JPWO2014136251A1 - 回転電機システム及び風力発電システム - Google Patents

回転電機システム及び風力発電システム Download PDF

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Abstract

本発明は、回転電機トータルの体格の大型化や運転範囲の縮小を防ぐことができる回転電機システムを提供する。本発明による回転電機システムは、第1の固定子巻線を有する第1の固定子、第1の回転子巻線を有すると共に、前記第1の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第1の回転子から成る第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子、第2の回転子巻線を有すると共に、前記第2の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第2の回転子から成る第2の回転電機と、前記第1及び第2の回転電機と電気的に接続されている電力変換器とを備え、前記第1及び第2の回転電機と前記電力変換器が機械的に回転軸に接続されて成り、かつ、前記2つの回転電機のうち、常に発電運転をしている回転電機の極数をp1、もう一方の回転電機の極数をp2とした場合、p1/p2>1.8となることを特徴とする。

Description

本発明は回転電機システム及び風力発電システムに係り、特に、第1の回転電機(主発電機)と第2の回転電機(補助発電機)を備えているものに好適な回転電機システム及び風力発電システムに関するものである。
近年、地球温暖化防止のため風力発電或いは太陽光発電等のような自然エネルギーを利用した発電システムが注目を浴びている。この中で、風力を利用した風力発電システムでは、発電装置として交流励磁式回転電機を使用する例が多い。
風力発電システムの発電装置として交流励磁式回転電機を使用する場合、運転中は、回転している回転子内の回転子巻線に励磁電力を供給する必要がある。通常は、回転子巻線に電力を供給するために、スリップリング及びブラシを設け、回転するスリップリングにブラシを接触させて通電するようにしている。
しかし、風力発電システムにおいて発電運転を行うためのエネルギーは大きく、発電運転を行う上での励磁電力供給用にスリップリング及びブラシを設けると、ブラシの摩耗が進んでしまうため、定期的なメンテナンスが必要となる。
ところが、風力発電システムでは、交流励磁式回転電機は風車のタワー上にあるナセル内に設置されており、定期的なメンテナンスは、ナセル内という限られた空間内で行う必要があり、ブラシレス化などのメンテナンス軽減が求められていた。
ブラシレスの交流励磁式回転電機として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1には、交流励磁同期発電機と同軸に回転励磁機と電力変換器を設けて系統の電力を直流に整流し、回転励磁機の固定子に通電させ、同期発電機の原理により回転子に電力を供給した後、電力変換器により、電圧、周波数を変換した電力を交流励磁同期発電機の回転子に電力を供給し、発電運転を行うことが記載されている。
特開2002-136191号公報
従来の一般的な交流励磁同期発電機では、同期速度以下の場合は、系統の電力を電力変換器を通して回転子に供給し、同期速度以上の場合は、回転子の電力を電力変換器を通して系統に供給している。
しかしながら、特許文献1では、系統から交流励磁同期発電機に電力を供給することができるが、系統の電圧を整流器で整流した後、回転励磁機に供給しているため、整流器が設置されていることから、交流励磁同期発電機から系統に電力を供給することができない。よって、従来の一般的な交流励磁同期発電機に比べ、動作範囲が狭くなってしまう。
加えて、特許文献1では,発電機の他に回転励磁機を設けているため、発電機のトータルの体格が、回転励磁機を設けることで大きくなり、広い配置スペースが必要となる。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、第1の回転電機と第2の回転電機を備えたものであっても、回転電機をブラシレス化することは勿論、回転電機トータルの体格の大型化や運転範囲の縮小を防ぐことができる回転電機システム及び風力発電システムを提供することにある。
