JPWO2014178253A1 - 電動倍力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動倍力装置において、ジャンプイン特性を得ると共に、回生協調制動時に回生制動量を大きくする。【解決手段】ブレーキペダルによる入力ロッド34の進退に応じて電動モータ40を制御し、プライマリピストン10を推進してマスタシリンダ2でブレーキ液圧を発生させ、ブレーキ液圧を入力ピストン32を介して入力ロッド34にフィードバックする。入力ピストン32をバネ37、38によりプライマリピストン10に対して弾性的に保持し、後退バネ80により入力ピストン32と入力ロッド34との間にジャンプインクリアランスJCを設ける。制動初期にジャンプインクリアランスJCにより入力ロッド34にブレーキ液圧を伝達せずジャンプイン特性を得る。プライマリピストン10と入力ピストン32との相対変位量にかかわらず、ジャンプインクリアランスJCを設定できるので、回生制動のための調整範囲がジャンプインクリアランスJCよりも大きくできる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に組込まれて電動アクチュエータを利用してマスタシリンダにブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置に関するものである。
ブレーキ装置に組込まれる倍力装置として、一般的な負圧アクチュエータを倍力源とする負圧式倍力装置のほか、例えば特許文献1に記載されているように、電動モータを倍力源とする電動倍力装置が知られている。特許文献1に記載された電動倍力装置は、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力ピストンと、入力ピストンに相対移動可能に配置されたブースタピストンと、ブースタピストンを進退移動させる回転−直動変換機構と、回転−直動変換機構に回転力を付与する電動モータとを備えている。そして、ブレーキペダルから入力ロッドを介して入力ピストンに付与される入力推力と電動モータからブースタピストンに付与されるブースタ推力とにより、マスタシリンダの圧力室内にブレーキ液圧を発生させる。
また、特許文献1に記載された電動倍力装置では、先端部がマスタシリンダ内に挿入された入力ピストンを軸方向に分割している。入力ピストンのマスタシリンダ側の分割要素は、バネ手段によりマスタシリンダ側に付勢され、非制動状態において入力ピストンのマスタシリンダ側の分割要素とブレーキペダル側の分割要素との間に隙間を形成している。これにより、制動初期には、軸部材のマスタシリンダ側の分割要素がマスタシリンダのブレーキ液圧を受けてバネ手段の付勢力に抗してブレーキペダル側の分割要素との隙間を縮めていく。この間においては、マスタシリンダのブレーキ液圧がブレーキペダルに伝達されないので、入力と無関係に出力が増大する、いわゆる、ジャンプイン特性が得られる。その結果、電動倍力装置においても、負圧式倍力装置と同様、制動初期においてジャンプイン特性を得て、制動力を迅速に立ち上げることができ、良好なブレーキフィーリングを提供することができる。
特開2008−81033号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された電動倍力装置では、つぎのような問題がある。車両の制動時に車輪の回転によりジェネレータを駆動して運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する回生制動を実行する際に、ブレーキペダルの操作によりマスタシリンダで発生するブレーキ液圧から回生制動分に相当するブレーキ液圧を減じる回生協調制御を行う。この場合、構造上、回生制動分が前述の入力ピストンの分割要素間の隙間に制限されているので、回生制動により回収可能なエネルギーを大きくすることができない。
本発明は、ジャンプイン特性を得ることができ、かつ、回生制動時に回生制動分を充分大きくとることができる電動倍力装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動倍力装置は、マスタシリンダ内に先端側が配置されて圧力室を形成するピストンと、前記ピストンを移動させる電動アクチュエータと、前記マスタシリンダの圧力室に先端が臨んで配置されるとともに、前記ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に配置される入力ピストンと、該入力ピストンを前記ピストンに対して前記入力ピストンの軸方向の所定位置に弾性的に保持する第1バネ手段と、前記前記入力ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に設けられ、かつ、前記入力ピストンに対して軸方向に対向して当接可能に配置されて、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、前記入力部材に対して、当該入力部材を前記入力ピストンから離間させる方向へばね力を作用させる第2バネ手段とを備え、前記ブレーキペダルの非操作時に前記第2バネ手段により前記入力ピストンと前記入力部材との間に所定の隙間を形成することを特徴とする。
本発明に係る電動倍力装置によれば、ジャンプイン特性を得ることができ、かつ、回生協調制動時に回生制動量を大きくすることができる。
第1実施形態に係る電動倍力装置の縦断面図である。 図1に示す電動倍力装置の非制動状態における要部の縦断面図である。 第1実施形態に係る電動倍力装置を適用したブレーキシステムの概略構成図である。 図1に示す電動倍力装置のジャンプイン作動状態における要部の縦断面図である。 図1に示す電動倍力装置の通常の倍力作動状態における要部の縦断面図である。 図1に示す電動倍力装置の入出力特性を示すグラフ図である。 図1に示す電動倍力装置の入力−ストローク−減速度の特性を示すグラフ図である。 第2実施形態に係る電動倍力装置の縦断面図である。 図8に示す電動倍力装置の非制動状態における要部の縦断面図である。 図8に示す電動倍力装置のジャンプイン作動状態における要部の縦断面図である。 図8に示す電動倍力装置の通常の倍力作動状態における要部の縦断面図である。 図8に示す電動倍力装置の入出力特性を示すグラフ図である。 図8に示す電動倍力装置の入力−ストローク−減速度の特性を示すグラフ図である。 電動倍力装置の回生協調時のモータ制御を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る電動倍力装置の要部の縦断面図である。 図15の電動倍力装置の失陥時の作動状態を示す要部の縦断面図である。 図15の電動倍力装置の自動ブレーキ作動状態を示す要部の縦断面図である。 図15に示す電動倍力装置の変形例の要部の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る電動倍力装置の要部の縦断面図である。
以下、発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置1は、電動アクチュエータを駆動源とする倍力装置である。電動倍力装置1は、電動のアクチュエータ3を内装するハウジング4の軸方向一側(前部、図の左方)にタンデム型のマスタシリンダ2を連結した構造を有している。マスタシリンダ2の上部には、マスタシリンダ2にブレーキ液を供給するリザーバ5(一部のみ図示する)が配設されている。ハウジング4は、略有底円筒状のフロントハウジング4Aの開口部側にリアカバー4Bを嵌合して、複数のボルト4Cによってフロントハウジング4Aに結合し、その内部にアクチュエータ3を収容している。
フロントハウジング4Aには、スタッドボルト6が固定されている。このスタッドボルト6によりマスタシリンダ2が、その取付部2Bでナット6Aによりフロントハウジング4Aに連結される。ハウジング4のリアカバー4Bには、平坦な取付座面7が形成され、この取付座面7の中央部から、マスタシリンダ2と同心で、かつ、ハウジング4の軸方向他側(後方、図の右方)、すなわち、マスタシリンダ2から離れる方向に突出する円筒部8が設けられている。そして、電動倍力装置1は、円筒部8を車両のエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネル(図示せず)に貫通させて車室内に延ばした状態で、エンジンルーム内に配置される。すなわち、電動倍力装置1は、取付座面7がダッシュパネルに当接した状態で、取付座面7に固定された複数のスタッドボルト7Aによって車体の一部であるダッシュパネルに固定される。また、フロントハウジング4Aの外側には、後述するコントローラ(以下、ECUという)9を内包するECUケース4Dが設けられている。ここで、以下の説明においては、ハウジング4の軸方向一側となる図中左側を「前」と表現し、ハウジング4の軸方向他側となる図中右側を「後」と表現する。
