JPWO2014207806A1 - 釣用スピニングリール - Google Patents

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Abstract

長時間の魚釣りでも疲労が少なくするため、ロータの軽量化を図り、回転フィーリングを重視して、慣性モーメントを小さくすることができるようにする。スピニングリールのロータ本体20は、スピニングリールのリール本体1に回転自在に装着され、糸巻き用のスプール5に釣り糸を巻き付けるためのものであって、ロータ本体20は、リール本体2に回転自在に装着される中央取付け部分21と、ベールアーム支持部材32a、32bを接続する第1及び第2のロータアーム部分23a、23bと、中央取付け部分とロータアーム部分とを一体的に接続する接続部分22a、22bとを備えている。ロータ本体20は、各部分が必要強度を有する材料であって、帯板状の部材からできているものである。

Description

本発明は、釣用スピニングリールに関し、特に、前後移動するスプールに釣り糸を案内して巻き付ける、釣用スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されるロータに関するものであって、無駄な構造を省き、構造が単純かつ簡素なロータ構造を採用することによりロータの回転バランスをとり、円滑に巻き取り操作を行える軽量かつ慣性モーメントの小さい釣用スピニングリールに関する。
一般に、釣用スピニングリールは、ハンドルと、ハンドルが回転可能に装着され、釣り竿に装着されるリール本体と、リール本体の回転軸前部に回転自在に装着された釣り糸案内用のロータと、ロータの前部に配置された前後移動するロータにより案内された釣り糸を巻き取るスプールとを備えている。
従来、このような釣用スピニングリールのロータは、リール本体に回転自在に装着されたロータ本体と、ロータ本体に揺動自在に装着されたベール手段及びキック手段を備えた構造からなっている。そして、そのロータ本体は、リール本体に回転自在に装着される筒状部と、筒状部の後端部の対向する位置から径方向外方に延びる第1及び第2接続部、及び第1及び第2接続部から屈曲し円筒部と間隔を隔ててそれぞれ前方に延びる第1ロータアーム部及び第2ロータアーム部を備える基本構造のものが一般に知られている。
そして、従来から、キャスティング時に釣り具を長時間保持しても取り扱いが容易に行えるように、釣具として、竿、釣用スピニングリールなどのリール類の軽量化を図ることが要望されている。
釣用スピニングリールを軽量化するにあたり、釣用スピニングリールを構成するリール本体、ロータ、あるいはスプールなどのリール構成部材を軽量化することが検討され、その方向としては軽金属又はその合金材料、プラスチック材料、強化プラスチック材料などの材料を選択することにより軽量化することが提案され、重量の大きい金属からの置き換えなどが進められている。
具体的な軽量化としては、例えば、釣用スピニングリールの各部分を適宜、硬化性樹脂材料又は軽金属又はその合金材料を用いて、スタンピング成形、金型鋳造法などで作製することが提案されている(特許文献1)。また、リール本体を構成する本体フレームをアルミ又はその他の金属を用いて金型鋳造法により形成することや金属ブロックからマシンニングにより切削加工することに代えて、押し出し成形したものを切り出し、切削加工することで形成することが提案されている(特許文献2)。
さらに、リールの部品組立体において、強度を高く維持しつつ軽量化できかつ耐食性に優れた部品組立体を製造するためリール本体、ハンドル、ロータ、スプールなどをリチウム−アルミニウム合金により形成することが提案されている(特許文献3)。
釣用スピニングリールのロータにおいて、ロータ本体は、従来から軽量な金属材料あるいは合成樹脂材料を主として用いて形成することにより軽量化を図る一方で、強度の低下、例えば、曲げ強度を維持するためロータアームを厚肉化したり、糸巻取時に力が作用するロータアームを高強度素材で形成されたカバー部材で覆ったりして、ロータアームを補強し、必要な強度を得ている。すなわち、このカバー部材は、外側から接続部及びロータアーム部を覆いかつ内部に空間を形成し、三次元的に屈曲して形成することにより、ロータ本体の力が作用しやすい少なくともロータアーム部分を補強し、作用する力を受け、ロータ本体の曲げ強度を低くして薄肉化を図っている。
材料を選択して軽量化する場合、補強が必要となり、結果、構造が複雑化するだけでなく、意匠的に優れたものにするため装飾部材等を付属させることが行われている(特許文献4)。
以上のように、軽量化のために選択した材料を用いようとすると、硬度が低く、耐摩耗性が劣る結果となったり、曲げ弾性率が低下したり、また、強度を維持しようとすると、構造が複雑になったり、余計な装飾を施したりして部品点数が多くなったり、あるいは、かさばり、薄肉化が図りにくく、回転バランスも取り難くなったり、さらに、補強部材を配すなど重量増をもたらしたりする。結果的に、ロータにおいて、強度を維持して一応の軽量化を図ることができるものの、リールの小型化、軽量化において依然として不十分であった。
米国公開特許第2007/0278335号明細書 米国特許第7866588号明細書 特開2003−9731号公報 特開2011−4706号公報
本発明は、上記従来の軽量化が図られた釣用スピニングリールにおける欠点を解消し、慣性モーメントの改善、回転バランスの向上、キャスティング時に釣り具を長時間保持しても取り扱いが容易に行えるようにすることを目的とするものであって、軽量化しつつ全体バランスに優れた、小型化、軽量化した釣用スピニングリールを提供することである。特に、そのスピニングリールのロータの強度を保持しつつ軽量化を図り、しかも慣性モーメントが小さいロータを提供することを目的とする。
