JP6164288B2 - ワイヤレス給電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、送電装置および受電装置を備えるワイヤレス給電装置に関するものである。
近年、電子機器の小型軽量化および低消費電力化、さらには電池容量の増大化に伴い、電池駆動の電子機器が増加している。また、近距離では機器間のデータ通信を無線で行う利用形態も増えている。これらの事情に伴って電力についても近距離での給電技術が注目されている。
例えば、従来の非接触型の充電システムは、特許文献1に示されるように、充電台等に一次側コイルを備える送電装置と、二次コイルおよび充電電池を備えた携帯電子機器とで構成されていて、ユーザは携帯電子機器を送電装置に載置する。これにより、送電装置の一次側コイルと携帯電子機器の二次側コイルとが電磁誘導結合(磁界結合)して充電装置側へ電力が供給され、二次電池が充電される。
特開2008−206327号公報
特許文献1の非接触型の充電システムにおいては、送電コイルと受電コイルとは電磁誘導を利用した絶縁トランスとして作用し、磁気結合を利用した変圧器として利用しているに過ぎない。電磁誘導を利用したトランスでは、1次巻線に流れる電流により発生した磁束を2次巻線に鎖交させて電流を流し、電気から磁気、そして電気へと効率よく変換することが重要となっている。
電磁誘導を利用したワイヤレス給電装置においては、電力変換効率を高めるために、1次巻線と2次巻線との磁気結合度を如何に高めるかが重要となっている。しかしながら、磁気飽和を防止するため、または物理的な制約により、トランスの磁気結合度を大きくすることが困難な場合も多く、結果的に高い電力変換効率が得られない。
本発明は電磁界共鳴結合を形成してワイヤレス給電を行う装置に関する。電磁界共鳴結合でワイヤレス給電を行う場合には次のような課題がある。
(a) 電磁界共鳴技術では、送受電デバイスに、ヘリカルコイル、デバイス、スパイラルコイル、メアンダラインアンテナなどを用いることができる。しかしながら、高い周波数で共鳴して結合する電磁界共鳴結合においては、電力伝送デバイスが構造的に有する容量成分である浮遊容量が共鳴周波数に大きく影響を与える。構造的に決まる浮遊容量を産業応用上において、管理、調整することは非常に困難であり、シンプルな構造により構成される電力伝送デバイスを用いた電磁界共鳴結合を形成してワイヤレス給電を行う技術が求められている。
(b) 電磁界共鳴技術によるこれまでの送受電装置においては、送受電デバイスから放射される電磁雑音により周辺機器に悪影響を与え、電磁両立性(EMC: Electromagnetic Compatibility)において課題があった。
本発明の目的は、シンプルな構造により構成でき、電磁両立性(EMC)を充分に確保できるようにした、ワイヤレス給電装置を提供することにある。
本発明のワイヤレス給電装置は次のように構成される。
(1) 交流電流を供給する電源と、この電源に電気的に接続される送電デバイスとを備えた送電装置と、
電気エネルギーを消費する負荷と、この負荷に電気的に接続される受電デバイスとを備えた受電装置と、
前記送電デバイスが有する誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスと、必要に応じて電気的に接続される外部インピーダンスとで構成される送電共振回路と、
前記受電デバイスが有する誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスと、必要に応じて電気的に接続される外部インピーダンスとで構成される受電共振回路と、
前記受電共振回路に電気的に接続され、交流電流による電気エネルギーを前記負荷へ供給する受電負荷回路と、を備え、
前記送電装置および前記受電装置は空間を隔てて配置され、
前記送電デバイスは、前記交流電流により周期的に変化する電磁界を空間につくり、空間そのものがエネルギーをもって振動する電磁界共鳴フィールドを形成し、
前記受電デバイスは、前記共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより交流電流を流すとともに、この交流電流により新たな電磁界共鳴フィールドを形成し、
前記送電デバイスまたは前記受電デバイスは、広がりのある面を分割した全ての領域を自己交差せずに通って前記広がりのある面を覆う、空間充填曲線であるペアノ(peano)曲線状の導電体で構成され、前記送電デバイスおよび前記受電デバイスが配置される空間の電磁界エネルギーを局所的に高めたことを特徴とする。
上記構成により、次のような効果を奏する。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体を用いることにより、電磁界共鳴フィールドの不要な拡大を抑制し、電磁界エネルギーを蓄えることができる。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体が有する寄生的な誘導性インピーダンスもしくは容量性インピーダンスを、電磁界共鳴フィールドを形成する電気回路パラメータとして用いることができる。
・電気エネルギーと電磁界エネルギーを直接的に変換するデバイスとしてペアノ(peano)曲線状の導電体を用いることにより、エネルギー損失を低減して、ワイヤレス給電装置の高効率化を図ることができる。
・目的とするワイヤレス給電を実現しながら、電磁界エネルギーの不要な広がりを抑えることができる。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体を用いることにより、放射電磁雑音を抑制して、電磁的両立性を高め、人体や周辺機器への悪影響を抑制することができる。
(2) 前記共鳴フィールドは、送電デバイスまたは受電デバイスから、交流電流の周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成されていることが好ましい。この構成により、各コイルから1/5波長の範囲以内に共鳴フィールドが形成され、その範囲において適切にワイヤレス給電を行うことができる。
(3) 前記送電デバイスおよび受電デバイスが存在する近傍界の空間に配置される少なくとも1つの共鳴デバイスを含む共鳴装置と、
前記共鳴デバイスが有する誘導性インピーダンスおよび容量性インピーダンスまたは外部インピーダンスで構成される共鳴共振回路と、を備え、
前記共鳴デバイスは、共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより交流電流を発生させるとともに、この交流電流により新たな電磁界共鳴フィールドを形成し、
前記共鳴デバイスは、広がりのある面を分割した全ての領域を自己交差せずに通って広がりのある面を覆う、空間充填曲線であるペアノ(peano)曲線状の導電体で構成され、共鳴デバイスが配置される空間の電磁界エネルギーを局所的に高めたものであることが好ましい。
上記構成により、次のような効果を奏する。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体を用いることにより、電磁界共鳴フィールドの不要な拡大を抑制し、電磁界エネルギーを蓄えることができる。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体が有する寄生的な誘導性インピーダンスもしくは容量性インピーダンスを、電磁界共鳴フィールドを形成する電気回路パラメータとして用いることができる。
・目的とするワイヤレス給電を実現しながら、電磁界エネルギーの広がりを抑えることができる。
・ペアノ(peano)曲線状の導電体を用いることにより、放射電磁雑音を抑制して、電磁的両立性を高め、人体や周辺機器への悪影響を抑制することができる。
