JPWO2014148386A1 - (メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを提供する。本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法は、特定の水酸基含有芳香族化合物と、(メタ)アクリル酸無水物とを、ヒンダードフェノールおよび特定のホスファイトの存在下で反応させて(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法である。
Description
本発明は低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法に関する。
一般に(メタ)アクリル酸アリールエステルは、アリール基が有する高屈折率性、低吸湿性、耐熱性等を生かし、プラスチック、塗料、粘着剤、紙加工処理剤、繊維油剤、潤滑油添加剤、建築用シーラント、インキなどの多岐にわたる用途において有用である。(メタ)アクリル酸アリールエステルを高収率で得る方法として、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有芳香族化合物とを反応させる方法が知られている(特許文献1、2)。
しかしながら、(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造においては、反応液の着色が大きく、製品中にも着色が残存してしまう課題がある。特許文献1および2に記載の方法では、着色を十分に低減することができず、更なる改良が望まれている。
本発明は、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(15)である。
(1)下記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(メタ)アクリル酸無水物とを、ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
(メタ)アクリル酸無水物とを、ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
(式中、R2は置換基またはヘテロ結合を有していてもよい、直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、或いはハロゲン化アルキル基を表す。R2は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法。
の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法。
(式中、環Z、L、R1、nおよびmは前記式[1]と同義である。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
(2)反応が触媒の存在下で行われ、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である(1)に記載の方法。
(2)反応が触媒の存在下で行われ、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である(1)に記載の方法。
(3)触媒が金属酸化物および炭酸塩の少なくとも一方である(2)に記載の方法。
(4)触媒が金属酸化物であり、反応温度が80℃であり、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下となるように、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して0.006当量以上存在させる(2)に記載の方法。
(5)下記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(メタ)アクリル酸無水物とを、触媒の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法であって、
(メタ)アクリル酸無水物とを、触媒の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法であって、
(式中、環Z、L、R1、nおよびmは前記式[1]と同義である。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である方法。
反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である方法。
(6)触媒が金属酸化物および炭酸塩の少なくとも一方である(5)に記載の方法。
(7)触媒が金属酸化物であり、反応温度が80℃であり、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下となるように、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して0.006当量以上存在させる(5)に記載の方法。
(8)ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
(式中、R2は置換基またはヘテロ結合を有していてもよい、直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、或いはハロゲン化アルキル基を表す。R2は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
をそれぞれ下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
をそれぞれ下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
(9)下記式[4]で表される酢酸アリールエステルと、
(9)下記式[4]で表される酢酸アリールエステルと、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルとを含み、
下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルとを含み、
(式中、環Z、L、R1、nおよびmは前記式[4]と同義である。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(10)下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
(式中、R2は置換基またはヘテロ結合を有していてもよい、直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、或いはハロゲン化アルキル基を表す。R2は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
をそれぞれ0.0002質量部以上10質量部以下含ませる(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法。
をそれぞれ0.0002質量部以上10質量部以下含ませる(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法。
(11)下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物であって、該組成物のトルエン溶液の波長417nmにおける吸光度が0.4以下である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
(12)さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
(12)さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(11)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(11)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(13)さらに、ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
