JPWO2015025912A1 - 血液成分分離用装置 - Google Patents

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Abstract

血液を貯留するための血液貯留槽(20)は、第1貯留部(21)と、第2貯留部(22)と、第1貯留部(21)と第2貯留部(22)との間に設けられ、第1貯留部(21)及び第2貯留部(22)と連通した第3貯留部(23)とを備える。血液貯留槽(20)内に第1遮断部材(31)及び第2遮断部材(32)を備える。第1遮断部材(31)は、第1貯留部(21)と第3貯留部(23)との連通を遮断することができるように構成されている。第2遮断部材(32)は、第2貯留部(22)と第3貯留部(23)との連通を遮断することができるように構成されている。

Description

本発明は、血液を各血液成分に遠心分離するために用いられる血液成分分離用装置に関する。
近年、全血輸血に代わって血液中の必要な成分のみを患者に輸血する成分輸血、さらには、血漿製剤を製造するための血漿採取などが行われるようになってきている。このため、従来、プラスチック製の血液バッグに入れられた血液を、赤血球、白血球、血小板等の各成分に比重の差を利用して遠心分離し、必要な成分を取り出す血液成分の分離が、血液事業の分野において行われている。
図27に示すように、血液成分の分離に用いられる従来の血液バッグ800は、プラスチック製の略長方形状のバッグ本体801と、バッグ本体801に連通するポート802及び送液チューブ811,812,813を備えている。送液チューブ812,813の末端には、分離した血液成分(血漿成分、白血球成分)を貯留するための子バッグ(図示せず)がそれぞれ接続される。
血液バッグ800を用いた血液成分の分離は、以下のようにして行われる。最初に、採取された血液を、送液チューブ811を介してバッグ本体801内に貯留する。このとき、ポート802及び送液チューブ812,813は閉じられている。次いで、バッグ本体801内の血液を遠心分離して、図27に示すように、赤血球層Aと、血漿層Bと、血小板を含んだ白血球層Cとに分離する。次いで、送液チューブ812を開通させ、バッグ本体801を加圧して、血漿層Bを送液チューブ812を介して当該送液チューブ812の末端に接続された子バッグ(図示せず)に移送する。次いで、送液チューブ813を開通させ、バッグ本体801を加圧して、白血球層Cを送液チューブ813を介して当該送液チューブ813の末端に接続された別の子バッグ(図示せず)に移送する。かくして、各血液成分の分離が完了する。
血液中に占める白血球成分は他の成分に比して少ない。従って、図27に示す従来の血液バッグ800では、赤血球層Aと血漿層Bとの間に、白血球層Cがごく薄い層として分離される。上記の方法では、赤血球成分を白血球成分に混入させずに、あるいは赤血球層Aに白血球成分を残存させずに、白血球成分のみを残らずに送液チューブ813を介して子バッグに移送することは容易でない。また、白血球層Cを、子バッグに移送するためにバッグ本体801内で移動させると、バッグ本体801の内面に白血球成分が付着するので、全ての白血球成分を回収することは困難である。
そこで、これらの問題点を解消することが可能な血液成分分離用血液バッグが提案されており(例えば、特許文献1参照)、これを図28を用いて説明する。
図28に示すように、この血液成分分離用血液バッグ900は、血液を貯留するためのバッグ本体901と、採血した血液をバッグ本体901に移送するための送液チューブ902とを備えている。バッグ本体901は、両端の第1バッグ部911及び第2バッグ部912と、これらの間の第3バッグ部913とを備える。第3バッグ部913は第1バッグ部911及び第2バッグ部912よりも幅が狭い。第1バッグ部911、第2バッグ部912、第3バッグ部913には、それぞれの内容物を取り出すための第1ポート921、第2ポート922、第3ポート923がそれぞれ設けられている。
血液バッグ900を用いた血液成分の分離は、以下のようにして行われる。最初に、血液を送液チューブ902を介してバッグ本体901内に貯留する。次いで、バッグ本体901内の血液を遠心分離する。血液は、第1バッグ部911内の赤血球層A、第2バッグ部912内の血漿層B、第3バッグ部913内の白血球層Cに分離される。次いで、第1バッグ部911と第3バッグ部913の境界部分、及び、第3バッグ部913と第2バッグ部912の境界部分をそれぞれシールする。シールは、例えば熱シール法や高周波シール法で行われる。次いで、シール部分にてバッグ本体901を第1、第2及び第3バッグ部911,912,913に切り離す。第1、第2、及び第3バッグ部911,912,913内の赤血球層A、血漿層B、及び白血球層Cを、第1ポート921、第2ポート922、及び第3ポート923を介してそれぞれ取り出す。
このように、血液バッグ900は、遠心分離後にバッグ本体901を各成分ごとにシールし分離することができるように構成されている。従って、他の血液成分を混入させることなく、血液を純粋な各血液成分に分離することが可能となり、特に、白血球成分の回収率を向上させることが可能となる。
特許第4431929号公報
上記の従来の血液バッグ900(図28参照)は、柔軟なシートを貼り合わせた袋状物であるから、血液を貯留した状態において形状保持性を有しない。従って、仮に遠心分離によって血液を各成分に分離することができたとしても、その後、隣り合うバッグ部間の境界部分をシールする前に外力などによって血液バッグ900が変形すると各成分が互いに混ざり合ってしまう等の不都合が生じやすい。
一方、血液を貯留するための容器が実質的に変形しない形状保持性を有していると、遠心分離後に、血液バッグ900(図28参照)と同様の方法で境界部分をシールして容器を3部分に分割することは困難である。
本発明は、遠心分離後にその内部を3部分に分割して白血球成分を効率よく回収することが可能な血液成分分離用装置を提供することを目的とする。
本発明の血液成分分離用装置は、血液を貯留するための血液貯留槽を備え、前記血液貯留槽内に貯留した血液を遠心分離するために用いられる。前記血液貯留槽は、第1貯留部と、第2貯留部と、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間に設けられ、前記第1貯留部及び前記第2貯留部と連通した第3貯留部とを備える。前記血液成分分離用装置は、前記血液貯留槽内に、第1遮断部材及び第2遮断部材を備える。前記第1遮断部材は、前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されている。前記第2遮断部材は、前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されている。
本発明の血液成分分離用装置では、第1貯留部と第3貯留部との連通を遮断する第1遮断部材、及び、第2貯留部と第3貯留部との連通を遮断する第2遮断部材が、血液貯留槽内に設けられている。従って、従来の血液バッグとは異なり、隣り合う貯留部間の境界部分で血液貯留槽を変形させたり押し潰したりすることなく、隣り合う貯留部間の連通を遮断することができる。これは、遠心分離後に隣り合う貯留部間の連通を遮断する際に、隣り合う貯留部にそれぞれ貯留された血液成分が互いに混ざり合う可能性を低減させるので、白血球成分の回収効率を向上させるのに有利である。また、第3貯留部の内径を比較的大きく設定することが可能になるので、白血球成分の回収効率の更なる向上に有利である。
図1は、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の斜視図である。 図2は、血液貯留槽から支持部材を分離した、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の断面斜視図である。 図4は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断した、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図5は、図4の状態からストッパーが取り外された、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の斜視図である。 図6は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断し且つ第2貯留部と第3貯留部との連通を第2遮断部材が遮断した、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図7は、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置において、第3貯留部内の白血球成分を回収する際の流体の流れを示した拡大断面図である。 図8は、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置において、第3貯留部内を生理食塩水で洗浄する際の流体の流れを示した拡大断面図である。 図9は、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の斜視図である。 図10は、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の分解斜視図である。 図11は、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の断面斜視図である。 図12は、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の第1貯留部の拡大断面図である。 図13は、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の第2遮断部材及びその周辺部分の拡大断面図である。 図14は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断した、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図15は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断し且つ第2貯留部と第3貯留部との連通を第2遮断部材が遮断した、本発明の実施形態2にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図16は、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の斜視図である。 図17は、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の断面斜視図である。 図18は、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の第2遮断部材及びその周辺部分の拡大断面図である。 図19は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断した、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図20は、第1貯留部と第3貯留部との連通を第1遮断部材が遮断し且つ第2貯留部と第3貯留部との連通を第2遮断部材が遮断した、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図21は、図20の状態にある本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置の斜視図である。 図22は、本発明の実施形態3にかかる血液成分分離用装置において、第3貯留部内の白血球成分を回収する際の流体の流れを示した拡大断面図である。 図23Aは、互いに連通した2つのバルーン状の遮断部材を備える、本発明の別の実施形態にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図23Bは、図23Aに示す2つのバルーン状の遮断部材で第3貯留部と第1貯留部21及び第2貯留部22との連通が遮断された、本発明の別の実施形態にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図24Aは、互いに独立した2つのバルーン状の遮断部材を備える、本発明の更に別の実施形態にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図24Bは、図24Aに示す2つのバルーン状の遮断部材で第3貯留部と第1貯留部21及び第2貯留部22との連通が遮断された、本発明の更に別の実施形態にかかる血液成分分離用装置の断面図である。 図25は、本発明の更に別の実施形態にかかる血液成分分離用装置に設けられた、レンズシャッターに類似した構造を有する第2遮断部材及びその近傍の断面図である。 図26A及び図26Bは、図25に示した第2遮断部材の斜視図であり、図26Aはその閉状態を示し、図26Bはその開状態を示す。 図27は、血液成分の分離に用いられる従来の血液バッグを示す概略縦断面図である。 図28は、血液成分の分離に用いられる従来の改良された血液バッグを示す概略縦断面図である。
