JPWO2014208425A1 - 遺伝子導入装置および遺伝子導入方法 - Google Patents

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    • C12M35/02Electrical or electromagnetic means, e.g. for electroporation or for cell fusion

Abstract

【課題】より高い導入効率で遺伝子を細胞に導入することができる遺伝子導入装置および遺伝子導入方法を提供する。【解決手段】1対の電極13a,13bが、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液15を収納する収納容器12を挟むよう配置されている。他方の電極13bは、収納容器12に取り付けられている。プラズマ原料供給手段が、一方の電極13aから他方の電極13bに向かって、プラズマ原料のヘリウムガスを供給するようになっている。電源部14が、プラズマ原料が供給された各電極13a,13bの間で低温プラズマを発生させるよう、各電極13a,13b間に電圧を印加するようになっている。収納容器12は、収納された遺伝子分散溶液15に、発生したプラズマが直接当たるよう配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを利用した遺伝子導入装置および遺伝子導入方法に関する。
近年、遺伝子治療の研究やiPS細胞の作製などに、細胞に遺伝子を導入する遺伝子導入技術が用いられている。例えば、遺伝子治療の研究では、がんやHIV、単一遺伝子病、C型肝炎などを治療するために、患者から抽出した細胞に、正常な遺伝子や治療用の遺伝子を導入し、それをワクチンとして患者に投与する技術の開発が進められている。また、iPS細胞については、患者から抽出した体細胞に、複数の遺伝子を導入することによりiPS細胞が作製されている。
従来の遺伝子導入方法として、リポソーム法などの化学的手法や、エレクトロポレーション法などの物理学的手法、ウイルス法などの生物学的手法が用いられている。しかし、リポソーム法では、適用できる細胞が限られており、導入効率も低いという問題があった。また、エレクトロポレーション法では、導入効率は高いが、細胞が死にやすく、生存率が低いという問題があった。また、ウイルス法では、使用するウイルスにより、細胞が病気に感染する危険性があるという問題があった。
そこで、これらの問題を解決するため、細胞を低温ガスプラズマで処理することにより、細胞の近傍に存在する遺伝子を細胞内に導入する方法が開発されている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。この方法では、細胞にプラズマを照射することにより、プラズマ中に存在するラジカルの作用により、脂質過酸化反応で細胞膜に小孔を開けるとともに、細胞の表面に電界を発生させて、その電界により小孔から細胞内に遺伝子を押し込むものと考えられる。この方法によれば、病気感染の危険性がなく、導入効率も目視で最大60〜70%、FACS(fluorescence activated cell sorting)による検討で最大25〜30%程度と高くなっている。
しかし、特許文献1、2および非特許文献1に記載の低温ガスプラズマを利用した遺伝子導入方法によれば、比較的高い導入効率が得られているが、照射したプラズマにより細胞に障害が発生しやすく、細胞の生存率が高いとは言い難いという問題があった。そこで、低温ガスプラズマの照射による細胞の生存率を高めるために、プラズマを照射する液体培地に、細胞の障害を防止するためのタンパク質から成る障害防止成分を含有した遺伝子導入方法が開発されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、先端に向かってテーパー状に細くなるよう形成された細長いガラス管の側面に、所定の間隔をあけて1対の電極を設けたプラズマ発生装置を用い、ガラス管の上部からプラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極間に電圧を印加して低温プラズマを発生させ、ガラス管の先端から、細胞および遺伝子が入った液体培地に向かってプラズマを噴射させることにより、細胞内に遺伝子を導入することができる。
国際公開WO02/064767号 国際公開WO2004/015101号 国際公開WO2011/148996号
Y. Ogawa, N. Morikawa, A. Ohkubo-Suzuki, et al., "An epoch-making application of discharge plasma phenomenon to gene-transfer", Biotechnol. Bioeng., 30 December 2005, Volume 92, Issue 7, p.865-870