(式中、R2は置換基またはヘテロ結合を有していてもよい、直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、或いはハロゲン化アルキル基を表す。R2は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
をそれぞれ(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む(12)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
をそれぞれ(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む(12)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(14)下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含み、含有全塩素量が13000ppm以下である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。R3は水素原子またはメチル基を表す。)
(15)さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
(15)さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
(式中、環Zは芳香族炭化水素を表す。Lは二価の連結基を表す。R1は直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、トリアルキルシリル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、スルホン酸基、或いはハロゲン原子を表す。nは0又は1の整数を示し、mは0以上の整数を示す。mが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(14)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(14)に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
本発明によれば、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸無水物を特定の酸化防止剤及び/または触媒の存在下で反応させることにより、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造できることを見出した。また、特定の酸化防止剤や酢酸アリールエステルを含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物が、保存安定性に優れており、低着色であることを見出した。
本明細書では、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを合わせて(メタ)アクリル酸エステルと記載する。アクリル酸無水物およびメタクリル酸無水物を合わせて(メタ)アクリル酸無水物と記載する。また、(メタ)アクリル酸無水物は無水(メタ)アクリル酸とも示す。
[(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法]
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法では、前記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法では、前記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる。
本発明で用いる水酸基含有芳香族化合物は、前記式[1]で表される。ここで環Zは芳香族炭化水素を表す。芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン等が挙げられる。それらの中でも、芳香族炭化水素としては、価格が低く工業的に利用しやすい観点から、ベンゼン、ナフタレンが好ましい。また、芳香族炭化水素としては、高屈折率性、低吸湿性、耐熱性等にも優れる観点から、ナフタレンがより好ましい。
Lで表される二価の連結基としては、置換基またはヘテロ結合を有していてもよい二価の連結基が挙げられる。該二価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐または環状のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、シクロヘキシレン基等およびこれらの組み合わせが挙げられる。
ヘテロ結合を有する二価の連結基としては、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、スルホニル結合、アミド結合、イミド結合、スルホンアミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレア結合およびこれらの結合を有する二価のアルキレン基等が挙げられる。尚、ヘテロ結合は、二価の連結基の内部にあっても端部にあってもよい。また、ヘテロ結合は、二価の連結基内に一個存在していても、複数個存在していてもよい。また、二価の連結基はヘテロ結合からなってもよい。nは0又は1の整数である。なお、Lは共通する二価の連結基が繰り返された構造を含んでいてもよい。この場合、(メタ)アクリル酸アリールエステルの高屈折率性、低吸湿性、耐熱性等の特性を保持する観点から、前記繰り返しの数は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。
置換基R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖または分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基などのアルキルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチル基などのアルキルカルボニル基;アルケニルカルボニル基;フェニルカルボニル基などのアリールカルボニル基;トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基などのアリールオキシ基;トリメチルシリル基などのトリアルキルシリル基;シアノ基;ニトロ基;ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;スルホン酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子等が挙げられる。式[1]においてmが2以上である場合、R1は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。環ZにおけるR1の置換位置は特に限定されない。mは0以上の整数であれば、環Zの環数に応じて適宜選択でき、特に限定されない。例えば環Zがナフタレン環の場合、原料の入手容易性の観点からmは0〜4であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましい。