本発明の血液成分分離用装置は、血液を貯留するための血液貯留槽を備え、前記血液貯留槽内に貯留した血液を遠心分離するために用いられる。前記血液貯留槽は、第1貯留部と、第2貯留部と、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間に設けられ、前記第1貯留部及び前記第2貯留部と連通した第3貯留部とを備える。前記血液成分分離用装置は、前記血液貯留槽内に、第1遮断部材及び第2遮断部材を備える。前記第1遮断部材は、前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されている。前記第2遮断部材は、前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されている。
上記の本発明の血液成分分離用装置において、前記第1遮断部材は、前記第1貯留部内で移動して前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することが好ましい。また、前記第2遮断部材は、前記第2貯留部内で移動して前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することが好ましい。かかる好ましい形態によれば、連通を遮断するために第1遮断部材及び第2遮断部材自身を実質的に変形させる必要がない。従って、隣り合う貯留部間の連通を遮断したときの液密性が向上する。これは、白血球成分を効率よく回収するのに更に有利である。
上記において、前記装置が、前記第1遮断部材を保持し且つ前記血液貯留槽外に導出された第1ロッドを備えることが好ましい。この場合、前記第1ロッドを移動させることにより前記第1遮断部材を移動させることができることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、血液貯留槽外から第1遮断部材を容易に移動させて、第1貯留部と第3貯留部との連通を遮断することができる。
前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態において前記第3貯留部内と前記血液貯留槽外とを連通させる第1流路が設けられていることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、第3貯留部内の白血球成分を第1流路を介して回収することができる。
前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態において前記第3貯留部内と前記血液貯留槽外とを連通させる第2流路が更に設けられていることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、第3貯留部内の圧力変動を抑えながら、第3貯留部内の白血球成分をスムーズに回収することができる。
前記第1流路及び前記第2流路のうちの少なくとも一方が前記第1ロッド内に設けられていることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、第1流路及び第2流路を第1ロッド外に設ける場合に比べて、装置を構成する部品点数を少なくすることができ、装置の構成を簡単化することができる。
前記第1ロッドが外側管内に内側管が挿入された二重管構造を有していてもよい。この場合、前記内側管内に前記第1流路が形成され、前記内側管と前記外側管との間に前記第2流路が形成されていることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、簡単な構成で、共通する第1ロッド内に互いに独立した第1流路及と第2流路を設けることができる。
前記第1遮断部材を前記第1貯留部の底面に当接して配置することができることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、遠心分離時に第1遮断部材を安定的に保持することができる。
前記装置が、前記第2遮断部材を保持し且つ前記血液貯留槽外に導出された第2ロッドを備えることが好ましい。この場合、前記第2ロッドを移動させることにより前記第2遮断部材を移動させることができることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、血液貯留槽外から第2遮断部材を容易に移動させて、第2貯留部と第3貯留部との連通を遮断することができる。
遠心分離時に前記第2遮断部材が前記血液貯留槽内で移動して前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することがないように、前記装置は、前記第2遮断部材の移動を規制する移動規制機構を更に備えることが好ましい。かかる好ましい形態によれば、遠心分離時に第2遮断部材を安定的に保持することができる。
前記移動規制機構が、前記血液貯留槽外に設けられた取り外し可能なストッパーを含むことが好ましい。かかる好ましい形態によれば、遠心分離後にストッパーを取り外し、第2遮断部材を移動させることができる。従って、遠心分離時には移動が規制され、遠心分離後には移動可能な第2遮断部材を、簡単な構成で実現することができる。
あるいは、前記移動規制機構が、前記血液貯留槽外に設けられ且つ前記第2ロッドに連結されたストッパーを含んでいてもよい。かかる好ましい構成によれば、ストッパーを紛失してしまうのを防止できる。また、第2ロッドを短くしても、ストッパーを操作して第2遮断部材を移動させることができる。
上記の本発明の血液成分分離用装置は、前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断したときの前記第3貯留部内の圧力を開放するための圧力解放機構を更に備えることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、第3貯留部内の圧力が上昇することによって第3貯留部内の白血球成分が前記第1流路又は前記第2流路を通って外界へ漏れ出したり、第2遮断部材で第3貯留部と第2貯留部との連通を遮断するのが困難になったりする可能性を低減できる。
前記圧力開放機構は、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通するように前記第2遮断部材に設けられた貫通孔を含むことが好ましい。かかる好ましい構成によれば、簡単な構成で圧力解放機構を構成することができる。
上記において、前記圧力開放機構は、前記貫通孔に設けられた一方向弁を更に含み得る。この場合、前記一方向弁は、前記貫通孔を通って前記第3貯留部から前記第2貯留部への流れを許容し、且つ、前記貫通孔を通って前記第2貯留部から前記第3貯留部への流れを禁止することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、簡単な構成で圧力解放機構を構成することができる。
あるいは、前記圧力開放機構は、前記貫通孔に一端が接続されたチューブを更に含み得る。この場合、前記チューブの他端は、前記血液貯留槽内の血液面より上の位置で開口していることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、動作の信頼性が向上した圧力解放機構を実現することができる。
前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態で前記第3貯留部内の白血球成分を吸引して回収するとき、前記圧力解放機構は、外界の空気を前記第3貯留部内に流入させる流路を構成することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、第3貯留部内の圧力変動を抑えながら、第3貯留部内の白血球成分をスムーズに回収することができる。また、外界の空気を第3貯留部内に流入させる流路を圧力解放機構とは別に設ける必要がないので、血液成分分離用装置を構成する部品数を少なくすることができ、またその構成を簡単化することができる。
上記の本発明の血液成分分離用装置は、更に、前記血液貯留槽に設けられた蛇腹構造と、前記蛇腹構造の伸縮量を調整する蛇腹調整機構とを備え得る。この場合、前記蛇腹調整機構を用いて前記蛇腹構造の伸縮量を変えることにより、前記血液貯留槽の容積を調整することができることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、遠心分離される血液の血液量及びヘマトクリット値に応じて蛇腹構造の伸縮量を調整して、血液貯留槽の容積を調整することができる。これにより、遠心分離される血液の血液量やヘマトクリット値に関わらず、遠心分離後のバフィーコートの位置を常に第3貯留部に一致させることができる。その結果、白血球成分の回収率を向上させることができる。蛇腹構造は、構成が簡単であるので、信頼性、耐久性、コスト低減に有利である。
前記蛇腹構造は、遠心分離後に赤血球成分が貯留される前記第1貯留部に設けられていることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、遠心分離後のバフィーコートの位置を第3貯留部に容易に一致させることができる。
前記血液貯留槽は、前記蛇腹構造を含めて一部品として一体的に形成されていることが好ましい。これにより、遠心分離時の遠心力によって加圧された血液が血液貯留槽外に漏れ出す可能性が低減する。また、血液貯血槽を容易に製造することができるので、コストを低減することができる。
前記蛇腹調整機構は、雄ネジと雌ネジとを備え得る。この場合、前記雄ネジと前記雌ネジとの螺合深さを調整することにより、前記蛇腹構造の伸縮量を調整することができることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、蛇腹調整機構の構成が簡単になるので、信頼性、耐久性、コスト低減に有利である。また、蛇腹構造の圧縮量の微調整、更には血液貯留槽の容積の微調整が容易である。
上記の本発明の血液成分分離用装置が、遠心分離時に前記第3貯留部が変形するのを防止する支持部材と、前記第1貯留部の底部の少なくとも一部に当接するボトムキャップとを更に備えていてもよい。この場合、前記支持部材及び前記ボトムキャップのうちの一方に前記雄ネジが設けられ、他方に前記雌ネジが設けられていることが好ましい。これにより、部品点数の増加や構造の複雑化を抑えながら、蛇腹調整機構を構成することができる。
前記ボトムキャップまたは支持部材に、前記蛇腹構造の伸縮量を調整する際の指標となる目盛りが設けられていてもよい。これにより、血液に応じた血液貯留槽の容積の調整作業を簡単且つ迅速に行うことができる。
前記第1遮断部材及び第2遮断部材は、膨張可能なバルーンを備えていてもよい。あるいは、前記第1遮断部材及び第2遮断部材は、開閉可能な複数の羽根を備えていてもよい。かかる形態によれば、隣り合う貯留部間の連通を遮断するための構成を簡単化することができる。
以下に、本発明をその好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、以下の各図では、実際の部材の寸法および各部材の寸法比率等は忠実に表されていない。
(実施形態1)
[血液成分分離用装置の構成]
本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態1にかかる血液成分分離用装置1(以下、単に「装置1」という)の構成を示す概略斜視図である。図2は、血液貯留槽20から一対の支持半体91a,91bを分離した状態を示した装置1の分解斜視図である。図3は、装置1の上下方向面に沿った断面斜視図である。図3において、一点鎖線1aは、装置1の中心軸である。以下の説明の便宜のため、中心軸1aに平行な方向を「上下方向」と言い、中心軸1aに直交する平面に平行な方向を「水平方向」と言う。
図1、図2、図3に示すように、装置1は、血液を貯留するための血液貯留槽20を備える。装置1は、血液貯留槽20内に貯留した血液を各血液成分に遠心分離するために用いられる。
血液貯留槽20は、第1貯留部21と、第2貯留部22と、第1貯留部21と第2貯留部22との間に設けられた第3貯留部23とを備える。第3貯留部23は、第1貯留部21及び第2貯留部22とそれぞれ互いに連通している。従って、第1貯留部21と第2貯留部22とは第3貯留部23を介して互いに連通している。遠心分離時に各血液成分は、第1貯留部21から第3貯留部23を通って第2貯留部22へ、またはその逆に、自由に移動することができる。装置1は、通常は、中心軸1aを鉛直方向にして、第1貯留部21を下にして使用される。
血液は、第2貯留部22の上面に設けられた注入ポート24を介して血液貯留槽20内に注入される。血液貯留槽20内に血液を貯留した装置1は、図1、図3の矢印Fの向きに遠心力が作用するように遠心分離機に搭載される。遠心分離後に、赤血球成分が第1貯留部21に貯留され、血漿成分が第2貯留部22に貯留され、白血球成分及び血小板を含むバフィーコート(白血球層)が第3貯留部23に貯留されるように、第1、第2、及び第3貯留部21,22,23の各容積が設定されている。
第1、第2、及び第3貯留部21,22,23は、それぞれ中空の略円筒形状を有し、同軸に配置されている。第1貯留部21と第2貯留部22とは略同一の内径及び略同一の外径を有している。
