JPWO2014163204A1 - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサ用外装ケース - Google Patents

固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサ用外装ケース Download PDF

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Abstract

本発明の固体電解コンデンサは、底面部12、底面部12から立設されている側面部14及び側面部14の端部に形成された開口部16を有する有底筒状の外装ケース10と、外装ケース10の内部に収納され、セパレータ26を介して陽極箔22と陰極箔24とが重ね合わされた状態で巻回され、陽極箔22と陰極箔24との間には固体電解質が充填されてなるコンデンサ素子20と、コンデンサ素子20を外装ケース10の内部に収納した状態で、外装ケース10の開口部16を封口する封口部材30とを備える固体電解コンデンサであって、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間のうち少なくとも一方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されていることを特徴とする。本発明の固体電解コンデンサよれば、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が低く、かつ、従来よりも寿命が長くなる。

Description

本発明は、固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサ用外装ケースに関する。
従来、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に絶縁材が配設されている電解コンデンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図15は、従来の電解コンデンサ900を説明するために示す図である。図15(a)は電解コンデンサ900の断面図を示し、図15(b)はコンデンサ素子920の分解斜視図を示す。なお図15中、符号950,952はリードを示す。
従来の電解コンデンサ900は、図15に示すように、底面部912、底面部912から立設されている側面部914及び側面部914の端部に形成された開口部916を有する金属製の外装ケース910と、外装ケース910の内部に収納され、セパレータ926を介して陽極箔922と陰極箔924とが重ね合わされた状態で巻回され、陽極箔922と陰極箔924との間には電解液(図示せず。)が充填されてなるコンデンサ素子920と、コンデンサ素子920を外装ケース910の内部に収納した状態で、外装ケース910の開口部916を封口する封口部材930とを備え、外装ケース910の底面部912とコンデンサ素子920との間に、絶縁材940が配設されている。
従来の電解コンデンサ900においては、陽極箔922の表面(端部表面を含む。)には酸化皮膜が形成されている。なお、絶縁材940は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィン等の樹脂からなる。
従来の電解コンデンサ900によれば、底面部912とコンデンサ素子920との間に絶縁材940が配設されているため、外装ケース910とコンデンサ素子920との間の絶縁性を確保した電解コンデンサとなる。
また、従来の電解コンデンサ900によれば、底面部912とコンデンサ素子920との間に絶縁材940が配設されていることから、底面部912とコンデンサ素子920との間の隙間が小さくなり、耐振動性の高い電解コンデンサとなる。
また、従来の電解コンデンサ900によれば、陽極箔922と陰極箔924との間には電解液が充填されているため、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、電解液の水分で当該欠損箇所を修復することが可能となり、その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少ない電解コンデンサとなる。
特開2012−44069号公報 特開2010−98131号公報
ところで、近年、コンデンサの技術分野において、電解液を用いた電解コンデンサと比較して、寿命が長く、等価直列抵抗(ESR)が低い固体電解コンデンサが求められている。しかしながら、固体電解コンデンサにおいては、陽極箔と陰極箔との間には電解液が充填されていないため、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、当該欠損箇所を修復することができない。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとすることが困難となるという問題がある。
そこで、本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサを提供することを目的とする。また、そのような固体電解コンデンサに用いる固体電解コンデンサ用外装ケースを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記目的を達成するために鋭意努力を重ねた結果、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間及び(又は)コンデンサ素子と封口部材との間に、親水性合成樹脂からなる絶縁材を配設すれば、電解液がない固体電解コンデンサであっても、親水性合成樹脂が保持する水分で酸化皮膜の欠損箇所を修復することが可能となることを見出した。
そこで、本発明の発明者らは、さらなる鋭意努力を重ねた結果、上記した親水性合成樹脂からなる絶縁材が、「酸化皮膜に欠損が生じた場合に、当該欠損箇所を効率よく修復する機能を有する「酸化皮膜修復体」でなければならないことを見出した。当該欠損箇所の修復に寄与する物質としては、水、イオン性物質(水中でイオン化する官能基を有する物質)及び酸素を供給できる物質などを挙げることができる。
例えば、上記した親水性合成樹脂からなる絶縁材として、特許文献2に記載されたようなポリビニルアルコール(PVA)からなる絶縁材を使用した場合には、当該絶縁材は、当該欠損箇所を修復可能な機能として水分を保持し供給する能力を有しているが、長期にわたり欠損箇所を修復できるだけの水分供給能力が期待できないため(後述する試験例1参照。)、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサ用の酸化皮膜修復体には適していない。
これを踏まえて、本発明の発明者らは、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間及び(又は)コンデンサ素子と封口部材との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を配設することにより上記した問題が解決可能であることに想到し、本発明を完成させるに至った。
[1]本発明の固体電解コンデンサは、底面部、前記底面部から立設されている側面部及び前記側面部の端部に形成された開口部を有する有底筒状の外装ケースと、前記外装ケースの内部に収納され、セパレータを介して陽極箔と陰極箔とが重ね合わされた状態で巻回され、前記陽極箔と前記陰極箔との間には固体電解質が充填されてなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を前記外装ケースの内部に収納した状態で、前記外装ケースの前記開口部を封口する封口部材とを備える固体電解コンデンサであって、前記外装ケースの前記底面部と前記コンデンサ素子との間及び前記コンデンサ素子と前記封口部材との間のうち少なくとも一方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサによれば、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間及び封口部材とコンデンサ素子との間のうち少なくとも一方に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔又は陰極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
なお、本明細書中、「親水性合成樹脂」とは、親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂又は水素結合を発現する結合を主鎖に含む合成樹脂のことをいう。また、本明細書中、「酸化皮膜修復体」とは、酸化皮膜に欠損が生じた場合に、当該欠損箇所を修復することが可能な量の水分を保持可能な構造体のことをいう。当該欠損箇所を修復することが可能な水分含有量は、2wt%〜40wt%の範囲内にある。
