JPWO2015029200A1 - 荷電粒子線レンズモジュール及びそれを備えた荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、荷電粒子線装置の光学系の調整手段を提供するために、以下の構成を提案する。荷電粒子線によって試料の像を結像する結像レンズの光学系に備えられ、かつ前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、前記静電型荷電粒子線レンズにおける焦点距離の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも2段の偏向器と、を有し、前記試料を透過した荷電粒子を用いて結像を行う荷電粒子線装置の光学系に配置可能であることを特徴とするレンズモジュールまたはそれを備える荷電粒子線装置。

Description

本願発明は荷電粒子線レンズモジュール及びそれを備えた荷電粒子線装置に関する。
電子やヘリウムイオンなどに代表される荷電粒子線は電磁場を用いて伝播方向を制御することが可能であり、これら荷電粒子線を用いることによって物質の微細構造観察を可能とする顕微鏡が実現されている。
これらの荷電粒子線装置は電子やイオンなどの荷電粒子を放出する荷電粒子源、荷電粒子と電磁界の相互作用を利用することで粒子の伝播方向を変える偏向器、及び荷電粒子線に収束作用を与える電磁界型レンズなどを用いて構成されている。
<偏向器>
図1には、対向する2枚の平行平板電極10を有する偏向器の断面を示す。紙面は荷電粒子線装置の光軸1を含む平行平板電極10に垂直な平面(偏向面)であり、平行平板電極10に電圧が印加されたとき発生する電界は、光軸1に垂直な方向(図面上でいう横方向)であり、光軸1に沿って図中上側から入射した負電荷を持つ荷電粒子線(例えば電子線)は進行方向の垂直方向に電磁力を受けてその軌道が偏向させられる。平行平板電極10の両端部の電界の乱れを無視し、電極の範囲内にだけ電界が発生すると仮定する均一場近似を用いると、偏向角度βは電極の光軸方向の長さL、対向する電極間距離d、荷電粒子線の加速電圧V、印加電圧VBDと偏向係数kBDを用いて数1に示す簡単な関係で表される。また、このような偏向作用は正の電荷を持つ荷電粒子線においてはその方向が逆になる。本願では、以後、特に断らない限り均一場近似を用いて議論を進める。
Figure 2015029200
荷電粒子線の軌道2は、電界中では放物線を描くが、電界領域を射出後は直進する。図1に示した通り、光軸1に沿って入射した荷電粒子線の軌道2をそのまま直線で延長した虚の軌道28と、偏向器を射出した後の電子線の軌道を直線のまま遡った虚の軌道29は、ちょうど平行平板電極の中央部で交差する。この2つの虚の直線軌道の交点を偏向点30と呼ぶ。偏向点30の位置する光軸に垂直な平面300は平行平板電極の中央に位置する。これにより、荷電粒子線は近似的に偏向点、もしくは偏向点を含む光軸に垂直な平面のみで所定の偏向が与えられるとして扱うことができる。
<焦点調整器>
図2に、3段の電極14、15、16によって構成される焦点調整器と、その調整器によって形成される電界を表す等電位線27、その電界によって偏向を受ける荷電粒子線の軌道2を光軸1を含む面において示した図を表す。焦点調整器へ入射した荷電粒子線は電極の形成する電位の勾配に沿った力を受ける。3段の電極14、15、16それぞれが持つ電位V1、V2、V3をV2 > V1 = V3とした状態において、負の電荷を持った粒子を入射した場合、荷電粒子線2は、光軸1から離れた経路を通る粒子ほど大きな中心軸方向への偏向作用を受けるため、結果として焦点調整器は収束作用を持った静電型荷電粒子線レンズ(アインツェルレンズ)として働く。また、このような焦点調整器の作り出す電界の形状は電極に設けられた開口部の径(図2中W)、各電極間の距離(図2中D1,D2)などによって大きく変化するため、各電極への印加電圧に対する電界型レンズとしての焦点距離の変化もこれに依存する。そのため、焦点調整器は用途によって適切な形状が異なる。
このような収束作用は電極の持つ電位を変化させることにより調整することが可能であるため、焦点調整器を単体で焦点距離が可変な電界型レンズとして用いることができるほか、他の電磁レンズと組み合わせて使用することにより、実質的に他の電磁レンズの焦点位置を変化させるための焦点調整器として使用することができる。
<位相情報の取得>
透過型の荷電粒子線装置、例えば透過電子顕微鏡(TEM)や走査透過電子顕微鏡(STEM)、ヘリウムイオン顕微鏡では物質を透過した荷電粒子線を干渉させることにより、試料を荷電粒子が通過する際に荷電粒子が受けた振幅・位相の変化量に基づいた像強度を得ることができる。特に試料透過時の位相変化に関する情報は試料中の電磁場に関する定量的な評価を可能とする。
また、荷電粒子線の振幅に対する作用が少ない試料(特に生体や有機物など軽元素で構成される物質)では十分な観察像のコントラストを得ることが難しいため、構造を観察する上では荷電粒子線が試料を透過する際の位相変化を観察することが必要となる。このような目的に対して、これまで位相差顕微法あるいは電子線ホログラフィなどの技術が用いられてきた。
しかし、位相差顕微法では大きなスケールを持つ構造に対しては位相変化のコントラストを得ることが難しく、また電子線ホログラフィでは電子線を干渉させる際、位相変化の基準となる参照波が必要となるため、試料の形状に制約があるという課題をそれぞれ抱えていた。これに対して、新たに位相情報を得るための手法として、複数の観察条件で得られた像を元に位相情報を得る手法が非特許文献1に提案されている。
図3は荷電粒子線装置の中でも特にTEMを用いて観察される像のうち、試料透過時に電子線が受ける位相変化量に基づいて生じる像コントラストの空間周波数依存性を示したものであり、観察試料に含まれる様々な大きさの構造それぞれに対して、どの程度の像コントラストが得られるかの特性を示すものである。これは位相コントラスト伝達関数(PCTF)と呼ばれTEMの結像特性を表すものとして用いられる。横軸は空間周波数qに対応しており、実空間の逆数の次元を持つ。試料面において距離Rだけ離れた間隔に対応する周期性の情報はqとの間に数2のような関係を持つ。
