
医薬品製造指針によるとNo.4のボールが停止すれば良好な粘着力を示すことが明記されている。上記表5に示されるように、試験No.D3では、ボールタック試験の結果、No.4のボールが停止せず、粘着力が不良である。この結果は、溶媒(マクロゴール)が紛体容積の1.2を超えると、使用した溶媒量が粉体で形成される空間(空隙)の容量を超えるため、粘着剤層の表面に溶媒が滲出することを示している。
以上のボールタック試験の結果から、粉体で形成される粘着剤層(親油性膏体基剤)中の空間(空隙)の容量が、(粉体容積)×1.2より小さく、紛体容積の約1.1倍前後の範囲であることが明らかとなった。従って、溶媒の添加量としては、以下の数9で使用上限が決まることになる。
Figure 2015037639
なお、粘着剤層中の空間(空隙)に保持される溶媒は、粘着剤層(親油性膏体基剤)に溶解し難い溶媒(相溶性が乏しい溶媒)であり、主にアルコール系溶媒(例えばマクロゴールやプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)や脂肪酸系イオン液体、脂肪酸等のプロトン性の溶媒を挙げることができる。エステル系溶媒(例えばセバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル等)は、粘着剤層(親油性膏体基剤)とは相溶性が高く、粘着剤層中の空間(空隙)には貯留し難いと考えられる。
(実施例4)軽質無水ケイ酸を添加したテープ剤の作製
薬効成分としてアゴメラチンを用いて、上記実施例3の結果に基づき、粉体を含有したテープ剤を作製した。以下の表6(w/w%)の組成で試剤を秤取し、溶媒法にてテープ剤を作製した。なお、フランツ・セル法でのアゴメラチンの透過性の結果も併せて記載した。
Figure 2015037639
上記表6に示されるように、軽質無水ケイ酸を含有するテープ剤では、粉体量が増加すると、薬剤の放出性が徐放化される傾向にあり、6時間の皮膚累積透過量は、低下する傾向が見られた。そこで、粉体を軽質無水ケイ酸から結晶セルロースに代えて、薬剤の放出性がどのように変化するかを検討した。
(実施例5)結晶セルロースを添加したテープ剤の作製
実施例4に準じて行い、粉体として結晶セルロースを用いて、粉体を含有したテープ剤を作製した。以下の表7(w/w%)の組成で試剤を秤取し、溶媒法でテープ剤を作製した。なお、フランツ・セル法でのアゴメラチンの透過性の結果も併せて記載した。
Figure 2015037639
上記表7に示されように、結晶セルロースを使用した場合には、軽質無水ケイ酸を使用した場合よりも、薬剤の放出性が更に徐放化し、6時間の皮膚累積透過量は、より低下した。
この原因は、結晶セルロースの添加量が少なく、粘着剤層中で粉体による空間(空隙)が充分形成されていないことが原因と考えられた。即ち、粘着剤層中に空間(空隙)を適切に構築するには、粉体のかさ密度を高めることが必要と考えられた。そこで、複数の粒子径の異なる粉体を混ぜて、かさ密度の向上を図った。
即ち、粉体の容積においては、粒子径の異なる2種の粉体を組み合わせた場合、図10に示されるように粒子径の大きい粉体が約70%前後の組成になる場合に、混合粉体の容積が最も小さくなることが知られている(川北公夫等、法政大学工学部研究集報第2号、47〜53頁)。従って、上記組成を中心にして、粉体の組み合わせを検討し、薬剤の放出性を検討した。
(実施例6)軽質無水ケイ酸と結晶セルロースを添加したテープ剤の作製
粉体の粒子径の異なる軽質無水ケイ酸(粒子径:より大)と結晶セルロース(粒子径:より小)を使用し、以下の表8(w/w%)の組成の粉体を含有したテープ剤を作製した。なお、フランツ・セル法でのアゴメラチンの透過性の結果も併せて記載した。
Figure 2015037639
上記表8に示されように、軽質無水ケイ酸(粒子径がより大)と結晶セルロース(粒子径がより小)を1:3の重量比で使用した場合に、薬剤の放出性が予想外にも大幅に改善した。このことは、粒子径のより大きい軽質無水ケイ酸の含有量が25%の場合に相当する。図10を参考にすれば、軽質無水ケイ酸の含有量が70%の場合に混合粉体のかさ密度が最大になると考えられる。しかし、本発明の場合には、粘着剤層中に混合粉体による空間(空隙)形成を適切に行うためは、逆に、結晶セルロースの含量が70〜80%必要になったと考えられる。上記のように、粘着剤層中に混合粉体系によって空間(空隙)を効果的に形成するためには、粒子径がより小さい紛体と、より大きい紛体が、70〜80:20〜30の比率で混合すると好適であることが分かった。その結果、粘着剤層の空間(空隙)に薬液を保持し、あるいはこの空間(空隙)を伝わって、テープ剤表面に薬液が到達し、テープ剤表面から薬液あるいは薬剤を放出することができるようになった。