また、本発明の固体電解コンデンサによれば、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間及びコンデンサ素子と封口部材との間のうち少なくとも一方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されているため、底面部とコンデンサ素子との隙間及び(又は)コンデンサ素子と封口部材との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、本発明の固体電解コンデンサによれば、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間及びコンデンサ素子と封口部材との間のうち少なくとも一方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されているため、底面部とコンデンサ素子との間及び(又は)コンデンサ素子と封口部材との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
[2]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記酸化皮膜修復体は、親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂からなることが好ましい。
このような構成とすることにより、水分保持能力が高く酸化皮膜修復機能に優れた酸化皮膜修復体となる。
[3]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基又はリン酸エステル基のいずれかであることが好ましい。
このような構成とすることにより、上記した官能基を有する合成樹脂は、極性が大きく、水と水素結合しやすいことから、水分保持能力がより一層高い酸化皮膜修復体となる。
上記した官能基のうち、フェノール基は、ヒドロキシフェニル基とも呼称されるものである。
また、ヒドロキシフェニルカルボン酸基は、ヒドロキシフェニル基の芳香環における水素1つがカルボキシル基に置換されたものであり、ヒドロキシ安息香酸に相当する構造を有するものである。
スルホン酸基は、スルホ基とも呼称されるものである。
[4]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸エステル基であることが好ましい。
上記した官能基は、Hを解離させた「−O」イオンになりやすく、上記した官能基を含む合成樹脂は「イオン性物質」及び「酸素を供給できる物質」となる。従って、このような構成とすることにより、酸化皮膜修復体が保持する水分で酸化皮膜の欠損を修復するだけでなく、上記した「−O」イオンがアルミニウムとの反応に関与するため酸化皮膜修復体自体も酸化皮膜の欠損を修復することが可能となる。その結果、酸化皮膜修復機能がより一層高い固体電解コンデンサとなる。
[5]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記親水性の官能基は、アミノ基であることが好ましい。
このような構成とすることにより、アミノ基がイオン化することで導電性高分子の脱ドープを引き起こすこととなる。このため、導電性高分子の導電性が著しく低下することとなる。その結果、外装ケースと固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
[6]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基又はリン酸エステル基であることが好ましい。
このような構成とすることにより、上記した官能基が、導電性高分子に対して求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質を有するため、導電性高分子のπ結合が当該求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質によって切り離されることとなる。このため、導電性高分子の導電性が低下し、外装ケースと固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
[7]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記酸化皮膜修復体は、水素結合を発現する結合を主鎖に含む合成樹脂からなり、かつ、水分含有量が2wt%以上であることが好ましい。
このような構成とすることにより、水分保持能力が高く酸化皮膜修復機能に優れた酸化皮膜修復体となる。
なお、酸化皮膜修復体の水分含有量を2wt%以上としたのは、酸化皮膜修復体の水分含有量を2wt%未満とした場合には、酸化皮膜修復体が保持する水分では少なすぎて、当該欠損箇所を完全に修復することができないからである。
[8]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記水素結合を発現する結合が、エーテル結合、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合であることが好ましい。
このような構成とすることにより、上記した水素結合を発現する結合を有する合成樹脂は、極性が大きく、水と水素結合しやすいことから、水分保持能力がより一層高い酸化皮膜修復体となる。
[9]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記水素結合を発現する結合が、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合であることが好ましい。
このような構成とすることにより、上記した水素結合を発現する結合が、導電性高分子に対して求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質を有するため、導電性高分子のπ結合が当該求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質によって切り離されることとなる。このため、導電性高分子の導電性が低下し、外装ケースと固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
[10]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記酸化皮膜修復体は、前記底面部と、前記底面部に対向している前記コンデンサ素子との間に配設されていることが好ましい。
陽極箔の底面側端部や陰極箔の底面側端部に酸化皮膜の欠損が生じやすいことから、このような構成とすることにより、酸化皮膜修復体が保持する水分で速やかに当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
[11]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記酸化皮膜修復体は、前記コンデンサ素子と前記封口部材との間に配設されていることが好ましい。
陽極箔の天面側端部や陰極箔の天面側端部に酸化皮膜の欠損が生じやすいことから、このような構成とすることにより、酸化皮膜修復体が保持する水分で速やかに当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、このような構成とすることにより、添加されたカーボン等によって封口部材が導電性を有する場合であっても、酸化皮膜修復体を配設していない場合と比較して、封口部材とコンデンサ素子との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
[12]本発明の固体電解コンデンサにおいては、前記酸化皮膜修復体は、前記側面部と前記コンデンサ素子との間にも配設されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、側面部とコンデンサ素子との間に配設された酸化皮膜修復体も水分を保持していることから、外装ケース全体の水蒸気濃度が高い状態となる。その結果、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間(及び封口部材とコンデンサ素子との間)に配設された酸化皮膜修復体が水分を保持しやすくなる。
また、このような構成とすることにより、外装ケースの側面部とコンデンサ素子との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、このような構成とすることにより、外装ケースの側面部とコンデンサ素子との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
[13]本発明の固体電解コンデンサ用外装ケースは、底面部、前記底面部から立設されている側面部及び前記側面部の端部に形成された開口部を有し、固体電解コンデンサを収容するための有底筒状の固体電解コンデンサ用外装ケースであって、前記底面部の内表面に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されていることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサ用外装ケースによれば、底面部の内表面に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔又は陰極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となり、その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、本発明の固体電解コンデンサ用外装ケースによれば、底面部の内表面に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されているため、製造される固体電解コンデンサにおいては、底面部とコンデンサ素子との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、本発明の固体電解コンデンサ用外装ケースによれば、底面部の内表面に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されているため、コンデンサ素子との隙間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