Figure 2015029200
荷電粒子線の波長をλ、対物レンズの球面収差係数をCs、観察像のフォーカスが試料上に合った状態であるインフォーカス条件からフォーカスを外した量(デフォーカス量)をΔfとした場合、図4に示すPCTFは高次の収差の影響を除けば数3のように表される。
Figure 2015029200
ここでχ(q,Δf)は回折面における荷電粒子線の波面形状を表すもので、波面収差関数と呼ばれる。PCTFはデフォーカス量(Δf)に応じて変化し、図3中(1),(2),(3)はそれぞれ異なるデフォーカス量におけるPCTFを示したものである。q = 1.5 [nm-1](実空間で約0.67nmの周期に対応)の空間周波数において(1)で示すPCTFの値は0となっており、これはq=1.5[nm-1]の空間周波数の情報が観察像中に含まれないことを示している。
一方、デフォーカス量を変化させた条件において得られる(2)で示すPCTFではq=1.5[nm-1]の空間周波数において値がおよそ1となっており、対応する空間周波数の情報が正のコントラスト(試料像中では相対的に白いコントラスト)として得られることを表す。
また、(2)で示す条件からデフォーカス量の正負を反転させるとPCTFの形状も正負が逆転した形(例えば図3中(3))となる。このようなデフォーカス量に対するPCTFの変化を利用することで、デフォーカス量を変化させた複数条件において像を撮影し、それらに対して演算処理を行うことで例えば(4)で示すように広い空間周波数において一様な値を持つPCTFを実効的に作り出すことが可能となる。これにより、従来の観察像と比較して広範な空間周波数において正のコントラストを持った像を計算的に得ることができる。一般に弱位相物体と呼ばれる、電子線が試料を透過する際に主に位相の変化のみを受けるとみなせる試料においては、前述のような手法によって得られる、電子線の位相変化量に対応したコントラストを用いることで物質の構造をより明瞭に観察することが可能となる。
Tadahiro Kawasaki, Yoshizo Takai, Takashi Ikuta, Ryuichi Shimizu; Ultramicrosc.,90, 1, 47-59, 2001
しかしながら、上記のようなデフォーカス量を変化させて観察を行う場合、基本的には対物レンズの焦点を変化させて撮影を行うこととなる。ここで、一般的には対物レンズには磁界型レンズを用いることになり、以下に示すような課題が存在する。
まず、磁界型レンズは荷電粒子を収束させる際、光軸を中心とした方位角の回転作用も同時に与える。そのため焦点を変動させて得られた像はそれぞれ異なった回転角度で撮影されるため、各像に対する方位角の回転を補正する計算処理が必要となる。
次に、磁界型レンズではヨーク、ポールピースなどの磁路に磁性体を用いているため、コイルへ流す電流量を変化させてレンズの焦点を調整する際、磁性体の持つ履歴効果(ヒステリシス)の影響を受け、コイル電流量とレンズ磁界の強さが非線形な特性を持つ。
こうした課題は磁界型レンズに特有のものであるため、電界型レンズを用いる場合には課題とならない。しかし、磁界型レンズと比較して電界型レンズは収差が大きく、磁場や磁区構造の観察など、特殊な場合を除き単独の対物レンズとしては実用化されていない。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、荷電粒子線によって試料の像を結像する結像レンズの光学系に備えられ、かつ前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、前記静電型荷電粒子線レンズにおける焦点距離の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも2段の偏向器と、を有し、前記試料を透過した荷電粒子を検出する荷電粒子線装置の光学系に配置可能であることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュールを提案する。なお、ここにおけるレンズモジュールとは、偏向器と焦点調整器が一体となったモジュールを意図している。
また、上記課題を解決するための別の手段として、本発明は、試料を透過した荷電粒子を検出する荷電粒子線装置において、前記荷電粒子線装置は、荷電粒子線によって前記試料の像を結像する結像レンズの光学系と、前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、前記静電型荷電粒子線レンズにおける焦点距離の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも2段の偏向器と、を有することを特徴とする荷電粒子線装置を提案する。
本発明により、荷電粒子線装置の光学系の調整を行うことができる。
対向する2枚の平行平板電極を有する偏向器の断面図 焦点調整器による電界の等電位線、偏向を受ける荷電粒子線の軌道を示した図 試料を透過する際に電子線が受けた位相変化量に基づいて得られる像コントラストを示すグラフ 焦点調整器の一例を示す図 偏向器を用い焦点調整器の光軸に合わせて入射するよう調整された例を示す図 焦点調整器の光軸に対し入射角を持つ荷電粒子線を、2段の偏向器を用いて調整する例を示した図 2段の偏向器と焦点調整器を備えた焦点調整器モジュールの外観を示した図 2段の偏向器の下流の焦点調整器よりも下流に1段の偏向器を備えた焦点調整器モジュールの例を示した図 第一、第二の偏向器に対して印加される電圧Vbd1,Vbd2の大きさを、焦点調整器に印加される電圧VLに連動させて実施する回路構成を示す図 出力端子を偏向器との交換を不要とするための回路例を示す図 試料像を結像する結像レンズ系に、焦点調整器モジュールを備えた構成図 2対の対向する平行平板電極を用いて非点収差を補正する例を示した図 