マスタシリンダ2のシリンダ本体2Aには、有底のシリンダボア12が形成されている。このシリンダボア12の開口部12A側には、アクチュエータ3によって移動するピストンとして、略円筒状のプライマリピストン10が配置されている。このプライマリピストン10の先端側は、カップ状に形成され、マスタシリンダ2内に配置される。また、シリンダボア12の底部側には、カップ状のセカンダリピストン11が配置されている。プライマリピストン10の後端部は、マスタシリンダ2の開口部からハウジング4内に延出して、リアカバー4Bの円筒部8内まで延びるように形成されている。シリンダ本体2A内には、シリンダボア12、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11によって、これらの間に圧力室となるプライマリ室16が形成され、シリンダボア12の底部とセカンダリピストン11との間に圧力室となるセカンダリ室17が形成されている。これらプライマリ室16及びセカンダリ室17は、それぞれ、シリンダ本体2Aに形成された液圧ポート(図示せず)を介して、図3に示すように、各車輪のホイールシリンダWCに液圧を供給するための2系統の液圧回路18、19に接続されている。
また、シリンダ本体2Aには、プライマリ室16及びセカンダリ室17をそれぞれリザーバ5に接続するためのリザーバポート20、21が形成されている。シリンダ本体2Aのシリンダボア12の内周面には、所定の軸方向間隔をもって環状のシール溝22a、22b及び23a、23bが形成されている。これら環状のシール溝22a、22b及び23a、23bには、それぞれシール部材22A、22B及び23A、23Bが配置されている。これらシール部材22A、22B及び23A、23Bは、シリンダボア12と、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11との間を、それぞれ、シールしている。2つのシール部材22A、22Bは、軸方向に沿ってリザーバポート20を挟んで配置されている。プライマリピストン10が図1及び図2に示す非制動位置にあるとき、プライマリ室16は、プライマリピストン10の側壁に設けられたポート24を介してリザーバポート20に連通している。そして、プライマリピストン10が非制動位置から前進してポート24がシール部材22Aまで達したとき、プライマリ室16は、シール部材22Aによってリザーバポート20と遮断されて液圧が発生するようになっている。このプライマリピストン10が非制動位置からリザーバポート20と遮断されるまでのプライマリピストン10の移動量は、無効ストローク(dead stroke)と呼ばれている。また、2つのシール部材23A、23Bは、軸方向に沿ってリザーバポート21を挟んで配置されている。セカンダリピストン11が図1に示す非制動位置にあるとき、セカンダリ室17は、セカンダリピストン11の側壁に設けられたポート25を介してリザーバポート21に連通している。そして、セカンダリピストン11が非制動位置から前進したとき、セカンダリ室17は、シール部材23Aによってリザーバポート21から遮断されて液圧が発生するようになっている。
プライマリ室16内のプライマリピストン10とセカンダリピストン11との間には、バネアセンブリ26が介装されている。また、セカンダリ室17内のマスタシリンダ2の底部とセカンダリピストン11との間には、バネアセンブリ27が介装されている。バネアセンブリ26、27は、それぞれ圧縮コイルバネ26A、27Aが伸縮可能なリテーナ26B、27Bによって所定の圧縮状態で保持され、そのバネ力に抗して圧縮可能になっている。プライマリピストン10内で、バネアセンブリ26とプライマリピストン10の中間壁30との間には、円筒状のスペーサ51が介装されている。
プライマリピストン10は、全体が略円筒状に形成され、軸方向中央内部に中間壁30を備えている。中間壁30には、案内ボア31が軸方向に貫通するように形成されている。案内ボア31には、段部32Aを有する段付形状の入力ピストン32の小径の先端部32Bが摺動可能かつ液密的に挿通されている。入力ピストン32の先端部32Bと案内ボア31と間は、シール55によってシールされている。入力ピストン32は、段部32Aよりも基端側に中径部32Cと大径部32Dとが形成されており、これら中径部32Cと大径部32Dとの間には、後述するバネ37が当接するバネ受部32Eが形成されている。大径部32Dの外周には、プライマリピストン10の内壁に当接して入力ピストン32を軸方向に案内するガイド部32Fが形成されている。また、大径部32D内部には、入力ピストン32の基端に開口する孔部32Gが形成されており、孔部32Gの底部32Hは、ボウル状に凹んで形成されている。孔部32Gの開口外周には、後述するバネ38が当接するバネ受部32Iが形成されている。このように、入力ピストン32は、マスタシリンダ2内の圧力室であるプライマリ室16にその先端が臨むとともに、プライマリピストン10に対して軸方向に沿って相対移動可能に配置されている。
フロントハウジング4A内に延びるプライマリピストン10の中間部は、フロントハウジング4Aの底部の開口部85に嵌合する円筒状のバネ受部材70内に配置される。このバネ受部材70は、プライマリピストン10を軸方向に沿って摺動可能に案内するようになっている。バネ受部材70は、一端部に形成した外側フランジ部71がフロントハウジング4Aの底部の開口部85に嵌合される。これにより、フロントハウジング4A及びマスタシリンダ2に固定される。バネ受部材70は、その後端内周部70Aに取付けたシール部材72によってプライマリピストン10を支持するとともにシールしている。マスタシリンダ2のシリンダボア12の開口部12Aは、取付部2Bから後端内周部70Aの近傍まで延出して形成されている。開口部12Aには、シール溝22b及びシール部材22Bが設けられ、シール部材22Bによりプライマリピストン10を支持するとともにシリンダボア12の内外をシールしている。本実施形態の電動倍力装置においては、これらバネ受部材70の後端内周部70Aとシリンダボア12の開口部12Aとによって、プライマリピストン10を支持する部分の軸方向長さを長くすることにより、プライマリピストン10のシリンダボア12に対する傾きを抑制している。
リアカバー4Bの円筒部8及びプライマリピストン10の後部の内部には、入力ロッド34の一端側が配置されている。プライマリピストン10の後部の内部に配置された入力ロッド34の一端側の先端部34Bは、その先端が半球状に形成されており、入力ピストン32の孔部32Gの底部32Hに当接できるように、孔部32G内に配置されている。そして、入力ロッド34の先端部34Bと入力ピストンの孔部32Gとは、入力ロッド34と入力ピストン32とを移動可能、かつ、揺動可能な状態で連結している。すなわち、入力ロッド34と入力ピストン32との連結部は、入力ロッド34のプライマリピストン10に対する傾きをある程度許容できるようになっている。また、入力ピストン32と入力ロッド34とは、軸方向に沿って互いに移動可能となっている。入力ロッド34の他端側は、円筒部8から外部に延出しており、外部に延出した入力ロッド34の他端部に、クレビス34Cを介して図3に示すブレーキペダルBPが連結されている。入力ロッド34の円筒部8内に配置された部位には、鍔状に形成されたストッパ当接部34Aが設けられている。このように、入力部材である入力ロッド34は、入力ピストン32に対して軸方向に沿って相対移動可能に設けられ、かつ、入力ピストン32に対して軸方向に対向して当接可能に配置され、ブレーキペダルBPの操作により進退移動するようになっている。
リアカバー4Bの円筒部8の後端部には、円筒部8内に配置される入力ロッド34がある方向に向かって延びる、すなわち、径方向内側に延びるストッパ39が形成されている。ストッパ39は、後述するボールネジ機構41のネジ軸47の円筒状の後端部に軸方向に沿って形成された案内溝47Bに挿入されている。そして、入力ロッド34のストッパ当接部34Aがストッパ39に当接することにより、入力ロッド34の後退位置を規定するようになっている。