本発明の釣用スピニングリールは、釣用スピニングリールのリール本体に回転自在に装着され前後移動するスプールに釣り糸を巻き付けるロータを備え、ロータは、ロータ本体と、ベール手段と、キック手段とを少なくとも備える。
さらに詳細には、本発明は、釣用スピニングリールにおいて、リール本体の動力伝達機構の回転軸に取付けられ回転可能に装着される、スプールに釣り糸を巻き付けるための釣用スピニングリールのロータ本体が、
該連結部の中心から半径方向外方に間隔を設けて略対称に位置し、かつスプール軸と略平行に延びている一対の第1及び第2のロータアーム部分と、中央取付け部分と第1及び第2のロータアーム部分間をそれぞれ一体的に接続する第1及び第2の接続部分とを少なくとも備えており、各部分が必要な強度を有し、かつ帯板状に形成されている釣用スピニングリールのロータ本体を少なくとも備えるものである。
本発明のロータでは、ロータ本体は、所定の強度を有する材料を選定し、従来のように軽量な軽金属又はその合金の金属材料あるいは合成樹脂材料を主として用いて形成し、軽量化を図る一方で、強度の低下による、例えば、曲げ強度を維持するためロータアームを厚肉化したり、補強用の部材を配置したりすることなく、構造を単純化し、装飾上の部材を配置することもなく、単純且つ簡素な構造とすることで軽量化を極限まで目指したものである。これにより、ロータにおいて、強度を維持して軽量化を図ったものである。
本発明2に係る釣用スピニングリールは、ロータアーム部分が、ロータが安定して回転可能となるようにバランスをとるため、帯板状のロータアーム部分をスプール軸に略平行なロータアームの垂直軸を片側に僅かに角度を持たせて、ロータアーム部分を傾斜させることにより釣用スピニングリールのロータの回転バランスを良好にし、リールの巻き取り操作の安定性を向上させたることが好ましい。
本発明3に係る釣用スピニングリールは、ベール組立体を釣り糸巻き取り位置(閉)、釣り糸放出位置(開)で保持するための保持手段を収容する部材を接続することでロータ本体に備えることができ、釣用スピニングリールの糸の放出と巻き取りの切り換えが可能となり、また製造を容易とすることが好ましい。
本発明4に係る釣用スピニングリールは、ロータ本体が、第1又は第2のロータアーム部分の少なくとも一方に、保持手段とその保持手段に連動してキック手段が配置され、かつリール本体の回転によりキック手段を作動し、釣り糸放出状態のベール組立体を釣り糸巻き取り状態に切り換え可能とすることで、本発明のロータ本体のような単純かつ簡素な構造においても、釣り糸の放出と巻き取りの状態を簡単かつ的確に取ることができるようにすることが好ましい。また、本発明のロータ本体は、リール本体の回転操作によりキック手段を連動して作動し、釣り糸放出状態のベール組立体を釣り糸巻き取り状態に切り換え可能とすることで釣用スピニングリールの糸の放出と巻き取りの切り換えの操作を行うようにすることが好ましい。
本発明1から4のいずれかに記載の釣用スピニングリールにおいて、本発明に係る釣用スピニングリールのロータ本体は、炭素繊維強化プラスチックあるいは軽金属又は合金材料又はその繊維で強化された繊維強化樹脂製とすることにより曲げ強度等の強度を維持し、かつさらに軽量化を図ることが好ましい。
本発明によれば、力が作用するロータ本体を必要な強度を有する軽量な材料を用いて、帯板状の部材の単純かつ簡素な構造のものにしたことにより、ロータアーム部分自体の補強及びその補強部材による補強、あるいはロータ本体取付け部分の円筒状部材が不要となり、さらに、構造が単純化され作用する力を受けるカバー部材などを省略でき、ロータ本体を従来よりも非常に小型化、軽量化が達成でき、長時間の釣り具操作を行っても釣り人への負担が低減され釣り人の疲労を低減できる。
また、ロータ本体が帯板状の構造からなり、単純かつ簡素化されることにより、従来、ロータ本体を製造するために作製していた複雑な金型が必要なくなるだけでなく、金型が単純化されことで、金型作製に熟練した者でなくとも、あるいは精密かつ高度な技術知識を有するものでなくとも、簡単に金型を作製できる。しかも、製造工程自体が単純化でき、その後の製品化のための後処理を含め生産効率が改善する。
その結果、金型のコストだけでなく、金型製造コスト全体が低減でき、ひいては、釣用スピニングリールの製造コストを低減できる。
ロータの製造工程の単純化、効率化されたことにより、ロータ本体の強度設計が容易となり、小物釣りから大物釣りに至る釣りの場面に応じたロータ本体の作製が可能となる。
以上のとおり、本発明は、ロータにおいて、強度を維持して軽量化を図ることができる。しかも、釣用スピニングリールにおいて求められている慣性モーメントの軽減にも容易に対応できる。
本発明の一実施形態の釣用スピニングリールの正面図 その釣用スピニングリールの側面断面図 本発明のロータ本体の第1の実施例を示す図 本発明のロータ本体の他の実施例を示す図 本発明の第1の実施例のロータ本体を製造する方法示す簡略図 釣り糸放出時のベール手段の保持手段とキック手段の状態図 釣り糸巻き取り時のベール手段の保持手段とキック手段の状態図
以下、添付図面を参照して本発明に係る釣用スピニングリールのロータ本体を採用した実施形態について説明する。本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴は、添付図面と関連して本発明の好ましい実施形態を開示する次の詳細な説明から当業者に明らかである。
