JPWO2014157057A1 - 中空糸膜モジュールの洗浄方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中空糸膜モジュール内に蓄積している物質を効率的に除去することが可能な中空糸膜モジュールの効率的な洗浄方法を提供する。【解決手段】中空糸膜モジュール3の原液側の内部液を中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル19から排液させながら空気洗浄を実施する。中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから散気孔を通して供給する空気が中空糸膜モジュール3に供給されるよう中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルより内部液を排液する際の下部端面ノズルからの排液速度を調節すること排液を特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法。【選択図】図1

Description

本発明は、原液を中空糸膜でろ過してろ過液を得る中空糸膜モジュールの洗浄方法に関するものである。
膜分離法は、省エネルギー・スペース、およびろ過水質向上等の特長を有するため、様々な分野での使用が拡大している。例えば、精密ろ過膜や限外ろ過膜を河川水や地下水や下水処理水から工業用水や水道水を製造する浄水プロセスへの適用や、海水淡水化逆浸透膜処理工程における前処理への適用があげられる。
原液を膜ろ過すると、膜ろ過液量に伴って、膜表面や膜細孔内に付着する汚染物質の量が増大していき、ろ過液量の低下あるいは膜差圧の上昇が問題となってくる。
そこで、膜の原液側に気泡を導入し、膜を揺動させ、膜同士を触れ合わせることにより膜表面に付着した汚染物質を掻き落とす空気洗浄や、膜のろ過方法とは逆方向に膜ろ過液あるいは清澄液を圧力で押し込み、膜表面や膜細孔内に付着していた汚染物質を排除する逆圧洗浄を実施する等の物理洗浄が実用化されている。
原液中の汚染物質の量が多い場合には、上記の洗浄方法では膜表面に付着した汚染物質の除去が不十分な場合がある。洗浄効果を高める方法として、特許文献1〜4には、膜のモジュール内部に設置した散気装置より気泡を導入しながら、膜の原液側の液面を変化させる洗浄方法が記載されている。また特許文献5には、膜モジュール下部に設置した散気装置より気泡を導入しながら、膜の原液側の液面を上下させる洗浄方法が提案されている。これらは、液面にて気泡が崩壊する際に発生する波により液面が脈動することを利用することによって、膜表面に付着した汚染物質を強力に剥離させる効果を狙ったものである。
特開2007−289940号公報 特開2006−281163号公報 特開平2−164423号公報 特開平4−126528号公報 特開2003−265935号公報
しかし、特許文献1〜4に記載されるような、膜のモジュール内部に設置した散気装置より気泡を導入しながら、膜の原液側の液面を変化させる方法は、ある程度の洗浄効果をもたらすが、充分とは言えない。
また、特許文献5に記載されるような、膜モジュール下部に設置した散気装置より膜モジュール内部に気泡を導入しながら、膜の原液側の液面を下降させる場合、膜モジュールの散気孔より膜モジュール内部に気泡が導入されず、空気洗浄が実施できなくなって、膜モジュール内部に蓄積している物質を十分除去できずに、中空糸膜の運転を十分に安定化できないといった問題がある。
本発明は、膜モジュール下部に設置した散気装置より気泡を導入しながら、中空糸膜モジュールの原液側の内部液を中空糸膜モジュールの下部より排液する洗浄方法において、膜モジュール内部に気泡を十分導入させることが可能な中空糸膜モジュールの洗浄方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法は、次のように特定されるものである。
(1) 側面に上部側面ノズルと下部側面ノズルを有し、上部端面に上部端面ノズルを有し、下部端面に下部端面ノズルを有する筒状ケース内に複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束が挿入され、前記中空糸膜束の上端部では前記中空糸膜の端面が開口された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された上部接着部が形成され、前記中空糸膜束の下端部では前記中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された下部接着部が形成され、前記下部接着部には複数の散気孔が形成された中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記下部端面ノズルから空気を供給しつつ前記筒状ケース内の内部液を前記下部端面ノズルより排液し、内部液の排液速度V(m/sec)が前記散気孔の最小径の最大値Lmax(m)と、前記散気孔の総断面積S(m)に対して、0.00001(m/sec)≦V(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように、前記筒状ケース内の中空糸膜原液側の内部液を前記下部端面ノズルより排液することによって中空糸膜モジュールの空気洗浄を行うことを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法。