特許文献3に記載の低温ガスプラズマを利用した遺伝子導入方法によれば、比較的高い導入効率が得られるが、稀少遺伝子を利用する場合や体内細胞への導入を考慮した場合、さらに高い導入効率で、遺伝子を細胞に導入できる方法の開発が望まれている。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、より高い導入効率で遺伝子を細胞に導入することができる遺伝子導入装置および遺伝子導入方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る遺伝子導入装置は、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液を収納する収納容器と、前記収納容器を挟むよう配置された1対の電極と、一方の電極から他方の電極に向かって、プラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、前記プラズマ原料が供給された各電極間でプラズマを発生させるよう、各電極間に電圧を印加する電源部とを有し、前記収納容器は、収納された前記遺伝子分散溶液に、発生した前記プラズマが直接当たるよう配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る遺伝子導入方法は、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液を、1対の電極の間に配置し、一方の電極から他方の電極に向かってプラズマ原料を供給しつつ、各電極間に電圧を印加してプラズマを発生させ、前記遺伝子分散溶液に前記プラズマを直接当てることにより、前記細胞に前記遺伝子を導入することを特徴とする。
本発明に係る遺伝子導入装置および遺伝子導入方法は、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液にプラズマを直接当てることにより、その細胞に遺伝子を導入することができる。特に、遺伝子分散溶液を各電極の間に配置していることにより、遺伝子導入効率を高めることができる。このため、稀少遺伝子を導入するのに好適に使用することができる。
本発明に係る遺伝子導入装置および遺伝子導入方法は、プラズマを利用するため、エレクトロポレーション法と比べて細胞の生存率が高く、ウイルスによる病気の感染の危険性もない。また、本発明に係る遺伝子導入装置および遺伝子導入方法は、様々な細胞に遺伝子を導入することができる。遺伝子を導入する細胞は、いかなるものであってもよく、例えば、HeLa細胞、繊維芽細胞、神経芽細胞、乳がん細胞などを利用することができる。
使用するプラズマは、細胞を傷つけないよう低温プラズマから成ることが好ましい。また、プラズマを発生する装置は、密閉型であっても、開放型であってもよいが、体内細胞への導入を考慮すると、開放型であることが好ましい。プラズマ原料は、生成ガスとしてヘリウム、アルゴン、窒素、酸素、二酸化炭素、空気など、いかなるものを含んでいてもよい。
本発明に係る遺伝子導入装置は、前記他方の電極が前記収納容器に取り付けられていることが好ましい。また、本発明に係る遺伝子導入装置で、前記一方の電極は筒状を成しており、前記プラズマ原料供給手段は、前記一方の電極の内部を通して、各電極の間に前記プラズマ原料を供給可能に構成されていることが好ましい。本発明に係る遺伝子導入方法は、前記他方の電極が取り付けられた収納容器を有し、前記遺伝子分散溶液を前記収納容器に収納して配置することが好ましい。これらの場合、一方の電極から他方の電極に向かって供給されるプラズマ原料から発生するプラズマを、電気的に加速して効率的に遺伝子分散溶液に当てることができ、遺伝子導入効率をさらに高めることができる。
本発明に係る遺伝子導入装置で、前記細胞は接着細胞から成り、前記収納容器の底面から、前記収納容器に収納された前記遺伝子分散溶液の表面までの高さを調整可能に構成されていてもよい。この場合、収納容器の底面から遺伝子分散溶液の表面までの高さを調整することにより、接着細胞(bound cell)に対して、遺伝子導入効率を高めることができる。特に高い遺伝子導入効率を得るために、本発明に係る遺伝子導入装置で、前記細胞は接着細胞から成り、前記収納容器は、底面から前記遺伝子分散溶液の表面までの高さが1.5mm以下で、前記底面に存在する前記細胞が前記遺伝子分散溶液の表面に露出しないよう、前記遺伝子分散溶液を収納可能に設けられていることが好ましい。また、本発明に係る遺伝子導入方法で、前記細胞は接着細胞から成り、前記収納容器の底面から前記遺伝子分散溶液の表面までの高さが1.5mm以下で、前記底面に存在する前記細胞が前記遺伝子分散溶液の表面に露出しないよう、前記遺伝子分散溶液を前記収納容器に収納することが好ましい。
本発明に係る遺伝子導入装置および遺伝子導入方法で、前記プラズマ原料は水を含んでいることが好ましい。この場合、プラズマ中にヒドロキシルラジカル(OHラジカル)が生成されるため、そのヒドロキシルラジカルの作用により細胞への遺伝子の導入が促進され、高い遺伝子導入効率を得ることができる。