図1及び2には、本発明の一実施形態に係るロータ本体を含む釣用スピニングリールが示されている。図1及び2において、本発明のロータ本体20として第1の実施例の形態が採用された釣用スピニングリールは、釣り竿に装着されるリール本体1と、リール本体1の両側に取り付け可能であって、回転可能に装着するハンドル2と、リール本体1の前方に配置されたベールアーム31とラインローラ(釣糸案内部)34を具備したベール手段30を回転駆動するロータ本体20を備えるロータの前方に配置されたロータの回転駆動と同期してスプール軸18の前後方向に往復動されるスプール5を備えている。
(リール本体)
リール本体1は、図2にしめすように、リールボディ1a内に中空のドライブギア軸11が軸受を介して回転可能に支持されており、ドライブギア軸11は、ハンドル2が回転不能に係止される係止孔が形成された中空部材から構成されている。ハンドルノブ2bを有するハンドル2は、ドライブギア軸11の中空内にハンドル軸2aが挿入、係止され装着される。ロータは、ハンドルの回転に連動してリール本体1に対して回転可能に装着されている。スプール5は、ロータにより案内された釣り糸を外周に巻き取ることができるように、リール本体1に対してスプール軸前後方向に往復移動可能に装着されている。
リール本体1はリールボディ1aとリールボディから一体に上方に延びる概ねT字状の竿取付け部1bを有している。リールボディ1aの内部には、内部に開口に連なる機械装着用の空間を有し、ハンドル2の回転をロータに伝達し、回転させるための回転伝達機構(詳細は図示せず)と、ロータの回転に同期してスプール5をスプール軸前後方向に往復移動させ、釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構15(詳細は図示せず)が設けられている。
リール本体1の前部には、前方に突出する円筒状部1cが形成されている。円筒状部1c内部にはロータの釣り糸繰り出し方向の回転、逆転を禁止する又は解除するための逆転防止機構の一方向クラッチが回転不能に設けられている。該円筒状部1cの前端部は、ロータ本体20を取り付ける支持部を備えている。
回転伝達機構は、図2に示すように、ドライブギア10と、このドライブギア10に噛み合うピニオンギア12とを少なくとも備えている。ドライブギア10は、ハンドルが回転不能に装着されたドライブギア軸11に取り付けられ、ドライブギア軸11はドライブギア10を介してピニオンギア12と、ドライブギア軸に設けられた平歯車13を介してオシレーションギア14を備えるオシレーティング機構とも噛み合っている。
ピニオンギア12は、筒状の部材であり軸方向前後に沿って配置され、リールボディに回転可能に装着されている。ピニオンギア12の前部12aは、ロータの中央取付け部分21の連結部21aを貫通しており、この連結部で、例えば、ナット等の固定手段によりロータと固定されている。ピニオンギア12は、軸受けを介して支持されている。このピニオンギア12の内部をスプール軸18が貫通している。
公知のオシレーティング機構は、ピニオンギア12に噛み合う減速機構と、減速機構に連動して回転するオシレートギア14と、オシレートギア14に係合するカム(オシレート)と、該カムに固定され、軸方向前後に往復駆動されるスプール軸18を有している。オシレートギア14は、スプール軸18と平行に配置される。オシレートギアに係合しているカムは、スプール軸18の後端部に回転不能かつ移動不能に連結されている。このような構成の伝達機構によりピニオンギアの回転が大きく減速されてオシレートギア14に伝達され、回転するオシレートギアがカムの往復動に変換されスプール軸18をスプール軸方向に往復移動し、スプール軸18をハンドル2の回転に連動して往復移動させるようになっている。なお、各種ギアの関連、配置によりオシレートギアをピニオンギアに近接して配置させるようにすることでリール全体のコンパクト化を図ることができる。
一方、ピニオンギア12の先端部は、ロータの中央取付け部分21の連結部21aを貫通してロータ本体の連結部とナットなどで固定され、ピニオンギア12の先端部にロータが回転不能に固定される。ピニオンギア12の内周側には軸受が配置されている。軸受は、スプール軸18とピニオンギア12の内面との間に隙間を確保するために設けられている。また、スプール軸18からリール本体1の内部への液体の浸入を防止できるようになっている。
さらに、ピニオンギア12には逆転防止機構(明示しない)が配置されている。逆転防止機構は、ワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチを逆転禁止状態と逆転可能状態とに切り換える切換機構(図示しない)とを有している。ワンウェイクラッチは、ピニオンギア12に内輪が回転不能に装着され、リールボディ1aの筒状部1cに外輪が回転不能に装着された内輪遊転型のローラ形のワンウェイクラッチである。切換機構は、ストッパ軸を有しリールボディに逆転禁止状態と逆転可能状態との間で揺動自在に装着されている。操作のためにリールボディを貫通して後方に突出したストッパつまみを有している。
以上、説明した一連の各種伝達機構が連動し、ハンドル2の回転は、ドライブギア軸11を介してロータに回転を伝達するとともに、オシレーティング機構を介してスプール軸18の前後方向の往復動に変換され、スプール5を前後方向に往復動するように伝達され、回転伝達機構を構成する。
(ロータの構成)
本発明の釣用スピニングリールは、釣用スピニングリールのリール本体1に回転自在に装着され前後方向に往復移動するスプール5に釣り糸を巻き付けるロータを備え、本発明のロータは、ロータ本体20と、釣り糸放出位置と釣り糸巻き取り位置とのいずれかに切り換え可能に設けられ、かつロータ本体の回転に連動して釣り糸巻き取り位置に戻ることができる釣糸をスプールに案内するベール手段30と、釣り糸放出位置と釣り糸巻き取り位置のそれぞれの位置に保持する保持手段と、保持手段と連動しかつロータ本体の回転に連動して釣り糸巻き取り位置に切り換えるキック手段を備えるものである。