焦点調整器モジュールの偏向器の持つ対向電極配置を光軸方向から描いた図 焦点調整器モジュールの偏向器の持つ対向電極配置を光軸方向から描いた図 焦点調整器モジュールが、光軸に直交する方向において微動可能な構成を示した図 焦点調整器モジュールの焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図 焦点調整器モジュールの焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図 焦点調整器モジュールの焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図 電界を用いた偏向器と磁界を用いた偏向器とを備えた焦点調整器モジュールの例を示す図 磁界を用いた偏向器の一例を示した図 電界を用いた偏向器と磁界を用いた偏向器とを備えた焦点調整器モジュールにおいて図19とは異なる例を示す図 焦点調整器モジュールを備えた荷電粒子線装置の構成を模式的に示した図 焦点調整器モジュールが磁界型対物レンズ中に配置された例を示した図 焦点調整器モジュールが試料よりも下流でかつ、対物レンズによって形成される試料の像面よりも上流に備えられた構成の例を示した図 対物レンズ焦点と試料の距離(デフォーカス量)を変化させた際に得られる波面収差関数χの変化を表した図 焦点調整器モジュールを用いた荷電粒子線装置を表した図 フォーカスの異なる像の取得の様子を表した図 4つに分割された電極をもつ焦点調整器の構造を示す図
まず、図4に焦点調整器(レンズモジュール)の一例を示す。光軸1に直交する面内において、対向した平行平板電極10を配置した偏向器を光軸に沿って2段備え、上流である荷電粒子源からみて下流側に3段の電極14,15,16を持った焦点調整器を備えている。
本構成においては、電極14,16を接地電位とし、電極15に対して電源17から電圧を印加する構成となっている。そして電極15に対して印加される電圧を制御することにより、焦点調整器の光軸19に沿って焦点を変化させることが可能である。また図示していないが、電極14,16の電位を接地電位とは異なる電位とした状態で電界型レンズとなるように使用する事もできる。
図5では、焦点調整器の光軸19とは異なる位置を通る光軸1に沿って入射してくる荷電粒子線20を、偏向器を用いて焦点調整器の光軸19に合わせて入射するように調整された例を示す。1段目と2段目の偏向器においては、それぞれ異なる極性の電位が平行平板電極10へ与えられた状態となっている。このような偏向器の構成に対して荷電粒子線20が入射した場合、荷電粒子線20はまず1段目の偏向器において進行方向を曲げられる。その後、荷電粒子線20は2段目の偏向器まで直線的に伝搬し、2段目の偏向器の形成する電場によって新たに1段目の偏向器とは逆方向の偏向を受ける。この際、各電極のとる電位の値を適切に制御することにより、2段の偏向器に対して入射してきた荷電粒子線を光軸に垂直な方向へ平行移動させる事が可能となる。
また、本例では焦点調整器が電極15,16のみで構成されており、図2ないし図4に示すアインツェルレンズ型の光学系の構成とは異なっている。この場合、焦点調整器はイマージョンレンズとして機能する。この場合においても同様に電界型レンズとしての作用を得ることが可能であるが、その振る舞いはアインツェルレンズの場合とは異なるものとなる。
図6は焦点調整器の光軸19に対し、角度を持って入射してくる荷電粒子線20を、2段の偏向器を用いて焦点調整器の光軸19に合わせて入射するようにした例を示す。1段目と2段目の偏向器ではそれぞれ異なる極性の電位が平行平板電極10へ与えられた状態となっている。このような偏向器に対して荷電粒子線20が入射した場合、荷電粒子線20はまず1段目の偏向器において進行方向を曲げられる。その後、荷電粒子線20は2段目の偏向器まで直線的に伝搬し、2段目の偏向器の形成する電場によって新たに1段目の偏向器とは逆方向の偏向を受ける。この際、各電極のとる電位の値を適切に制御することにより、2段の偏向器に対して入射してきた荷電粒子線の進行方向を焦点調整器の光軸19と平行な角度へ変化させ、さらに水平方向位置を焦点調整器の光軸19へ一致させる事が可能となる。
このように、2段の偏向器の偏向量を制御する事により、焦点調整器モジュールに対して入射してくる荷電粒子線の方向と位置を制御することができる。これにより、機械的な調整を行うことなく焦点調整器の光軸19を合わせることが可能となる。
また、本例では焦点調整器が電極14,15のみで構成されており、図2及び図4に示すアインツェルレンズ型、あるいは図5に示すような下側の電極に対して電圧を印加するイマージョンレンズの構成とは異なっているが、この場合においても焦点調整器はイマージョンレンズとして機能する。そしてこの場合においても同様に電界型レンズとしての作用を得ることが可能であり、その振る舞いは図2、図4、図5に示す焦点調整器とは異なるものとなる。
なお、本願は前述のような焦点調整器の持つ電界型レンズとしての種類の違いに依らず、同様にその機能を働かせることが可能であることは言うまでもない。また、前述の説明は光軸を含む一つの面内における荷電粒子線の軌道を示したが、この面に対して角度を持って交わるような、その他の光軸を含んだ面内においても同様の偏向動作を行うことが可能である。
次に、図7は2段の偏向器と焦点調整器を備えた焦点調整器モジュールの外観を示した図である。焦点調整器には荷電粒子線を通過させるための開口部21が設けられており、焦点調整器の持つレンズとしての作用を対称的なものとするため、焦点調整器の開口部21の形状は光軸に対してなるべく対称的な形状、特に円形が望ましい。円形以外の形状の場合には焦点調整器の持つレンズ作用に非点収差が発生する。
図8は2段の偏向器の下流に焦点調整器を備え、さらにその下流に1段の偏向器を備えた焦点調整器モジュールの例を示したものである。例えば1段目、2段目の偏向器によって焦点調整器の光軸の位置を調整し、3段目の偏向器を用いて非点収差を補正するといった使用方法が可能となるため、図7に示した構成よりも更に自由度の高い光学系制御が可能となる。