本発明によれば、より高い導入効率で遺伝子を細胞に導入することができる遺伝子導入装置および遺伝子導入方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の遺伝子導入装置の一例を示す概略側面図である。 本発明に関し、プラズマを利用した遺伝子導入試験の試験装置の一例を示す概略側面図である。 図2に示す試験装置による、蛍光物質としてYOYO−1を使用したときの遺伝子導入試験の結果を示す(a)コントロールの蛍光、(b)コントロールの明視野、(c)プラズマを利用したときの蛍光、(d)プラズマを利用したときの明視野、(e)エレクトロポレーション法による蛍光、(f)エレクトロポレーション法による明視野の顕微鏡写真である。 図2に示す試験装置による、蛍光物質としてLIVE/DEAD Stainを使用したときの遺伝子導入試験の結果を示す(a)コントロールの蛍光、(b)コントロールの明視野、(c)プラズマを利用したときの蛍光、(d)プラズマを利用したときの明視野、(e)エレクトロポレーション法による蛍光、(f)エレクトロポレーション法による明視野の顕微鏡写真である。 図2に示す試験装置による、プラズマを利用した遺伝子導入試験結果の、(a)導入効率(η)とプラズマ照射時間(t)との関係を示すグラフ、(b)生存率(Cell Viability)とプラズマ照射時間(t)との関係を示すグラフである。 本発明に関し、プラズマ原料に水を含んだときの遺伝子導入試験の試験装置の一例を示す概略側面図である。 図6に示す試験装置による、プラズマ原料に水を含んだときの遺伝子導入試験の結果を示す、(a)蛍光物質としてYOYO−1を使用したときの蛍光、(b)蛍光物質としてLIVE/DEAD Stainを使用したときの蛍光、(c)明視野の顕微鏡写真である。 本発明に関し、プラズマ発生域からの遺伝子分散溶液までの距離を変えたときの遺伝子導入試験結果の、(a)導入効率(η)と印加電圧(Vp−p)との関係を示すグラフ、(b)生存率(Cell Viability)と印加電圧(Vp−p)との関係を示すグラフである。 本発明に関し、プラズマ発生域からの遺伝子分散溶液までの距離を変えたときの遺伝子導入試験結果の、(a)長拡散型、(b)短拡散型の、導入効率(η)とプラズマ照射時間(t)との関係を示すグラフである。 図1に示す試験装置による遺伝子導入試験の結果を示す(a)蛍光物質としてYOYO−1を使用したときの蛍光、(b)蛍光物質としてLIVE/DEAD Stainを使用したときの蛍光、(c)明視野の顕微鏡写真である。 図1に示す遺伝子導入装置による遺伝子導入試験結果の、様々な印加電圧(Vp−p)における(a)導入効率(η)とプラズマ照射時間(t)との関係を示すグラフ、(b)生存率(Cell Viability)とプラズマ照射時間(t)との関係を示すグラフである。 図1に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置による遺伝子導入試験の結果を示す(a)コントロールの明視野、(b)コントロールの蛍光、(c)プラズマを照射したときの明視野、(d)プラズマを照射したときの蛍光の顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態の遺伝子導入装置の、接着細胞に遺伝子を導入するための変形例を示す概略側面図である。 図13に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置による、蛍光物質としてYOYO−1を使用したときの遺伝子導入試験の結果を示す(a)収納容器の底面から遺伝子分散溶液の表面までの高さh=1.28mmのときの明視野、(b)h=1.28mmのときの蛍光、(c)h=3.84mmのときの明視野、(d)h=3.84mmのときの蛍光、(e)h=6.40mmのときの明視野、(f)h=6.40mmのときの蛍光の顕微鏡写真である。 図13に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置による遺伝子導入試験の結果を示す(a)プラズマを照射したときの明視野、(b)プラズマを照射したときの蛍光の顕微鏡写真である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遺伝子導入装置の一例を示している。
図1に示すように、遺伝子導入装置10は、ガラス管11と収納容器12と1対の電極13a,13bとプラズマ原料供給手段(図示せず)と電源部14とを有している。
ガラス管11は、上下方向に伸びるよう配置され、下端部が徐々に細くなるようテーパー状に形成されている。収納容器12は、ガラス管11の下方に、ガラス管11の下端から所定の間隔を開けて配置されている。収納容器12は、ガラス管11の側の上部が開口しており、内部に、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液15を収納するよう構成されている。
1対の電極13a,13bのうち一方の電極13aは、ステンレス製で筒状を成し、ガラス管11の内部上方に、上下方向に伸びるよう配置されている。他方の電極13bは、銅線から成り、収納容器12の下部外側面に巻き付けられている。
プラズマ原料供給手段は、筒状の一方の電極13aの内部を通して、各電極13a,13bの間にプラズマ原料を供給可能に構成されている。また、プラズマ原料供給手段は、一方の電極13aから他方の電極13bに向かって、プラズマ原料を噴射して供給するようになっている。