第3貯留部23の内周面は、中心軸1a方向において内径が略一定の滑らかな円筒面である。第1貯留部21と第2貯留部22とを連通させる第3貯留部23がこのような内周面を有するので、遠心分離時に第3貯留部23内を移動する血液成分が第3貯留部23内に滞留しにくい。即ち、遠心分離時に、赤血球などの相対的に比重が大きな血球成分が第3貯留部23を通って第2貯留部22から第1貯留部21へ移動するのが容易であり、また、血漿などの相対的に比重が小さな成分が第3貯留部23を通って第1貯留部21から第2貯留部22へ移動するのが容易である。従って、第3貯留部23の内周面が一定の内径を有する円筒面であることは、白血球成分の回収率の向上に有利である。
第3貯留部23の内径は、第1貯留部21及び第2貯留部22の各内径より小さい。血液中の白血球成分の割合は相対的に小さいから、第3貯留部23の内径を小さくすることにより、遠心分離後の白血球成分の層(バフィーコート)の厚さ(上下方向寸法)を比較的大きくすることができる。これは、白血球成分を効率よく回収するのに有利である。
但し、第3貯留部23の内径が小さすぎると、遠心分離時に、赤血球などの相対的に比重が大きな血球成分が第3貯留部23を通って第2貯留部22から第1貯留部21へ移動するのが困難になり、また、血漿などの相対的に比重が小さな成分が第3貯留部23を通って第1貯留部21から第2貯留部22へ移動するのが困難になり、その結果、遠心分離後に第3貯留部23内に白血球成分の層を形成することが困難になる。従って、第3貯留部23の内径(第3貯留部23の内径が上下方向において一定でない場合には、第3貯留部23の内径の最小値)は、20mm以上であることが好ましい。
第2貯留部22の下側壁(第3貯留部23側の壁)22aの内面(底面)は、中心軸1aに近づくにしたがって下降する(第3貯留部23に近づく)ように傾斜した漏斗形状(即ち、円錐面形状又はテーパ面形状)を有していることが好ましい。下側壁22aの内面が傾斜していることは、遠心分離時に第2貯留部22内の赤血球などの相対的に比重が大きな血球成分が第3貯留部23を通過して第1貯留部21へ移動するのを容易にする。
同様に、第1貯留部21の上側壁(第3貯留部23側の壁)21aの内面(上面)は、中心軸1aに近づくにしたがって上昇する(第3貯留部23に近づく)ように傾斜した漏斗形状(即ち、円錐面形状又はテーパ面形状)を有していることが好ましい。上側壁21aの内面が傾斜していることは、遠心分離時に第1貯留部21内の血漿などの相対的に比重が小さな成分が第3貯留部23を通過して第2貯留部22へ移動するのを容易にする。
中心軸1aを含む面に沿った断面において、第2貯留部22の下側壁22aの内面の水平方向に沿った面に対する傾斜角度、及び、第1貯留部21の上側壁21aの内面の水平方向に沿った面に対する傾斜角度は、特に制限はないが10度〜45度が好ましく、更には15度〜30度が好ましく、一例を挙げれば20度に設定することができる。傾斜角度がこの数値範囲より大きいと、第1及び第2貯留部21,22の容積が小さくなる。傾斜角度がこの数値範囲より小さいと、遠心分離後に第2貯留部22内に赤血球や白血球などが残存したり、第1貯留部21内に白血球や血漿成分が残存したりして、白血球成分の回収率が低下する。第2貯留部22の下側壁22aの内面及び第1貯留部21の上側壁21aの内面は、正確な円錐面である必要はなく、例えば下側壁22aの内面及び上側壁21aの内面の傾斜角度が中心軸1aからの水平方向に沿った距離によって変化する傾斜面であってもよい。
第2貯留部22の上面の中央に、柱状形状のノブ25が上方に向かって突出している。ノブ25は、装置1を手で掴んで移動する際の取っ手として利用することができる。ノブ25の側面に通気フィルタ26が設けられている。通気フィルタ26は、気体は通過させるが液体は通過させず、また、細菌等も通過させない性質を有するフィルタである。通気フィルタ26を介して血液貯留槽20内と外界とが気体連通している。注入ポート24を介して空の血液貯留槽20内に血液が注入されると、元々血液貯留槽20内に存在していた空気が通気フィルタ26を介して血液貯留槽20外に排出される。その結果、血液貯留槽20内の圧力が過度に高まることが軽減され、血液貯留槽20内への血液の注入速度を低下させることなく、所望の量の血液を血液貯留槽20内に注入することが可能となる。なお、本実施形態ではノブ25の側面に通気フィルタ26を設けたが、通気フィルタ26をノブ25以外の位置に設けてもよい。但し、通気フィルタ26は、一旦、血液に触れて濡れてしまうと、その通気性が低下してしまう。従って、通気フィルタ26は、第2貯留部22の、血液に触れる可能性が低い箇所に設けることが好ましい。
本実施形態では、ノブ25は略円柱形状を有しているが、これ以外の任意の形状であってもよい。例えば、指を挿入することができるように逆「U」字形状を有していてもよい。また、ノブ25の内部は中空でなくてもよい。
第1、第2、及び第3貯留部21,22,23を含む血液貯留槽20の材料は、血液を貯留した状態においてその形状が変化しない(即ち、形状保持性を有する)程度の機械的強度を有することが好ましく、更には、遠心分離時に血液に作用する遠心力によっても変形が小さく抑えられるように比較的高い剛性を有することが好ましい。また、その内部に貯留された血液を外から視認することができるように透明性を有することが好ましい。このような材料としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、PP(ポリプロピレン)、ポリエステル、ポリメチルペンテン、メタクリル、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)等の樹脂材料を挙げることができる。
血液貯留槽20の製造方法は、特に制限はない。本実施形態では、別個に成形された複数の部材を中心軸1a方向に液密に結合し一体化して血液貯留槽20を作成している。隣り合う部材間の結合部には必要に応じてOリングを介在させることができる。但し、これ以外の方法で血液貯留槽20を作成することも可能である。例えば、インフレーション法等により血液貯留槽20の全部又はその大部分を一体的に成形することもできる。
図3に示されているように、第1貯留部21内に円板状の第1遮断部材31が設けられている。第1遮断部材31の円筒面状の外周面に、第1Oリング51が装着されている。第1遮断部材31は、中空円筒形状の第1ロッド41の下端に保持されている。第1ロッド41は、中心軸1aに沿って上方に延び、第2貯留部22(ノブ25)の上面を貫通している。第1ロッド41の円筒状の外周壁には、第1ロッド41の内外を連通させる第1孔41a及び複数(本実施形態では2つ)の第2孔41bが形成されている。第1孔41aは、第1遮断部材31の近傍であってこれよりわずかに上の位置に設けられている。第2孔41bは、第1遮断部材31を第1貯留部21と第3貯留部23との連通を遮断する位置に配置したとき(後述する図6、図7参照)、第3貯留部23の上端付近に位置するように設けられている。
第1ロッド41内には、中空円筒形状を有する柔軟なチューブ43が挿入されている。チューブ43の下端は、第1ロッド41に形成された第1孔41aを通って第1ロッド41外に導出されている。第1ロッド41から導出されたチューブ43は下方に向かって湾曲され、その下端の開口は第1遮断部材31の上面の近傍に位置している。
チューブ43の上端は、第1ロッド41の上端の開口から導出されている。図示を省略しているが、チューブ43の上端には、シリンジの口部(オスルアー)と接続可能なコネクタ(メスコネクタ)が設けられている。
チューブ43の外径は、第1ロッド41の内径よりも小さい。従って、第1ロッド41と、第1ロッド41内のチューブ43との間に、わずかな隙間が形成されている。
第2貯留部22内に、円板状の第2遮断部材32が設けられている。第2遮断部材32の円筒面状の外周面に、第2Oリング52が装着されている。第2遮断部材32は、2本の第2ロッド42の下端に保持されている。第2ロッド42は、第1ロッド41に対して対称位置に配置され、第1ロッド41と平行に上方に延び、第2貯留部22(ノブ25)の上面を貫通している。第2ロッド42の上端は、第2貯留部22(ノブ25)の上面より上に配された操作片45に固定されている。
第1ロッド41が、第2遮断部材32及び操作片45を貫通している。第1ロッド41の外周壁と第2遮断部材32との間を液密にシールするために、第3Oリング53が第2遮断部材32の第1ロッド41が貫通する貫通孔の内周面に装着されている。
第1遮断部材31及び第2遮断部材32の材料は、Oリング51,52,53が液密なシールを形成することができるように、実質的に剛体とみなしうる硬質材料であることが好ましい。また、第2遮断部材32の材料は、遠心分離時に大きな遠心力が作用するのを回避するために比重の小さい材料であることが好ましく、血漿の比重(約1.027)より低比重であることが好ましい。このような観点から、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の材料として、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などの樹脂材料を用いることができる。また、第1遮断部材31及び第2遮断部材32への赤血球の付着を抑制するため、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の上面に円錐面等の傾斜面を設けたり、コーティングを施したりすることが好ましい。
一方、Oリング51,52,53としては、液密なシールを形成することができる汎用されているOリングを用いることができる。その材料は、特に制限はないが、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等のゴム弾性を有する材料(エラストマーとも呼ばれる)を使用することができる。
血液貯留槽20外に突き出した第1ロッド41を操作することにより、第1遮断部材31及び第1ロッド41を一体的に上下に移動させることができる。また、第2ロッド42の上端に取り付けられた操作片45を操作することにより、第2遮断部材32、第2ロッド42、及び、操作片45を一体的に上下に移動させることができる。第1遮断部材31を含むその一体化物の上下移動と第2遮断部材32を含むその一体化物の上下移動とは互いに独立して行うことができる。
第2貯留部22(ノブ25)の上面と操作片45との間にストッパー47が挿入されている。ストッパー47には、上下方向に延びた3つの切り欠き47nが形成されている(後述する図5参照)。3つの切り欠き47nに、第1ロッド41及び2本の第2ロッド42が挿入されている。ストッパー47は、第2遮断部材32、第2ロッド42、及び、操作片45からなる一体化物が下方に移動するのを規制している。ストッパー47は、切り欠き47nに沿って水平方向に移動させることにより、第2貯留部22の上面と操作片45との間に自由に抜き差しすることができる。
図3では、第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2遮断部材32は、第2貯留部22の内周面に接触することなく第2貯留部22内に浮かんでいる。第1遮断部材31及び第2遮断部材32の図3の位置を本発明では「初期位置」という。
血液貯留槽20には支持部材90が装着される。図2に示すように、本実施形態では、支持部材90は、それぞれが半円筒形状を有する支持半体91a,91bで構成される。支持半体91a,91bは、第1貯留部21と第2貯留部22との間に、第3貯留部23に対向させて血液貯留槽20に装着される。支持半体91aと支持半体91bとは、ネジ等の締結部材(図示せず)を用いて相互に結合される。支持半体91a,91bの下端の第1支持部90aが第1貯留部21に当接し、その上端の第2支持部90bが第2貯留部22に当接する。図1に示されているように、血液貯留槽20に支持部材90を装着したとき、支持部材90の外周面は、第1貯留部21及び第2貯留部22の外周面と略同一の円筒面を形成する。
支持部材90は、遠心分離時に血液貯留槽20内の血液に作用する遠心力によって血液貯留槽20(特に第3貯留部23)が屈曲変形や座屈変形するのを防止する。従って、支持部材90は、実質的に剛体とみなしうる程度の高い機械的強度を有することが好ましい。また、支持部材90を血液貯留槽20に装着した状態(図1参照)において支持部材90を介して第3貯留部23内の血液を透視することができるように、支持部材90は透明性を有していることが好ましい。このような観点から、支持部材90の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトンなどの樹脂材料を例示することができる。
[血液成分分離方法]
上記のように構成された装置1を用いて、採取した血液を各血液成分に遠心分離する方法を説明する。
最初に、第1遮断部材31及び第2遮断部材32が図3に示した初期位置にある装置1を準備する。注入ポート24を介して、この装置1の血液貯留槽20内に血液を注入する。血液が血液貯留槽20内に流入するにしたがって、血液貯留槽20内の空気は通気フィルタ26を通って血液貯留槽20外に流出する。
遠心分離される血液(骨髄液)は、周知の方法で採取することができる。例えば、事前にヘパリンで湿潤させたシリンジを骨髄に十数か所穿刺し、所定量(例えば100ml〜400ml程度)の骨髄液を採取する。
