JP5910268B2 - 繊維構造体、繊維強化複合材料、繊維構造体の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
また、請求項2に記載の発明は、前記筒状構造は、前記第1筒部に対する前記軸方向の両側に前記第2筒部を備える請求項1に記載の繊維構造体である。
これによれば、第2筒部より周長が短い第1筒部では、第1軸方向糸と周方向糸が軸方向に集まり、織組織の密度が高くなりやすい。一方、第1筒部より周長が長い第2筒部では、第1軸方向糸同士の間隔、及び周方向糸同士の間隔が広がり、織組織の密度が低くなりやすい。このため、第1筒部と第2筒部とでは織組織の密度がばらつきやすい。しかし、第2筒部においては、第2軸方向糸によって、第2軸方向糸が無い場合と比べて織組織の密度を高くして、第1筒部と第2筒部の織組織の密度のばらつきを抑えている。その結果として、第1筒部と第2筒部とで、厚みのばらつきを抑え、厚みを繊維構造体全体でほぼ均一にすることができる。そして、繊維構造体の織組織の密度がほぼ均一であるため、この繊維構造体を用いた繊維強化複合材料においては、マトリックス樹脂を繊維構造体に含浸させたとき、マトリックス樹脂が均一に分散され、第1軸方向糸、周方向糸、及び第2軸方向糸の交差によって形成される織目は速やかに埋まる。また、織目のばらつきを抑えることができるため、繊維強化複合材料においてはマトリックス樹脂がリッチの部位が形成されにくくなり、繊維強化複合材料の強度低下を抑えることができる。
これによれば、第1筒部には、両第2筒部からの周方向糸が集まり、織組織の密度が高くなりやすい。しかし、両第2筒部それぞれに第2軸方向糸を追加することで、両第2筒部の織組織の密度を高めて第1筒部の織組織の密度に合わせることができる。
図1(a)に示すように、繊維構造体11は、円筒状に形成されるとともに、織組織が平織りによって形成された織物である。詳細に説明すると、繊維構造体11は、その中心軸Lの延びる方向(以下、軸方向とする)の位置によって周長が異なるように形成された筒状構造をなす織物である。繊維構造体11において、軸方向の中央には、外径及び内径が一定の円筒状をなす第1筒部12が形成されている。また、繊維構造体11において、第1筒部12よりも軸方向の両側には第2筒部13が、それぞれ第1筒部12に連続して形成されている。両第2筒部13は、第1筒部12から繊維構造体11の軸方向両端に向かう従い、外径及び内径が徐々に大きくなるように形成されている。なお、両第2筒部13は、外径及び内径が同じになっている。よって、第2筒部13は、外周面及び内周面における周長が、第1筒部12より長くなっている。
繊維構造体11において、第2筒部13は、第2筒部13の先端(繊維構造体11の軸方向両端)に向かうに従い外径が徐々に大きくなるため、周方向に隣り合う第1軸方向糸21の間隔は徐々に広がっていくが、この第1軸方向糸21同士の間に第2軸方向糸23が配列されている。このため、第1筒部12より大径をなす両第2筒部13においては、第2軸方向糸23が織り込まれていることで、第1筒部12とほぼ同じ密度の織組織が形成されている。すなわち、第1軸方向糸21及び第2軸方向糸23と、周方向糸22とが交差することで形成される第2筒部13での織目の大きさは、第1軸方向糸21と周方向糸22とが交差することで形成される第1筒部12での織目の大きさとほぼ同じになっている。すなわち、繊維構造体11全体で、織目の大きさがほぼ均一になっている。また、目付け(単位面積当たりの重量)も第1筒部12と第2筒部13とでほぼ同じになっている。よって、繊維構造体11は、第2軸方向糸23を第2筒部13に織り込むことで、第2筒部13を第1筒部12の織組織に合わせている。
まず、繊維構造体11を製造する三次元織機40について説明する。図2に示すように、三次元織機40は、繊維構造体11の製織部Sを挟んで両側に分割された状態に構成されている。そして、三次元織機40には、製織部Sの一方側に第1糸固定テーブル41が第1スプライン軸42と一体的に移動及び回転可能に配設されている。第1スプライン軸42には、放射状に延びる多数の第1アーム43を有する第1支持体44が一体回転可能に支持されている。各第1アーム43の先端には、第1エアシリンダ45が固定されている。第1エアシリンダ45のピストンロッド45aの先端には、電磁石の作用によって、磁性体製のボビンホルダ46を吸着保持する第1ホルダ保持体47が装着されている。ボビンホルダ46には、第1軸方向糸21が巻き付けられた軸方向糸ボビン48が着脱可能に取り付けられている。