前記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物としては、例えば、2−ナフトール、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、3−フルオロ−2−ナフトール、4−フェニル−1−ナフトール、4−ヒドロキシナフタレン−1−カルボン酸メチルエステル、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメチルケトン、4−メトキシ−1−ナフトール、4−フェノキシ−1−ナフトール、1−ニトロ−2−ナフトール、4−ジメチルアミノ−1−ナフトール、2−ナフタレンメタノール、フェノール、o−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−フルオロフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニルメチルケトン、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−シアノフェノール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、1−ピレンメタノール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸無水物は、市販品でも別途合成したものを使用してもよい。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸無水物の使用量は特に限定されない。しかしながら、(メタ)アクリル酸アリールエステルを収率よく得る観点から、(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物の水酸基1モル当たり0.5モル以上が好ましく、0.7モル以上がより好ましく、0.9モル以上がさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸無水物由来の重合を防止する観点から、(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物の水酸基1モル当たり2モル以下が好ましく、1.8モル以下がより好ましく、1.5モル以下がさらに好ましい。
本発明においては、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトの存在下で反応させることにより、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造することができる。ヒンダードフェノールは水酸基含有芳香族化合物の酸化により生成するペルオキシラジカルを補足する効果を有する。また、式[2]で表されるホスファイトはヒンダードフェノールの作用により生成したヒドロペルオキシドを分解する効果を有する。特に、本発明では、両者を併用することで着色原因物質であるキノン構造物質等の生成を抑制する効果が得られるため、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルが得られる。
本発明において、ヒンダードフェノールとは、フェノール性水酸基の2つのオルト位に水素原子およびメチル基以外のかさ高い置換基を有するものである。かさ高い置換基としては、例えばメチル基以外のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環式基、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基、チオアルキル基、チオフェニル基などが挙げられる。ヒンダードフェノールとしては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカンオキシカルボニルエチル)フェノール、1,3,5−ジメチル−2,4,6−トリス(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。これらは1種を用いても2種以上を併用してもよい。
前記式[2]で表されるホスファイトの置換基R2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、オレイル基などの直鎖または分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基などのアルキルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチル基などのアルキルカルボニル基;アルケニルカルボニル基;フェニルカルボニル基などのアリールカルボニル基;トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基等が挙げられる。R2は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、R2は置換基またはヘテロ結合を有していてもよい。ヘテロ結合としては、エーテル結合、エステル結合、リン酸エステル結合、亜リン酸エステル結合、ホスホン酸エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、スルホニル結合、アミド結合、イミド結合、スルホンアミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレア結合が挙げられる。尚、ヘテロ結合は、置換基R2の内部にあっても端部にあってもよい。また、ヘテロ結合は、置換基R2内に一個存在していても、複数個存在していてもよい。また、2つの式[2]で表されるホスファイトがR2を介して互いに結合したジホスファイトも、本発明における式[2]で表されるホスファイトに含まれるものとする。前記式[2]で表されるホスファイトとしては、例えば、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。これらは1種を用いても2種以上を併用してもよい。
本発明において、ヒンダードフェノールの使用量は、十分な効果を発揮できる観点から、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。また、ポリマー物性に影響を与えない観点から、ヒンダードフェノールの使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.5質量部以下が好ましく、0.3質量部以下がより好ましい。
前記式[2]で表されるホスファイトの使用量は、十分な効果を発揮できる観点から、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。また、ポリマー物性に影響を与えない観点から、前記式[2]で表されるホスファイトの使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.5質量部以下が好ましく、0.3質量部以下がより好ましい。
ヒンダードフェノールと式[2]で表されるホスファイトとの質量割合は、大きな着色抑制効果が得られる観点から、ヒンダードフェノール:式[2]で表されるホスファイト=10:90〜90:10が好ましく、25:75〜75:25がより好ましく、40:60〜60:40がさらに好ましい。
本発明においては、エステル化反応を触媒の存在下で行い、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)を13%以下とすることにより、水酸基含有芳香族化合物の酸化を抑制できるため、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造することができる。すなわち、反応において前記比率が13%以下となるような触媒を用いることが好ましい。該比率は10%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることが特に好ましい。なお、該比率は低い方が好ましく、0%であってもよい。また、反応開始時間は、反応器の内温が所定の反応温度に到達した時点を開始時間とする。
前記比率の範囲を満たすことができる触媒としては、例えば、金属化合物、酸触媒、塩基触媒、不均一系触媒等が挙げられる。前記金属化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属ホウ酸塩等の金属無機酸塩、金属カルボン酸塩、金属スルホン酸塩等の金属有機酸塩、金属アセチルアセトナートおよび金属シクロペンタジエニル錯体等の金属錯塩が挙げられる。前記酸触媒としては、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、塩酸、ヘテロポリ酸等の無機酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびカンファースルホン酸等の有機酸が挙げられる。前記塩基触媒としては、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。前記不均一系触媒としては、塩基性イオン交換樹脂、酸性イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂、活性成分をシリカやアルミナ、チタニア等の担体に固定した触媒が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記比率の範囲を容易に満たすことができ、操作性が高い観点から、触媒としては、金属酸化物および炭酸塩の少なくとも一方が好ましい。その中でも、入手容易性の観点から、触媒としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む金属酸化物または炭酸塩が好ましい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム等が挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。さらに、より少量で低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造でき、コストの増大や反応後の処理工程への負荷増大、副反応進行などを抑制できる観点から、触媒としては酸化マグネシウムが好ましい。
