JP2017037955A - コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム - Google Patents

コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP2017037955A
JP2017037955A JP2015158147A JP2015158147A JP2017037955A JP 2017037955 A JP2017037955 A JP 2017037955A JP 2015158147 A JP2015158147 A JP 2015158147A JP 2015158147 A JP2015158147 A JP 2015158147A JP 2017037955 A JP2017037955 A JP 2017037955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic body
coil
body portion
power
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015158147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6565464B2 (ja
Inventor
弘敬 大島
Hirotaka Oshima
弘敬 大島
聡 下川
Satoshi Shimokawa
聡 下川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2015158147A priority Critical patent/JP6565464B2/ja
Publication of JP2017037955A publication Critical patent/JP2017037955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6565464B2 publication Critical patent/JP6565464B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】kQを増加させることができるコイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システムの提供を図る。
【解決手段】第1磁性体部51と、前記第1磁性体部に対向する第2磁性体部52と、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部の間に設けられた第3磁性体部53と、前記第3磁性体部に巻かれたコイル54と、を有し、前記コイル内の第3磁性体部の面積は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部の面積よりも小さくなっている。
【選択図】図5

Description

この出願で言及する実施例は、コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システムに関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、自動車等の電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
従来、無線電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られているが、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ無線による電力伝送が可能な磁界共鳴(磁界共振)を用いたワイヤレス電力伝送が有望視されている。
ところで、ワイヤレス電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2011−050127号公報 特開2012−151311号公報 特開2014−014258号公報 国際公開第2011/114527号
前述したように、例えば、磁界共鳴を利用したワイヤレス電力伝送が注目されているが、送電器(送電共振コイル)から受電器(受電共振コイル)への給電を向上させるには、kQを増加させるのが好ましい。
ここで、k(k値)は、電磁界の結合の程度を示し、その値が大きいほど、結合の程度が大きいことを示し、Q(Q値)は、電磁界の損失の程度を示し、その値が大きいほど、損失の程度が小さいことを示す。
kQを増加させる方法としては、例えば、磁気コアの利用が考えられるが、多くの給電対象となる機器には、サイズや重量などに制限がある。例えば、送電コイル(送電共振コイル)と受電コイル(受電共振コイル)が対向する面直型(コイル対向型)においては、薄い板状のコアでは反磁界によって比透磁率αの効果が低減されてしまうため、大きな効果が得られない虞がある。