血液貯留槽20内に血液を注入した後、注入ポート24を閉じる。
次に、血液が充填された装置1を遠心分離機にかけ、遠心分離を行う。遠心力は、中心軸1aと平行に、図1、図3の矢印Fの向きに作用する。第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2貯留部22の上面と操作片45との間にストッパー47が挿入されている。従って、遠心分離時に遠心力Fが作用しても、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の上下方向位置は、いずれも初期位置から変化することはない。
遠心分離後、装置1を遠心分離機から取り出す。バフィーコートが第3貯留部23に集まっていることを確認した後、最初に、第1ロッド41の上端を掴み、第1ロッド41を上方に引き上げる。このとき、上昇する第1ロッド41と一緒に第2遮断部材32が上昇しないように、必要に応じて第1ロッド41を掴んだ手とは別の手で操作片45を下方に向かって抑えてもよい。第1ロッド41を引き上げることにより、第1ロッド41の下端に取り付けられた第1遮断部材31が第1貯留部21内で上方に向かって移動する。そして、図4に示すように、第1遮断部材31に装着された第1Oリング51が第3貯留部23の下側の開口に嵌入する。かくして、第3貯留部23の第1貯留部21側の開口が第1遮断部材31で塞がれる。この結果、第1貯留部21と第3貯留部23との連通が、第1遮断部材31によって液密に遮断される。
次に、図5に示すように、第2貯留部22の上面と操作片45との間からストッパー47を取り除く。続いて、操作片45を下方に押し下げる。このとき、下降する操作片45と一緒に第1遮断部材31が下降しないように、必要に応じて操作片45を押し下げる手とは別の手で第1ロッド41の上端を上方に向かって引っ張ってもよい。操作片45を押し下げることにより、第2ロッド42の下端に取り付けられた第2遮断部材32が第2貯留部22内で下方に向かって移動する。そして、図6に示すように、第2遮断部材32に装着された第2Oリング52が第3貯留部23の上側の開口に嵌入する。かくして、第3貯留部23の第2貯留部22側の開口が第2遮断部材32で塞がれる。この結果、第2貯留部22と第3貯留部23との連通が、第2遮断部材32によって液密に遮断される。
かくして、赤血球成分が貯留された第1貯留部21と、白血球成分が貯留された第3貯留部23と、血漿成分が貯留された第2貯留部22とが、相互に液密に分断される。第1ロッド41の第1孔41aから導出されたチューブ43の下端、及び、第1ロッド41の第2孔41bは、第3貯留部23内に開口している。
次に、チューブ43の上端のコネクタ(図示せず)に空のシリンジの口部(オスルアー)を接続し、シリンジのプランジャを引く。これにより、第3貯留部23内の白血球成分を、図7において矢印65で示すように、チューブ43内の流路(第1流路)61を介してシリンジ内に吸い込み回収する。白血球成分が第3貯留部23からシリンジへ移動するにしたがって、外界の空気が、矢印66で示すように、第1ロッド41とチューブ43との間の隙間、及び、第1ロッド41に設けられた第2孔41bを順につなぐ流路(第2流路)62を通って第3貯留部23内に流入する。従って、第3貯留部23内が過大に負圧になることはなく、白血球成分を容易に回収することができる。
更に、第3貯留部23やチューブ43内を生理食塩水で洗浄して、これらの内部に残存する白血球成分を更に回収してもよい。これは、以下のようにして行うことができる。チューブ43の上端のコネクタから白血球成分を回収したシリンジを取り外し、この代わりに、生理食塩水を充填したシリンジを当該コネクタに接続する。そして、このシリンジから生理食塩水を、図8において矢印67で示すように、チューブ43内の第1流路61を介して第3貯留部23内に注入する。このとき第3貯留部23内に既に存在する空気は、矢印68で示すように、第1ロッド41に設けられた第2孔41b、及び、第1ロッド41とチューブ43との間の隙間を順につなぐ第2流路62を通って、第3貯留部23外に流出する。第3貯留部23内に注入された生理食塩水は、上述の白血球成分の回収と同様、チューブ43の上端に取り付けられたシリンジの吸引操作によって回収することもできる。回収した生理食塩水は、白血球成分を含んでいる。この回収した生理食塩水を遠心分離して、ヘパリンの除去や白血球成分の濃縮など公知の処理を行ってもよい。
[作用]
以上のように、本実施形態の装置1では、第1貯留部21内に第1遮断部材31が設けられており、第2貯留部22内に第2遮断部材32が設けられている。遠心分離後に、第1遮断部材31を移動させて、第1貯留部21と第3貯留部23との境界部分を第1遮断部材31で塞ぐことができ、また、第2遮断部材32を移動させて、第2貯留部22と第3貯留部23との境界部分を第2遮断部材32で塞ぐことができる。従って、血液貯留槽20が、硬質材料からなり実質的に変形しない形状保持性を有していても、血液を赤血球成分、血漿成分、及び白血球成分の3成分に遠心分離した後に血液貯留槽20内を3部分に液密に分割することができる。従って、白血球成分を効率よく回収することができる。
また、第1貯留部21と第3貯留部23との境界部分及び第2貯留部22と第3貯留部23との境界部分を塞ぐために、当該境界部分で血液貯留槽20を変形させたり押し潰したりする必要はない。従って、第3貯留部23の内径を比較的大きく設定することが可能である。これにより、遠心分離時に各成分が第3貯留部23を通過することが容易になるので、血液は容易に3成分に遠心分離される。これは、白血球成分を効率よく回収するのに有利である。また、第3貯留部23の内径が大きいことは、血液貯留槽20の強度の向上に有利である。
第3貯留部23の両端を塞ぐために、第1遮断部材31及び第2遮断部材32を血液貯留槽20内で移動させる。この方法では、第1遮断部材31及び第2遮断部材32自身を実質的に変形させる必要はないので、第1遮断部材及び第2遮断部材を膨らませて第3貯留部の両端を塞ぐ後述する実施形態(図23A、図23B、図24A、図24B参照)に比べて、第3貯留部23の両端を塞いだときの液密性が向上する。これは、白血球成分を効率よく回収するのに有利である。
第3貯留部23の上下の開口を第1遮断部材31及び第2遮断部材32で塞ぐために、血液貯留槽20外に上方に向かって導出された第1ロッド41及び第2ロッド42を操作する。これにより、血液貯留槽20外から第1遮断部材31及び第2遮断部材32を容易に移動させることができる。さらに、第1ロッド41及び第2ロッド42の操作は、第1ロッド41及び第2ロッド42をその長手方向に移動させることにより行う。これは、第1遮断部材31及び第2遮断部材32を移動させる際に、第1ロッド41及び第2ロッド42が屈曲変形する可能性を低下させる。従って、血液貯留槽20外から第1ロッド41及び第2ロッド42の末端を操作して第3貯留部23の端部を確実に液密に塞ぐことができる。
第1遮断部材31を保持する第1ロッド41内にチューブ43を挿入して二重管構造とし、内側管であるチューブ43内に第1流路61を形成し、チューブ43(内側管)と外側管である第1ロッド41との間に第2流路62を形成している。両端が封止された第3貯留部23と血液貯留槽20外とを連通させる2つの流路61,62が形成されるので、第3貯留部23内の圧力変動を抑えながら、第3貯留部23内の白血球成分をスムーズに回収することができる。しかも、第1流路61及び第2流路62が第1遮断部材31を保持する第1ロッド41内に形成されるので、第1ロッド41外に第1流路61及び第2流路62を形成する場合に比べて、装置1を構成する部品点数を少なくすることができ、装置1の構成を簡単化することができる。
血液貯留槽20が、形状保持性を有する材料からなる。従って、遠心分離後に、外力等によって血液貯留槽20が変形して赤血球成分、血漿成分、及び白血球成分が互いに混じり合ってしまう可能性が低い。また、第3貯留部23の両端を第1遮断部材31及び第2遮断部材32で塞いで第3貯留部23を封止したときの液密性が向上する。その結果、白血球成分を効率よく回収することができる。また、血液貯留槽20が形状保持性を有することは、血液貯留槽20の取り扱い性の向上にも有利である。
(実施形態2)
本発明の実施形態2にかかる血液成分分離装置2(以下、単に「装置2」という)は、主として以下の2点で実施形態1の装置1と異なる。第1に、装置2は、血液貯留槽20の容積を調整するための容積調整機構を備える。第2に、装置2は、第3貯留部23の両端の開口を塞いだときに第3貯留部23内が陽圧になるのを防止するための圧力解放機構を備える。以下に、実施形態1の装置1との相違点を中心に本実施形態2の装置2を説明する。
[血液成分分離用装置の構成]
実施形態2の装置2の構成を図面を用いて説明する。以下に示す図面において、本実施形態2の装置2を構成する部材のうち、実施形態1の装置1と同じ部材又は対応する部材には実施形態1と同じ符号を付すことにし、それらについての説明を省略する。
図9は、装置2の斜視図である。図10は、装置2の分解斜視図である。図11は、装置2の上下方向面に沿った断面斜視図である。図11において、一点鎖線1aは、装置2の中心軸である。
血液貯留槽20は、実施形態1と同様に、第1貯留部21と、第2貯留部22と、第1貯留部21と第2貯留部22との間に設けられた第3貯留部23とを備える。第3貯留部23は、第1貯留部21及び第2貯留部22と連通している。血液貯留槽20は、その上端に、上方に向いた開口27を有する。開口27は、中心軸1aと同軸の中空の円筒形状を有し、その外径及び内径は第2貯留部22のそれらより小さい。
第1貯留部21は、全体として中空の略円筒形状を有している。第1貯留部21の外周面には、上下方向に伸長及び/又は圧縮することができる蛇腹構造28が設けられている。蛇腹構造28は、第1貯留部21の外周壁をジグザグ状に周期的に折り曲げることにより形成されている。蛇腹構造28を上下方向に伸縮させることにより、第1貯留部21の容積、更には血液貯留槽20の容積を増減することができる。第1貯留部21の外径は第2貯留部22の外径と略同一である。
本実施形態では、血液貯留槽20の全体が一部品として一体的に成形されている。別個に作成した複数の部品を接合した実施形態1の血液貯留槽20に比べて、血液貯留槽20に継ぎ目がないので、遠心分離時の遠心力によって加圧された血液が血液貯留槽20外に漏れ出す可能性が低減する。また、血液貯留槽20の製造が簡単になり、コストを低減することができる。このような血液貯留槽20の製造方法は、制限はなく、例えば、樹脂材料を用いたブロー成形法を採用しうる。使用しうる樹脂材料としては、蛇腹構造28に伸縮することができる程度の柔軟性を付与する観点から、制限はないが、例えば、硬質塩化ビニル、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂)等の樹脂材料を用いることができる。
もちろん、血液貯留槽20を、別個に作成した複数の部材を液密に結合し一体化して製造することもできる。隣り合う部材間の結合部には必要に応じてOリングを介在させることができる。この場合、蛇腹構造28(または蛇腹構造28を含む第1貯留部21)は、上述した比較的に軟質の材料を使用して作成することが好ましい。血液貯血槽20のこれ以外の部分は、相対的に硬質の材料、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリメチルペンテン、メタクリル、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)等の樹脂材料を用いて作成することができる。
実施形態1と同様に、血液貯留槽20の外周面に支持部材90が装着される。支持部材90は、支持半体91a,91bで構成される。但し、支持部材90の形状は、実施形態1のそれと若干異なる。本実施形態2の支持部材90は、血液貯留槽20の外周面にほぼ沿った内周面を有し、血液貯留槽20の上端の開口27から蛇腹構造28までにわたって血液貯留槽20を覆う。支持半体91aと支持半体91bとは、その上下にトップキャップ250及びボトムキャップ80を装着することにより(詳細は後述する)、一体化される。
支持部材90は、第3貯留部23のくびれに沿ったくびれを有し、当該くびれから8つのリブ90cが放射状に延びている。リブ90cは、第1支持部90aと第2支持部90bとをつなぎ、遠心分離時の遠心力によって支持部材90が屈曲変形や座屈変形するのを防止する。第1支持部90aは第1貯留部21の上側壁21aに当接し、第2支持部90bは第2貯留部22の下側壁22aに当接する。
図12は、第1貯留部21の拡大断面図である。支持部材90は、その下端に、スカート部92を備える。スカート部92は、円筒形状を有し、第1貯留部21の蛇腹構造28を取り囲んでいる。スカート部92の外周面には、雄ネジ93と溝94が形成されている。溝94は、雄ネジ93に対してその下側に隣接して配置され、周方向に連続した環状溝である。溝94内にOリング97が嵌入している。周方向に連続した環状のリブ95が、スカート部92の内周面から中心軸1aに向かって突出している。リブ95は、蛇腹構造28の外周面に形成された凹凸のうち最上の凹部内に嵌入している。
