JP6514341B2 - ワイヤソー、及び、ワイヤソーの駆動方法 - Google Patents

ワイヤソー、及び、ワイヤソーの駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ素線の表面に砥粒が固定されたワイヤを用いるワイヤソーに関する。
ワイヤソーは、第1ボビンから送り出されたワイヤを第2ボビンで巻き取る動作と、第2ボビンから送り出されたワイヤを第1ボビンで巻き取る動作とを交互に繰り返し、そのワイヤに被加工物を押し当てることによって被加工物を切断する。
遊離砥粒方式のワイヤソーは、砥粒と切削液とを含むスラリーをワイヤに供給して被加工物を切断する。これに対し、固定砥粒方式のワイヤソーは、ワイヤ素線の表面にダイヤモンドなどの砥粒が固着された固定砥粒ワイヤを用いて被加工物を切断するため、遊離砥粒方式のワイヤソーよりもワイヤ線速を高くできる点などで有利である。
ところで、固定砥粒方式のワイヤソーでは、ワイヤの巻き取りと送り出しとがボビンで繰り返されるとき、ボビンに巻かれた固定砥粒ワイヤ同士が擦れて、砥粒又はワイヤ素線が摩耗することが問題となっていた。これに対し、特許文献1には、ボビンを含むワイヤ供給ユニットが、未使用のワイヤが重ねて巻かれたリザーバスプールと、ワイヤ同士が重なりあわないように使用中のワイヤを巻き取る貯留スプールとを回転軸方向に並べる構成が開示されている。
国際公開第2014/087340
上記ワイヤソーでは、リザーバスプール及び貯留スプールが回転軸方向に並ぶため、ボビンが回転軸方向に大型化する。このようにボビンが大型化すると、ワイヤを、リザーバスプール及び貯留スプールに案内するワイヤ案内手段の移動範囲も回転軸方向に大きくなり、結果として、回転軸方向に装置の大型化を招来する可能性がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定砥粒ワイヤの摩耗を抑制するとともに、ボビンの大型化をボビンの回転軸方向で抑制することのできるワイヤソー、及び、ワイヤソーの駆動方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するワイヤソーは、砥粒がワイヤ素線に固定されたワイヤに被加工物を押し付けることによって前記被加工物を切断するワイヤソーであって、切断に使用される前の前記ワイヤを貯線する貯線面を有する第1ボビンと、前記第1ボビンから回収された前記ワイヤを貯線する貯線面を有する第2ボビンと、前記第1ボビンの回転及び前記第2ボビンの回転を制御するように構成された回転制御部とを備え、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの少なくとも一方は、前記貯線面を有したボビン本体と、前記貯線面を囲う円筒状の巻取面を有したカバーとを含み、前記ボビン本体とカバーとが同期して回転できるように構成されたボビンであって、前記回転制御部は、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるとき、前記ボビン本体及び前記カバーを有するボビンを、前記巻取面に前記ワイヤが巻き取られるように制御するように構成されている。
上記課題を解決するワイヤソーの駆動方法は、砥粒がワイヤ素線に固定されたワイヤに被加工物を押し付けることによって前記被加工物を切断するワイヤソーの駆動方法である。前記ワイヤソーは、切断に使用される前の前記ワイヤを貯線する貯線面を有した第1ボビンと、前記第1ボビンから回収された前記ワイヤを貯線する貯線面を有した第2ボビンとを備え、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの少なくとも一方は、前記貯線面を有したボビン本体と、前記貯線面を囲うとともに前記ワイヤが巻かれる円筒状の巻取面を有したカバーとを含む。前記方法は、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させることによって前記被加工物を切断することと、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるときに、前記巻取面に前記ワイヤが巻き取られるように前記ボビン本体及び前記カバーを同期回転させることと、を含む。
上記構成又は上記方法によれば、ボビン本体及びカバーを有するボビンでは、第1ボビン及び第2ボビンの間でワイヤが往復するときに、貯線面を囲う巻取面でワイヤの送り出しと巻き取りとが繰り返されるため、ボビン本体に貯線されたワイヤと巻取面のワイヤとが接触しない。そのため、ボビン本体に貯線されたワイヤと巻取面のワイヤとの接触によるワイヤの摩耗を抑制することができる。また、カバーの備える巻取面は、貯線面を囲うように位置するため、カバーを備えるボビンが回転軸方向に大型化することを抑制することができる。
上記ワイヤソーについて、前記カバーは、前記貯線面と前記巻取面との間に間隙が形成されるように配置され、前記カバーは、開口部を備え、前記ワイヤは、該開口部を通じて前記ボビン本体の前記貯線面と該カバーの外部との間を延びることが好ましい。
上記構成では、ボビン本体からワイヤを引き出すための開口部がカバーに設けられるので、ボビン本体にカバーを装着したまま、ワイヤをボビン本体の貯線面から繰り出したり、貯線面に巻き取ったりすることができる。
上記ワイヤソーについて、前記カバーは、前記開口部を区画する端部を備え、
前記端部は、前記貯線面へ向かって湾曲した形状を有することが好ましい。
上記構成では、カバーの巻取面にワイヤが巻き取られるとき、ワイヤは、巻取面から貯線面へ向かって湾曲する端部を伝って巻き取られる。その結果、ワイヤのうち貯線面から巻取面に移行する部分においてワイヤに付与される荷重を小さくすることができるため、ワイヤとカバーとの摩擦によるワイヤの摩耗を抑制することができる。
上記ワイヤソーについて、駆動源と、前記駆動源の動力を前記ボビン本体及び前記カバーのうち前記ボビン本体のみに伝達する第1の状態と、前記駆動源の動力を前記ボビン本体及び前記カバーの両方に伝達すると共に前記ボビン本体及び前記カバーを同じ方向に回転させる第2の状態とに切り換わるように構成された動力伝達機構とをさらに備え、前記回転制御部は、前記ボビン本体の前記貯線面から前記ワイヤを繰り出すとき又は前記ボビン本体の前記貯線面に前記ワイヤを巻き取るとき、前記動力伝達機構を前記第1の状態に設定し、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるとき、前記動力伝達機構を前記第2の状態に設定するように構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、貯線面及び巻取面を有したボビンの貯線面からワイヤを繰り出す動作又は貯線面にワイヤを巻き取る動作に加え、巻取面にワイヤを巻き取る動作及びワイヤを送り出す動作を実行することができる。
上記ワイヤソーについて、前記カバーを前記ボビン本体に対して締め付けると共に、前記カバーの前記ボビン本体に対する締め付けを解除できるように構成された締結部をさらに備えることが好ましい。
