JPWO2014192546A1 - 選択的発酵方法による粗糖及びエタノールの製造方法 - Google Patents

選択的発酵方法による粗糖及びエタノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

発明の課題は、糖液の発酵中に蔗糖が分解し難く、粗糖の収量が多く、同時にエタノールの収量も多い粗糖及びエタノールの製造方法を提供することである。課題の解決手段は、植物由来の糖液を加熱及び清浄化する工程、清浄糖液のBrix値を15〜50%に濃縮する工程、濃縮糖液を発酵温度まで冷却する工程、濃縮糖液を発酵させることにより、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する工程、及び発酵液を濃縮する工程、を包含する粗糖及びエタノールの製造方法である。

Description

本発明は、粗糖及びエタノールの製造方法に関し、さらに詳しくは、植物由来の糖液を発酵させる粗糖及びエタノールの製造方法に関する。
植物由来の燃料用エタノールは炭酸ガス増加を防ぐガソリン代替液体燃料として期待されており、植物由来の糖液を微生物で発酵させてエタノールを製造する方法が従来から検討されている。しかし、エタノールの製造原料として植物由来の糖液を消費すると食料である粗糖の生産が圧迫される問題がある。
この問題を解決する方法として、特許文献1には、粗糖の減量を招くことなく、サトウキビからの搾り粕を燃焼して得られるエネルギーにより粗糖及びエタノールの製造工程等で消費されるエネルギーのほぼすべてを賄うことができる粗糖及びエタノールの製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、粗糖及びエタノールの製造効率をより向上させるために、植物由来の糖液を最初に、蔗糖分解酵素を有さない酵母で発酵させ、加熱及びフィルターろ過を行って発酵液を清浄化し、清浄化された糖液を濃縮することにより発酵後糖液に含まれるエタノールを分離し、蔗糖を結晶化させて、粗糖及びエタノールを製造する方法が記載されている。この方法は、従来の粗糖製造工程を活用して、糖液中の水分の蒸発のために利用されてきた濃縮工程を利用して、同時にエタノールを蒸発させることを特徴とする方法である。
植物由来の糖液は、たとえばサトウキビ搾汁液などは、酵母によるエタノール発酵に適した糖濃度、温度を有する。一般的に植物由来の糖液、たとえばサトウキビ搾汁液などは、最初に加熱され、原料由来の微生物の殺菌、糖液中のタンパクの析出がなされた後、石灰や凝集沈殿剤などの添加物を入れて夾雑物を沈降分離する清浄化工程を経て、粗糖やエタノール製造に利用される。それゆえ、清浄化工程後の糖液の温度がエタノール発酵に適さない高温となるため、特許文献2の方法では、発酵工程は清浄化工程の前の糖液に対して行うことを特徴としている。
しかし、特許文献2の方法では、加熱前の未殺菌の植物由来の糖液を発酵させるため、例えば転化糖が多い糖液において発酵時間が延びた場合、糖液の発酵中に酵母以外の微生物の混入によって分解されてしまう蔗糖の量が多く、粗糖の収量を増大させることが困難となる。また、そのような微生物は分解された糖分も乳酸や酢酸など他の物質に変換するため、エタノールの収量を増大させることにも限界がある。また、植物由来の糖液には一般的に多くの夾雑物、微生物などが含まれるため、酵母の繰り返し利用が困難であり、特に凝集性酵母を発酵槽に常に存在させて酵母分離無しで連続的に発酵するような効率の良い発酵方法が困難である。加えて、発酵後の清浄化工程において加熱された発酵液を沈殿槽で静置している際、一般的な沈殿槽は大気開放系のタンクであるため、加熱されたアルコールの一部が蒸発し、最終的なエタノール回収量が減少する問題がある。
PCT/JP2013/074519号明細書には、植物から搾汁した糖液を加熱及び清浄化し、次いで、得られた清浄糖液を発酵させ、その後、濃縮する粗糖及びエタノールの製造方法が記載されている。搾汁糖液をエタノール発酵させる前に清浄化することにより、微生物の汚染防止、粗糖及びエタノールの収量の向上等の効果が得られ、この方法によって上記問題は解決される。
しかし、事業として工業的規模で実施する必要性を考慮すると、上記粗糖及びエタノールの製造方法はエネルギー効率をより向上させることが望まれる。
特許文献3には、蔗糖及びフルクトースポリマーを含む基質の水溶液を、グルコースをアルコールに発酵することができるが、フルクトースポリマーまたは蔗糖を加水分解することができない酵母を用いて、グルコースを選択的にエタノール発酵させることが記載されている。蔗糖及びフルクトースポリマーを含む基質は、蔗糖含有基質にフルクトシルトランスフェラーゼ及びグルコースイソメラーゼを同時に作用させることにより調製される。蔗糖含有基質としては、糖蜜(molasses)等が例示されている。
特許文献3の発明は、糖蜜等を原料にして、フルクトースの含有量が高い甘いシロップを提供することを目的とする。糖蜜は糖液から粗糖を結晶化して回収した後の残渣、つまり従来の粗糖製造方法から得られる残渣であるが、特許文献3の発明は、特許文献2のように従来の粗糖製造工程を活用する方法ではなく、目的生成物も異なる。フルクトースを多く含むシロップは蔗糖の含有量が低く、グルコースだけでなく、蔗糖も消費させている。