触媒として金属酸化物を用い、反応温度が80℃である場合、前記比率が13%以下となるように、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して0.006当量以上存在させることが好ましく、0.0065当量以上存在させることがより好ましい。一方、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する観点から、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して1当量以下存在させることが好ましく、0.5当量以下存在させることがより好ましい。
本発明における(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法において、系中に存在させるヒンダードフェノールは重合禁止剤としても作用するが、重合反応をより抑制するため、さらにヒンダードフェノール以外の重合禁止剤を存在させてもよい。該重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えばハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、フェノチアジン、銅塩等が挙げられる。これらは1種を用いても2種以上を併用してもよい。該重合禁止剤の使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。また、該重合禁止剤の使用量は、前記水酸基含有芳香族化合物100質量部に対して0.5質量部以下が好ましく、0.3質量部以下がより好ましい。
エステル化反応における反応温度は、反応時間を短縮する観点から、25℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、70℃以上が特に好ましい。また重合反応等の副反応を抑制する観点から、反応温度は150℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下が特に好ましい。エステル化反応を行う際の反応圧力は特に制限されず、減圧、常圧、加圧いずれの圧力下においても実施できる。
エステル化反応における反応時間は、反応条件によって適宜選択することができるが、例えば0.5〜20時間とすることができる。
本発明に係る製造方法において、反応溶媒を用いる必要は特にない。しかしながら、前記水酸基含有芳香族化合物の、(メタ)アクリル酸無水物や経時的に生成する(メタ)アクリル酸への溶解性が低い場合、反応系の粘度が高い場合、重合反応を防止したい場合等においては、適宜反応溶媒を用いてもよい。反応溶媒としては、活性水素を含有しない溶媒を用いることができる。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒:ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒:ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒:クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は単一で用いても混合して用いても良い。また、その使用量は適宜、決めればよい。
(メタ)アクリル酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸無水物との重合を防止する観点から、反応は空気雰囲気下で行うことが好ましい。特に、触媒として金属酸化物を用いる場合には、反応を空気雰囲気下で行う場合にも十分に低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステルを得ることができる。
本発明に係るエステル化反応終了後の反応液の精製方法については、生成物の物性、原料、触媒の種類及び量、溶剤の有無等を考慮して、アルカリ水洗等の水洗、蒸留、晶析、濾過等の精製方法を、適宜組み合わせることができる。
[(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物]
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む。(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0005質量部以上5質量部以下含むことが好ましく、0.001質量部以上2質量部以下含むことがより好ましく、0.005質量部以上0.5質量部以下含むことがさらに好ましく、0.01質量部以上0.1質量部以下含むことが特に好ましい。(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物が、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上含むことにより、保存に際して着色が増大せず、保存安定性が良好である。また、(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物が、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ10質量部以下含むことにより、ポリマー物性への影響を抑制することができる。該組成物は、前記(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法において、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトの量を調節することで製造することができる。また、該組成物は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルに対しヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトを前記範囲の量添加することで調製してもよい。また、該組成物には、溶媒やメタクリル酸メチル(MMA)等のモノマーなど、その他の成分が含まれていても良い。しかしながら、該組成物に含まれる式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルの量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む。(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0005質量部以上5質量部以下含むことが好ましく、0.001質量部以上2質量部以下含むことがより好ましく、0.005質量部以上0.5質量部以下含むことがさらに好ましく、0.01質量部以上0.1質量部以下含むことが特に好ましい。(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物が、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上含むことにより、保存に際して着色が増大せず、保存安定性が良好である。また、(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物が、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ10質量部以下含むことにより、ポリマー物性への影響を抑制することができる。