電源部14は、各電極13a,13bに接続され、プラズマ原料が供給された各電極13a,13bの間で低温プラズマを発生させるよう、各電極13a,13b間に電圧を印加可能に構成されている。これにより、遺伝子導入装置10は、発生したプラズマが、収納容器12に収納された遺伝子分散溶液15に直接当たるようになっている。
なお、図1に示す具体的な一例では、ガラス管11は、内径が8mm、下端の内径が2mm、一方の電極13aは、内径が2mm、長さが20mm、一方の電極13aの下端からガラス管11の下端までは、58mmである。また、ガラス管11の下端から収納容器12の底面までは、12mmである。
本発明の実施の形態の遺伝子導入方法は、遺伝子導入装置10により好適に実施することができる。本発明の実施の形態の遺伝子導入方法では、まず、遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液15を、他方の電極13bが取り付けられた収納容器12に収納する。プラズマ原料供給手段により、一方の電極13aから他方の電極13bに向かってプラズマ原料を供給しつつ、電源部14で各電極13a,13b間に電圧を印加して低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15にプラズマを直接当てる。
本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10および遺伝子導入方法は、遺伝子分散溶液15にプラズマを直接当てることにより、その細胞に遺伝子を導入することができる。特に、遺伝子分散溶液15が各電極13a,13bの間に配置され、プラズマが電気的に加速され効率的に遺伝子分散溶液15に当たるため、遺伝子導入効率をより高めることができる。このため、稀少遺伝子を導入するのに好適に使用することができる。
本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10および遺伝子導入方法は、プラズマを利用するため、エレクトロポレーション法と比べて細胞の生存率が高く、ウイルスによる病気の感染の危険性もない。また、本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10および遺伝子導入方法は、様々な細胞に遺伝子を導入することができる。低温プラズマを使用するため、細胞を傷つけず、細胞の生存率を高めることができる。
以下に、比較例として、図2に示す試験装置を用いて、プラズマを利用した遺伝子導入技術についての試験を行った。なお、以下の比較例で使用する方法および装置は、特許文献3に記載のものとほぼ同じ方法および装置である。
[プラズマを利用した遺伝子導入試験−比較例]
プラズマを利用した遺伝子導入技術の導入効率等を調べるための試験を行った。図2に示すように、試験装置は、上下方向の伸びるよう配置されたガラス管21の側面に、所定の間隔をあけて、銅製の1対の電極23a,23bを設けている。また、下端部がテーパー状に形成されたガラス管21の下方に、遺伝子分散溶液25を収納した容器22を設置している。試験装置では、ガラス管21の内径を8mm、ガラス管21の下端の内径を2mmとした。また、各電極23a,23bの間隔を33mm、下方の電極23bからガラス管21の下端までを73mm、ガラス管21の下端から遺伝子分散溶液25の表面までを5mmとした。
試験に使用した細胞は、マウス繊維芽細胞の3T3L1細胞(浮遊状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、蛍光物質を使用した。使用した蛍光物質は、細胞中のDNAに付着すると発光するYOYO−1と、細胞が死ぬと発光するLIVE/DEAD Stainの2種類である。
試験では、ガラス管21の上部からプラズマ原料のヘリウムガスを注入し、電源24により各電極23a,23b間に10kHzの電圧を印加して、各電極23a,23bの間で低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液25に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後の細胞の蛍光を観察し、遺伝子の導入効率および細胞の生存率を求めた。なお、印加電圧は6.8〜12.5kV、プラズマ照射時間は1〜60秒、ヘリウムガスの流量は3.0slm、遺伝子分散溶液25の量は10〜150μLである。
蛍光物質として、YOYO−1を使用した結果の一例を図3に、LIVE/DEAD Stainを使用した結果の一例を図4に示す。図3および図4は、印加電圧が7.8kV、プラズマ照射時間が5秒、遺伝子分散溶液25の量が100μLのときの結果である。なお、図3および図4中には、比較のため、同じ条件で、プラズマを照射しないときの結果(以下、「コントロール」という)および、エレクトロポレーション法による結果も示す。
