JP5933123B1 - 回転電機システムまたは風力発電システム - Google Patents

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Abstract

重量アンバランスを低減するべく、第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有すると共に前記第1の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第1の回転子とを備える第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有すると共に前記第2の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第2の回転子とを備える第2の回転電機と、前記第1の回転子巻線及び前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、かつ少なくとも前記第1の回転子または前記第2の回転子のいずれかの内径側に配置される電力変換器と、前記電力変換器に備えられるコンデンサとを備え、前記コンデンサの数が3の倍数であることを特徴とする。

Description

本発明は回転電機システムまたは風力発電システムに係り、特に、第1の回転電機(主発電機)と第2の回転電機(補助発電機)を備えているものに好適な回転電機システムまたは風力発電システムに関するものである。
近年、地球温暖化防止のため風力発電或いは太陽光発電等のような自然エネルギーを利用した発電システムが注目を浴びている。この中で、風力を利用した風力発電システムでは、発電装置として交流励磁式回転電機を使用する例が多い。
風力発電システムの発電装置として交流励磁式回転電機を使用する場合、運転中は、回転している回転子内の回転子巻線に励磁電力を供給する必要がある。通常は、回転子巻線に電力を供給するために、スリップリング及びブラシを設け、回転するスリップリングにブラシを接触させて通電するようにしている。
しかし、風力発電システムにおいて発電運転を行うためのエネルギーは大きく、発電運転を行う上での励磁電力供給用にスリップリング及びブラシを設けると、ブラシの摩耗が進んでしまうため、定期的なメンテナンスが必要となる。
ところが、風力発電システムでは、交流励磁式回転電機は風車のタワー上にあるナセル内に設置されており、定期的なメンテナンスは、ナセル内という限られた空間内で行う必要があり、ブラシレス化などのメンテナンス軽減が求められていた。
ブラシレスの交流励磁式回転電機として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、固定子巻線を有する固定子と、回転子巻線を有すると共に、該固定子の内径側に間隙を設けて配置される回転子と、更に第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有すると共に、該第2の固定子の内径側に間隙を設けて配置される第2の回転子とを有する第2の回転電機と、前記回転子巻線及び前記第2の回転子巻線に電気的に接続される電力変換器とを備え、前記回転子の回転時には、前記電力変換器は回転する様に配置されていることが記載されている。これにより、第2の回転電機を介して、第1の回転電機の回転子に電力を供給できるようになり、ブラシレス化が可能となる。
特開2013-110801号公報
特許文献1では、電力変換モジュールの配置について言及しており、回転子に配置される変換器は三相巻線用のため3つのモジュールを3つに分解できる。このとき回転子内部でスパイダ18間に電力変換器モジュールを周方向120度間隔で相分離して均等に設置することにより、回転時の重量アンバランスが解消され振動等が発生しない、とある。しかしながら、電力変換器には、直流電圧平滑のためのコンデンサ必要となるため、このコンデンサも回転子内に配置する必要がある。ここで、コンデンサを重量アンバランスに配置することでも、回転による振動や偏心の原因となる。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、重量アンバランスを低減することができる回転電機システムまたは風力発電システムを提供することにある。
