JPWO2014136209A1 - シャッター開閉機構および換気扇 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、換気扇は壁に形成された貫通孔に据え付けられるものであって、全体を支持し壁に固定する機能を持ち、室内側と室外側とがそれぞれ開口した枠体と、枠体に支持された電動機と、電動機の回転軸にスピンナー(固定手段)によって着脱可能に固定されたファンと、枠体に固定され、ファンを包囲して風洞を形成する着脱可能なオリフィスを備えている。
そして、電源ケーブルによって供給される電源を、引き紐式スイッチ等により制御することによってファン(電動機)を回転駆動させ、室内側の空気と室外側の空気との間に気流を形成し、室内を換気している。
また、枠体には、換気を行わないときに室内と室外とを遮断するためのシャッターが備えられている。例えば、風圧式のシャッターは、ファン(電動機)を起動しファンによる気流が形成されると、シャッターを押す圧力によって開放(室内と室外とが連通)され、ファン(電動機)を停止しファンによる気流が形成されないと、シャッターを押す圧力が無くなりシャッターは閉鎖(室内と室外とを遮断)する。
すなわち、複数のシャッター軸と複数の連結軸とは、互いに平行であって、複数のシャッター軸が配置されている面(仮想面)と、複数の連結軸が配置されている面(仮想面)とは平行になっている(例えば、特許文献1参照)。
シャッター開閉機構において、風圧によるトルクは、圧力の性質上シャッターが開くほど低下するトルクであるため、同一の気流条件でシャッターをより開かせるためには、シャッター開閉補助機構を備えることで補助トルクを発生させてシャッターが閉じる方向のトルクを相殺するか、シャッター板の質量を下げて閉じ方向のトルク自体を下げる必要がある。
すなわち、壁取付けの場合(図5A参照)は「m・g・L・sin(ψ+θ)」、天井取付けの場合(図5B参照)は「m・g・L・cos(ψ+θ)」で表される。
また、シャッター板20cに同じ形状の複数枚のシャッター板が同じ角度で動作するよう連結される場合、自重によって閉じる方向のトルクの合計は、前述の式において質量mを複数枚のシャッター板の合計質量に置き換えて求められる。
閉じ方向のトルクと開き方向のトルクのグラフ交点がシャッターが釣り合い停止する角度である。したがって、前述したように風圧による開き方向のトルクはそのままにして、シャッターをより開くようにするには、閉じ方向のトルクを下げる必要がある。
すなわち、シャッター開閉補助機構を用いて閉じ方向のトルクを相殺する場合、壁取付用の換気扇と天井取付用の換気扇では最適な補助トルクの特性は異なり、壁取付けではシャッターが開くほど補助トルクが大きくなる必要があるのに対し、天井取付けではシャッター開き角度θによらず一定の補助トルクが出ているか、シャッターが開くほど補助トルクが低下すれば良い。
すなわち、壁取付用換気扇と天井取付用換気扇に分けた場合は専用部品が必要になることから生産効率が悪く、シャッター板の材料を軽量とする場合には材料コストが高いことや耐熱性により換気扇の用途が限定される問題がある。
なお、本発明において「ばね」とは、文字通り「コイルばね等」に限定するものではなく、一対の部材に跨がって連結された際、該一対の物体同士の距離の変動によって、該一対の物体間に作用する力が変動する弾性体を含むものである。
図1A〜図2Bは、本発明の実施の形態1に係るシャッター開閉機構を説明するものであって、図1Aは壁取付けに対応した場合の、シャッターが閉じたときを示す側面図、図1Bは壁取付けに対応した場合の、シャッターが開いたときを示す側面図、図2Aは天井取付けに対応した場合の、シャッターが閉じたときを示す側面図、図2Bは天井取付けに対応した場合の、シャッターが開いたときを示す側面図である。なお、各図は、部材の一部(枠体の側壁)を透視したものであって、模式的に示しているから、本発明は図示された形態に限定するものではない
シャッター板20a、20b、20cは、略矩形状のシャッター面21a、21b、21cを有し、シャッター面21a、21b、21cの一方(図1において、上側)の側縁22a、22b、22c寄りの位置に設けられたシャッター回転軸41a、41b、41cにおいて、枠体10に回転自在に設置されている。
また、一方の側縁22a、22b、22c寄りの位置には、シャッター面21a、21b、21cに対して傾斜した(シャッター面21a等に対して平行または同一面でない)シャッター腕40a、40b、40cが固定され、シャッター腕40a、40b、40cは、シャッター腕40a、40b、40cに設けられた連結回転軸43a、43b、43cにおいて、連結板30によって互いに連結されている。