(4) 前記送電デバイスまたは受電デバイスの導電体は、ステップ(世代)数nが2以上であり、外形がほぼ正方形またはほぼ立方体であることが好ましい。
(5) 前記共鳴デバイスの前記導電体は、ステップ(世代)数nが2以上であり、外形がほぼ正方形またはほぼ立方体であることが好ましい。
上記(4)(5)の構成により、次のような効果を奏する。
・正方形とすることで、空間充填曲線の空間充填率をより高めることができる。
・ほぼ立方体とすることで、3次元方向に対応したデバイスを構成できる。
(6) 前記送電デバイスの前記導電体と、受電デバイスの導電体とは、必要に応じてステップ(世代)数nが異なるペアノ(peano)曲線状の導電体であることが好ましい。
上記構成により、デバイスの配置制約に対応することができる。
(7) 前記共鳴デバイスの導電体と、前記送電デバイスまたは受電デバイスの導電体とは、必要に応じてステップ(世代)数nが異なるペアノ(peano)曲線状の導電体であることが好ましい。
上記構成により、デバイスの配置制約に対応することができる。
(8) 前記受電負荷回路は、整流回路を有し、直流の電気エネルギーを負荷に供給するものであることが好ましい。
上記構成により、直流の電気エネルギーを負荷に供給することができ、直流電圧を供給することで、負荷を並列接続することで複数の負荷への電力供給が可能となる。
(9) 前記スイッチング制御回路は、前記送電共振回路の、前記送電スイッチング回路が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、スイッチング周波数fsが、fs=fr±30%の関係であることが好ましい。これにより、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xがほぼ0となる共振周波数でスイッチングされて、高エネルギーの共鳴フィールドを形成することができる。
(10) 前記送電共振回路と前記受電共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。これにより、共鳴フィールドを形成する交流電流の周波数の設定が容易となる。
(11) 前記送電共振回路と前記共鳴共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。このことにより、共鳴フィールドを形成する交流電流の周波数の設定が容易となる。
(12) 前記共鳴装置は、近傍界の空間に複数配置されていることが好ましい。これにより、共鳴装置を送電デバイスと受電デバイスが存在する近傍界の空間に複数配置することで、共鳴フィールドを効果的に拡大でき、送電装置および受電装置の位置自由度を高めることができる。
(13) 複数の前記共鳴共振回路がそれぞれ独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致していることが好ましい。これにより、共鳴フィールドの拡大が容易になる。
(14) 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置の交流電流の周波数は、±30%の範囲内で同一であることが好ましい。これにより、送電装置が複数配置されることで共鳴フィールドを拡大でき、それぞれの送電装置の交流電流の周波数をほぼ同一とすることで、共鳴フィールドの電磁界エネルギーを大きくできる。
(15) 前記受電装置は複数配置され、それぞれの受電装置が有する受電共振回路の共振周波数は、±30%の範囲内で同一であることが好ましい。これにより、受電装置が複数配置されることにより共鳴フィールドを拡大できるとともに、複数の受電装置により、より大きな電気エネルギーを収穫できる。
(16) 前記受電デバイスは複数配置され、それぞれの受電デバイスが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給されるように構成されていることが好ましい。これにより、負荷に供給可能な電気エネルギーを容易に大きくできる。
(17) 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置が有するスイッチング周波数はISM (Industry-Science-Medical) バンドであることが好ましい。これにより、周辺機器への電磁雑音による干渉が抑制され、電磁両立性(EMC)を得ることができる。
(18) 前記送電装置は、前記スイッチング周波数以外の周波数成分を除去するフィルタを備えていることが好ましい。これにより、周辺機器への電磁雑音による干渉が抑制され、電磁両立性を得ることができる。
(19) 前記送電装置および前記受電装置は電波を介して通信する通信回路を備えていることが好ましい。これにより、送電装置および受電装置は、電力の送電と信号の発信の役割を兼ね備えることになり、装置の小型軽量化を達成することができる。また、送電装置から適切な対象の受電装置に適切なタイミングで適切な電力量を伝送することができる。
(20) 前記共鳴装置は送電装置または受電装置との間で電波を介して通信する通信回路を備えていることが好ましい。これにより、共鳴装置は、電力の送電と信号の発信の役割を兼ね備えることになり装置の小型軽量化を達成することができる。また、受電装置から適切な対象の送電装置へ適切なタイミングで通信を行うことができ、適切な電力量の受電が容易となる。
本発明によれば、次のような効果を奏する。
・ペアノ曲線の基本形状要素(ステップ数n=1における形状)が差動コイルとして機能するので、電磁界共鳴フィールドの不要な拡大を抑制し、電磁界エネルギーを蓄えることができる。
・線長当たりの面積が小さいので、デバイスが小型化できる。
・単純な方形コイル(もしくは円形コイル)とした場合に比べて、フラクタルデバイス全体の自己インダクタンスは小さくなる。そのため、所望のインダクタンスを得るためにサイズを縮小化する必要がなく、ある程度離れたデバイス間での所定の結合が得られる。
図1は第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。 図2は第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の送電デバイスnpおよび受電デバイスnsを等価回路に置換して表した回路図である。 図3はフラクタル形状デバイスの導電体パターンの例を示す図である。 図4は送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの導電体パターンに流れる電流の向きおよび導電体パターンに沿って分布する磁束の向きの例を示す図である。 図5は送電装置Txpに受電装置Rxpを近接配置した状態を示す図である。 図6(A)、図6(B)は、送電デバイスnpに流れる電流(Primary current)および受電デバイスnsに流れる電流(Secondary current)の周波数特性の測定結果である。 図7(A)は送電デバイスnsおよび受電デバイスnpの導電体パターンおよび大きさを示す図である。図7(B)はFEM(有限要素法)シミュレーションモデルを示す図である。 図8(A)は受電デバイスnpおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。図8(B)は比較例としての受電デバイスおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。 図9は、送電デバイスnpと受電デバイスnsとの間の距離に対する結合係数の関係を示す図である。 図10は図1、図2各部の波形図である。 図11(A)〜(E)はいずれも、1次の形状が異なるペアノ曲線による線状導体パターンであり、それぞれ所定ステップ数でのパターンを表したものである。 