本発明にかかる回転電機システムは、上記目的を達成するために、第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有すると共に前記第1の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第1の回転子とを備える第1の回転電機と、第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有すると共に前記第2の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第2の回転子とを備える第2の回転電機と、前記第1の回転子巻線及び前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、かつ少なくとも前記第1の回転子または前記第2の回転子のいずれかの内径側に配置される電力変換器と、前記電力変換器に備えられるコンデンサとを備え、更に少なくともいずれかの前記回転子の内部には、回転軸に接続される複数本のアームを備え、前記コンデンサの数が3の倍数であり、前記コンデンサは複数の前記アーム間に回転対称に配置されることを特徴とする。

また、本発明にかかる風力発電システムは、風を受けて回転するロータと、該ロータに主軸を介して接続される上記回転電機システムと、該回転電機システムを内部に収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備え、各前記回転電機は、前記ロータの回転力により回転し、各前記固定子巻線は、電力系統に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、重量アンバランスを低減することができる回転電機システムを提供することが可能になる。
実施例1における回転電機システムの概要を示す断面図である。 実施例1における電力変換器回路を示す回路図である。 実施例1における主発電機と回転軸、6本のアームの接続を示す斜視図である。 実施例1における1相分の電力変換器回路を示す回路図である。 実施例1における1相分の電力変換器回路を電力変換器配置スペースに配置するため変形した回路図である。 実施例1における電力変換器回路を電力変換器配置スペースに配置するため変形した回路図である。 実施例2における主発電機と回転軸、12本のアームの接続を示す斜視図である。 実施例2における電力変換器回路を示す回路図である。 実施例2における1相分の電力変換器回路を示す回路図である。 実施例2における1相分の電力変換器回路を電力変換器配置スペースに配置するため変形した回路図である。 実施例2における電力変換器回路を電力変換器配置スペースに配置するため変形した回路図である。 本発明の回転電機システムの実施例3を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例3を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例4を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例5を示す断面図である。 本発明の回転電機システムの実施例6を示す断面図である。 本発明の回転電機システムを採用した風力発電システムを示す概略構成図である。(実施例7) 本発明の回転電機システムの実施例8を説明する図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の回転電機システム及び風力発電システムを説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を用いて説明する。
図1に、本発明の回転電機システムの実施例1を示す。なお、以下に説明する主発電機と補助発電機は、いずれもその固定子と回転子の間隙が径方向に形成されるラジアルギャップ方式の回転電機である。また、電力変換器は、電圧形方式の電力変換器である。
該図に示す如く、本実施例の回転電機システム1は、電力系統に発電電力を送るための発電機として働く第1の回転電機である主発電機2と、運転条件により励磁機と発電機の2つの働きをする第2の回転電機である補助発電機3と、主発電機2及び補助発電機3と電気的に接続される電力変換器4とを備える。
主発電機2は、主発電機固定子5と、この主発電機固定子5の内径側に所定の間隙を設けて配置される主発電機回転子6と、主発電機固定子5に設けられているスロット内に短節巻にて二層に巻回される三相の主発電機固定子巻線7と、主発電機回転子6内に設けられているスロット内に全節巻にて二層に巻回される三相の主発電機回転子巻線8とから構成されている。なお、三相の主発電機固定子巻線7及び三相の主発電機回転子巻線8は、電気的に120°間隔で配置されている。