そして、壁取付けに対応する場合には、ばね取付部45a1とばね取付部45bに跨がってばね50が取り付けられている(図1A、図1B参照)。一方、天井取付けに対応する場合には、ばね取付部45a2とばね取付部45bに跨ってばね50が取り付けられる(図2A、図2B参照)。
すなわち、ばね50の一方の端部のシャッター腕40aへの取付位置が、壁取付けに対応する場合と天井取付けに対応する場合とで相違している。このとき、ばね50は伸長または圧縮された状態で取り付けられているから、シャッター腕40aとシャッター腕40bとには(シャッター板20aとシャッター板20bとには)、互いに反対方向に回転させようとするトルクが作用している。
また、本発明は3枚のシャッター板20a、20b、20cに限定するものではなく、シャッター板は複数であれば何枚であってもよい。
なお、以下、それぞれの部材(部位)について共通の内容を説明する場合には、部材(部位)に付した符号の小番「a、b、c」の記載を省略する。
そして、シャッター板20の一部を折り曲げ加工して、シャッター腕40をシャッター板20と一体的に形成してもよいことから、シャッター回転軸41は、シャッター板20の回転軸、あるいはシャッター腕40の回転軸に相当している。また、シャッター回転軸41の構造は限定するものではなく、軸部または軸受部を、それぞれ固定側または回転側の何れに設けてもよい。
また、ばね50(ばね50の荷重方向)が回転線分46a1となす角度である荷重角度を「α1」とし、ばね50(ばね50の加重方向)が回転線分46bとなす角度である荷重角度を「β1」としたとき、シャッター板20が開く(シャッター開き角度「θ」が増加する)につれて、荷重角度α1は直角に向かって増加し、β1は0°に向かって減少するように、ばね取付部45a1、45bは配置されている。
そうすると、シャッター腕40aには「ばね荷重Q1」と「A1・sinα1」で算出されるトルクアーム長さC1との積「Q1・C1=Q1・A1・sinα1」であるシャッター板20aを開く方向の「トルクTa1」が作用する。一方、シャッター腕40bには、「ばね荷重Q1」と「B・sinβ1で」算出されるトルクアーム長さD1との積「Q1・D1=Q1・B・sinβ1」であるシャッター板20bを閉じる方向の「トルクTb1」が発生する。このとき、シャッター腕40aとシャッター腕40bとは連結板30によって繋がれていることにより、シャッター開閉機構100には、2つのトルクの差分(Ta1−Tb1)である開閉補助トルクが発生する。
また、ばね50(ばね50の荷重方向)が回転線分46a2となす角度である荷重角度を「α2」とし、ばね50(ばね50の加重方向)が回転線分46bとなす角度である荷重角度を同様に「β2」としたとき、シャッター板20が開く(シャッター開き角度「θ」が増加する)につれて、荷重角度α2は90°付近から始まり180°に向けて増加し、β2は0°に向かって減少するように、ばね取付部45a2、45bは配置されている。
そうすると、シャッター腕40aには、ばね50を45a1に係止した場合には「ばね荷重Q2」と「A2・sinα2」で算出されるトルクアーム長さC2との積「Q2・C2=Q2・A2・sinα2」であるシャッター板20aを開く方向の「トルクTa2」が作用する。
一方、シャッター腕40bには、「ばね荷重Q2」と「B・sinβ2で」算出されるトルクアーム長さD2との積「Q2・D2=Q2・B・sinβ2」であるシャッター板20bを閉じる方向の「トルクTb2」が発生する。このとき、シャッター腕40aとシャッター腕40bとは連結板30によって繋がれていることにより、シャッター開閉機構100には、2つのトルクの差分(Ta2−Tb2)である開閉補助トルクが発生する。
一方、シャッター腕40bにおけるトルクアーム長さD2は短くなる。このため、シャッター板20bに発生するシャッター板20bを閉じる方向に作用するトルクTb2は減少する。このとき「A2>B」であることより、シャッター開閉機構100において、開閉補助トルク((Ta2−Tb2)>0)はシャッター板20がより大きく開くほど緩やかに減少することになる。
このため、同様にθが増すほど増加する補助トルク(Ta1−Tb1)によって相殺されると、補助後の閉じ方向のトルク(図中、太実線にて示す)はシャッター板20のシャッター開き角度θが大きくなっても殆ど増加しない特性となり、トルクの釣り合うシャッター開き角度θは大きくなる。