該組成物は、前記(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法において、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトの量を調節することで製造することができる。また、該組成物は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルに対しヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトを前記範囲の量添加することで調製してもよい。また、該組成物には、溶媒やメタクリル酸メチル(MMA)等のモノマーなど、その他の成分が含まれていても良い。しかしながら、該組成物に含まれる式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルの量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、式[4]で表される酢酸アリールエステルと、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルとを含み、酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である。該比率は0.05〜8%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。該比率が0.01%以上であることにより、前記組成物は低着色である。また、該比率が10%以下であることにより、ポリマー物性への影響を抑制することができる。該組成物は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルに対し式[4]で表される酢酸アリールエステルを前記範囲の量添加することで調製することができる。また、該組成物は、前記(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法において、酢酸無水物等の酢酸成分存在下で製造することにより、調製してもよい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含み、該組成物のトルエン溶液の波長417nmにおける吸光度が0.4以下である。該吸光度は0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましく、0.08以下が特に好ましい。なお、該吸光度は低い方が好ましく、0であってもよい。該吸光度が0.4以下であることにより、ポリマーの着色を抑制でき、無色透明性を求められる用途にも該組成物を適用できる。該組成物は、前記(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法により好適に製造することができる。また、該吸光度は、(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物1.00gをトルエンに溶解させ、10mL溶液とし、1cm角石英セルで波長417nmの吸光度を紫外可視光分光度計(製品名:UV−1700、(株)島津製作所製)にて測定した値である。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルは、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含み、含有全塩素量が13000ppm以下である。該含有全塩素量は、10000ppm以下が好ましく、7000ppm以下がより好ましい。なお、該含有全塩素量は少ない方が好ましく、0ppmであってもよい。含有全塩素量が13000ppm以下であることにより、ポリマーの含有塩素量が少なくなるため焼却処理等による塩素成分の放出が抑制され、環境負荷を小さくすることができる。該組成物は、前記(メタ)アクリル酸アリールエステルの製造方法により好適に製造することができる。また、含有全塩素量は、試料燃焼装置QF−02(商品名、三菱化学(株)製)を用いて蒸留留出液を100〜900℃まで昇温し燃焼させ、吸収管でガスを吸収させた後、IC(イオンクロマトグラフィー)で分析することにより測定した値である。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物は、アリール基が有する高屈折率性、低吸湿性、耐熱性等を生かし、プラスチック、塗料、粘着剤、紙加工処理剤、繊維油剤、潤滑油添加剤、建築用シーラント、インキなどの多岐にわたる用途において有用である。その中でも、低着色であり、含有塩素量が少ないため、無色透明性や環境負荷低減を求められる光学用途や電子材料用途等に好適に用いることができる。
[(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法]
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上10質量部以下含ませる。ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0005質量部以上5質量部以下含ませることが好ましく、0.001質量部以上2質量部以下含ませることがより好ましく、0.005質量部以上0.5質量部以下含ませることがさらに好ましく、0.01質量部以上0.1質量部以下含ませることが特に好ましい。ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上含ませることにより、保存に際して着色が増大せず、保存安定性が良好である。また、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ10質量部以下含ませることにより、ポリマー物性への影響を抑制することができる。また、(メタ)アクリル酸アリールエステルには溶媒やMMA等のモノマーなど、その他の成分が含まれていても良い。しかしながら、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルの含有量は、全体の5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法は、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上10質量部以下含ませる。ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0005質量部以上5質量部以下含ませることが好ましく、0.001質量部以上2質量部以下含ませることがより好ましく、0.005質量部以上0.5質量部以下含ませることがさらに好ましく、0.01質量部以上0.1質量部以下含ませることが特に好ましい。ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ0.0002質量部以上含ませることにより、保存に際して着色が増大せず、保存安定性が良好である。また、ヒンダードフェノールおよび式[2]で表されるホスファイトをそれぞれ10質量部以下含ませることにより、ポリマー物性への影響を抑制することができる。また、(メタ)アクリル酸アリールエステルには溶媒やMMA等のモノマーなど、その他の成分が含まれていても良い。しかしながら、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルの含有量は、全体の5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
保存容器は、ガラス製容器、樹脂製容器、金属製の貯蔵タンク、ドラム缶、ローリーなどいかなる形態でも良い。
前記質量比を満たすためのヒンダードフェノールおよびホスファイトの量の調整は、不足分を添加することで行っても良いし、式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する際、所望の組成になるように反応条件等を制御することで行っても良い。