血液貯留槽20に支持部材90を装着し、次いで、支持部材90の溝94にOリング97を装着する。その後、血液貯留槽20に、下側からボトムキャップ80が装着される。ボトムキャップ80は、有底円筒形状を有している(図10参照)。ボトムキャップ80の円筒部の内周面には雌ネジ83が形成されている。雌ネジ83は、支持部材90の雄ネジ93と螺合される。
支持部材90の第1支持部90aは第1貯留部21の上側壁21aに当接している。また、支持部材90のスカート部92のリブ95が蛇腹構造28の最上の凹部内に嵌入している。これらにより、第1貯留部21の上側壁21aは、支持部材90によって上下方向に把持されている。ボトムキャップ80の底部80bは、第1貯留部21の底部21bを覆い且つこれに当接する。従って、支持部材90に対してボトムキャップ80を回転させて、雄ネジ93を雌ネジ83に螺入していくにしたがって、第1貯留部21の蛇腹構造28は、支持部材90とボトムキャップ80との間で上下方向に圧縮変形される。蛇腹構造28が圧縮変形すると、第1貯留部21の容積が減少し、血液貯留槽20の容積が減少する。このように、雌ネジ83に対する雄ネジ93の螺入深さを調整することにより、蛇腹構造28の圧縮変形量を調整することができ、ひいては血液貯留槽20の容積を調整することができる。支持部材90の雄ネジ93と、ボトムキャップ80の雌ネジ83とは、蛇腹構造28の伸縮量を調整する蛇腹調整機構を構成する。ボトムキャップ80の回転位置、または、雄ネジ93と雌ネジ83との螺合深さを示す目盛りが、ボトムキャップ80又は支持部材90に設けられていてもよい。
スカート部92の溝94に保持されたOリング97は、ボトムキャップ80の雌ネジ83に当接し、支持部材90とボトムキャップ80とによって半径方向に圧縮される。Oリング97は、支持部材90とボトムキャップ80との間の摩擦力を増大させ、遠心分離時の遠心力や振動によって雄ネジ93と雌ネジ83との相対的な位置が変化するのを防止する。その結果、蛇腹構造28の圧縮変形量を一定に保ち、血液貯留槽20の容積が意図せずに変化するのを抑える。
ボトムキャップ80は、支持部材90と同様に、実質的に剛体とみなしうる程度の高い機械的強度と透明性を有することが好ましい。このような観点から、ボトムキャップ80の材料としては、実施形態1で説明した支持部材90と同じ材料を用いうる。
Oリング97の材料は、特に制限はないが、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等のゴム弾性を有する材料(エラストマーとも呼ばれる)を使用することができる。また、Oリング97を用いる代わりに、二色成形によって支持部材90もしくはボトムキャップ80に上記材料を埋込み、支持部材90とボトムキャップ80との間の摩擦力を増大させる構成としてもよい。
ボトムキャップ80が透明性を有する場合、ボトムキャップ80を介して、スカート部92に装着されたOリング97を透視することができる。従って、ボトムキャップ80の外周面に、Oリング97の位置合わせをするための複数の目盛り98を設けてもよい(図11参照)。各目盛り98には、血液のヘマトクリット値を付記しておくとよい(図示を省略)。ヘマトクリット値が付記された各目盛り98の上下方向位置は、当該ヘマトクリット値を有する血液を遠心分離した場合にバフィーコートが第3貯留部23に一致するように設定される。遠心分離前に血液のヘマトクリット値を求め、Oリング97が当該ヘマトクリット値に対応する目盛り98に一致するようにボトムキャップ80を回転して蛇腹構造28の圧縮変形量を調整する。これにより、血液に応じた血液貯留槽20の容積の調整作業を簡単且つ迅速に行うことができる。なお、Oリング97以外の支持部材90(特にスカート部92)上の位置をボトムキャップ80を介して透視して、蛇腹構造28の圧縮変形量を調整してもよい。
図11に示されているように、第1貯留部21内に円板状の第1遮断部材31が設けられている。第1遮断部材31の外周面に、第1Oリング51が装着されている。第1遮断部材31は、中空円筒形状の第1ロッド41の下端に保持されている。第1ロッド41は、中心軸1aに沿って血液貯留槽20外まで上方に延びている。第1ロッド41の円筒状の外周壁には、第1ロッド41の内外を連通させる第1孔41a及び複数(本実施形態では2つ)の第2孔41bが形成されている。
第1ロッド41内には、中空円筒形状を有する柔軟なチューブ43が挿入されている。チューブ43の下端は、第1ロッド41に形成された第1孔41aを通って第1ロッド41外に導出されている。チューブ43の下端は第1遮断部材31の上面の近傍で開口している。
第2貯留部22内に、円板状の第2遮断部材32が設けられている。図13は、第2遮断部材32及びその周辺部分の拡大断面図である。第2遮断部材32の外周面に、第2Oリング52が装着されている。第2遮断部材32は、第2ロッド(スライダ)242の下端に保持されている。第2ロッド242は、中空の円筒形状を有し、中心軸1aと同軸に配置されている。
第2遮断部材32の中央から外れた位置に、第2遮断部材32を上下方向に貫通する貫通孔32hが形成されている。貫通孔32hに、一方向弁235が設けられている。一方向弁235は、液体(血液)が貫通孔32hを通って上方に向かって流れるのを許容するが、貫通孔32hを通って下方に向かって流れるのを禁止する。本実施形態では、一方向弁235として、ゴム状の弾性を有する材料(いわゆるエラストマー)からなり、略キノコ形状を有するアンブレラバルブを用いている。但し、一方向弁235は、上記の機能を有していればその形式は問わない。例えば、ダックビルバルブを用いることもできる。
第1ロッド41が、第2遮断部材32及び第2ロッド242を貫通している。第3Oリング53が、第2遮断部材32の第1ロッド41が貫通する貫通孔の内周面に装着されている。第3Oリング53は、第1ロッド41の外周面と第2遮断部材32との間を液密にシールする。更に、第4Oリング54が、第2ロッド242の内周面であってその上端近傍の位置に装着されている。第4Oリング54は、第1ロッド41の外周面と第2ロッド242との間をシールする。
第2ロッド242は、中空の円筒形状を有する案内筒270内に挿入されている。案内筒270の上端は、略円板形状を有する天板255に保持されている。天板255には、4つのポート256a〜256d(図13では、ポート256b,256cは見えない)が形成されている。ポート256a〜256dは、血液貯留槽20の内外を連通させる貫通孔である。ポートの数は、4つに限定されず、これより多くても少なくてもよい。
第2ロッド242は、中空円筒形状を有する部分から上方に向かって延びた操作片245を備える。操作片245は、天板255よりも上方に突出している。実施形態1の操作片45と同様に、操作片245を操作することにより、第2ロッド242及び第2遮断部材32を一体的に上下に移動させることができる。これらの上下移動は、第1遮断部材31及び第1ロッド41の上下移動とは独立して行うことができる。
第2ロッド242の外周面と案内筒270の内周面との間をシールするために、第5Oリング55及び第6Oリング56が設けられている。第5Oリング55は、案内筒270の内周面であってその下端近傍の位置に装着されている。第6Oリング56は、第2ロッド242の外周面であってその上端近傍の位置に装着されている。
第2ロッド242と案内筒270との間に、第5Oリング55及び第6Oリング56でシールされた密閉空間273が形成される。案内筒270の、密閉空間273の下端近傍の位置に、空気管272の下端が接続されている。空気管272の上端は、天板255に形成されたポート256dに接続されている。従って、密閉空間273は、空気管272及びポート256dを介して血液貯留槽20外と連通される。これにより、密閉空間273内の気圧が変化することなく、第2ロッド242を案内筒270に対して上下方向に移動させることが容易になる。
Oリング54,55,56としては、実施形態1で説明したOリング51,52,53と同様に、汎用されているOリングを用いることができる。その材料もOリング51,52,53と同じものを用いうる。
装置2の組み立て時に第2ロッド242の外周面は滅菌処理される。Oリング55,56は、その滅菌状態を維持する。従って、第3貯留部23の上側の開口を第2遮断部材32で塞ぐために第2ロッド242を押し下げるときに(後述する図15参照)、血液内に細菌が混入する可能性を低減できる。
略U字形状を有するストッパー247(図10参照)が、第2ロッド242に対して水平方向に着脱可能に係止されている。第2遮断部材32が第2貯留部22内に浮かぶように第2ロッド242を上昇させたとき(図11、図13参照)、ストッパー247を第2ロッド242の外周面に形成された溝に係止することができる。ストッパ247が第2ロッド242に係止した状態では、ストッパー247の下面が案内筒270の上端又は天板255の上面に当接するので、第2ロッド242を下降させることはできない。本発明では、この状態を、ストッパー247による「ロック状態」という。
血液貯留槽20の円筒形状の開口27を、支持部材90が取り囲んでいる。開口27を取り囲む支持部材90の部分の外周面に雄ネジ96が形成されている。雄ネジ96には、トップキャップ250の雌ネジ252が螺合される。トップキャップ250と血液貯留槽20の開口27の端縁との間に、環状のシール部材253が介在している。トップキャップ250の中央の開口内に天板255が嵌入している。かくして、血液貯留槽20の開口27は、封止される。本実施形態では、雄ネジ96は支持部材90に形成されているが、本発明はこれに限定されず、雄ネジ96が血液貯留槽20に形成されていてもよい。トップキャップ250は、実施形態1のノブ25と同様に、装置2を手で掴んで移動する際の取っ手として利用することができる。
天板255に形成されたポート256aには、実施形態1の通気フィルタ26と同様に機能する通気フィルタ226が設けられている。ポート256b,256cは、血液貯留槽20内に血液を注入するための血液注入ポートとして使用しうる。血液注入ポートには、例えば柔軟なチューブの一端が接続されてもよい。この場合、当該チューブの他端には、公知のメスコネクタが設けられていてもよい。
図11では、第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2遮断部材32は、第2貯留部22の内周面に接触することなく第2貯留部22内に浮かんでいる。第1遮断部材31及び第2遮断部材32の図11の位置を「初期位置」という。
[血液成分分離方法]
上記のように構成された装置2を用いて、採取した血液を各血液成分に遠心分離する方法を説明する。
最初に、遠心分離される血液(骨髄液)を採取する。
次いで、採取した血液の血液量とヘマトクリット値を測定する。血液量及びヘマトクリット値から赤血球成分の量、血漿量を計算する。
第1遮断部材31及び第2遮断部材32が図11に示した初期位置にある空の装置2を準備する。ボトムキャップ80を回転させて、蛇腹構造28の圧縮変形量を調整する。圧縮変形量は、先に求めた赤血球成分量及び血漿量に基づいて、遠心分離後のバフィーコートが血液貯留槽20の第3貯留部23内に形成されるように決定される。なお、ボトムキャップ80に血液のヘマトクリット値に対応する複数の目盛り98が設けられている場合には、測定した血液のヘマトクリット値に対応する目盛り98の位置にOリング97が一致するようにボトムキャップ80を回転させる。この場合には、上述した赤血球成分の量や血漿量の計算は不要である。
次いで、天板255に設けられた血液注入ポート256b,256cを介して、採取した血液を血液貯留槽20内に注入する。その後、血液注入ポート256b,256cを液密に封止する。
次いで、血液が充填された装置2を遠心分離機にかけ、遠心分離を行う。遠心力は、中心軸1aと平行に、図9、図11の矢印Fの向きに作用する。第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2ロッド242にはストッパー247が係止されている。従って、遠心分離時に遠心力Fが作用しても、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の上下方向位置は、いずれも初期位置から変化することはない。
遠心分離後、装置2を遠心分離機から取り出す。バフィーコートが第3貯留部23に形成されていることを確認する。必要に応じて、ボトムキャップ80を回転させて、バフィーコートの上下方向位置を微調整してもよい。
次いで、第1ロッド41の上端を掴み、第1ロッド41を上方に引き上げる。そして、図14に示すように、第1遮断部材31を第3貯留部23の下側の開口に嵌入させる。第3貯留部23の第1貯留部21側の開口が第1遮断部材31で塞がれる。この結果、第1貯留部21と第3貯留部23との連通が、第1遮断部材31によって液密に遮断される。第2遮断部材32は初期位置(図11参照)のままである。
次に、ストッパー247を第2ロッド242から取り外す(図10参照)。続いて、操作片245を下方に押し下げる。第2ロッド242が下降するのにともなって、密閉空間273の容積が減少する。密閉空間273内に存在していた空気は、空気管272及びポート256dを通って装置2外に放出される。従って、密閉空間273内の圧力が上昇することはなく、第2ロッド242を下降させる操作は容易である。
