JPWO2014126181A1 - ワイヤレス給電装置 - Google Patents

ワイヤレス給電装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014126181A1
JPWO2014126181A1 JP2015500297A JP2015500297A JPWO2014126181A1 JP WO2014126181 A1 JPWO2014126181 A1 JP WO2014126181A1 JP 2015500297 A JP2015500297 A JP 2015500297A JP 2015500297 A JP2015500297 A JP 2015500297A JP WO2014126181 A1 JPWO2014126181 A1 JP WO2014126181A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resonance
power
coil
power transmission
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015500297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6115626B2 (ja
Inventor
達也 細谷
達也 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2014126181A1 publication Critical patent/JPWO2014126181A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115626B2 publication Critical patent/JP6115626B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • H02J7/025
    • H04B5/79
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F38/00Adaptations of transformers or inductances for specific applications or functions
    • H01F38/14Inductive couplings
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/10Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling
    • H02J50/12Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling of the resonant type
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/50Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using additional energy repeaters between transmitting devices and receiving devices
    • H04B5/22
    • H04B5/26

Abstract

送電コイル(np)、送電回路(101)および直流電源(100)によって送電装置が構成されている。また、受電コイル(ns)、受電回路(201)および負荷(Ro)によって受電装置が構成されている。さらに、共鳴コイル(nsm)および共鳴回路(301)によって共鳴装置が構成されている。送電装置は、直流電源が有する電気エネルギーを直接的に電磁界エネルギーに変換し、送電コイル(np)および共鳴コイル(nsm)に同一周波数の共振電流を流すことにより共鳴フィールドを拡大し、受電装置は、共鳴フィールドが有する電磁界エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換し、このことで送電装置から受電装置へ電力を伝送する。

Description

本発明は、送電装置、受電装置および共鳴装置で構成されるワイヤレス給電装置に関するものである。
近年、電子機器の小型軽量化および低消費電力化、さらには電池容量の増大化に伴い、電池駆動の電子機器が増加している。また、近距離では機器間のデータ通信を無線で行う利用形態も増えている。これらの事情に伴って電力についても近距離での給電技術が注目されている。
例えば、従来の非接触型の充電システムは、特許文献1に示されるように、充電台等に一次側コイルを備える送電装置と、二次コイルおよび充電電池を備えた携帯電子機器とで構成されていて、ユーザは携帯電子機器を送電装置に載置する。これにより、送電装置の一次側コイルと携帯電子機器の二次側コイルとが電磁誘導結合(磁界結合)して充電装置側へ電力が供給され、二次電池が充電される。
特開2008−206327号公報
特許文献1の非接触型の充電システムにおいては、送電コイルと受電コイルとは電磁誘導を利用した絶縁トランスとして作用し、磁気結合を利用した変圧器として利用しているに過ぎない。電磁誘導を利用したトランスでは、1次巻線に流れる電流により発生した磁束を2次巻線に鎖交させて電流を流し、電気から磁気、そして電気へと効率よく変換することが重要となっている。
電磁誘導を利用したワイヤレス給電装置においては、電力変換効率を高めるために、1次巻線と2次巻線との磁気結合度を如何に高めるかが重要となっている。しかしながら、磁気飽和を防止するため、または物理的な制約により、トランスの磁気結合度を大きくすることが困難な場合も多く、結果的に高い電力変換効率が得られない。
また、近年、共鳴方式を用いたワイヤレス給電技術の研究開発が活発化している。2007年にMIT(マサチューセッツ工科大学)より報告され注目を集めた、周波数10MHz、伝送距離2mでの電力伝送実験では、電力効率が約15%と非常に低い。その主な理由は、コルピッツ発振回路を用いて高周波交流電流を発生させたためと推察される。コルピッツ発振回路における電力増幅回路において、交流電流を発生させる段階で多くの電力を失っていると考えられる。ワイヤレス給電における最重要課題は、高効率な高周波交流電流の発生であるといっても過言ではない。
本発明は電磁界共鳴結合を形成してワイヤレス給電を行う装置に関する。電磁界共鳴結合でワイヤレス給電を行う場合には次のような課題がある。
(1) 従来の磁界共鳴技術では、磁束を発生させるための電力源には高周波交流源を適用しており、A級増幅回路のリニアアンプなどが用いられてきた。しかしながら、電力増幅回路は電力損失が大きく、例えばA級増幅回路では、交流電力を発生させるための電力効率は、理論上の最高でも50%である。すなわち、電力増幅回路を用いると電力効率の非常に悪いワイヤレス給電システムが構成される。
(2) 従来の磁界共鳴技術では、送電コイルが発生した磁束のうち受電コイルに鎖交した磁束は磁路として扱われ、磁路における磁束密度が大きい方が伝送効率を高めやすい、という観点で送電コイルと受電コイルの位置関係は限定的に扱われてきた。このため、送電コイルと受電コイルは互いに対向配置させることが基本であり、配置位置の制約を受ける。
(3) 従来の磁界共鳴技術では、送電コイルが発生させた磁束のうち受電コイルに鎖交した磁束が磁路として扱われ、磁路における磁束密度が大きい方が伝送効率を高めやすい、という観点で送電コイルと受電コイルの形状は同一に形成されている。そのため、形状的制約を受ける。
本発明の目的は、電力伝送効率が高く、各装置の配置位置および形状の自由度が高い、ワイヤレス給電装置を提供することにある。
本発明のワイヤレス給電装置は次のように構成される。
(1) 電気エネルギーを供給する直流電源と、この直流電源に電気的に接続される送電コイルとを備えた送電装置と、
電気エネルギーを消費する負荷と、この負荷に電気的に接続された受電コイルとを備えた受電装置と、
前記送電コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記送電コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される送電共振回路と、
前記送電共振回路に電気的に接続され、オンオフするスイッチング動作により前記送電共振回路に前記直流電源を断続的に与えるスイッチ素子と、このスイッチ素子を制御して前記送電共振回路に共振電流を発生させるスイッチング制御回路と、を含む送電スイッチング回路と、
前記受電コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記受電コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される受電共振回路と、
前記受電共振回路に電気的に接続され、共振電流による電気エネルギーを前記負荷へ供給する受電負荷回路と、を備え、
前記送電装置および前記受電装置は空間を隔てて配置され、
前記送電コイルは、前記送電スイッチング回路の動作により前記直流電源から電気エネルギーを取り出して共振電流を発生させるとともに、この共振電流によりスイッチング周波数fsで周期的に変化する電磁界を空間に直接つくり、空間そのものがエネルギーをもって振動する電磁界の共鳴フィールドを形成し、
前記受電コイルは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成することを特徴とする。
上記構成により、送電装置は、直流電源が有する電気エネルギーを直接的に電磁界エネルギーに変換し、受電装置は、共鳴フィールドが有する電磁界エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換する。このような機構により送電装置から受電装置へ電力を伝送することができる。このように、電気エネルギーと電磁界エネルギーを直接的に変換することにより、エネルギー損失を低減することができる。また、シンプルなワイヤレス給電装置を構成することができる。
(2) 前記共鳴フィールドは、前記送電コイルまたは前記受電コイルから、前記スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成されることが好ましい。この構成により、各コイルから1/5波長の範囲以内に共鳴フィールドが形成される。