(2) 前記(1)の中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記筒状ケース内の内部液を下降させながら、洗浄を行う請求項1記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
(3) 前記(1)の中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記上部端面ノズルから逆洗液を供給して前記中空糸膜のろ過液側から原液側に前記逆洗液を透過させる逆圧洗浄を実施しながら、洗浄を行う請求項1記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法によれば、中空糸膜原液側の内部液を中空糸膜モジュールの下部端面ノズルから排液しながら、膜モジュール内部に気泡を十分導入させることができ、中空糸膜モジュール内に蓄積している物質を効率的に除去することが可能となり、中空糸膜モジュールの安定運転に貢献できる。
また、本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法の一つである上記(3)の洗浄方法によれば、逆圧洗浄と空気洗浄を同時に実施しながら、洗浄排液を中空糸膜モジュール上方からだけでなく下方からも同時に排液することにより、中空糸膜モジュール内に蓄積している物質を効率的に除去することが可能となる。
本発明が適用される膜ろ過装置の一例を示す装置概略フロー図である。 本発明が適用される加圧型の中空糸膜モジュールの一例を示す概略断面図である。 図2の概略断面図中の線ZZで中空糸膜モジュールを切断した際の断面を、中空糸膜モジュール下方から見た概略横断面図の一例である。 図2の概略断面図中の線ZZで中空糸膜モジュールを切断した際の断面を、中空糸膜モジュール下方から見た概略横断面図の別の一例である。 図2の概略断面図中の線ZZで中空糸膜モジュールを切断した際の断面を、中空糸膜モジュール下方から見た概略横断面図のさらに別の一例である。 実施例1において算出した散気孔の最小径の最大値Lmax、散気孔の総断面積Sと下部端面ノズルからの排液速度Vの関係を示すグラフである。
以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施態様に限定されるものではない。
本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法が適用される膜ろ過装置は、例えば、図1に示すように、原液を供給する原液供給ポンプ1と、原液供給時に開となる原液弁2と、原液をろ過する中空糸膜モジュール3と、原液を供給したり、逆圧洗浄(以下、「逆洗」と称されることもある)や空気洗浄(以下、「空洗」と称されることもある)する場合に開となるエア抜き弁4と、膜ろ過時に開となるろ過液弁5と、膜ろ過液を貯留するろ過液貯留槽6と、膜ろ過液を中空糸膜モジュール3に供給して逆圧洗浄する逆洗ポンプ7と、逆圧洗浄する時に開となる逆洗弁8と、原液あるいは中空糸膜モジュールに薬液を供給する薬液供給ポンプ9と、薬液を貯留する薬液貯留槽10と、中空糸膜モジュール3の空気洗浄の空気供給源であるエアブロワー11と、空気を中空糸膜モジュール3の下部(下部端面ノズル)に供給し空気洗浄する場合に開となる空洗弁12と、中空糸膜モジュール3の1次側(原液側)の原液を排液する場合に開となる排液弁13と逆圧洗浄と空気洗浄を同時に実施しながら下方(中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル)から洗浄排液を排液する場合に開となる下方洗浄排液弁14と流量調整バルブ15が設けられている。
本明細書では、膜分離のために中空糸膜に供給する液を「原液」と表現し、空気洗浄を実施しながら中空糸膜モジュール下部より排液する洗浄方法を「空洗排液法」、逆圧洗浄と空気洗浄を実施しながら、中空糸膜モジュール下部及び上部より排液する洗浄方法を「空逆同時洗浄排液法」と表現する。また、空洗排液法及び空逆同時洗浄排液法により排液される中空糸膜モジュールの原液側の液を「内部液」、逆圧洗浄(逆洗)する際に用いる液を「逆洗液」と表現する。逆洗液は清澄な液であれば、何でも構わないが、膜ろ過水を用いることが好ましい。
図2は、加圧型の中空糸膜モジュールの一例を示す概略断面図である。この中空糸膜モジュール3は、多本数の中空糸膜が開口された状態で接着剤により筒状ケースと接着固定された上部接着部20、中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により筒状ケースと接着固定された下部接着部21、下部接着部21には複数の散気孔22が形成されている。また、中空糸膜モジュール3はろ過液排液口または逆洗液供給口となる上部端面ノズル18、エア供給口または下方排液口となる下部端面ノズル19、洗浄排液及びエアを排液する上部側面ノズル16、原水供給口となる下部側面ノズル17を有している。