本願発明は、蔗糖結晶である粗糖の収率向上を目的とし、グルコースとフルクトースの選択的発酵によって糖液の純糖率、つまり全可溶性固形分に占める蔗糖含有比率を向上させて粗糖の結晶回収効率を向上させる技術に関するから、特許文献3の発明は本願発明とは解決課題が相違する。
特開2004−321174号公報 特許第4883511号公報 米国特許第4335207号
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、従来の粗糖製造工程を活用して、糖液の発酵中に蔗糖を分解させずに、粗糖の回収量を増加させ、同時にエタノールの回収量も増加させる粗糖及びエタノールの製造方法を提供することである。
本発明は、植物由来の糖液を加熱及び清浄化する工程、
清浄糖液のBrix値を15〜50%に濃縮する工程、
濃縮糖液を発酵温度まで冷却する工程、
濃縮糖液を発酵させることにより、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する工程、及び
発酵液を濃縮する工程、
を包含する粗糖及びエタノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、植物由来の糖液を加熱及び清浄化する工程、
清浄糖液を多重効用蒸発缶に導入する工程、
多重効用蒸発缶の最初に位置する蒸発缶を通過させた後、最後に位置する蒸発缶に導入する前に、清浄糖液を取り出すことにより清浄糖液を濃縮する工程、
濃縮糖液を発酵温度まで冷却する工程、
濃縮糖液を発酵させることにより、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する工程、
発酵液を濃縮温度まで加熱する工程、及び
濃縮糖液が取り出された蒸発缶の次に位置する蒸発缶を通過させることにより、発酵液を濃縮する工程、
を包含する粗糖及びエタノールの製造方法を提供する。
ある一形態においては、多重効用蒸発缶の最初に位置する蒸発缶を通過させた後、最後に位置する蒸発缶に導入する前に、清浄糖液を取り出すことにより、清浄糖液のBrix値は15〜40%に調節される。
ある一形態においては、前記発酵は、蔗糖非資化性酵母を使用して行われる。
ある一形態においては、前記発酵は、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使用して行われる。
ある一形態においては、前記発酵は、蔗糖分解酵素阻害剤の存在下で行われる。
ある一形態においては、前記植物は、サトウキビ、テンサイ、サトウヤシ、サトウカエデ、ソルガムからなる群から選択される少なくとも一種である。
本発明の方法によれば、加熱及び清浄化された糖液を用いて発酵を行うため、転化糖が高含有の糖液において発酵時間が延長された場合でも、糖液の発酵中に蔗糖が分解し難く、粗糖の収量が多く、同時にエタノールの収量も多くなる。また、発酵に供される糖液は加熱による微生物の不活化及び夾雑物除去による清浄化がなされているため、混入した微生物や夾雑物によって酵母が汚染されることが生じ難く、酵母の回収及び再利用を容易に行うことができる。さらに清浄液を利用する場合は発酵槽に微生物や夾雑物が蓄積されることが無く、凝集性を有する酵母が利用可能になるため、酵母分離機が不要になり、工程時間の短縮が可能になる。加えて、発酵後に沈殿槽を経ずに直接濃縮されるため、沈殿槽での蒸発によるエタノールロスも無くすことができる。
更に、本発明の方法は熱の利用効率に優れ、エタノールの生産効率にも優れている。ここで、エタノールの生産効率とは、時間当たりのエタノール生産量や設備容積当たりのエタノール生産量を意味する。また本発明の方法により、発酵設備の小型化、設置コストの低減等が可能となる。
参考例1で用いたプロセスのフロー図である。 参考例1のプロセスの物質収支を示す図である。 比較例1のプロセスの物質収支を示す図である。 本願発明の一例であるプロセスのフロー図である。 実施例1のプロセスの物質収支を示す図である。 実施例2のプロセスの物質収支を示す図である。 実施例3のプロセスの物質収支を示す図である。 実施例4のプロセスの物質収支を示す図である。
本発明の方法において、植物由来の糖液の原料になる植物は糖分を蓄積することができる植物である。中でも、いわゆる砂糖の原料作物が好ましい。砂糖の原料作物として、具体的には、サトウキビ、テンサイ、サトウヤシ、サトウカエデ、ソルガムなどが挙げられる。好ましい植物は、サトウキビ及びテンサイであり、特に好ましいのはサトウキビである。これらは糖分の蓄積量が多く、これらを原料とした製糖工場が存在するため、本発明を容易に導入できる。
植物由来の糖液は、植物中の糖分を取り出して得られる液体をいう。植物由来の糖液には、一般に、植物の糖分が蓄積された部位を圧搾して得た搾汁及び植物糖分が蓄積された部位を煮出した煮汁等が含まれる。
通常、植物は、圧搾又は煮出される前に、適当な寸法に裁断又は粉砕される。植物の圧搾には、ロールミル等の搾汁手段を使用してよい。また、植物を煮出す際には、温水に入れて加熱したり、ディフューザー等の煮出手段を使用してよい。圧搾の際の注加水の温度及び煮出し温度は、糖分の抽出効率等を考慮して適宜決定されるが、30℃〜40℃が一般的である。