図9は第一、第二の偏向器に対して印加される電圧Vbd1,Vbd2の大きさを、焦点調整器に印加される電圧VLに連動させて実施する際の回路構成の例である。この回路では電源22からの出力電圧VLを焦点調整器へ導入し、可変抵抗器Rbd1、Rbd2にて分圧した電圧Vbd1,Vbd2をそれぞれ第一、第二の偏向板に導入する。焦点調整器による焦点距離の調整を行うために印加電圧VLを調整すればそれに連動して各々の偏向器への導入電圧Vbd1,Vbd2が変動する。それぞれの偏向器への導入電圧の比率は、可変抵抗器Rbd1、Rbd2にて調整が可能である。
そして図9は、焦点調整器への印加電圧が回路上で最大の場合を想定して図示しているが、例えば、第二の偏向器が最大の印加電圧を要する場合には、VLの出力端子を第二の偏向器と交換すればよい。本願の実施において、このような端子の組み合わせが行われることは言うまでもない。また、前述のような端子の交換を不要とするための回路例としては図10のような構成でも良い。
また先の説明では焦点調整器に印加される電圧VLに対して、二つの電位Vbd1,Vbd2の大きさが連動する例を示した。これにより2段の偏向器を用いた1方向における荷電粒子線の方向と位置の制御が可能となるが、更にこれと直交する別方向に対しても電圧VLに対して同様の分圧回路を接続し、1段目と2段目の各偏向器に対する印加電圧が別途独立して調整可能な回路構成とすることにより、光軸に直交する任意の方向への荷電粒子線の方向・位置を制御することが可能となる。
更に、このような直交する二方向への偏向作用の強さを適切に制御することにより意図的に直交二方向に対する非点収差を作り出し、この非点収差を焦点調整器が持つ非点収差とあわせる事により、結果として焦点調整器モジュール全体での非点収差を補正することも可能である。このような焦点調整器の動作に連動した、偏向器による荷電粒子線の方向・位置、および非点収差の補正を行うことにより、焦点調整器の焦点距離を変化させた際、それに伴って変化する非点収差量を補正した上で好適に使用する事が可能となる。これにより、焦点調整器モジュールの持つ光軸の位置、傾き、非点収差をモジュール単体で調整することが可能となり、焦点調整器モジュールの組み込まれる荷電粒子線装置の持つ光学系に対する調整を必要とすることなく、光学系の調整を行う事が可能となる。
図11は透過型の荷電粒子線装置において、試料42の像を結像する結像レンズ系において前述の焦点調整器モジュール46を備えた構成の例である。荷電粒子源40より放出された荷電粒子線2はコンデンサレンズ41によって並行となり、試料面3に設置された試料42へ照射される。試料42を透過した荷電粒子線は対物レンズ43によって中間像面5に中間像7を形成する。中間像7はさらにその下流に備えられた結像レンズ48によって蛍光板47の上に倍率の異なる観察像6として結像される。
また、それぞれの動作が連動するように組み合わされた偏向器44と焦点調整器45によって構成される焦点調整器モジュール46は前述の結像レンズ系に備えられている。焦点調整器モジュール46は微動機構を備えており、矢印49に示すような光軸1に直行する面内において位置を動かすことで光軸に対して取り付け位置の調整を行うことが可能である。
一般に、観察像6のフォーカスを調整するためには、対物レンズ43の焦点距離が調整されるが、図11に示す構成においては焦点調整器モジュール46の備える焦点調整器45の焦点距離を調整する事によっても観察像6のフォーカスを変化させる事が可能となる。更にこの際、焦点調整器45が持つ機械的な位置・角度のずれ、収差に関しては偏向器44を用いることで調整可能であることは前述の通りである。
図12は2対の対向する平行平板電極を用いて非点収差を補正する例を示した図である。それぞれの対向電極へ印加する電位の正負を逆にすることにより、1方向に対しては荷電粒子に対して電極への引力を、それと直交するもう一方向に対しては電極からの斥力を与えることが可能となる。このような構成を持った偏向器を焦点調整器へ組み合わせることにより、焦点調整器が持つ非点収差を偏向器を用いて補正する事が可能となる。
これを利用することにより、3段の偏向器を組み合わせて使用することで荷電粒子線の方向・位置・非点収差を同時に補正することが可能となる。また、偏向器の電極の取る電位の値を適切に調整し、偏向作用と非点収差の補正作用を兼ねさせることにより、図4に示したように2段の偏向器を備える構成においても荷電粒子線の方向・位置の制御と非点収差の補正とを同時に行うことが可能である。
図13及び図14は焦点調整器モジュールが備える偏向器の持つ対向電極配置を光軸方向から描いた図である。図13に示すように2対の平行平板電極を互いに直交するように配置した場合、荷電粒子線に対してはそれぞれの平行平板電極の向かい合う二方向に対して偏向作用を与えることが可能になり、結果として光軸19に直交する任意の方向に対して偏向作用を与えることが可能となる。その他、前述のように各電極のとる電位を調整することにより、偏向器に組み合わせられる焦点調整器が持つ二回対称な非点収差を補正することも可能である。図14に示すように3対の平行平板電極を配置した場合、光軸19に直交する任意の方向への偏向作用のほか、偏向器に組み合わせられる焦点調整器が持つ三回対称な非点収差を補正することも可能となる。また、後述する図28で示した例の他にも三組以上の平行平板を備えた構成についても実施可能である。
図15は焦点調整器モジュール46が、それを備える荷電粒子線装置の光軸1に直交する方向49において微動可能な構成を示した図である。焦点調整器モジュール46は前述の微動機構とは異なる、更に大きな移動を行うための可動機構60を備え、図中59で示すような光軸1に直行する方向移動させることにより、荷電粒子線2の軌道上への挿入、引出が可能となっている。この例において焦点調整器モジュール46は荷電粒子線2の軌道上から外れた状態となっており、荷電粒子線2に対して影響を与えることはない。また、この状態から焦点調整器モジュール46をその可動方向49に沿って移動させることにより、荷電粒子線2に対して作用させる事の可能な構成へと変化させることも可能である。
