JP2011110439A - 膜モジュールの洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原水の膜ろ過処理に使用される膜モジュールの洗浄を行う際、低コストかつ効果的に膜モジュールを洗浄する方法を提供する。
【解決手段】膜ろ過に使用される膜モジュールの洗浄方法であって、ろ過工程時におけるろ過流束以上の流束で、ろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させる逆洗工程の前または後に、ろ過工程時におけるろ過流束の0.05倍以上0.5倍以下の流束でろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させながら、空洗を行う空逆同時洗浄工程を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、原水の膜ろ過処理に使用される膜モジュールの洗浄方法に関するものである。
中空糸膜による膜分離法は、省エネルギー、省スペース、省力化およびろ過水質向上などの特長を有するため、様々な分野での使用が拡大している。例えば、精密ろ過膜や限外ろ過膜は、河川水や地下水や下水処理水から工業用水や水道水を製造する浄水プロセスや、海水淡水化逆浸透膜処理工程における前処理へ適用されている。しかし、ろ過の継続により原水中の懸濁物質が膜表面に蓄積することによって、孔を閉塞するために徐々にろ過性能が低下する。そこで、ろ過性能を維持するために、エアなどの気体をろ過膜の原水側に気泡として導入する空洗や、ろ過工程とは逆方向にろ過水側から原水側にろ過水あるいは清澄水などを透過させて膜表面の懸濁物質を除去する逆洗が一般的に行われている。
さらに、洗浄効果を高めるために、特許文献1や特許文献2には、空洗と逆洗を同時に行う空逆同時洗浄が記載されている。しかし、前記空逆同時洗浄を行った場合、逆洗排水とエアが混合した状態でエア抜き配管を通って膜モジュールから排出されるため、エア流束と逆洗流束とを合わせた総流束が高くなることにより、エア抜き配管の配管径を十分に長くしないと配管を流れる際の圧力損失が増大し、エネルギー消費量が高くなったり、装置構造によってはエア抜き配管やモジュールの圧力損失によって、十分なエア流量や逆洗流量を供給することができなかったりするという問題があった。このため空逆同時洗浄を採用することができず、膜の洗浄が不十分となり、ろ過性能を維持することができないという問題があった。
また、空逆同時洗浄を行わず、空洗のみを行う場合には、エアと同時に膜モジュール内部に溜められていた水が、エア抜き配管から排出されることにより、膜モジュール上部にエアが溜まり、膜モジュールの上部が十分に洗浄されないという問題があった。
特開2007−289940号公報 特開2001−79366号公報
本発明は、原水の膜ろ過処理に使用される膜モジュールの洗浄を行う際、低コストかつ効果的に膜モジュールを洗浄する方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の膜モジュールの洗浄方法は、次の特徴を有するものである。
(1)膜ろ過に使用される膜モジュールの洗浄方法であって、ろ過工程時におけるろ過流束以上の流束で、ろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させる逆洗工程の前または後に、ろ過工程時におけるろ過流束の0.05倍以上0.5倍以下の流束で膜ろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させながら、空洗を行う空逆同時洗浄工程を行うことを特徴とする膜モジュールの洗浄方法。
(2)空逆同時洗浄工程における逆洗流束を、膜モジュール原水側の圧力が50kPa以下となるように調整することを特徴とする上記(1)記載の膜モジュールの洗浄方法。
本発明の膜モジュールの洗浄方法によれば、エア抜き配管での圧力損失を減少することができるため、エネルギー消費量を減少でき、低コストで膜モジュールの洗浄を行うことができる。また、膜モジュールの上部まで水で満たされた状態で、空洗を行うことができることから洗浄効果を高めることができる。