蔗糖分解酵素を失活させ、糖液中のタンパク等を変性させ析出、沈殿させるために糖液の加熱を行う。加熱温度は65〜105℃、好ましくは80〜105℃である。加熱温度が65℃未満であると糖液の発酵中に蔗糖分解酵素を失活できなくなる。尚、加熱時間は蔗糖分解酵素を失活させるためには数秒〜10分間で足りる。また、加熱温度が65℃未満であると糖液の殺菌が不十分になる。糖液の殺菌を十分に行うためには、加熱温度は100℃以上に調節することが好ましい。
清浄化工程における加熱は実施規模などに依存して最適な条件が変化する。実製造プロセスでは、糖液中の浮遊物及び不純物を沈殿させるために加熱後数時間静置沈降分離を行うことが好ましい。糖液中の浮遊物及び不純物を沈殿させるための静置時間は、2時間〜4時間、好ましくは3時間程度である。静置時間が2時間未満であると糖液中の浮遊物及び不純物を沈殿させることが困難になる。
糖液の清浄化は糖液に含まれている蔗糖以外の固形分を除去することをいう。蔗糖以外の固形分には、セルロース、ヘミセルロース、タンパク、ペクチン等の不溶性固形分、及びタンパク、ペクチン、アミノ酸、有機酸、転化糖、灰分等の可溶性固形分が含まれる。
糖液中の蔗糖以外の固形分の除去は、例えば、次のようにして行う。まず、加熱した糖液に石灰を添加し、タンパク、ペクチン等を凝集させる。必要に応じて、ここに水酸化カルシウムもしくは酸化カルシウムを添加するか、炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウムを生成させ、非糖分凝集物を炭酸カルシウムに吸着させ、沈降させる。次いで、凝集物及び沈降物を含む不溶物をろ別して、清浄糖液を得る。清浄糖液には、主に蔗糖、グルコース、フルクトースなどが含まれる。
清浄糖液は清浄化された糖液であり、9重量%以上、好ましくは9〜18重量%、より好ましくは12〜15重量%の蔗糖濃度を有する水溶液である。蔗糖濃度が9重量%未満であると従来の製糖工程における濃縮装置、たとえば5重効用缶において、濃縮液の蔗糖濃度が50重量%を下回り、結晶化工程において砂糖結晶の融解を招き、粗糖の回収量が低下する可能性がある。清浄糖液は、50%以上の純糖率を有する。
清浄糖液は、次いで、濃縮する。濃縮は、主として清浄糖液に含まれている水を蒸発させることにより行う。濃縮により、清浄糖液は濃縮糖液(シロップ)になる。濃縮糖液は液量が減少しているため、濃縮を行わない場合と比較して、発酵温度まで冷却するのに必要なエネルギーが減少する。また、発酵設備が小型化され、設置スペースが狭く、設置コストが安価になり、発酵液の温度調節に必要なエネルギーも減少する。更に、濃縮糖液は糖濃度が高く、発酵が効率的に進行してエタノールの生産効率が向上する。
濃縮糖液のBrix値は15〜50%、好ましくは15〜40%、より好ましくは20〜30%である。濃縮糖液のBrix値が15%未満であるとエタノールの生産効率がそれほど向上せず、Brix値が40%を超えると発酵不良が生じる可能性がある。
糖液がサトウキビの搾汁である場合、清浄糖液のBrix値は10〜20%、典型的には約13%である。糖液がテンサイの煮汁である場合、清浄糖液のBrix値は15〜20%、典型的には約18%である。
濃縮糖液の体積は、清浄糖液の体積を基準にして20〜90体積%、好ましくは30〜90体積%、より好ましくは40〜65体積%である。濃縮糖液の体積が20体積%未満であると発酵不良が生じる可能性があり、90体積%を超えるとエタノールの生産効率がそれほど向上しない。
清浄糖液は高温であり、濃縮するために加熱を行う必要はない。濃縮を行う際には、例えば、清浄糖液を蒸発濃縮装置に導入し、清浄糖液から発生する蒸気を水に凝縮させればよい。蒸発濃縮装置の具体例には、連結された複数の減圧可能な蒸発缶を有し、濃縮対象液が先に通過する蒸発缶で発生した蒸気の熱を熱交換器で回収して濃縮対象液が後に通過する蒸発缶で順次利用する多重効用蒸発缶がある。
得られた濃縮糖液は冷却、放置、又は、要すれば、加熱等することにより、発酵に適する温度に調節する。発酵に適する温度は10〜50℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは25〜35℃である。適温に調節された清浄液は、発酵させて、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する。このような選択的発酵方法の概念は特許第4883511号に開示されている。
選択的発酵の結果、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分の含有量は非常に少なくなる。選択的発酵の条件によっては、濃縮糖液中の転化糖の含有量は実質的にゼロになることがある。選択的発酵により濃縮糖液中の転化糖の濃度が低下し、可溶性固形分の濃度が低下する一方で、蔗糖量は変化しないため、純糖率が向上する。選択的発酵終了後の濃縮糖液は70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上の純糖率を有する。
尚、純糖率とは、液中の可溶性固形分(Brix)中に含まれる蔗糖の重量%をいう。
選択的発酵の一手段は、蔗糖非資化性酵母を使用して行う発酵である。発酵とは、酵母等の微生物が無酸素状態で糖を分解する現象をいう。酵母とは通常の存在形態が単細胞である真菌類をいう。資化とは、酵母が栄養源として利用することをいう。通常、糖は資化される際に、分解される。