本発明の回転電機システムは、上記目的を達成するために、第1の固定子巻線を有する第1の固定子、第1の回転子巻線を有すると共に、前記第1の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第1の回転子から成る第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子、第2の回転子巻線を有すると共に、前記第2の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第2の回転子から成る第2の回転電機と、前記第1及び第2の回転子巻線と電気的に接続されている電力変換器とを備え、前記第1及び第2の回転子と前記電力変換器が機械的に回転軸に接続されて成り、かつ、前記2つの回転電機のうち、常に発電運転をしている回転電機の極数p、もう一方の回転電機の極数をpとした場合、p/p>1.8となることを特徴とする。
また、本発明の風力発電システムは、上記目的を達成するために、風を受けて回転するロータと、該ロータに主軸を介して接続される上記構成の回転電機システムと、該回転電機システムを内部に収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備え、前記第1及び第2の回転電機は、前記ロータの回転力により回転すると共に、前記第1及び第2の回転電機の固定子巻線は、電力系統側に接続されていることを特徴とする。
本発明の回転電機システムの実施例1を示す概略構成図である。 本発明の回転電機システムの実施例1における回転軸の回転速度が主発電機の同期速度より小さい場合のエネルギーの流れを説明するための図である。 本発明の回転電機システムの実施例1における回転軸の回転速度が主発電機の回転速度より大きい場合のエネルギーの流れを説明するための図である。 条件1の場合の主発電機すべりと主発電機出力、補助発電機出力、システム出力の関係を示す特性図である。 条件2の場合の主発電機すべりと補助発電機すべりとの関係を表した図である。 条件2の場合の回転軸の回転速度が主発電機の同期速度より小さい場合のエネルギーの流れを説明するための図である。 条件3の場合の主発電機すべりと補助発電機すべりとの関係を表した図である。 条件3の場合の回転軸の回転速度が主発電機の回転速度より大きい場合のエネルギーの流れを説明するための図である。 条件4の場合の主発電機すべりと主発電機出力、補助発電機出力の関係を示した特性図である。 本発明の回転電機システムの実施例2を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例3を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例4を示す断面図である。 本発明の回転電機システムを採用した風力発電システムを示す概略構成図である。(実施例5)
以下、図示した実施例に基づいて本発明の回転電機システム及び風力発電システムを説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を用いて説明する。
図1に、本発明の回転電機システムの実施例1を示す。なお、以下に説明する主発電機と補助発電機は、いずれもその固定子と回転子の間隙が径方向に形成されるラジアルギャップ方式の回転電機である。
該図に示す如く、本実施例の回転電機システム1は、電力系統に発電電力を送るための発電機として働く第1の回転電機である主発電機2と、運転条件により励磁機と発電機の2つの働きをする第2の回転電機である補助発電機3と、主発電機2及び補助発電機3と電気的に接続される電力変換器4とを備え、これらは同一の回転電機フレーム16内に配置されている。
主発電機2は、主発電機固定子6と、この主発電機固定子6の内径側に所定の間隙を設けて配置される主発電機回転子5と、主発電機固定子6に設けられているスロット内に短節巻にて二層に巻回される三相の主発電機固定子巻線7と、主発電機回転子5内に設けられているスロット内に全節巻にて二層に巻回される三相の主発電機回転子巻線8とから構成されている。なお、三相の主発電機固定子巻線7及び三相の主発電機回転子巻線8は、電気的に120°間隔で配置されている。
また、補助発電機3も同様に、補助発電機固定子9と、この補助発電機固定子9の内径側に所定の間隙を設けて配置される補助発電機回転子10と、補助発電機固定子9に設けられているスロット内に短節巻にて二層に巻回される三相の補助発電機固定子巻線11と、補助発電機回転子10内に設けられているスロット内に全節巻にて二層に巻回される三相の補助発電機回転子巻線12とから構成されている。なお、三相の補助発電機固定子巻線11及び三相の補助発電機回転子巻線12は、電気的に120°間隔で配置されている。