(3) 前記送電コイルおよび前記受電コイルが存在する近傍界の空間に配置される少なくとも1つの共鳴コイルを含む共鳴装置と、
前記共鳴コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記共鳴コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される共鳴共振回路と、を備え、
前記共鳴コイルは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成することが好ましい。
上記構成により、共鳴装置により共鳴フィールドが形成されて共鳴フィールドを拡大することができ、広範囲で送電装置から受電装置へ効率良く電力を伝送できる。
(4) 前記共鳴フィールドは、前記共鳴コイルから、前記スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成される。
(5) 前記受電負荷回路は、整流回路を有し、直流の電気エネルギーを前記負荷に供給する構成であることが好ましい。これにより、負荷に直流の電気エネルギーを供給することができ、負荷を並列接続することで複数の負荷への電力供給も可能となる。
(6) 前記スイッチング制御回路は、前記送電共振回路の、前記送電スイッチング回路が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、スイッチング周波数fsが、fs=fr±30%の関係であることが好ましい。これにより、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xがほぼ0となる共振周波数でスイッチングされて、高エネルギーの共鳴フィールドを形成することができる。
(7) 前記送電共振回路と前記共鳴共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。これにより、共鳴フィールドを形成するスイッチング周波数の設定が容易となる。
(8) 前記共鳴共振回路と前記受電共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。このことにより、共鳴フィールドの拡大が容易となる。
(9) 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1=r2=r3の関係を有することが好ましい。これにより、送電コイルの径と共鳴コイルの径と受電コイルの径をそれぞれほぼ同一の大きさとすることでコイル外形の小型化を達成しながら効率よく電力を伝送できる。径をほぼ同一の大きさとすることで、許容されるコイル径の寸法に対して最大の伝送効率を得ることができる。
(10) 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1>r2>r3の関係を有することが好ましい。これにより、電力伝送効率を維持しつつ受電装置の小型化が図れる。
(11) 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1<r2<r3の関係を有することが好ましい。これにより、電力伝送効率を維持しつつ送電装置の小型化が図れる。
(12) 前記スイッチ素子はFETであり、前記送電スイッチング回路は前記FETの寄生容量、および逆並列ダイオードを含むことが好ましい。これにより、FETの寄生容量、逆並列ダイオードを利用してスイッチング回路を構成でき、部品数を削減して、ワイヤレス給電装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
(13) 前記スイッチング制御回路は、前記送電共振回路の、前記送電スイッチング回路が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、スイッチング周波数fsをfs≧frの関係にして、前記虚部XがX≧0の関係となるスイッチング周波数fsが設定されていることが好ましい。これにより、負荷の変化に対してスイッチング素子のZVS(ゼロ電圧スイッチング)動作を行うことが可能となる。そのため、スイッチング損失が低減され高効率化を図ることができ、ワイヤレス給電装置の小型軽量化を図ることができる。
(14) 前記スイッチング制御回路は、前記スイッチ素子の両端電圧がゼロ電圧付近に低下した際に前記スイッチ素子をターンオンするように制御してゼロ電圧スイッチング動作をするように構成されていることが好ましい。これにより、スイッチ素子の両端電圧がゼロ電圧付近に低下した際にターンオンすることで、スイッチング損失をより低減でき、そのことで、高効率化を図ることができ、ワイヤレス給電装置の小型軽量化を図ることができる。
(15) 前記共鳴装置は前記近傍界の空間に複数配置されていることが好ましい。これにより、共鳴装置を送電コイルと受電コイルが存在する近傍界の空間に複数配置することで、共鳴フィールドを効果的に拡大でき、送電装置および受電装置の位置自由度を高めることができる。
(16) 複数の前記共鳴共振回路がそれぞれ独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。これにより、共鳴フィールドの拡大が容易になる。
(17) 前記共鳴コイルは、前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心とを結ぶ線分上に当該共鳴コイルの中心が重ならない位置に配置されていることが好ましい。これにより、送電コイルと受電コイルを対向させることなく電力を伝送することができ、送電装置および受電装置の配置の自由度を高めることができる。
(18) 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置が有するスイッチング周波数は、±30%の範囲内で同一であることが好ましい。これにより、送電装置が複数配置されることで共鳴フィールドを拡大でき、それぞれの送電装置のスイッチング周波数をほぼ同一とすることで、共鳴フィールドの電磁界エネルギーを大きくできる。
(19) 前記受電装置は複数配置され、それぞれの受電装置が有する受電共振回路の共振周波数は、±30%の範囲内で同一であることが好ましい。これにより、複数の受電装置が有する共振回路の共振周波数をほぼ同一とすることで、より大きな電気エネルギーを収穫できる。
(20) 前記受電コイルは複数配置され、それぞれの受電コイルが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給されるように構成されていることが好ましい。これにより、負荷に供給可能な電気エネルギーを容易に大きくできる。
(21) 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置が有するスイッチング周波数はISM(Industry-Science-Medical) バンドであることが好ましい。これにより、周辺機器への電磁雑音による干渉が抑制され、電磁環境両立性(EMC)を得ることができる。
(22) 前記送電装置は、前記スイッチング周波数以外の周波数成分を除去するフィルタを備えていることが好ましい。これにより、周辺機器への電磁雑音による干渉が抑制され、電磁環境両立性を得ることができる。
(23) 前記送電装置および前記受電装置は電波を介して通信する通信回路を備えていることが好ましい。これにより、送電装置から適切な対象の受電装置に適切なタイミングで適切な電力量を伝送することができる。または受電装置から適切な対象の送電装置へ適切なタイミングで通信を行うことができる。これにより、適切な電力量の受電が容易となる。
(24) 前記通信回路は前記送電コイルに接続され、前記送電コイルを通信に兼用することが好ましい。これにより、送電装置が有するコイルは、電力の送電と通信用アンテナの役割を兼ねることになり、装置の小型軽量化を達成できる。
(25) 前記通信回路は前記受電コイルに接続され、前記受電コイルを通信に兼用することが好ましい。これにより、受電装置が有するコイルは、電力の受電と通信用アンテナの役割を兼ねることになり、装置の小型軽量化を達成できる。
(26) 前記共鳴装置は前記共鳴コイルに接続された通信回路を備え、前記共鳴コイルを通信に兼用することが好ましい。これにより、共鳴装置が有するコイルは、共鳴フィールドの拡張と通信用アンテナの役割を兼ねることになり、装置の小型軽量化を達成できる。
本発明によれば、送電装置は、直流電源が有する電気エネルギーを直接的に電磁界エネルギーに変換し、受電装置は、共鳴フィールドが有する電磁界エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換し、このことで送電装置から受電装置へ電力を伝送することができる。このように、電気エネルギーと電磁界エネルギーを直接的に変換することにより、エネルギー損失を低減することができる。また、シンプルなワイヤレス給電装置を構成することができる。