酵母は嫌気環境下で発酵する際に、糖を資化してアルコールを生成する代表的な生物である。一般的な酵母が資化しうる糖としては、グルコース、フルクトース等の単糖、蔗糖等の二糖等が挙げられる。本明細書では、糖の分解の他、糖の異性化等の酵母が糖に加え得る何らかの変化も資化の意味に含める。
蔗糖非資化性酵母とは、嫌気環境下で発酵する際に、蔗糖以外の糖を資化してアルコールを生成する酵母をいう。蔗糖非資化性酵母は、発酵する際に、蔗糖を実質的に変化させることがない。蔗糖非資化性酵母の具体例には、蔗糖分解酵素を有さない酵母及び蔗糖分解酵素遺伝子の全部もしくは一部を欠損した酵母が挙げられる。蔗糖分解酵素としては、インベルターゼが知られている。
蔗糖分解酵素を有する微生物は、SUC1、SUC2、SUC3、SUC4、SUC6及びSUC7という6種類の蔗糖分解酵素遺伝子を有する。これら蔗糖分解酵素遺伝子は遺伝子操作によって破壊することができる。
蔗糖分解酵素を有さない酵母としては、サッカロマイセス セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)ATCC56805、STX347-1D、NITE BP-1587、NITE BP-1588、サッカロマイセス アセチ(Saccharomyces aceti)NBRC10055、サッカロマイセス ヒエニピエンシス(Saccharomyces hienipiensis)NBRC1994、サッカロマイセス イタリカス(Saccharomyces italicus)ATCC13057、サッカロマイセス ダイレネンシス(Saccharomyces dairenensis)NBRC 0211、サッカロマイセス トランスバーレンシス(Saccharomyces transvaalensis)NBRC 1625、サッカロマイセス ロシニー(Saccharomyces rosinii)NBRC 10008、チゴサッカロマイセス ビスポラス(Zygosaccharomyces bisporus)NBRC 1131などが挙げられる。蔗糖分解酵素を有さない酵母は、凝集性を有する酵母が好ましく、例えばサッカロマイセス セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)NITE BP-1587、NITE BP-1588などが挙げられる。
選択的発酵の他の手段は、蔗糖分解酵素阻害剤を使用して行う発酵である。
蔗糖分解酵素阻害剤としては、銀イオン、銅イオン、水銀イオン、鉛イオン、メチル-α-D-グルコピラノシド、PCMB(p-chloromercuribenzoate)、グルコシル-D-プシコースなどが挙げられる。
濃縮糖液を発酵させる操作及び条件は、当業者に公知の方法により行うことができ、例えば発酵微生物と糖液を所定の割合で添加し発酵させる回分式、発酵微生物を固定化後、糖液を連続供給して発酵させる連続式などが挙げられる。
但し、本発明の方法においては、上述の清浄化工程により微生物の不活化、夾雑物の除去がなされているために、発酵の際に、野生酵母や乳酸菌や酢酸菌などの微生物による蔗糖分解が起こらず、また転化糖からエタノール以外の生産物(たとえば乳酸や酢酸など)が生産されることが防げるため、高い効率でエタノール発酵させることができる。また、清浄化工程における微生物の不活化、夾雑物の除去により、濃縮糖液を発酵させた後の酵母には微生物や夾雑物が含まれないため、発酵後の酵母を繰り返し利用できる。
濃縮糖液を発酵させる際に濃縮糖液に添加する酵母の量は、湿重量で5g/L以上、好ましくは10〜100g/L、より好ましくは15〜60g/Lである。酵母の添加量が5g/L未満であると発酵が進まず、多量過ぎると酵母回収の際に液と酵母の分離が非効率となる。
発酵の結果得られる発酵液には、酵母、エタノール、水、蔗糖、ミネラル、アミノ酸等が含まれる。発酵終了後、酵母を分離する。
発酵液は、その後エタノール及び水を蒸発させるのに適当な濃縮温度まで加熱する。発酵液は最初の濃縮によって液量が減少しているため、濃縮を行わない場合と比較して、濃縮温度まで加熱するのに必要なエネルギーが減少する。
次いで、発酵液を再度濃縮する。再度の濃縮は、発酵液からエタノールを回収し、発酵液から粗糖を製造するために行う。
発酵液からのエタノールの回収は、当業者に公知の方法により行うことができ、例えば蒸留によりエタノールを分離することが挙げられる。蒸留によるエタノール分離を行えば、同時に糖液が濃縮されるため、粗糖製造において、改めて加熱濃縮を行う必要が無く、時間及びエネルギーともに節約することができる。
好ましい一形態においては、清浄糖液を濃縮するため、及び発酵液を濃縮するために、多重効用蒸発缶が使用される。多重効用蒸発缶は、缶数が多いほど使用蒸気の節約になるが、濃縮効率は悪くなるため、一般には4〜5個の蒸発缶を備えるものが使用される。
清浄糖液は、多重効用蒸発缶の最初に位置する蒸発缶を通過した後、最後に位置する蒸発缶に導入される前に、濃縮された状態で一旦取り出される。清浄糖液を通過させる蒸発缶の数は濃縮糖液に適当なBrix値が提供されるように適宜決定される。そして、濃縮糖液は発酵温度まで冷却され、発酵が行われる。得られた発酵液は濃縮温度まで加熱される。