図12は、立体ペアノ曲線による導電体パターンを示す図である。 図13は、第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。 図14は、第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスの周波数特性を示す図である。 図15は第5の実施形態に係るワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。 図16は第5の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。 図17(A)、図17(B)は、受電側整流回路がダイオードDs1,Ds2,Ds3,Ds4によるダイオードブリッジ回路で構成されたワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図18(A)、図18(B)は、受電側整流回路が半波整流回路で構成されたワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図19(A)、図19(B)は、受電側整流回路が倍電圧整流回路で構成されたワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図20(A)、図20(B)は、受電側整流回路が倍電圧整流回路で構成されたワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図21(A)、図21(B)は、受電装置がセンタータップを有する受電デバイスns1,ns2を備えて構成されたワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。 図22は送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの間に共鳴デバイスnsmを配置した様子を示す図である。 図23は送電装置Txpに共鳴装置FRxpを近接配置した状態を示す図である。 図24は、受電デバイスに流れる電流の周波数特性を示す図である。 図25は共鳴デバイスnsmを設けた場合の受電デバイスnpおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。 図26は電磁界共鳴フィールドの拡大の様子を示す概念図である。 図27は複数の送電装置および複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを強めた例である。 図28は複数の送電装置および複数の受電装置を備えるワイヤレス給電装置の概略構成図である。 図29は第9の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。 図30は第10の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。 図31は第11の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。 図32は、送電デバイスおよび受電デバイスの導電体パターンの形状と、配置の例を示す図である。 図33は、送電デバイスおよび受電デバイスの導電体パターンの形状と、配置の例を示す図である。 図34は受電デバイス導電体パターンに誘起される電圧の分布を示す図である。 図35は、送電装置、受電装置および共鳴装置の配置と送電デバイス、受電デバイスおよび共鳴デバイスの形状の例を示す図である。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。また、図2はこのワイヤレス給電装置の送電デバイスnpおよび受電デバイスnsを等価回路に置換して表した回路図である。
図1、図2に示すワイヤレス給電装置の特徴は次のとおりである。
・送受電デバイスにペアノ形状デバイスを用いた構成。
・直流の電気エネルギーと電磁界エネルギーを変換する構成。
・電磁界共鳴フィールドを形成する構成。
・スイッチング素子がZVS(ゼロ電圧スイッチング)動作を行う構成。
送電デバイスnpおよび受電デバイスnsは、いずれも幾何学的な図形としてみた場合に、部分が全体の自己相似になっている導電体パターンによるフラクタル形状デバイスである。先ず、この送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの構成について図3を参照して示す。図3はフラクタル形状デバイスの導電体パターンの例を示す図である。(a)はステップ(世代)数nが1のとき(n=1)のパターン、(b)はn=2のときのパターン、(c)はn=3のときのパターン、(d)はn=4のときのパターン、(e)はn=5のときのパターンである。このパターンは、(a)に示す基本形をジェネレータとし、各線分をジェネレータの相似形に置換する、という操作を再帰的に行ったパターンでもある。
この図3の例は、数学者J.ペアノ(1858-1932)が提言した、広がりのある面を連続な曲線で覆う「空間充填曲線」である。ここで、「空間充填曲線」は、広がりのある面を分割(等分割)した全ての領域を自己交差せずに通って、前記広がりのある面を覆う線と言うことができる。すなわち、分割した領域と線とが一対一で対応するという規則性を有する。その結果、幾何学的な図形としてみた場合に、「部分が全体の自己相似になっている」フラクタル形状となる。図3に示した曲線はドイツの数学者ダフィット・ヒルベルトが1891年に考案した空間充填曲線の一つであり、ヒルベルト曲線と呼ばれる。ヒルベルト曲線は、2次元であれば、2^n四方の領域(グリッド)を、必ず隣り合う領域を繋ぎながら全ての点を通るような辿りかたをする曲線である。例えば、64×64のグリッド(2^6 四方)だとステップ数5のヒルベルト曲線で全てのグリッドを巡回する。
なお、ペアノ自身が提案した曲線でなくても、「空間充填曲線」は一般に広義のペアノ曲線と呼ばれている。
図4は上記送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの導電体パターンに流れる電流の向きおよび導電体パターンに沿って分布する磁束の向きの例を示す図である。この例では、送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの構造は同じである。図4中の矢印は、瞬時の磁束密度ベクトルの方向を表している。
基本形状要素(ステップ数n=1における形状)では磁束が局所的に存在するため、互いに誘起電圧を相殺する局所的な自己インダクタンスが面上に分布する。そのため、ステップ数nが大きくなるほど、磁界の極性が反転する領域が互いに入り組んで、いたる所に差動コイル構造が構成される。そのため、局所的に磁束が閉じて、デバイスから離れた位置に磁束が広がりにくい。すなわち、各部で結合した磁束が送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの近傍で閉じて拡散しない。また、送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの導電体パターン同士が対向したときに、電力伝送効率が最大となる。
図5は送電装置Txpに受電装置Rxpを近接配置した状態を示す図である。受電デバイスnsは送電デバイスnpと同じ構成である。送電デバイスnpおよび受電デバイスnsに接続される回路は図1、図2に示したとおりである。但し、ここでは、後に述べるシミュレーションのためのモデルとして、各導電体パターンには純抵抗素子R1,R2とキャパシタC1,C2を接続している。純抵抗の端子間抵抗は10Ωとした。また、キャパシタC1,C2のキャパシタンスは、送電デバイスnpを含む共振回路および受電デバイスnsを含む共振回路の共振周波数がそれぞれ700kHzとなるように6.11nFに設定した。