図1は、第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の実証実験の様子を示す図(写真)である。 図2は第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の実証実験の様子を示す別の図(写真)である。 図3(A)は第1の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。図3(B)はその一部の等価回路図である。 図4は図3(A)の各部の波形図である。 図5は、複数のコイル(送電コイル、受電コイルおよび共鳴コイル)を配置した状態でのこれら複数のコイルにより形成される電磁界共鳴フィールドによる磁界の強度を示す図である。 図6は電磁界共鳴フィールドの拡大の様子を示す概念図である。 図7は第2の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。 図8(A)は、第2の実施形態に係るワイヤレス給電装置における送電コイルnp、共鳴コイルnsmまたは受電コイルnsのうち隣接する2つのコイル付近に生じる磁界強度を示す図である。図8(B)はその電界強度を示す図である。 図9は、第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。 図10は、第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスの周波数特性を示す図である。 図11は第5の実施形態に係るワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。 図12は第5の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。 図13(A)、図13(B)は第6の実施形態に係るワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図14(A)、図14(B)第6の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図15(A)、図15(B)第6の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図16(A)、図16(B)第6の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図17(A)、図17(B)第6の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図18は複数の送電装置、複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを強めた例である。 図19は、複数の送電装置、複数の受電装置を備えるワイヤレス給電装置の概略構成図である。 図20は第8の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。 図21は第9の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。 図22は第10の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。 図23(A)は、本発明に係る直流共鳴方式の基本回路図、図23(B)は従来の低電力効率システムの基本回路図である。
本発明の具体的な実施の形態を示す前に、本発明のワイヤレス給電装置の優位性について説明する。
本発明のワイヤレス給電装置(以下「直流共鳴方式」のワイヤレス給電装置という。)は従来の磁界共鳴方式によるシステムに比べて、システム構成がよりシンプルで、電源を含めたシステムの全電力効率が高いという特徴がある。また、伝送距離が変化したり、電力の伝送相手が複数になったりして負荷が大きく変化しても、電力伝送の効率が大きく低下しないという特徴もある。
従来のワイヤレス伝送各方式と比べると、直流共鳴方式には次のような特性を期待できる。
まず、磁界共鳴方式と比べて、システムの全電力効率を高められる。システム構成は圧倒的にシンプルになる。次に、電磁誘導方式と比べて、送受電デバイスの位置自由度が高い。また、送受電デバイスが軽量になる。電界結合方式と比べ、伝送距離を大きくしたい場合に優位である。そして、無線電波方式と比較して、伝送電力が大きい。
直流共鳴方式と従来の磁界共鳴方式との主な違いとして以下のような点が挙げられる。
(1)直流共鳴方式では、直流電力源とLC共振器(共鳴デバイス)が電磁界の近傍界である「共鳴フィールド」を直接形成する。
(2) (1)の結果として、システム構成が簡素になり、小型軽量化を実現できる。
(3) (1)の結果として、電源の電力を共鳴フィールドに変換する変換効率が高い。
(1) の直流電力源を用いることは、我々が利用できる電気エネルギーのほとんどが直流電力源であることから、有用性が高い。家庭内のコンセントから供給される50Hzや60HzといったAC100Vの商用交流電源でさえも、ACアダプタ、または家電製品内のAC-DC変換器で整流平滑することにより直流電力源として利用していることが殆どである。乾電池や2次電池は、いうまでもなく直流電力源である。
そして、こうした直流電源を利用することで、システムの回路構成が大幅に簡素になる。現在、一般に用いられている磁界共鳴方式の送電装置は、商用交流電源から始まり、絶縁を得るための電源装置、高周波電流を出力する発振増幅装置、整合装置、及び送電デバイスからなる。受電装置は、受電デバイスから始まり、整流平滑回路、負荷との整合を行うDC-DC変換器などとなる。負荷が2次電池などの場合は、さらに充放電回路なども必要になる。
こうした多くの電力変換装置を利用していることは、電力の利用効率を高める上では致命的である。例えば、送受電デバイスの伝送効率を80%、五つの電力伝送装置の電力効率も80%とした場合、給電システム全体の電力効率は、(0.8)6=0.262 により約26%となる。各装置の効率を85%としても0.856=0.377で全体の電力効率は約38%となる。システムとしては、非常に低い電力効率になってしまう。
図23(A)は、本発明に係る直流共鳴方式の等価的な基本回路図、図23(B)は従来の低電力効率システムの等価的な基本回路図である。本発明に係る直流共鳴方式では、直流電圧電源とスイッチング回路に共鳴デバイスが直接つながる形になる。この結果、電力の伝送に伴う損失が非常に小さくなり、従来方式に比べて電源電力を共鳴フィールドのエネルギーに変換する変換効率が高くなる。しかも、電源電力から共鳴フィールドへの変換効率が高いことで、多数の共鳴デバイスを利用した新しいワイヤレス電力伝送の用途も容易になる。
直流共鳴方式でのスイッチング回路には、高速スイッチング動作においてスイッチング損失などの電力損失が非常に小さいD級インバータなどで有用な「最適ZVS(zero voltage switching)動作」などの高度な回路技術を用いる。この回路構成であれば、出力インピーダンスはほぼ0Ωとなる。等価的な内部抵抗以外にはエネルギーを消費するものはほとんどなく、電磁界エネルギーもほとんど消費されない。
ただし、直流共鳴方式のワイヤレス給電装置は、単純に0ΩのD級インバータやE級インバータをワイヤレス給電装置に利用したものとも異なる。D級インバータやE級インバータでは、送電デバイスから見た負荷はほぼ一定の50Ωの純抵抗と見なせるように扱っている。基本的には、負荷が50Ωの場合のみ適切な共振が起こり、負荷に電力を供給することが可能となる。
一方、ワイヤレス給電では、送電デバイスから見た負荷は確定しない。つまり結合状態により見かけ上の負荷は変化する。さらに、負荷の消費電力も変化する。このため、本発明に係る直流共鳴方式では、送電デバイスから見た負荷インピーダンスのリアクタンスが0となるようなスイッチング周波数にて動作をさせることで直流の電力を用いて共鳴を引き起こしている。こうすれば、インピーダンス整合は不要となる。
これは、言い換えれば、負荷が一つ、または複数といった任意の負荷に対しても、共鳴コイルを複数配置した場合であっても、共鳴フィールドを適切に形成することができることを意味する。これに対して、これまでに学会などで報告されている共鳴型ワイヤレス給電システムの電源回路は、50Ω系通信技術を応用したものがほとんどである。しかし、この50Ω系電源を用いたシステムは、電力源から見れば電力供給部と出力負荷部を分圧している。結果、全電力効率は最大でも50%と著しく低い。50Ωを0Ωとしたくても、変化する負荷に対して電力を供給でき、MHzを超えた高周波の正弦波電圧源を得ることは技術的に至難である。加えて、従来技術では、送電デバイスと受電デバイスのそれぞれの共振器の自己共振周波数を高周波交流源の周波数と一致するように、または整合するように設計する必要がある。そして、高周波交流源の周波数において、インピーダンス整合が得られない電力は反射されて、出力インピーダンスである50Ωにて熱として消費されてしまう。
《第1の実施形態》
図1および図2は第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の実証実験の様子を示す図(写真)である。これらの図において、送電コイルnp、送電回路101および直流電源100によって送電装置が構成されている。また、受電コイルns、受電回路201および負荷Roによって受電装置が構成されている。さらに、共鳴コイルnsmおよび共鳴回路301によって共鳴装置が構成されている。
この例では、送電コイルnp、受電コイルnsおよび共鳴コイルnsmはいずれも1ターンのループコイルである。送電回路101は送電コイルnpと共に送電共振回路を構成し、直流電源100を入力して送電共振回路に共振電流を発生させる。これにより電磁界共鳴フィールドが生成される。
前記共鳴フィールドは、送電コイルnp、共鳴コイルnsmまたは受電コイルnsから、スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成される。すなわち、各コイルから1/5波長の範囲以内に共鳴フィールドが形成される。例えば、スイッチング周波数が10MHzの場合、1波長は約30mであり、その1/5の約6m以内の範囲においてワイヤレス給電を行うことができる。
受電回路201は受電コイルnsと共に受電共振回路を構成し、負荷Roへ直流電力を供給する受電負荷回路を構成している。ここで、負荷RoはLEDである。受電コイルnsは電磁界共鳴フィールド内で電磁界と結合するようにエネルギーのやり取りを行うとともに電磁界共鳴フィールドを拡張する。共鳴回路301は共振用キャパシタであり、このキャパシタと共鳴コイルnsmとによって共鳴共振回路を構成している。共鳴コイルnsmは電磁界共鳴フィールド内で電磁界と結合するようにエネルギーのやり取りを行い、電磁界共鳴フィールドを拡張する。
図3(A)は第1の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。図3(B)はその一部の等価回路図である。
ワイヤレス給電装置は、送電コイルnpを備える送電装置Txpと、共鳴コイルnsmを備える共鳴装置FRxpと、受電コイルnsを備える受電装置Rxpとを含んでいる。このワイヤレス給電装置は、送電装置Txpの入力部に入力電源Viを備え、受電装置Rxpの負荷Roへ安定した直流のエネルギーをワイヤレス給電するシステムである。
送電装置Txpは、送電コイルnpと、共振キャパシタCrと、スイッチ素子Q1,Q2と、これらスイッチ素子Q1,Q2を制御するスイッチング制御回路10を含む「送電スイッチング回路」とを備えている。
送電コイルnpと共振キャパシタCrとで「送電共振回路」が構成されている。
スイッチ素子Q1、逆並列ダイオードDds1および寄生キャパシタCds1の並列接続回路でスイッチ回路が構成されている。同様に、スイッチ素子Q2、逆並列ダイオードDds2および寄生キャパシタCds2の並列接続回路でスイッチ回路が構成されている。以下、逆並列ダイオード(寄生ダイオード)を単に「ダイオード」という。