また、コイル対向型において、kを増加するには、例えば、コイル面積を増加することが考えられるが、コイル面積の増加は、許容されるサイズによる制限を受け、また、放射損の増加を招くことにもなる。
さらに、Qを増加するために、コイル抵抗Rを減少することも考えられるが、例えば、高価なコイル材料の使用によるコストの問題、或いは、コイルを太くする場合のサイズや重さの問題といった問題も生じる。
一実施形態によれば、第1磁性体部と、前記第1磁性体部に対向する第2磁性体部と、前記第1磁性体部と前記第2磁性体部の間に設けられた第3磁性体部と、前記第3磁性体部に巻かれたコイルと、を有するコイル構造体が提供される。
前記コイル内の第3磁性体部の面積は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部の面積よりも小さくなっている。
開示のコイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システムは、kQを増加させることができるという効果を奏する。
図1は、電力伝送システムの例を模式的に示す図である。 図2は、二次元および三次元の無線電力伝送システムの例を模式的に示す図である。 図3は、無線電力伝送システムにおける給電効率(kQ)を説明するための図である。 図4は、本実施例に係るコイル構造体を模式的に示す図である。 図5は、図4に示すコイル構造体による鎖交磁束の収束を説明するための図である。 図6は、本実施例のコイル構造体によるコイル抵抗の低減を説明するための図である。 図7は、本実施例による効果を説明するための図である。 図8は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図9は、図8の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。 図10は、本実施例のコイル構造体における条件の第1例を説明するための図である。 図11は、本実施例のコイル構造体における条件の第2例を説明するための図である。 図12は、本実施例のコイル構造体における条件の第3例を説明するための図である。 図13は、本実施例のコイル構造体における条件の第4例を説明するための図である。 図14は、本実施例のコイル構造体における第3磁性体部の例を説明するための図である。 図15は、本実施例のコイル構造体における第1磁性体部および第2磁性体部の例を説明するための図である。 図16は、本実施例のコイル構造体によるシミュレーションの例を示す図(その1)である。 図17は、本実施例のコイル構造体によるシミュレーションの例を示す図(その2)である。
まず、コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システムの実施例を詳述する前に、電力伝送システムの例を、図1および図2を参照して説明する。ここで、図1および図2では、受電電力(要望電力)が数ワット(W)〜数十Wのスマートフォンやノートパソコンを示して説明するが、後に詳述する本実施例は、これらに限定されず、さらに大電力を扱う家電製品や電気自動車等に対しても適用可能である。
また、本実施例のコイル構造体は、例えば、磁界共鳴を用いた無線電力伝送システムにおける送電器の共振コイル、および、受電器の共振コイルのどちらか一方、或いは、両方の共振コイルに対して適用することができる。
図1は、電力伝送システムの例を模式的に示す図であり、図1(a)は、有線電力伝送(ワイヤー接続給電)システムの一例を示し、図1(b)は、無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムの一例を示す。図1(a)および図1(b)において、参照符号2A1〜2C1は、それぞれ受電器を示す。
ここで、受電器2A1は、例えば、受電電力が10Wのタブレットを示し、受電器2B1は、例えば、受電電力が50Wのノートパソコンを示し、受電器2C1は、例えば、受電電力が2.5Wのスマートフォンを示す。なお、受電電力は、例えば、それぞれの受電器2A1〜2C1における充電池(二次電池)を充電するための電力に相当する。
図1(a)に示されるように、通常、タブレット2A1やスマートフォン2C1の二次電池を充電する場合、例えば、パソコン(Personal Computer)のUSB(Universal Serial Bus)端子(または、専用電源等)3Aに対して電源ケーブル4A,4Cを介して接続する。また、ノートパソコン2B1の二次電池を充電する場合、例えば、専用の電源装置(AC-DC Converter)3Bに対して電源ケーブル4Bを介して接続する。
すなわち、図1(a)に示されるように、携帯可能な受電器2A1〜2C1であっても、一般的に、電源ケーブル4A〜4Cを使用してUSB端子3Aや電源装置3Bからワイヤー接続により給電(有線電力伝送)を行っている。