本発明が適用される加圧型中空糸膜ろ過装置の一例を示す装置概略フロー図である。 本発明を適用される膜モジュールを100本並べた加圧型中空糸膜ろ過装置の空逆同時洗浄工程におけるフロー図である。
本発明の最良の形態を、河川水の浄化装置として適用される加圧型中空糸膜ろ過装置を例にとって、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、本発明が以下に示す実施形態に限定されるわけではない。
図1は本発明が適用される膜ろ過装置の概略図である。この図において、原水槽1に溜められた原水を原水供給ポンプ2により膜モジュール3内の中空糸膜4の原水側の空間3Aに供給する。膜モジュール3の内部は、接着剤によって開孔端部が固定された中空糸膜4及びその接着固定部によって、中空糸膜4の原水側の空間3Aとろ過水側の空間3Bによって区分されている。膜モジュール3内で、原水は中空糸膜4によってろ過され、ろ過水はろ過水側から流路及びろ過水弁5を経てろ過水貯留槽6へと移送される。この時、原水弁7は開、ろ過水弁5は開であり、排水弁8は閉、エア抜き弁9は閉、逆洗弁10は閉、エア供給弁11は閉である。このろ過により得られるろ過水は、ろ過水貯留槽6に一部または全量が溜められる。本発明におけるろ過工程は、原水槽1から原水を膜モジュール3に供給する工程、中空糸膜4の原水側からろ過水側に水を透過する工程、ろ過水をろ過水貯留槽6へ移送する工程から成る工程とする。
所定時間ろ過を行った後、膜モジュール3を構成する中空糸膜4に付着した懸濁物質を除去するために、膜モジュール3の洗浄を実施する。まず原水弁7とろ過水弁5を閉にしてろ過を中断させた後、逆洗弁10とエア抜き弁9を開として、逆洗ポンプ12を運転し、ろ過水をろ過水側から原水側に透過することによって逆洗を行う。このとき逆洗流束はろ過工程時におけるろ過流束以上に調節する。
次に、逆洗流束をろ過工程時におけるろ過流束未満に調節して逆洗を行い、同時に、エア供給弁11を開とし、エア供給弁11よりエアを原水側に送り込むことによって空逆同時洗浄を行う。逆洗工程および空逆同時洗浄工程における逆洗流束の調節は、逆洗流量調節弁13の制御または、逆洗ポンプ12のインバーター制御によって行う。本発明における逆洗工程とは、ろ過水をろ過水貯留槽6から膜モジュール3の膜のろ過水側の空間3Bに供給し、中空糸膜4のろ過水側から原水側に透過し、エア抜き配管14より排出する工程を指し、また空逆同時洗浄工程とは、逆洗と同時に、エアを膜の原水側の空間3Aに供給し、逆洗排水およびエアをエア抜き配管14から排出する工程を指すものとする。
本発明により、逆洗工程において膜から剥離した懸濁物質は膜モジュール3上部のエア抜き配管14より、逆洗排水と共に排出される。空逆同時洗浄の際に剥離した懸濁物質はエアと逆洗排水と共にエア抜き配管14より排出されるほか、膜モジュール3内部に残存する。また洗浄後は、エア抜き配管14の他に排水弁8を開けることにより膜の原水側の液体を排出し、再びろ過を行う前には原水弁7とエア抜き弁9を開とし、原水供給ポンプ2を運転することにより、原水を原水弁7より流入させ、エア抜き配管14より一定量排出操作を行った後、再び原水をろ過する操作を開始すればよい。
本発明においては、逆洗工程と空逆同時洗浄工程の順序は上記に限定されず、空逆同時洗浄工程の後に逆洗工程を行ってもよい。
本発明の洗浄方法は、まず逆洗工程時にろ過工程時のろ過流束以上の流束で逆洗を行うことにより、膜細孔内部に侵入した汚れ成分を押し出して洗浄を行う。逆洗流束がろ過工程時の流束の1倍未満であると逆洗により膜細孔内部に侵入した汚れ成分を除去する力が弱く、洗浄効果が不十分となる。このため、逆洗工程における逆洗流束は、ろ過工程時のろ過流束の1倍以上、1.5倍以下がより好ましい。1.5倍より高いと回収率が悪くなる。