[14]本発明の固体電解コンデンサ用外装ケースにおいては、前記側面部の内表面にも親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、側面部の内表面に形成された酸化皮膜修復体も水分を保持していることから、製造される固体電解コンデンサにおいては、外装ケース全体の水蒸気濃度が高い状態となる。その結果、底面部の内表面に配設された酸化皮膜修復体が水分を保持しやすくなる固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、このような構成とすることにより、側面部とコンデンサ素子との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、このような構成とすることにより、側面部とコンデンサ素子との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
実施形態1に係る固体電解コンデンサ1を説明するために示す図である。 実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100を説明するために示す図である。 実施形態1における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態3における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態4に係る固体電解コンデンサ4を説明するために示す図である。 実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102を説明するために示す図である。 実施形態5に係る固体電解コンデンサ5を説明するために示す図である。 実施形態5における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 変形例3における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 実施形態6における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 変形例4における固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。 試験例に用いた各試料の諸元及び試験例の評価結果を示す図表である。 試験例1の結果を示す図である。 試験例2の結果を示す図である。 従来の電解コンデンサ900を説明するために示す図である。
以下、本発明の固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサ用外装ケースについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
1.実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の構成
まず、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の構成を、実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100の構成とともに説明する。
図1は、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1を説明するために示す図である。図1(a)は固体電解コンデンサ1の断面図であり、図1(b)はコンデンサ素子20の分解斜視図である。
図2は、実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100を説明するために示す図である。
実施形態1に係る固体電解コンデンサ1は、巻回型の固体電解コンデンサであって、図1に示すように、有底筒状の外装ケース10と、コンデンサ素子20と、封口部材30とを備え、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されている。
外装ケース10は、底面部12、底面部12から立設されている側面部14及び側面部14の端部に形成された開口部16を有する有底筒状のケースである。外装ケース10は、金属製(例えば、アルミニウム製)のケースである。
底面部12の平面形状は、ほぼ円形形状をしている。底面部12の中心付近には、防爆弁(図示せず。)が設けられている。防爆弁は、外装ケース内部が異常高温となり内圧が上昇した際に、割れて内圧を外部に逃がすことで破裂を防ぐ構造となっている。側面部14は、底面部12の外縁からほぼ垂直な方向に立設されている。開口部16は、後述する封口部材30によって封口されている。
コンデンサ素子20は、外装ケース10の内部に収納され、図1(b)に示すように、セパレータ26を介して陽極箔22と陰極箔24とが重ね合わされた状態で巻回され、陽極箔22と陰極箔24との間には固体電解質が充填されている。
陽極箔22は、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属から形成されている。陽極箔22の表面(端部表面を含む。)は、エッチング処理により粗面化された後、化成処理によって酸化皮膜(図示せず)が形成されている。陰極箔24も、陽極箔22と同様に、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁金属から形成されている。陰極箔24の表面(端部表面を含む。)は、陽極箔22と同様にエッチング処理により粗面化された後、自然酸化によって酸化皮膜(図示せず)が形成されている。陽極箔22はリード50と電気的に接続され、陰極箔24はリード52と電気的に接続されている。
セパレータ26は、耐熱性を有するシートで、固体電解質が付着された状態となっている。セパレータ26の幅は、陽極箔22及び陰極箔24の巻回幅よりも大きい。セパレータ26としては、耐熱性のセルロース紙や耐熱性難燃紙を用いることができる。
固体電解質には、導電性高分子と特定安定物質とが含まれる。導電性高分子としては、PEDOTを用いるが、それ以外にもPEDOT以外のポリチオフェン、その他の導電性ポリマー粒子又は電荷移動錯体(TCNQ錯体など)など適宜のものを用いることもできる。特定安定物質は、導電性高分子のドーパントになるものである。特定安定物質としては、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を用いるが、ポリスチレンスルホン酸(PSS)以外の適宜のものを用いることもできる。PEDOTは、ポリスチレンスルホン酸(PSS)によってドープされ、高い導電性を維持するポーラロン状態となる。
コンデンサ素子20は、以下のようにして作製される。まず、セパレータ26を介して、エッチング処理により粗面化された表面に酸化皮膜が形成された陽極箔22と粗面化された表面に酸化皮膜が形成された陰極箔24とを重ね合わせて巻回した後、化成液に浸漬して化成処理を行う。このことによって、コンデンサ素子20を作製する過程において陽極箔22や陰極箔24の表面に存在することがある酸化皮膜の欠損箇所を修復する。次に陽極箔22と陰極箔24との間に固体電解質を充填する。こうしてコンデンサ素子20が形成される。
コンデンサ素子20において、リード50,52が陽極箔22及び陰極箔24にそれぞれ接続されている。リード50,52は、外部へ延在しており、それぞれ固体電解コンデンサ1の陽極端子及び陰極端子となる。
封口部材30は、コンデンサ素子20を外装ケース10の内部に収納した状態で、外装ケース10の開口部16を封口している。封口部材30は、例えば、ゴム又は熱可塑性エストラマーなどの高い弾性及び高い絶縁性を有する高分子に無機質やカーボンが添加されてなる。封口部材30には、貫通孔が設けられており、当該貫通孔をコンデンサ素子20から引き出されたリード50,52が貫通した状態となっている。
酸化皮膜修復体40は、親水性合成樹脂からなり、酸化皮膜に欠損が生じた場合に、当該欠損箇所を修復することが可能な量の水分を保持可能な構成物である。酸化皮膜修復体40は、底面部12の内表面全体に形成され、底面部12と、底面部12に対向しているコンデンサ素子20との間に配設されている。酸化皮膜修復体の体積抵抗率は、1kΩcm以上であり、例えば、15kΩcmである。酸化皮膜修復体40の厚さは、1μm〜200μmの範囲内にあり、例えば20μmである。