(実施例7)粉体含有粘着剤層を用いた薬剤の放出性の評価
上記実施例6の結果によれば、粘着剤層に2種の粒子径の異なる粉体(充填剤)を添加することにより、粉体(充填剤)同士の間、あるいは粉体と粘着剤層の間で形成される空隙(空間)に、薬剤(アゴメラチン)を含有する薬液が貯留すること、更には、この空隙を伝わって粘着剤層内部の薬液又は薬剤が効率的に粘着剤層の表面に放出されることを見出した。その結果、粘着剤層中の薬剤の残存率は、これまでのテープ剤の残存率と比較して、非常に少ないことが見出された。
そこで、以下の表9の組成(w/w%)でテープ剤を作製し、マウスの血中濃度の変化を測定し、本発明の上記効果を検証した。即ち、実施例2の方法に準じてテープ剤を作製した。そのテープ剤を使用して試験例1のフランツ・セル法での経皮吸収性とマウスの血中濃度の変化を評価した。その結果を合わせて表9と図11に示す。
Figure 2015037639
上記表9に示されるように、粉体を含有しない粘着剤層の試験No.A260と、粉体を含有する粘着剤層の試験No.A244を対比すると、粉体を含有する製剤の方が、経皮吸収性は劇的に向上して、約6倍の経皮吸収性の向上が示された。即ち、粘着剤層から薬剤の放出性が約6倍増加したことを表わしている。このことは、粉体を添加して粘着剤層に空間(空隙)を構築できたことにより、その空隙を伝わって薬剤が粘着剤層表面から放出され易くなったからと考えられる。
更に試験例1に基づいて、マウスを用いたin vivo血中濃度評価を行うと、粉体を含有する製剤(試験No.A244)が、図11に示されるように徐放化の効果も見られることが分かった。
一方、上記実施例6の試験No.A068の製剤の場合には、粉体を含有しなくても経皮吸収性が良好であるが、このサンプルを用いたマウスの血中濃度変化は、図12で示されるように、貼付後2時間で血中濃度がピークに達し、その後、急速に血中濃度が低下する。本発明の図11の血中濃度変化とは大きく異なっている。
本発明の図11の血中濃度変化は、図13に示されるように、破線部分の薬剤の速い放出性の挙動と、点線部分の薬剤の遅い放出性の挙動の2相性があることが分かった。これは、図14に示されるように、粘着剤層に粉体が集積会合して空間(空隙)を形成している領域と、粉体が比較的疎な状態の領域、即ち、充分な空間(空隙)が形成できていない領域があることに由来すると考えられる。
以上のように、本発明の特徴である粉体を含有する粘着剤層からの薬剤の放出性は、図13に示されるような2相性(速放出性と徐放性)を有している。それ故、粉体の添加量や粉体の組み合わせを調整することにより、速放出性と徐放性の挙動のどれかを選択してより強くすることが可能であることを見出した。
(実施例9)粉末を含有する粘着剤層を用いたテープ剤における薬剤の有効利用率の評価
(1)アゴメラチンを有効成分とするテープ剤
実施例2に準じて、アゴメラチンを薬剤として含有するテープ剤を、以下の表10の組成(重量部)で試剤を秤取し、作製した。
即ち、即ち、アゴメラチンを脂肪酸系イオン液体に添加混和し、薬液を調整した。トルエンを溶媒とした溶媒法にて常法により有機溶媒、酸化防止剤、親油性膏体と主薬液を混合した。その後,結晶セルロースと軽質無水ケイ酸を添加し混合したものをシリコン塗布したPETフィルムに塗工し乾燥させ,トルエンを除去し,支持体をラミネートし調整した。
得られた貼付剤について、試験例1によりアゴメラチンのインビトロ皮膚透過試験を行った。その結果を併せて表10に記載する。
Figure 2015037639
上記表10の試験No.A197とA223に示されるように、粉体を含有したテープ剤を作製することにより、アゴメラチンの経皮吸収性を約3倍向上させることができた。
更に、試験No.A197の薬剤貼付残存率を測定したところ、約40%であり、使用したアゴメラチンの約60%が経皮吸収されていることが分かった。このように、本発明の紛体を含有するテープ剤では、薬剤が高い利用率で有効に経皮吸収されるという顕著な効果を示している。
(2)オキシコドンを有効成分とするテープ剤
実施例2に準じて、オキシコドンを薬剤として含有するテープ剤を、以下の表11の組成(重量部)で試剤を秤取し、作製した。