上述の膜ろ過装置において、原液は原液供給ポンプ1を稼動し、原液弁2とエア抜き弁4を開にすることで、中空糸膜モジュール3内の膜1次側に供給される。エア抜き弁4を閉とした後、ろ過液弁5を開にすることで中空糸膜モジュール3内に備えられた中空糸膜でろ過が行われる。ろ過液は中空糸膜モジュール3内の膜2次側(ろ過液側)からろ過液弁5を経てろ過液貯留槽6へと移送される。全量ろ過の場合、エア抜き弁4、逆洗弁8、空洗弁12、排液弁13、下方洗浄排液弁14はいずれも閉である。ろ過時間は原液の性質や膜ろ過流束に応じて適宜設定するのが好ましいが、所定の膜ろ過差圧に到達するまでろ過時間を継続させてもよい。
次いで、本発明における第1の発明について説明する。
本発明における第1の発明は、側面に上部側面ノズルと下部側面ノズルを有し、上部端面に上部端面ノズルを有し、下部端面に下部端面ノズルを有する筒状ケース内に複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束が挿入され、前記中空糸膜束の上端部では前記中空糸膜の端面が開口された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された上部接着部が形成され、前記中空糸膜束の下端部では前記中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された下部接着部が形成され、前記下部接着部には複数の散気孔が形成された中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記下部端面ノズルから空気を供給しつつ前記筒状ケース内の内部液を前記下部端面ノズルより排液し、内部液の排液速度V(m/sec)が前記散気孔の最小径の最大値Lmax(m)と、前記散気孔の総断面積S(m)に対して、0.00001(m/sec)≦V(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように、前記筒状ケース内の中空糸膜原液側の内部液を前記下部端面ノズルより排液することによって中空糸膜モジュールの空気洗浄を行うことを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
第1の発明では、ろ過液弁5を閉にして、原液供給ポンプ1を停止して中空糸膜モジュール3でのろ過工程を停止した後、エア抜き弁4と下方洗浄排液弁14と空洗弁12を開にして、エアブロワー11を稼働させる。この時、洗浄排液が中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル19から排液される。ただし、中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル19から洗浄排液を排液しつつも中空糸膜モジュール3に空気が供給されるように、中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルより排液する際、流量調整バルブ15を用いて下部端面ノズルからの排液速度Vを散気孔の最小径の最大値Lmaxに対してV(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように調整する。空気洗浄を実施しながら中空糸膜モジュール下部より排液することにより、中空糸膜モジュール下部に蓄積した濁質を効率的に除去できる。
続いて、本発明における第3の発明について説明する(第2の発明の詳細は後述する)。
本発明における第3の発明は、第1の発明の好ましい態様の一つである。
そして、本発明における第3の発明は、側面に上部側面ノズルと下部側面ノズルを有し、上部端面に上部端面ノズルを有し、下部端面に下部端面ノズルを有する筒状ケース内に複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束が挿入され、前記中空糸膜束の上端部では前記中空糸膜の端面が開口された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された上部接着部が形成され、前記中空糸膜束の下端部では前記中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された下部接着部が形成され、前記下部接着部には複数の散気孔が形成された中空糸膜モジュールの洗浄方法であって、前記上部端面ノズルから逆洗液を供給して前記中空糸膜のろ過液側から原液側に前記逆洗液を透過させる逆圧洗浄と前記下部端面ノズルから空気を供給する空気洗浄とを同時に実施し、内部液を上部側面ノズルおよび下部端面ノズルから前記中空糸膜モジュールの外に排液する際、下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)を前記散気孔の最小径の最大値Lmax(m)、前記散気孔の総断面積S(m)に対して0.00001(m/sec)≦V(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように調整することを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