さらに、空逆同時洗浄工程時における逆洗流束は、膜モジュールの上部のエアが溜まらないように、洗浄効果の点から逆洗流束は満水状態にするのに十分な量で、かつ回収率および圧力損失の点からなるべく少ない量で逆洗を行う必要があり、本発明ではろ過工程時のろ過流束の0.05倍以上0.5倍以下とする必要があり、上限は0.2倍以下とすることがより好ましい。0.05倍より低いと、膜モジュールの上部にエアが溜まり上部が効率的に洗浄できないことから洗浄効果が低下する。また、0.5倍を超えると、エア流束と逆洗流束とを合わせた総流束が高くなることによって、エア抜き配管における圧力損失が大きくなる。圧力損失は流束の1〜2乗に比例することから、逆洗流束を2分の1にしたとき、圧力損失は2分の1以下に減らすことができる。また、水はエアに対して、温度20℃では粘度が50倍以上高いことから、配管との摩擦力が強く働き、圧力損失も高くなる。したがって、逆洗流束を減らすことは、圧力損失を減らす観点からエア流量を減らすことに対して有効である。よって、逆洗流束は洗浄効果の得られる最低量である0.05倍以上とし、上限は0.2倍以下とすることが洗浄効果を保ちつつ、圧力損失を減らす観点からより好ましい。なお、ここでの回収率とは、膜モジュールに供給した原水量に対するろ過水生産量の割合を示す。
エア抜き配管14の配管径が短い場合などでは、配管や膜モジュール上部での圧力損失によって生じる空逆同時洗浄工程時の膜モジュール原水側の圧力が高くなり、空逆同時洗浄を行うことが困難になることもあるため、空逆同時洗浄工程時の逆洗流束を、空逆同時洗浄工程時の膜モジュール原水側の圧力に基づいて決める方法も好ましく採用することができる。配管や膜モジュール上部での圧力損失によって生じる空逆同時洗浄工程時の膜モジュール原水側の圧力が50kPa以下となるように逆洗流束を調整することが好ましく、25kPa以下とすることがより好ましい。
空逆同時洗浄工程時の空洗流量は、膜を洗浄するのに十分な量かつ、膜同士が擦れることによる膜の損傷を起こさない範囲で設定することが好ましい。
空逆同時洗浄は非常に洗浄効果が高く、逆洗や空洗単独では除去できない、膜表面や膜モジュール内の膜束の中に蓄積した懸濁物質成分を効率良く除去することができる。しかし、従来の空逆同時洗浄では逆洗排水とエアが同時にエア抜き配管や膜モジュール上部に流れ込むため、配管等の圧力損失が大きくなり、洗浄を強化する必要がある場合でも、配管等の圧力損失によって十分にエア流量や逆洗流量を多くすることができないといった問題があった。この問題を解決するため、逆洗流束を低くすることが考えられるが、この場合、膜細孔内部に侵入した汚れ成分を除去することができず、膜の洗浄が不十分になるという問題が生じるため、採用することができなかった。そこで、本発明では、逆洗工程においてのみ、ろ過流束以上の流束で逆洗することにより膜細孔内部に侵入した汚れ成分を除去し、さらに空逆同時洗浄工程では、モジュール内の液面を必要最低限に保つための逆洗流束としながら、十分量のエアで洗浄し、膜表面や膜モジュール内の懸濁物質成分を効率良く除去することが可能である。
これまで従来法では配管圧力損失よりも高い圧力で膜モジュールにエアを押し込む必要があったため、エア供給源としてエアコンプレッサーを使用する必要があったが、本発明の方法によれば、エア供給源としてより設備費用が安価なエアブロアを使用することが可能となり、装置コストや電力費といった面で非常に大きなメリットがある。また、モジュール原水側圧力が低い状態で空逆同時洗浄を行うことができるため、圧縮性流体であるエアの体積が圧力によって圧縮されないため、従来法に比べより少量のエア量で洗浄することが可能となり、電力費等の膜ろ過装置運転コストが低減できる。
また、長期間の運転や原水水中に急に多量の懸濁物質が混入した場合等に、膜モジュール内部に懸濁物質成分が蓄積した場合には、従来の空逆同時洗浄時では、膜モジュール内部の逆洗排水とエアが流れる空間が塞がれ、圧力損失が生じることにより、空逆同時工程時の膜原水側圧力が増大し、圧縮性流体であるエアの流量が著しく少なくなるという問題があった。エア流量が少なくなると、懸濁物質の蓄積がより進むようになるため、エア供給源の圧力が十分でないと、最終的には空逆同時工程時に逆洗のみが行われ、空洗が全く行われなくなり、膜モジュール内に汚れが完全に詰まり、膜モジュールを破損させるといった重大な問題を引き起こすことがあった。本発明においては、空逆同時工程時の逆洗流量を従来の逆洗流量に比べて少量とするため、このような現象が起きず、エアが常に十分量供給されるため、洗浄を効率良く行うことができる。