プライマリピストン10の後端部に、環状のバネ受35が取付けられている。プライマリピストン10は、バネ受部材70の後端部とバネ受35との間に介装された圧縮コイルバネである戻しバネ36によって後退方向に付勢されている。入力ピストン32は、バネ受部32Eとプライマリピストン10の中間壁30との間、及び、バネ受部32Iとバネ受35との間にそれぞれ介装された圧縮コイルバネであるバネ37(第1バネ手段の一のバネ)及びバネ38(第1バネ手段の他のバネ)によって、図1及び図2に示す入力ピストン32の軸方向の所定位置の一例としての中立位置、すなわち、バネ37とバネ38とのばね力が釣合う位置に弾性的に保持されている。なお、第1バネ手段であるバネ37、38は、いずれか一方のみとし、アクチュエータ3の制御により上記所定位置を決定するようにしてもよい。また、ブレーキペダルBPが操作されていない状態において、入力ピストン32の段部32Aとプライマリピストン10の中間壁30の他側面30Aとの間には、所定距離となるクリアランスReCが形成されるようになっている。このクリアランスReCは、回生協調制御時に、入力ピストン32に対してプライマリピストン10が後退できるクリアランス(回生クリアランス)となる。また、電動モータ40またはECU9の失陥時に、入力ピストン32が、プライマリピストン10に対してマスタシリンダ2側にクリアランスReC分(所定距離)移動したとき、段部32Aがプライマリピストン10の中間壁30の他側面30Aに当接してプライマリピストン10をマスタシリンダ2側に押圧するようになっている。このため、電動モータ40またはECU9の失陥した際にも、ブレーキペダルBPを踏込むことによってマスタシリンダ2に液圧を発生させることができ、摩擦制動を行うことが可能となっている。
プライマリピストン10の後端部に取付けられたバネ受35と、入力ロッド34のストッパ当接部34Aとの間には、圧縮コイルバネである後退バネ80(第2バネ手段)が介装されている。後退バネ80は、そのバネ力により入力ロッド34を入力ピストン32から離間する方向に付勢している。この後退バネ80により、図1及び図2に示す非制動状態(ブレーキペダルの非操作状態)において、入力ピストン32の底部32Hと入力ロッド34の先端部34Bとの間に所定の隙間であるジャンプインクリアランスJCが形成されている。そして、入力ピストン32と入力ロッド34とは、このジャンプインクリアランスJCの分だけ軸方向に沿って相対移動可能となっている。
ハウジング4内に収容されたアクチュエータ3は、電動モータ40と、電動モータ40の回転を直線運動に変換してプライマリピストン10に推力を付与する回転−直動変換機構であるボールネジ機構41とから構成されている。本実施形態において、電動モータ40は、永久磁石埋め込み型同期モータとなっている。電動モータ40は、フロントハウジング4Aの底部の後側の段部に固定した複数のコイルを有するステータ42と、該ステータ42の内周面に対向して配置した円筒状のロータ45と、該ロータ45の内部に挿入され、円周方向に沿って配置した複数の永久磁石45Aとを有している。ロータ45は、ボールネジ機構41の回転部材であるナット部材46の外周部に固定されている。ナット部材46は、フロントハウジング4Aの底部付近からリアカバー4B付近にわたって軸方向に沿って延びて配置されている。ナット部材46は、その両端部がベアリング43、44によってフロントハウジング4A及びリアカバー4Bに回転可能に支持されている。なお、電動モータ40は、ロータ45の表面又は内部に永久磁石を配置した同期モータ、あるいは、誘導モータ等の他の形式のモータとしてもよい。
ボールネジ機構41は、ナット部材46とネジ軸47とを有している。ネジ軸47は、中空の筒状に形成されており、ナット部材46の内部及びハウジング4の円筒部8内に配置され、軸方向に沿って移動可能で、かつ、軸回りに回転しないように支持された直動部材となっている。ナット部材46とネジ軸47との対向面となるナット部材46の内周面とネジ軸47の外周面とには、それぞれ螺旋溝46A、47Aが形成されている。これら螺旋溝46A、47A間には、複数のボール48がグリスと共に装填されている。ネジ軸47は、円筒部8から後方に突出する後端部に軸方向に沿って形成された案内溝47Bに、リアハウジング4Bの円筒部8に形成されたストッパ39を係合させて、軸方向に移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持されている。このような構成により、ボールネジ機構41は、ナット部材46の回転に伴って螺旋溝46A、47Aに沿ってボール48が転動することで、ネジ軸47が軸方向に移動するようになっている。ボールネジ機構41は、ナット部材46とネジ軸47との間で、回転運動と直線運動とを相互に変換することが可能になっている。すなわち、ボールネジ機構41は、上述のようにナット部材46の回転をネジ軸47の直動運動に変換可能であるとともに、ネジ軸47の直動運動をナット部材46の回転に変換可能となっている。リアハウジング4Bの円筒部8の後端部に、ネジ軸47の後部の外周を覆う円筒状のカバー部材76が取付けられている。
なお、上述の例では、電動モータ40のロータ45の回転運動をボールネジ機構41のナット部材46に直接伝達するようにしているが、電動モータ40とボールネジ機構41との間に、遊星歯車機構、差動減速機構等の公知の減速機構を介装して、電動モータ40の回転を減速、すなわち、電動モータ40の回転力を増力してボールネジ機構41に伝達するようにしてもよい。また、電動モータをハウジング4の外部に配置して、ベルト、ギヤ、チェーン等の伝動機構を介してナット部材46を駆動するようにしてもよい。
ボールネジ機構41のネジ軸47は、バネ受部材70の外側フランジ部71との間に介装された圧縮テーパコイルバネである戻しバネ49のバネ力によって後退方向に付勢されている。そして、ネジ軸47は、後端部がリアカバー4Bの円筒部8に設けられたストッパ39に当接することよって後退位置が規定されている。ネジ軸47内に、プライマリピストン10の後端部が挿入され、ネジ軸47の内周部に形成された環状の段部50に、バネ受35がシム35Aを介して当接して、プライマリピストン10のネジ軸47に対する後退位置を規定している。これにより、プライマリピストン10は、ネジ軸47の前進により、段部50に押されてネジ軸47と共に前進し、また、段部50から離間して単独で前進することができる。そして、図1及び図2に示すように、プライマリピストン10は、ストッパ39に当接したネジ軸47の段部50によってその非制動位置が規定されている。また、セカンダリピストン11は、非制動位置にあるプライマリピストン10及びバネアセンブリ26の最大長によって、その後退位置、すなわち、非制動位置が規定されている。
リアカバー4Bの円筒部8の後端部には反力機構81が設けられている。反力機構81は、固定バネ受82と、可動バネ受83と、反力バネ84をと有している。固定バネ受82は、ストッパ39の後部に一体に形成されている。可動バネ受83は、固定バネ受82に対向してネジ軸47内に配置されて軸方向に沿って移動可能に設けられている。反力バネ84は、固定バネ受82と可動バネ受83との間に介装された圧縮コイルバネである。可動バネ受83は、カバー部材76の後部に当接することにより、図1及び図2に示す後退位置が規定されている。そして、入力ロッド34がカバー部材76、すなわち、円筒部8(ハウジング4)に対して、所定の距離だけ前進したとき、クレビス34Cのロックナット34Dが可動バネ受83に当接し、入力ロッド34が更に前進すると、反力バネ84が圧縮されて、そのバネ力が入力ロッド34の前進に対して反力として付与されるようになっている。
ハウジング4内に、電動モータ40のロータ45の回転位置を検出する回転位置センサであるレゾルバ60が設けられている。レゾルバ60は、ナット部材46の後部側の外周部に固定したレゾルバロータ60Aと、該レゾルバロータ60Aに対向してリアカバー4Bに取付けたレゾルバステータ60Bとを備えている。レゾルバ60は、これらレゾルバロータ60Aとレゾルバステータ60Bとの相対変位に基づきロータ45の回転位置を検出する。
電動倍力装置1のECU9は、マイクロプロセッサベースの電子制御装置であり、図3に示すように、上述の電動モータ40とレゾルバ60とが接続されている。また、ECU9には、ブレーキペダルの変位、すなわち、入力ロッド34の変位を検出するストロークセンサ62が接続されている。各車輪のホイールシリンダWCに液圧を供給するための2系統の液圧回路18、19には、プライマリ室16またはセカンダリ室17のいずれか一方の液圧を検出する液圧センサ64が設けられている。なお、図3において、液圧センサ64は、液圧回路19に設けられ、セカンダリ室17の液圧を検出するようになっている。
液圧センサ64は、2系統の液圧回路18、19の途中に設けられ、各輪のホイールシリンダWCへのブレーキ液の供給を制御する液圧供給装置65(以下、ESC65という)のコントローラ66(以下、ECU66という)に接続されている。そして、ECU9、66は、車両内の情報伝達を行うデータバス67に信号線68、69をそれぞれ介して接続されている。このため、液圧センサ64で検出されるマスタシリンダ2の液圧は、ESC65のECU66から信号線69、データバス67、及び信号線68を介して、電動倍力装置1のECU9に信号伝達されるようになっている。