これに対し、補助トルク(Ta2−Tb2)は「θ=0°」付近を最大として緩やかに減少していく特性であるので、補助後の閉じ方向のトルク(図中、太実線にて示す)は、風圧による開き方向のトルクを上回っていた状態が改善され、また、風圧による開き方向のトルクの減少よりも緩やかな傾斜で減少する特性となり、シャッター板20が大きく開いた角度で風圧による開き方向のトルクと釣り合うようになる。
図7A、図7Bは本発明の実施の形態2に係る換気扇を説明するものであって、図7Aは換気扇を壁取付に用いた場合について、図7Bは換気扇を天井取付に用いた場合について、各部材を分離して模式的に示す斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7A、図7Bにおいて、換気扇200は、建造物の壁または天井に形成された貫通孔(図示しない)に据え付けられるものであって、実施の形態1において説明したシャッター開閉機構100と、シャッター開閉機構100の枠体10の側壁11、13に跨がって固定された電動機固定梁211と、電動機固定梁211に固定された電動機212と、電動機212の電動機回転軸213にスピンナー(固定手段)214によって着脱可能に固定されたファン215と、枠体10に着脱自在に設置され、ファン215を包囲して風洞を形成する(ファン215からの送風をシャッター板20に向かって案内する風路を形成する)着脱可能なオリフィス216と、を備えている。
したがって、使用者が図示しない壁スイッチ等により電源線221に通電し電動機212を起動(ON)したとき、シャッター板20はファン215からの送風による風圧を受ける。このとき、シャッター板20には実施の形態1において説明したシャッター板20を開かせる方向に作用する開閉補助トルクが作用しているから、風圧と開閉補助トルクによってシャッター板20は円滑かつ確実に開くことになる。
そして、使用者が、再度壁スイッチ等により電動機212を停止(OFF)すると、シャッター面21に作用する風圧が無くなるため、開閉補助トルクのみではシャッター板20の重さを支えられず、シャッター板20は閉まる方向に回転する。さらに、シャッター開度が小さくなって、トルクアーム長さが「C<D」になった以降は、シャッター板20には閉じる方向の開閉補助トルクが作用するため、シャッター板20はシャッターが閉じた状態において室外からの風に煽られて室内外に気圧差が発生しても、確実に閉じた状態を保持することになる。
Claims (3)
- 矩形状の枠体と、
一方の側縁寄りの位置が、前記枠体に回転自在に軸支された複数のシャッター板と、
該シャッター板が同時に開閉動作するよう該シャッター板同士を連結する連結板と、
前記シャッター板のうちの一対のシャッター板を繋ぐように取付けられたばねと、
前記一対のシャッター板の少なくとも一方のシャッター板に複数設けられ、前記ばねの一方の端部を取り付けることができるばね取付部と、を有し、
前記複数のばね取付部のうちの何れかのばね取付部を選択して、該選択されたばね取付部に前記ばねの一方の端部を取り付けることによって、前記シャッター板の開閉を補助するトルクの特性を変更することを特徴とするシャッター開閉機構。 - 前記一対のシャッター板のうちの一方のシャッター板は、第1のばね取付部および第2のばね取付部の2つのばね取付部を備え、前記一対のシャッター板のうちの他方のシャッター板は1つのばね取付部である第3のばね取付部を備え、
前記一方のシャッター板における前記軸支された位置から前記第1のばね取付までの距離および前記軸支された位置から前記第2のばね取付までの距離は、何れも、前記他方のシャッター板における前記軸支された位置から前記第3のばね取付部までの距離よりも長く、
前記一方のシャッター板が回転した際、前記第1のばね取付位置と前記軸支された位置とを結ぶ仮想線が前記ばねの荷重方向となす角度は、0°〜90°の範囲で増加し、前記第2のばね取付位置と前記軸支された位置とを結ぶ仮想線が前記ばねの荷重方向となす角度は90°〜180°の範囲で増加し、
前記他方のシャッター板が回転した際、前記第3のばね取付位置と前記軸支された位置とを結ぶ仮想線が前記ばねの荷重方向となす角度は、0°〜90°の範囲で減少することを特徴とする請求項1記載のシャッター開閉機構。 - 請求項1または2記載のシャッター開閉機構と、
前記枠体に設置された電動機と、
該電動機の回転軸に着脱自在に設置されたファンと、
前記枠体に着脱自在に設置され、前記ファンからの送風を前記複数のシャッター板に向けて案内するオリフィスと、
を有することを特徴とする換気扇。
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