このような構成を取ることにより、焦点調整器モジュール46を荷電粒子線装置に取り付ける際、機能拡張するために既存に用意されている取り付け位置(取り付けポート)、例としては対物絞り、制限視野絞りなどが取り付けられている取り付けポート(図示せず)を利用することができる。これにより、装置の大きな組み換えまたは改造を行う事無く、焦点調整器モジュール46を装置光学系に対して取り付け、取り外しを行うことが可能となる。このように取り付け、取り外しを容易に行える構造とすることにより、適切な焦点調整器を必要に応じて簡便に付け替えられるようになる。
さらに、焦点調整器および偏向器は、使用に伴い荷電粒子装置内に存在する炭素や窒素、あるいは水分などの付着による汚染、あるいは周囲の空間に存在する酸素などとの反応による表面の変質により、局所的な帯電や接触電位の形成を原因とした意図しない荷電粒子線への作用を持ちうるが、こうした場合においても焦点調整器モジュール自体を単独で取り付け、取り出し可能な構造とすることにより、容易に交換、あるいは荷電粒子線装置内に設けられた洗浄用の空間に焦点調整モジュールを退避させ、ヒーターなどの熱源への接触、あるいは光や荷電粒子の照射による処理を行うことが可能となる。
図16は焦点調整器モジュールを構成する焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図である。この場合、光軸1に沿って進む荷電粒子線20の進行方向である図中下向きの順に、第1の偏向器、焦点調整器、第2の偏向器を備えた構成となっている。このような構成とした場合、第2の偏向器へ入射する荷電粒子線は焦点調整器によるレンズ作用を受けるため、第2の偏向器の持つ偏向作用に対して焦点調整器によって生み出される倍率変化の作用を加えることが可能となり、光学系設計の自由度を高めることが可能となる。
図17は焦点調整器モジュールを構成する焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図である。この場合、光軸1に沿って進む荷電粒子線20の進行方向である図中下向きの順に、焦点調整器、第1の偏向器、第2の偏向器を備えた構成となっている。このような構成とした場合、第1の偏向器、第2の偏向器の両方へ入射する荷電粒子線が焦点調整器によるレンズ作用を受けるため、第1の偏向器、第2の偏向器の持つ偏向作用に対して焦点調整器によって生み出される倍率変化の作用を加えることが可能となり、光学系設計の自由度を高めることが可能となる。
図18は焦点調整器モジュールを構成する焦点調整器と偏向器の配置に関する例を示した図である。この場合、光軸1に沿って進む荷電粒子線20の進行方向である図中下向きの順に、第1の偏向器、第2の偏向器、焦点調整器、第3の偏向器、第4の偏向器を備えた構成となっている。このような構成をとることにより、焦点調整器モジュールの微動が行えない場合においても、偏向器を用いた光学的調整によって焦点調整器モジュールを利用することが可能となる。
図19は電界を用いた偏向器と磁界を用いた偏向器とを備えた焦点調整器モジュールの例を示す図である。第1の偏向器では電極10に印加された電圧に応じて電極間に電界の勾配が形成され、偏向器に入射した荷電粒子は持つ電荷の大きさに応じた力を電界より受ける。その下流に備えられた第2の偏向器ではコイル23に流される電流の向き、大きさに応じた磁界が形成され、偏向器に入射した荷電粒子は持つ電荷の大きさに応じた力を磁界より受ける。
また、図20は磁界を用いた偏向器の一例を示した図であり、磁路26に4つのコイル23を備えた構造を持っている。各コイルに対して励磁電流を流すことにより、例として図中にN,Sの表記で示すように各コイルを電磁石として機能させ、図20中の34で示すような磁束を作り出すことができる。コイルの励磁の方向・量によっては磁路26から磁束が漏れ出し、磁路外の空間を通るが、こうした磁束を利用することにより、偏向器中を通過する荷電粒子線2に対して偏向作用を与えることが可能となる。
このように、焦点調整器モジュールが備える偏向器は電界を用いたもののほか、磁界を用いたものとした構成をとることが可能である。特に図19に示すように焦点調整器の上流に備えられた偏向器を磁界を用いたものとした場合、磁界型偏向器を実質的な設置電極として作用させ、その下流に設けられた焦点調整器が備える電極の数を減らした構成をとることが可能となる。例として図19では電圧が印加される電極15と、設置された電極16のみによって焦点調整器が構成された例を示している。このような構成により焦点調整器モジュールを構成する部材を減らし、焦点調整器モジュールの小型化が可能となる。
図21は電界を用いた偏向器と磁界を用いた偏向器とを備えた焦点調整器モジュールにおいて図19とは異なる例を示す図である。第1の偏向器ではコイル23に流される電流の向き、大きさに応じた磁界が形成され、偏向器に入射した荷電粒子は持つ電荷の大きさに応じた力を磁界より受ける。その下流に備えられた第2の偏向器では電極10に印加された電圧に応じて電極間に電界の勾配が形成され、偏向器に入射した荷電粒子は持つ電荷の大きさに応じた力を電界より受ける。特に図20に示すように第1の偏向器を磁界を用いたものとした場合、第1の偏向器は電界を形成しないほか、その下流に備えられた電界を用いた偏向器の形成する電界が第1の偏向器の上流に対して広がることを防ぐ役割を果たす。これは第1の偏向器の上流に備えられた試料42として、誘電体などの外部の電場による影響を受けやすい試料を配置して観察を行う際に有効である。
図22は本願の焦点調整器モジュールを備えた荷電粒子線装置の構成を模式的に示した図である。荷電粒子源40を備え、その下流には荷電粒子線を加速するための加速管58、荷電粒子線を収束するための第1コンデンサレンズ50、第2コンデンサレンズ51を備え、収束された荷電粒子線は試料42へ照射される。試料42を透過した荷電粒子線はその下流に設けられた対物レンズ43、焦点調整器モジュール46を構成する偏向器44と焦点調整器45、第1結像レンズ52、第2結像レンズ53、第3結像レンズ54、第4結像レンズ55によって構成される結像レンズ系によって、蛍光板47の上に結像され、観察像6を形成する。