上述した主発電機2と補助発電機3は、後述するが運転モードが異なる。具体的には、主発電機2は常に発電運転をするが、補助発電機3は回転速度により、励磁機として運転する場合と、発電機として運転する場合がある。また、主発電機2の出力は、補助発電機3の出力と同等以上である。
一方、上記電力変換器4は、主発電機2に電気的に接続されている電力変換器13と、補助発電機3に電気的に接続されている電力変換器14とにより構成されている。また、電力変換器13と電力変換器14は、電気的に直流で接続されている。電力変換器13と電力変換器14を交流接続する場合、電力変換器13と電力変換器14は、それぞれAC→DC→ACの電力変換器を備える必要があるが、電力変換器13と電力変換器14を直流接続することで、各電力変換器13、14は、それぞれACとDCを変換するだけで足り、各電力変換器13、14が備える機能を半分に削減できる。
また、上述した主発電機2と補助発電機3及び電力変換器4は、回転軸15に機械的に接続されている。
即ち、主発電機固定子6と補助発電機固定子9は、回転電機フレーム16に複数本のアーム17を介して接続されているが、主発電機回転子5は、内部に電力変換器13、14が配置されている電力変換器フレーム18の外側に複数本のアーム19を介して接続され、電力変換器フレーム18の内側が回転軸15に回転可能に機械的に接続されている。しかも、電力変換器13、14が配置されている電力変換器フレーム18は、主発電機回転子5の内側に配置されている。これは、補助発電機3に比べ、主発電機2の方が出力が大きいため、体格も大きく、電力変換器4を内蔵するスペースを広く確保できるためである。
上述した構成を言い換えれば、回転軸15が回転することにより、主発電機2と補助発電機3及び電力変換器4も同時に同様の回転数で回転することを意味する。これにより、主発電機2と電力変換器13、電力変換器13と電力変換器14、電力変換器14と補助発電機3とを繋ぐ配線によじれ等の問題が発生しない。
また、運転条件に合わせ制御するために、電力変換器4は外部から指令情報を受信したり、運転状況の情報を送信する必要がある。そこで、本実施例では、電力変換器4が回転しているため、情報の伝達に無線による通信が有効であり、電力変換器4には、無線による情報の送受信が可能な装置を接続することが好ましい。
次に、この回転電機システムのエネルギーの流れを説明する。
まず、図2に、回転軸15の回転速度が、主発電機2の同期速度より小さい場合のエネルギーの流れを示す。
該図において、主発電機固定子巻線7と補助発電機固定子巻線11は、電力系統と電気的に接続されている。電力系統は商用周波数を持った交流電流が流れていることから、電圧が時間的に変化し、補助発電機回転子10が回転することにより、補助発電機回転子巻線12内には、磁極数及び回転速度に応じた誘導電流が発生する。補助発電機回転子巻線12は、電力変換器4を経由して主発電機回転子巻線8と電気的に接続されており、補助発電機回転子巻線12の回転により発生した誘導電流により主発電機2の励磁電流を賄うことができる。
従って、回転軸15の回転速度が、主発電機2の同期速度より小さい条件では、補助発電機3は励磁機として運転していることになる。なお、回転軸15の回転速度と主発電機2の同期速度が一致した場合、主発電機回転子巻線8には直流電流を流す必要があるが、電力変換器4により直流電圧を印加することで、運転が可能である。
次に、図3に、回転軸15の回転速度が、主発電機2の回転速度より大きい場合のエネルギーの流れを示す。
該図において、主発電機回転子巻線8に発生した誘導電流が、電力変換器4を介して補助発電機回転子巻線12に流れ、この補助発電機回転子巻線12から更に補助発電機固定子巻線11に流れ、この補助発電機固定子巻線11から電力系統に電力を供給することになる。
従って、回転軸15の回転速度が、主発電機2の回転速度より大きい条件では、補助発電機3は発電機として運転することになる。
このようなことより、スリップリング及びブラシを用いずとも(ブラシレス化)励磁電流を、主発電機回転子巻線8及び補助発電機回転子巻線12に流すことができるため、ブラシの摩耗によるメンテナンスが不要となる。