上記構成では、カバーが締結部によってボビン本体に締め付けられるので、カバーはボビン本体とともに回転する。また、締結部の締め付けが解除されることにより、カバーをボビン本体から取り外すことができる。そのため、ボビン本体からワイヤを繰り出すときやワイヤを回収するときには、カバーをボビン本体から取り外し、ワイヤを第1ボビン及び第2ボビンの間で往復させるときには、カバーをボビン本体に締め付けてカバーの巻取面にワイヤを巻き取ったり送り出したりすることができる。そのため、ワイヤ同士が摩擦することによるワイヤの摩耗を抑制することができる。
上記ワイヤソーについて、前記カバーの内周面のうち前記貯線面に対向する領域に設けられた緩衝材をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、貯線面に貯線されたワイヤとカバーの内周面との間に緩衝材が介在するので、ワイヤとカバーの内周面とが接触することによるワイヤの摩耗を抑制することができる。
上記ワイヤソーについて、前記カバーは、前記ワイヤを案内する螺旋状の案内溝を前記巻取面に備え、前記案内溝のピッチは、前記ワイヤの直径よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、螺旋状の案内溝は、その中心線の間隔が、ワイヤの直径よりも大きくなるように巻取面に形成されているので、巻取面に巻き取られたワイヤ同士が接触しない。そのため、カバーの巻取面におけるワイヤ同士の接触によるワイヤの摩耗を抑制することができる。
上記ワイヤソーについて、前記案内溝は、第1の深さを有する第1案内溝と、該第1案内溝と交差するとともに前記第1の深さよりも浅い第2の深さを有する第2案内溝とを有することが好ましい。
上記構成によれば、ワイヤが第1案内溝及び第2案内溝に沿ってカバーに巻き取られると、第1案内溝及び第2案内溝の交差部分では、第1案内溝に沿って延びるワイヤの上方であって当該ワイヤと接触しない位置に、第2案内溝に沿ってワイヤが延びる。そのため、案内溝がカバーの一方の端部から他方の端部に向かって設けられる場合と比べ、カバーの外周面におけるワイヤ同士の接触を防ぐとともに、案内溝の密度を大きくすることが可能である。そのため、第1ボビン又は第2ボビンを回転軸方向にさらに小型化することができる。
上記ワイヤソーの駆動方法について、前記ボビン本体の前記貯線面から前記ワイヤを繰り出すとき、又は前記ボビン本体の前記貯線面に前記ワイヤを巻き取るときに、前記ボビン本体及び前記カバーのうち前記ボビン本体のみを回転させること、をさらに含むことが好ましい。
上記構成によれば、第1ボビン及び第2ボビンの間でワイヤを往復させるときにカバーにワイヤを巻き取る動作に加え、ボビン本体にカバーを装着したままボビン本体にワイヤを巻き取る動作、又はボビン本体からワイヤを繰り出す動作を行うことができる。
第1実施形態のワイヤソーの概略構成を示す図。 図1のワイヤソーの第1ボビンの側面図。 図1の3−3線に沿った第1ボビンの断面図。 図1の4−4線に沿った第2ボビンの断面図。 第1実施形態のワイヤソーの電気的構成を示すブロック図。 第1実施形態のワイヤソーの動作の流れを説明するフローチャート。 第1実施形態のワイヤソーにおける準備工程の状態を示す模式図。 第1実施形態の第2ボビンにおける準備工程の状態を示す断面図。 第1実施形態のワイヤソーにおける送り出し工程の状態を示す模式図。 第1実施形態の第1ボビンにおける送り出し工程の状態を示す断面図。 第1実施形態のワイヤソーにおける戻し工程の状態を示す模式図。 第1実施形態のワイヤソーにおける送り出し工程及び戻し工程の繰り返しが終了したときの状態を示す模式図。 第1実施形態のワイヤソーにおける回収工程が完了したときの状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおける準備工程の初期状態を示す図。 図14のワイヤソーの第1ボビンに装着されるカバーの概略構成を示す斜視図。 図15のカバーの断面図。 第2実施形態のワイヤソーの動作の流れを説明するフローチャート。 第2実施形態のワイヤソーにおける準備工程の状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおいて、第1ボビンにカバーを装着した状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおける送り出し工程の状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおける戻し工程の状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおける送り出し工程及び戻し工程の繰り返しが終了したときの状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおいて、第2ボビンからカバーを取り外した状態を示す模式図。 第2実施形態のワイヤソーにおける回収工程が完了したときの状態示す模式図。 他の実施形態に係るワイヤソーのカバーの概略構成を示す側面図。 他の実施形態に係るワイヤソーのカバーの概略構成を示す断面図。 他の実施形態に係るワイヤソーのカバーの概略構成を示す断面図。 他の実施形態に係るワイヤソーのカバーの一部の斜視図であって、該カバーに形成された案内溝の構成を示す図。 他の実施形態に係るワイヤソーの全体の概略構成を示す図。
(第1実施形態)
以下、ワイヤソーを具体化した第1実施形態を説明する。
図1に示すように、ワイヤソーは、未使用のワイヤ10を貯線する第1ボビン11と、使用済みのワイヤ10を回収する第2ボビン12とを備えている。ワイヤ10の一端は第1ボビン11に固定され、ワイヤ10の他端は第2ボビン12に固定されている。第1ボビン11及び第2ボビン12は、図示しないフレームに間隔をおいて回転可能に支持されている。第1ボビン11には、正逆回転可能なボビン用モータ13の出力軸17が、動力伝達機構14を介して接続されている。第2ボビン12には、正逆回転可能なボビン用モータ15の出力軸18が、動力伝達機構16を介して接続される。動力伝達機構14,16は、摩擦クラッチ、電磁クラッチなどのクラッチである。
また、第1ボビン11及び第2ボビン12の間には、一対の加工用ローラ20,21が間隔をおいて回転可能に上記フレームに支持されている。加工用ローラ20,21の外周面には、ワイヤ10を案内するための溝が形成されている。ワイヤ10は、加工用ローラ20,21の外周面の溝に沿って、加工用ローラ20,21に周回されている。これにより、加工用ローラ20,21の間には、所定のピッチで複数列のワイヤ10が張架されている。加工用ローラ20,21の間であって、ワイヤ列の上方には、サドル39が昇降可能に配置されている。このサドル39の下面には、被加工物100が装着されている。
加工用ローラ20,21はローラ用モータ22,23(図5参照)により、第1ボビン11及び第2ボビン12と同期して回転する。加工用ローラ20,21の間に張架された複数列のワイヤ10は、第1ボビン11及び第2ボビン12の間であってワイヤ10の延びる方向に往複する。