スイッチング制御回路10は送電共振回路に接続され、上記スイッチ回路を所定のスイッチング周波数で交互にオンオフさせることにより、直流電源を送電共振回路に断続的に加えて送電共振回路に共振電流を発生させる。
この例では、送電スイッチング回路は2つのスイッチ回路を備えたハーフブリッジ回路を構成している。
受電装置Rxpは、受電コイルnsと、共振キャパシタCrsと、スイッチ素子Q3,Q4と、スイッチ素子Q3,Q4を制御するスイッチング制御回路20を含む受電側スイッチング回路と、平滑キャパシタCoとを備えている。
受電コイルnsと、それに等価的に直列に接続された共振キャパシタCrsとで「受電共振回路」が構成されている。
スイッチ素子Q3、ダイオードDds3およびキャパシタCds3の並列接続回路でスイッチ回路が構成されている。同様に、スイッチ素子Q4、ダイオードDds4およびキャパシタCds4の並列接続回路でスイッチ回路が構成されている。
スイッチング制御回路20は受電コイルnsに流れる電流を検出し、その極性反転に同期してスイッチ素子を交互にオンオフする。これにより、受電共振回路に流れる共振電流が電流の流れる方向の変化に同期して整流される。例えば、スイッチ素子にダイオードを用いる場合は、受電コイルnsに流れる電流を特に検出する必要はない。平滑キャパシタCoは受電側整流回路で整流された電圧を平滑する。これにより、負荷Roに直流電流が供給される。これらのスイッチ回路、スイッチング制御回路20および平滑キャパシタCoで「受電負荷回路」が構成されている。
共鳴装置FRxpは共鳴コイルnsmと共振キャパシタCrsmとで構成されている。
送電側のスイッチング制御回路10は入力電源Viを電源にして動作する。受電側のスイッチング制御回路20は、受電共振回路に発生する電圧、負荷への出力電圧、または別途設けられた電力供給源などを電源にして動作する。
図3(B)は、送電コイルnp、受電コイルnsおよび共鳴コイルnsm部分を等価回路で表した回路図である。送電コイルnpおよび受電コイルnsはいずれも、理想トランス、相互インダクタンスおよび漏れインダクタンスによる等価回路で表している。すなわち、送電コイルnpは、相互インダクタンスLm、漏れインダクタンスLrおよび抵抗Riで表される。同様に、受電コイルnsは、相互インダクタンスLms、漏れインダクタンスLrsおよび抵抗Risで表される。共鳴コイルnsmは、相互インダクタンスLmsm、漏れインダクタンスLrsmおよび抵抗Rismで表される。なお、図3(B)では明示していないが、送電コイルnp、受電コイルnsおよび共鳴コイルnsmの相互間には等価的な相互キャパシタンスも生じると考えられる場合もある。
送電コイルnpと受電コイルnsとの間に等価的に形成される相互インダクタンス(および相互キャパシタンス)で電磁界共鳴結合が生じ、送電共振回路と受電共振回路とが共鳴して、送電装置から受電装置へ電力が伝送される。一方、送電装置から送電されずに反射したエネルギー(無効電力)は送電共振回路に共振エネルギーとして保存される。また、受電装置が受電したエネルギーのうち出力に供給されずに反射したエネルギー(無効電力)も受電共振回路に共振エネルギーとして保存される。このように入射電力に対して透過電力とならない反射電力をエネルギー損失とすることなく、共振エネルギーとして保存することができる。
共鳴現象により、電磁界共鳴結合回路への入力電流iac in(t)は、共振電流の振幅をIacとして、近似的に次式で表すことができる。
iac in(t) =Iac sin(ωr t)
但し、ωr=2π/Tr (Tr:共振周期)
送電装置の直流電源入力端子間に正弦波電流iac in (t)が与えられる。この入力端子間には各周波数成分を含む電流が流入しようとするが、電磁界共鳴結合回路によってインピーダンスが大きくなる高次の周波数成分の電流(波形)はカットされ、共鳴動作を行なうことで、主にスイッチング周波数成分の共鳴電流波形のみが流れ、効率良く電力を伝送することができる。また、高調波成分による不要輻射も殆ど生じない。
例えば、7〜13MHzで0.1〜80Wの電力を2〜50mmの距離でワイヤレス給電する場合、送電コイルnpは例えば半径r=25〜75mm、導体線の線径φ=1〜2mmのオーダーである。
前記ループコイルは、金属線をループ状に成形することで、または回路基板にループ状の導体パターンを形成することで構成できる。
送電コイルnpの半径をr1、共鳴コイルnsmの半径をr2、受電コイルnsの半径をr3で表すと、r1,r2,r3にはいくつかの大小関係をもたせることができる。r1=r2=r3とすれば、コイル外形の小型化を達成しながら効率よく電力を伝送できる。すなわち許容されるコイル径の寸法に対して最大の伝送効率を得ることができる。また、r1>r2>r3の関係とすれば、電力伝送効率を維持しつつ受電装置の小型化が図れる。さらに、r1<r2<r3の関係とすれば、電力伝送効率を維持しつつ送電装置の小型化が図れる。
次に、図3(A)に示したワイヤレス給電装置の詳細な動作を、図4を参照して説明する。図4は図3(A)の各部の波形図である。
送電コイルnpの相互インダクタンスをLm、送電コイルnpの漏れインダクタンスをLr、受電コイルnsの相互インダクタンスをLms、受電コイルnsの漏れインダクタンスをLrsとする。また、スイッチ素子Q1,Q2のゲート・ソース間電圧をvgs1,vgs2、ドレイン・ソース間電圧をvds1,vds2とする。
スイッチ素子Q1,Q2は、両スイッチ素子がオフとなる短いデットタイムを挟んで交互にオンオフされ、デットタイム期間にQ1,Q2に流れる電流をそれぞれ転流させてZVS動作を行う。1スイッチング周期における各状態での動作は次のとおりである。
(1) 状態1 時刻t1〜t2
先ず、ダイオードDds1は導通する。ダイオードDds1の導通期間においてスイッチ素子Q1をターンオンすることでZVS動作が行われ、スイッチ素子Q1は導通する。送電コイルnpと受電コイルnsとの間に相互誘導によって等価的な相互インダクタンスLm,Lmsが形成され、Cr,Lr,Lm,Lms,Crs,Lrsからなる複共振回路において、送電共振回路と受電共振回路とが共鳴して、相互インダクタンスLm,Lmsに共振電流が流れ、電磁界共鳴結合を形成して、送電回路から受電回路へ電力が伝送される。送電側では、キャパシタCr、漏れインダクタンスLrに共振電流が流れる。受電側では、キャパシタCrsおよび漏れインダクタンスLrsに共振電流が流れ、スイッチ素子Q3,Q4により整流されて負荷に電力が供給される。
スイッチ素子Q1がターンオフすると状態2となる。
(2) 状態2 時刻t2〜t3
送電装置Txp側では、漏れインダクタンスLrに流れていた電流irにより、寄生キャパシタCds1は充電され、寄生キャパシタCds2は放電される。電圧vds1が電圧Vi、電圧vds2が0VになるとダイオードDds2が導通して状態3となる。
(3) 状態3 時刻t3〜t4
先ず、ダイオードDds2は導通する。ダイオードDds2の導通期間においてスイッチ素子Q2をターンオンすることでZVS動作が行われ、スイッチ素子Q2は導通する。送電コイルnpと受電コイルnsとの間に相互誘導によって等価的な相互インダクタンスLm,Lmsが形成され、Cr,Lr,Lm,Lms,Crs,Lrsからなる複共振回路において、送電共振回路と受電共振回路とが共鳴して、相互インダクタンスLm,Lmsに共振電流が流れ、電磁界共鳴結合を形成して送電回路から受電回路へ電力が伝送される。送電側では、キャパシタCr、漏れインダクタンスLrに共振電流が流れる。受電側では、キャパシタCrs、漏れインダクタンスLrsに共振電流が流れ、スイッチ素子Q3,Q4により整流されて負荷に電力が供給される。
スイッチ素子Q2がターンオフすると状態4となる。
(4) 状態4 時刻t4〜t1
送電装置Txp側では、漏れインダクタンスLrに流れていた電流irにより、寄生キャパシタCds1は放電され、寄生キャパシタCds2は充電される。電圧vds1が0V、電圧vds2がViになるとダイオードDds1は導通して再び状態1となる。
以後、状態1〜4を周期的に繰り返す。
なお、図3(A)に示した例では、スイッチング制御回路20は受電コイルnsに流れる電流を検出し、その極性反転に同期してスイッチ素子Q3,Q4を交互にオンオフするようにしたが、送電装置側のスイッチ素子Q1,Q2のスイッチングタイミング信号を送電装置Txpから受電装置Rxpへ伝送し、受電装置Rxp側で、スイッチ素子Q1,Q2のスイッチングタイミングに同期してスイッチ素子Q3,Q4を駆動するように構成してもよい。
図3(A)に示したワイヤレス給電装置の特徴的な作用は次のとおりである。
・送電コイルnpに対して電気的に直接的に接続されたスイッチング素子をスイッチング制御回路によりオンオフさせることにより、送電コイルnpと、この送電コイルnpと電気的に等価的に接続される共振キャパシタCrにより構成される送電共振回路に、直流電源を断続的に加えることにより送電共振回路に共振電流を発生させる。
・送電コイルは、直流電源から電気エネルギーを取り出して、周期的に共鳴周波数で変化する電磁界共鳴エネルギーを空間に発生させ、電磁界の共鳴フィールドを形成する。
・共鳴コイルは、共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成する。
・受電コイルは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成し、受電負荷回路に電気エネルギーを供給する。
・送電装置において、直流電源が有する電気エネルギーを直接的に電磁界エネルギーに変換し、送電コイルおよび前記共鳴コイルに同一周波数の共振電流を流すことにより前記共鳴フィールドを拡大し、受電装置において、共鳴フィールドが有する電磁界エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換し、送電装置から受電装置へ電力を伝送する。
・スイッチング動作を制御するスイッチング制御回路により伝送電力を制御する。
・スイッチング素子はZVS動作を行う。
図5は、複数のコイル(送電コイル、受電コイルおよび共鳴コイル)を配置した状態でのこれら複数のコイルにより形成される電磁界共鳴フィールドによる磁界の強度を示す図である。これは、ムラタソフトウェア株式会社製の有限要素法解析ソフトウエア「Femtet」(登録商標)を用いて解析した結果である。この図5から明らかなように、コイル近傍での磁界強度は大きく、電磁界共鳴フィールドが空間に広がっていることが分かる。