保存温度は、溶媒等が存在する場合はその凝固点によって適宜決定することができる。しかしながら、冷却設備のエネルギー負荷を抑制する観点から、保存温度は−40℃以上が好ましく、−20℃以上がより好ましく、−10℃以上がさらに好ましく、0℃以上が特に好ましい。また、重合反応等の副反応を抑制する観点から、保存温度は120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
反応追跡はガスクロマトグラフィー(GC)により実施した。(株)島津製作所製GC−2014(商品名)を用い、カラム:アジレント・テクノロジー(株)製DB−1(商品名、30m×0.53mm×5μm)、気化室温度:250℃、検出部温度:270℃、温度プログラム:50℃(5分保持)→昇温10℃/min→250℃(10分保持)、検出器:FID、線速度:40cm/s、スプリット比:30、注入量:1μLの条件にて測定した。
また反応液の着色は(株)島津製作所製紫外可視光分光度計UV−1700(商品名)を用いて測定した。
[実施例1]
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、炭酸リチウム103mg(1.39mmol)を仕込み、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、98%であった。
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、炭酸リチウム103mg(1.39mmol)を仕込み、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、98%であった。
得られた反応液をろ過した後、ろ過後の反応液全量をトルエンに溶解させ、50mL溶液とし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。目視にて着色が大きいとき540nmに極大値を有する吸収スペクトルが得られたため、540nmの吸光度にて比較した。結果を表1に示す。
[実施例2〜6、比較例1〜4]
表1に示したヒンダードフェノール、ホスファイトを用いて、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
表1に示したヒンダードフェノール、ホスファイトを用いて、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例7]
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、触媒としての酸化マグネシウム55.9mg(1.39mmol)を仕込み、空気雰囲気下、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、100%であった。
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、触媒としての酸化マグネシウム55.9mg(1.39mmol)を仕込み、空気雰囲気下、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、100%であった。
得られた反応液をろ過した後、ろ過後の反応液全量をトルエンに溶解させ、50mL溶液とし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。吸光度は417nmと540nmの吸光度にて比較した。結果を表2に示す。
[実施例8〜13、比較例5〜7]
実施例7で使用した触媒の種類および量を、表2に示した触媒の種類および量に変更した以外は、実施例7と同様に実施した。結果を表2に示す。
実施例7で使用した触媒の種類および量を、表2に示した触媒の種類および量に変更した以外は、実施例7と同様に実施した。結果を表2に示す。
実施例7〜9は417nm、540nmの吸光度が共に小さかった。実施例10〜13は540nmの吸光度は実施例7〜9と比較すると大きかったが、417nmの吸光度は小さかった。一方、比較例5は417nm、540nmの吸光度が共に大きかった。比較例6、7は540nmの吸光度は小さかったが、417nmの吸光度は非常に大きく、結果として精製負荷が大きくなった。
[実施例14]
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、酸化マグネシウム55.9mg(1.39mmol)を仕込み、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、99%であった。
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、再結晶によって精製した2−ナフトール(式[1]における環Zがナフタレン、nが0、mが0のもの)2.00g(13.9mmol)、無水メタクリル酸2.57g(16.6mmol)、トルエン5.00g、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)2.0mg(2−ナフトール100質量部に対して0.10質量部)、酸化マグネシウム55.9mg(1.39mmol)を仕込み、80℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、GC−MSとNMRにて2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)が生成したことを確認した。2−ナフチルメタクリレートの収率は、99%であった。
得られた反応液をろ過した後、ろ過後の反応液全量をトルエンに溶解させ、50mL溶液とし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。目視にて着色が大きいとき540nmに極大値を有する吸収スペクトルが得られたため、540nmの吸光度にて比較した。結果を表3に示す。
[実施例15]
攪拌機、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(2−ナフチルメタクリレート100質量部に対して0.0024質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)(2−ナフチルメタクリレート100質量部に対して0.0024質量部)を含む2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)1.4gを仕込み、100℃で3時間攪拌した。
攪拌機、ジムロート冷却管を備えたガラス製のフラスコに、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(2−ナフチルメタクリレート100質量部に対して0.0024質量部)、トリフェニルホスファイト(式[2]におけるR2がフェニル基のもの)(2−ナフチルメタクリレート100質量部に対して0.0024質量部)を含む2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)1.4gを仕込み、100℃で3時間攪拌した。
その後、前記2−ナフチルメタクリレート全量をアセトニトリルに溶解させ、10mLとし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。417nmの吸光度にて比較した。結果を表4に示す。
[実施例16、17、比較例8、9]
酸化防止剤(実施例15では2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよびトリフェニルホスファイト)の種類および量を表4に示されるように変更した以外は、実施例15と同様に実施した。結果を表4に示す。
酸化防止剤(実施例15では2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよびトリフェニルホスファイト)の種類および量を表4に示されるように変更した以外は、実施例15と同様に実施した。結果を表4に示す。
[実施例18]
実施例14で得た2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)1.00gをトルエンに溶解させ、10mL溶液とし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。結果を図1に示す。なお、417nmにおける吸光度は0.0118であった。また、実施例14で得た2−ナフチルメタクリレートには、2−ナフチルアセテートがGC面積値の比率(2−ナフチルアセテート/2−ナフチルメタクリレート×100)で1.2%含まれていた。