第1ボビン11及び第2ボビン12の近傍となる位置には、トラバーサローラ24,25が、自転しつつ第1ボビン11及び第2ボビン12の軸線方向に沿って往復動可能に配置されている。第1ボビン11の近傍のトラバーサローラ24は、第1ボビン11へワイヤ10を案内するとともに、第1ボビン11から引き出されたワイヤ10を加工用ローラ20側へ案内する。第2ボビン12の近傍のトラバーサローラ25は、第2ボビン12へワイヤ10を案内するとともに、第2ボビン12から引き出されたワイヤ10を加工用ローラ21側へ案内する。ワイヤ10の走行時には、トラバーサローラ24,25に接続されたトラバーサ用モータ26,27(図5参照)により、トラバーサローラ24,25が自転及び往復動されて、第1ボビン11及び第2ボビン12に対してワイヤ10が案内される。
加工用ローラ20と第1ボビン11との間、加工用ローラ21と第2ボビン12との間には、ダンサアーム28,29が揺動可能に設けられている。ダンサアーム28,29の先端部には、ワイヤ10の張力を調節するためのダンサローラ30,31が自転可能に支持されている。ダンサアーム28,29の基端部には、ダンサアーム用モータ32,33(図5参照)が接続されている。ダンサローラ30及び加工用ローラ20、ダンサローラ31及び加工用ローラ21の間には、ワイヤ10を案内するためのガイドローラ34,35が設けられている。
ワイヤ10は、固定砥粒ワイヤであって、ワイヤ素線と、該ワイヤ素線に固定された砥粒と、ワイヤ素線と砥粒とを固着しているバインダーとを有している。砥粒は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN:Cubic boron nitride)、炭化ケイ素(SiC)、緑色炭化ケイ素(GC)、アルミナ等の材料からなる。なお、砥粒の固着方法は、電着、熱硬化などの公知の方法が用いられる。
次に図2〜図4を参照して、第1ボビン11及び第2ボビン12の構成について説明する。第1ボビン11及び第2ボビン12は同じ構成であるため、第1ボビン11の構成についてのみ説明する。
図2に示すように、第1ボビン11は、1対のフランジ部41の間に貯線面43を含む胴部を備えたボビン本体40と、カバー42とを有する。
カバー42は、一方の端部に壁部を有する円筒形状を有しており、貯線面43を囲う巻取面42Aを有する。このカバー42の外周面は、走行中のワイヤ10を巻き取る巻取面42Aとして機能する。ボビン本体40及びカバー42は、互いに接触しない状態で、同心円状に設けられている。第1ボビン11のボビン本体40には、未使用のワイヤ10が貯線され、第2ボビン12のボビン本体50には、切断に使用され使用済みとなったワイヤ10が貯線される。
ボビン本体40は、ボビン用モータ13の出力軸17に直接的又は間接的に接続されている。ボビン本体40には、ボビン用モータ13の動力が常時伝達される。カバー42は、動力伝達機構14に接続されている。動力伝達機構14は、ボビン用モータ13の動力をボビン本体40のみに伝達しつつカバー42に伝達しない第1の状態と、ボビン用モータ13の回転をボビン本体40及びカバー42の両方へ伝達する第2の状態とを切り換え可能である。なお、ボビン本体40の回転軸線とカバー42の回転軸線とは一致している。また、ボビン本体50の回転軸線とカバー52の回転軸線とは一致している。しかし、それらを一致させることは必須条件ではない。カバー42,52がボビン本体40,50の径方向外側に設けられるとともに、ボビン本体40及びカバー42が互いに接触せずに回転可能であり、且つボビン本体50及びカバー52が互いに接触せずに回転可能であれば、回転軸線が一致しないようにボビン本体40,50及びカバー42,52が配置されてもよい。
図2に示すように、カバー42の巻取面42Aには、螺旋状の案内溝44が形成されている。案内溝44は、ワイヤ10の走行時にワイヤ10を案内するための溝である。ワイヤ10の走行時において、カバー42の巻取面42Aには、ワイヤ10が1重に巻き取られる。案内溝44のピッチL(案内溝44の中心線L1の間隔L)は、ワイヤ10の直径よりも大きくなっている。これにより、案内溝44に案内されたワイヤ10同士が接触しないため、外周面においてワイヤ10同士が接触することによる摩耗を抑制することができる。なお、図2では案内溝44についてその密度や数を便宜的に示しており、実際の密度や数は図2に示すものに限定されない。
カバー42の周方向の一部には、カバー42の軸方向に延びるスリット45が形成されている。第1ボビン11のスリット45は、ボビン本体40から未使用のワイヤ10を繰り出すための開口である。また、第2ボビン12のスリット55(図4参照)は、ボビン本体50に使用済みのワイヤ10を回収するための開口である。
図3に示すように、第1ボビン11は、カバー42が回転を停止し、ボビン本体40が図3中時計回り方向に回転することで、未使用のワイヤ10を繰り出す。以下、ボビン本体40がワイヤ10を繰り出すときの回転、及びカバー42の同方向への回転を正転といい、その回転方向を正転方向101という。ボビン本体40及びカバー42の両方が正転すると、カバー42の外周面に巻き取られたワイヤ10が、第2ボビン12に戻される。
また、第1ボビン11は、ボビン本体40及びカバー42が図3中反時計回り方向に回転することで、カバー42の外周面にワイヤ10を巻き取る。以下、ボビン本体40及びカバー42がカバー42の外周面にワイヤ10を巻き取るときの回転を逆転といい、その回転方向を逆転方向102という。
また、トラバーサローラ24によって、カバー42のスリット45からは、ワイヤ10が斜めに引き出されている。スリット45を区画する端部46,47のうち、トラバーサローラ24側に位置する端部46は、ボビン本体40及びカバー42が逆転したときにワイヤ10と接触する。この端部46は、端部46以外の部分に比べて曲率が大きく、カバー42の内側に向かって湾曲している。カバー42の外周面にワイヤ10を巻き取るとき、ボビン本体40から引き出されたワイヤ10が端部46を伝って外周面に巻かれるので、ワイヤ10が折れ曲がらない。そのため、ワイヤ10と接触する端部が内側に湾曲していないカバーに比べ、ワイヤ10に付与される荷重が小さくなり、ワイヤ10とカバー42との摩擦によるワイヤ10の摩耗を抑制することができる。
図4に示すように、第2ボビン12は、第1ボビン11のボビン本体40と同様な構成のボビン本体50と、カバー42と同様な構成のカバー52とを備えている。カバー52には、外周面に形成された案内溝44(図2参照)と、スリット55とが設けられている。第2ボビン12は、カバー52が回転を停止し、ボビン本体50が図4中時計回り方向に回転することで、ボビン本体50に使用済みのワイヤ10を巻き取る。以下、ボビン本体50がワイヤ10を回収するときの回転、及びカバー52の同方向への回転を正転といい、その回転方向を正転方向101という。
ボビン本体50及びカバー52の両方が正転すると、カバー52の巻取面52Aにワイヤ10が巻き取られる。スリット55を構成する端部56,57のうち、トラバーサローラ25側に位置する端部56は、ボビン本体50及びカバー52が正転したときにワイヤ10と接触する。この端部56は、端部56以外の部分に比べて曲率が大きく、カバー52の内側に向かって湾曲している。