荷電粒子線装置を構成する各要素は真空容器56の中に収められており、それぞれは制御ユニット(80,81,82,83,84,85,86,87,88,90,91,92)を介して、制御系コンピュータ95より動作を制御することが可能である。荷電粒子線装置を使用するにあたっては制御系コンピュータのモニタ96に表示される内容に対して制御系コンピュータのインターフェース97を用いて入力を行うことで荷電粒子線装置をコントロールすることが可能である。
この際、使用者が荷電粒子線装置を構成する各要素対する制御内容を明示的に入力せずとも、使用者が入力した内容に基づいて制御系コンピュータが適切な制御内容を自動的に各制御ユニットに対して行うことも可能である。このような動作は装置の光学系を調整する機能の一部として制御系コンピュータ95に実装される。
観察像6のフォーカスを変化させるためには、対物レンズ43の焦点距離を変化させる手段が一般的に行われるが、これは焦点調整器モジュール46の持つ焦点調整器45の焦点距離を変化させることによっても実現することが可能である。このような場合、偏向器44が荷電粒子線に対して与える偏向量は焦点調整器45の焦点距離に連動して制御することができ、例えば焦点調整器45に対して印加される電圧量に比例した電圧を偏向器44へ印加するといった制御方法が考えられる。
また、結像レンズ系によって結像された観察像6は画像観察・記録媒体57(例えばTVカメラやCCD・CMOSカメラ)を用いることによって記録され、記録された像は画像記録・演算処理装置98によって処理され、例えば画像表示装置99へ表示するほか、制御系コンピュータ95へ取り込むといった処理が可能となる。
なお、図22では焦点調整器モジュール46は光学系中へ挿入された状態を点線で囲った部分で描いている。焦点調整器モジュール46の挿入・引出は荷電粒子線装置を構成するほかの装置とは関係なく独立に動作させることが可能である。
図22は荷電粒子線装置、例えば60kVから300kV程度の電子顕微鏡などで使用することが可能な光学系の例を示しているが、図18中の荷電粒子線装置の構成要素はこの図に限られるものではない。更に、実際の装置ではこの図に示した構成要素以外に、荷電粒子線の進行方向を変化させる本願とは異なる偏向系、荷電粒子線の透過領域を制限する絞り機構、荷電粒子線の位相を主として変化させる位相板などが存在しうる。これらの構成要素は本発明に適用可能であるが、この図では省略している。さらに、荷電粒子線の光学系は真空容器56中に組み立てられた真空ポンプによって継続的に排気されており、真空排気系についても図では省略しているが、本発明に適用可能である。
図23は焦点調整器モジュール46が磁界型対物レンズ中に配置された例を示した図である。対物レンズの形成する磁場はポールピース上磁極24とポールピース下磁極25の間に形成され、荷電粒子線に対して収束作用を与える。焦点調整器モジュールと対物レンズは独立して動作させることが可能であるが、荷電粒子に対しては一組の組み合わせレンズとしてみなすことが可能であり、この場合荷電粒子線焦点調整器を構成する電極14,15,16へ印加する電圧を変化させることによって、対物レンズの焦点位置を変化させた場合と同様に、試料42に対するフォーカスの調整を行うことが可能である。また、焦点調整器モジュール46は光軸1と垂直な方向49へ稼動させることの可能な構造とすることにより、光軸上への挿入・引き出しを容易に切り替え、観察条件を変化させることが可能である。
なお、本実施例では対物レンズのポールピースに対する関係について記述しているが、全く同様に他の結像レンズ(第1結像レンズ52, 第2結像レンズ53, 第3結像レンズ54, 第4結像レンズ55)に対しても焦点調整器モジュールを作用させることが可能である。この場合、試料面に対応するのは各レンズが結像する中間像(例えば図11中の7)であり、光学系によって焦点調整器モジュールの備えられる面において得られる像倍率に応じて、デフォーカス量を変化させる際に必要となる電場の強さが変化する。
図24は焦点調整器モジュール46が試料42よりも下流でかつ、対物レンズによって形成される試料42の像面46よりも上流に備えられた構成の例を示した図である。焦点調整器モジュール46は、試料42とその下流の結像系におけるいくつかの面において形成される像面との間に備えられた構成においては、いずれの場合においても像に対してフォーカスを変化させる作用を与えることが可能である。
図25は対物レンズ焦点と試料の距離(デフォーカス量)を変化させた際に得られる波面収差関数χの変化を表した図であり、横軸は空間周波数q、縦軸は回折面における透過波と回折波の間の位相差の大きさχを表している。χ 1, χ 2はそれぞれデフォーカス量をΔf1,Δf2とした場合のχに対応している。
図25中のq=1[nm-1]にて表現される空間周波数に着目すると、デフォーカス量をΔf1からΔf2へ変化させた場合、波面収差関数χの値は図中Dで示す量だけ変化することになる。デフォーカス量を変化させて得られる複数の像を用いて試料を透過した荷電粒子線の波動場の振幅・位相に関する情報を復元しようとする場合、幅広いデフォーカス条件において変化させるほどDの変化量は大きくなり様々な条件における像が得られるため、情報を復元する上では有利となり、具体的にはDの大きさは2π以上であることが望ましい。このため、Rの大きさを持つ構造に関する波動場の情報を復元しようとする場合、デフォーカスの変化量Dfは以下の数4で示す関係を満たすことが好ましい。
Figure 2015029200