シミュレーション結果から求めた送電デバイスnpおよび受電デバイスnpの自己インダクタンスは8.46μH、実測値は14.3μH(at 1kHz,LCRメータ)であるので概ね妥当な結果が得られている。
図6(A)、図6(B)は、送電デバイスnpに流れる電流(Primary current)および受電デバイスnsに流れる電流(Secondary current)の周波数特性の測定結果である。図6(A)は線材を成形して作製したデバイス、図6(B)は樹脂基材に線状パターンを形成して作製したデバイスについてそれぞれ示している。
図6(A)の結果では,700kHz付近で受電デバイスnsに流れる電流にピークが生じている。これは、700kHz付近において、送電デバイスから受電デバイスを見た入力インピーダンスのリアクタンスがほぼ0となり、電磁界共鳴フィールドが形成されるからである。
次に、FEM(有限要素法)による変位電流を考慮した磁界解析により、送電デバイスおよび受電デバイスの磁束密度分布の可視化や電力伝送特性のシミュレーションを行なった結果を示す。シミュレータは3次元FEMパッケージFemtet(登録商標)(ムラタソフトウェア株式会社製)を使用した。
図7(A)は送電デバイスnsおよび受電デバイスnpの導電体パターンおよび大きさを示す図である。図7(B)はFEMシミュレーションモデルを示す図である。いずれも単位は[mm]である。ここでは、送電デバイス−受電デバイス間距離は20mm、導電体は円形断面導線(純銅)、その他の領域は空気とした。図7(B)中の直方体解析領域の全側面に無限境界条件を適用した。後に示す比較例としての送電デバイスおよび受電デバイスは、送電デバイスnsおよび受電デバイスnpの外形サイズが同じ1ターンの方形コイルとした。この方形コイルでは、共振周波数が700kHzとなるようにキャパシタンスを34.9nFとした。
図8(A)は受電デバイスnpおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。図8(B)は上記比較例としての受電デバイスおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。このように、ペアノ曲線状の導電体を備えたフラクタル形状デバイスを用いた時には磁束密度の高い領域が導電体パターン形成面全体に広がることがわかる。
図9は、送電デバイスnpと受電デバイスnsとの間の距離に対する結合係数の関係を示す図である。ここで各特性ラインは、ステップ数の異なる導電体パターンでの特性である。“Peano-1”はステップ数n=2、“Peano-2”はステップ数n=3、“Peano-3はステップ数n=4、のペアノ曲線であり、空間分割パターンおよびそれらを通る線の経路は図3に示したものである。
図9から明らかなように、ステップ数が大きい程(次数が高い程)、送電デバイスnpと受電デバイスnsとの間の距離に対する結合係数の減衰を大きくできる。このように、線状導体がペアノ形状であるフラクタルデバイスは近距離電力伝送用に適する。
なお、このようなフラクタル形状デバイスによれば、GHz帯以上の特定条件下で電磁界を閉じ込める性質があり、その性質を利用することもできる。
次に、図1、図2に示したワイヤレス給電装置の詳細な動作を、図10を参照して説明する。図10は図1、図2各部の波形図である。
送電デバイスnpの相互インダクタンスをLm、送電デバイスnpの漏れインダクタンスをLr、受電デバイスnsの相互インダクタンスをLms、受電デバイスnsの漏れインダクタンスをLrsとする。また、スイッチ素子Q1,Q2のゲート・ソース間電圧をvgs1,vgs2、ドレイン・ソース間電圧をvds1,vds2とする。
スイッチ素子Q1,Q2は、両スイッチ素子がオフとなる短いデットタイムを挟んで交互にオンオフされ、デットタイム期間にQ1,Q2に流れる電流をそれぞれ転流させてZVS動作を行う。1スイッチング周期における各状態での動作は次のとおりである。
(1) 状態1 時刻t1〜t2
先ず、ダイオードDds1が導通する。ダイオードDds1の導通期間においてスイッチ素子Q1をターンオンすることでZVS動作が行われ、スイッチ素子Q1は導通する。送電デバイスnpと受電デバイスnsとの間に相互誘導によって等価的な相互インダクタンスLm,Lmsおよび相互キャパシタンスCmが形成され、Cr,Lr,Lm,Lms,Crs,Lrsからなる複共振回路において、送電共振回路と受電共振回路とが共鳴して、相互インダクタンスLm,Lmsに共振電流が流れ、電磁界共鳴結合を形成して、送電回路から受電回路へ電力が伝送される。送電側では、キャパシタCr、漏れインダクタンスLrに共振電流が流れる。受電側では、キャパシタCrsおよび漏れインダクタンスLrsに共振電流が流れ、スイッチ素子Q3,Q4により整流されて負荷に電力が供給される。
スイッチ素子Q1がターンオフすると状態2となる。
(2) 状態2 時刻t2〜t3
送電装置Txp側では、漏れインダクタンスLrに流れていた電流irにより、寄生キャパシタCds1は充電され、寄生キャパシタCds2は放電される。電圧vds1が電圧Vi、電圧vds2が0VになるとダイオードDds2が導通して状態3となる。
(3) 状態3 時刻t3〜t4
先ず、ダイオードDds2は導通する。ダイオードDds2の導通期間においてスイッチ素子Q2をターンオンすることでZVS動作が行われ、スイッチ素子Q2は導通する。送電デバイスnpと受電デバイスnsとの間に相互誘導によって等価的な相互インダクタンスLm,Lmsが形成され、Cr,Lr,Lm,Lms,Crs,Lrsからなる複共振回路において、送電共振回路と受電共振回路とが共鳴して、相互インダクタンスLm,Lmsに共振電流が流れ、電磁界共鳴結合を形成して送電回路から受電回路へ電力が伝送される。送電側では、キャパシタCr、漏れインダクタンスLrに共振電流が流れる。受電側では、キャパシタCrs、漏れインダクタンスLrsに共振電流が流れ、スイッチ素子Q3,Q4により整流されて負荷に電力が供給される。
スイッチ素子Q2がターンオフすると状態4となる。
(4) 状態4 時刻t4〜t1
送電装置Txp側では、漏れインダクタンスLrに流れていた電流irにより、寄生キャパシタCds1は放電され、寄生キャパシタCds2は充電される。電圧vds1が0V、電圧vds2がViになるとダイオードDds1は導通して再び状態1となる。
以後、状態1〜4を周期的に繰り返す。
なお、図1に示した例では、スイッチング制御回路20は受電デバイスnsに流れる電流を検出し、その極性反転に同期してスイッチ素子Q3,Q4を交互にオンオフするようにしたが、送電装置側のスイッチ素子Q1,Q2のスイッチングタイミング信号を送電装置Txpから受電装置Rxpへ伝送し、受電装置Rxp側で、スイッチ素子Q1,Q2のスイッチングタイミングに同期してスイッチ素子Q3,Q4を駆動するように構成してもよい。
以上に示した送電装置は送電デバイスnpと共に送電共振回路を構成し、直流電源Viを入力して送電共振回路に共振電流を発生させる。これにより電磁界共鳴フィールドが生成される。
前記共鳴フィールドは、送電デバイスnp、共鳴デバイスnsmまたは受電デバイスnsから、スイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積に対して1/5以下の範囲に形成される。すなわち、各デバイスから1/5波長の範囲以内に共鳴フィールドが形成される。例えば、スイッチング周波数が10MHzの場合、1波長は約30mであり、その1/5の約6m以内の範囲においてワイヤレス給電を行うことができる。