なお、酸化皮膜修復体の厚さを1μm以上としたのは、酸化皮膜修復体の厚さが1μm以上の場合には、コンデンサ素子20と外装ケース10との絶縁性を十分保つことができるだけでなく、万が一、固体電解コンデンサ1の内圧が上昇して固体電解コンデンサが破裂してしまう場合であっても、酸化皮膜修復体40によって固体電解コンデンサ内の部品が周囲に飛び散ることを防ぐことが可能となるからである。また、酸化皮膜修復体の厚さを200μm以下としたのは、酸化皮膜修復体の厚さが200μm以下の場合には、小型化の要求を満たす固体電解コンデンサとすることが可能となるからである。上記観点からすると、酸化皮膜修復体40の厚さは、10μm〜150μmの範囲内とすることがより好ましい。
酸化皮膜修復体40は、親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂からなり、具体的には、アミド基を側鎖に含むポリアクリルアミド(PAM)を用いる。ポリアクリルアミド(PAM)には成膜性がよいという利点もある。
なお、酸化皮膜修復体40として、ポリアクリルアミド(PAM)以外のアミド基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いてもよいし、それ以外の親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いてもよい。このような親水性の官能基としては、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸エステル基であることが好ましい。親水性の官能基が、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基又はリン酸エステル基である場合には、導電性高分子のπ結合を切り離すことで絶縁性を向上させるという効果を得ることもできる。
また、酸化皮膜修復体40は、あらかじめ形成された酸化皮膜修復体を配設してもよいし、後述するように原料となる合成樹脂から形成することとしてもよい。
なお、外装ケース10と酸化皮膜修復体40とで実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100(図2参照。)を構成する。固体電解コンデンサ用外装ケース100は、固体電解コンデンサを収容するための有底筒状の固体電解コンデンサ用外装ケース100であって、上記したように底面部12、底面部12から立設されている側面部14及び側面部14の端部に形成された開口部16を有し、外装ケース10の底面部12の内表面に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されている。固体電解コンデンサ用外装ケース100においては、上記したように酸化皮膜修復体の体積抵抗率は、1kΩcm以上である。
2.実施形態1に係る固体電解コンデンサの製造方法
図3は、実施形態1に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。図3(a)〜図3(e)は各工程図である。
まず、外装ケース10を準備(図3(a)参照。)し、外装ケース10の内部に親水性合成樹脂の材料である高分子溶液40’を注入する(図3(b)参照。)。高分子溶液40’は、親水性合成樹脂からなる溶液でもよく、親水性合成樹脂を分散させた溶液でもよい。次に、外装ケース10ごと高分子溶液40’を完全に乾燥させない程度に乾燥させて酸化皮膜修復体40を形成する(図3(c)参照。)。乾燥温度は例えば、110℃であり、乾燥時間は例えば、20分である。
このように、外装ケース10の内部に高分子溶液40’を注入することによって酸化皮膜修復体40を形成する場合には、外装ケース10の底面部12の形状や大きさが変更になった場合であっても、酸化皮膜修復体の形状変更が容易で、さらに酸化皮膜修復体を底面部に載置するための治具を変更する必要もない。また、高分子溶液40’の注入量を調整することによって薄い酸化皮膜修復体を形成することが可能となるという効果を得ることもできる。
このようにして、外装ケース10と酸化皮膜修復体40とから構成された実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100を得る(図2及び図3(c)参照。)。
次に、封口部材30をコンデンサ素子20に取り付けるとともに、コンデンサ素子20を外装ケース10に挿入した後、外装ケース10の開口端近傍で外装ケース10をかしめる。(図3(d)及び図3(e)参照。)。
次に、高温雰囲気下で所定の電圧を印加してエージング工程を実施する。こうして実施形態1に係る固体電解コンデンサ1が製造される。
3.固体電解コンデンサ1における酸化皮膜修復機能
次に、固体電解コンデンサ1における酸化皮膜修復機能について説明する。
陽極箔22の端面及び陰極箔24の端面は、コンデンサ素子20を外装ケース10へ収納する際や外部から衝撃や熱(例えば、はんだを用いて回路基板へ実装する際の熱)が加えられた際などに酸化皮膜に欠損が生じることがある。
このとき、陽極箔22の端面付近においては、酸化皮膜の欠損によりむき出しになったアルミニウムと、酸化皮膜修復体40から供給される水分とが以下のような反応を起こして酸化皮膜の欠損箇所を自己修復する。

2Al+3HO → Al+3H

また、陰極箔24においても酸化皮膜の欠損によりむき出しになったアルミニウムと、酸化皮膜修復体40から供給される水分とが以下のような反応を起こして酸化皮膜の欠損箇所を自己修復する。

Al+(n+3)HO → Al(OH)・nHO+3/2H
4.実施形態1に係る固体電解コンデンサ1及び実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100の効果
実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体40が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、酸化皮膜修復体40が、親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂からなるため、水分保持能力が高く酸化皮膜修復機能に優れた酸化皮膜修復体となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基又はリン酸エステル基を有する合成樹脂は、極性が大きく、水と水素結合しやすいことから、水分保持能力がより一層高い酸化皮膜修復体となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基又はリン酸エステル基が、導電性高分子に対して求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質を有するため、導電性高分子のπ結合が当該求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質によって切り離されることとなる。このため、導電性高分子の導電性が低下し、外装ケース10と固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、酸化皮膜修復体40の体積抵抗率は、1kΩcm以上であることから、コンデンサ素子20と外装ケース10との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
陽極箔22の底面側端部や陰極箔24の底面側端部に酸化皮膜の欠損が生じやすいことから、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、酸化皮膜修復体40が保持する水分で速やかに当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、コンデンサ素子20の底面側端面に凹凸がある場合であっても、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に酸化皮膜修復体40を配設することが可能となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1によれば、酸化皮膜修復体40が底面部12の内表面全体に形成されていることから、底面部12の一部にしか酸化皮膜修復体40が形成されていない場合と比較して、外装ケース10の内部の水分を増加させることが可能となる。このため、酸化皮膜修復体40に水分を保持させやすくなり、酸化皮膜修復体40が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。
実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100によれば、底面部12の内表面に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が形成されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となり、その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100によれば、底面部12の内表面に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が形成されているため、製造される固体電解コンデンサにおいては、底面部12とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体40が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100によれば、底面部12の内表面に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る固体電解コンデンサ用外装ケース100によれば、酸化皮膜修復体40の体積抵抗率は、1kΩcm以上であることから、外装ケース10とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