図3に示すように、コントロールでは、蛍光がほとんど認められず、ほとんど遺伝子が導入されていないのに対し、プラズマ照射によるもの、およびエレクトロポレーション法によるものは、多くの細胞に蛍光が認められ、遺伝子が導入されていることが確認された。また、図4に示すように、プラズマ照射によるものは、蛍光がほとんど認められないため、遺伝子が導入された細胞がほとんど死んでおらず、生存率が高いことが確認された。これに対し、エレクトロポレーション法によるものは、多くの細胞に蛍光が認められ、図3と比較することにより、遺伝子が導入された細胞のほとんどが死んでいることが確認された。また、コントロールでは、蛍光がほとんど認められないが、これは図3にしめすように、遺伝子がほとんど導入されていないためであると考えられる。
図3および図4の結果から、生存率を考慮した導入効率は、コントロールが2.56%、プラズマ照射によるものが21.1%、エレクトロポレーション法によるものがほぼ0%であった。以上より、プラズマ照射を利用した遺伝子導入方法は、生存率および導入効率が高いといえる。
次に、導入効率(η)および生存率(Cell Viability)と、プラズマ照射時間(t)との関係を調べ、その結果を図5に示す。なお、図5は、印加電圧が7.8kV、遺伝子分散溶液25の量(図5中、Iと表示)が100μLおよび150μLのときの結果である。図5(a)に示すように、導入効率は、照射時間が3〜5秒のときと、20秒以上のときに、30%以上と高くなることが確認された。また、図5(b)に示すように、生存率は、照射時間にかかわらずほぼ90%以上と、高い値を示すことが確認された。これらの結果から、プラズマ照射を利用した遺伝子導入方法は、常に生存率が高く、照射時間を調整することにより、導入効率を高めることができるといえる。
[プラズマ原料に水を含んだときの遺伝子導入試験−比較例]
プラズマ原料に水を含んだときの導入効率等を調べるための試験を行った。試験に使用した装置を、図6に示す。図6に示すように、試験装置は、上下方向の伸びるよう配置されたガラス管31の内部上方に、ステンレス製の円筒状の電極33aを設け、その電極33aの下方のガラス管31の側面に銅線の電極33bが巻き付けられている。また、下端部がテーパー状に形成されたガラス管31の下方に、遺伝子分散溶液35を収納した容器32を設置している。試験装置では、ガラス管31の内径を8mm、ガラス管31の下端の内径を2mmとした。また、円筒状の電極33aの長さを20mm、各電極33a,33b間隔を13mm、下方の電極33bからガラス管31の下端までを32mm、ガラス管31の下端から遺伝子分散溶液35の表面までを5mmとした。
試験に使用した細胞は、3T3L1細胞(浮遊状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、YOYO−1と、LIVE/DEAD Stainの2種類の蛍光物質を使用した。試験では、上方の電極33aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスと水とを注入し、電源34により各電極33a,33b間に10kHzの電圧を印加して、各電極33a,33bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液35に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後の細胞の蛍光を観察し、遺伝子の導入効率および細胞の生存率を求めた。なお、印加電圧は7.8kV、プラズマ照射時間は5秒、ヘリウムガスの流量は1.0slm、遺伝子分散溶液35の量は100μL、水の導入量は2.11μL/minである。
試験結果を、図7に示す。図7(a)に示すように、YOYO−1の場合には、多くの細胞に蛍光が認められ、遺伝子が導入されていることが確認された。また、図7(b)に示すように、LIVE/DEAD Stainの場合には、蛍光がほとんど認められないため、遺伝子が導入された細胞がほとんど死んでおらず、生存率が高いことが確認された。このときの生存率は96.6%、導入効率は12.9%であった。このように、プラズマ原料中に水を含むときには、プラズマ中にヒドロキシルラジカル(OHラジカル)が生成されるため、そのヒドロキシルラジカルの作用により細胞への遺伝子の導入が促進され、高い遺伝子導入効率を得ることができると考えられる。
[プラズマ発生域からの距離と導入効率との関係−比較例]
プラズマ発生域から遺伝子分散溶液までの距離と導入効率との関係を調べるための試験を行った。試験に使用した装置は、図2に示す装置であり、下方の電極23bからガラス管21の下端までを73mmとしたもの(以下、「長拡散型」という)と、下方の電極23bからガラス管21の下端までを35mmとしたもの(以下、「短拡散型」という)について試験を行った。試験に使用した細胞は、3T3L1細胞(浮遊状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、YOYO−1と、LIVE/DEAD Stainの2種類の蛍光物質を使用した。