操作片245を操作して、図15に示すように、第2遮断部材32を第3貯留部23の上側の開口に嵌入させる。第3貯留部23の第2貯留部22側の開口が第2遮断部材32で塞がれる。この結果、第2貯留部22と第3貯留部23との連通が、第2遮断部材32によって液密に遮断される。第1遮断部材31は、図14の位置から変位していない。
かくして、赤血球成分が貯留された第1貯留部21と、白血球成分が貯留された第3貯留部23と、血漿成分が貯留された第2貯留部22とが、相互に液密に分断される。第1ロッド41の第1孔41aから導出されたチューブ43の下端、及び、第1ロッド41の第2孔41bは、第3貯留部23内に開口している。
その後、実施形態1と同様にして、第3貯留部23内の白血球成分を、チューブ43内の流路(第1流路)61を介して吸い込み回収する。これと同時に、外界の空気が、第1ロッド41とチューブ43との間の隙間、及び、第1ロッド41に設けられた第2孔41bを順につなぐ流路(第2流路)62を通って第3貯留部23内に流入する。
更に、実施形態1と同様に、チューブ43内の第1流路61を介して第3貯留部23に生理食塩水を注入してもよい。その後、生理食塩水をチューブ43内の第1流路61を介して回収する。生理食塩水が第1流路61を介して第3貯留部23に対して流入/流出するのにともなって、空気が第2流路62を介して第3貯留部23に対して流出/流入する。これにより、第3貯留部23やチューブ43内に残存する白血球成分を、生理食塩水とともに回収することができる。
[作用]
本実施形態2は、実施形態1の作用に加えて、以下の作用を奏する。
第1貯留部21に設けられた蛇腹構造28の作用を説明する。
血液は、そのヘマトクリット値及び血液量によって赤血球成分の量や血漿量が異なる。ヘマトクリット値は、血液中に占める血球の体積の割合を示す数値であり、成人男性で40〜50%程度、成人女性で35〜45%程度が正常値である。このヘマトクリット値は、何らかの原因で正常値よりも低くなったり高くなったりすることもある。ヘマトクリット値及び血液量にバラツキがあると、血液を遠心分離した後に血液貯留槽20内に形成されるバフィーコートの位置が変化する。
本実施形態の装置2は、血液貯留槽20の容積を調整するための容積調整機構として蛇腹構造28を備える。遠心分離前に血液の血液量やヘマトクリット値を測定し、これに応じて蛇腹構造28の圧縮量を調整することにより、血液貯留槽20の容積を調整する。これにより、血液量やヘマトクリット値が血液貯留槽20に注入される血液ごとに異なっていても、遠心分離後のバフィーコートの位置を常に第3貯留部23に一致させることができる。その結果、白血球成分の回収率を向上させることができる。
蛇腹構造28の圧縮量は、蛇腹調整機構を構成する雄ネジ93と雌ネジ83との螺合深さを調整することにより調整することができる。蛇腹構造28及び蛇腹調整機構は、いずれも極めて簡単な構成であるので、信頼性、耐久性及びコスト低減に優れる。また、蛇腹構造28の圧縮量の微調整、更には血液貯留槽20の容積の微調整が容易である。
血液貯留槽20が形状保持性を有する材料で構成されているので、遠心分離後にボトムキャップ80を回転させて蛇腹構造28の圧縮量を微調整しても、バフィーコートが赤血球層や血漿層と混じり合う可能性は低い。
蛇腹構造28は血液貯留槽20の一部を構成するので、蛇腹構造28を設けたことによる血液貯留槽20の容積の減小はわずかである。
蛇腹構造28が、遠心分離後に赤血球成分が貯留される第1貯留部21に設けられているので、遠心分離後にバフィーコートを第3貯留部23に位置させることが容易である。これは、白血球成分の回収率の更なる向上に有利である。
第2遮断部材32に設けられた貫通孔32h及び一方向弁235の作用を説明する。
第2遮断部材32に貫通孔32h及び一方向弁235が設けられていない実施形態1の装置1では、第3貯留部23の下側の開口を塞ぎ(図4)、続いて第2遮断部材32を第3貯留部23の上側の開口に嵌入しようとすると、第3貯留部23内の圧力が上昇する可能性がある。従って、第3貯留部23内の白血球成分が、第1流路61及び/又は第2流路62を通って装置1外に漏れ出し得る。第1流路61及び第2流路62を封止しておけば、白血球成分が装置1外に漏れ出るのを防止できる。ところが、この場合、第3貯留部23内の圧力上昇によって、第2遮断部材32を第3貯留部23の上側の開口に嵌入させることが困難になったり、第1遮断部材31が第3貯留部23の下側の開口から抜け出たりする誤操作が起こる可能性がある。このような誤操作は、白血球成分の回収率を低下させる。
これに対して、本実施形態2では、第2遮断部材32に、貫通孔32h及び一方向弁235が設けられている。このため、第3貯留部23内が圧力上昇すると、一方向弁235が開き、第3貯留部23内の白血球成分が貫通孔32hを通って第2貯留部22へ流れる。第2遮断部材32に設けられた貫通孔32h及び一方向弁235は、第3貯留部23内の圧力が異常に上昇しないように第3貯留部内の圧力を開放する圧力開放機構として機能する。このため、本実施形態では、白血球成分の外界への漏れ出しや、上記の誤操作を防止できる。
貫通孔32hに一方向弁235が設けられていなくても、第3貯留部23内の圧力上昇を防止することは可能である。但し、この場合には、第3貯留部23内の圧力を開放する必要がないときにも、貫通孔32hを介して第3貯留部23と第2貯留部22とが連通する。従って、第3貯留部23の下側開口及び上側開口を第1遮断部材31及び第2遮断部材32でそれぞれ塞いだ状態(図15参照)で第3貯留部23内の白血球成分を吸い込み回収するときに、第2貯留部22内の血漿成分が貫通孔32hを通って第3貯留部23内に流入する可能性がある。これは、白血球成分の回収率を低下させる。一方向弁235は、第3貯留部23内の白血球成分を回収時に、血漿成分が第2貯留部22から第3貯留部23内に流入するのを防止する。
第2遮断部材32に貫通孔32h及び一方向弁235を設けたことにより、第3貯留部23内の圧力を開放するのと同時に白血球成分が第3貯留部23から第2貯留部22へ流出する可能性がある。しかしながら、貫通孔32h及び一方向弁235が設けられていない場合に起こりうる白血球成分の血液貯留槽20外への漏れ出しや上記の誤操作による白血球成分の回収率の低下という問題の大きさに比べれば、貫通孔32h及び一方向弁235を設けたことによる白血球成分の流出という問題は無視しうるほどに小さい。また、蛇腹構造28を調整してバフィーコートの位置を第3貯留部23内で第2貯留部22からわずかに離れた位置に形成させることにより、一方向弁235を通って流出する白血球成分の量を少なくすることが可能である。
第1遮断部材31を第3貯留部23の下側の開口に嵌入させる過程(図14参照)で、第1貯留部21内の圧力が低下する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、第1貯留部21には蛇腹構造28が設けられている。蛇腹構造28は、第1貯留部21内の圧力の低下に応じてその長さを縮小するように適宜変形することができる。従って、本実施形態では、第1貯留部21内の圧力が低下することによって、第1遮断部材31を第3貯留部23の下側の開口に嵌入させるのが困難になるという問題は生じにくい。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明は、本実施形態2にも同様に適用される。
(実施形態3)
本発明の実施形態3にかかる血液成分分離装置3(以下、単に「装置3」という)は、主として以下の2点で実施形態2の装置2と異なる。第1に、装置3では、第1遮断部材31を保持する第1ロッド41が二重管構造を有していない。第2に、装置3は、第3貯留部23内が陽圧になるのを防止するための圧力解放機構の構成が装置2と異なる。以下に、実施形態2の装置2との相違点を中心に本実施形態3の装置3を説明する。
[血液成分分離用装置の構成]
実施形態3の装置3の構成を図面を用いて説明する。以下に示す図面において、本実施形態3の装置3を構成する部材のうち、実施形態1,2の装置1,2と同じ部材又は対応する部材には実施形態1,2と同じ符号を付すことにし、それらについての説明を省略する。
図16は、装置3の斜視図である。図17は、装置3の上下方向面に沿った断面斜視図である。図17において、一点鎖線1aは、装置3の中心軸である。
図17に示されているように、中空円筒形状の第1ロッド41の下端に第1遮断部材31が保持されている。第1ロッド41は、中心軸1aに沿って血液貯留槽20外まで上方に延びている。本実施形態3の第1ロッド41には、実施形態1,2では形成されていた第1孔41a及び複数の第2孔41b(図3、図11参照)が形成されていない。また、本実施形態3の第1ロッド41内には、実施形態1,2では挿入されていたチューブ43(図3、図11参照)は存在しない。
第1遮断部材31の上面に、2つの開口31aが形成されている。2つの開口31aは、第1遮断部材31内に形成された、略「U」字状の流路31bを介して連通している。第1ロッド41の下端は第1遮断部材31内に挿入され、流路31bの略中央部分と連通している。従って、第1ロッド41と開口31aとが第1遮断部材31内で連通している。
図18は、第2遮断部材32及びその周辺部分の拡大断面図である。第2ロッド242の下端に第2遮断部材32が保持されている。第2遮断部材32には、これを上下方向に貫通する貫通孔32hが形成されている。以上は、実施形態2と同じである。但し、貫通孔32hには、実施形態2では設けられていた一方向弁235(図13参照)が設けられていない。本実施形態では、可撓性を有する中空の第1チューブ371の下端が、貫通孔32hに上方から挿入されている。第1チューブ371の上端は、案内筒270の上端近傍に形成された第1ホルダ376に挿入されて保持されている。
本実施形態3の案内筒270には、実施形態2の空気管272(図13参照)に代えて、可撓性を有する中空の第2チューブ372の下端が接続されている。第2ロッド242と案内筒270との間の密閉空間273は第2チューブ372と連通している。第2チューブ372の上端は、案内筒270の上端近傍に形成された第2ホルダ377に挿入されて保持されている。
図18において、二点鎖線Lは、装置3の使用時の血液面の代表的な位置を示す。第1チューブ371及び第2チューブ372の上端は、血液面Lよりも高い位置で、血液貯留槽20内で水平方向に向かって開口している。
天板255には2つのポート256a,256bが形成されている。ポート256a,256bは、血液貯留槽20の内外を連通させる貫通孔である。ポート256aには、実施形態1の通気フィルタ26と同様に機能する通気フィルタ226が設けられている。ポート256bは、血液貯留槽20内に血液を注入するために使用される血液注入ポートである。血液注入ポート256bには、例えば柔軟なチューブの一端が接続されてもよい。この場合、当該チューブの他端には、公知のメスコネクタが設けられていてもよい。
第2ロッド242は、中空円筒形状を有する部分から上方に向かって延びた操作片245を備える。操作片245は、天板255よりも上方に突出している。図16及び図17に示されているように、操作片245の上端には、水平方向に沿った回動軸347aを介してストッパー347が接続されている。ストッパー347は回動軸347aの周りを回動可能である。図16及び図17では、ストッパー347は、操作片245に対して外側(中心軸1aから遠い側)に、操作片245に重なるように配置されている。ストッパー347がこの位置にあるとき、ストッパー347の先端(回動軸347aとは反対側端)であるストッパー端347eは、案内筒270の上端又は天板255の上面に当接する。従って、ストッパー347がこの位置にあるとき、第2ロッド242を下降させることはできない。本発明では、この状態を、ストッパー347による「ロック状態」という。本実施形態3では、実施形態2の着脱可能なストッパー247は設けられていない。
図17では、第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2遮断部材32は、第2貯留部22の内周面に接触することなく第2貯留部22内に浮かんでいる。第1遮断部材31及び第2遮断部材32の図17の位置を「初期位置」という。
支持半体91a,91bの構成は、実施形態2と概略同じである。但し、本実施形態では、血液貯留槽20に装着された2つの支持半体91a,91bが分離しないように、環状の支持リング91cが支持半体91a,91bの外周面上に装着されている(図16、図17参照)。支持リング91cは、血液貯留槽20に対する支持半体91a,91bの組み付け作業性を向上するのに有利である。
[血液成分分離方法]
上記のように構成された装置3を用いて、採取した血液を各血液成分に遠心分離する方法を説明する。
実施形態2と同様に、遠心分離される血液(骨髄液)を採取する。血液の血液量とヘマトクリット値を測定し、赤血球成分の量、血漿量を計算する。
第1遮断部材31及び第2遮断部材32が図17に示した初期位置にある空の装置3を準備する。遠心分離後のバフィーコートが血液貯血槽20の第3貯留部23内に形成されるように、ボトムキャップ80を回転させて蛇腹構造28の圧縮変形量を調整する。実施形態2と同様に、目盛り98を用いて圧縮変形量を調整してもよい。