つまり、本発明における第3の発明は、前記第1の発明である中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記上部端面ノズルから逆洗液を供給して前記中空糸膜のろ過液側から原液側に前記逆洗液を透過させる逆圧洗浄を実施しながら、請求項1記載の洗浄を行う中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
第3の発明では、原液弁2とろ過液弁5を閉にして、原液供給ポンプ1を停止して中空糸膜モジュール3でのろ過工程を停止した後、エア抜き弁4と下方洗浄排液弁14と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼動することでろ過液貯留槽10内の膜ろ過液を用いた逆圧洗浄と空気洗浄を同時に実施しながら、洗浄排液が中空糸膜モジュール3の上方(上部側面ノズル16)と下方(下部端面ノズル19)から排液される。ただし、中空糸膜モジュール3の下方(下部端面ノズル19)から洗浄排液を排液しつつも中空糸膜モジュール3に空気が供給されるように、中空糸膜モジュール3の下方(下部端面ノズル)より排液する際、流量調整バルブ15を用いて下部端面ノズルからの排液速度Vを散気孔の最小径の最大値Lmaxに対してV(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように調整する。つまり、発明者らは、中空糸膜モジュール3に空気が供給されるかは、空気(気泡)の浮力(気泡径)と空気(気泡)にかかる上からの水流による力の関係に依存することを見出し、そして、中空糸膜モジュール3に空気が供給される条件として、散気孔における排液速度V、散気孔22の総断面積S及び散気孔の最小径の最大値Lmaxの上記関係式を実験的に見出した。
なお、一般的に「下部端面ノズルからの排液速度」と「散気孔における排液速度」とは互いに等しい。
本発明にて用いられる中空糸膜モジュールの下部接着固定部に形成される散気孔22とは、中空糸膜モジュール下部接着固定部を貫通している孔である。ここで散気孔の断面形状は、円形、楕円形や多角形など任意で構わない。
上記式において、Vは洗浄時に中空糸膜モジュール3の下方(下部端面ノズル)より排液する際の下部端面ノズルからの排液速度(m/sec)であり、Lmaxは散気孔22における最小径の最大値(m)であり、Sは散気孔22の総断面積(m)である。また、5.5(m0.5/sec)は中空糸膜モジュール3に空気が供給されるLmax、V、Sの実験値と最も相関の高い関係式を求める際に得られた係数である。散気孔22の最小径とは、散気孔22における排液の流れ方向と垂直の方向において、幅が最小となる長さであり、例えば、散気孔22の断面形状が円形の場合は、その直径の長さとなり、楕円形の場合は、その短軸の長さとなり、正多角形のうち辺の数が偶数の場合は相対する辺同士の間隔、奇数の場合は頂点と相対する辺との距離のことである。その最大値は図3に示すように全ての散気孔22が円であり、その直径が同じである場合、L1となり、図4に示すように全ての散気孔22が円であるが、その孔径が異なる場合、L2となり、図5のような形状の場合、L4となる。また、散気孔22の総断面積Sは図3の場合、12×π×L1/4(m)と計算でき、図4の場合は、π×L2/4+8×π×L3/4(m)と計算でき、図5の場合は、L4+4×L5(m)と計算することが出来る。
下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)がS×5.5×L0.5以上で排液された場合、中空糸膜モジュール3に十分に空気が供給されず、中空糸膜モジュール3の洗浄が不十分となる。また、下部端面ノズルからの排液速度Vが0.00001(m/sec)未満で排液された場合、中空糸膜モジュール下部に蓄積した物質が十分に排液されず、洗浄が不十分となる。
上記空逆同時洗浄排液法は、一定時間のろ過終了後に毎回行っても構わないし、別の洗浄方法と組み合わせて時々行っても構わない。また、洗浄工程の時間は任意に設定できるが、回収率の観点から、30秒〜3分程度であることが好ましい。
また、洗浄終了後、以下の排液工程、給液工程およびろ過工程が行われても良い。
すなわち、逆洗弁8と空洗弁12と下方洗浄排液弁14を閉にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を停止した後に、排液弁13が開になることで排液工程が行われる。排液工程終了後、排液弁13が閉、原液弁2が開となり、原液供給ポンプ1が稼動して給液工程が行われ、中空糸膜モジュール3の膜1次側が満液になった後、エア抜き弁4が閉、ろ過液弁5が開となることで、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返す。