実施例14で得た2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)1.00gをトルエンに溶解させ、10mL溶液とし、1cm角石英セルで吸光度を紫外可視光分光度計にて測定した。結果を図1に示す。なお、417nmにおける吸光度は0.0118であった。また、実施例14で得た2−ナフチルメタクリレートには、2−ナフチルアセテートがGC面積値の比率(2−ナフチルアセテート/2−ナフチルメタクリレート×100)で1.2%含まれていた。
[比較例10]
Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートを使用した以外は、実施例18と同様に実施した。結果を図1に示す。なお、417nmにおける吸光度は0.4556であった。また、Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートは、2−ナフチルアセテートがGCで検出されず、2−ナフチルアセテートは含まれていなかった。
Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートを使用した以外は、実施例18と同様に実施した。結果を図1に示す。なお、417nmにおける吸光度は0.4556であった。また、Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートは、2−ナフチルアセテートがGCで検出されず、2−ナフチルアセテートは含まれていなかった。
[実施例19]
実施例14で得た2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)を用い、含有全塩素量を測定した。全塩素量は、試料燃焼装置QF−02(商品名、三菱化学(株)製)を用いて蒸留留出液を100〜900℃まで昇温し燃焼させ、吸収管でガスを吸収させた後、IC(イオンクロマトグラフィー)で分析することにより測定した。結果を表5に示す。
実施例14で得た2−ナフチルメタクリレート(式[3]における環Zがナフタレン、nが0、mが0であり、R3がメチル基のもの)を用い、含有全塩素量を測定した。全塩素量は、試料燃焼装置QF−02(商品名、三菱化学(株)製)を用いて蒸留留出液を100〜900℃まで昇温し燃焼させ、吸収管でガスを吸収させた後、IC(イオンクロマトグラフィー)で分析することにより測定した。結果を表5に示す。
[比較例11]
Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートを使用した以外は、実施例19と同様に実施した。結果を表5に示す。
Aldrich社製の2−ナフチルメタクリレートを使用した以外は、実施例19と同様に実施した。結果を表5に示す。
この出願は、2013年3月22日に出願された日本出願特願2013−60459、および2013年4月5日に出願された日本出願特願2013−79070を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本発明は、低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステル及びその製造方法、並びに低着色な(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物に関するものであり、高品質な(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造することができる。
Claims (15)
- 下記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、
(メタ)アクリル酸無水物とを、ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法。
- 反応が触媒の存在下で行われ、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である請求項1に記載の方法。
- 触媒が金属酸化物および炭酸塩の少なくとも一方である請求項2に記載の方法。
- 触媒が金属酸化物であり、反応温度が80℃であり、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下となるように、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して0.006当量以上存在させる請求項2に記載の方法。
- 下記式[1]で表される水酸基含有芳香族化合物と、
(メタ)アクリル酸無水物とを、触媒の存在下で反応させて下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを製造する方法であって、
反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下である方法。 - 触媒が金属酸化物および炭酸塩の少なくとも一方である請求項5に記載の方法。
- 触媒が金属酸化物であり、反応温度が80℃であり、反応1時間後の水酸基含有芳香族化合物と(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(水酸基含有芳香族化合物/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が13%以下となるように、金属酸化物を水酸基含有芳香族化合物に対して0.006当量以上存在させる請求項5に記載の方法。
- ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
をそれぞれ下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して0.0002質量部以上10質量部以下含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
- 下記式[4]で表される酢酸アリールエステルと、
下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルとを含み、
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。 - 下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステル100質量部に対して、
ヒンダードフェノールおよび下記式[2]で表されるホスファイト
をそれぞれ0.0002質量部以上10質量部以下含ませる(メタ)アクリル酸アリールエステルの保存方法。 - 下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含む(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物であって、該組成物のトルエン溶液の波長417nmにおける吸光度が0.4以下である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
- さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である請求項11に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。 - 下記式[3]で表される(メタ)アクリル酸アリールエステルを含み、含有全塩素量が13000ppm以下である(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
- さらに、下記式[4]で表される酢酸アリールエステルを含み、
酢酸アリールエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステルとのガスクロマトグラフィー(GC)の面積値の比率(%)(酢酸アリールエステル/(メタ)アクリル酸アリールエステル×100)が0.01〜10%である請求項14に記載の(メタ)アクリル酸アリールエステル組成物。
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