[変形例1]
変形例1に係る固体電解コンデンサ(図示せず。)においては、アミノ基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いる。このようにアミノ基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いる場合であっても、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔又は陰極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、変形例1に係る固体電解コンデンサによれば、アミノ基がイオン化することで導電性高分子の脱ドープを引き起こすこととなる。このため、導電性高分子の導電性が著しく低下することとなる。その結果、外装ケース10と固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
[変形例2]
変形例2に係る固体電解コンデンサ(図示せず。)においては、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸エステル基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いる。このように上記した官能基を側鎖に含む合成樹脂からなる酸化皮膜修復体を用いる場合であっても、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔又は陰極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、上記した官能基は、Hを解離させた「−O」イオンになりやすく、上記した官能基を含む合成樹脂は「イオン性物質」及び「酸素を供給できる物質」となる。従って、変形例2に係る固体電解コンデンサによれば、酸化皮膜修復体が保持する水分で酸化皮膜の欠損を修復するだけでなく、上記した「−O」イオンがアルミニウムとの反応に関与するため酸化皮膜修復体自体も酸化皮膜の欠損を修復することが可能となる。その結果、酸化皮膜修復機能がより一層高い固体電解コンデンサとなる。
[実施形態2]
実施形態2に係る固体電解コンデンサ(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するが、酸化皮膜修復体を構成する親水性合成樹脂の種類が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る固体電解コンデンサにおいて、酸化皮膜修復体は、水素結合を発現する結合を主鎖に含む合成樹脂からなる。なお、この酸化皮膜修復体の水分含有量が2wt%以上である。
酸化皮膜修復体は、酸化皮膜修復体として、エーテル結合、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合を主鎖に含む合成樹脂の酸化皮膜修復体を用いる。このような合成樹脂としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースを用いることができる。
このように、実施形態2に係る固体電解コンデンサは、酸化皮膜修復体を構成する合成樹脂の種類が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なるが、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔又は陰極箔の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態2に係る固体電解コンデンサによれば、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されているため、底面部とコンデンサ素子との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態2に係る固体電解コンデンサによれば、外装ケースの底面部とコンデンサ素子との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されているため、底面部とコンデンサ素子との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態2に係る固体電解コンデンサによれば、水分保持能力が高く酸化皮膜修復機能に優れた酸化皮膜修復体となる。
なお、酸化皮膜修復体の水分含有量を2wt%以上としたのは、酸化皮膜修復体の水分含有量を2wt%未満とした場合には、酸化皮膜修復体が保持する水分では少なすぎて、当該欠損箇所を完全に修復することができないからである。
また、実施形態2に係る固体電解コンデンサによれば、エーテル結合、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合を有する合成樹脂は、極性が大きく、水と水素結合しやすいことから、水分保持能力がより一層高い酸化皮膜修復体となる。
また、実施形態2に係る固体電解コンデンサによれば、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合が、導電性高分子に対して求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質を有するため、導電性高分子のπ結合が当該求電子付加反応を起こしやすい物質や水和反応を起こしやすい物質によって切り離されることとなる。このため、導電性高分子の導電性が低下し、外装ケースと固体電解質との間の絶縁性が高い固体電解コンデンサとなる。
なお、実施形態2に係る固体電解コンデンサは、酸化皮膜修復体を構成する合成樹脂の種類以外の点においては実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図4は、実施形態3に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(e)は各工程図である。
実施形態3に係る固体電解コンデンサ3は、基本的には実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するが、酸化皮膜修復体の配設位置が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3において、酸化皮膜修復体40は、図4に示すように、コンデンサ素子20の底面側端面に形成されている。
実施形態3において、酸化皮膜修復体40は以下のように形成される。まず、コンデンサ素子20を準備し(図4(a)参照。)、コンデンサ素子20の底面側端面に親水性合成樹脂の高分子溶液40’を付着させる(図4(b)参照。)。その後、高分子溶液40’中の水分を完全に乾燥させない程度に乾燥させて成膜することで酸化皮膜修復体40を形成する(図4(c)参照。)。その後の工程は実施形態1における固体電解コンデンサの製造方法と同様であるため説明を省略する(図4(d)及び図4(e)参照。)。
このように、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3は、酸化皮膜修復体の配設位置が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なるが、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3によれば、陽極箔22の底面側端部や陰極箔24の底面側端部に酸化皮膜の欠損が生じやすいことから、このような構成とすることにより、酸化皮膜修復体40が保持する水分で速やかに当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
なお、実施形態3に係る固体電解コンデンサ3は、酸化皮膜修復体の配設位置以外の点においては実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態4]
図5は、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4を説明するために示す図である。図5(a)は固体電解コンデンサ4の断面図であり、図5(b)はコンデンサ素子20の分解斜視図である。
図6は、実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102を説明するために示す図である。