また、データバス67には、車両の制動時に車輪の回転によりジェネレータを駆動して運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する回生制動を制御する回生制動コントローラ74(以下、ECU74という)が接続されている。電動倍力装置1は、ECU9により、前述の各種センサからの検出信号に基づき、電動モータ40の回転を制御することによって作動するようになっている。また、電動倍力装置1のECU9は、ECU74からの回生制動情報を受け取ることにより、ブレーキペダルの操作によりマスタシリンダで発生するブレーキ液圧から回生制動分に相当するブレーキ液圧を減じる回生協調制御を行う。
次に、電動倍力装置1の作動について説明する。
ブレーキペダルBPを操作して入力ロッド34を前進させると、ブレーキペダルBPの操作量、言い換えると、入力ロッド34の変位をストロークセンサ62によって検出し、ECU9によって入力ロッド34の変位に基づいて電動モータ40の作動を制御し、ボールネジ機構41のネジ軸47の段部50により、バネ受35を介してプライマリピストン10を押圧し、プライマリピストン10を前進させて入力ロッド34の変位に追従させる。これにより、プライマリ室16に液圧が発生し、また、この液圧がセカンダリピストン11を介してセカンダリ室17に伝達される。このようにして、マスタシリンダ2で発生したブレーキ液圧は、液圧回路18、19を介して各車輪のホイールシリンダWCに供給され、摩擦制動による制動力を発生させる。ブレーキペダルBPの操作を解除すると、ECU9によって入力ロッド34の変位に基づいて電動モータ40の作動を制御してネジ軸47を後退させる。これにより、入力ピストン32、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11が後退してマスタシリンダ2のブレーキ液圧が減圧されて制動力が解除される。なお、これ以降の説明においては、プライマリピストン10とセカンダリピストン11とは、同様に作動するので、プライマリピストン10についてのみ説明する。
液圧発生時には、プライマリ室16の液圧を入力ピストン32によって受圧し、その反力を、入力ロッド34を介してブレーキペダルBPに伝達、すわなち、フィードバックする。これにより、所定の倍力比(ブレーキペダルの操作力に対する液圧出力の比)で所望の制動力を発生させることができる。そして、ECU9は、電動モータ40を制御することで、入力ピストン32と、これに追従するプライマリピストン10との相対位置を調整することが可能となっている。具体的には、入力ピストン32の変位量に対して、プライマリピストン10の変位量を前方に調整することによりブレーキペダルの操作に対する液圧出力を大きくしたり、後方に調整することによりブレーキペダルの操作に対する液圧出力を小さくしたりすることができる。その結果、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調制御等のブレーキ制御を実行することができる。特に、入力ピストン32に対して、プライマリピストン10が後方となるように調整してブレーキペダルの操作に対する液圧出力を小さくし、プライマリ室16の液圧を低下させることで、液圧による制動力を抑えて回生協調時の回生制動を行わせることができる。また、入力ピストン32に対するプライマリピストン10との相対位置を調整する際には、バネ37またはバネ38のばね力が入力ピストン32に作用して、入力ロッド34に対する反力を加減することにより、ブレーキペダル踏力の変動を抑制することができる。
また、ECU9によって制御された電動モータ40の出力が最大出力に達し、プライマリ室16の液圧とプライマリピストン10の推力が釣合うと、プライマリピストン10は、それ以上前進できなくなり停止する。このような全負荷状態で、ブレーキペダルを更に踏込むと、入力ロッド34の前進に対して、プライマリピストン10は停止したままで、入力ピストン32のみがバネ37を押し縮めて前進することになる。このとき、プライマリピストン10が停止しているため、入力ピストン32の前進量に対するプライマリ室16の液圧の上昇によって入力ピストン32および入力ロッド34を介してブレーキペダルにフィードバックされるペダル反力の増加の割合が全負荷状態前に比べて減少する。このため、運転者は、ブレーキ操作の途中でペダル反力が減少するため、違和感を受ける可能性がある。
これに対して、ブレーキペダルの操作による入力ピストン32のハウジング4に対する移動距離が所定の距離、すなわち、入力ピストン32が全負荷状態となる位置に達すると、クレビス34Cのロックナット34Dが反力機構81の可動バネ受83に当接し、反力バネ84が圧縮されることにより、そのバネ力が反力としてブレーキペダルに付与されることで、ペダル反力の減少分を補う。これにより、運転者への違和感を抑制することができる。そして、全負荷状態の後、ブレーキペダルを更に踏込むと、入力ピストン32の段部32Aがプライマリピストン10の中間壁30に当接し、プライマリピストン10が入力ピストン32と共に前進し、プライマリ室16の液圧が上昇し、その分、反力も増大する。
次に制動初期におけるジャンプイン特性について図2、図4乃至図6を参照して説明する。ここで、ジャンプイン特性を有する電動倍力装置1の入力−出力液圧の関係、すなわち、ブレーキペダルBPへの踏力Fとマスタシリンダ2で発生する液圧Pとの関係を図6に示し、入力−入力ストローク−車両減速度の関係、すなわち、ブレーキペダルBPへの踏力F(入力)と、入力ロッド34のストロークSと、車両の減速度Gとの関係を図7に示す。図6及び図7において、破線はジャンプインクリアランスJCを設けていない従来の電動倍力装置の特性を示している。
図2に示す非制動状態(図6、7の状態A)では、入力ロッド34が後退バネ80のバネ力により入力ピストン32から後退しており、入力ロッド34の先端部34Bと入力ピストン32の底部32Hとの間には、ジャンプインクリアランスJCが保持されている。
ブレーキペダルBPの踏込みが開始され、入力ロッド34が前進し始めると、ECU9は、ストロークセンサ62で検出される入力ロッド34のストロークに対して、電動モータ40を作動させる。この電動モータ40を作動により、ボールネジ機構41が入力ロッド34のストローク(移動量)と同じストロークだけプライマリピストン10を前進させる。このプライマリピストン10の前進により無効ストロークDSが解消されると、プライマリ室16でブレーキ液圧が発生し始める(図6、7の状態B)。この無効ストロークDSが解消されるまでの間(図6、7の状態Aから状態Bまでの間)、入力ピストン32は、バネ37、38によってプライマリピストン10に保持されているので、プライマリピストン10とともに前進し、入力ロッド34の先端部34Bと入力ピストン32の底部32Hとの間に形成されるジャンプインクリアランスJCが維持される。
ブレーキペダルBPが更に踏込まれ、入力ロッド34が更に前進すると、プライマリピストン10の前進によりプライマリ室16で発生した液圧が入力ピストン32に作用してバネ37とバネ38とのばね力の釣合いがくずれ始めて入力ピストン32が後退していく。この入力ピストン32の後退によって、入力ロッド34の先端部34Bと入力ピストン32の底部32Hとが互いに近づいていき、ジャンプインクリアランスJCは徐々に減少していく。ジャンプインクリアランスJCが存在する間、すなわち、入力ピストン32の底部32Hと入力ロッド34の先端部34Bとが当接するまでは、プライマリ室16の液圧による反力が、入力ロッド34、すなわち、ブレーキペダルBPに伝達されない。そして、図4に示すように、入力ピストン32の底部32Hと入力ロッド34の先端部34Bとが当接すると(ジャンプインクリアランスJC=0、図6、7の状態C)、その後、入力ピストン32と入力ロッド34とは一体となって移動し(図6、7の状態D)、プライマリ室16の液圧による反力が入力ピストン32を介して入力ロッド34に伝達されて、ブレーキペダルBPにフィードバックされる。
このとき、入力ピストン32と入力ロッド34とが当接する際に(ジャンプインクリアランスJC=0、図5の状態)、プライマリ室16で生じているジャンプイン液圧Pjは、次式で与えられる。
Pj=(k1+k2)JC/S …(1)
ここで、k1:バネ37のばね定数
k2:バネ38のばね定数
S :入力ピストン32のプライマリ室16に対する受圧面積
JC:ジャンプインクリアランス
このようにして、ブレーキペダルの踏込み開始時にジャンプイン特性により、迅速にブレーキ液圧(制動力)を立ち上げることができ、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。また、入力ピストン32とプライマリピストン10とが、上記ジャンプインクリアランスJCと別の位置で軸方向に沿って前後に相対変位できるようになっているので、入力ピストン32に対するプライマリピストン10の位置を前方及び後方に調整する際の調整量を充分大きくとることができ、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調制御等のブレーキ制御の制御範囲を充分大きくすることができる。特に、入力ピストン32に対して、プライマリピストン10が後方となるように調整する回生協調制御時の相対変位量をジャンプインクリアランスJCよりも大きくすることができ、回生により回収可能なエネルギーを大きくすることができる。また、後退バネ80のばね特性により、ジャンプイン時のブレーキペダルの反力を調整することができる。