そして、濃縮温度に加熱された発酵液は、濃縮糖液が取り出された蒸発缶の次に位置する蒸発缶に導入される。発酵液が導入された蒸発缶では濃縮が進行し、エタノール及び水が回収される。
発酵液からの粗糖の製造は、当業者に公知の方法により行うことができ、例えば砂糖を結晶化することなどが挙げられる。具体的には、濃縮糖液の一部を吸引減圧下で加熱し、過飽和度1.1〜1.2を保持するように残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら砂糖結晶を大きく成長させる。一定の大きさ以上の砂糖結晶を取り出し、次いで遠心分離機で砂糖結晶と糖液とに分離する。
砂糖結晶から分離された糖液は一般に糖蜜と呼ばれる。糖蜜は濃縮糖液に適量混合して再度発酵原料として使用してよい。そうすることで、糖液に含まれる糖分の利用効率が更に向上する。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
参考例1
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使った場合に清浄糖液を発酵させるプロセスの実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビの蔗茎部3200gをロールミルで圧搾し、搾汁3130gを得た。
尚、以下純糖率とは、清浄糖液に可溶性固形分(Brix)中に含まれる蔗糖の重量%をいう。
(2)加熱及び清浄化工程
搾汁を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。凝集した浮遊物及び不純物をフィルターろ過し、清浄糖液重量=3000g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を分離した。尚、加熱により搾汁に含まれていた微生物が殺菌されていた。
(3)冷却工程
得られた清浄糖液を95℃から30℃まで冷却した。冷却に要したエネルギーは195kJであった。
(4)発酵工程
得られた清浄糖液を5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(STX347-1D)を湿重量で150g植菌し、30℃で4時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物を沈降分離によって回収し、発酵液3100g(エタノール濃度1.1wt%、蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g)を分離した。
(5)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
発酵液を減圧下で70℃まで加熱昇温し、蒸発したエタノール33gを冷却回収した後、引き続き水を蒸発させ、濃縮糖液468g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g、純糖率=90%)を得た。発酵液の昇温に要したエネルギーは124kJであった。
(6)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)23gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(7)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、粗糖174g(蔗糖回収率=69%:種結晶添加分抜き)と糖蜜112gに分離した。
生産プロセスのフロー図を図1に、物質収支の結果を図2に示す。
比較例1
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使った場合に搾汁を発酵させるプロセス実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビ(NiF8)の蔗茎部3000gをシュレッダーで裁断後、4重ロールミルで圧搾し、搾汁2843mL(搾汁重量=2985g、蔗糖含有量=351g、転化糖含有量=112g、純糖率=63.9%)を得た。
(2−1)発酵工程
得られた搾汁を5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(STX347-1D)を湿重量で142g植菌し、嫌気条件下、30℃で24時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物、計245gを沈降分離によって回収し、発酵液2822g(エタノール濃度2.16wt%、蔗糖含有量=281g、転化糖含有量=15g)を分離した。
(2−2)加熱及び清浄化工程
発酵液を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。凝集した浮遊物及び不純物をフィルターろ過し、清浄糖液2719g(エタノール濃度1.53wt%、蔗糖含有量=277g、転化糖含有量=15g、純糖率=68.6%)を分離した。実施例1と異なり、加熱工程において、エタノール19gが蒸発した。
(3)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