図26は焦点調整器モジュールを用いた荷電粒子線装置を表した図であり、図27はフォーカスの異なる像の取得の様子を表した図である。対物レンズ43によって試料42の像が中間像面5に形成される。デフォーカス量が0となるインフォーカス条件では試料に対してフォーカスの合った状態となっており、図27中の(b)で示すような像が得られる。さらに対物レンズ43の下流に備えられた焦点調整器モジュール46に対して電圧を印加した場合、焦点調整器モジュールの焦点が変化するため、結果として対物レンズの焦点距離を変化させた場合と同様の変化を観察像に与える。すなわち観察像のフォーカス位置が変化するため、デフォーカスされた像が観察・記録される。例としてフォーカスを不足焦点方向へ変化させた場合のアンダーフォーカス像を(a)に、フォーカスを過焦点方向へ変化させた場合のオーバーフォーカス像を(c)に示す。
それぞれの実像(a),(b),(c)を比較すると像のコントラストが変化しており、結像条件が変化していることが分かる。(a)、(b)、(c)の像をフーリエ変換した、ディフラクトグラムをそれぞれ(d)、(e)、(f)に示す。 (d)と(f)では同心円状のリング状パターンが現れており、(e)では同様なパターンは表れていない。これは前述のPCTFがフォーカスを変化させたことにより各像において異なっていることを表しており、各ディフラクトグラム中の黒いリング部分は対応する空間周波数の情報が欠落し、像中から失われていることを表す。逆に白いリング部分は対応する空間周波数の情報が十分なコントラストで結像され、像中に含まれていることを表す。
このように焦点調整器モジュールを用いて焦点を変化させた条件によって得られるそれぞれの像は図26の画像観察・記録媒体57によって記録され、画像観察・記録媒体の制御ユニット93を通じて画像記録・演算処理装置98中に取り込まれ、一連の画像に対して演算処理を行うことができる。また、それにより得られた結果は必要に応じて画像表示装置99に表示することが可能である。焦点調整量、像の取得枚数、撮影時間の一部、もしくはすべてをユーザーが指定することにより、焦点調整器モジュールの制御、像の取得、演算処理、処理結果の表示といった一連の動作を自動的に行い、試料を透過した電子線の振幅・位相情報を得ることについても可能となる。
図28は4つに分割された電極をもつ焦点調整器の構造を示す。焦点調整器は電極14,15,16によって構成されており、開口21を持つ。電極15は光軸に垂直な面内において4つの電極に分割されており、それぞれの電極に対しては電源17が接続され、独立した電位を持たせることが可能である。各電極15が持つ電位を異なる値とすることにより、開口21内に形成される電界の形状を制御し、荷電粒子線に対する偏向、あるいは非点収差の補正作用を新たに持たせることが可能となる。従って、他の実施例において少なくとも2段以上あった偏向器の働きのうち1つ以上を焦点調整器にて行うことができ、偏向器の数を減らすことも可能となる。
最後に、本発明の適用できる装置について述べる。荷電粒子の例として例えば負の電荷を持つ電子が挙げられるが、イオンのように正の電荷を持つものもある。これらは電荷の正負に応じて電磁界からの作用は反転するものの、基本的には同一分野の技術を用いて前述の装置は構成可能である。そのため、本願で説明する内容は適用する荷電粒子の種類を限定するものではない。
1:光軸、2:荷電粒子線、およびその軌道、3:試料面、4:後焦点面、5:中間像面、6:観察像、7:中間像、10:対抗電極、12:電源、13:接地電位、14:焦点調整器の電極、15:焦点調整器の電極、16:焦点調整器の電極、17:電源、18:接地電位、19:光軸、20:荷電粒子線、21:開口部、22:電源、23:コイル、24:ポールピース上磁極、25:ポールピース上磁極、26:磁路、27:等電位線、28:入射電子線の虚の軌道、29:偏向後の電子線の虚の軌道、30:第1の偏向器による変向点、300:変向点30を含む光軸に垂直な平面、34:磁束を示した線、40:荷電粒子源、41:コンデンサレンズ、42:試料、43:対物レンズ、44:偏向器、45:焦点調整器、46:焦点調整器モジュール、47:蛍光板、48:結像レンズ、49:焦点調整器モジュールの微動方向、50:第1コンデンサレンズ、51:第2コンデンサレンズ、52:第1結像レンズ、53:第2結像レンズ、54:第3結像レンズ、55:第4結像レンズ、56:真空容器、57:画像観察・記録媒体、58:加速管、59:焦点調整器モジュールの着脱方向、60:焦点調整器モジュールの稼動機構、80:荷電粒子源の制御ユニット、81:加速感の制御ユニット、82:第1コンデンサレンズの制御ユニット、83:第2コンデンサレンズの制御ユニット、84:試料の制御ユニット、85:対物レンズの制御ユニット、86:偏向器の制御ユニット、87:焦点調整器の制御ユニット、88:第1結像レンズの制御ユニット、90:第2結像レンズの制御ユニット、91:第3結像レンズの制御ユニット、92:第4結像レンズの制御ユニット、93:画像観察・記録媒体の制御ユニット、95:制御系コンピュータ、96:制御系コンピュータのモニタ、97:制御系コンピュータのインターフェース、98:画像記録・演算処理装置、99:画像表示装置、110:波面、111:波面

Claims (15)

  1. 荷電粒子線によって試料の像を結像する結像レンズの光学系に備えられ、かつ前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、
    前記静電型荷電粒子線レンズにおける前記デフォーカス量の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも2段の偏向器と、を有し、
    前記試料を透過した荷電粒子を用いて結像を行う荷電粒子線装置の光学系に配置可能な荷電粒子線レンズモジュール。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線レンズモジュールにおいて、