次に、第2実施形態について図8乃至図13を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同様の参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置90では、電動モータ40は、ハウジング4の外部に配置され、ベルト伝動機構89を構成するベルト91及びプーリ92を介してナット部材46を駆動するようになっている。また、入力ロッド34は、入力ロッド34と入力ピストン32’との間に設けられたプランジャロッド93を含んでいる。入力ロッド34の先端部34Bは、プランジャロッド93の基端側に形成された孔部93Cに挿通されて孔部93Cの底部93Dに当接した状態で連結されている。プランジャロッド93は、ハウジング4リアカバー4Bの後端部に取付けられた案内カバー94によって軸方向に沿って移動可能に案内されている。本実施形態においては、入力ロッド34とプランジャロッド93とで、入力部材が構成されている。
入力ピストン32は、先端部32B’がプライマリピストン10を貫通してプライマリ室16に臨んで配置され、基端部には基端面32H’が形成されている。この基端面32H’に対して、プランジャロッド93の先端面93Eが対向するように配置されており、入力ピストン32’の基端面32H’とプランジャロッド93の先端面93Eとの間にジャンプインクリアランスJCが設けられている。
案内カバー94は、二重筒構造で底部の中央部に軸方向に沿って小径の円筒状の案内部94Aが一体に形成されている。案内部94Aの先端部は、ハウジング4の内部まで延びている。プランジャロッド93は、案内カバー94の案内部94Aによって軸方向に沿って摺動可能に案内されて、径方向に移動及び傾きを生じないように支持されている。プランジャロッド93には、複数の外周溝93Aが形成されて、案内部94Aとの間のシール性及び摺動性を高めている。プランジャロッド93は、中間部に形成された大径のフランジ部93Bが案内部94Aの先端部に当接して後退位置が規定されている。
入力ピストン32’は、そのバネ受部32E’とプライマリピストン10の中間壁30との間に介装された第1バネ手段となる圧縮コイルバネであるバネ37A、及び、基端面32H’とプラッジャロッド93のフランジ部93Bとの間に第2バネ手段となる圧縮コイルバネであるバネ80Aによって、軸方向の所定位置に弾性的に保持されている。一例として、本実施形態では、入力ピストン32’は、図8及び図9に示す中立位置に弾性的に保持されている。バネ37Aは、入力ピストン32’とプライマリピストン10とが相対変位した際の入力ロッド34(ブレーキペダル)への反力を調整し、また、バネ80Aは、プランジャロッド93を入力ピストン32’から離間する方向に付勢してジャンプインクリアランスJCを保持するようになっている。なお、本実施形態では、反力機構81は省略されている。
次に、電動倍力装置90の作動について説明する。
上記第1実施形態と同様、ブレーキペダルBPの操作による入力ロッド34の変位に基づき、ECU9により、電動モータ40の作動を制御し、ベルト伝動機構89及びボールネジ機構41を介してプライマリピストン10を移動させて入力ロッド34の変位に追従させる。これにより、プライマリ室16に液圧が発生する。また、ブレーキペダルBPの操作を解除すると、入力ピストン32’、プライマリピストン10が後退してプライマリ室16のブレーキ液圧が解除される。プライマリ室16の液圧を入力ピストン32’によって受圧し、その反力を、プラジャロッド93及び入力ロッド34を介してブレーキペダルにフィードバックする。これにより、所定の倍力比をもって所望の制動力を発生させることができる。そして、入力ロッド34にプライマリ室16に液圧の反力がフィードバックされている状態において、ECU9は、入力ピストン32’と、これに追従するプライマリピストン10との相対位置を調整することができる。この場合、入力ロッド34の位置に対するマスタシリンダ2の液圧が変化するため、入力ロッド34へ伝達される液圧反力が変動してしまうが、バネ37Aのバネ力が入力ピストン32’に作用することにより、入力ロッド34に対する反力を加減することができ、上記相対位置の調整に伴うブレーキペダルBPへ伝達される反力の変動(踏力変動)を抑制することができる。このとき、入力ピストン32’に対して、プライマリピストン10の位置を前方に調整することにより倍力比を大きくすることができ、後方に調整することにより倍力比を小さくすることができる。そして、ECU9により、各種センサの検出信号に基づき、車両の状態に応じて電動モータ40の回転を制御することにより、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調制御等のブレーキ制御を実行することができる。
次に制動初期におけるジャンプイン特性について図9乃至図13を参照して説明する。ここで、図6と同様にジャンプイン特性を有する電動倍力装置90の入力−出力液圧の関係を図12に示し、図7と同様に入力−ストローク−車両減速度の関係を図13に示す。図12及び図13において、破線はジャンプインクリアランスJCを設けていない電動倍力装置の特性を示している。
図9に示すブレーキペダルの非操作状態(図12の状態A)では、プランジャロッド93がバネ80Aのバネ力により入力ピストン32’から後退しており、プランジャロッド93の先端面93Eと入力ピストン32’の基端面32H’との間には、ジャンプインクリアランスJCが保持されている。
ブレーキペダルBPの踏込みが開始され、入力ロッド34及びプランジャロッド93が前進し始めると、ECU9は、ストロークセンサ62で検出される入力ロッド34のストロークに対して、電動モータ40を作動させる。この電動モータ40を作動により、ベルト伝動機構89及びボールネジ機構41がプライマリピストン10を前進させて入力ロッド34の移動量に追従させる。プライマリピストン10の前進により無効ストロークDSが解消されると、プライマリ室16でブレーキ液圧が発生し始める(図12の状態B)。このとき、入力ピストン32’はバネ37A、80Aによってプライマリピストン10に保持されているので、プライマリピストン10と共に前進し、ジャンプインクリアランスJCが維持される。
ブレーキペダルBPが更に踏込まれ、入力ロッド34及びプランジャロッドが更に前進すると、プライマリ室16の液圧が入力ピストン32’に作用し入力ピストン32’が後退してジャンプインクリアランスJCが徐々に減少する。この際、第1実施形態と異なり、ジャンプインクリアランスJCが減少すると、その分だけバネ80Aが圧縮されるので、そのバネ力がフランジ部93Bからプランジャロッド93を介して反力として入力ロッド34及びブレーキペダルBPに付与される。すなわち、第1実施形態においては、図6の入出力特性グラフに示すように、状態Bから状態Cへの移行時に入力Fに対する出力Pがまっすぐ立ち上がるようになっているが、本実施形態においては、図12の入出力特性グラフに示すように、状態Bから状態Cへの移行時に、バネ80Aの圧縮分の反力に対する踏力Fjが必要となるため、入力Fに対する出力Pが斜めに立ち上がるようになっている。そして、図10に示すように、入力ピストン32’の基端面32H’とプランジャロッド93の先端面93E(入力ロッド34)とが当接すると(ジャンプインクリアランスJC=0、図12の状態C)、その後、入力ピストン32とプランジャロッド93及び入力ロッド34とは一体となって移動し(図12の状態D)、プライマリ室16の液圧による反力がプランジャロッド93及び入力ロッド34に伝達されて、ブレーキペダルBPにフィードバックされる。
このとき、入力ピストン32’とプランジャロッド93とが当接する際に(ジャンプインクリアランスJC=0、図12の状態C)、プライマリ室16で生じているジャンプイン液圧Pjは、上記第1実施形態と同様、(1)式で与えられる。
また、ジャンプイン液圧Pj発生時の入力(ブレーキ踏力)Fjは、次式で与えられる。
Fj=k2×JC …(2)
そして、(1)、(2)式に基づき、バネ37A、80Aのばね定数k1、k2、入力ピストン32の受圧面積S及びジャンプインクリアランスJCにより、ジャンプイン特性の入力−出力液圧の勾配特性Pj/Fjを任意に設定することができる。
このようにして、ブレーキペダルBPの踏込み開始時にジャンプイン特性により、迅速にブレーキ液圧(制動力)を立ち上げることができ、良好なブレーキフィーリングを得ることができ、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、バネ80Aのバネ特性により、ジャンプイン時のブレーキペダル反力を調整することができる。