次いで、天板255に設けられた血液注入ポート256bを介して、採取した血液を血液貯留槽20内に注入する。その後、血液注入ポート256bを液密に封止する。図18に示したように、血液面Lは、第1チューブ371及び第2チューブ372の上端の開口より下に位置している。
次いで、血液が充填された装置2を遠心分離機にかけ、遠心分離を行う。遠心力は、中心軸1aと平行に、図16、図17の矢印Fの向きに作用する。第1遮断部材31の下面は第1貯留部21の底面に当接している。また、第2ロッド242に連結されたストッパー347はロック状態にある。従って、遠心分離時に遠心力Fが作用しても、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の上下方向位置は、いずれも初期位置から変化することはない。
遠心分離後、装置3を遠心分離機から取り出す。バフィーコートが第3貯留部23に形成されていることを確認する。必要に応じて、ボトムキャップ80を回転させて、バフィーコートの上下方向位置を微調整してもよい。
次いで、第1ロッド41の上端を掴み、第1ロッド41を上方に引き上げる。そして、図19に示すように、第1遮断部材31を第3貯留部23の下側の開口に嵌入させる。第3貯留部23の第1貯留部21側の開口が第1遮断部材31で塞がれる。この結果、第1貯留部21と第3貯留部23との連通が、第1遮断部材31によって液密に遮断される。第2遮断部材32は初期位置(図17参照)のままである。
次に、ストッパー347を図16及び図17の状態から回動させて、ロック状態を解除する。続いて、操作片245を下方に押し下げる。第2ロッド242が下降するのにともなって、密閉空間273の容積が減少する。密閉空間273内に存在していた空気は、第2チューブ372を通って第2貯留部22内に流入し、更に、ポート256aに設けられた通気フィルタ226を通って装置3外に放出される。従って、密閉空間273内の圧力が上昇することはなく、第2ロッド242を下降させる操作は容易である。
操作片245を操作して、図20に示すように、第2遮断部材32を第3貯留部23の上側の開口に嵌入させる。第3貯留部23の第2貯留部22側の開口が第2遮断部材32で塞がれる。この結果、第2貯留部22と第3貯留部23との連通が、第2遮断部材32によって液密に遮断される。第1遮断部材31は、図19の位置から変位していない。第1チューブ371が、第2遮断部材32が下降したことにともなって変形している。
かくして、赤血球成分が貯留された第1貯留部21と、白血球成分が貯留された第3貯留部23と、血漿成分が貯留された第2貯留部22とが、相互に液密に分断される。
図21は、第2遮断部材32が第3貯留部23の上側の開口を塞いだ図20に示した状態にある装置3の斜視図である。ストッパー347が回動軸347a周りに回動し、天板255より上に突出している。操作片245の大部分は、案内筒270内に収納されている。本実施形態3のように、操作片245の先端にストッパー347を回動可能に連結することにより、操作片245の長さを短くしても、第2遮断部材32で第3貯留部23の上側の開口を塞ぐ作業をストッパー347を操作して容易に行うことができる。また、実施形態1のストッパー47(図5参照)や実施形態2のストッパー247(図10参照)と異なり、ストッパー347は第2ロッド242の操作片245に連結されているので、ストッパー347を紛失してしまう可能性はない。
次に、第1ロッド41の上端に、柔軟なチューブ等を介して空のシリンジの口部(オスルアー)を接続し、シリンジのプランジャを引く。これにより、第3貯留部23内の白血球成分を、図22において矢印65で示すように、第1遮断部材31の上面の開口31aから、流路31b、第1ロッド41を順につなぐ流路(第1流路261)を介してシリンジ内に吸い込み回収する。白血球成分が第3貯留部23からシリンジへ移動するにしたがって、外界の空気が、矢印66で示すように、ポート256aに設けられた通気フィルタ226(図20参照)、第1チューブ371、第2遮断部材32の貫通孔32hを順につなぐ流路(第2流路262)通って第3貯留部23内に流入する。従って、第3貯留部23内が過大に負圧になることはなく、白血球成分を容易に回収することができる。
更に、実施形態1,2と同様に、第1ロッド41内の第1流路261を介して第3貯留部23に生理食塩水を注入してもよい。その後、生理食塩水を第1ロッド41内の第1流路261を介して回収する。生理食塩水が第1流路261を介して第3貯留部23に対して流入/流出するのにともなって、空気が第2流路262を介して第3貯留部23に対して流出/流入する。これにより、第3貯留部23や第1ロッド41及び流路31b内に残存する白血球成分を、生理食塩水とともに回収することができる。
[作用]
本実施形態3は、実施形態1の作用に加えて、以下の作用を奏する。
本実施形態3では、第1ロッド41内に、実施形態1,2では存在していたチューブ43が存在しない。これは、第1ロッド41内にチューブ43を挿入する作業を不要にするので、装置3の組立作業の簡単化に有利である。また、第1ロッド41を介して第3貯留部23内の白血球成分を吸い込み回収するとき、白血球成分が流れる第1ロッド41内の流路(即ち、第1流路261)の断面積が拡大する。これは、流動抵抗を低下させるので、白血球成分の回収作業の容易化に有利である。
第3貯留部23内の白血球成分は、第1遮断部材31の上面の開口31aから、流路31bを通って第1ロッド41へ流れる。従って、第1ロッド41の外周面に白血球成分が流入する孔を形成する必要がない。また、白血球成分に代わって第3貯留部23内に流入する空気は、第1ロッド41ではなく、第1チューブ371、第2遮断部材32の貫通孔32hを順に通って第3貯留部23内に流入する。従って、第1ロッド41に、実施形態1,2のような複数の第2孔41bを形成する必要がない。このように、本実施形態では、第1ロッド41の外周面に孔を形成する必要がないので、第1ロッド41の構造が簡単になる。また、第1ロッド41の機械的強度が向上するので、第1ロッド41を操作して第3貯留部23の下側の開口を第1遮断部材31で塞ぐ作業を容易且つ確実に行うことができる。
但し、第1ロッド41外周面の、第1遮断部材31の近傍の位置に貫通孔を形成し、当該貫通孔を介して白血球成分を回収してもよい。この場合、第1遮断部材31の開口31a及び流路31bは不要である。
第2遮断部材32の貫通孔32hとこれに接続された中空の第1チューブ371とが、圧力開放機構を構成する。第3貯留部23の上側の開口を第2遮断部材32で塞ぐときに第3貯留部23内が陽圧になると、第3貯留部23内の白血球成分が、貫通孔32h及び第1チューブ371を通って第2貯留部22へ流れる。これにより、第3貯留部23内の圧力が異常に上昇するのを防止できる。
実施形態2の圧力解放機構は、第2遮断部材32の貫通孔32hと、当該貫通孔32hに設けた一方向弁235とで構成された。この構成では、第3貯留部23内の陽圧の程度によっては、一方向弁235が開かず、そのため第3貯留部23の圧力が開放されない場合が起こりうる。これに対して、本実施形態の圧力解放機構は、第2遮断部材32の貫通孔32hに単に中空の第1チューブ371を接続しただけで構成される。圧力解放機構が弁を有しないので、第3貯留部23の陽圧の程度に関わらず、第3貯留部23内の圧力は確実に開放される。従って、圧力解放機構の動作の信頼性が向上し、実施形態2で説明した白血球成分の外界への漏れ出しや誤操作を防止できる。これは、白血球成分の回収率の向上に有利である。
第1チューブ371の上端は、血液貯血槽20内の血液面Lより上方で開口している。従って、第3貯留部23の下側開口及び上側開口を第1遮断部材31及び第2遮断部材32でそれぞれ塞いだ状態(図22参照)で第3貯留部23内の白血球成分を吸い込み回収するときに、第2貯留部22内の血漿成分が第1チューブ371を通って第3貯留部23に流入することはない。また、ポート256aには通気フィルタ226が設けられているので、第3貯留部23から第1チューブ371を通って流出した白血球成分が、装置3外に漏れ出ることはない。
第1チューブ371の上端の開口が水平方向を向くように、第1ホルダ376は第1チューブ371を保持している。従って、第1チューブ371を通って流出した白血球成分が、通気フィルタ226を濡らす可能性は低い。また、第2遮断部材32が下降することによって第1チューブ371が下方に向かって引っ張られても、第1ホルダ376から第1チューブ371が脱落する可能性は低い。
図22で説明したように、本実施形態の圧力開放機構は、第3貯留部23内の白血球成分を第1流路261を介して回収する際、白血球成分に代わって第3貯留部23内に外界の空気を流入させるための第2流路262としても機能する。実施形態2の圧力解放機構は第2流路として機能することはできないので、実施形態2では圧力解放機構とは別に第2流路を確保する必要がある。本実施形態では、圧力解放機構と第2流路とを共通する部材で構成することができるので、装置3を構成する部品数を少なくすることができ、またその構成を簡単化することができる。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1,2と同じである。実施形態1,2の説明は、本実施形態3にも同様に適用される。
(各種変更形態)
上記の装置1〜3は例示にすぎない。本発明は、上記の例に限定されず、適宜変更することができ、そのような変更も本発明に含まれる。
上記の実施形態では、液密なシールを形成するために、第1遮断部材31には第1Oリング51が装着され、第2遮断部材32には第2Oリング52及び第3Oリング53が装着されていた。但し、第1遮断部材31及び第2遮断部材32自身をゴム弾性を有する材料(エラストマーとも呼ばれる)で構成することにより、Oリング51,52,53を省略することができる。この場合、第1遮断部材31及び第2遮断部材32の材料として使用可能なゴム弾性を有する材料としては、特に制限はないが、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。第1遮断部材31及び第2遮断部材32の材料としてゴム弾性を有する材料を用いることにより、例えば第1ロッド41の末端に固定した第1遮断部材31を第2貯留部22側から第3貯留部23を通過させて第1貯留部21に配置する等、装置の組み立て性を改善できる可能性がある。
実施形態1,2では、第1流路61及び第2流路62がいずれも第1ロッド41内に形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、実施形態1において、第2ロッド42を中空の棒状部材で構成し、当該第2ロッド42の下端を第2遮断部材32を上下方向に貫通する貫通孔に挿入し、当該第2ロッド42の上端を操作片45を貫通させて上方に向かって開口させてもよい。これにより、液密にシールされた第3貯留部23と血液貯留槽20外とを連通させる第2流路を第2ロッド42内に形成することができる。この場合、第1ロッド41内には1つの流路(第1流路)のみが形成されればよい。従って、チューブ43は不要になる。また、第1ロッド41に第2孔41bを形成する必要もない。
第3貯留部23の内周面は、内径が中心軸1a方向において一定である円筒面である必要はない。例えば、その内径が、中心軸1a方向において変化していてもよい。
第3貯留部23と第1貯留部21及び第2貯留部22との連通を遮断する方法は、上記の例のように血液貯留槽内で第1遮断部材31及び第2遮断部材32を上下方向に移動させる方法に限定されない。
例えば、図23Aに示すように、第1遮断部材431及び第2遮断部材432を、水平方向に膨張可能なバルーンで構成してもよい。2つのバルーン431,432は、チューブ433を介して互いに連通している。チューブ433は血液貯留槽20外に導出されている。チューブ433を介してバルーン431,432に流体を注入すると、図23Bに示すようにバルーン431,432が膨らんで、バルーン431が第1貯留部21と第3貯留部23との連通を遮断し、バルーン432が第2貯留部22と第3貯留部23との連通を遮断する。バルーン431,432を膨らませるための流体としては、特に制限はないが、生理食塩水等の液体や空気を用いることができる。遠心分離後のバフィーコートの上下方向の位置に応じて、チューブ433を上下方向に移動させてバルーン431,432の上下方向位置を調整できるように構成してもよい。図23A及び図23Bにおいて、461,462は、遠心分離後にバルーン431,432によって液密に封止された第3貯留部23から白血球成分を回収する際に上記の流路61,62と同様に用いられる第1及び第2流路である。
あるいは、図24Aに示すように、第1遮断部材及び第2遮断部材として機能する2つのバルーン431,432が、相互に連通されることなく、それぞれ別個のチューブ435,436に接続されていてもよい。本例では、2つのバルーン431,432を互いに独立して膨張させることができる。図24Bは、バルーン431,432を膨らませ、バルーン431が第1貯留部21と第3貯留部23との連通を遮断し、バルーン432が第2貯留部22と第3貯留部23との連通を遮断した状態を示す。図24A及び図24Bの装置は、2つのバルーン431,432を互いに独立して膨らませることができる点を除いて、図23A及び図23Bの装置と同じである。