本発明のペアノ曲線状の送電デバイスおよび受電デバイスを用いることにより、次のような効果を奏する。
・ペアノ曲線の基本形状要素(ステップ数n=1における形状)が差動コイルとして機能するので、電磁界共鳴フィールドの不要な拡大を抑制し、電磁界エネルギーを蓄えることができる。
・線長当たりの面積が小さいので、デバイスが小型化できる。
・単純な方形コイル(もしくは円形コイル)とした場合に比べて、フラクタルデバイス全体の自己インダクタンスは小さくなる。そのため、所望のインダクタンスを得るためにサイズを縮小化する必要がなく、ある程度離れたデバイス間での所定の結合が得られる。
・基本形状要素では磁束が局所的に存在するため、互いに誘起電圧を相殺する局所的な自己インダクタンスが分布する。そのため、見かけ上の自己インダクタンスを小さくしながら、外部キャパシタンスを接続するなどして、共鳴現象を引き起こす適切な条件を設定することが可能となるという利点がある。
・基本要素内で局所的に磁束が閉じるため、デバイスから離れた位置に磁束が広がりにくい。
・デバイス形状を活かして、対向するデバイスの相対的な配置などを適切に設定することで、コイル内の磁気エネルギー分布の制御が可能である。
本発明のワイヤレス給電装置により構成される電力伝送システムとしての効果は次のとおりである。
・送受電デバイスの間における電磁界エネルギーをより高め、外部への広がりを抑制できる。
・電気エネルギーと電磁界エネルギーを直接的に変換することにより電力損失の少ないワイヤレス給電システムを構成できる。
・直流電源から電磁界エネルギーを形成することができる。
・負荷回路に整流回路を備えることで、電磁界エネルギーから直流電力を得ることができる。
・直流電力から直流電力へのワイヤレス給電が可能である。
・シンプルなワイヤレス給電装置を構成することができる。
・スイッチング動作を制御するスイッチング制御回路により伝送電力が制御できる。
・スイッチング素子がZVS動作を行うことでスイッチング素子の電力損失を大きく低減することができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、送電デバイスおよび受電デバイスの導電体パターンの幾つかの例を示す。
図11(A)〜(E)はいずれも、1次の形状が異なるペアノ曲線による導電体パターンであり、それぞれ所定ステップ数でのパターンを表したものである。
図12は、立体ペアノ曲線による導電体パターンを示す図である。(a)はステップ数n=1、(b)はステップ数n=2、(c)(d)はステップ数n=3、のときのパターンである。なお、(d)は線状導体の太さについても立体的に表している。
このように、導電体パターンは、外形がほぼ立方体になるペアノ曲線状であってもよい。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置のスイッチング制御回路は、スイッチング周波数をfsとし、送電スイッチング回路に接続される送電共振回路から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスXで表すと、X=0となる共鳴周波数をfaとして、スイッチング周波数fsを共鳴周波数fa付近(fs=fr±30%)にて動作させる。
図13は、第3の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。ここで共振キャパシタCr,Crs は共振周波数が10MHz 付近となる値である。負荷抵抗Ro= 10Ωとし、距離dx を0.15,0.5,2.0,5.0,7.0cm と変化させたとき、前記入力インピーダンスおよび入力インピーダンスが極小となる共振周波数frは、図中矢印で示すように推移する。
例えば電力伝送距離dx=7cm(70mm)のとき、共振周波数fr≒10MHzであるので、スイッチング周波数fsは例えば10MHzとする。
このようにスイッチング周波数fsを共鳴周波数fa付近にて動作させることにより、電磁界共鳴フィールドを形成することができる。共鳴周波数では、電磁界の共鳴エネルギーが大きくなり、電磁界エネルギーの送電量が大きくなる。その結果、空間を隔ててより離れたところへ大きな電力を伝送することができる。また、ワイヤレス給電装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置のスイッチング制御回路は、前記共振周波数frがスイッチング周波数fsより低い状態で動作させる。すなわち、スイッチング回路から見た複共振回路の入力インピーダンスを誘導性とする。
図14は、第4の実施形態に係るワイヤレス給電装置の、送電共振回路の入力から負荷側全体をみた入力インピーダンスのリアクタンスの周波数特性を示す図である。ここで共振キャパシタCr,Crs は共振周波数が10MHz 付近となる値である。負荷抵抗Ro= 10Ωとし、距離dx を0.15,0.5,2.0,5.0,7.0cm と変化させたとき、前記リアクタンスは図14に示すように変位する。
距離dxが大きくなるに伴い、リアクタンスが0となる周波数が3つ、極大値が2つとなる双峰特性から、リアクタンスが0となる周波数が1つとなる単峰特性になることが分かる。入力インピーダンスのリアクタンスに注目すると3つの周波数を境に誘導性と容量性が入れ替わることが分かる。図14中の3つの丸印はdx=0.5cmにおいて、誘導性と容量性が入れ替わる周波数を示している。ZVS動作を実現するためには、入力インピーダンスを誘導性にして、電圧に対する遅れ電流を生成することが必要である。この遅れ電流によりデッドタイムにおいてスイッチ素子(FET)の寄生キャパシタCds1、Cds2 の充放電を行う。このため、例えば磁気結合が大きい双峰特性においては、動作スイッチング周波数fs は前記入力インピーダンスが誘導性となる周波数範囲内であることが必要である。
このようにして、スイッチング周波数を定めることで、全負荷範囲に亘ってスイッチング素子のZVS動作を行うことが可能となる。したがって、スイッチング素子の電力損失を大きく低減できる。また、スイッチング損失を低減することで高効率化を図ることができ、ワイヤレス給電装置を小型軽量化できる。
《第5の実施形態》
図15は第5の実施形態に係るワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。図15の例では、入力される直流電圧から、送電デバイスnpに流す交流電流に対して相対的に直流電流とみなせる電流源を生成できる大きさのインダクタンス値をもつインダクタLfを備え、送電側には1つのスイッチ素子Q1のみを設けている。インダクタLfのインダクタンス値は、送電デバイスnpのインダクタンス値よりも十分に大きく、スイッチング周波数において高インピーダンスとなるものであり、流れる電流の変動は十分に小さい。
図16は第5の実施形態に係る別のワイヤレス給電装置における送電装置の回路図である。図16の例では、4つのスイッチ素子Q1〜Q4によるブリッジ回路が構成されている。スイッチ素子Q1,Q4は共にオンオフし、スイッチ素子Q2,Q3は共にオフオンする。そして、スイッチ素子Q1,Q2は交互にオンオフする。このように、送電スイッチング回路をフルブリッジ構成とし、ブリッジ接続された4つのスイッチ素子を2組ずつ交互にオンオフすることで共振電流を発生させるようにしてもよい。
このように、送電装置側のスイッチ素子をブリッジ構成とすることで、各スイッチ素子に印加される電圧が低減され、ワイヤレス給電装置の高効率化、小型軽量化を図ることができる。
《第6の実施形態》
図17〜図21の各図は第6の実施形態に係るワイヤレス給電装置における受電装置の回路図である。