即ち、塩酸オキシコドン水和物を脂肪酸系イオン液体に添加混和し、主薬液を調整した。トルエンを溶媒とした溶媒法にて常法により有機溶媒、酸化防止剤、親油性膏体、軽質無水ケイ酸と主薬液を混合したものをシリコン塗布したPETフィルムに塗工し乾燥させ,トルエンを除去し,支持体をラミネートし調整した。
得られた貼付剤について、試験例1によりオキシコドンのインビトロ皮膚透過試験を行った。その結果を併せて表11に記載する。
Figure 2015037639

[注記]
−: 測定していない。
上記表11に示すように、紛体を含有しないテープ剤(試験No.K886)では、溶媒が多いために粘着剤層の表面に溶媒が滲出し、テープ剤としては粘着力が強くないものである。一方、紛体を含有するテープ剤(試験No.K884)では、その他の組成が同じであるにもかかわらず、1.3倍の経皮吸収性の向上が見られ、テープ剤の粘着力が増している。更には、紛体を含有するテープ剤の場合には、貼付残存率が約15%であり、約85%の薬剤が経皮吸収されたことになる。
以上のように、テープ剤組成物に紛体を含有させることにより、薬剤の経皮吸収性が向上すると共に、薬剤の有効利用率が飛躍的に向上した。通常のテープ剤の場合にでは、約10%前後の薬剤の有効利用率であるので、紛体を含有するテープ剤(試験No.K884、試験No.N423)に見られるように、80%以上の薬剤の有効利用率は画期的なことである。更に、試験No.K886と試験No.K884の対比から、紛体を含有することによって、粘着力が有効に維持されることが示された。
試験No.N423は、試験No.K884よりも紛体の添加量を減少させ、エステル系溶媒の相対量を増加させたテープ剤となっている。一方、表11に見られる皮膚透過量は、約半分に低下しているが、薬剤の貼付残存率は19%とあまり変わっていない。そこで、試験例2に従って血中濃度を測定した。その結果、血中濃度は、以下の表12と図15に示すように、貼付後3時間前後でピークになることが示された。
Figure 2015037639
上記試験No.N423では、紛体の容積(33.3ml/製剤100g換算)が、アルコール系溶媒、脂肪酸系イオン液体等の相溶性が乏しい溶媒の容積に近いと考えられるので、表12と図15に示されるように、薬剤のオキシコドンが放出され易くなっていると考えられた。即ち、この血中濃度の推移は、図14の内容を裏付けるものとなっている。
(試験例1)インビトロ皮膚透過試験
実施例4〜9のテープ剤のアゴメラチンの経皮吸収性を評価するため、試験温度32℃でフランツ拡散セル(透過面積:1cm、レセプター液容量:8mL)を用いて以下のように経皮吸収性の評価試験を行なった。
(1)ラット皮膚: 5週令のウィスターラット(雄)の腹部摘出皮膚
(2)レセプター溶液:生理食塩水+10% エタノール
(3)透過薬物の濃度測定:HPLC
市販のラット腹部冷凍皮膚(5週齢のウイスター系ラット)を縦型拡散セル(有効拡散面積:1cm)に挟み、角質層側に表5〜11に記載の各サンプルを、また、真皮層側に生理食塩水+10%エタノールをHPLCにより測定し、2,4時間目における薬物の累積透過量を測定した。その結果、表5〜11に示されるアゴメラチンの経皮吸収性の評価をすることが出来た。
(試験例2)ラットを用いたin vivo血中濃度評価試験
(1)実験動物:
wisterラット(雄性)、5週齢
(2)試験方法:
A068の製剤サンプル(アゴメラチン、133μg/cm)として、2cm×2cmの絆創膏型貼付剤を作製した。上記ラット1群(6匹)として、ラットの投与部位周辺(背部から側腹部)を電気バリカン〔THRIVE,Model 5500(0.05 mm),大東電機工業株式会社〕を用いて除毛した後,電気シェーバー(Cleancut,セイコーエスヤード株式会社)を用いて剃毛する.1匹に上記製剤サンプルを3枚貼付し、投与後1、2、4、8、12、24時間目に採血を行った。
採血したラット血漿200μlをガラス管に加えて、生理食塩水200μlを添加し均一にする。次にジエチルエーテル500μlを添加してvortex攪拌して、10分間遠心後、エーテル層を回収する。残った水層に同様のエーテル抽出操作を計3回行った。抽出したエーテルを集め高純度窒素気流下での溶媒留去を行った。エーテルを蒸発させ、乾固した残渣に水200μlを加えて溶解する。その後、0.45μmの濾過フィルターで濾過し、濾液10μlをHPLCで分析した。
また、A244の製剤サンプル(アゴメラチン、266μg/cm)を作製し、同様にして、ラットの血中濃度を測定した。