ここで、電気自動車(EV車)やハイブリッド自動車(HEV車)においては、回生効率を向上させて巡行距離を大きくしたいという要望がある。このため、上述したECU9が行う回生協調制御においては、回生制動を行い得る車両状態にあるときに、なるべく、マスタシリンダ液圧による摩擦制動を用いずに、回生制動を用いる、すなわち、回生量を増やすことが課題となっている。この回生量を増やすためには、制動初期にマスタシリンダでの液圧を発生させずに、できるだけ回生制動を用いるようにする無液圧回生協調制御が必要となる。
そして、特許文献1や特開2007−191133号公報に示されている従来の電動倍力装置において、無液圧回生協調制御を行おうとすると、ブレーキペダルの操作に応じて入力部材が前進するのに対して、プライマリピストンを前進させないように制御を行うことになる。このため、入力部材は、プライマリピストンに対して入力部材を中立位置に保とうとする一対のばねのうち、入力部材の前進側に配置された一のばねを縮めることになる。この一のばねは、回生制御時に液圧が減少する分の踏力変動を抑制するための反力機構となっているので、縮めたときの反力が比較的大きな反力となるようなばね定数が設定されている。したがって、この一のばねを押し縮めるためには、比較的大きな踏力が必要になり、この大きな踏力がブレーキペダルを踏込み始めて、すぐに必要となるため、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
これに対して、上記実施形態の電動倍力装置1、90においては、入力ピストン32、32’と入力ロッド34、93との間に、ジャンプインクリアランスJCが形成されているので、無液圧回生協調制御を行う場合に、入力ロッド34、93がジャンプインクリアランスJC分進んでから、上記一のばねに相当するバネ37、37Aを押し縮めるようになる。このため、ある程度ブレーキペダルBPを踏込んでからバネ37、37Aの反力がブレーキペダルBPに伝達されるので、運転者への違和感を抑制することができる。
上記無液圧回生協調制御を行う場合にECU9が行う制御内容を図14のフローチャートに基づいて、第1実施形態の電動倍力装置1の構造を例に説明する。
まず、ステップS1において、ブレーキペダルBPが操作されたか否かをストロークセンサ62によって検出し、操作量に応じた目標制動力を演算する。ステップS2では、演算した目標制動力を回生制動コントローラ74との間で共有して回生制動が可能であるか否かを検出する。
ステップS2において、回生制動が可能である場合には、ステップS3で、入力ロッド34と共にプライマリピストン10が進むように、電動モータ40を回転駆動させて、ステップS4に進む。ステップS4では、レゾルバ60の検出信号により、プライマリピストン10のポート24がシール部材22Aによって閉塞される位置(ポート閉塞位置)、すなわち、無効ストロークDSを解消する位置、若しくは、マスタシリンダ2内に液圧が発生する手前の位置までプライマリピストン10が進んだか否かを検出する。プライマリピストン10がポート閉塞位置まで進んだことが検出されると、ステップS5で電動モータ40の回転を停止して、プライマリピストン10をポート閉塞位置で保持する。このとき、プライマリピストン10が入力ロッド34とともに進んでいるので、入力ピストン32と入力ロッド34との間に形成されているジャンプインクリアランスJCは維持されており、また、回生制動コントローラ74により回生制動が行われている。
ステップS5で電動モータ40の回転を停止したのち、ECU9は、ステップS6で回生制動コントローラ74と通信によりマスタシリンダ2で発生した液圧でホイールシリンダWCを作動させる摩擦制動が必要か否かを判断し、摩擦制動が必要となるまで、プライマリピストン10をポート閉塞位置で保持する。このとき、ブレーキペダルBPの踏込みが続いていると、プライマリピストン10に保持されている入力ピストン32が停止した状態で、入力ロッド34が前進するため、ジャンプインクリアランスJCが小さくなっていく。そして、入力ロッド34が入力ピストン32に当接すると、入力ピストン32が入力ロッド34と一体的に移動するようになるため、バネ37を押し縮め、バネ37の反力がブレーキペダルBPに伝達されるようになる。このとき、ある程度ブレーキペダルBPが踏込まれており、また、回生制動コントローラ74による回生制動が大きくなっていることから、運転者への違和感を抑制することができる。
ステップS6で摩擦制動が必要である場合、また、ステップS2で、回生制動が不要である場合には、ECU9は、ブレーキペダルBPの操作に応じて電動モータ40を作動させてプライマリピストン10を押圧し、マスタシリンダ2で液圧を発生させる通常の制御を行う。
このように、無液圧回生協調制御を行うことで、回生協調制動時に回生制動量を大きくするとともに、運転者への違和感を抑制することが可能となる。
なお、上記の制御内容においては、ステップS6で摩擦制動が必要となるまで、プライマリピストン10をポート閉塞位置で保持するようにしているが、これに限らず、ストロークセンサ62の検出値とレゾルバ60の検出値とにより、入力ロッド34と入力ピストン32との相対位置を検出して、ジャンプインクリアランスJCが0になりそうな場合には、電動モータ40を駆動してプライマリピストン10を前進させて、バネ37の反力をブレーキペダルBPへ伝達しないように制御するようにしてもよい。
上述した第1及び第2実施形態の電動倍力装置1、90においては、マスタシリンダ2内に先端側が配置されて圧力室を形成するプライマリピストン10と、該プライマリピストン10を移動させる電動モータ40と、前記マスタシリンダ2の圧力室に先端が臨んで配置されると共に、前記プライマリピストン10に対して軸方向に沿って相対移動可能に配置される入力ピストン32、32’と、該入力ピストン32、32’を前記プライマリピストン10に対して前記入力ピストン32、32’の軸方向の所定位置に弾性的に保持するバネ37、37Aと、前記入力ピストン32、32’に対して軸方向に沿って相対移動可能に設けられ、かつ、前記入力ピストン32、32’に対して軸方向に対向して当接可能に配置されて、ブレーキペダルBPの操作により進退移動する入力部材34、93と、前記入力部材34、93に対して、当該入力部材34、93を前記入力ピストン32、32’から離間させる方向へばね力を作用させる後退バネ80(バネ80A)とを備え、前記ブレーキペダルBPの非操作時に前記後退バネ80、(バネ80A)により入力ピストン32と前記入力部材34、93との間に所定の隙間JCを形成するものとなっている。
このような構成によれば、ジャンプイン特性を得ることができ、かつ、回生協調制動時に回生制動量を大きくすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図15乃至図17を参照して説明する。
なお、本実施形態は、上記第2実施形態に対して、一部が異なるものであるから、以下の説明において、要部のみを図示する。また、上記第1実施形態または第2実施形態に対して同様の部分には同様の参照符号(適宜「’」を付す)を用いて異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図15に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置100では、第1実施形態と同様に、入力ピストン32’’のガイド部32F’がプライマリピストン10の内壁10Aに当接して入力ピストン32’’を案内するようになっている。そして、入力ピストン32’’の後端部には、円筒状のバネ受部32Iが形成され、バネ受部32I内に孔部32G’が形成されている。プランジャロッド93’の先端部93E’が孔部32G’内に摺動可能に挿入され、先端部93E’が孔部32G’の底部32H’’に当接可能になっている。バネ受部32Iの先端部とプランジャロッド93’の段部93Fとの間に、第2バネ手段として圧縮コイルばねであるバネ80A’が介装されている。
入力ピストン32’’のバネ受部32E’と、直動部材であるネジ軸47の内周部に形成されたバネ受フランジ部101との間には、第1バネ手段として圧縮コイルバネであるバネ102が介装されている。バネ102のバネ受フランジ部101に当接する先端部には、筒状のバネ受部材103が取付けられている。
入力ピストン32’’は、バネ37A、102及び80A’によって、第1実施形態と同様に、図15に示す中立位置に弾性的に保持されている。バネ37A及び102は、入力ピストン32’’とプライマリピストン10とが相対変位した際の入力ロッド34(ブレーキペダル)への反力を調整するようになっている。また、バネ80A’は、入力ピストン32’’に対してプランジャロッド93’を入力ピストン32’’から離間する方向に付勢して、非制動状態において入力ピストン32の孔部32G’の底部32H’’とプランジャロッド93’の先端部93E’との間にジャンプインクリアランスJCを保持するようになっている。