図17(A)、図17(B)の例では、受電側整流回路はダイオードDs1,Ds2,Ds3,Ds4によるダイオードブリッジ回路で構成されている。図15(B)の例では、2つの共振キャパシタCrs1,Crs2を備え、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図18(A)、図18(B)の例では、受電側整流回路は半波整流回路を構成している。ダイオードDs1は共振キャパシタCrsに流れる電流を整流して負荷へ電流を供給する。図18(B)の例では、2つの共振キャパシタCrs1,Crs2を備え、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図19(A)、図19(B)の例では、受電側整流回路は倍電圧整流回路を構成している。ダイオードDs1,Ds2は共振キャパシタCrs1,Crs2に流れる電流を整流し、負荷へ倍電圧を供給する。図19(B)の例では、3つの共振キャパシタCrs,Crs1,Crs2を備え、この3つの共振キャパシタCrs,Crs1,Crs2の分圧電圧を整流するように構成されている。
図20(A)、図20(B)の例では、受電側整流回路は倍電圧整流回路を構成している。ダイオードDs1,Ds2は共振キャパシタCrsに流れる電流を倍電圧整流し、負荷へ倍電圧を供給する。
図21(A)、図21(B)の例では、受電装置はセンタータップを有する受電デバイスns1,ns2を備えている。この2つの受電デバイスns1,ns2にそれぞれ整流回路が接続されている。これによりセンタータップ方式の整流回路が構成されている。受電デバイスns1,ns2は必ずしもセンタータップを引き出すことで設けなくてもよく、2つのループコイルを直列接続してもよい。また、この2つのループコイル同士は必ずしも結合している必要はないので、受電デバイスns1,ns2は互いに直交していてもよい。そのことにより、送電デバイスnpと受電デバイスns1,ns2との結合可能な方位角範囲(指向性)が広くなる。図21(B)の例では、受電デバイスns1に2つの共振キャパシタCrs1,Crs3が接続され、この2つの共振キャパシタCrs1,Crs3の分圧電圧を整流するように構成されている。同様に、受電デバイスns2に2つの共振キャパシタCrs2,Crs4が接続され、この2つの共振キャパシタCrs2,Crs4の分圧電圧を整流するように構成されている。
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、送電デバイスおよび受電デバイスが存在する近傍界の空間に配置される少なくとも1つの共鳴デバイスを含む共鳴装置を備えたワイヤレス給電装置について示す。
図22は送電デバイスnpおよび受電デバイスnsの間に共鳴デバイスnsmを配置した様子を示す図である。図23は送電装置Txpに共鳴装置FRxpを近接配置した状態を示す図である。共鳴デバイスnsmは送電デバイスnpおよび受電デバイスnsと同じ構成である。送電デバイスnpおよび受電デバイスnsに接続される回路は図1、図2に示したものと同じである。共鳴デバイスnsmにはキャパシタCが接続されている。この共鳴デバイスnsmとキャパシタCとによって、共鳴共振回路が構成されている。この共鳴共振回路は、共鳴デバイスnsmの誘導性インピーダンス、容量性インピーダンスおよびキャパシタCとで共振回路を構成する。
共鳴デバイスnsmは、幾何学的な図形としてみた場合に、部分が全体の自己相似になっている導電体パターンによるフラクタル形状デバイスであり、その周辺における空間の電磁界エネルギーを高める。
図24は、受電デバイスに流れる電流の周波数特性を示す図である。ここで、特性Aは共鳴デバイスnsmを設けた場合の特性、特性Bは共鳴デバイスnsmを設けない場合の特性である。共鳴デバイスnsmを設けた場合、共振特性のQ値が高く、受電デバイスに流れる電流のピーク値は高い。
図25は共鳴デバイスnsmを設けた場合の受電デバイスnpおよびその周辺の磁束密度分布を示す図である。共鳴デバイスを使用しない場合の特性(図8(A))に比べると、共鳴デバイスを使用しない場合に、受電デバイスの各フラクタル形状の基本形状要素内の磁束密度がそれぞれ高くなっているが、共鳴デバイスnsmを使用した場合には、磁束密度分布の高い領域が特定の空間に集中し、磁束密度の最大値が、共鳴デバイスnsmを使用しない時の約4倍になった。このように、共鳴デバイスの作用によってコイル面内の特定の領域に高磁束密度を生じることがわかる。
図26は電磁界共鳴フィールドの拡大の様子を示す概念図である。先ず、送電装置は直流電圧より電磁界共鳴フィールドを形成する。この電磁界共鳴フィールド中に受電装置を置くと、受電装置は電磁界共鳴フィールドを拡大する。そして、この電磁界共鳴フィールドに共鳴装置を置くとさらに電磁界共鳴フィールドは拡大する。すなわち、共鳴デバイスnsmは、送電デバイスnpによる共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより共振電流を発生させるとともに、この共振電流により新たな電磁界共鳴フィールドを形成(拡大)する。そして、この電磁界共鳴フィールドに共鳴装置を置くとさらに電磁界共鳴フィールドは拡大する。送電装置、受電装置および共鳴装置は、電力伝送周波数における近傍界に存在する。
共鳴装置を備えたワイヤレス給電装置の効果は次のとおりである。
・共鳴デバイスを用いることにより電磁界共鳴フィールドを拡大することができる。
・共鳴デバイスにより送受電間の伝送距離を大きくすることができる。
・共鳴デバイスが有する容量性インピーダンスを共振キャパシタとして用いることにより、外部の共振キャパシタが不要になる。
・共鳴デバイス面全体に比較的高い磁束密度を持つ領域をつくることができる。
・共鳴デバイスの近傍に磁束密度分布の高い領域が生じるので、この共鳴デバイスの配置に応じて、磁束密度分布の高い領域を特定の空間に集中させることができる。
《第8の実施形態》
図27および図28は、複数の送電装置、複数の受電装置を備えるワイヤレス給電装置の概略構成図である。特に図27は複数の送電装置、複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを強めた例である。図28は複数の送電装置、複数の受電装置を配置して共鳴フィールドを拡大した例である。
このように、複数の送電装置、複数の受電装置により、電磁界共鳴フィールドを拡大できる。また、複数の送電装置により伝送電力を大きくすることができる。また、複数の受電装置により、空間を隔てた複数の負荷に電力を供給することができる。また、複数の送電装置、複数の共鳴装置により、電磁界共鳴フィールドを拡大し、受電装置の受電することができる位置自由度を高めることができる。
《第9の実施形態》
図29は第9の実施形態に係るワイヤレス給電装置の回路図である。この例では、送電デバイスnpと送電回路との間にフィルタ30を設けている。また、受電デバイスnsと受電回路との間にフィルタ40を設けている。その他は図1に示した構成と同じである。
上記フィルタ30,40は共鳴周波数の電力を透過し、共鳴周波数以外の周波数の電力を除去(反射)する帯域通過フィルタである。このようなフィルタを設けることにより、不要雑音の発生が抑制され、そのことで周辺機器に対する電磁干渉問題を低減して電磁両立性(EMC)を得ることができる。
電磁界共鳴周波数として、ISM (Industry-Science-Medical) バンドを用いることにより、周辺機器に対する電磁干渉問題を低減することができる。このISMバンドとして、例えば6.7MHz、または13.56MHz、または27.12MHz付近の周波数を利用する。
《第10の実施形態》
図30は第10の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。送電デバイスnpを備える送電装置Txpと、共鳴デバイスnsmを備える共鳴装置FRxpと、受電デバイスnsを備える受電装置Rxpとを含んでいる。