実施形態4に係る固体電解コンデンサ4は、基本的には実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するが、外装ケースの側面部とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4において、酸化皮膜修復体は、図5に示すように、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間(酸化皮膜修復体40)だけでなく、外装ケース10の側面部14の内側面とコンデンサ素子20との間(酸化皮膜修復体42)にも配設されている。
酸化皮膜修復体40,42は、外装ケース10の底面部12の内表面及び側面部14に親水性合成樹脂の高分子溶液を塗布した後に完全に乾燥させない程度に乾燥させて成膜することにより形成されている。このようにして、外装ケース10と酸化皮膜修復体40,42とで構成された実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102を得る(図6参照。)。それ以外の工程は、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の製造方法と同様であるため説明を省略する。
このように、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4は、外装ケースの側面部とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なるが、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4によれば、側面部14とコンデンサ素子20との間に配設された酸化皮膜修復体42も水分を保持していることから、外装ケース10全体の水蒸気濃度が高い状態となる。その結果、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に配設された酸化皮膜修復体40が水分を保持しやすくなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4によれば、側面部14とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体42が配設されているため、側面部14とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体42が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4によれば、側面部14とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体42が配設されているため、側面部14とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102によれば、側面部14の内表面に形成された酸化皮膜修復体42も水分を保持していることから、製造される固体電解コンデンサにおいては、外装ケース10内部全体の水蒸気濃度が高い状態となる。その結果、底面部12の内表面に配設された酸化皮膜修復体40が水分を保持しやすくなる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102によれば、外装ケース10の側面部14とコンデンサ素子20との間に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体42が配設されているため、側面部14とコンデンサ素子20との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体42が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
また、実施形態4に係る固体電解コンデンサ用外装ケース102によれば、側面部14の内表面にも親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体42が配設されているため、側面部14とコンデンサ素子20との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサを製造することが可能となる。
なお、実施形態4に係る固体電解コンデンサ4は、外装ケースの側面部とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点以外の点においては実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態5]
図7は、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5を説明するために示す図である。図7(a)は固体電解コンデンサ5の断面図であり、図7(b)はコンデンサ素子20の分解斜視図である。
図8は、実施形態5に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。図8(a1)〜図8(c1)、図8(a2)〜図8(c2)及び図8(d)〜図8(e)は各工程図である。
実施形態5に係る固体電解コンデンサ5は、基本的には実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するが、封口部材とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5においては、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間にそれぞれ酸化皮膜修復体40,44が配設されている(図7参照。)
酸化皮膜修復体40は、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に配設されている。
酸化皮膜修復体44は、コンデンサ素子20と封口部材30との間に配設されている。酸化皮膜修復体44は、コンデンサ素子20の天面側端面に形成されている。
底面部12とコンデンサ素子20との間に配設された酸化皮膜修復体40の形成方法は、実施形態1における酸化皮膜修復体40の形成方法と同様である(図8(a1)〜図8(c1)参照。)ため、説明を省略する。
酸化皮膜修復体44は以下のようにして形成することができる。
酸化皮膜修復体44の形成方法は、まず、コンデンサ素子20を準備し(図8(a2)参照。)、コンデンサ素子20の天面側端面に親水性合成樹脂の高分子溶液44’を付着させる(図8(b2)参照。)。その後、高分子溶液44’中の水分を完全に乾燥させない程度に乾燥させて成膜することで酸化皮膜修復体44を形成する(図8(c2)参照。)。
その後の工程(図8(d)〜図8(e)参照。)は、実施形態1に係る固体電解コンデンサの製造方法と同様の工程であるため説明を省略する。
このように、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5は、封口部材とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点が実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合とは異なるが、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及び封口部材30とコンデンサ素子20との間の両方に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40,44が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方にそれぞれ、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間にそれぞれ、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間及びコンデンサ素子20と封口部材30との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
陽極箔22の天面側端部や陰極箔24の天面側端部に酸化皮膜の欠損が生じやすいことから、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5によれば、酸化皮膜修復体44が保持する水分で速やかに当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が少なく、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5によれば、添加されたカーボン等によって封口部材30が導電性を有する場合であっても、酸化皮膜修復体44を配設していない場合と比較して、コンデンサ素子20と封口部材30との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5によれば、酸化皮膜修復体44は、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22の天面側端部や陰極箔24の天面側端部に接するように形成されることとなり、当該欠損箇所に効率的に水分を供給することが可能となる。
なお、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5は、封口部材とコンデンサ素子との間にも酸化皮膜修復体が配設されている点以外の点においては実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[変形例3]