本発明における洗浄工程を行う際において、薬液を含むろ過液を使用することにより、洗浄効果を高めることができる。
薬液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を少なくとも1つ以上含有する水溶液を使用することができる。
次いで、本発明における第2の発明について説明する。
本発明における第2の発明は、第1の発明の別の好ましい態様の一つである。
そして、本発明における第2の発明は、側面に上部側面ノズルと下部側面ノズルを有し、上部端面に上部端面ノズルを有し、下部端面に下部端面ノズルを有する筒状ケース内に複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束が挿入され、前記中空糸膜束の上端部では前記中空糸膜の端面が開口された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された上部接着部が形成され、前記中空糸膜束の下端部では前記中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された下部接着部が形成され、前記下部接着部には複数の散気孔が形成された中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記下部端面ノズルから空気を供給しつつ前記筒状ケース内の内部液の液面を下降させながら、内部液の排液速度V(m/sec)が前記散気孔の最小径の最大値Lmax(m)と、前記散気孔の総断面積S(m)に対して、0.00001(m/sec)≦V(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように、前記筒状ケース内の中空糸膜原液側の内部液を前記下部端面ノズルより排液することによって中空糸膜モジュールの空気洗浄を行うことを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
つまり、本発明における第2の発明は、前記第1の発明である中空糸膜モジュールの洗浄方法において、空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記筒状ケース内の内部液を下降させながら、請求項1記載の洗浄を行う中空糸膜モジュールの洗浄方法である。
第2の発明に係る洗浄方法は単独で用いられてもよいが、上記の洗浄方法(第1の発明または第3の発明に係る洗浄方法)が実施された後に、第2の発明に係る洗浄方法が実施されることが、中空糸膜モジュールからの排濁性の観点から好ましい。以下に、具体例を示しつつ説明する。ただし、本発明は、当該具体例に限定されるものではない。
上記の洗浄方法(第1の発明または第3の発明に係る洗浄方法)が実施された後に、下方洗浄排液弁14、空洗弁12ならびにエア抜き弁4を開にしたまま、さらにエアブロワー11を稼働させたまま、中空糸膜モジュール3内の膜一次側の内部液の液面を下降させながら空洗排液を行う。ただし、中空糸膜モジュール3の下方から内部液を排液しつつ中空糸膜モジュール3に空気が供給されるように、中空糸膜モジュール3の下方より内部液を排液する際、内部液の下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)が前記散気孔の直径の最大値Lmax(m)と、前記散気孔の総断面積S(m)に対して、上記関係式を満たすように、流量調整バルブ15を用いて内部液の排液量を調整しつつ、前記下部端面ノズル19から空気を供給する。
排液終了後、空洗弁12と下方洗浄排液弁14を閉にして、エアブロワー11を停止した後に、原液弁2を開とし、原液供給ポンプ1を稼動させて給液工程が行われ、中空糸膜モジュール3の膜1次側が満液になった後、エア抜き弁4を閉、ろ過液弁5を開とすることで、ろ過工程に戻る。そして、所定の膜ろ過差圧に到達するまでろ過を継続する。
前述のとおり、第2の発明に係る洗浄方法(上記の空洗排液法)を実施するタイミングに特に限定はなく、空逆同時洗浄排液の後に実施しても良いし、空逆同時洗浄排液の前に実施しても良い。また、空洗排液工程の時間は任意に設定できるが、中空糸膜モジュール3内の内部液が十分排液される時間に設定することが好ましい。
本発明において用いられる中空糸膜モジュール3で使用される中空糸膜の孔径としては、多孔質であれば特に限定しないが、所望の処理液の液質や液量によって、MF膜(精密ろ過膜)を用いたり、UF膜(限外ろ過膜)を用いたり、あるいは両者を併用したりする。例えば、濁質成分、大腸菌、クリプトスポリジウム等を除去したい場合はMF膜でもUF膜のどちらを用いても構わないが、ウィルスや高分子有機物等も除去したい場合は、UF膜を用いるのが好ましい。