また、補助発電機3も同様に、補助発電機固定子9と、この補助発電機固定子9の内径側に所定の間隙を設けて配置される補助発電機回転子10と、補助発電機固定子9に設けられているスロット内に短節巻にて二層に巻回される三相の補助発電機固定子巻線11と、補助発電機回転子10内に設けられているスロット内に全節巻にて二層に巻回される三相の補助発電機回転子巻線12とから構成されている。なお、三相の補助発電機固定子巻線11及び三相の補助発電機回転子巻線12は、電気的に120°間隔で配置されている。
上述した主発電機2と補助発電機3は、後述するが運転モードが異なる。具体的には、主発電機2は常に発電運転をするが、補助発電機3は回転速度により、励磁機として運転する場合と、発電機として運転する場合がある。
一方、図1では集約的に表記しているが、上記電力変換器4は、主発電機2に電気的に接続されている電力変換器と、補助発電機3に電気的に接続されている電力変換器とにより構成されている。また、主発電機2に電気的に接続されている電力変換器と補助発電機3に電気的に接続されている電力変換器は、電気的に直流で接続されている。これにより各電力変換器は、それぞれACとDCを変換するだけで足りる。
また、上述した主発電機2と補助発電機3及び電力変換器4は、回転軸13に機械的に接続されている。
電力変換器4は、主発電機の内径の電力変換器配置スペース15に配置されており、補助発電機の内径側には配置されていない。これは、主発電機の方がトルクが大きくなるため、体格も大きく、電力変換器4を内蔵するスペースを広く確保できるためである。本実施例では、係るメリットを考慮して主発電機の内径の電力変換器配置スペース15に配置して補助発電機の内径側には配置しない場合を説明しているが、無論、補助発電機の内径側にも併せて電力変換器を配置する場合や、本実施例とは逆に補助発電機の内径の電力変換器配置スペースに配置して主発電機の内径側には配置しないものを排除するものではない。前者については、特に後述の実施例8で説明している。
また、運転条件に合わせ制御するために、電力変換器4は外部から指令情報を受信したり、運転状況の情報を送信する必要がある。そこで、本実施例では、電力変換器4が回転しているため、情報の伝達に無線による通信が有効であり、電力変換器4には、無線による情報の送受信が可能な装置を接続することが好ましい。しかしながら、情報の伝達のためのエネルギーは大きくないため、ブラシを用いても摩耗が少ない。従って、電力変換器4の情報伝達のためのブラシ、スリップリングを設けても良い。また、同様に、アースのためのブラシ、スリップリングを設けても良い。
図2に、電力変換器の回路の一例を示す。電力変換器の回路は、主発電機側のU相上相電力変換モジュール14、U相下相電力変換モジュール15、V相上相電力変換モジュール16、V相下相電力変換モジュール17、W相上相電力変換モジュール18、W相下相電力変換モジュール19、補助発電機側の主発電機側のU相上相電力変換モジュール20、U相下相電力変換モジュール21、V相上相電力変換モジュール22、V相下相電力変換モジュール23、W相上相電力変換モジュール24、W相下相電力変換モジュール25、とコンデンサ26により構成される。1相分電力変換器は、電力変換モジュール1相分とコンデンサとを備えている。
ここで、図3に示すように、主発電機と回転軸はアーム27により接続されるため、主発電機回転子内径(電力変換器配置スペース)はアームにより分割される。そのため、分割された電力変換器配置スペース28に電力変換器を重量アンバランスを防ぐように配置する必要がある。本実施例においては、電力変換器4は、主発電機の内径の電力変換器配置スペース15に配置される一方で、補助発電機の内径側には設けられていない。そして、電力変換器4は、主発電機回転子の内部に配置されるが、補助発電機回転子の内部には配置されていない。ここで、主発電機側変換電力変換器モジュールは3相であるため、必ず3の倍数個となる。同様に、補助発電機側変換電力変換器モジュールも3相であるため、必ず3の倍数個となる。よって、電力変換器4を重量アンバランスを防ぐように配置するためには、電力変換器配置スペース28を6つとし、主発電機側1相分変換電力変換器モジュールと、補助発電機側1相分変換電力変換器モジュールを交互に配置する必要がある。したがって、(一つの回転電機内に、全ての電力変換器モジュールを入れ込む場合、)スペースに無駄が生じない様に配置する上では、アームを6本とすることが好ましい。勿論、6以上の3の倍数本にしても回転対称に形成することは可能である。