なお、本実施例では、電力変換器13、14への情報の伝達には無線を用いた例について説明したが、情報の伝達のためのエネルギーは大きくないため、ブラシを用いても摩耗が少ない。従って、電力変換器13、14の情報伝達のためのブラシ、スリップリングを設けても良い。また、同様に、アースのためのブラシ、スリップリングを設けても良い。
ところで、交流励磁式回転電機の特性は、式1で表されるすべりsにより特性が決定される。
Figure 2014136251
ここで、N0:同期速度、N:回転速度。
また、ブラシレスの交流励磁式回転電機は、主発電機と補助発電機の2つの交流励磁式回転電機により構成されるため、ブラシレスの交流励磁式回転電機は、主発電機のすべりsと補助発電機のすべりsの2つのすべりにより特性が決定される。さらに、同期速度Nは、極数によって決定する。よって、発電機仕様に合わせ、主発電機の極数pと補助発電機の極数pを適切に選択する必要がある。ここで、主発電機のすべりsと補助発電機のすべりsには以下の関係がある。
Figure 2014136251
以下では、p/pに対する特性を、場合分けをして説明する。なお、交流励磁式回転電機は、可変速範囲を持つため、その下限値のすべりをs、上限値のすべりをSとしている。また、主発電機、補助発電機が電力系統に電気的に接続しており、出力が負の場合は、電力系統からエネルギーが供給されている場合を示す。
条件1:p<p2、/p/>(1−s
図4に、条件1でのすべりsと主発電機出力、補助発電機出力、全体出力の関係を示す。図4から明らかな如く、条件1では、高出力領域で補助発電機出力が負となるため、この分、全体出力に対し、主発電機出力が大きくなってしまう。よって、この主発電機出力に合わせた主発電機を配置する必要があるため、体格が大型化する。
条件2:p<p2、/p/<(1−s
図5に、条件2での式2のグラフを直線Aとして示す。なお、グラフの横軸はs、縦軸はsである。図5からs=0が、運転範囲内に存在することがわかる。s=0では、補助発電機が同期運転している状態であるため、回転子に磁束が鎖交せず、固定子からエネルギーを供給できない(この状態を図6に示す)。このため、主発電機の回転子にエネルギーを供給できず、運転することができない。
よって、s=0付近の回転速度を避けるように運転する必要があるため、図5に示すように、運転範囲内に運転不能範囲が存在し、その分、運転範囲が縮小することになる。
条件3:p>p2、/p<(1−S
図7に、条件3での式2のグラフを直線Bとして示す。なお、グラフの横軸はs、縦軸はsである。図7からs=0が、運転範囲内に存在することがわかる。s=0では、補助発電機が同期運転している状態であるため、電力変換器から回転子への直流のエネルギーを供給することになる(この状態を図8に示す)。しかし、電力変換器は直流を出力すると高温になる可能性がある。
よって、s=0付近の回転速度を避けるように運転する必要があるため、図中に示すように、運転範囲内に運転困難範囲が存在し、その分、運転範囲が縮小することになる。
条件4:p>p2、/p<1.8
図9に、条件4での極数比に対する主発電機最大出力と補助発電機最大出力の関係を示す。なお、図9中の出力余剰分とは、以下のように定義している。
出力余剰分 = (主発電機の最大出力+補助発電機の最大出力)−1
つまり、出力余剰分≠0では、全体出力より大きい出力の発電機が必要になり、体格が大型化すると言える。また、図9から極数比p/pが1.8より小さい場合は、出力余剰分が生じることがわかる。
以上のことから、極数比p/pを1.8より大きくする(p/p>1.8)と、出力余剰分が生じないことから(運転困難範囲を避けて運転できる)、大きい出力の発電機は必要なくなり、ブラシレスの交流励磁式回転電機の体格の大型化や運転範囲の縮小を防ぐことができる。
図10に、本発明の回転電機システムの実施例2を示す。
上述した実施例1では、電力変換器4が、主発電機回転子5の内側に配置されているが、本実施例では、図10示すように、電力変換器4を主発電機回転子5と補助発電機回転子10との両方の内側に跨いで配置されている。また、主発電機固定子6と補助発電機固定子9は、回転電機フレーム16に複数のアーム17を介して接続され、かつ、主発電機回転子5と補助発電機回転子10は、内部に電力変換器4が配置されている電力変換器フレーム18の外側に複数のアーム19、20を介して接続されていると共に、電力変換器フレーム18の内側は、回転軸15に接続されている。そして、本実施例でも実施例1と同様に、常に発電運転をしている主発電機2の極数をp、もう一方の補助発電機3の極数をpとした場合、p/p>1.8としたものである。