なお、上記と同様にして、オキシコドン(オキシコドン塩酸塩、286μg/cm)を用いて、ラットの血中濃度を測定した。製剤サンプルとしては、N423を使用した。
(3)結果
上記分析の結果をまとめて、図11と図12にアゴメラチンの血漿中の濃度の推移を示す。更に、図15にオキシコドンの血漿中の濃度の推移を示した。
本発明の粉体成分が添加された非水系テープ剤は、粉体成分により親油性粘着剤層中に空隙が形成され、この空隙に主薬液が貯留され、徐々に薬剤が放出される。また、テープ剤の粘着剤層表面に溶媒が貯留しないので、貼付剤の粘着性が向上している。このように、一般のテープ剤では相反する粘着性と主薬液の放出性が、本発明では改善されており、薬剤の経皮吸収性が向上できている。本発明のテープ剤は、上記の効果に基づいて皮膚との接着性が良好であり、更に、薬剤の経皮吸収性が向上している。また、粉体間の空隙から主薬液が徐々に放出されるため、薬剤の徐放化が可能になっている。このように、本発明の非水系テープ剤は、極性の高い有機溶媒に溶解した薬剤を含有するテープ剤、あるいはイオン液体を含有する非水系テープ剤への新たな応用が可能となり、テープ剤による疾患治療の可能性が拡大できた。

Claims (12)

  1. 薬剤と有機溶媒と親油性膏体基剤に溶解しない粉体を、以下の数1に記載の範囲で含有する非水系貼付製剤組成物。
    Figure 2015037639
  2. 上記粉体が結晶セルロース、無水ケイ酸、でんぷん、カルメロース、カルメロース金属塩、カオリン、カンテン、カラギーナン、ペクチン、粉糖の中から、一つ以上が選択される、請求項1に記載の非水系貼付剤組成物。
  3. 上記粉体が、混合紛体である、請求項1または2に記載の非水系貼付剤組成物。
  4. 有機溶媒として、脂肪酸系イオン液体及び/又はサリチル酸系イオン液体を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
  5. 脂肪酸系イオン液体が、炭素数3〜22の飽和または不飽和の脂肪酸と炭素数6〜9のアルカノールアミンとの等モル塩である、請求項4に記載の非水系貼付剤組成物。
  6. 炭素数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が更に添加されている、請求項4又は5に記載の非水系貼付剤組成物。
  7. 上記炭素数3〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が、乳酸、レブリン酸、デカン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸の中から一つ以上が選択されるものである、請求項6に記載の非水系貼付剤組成物。
  8. 上記炭素数6〜9のアルカノールアミンが、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンの中から一つ以上が選択されるものである、請求項5に記載の非水系貼付剤組成物。
  9. 上記脂肪酸系イオン液体及び/又はサリチル酸系イオン液体が、乳酸トリエタノールアミン塩、乳酸トリイソプロパノールアミン塩、レブリン酸トリエタノールアミン塩、レブリン酸ジイソプロパノールアミン塩、デカン酸トリイソプロパノールアミン塩、サリチル酸トリエタノールアミン塩、オレイン酸ジイソプロパノールアミン塩、イソステアリン酸トリエタノールアミン塩、イソステアリン酸ジイソプロパノールアミン塩、ミリスチン酸ジイソプロパノールアミンの中から、一つ以上が選択されるものである、請求項5に記載の非水系貼付剤組成物。
  10. 上記親油性膏体基剤がスチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体のエラストマーを含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
  11. 上記薬剤が、低分子医薬化合物、タンパク医薬、抗原ペプチド、あるいは核酸誘導体から選択されるものである、請求項1〜10のいずれかに記載の非水系貼付剤組成物。
  12. 上記有機溶媒を、以下の数2に記載の範囲で含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の非水系貼付製剤組成物。
    Figure 2015037639
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