図25は、カメラのレンズシャッターと類似した構造を有する第2遮断部材532及びその近傍の断面図である。図26A及び図26Bは第2遮断部材532の斜視図であり、図26Aはその閉状態を示し、図26Bはその開状態を示す。第2遮断部材532は、薄板からなる複数の羽根541を備える。複数の羽根541のそれぞれは、中央に開口が形成された支持プレート542に揺動可能に軸支されている。支持プレート542は血液貯留槽20に固定されている。支持プレート542との間で複数の羽根541を挟むように、円環形状を有するカム環543が設けられている。カム環543は、支持プレート542に対して回動可能である。カム環543は、複数の羽根541のそれぞれに設けられたスロット状の開口であるカム溝(図示せず)に係合する複数のカムピン(図示せず)を備える。図25に示すように、血液貯留槽20の外周面上のカム環543に対向する位置に、円環形状を有するマグネットリング545が設けられている。マグネットリング545は、血液貯留槽20に対して回動可能である。マグネットリング545は、例えば周方向に一定間隔で配置された複数のマグネットを備え、カム環543を磁気吸着する。マグネットリング545を回動させると、これに追従してカム環543が回動し、複数の羽根541が変位して、開状態(図26A)と閉状態(図26B)とを切り替えることができる。図25、図26A、図26Bでは、第2貯留部22と第3貯留部23との間に設けられて、両者間の連通を遮断する第2遮断部材532を示した。図示を省略するが、これと同様の遮断部材(第1遮断部材)が、第1貯留部21と第3貯留部23との間に、両者間の連通を遮断するために設けられる。遠心分離後にレンズシャッターと類似の構造を有する第1及び第2遮断部材で封止された第3貯留部23から白血球成分を回収するために、図23A、図23B、図24A、図24Bに示された流路461,462と同様の流路が第3貯留部23に設けられる。
実施形態1〜3の装置1〜3が備える上下方向に移動する第1遮断部材31及び第2遮断部材32のうちの一方(特に第1遮断部材31)を図24A及び図24Bに示した半径方向に膨張可能なバルーン又は図25、図26A、図26Bに示した開閉可能な複数の羽根を備えた遮断部材で構成してもよい。
図23A、図23B、図24A、図24Bのように第1遮断部材及び第2遮断部材を膨張可能なバルーンで構成することにより、あるいは、図25、図26A、図26Bのように第1遮断部材及び第2遮断部材を開閉可能な複数の羽根を備えた遮断部材で構成することにより、第1遮断部材及び第2遮断部材を移動させる機構が不要になるので、隣り合う貯留部間の連通を遮断するための構成を簡単化することができる。
血液貯留槽20の形状を維持するための支持部材90の構成は、上記の例に限定されず、任意である。例えば、支持部材が、中空円筒状部材を、上記の例のように2分割するのではなく、3以上に分割した3以上の部材で構成されていてもよい。支持部材が、周方向(中心軸1aを取り囲む方向)において互いに離間した複数の柱状の部材で構成されていてもよい。血液貯留槽20を構成する部品に支持部材を一体的に形成するなどによって、血液貯留槽20が、遠心分離時の遠心力によって変形しない程度の強度を有する場合には、血液貯留槽20とは別部材としての支持部材を省略してもよい。
上記の実施形態2,3では、蛇腹調整機構は、蛇腹構造28を上下方向に圧縮し、その圧縮量を調整するように構成されていたが、蛇腹構造28を上下方向に伸長させ、その伸長量を調整するように構成されていてもよい。
上記の実施形態2,3では、蛇腹構造28の伸縮量を調整する蛇腹調整機構を構成する雄ネジ93及び雌ネジ83が支持部材90及びボトムキャップ80にそれぞれ形成されていたが、支持部材90に雌ネジが形成され、ボトムキャップ80に雄ネジが形成されていてもよい。
上記の実施形態2,3では、蛇腹調整機構は、支持部材90とボトムキャップ80との回転位置や雄ネジ93と雌ネジ83との螺合深さによって蛇腹構造28の圧縮量を調整するよう構成されていたが、これ以外の方法で調整を行ってもよい。たとえば、ボトムキャップ80の底部80bと第1貯留部21の底部21bとの間に、蛇腹の圧縮幅に応じた厚みを有する板状部材を介在させて、支持部材90とボトムキャップ80とを嵌合させる方法が考えられる。このとき、板状部材によってボトムキャップ80の底部80bが底上げされるため、螺合深さを調節せずとも、支持部材90とボトムキャップ80を嵌合させた時点で蛇腹構造28を所望量圧縮させることができる。
上記の実施形態2,3の蛇腹構造28及び蛇腹調整機構と同様の第2の蛇腹構造及び第2の蛇腹調整機構を第3貯留部23に設けてもよい。遠心分離後のバフィーコートの厚さ(上下方向寸法)は、血液によって異なる場合がある。第3貯留部23に第2の蛇腹構造及び第2の蛇腹調整機構を設けることにより、バフィーコートの厚さに応じて第3貯留部23の上下方向寸法を変更することができるので、白血球成分の回収率を更に向上させることができる。
雄ネジ93が支持部材90以外の部材に設けられていてもよく、また、雌ネジ83がボトムキャップ80以外の部材に設けられていてもよい。例えば、蛇腹調整機構を構成する雄ネジ93及び雌ネジ83の少なくとも一方を血液貯留槽20に設けてもよい。例えば、雄ネジ93を血液貯留槽20の蛇腹機構28よりも上側の位置に設けることができる。この場合、血液貯留槽20が、遠心分離時の遠心力によって変形しない程度の強度を有する場合には、支持部材90を省略することができる。あるいは、雄ネジ93を血液貯留槽20の蛇腹機構28よりも下側の位置に設けることができる。この場合、支持部材90のスカート部92を下方に延長し、その内周面に雌ネジを形成する。ボトムキャップ80を省略することができる。血液貯留槽20に対して支持部材90を回転させて蛇腹機構28の伸長量を調整することができる。
血液貯留槽20の容積を調整するための容積調整機構は、実施形態2,3に示した蛇腹構造28に限定されない。例えばダイアフラム、ピストン、バルーンなどで容積調整機構を構成することができる。容積調整機構は、例えば第1貯留部21の容積を変更することができるように、第1貯留部21内に又はこれに連通して設けることができる。遠心分離前に血液のヘマトクリット値を求め、遠心分離後にバフィーコートが第3貯留部23内に形成されるように、容積調整機構を用いて血液貯留槽20の容積を調整することができる。
本発明の利用分野は、特に制限はなく、血液を遠心分離する必要がある分野に広範囲に利用することができる。中でも、血液中の必要な成分のみを患者に輸血する成分輸血などを行う場合の血液成分の分離、白血球成分を主として用いる骨髄移植、再生医療の分野に好ましく利用することができる。
1,2,3 血液成分分離用装置
20 血液貯留槽
21 第1貯留部
22 第2貯留部
23 第3貯留部
28 蛇腹構造
31 第1遮断部材
32 第2遮断部材
32h 貫通孔(圧力解放機構)
41 第1ロッド(外側管)
42 第2ロッド
43 チューブ(内側管)
47,247,347 ストッパー(移動規制機構)
61,261 第1流路
62 第2流路
80 ボトムキャップ
83 雌ネジ(蛇腹調整機構)
93 雄ネジ(蛇腹調整機構)
431 バルーン(第1遮断部材)
432 バルーン(第2遮断部材)
235 一方向弁(圧力開放機構)
242 第2ロッド
245 第2ロッドの操作片
371 第1チューブ(圧力開放機構)
532 第2遮断部材
541 羽根

Claims (21)

  1. 血液を貯留するための血液貯留槽を備え、前記血液貯留槽内に貯留した血液を遠心分離するために用いられる血液成分分離用装置であって、
    前記血液貯留槽は、第1貯留部と、第2貯留部と、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間に設けられ、前記第1貯留部及び前記第2貯留部と連通した第3貯留部とを備え、
    前記血液成分分離用装置は、前記血液貯留槽内に、第1遮断部材及び第2遮断部材を備え、
    前記第1遮断部材は、前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されており、
    前記第2遮断部材は、前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することができるように構成されていることを特徴とする血液成分分離用装置。
  2. 前記第1遮断部材は、前記第1貯留部内で移動して前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断する請求項1に記載の血液成分分離用装置。
  3. 前記第1遮断部材を保持し且つ前記血液貯留槽外に導出された第1ロッドを備え、
    前記第1ロッドを移動させることにより前記第1遮断部材を移動させることができる請求項2に記載の血液成分分離用装置。
  4. 前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態において前記第3貯留部内と前記血液貯留槽外とを連通させる第1流路が設けられている請求項3に記載の血液成分分離用装置。
  5. 前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態において前記第3貯留部内と前記血液貯留槽外とを連通させる第2流路が更に設けられている請求項4に記載の血液成分分離用装置。
  6. 前記第1流路及び前記第2流路のうちの少なくとも一方が前記第1ロッド内に設けられている請求項5に記載の血液成分分離用装置。
  7. 前記第1ロッドが外側管内に内側管が挿入された二重管構造を有し、
    前記内側管内に前記第1流路が形成され、前記内側管と前記外側管との間に前記第2流路が形成されている請求項5又は6に記載の血液成分分離用装置。
  8. 前記第1遮断部材を前記第1貯留部の底面に当接して配置することができる請求項2〜7のいずれかに記載の血液成分分離用装置。
  9. 前記第2遮断部材は、前記第2貯留部内で移動して前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断する請求項1〜8のいずれかに記載の血液成分分離用装置。
  10. 前記第2遮断部材を保持し且つ前記血液貯留槽外に導出された第2ロッドを備え、
    前記第2ロッドを移動させることにより前記第2遮断部材を移動させることができる請求項9に記載の血液成分分離用装置。
  11. 遠心分離時に前記第2遮断部材が前記血液貯留槽内で移動して前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断することがないように、前記第2遮断部材の移動を規制する移動規制機構を更に備える請求項9又は10に記載の血液成分分離用装置。
  12. 前記移動規制機構が、前記血液貯留槽外に設けられた取り外し可能なストッパーを含む請求項11に記載の血液成分分離用装置。
  13. 前記移動規制機構が、前記血液貯留槽外に設けられ且つ前記第2ロッドに連結されたストッパーを含む請求項11に記載の血液成分分離用装置。
  14. 前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断したときの前記第3貯留部内の圧力を開放するための圧力解放機構を更に備える請求項1〜13のいずれかに記載の血液成分分離用装置。
  15. 前記圧力開放機構は、前記第2貯留部と前記第3貯留部とを連通するように前記第2遮断部材に設けられた貫通孔を含む請求項14に記載の血液成分分離用装置。
  16. 前記圧力開放機構は、前記貫通孔に設けられた一方向弁を更に含み、
    前記一方向弁は、前記貫通孔を通って前記第3貯留部から前記第2貯留部への流れを許容し、且つ、前記貫通孔を通って前記第2貯留部から前記第3貯留部への流れを禁止する請求項15に記載の血液成分分離用装置。
  17. 前記圧力開放機構は、前記貫通孔に一端が接続されたチューブを更に含み、
    前記チューブの他端は、前記血液貯留槽内の血液面より上の位置で開口している請求項15に記載の血液成分分離用装置。
  18. 前記第1遮断部材が前記第1貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断し且つ前記第2遮断部材が前記第2貯留部と前記第3貯留部との連通を遮断した状態で前記第3貯留部内の白血球成分を吸引して回収するとき、前記圧力解放機構は、外界の空気を前記第3貯留部内に流入させる流路を構成する請求項14、15、又は17に記載の血液成分分離用装置。
  19. 更に、前記血液貯留槽に設けられた蛇腹構造と、前記蛇腹構造の伸縮量を調整する蛇腹調整機構とを備え、
    前記蛇腹調整機構を用いて前記蛇腹構造の伸縮量を変えることにより、前記血液貯留槽の容積を調整することができる請求項1〜18のいずれかに記載の血液成分分離用装置。
  20. 前記蛇腹構造は、遠心分離後に赤血球成分が貯留される前記第1貯留部に設けられている請求項19に記載の血液成分分離用装置。
  21. 前記蛇腹調整機構は、雄ネジと雌ネジとを備え、
    前記雄ネジと前記雌ネジとの螺合深さを調整することにより、前記蛇腹構造の伸縮量を調整することができる請求項19又は20に記載の血液成分分離用装置。
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