また、第2ボビン12は、ボビン本体50及びカバー52が図4中反時計回り方向に回転することで、カバー52の外周面に巻き取ったワイヤ10を第1ボビン11に送る。以下、ボビン本体50及びカバー52が外周面に巻き取ったワイヤ10を第1ボビン11に送るときの回転を逆転といい、その回転方向を逆転方向102という。
次に図5を参照して、ワイヤソーの電気的構成について説明する。ワイヤソーは、ワイヤ10の走行を制御する制御装置60を備える。制御装置60は、回転制御部に相当する。制御装置60は、ボビン用モータ13,15、トラバーサ用モータ26,27、ダンサアーム用モータ32,33及びローラ用モータ22,23を同期させながら駆動する。また、制御装置60は、動力伝達機構14を駆動させて、第1ボビン11のカバー42を停止させてボビン本体40を回転させる第1の状態と、ボビン本体40及びカバー42を同じ速度で同じ方向に回転させる第2の状態とを切り換える。さらに、制御装置60は、動力伝達機構16を駆動させて、第2ボビン12のカバー52を停止させてボビン本体50を回転させる第1の状態と、ボビン本体50及びカバー52を同じ速度で同じ方向に回転させる第2の状態とを切り換える。
次に、図6〜図13を参照して、ワイヤソーの動作について説明する。
まず図6を参照して、被加工物100を切断するための制御の流れについて説明する。ワイヤソーを作動させるための条件が成立すると、制御装置60は、1つの被加工物100を切断するために使用される所定量のワイヤ10を第1ボビン11から繰り出す準備工程を行う(ステップS1)。
ステップS1において、制御装置60は、第1ボビン11の動力伝達機構14を駆動して、第1ボビン11を、ボビン本体40を回転させつつカバー42を停止させるための第1の状態に切り換える。また、制御装置60は、ボビン用モータ13を駆動して、ボビン本体40を正転させる。さらに、第2ボビン12の動力伝達機構16を駆動して、第2ボビン12を、カバー52及びボビン本体50を回転させるための第2の状態に切り換える。また、制御装置60は、ボビン用モータ15を駆動して、ボビン本体50及びカバー52を正転させる。さらに、制御装置60は、トラバーサ用モータ26,27、ダンサアーム用モータ32,33、及びローラ用モータ22,23を同期させて駆動する。これにより、第1ボビン11のボビン本体40が正転しカバー42は停止することによって、第1ボビン11からワイヤ10が繰り出される。また、第2ボビン12のボビン本体50及びカバー52が正転することによって、ワイヤ10がカバー52の外周面における案内溝44に沿って巻き取られる。この準備工程で第2ボビン12に巻き取られるワイヤ10の巻取量を、初期巻取量X(m)とする。なお、第1ボビン11のカバー42の巻取面42A及び第2ボビン12のカバー52の巻取面52Aには、走行中のワイヤ10を1重で巻き取ることが可能な案内溝44がそれぞれ形成されている。すなわち、案内溝44の全長は、初期巻取量X以上とされている。
準備工程が完了すると、制御装置60は、第2ボビン12から第1ボビン11に所定の送り出し量Y(m)のワイヤ10を送る送り出し工程(ステップS2)を行い、第1ボビン11のカバー42に巻き取られた巻取量が、初期巻取量Xと同じ量であるか否かを判断する(ステップS3)。制御装置60は、第1ボビン11のカバー42に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量ではないと判断すると(ステップS3:NO)、第1ボビン11から第2ボビン12に所定の戻し量Z(m)のワイヤ10を戻す戻し工程(ステップS4)を行い、送り出し工程(ステップS2)に戻る。すなわち、送り出し工程の後において第1ボビン11のカバー42に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量となるまで、送り出し工程及び戻り工程とが交互に繰り返される。
送り出し工程(ステップS2)では、制御装置60は、第1ボビン11の動力伝達機構14を駆動して、第1ボビン11を、ボビン本体40及びカバー42を回転させるための第2の状態に切り換え、ボビン用モータ13を逆転させる。また、制御装置60は、第2ボビン12の動力伝達機構16を駆動して、第2ボビン12を、ボビン本体50及びカバー52を回転させるための第2の状態に切り換え、ボビン用モータ15を逆転させる。
戻し工程(ステップS4)では、制御装置60は、動力伝達機構14を第2の状態に維持したまま、第1ボビン11のボビン用モータ13を正転させる。また、制御装置60は、第2ボビン12の動力伝達機構16を第2の状態に維持したまま、ボビン用モータ15を正転させる。
送り出し工程において第2ボビン12から第1ボビン11へ供給されるワイヤ10の長さである送り出し量Yは、戻し工程において第1ボビン11から第2ボビン12へ供給されるワイヤ10の長さである戻し量Zよりも長くなっている(Y>Z)。そのため、ワイヤ10が第2ボビン12と第1ボビン11との間を複数回往復することにより、第1ボビン11のカバー42には、送り出し量Yと戻し量Zとの差分「Y−Z」の長さずつワイヤ10が貯線されていき、最終的には初期巻取量Xと同じ量のワイヤ10が貯線される。
ステップS3において、制御装置60が、第1ボビン11のカバー42に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量であると判断すると(ステップS3:YES)、制御装置60は、ワイヤ回収工程を行う(ステップS5)。このとき、制御装置60は、第1ボビン11の動力伝達機構14を第2の状態に維持し、第1ボビン11のボビン用モータ13を正転させる。さらに、第2ボビン12の動力伝達機構16を駆動して、第2ボビン12を、ボビン本体50を回転させつつカバー52を停止させる第1の状態に切り換える。また、制御装置60は、第2ボビン12のボビン用モータ15を正転させる。これにより、第1ボビン11のカバー42の外周面に巻き取られたワイヤ10が、第2ボビン12に送られる。また、第2ボビン12のボビン本体50には、第1ボビン11から送られたワイヤ10が巻き取られる。
次に、図7〜図13を参照して、各工程について詳述する。
図7に示すように、準備工程(ステップS1)においては、第2ボビン12のカバー52の外周面にワイヤ10が、案内溝44(図2参照)に沿って巻き取られている。ワイヤ10は、外周面においてワイヤ10が接触しないように巻き取られている。準備工程が完了したとき、第2ボビン12には、初期巻取量Xのワイヤが巻き取られている。なお、図7では、ワイヤ10がカバー52に周回される周回数を簡素化して示している。
図8に示すように、準備工程において、ボビン本体50に他端が固定されたワイヤ10は、カバー52の端部56を介してカバー52の外周面に1層のみ巻かれている。また、ワイヤ10は、カバー52の外周面においてワイヤ10同士が接触しないように巻かれているので、ワイヤ10同士の接触による摩耗を抑制することができる。