ところで、近年、電磁誘導に代表される非接触給電技術の進歩により、例えば、シェーバーや電動歯ブラシ等でワイヤレス給電(無線電力伝送)が実用化されている。そこで、図1(b)に示されるように、例えば、送電器1A1から、タブレット2A1,ノートパソコン2B1およびスマートフォン2C1に対しても無線電力伝送することが考えられている。
図2は、二次元および三次元の無線電力伝送システムの例を模式的に示す図である。ここで、図2(a)は、二次元無線電力伝送(二次元ワイヤレス給電)システムの一例を示し、例えば、上述したシェーバーや電動歯ブラシ等と同様に、電磁誘導により無線電力伝送を行う様子を示す。また、図2(b)は、三次元無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示し、例えば、磁界共鳴を利用して無線電力伝送を行う様子を示す。
図2(a)に示されるように、電磁誘導を利用して無線電力伝送を行う場合には、非接触給電であっても送電距離が短いために、送電器1A2にほぼ接触している受電器だけが給電可能である。
すなわち、送電器(受電台)1A2上に置かれた受電器(ノートパソコン)2B2に対しては給電することができても、受電台1A2から離れたノートパソコン2B3に対しては給電することは困難である。このように、図2(a)に示す無線電力伝送システムは、受電台1A2上の自由な配置を可能とする二次元的なワイヤレス給電システムである。
図2(b)に示されるように、磁界共鳴を利用して無線電力伝送を行う場合には、送電器1A2から所定範囲内(図2(b)における破線の内側)に存在する複数の受電器に対して給電することが可能である。
すなわち、送電器1A3から所定範囲内のタブレット2A2,2A3、ノートパソコン2B2,2B3およびスマートフォン2C2に対して無線電力伝送することが可能である。なお、図2(b)では、1つの送電器1A3のみ描かれているが、複数の送電器により、様々な角度および位置の複数の受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行うようになっている。
このように、図2(b)に示す無線電力伝送システムは、例えば、磁界共鳴を利用することにより、電磁誘導を利用したものに比べて遠方の空間においても高い送電効率を得ることができる三次元的なワイヤレス給電システムである。
以上において、本実施例の無線電力伝送システムは、例えば、複数の送電器(送電共振コイル)により、様々な角度および位置の複数の受電器(受電共振コイル)に対して、磁界共鳴を利用して無線電力伝送を行うシステムに限定されるものではない。すなわち、本実施例は、例えば、1つの受電器に対して1つの送電器を近接させ、磁界共鳴を利用して電力を無線送電するシステムに対しても適用することができる。
図3は、無線電力伝送システムにおける給電効率(送電効率:kQ)を説明するための図であり、縦軸は、効率(理想効率)を示し、横軸は、kQ(kとQの積:kQ値)を示す。ここで、k(k値)は、電磁界の結合の程度を示し、その値が大きいほど、結合の程度が大きいことを示す。また、Q(Q値)は、電磁界の損失の程度を示し、その値が大きいほど、損失の程度が小さいことを示す。なお、効率はkQで決まるが、効率=kQではななく、本明細書における効率kQ等の記載に関しては、効率がkQで決まるという意味で理解されたい。
また、kQは、次の式(1)により表される。なお、ここで、Q1は、送電器のQ値を示し、Q2は、受電器のQ値を示す。
kQ=k×(Q12)1/2 …… (1)
また、kは、次の式(2)により表される。ここで、M12は、送電器と受電器の間の相互インダクタンスを示し、L1は、送電器の自己インダクタンス、そして、L2は、受電器の自己インダクタンスを示す。
k=M12/(L12)1/2 …… (2)
さらに、Q1,Q2は、次の式(3)により表される。ここで、ωは、角振動数を示し、R1は、送電器の共振コイル抵抗(損失)、そして、R2は、受電器の共振コイル抵抗を示す。
1=ωL1/R1,Q2=ωL2/R2 …… (3)
図3に示されるように、例えば、送電:受電=1:1のワイヤレス給電において、効率とkQの間には、理論的な関係が確立されており、高い送電効率を実現するためには、kQを増加させるのが好ましいことが分かる。このkQを増加させる方法としては、例えば、磁気コアの利用が考えられるが、多くの給電対象となる機器には、サイズや重量などに制限がある。
例えば、送電コイル(送電共振コイル)と受電コイル(受電共振コイル)が対向する面直型(コイル対向型)においては、薄い板状のコアでは反磁界によって比透磁率αの効果が低減されてしまうため、大きな効果が得られない虞がある。
コイル対向型において、kを増加するには、例えば、コイル面積を増加することが考えられるが、コイル面積の増加は、許容されるサイズによる制限を受け、また、放射損の増加を招くことにもなる。