また、電力変換器4に備えられるコンデンサ26も分割された電力変換器配置スペースに配置する必要があるため、主発電機側1相分変換電力変換器モジュールを配置したスペースにN個のコンデンサを、補助発電機側1相分変換電力変換器モジュールを配置したスペースにM個のコンデンサを配置したとすると、コンデンサ数はN×3+M×3=3(N+M)となる。ここで、NとMは0以上の整数であり、更に(N+M)は1以上の整数である。つまりは、電力変換器を重量アンバランスを防ぐように配置するためには、コンデンサ数を3の倍数とする必要がある。コンデンサは複数の前記アーム間に回転対称に配置される。
ここで、図2の回路を、N=1、M=2とした場合の主発電機側と補助発電機側の1相分の回路を図4に示す。図4の回路を電力変換器配置スペース28に配置するために、回路を変形すると、図5となる。図5のように、軸方向に上相電力変換モジュール29、下相電力変換モジュール30、コンデンサ31と順に並べている。続いて、図5の回路を、全相接続すると図6となる。図中の一点鎖線は、アームによる区切りを示している。図6からわかるように、アームによる区切りを超える配線(渡りバスバー32)が必要となる。渡りバスバー32は、隣り合うアーム27間に交互に配置される両発電機側の1相分電力変換器の上相分電力変換モジュール同士を接続する上相用渡りバスバーと、隣り合うアーム27間に交互に配置される両発電機側の1相分電力変換器の下相分電力変換モジュール同士を接続する下相用渡りバスバーとを備える。さらに、渡りバスバーは軸方向電力変換モジュール側に配置することなるため、アームは、軸方向コンデンサ側に配置することが望ましい。これにより、アームが渡りバスバーを妨げることが無くなり、アームをよけるように渡りバスバーを湾曲させる必要や、アームにわたりバスバーを通す穴をあける必要が無くなる。
なお、今回は主発電機側電力変換器の電力変換モジュールを3個×上下2箇所×3相=18個、補助発電機側電力変換器の電力変換モジュールを2個×上下2箇所×3相=12個、コンデンサを9個として説明したが、上記の条件を満たせば他の個数でも同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、コンデンサの直列数をLとした場合、今回はL=1として説明したが、Lが2以上でも同様の効果が得られることは言うまでもない。より一般化して説明すると、主発電機側の電力変換モジュール1相分とN×L個のコンデンサを有する主発電機側1相分電力変換器、及び、補助発電機側の電力変換モジュール1相分とM×L個のコンデンサを有する補助発電機側1相分電力変換器は、隣り合うアーム27間に交互に配置される。これにより回転対称に配置することができ、重量バランスを低減できる。
実施例1では、アーム27の本数を6とし、変換器配置スペース28を6つに分割することで、重量アンバランスを防ぐように電力変換器を配置したが、図7のように、アーム33の本数を12としても、スペースを効果的に利用しつつ、重量アンバランスを防ぐことができる。実施例1では、主発電機または補助発電機の一つの回転電機側の電力変換モジュール1相分につき、アーム間の変換器配置スペース1箇所分を用いていた。一方、本実施例では、一つの回転電機側の電力変換モジュール1相分を更に上相と下相の2つに分けて各々別の変換器は位置スペース1箇所分を用いている。
図8に電力変換器の回路を示す。ここで、図8は、N=2、M=2として、主発電機側と補助発電機側の1相分の回路を図9に示す。図9の回路をアームで区切られた電力変換器配置スペースに配置するために、回路を変形した場合図10となる。図10では、上相電力変換モジュールと下相電力変換モジュールを周方向に配置している。これにより、上相電力変換モジュールと下相電力変換モジュールを別々のアーム33に分けられた変換器配置スペース34に配置できるようになる。図10の回路を、全相接続すると図11となる。図中の一点鎖線は、アーム33による区切りを示している。図11からわかるように、アーム33を12本とした場合も渡りバスバー32が必要となる。この場合は、アームを電力変換モジュール側に配置することが望ましい。