図9に示すように、送り出し工程(ステップS2)において、ワイヤ10が第2ボビン12から第1ボビン11へ向かって走行している間、サドル39に装着された被加工物100がワイヤ列に押し付けられ、被加工物100が切断される。1回目の送り出し工程が完了したときには、第2ボビン12のカバー52には、「初期巻取量X−送り出し量Y」の長さのワイヤ10が残り、第1ボビン11のカバー42には、送り出し量Yのワイヤ10が巻き取られている。
図10に示すように、送り出し工程において、ボビン本体40に一端が固定されたワイヤ10は、カバー42の外周面においてワイヤ10同士が接触しないように、且つ1層のみ巻き取られている。そのため、ワイヤ10同士の接触による摩耗を抑制することができる。
図11に示すように、戻し工程(ステップS4)においても、サドル39に装着された被加工物100がワイヤ列に押し付けられ、被加工物100が切断される。1回目の戻し工程が完了したときには、第1ボビン11には、「送り出し量Y−戻し量Z」のワイヤ10が残り、第2ボビン12には、「初期巻取量X−送り出し量Y+戻し量Z」のワイヤ10が巻かれている。
図12に示すように、送り出し工程及び戻し工程の繰り返しが終了したとき、第2ボビン12のカバー52の巻取量は「0」であり、第1ボビン11のカバー42の巻取量は、初期巻取量Xである。このように切断工程が完了したとき、第1ボビン11のカバー42に巻き取られたワイヤ10は、ボビン本体40に貯線されている未使用のワイヤ10に比べ、砥粒が摩耗しているため、摩耗した使用済みのワイヤ10だけを第2ボビン12のボビン本体50に巻き取って回収する。
図13に示すように、回収工程においては、第1ボビン11のカバー42の巻取量、及び第2ボビン12のカバー52の巻取量はともに「0」となっている。このように回収工程が完了した後、被加工物100の切断を繰り返し実行する場合には、準備工程に戻り、第1ボビン11からワイヤ10が繰り出される。
このように、第1ボビン11及び第2ボビン12は、貯線面43を有するボビン本体40,50に対して、カバー42,52がボビン本体40,50の径方向外側に設けられる。そのため、第1ボビン11及び第2ボビン12を軸方向に大型化することを抑制することができる。また、ボビン本体40,50の貯線面43、及びカバー42,52のうち案内溝44が形成された範囲は、第1ボビン11及び第2ボビン12の軸方向において重複するので、トラバーサローラ24,25は、それらの範囲内で往復動すればよく、貯線面43と走行中のワイヤ10を巻き取る面とを軸方向に並べる場合に比べ、トラバーサローラ24,25の移動範囲を小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態のワイヤソーによれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ボビン本体40,50の径方向外側にカバー42,52が設けられ、カバー42,52の巻取面42A,52Aにワイヤ10が巻き取られるため、ボビン本体40,50に貯線されたワイヤ10と、第1の方向又は第2の方向に走行しているワイヤ10とが接触しない。そのため、貯線されたワイヤ10と走行中のワイヤ10とが接触することによるワイヤ10の摩耗を抑制することができる。また、カバー42,52は、ボビン本体40,50の貯線面43に対して径方向外側に設けられるので、第1ボビン11及び第2ボビン12が、軸方向に大型化することを抑制することができる。
(2)カバー42,52には、ボビン本体40,50にワイヤ端部が固定されたワイヤ10を引き出すための開口部であるスリット45,55が設けられるので、ボビン本体40,50にカバー42,52を装着したままワイヤ10をボビン本体40,50に貯線できる。また、カバー42,52とボビン本体40,50の貯線面43との間に間隔が設けられているので、間隔を設けることにより生じる空間を、ボビン本体40,50にワイヤを貯線可能な空間にすることができる。
(3)カバー42,52の巻取面42A,52Aにワイヤ10を巻き取るとき、ワイヤ10が、カバー42,52の内側へ向かって湾曲する端部46,56に沿って外周面に巻かれるので、ワイヤ10と接触する端部が内側に湾曲していないカバーに比べ、ワイヤ10に付与される荷重を小さくすることができる。そのため、ワイヤ10とカバー42,52との摩擦によるワイヤ10の摩耗を抑制することができる。
(4)第1の方向又は第2の方向にワイヤ10を走行させるとき、第1ボビン11は、ボビン本体40及びカバー42が同じ方向に回転する第2の状態となり、第2ボビン12は、ボビン本体50及びカバー52が同じ方向に回転する第2の状態となる。このため、カバー42の巻取面42Aへのワイヤ10の巻取り,カバー52の巻取面52Aへのワイヤ10の巻き取りを交互に行うことができる。
(5)第1ボビン11のボビン本体40のみを回転させることでボビン本体40に貯線された未使用のワイヤ10を繰り出すことができる。また、第2ボビン12のボビン本体50及びカバー52を同方向に回転させることで、第2ボビン12のカバー52の巻取面52Aに未使用のワイヤ10を巻き取り、被加工物の切断のためのワイヤ10を準備することができる。
(6)第1ボビン11のボビン本体40及びカバー42を同方向に回転させることで、第1ボビン11のカバー42に巻き取られた使用済みのワイヤ10を第2ボビン12に戻すことができる。また、第2ボビン12のボビン本体50のみを回転させることで、第2ボビン12のボビン本体50にワイヤ10を貯線することができる。
(7)螺旋状の案内溝44は、そのピッチLがワイヤ10の直径よりも大きくなるように、カバー42,52の巻取面42A,52Aに形成されているので、カバー42,52の外周面に巻き取られたワイヤ同士が接触しない。したがって、カバー42,52の巻取面42A,52Aにおけるワイヤ同士の接触によるワイヤの摩耗を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に図14〜図24を参照して、ワイヤソーの第2実施形態を、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態にかかるワイヤソーは、その基本的な構成は第1実施形態と同等であり、重複する説明は割愛する。
図14に示すように、準備工程が開始される初期状態において、第2ボビン12は、ボビン本体50に着脱可能なカバー62を装着しており、第1ボビン11のボビン本体40にはカバーが装着されていない。なお、準備工程が完了すると、第1ボビン11にも、第2ボビン12のカバー62と同様な構成のカバー61が装着される。
第1ボビン11のボビン本体40には、ボビン用モータ13の出力軸17が接続される。また、第2ボビン12のボビン本体50には、ボビン用モータ15の出力軸18が接続される。なお、ボビン本体40の回転中心となる回転軸とカバー61の回転軸とは一致している。また、ボビン本体50の回転軸とカバー62の回転軸とは一致している。しかし、それらを一致させることは必須条件ではなく、カバー61,62がボビン本体40,50の径方向外側に設けられ、カバー61,62がボビン本体40,50に従動して回転可能であれば、上述した回転軸が一致しないようにカバー61,62及びボビン本体40,50が配置されてもよい。