少量の逆洗流量で空逆同時洗浄を行うと、膜モジュールの上部からエアが膜原水側の水を押し出し、エア溜まりが一時的にできる。そして再び逆洗排水によってそのエア溜まりに水が溜まり、水がエアによって押し出されることを繰り返す。このように膜モジュール上部で液面が上下に動き、エアと水の混合流が生じることによって、膜モジュール上部が従来の空逆同時洗浄に比べ、より効率的に膜モジュール上部の汚れを除去することが可能となる。
本発明においては、上記目的が達成されるような洗浄であれば良いため、本願発明による効果を阻害しない範囲であれば、逆洗工程時に少量のエアを膜モジュールに導入してもかまわない。そのエア流量は空逆同時におけるエア流量の半分以下が好ましい。このエア流量は逆洗工程時の膜モジュール原水側の圧力に基づいてエア流量を決めるのが好ましく、圧力損失によって膜モジュール原水側の圧力が50kPa以下となるようにエア流量を調整することが好ましく、25kPa以下とすることがより好ましい。
本発明において、懸濁物質とは微粒子あるいはコロイド物質に限定するものではなく、孔の閉塞を引き起こす糖やタンパク質などの天然有機物質も含まれる。
本発明におけるろ過膜は、多孔質のろ過膜であれば特に限定しないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコールおよびポリエーテルスルホンやセラミック等の無機素材からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含んでいると好ましく、さらに膜強度や耐薬品性の点からはポリフッ化ビニリデン(PVDF)がより好ましく、親水性が高く耐汚れ性が強いという点からはポリアクリロニトリルがより好ましい。ろ過膜の孔径については特に限定されず、精密ろ過膜であっても限外ろ過膜であってもかまわないが、0.001μm〜1μmの範囲内で便宜選択することができる。また、中空糸膜の外径についても特に限定されないが、中空糸膜の振動性が高く、洗浄性に優れるため、250μm〜2000μmの範囲内であると好ましい。
膜モジュールとしては、外圧式でも内圧式であっても良いが、前処理の簡便さの点から外圧式である方が好ましい。ろ過方式は、全量ろ過方式、クロスフローろ過方式のどちらでも良いが、エネルギー消費が少ないという点から全量ろ過モジュールである方が好ましい。
ろ過流束制御方法としては、定流束ろ過であっても定圧ろ過であってもよいが、ろ過水の生産水量の制御のし易さの点から定流束ろ過である方が好ましい。
本発明は一定時間のろ過終了後に毎回行っても構わないし、別の洗浄方法と組み合わせて時々行っても構わない。また、逆洗工程および空逆同時洗浄工程の時間、比率は任意に設定できるが、回収率の点から、逆洗工程と空逆同時洗浄工程を合わせた洗浄時間は30秒〜3分程度であることが好ましい。さらに、本発明を繰り返す場合は2〜5回程度とするのが好ましい。
本発明における逆洗工程あるいは空逆同時洗浄工程を行う際において、薬液を含むろ過水を使用することにより、洗浄効果を高めることができる。
薬液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を少なくとも1つ以上含有する水溶液が使用できる。
本発明において、エア抜き配管とは膜モジュールの上部に取り付けられた配管であり、中空糸膜の原水側の空間と繋がっており、逆洗工程時おいては逆洗排水、空逆同時洗浄工程においては逆洗排水とエアを膜モジュールの外に排出するための配管を示すものとする。
本発明において、流束とは単位膜面積当たりの流量を示す。
<比較例1>