試験では、ガラス管21の上部からプラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極23a,23b間に10kHzの電圧を印加して、各電極23a,23bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液25に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後の細胞の蛍光を観察し、遺伝子の導入効率および細胞の生存率を求めた。なお、印加電圧は6.0〜12.5kV、プラズマ照射時間は1〜15秒、ヘリウムガスの流量は3.0slm、遺伝子分散溶液15の量は100μLである。
印加電圧(Vp−p)を変化させたときの導入効率(η)および生存率(Cell Viability)の変化を、図8に示す。なお、このときのプラズマ照射時間は5秒である。また、プラズマ照射時間(t)を変化させたときの導入効率(η)の変化を、図9に示す。なお、このときの印加電圧は、7.8kVである。また、図9には、比較のため、プラズマを水に照射してプラズマ処理水を作製し、そのプラズマ処理水を遺伝子分散溶液に注ぐことで遺伝子導入を行ったときの結果(図9中の「処理水」)も示している。
図8(a)に示すように、導入効率は、印加電圧が8kV付近で最も高くなることが確認された。また、図8(b)に示すように、生存率は、長拡散型でも短拡散型でも常に90%以上と高くなっていることが確認された。また、図9に示すように、導入効率は、長拡散型でプラズマ照射時間が1〜5秒のとき、短拡散型でプラズマ照射時間が3〜10秒のとき高くなることが確認された。また、図8(a)および図9に示すように、印加電圧およびプラズマ照射時間にかかわらず、短拡散型の方が、長拡散型よりも常に導入効率が高いことも確認された。これらの結果から、プラズマ発生域から遺伝子分散溶液25までの距離を短くするほど、導入効率が高くなるものと推定される。
なお、図9に示すように、プラズマを直接遺伝子分散溶液に照射する場合と比べると導入効率は低くなっているが、プラズマ処理水を利用しても、遺伝子導入可能であることが確認された。プラズマ処理水で遺伝子導入できるのは、プラズマ処理水の中に生成された活性酸素種の作用によるものと考えられる。
以上の比較例の試験結果を参考にして、以下に本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10による試験を行った。
図1に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10を使用して、遺伝子導入試験を行った。使用した細胞は、マウス繊維芽細胞の3T3L1細胞(浮遊状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、蛍光物質を使用した。使用した蛍光物質は、細胞中のDNAに付着すると発光するYOYO−1と、細胞が死ぬと発光するLIVE/DEAD Stainの2種類である。また、電極13aにはタングステン製のものを用い、電極13bには銅製のものを用いた。
試験では、上方の電極13aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極13a,13b間に10kHzの電圧を印加して、各電極13a,13bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後、細胞の蛍光を観察した。なお、印加電圧は7.8kV、プラズマ照射時間は5秒、ヘリウムガスの流量は3.0slm、遺伝子分散溶液15の量は100μLである。これらの試験条件は、図3および図4のものと同じである。
蛍光物質として、YOYO−1を使用した結果、および、LIVE/DEAD Stainを使用した結果を、それぞれ図10(a)および(b)に示す。試験の結果、図10(a)に示すように、多くの細胞にYOYO−1の蛍光が認められ、遺伝子が導入されていることが確認された。また、図10(b)に示すように、LIVE/DEAD Stainの蛍光がほとんど認められないため、遺伝子が導入された細胞がほとんど死んでおらず、生存率が高いことが確認された。これらの結果を、図2の装置を用いてほぼ同じ条件で行われた、図3(c)および図4(c)の試験結果と比較すると、導入された細胞の生存率はほとんど同じであるが、図1の装置を利用した方が、より高い導入効率で遺伝子を細胞に導入できることがわかる。
図8および図9の結果から、プラズマ発生域から遺伝子分散溶液までの距離を短くすればするほど、導入効率が高くなると考えられる。このことを調べるため、図1に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10による試験を行った。遺伝子導入装置10は、プラズマ発生域から遺伝子分散溶液15までの距離を、実質的にゼロにしたものと考えられる。試験に使用した細胞は、3T3L1細胞(浮遊状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、YOYO−1と、LIVE/DEAD Stainの2種類の蛍光物質を使用した。