図9は、変形例3に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するために示す図である。図9(a)〜図9(e)は各工程図である。
変形例3に係る固体電解コンデンサ5aにおいては、図9に示すように、酸化皮膜修復体40が、コンデンサ素子20の底面側端面に形成されている。このように酸化皮膜修復体40が、コンデンサ素子の底面側端面に形成されている場合であっても、実施形態5の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40,44が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が低く、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
[実施形態6]
図10は、実施形態6における固体電解コンデンサ6の製造方法を説明するために示す図である。図10(a1)〜図10(c1)、図10(a2)〜図10(c2)及び図10(d)〜図10(e)は各工程図である。
実施形態6に係る固体電解コンデンサ6は、基本的には実施形態5に係る固体電解コンデンサ4と同様の構成を有するが、酸化皮膜修復体の配設位置が実施形態5に係る固体電解コンデンサ4の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6においては、図10に示すように、酸化皮膜修復体44は、封口部材30の底面側表面に形成されている。
酸化皮膜修復体40は、実施形態1に係る固体電解コンデンサ1の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間に配設されている(図10(a1)〜図10(c1)参照。)。
酸化皮膜修復体44は以下のように形成される。まず、封口部材30を準備し(図10(a2)参照。)、封口部材の底面側表面に親水性合成樹脂の高分子溶液44’を付着させる(図10(b2)参照。)。その後、当該高分子溶液44’中の水分を完全に乾燥させない程度に乾燥させて成膜することにより酸化皮膜修復体44を形成する(図10(c2)参照。)。
このように、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6は、酸化皮膜修復体の配設位置が実施形態5に係る固体電解コンデンサ5の場合とは異なるが、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40,44が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が低く、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との隙間及びコンデンサ素子20と封口部材30との隙間が小さくなり、また、酸化皮膜修復体が緩衝材として働くため、耐振動性の高い固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6によれば、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されているため、底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の絶縁性を十分に確保した固体電解コンデンサとなる。
また、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6によれば、酸化皮膜修復体44は、封口部材30の底面側表面に形成されていることから、コンデンサ素子20の天面側端面に凹凸がある場合であっても、コンデンサ素子20と封口部材30との間に酸化皮膜修復体44を配設することが可能となる。
なお、実施形態6に係る固体電解コンデンサ6は、酸化皮膜修復体の配設位置以外の点においては実施形態5に係る固体電解コンデンサ5と同様の構成を有するため、実施形態5に係る固体電解コンデンサ5が有する効果のうち該当する効果を有する。
[変形例4]
図11は、変形例4に係る固体電解コンデンサ6aの製造方法を説明するために示す図である。図11(a1)〜図11(c1)、図11(a2)〜図11(c2)及び図11(d)〜図11(e)は各工程図である。
変形例4に係る固体電解コンデンサ6aにおいては、図11に示すように、底面部12とコンデンサ素子20との間に配設されている酸化皮膜修復体40が、コンデンサ素子20の底面側端面に形成されている。このように底面部12とコンデンサ素子20との間に配設されている酸化皮膜修復体40がコンデンサ素子20の底面側端面に形成されている場合であっても、実施形態6の場合と同様に、外装ケース10の底面部12とコンデンサ素子20との間及びコンデンサ素子20と封口部材30との間の両方に親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体40,44が配設されていることから、酸化皮膜の欠損が生じやすい陽極箔22又は陰極箔24の端面に酸化皮膜の欠損が生じたとしても、酸化皮膜修復体40,44が保持する水分で当該欠損箇所を修復することが可能となる。その結果、耐圧が高く、かつ、漏れ電流が低く、かつ、従来よりも寿命の長い固体電解コンデンサとなる。
[試験例]
図12は、各試験例に用いた合成樹脂の諸元及び各試験例の評価結果を示す図表である。図12(a)は各試験例に用いた合成樹脂の諸元を示す図であり、図12(b)は各試験例に用いた合成樹脂の評価結果を示す図である。
<試験例1>
試験例1は、本発明の酸化皮膜修復体の合成樹脂が、比較例1及び2の合成樹脂よりも多くの水分を保持可能であることを確認するための試験例である。
1.試料の調製
(1)試料1(実施例)
実施形態1における酸化皮膜修復体の材料であるポリアクリルアミド5gとエチレングリコール2.5gとを水で溶かして水溶液100gを作製した。その後、当該水溶液のうち20gをシャーレに注いで、重量変化がなくなるまで乾燥させてフィルム状の試料を作製し、これを試料1とした。なお、エチレングリコールは分散性を向上させるために添加した。以下の試料2についても同様である。
(2)試料2(比較例1)
ポリビニルアルコール5gとエチレングリコール2.5gとを水で溶かして水溶液100gを作製した。その後、当該水溶液のうち20gをシャーレに注いで、重量変化がなくなるまで乾燥させてフィルム状の試料を作製し、これを試料2とした。
(3)試料3(比較例2)
フィルム状のポリプロピレン1gをシャーレに載せて、重量変化がなくなるまで乾燥させてフィルム状の試料を作製し、これを試料3とした。
2.評価方法
評価は、各試料が入ったシャーレを室内(気温24℃、湿度30%RH雰囲気)に放置して重量を測定することによって重量変化を測定することにより行った。その結果、どちらの試料も重量変化がなくなった時点(測定開始から30時間経過後)において、測定開始直後からの重量変化が0.05g以上であった場合には、多量の水分を保持可能であるとして「○」の評価を与え、測定開始直後からの重量変化が0.01g以上0.05g未満であった場合には、ある程度の水分を保持可能であるとして「△」の評価を与え、測定開始直後からの重量変化が0.01g未満であった場合には、水分を保持しにくいものとして「×」の評価を与えた。
3.評価結果
図13は、試験例1の結果を示す図である。
図13からも分かるように、試料1においては、測定開始直後からの重量変化が0.077gであったため、「○」の評価を与えた。また、試料2においては、測定開始直後からの重量変化が0.045gであったため「△」の評価を与えた。また、試料3においては、測定開始直後からの重量変化が0.007gであったため「×」の評価を与えた。このことから、本発明の酸化皮膜修復体の合成樹脂が、比較例1及び2の合成樹脂よりも多くの水分を保持可能であることがわかった。なお、比較例1の酸化皮膜修復体の合成樹脂が、比較例2の合成樹脂よりも多くの水分を保持可能であるが、本発明の酸化皮膜修復体の合成樹脂よりも少ない量の水分しか保持できないことがわかった。
<試験例2>
試験例2は、本発明の固体電解コンデンサが、酸化皮膜修復体として、比較例1及び2の合成樹脂を用いた固体電解コンデンサよりも寿命が長いことを確認するための試験例である。
1.試料の調製
(1)試料4(実施例)
実施形態1に係る固体電解コンデンサ1と同様の固体電解コンデンサを作製し、試料4とした。
(2)試料5(比較例1)
ポリビニルアルコールからなる酸化皮膜修復体を用いた点以外の構成は試料4に係る固体電解コンデンサと同様の固体電解コンデンサを作製し、試料5とした。
(3)試料6(比較例2)
ポリプロピレンからなる酸化皮膜修復体を用いた点以外の構成は試料4に係る固体電解コンデンサと同様の固体電解コンデンサを作製し、試料6とした。
2.評価方法
各試料のそれぞれを125℃の恒温恒湿槽内に静置し、各試料に規定の直流電圧を印加した状態で漏れ電流を測定した。漏れ電流の測定は、横河メータ&インスツルメンツ株式会社製デジタルマルチメータ73401を用いて250時間ごとに行った。その結果、測定開始から5000時間経過したときの漏れ電流が初期値の5倍未満となった場合に「○」の評価を与え、測定開始から5000時間経過するまでに漏れ電流が初期値の5倍以上となった場合に「×」の評価を与えた。