図2は膜モジュール3(膜面積72m)を100本並べた膜ろ過装置の空逆同時洗浄工程におけるフロー図である。洗浄工程時または空逆同時洗浄工程時において、各膜モジュール3から排出された逆洗排水またはエアは、それぞれの膜モジュール3のエア抜き配管14を通り、一本のエア抜き合流配管15に合流して排出されるものとする。従来技術の空逆同時洗浄のみを用いて膜モジュール3の洗浄を行ったとき、すべての膜モジュール3のエア抜き配管14の合流部より下流側にあるエア抜き合流配管15の10mあたりの許容圧力損失ΔPを10kPaとした場合に必要となるエア抜き合流配管15の内径dを次の方法で計算した。膜モジュール3の1本あたりの膜面積は72mであり、エア抜き合流配管15は鋼管とした。ろ過工程時のろ過流束を3.0m/m/dとして、空逆同時洗浄工程における逆洗流束を3.3m/m/dとした。エア流量は膜モジュール3一本あたり150 NL/minとした。水温25℃(密度ρ=997kg/m、粘度η=8.9×10−4Pa・s)として、円管内を流体が流れる場合の圧力損失を表すファニングの式(1)式を変形した(2)式により、Re・f1/5を計算した。
Figure 2011110439
Figure 2011110439
ここで、u:配管内平均速度[m/s]、f:管摩擦係数[−]、Re:レイノルズ数[−]、L:配管長さ[m]、q:配管内平均流量[m/s]である。ここでエア抜き合流配管15内は、実際にはエアと水の混合流となるが、ここではエアを水と考え、エア平均流量0.250m/sと逆洗水平均流量0.275m/sを単純に合計し、配管内平均流量q=0.525m/sとした。Re・f1/5=7.7×10となり、粗面管でのReとfの関係式である(3)式に基づき、Reは、2.3×10となった。
Figure 2011110439
レイノルズ数の定義式である(4)式により、d=31cmと計算され、350Aの配管が必要となった。
Figure 2011110439
<実施例1>
図2のように、比較例1と同じ膜ろ過装置において、本発明実施時のエア抜き合流配管15の10mあたりの許容圧力損失を10kPaとした場合に必要なエア抜き合流配管15の内径dを比較例1と同様に計算した。ろ過工程時の流束3.0m/m/dとして、逆洗流束を3.3m/m/dとした。その後の空洗同時洗浄工程での逆洗流束は0.3m/m/d、エア流量は膜モジュール3一本あたり150NL/minとした。このとき、逆洗工程における逆洗水の配管内平均流量q=0.275m/sと、空逆同時洗浄工程における逆洗水とエアの合計流量q=0.275m/sは等しくなるため、計算上の圧力損失は逆洗工程と空逆同時洗浄工程では変わらないとした。比較例1と同様に計算すると、d=24cmとなり、250Aの配管を用いることができた。これより比較例1に対して、エア抜き合流配管15の内径を小さくした設計ができた。
<比較例2>
図2のように、比較例1と同じ膜ろ過装置において、エア抜き合流配管15を350A(内径34cm)とし、従来技術の空逆同時洗浄での鋼管のエア抜き合流配管14での10mあたりの圧力損失ΔPを計算した。ろ過工程時の流束3.0m/m/dとして、空逆同時洗浄工程における逆洗流束を3.3m/m/dとした。エア流量は膜モジュール3一本あたり150NL/minとした。水温は25℃(密度ρ=997kg/m、粘度η=8.9×10−4Pa・s)とした。(4)式よりRe=2.2×10であり、(3)式よりf=3.3×10−3となった。これより、(1)式からエア抜き合流配管15の10mあたりの圧力損失ΔPは6.4kPaと計算された。ここで、空逆同時洗浄工程におけるエア供給源として、エアブロアを用いる場合には、配管圧力損失6.4kPaとモジュール内の水によるヘッド圧約20kPaの合計以上の供給圧力のエアブロアを使用する必要がある。しかし、エア抜き合流配管15の配管径が短い場合や管長が大きい場合には配管圧力損失が高くなり、エアブロアではエアを供給できないことが考えられ、その場合はエアコンプレッサーを利用する必要がある。
<実施例2>