バネ80Aは、プランジャロッド93’の段部93F側にその端部の内周部が弾性的に嵌合することで固定されて取付けられている。このような構成により、入力ピストン32’’がプランジャロッド93’に対して離間して移動する場合に、バネ80Aは、自然長になって以降、入力ピストン32’’から離間するようになっている。
バネ37A及び102は、入力ピストン32’’のバネ受部32E’の側部にそれぞれ配置されている。バネ102は、入力ピストン32’’のバネ受部32E’の側部’’に、その一端部の内周部が弾性的に嵌合することで入力ピストン32’’に固定されて取付けられている。これにより、バネ102は、入力ピストン32’’と共に移動可能になっている。また、バネ受部材103は、バネ102の他端側の外周を覆うように全体が筒状に形成されている。バネ受部材103は、一端側に、その径方向内方に延びて内側にプランジャロッド93’が挿入される開口を有して、ネジ軸47のバネ受フランジ部101に当接するバネ支持部103Aが形成されている。また、バネ支持部103Aの外周側には、バネ102の他端部の外周部が弾性的に嵌合する嵌合部103Bが形成されている。バネ受部材103の他端側には、嵌合部103Bの外径寸法よりも大きな外径寸法を有し、その外周側がネジ軸47の内壁47Cに摺動可能に当接するガイド部103Cが形成されている。嵌合部103Bとガイド部103Cとの間には、嵌合部103Bからガイド部103Cに向かって拡径するテーパ部103Dが形成されている。ここで、ネジ軸47の内壁47Cの内径寸法は、プライマリピストン10の内壁10Aの内径寸法よりも小さくなっている。このような構成により、入力ピストン32’’がボールネジ機構41のネジ軸47に対してマスタシリンダ2側に移動してバネ102が自然長になった以降、バネ102及びバネ受部材103が入力ピストン32’’と共に移動するようになっている。
電動倍力装置100は、バネ102を有することにより、入力ピストン32’’とプランジャロッド93’とが当接する際に(ジャンプインクリアランスJC=0)、プライマリ室16で生じるジャンプイン液圧Pjが次式で与えられる。
Pj=(k1+k2+k3)JC/S …(3)
ここで、
k1:バネ37Aのばね定数
k2:バネ80A’のばね定数
k3:バネ102のばね定数
S:入力ピストン32’’のプライマリ室16に対する受圧面積
JC:ジャンプインクリアランス
また、ジャンプイン液圧Pj発生時の入力(ブレーキ踏力)Fjは、次式で与えられる。
Fj=k2×JC …(4)
そして、(3)、(4)式に基づき、バネ37A、80A’、102のばね定数k1、k2、k3、入力ピストン32’’の受圧面積S及びジャンプインクリアランスJCにより、ジャンプイン特性の入力−出力液圧の勾配特性Pj/Fjを任意に設定することができる。
次に電動倍力装置100の作動状態の例について説明する。なお、この作動状態について、ジャンプイン作動状態や通常の倍力作動状態については、上記第1実施形態または第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図16に示しているのは、電動モータ40またはECU9の失陥時の状態である。この状態で、ブレーキペダルBPを操作してプランジャロッド93’を前進させると、プランジャロッドは、バネ80A’を圧縮しつつ、ジャンプインクリアランスJCを解消していく。そして、プランジャロッド93’の先端部93E’が入力ピストンの孔部32G’の底部32H’’に当接すると、入力ピストン32’’を押圧して入力ピストン32’’を移動させる。入力ピストン32’’は、バネ37Aを圧縮しつつ前進して、段部32A’がプライマリピストン10の中間壁30の他側面30Aに当接して、プライマリピストン10をマスタシリンダ2側に押圧してマスタシリンダ2内に液圧を発生させるようになっている。
このとき、電動モータ40またはECU9の失陥によってボールネジ機構41のネジ軸47が移動しないので、プライマリピストン10は、ネジ軸47の先端から離間して前進することになる。これにより、電動モータ40またはECU9の失陥した際にも、ブレーキペダルBPを踏込むことによってマスタシリンダ2に液圧を発生させることができ、摩擦制動を行うことができる。また、入力ピストン32’’側に固定して取付けられているバネ102及びバネ受部材103は、入力ピストン32’’と共に移動し、バネ102が自然長になって以降、ネジ軸47のバネ受フランジ部101から離間する。このとき、バネ受部材103のガイド部103Cが、プライマリピストン10の内壁10Aにガイドされるため、バネ102の他端が振動することを抑制でき、異音の発生を抑制することができる。
また、ブレーキペダルBPの解放により、入力ピストン32’’が後退する際には、嵌合部103Bがガイド部103Cの外形寸法よりも小さな外径寸法を有しており、テーパ部103Dで接続されているので、バネ受部材103は、ネジ軸47の内壁47Cにスムーズに戻っていくことが可能になっている。
また、自動ブレーキ等のブレーキペダルBPの操作によらないECU9の指令による電動モータ40の作動時には、図17に示すように、プランジャロッド93’が前進せず、ボールネジ機構41のネジ軸47のみが前進する。これにより、ネジ軸47は、プライマリピストン10を押圧し前進させてマスタシリンダ2に液圧を発生させる。また、ネジ軸47は、バネ受フランジ部101によってバネ受部材103を介してバネ102を押圧して、入力ピストン32’’を前進させる。これにより、プライマリピストン10に加えて入力ピストン32’’によって液圧が発生する。このとき、プランジャロッド93’は、移動しないので、ブレーキペダルBPが引き込まれることがない。入力ピストン32’’のバネ受部32E’側に取付けられたバネ37Aの先端部は、プライマリピストン10から離間し、プランジャロッド93’の段部93Fに取付けられたバネ80A’の先端部は、入力ピストン32’’のバネ受部32Iから離間する。
電動倍力装置100は、上述の構成により、上記第2実施形態と同様の作用効果を奏する。更に、電動倍力装置100は、バネ102をバネ80A’の外周を覆って軸方向に重なるように配置しているので、上記第2実施形態に対して、軸方向の寸法を増加させることなく、バネ102の追加を可能にしている。
次に、上記第3実施形態の変形例について、図18を参照して説明する。なお、本変形例は、上記第3実施形態に対して、バネ102に取付けられるバネ受部材のみが異なるので、要部のみを図示し、上記第3実施形態に対して、同様の部分には同様の参照符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図18に示すように、本変形例では、バネ受部材104は、バネ102の内周側に取付けられるようになっている。バネ受部材104は、略円筒状に形成され、その一端側にバネ102の他端部を支持すると共に、ネジ軸47のバネ受フランジ部101に当接するフランジ部105が形成されている。フランジ部105の内周側には、バネ102の他端部の内周部が弾性的に嵌合する嵌合部104Bが形成されている。バネ受部材104の他端側には、嵌合部104Bの内径寸法よりも小さく、プランジャロッド93’の中間部93G’の外形寸法よりも大きな内径寸法を有し、その内周側がプランジャロッド93’の外壁93G’に当接可能となったガイド部104Cが形成されている。これにより、本変形例は、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、バネ受部材104をバネ102の内周側に配置したことにより、組立時にバネ102とバネ受部材104と当接部を容易に目視することできる。
上述した第3実施形態の電動倍力装置100においては、電動アクチュエータである電動モータ40は、直動部材であるネジ軸47によってピストンであるプライマリピストン10を押圧して推進し、第1バネ手段として、プライマリピストン10に対して入力ピストン32’’を付勢する一のバネであるバネ37Aと、ネジ軸47に対して入力ピストン32’’を付勢する他のバネであるバネ102と、を有し、バネ102は、第2バネ手段であるバネ80A’の外周を覆うように配置されるようになっている。
このような構成により、第1バネ手段としてバネ102を追加しても、電動倍力装置100の軸方向の寸法の増加を抑制して、電動倍力装置100の小型化を図ることができる。
次に本発明の第4実施形態について、図19を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同様の参照符号、又は、適宜、その参照符号の前に「1」を追加した3桁の符号を付し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。また、ボールネジ機構41のナット部材46の駆動機構については、上記第2実施形態と同様の構成であるから、上記第2実施形態と同様の参照符号を用いて説明する。