図6は電磁界共鳴フィールドの拡大の様子を示す概念図である。先ず、送電装置は直流電圧より電磁界共鳴フィールドを形成する。この電磁界共鳴フィールド中に受電装置を置くと、受電装置は電磁界共鳴フィールドを拡大する。そして、この電磁界共鳴フィールドに共鳴装置を置くとさらに電磁界共鳴フィールドは拡大する。送電装置、受電装置および共鳴装置は、電力伝送周波数における近傍界に存在する。
第1の実施形態によれば次のような効果を奏する。
(1) 電気エネルギーと電磁界エネルギーを直接的に変換することにより電力損失の少ないワイヤレス給電システムを構成できる。
(2) 直流電源から電磁界エネルギーを形成することができる。
(3) 負荷回路に整流回路を備えることで、電磁界エネルギーから直流電力を得ることができる。
(4) 共鳴装置により電磁界共鳴フィールドを拡大することができる。
(5) 直流電力から直流電力へのワイヤレス給電が可能である。
(6) 複数負荷への電力伝送が可能である。
(7) 様々な3次元方向の受電コイルへ給電が可能である。
(8) シンプルなワイヤレス給電装置を構成することができる。
(9) スイッチング動作を制御するスイッチング制御回路により伝送電力が制御できる。
(10) スイッチング素子がZVS動作を行うことでスイッチング素子の電力損失を大きく低減することができる。
なお、図3(A)に示したワイヤレス給電装置の回路トポロジーに注目すると、送電装置と受電装置を対称な構成にできる。受電装置にある2個のFETは整流回路として作用するが、この2個のFETはそのままスイッチング回路の発振素子として利用することもできる。つまり、双方向の電力伝送が可能になる。さらに、この受電側の回路ブロックはそのまま共鳴装置として利用し、ワイヤレスでの伝送距離を拡大したり、分岐させたりといったことが可能になる。すなわち、この回路ブロックは、送電、共鳴、受電のいずれの回路としても利用でき、ユニット化が可能である。
《第2の実施形態》
図7は第2の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。第1の実施形態で図3(A)に示したワイヤレス給電装置とは、送電コイルnp、共鳴コイルnsmおよび受電コイルnsの構成が異なる。図7に示す例では、送電コイルnp、共鳴コイルnsmおよび受電コイルnsはいずれもヘリカルアンテナ状に形成されている。送電コイルnpは、その浮遊容量で、図3(A)に示した共振キャパシタCrに相当するキャパシタを構成している。受電コイルnsは、その浮遊容量で、図3(A)に示した共振キャパシタCrsに相当するキャパシタを構成している。同様に、共鳴コイルnsmは、その浮遊容量で、図3(A)に示した共振キャパシタCrsmに相当するキャパシタを構成している。
図8(A)は、送電コイルnp、共鳴コイルnsmまたは受電コイルnsのうち隣接する2つのコイル付近に生じる磁界強度を示す図である。図8(B)はその電界強度を示す図である。いずれも上記有限要素法解析ソフトウエアで解析した結果である。この図8(A)、図8(B)から明らかなように、磁界強度はコイルを繋ぐように強度が大きくなり、コイルの近傍で電界強度が強くなることが分かる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態で示した作用効果以外に、共振キャパシタが不要になる、という効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置のスイッチング制御回路は、スイッチング周波数をfsとし、送電スイッチング回路に接続される送電共振回路から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスXで表すと、X=0となる共鳴周波数をfaとして、スイッチング周波数fsを共鳴周波数fa付近(fs=fr±30%)にて動作させる。
図9は、第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。ここで共振キャパシタCr,Crs は共振周波数が10MHz 付近となる値である。負荷抵抗Ro= 10Ωとし、距離dx を0.15,0.5,2.0,5.0,7.0cm と変化させたとき、前記入力インピーダンスおよび入力インピーダンスが極小となる共振周波数frは、図中矢印で示すように推移する。
例えば電力伝送距離dx=7cm(70mm)のとき、共振周波数fr≒10MHzであるので、スイッチング周波数fsは例えば10MHzとする。
このようにスイッチング周波数fsを共鳴周波数fa付近にて動作させることにより、電磁界の共鳴フィールドを形成することができる。共鳴周波数では、電磁界の共鳴エネルギーが大きくなり、電磁界エネルギーの送電量が大きくなる。その結果、空間を隔ててより離れたところへ大きな電力を伝送することができる。また、ワイヤレス給電装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置のスイッチング制御回路は、前記共振周波数frがスイッチング周波数fsより低い状態で動作させる。すなわち、スイッチング回路から見た複共振回路の入力インピーダンスを誘導性とする。
図10は、第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスの周波数特性を示す図である。ここで共振キャパシタCr,Crs は共振周波数が10MHz 付近となる値である。負荷抵抗Ro= 10Ωとし、距離dx を0.15,0.5,2.0,5.0,7.0cm と変化させたとき、前記リアクタンスは図10に示すように変位する。
距離dxが大きくなるに伴い、リアクタンスが0となる周波数が3つ、極大値が2つとなる双峰特性から、リアクタンスが0となる周波数が1つとなる単峰特性になることが分かる。入力インピーダンスのリアクタンスに注目すると3つの周波数を境に誘導性と容量性が入れ替わることが分かる。図10中の3つの丸印はdx=0.5cmにおいて、誘導性と容量性が入れ替わる周波数を示している。ZVS動作を実現するためには、入力インピーダンスを誘導性にして、電圧に対する遅れ電流を生成することが必要である。この遅れ電流によりデッドタイムにおいてスイッチ素子(FET)の寄生キャパシタCds1、Cds2 の充放電を行う。このため、例えば磁気結合が大きい双峰特性においては、動作スイッチング周波数fs は前記入力インピーダンスが誘導性となる周波数範囲内であることが必要である。
このようにして、スイッチング周波数を定めることで、全負荷範囲に亘ってスイッチング素子のZVS動作を行うことが可能となる。したがって、スイッチング素子の電力損失を大きく低減できる。また、スイッチング損失を低減することで高効率化を図ることができ、ワイヤレス給電装置を小型軽量化できる。
《第5の実施形態》
図11は第5の実施形態に係るワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。図11の例では、入力される直流電圧から、送電コイルnpに流す交流電流に対して相対的に直流電流とみなせる電流源を生成できる大きさのインダクタンス値をもつインダクタLfを備え、送電側には1つのスイッチ素子Q1のみを設けている。インダクタLfのインダクタンス値は、送電コイルnpのインダクタンス値よりも十分に大きく、スイッチング周波数において高インピーダンスとなるものであり、流れる電流の変動は十分に小さい。
図12は第5の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。図12の例では、4つのスイッチ素子Q1〜Q4によるブリッジ回路が構成されている。スイッチ素子Q1,Q4は共にオンオフし、スイッチ素子Q2,Q3は共にオフオンする。そして、スイッチ素子Q1,Q2は交互にオンオフする。このように、送電スイッチング回路をフルブリッジ構成とし、ブリッジ接続された4つのスイッチ素子を2組ずつ交互にオンオフすることで共振電流を発生させるようにしてもよい。
このように、送電装置側のスイッチ素子をブリッジ構成とすることで、各スイッチ素子に印加される電圧が低減され、ワイヤレス給電装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
《第6の実施形態》
図13〜図17の各図は第6の実施形態に係るワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。
図13(A)、図13(B)の例では、受電側整流回路はダイオードDs1,Ds2,Ds3,Ds4によるダイオードブリッジ回路で構成されている。図13(B)の例では、2つの共振キャパシタCrs1,Crs2を備え、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図14(A)、図14(B)の例では、受電側整流回路は半波整流回路を構成している。ダイオードDs1は共振キャパシタCrsに流れる電流を整流して負荷へ電流を供給する。図14(B)の例では、2つの共振キャパシタCrs1,Crs2を備え、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図15(A)、図15(B)の例では、受電側整流回路は倍電圧整流回路を構成している。ダイオードDs1,Ds2は共振キャパシタCrs1,Crs2に流れる電流を整流し、負荷へ倍電圧を供給する。図15(B)の例では、3つの共振キャパシタCrs,Crs1,Crs2を備え、この3つの共振キャパシタCrs,Crs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図16(A)、図16(B)の例では、受電側整流回路は倍電圧整流回路を構成している。ダイオードDs1,Ds2は共振キャパシタCrsに流れる電流を倍電圧整流し、負荷へ倍電圧を供給する。
図17(A)、図17(B)の例では、受電装置はセンタータップを有する受電コイルns1,ns2を備えている。この2つの受電コイルns1,ns2にそれぞれ整流回路が接続されている。これによりセンタータップ方式の整流回路が構成されている。受電コイルns1,ns2は必ずしもセンタータップを引き出すことで設けなくてもよく、2つのループコイルを直列接続してもよい。また、この2つのループコイル同士は必ずしも結合している必要はないので、受電コイルns1,ns2は互いに直交していてもよい。そのことにより、送電コイルnpと受電コイルns1,ns2との結合可能な方位角範囲(指向性)が広くなる。図17(B)の例では、受電コイルns1に2つの共振キャパシタCrs1,Crs3が接続され、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs3の分圧電圧を整流するように構成されている。同様に、受電コイルns2に2つの共振キャパシタCrs2,Crs4が接続され、この2つの共振キャパシタCrs2,Crs4の分圧電圧を整流するように構成されている。