図15を参照して、第1ボビン11のカバー61について説明する。カバー61は、筒状の形状であり、湾曲した第1壁部71と、第1壁部71とほぼ対称な形状を有する第2壁部72とを有する。第1壁部71及び第2壁部72は、向かい合う一方の端部が蝶番などの連結部材73で連結されている。これにより、第1壁部71及び第2壁部72は、連結部材73が設けられた端部を中心に回動可能となっている。また、第1壁部71及び第2壁部72の他方の端部には、フランジ部74,75が設けられている。フランジ部74,75に形成された締結孔には、ボルトやナットなどからなる締結部76が締結される。締結部76の締結によって、カバー61が未使用のワイヤ10を貯線したボビン本体40に対して締め付けられ、カバー61がボビン本体40に貯線された最外層のワイヤ10と接触する。また、第1壁部71のフランジ部74が設けられた端部と、第2壁部72のフランジ部75が設けられた端部との間には、ワイヤ10を挿通する開口部77が設けられている。このようにボビン本体40に装着されたカバー61は、ボビン本体40とともに正転及び逆転する。このカバー61の外周面は、走行中のワイヤ10を巻き取る巻取面61Aとして機能する。
図16に示すように、第1壁部71の内周面及び第2壁部72の内周面には、細長状の緩衝材78がカバー61の軸方向に沿って設けられている。緩衝材78は、ゴム、発泡ウレタンなどの発泡樹脂などであって、弾性を有しワイヤ10よりも軟質な材料から形成されている。第1壁部71には、3つの緩衝材78が等間隔に設けられ、第2壁部72には、3つの緩衝材78が等間隔に設けられている。また、第1壁部71と第2壁部72との間に形成された開口部77を介して、ボビン本体40に貯線されたワイヤ10が引き出される。
次に図17を参照して、被加工物100を切断するための制御の流れについて説明する。まず、作業者によって第2ボビン12のボビン本体50にカバー62を装着し、第1ボビン11のボビン本体40はカバー61を装着しない状態とする(ステップS10)。
次いで、第1ボビン11から第2ボビン12に初期巻取量Xの未使用のワイヤ10を送り出す準備工程を行う(ステップS11)。この工程は、第1実施形態の準備工程(ステップS1)と同様である。
準備工程が完了すると、作業者によって第1ボビン11にカバー61を装着する(ステップS12)。この際、ボビン本体40から引き出されたワイヤ10をカバー61の開口部77に挿通させてカバー61を装着する。
第1ボビン11及び第2ボビン12にカバー61,62を装着すると、制御装置60は、第2ボビン12から第1ボビン11へ所定の送り出し量Y(m)のワイヤ10を送る送り出し工程(ステップS13)を行い、第1ボビン11のカバー61に巻き取られた巻取量が、初期巻取量Xと同じ量であるか否かを判断する(ステップS14)。制御装置60は、第1ボビン11のカバー61に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量ではないと判断すると(ステップS14:NO)、第1ボビン11から第2ボビン12へ戻し量Zのワイヤ10を戻す戻し工程(ステップS15)を行い、送り出し工程(ステップS13)に戻る。すなわち、送り出し工程の後において第1ボビン11のカバー61に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量となるまで、送り出し工程及び戻り工程とが交互に繰り返される。
ステップS14において、制御装置60が、第1ボビン11のカバー61に巻き取られた巻取量が初期巻取量Xと同じ量であると判断すると(ステップS14:YES)、作業者によって第2ボビン12のカバー62を取り外す(ステップS16)。第2ボビン12からカバー62が取り外された後、制御装置60は、第1実施形態の回収工程(ステップS4)と同様に、ワイヤ回収工程を行う(ステップS17)。
ワイヤ回収工程が完了すると、作業者によって、第1ボビン11のカバー61が取り外され(ステップS18)、未使用のワイヤ10が繰り出し可能となる。
次に、各工程について詳述する。
図18に示すように、準備工程(ステップS11)において、第2ボビン12のカバー62の巻取面62Aには、初期巻取量Xのワイヤ10が、案内溝44(図2参照)に沿って巻き取られている。
図19に示すように、準備工程後、第1ボビン11のボビン本体40には作業者によってカバー61が装着される(ステップS12)。カバー61を装着する際には、締結部76をフランジ部74,75から抜いた状態で、連結部材73を基端として第1壁部71又は第2壁部72を回動してカバー61を開き、ボビン本体40をカバー61の内側に収容する。また、ボビン本体40から引き出したワイヤ10を、カバー61を閉じたときに開口部77に挿通されるように配置する。さらに、第1壁部71又は第2壁部72を閉じ、フランジ部74,75に締結部76を締結して、カバー61を締め付ける。このとき、締結の度合いによって、開口部77の大きさが変更され、ボビン本体40の貯線量に応じて、カバー61をボビン本体40に取り付けることができる。なお、開口部77の大きさは、1本分のワイヤ10が挿通可能な大きさが最小限保たれる。ボビン本体40に巻き取られたワイヤ10は、カバー61の内周面に設けられた緩衝材78に接触している。緩衝材78は、第1壁部71及び第2壁部72とワイヤ10との間で弾性変形することで、ワイヤ10の貯線量が比較的多いときに第1壁部71及び第2壁部72との接触を防ぐ。なお、第2ボビン12のカバー62の装着方法も、上述した第1ボビン11のカバー61の装着方法と同様である。
図20に示すように、送り出し工程(ステップS13)において、ワイヤ10は、第2ボビン12のカバー62から送り出され、第1ボビン11のカバー61の巻取面61Aに巻き取られる。第2ボビン12から第1ボビン11に向かってワイヤ10が走行している間、サドル39に装着された被加工物100がワイヤ列に押し付けられ、被加工物100が切断される。
図21に示すように、戻し工程(ステップS15)において、ワイヤ10は、第1ボビン11のカバー61から送り出され、第2ボビン12のカバー62の巻取面62Aに巻き取られる。第1ボビン11から第2ボビン12に向かってワイヤ10が走行している間、サドル39に装着された被加工物100がワイヤ列に押し付けられ、被加工物が切断される。
図22に示すように、送り出し工程の後に第1ボビン11の巻取量は、初期巻取量Xとなったとき、送り出し工程及び戻し工程の繰り返しが終了される。このとき、第2ボビン12の巻取量は、「0」である。
図23に示すように、送り出し工程及び戻し工程の繰り返しが終了されると、作業者によって第2ボビン12のカバー62が取り外される(ステップS16)。