まず、繊維構造体11の製造に先立って、第1糸固定テーブル41と第2糸固定テーブル51の間にマンドレル71を配設する。そして、一方の第2筒部13から製織を開始する。まず、第1糸固定テーブル41に、各ボビンホルダ46に装着された軸方向糸ボビン48から繰り出された第1軸方向糸21の一端を固定し、マンドレル71の周囲に第1軸方向糸21を放射状に配置する。このとき、複数のボビンホルダ46は、一部が第1ホルダ保持体47に保持されるとともに、残りが第2ホルダ保持体57に保持されている。また、周方向糸ボビン62から繰り出された周方向糸22の一端を第1糸固定テーブル41に固定する。
(1)繊維構造体11は、軸方向の位置によって周長が異なる第1筒部12と、第2筒部13とを備えるとともに、第1筒部12及び第2筒部13は、第1軸方向糸21と周方向糸22の平織りによって形成されている。さらに、第2筒部13には、第1軸方向糸21同士の間に、第2軸方向糸23が織り込まれている。このため、第2筒部13より小径の第1筒部12において、第1軸方向糸21と周方向糸22が集まり、織組織の密度が高くても、第2筒部13も第2軸方向糸23によって織組織の密度を高くして、第1筒部12と第2筒部13の織組織の密度のばらつきを抑えることができる。その結果として、第1筒部12と第2筒部13とで、厚みのばらつきを抑え、厚みを繊維構造体11全体でほぼ均一にすることができる。
○ 実施形態では、繊維構造体11及び繊維強化複合材料30を第1筒部12の軸方向の両側に第2筒部13を備える形状としたが、さらにその他の外径を有する筒部を備える筒状構造でもよく、繊維構造体11及び繊維強化複合材料30の形状は任意に変更してもよい。
○ 実施形態では、三次元織機40によって第2軸方向糸23を織り込むようにしたが、その他の織機によって第2軸方向糸23を織り込むようにしてもよい。
○ 実施形態では、繊維構造体11を1層に形成したが、複数層重ねて形成してもよい。
Claims (5)
- 少なくとも第1筒部と、該第1筒部に連続し、かつ周長が前記第1筒部に比べて長い第2筒部と、からなる筒状構造をなし、
前記第1筒部及び前記第2筒部の軸方向の全長に亘って該軸方向と平行な方向に延び、かつ周方向に並ぶ複数の第1軸方向糸と、
前記第1筒部及び前記第2筒部の周方向に沿い、かつ軸方向の全長に亘って螺旋状に延びる周方向糸と、を少なくとも織った織物からなる繊維構造体であって、
前記第2筒部における前記第1軸方向糸同士の間に、前記軸方向に延びるとともに、前記第2筒部の軸方向の全長のうちの少なくとも一部の長さに亘って設けられる第2軸方向糸が織り込まれており、
前記第2軸方向糸の前記第1筒部側の先端は、前記繊維構造体の外周面に巻き付けられた固定部材によって前記繊維構造体の外周面に保持されていることを特徴とする繊維構造体。 - 前記筒状構造は、前記第1筒部に対する前記軸方向の両側に前記第2筒部を備える請求項1に記載の繊維構造体。
- 繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させてなる繊維強化複合材料であって、前記繊維構造体が請求項1又は請求項2に記載の繊維構造体であることを特徴とする繊維強化複合材料。
- 少なくとも第1筒部と、該第1筒部に連続し周長が前記第1筒部に比べて長い第2筒部と、からなる筒状構造をなし、
前記第1筒部及び前記第2筒部の軸方向の全長に亘って該軸方向と平行な方向に延び、かつ周方向に並ぶ複数の第1軸方向糸と、
前記第1筒部及び前記第2筒部の周方向に沿い、かつ軸方向の全長に亘って螺旋状に延びる周方向糸と、を少なくとも織った織物からなる繊維構造体の製造方法であって、
前記軸方向に延びる形状をした前記繊維構造体の成形型が、第1成形部と、周長が前記第1成形部に比べて長い第2成形部と、を少なくとも有し、
前記成形型の軸方向に沿って前記第1軸方向糸を配列するとともに、前記成形型の周方向に沿って前記周方向糸を配列して前記第1筒部を形成し、
前記第1軸方向糸同士の間に第2軸方向糸を織り込んで前記第2筒部を形成することを特徴とする繊維構造体の製造方法。 - 請求項4に記載の製造方法によって得られた繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
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