なお、本実施例では主変換機側の電力変換モジュールを3個×上下2箇所×3相=18個、主変換機側の電力変換モジュールを2個×上下2箇所×3相=12個、コンデンサを12個として説明したが、上記の条件を満たせば他の個数でも同様の効果が得られる。本実施例についてより一般化して次の様に説明することが可能である。N1とN2、M1、M2を0以上の整数、但し、(N1+N2+M1+M2)は1以上、更にLを1以上の整数とした場合に、電力変換器を構成するコンデンサは3(N1+N2+M1+M2)個並列に接続され、かつL列直列に接続されていることになる。但し、N1は、主発電機側1相分の上相変換電力変換器モジュールを配置したスペースに配置されるコンデンサの数を指す。また、N2は、主発電機側1相分の下相変換電力変換器モジュールを配置したスペースに配置されるコンデンサの数を指す。そして、M1は、補助発電機側1相分の上相変換電力変換器モジュールを配置したスペースに配置されるコンデンサの数を指す。さらに、M2は、補助発電機側1相分の下相変換電力変換器モジュールを配置したスペースに配置されるコンデンサの数を指す。
Lについては、実施例1と同様に、コンデンサの直列数を表す。
そして、主発電機側の電力変換モジュール1相上相分とN1×L個のコンデンサを有する主発電機側1相上相分電力変換器、及び、主発電機側の電力変換モジュール1相下相分とN2×L個のコンデンサを有する主発電機側1相下相分電力変換器、及び、補助発電機側の電力変換モジュール1相上相分とM1×L個のコンデンサを有する補助発電機側1相上相分電力変換器、及び、補助発電機側の電力変換モジュール1相下相分とM2×L個のコンデンサを有する補助発電機側1相下相分電力変換器は、隣り合う前記アーム間に交互に配置される。これによっても、回転対称に配置することができ、かつ重量バランスを低減することが可能である。
図12に、本発電機システムの第3実施例を示す。該図に示す実施例では、アーム間に平板34を配置している。図13のように、この平板の内径側に電力変換器を構成する電力変換モジュール35及びコンデンサ36を固定することで、回転による遠心力に対し、電力変換モジュール、コンデンサが飛散することを防ぐことができる。
なお、図12、13はアームの本数を6としているが、アームの本数を12本としても同様の効果が得られる等、アームの本数については上述した実施例と同様のことが当てはまる。
図14に、本発電機システムの第3実施例を示す。該図に示す実施例では、電力変換モジュール35よりも遠心力方向側(具体的には、遠心力方向外側)に冷却フィン37を取り付けている。これにより、電力変換モジュールの冷却性能向上、さらに、コンデンサと電力変換モジュールの端子位置を近づけることができ、バスバーの簡略化が可能となる。なお、冷却風により冷却する場合、電力変換モジュールに対し、コンデンサを冷却風の風上に配置したほうが良い。これは、一般に、コンデンサの方が耐熱温度が低いためである。
図15に、本発電機システムの第5実施例を示す。該図に示す実施例では、主発電機2、補助発電機3、電力変換器4を同一のフレーム38内に配置している。これにより、主発電機と補助発電機間のスペースが小さくなる。さらに、1つの冷却用熱交換器により主発電機と補助発電機を冷却できる。よって、発電機システムを小型化できる。
図16に、本発電機システムの第6実施例を示す。該図に示す実施例では、主発電機2と電力変換器4を同一のフレーム39内に配置し、補助発電機3を別のフレーム40に配置し、それぞれの回転軸を中空のカップリング41で接続し、電力変換器の補助発電機の回転子巻線を中空カップリング41を介して接続している。これにより、主発電機と補助発電機を分割できるため、製造、運搬が容易となる。 なお、主発電機2と補助発電機3は、発電システム設置時に接続すればよい。
図17に、本発明の回転電機システムを風力発電システムに適用した実施例7を示す。該図に示す如く、本実施例の風力発電システムは、風を受けて回転するロータ44と、このロータ44に増速機43を介して接続される本発明の回転電機システム42と、この回転電機システム42を内部に収納するナセル50と、ナセル50を支持するタワー51とから構成される。尚、本実施例では、ナセル50内には、回転電機システム42の他、増速機43及び下述する遮断器49も併せて配置されている。主発電機45と補助発電機46は、ロータ44の回転力により回転すると共に、主発電機固定子巻線と補助発電機固定子巻線は、電力系統47側に接続されているものである。
これにより、ロータ44が受けた風のエネルギーを回転電機システム42が電気エネルギーに変換し、電力系統47に送電することができる。
このような本実施例によれば、上述した回転電機システムを採用しているので、回転による回転による振動や偏心の心配がなく安定した発電運転が可能となる。
なお、電力変換器48と並列に遮断器49を設けても良い。これにより、系統故障時に加わる過大な電力から、電力変換器48を保護できる。また、増速機43を失くしたギアレスシステムに本発明を適用しても良い。