このような実施例によれば、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、電力変換器4をより内周側に配置できるため、電力変換器4に加わる遠心力を低減できる効果がある。
図11に、本発明の回転電機システムの実施例3を示す。
該図に示す本実施例では、主発電機固定子巻線7及び主発電機回転子巻線8と補助発電機固定子巻線11及び補助発電機固定子巻線12を径方向に重ねて配置している。そして、本実施例でも実施例1と同様に、常に発電運転をしている主発電機2の極数をp、もう一方の補助発電機3の極数をpとした場合、p/p>1.8としたものである。
このような実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られることは勿論、発電機システムの軸長を縮小できるため、発電機システムの体格を縮小できる効果がある。
図12に、本発明の回転電機システムの実施例4を示す。
該図に示す実施例では、図1に示した実施例1の構成において、主発電機2と補助発電機3の外径に合わせた段付きフレーム21を用いている。即ち、段付きフレーム21は、主発電機2が配置されている部分と補助発電機3が配置されている部分の径が異なり、段になるように構成されているものである。そして、本実施例でも実施例1と同様に、常に発電運転をしている主発電機2の極数をp、もう一方の補助発電機3の極数をpとした場合、p/p>1.8としたものである。
このような本実施例によれば、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、余分なスペースが無くなり、更なる省スペース化が図れ、軽量化が可能となる効果がある効果がある。
図13に、本発明の回転電機システムを風力発電システムに適応した実施例5を示す。
該図に示す如く、本実施例の風力発電システムは、風を受けて回転するロータ24と、このロータ24に増速機23を介して接続される本発明の回転電機システム22と、この回転電機システム22を内部に収納するナセル(図示せず)と、ナセルを支持するタワー(図示せず)とから構成され、主発電機25と補助発電機26は、ロータ24の回転力により回転すると共に、主発電機固定子巻線と補助発電機固定子巻線は、電力系統27側に接続されているものである。
これにより、ロータ24が受けた風のエネルギーを回転電機システム22が電気エネルギーに変換し、電力系統27に送電することができる。
このような本実施例によれば、上述した実施例の回転電機システムを採用しているので、装置の大型化が防止でき、ナセルの小型化に寄与することができる。
また、電力変換器28と並列に遮断器29を設けることにより、系統故障時に加わる過大な電力から、電力変換器28を保護できる。更に、増速機23を失くしたギアレスシステムに本発明を適用しても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1、22…回転電機システム、2、25…主発電機、3、26…補助発電機、4、13、14、28…電力変換器、5…主発電機回転子、6…主発電機固定子、7…主発電機固定子巻線、8…主発電機回転子巻線、9…補助発電機固定子、10…補助発電機回転子、11…補助発電機固定子巻線、12…補助発電機回転子巻線、15…回転軸、16…回転電機フレーム、17、19、20…アーム、18…電力変換器フレーム、21…段付きフレーム、23…増速機、24…ロータ、27…電力系統、29…遮断器。
本発明の回転電機システムは、上記目的を達成するために、第1の固定子巻線を有する第1の固定子、第1の回転子巻線を有すると共に、前記第1の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第1の回転子から成る第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子、第2の回転子巻線を有すると共に、前記第2の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第2の回転子から成る第2の回転電機と、前記第1及び第2の回転電機と電気的に接続されている電力変換器とを備え、前記第1及び第2の回転電機と前記電力変換器が機械的に回転軸に接続されて成り、かつ、前記2つの回転電機のうち、常に発電運転をしている回転電機の極数をp回転速度が同期速度より大きい場合は発電機として動作し、小さい場合は励磁機として動作する回転電機の極数をpとした場合、p/p>1.8となることを特徴とする。