本発明において用いられる中空糸膜の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコールおよびポリエーテルスルホンやセラミック等の無機素材からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含んでいると好ましく、さらに膜強度や耐薬品性の点からはポリフッ化ビニリデン(PVDF)がより好ましく、親液性が高く耐汚れ性が強いという点からはポリアクリロニトリルがより好ましい。
本発明において用いられるろ過流束制御方法としては、定流束ろ過であっても定圧ろ過であってもよいが、一定の処理液量が得られ、また、全体の制御が容易であるという点から定流束ろ過である方が好ましい。
ろ過方式としては全量ろ過型モジュールでもクロスフローろ過型モジュールであっても差し支えはないが、エネルギー消費量が少ないという点から全量ろ過型モジュールである方が好ましい。
本発明の洗浄方法により、中空糸膜モジュール内に蓄積した物質を効果的に分解・除去できるので、膜ろ過差圧が従来技術よりも長期間安定する。
<膜ろ過差圧の評価方法>
中空糸膜モジュール3と接続する原液供給配管(膜1次側)と膜ろ過液配管(膜2次側)に圧力計を設置し、膜1次側の圧力から膜2次側の圧力を差し引いて算出した。
(実施例1)
図1に示すような装置において、散気孔の総断面積Sが同じで、散気孔の形状が図3に示す様な断面形状で、散気孔の最小径の最大値が0.003、0.005、0.01、0.03mと異なる4本の透明中空糸膜ジュールを使用し、エア抜き弁4と下方洗浄排液弁14と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼働し、流束3.3m /(m・d)の逆圧洗浄とエア流量20、50、100、200NL/min(「NL/min」は”normal liter per minute”を示す)の空気洗浄を60秒間実施した。
この時、中空糸膜モジュール下方から供給する空気が中空糸膜モジュールに供給されなくなる中空糸膜モジュール下方からの排液速度V(m/sec)を測定した。
つまり、中空糸膜モジュール下方から供給される空気が、中空糸膜モジュール内に供給されなくなるときの下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)を測定した。すなわち、最初に、流量調整バルブ15を閉じておき、中空糸膜モジュール下方(下部端面ノズル)から供給される空気が、中空糸膜モジュール内に供給されることを確認した。その後、流量調整バルブ15を開くことによって、下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)を変動せしめた。そして、中空糸膜モジュール下方(下部端面ノズル)から供給される空気が、中空糸膜モジュール内に供給されなくなるときの下部端面ノズルからの排液速度V(m/sec)を求めた。中空糸膜モジュール内に空気が供給されているかは目視で確認を行った。
結果を図6に示す。
なお、散気孔の最小径の最大値が0.003mである中空糸膜ジュールを用いた場合であって、エア流量を20、50、100および200NL/minとせしめた場合の排液速度V(図6ではV/S)は実質的に同じであった。
同様に、散気孔の最小径の最大値が0.005mである中空糸膜ジュールを用いた場合であって、エア流量を20、50、100および200NL/minとせしめた場合の排液速度V(図6ではV/S)は実質的に同じであった。
同様に、散気孔の最小径の最大値が0.01mである中空糸膜ジュールを用いた場合であって、エア流量を20、50、100および200NL/minとせしめた場合の排液速度V(図6ではV/S)は実質的に同じであった。
同様に、散気孔の最小径の最大値が0.03mである中空糸膜ジュールを用いた場合であって、エア流量を20、50、100および200NL/minとせしめた場合の排液速度V(図6ではV/S)は実質的に同じであった。
図6から、逆圧洗浄と空気洗浄を同時に実施しながら、洗浄排液を中空糸膜モジュール上方(上部側面ノズル)および下方(下部側面ノズル)から中空糸膜モジュールの外に同時に排液する際に、中空糸膜モジュール下方(下部側面ノズル)から供給される空気が、中空糸膜モジュールに供給されるためには、V<S×5.5×L0.5の関係式を満たすように中空糸膜モジュールの下方(下部側面ノズル)からの排液速度を調整する必要があることが分かった。
次いで、図1に示すような、洗浄時に中空糸膜モジュールの下方(下部端面ノズル)より排液する際の散気孔部分における最小径の最大値が0.01mであり、散気孔部分の総断面積が0.0035mである外圧式PVDF限外中空糸膜モジュールを1本使用し、原液弁2とろ過液弁5を開いて、河川水をろ過流束3m /(m・d)で定流量ろ過した。
定流量ろ過開始から30分後に原液弁2とろ過液弁5を閉じた後、エア抜き弁4と下方洗浄排液弁14と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼働し、流束3.3m /(m・d)で中空糸膜モジュール3のろ過液側から原液側に逆洗液を透過させる逆圧洗浄と、エア流量100NL/minで中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから空気を供給する空気洗浄とを同時に60秒間実施した。