回転伝達機構により回転を伝達されるロータは、図1及び図2に示すように、リール本体1に回転自在に装着されたロータ本体20と、ロータ本体のロータアーム(23a、23b)の先端に揺動自在に装着されたベール手段(組立体)30と、ロータ本体20のロータアーム部分23aに装着されたカバー部材26内部に収容された保持手段とそれと連動するキック手段からなる手段25を少なくとも備えている。
以下、さらに詳しく説明する。
本発明のロータ本体20は、図3に示すとおり、スプール軸18が貫通しかつリール本体の回転軸に取り付けるための連結部を有する中央取付け部分21aと、半径方向外方に間隔を有し、スプール軸に略対称に位置し、かつスプール軸と平行に延びている一対の第1及び第2のロータアーム部分23a、23bと、中央取付け部分21と第1及び第2のロータアーム部分23a、23bを一体的に接続する第1及び第2の接続部分22a、22bを少なくとも備えている。
本発明のロータ本体20は、従来、リール本体1のような円筒状部からなる中央取付け部が単純な帯板状の部分から形成された中央取付け部分21からなるものである。該中央取付け部分21だけでなく、1対のロータアーム部分23a、23b、さらに中央取付け部分21とロータアーム部分23a、23bとを一体的に接続している第1及び第2の接続部分22a、22bについても余計な装飾的な部分、強度補強部分あるいはバランスを補完する部分などを一体成形することなく、単純かつ簡素化した帯板状の構造のものから形成されているものである。しかし、本発明のロータ本体は、帯板状であるが、各部分全てが均一の厚さを有するものとは限らない。
ロータ本体20の1対の第1及び第2の帯板状のロータアーム部分23a、23bは、スプール軸18と略平行に伸びており、その先端部には、ベール組立体30を揺動自在に軸支するため孔が形成されている。また、ロータアーム部分のいずれか一方に、その帯板状の部分の内側又は外側にベール組立体を釣り糸巻き取り位置(閉)と釣り糸放出位置(開)で、それぞれ保持するための保持手段及びその保持手段に連動するキック手段からなる手段25がカバー部材26内に収納され配置される。
図1及び2に示すように、本発明のロータ本体20の第1の実施例として、第1のロータアーム部分23a、23bの内側の空間に保持手段とそれに連動するキック手段25を収納したカバー部材26をねじ等の固定手段により固定し、配置する構造とすることができる。
本発明のロータ本体20は、第1及び第2のロータアーム部分23a、23bがリール本体1の回転運動に同期して滑らかに回転するとともに、スプール軸18及びスプール5の周りを軸ぶれすることなく回転するようにバランスを調整可能とするためロータアーム部分23a、23bの軸方向が僅かに角度を付与した状態になるように、ロータアーム部分を横側面からみたとき、帯板状のロータアーム部分の垂直軸がスプール軸に対し僅かに角度を持って傾斜して伸びるように形成されることが好ましい。
第1及び第2の接続部分22a、22bは、中央取付け部分21の両端部と第1及び第2のロータアーム部分23a、23bのリール本体1側の端部とを、中央取付け部分21の半径方向外側に間隔を隔ててロータアームを一体的に接続、維持している。また、中央取付け部分21とロータアーム部分23a、23bとの間にスプール軸18と平行な方向にスプールの軸方向往復動を可能にするための空間部28が形成されるように第1及び第2の接続部分22a、22bそれぞれの両端部をスプール軸方向に対して前後にずれるように配置して設けられる。
これにより、ロータ本体20は、周方向に伸びる中央取付け部分21、第1及び第2の接続部分22a、22b及び第1及び第2のロータアーム部分23a、23bを含み、横方向から見た縦断面は図3の断面図に示すように略対称形状であって、略W字状の形状を有するものとなる。
本発明のロータ本体20の第1及び第2のロータアーム部分の他の実施の態様として、図4のような形態を採ることが好ましい。
帯板状のロータアーム部分23a、23bは、リール本体の前端部の円筒状部1cとロータアーム部分23a、23bとの間にスプール5が軸方向に往復動可能とするためスプール5のスカート部52が軸方向に往復動可能となる空間部28を形成するように半径方向外方に同心円状に配置される。第1及び第2のロータアーム部23a、23bは、リール本体1、スプール5のスカート部52、それぞれが、スプール軸を中心軸とした同心円を描くように回転することから、それらに合わせて、各部材が回転する際、軸ぶれするような力が発生することのないように、同じ湾曲面を有する部材が同心円上を回転するようにかつロータアーム部23a、23bの帯板状の部分にリール本体1の円筒状部1cやスプールのスカート部の円筒状部と同じ湾曲面を有するよう曲げ加工を施したものである。
図4に示す湾曲面を有するロータ本体20は、ロータアーム部分の帯板状面を湾曲面にするだけでなく、第1及び第2の接続部分22a、22bについても、例えば、中央取付け部分21との接続部などが回転軸と平行になり、回転軸と同心円状の接続部となる部分については平面視したときに円弧状の折り曲げ部分となるように成形することが好ましい。
本発明のロータ本体20の幅方向の断面は、帯板状の部材で形成された構造からなるものである。構造が単純で簡単なことから、製造が容易でありコストも低減でき、小物釣りから大物釣りまで対象とする魚により釣用スピニングリールを用意することが簡単にできる。
本発明のロータ本体を形成するために用いる材料としては、そのため、釣用スピニングリールに求められる強度は特に限定されず、しかも、釣り人のニーズは様々であることから、特に、材料を限定することはできない。