図2のように、膜モジュール3を100本並べた膜ろ過装置において、エア抜き合流配管15を350A(内径34cm)とし、本発明実施時の鋼管のエア抜き合流配管15における圧力損失ΔPを計算した。ろ過工程時のろ過流束を3.0m/m/dとして、逆洗工程における逆洗流束を3.3m/m/dとした。空逆同時洗浄工程での逆洗流束は0.3m/m/d、エア流量は膜モジュール3一本あたり150NL/minとした。比較例2と同様に水温25℃として10mあたりのΔPを計算すると、ΔP=1.9kPaとなった。これより比較例2に対して、エア抜き合流配管15の10mあたりの圧力損失を約4.5kPa小さくできることが分かった。これより本発明を実施することにより、配管圧力損失を実施例2に対して低くでき、エアブロアでも十分にエアを供給可能であることが分かった。
<比較例3>
外圧式PVDF中空糸膜モジュールHFU-2020(東レ(株)製)(膜面積72m)を用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、河川水を原水としたろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、逆洗と空逆同時洗浄をそれぞれ60秒間行った。逆洗流束は1.5m/m/d、エア流量は100NL/minとした。3日間の運転において、膜差圧は運転開始時に対して25kPa上昇した。
<比較例4>
比較例3と同じ膜モジュールを用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、比較例3と同じ河川水を原水としたろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、逆洗を単独で60秒間行った後、空洗を単独で60秒間行った。逆洗流束は3.3m/m/d、エア流量は100NL/minとした。空洗工程において、膜モジュールの上部にエアが溜まっている様子が確認された。3日間運転したとき、洗浄後の膜モジュール上部の中空糸膜には懸濁物質が付着して蓄積していた。また、回収率は96.3%であった。
<比較例5>
比較例3と同じ膜モジュールを用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、比較例3と同じ河川水を原水としたろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、逆洗と空逆同時洗浄をそれぞれ60秒間行った。逆洗工程における逆洗流束は3.3m/m/dとし、空逆同時洗浄工程における逆洗流束は0.12m/m/d、エア流量は100NL/minとした。空逆同時洗浄工程において、膜モジュール上部にエアが溜まっている様子が確認され、洗浄効果が悪かった。また、回収率は95.9%であった。
<実施例3>
比較例3と同じ膜モジュールを用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、比較例3と同じ河川水を原水としてろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、本発明の逆洗と空逆同時洗浄をそれぞれ60秒間行った。逆洗工程における逆洗流束は3.3m/m/dとし、空逆同時洗浄工程における逆洗流束は0.3m/m/d、エア流量は100NL/minとした。2週間の運転において、膜ろ過差圧の上昇がなく安定運転が可能であり、また膜モジュールの上部も洗浄されており、懸濁物質の蓄積はなかった。空逆同時洗浄工程において、膜モジュールの上部にエアが溜まっていることはなかった。また、回収率は96.0%であり、比較例4の回収率96.3%と比べて同程度であった。
<実施例4>
比較例3と同じ膜モジュールを用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、比較例3と同じ河川水を原水としてろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、本発明の逆洗と空逆同時洗浄をそれぞれ60秒間行った。逆洗工程における逆洗流束は3.3m/m/dとし、空逆同時洗浄工程における逆洗流束は0.6m/m/d、エア流量は100NL/minとした。2週間の運転において、膜ろ過差圧の上昇がなく安定運転が可能であり、また膜モジュールの上部も洗浄されており、懸濁物質の蓄積はなかった。空逆同時洗浄工程において、膜モジュールの上部にエアが溜まっていることはなかった。このとき、回収率は95.7%であり、比較例4の回収率96.3%と比べて同程度であった。さらに、空逆同時洗浄工程における逆洗流束を1.5m/m/dに上げた。同様に、膜ろ過差圧の上昇がなく安定運転を行うことができた。ただし、回収率は、94.7%となり、逆洗流束が0.6m/m/dの時に比べて1.6%低下した。