清浄糖液を5Lエバポレーターに移し、減圧下で加熱し、蒸発したエタノール42gを冷却回収した後、引き続き水2104mLを蒸発させ、濃縮糖液573g(蔗糖含有量=277g、転化糖含有量=15g、純糖率=80.6%)を得た。
(4)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)29gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(5)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、砂糖186g(蔗糖回収率=67%:種結晶添加分抜き)と糖蜜172g(蔗糖含有量=97g、転化糖含有量=12g、純糖率=61.3%)に分離した。
比較例1の物質収支の結果を図3に示す。
実施例1
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使った場合に濃縮糖液(Brix=20)を発酵させるプロセスの実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビの蔗茎部3200gをロールミルで圧搾し、搾汁3130gを得た。
(2)加熱、静置及び清浄化工程
搾汁を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。その後、搾汁を3時間静置して凝集した浮遊物及び不純物を沈降させた。不純物等をフィルターろ過し、清浄糖液3000g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を分離した。フィルターろ過の際、不純物等が沈降していたため、ろ過速度が短縮された。尚、清浄糖液では、加熱により搾汁に含まれていた微生物が殺菌されている。
(3)濃縮工程
清浄糖液を減圧下で加熱し、濃縮糖液1800g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を得た。
(4)冷却工程
得られた濃縮糖液を95℃から30℃まで冷却した。冷却に要したエネルギーは117kJである。
(5)発酵工程
濃縮糖液の冷却後、5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(STX347-1D)を湿重量で90g植菌し、30℃で5時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物を沈降分離によって回収し、発酵液1840g(エタノール濃度=1.9wt%、蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g)を分離した。
(6)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
発酵液を減圧下で30℃から70℃まで加熱昇温させ、蒸発したエタノール33gを冷却回収した後、引き続き水分を蒸発させ、濃縮糖液464g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g、純糖率=91%)を得た。発酵液の昇温に要したエネルギーは74kJである。
(7)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)23gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(8)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、粗糖176g(蔗糖回収率=70%:種結晶添加分抜き)と糖蜜108gに分離した。尚、上記粗糖量176gは、回収された粗糖量199gから種結晶分23gを差し引いた値である。
生産プロセスのフロー図を図4に、物質収支の結果を図5に示す。実施例1では濃縮糖液を発酵温度に冷却し、発酵後濃縮温度に加熱するために必要なエネルギー量が191kJであり、319kJを要した参考例1と比較して、エネルギー効率が実質的に向上した。
実施例2
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使った場合に濃縮糖液(Brix=50)を発酵させるプロセスの実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビの蔗茎部3200gをロールミルで圧搾し、搾汁3130gを得た。
(2)加熱、静置及び清浄化工程
搾汁を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。その後、搾汁を3時間静置して凝集した浮遊物及び不純物を沈降させた。不純物等をフィルターろ過し、清浄糖液3000g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を分離した。フィルターろ過の際、不純物等が沈降していたため、ろ過速度が短縮された。尚、清浄糖液では、加熱により搾汁に含まれていた微生物が殺菌されている。
(3)濃縮工程
清浄糖液を減圧下で加熱し、濃縮糖液720g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を得た。
(4)冷却工程
得られた濃縮糖液を70℃から30℃まで冷却した。冷却に要したエネルギーは29kJである。
(5)発酵工程