ロータ本体を構成する材料としては、例えば、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂などのエンジニアリングプラスチック、あるいはアルミニウム合金、マグネシウム合金などの軽合金やステンレス合金などの従来用いられている金属材料又はその合金を用いることができる。従来と同じ材料でロータ本体を製造しても、ロータ本体は上記のとおり構造が単純かつ簡素化されており、十分に軽量化を達成できる。そして、釣用スピニングリールには、軽量化が求められていることから、特に、比較的比重、密度の小さい材料を選択、採用することにより一層の軽量化を図ることもできる。
エンジニアリングプラスチックや金属又はその合金材料だけでは強度等が十分でない場合には、釣用スピニングリールに求められる強度と軽量化との関係に配慮しつつ強度設計することにより、繊維強化プラスチックあるいは繊維強化金属のように繊維強化材料の形態にして、材料自体の強度を向上するだけでなく、軽量な繊維を多量に含有させることにより材料自体の一層の軽量化を図ることもできる。ちなみに、スピニングリールのロータに使用可能な材料の物性について具体的な材料を例示してみると、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂(ガラス繊維50%)、マグネシウム合金(AZ91D)、アルミニウム合金(ADC12)では、それぞれ、比重が1.8、2.68、1.65、引張強度が230、310、215MPaであり、比強度は、それぞれ、128、116、130と十分な強度を有し、スピニングリールの軽量化材料として採用できる。
繊維強化材料として、プラスチック繊維、ガラス繊維、カーボン繊維あるいはセラミックス繊維などが用いることができる。繊維の形態としては、短繊維又は長繊維、あるいは長繊維ローピング材、繊維を編織して形成した編織布、不織布等として強化材に使用できる。
特に、強化繊維材料としてカーボン繊維は、比重が1.8、引張強度が4500MPa、比強度が2500であり、スピニングリールの軽量化及び強度の向上には最適な材料である。
本発明のロータ本体は、その構成材料として、上記した従来の材料、例えば、アルミニウム合金(ADC12など)であって良い。しかし、簡単かつ単純な形状構造で要求される軽量化及び強度を実現するため、特に、カーボン長繊維をマトリクス樹脂中に含浸して成る繊維強化樹脂であって、カーボンの長繊維を長手方向および長手方向に対して垂直なあるいは角度を以て方向付けて配列させたものを強化繊維層とすること、あるいは織布状あるいは不織布状のカーボンプリプレグ層などを用いてロータ本体を形成することが好ましい。特に、カーボン長繊維の織布に樹脂を含浸して用いたプリプレグを用いると、材料が軽量化し、部材のいろいろな方向に対する高いヤング率、引張強度等の機械的強度を向上することができかつプリプレグの積層枚数を変更することで厚みを容易に調整でき好ましい。
(ロータ本体の製造)
本発明におけるロータ本体を成形するために使用する材料は、特に、限定されるものではなく、求められるスピニングリールの強度と軽量化の兼ね合いから、要求を満たす材料が決定されればよく、プラスチック材料、金属又は合金材料あるいはそれらの繊維強化材料のいずれであってもよい。その上、ロータ本体の構造が単純かつ簡素であることから、選択された材料に応じて自由度を持って公知の成形法を適宜選択し、各種成形方法により製造することができる。
ロータ本体の具体的な製造方法としては、ロータ本体が単純な形状のものであり、材料が流動性のあるもの、例えば、溶融金属、溶融樹脂あるいはその流動性のある繊維強化材料である場合は、金型も単純形状のものでもロータ本体を製造することができるから、鋳型注型法、射出成形、加熱加圧成形、圧縮成形などの成型方法が適用できる。
また、繊維強化材が不織布、織布、長繊維ローピング材の配列基材などにプラスチック、金属又はその合金を含浸させた材料を用いるものである場合は、スタンピング成形、加熱加圧成形などの圧縮成形による成形方法を適用して製造することができる。金属又はその合金材料である場合、金属又はその合金材料のシートをプレス加工、絞り加工などにより成形できる。
上記したおとり、金型も単純かつ簡素化した形状のものであり、何れの成形方法でも簡単かつ容易に成形できることから、金型コストが低減できるだけでなく、成形が容易であり、大量生産が可能な形態であり、生産性が向上するとともにコスト低減も図れる。
図5は、本発明のロータ本体20を繊維強化プラスチックを用いて圧縮成形により製造する方法を簡略化して示したものである。図3に示す第1の実施例のロータ本体20の断面形態の例が示されている。
図5には、上下金型100、200と、上下金型間に未硬化状態にある繊維強化プラスチックプリプレグ300を積層した成形材料を配置した状態の成形工程が示されている。その後、成形材料は上下金型100、200を用いて加熱加圧され、成形される。上金型100は、プレート下面に凸条部分102を有し、該凸条部分102中央には、凹条の溝101が形成された構造となっている(下駄歯状上金型という)。一方、下金型200は、逆Eの字状の空隙を有するものであって、下金型200の凹201条部内の中央部に凸条の稜202が形成された構造(逆E字状下金型という)となっている。該上下金型は、重ね合わせることにより略W字条の成形用空隙部が形成できるようになっている。
ロータ本体20に使用する未硬化の繊維強化ブラスチックの成形材料は、成形体の強度の方向性をなくすようにあるいは成形体の必要な曲げ強度等を考慮して例えば、炭素繊維織布を用いた繊維強化プリプレグ300として調製される。該炭素繊維強化プリプレグを必要な厚みとなるように複数枚積層し、逆E字状下金型上に配置し、下駄歯状上金型100を下金型200に押圧して炭素繊維強化プリプレグ300をW字状に賦形する。賦形されたプリプレグ中に含浸されている樹脂は加熱加圧成形されることにより、加熱硬化される。