《第7の実施形態》
図18および図19は、複数の送電装置、複数の受電装置を備えるワイヤレス給電装置の概略構成図である。特に図18は複数の送電装置、複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを強めた例である。図19は複数の送電装置、複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを拡大した例である。
このように、複数の送電装置、複数の受電装置により、電磁界の共鳴フィールドを拡大できる。また、複数の送電装置により伝送電力を大きくすることができる。また、複数の受電装置により、空間を隔てた複数の負荷に電力を供給することができる。また、複数の送電装置、複数の共鳴装置により、電磁界の共鳴フィールドを拡大し、受電装置の受電することができる位置自由度を高めることができる。
《第8の実施形態》
図20は第8の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。この例では、送電コイルnpと送電回路との間にフィルタ30を設けている。また、受電コイルnsと受電回路との間にフィルタ40を設けている。その他は図3(A)に示した構成と同じである。
上記フィルタ30,40は共鳴周波数の電力を透過し、共鳴周波数以外の周波数の電力を除去(反射)する帯域通過フィルタである。このようなフィルタを設けることにより、不要雑音の発生が抑制され、そのことで周辺機器に対する電磁干渉問題を低減して電磁環境両立性(EMC)を得ることができる。
電磁界共鳴周波数として、ISM (Industry-Science-Medical) バンドを用いることにより、周辺機器に対する電磁干渉問題を低減することができる。このISMバンドとして、例えば6.7MHz、または13.56MHz、または27.12MHz付近の周波数を利用する。
《第9の実施形態》
図21は第9の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。送電コイルnpを備える送電装置Txpと、共鳴コイルnsmを備える共鳴装置FRxpと、受電コイルnsを備える受電装置Rxpとを含んでいる。
受電装置Rxpは、共振キャパシタCrs1、整流ダイオードD41,D31、および平滑キャパシタCo1による受電回路と受電コイルns1の組、共振キャパシタCrs2、整流ダイオードD42,D32、および平滑キャパシタCo2による受電回路と受電コイルns2の組、共振キャパシタCrs3、整流ダイオードD43,D33、および平滑キャパシタCo3による受電回路と受電コイルns3の組を備えている。そして、3つの受電回路の出力を並列接続して1つの負荷Roへ直流電力を供給するように構成されている。
この例では、共鳴コイルnsm1および共振キャパシタCrsm1による共鳴装置FRxpと共鳴コイルnsm2および共振キャパシタCrsm2による共鳴装置FRxpとを備えている。
このように、複数の受電コイルがそれぞれ異なった位置に配置され、それぞれの受電コイルが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給されるように構成してもよい。これにより、負荷に供給可能な電気エネルギーを容易に大きくできる。
《第10の実施形態》
図22は第10の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。このワイヤレス給電装置において、送電装置には、入力電源Viを電源として動作し、送電コイルnpを通信用のコイル(近傍界アンテナ)として利用する通信回路50を備えている。また、受電装置には、整流平滑電圧を電源として動作し、受電コイルnsを通信用のコイル(近傍界アンテナ)として利用する通信回路60を備えている。すなわち、送電コイルnpおよび受電コイルnsは電力伝送と信号通信の役割を兼ねる。これにより、送電装置の小型軽量化を達成できる。
通信信号は電力伝送の周波数をキャリア周波数とし、それを変調することで重畳される。したがって、通信信号も電磁界共鳴フィールドを介して通信される。この通信により、送電装置から適切な(目的の)受電装置へ各種データやタイミング信号を伝送できる。または、受電装置から適切な(目的の)送電装置へ各種データやタイミング信号を伝送できる。例えば、送電装置側の各種状態または受電装置側の各種状態を相互にやりとりできる。あるいは、受電装置は送電装置のスイッチ素子のスイッチングに同期して同期整流することもできる。
信号伝送は電力伝送とは異なり、電力伝送効率が悪くても損失増大には繋がらないので、上記通信信号は電力伝送用の周波数とは独立させてもよい。
図22に示した例では、送電装置および受電装置に通信回路50,60を設けたが、共鳴装置FRxpに、整流平滑回路と共に通信回路を備えてもよい。
なお、以上に示した各実施形態では、ループコイルまたはヘリカルアンテナ状のコイルを用いた例を示したが、その他にスパイラル状コイルを用いることもできる。また、磁性体コアを含むコイルであってもよい。
また、以上に示した各実施形態では、送電コイルおよび受電コイルの両方がループコイルまたはヘリカルアンテナ状のコイルである例を示したが、異なったタイプのコイルが混在していてもよい。
また、以上に示した実施形態では、共通の送電装置からそれぞれ受電する複数の受電装置を備えた例を示したが、共通の受電装置に対して複数の送電装置から給電するようにしてもよい。
また、複数の受電装置により受電された電気エネルギーを集めて1つまたは複数の負荷に直流電力を供給されるように構成してもよい。
Cds1,Cds2,Cds3,Cds4…寄生キャパシタ
Co…平滑キャパシタ
Cr,Crs,Crsm…共振キャパシタ
Crs1,Crs2,Crs3,Crs4…共振キャパシタ
Dds1,Dds2,Dds3,Dds4…逆並列ダイオード
Lf…インダクタ
Lm,Lms,Lmsm…相互インダクタンス
Lr,Lrs,Lrsm…漏れインダクタンス
np…送電コイル
ns,ns1,ns2…受電コイル
nsm…共鳴コイル
Q1,Q2,Q3,Q4…スイッチ素子
Ri,Ris,Rism…抵抗
Ro…負荷
Rxp…受電装置
Txp…送電装置
10…スイッチング制御回路
20…スイッチング制御回路
30,40…フィルタ
50,60…通信回路
100…直流電源
101…送電回路
201…受電回路
301…共鳴回路

Claims (26)

  1. 電気エネルギーを供給する直流電源と、この直流電源に電気的に接続される送電コイルとを備えた送電装置と、
    電気エネルギーを消費する負荷と、この負荷に電気的に接続された受電コイルとを備えた受電装置と、
    前記送電コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記送電コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される送電共振回路と、
    前記送電共振回路に電気的に接続され、オンオフするスイッチング動作により前記送電共振回路に前記直流電源を断続的に与えるスイッチ素子と、このスイッチ素子を制御して前記送電共振回路に共振電流を発生させるスイッチング制御回路と、を含む送電スイッチング回路と、
    前記受電コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記受電コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される受電共振回路と、
    前記受電共振回路に電気的に接続され、共振電流による電気エネルギーを前記負荷へ供給する受電負荷回路と、を備え、
    前記送電装置および前記受電装置は空間を隔てて配置され、
    前記送電コイルは、前記送電スイッチング回路の動作により前記直流電源から電気エネルギーを取り出して共振電流を発生させるとともに、この共振電流によりスイッチング周波数fsで周期的に変化する電磁界を空間に直接つくり、空間そのものがエネルギーをもって振動する電磁界の共鳴フィールドを形成し、
    前記受電コイルは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成することを特徴とする、ワイヤレス給電装置。
  2. 前記共鳴フィールドは、前記送電コイルまたは前記受電コイルから、前記スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成される、請求項1に記載のワイヤレス給電装置。
  3. 前記送電コイルおよび前記受電コイルが存在する近傍界の空間に配置される少なくとも1つの共鳴コイルを含む共鳴装置と、
    前記共鳴コイルが有する誘導性インピーダンスと、前記共鳴コイルの寄生容量または外部キャパシタによる共振キャパシタの容量性インピーダンスとで構成される共鳴共振回路と、を備え、
    前記共鳴コイルは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界の共鳴フィールドを形成する、請求項1または2に記載のワイヤレス給電装置。
  4. 前記共鳴フィールドは、前記共鳴コイルから、前記スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成される、請求項3に記載のワイヤレス給電装置。