上記各実施例では、電力変換器は、主発電機の回転子内部に配置されるが、補助発電機の回転子内部には配置されない場合について説明してきた。
しかし、図18のように、アームを主発電機の回転子内部及び補助発電機の回転子内部の各々に設けて、主発電機側の電力変換器配置スペースを主発電機の内径に、補助発電機の電力変換器配置スペースを補助発電機内径にそれぞれ分けて設けることも可能である。これにより、それぞれの電力変換器配置スペースは3となるため、主発電機と補助発電機それぞれのアーム33を3本とすることができ、配置スペースを拡大できる。この場合には、アームの本数に6本未満の3の倍数(即ち3本)を含めることも可能である。
なお、今回は主変換機側の電力変換モジュールを3個×上下2箇所×3相=18個、主変換機側の電力変換モジュールを2個×上下2箇所×3相=12個、コンデンサを9個として説明したが、上記の条件を満たせば他の個数でも同様の効果が得られる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…回転電機システム、2…主発電機、3…補助発電機、4…電力変換器、5…主発電機固定子、6…主発電機回転子、7…主発電機固定子巻線、8…主発電機回転子巻線、9…補助発電機固定子、10…補助発電機回転子、11…補助発電機固定子巻線、12…補助発電機回転子巻線、13…回転軸、14…主発電機側U相上相電力変換モジュール、15…主発電機側U相下相電力変換モジュール、16…主発電機側V相上相電力変換モジュール、17…主発電機側V相下相電力変換モジュール、18…主発電機側W相上相電力変換モジュール、19…主発電機側W相下相電力変換モジュール、20…補助発電機側U相上相電力変換モジュール、21…補助発電機側U相下相電力変換モジュール、22…補助発電機側V相上相電力変換モジュール、23…補助発電機側V相下相電力変換モジュール、24…補助発電機側W相上相電力変換モジュール、25…補助発電機側W相下相電力変換モジュール、26、31、36…コンデンサ、27、33…アーム、28、34…電力変換器配置スペース、29…上相電力変換モジュール、30…下相電力変換モジュール、32…渡りバスバー、34…平板、35…電力変換モジュール、37…冷却フィン、38、39、40…フレーム、41…カップリング、42…発電システム、43…増速機、44…ロータ、45…主発電機、46…補助発電機、47…電力系統、48…電力変換器、49…遮断器、50…ナセル、51…タワー。

Claims (14)

  1. 第1の固定子巻線を有する第1の固定子と、第1の回転子巻線を有すると共に前記第1の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第1の回転子とを備える第1の回転電機と、
    第2の固定子巻線を有する第2の固定子と、第2の回転子巻線を有すると共に前記第2の固定子の内径側でかつ所定の間隙を介して配置される第2の回転子とを備える第2の回転電機と、
    前記第1の回転子巻線及び前記第2の回転子巻線と電気的に接続され、かつ少なくとも前記第1の回転子または前記第2の回転子のいずれかの内径側に配置される電力変換器と、
    前記電力変換器に備えられるコンデンサとを備え、
    更に少なくともいずれかの前記回転子の内部には、回転軸に接続される複数本のアームを備え、
    前記コンデンサの数が3の倍数であり、
    前記コンデンサは複数の前記アーム間に回転対称に配置されることを特徴とする回転電機システム。
  2. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    前記電力変換器は、前記第1の回転子の内部に配置されると共に、前記第2の回転子の内部に配置されないことを特徴とする回転電機システム。
  3. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    前記アームの本数は、6以上の3の倍数本であることを特徴とする回転電機システム。
  4. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    前記アームの本数は、6本であり、
    NとMを0以上の整数、但し、(N+M)は1以上とし、Lを1以上の整数とした際に、前記電力変換器を構成する前記コンデンサは3(N+M)個並列に接続され、かつL列直列に接続されており、
    前記電力変換器を構成する、前記第1の回転電機側の電力変換モジュール1相分とN×L個のコンデンサを有する第1の回転電機側1相分電力変換器、及び、前記第2の回転電機側の電力変換モジュール1相分とM×L個のコンデンサを有する第2の回転電機側1相分電力変換器は、隣り合う前記アーム間に交互に配置されることを特徴とする回転電機システム。