その結果、図5に示すように、炭素繊維強化プリプレグは、1対のロータアーム部分に相当するシート状の両側垂直壁部303a、303bが、リール本体の回転軸筒にネジ止めされる本体取付け部分21となる上方凸条のシート状部分301の略対称の位置に垂直に折り曲げられた部分として成形されるとともに、中央取付け部分21となる上方凸条のシート状部分301とロータアーム部分23a、23bとなるシート状の両側垂直壁部303a、303bが全体として断面形状が略W字条になるように接続シート部分302a、302bを介して一体となった断面略W字状の繊維強化プラスチックの成形体シート304に成形される。この繊維強化プラスチック成形体シートは、帯板状のロータ本体の原形となるものである。最終製品である帯板状のロータ本体20として全体が均一な厚さを有するものでない場合、例えば、特に強度を必要とする部位がある場合などのときには、繊維強化プリプレグを各部分毎、各部分の部位毎に積層する枚数を異ならせて重ねることにより対応することができる。
前記断面略W字状の炭素繊維強化プラスチック成形体シート304は、略W字状の帯板状のロータ本体20を製造するために必要な幅を有する帯板状の部材として切り出される。切り出された略W字状の炭素繊維強化プラスチックの帯板状の成形体Wは、次いで、図3に示す断面、形状及び構造を有するロータ本体の製品とするため、必要なカット加工、穴開け加工などの後処理加工を施してロータ本体に成形加工される。
本発明のロータ本体20の第1の実施例の場合、図3に示すようにロータ本体の第1又は第2の接続部分にスリット24をカット処理して形成したものである。
本発明のロータ本体の他の実施例である図4に示す湾曲面を有するロータ本体を製造する方法は、典型的には、金属シートを台形状の帯状片に切断したブランク材を用意する。金型にいては、図5に示した上下金型の両側垂直壁部、上金型の凸条部分、凸条部分に形成した凹条の溝及び下金型の凸条の稜の、上下金型の両側垂直壁部に対向する面に所定の湾曲面を形成した金型を作製する。該所定箇所に所定の湾曲面を有する金型を用いて用意したブランク材をプレス成形あるいは絞り成形することにより両側のロータアーム部分を含む湾曲面を必要とする部分に湾曲面を形成したロータ本体が成形される。
前記した本発明のロータ本体を製造する成形方法は、本発明のロータ本体の成形方法の好ましい一例であって、前記成形方法に限定されるものではない。すでに述べたとおとり、金属又は合金材料で製造する場合は、金属又は合金材料を溶融させ、前記した略W字状の帯板状のロータ本体の形状の金型を作製し、注型により成形することもできる。
また、流動性のある繊維強化プラスチック材料を用いる場合、金型間に断面略W字状の成形用空隙を有する金型内に射出充填することによって、カット、穴開け加工など後加工処理を減らし、最終製品のロータ本体の構造のものを精緻に成形することもできるが、この場合は、金型の製作コストが高くなる。
本発明のロータ本体は、形状及び構造を単純かつ簡素化したので各種成形方法が適用可能であることから、使用する材料、製造するまでの工程、製造の費用対効果などを考慮し、適宜成形方法を選択することができる。
(ベール手段)
ベール手段30は、釣り糸巻き取り位置(閉)と釣り糸放出位置(開)に振り分けて保持可能となっており、ベールアーム31、第1及び第2のベール支持部材32a、32b及びラインローラ34を含むベール組立体であり、釣り糸をスプール5の釣り糸巻き部51に案内するためのものである。ベール手段30は、第1及び第2ロータアーム部分23a、23bの先端部に、それぞれベールアーム31を支持する第1及び第2のベールアーム支持部材32a、32bが軸支され、第1及び第2のベール支持部材32a、32bにより該支軸を中心に釣り糸巻き取り位置(閉)、釣り糸放出位置(開)に保持可能であり、両位置の間で揺動自在に装着されている。
第1及び第2のベールアーム支持部材32a、32bの先端には、回転自在に装着された釣り糸を案内するラインローラ34と、両支持部材32a、32b間には線材製の湾曲したベールアーム31が設けられている。
本発明では、ベール手段30を釣り糸巻き取り位置(閉)と釣り糸放出位置(開)の両位置の間で保持状態を維持可能とするため、ベール組立体の保持手段及びその保持手段と連動するキック手段とからなる手段25が配置されている。保持手段は、ベール手段30を釣り糸巻き取り位置(閉)と釣り糸放出位置(開)の両位置の間で保持状態を維持するように機能させ、キック手段は、リール本体の回転により作動され、釣り糸放出状態のベール組立体を釣り糸巻き取り状態に切り換えるように機能するものである。
すなわち、保持手段とキック手段からなる手段25は、ロータ本体に装着された揺動自在のベール手段30を釣り糸放出位置と釣り糸巻き取り位置のそれぞれの位置に保持する機構と、その保持機構と連動して操作され、状態を保持するとともに、リール本体の回転に連動して釣り糸放出位置におけるベール手段の保持状態を解除可能とし、釣り糸巻き取り位置に保持状態を切り換え操作可能にする機構からなるものである。
そのためロータの第1又は第2のロータアーム部分23a、23bにベール手段30の揺動動作と関連して動作するように保持手段及びキック手段からなる手段25が配置される。
さらに、詳しくベール手段30の保持手段及びキック手段からなる手段25を説明する。
手段25は、図1及び図2に示すように、ロータのロータアーム部分23a、23bの内側に形成される空間部28に、保持機構及びキック機構を連動可能に収容するように形成されたカバー部材26をねじ、リベット等の固定手段により固定配置することによりロータアーム部分と一体になって画成される凹部状の収納室の内部に収納される。この手段25により、図6及び図7に示すようにロータ本体20に装着されたベールアーム31を含む揺動自在のベール手段30を釣り糸放出位置と釣り糸巻き取り位置の間で保持操作可能にするものである。