受電装置Rxpは、共振キャパシタCrs1、整流ダイオードD41,D31、および平滑キャパシタCo1による受電回路と受電デバイスns1の組、共振キャパシタCrs2、整流ダイオードD42,D32、および平滑キャパシタCo2による受電回路と受電デバイスns2の組、共振キャパシタCrs3、整流ダイオードD43,D33、および平滑キャパシタCo3による受電回路と受電デバイスns3の組を備えている。そして、3つの受電回路の出力を並列接続して1つの負荷Roへ直流電力を供給するように構成されている。
この例では、共鳴デバイスnsm1および共振キャパシタCrsm1による共鳴装置FRxpと共鳴デバイスnsm2および共振キャパシタCrsm2による共鳴装置FRxpとを備えている。
共鳴デバイスnsm1,nsm2は外形が立方体形状のフラクタルデバイスである。例えば図12に示した立体ヒルベルト曲線状の導体パターンで構成される。送電デバイスnpおよび受電デバイスns1,ns2,ns3 は外形が正方形のヒルベルト曲線状の導体パターンである。送電デバイスnpおよび受電デバイスns1,ns2,ns3 の外形は、共鳴デバイスnsm1,nsm2の一面とほぼ同じ大きさである。また、ステップ数はそれぞれ同じである。
このように、複数の受電デバイスがそれぞれ異なった位置に配置され、それぞれの受電デバイスが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給されるように構成してもよい。これにより、様々な3次元方向の受電デバイスへ給電が可能である。また、負荷に供給可能な電気エネルギーを容易に大きくできる。
《第11の実施形態》
図31は第11の実施形態のワイヤレス給電装置の回路図である。このワイヤレス給電装置において、送電装置には、入力電源Viを電源として動作し、送電デバイスnpを通信用のコイル(近傍界アンテナ)として利用する通信回路50を備えている。また、受電装置には、整流平滑電圧を電源として動作し、受電デバイスnsを通信用のコイル(近傍界アンテナ)として利用する通信回路60を備えている。すなわち、送電デバイスnpおよび受電デバイスnsは電力伝送と信号通信の役割を兼ねる。これにより、送電装置の小型軽量化を達成できる。
通信信号は電力伝送の周波数をキャリア周波数とし、それを変調することで重畳される。したがって、通信信号も電磁界共鳴フィールドを介して通信される。この通信により、送電装置から適切な(目的の)受電装置へ各種データやタイミング信号を伝送できる。または、受電装置から適切な(目的の)送電装置へ各種データやタイミング信号を伝送できる。例えば、送電装置側の各種状態または受電装置側の各種状態を相互にやりとりできる。あるいは、受電装置は送電装置のスイッチ素子のスイッチングに同期して同期整流することもできる。
信号伝送は電力伝送とは異なり、電力伝送効率が悪くても損失増大には繋がらないので、上記通信信号は電力伝送用の周波数とは独立させてもよい。
図31に示した例では、送電装置および受電装置に通信回路50,60を設けたが、共鳴装置FRxpに、整流平滑回路と共に通信回路を備えてもよい。
《第12の実施形態》
第12の実施形態では、送電デバイス、受電デバイスおよび共鳴デバイスの導電体パターンがそれぞれ異なる例を示す。
図32は、送電デバイスおよび受電デバイスの導電体パターンの形状と、配置の例を示す図である。図32において、送電装置Txpの送電デバイスnpはステップ数4のヒルベルト曲線、受電装置Rxpの共鳴デバイスnsはステップ数3のヒルベルト曲線である。
この例の送電デバイスnpと受電デバイスnsとの関係のように、結合する導電体パターンは、ステップ(世代)数nが異なる関係のフラクタル形状デバイスであってもよい。部分が全体の相似形、というフラクタル形状の特徴により、ステップ数の小さい導電体パターンの各線分による磁界は、ステップ数の大きい導電体パターンの連続する複数線分による平均的な磁界に対応するので、ステップ(世代)数nが異なる関係のペアノ曲線状の導電体によるデバイスであっても互いに結合する。
《第13の実施形態》
図33は、送電デバイスおよび受電デバイスの導電体パターンの形状と、配置の例を示す図である。図33において、送電装置Txpの送電デバイスnpはステップ数4のヒルベルト曲線、受電装置Rxpの共鳴デバイスnsはステップ数1のヒルベルト曲線である。但し、受電デバイスnsの一辺のサイズは送電デバイスnpの一辺の1/8である。したがって、受電デバイスnsのパターンは送電デバイスnpのパターンの一部と一致する。
図34は受電デバイス導電体パターンに誘起される電圧の分布を示す図である。このように、一方の導電体パターンの全体が他方の導電体パターンの一部に一致することによって、高い誘起電圧(すなわち受電電圧)が生じる。
この例の送電デバイスnpと受電デバイスnsとの関係のように、デバイスのサイズが異なっていても、一方の導電体パターンの全体が他方の導電体パターンの一部に一致することによって、高い結合度が得られる。
《第14の実施形態》
図35は、送電装置、受電装置および共鳴装置の配置と、送電デバイス、受電デバイスおよび共鳴デバイスの形状の例を示す図である。図35において、送電装置Txpの送電デバイスnpはステップ数4のヒルベルト曲線、共鳴装置FRxpの共鳴デバイスnsmはステップ数3のヒルベルト曲線、受電装置Rxpの受電デバイスnsはステップ数2のヒルベルト曲線である。但し、送電デバイスnpと共鳴デバイスnsmの外形サイズはほぼ等しいが、受電デバイスnsのサイズは共鳴デバイスnsmの外形サイズの1/4である。したがって、受電デバイスnsのパターンは共鳴デバイスnsmのパターンの一部と一致する。
この例の送電デバイスnpと共鳴デバイスnsmとの関係のように、結合する導電体パターンは、ステップ(世代)数nが異なる関係のペアノ曲線状の導電体であってもよい。図32に示した例と同様に、ステップ(世代)数nが異なる関係のペアノ曲線状の導電体であっても互いに結合する。
また、この例の共鳴デバイスnsmと受電デバイスnsとの関係のように、フラクタルデバイスのサイズが異なっていても、図33に示した例と同様に、一方の導電体パターンの全体が他方の導電体パターンの一部に一致することによって、高い結合度が得られる。
このような構成により、デバイスの配置制約に対応することができる。
以上に示した実施形態では、共通の送電装置からそれぞれ受電する複数の受電装置を備えた例を示したが、共通の受電装置に対して複数の送電装置から給電するようにしてもよい。
また、複数の受電装置により受電された電気エネルギーを集めて1つまたは複数の負荷に直流電力を供給されるように構成してもよい。
また、以上に示した幾つかの実施形態において、送電デバイス、受電デバイスおよび共鳴デバイスは、いずれも線状導体パターンが面に沿って広がる平面状のデバイスとして表したが、上記面全体が湾曲または屈曲していてもよい。
Cds1,Cds2,Cds3,Cds4…寄生キャパシタ
Cm…相互キャパシタンス
Co1,Co2,Co3…平滑キャパシタ
Cr,Crs…共振キャパシタ
Crs1,Crs2,Crs3,Crs4…共振キャパシタ
Crsm1,Crsm2…共振キャパシタ
D41,D31…整流ダイオード
D42,D32…整流ダイオード
D43,D33…整流ダイオード
Dds1,Dds2…ダイオード
Ds1,Ds2,Ds3,Ds4…ダイオード
FRxp…共鳴装置
Lf…インダクタ
Lm,Lms…相互インダクタンス
Lr,Lrs…漏れインダクタンス
np…送電デバイス
ns,ns1,ns2,ns3…受電デバイス
nsm,nsm1,nsm2…共鳴デバイス
Q1,Q2,Q3,Q4…スイッチ素子
Ro…負荷
Rxp…受電装置