試験では、上方の電極13aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極13a,13b間に10kHzの電圧を印加して、各電極13a,13bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後の細胞の蛍光を観察し、遺伝子の導入効率および細胞の生存率を求めた。なお、印加電圧は7.8kV、8.7kV、11.6kV、プラズマ照射時間は0〜30秒、ヘリウムガスの流量は3.0slm、遺伝子分散溶液15の量は100μLである。
プラズマ照射時間(t)を変化させたときの導入効率(η)および生存率(Cell Viability)の変化を調べ、図11に示す。図11(a)に示すように、プラズマ照射時間が5秒以上のとき、導入効率が高くなることが確認された。特に、印加電圧が11.6kVのとき、55%以上の非常に高い導入効率が得られていることが確認された。また、図11(b)に示すように、生存率は、プラズマ照射時間および印加電圧にかかわらず、常に90%程度より高くなっていることが確認された。この結果から、遺伝子導入装置10によれば、より高い導入効率で遺伝子を細胞に導入することができるといえる。
図1に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10を使用して、細胞に遺伝子を導入する試験を行った。使用した細胞は、ヒトの乳癌細胞由来のMCF−7細胞(浮遊状態)である。また、使用した遺伝子は、蛍光色素Cy5で標識されたds−siRNAである。また、電極13aにはタングステン製のものを用い、電極13bには銅製のものを用いた。
試験では、上方の電極13aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極13a,13b間に10kHzの電圧を印加して、各電極13a,13bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ噴射後の細胞の蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察し、同じ条件でプラズマを照射しないときの結果(以下、「コントロール」という)との比較を行った。なお、印加電圧は11.6kV、プラズマ照射時間は1秒、ヘリウムガスの流量は1.5slm、遺伝子分散溶液15の量は100μL、遺伝子分散溶液15中の遺伝子の濃度は10μMである。
試験結果を、図12に示す。図12(b)に示すように、コントロールでは、細胞中に蛍光が認められず、遺伝子が導入されていないのに対し、図12(d)に示すように、プラズマ照射を行ったものは、細胞中に蛍光が認められ、遺伝子が導入されていることが確認された。
[接着細胞に対する遺伝子導入装置および遺伝子導入方法]
浮遊状態ではなく接着状態の細胞を使用する場合、遺伝子分散溶液15を収納容器12に入れると、遺伝子分散溶液15中の接着細胞が収納容器12の底面に存在する。このため、図13に示すように、遺伝子導入装置10は、収納容器12が所定の深さを有しており、収納容器12の底面から、収納容器12に収納された遺伝子分散溶液15の表面までの高さを調整可能になっていることが好ましい。図13に示す一例では、収納容器12は底を有する円柱状で、深さによらず同じ内径を有し、電極13bは環状を成し、収納容器12の外側面を円周方向に沿って1周するよう取り付けられている。
接着細胞を使用する場合、照射されたプラズマにより遺伝子分散溶液15の表面に形成された電界が、収納容器12の底面に存在する接着細胞まで届く必要がある。また、遺伝子分散溶液15の表面から接着細胞が露出すると、プラズマが接着細胞に直接当たるため、接着細胞が死んでしまう。このため、これらを考慮して、収納容器12の底面から遺伝子分散溶液15の表面までの高さを調整する必要がある。そこで、図13に示す遺伝子導入装置10を使用して、収納容器12の底面から遺伝子分散溶液15の表面までの高さhを変化させて、導入効率を調べる試験を行った。
試験に使用した細胞は、マウス繊維芽細胞由来の3T3L1細胞(接着状態)である。また、試験では、遺伝子の代わりに、蛍光物質のYOYO−1を使用した。試験では、上方の電極13aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極13a,13b間に10kHzの電圧を印加して、各電極13a,13bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15に向かってプラズマを噴射させた。h=1.28mm、3.84mm、6.40mmとしたときの、プラズマ噴射後の細胞の蛍光をそれぞれ共焦点レーザー顕微鏡で観察した。なお、印加電圧は8.7kV、プラズマ照射時間は1秒、ヘリウムガスの流量は1.0slm、遺伝子分散溶液15中のYOYO−1の濃度は5μM、試験前日の細胞密度は1×10cells/dishである。
試験結果を、図14に示す。図14(a)および(b)に示すように、h=1.28mmのとき、多くの細胞に蛍光が認められ、YOYO−1が導入されていることが確認された。これに対し、図14(c)乃至(f)に示すように、h=3.84mmおよび6.40mmのときには、蛍光がほとんど認められず、ほとんどYOYO−1が導入されていないことが確認された。これは、h=3.84mmおよび6.40mmのときには、照射されたプラズマにより遺伝子分散溶液15の表面に形成された電界が、収納容器12の底面に存在する接着細胞まで届いていないためであると考えられる。