  5. 前記受電負荷回路は、整流回路を有し、直流の電気エネルギーを前記負荷に供給する、請求項1〜4のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  6. 前記スイッチング制御回路は、前記送電共振回路の、前記送電スイッチング回路が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、スイッチング周波数fsが、fs=fr±30%の関係である、請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  7. 前記送電共振回路と前記共鳴共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  8. 前記共鳴共振回路と前記受電共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  9. 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1=r2=r3の関係を有する、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  10. 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1>r2>r3の関係を有する、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  11. 前記送電コイルの半径r1と前記共鳴コイルの半径r2と前記受電コイルの半径r3は、r1<r2<r3の関係を有する、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  12. 前記スイッチ素子はFETであり、前記送電スイッチング回路は前記FETの寄生容量、および逆並列ダイオードを含む、請求項1〜11のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  13. 前記スイッチング制御回路は、前記送電共振回路の、前記送電スイッチング回路が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、スイッチング周波数fsをfs≧frの関係にして、前記虚部XがX≧0の関係となるスイッチング周波数fsが設定された、請求項1〜12のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  14. 前記スイッチング制御回路は、前記スイッチ素子の両端電圧がゼロ電圧付近に低下した際に前記スイッチ素子をターンオンするように制御してゼロ電圧スイッチング動作をするように構成されている、請求項1〜13のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  15. 前記共鳴装置は、前記近傍界の空間に複数配置された、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  16. 複数の前記共鳴共振回路がそれぞれ独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項15に記載のワイヤレス給電装置。
  17. 前記共鳴コイルは、前記送電コイルの中心と前記受電コイルの中心とを結ぶ線分上に当該共鳴コイルの中心が重ならない位置に配置されている、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
  18. 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置が有するスイッチング周波数は、±30%の範囲内で同一である、請求項1〜17のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  19. 前記受電装置は複数配置され、それぞれの受電装置が有する受電共振回路の共振周波数は、±30%の範囲内で同一である、請求項1〜18のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  20. 前記受電コイルは複数配置され、それぞれの受電コイルが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  21. 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置が有するスイッチング周波数はISM (Industry-Science-Medical) バンドである、請求項1〜20のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  22. 前記送電装置は、前記スイッチング周波数以外の周波数成分を除去するフィルタを備えた、請求項1〜21のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  23. 前記送電装置および前記受電装置は電波を介して通信する通信回路を備えた、請求項1〜22のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  24. 前記通信回路は前記送電コイルに接続され、前記送電コイルを通信に兼用する、請求項23に記載のワイヤレス給電装置。
  25. 前記通信回路は前記受電コイルに接続され、前記受電コイルを通信に兼用する、請求項23に記載のワイヤレス給電装置。
  26. 前記共鳴装置は前記共鳴コイルに接続された通信回路を備え、前記共鳴コイルを通信に兼用する、請求項3または4に記載のワイヤレス給電装置。
JP2015500297A 2013-02-15 2014-02-14 ワイヤレス給電装置 Active JP6115626B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013028435 2013-02-15
JP2013028435 2013-02-15
PCT/JP2014/053399 WO2014126181A1 (ja) 2013-02-15 2014-02-14 ワイヤレス給電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014126181A1 true JPWO2014126181A1 (ja) 2017-02-02
JP6115626B2 JP6115626B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=51354180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015500297A Active JP6115626B2 (ja) 2013-02-15 2014-02-14 ワイヤレス給電装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10027377B2 (ja)
JP (1) JP6115626B2 (ja)
CN (1) CN104969442B (ja)
GB (1) GB2526444C (ja)
WO (1) WO2014126181A1 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150229135A1 (en) 2014-02-10 2015-08-13 Shahar Porat Wireless load modulation
JPWO2015177860A1 (ja) * 2014-05-20 2017-04-20 富士通株式会社 無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システム
US9855376B2 (en) 2014-07-25 2018-01-02 Minnetronix, Inc. Power scaling
US10149933B2 (en) 2014-07-25 2018-12-11 Minnetronix, Inc. Coil parameters and control
JP2016052241A (ja) * 2014-09-01 2016-04-11 大平電子株式会社 非接触電力伝送装置
JP6350818B2 (ja) * 2014-09-05 2018-07-04 大平電子株式会社 非接触電力伝送装置
US9276413B1 (en) * 2014-09-25 2016-03-01 Navitas Semiconductor, Inc. Soft switched single stage wireless power transfer
KR20160042540A (ko) * 2014-10-10 2016-04-20 삼성전기주식회사 무선 전력 수신 장치 및 이를 포함하는 전자기기
JP6572730B2 (ja) * 2014-12-25 2019-09-11 豊田合成株式会社 発光内装製品
JP6233294B2 (ja) * 2014-12-25 2017-11-22 豊田合成株式会社 ホルダ装置
US10342908B2 (en) 2015-01-14 2019-07-09 Minnetronix, Inc. Distributed transformer
DE102016100534A1 (de) 2015-01-16 2016-07-21 Vlad BLUVSHTEIN Datenübertragung in einem transkutanen Energieübertragungssystem
US10193395B2 (en) * 2015-04-14 2019-01-29 Minnetronix, Inc. Repeater resonator
US10075019B2 (en) * 2015-11-20 2018-09-11 Witricity Corporation Voltage source isolation in wireless power transfer systems
US10361586B2 (en) * 2015-12-29 2019-07-23 Motorola Solutions, Inc. Method of wirelessly transferring power
US10170940B2 (en) * 2016-05-04 2019-01-01 Imperial Innovations Limited Wireless power transfer system
US20190214851A1 (en) * 2016-05-19 2019-07-11 Sharp Kabushiki Kaisha Power supply device
JP6719096B2 (ja) * 2016-05-20 2020-07-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 電気回路ユニット、回路付電源ユニットおよび燃料電池システム
JP6437954B2 (ja) * 2016-06-02 2018-12-12 パナソニック株式会社 無線給電方法