Claims (11)

  1. 第1の固定子巻線を有する第1の固定子、第1の回転子巻線を有すると共に、前記第1の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第1の回転子から成る第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子、第2の回転子巻線を有すると共に、前記第2の固定子の内径側に所定の間隙を介して配置されている第2の回転子から成る第2の回転電機と、前記第1及び第2の回転電機と電気的に接続されている電力変換器とを備え、前記第1及び第2の回転電機と前記電力変換器が機械的に回転軸に接続されて成り、かつ、前記2つの回転電機のうち、常に発電運転をしている回転電機の極数をp、もう一方の回転電機の極数をpとした場合、p/p>1.8となることを特徴とする回転電機システム。
  2. 請求項1に記載の回転電機システムにおいて、
    前記第1の固定子と前記第2の固定子は、電力系統に電気的に接続されていることを特徴とする回転電機システム。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機システムにおいて、
    前記第1の回転電機と前記第2の回転電機及び前記電力変換器は、同一の回転電機フレーム内に配置されていることを特徴とする回転電機システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、
    前記電力変換器が配置されている電力変換器フレームは、前記第1の回転電機の内径側に配置されていることを特徴とする回転電機システム。
  5. 請求項4に記載の回転電機システムにおいて、
    前記第1の回転電機の固定子と第2の回転電機の固定子は、前記回転電機フレームに複数のアームを介して接続され、かつ、前記第1の回転電機の回転子は、前記電力変換器フレームの一端に複数のアームを介して接続されていると共に、前記電力変換器フレームの他端は、前記回転軸に接続され、更に、前記第2の回転電機の回転子は、前記回転軸に複数のアームを介して接続されていることを特徴とする回転電機システム。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、
    前記電力変換器フレームは、前記第1の回転電機の回転子と第2の回転電機の回転子の両方の内径側に跨いで配置されていることを特徴とする回転電機システム。
  7. 請求項6に記載の回転電機システムにおいて、
    前記第1の回転電機の固定子と第2の回転電機の固定子は、前記回転電機フレームに複数のアームを介して接続され、かつ、前記第1の回転電機の回転子と第2の回転電機の回転子は、内部に前記電力変換器が配置されている電力変換器フレームの外側に複数のアームを介して接続されていると共に、前記電力変換器フレームの内側は、前記回転軸に接続されていることを特徴とする回転電機システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、
    前記第1の回転電機の固定子巻線と回転子巻線と前記第2の回転電機の固定子巻線と回転子巻線が径方向に重なるように配置されていることを特徴とする回転電機システム。
  9. 請求項3乃至8のいずれか1項に記載の回転電機システムにおいて、
    前記回転電機フレームは、前記第1の回転電機が配置されている部分と前記第2の回転電機が配置されている部分の径が異なり、段になるように構成されていることを特徴とする回転電機システム。
  10. 風を受けて回転するロータと、該ロータに主軸を介して接続される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転電機システムと、該回転電機システムを内部に収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備え、
    前記第1及び第2の回転電機は、前記ロータの回転力により回転すると共に、前記第1及び第2の回転電機の固定子巻線は、電力系統側に接続されていることを特徴とする風力発電システム。
  11. 請求項10に記載の風力発電システムにおいて、
    前記回転電機システムの電力変換器と並列に遮断器が設置されていることを特徴とする風力発電システム。
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