以上の試験の結果から、収納容器12の底面から遺伝子分散溶液15の表面までの高さを調整することにより、接着細胞に対して、遺伝子導入効率を高めることができるといえる。特に、底面に存在する細胞が遺伝子分散溶液15の表面に露出せず、収納容器12の底面から遺伝子分散溶液15の表面までの高さが1.5mm以下のとき、高い遺伝子導入効率が得られるといえる。
図13に示す本発明の実施の形態の遺伝子導入装置10を使用して、接着細胞に遺伝子を導入する試験を行った。使用した細胞は、マウス繊維芽細胞由来の3T3L1細胞(接着状態)である。また、使用した遺伝子は、緑色蛍光タンパク質GFPをコードする遺伝子を含むプラスミドDNA(pAcGFP1−C1)である。
試験では、上方の電極13aの内部を通して、プラズマ原料のヘリウムガスを注入し、各電極13a,13b間に10kHzの電圧を印加して、各電極13a,13bの間に低温プラズマを発生させ、遺伝子分散溶液15に向かってプラズマを噴射させた。プラズマ照射中の装置周辺の温度を37℃、h=1.28mmとし、プラズマ噴射後、48時間の培養を経た細胞の蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。なお、印加電圧は5.0kV、プラズマ照射時間は1秒、ヘリウムガスの流量は3.0slm、遺伝子分散溶液15の量は100μL、遺伝子分散溶液15中の遺伝子の量は50μg、試験前日の細胞密度は2×10cells/dishである。
試験結果を、図15に示す。図15に示すように、プラズマ照射により、細胞中に蛍光が認められ、遺伝子が導入され、さらにその遺伝子が機能していることが確認された。
10 遺伝子導入装置
11 ガラス管
12 収納容器
13a,13b 電極
14 電源部
15 遺伝子分散溶液

Claims (10)

  1. 遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液を収納する収納容器と、
    前記収納容器を挟むよう配置された1対の電極と、
    一方の電極から他方の電極に向かって、プラズマ原料を供給するプラズマ原料供給手段と、
    前記プラズマ原料が供給された各電極間でプラズマを発生させるよう、各電極間に電圧を印加する電源部とを有し、
    前記収納容器は、収納された前記遺伝子分散溶液に、発生した前記プラズマが直接当たるよう配置されていることを
    特徴とする遺伝子導入装置。
  2. 前記他方の電極が前記収納容器に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の遺伝子導入装置。
  3. 前記一方の電極は筒状を成しており、
    前記プラズマ原料供給手段は、前記一方の電極の内部を通して、各電極の間に前記プラズマ原料を供給可能に構成されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の遺伝子導入装置。
  4. 前記細胞は接着細胞から成り、
    前記収納容器の底面から、前記収納容器に収納された前記遺伝子分散溶液の表面までの高さを調整可能に構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遺伝子導入装置。
  5. 前記細胞は接着細胞から成り、
    前記収納容器は、底面から前記遺伝子分散溶液の表面までの高さが1.5mm以下で、前記底面に存在する前記細胞が前記遺伝子分散溶液の表面に露出しないよう、前記遺伝子分散溶液を収納可能に設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遺伝子導入装置。
  6. 前記プラズマ原料は水を含んでいることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遺伝子導入装置。
  7. 遺伝子とその遺伝子を導入する細胞とを含む遺伝子分散溶液を、1対の電極の間に配置し、一方の電極から他方の電極に向かってプラズマ原料を供給しつつ、各電極間に電圧を印加してプラズマを発生させ、前記遺伝子分散溶液に前記プラズマを直接当てることにより、前記細胞に前記遺伝子を導入することを特徴とする遺伝子導入方法。
  8. 前記他方の電極が取り付けられた収納容器を有し、前記遺伝子分散溶液を前記収納容器に収納して配置することを特徴とする請求項5記載の遺伝子導入方法。
  9. 前記細胞は接着細胞から成り、
    前記収納容器の底面から前記遺伝子分散溶液の表面までの高さが1.5mm以下で、前記底面に存在する前記細胞が前記遺伝子分散溶液の表面に露出しないよう、前記遺伝子分散溶液を前記収納容器に収納することを
    特徴とする請求項8記載の遺伝子導入方法。
  10. 前記プラズマ原料は水を含んでいることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の遺伝子導入方法。
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