CN106602733B (zh) * 2017-01-13 2020-05-15 上海蔚来汽车有限公司 多谐振电路并联的磁耦合共振电能发射端、接收端及系统
CN110832738B (zh) * 2017-09-12 2023-08-22 株式会社村田制作所 电力送电装置以及电力受电装置
WO2019087237A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 三菱電機株式会社 受電装置、及び非接触電力伝送システム
GB201719104D0 (en) 2017-11-17 2018-01-03 Hofmeir Magnetics Ltd Pulsed electromagnetic field therapy device
US10778273B2 (en) * 2018-03-20 2020-09-15 Semtech Corporation Single switch modulation circuit and wireless charging receiver
CN109004768B (zh) 2018-06-26 2022-05-31 华为技术有限公司 一种无线充电的装置和方法
KR20200131510A (ko) 2019-05-14 2020-11-24 삼성전자주식회사 무선 전력 전송 장치 및 방법
WO2020250616A1 (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 株式会社村田製作所 電池内蔵カード
CN114144959A (zh) * 2019-07-25 2022-03-04 株式会社电装 非接触供电装置
JP7378084B2 (ja) 2019-12-25 2023-11-13 株式会社サムスン日本研究所 非接触給電システム
US20220376561A1 (en) * 2021-05-20 2022-11-24 Msc Engineering Services, Llc Receiver for wirelessly receiving energy and a method thereof
KR102588738B1 (ko) * 2021-07-07 2023-10-16 한국해양대학교 산학협력단 다중 송신코일 무선전력전송 시스템에서 스택형 코일 구조를 이용한 최대 전송거리 향상 장치
CN114189058B (zh) * 2021-12-21 2023-11-21 昆明理工大学 一种在大范围空间内为多个无源电子标签提供电能的装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106136A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Toyota Motor Corp 電動車両および車両用給電装置
JP2010141966A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Hitachi Ltd 非接触電力送信装置、非接触電力受信装置および非接触電力伝送システム
JP2010219838A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Sony Corp 電力伝送システムおよび電力出力装置
WO2012101907A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 株式会社村田製作所 電力伝送システム
JP2013504298A (ja) * 2009-09-02 2013-02-04 クアルコム,インコーポレイテッド 無線電力受信における離調

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022365A1 (ja) * 2004-08-27 2006-03-02 Hokushin Denki Co., Ltd. 非接触電力伝送装置
US7525293B1 (en) * 2004-12-06 2009-04-28 Marvell International Ltd. Power supply switching circuit for a halogen lamp
JP2007020391A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Samsung Electro Mech Co Ltd 高効率ハーフブリッジdc/dcコンバータ及びその制御方法
JP4930093B2 (ja) 2007-02-21 2012-05-09 セイコーエプソン株式会社 送電制御装置、受電制御装置、無接点電力伝送システム、送電装置、受電装置および電子機器
US8228025B2 (en) * 2007-11-09 2012-07-24 City University Of Hong Kong Electronic control method for a planar inductive battery charging apparatus
US8278784B2 (en) 2008-07-28 2012-10-02 Qualcomm Incorporated Wireless power transmission for electronic devices
US8461720B2 (en) * 2008-09-27 2013-06-11 Witricity Corporation Wireless energy transfer using conducting surfaces to shape fields and reduce loss
WO2010079768A1 (ja) * 2009-01-08 2010-07-15 Necトーキン株式会社 電力送信装置及び非接触電力伝送システム
CA2768397A1 (en) * 2009-07-24 2011-01-27 Access Business Group International Llc Power supply
KR20110062841A (ko) * 2009-12-04 2011-06-10 한국전자통신연구원 무선 전력 전송 장치
US8552595B2 (en) * 2011-05-31 2013-10-08 General Electric Company System and method for contactless power transfer in portable image detectors
JP5826864B2 (ja) * 2012-01-26 2015-12-02 パイオニア株式会社 電力伝送装置及び電力伝送方法
US9859956B2 (en) * 2012-08-24 2018-01-02 Qualcomm Incorporated Power supply control in wireless power transfer systems

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106136A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Toyota Motor Corp 電動車両および車両用給電装置
JP2010141966A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Hitachi Ltd 非接触電力送信装置、非接触電力受信装置および非接触電力伝送システム
JP2010219838A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Sony Corp 電力伝送システムおよび電力出力装置
JP2013504298A (ja) * 2009-09-02 2013-02-04 クアルコム,インコーポレイテッド 無線電力受信における離調
WO2012101907A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 株式会社村田製作所 電力伝送システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"大幅に高効率、村田製作所が新・無線給電技術", [ONLINE], JPN6014011514, 4 December 2012 (2012-12-04), ISSN: 0003376007 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20150333801A1 (en) 2015-11-19
CN104969442B (zh) 2017-09-05
GB2526444A (en) 2015-11-25
WO2014126181A1 (ja) 2014-08-21
US10027377B2 (en) 2018-07-17
GB2526444B (en) 2020-07-01
GB2526444C (en) 2020-09-23
GB201512276D0 (en) 2015-08-19
CN104969442A (zh) 2015-10-07
JP6115626B2 (ja) 2017-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115626B2 (ja) ワイヤレス給電装置
JP6601538B2 (ja) ワイヤレス給電装置
JP5787027B2 (ja) 電力伝送システム
JP5494838B2 (ja) 電力伝送システム
JP6164288B2 (ja) ワイヤレス給電装置
US9153998B2 (en) Wireless power orthogonal polarization antenna array
JP6164287B2 (ja) ワイヤレス給電装置
KR101349557B1 (ko) 무선전력 수신장치 및 무선전력 전달 방법
JP6493526B2 (ja) ワイヤレス給電システムおよびワイヤレス給電方法
KR101736160B1 (ko) 하나의 동일평면상에 공진코일과 공진루프를 평면화시킨 스마트 2d형 자기공진 무선전력송수신장치

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6115626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150