該手段25は、第1のベールアーム支持部材32aに形成した突起36、該突起を軸として回動可能に軸支されるスライダ部材71、カバー部材26内に形成された凹部内に収容される圧縮コイルばね部材72、円弧状案内溝73、キックシャフト74及びハンドルの軽い回転操作で容易に釣り糸放出位置から釣り糸巻き取り位置にベールアームを切り換えるキックシャフト74と衝接しキックシャフト74をスライド動作させる作動部材42からなるものである。
釣り糸放出位置では、図6に示す保持手段、キック手段の配置状態となり、釣り糸巻き取り位置では、図7に示すような保持手段、キック手段の配置状態になっている。
ベール手段の保持手段及びそれと連動するキック手段は、第1のロータアーム部分23a、23bの表面と保持手段及びキック手段を覆い、収納するカバー部材26との間の収納室内に装着されている。
保持手段及びキック手段は、ベール手段30を釣糸巻き取り位置に復帰させるキックシャフト74と、デッドポイントを境にして、ベール組立体を釣り糸巻き取り位置と釣糸放出位置とのいずれか一方の位置に弾性付勢する圧縮コイルばね部材72(デッドポイントバネ)を有する。
デッドポイントバネ72は、収納室の底部に形成された凹部内に装着され、デッドポイントバネの一端は、凹部の端壁に当接し、他端は、凹部内をスライド可能なスライダ部材71に支持される。スライダ部材71はベールアーム31の第1の支持部材32aに形成した突起36に回動自在に軸支されている。
ベール手段30を釣り糸放出位置から釣り糸巻き取り位置へ切り換え保持するキック手段は、キック機構を作動するキックシャフト74と、ベールアーム支持部材32aの基部に設けた円弧状案内溝73と、キックシャフトを作動する作動部材42からなる。
キックシャフト74は、直線状のシャフト部と、その一端74bは、円弧状案内溝73に係合し、かつ該案内溝内に当接するように形成され、他端74aは、カバー部材26から突出し、リール本体の回転軸に配置された回転する部分の軸に垂直な平面上に設けられた凸部、カム面などの作動部材42に、釣り糸を巻き取り方向に回転したとき衝接するように形成されている。
キックシャフト74の一端部74b(図6、図7)は、ベールアーム支持部材32aに形成された円弧状の案内溝73に係合しており、ベールアーム支持部材32aと一体の案内溝の円弧方向の両内面壁と当接可能である。キックシャフト74の他端部74aは、図6の釣り糸放出位置に保持された状態に維持されている時、ハンドル2を介してロータが回転することにより、リール本体1に固定されロータの内部に位置する作動カム等の作動部材42のカム面等に衝接するよう構成されている。そのことにより、釣り糸放出位置にあるとき、ロータを回転すると、キックシャフト74の他端部74aが作動部材により押し上げられ、これによりキックシャフトの一端部74bが案内溝の内壁面に当接し、ベールアーム支持部材32aを釣り糸巻き取り位置の方向に回転させる。
釣り糸放出位置においては、ベールアーム支持部材32aは、デッドポイントバネの付勢力で釣り糸放出位置に保持されているので、その付勢力に抗してベールアーム支持部材32aを釣り糸巻き取り位置方向に回転させるようにキックシャフト74は作用する。キックシャフト74によりベールアーム支持部材32aは、回転され、デッドポイントバネの反転ポイントを越えた瞬間、今度は、デッドポイントバネ72から釣り糸巻き取り位置の方向への付勢力を受けることになり、ベールアーム支持部材32aは釣り糸放出位置から釣り糸巻き取り位置に反転復帰する。その際、キックシャフト74の一端部74bが、案内溝の内壁により引き上げる方向の力が加わり、かつ該内壁に係止され、作動部材42と衝接する位置に保持されていた他端部74aは作動部材42と衝接することのない位置に引き上げられる。
次に、ベール手段30が釣り糸巻き取り位置にある時、デッドポイントバネ72の付勢力により、キックシャフト74は作動カム等の作動部材42とは離反した位置にある。ベール手段30が釣り糸放出位置から釣り糸巻き取り位置に回動すると、キックシャフト74の一端部74bが案内溝の内壁と係合し、キックシャフト74を作動部材42の作動面に衝接できない位置まで一方向にスライドさせる。この過程で、ベールアーム支持部材32aが回転し、突起36も回転するためスライダ部材71も突起36の回転と共に回転、スライドする。そのことにより、デッドポイントバネ72は、圧縮コイルバネの反発力で伸び、デッドポイントを越えた瞬間、デッドポイントバネの付勢力によりベール手段30を釣糸巻き取り位置に瞬時に移動させ、釣り糸巻き取り位置に保持し、キックシャフト74のスライド後の位置が維持される。ベールアーム31は釣糸巻取位置に反転して保持される。
(スプール手段)
スプール5は、図1及び2に示すように、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻き胴部51と、糸巻き胴部51のリール本体側に一体に形成されたスカート部52を備えるスカート付き円筒状の部材50である。スプール5は、ロータ本体20の第1及び第2のロータアーム部分23a、23bとの間に、ロータ本体20をスカート付き円筒状の部材50の内部に収納するように配置される。スプール5は、スプール軸18の先端にドラッグ機構60(詳細は明示せず)を介して連結されている。それにより、スプール5はロータの回転に同期して前後移動し、ベール手段30により案内された釣り糸を糸巻き胴部の外周面に略均一に巻き取る。