図24に示すように、回収工程(ステップS17)において、第1ボビン11のカバー61に巻き取られたワイヤ10が、カバー62が取り外された第2ボビン12に送られて、第2ボビン12のボビン本体50に巻き取られる。このように回収工程が完了した後、第1ボビン11のカバー61が取り外される(ステップS18)。被加工物100の切断を繰り返し実行する場合には、第2ボビン12にカバー62を装着した後、準備工程に戻り、第1ボビン11のボビン本体40からワイヤ10が繰り出される。
以上説明したように、本実施形態にかかるワイヤソーによれば、前記(1),(7)の効果が得られるとともに、さらに以下の効果が得られるようになる。
(8)カバー61,62は、フランジ部74,75に締結される締結部76によってボビン本体40,50に固定されるので、カバー61,62はボビン本体40,50とともに回転する。また、締結部76の締め付けを解除することにより、カバー61,62を容易に取り外すことができる。そのため、ボビン本体40,50からワイヤ10を繰り出すときやワイヤ10を回収するときには、カバー61,62をボビン本体40,50から取り外し、第1の方向及び第2の方向にワイヤ10を走行させるときには、カバー61,62をボビン本体40,50に装着して、カバー61,62の巻取面61A,62Aにワイヤ10を巻き取ることができる。そのため、ワイヤ同士が摩擦することによるワイヤ10の摩耗を抑制することができる。また、第1ボビン11及び第2ボビン12の回転機構として、ボビン本体40,50を回転させる機構のみがあればよい。
(9)カバー61,62の内周面のうちボビン本体40,50の貯線面に対向する領域には、緩衝材78が設けられる。緩衝材78は、ワイヤ10とカバー61,62の内周面との間で弾性変形するので、貯線面に貯線されたワイヤ10がカバー61,62の内周面に接触しない。このため、ワイヤ10とカバー61,62とが接触することによるワイヤ10の摩耗を抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・図25に示すように、第1ボビン11のボビン本体40に着脱されるカバー61は、第1壁部71及び第2壁部72に設けられたベルト80と締結具81とによって固定されてもよい。例えば、ベルト80の端部には締結具81の雄部材95が設けられ、第1壁部71には、雄部材95が嵌合される雌部材96が設けられる。第1壁部71と第2壁部72との間には、ワイヤ10を引き出すための開口部77が設けられている。ベルト80の長さを調整することにより、開口部77の大きさを変更することができる。このため、ボビン本体40の貯線量に応じて、カバー61をボビン本体40に取り付けることができる。この構成によれば、第1壁部71及び第2壁部72の着脱を容易に行うことができる。なお、第2ボビン12のボビン本体50に着脱されるカバー52もその構成と同様な構成であってもよい。
・図26に示すように、第1ボビン11のボビン本体40に着脱されるカバー61は、ゴム等の弾性部材からなるシート82と、シート82の一方の端部に設けられた永久磁石83と、シート82の他方の端部に設けられた永久磁石84とを備えていてもよい。シート82を装着する際には、ワイヤ10が巻き取られたボビン本体40にワイヤ10と接触させてシート82を巻き付け、シート82の一方の端部と他方の端部とを永久磁石83,84の磁力により固定する。シート82の一方の端部に設けられた永久磁石83は、他方の端部に設けられた永久磁石84に対して表面積が大きくなっている。これにより、ボビン本体40のワイヤ10の貯線量に応じて、永久磁石84を磁力により固定する位置を変更することができる。シート82には、ボビン本体40の軸方向の一部を開口させた開口部85が設けられ、ボビン本体40からワイヤ10が引き出される。この構成によれば、巻取面61Aが弾性を有するシート82の外周面であるので、ワイヤ10の摩耗を抑制するとともに、カバー61の着脱を容易に行うことができる。なお、第2ボビン12のボビン本体50に着脱されるカバー52もその構成と同様な構成であってもよい。
・図27に示すように、第1ボビン11のボビン本体40に着脱されるカバー61は、磁石粉末とゴムとを混合してシート状に成形したラバーマグネット86と、ゴム等の弾性部材からなるシート87との2層構造のものであってもよい。ラバーマグネット86は、ワイヤ10との間に発生する磁力によりワイヤ10の表面に固定される。また、ラバーマグネット86及びシート87からなるカバー61は、ワイヤ10を引き出すための開口部97を有する。この構成によれば、巻取面61Aが弾性を有するシート87の外周面であるので、ワイヤ10の摩耗を抑制するとともに、カバー61の着脱を容易に行うことができる。また、カバー61は、ラバーマグネット86のみを備える単層構造のものであってもよい。なお、第2ボビン12のボビン本体50に着脱されるカバー62もその構成と同様な構成であってもよい。
・第2実施形態では、カバー61,62を構成する第1壁部71及び第2壁部72の内周面に3つの緩衝材78を等間隔でそれぞれ設けたが、単数でもよく、3つ以上の複数でもよい。また、緩衝材78は、カバー61,62の内周面に沿って張られたシート状のものであってもよい。
・ボビン本体40に着脱されるカバーは、上記各実施形態のカバーの構成のうち、複数を組み合わせたカバーであってもよい。例えば、第2実施形態のカバー61の内側に、弾性部材からなるシート82、又はラバーマグネット86を設ける構成であってもよい。
・図28に示すように、カバー42の巻取面42Aに形成される案内溝44は、第1の深さD1を有する第1案内溝88と、該第1案内溝88と交差するとともに第1の深さD1よりも浅い第2の深さD2を有する第2案内溝89とを備えていてもよい。第1案内溝88及び第2案内溝89は、互いに繋がった単一の溝である。例えば第1案内溝88は、ボビン本体40の一方のフランジ部41と他方のフランジ部41との間を螺旋状に延び、他方のフランジ部41において第1案内溝88に繋がる第2案内溝89は、他方のフランジ部41と一方のフランジ部41との間を螺旋状に延びる。第1の深さD1と第2の深さDとの差は、ワイヤ10の直径よりも大きい。この構成によれば、ワイヤ10が第1案内溝88及び第2案内溝89に沿ってカバー42に巻き取られると、第1案内溝88及び第2案内溝89の交差部分では、ワイヤ10が異なる平面上で交差する。すなわち、第1案内溝88に沿って延びるワイヤ10の上方であって当該ワイヤ10と接触しない位置に、第2案内溝89に沿って延びるワイヤ10が配置される。そのため、案内溝44が交差せずに一方向に設けられる場合と比べ、カバー42の外周面におけるワイヤ同士の接触を防ぐとともに、案内溝44の密度を大きくすることが可能である。そのため、第1ボビン11を軸方向にさらに小型化することができる。なお、この構成の案内溝44は、第2ボビン12のカバー52に設けるようにしてもよい。第1案内溝88は、一方のフランジ部41から他方のフランジ部41にかけて徐々に浅くなる形状であってもよく、第2案内溝89は、他方のフランジ部41から一方のフランジ部41にかけて徐々に深くなる形状であってもよい。