  5. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    更に、隣り合う前記アーム間に交互に配置される両回転電機側の前記1相分電力変換器の上相分電力変換モジュール同士を接続する上相用渡りバスバーと、
    隣り合う前記アーム間に交互に配置される両回転電機側の前記1相分電力変換器の下相分電力変換モジュール同士を接続する下相用渡りバスバーとを備えることを特徴とする回転電機システム。
  6. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    前記アームの本数は、12本であり、N1とN2、M1、M2を0以上の整数、但し、(N1+N2+M1+M2)は1以上とし、Lを1以上の整数とした際に、前記電力変換器を構成するコンデンサは3(N1+N2+M1+M2)個並列に接続され、かつL列直列に接続されており、
    前記電力変換器を構成する、前記第1の回転電機側の電力変換モジュール1相上相分とN1×L個のコンデンサを有する前記第1の回転電機側1相上相分電力変換器、及び、前記第1の回転電機側の電力変換モジュール1相下相分とN2×L個のコンデンサを有する前記第1の回転電機側1相下相分電力変換器、及び、
    前記第2の回転電機側の電力変換モジュール1相上相分とM1×L個のコンデンサを有する前記第2の回転電機側1相上相分電力変換器、及び、
    前記第2の回転電機側の電力変換モジュール1相下相分とM2×L個のコンデンサを有する前記第2の回転電機側1相下相分電力変換器は、隣り合う前記アーム間に交互に配置されることを特徴とする回転電機システム。
  7. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    更に、両回転電機側の前記1相分電力変換器の上相分電力変換モジュール同士を接続する渡りバスバーと、両回転電機側の前記1相分電力変換器の下相分電力変換モジュール同士を接続する渡りバスバーとを備えることを特徴とする回転電機システム。
  8. 請求項に記載の回転電機システムであって、
    前記アームの本数は、3の倍数であり、前記アームは前記第1の回転子の内部及び前記第2の回転子の内部の各々に設けられ、各前記回転電機に設けられる前記アームの本数は、3の倍数であり、
    前記電力変換器は、前記第1の回転子の内部及び前記第2の回転子の内部の各々に配置されることを特徴とする回転電機システム。
  9. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    更に、前記アーム間に配置される平板を備え、
    前記平板の内径側に前記電力変換器を配置したことを特徴とする回転電機システム。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    更に、前記電力変換器を構成する電力変換モジュールよりも遠心力方向側に冷却フィンを設置したことを特徴とする回転電機システム。
  11. 請求項1ないし1のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    更に、前記第1の回転電機と前記第2の回転電機、前記電力変換器を内部に収めるフレームを備えることを特徴とする回転電機システム。
  12. 請求項1ないし1のいずれか1項に記載の回転電機システムであって、
    更に、前記第1の回転電機と前記電力変換器を内部に収める第1のフレームと、
    前記第2の回転電機を内部に収める第2のフレームと、
    各前記回転電機の回転軸を接続する中空のカップリングを備えることを特徴とする回転電機システム。
  13. 風を受けて回転するロータと、該ロータに主軸を介して接続される請求項1ないし1のいずれか1項に記載の回転電機システムと、該回転電機システムを内部に収納するナセルと、該ナセルを支持するタワーとを備え、
    各前記回転電機は、前記ロータの回転力により回転し、
    各前記固定子巻線は、電力系統に接続されていることを特徴とする風力発電システム。
  14. 請求項1に記載の風力発電システムであって、
    更に前記電力変換器と並列に配置される遮断器を備えることを特徴とする風力発電システム。
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