前記ドラグ機構60は、スプール5とスプール軸18との間に装着されスプール5にドラグ力を作用させるための機構である。ドラグ機構60は、ドラグ力を手で調整するためのつまみ部61と、つまみ部61によりスプール5側に押圧される複数枚のディスクからなる摩擦部(図示せず)と、ドラッグ発音機構(図示せず)とを有している。つまみ部61は、スプール軸18に回転不能かつ軸方向移動自在に設けられた部分と、スプール軸18に螺合する部分と、両部分間に装着された発音機構(図示せず)とを有している。
本発明の釣用スピニングリールは、回転のバランスを調整するため、又は、回転時における慣性モーメントを調整するため、バランサを着脱自在に装着することができる。バランサをロータに配置する態様として、ロータ本体をリール本体に固定、支持する際、直接リール本体とロータ本体の中央取付け部分の連結部にバランサを配置して固定する態様、ロータ本体の接続部分に直接着脱自在にバランサを固定、支持する態様、ロータ本体にリング状等のバランサ取付け手段を介してバランサを固定、支持する態様などが可能である。またバランサは慣性を付与する機能を有するものであるから、バランサを着脱自在に装着、取り外しすることにより慣性モーメントを調整することが可能となる。
スピニングリールでは、キャスティング時等の釣り糸を放出する繰り出し時には、ベール手段を釣り糸放出位置に倒す。その結果、釣り糸は仕掛けの自重によりスプール5の先端側から順に繰り出される。
釣り糸を巻き取る時には、ベール手段を釣り糸巻き取り位置側に戻す。これは、すでに説明したとおりハンドルを釣り糸巻き取り方向に回転させることで、ベール手段の保持手段とその保持手段と連動するキック手段とから構成される保持機構とキック機構とによるベール手段を反転させる動作機構の働きにより自動的に行われる。ハンドルの回転力は、ドライブギア軸及びドライブギアを介してピニオンギア12に伝達される。そして、ピニオンギア12に伝達された回転力は、リール本体の前端部からロータに伝達されるとともに減速機構を介して噛み合う中間ギアなどによりオシレーティング機構に伝達される。その結果、ロータが釣り糸巻き取り方向に回転するとともにスプール5が前後に往復移動する。このとき、ロータ本体の形状構造が単純かつ簡素化されたこと及び帯板状の部材から形成されたことにより、ロータ本体の軽量化が図られ、合わせ慣性モーメントが小さくなり、ロータの回転、停止を瞬時に可能となり、それによりリールの操作技術を補完することもでき、ロータの軽量化を図ることで回転フィーリングが向上する。
以上のように構成された釣用スピニングリールは、ロータ本体20の形状・構造の単純化、簡素化と薄肉化を図ることにより、軽量化を実現すると共に、使用する材料の軽量化や繊維強化材料の使用により、ロータ全体として十分な強度及びさらなる軽量化を実現し、釣用スピニングリールに求められている慣性モーメントを小さくすることが実現できる。
前記本発明の実施形態では、フロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、リアドラグ型のスピニングリールやドラグを有さないスピニングリールやレバードラグ型のスピニングリール等の全てのスピニングリールのロータに本発明を適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、種々変形することが可能である
1 リール本体
2 ハンドル
5 スプール
10 ドライブギア
12 ピニオンギア
15 オシレーティング機構
18 スプール軸
20 ロータ本体
21 中央取付け部分
22a,22b 第1又は第2の接続部分
23a,23b 第1又は第2のロータアーム部分
25 手段
26 カバー部材
30 ベール手段
31 ベールアーム
32a,32b 第1又は第2のベールアーム支持部材
42 作動部材
50 スプール又はスカート付き円筒状の部材
51 糸巻き胴部
52 スカート部
60 ドラッグ機構
61 つまみ部
71 スライダ部材
72 圧縮コイルばね部材又はデッドポイントバネ
73 円弧状案内溝
74 キックシャフト
74a,74b キックシャフトの他端部及び一端部
100 上金型
200 下金型
300 繊維強化プリプレグ
304 成形体シート
W 帯板状の成形体

Claims (5)

  1. リール本体の動力伝達機構の回転軸に取付けられ回転可能に装着される、スプールに釣り糸を巻き付けるスピニングリール用ロータ本体が、
    スプール軸が貫通しかつリール本体の回転軸に取り付けるための連結部を有する中央取付け部分と、該連結部の中心から半径方向外方に間隔を設けて略対称に位置し、かつスプール軸と略平行に延びている一対の第1及び第2のロータアーム部分と、中央取付け部分と第1及び第2のロータアーム部分間をそれぞれ一体的に接続する第1及び第2の接続部分を少なくとも備えており、各部分が必要な強度を有し、かつ帯板状に形成されている釣用スピニングリール。
  2. ロータ本体のロータアーム部分が垂直状態からバランスを取るため傾斜している請求項1に記載の釣用スピニングリール。
  3. ロータ本体が、ベール組立体を釣り糸巻き取り位置(閉)、釣り糸放出位置(開)で保持するための保持手段を有する請求項1又は2に記載の釣用スピニングリール。
  4. ロータ本体が、第1又は第2のロータアーム部分の少なくとも一方に、保持手段とその保持手段に連動してキック手段が配置され、かつリール本体の回転によりキック手段を作動し、釣り糸放出状態のベール組立体を釣り糸巻き取り状態に切り換え可能である請求項3に記載の釣用スピニングリール。
  5. ロータ本体が、軽量金属又は合金又はその繊維強化材料あるいは炭素繊維強化プラスチックにより形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の釣用スピニングリール。
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