・図29に示すように、ワイヤソーは、第1ボビン11のボビン本体40を回転させる本体用モータ90と、カバー42を回転させるカバー用モータ91を備えていてもよい。本体用モータ90は、出力軸98を介してボビン本体40に接続されている。カバー用モータ91は、出力軸98を介してカバー42に接続されている。本体用モータ90の回転及びカバー用モータ91の回転は、制御装置60によって同期が取られている。また、ワイヤソーは、第2ボビン12のボビン本体50を回転させる本体用モータ92と、カバー52を回転させるカバー用モータ93を備えていてもよい。本体用モータ92は、出力軸99を介してボビン本体50に接続されている。カバー用モータ93は、出力軸99を介してカバー52に接続されている。本体用モータ92の回転及びカバー用モータ93の回転は、制御装置60によって同期が取られている。この構成によれば、動力伝達機構を設けることなく、ボビン本体40,50を回転させつつ、カバー42,52を停止することができる。
・制御装置60は、第1ボビン11及び第2ボビン12の回転を制御する装置としたが、第1ボビン11の回転を制御する装置と、第2ボビン12の回転を制御する装置とを別に設けてもよい。
・第1ボビン11及び第2ボビン12のうち、いずれか一方が、ボビン本体の貯線面に対して径方向外側に設けられるカバーを備えていてもよい。その場合、未使用のワイヤ10を摩耗させないために、第1ボビン11にカバーを設けることが好ましい。
10…ワイヤ、11…第1ボビン、12…第2ボビン、13,15…ボビン用モータ、14,16…動力伝達機構、20,21…加工用ローラ、22,23…ローラ用モータ、24,25…トラバーサローラ、26,27…トラバーサ用モータ、28,29…ダンサアーム、30,31…ダンサローラ、32,33…ダンサアーム用モータ、34,35…ガイドローラ、39…サドル、40,50…ボビン本体、41…フランジ部、42,52…カバー、42A,52A…カバーの巻取面、43…貯線面、44…案内溝、45,55…スリット、46,47…端部、56,57…端部、60…制御装置、61,62…カバー、61A,62A…カバーの巻取面、71…第1壁部、72…第2壁部、73…連結部材、74,75…フランジ部、76…締結部、77…開口部、78…緩衝材、80…ベルト、81…締結具、82…シート、83,84…永久磁石、85…開口部、86…ラバーマグネット、87…シート、88…第1案内溝、89…第2案内溝、90,92…本体用モータ、91,93…カバー用モータ、95…雄部材、96…雌部材、100…被加工物。

Claims (10)

  1. 砥粒がワイヤ素線に固定されたワイヤに被加工物を押し付けることによって前記被加工物を切断するワイヤソーであって、
    切断に使用される前の前記ワイヤを貯線する貯線面を有する第1ボビンと、
    前記第1ボビンから回収された前記ワイヤを貯線する貯線面を有する第2ボビンと、
    前記第1ボビンの回転及び前記第2ボビンの回転を制御するように構成された回転制御部とを備え、
    前記第1ボビン及び前記第2ボビンの少なくとも一方は、前記貯線面を有したボビン本体と、前記貯線面を囲う円筒状の巻取面を有したカバーとを含み、前記ボビン本体とカバーとが同期して回転できるように構成されたボビンであって、
    前記回転制御部は、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるとき、前記ボビン本体及び前記カバーを有するボビンを、前記巻取面に前記ワイヤが巻き取られるように制御するように構成されているワイヤソー。
  2. 前記カバーは、前記貯線面と前記巻取面との間に間隙が形成されるように配置され、
    前記カバーは、開口部を備え、前記ワイヤは、該開口部を通じて前記ボビン本体の前記貯線面と該カバーの外部との間を延びる
    請求項1に記載のワイヤソー。
  3. 前記カバーは、前記開口部を区画する端部を備え、
    前記端部は、前記貯線面へ向かって湾曲した形状を有する
    請求項2に記載のワイヤソー。
  4. 駆動源と、
    前記駆動源の動力を前記ボビン本体及び前記カバーのうち前記ボビン本体のみに伝達する第1の状態と、前記駆動源の動力を前記ボビン本体及び前記カバーの両方に伝達すると共に前記ボビン本体及び前記カバーを同じ方向に回転させる第2の状態とに切り換わるように構成された動力伝達機構とをさらに備え、
    前記回転制御部は、
    前記ボビン本体の前記貯線面から前記ワイヤを繰り出すとき又は前記ボビン本体の前記貯線面に前記ワイヤを巻き取るとき、前記動力伝達機構を前記第1の状態に設定し、
    前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるとき、前記動力伝達機構を前記第2の状態に設定するように構成されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  5. 前記カバーを前記ボビン本体に対して締め付けると共に、前記カバーの前記ボビン本体に対する締め付けを解除できるように構成された締結部をさらに備える
    請求項1又は2に記載のワイヤソー。
  6. 前記カバーの内周面のうち前記貯線面に対向する領域に設けられた緩衝材をさらに備える
    請求項5に記載のワイヤソー。
  7. 前記カバーは、前記ワイヤを案内する螺旋状の案内溝を前記巻取面に備え、前記案内溝のピッチは、前記ワイヤの直径よりも大きい
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のワイヤソー。
  8. 前記案内溝は、第1の深さを有する第1案内溝と、該第1案内溝と交差するとともに前記第1の深さよりも浅い第2の深さを有する第2案内溝とを有する
    請求項7に記載のワイヤソー。
  9. 砥粒がワイヤ素線に固定されたワイヤに被加工物を押し付けることによって前記被加工物を切断するワイヤソーの駆動方法であって、
    前記ワイヤソーは、切断に使用される前の前記ワイヤを貯線する貯線面を有した第1ボビンと、前記第1ボビンから回収された前記ワイヤを貯線する貯線面を有した第2ボビンとを備え、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの少なくとも一方は、前記貯線面を有したボビン本体と、前記貯線面を囲うとともに前記ワイヤが巻かれる円筒状の巻取面を有したカバーとを含み、
    前記方法は、
    前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させることによって前記被加工物を切断することと、
    前記第1ボビン及び前記第2ボビンの間で前記ワイヤを往復させるときに、前記巻取面に前記ワイヤが巻き取られるように前記ボビン本体及び前記カバーを同期回転させることと、を含む、ワイヤソーの駆動方法。
  10. 前記ボビン本体の前記貯線面から前記ワイヤを繰り出すとき、又は前記ボビン本体の前記貯線面に前記ワイヤを巻き取るときに、前記ボビン本体及び前記カバーのうち前記ボビン本体のみを回転させること、をさらに含む、
    請求項9に記載のワイヤソーの駆動方法。
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