この時、中空糸膜モジュール下方(下部端面ノズル)から供給される空気が、中空糸膜モジュールに供給されるように、中空糸膜モジュールの下方より排液する際の排液速度(つまり、下部端面ノズルからの排液速度)が0.001m/secとなるよう下方排液口(下部端面ノズル)の流量を調節した。
ここで、Vは0.001m/sec、Sは0.0035m、Lmaxは0.01mであり、S×5.5×Lmax0.5=0.001925となるため、下部端面ノズルからの排液速度Vは0.00001≦V<S×5.5×Lmax0.5の関係式を満たす。
その後、逆洗弁8を閉にして、逆洗ポンプ7を停止し、エア抜き弁4及び下方洗浄排液弁14及び空洗弁12を開、エアブロワー11を稼動させたまま、中空糸膜モジュール3内の内部液を排液した。この時、中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから供給される空気が中空糸膜モジュール3に供給されるようにするために、下部端面ノズルからの排液速度Vを排液速度が0.001m/secとなるよう流量調整バルブ15にて排液速度を調節した。
その後、下方洗浄排液弁14を閉じると同時に、原液弁2を開き、原液供給ポンプ1を稼動して、中空糸膜モジュール3内の膜1次側を原液で満たした後、ろ過液弁5を開き、エア抜き弁4を閉じて、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返した。その結果、中空糸膜モジュール3のろ過差圧は、運転開始直後は30kPaであったのに対し、1カ月後も40kPaであり、長期間に渡って安定運転を行うことができた。
(実施例2)
図1に示すような装置において、洗浄時に、中空糸膜モジュールの下部端面ノズルより排液する際の散気孔部分における最小径の最大値が0.01mであり、散気孔部分の総断面積が0.0035mである外圧式PVDF限外中空糸膜モジュールを1本使用し、原液弁2とろ過液弁5を開いて、河川水をろ過流束3m /(m・d)で定流量ろ過した。
定流量ろ過開始から30分後に原液弁2とろ過液弁5を閉じた後、エア抜き弁4と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼働し、流束3.3m /(m・d)で中空糸膜モジュール3のろ過液側から原液側に逆洗液を透過させる逆圧洗浄と、エア流量100NL/minで中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル19から空気を供給する空気洗浄とを同時に60秒間実施した。
その後、逆洗弁8を閉にして、逆洗ポンプ7を停止し、エア抜き弁4及び下方洗浄排液弁14及び空洗弁12を開にして、エアブロワー11を稼動させたまま、中空糸膜モジュール3内の内部液を排液した。この時、内部液を排液するにつれて、中空糸膜モジュール3の液面は低下した。
また、この時、中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから供給される空気が、中空糸膜モジュール3に供給されるようにするために、下部端面ノズル19からの排液速度が0.001m/secとなるよう流量調整バルブ15にて排液速度を調節した。
その後、下方洗浄排液弁を閉じると同時に、原液弁2を開き、原液供給ポンプ1を稼動して、中空糸膜モジュール3内の膜1次側を原液で満たした後、ろ過液弁5を開き、エア抜き弁4を閉じて、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返していった。その結果、中空糸膜モジュール3のろ過差圧は、運転開始直後は30kPaであったのに対し、1カ月後も44kPaであり、長期に渡って安定運転を行うことができた。
(比較例1)
逆圧洗浄排液を洗浄時に中空糸膜モジュールの下方(下部端面ノズル)からは排液せずに空逆同時洗浄をした場合の効果を確認するために以下の比較例1を実施した。
図1に示すような装置において、実施例1と同様の中空糸膜モジュールを1本使用し、原液弁2とろ過液弁5を開いて、河川水をろ過流束3m /(m・d)で定流量ろ過した。
定流量ろ過開始から30分後に原液弁2とろ過液弁5を閉じた後、エア抜き弁4と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼働し、流束3.3m /(m・d)で中空糸膜モジュール3のろ過液側から原液側に逆洗液を透過させる逆圧洗浄と、エア流量100NL/minで中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから空気を供給する空気洗浄とを同時に60秒間実施した。
その後、排液弁13を開にし、中空糸膜モジュール3内の膜1次側の液を全量排液した。その後、排液弁13を閉じると同時に、原液弁2を開き、原液供給ポンプ1を稼動して、中空糸膜モジュール3内の膜1次側を原液で満たした後、ろ過液弁5を開き、エア抜き弁4を閉じて、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返した。その結果、中空糸膜モジュール3のろ過差圧は、運転開始直後は30kPaであったのに対し、1カ月後には74kPaに上昇し、実施例1に対してろ過差圧の上昇速度は4倍程度速くなり、安定した運転ができないことが分かった。