    前記荷電粒子線レンズモジュールは、前記荷電粒子線装置の光軸を含む空間内において前記光軸に垂直である任意の方向へ移動可能であり、かつ前記荷電粒子線の軌道上への挿入または前記荷電粒子線の軌道上からの引出が可能であることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子線レンズモジュールにおいて、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とが、前記荷電粒子線の進行方向からみて、第1の偏向器、第2の偏向器、前記静電型荷電粒子線レンズ、の順に配置されることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子線レンズモジュールにおいて、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とが、前記荷電粒子線の進行方向からみて、第1の偏向器、前記静電型荷電粒子線レンズ、第2の偏向器、の順に配置されることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線レンズモジュールにおいて、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とが、前記荷電粒子線の進行方向からみて、前記静電型荷電粒子線レンズ、第1の偏向器、第2の偏向器、の順に配置されることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線レンズモジュールにおいて、
    前記2段の偏向器における前記荷電粒子線に与える偏向作用の少なくとも1つの偏向作用は、電界によるものであることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  7. 試料を透過した荷電粒子を検出する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線装置は、
    荷電粒子線によって前記試料の像を結像する結像レンズの光学系と、
    前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、
    前記静電型荷電粒子線レンズにおける前記デフォーカス量の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも2段の偏向器と、を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とは、前記荷電粒子線装置の光軸を含む空間内において前記荷電粒子線装置の光軸に垂直な任意の方向へ移動可能なモジュールとして配置され、
    前記モジュールは、荷電粒子線の軌道上への挿入または前記荷電粒子線の軌道上からの引出が可能であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記結像レンズは磁界型対物レンズであり、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とは、前記荷電粒子線装置の光軸を含む空間内において前記荷電粒子線装置の光軸に垂直な任意の方向へ移動可能なモジュールであり、
    前記モジュールは、前記荷電粒子線の進行方向において前記試料からみて光軸の下流側で、かつ前記磁界型対物レンズの磁場中に配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記結像レンズは磁界型対物レンズであり、
    前記静電型荷電粒子線レンズと前記2段の偏向器とは、前記荷電粒子線装置の光軸を含む空間内において前記荷電粒子線装置の光軸に垂直な任意の方向へ移動可能なモジュールであり、
    前記モジュールは、前記荷電粒子線の進行方向において、前記試料からみて光軸の下流側で、かつ前記磁界型対物レンズと前記磁界型対物レンズによる前記試料の像面との間に配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記2段の偏向器は前記荷電粒子線に対して、前記荷電粒子線装置の光軸と前記静電型荷電粒子線レンズの光軸とが一致するよう偏向作用を与えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記2段の偏向器は前記荷電粒子線に対して、前記静電型荷電粒子線レンズにより生じる非点収差を低減させる偏向作用を与えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線の波長をλ、
    前記試料の観察対象物の大きさをR、
    前記静電型荷電粒子線レンズの焦点距離の調整により発生する前記試料の像のフォーカス変調量をDfとするとき、
    Df>(2×R×R)/λ
    の式の関係を満たすことが可能であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 荷電粒子線によって試料の像を結像する結像レンズの光学系に備えられ、かつ前記試料の像のデフォーカス量を前記結像レンズとは独立に調整可能な静電型荷電粒子線レンズと、
    前記静電型荷電粒子線レンズにおける前記デフォーカス量の調整と連動して前記荷電粒子線に偏向作用を与える少なくとも1段の偏向器と、を有し、
    前記静電型荷電粒子線レンズは、
    前記荷電粒子線装置の光軸に対して略垂直な平面内にて分割された4個の電極を有し、
    前記試料を透過した荷電粒子を検出する荷電粒子線装置の光学系に配置可能であることを特徴とする荷電粒子線レンズモジュール。
  15. 請求項14に記載の荷電粒子線レンズモジュールを有する荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線装置は、前記試料を透過した荷電粒子を検出する荷電粒子線装置であり、かつ前記荷電粒子線レンズモジュールを、前記荷電粒子線によって試料の像を結像する結像レンズの光学系に備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
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