濃縮糖液の冷却後、5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(STX347-1D)を湿重量で36g植菌し、30℃で10時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物を沈降分離および遠心分離によって回収し、発酵液736g(エタノール濃度=4.8wt%、蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g)を分離した。
(6)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
発酵液を減圧下で30℃から70℃まで加熱昇温させ、蒸発したエタノール33gを冷却回収した後、引き続き水分を蒸発させ、濃縮糖液464g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g、純糖率=91%)を得た。発酵液の昇温に要したエネルギーは29kJである。
(7)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)23gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(8)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、粗糖176g(蔗糖回収率=70%:種結晶添加分抜き)と糖蜜108gに分離した。尚、上記粗糖量176gは、回収された粗糖量199gから種結晶分23gを差し引いた値である。
物質収支の結果を図6に示す。実施例2では濃縮糖液を発酵温度に冷却し、発酵後濃縮温度に加熱するために必要なエネルギー量が58kJであり、319kJを要した参考例1と比較して、エネルギー効率が実質的に向上した。
実施例3
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使った場合に濃縮糖液(Brix=15)を発酵させるプロセスの実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビの蔗茎部3200gをロールミルで圧搾し、搾汁3130gを得た。
(2)加熱、静置及び清浄化工程
搾汁を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。その後、搾汁を3時間静置して凝集した浮遊物及び不純物を沈降させた。不純物等をフィルターろ過し、清浄糖液3000g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を分離した。フィルターろ過の際、不純物等が沈降していたため、ろ過速度が短縮された。尚、清浄糖液では、加熱により搾汁に含まれていた微生物が殺菌されている。
(3)濃縮工程
清浄糖液を減圧下で加熱し、濃縮糖液2400g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を得た。
(4)冷却工程
得られた濃縮糖液を95℃から30℃まで冷却した。冷却に要したエネルギーは156kJである。
(5)発酵工程
濃縮糖液の冷却後、5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(STX347-1D)を湿重量で120g植菌し、30℃で5時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物を沈降分離によって回収し、発酵液2450g(エタノール濃度=1.5wt%、蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g)を分離した。
(6)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
発酵液を減圧下で30℃から70℃まで加熱昇温させ、蒸発したエタノール33gを冷却回収した後、引き続き水分を蒸発させ、濃縮糖液464g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g、純糖率=91%)を得た。発酵液の昇温に要したエネルギーは98kJである。
(7)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)23gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(8)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、粗糖176g(蔗糖回収率=70%:種結晶添加分抜き)と糖蜜108gに分離した。尚、上記粗糖量176gは、回収された粗糖量199gから種結晶分23gを差し引いた値である。
物質収支の結果を図7に示す。実施例3では濃縮糖液を発酵温度に冷却し、発酵後濃縮温度に加熱するために必要なエネルギー量が254kJであり、319kJを要した参考例1と比較して、エネルギー効率が実質的に向上した。
実施例4
(サトウキビを原料とし、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母を使った場合に濃縮糖液(Brix=40)を発酵させるプロセスの実証)
(1)圧搾工程