(比較例2)
洗浄時の下部端面ノズルからの排液速度VをS×5.5×Lmax0.5よりも大きくし、空逆同時洗浄を実施した場合の効果を確認するために以下の比較例2を実施した。
図1に示すように、実施例1と同様の中空糸膜モジュールを1本使用し、原液弁2とろ過液弁5を開いて、河川水をろ過流束3m /(m・d)で定流量ろ過した。
定流量ろ過開始から30分後に原液弁2とろ過液弁5を閉じた後、エア抜き弁4と下方洗浄排液弁14と逆洗弁8と空洗弁12を開にして、逆洗ポンプ7とエアブロワー11を稼働し、流束3.3m /(m・d)で中空糸膜モジュール3のろ過液側から原液側に逆洗液を透過させる逆圧洗浄と、エア流量100NL/minで中空糸膜モジュール3の下部端面ノズルから空気を供給する空気洗浄とを同時に60秒間実施した。
この時、中空糸膜モジュールの下方(下部端面ノズル)より排液する際の下部端面ノズルからの排液速度の調節は行わなかった。この時の下部端面ノズルからの排液速度は0.0022m/secであった。
ここで、Vは0.0022m/sec、Sは0.0035m、Lmaxは0.01mであり、S×5.5×Lmax0.5=0.001925となるため、下部端面ノズルからの排液速度Vは、0.00001≦V<S×5.5×Lmax0.5の関係式を満たさない。
その後、逆洗弁8を閉にして、逆洗ポンプ7を停止し、エア抜き弁4及び下方洗浄排液弁14及び空洗弁12を開、エアブロワー11を稼動させたまま、中空糸膜モジュール3内の内部液を排液した。この時も、中空糸膜モジュール3の下部端面ノズル19より内部液を排液する際の排液速度の調節は行わなかった。
その後、下方洗浄排液弁14を閉じると同時に、原液弁2を開き、原液供給ポンプ1を稼動して、中空糸膜モジュール3内の膜1次側を原液で満たした後、ろ過液弁5を開き、エア抜き弁4を閉じて、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返した。その結果、中空糸膜モジュール3のろ過差圧は、運転開始直後は30kPaであったのに対し、運転開始10日後には160kPaに急上昇し、実施例1に対してろ過差圧の上昇速度は40倍程度速くなり、安定した運転ができないことが分かった。
1:原液供給ポンプ
2:原液弁
3:中空糸膜モジュール
4:エア抜き弁
5:ろ過液弁
6:ろ過液貯留槽
7:逆洗ポンプ
8:逆洗弁
9:薬液供給ポンプ
10:薬液貯留槽
11:エアブロワー
12:空洗弁
13:排液弁
14:下方洗浄排液弁
15:流量調整バルブ
16:上部側面ノズル
17:下部側面ノズル
18:上部端面ノズル
19:下部端面ノズル
20:上部接着部
21:下部接着部
22:散気孔

Claims (3)

  1. 側面に上部側面ノズルと下部側面ノズルを有し、上部端面に上部端面ノズルを有し、下部端面に下部端面ノズルを有する筒状ケース内に複数本の中空糸膜からなる中空糸膜束が挿入され、前記中空糸膜束の上端部では前記中空糸膜の端面が開口された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された上部接着部が形成され、前記中空糸膜束の下端部では前記中空糸膜の端面が閉塞された状態で接着剤により前記筒状ケースと接着固定された下部接着部が形成され、前記下部接着部には複数の散気孔が形成された中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記下部端面ノズルから空気を供給しつつ前記筒状ケース内の内部液を前記下部端面ノズルより排液し、内部液の排液速度V(m/sec)が前記散気孔の最小径の最大値Lmax(m)と、前記散気孔の総断面積S(m)に対して、0.00001(m/sec)≦V(m/sec)<S(m)×5.5(m0.5/sec)×Lmax0.5(m0.5)の関係式を満たすように、前記筒状ケース内の中空糸膜原液側の内部液を前記下部端面ノズルより排液することによって中空糸膜モジュールの空気洗浄を行うことを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  2. 請求項1に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記筒状ケース内の内部液を下降させながら、請求項1記載の洗浄を行う中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  3. 請求項1に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記上部端面ノズルから逆洗液を供給して前記中空糸膜のろ過液側から原液側に前記逆洗液を透過させる逆圧洗浄を実施しながら、請求項1記載の洗浄を行う中空糸膜モジュールの洗浄方法。
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