<比較例6>
外圧式PVDF中空糸膜モジュールHFU-2008(東レ(株)製)(膜面積11.5m)を用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、湖水を原水としてろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、空逆同時洗浄を60秒間行った。空逆同時洗浄工程における逆洗流束は2.1m/m/d、エア流量は14NL/minとした。また、エアの供給源として、エアブロア(エア供給圧力0.04MPa)を使用した。エア流量は、弁の開度を調節することにより、運転開始時に14L/minに設定した後は、開度を一定としてその後の流量調節は行わなかった。本運転期間中は水質が悪く、懸濁物質の剥離性が悪く、運転開始から膜モジュールに内部に懸濁物質が蓄積し、空逆同時工程の際に膜モジュール内部の逆洗排水とエアが流れる空間が塞がれ、膜モジュール原水側圧力損失が次第に高まっていった。膜モジュール原水側圧力損失増大と共に、エア流量は次第に減少し、運転から3日目に、エアの供給圧力である0.04MPaより膜モジュール原水側圧力が高くなり、完全にエアが膜モジュール原水側に供給されなくなった。このため、膜モジュールの洗浄が不十分となり、原水側の圧力は3日目の時点で24時間あたり50kPa上昇した。
<実施例5>
比較例3と同じ膜モジュールを用いて、全量ろ過方式かつ定流束ろ過方式にて、湖水を原水としてろ過を行った。ろ過流束を3.0m/m/dとし、ろ過を30分間行った後、本発明の逆洗と空逆同時洗浄をそれぞれ60秒間行った。逆洗工程における逆洗流束は3.3m/m/dとし、空逆同時洗浄工程における逆洗流束は0.3m/m/d、エア流量は14NL/minとした。また、エアの供給源として、エアブロアを使用した。比較例7と同様に、膜モジュールに内部に懸濁物質が蓄積したが、空逆同時工程の際における逆洗流束を0.3m/m/dとすることで、逆洗排水とエアによる配管圧力損失はエアの供給圧力0.04MPaより低く抑えることができ、比較例7のようにエアの供給量が初期設定値の14NL/minより少なくなったり、エア供給が停止したりすることはなかった。運転1週間での膜差圧の上昇は5kPaであり、安定的に運転可能であった。
比較例3〜6、実施例3〜5を表1に整理した。
Figure 2011110439
1:原水槽
2:原水供給ポンプ
3:膜モジュール
3A:原水側の空間
3B:ろ過水側の空間
4:中空糸膜
5:ろ過水弁
6:ろ過水貯留槽
7:原水弁
8:排水弁
9:エア抜き弁
10:逆洗弁
11:エア供給弁
12:逆洗ポンプ
13:逆洗流量調節弁
14:エア抜き配管
15:エア抜き合流配管

Claims (2)

  1. 膜ろ過に使用される膜モジュールの洗浄方法であって、ろ過工程時におけるろ過流束以上の流束で、ろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させる逆洗工程の前または後に、ろ過工程時におけるろ過流束の0.05倍以上0.5倍以下の流束でろ過水を膜のろ過水側から原水側に透過させながら、空洗を行う空逆同時洗浄工程を行うことを特徴とする膜モジュールの洗浄方法。
  2. 空逆同時洗浄工程における逆洗流束を、膜モジュール原水側の圧力が50kPa以下となるように調整することを特徴とする請求項1記載の膜モジュールの洗浄方法。
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