3.評価結果
図14は、試験例2の結果を示す図である。
図14からも分かるように、試料6においては、測定開始直後から漏れ電流が増加した。漏れ電流の増加も急激であった。測定開始から1000時間経過したときの漏れ電流が初期値の5倍以上となった。試料5においては、測定開始から500時間経過した頃から漏れ電流が急激に増加し、測定開始から1000時間経過したときの漏れ電流が初期値の5倍以上となった。これに対して、試料4においては、測定開始から5000時間経過しても漏れ電流は急激に増加することはなく、測定開始から5000時間経過したときの漏れ電流が初期値の5倍未満であった。このことから、本発明の固体電解コンデンサが、比較例1及び比較例2の合成樹脂を用いた固体電解コンデンサよりも寿命が長い固体電解コンデンサであることが分かった。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態においては、化成処理されたコンデンサ素子20を外装ケース10に収納する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、化成処理されていないコンデンサ素子20を外装ケース10に収納した後で化成処理を実施する場合であっても本発明を適用可能である。
(2)上記各実施形態においては、コンデンサ素子20と封口部材30とを一体化してから外装ケース10に収納する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンデンサ素子20を外装ケース10に収納した後にコンデンサ素子20と封口部材30とを一体化する場合であっても本発明を適用可能である。
(3)上記実施形態6においては、封口部材30に酸化皮膜修復体44を形成した後にコンデンサ素子20と一体化してから外装ケース10に収納する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンデンサ素子20を外装ケース10に収納した後に封口部材30に酸化皮膜修復体44を形成して、その後、コンデンサ素子20と一体化する場合であっても本発明を適用可能である。
(6)上記実施形態1及び6並びに変形例2においては、固体電解コンデンサ用外装ケース100を用いる場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、固体電解コンデンサ用外装ケース100に代えて固体電解コンデンサ用外装ケース102を用いた場合であっても本発明を適用可能である。
(7)上記実施形態4においては、側面部14の全面に酸化皮膜修復体42が形成された場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、側面部14の一部に酸化皮膜修復体42が形成された場合であっても本発明を適用可能である。
(8)上記実施形態4においては、外装ケース10の底面部12の内表面及び側面部14の内表面に酸化皮膜修復体を形成した場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、コンデンサ素子20の底面側端面及びコンデンサ素子20の側面側表面に酸化皮膜修復体が形成された場合であっても本発明を適用可能である。
(9)上記各実施形態においては、準備した外装ケース、コンデンサ素子又は(及び)封口部材に酸化皮膜修復体を形成する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、あらかじめ形成された酸化皮膜修復体を外装ケース、コンデンサ素子又は(及び)封口部材に配設する場合であっても本発明を適用可能である。
1,3,4,5,5a,6,6a…固体電解コンデンサ、10…外装ケース、12…底面部、14…側面部、16…開口部、20…コンデンサ素子、22…陽極箔、24…陰極箔、26…セパレータ、30…封口部材、40,42,44…酸化皮膜修復体、50,52…リード、100,102…固体電解コンデンサ用外装ケース

Claims (14)

  1. 底面部、前記底面部から立設されている側面部及び前記側面部の端部に形成された開口部を有する有底筒状の外装ケースと、
    前記外装ケースの内部に収納され、セパレータを介して陽極箔と陰極箔とが重ね合わされた状態で巻回され、前記陽極箔と前記陰極箔との間には固体電解質が充填されてなるコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子を前記外装ケースの内部に収納した状態で、前記外装ケースの前記開口部を封口する封口部材とを備える固体電解コンデンサであって、
    前記外装ケースの前記底面部と前記コンデンサ素子との間及び前記コンデンサ素子と前記封口部材との間のうち少なくとも一方に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が配設されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記酸化皮膜修復体は、親水性の官能基を側鎖に含む合成樹脂からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 請求項2に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基又はリン酸エステル基のいずれかであることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 請求項3に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸エステル基であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 請求項3に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記親水性の官能基は、アミノ基であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  6. 請求項3に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記親水性の官能基は、フェノール基、ヒドロキシフェニルカルボン酸基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基又はリン酸エステル基であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  7. 請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記酸化皮膜修復体は、水素結合を発現する結合を主鎖に含む合成樹脂からなり、かつ、水分含有量が2wt%以上であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  8. 請求項7に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記水素結合を発現する結合が、エーテル結合、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  9. 請求項7に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記水素結合を発現する結合が、カルボニル結合、アミド結合又はエステル結合であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記酸化皮膜修復体は、前記底面部と、前記底面部に対向している前記コンデンサ素子との間に配設されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  11. 請求項10に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記酸化皮膜修復体は、前記封口部材と前記コンデンサ素子との間にも配設されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  12. 請求項10又は11に記載の固体電解コンデンサにおいて、
    前記酸化皮膜修復体は、前記側面部と前記コンデンサ素子との間にも配設されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  13. 底面部、前記底面部から立設されている側面部及び前記側面部の端部に形成された開口部を有し、
    固体電解コンデンサを収容するための有底筒状の固体電解コンデンサ用外装ケースであって、
    前記底面部の内表面に、親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ用外装ケース。
  14. 請求項13に記載の固体電解コンデンサ用外装ケースにおいて、
    前記側面部の内表面にも親水性合成樹脂からなる酸化皮膜修復体が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ用外装ケース。
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