Txp…送電装置
20…スイッチング制御回路
30,40…フィルタ
50,60…通信回路

Claims (20)

  1. 交流電流を供給する電源と、この電源に電気的に接続される送電デバイスとを備えた送電装置と、
    電気エネルギーを消費する負荷と、この負荷に電気的に接続される受電デバイスとを備えた受電装置と、
    前記送電デバイスが有する誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスと、必要に応じて電気的に接続される外部インピーダンスとで構成される送電共振回路と、
    前記受電デバイスが有する誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスと、必要に応じて電気的に接続される外部インピーダンスとで構成される受電共振回路と、
    前記受電共振回路に電気的に接続され、交流電流による電気エネルギーを前記負荷へ供給する受電負荷回路と、を備え、
    前記送電装置および前記受電装置は空間を隔てて配置され、
    前記送電デバイスは、前記交流電流により周期的に変化する電磁界を空間につくり、空間そのものがエネルギーをもって振動する電磁界共鳴フィールドを形成し、
    前記受電デバイスは、前記電磁界共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより交流電流を流すとともに、この交流電流により新たな電磁界共鳴フィールドを形成し、
    前記送電デバイスまたは前記受電デバイスは、広がりのある面を分割した全ての領域を自己交差せずに通って前記広がりのある面を覆う、空間充填曲線であるペアノ曲線状の連続した導電体を有することで、いたる所に差動コイル構造を構成して、前記送電デバイスおよび前記受電デバイスが配置される空間の電磁界エネルギーを局所的に高めたことを特徴とするワイヤレス給電装置。
  2. 前記電磁界共鳴フィールドは、前記送電デバイスまたは前記受電デバイスから、前記交流電流の周波数fsの逆数であるスイッチング周期Ts[秒]と光速(約30万[km/s])の積である1波長の長さに対して1/5以下の範囲の近傍界に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のワイヤレス給電装置。
  3. 前記送電デバイスおよび前記受電デバイスが存在する近傍界の空間に配置される少なくとも1つの共鳴デバイスを含む共鳴装置と、
    前記共鳴デバイスが有する誘導性インピーダンスおよび容量性インピーダンスまたは外部インピーダンスで構成される共鳴共振回路と、を備え、
    前記共鳴デバイスは、前記電磁界共鳴フィールドから電気エネルギーを得ることにより交流電流を発生させるとともに、この交流電流により新たな電磁界共鳴フィールドを形成し、
    前記共鳴デバイスは、広がりのある面を分割した全ての領域を自己交差せずに通って前記広がりのある面を覆う、空間充填曲線であるペアノ曲線状の連続した導電体を有することで、いたる所に差動コイル構造を構成して、前記共鳴デバイスが配置される空間の電磁界エネルギーを局所的に高めたことを特徴とする、請求項1または2に記載のワイヤレス給電装置。
  4. 前記送電デバイスまたは前記受電デバイスの前記導電体は、ステップ数n(n=1)での形状を基本形状要素とする場合のステップ数nが2以上であり、外形がほぼ正方形またはほぼ立方体である、請求項1または2に記載のワイヤレス給電装置。
  5. 前記共鳴デバイスの前記導電体は、ステップ数n(n=1)での形状を基本形状要素とする場合のステップ数nが2以上であり、外形がほぼ正方形またはほぼ立方体である、請求項3に記載のワイヤレス給電装置。
  6. 前記送電デバイスの前記導電体と、前記受電デバイスの前記導電体とは、前記ステップ数nが異なるペアノ曲線状の導電体である、請求項4に記載のワイヤレス給電装置。
  7. 前記共鳴デバイスの前記導電体と、前記送電デバイスまたは前記受電デバイスの前記導電体とは、前記ステップ数nが異なるペアノ曲線状の導電体である、請求項5に記載のワイヤレス給電装置。
  8. 前記受電負荷回路は、整流回路を有し、直流の電気エネルギーを前記負荷に供給することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  9. 前記交流電流を供給する電源は、前記送電共振回路の、前記電源が接続される入力から負荷側全体をみた等価的な入力インピーダンスの虚部Xが0となる共振周波数frに対して、前記交流電流の周波数fsが、fs=fr±30%の関係である、請求項1〜8のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  10. 前記送電共振回路と前記受電共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項1〜9のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  11. 前記送電共振回路と前記共鳴共振回路のそれぞれが独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項3,5,7のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  12. 前記共鳴装置は、前記近傍界の空間に複数配置されたことを特徴とする、請求項3,5,7,11のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  13. 複数の前記共鳴共振回路がそれぞれ独立に有する共振周波数は、±30%の範囲内で一致している、請求項12に記載のワイヤレス給電装置。
  14. 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置の前記交流電流の周波数は、±30%の範囲内で同一である、請求項1〜13のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  15. 前記受電装置は複数配置され、それぞれの受電装置が有する受電共振回路の共振周波数は、±30%の範囲内で同一である、請求項1〜14のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  16. 前記受電デバイスは複数配置され、それぞれの受電デバイスが受電する電気エネルギーを集めて負荷に供給されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  17. 前記送電装置は複数配置され、それぞれの送電装置の前記交流電流の周波数はISM (Industry-Science-Medical) バンドである、請求項1〜16のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  18. 前記送電装置は、前記交流電流の周波数以外の周波数成分を除去するフィルタを備えた、請求項1〜17のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  19. 前記送電装置および前記受電装置は電波を介して通信する通信回路を備えた、請求項1〜18のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
  20. 前記共鳴装置は前記送電装置または前記受電装置との間で電波を介して通信する通信回路を備えた、請求項3,5,7,11,12,13のいずれかに記載のワイヤレス給電装置。
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