図19に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置110では、上記第2実施形態と同様、電動モータ40は、ハウジング4の外部に配置され、ベルト伝動機構89を構成するベルト91及びプーリ92を介してナット部材46を駆動するようになっている。
入力ピストン132は、その後部で軸方向に二分割され、すなわち、入力ピストン132と入力ロッド34との間に入力プランジャ111が介装されて入力プランジャ111の後端部に入力ロッド34が連結されている。入力プランジャ111は、プライマリピストン10の後部の円筒部内に軸方向に沿って移動可能に案内されている。入力プランジャ111と入力ロッド34とは、ある程度の傾きを許容するように互いに連結されているが、軸方向の隙間は設けられておらず、一体に移動するようになっている。
プライマリピストン10の中間壁30と入力ピストン132の後端部に形成されたバネ受部132Eとの間にバネ37(第1バネ手段の一のバネ)が介装され、入力プランジャ111の後端部とプライマリピストンに取付けられたバネ受35との間にバネ38(第1バネ手段の他のバネ)が介装されている。また、入力ピストン132の後端部には、バネ受凹部132Jが形成されている。バネ受凹部132J内には、第2バネ手段として圧縮コイルバネであるジャンプインバネ112が挿入されて、このジャンプインバネ112は、入力ピストン132と入力プランジャ111との間に介装されている。これにより、ジャンプインバネ112は、バネ37の内周側に軸方向の少なくとも一部が一致して配置されている。
そして、図19に示す非制動状態において、バネ37とジャンプインバネ112とは、セット荷重が同等となっており、入力ピストン132と入力プランジャ111との間にジャンプインクリアランスJCが形成されている。
なお、本実施形態では、ボールネジ機構41のネジ軸47の戻しバネ49については、記載を省略しており、入力ピストン10の戻しバネ36及び反力機構81については設けられていない。
このように構成したことにより、上記第1実施形態と同様、制動初期において、ジャンプインクリアランスJCが維持されている間、プライマリ室16から入力ピストン132に作用する液圧による反力が入力プランジャ111及び入力ロッド34に伝達されず、ジャンプイン特性を得ることができる。
このとき、ジャンプイン液圧Pjは、次式で与えられる。
Pj=(k1+k3)JC/S
ここで、k1:バネ37のばね定数
k3:ジャンプインバネ112のばね定数
S :入力ピストン132のプライマリ室16に対する受圧面積
JC:ジャンプインクリアランス
そして、入力ロッド34のストロークに対して、電動モータ40の作動を制御して、プライマリピストン10の推進を制御し、入力ピストン132とプライマリピストン10との相対位置を調整することにより、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調調制御等のブレーキ制御を実行することができる。この場合、ジャンプインクリアランスJCの大きさにかかわらず、入力ピストン132とプライマリピストン10との相対位置の調整量を設定することができるので、制御の自由度を高めることができる。更に、ジャンプインバネ112を入力ピストン132のバネ受凹部132J内に挿入してバネ37の内周側に配置したので、電動倍力装置110の軸方向の寸法を小さくすることができる。
1…電動倍力装置、2…マスタシリンダ、10…プライマリピストン(ピストン)、32…入力ピストン、34…入力ロッド(入力部材)、37、37A…バネ(第1バネ手段)、38…バネ(第1バネ手段)、40…電動モータ(電動アクチュエータ)、80…後退バネ(第2バネ手段)、JC…ジャンプインクリアランス(隙間)
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動倍力装置は、マスタシリンダ内に先端側が配置されて圧力室を形成するピストンと、前記ピストンを移動させる電動アクチュエータと、前記マスタシリンダの圧力室に先端が臨んで配置されるとともに、前記ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に配置される入力ピストンと、前記入力ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に設けられ、かつ、前記入力ピストンに対して軸方向に対向して当接可能に配置されて、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、前記入力ピストンを前記ピストンに対して前記入力ピストンの軸方向の所定位置に弾性的に保持する第1バネ手段と前記入力部材に対して、当該入力部材を前記入力ピストンから離間させる方向へばね力を作用させる第2バネ手段と、を備え、前記第1バネ手段は、前記ブレーキペダルの非操作時に、前記入力ピストンと前記ピストンとの間に第1の所定の隙間を形成し、前記第2バネ手段は、前記ブレーキペダルの非操作時に前記入力ピストンと前記入力部材との間に第2の所定の隙間を形成することを特徴とする。

Claims (8)

  1. マスタシリンダ内に先端側が配置されて圧力室を形成するピストンと、前記ピストンを移動させる電動アクチュエータと、前記マスタシリンダの圧力室に先端が臨んで配置されるとともに、前記ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に配置される入力ピストンと、該入力ピストンを前記ピストンに対して前記入力ピストンの軸方向の所定位置に弾性的に保持する第1バネ手段と、前記入力ピストンに対して軸方向に沿って相対移動可能に設けられ、かつ、前記入力ピストンに対して軸方向に対向して当接可能に配置されて、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、前記入力部材に対して、当該入力部材を前記入力ピストンから離間させる方向へばね力を作用させる第2バネ手段とを備え、
    前記ブレーキペダルの非操作時に前記第2バネ手段により前記入力ピストンと前記入力部材との間に所定の隙間を形成することを特徴とする電動倍力装置。
  2. 前記入力ピストンは、前記ピストンに対して前記マスタシリンダ側に所定距離移動したとき、前記ピストンに当接して該ピストンを前記マスタシリンダ側に押圧することを特徴とする請求項1に記載の電動倍力装置。
  3. 前記第2バネ手段は、前記ピストンと前記入力部材との間にバネ力を作用させるように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動倍力装置。
  4. 前記第2バネ手段は、前記入力ピストンと前記入力部材との間にバネ力を作用させるように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動倍力装置。
  5. 前記電動アクチュエータを制御する制御手段を有し、
    該制御手段は、
    前記ブレーキペダルの操作により前記電動アクチュエータを作動させて前記ピストンを移動させ、
    該ピストンの移動によってマスタシリンダ内に液圧が発生する手前の位置まで前記ピストンが移動したときに、当該位置に前記ピストンを保持させるように前記電動アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電動倍力装置。
  6. 前記第2バネ手段は、前記第1バネ手段の内周側に軸方向の少なくとも一部が一致して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動倍力装置。
  7. 前記電動アクチュエータは、直動部材によって前記ピストンを押圧して推進し、
    前記第1バネ手段は、前記ピストンに対して前記入力ピストンを付勢する一のバネと、前記直動部材に対して前記入力ピストンを付勢する他のバネと、を有し、
    前記他のバネは、前記第2バネ手段の外周を覆うように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電動倍力装置。
  8. 前記電動アクチュエータは、直動部材によって前記ピストンを押圧して推進し、
    前記第1バネ手段は、前記ピストンに対して前記入力ピストンを付勢する一のバネと前記直動部材に対して前記入力ピストンを付勢する他のバネと、を有し、
    前記一のバネは、前記第2バネ手段の外周を覆うように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電動倍力装置。
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