収穫後のサトウキビの蔗茎部3200gをロールミルで圧搾し、搾汁3130gを得た。
(2)加熱、静置及び清浄化工程
搾汁を5Lビーカーに移し、100℃で10分間加熱した。次いで、搾汁重量に対して0.085重量%の消石灰Ca(OH)2を添加し、pH調整と浮遊物及び不純物の凝集をさせた。その後、搾汁を3時間静置して凝集した浮遊物及び不純物を沈降させた。不純物等をフィルターろ過し、清浄糖液3000g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を分離した。フィルターろ過の際、不純物等が沈降していたため、ろ過速度が短縮された。尚、清浄糖液では、加熱により搾汁に含まれていた微生物が殺菌されている。
(3)濃縮工程
清浄糖液を減圧下で加熱し、濃縮糖液900g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=81g、純糖率=70%)を得た。
(4)冷却工程
得られた濃縮糖液を95℃から30℃まで冷却した。冷却に要したエネルギーは45kJである。
(5)発酵工程
濃縮糖液の冷却後、5Lジャーファーメンターに移し、蔗糖分解酵素を有さない凝集性酵母Saccharomyces cerevisiae(NITE BP-1587)を湿重量で45g植菌し、30℃で5時間、エタノール発酵させた。酵母は予めYM培地で前培養しておいたものを用いた。発酵終了後、酵母及び凝集した不純物を沈降分離によって回収し、発酵液920g(エタノール濃度=3.8wt%、蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g)を分離した。
(6)エタノール蒸留及び糖液濃縮工程
発酵液を減圧下で30℃から70℃まで加熱昇温させ、蒸発したエタノール33gを冷却回収した後、引き続き水分を蒸発させ、濃縮糖液464g(蔗糖含有量=253g、転化糖含有量=0g、純糖率=91%)を得た。発酵液の昇温に要したエネルギーは37kJである。
(7)結晶化工程
糖液の1/2を引き抜き、更に減圧下で加熱し、蔗糖の過飽和度1.2まで濃縮した後、砂糖の種結晶(粒径250μm)23gを添加し、残りの濃縮糖液を少量ずつ添加しながら、約3時間結晶化させた。
(8)粗糖・糖蜜分離工程
結晶化させた砂糖及び糖蜜の混合物を、50〜100μmメッシュの濾布を用いた有孔壁型遠心分離機にて3000rpm20分間遠心分離し、粗糖176g(蔗糖回収率=70%:種結晶添加分抜き)と糖蜜108gに分離した。尚、上記粗糖量176gは、回収された粗糖量199gから種結晶分23gを差し引いた値である。
物質収支の結果を図8に示す。実施例4では濃縮糖液を発酵温度に冷却し、発酵後濃縮温度に加熱するために必要なエネルギー量が82kJであり、319kJを要した参考例1と比較して、エネルギー効率が実質的に向上した。

Claims (7)

  1. 植物由来の糖液を加熱及び清浄化する工程、
    清浄糖液のBrix値を15〜50%に濃縮する工程、
    濃縮糖液を発酵温度まで冷却する工程、
    濃縮糖液を発酵させることにより、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する工程、及び
    発酵液を濃縮する工程、
    を包含する粗糖及びエタノールの製造方法。
  2. 植物由来の糖液を加熱及び清浄化する工程、
    清浄糖液を多重効用蒸発缶に導入する工程、
    多重効用蒸発缶の最初に位置する蒸発缶を通過させた後、最後に位置する蒸発缶に導入する前に、清浄糖液を取り出すことにより清浄糖液を濃縮する工程、
    濃縮糖液を発酵温度まで冷却する工程、
    濃縮糖液を発酵させることにより、濃縮糖液中の蔗糖以外の糖分を選択的にエタノールに変換する工程、
    発酵液を濃縮温度まで加熱する工程、及び
    濃縮糖液が取り出された蒸発缶の次に位置する蒸発缶を通過させることにより、発酵液を濃縮する工程、
    を包含する粗糖及びエタノールの製造方法。
  3. 多重効用蒸発缶の最初に位置する蒸発缶を通過させた後、最後に位置する蒸発缶に導入する前に、清浄糖液を取り出すことにより、清浄糖液のBrix値を15〜40%に調節する請求項2に記載の粗糖及びエタノールの製造方法。
  4. 前記発酵は、蔗糖非資化性酵母を使用して行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の粗糖及びエタノールの製造方法。
  5. 前記発酵は、蔗糖分解酵素を有さない酵母を使用して行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の粗糖及びエタノールの製造方法。
  6. 前記発酵は、蔗糖分解酵素阻害剤の存在下で行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の粗糖及びエタノールの製造方法。
  7. 前記植物は、サトウキビ、テンサイ、サトウヤシ、サトウカエデ、ソルガムからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粗糖及びエタノールの製造方法。
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