また、Q(=ωL/R)を増加するには、例えば、角振動数(周波数)ωを増加することが考えられるが、周波数の増加は、標準規格や電源帯域による制限を受ける。さらに、自己インダクタンス(L)を増加することも考えられる。この場合、コイルの巻き数Nを増加すると、サイズによる制限や近接効果の問題があり、また、磁気コア(磁性体)を利用すると、サイズによる制限やコア損失による制限の問題が生じる。
さらに、Qを増加するために、コイル抵抗Rを減少することも考えられるが、例えば、高価なコイル材料の使用によるコストの問題、或いは、コイルを太くする場合のサイズや重さの問題といった問題も生じる。
このように、コイル設計において、kQを増加させる場合、主としてサイズ制限による限界があり、また、コイルの低抵抗化(例えば、純銅を超える材料開発)も実際にはかなり難しい。
以下、コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。図4は、本実施例に係るコイル構造体を模式的に示す図であり、図5は、図4に示すコイル構造体による鎖交磁束の収束を説明するための図である。図4において、参照符号51は第1磁性体部、52は第2磁性体部、53は第3磁性体部、そして、54はコイルを示す。
ここで、図4(a)は、第3磁性体部53およびコイル54を透視して示すコイル構造体の斜視図であり、図4(b)は、コイル構造体の平面図であり、そして、図4(c)は、コイル構造体の側面図である。また、図5(a)は、コイル54に対する磁束(鎖交磁束)Φ0を模式的に示し、図5(b)は、コイル構造体に対する磁束Φ0を模式的に示す。
図4(a)〜図4(c)に示されるように、本実施例のコイル構造体は、第1磁性体部51、第1磁性体部51に対向する第2磁性体部52、第1磁性体部51と第2磁性体部52の間に設けられた第3磁性体部53、および、コイル54を有する。
第1磁性体部51および第2磁性体部52は、例えば、それぞれシート形状の軟磁性体材料で形成され、第3磁性体部53は、ほぼ円柱形状の軟磁性体材料で形成されている。ここで、第1磁性体部51,第2磁性体部52および第3磁性体部53は、同じ軟磁性体材料で一体的に形成することができる。
或いは、それぞれ独立に形成し、例えば、シート形状の第1磁性体部51および第2磁性体部52の間(例えば、ほぼ中央)に、円柱形状の第3磁性体部53を配置するようにしてもよい。この場合、例えば、第1および第2磁性体部52,53の材料(軟磁性体材料)と、第3磁性体部53の材料を異なるようにして形成することも可能である。
なお、以下の記載では、簡略化のために、第1〜第3磁性体部51〜53は、同じ軟磁性体材料(同じ透磁率)で、全て平面形状が円形であるとし、また、第1および第2磁性体部51,52は同じ大きさ(面積:投影面積)とする。
ここで、図3を参照して説明したように、効率(例えば、給電効率)kQは、kQ=k×(Q12)1/2と表すことができ、k=M12/(L12)1/2,Q=(Q12)1/2=ω(L12/R12)1/2となるため、kQは、次の式(4)により表される。
kQ=ωM12/(R12)1/2 …… (4)
従って、効率kQを大きくするには、相互インダクタンスMを大きくし、コイル抵抗Rを小さくするのがよいことが分かる。
図5(a)および図5(b)に示されるように、第1磁性体部51および第2磁性体部52を透過(貫通,通過)する磁束が、コイル54内(コイル54内の第3磁性体部53)に絞り込まれるようになっている。すなわち、図5(a)および図5(b)に示されるように、鎖交磁束Φ0は、ある程度、コイル54内の第3磁性体部53(コア)に収束されることになる。
まず、相互インダクタンスMは、一次回路に単位電流I1を流したとき、二次回路に鎖交する磁束数N2Φ2で定義され、N2Φ2=MI1と表される。ここで、空芯で面積S0のコイル54における鎖交磁束をΦ0とし、第1および第2磁性体部52,53の上下面積(投影面積)をS0、そして、コイル54内の第3磁性体部53の中心面積をScとする。なお、コアの透磁率μcは、μc=αμ0と表され、第1および第2磁性体部51,52と第3磁性体部53の長さ比(外周比)βは、β=(Sc/S0)1/2と表される。
磁束が第1および第2磁性体部51,52を上下(垂直方向)に通過するとして、上下方向の磁気抵抗(リラクタンス)を考える。一般的に、面積がSで、透磁率がμのリラクタンスRmは、Rm ∝ 1/(μS)で与えられる。
本実施例のコイル構造体は、中央部が第3磁性体部53と空気(比透磁率1)の並列接続であり、その上下に比透磁率αの第1および第2磁性体部51,52が直列に接続されているとする。この場合、コイル54内の第3磁性体部53を通過する磁束Φcは、Φ0のα/(α+β2−1)倍になると考えられる。
すなわち、Φcは、次の式(5)により表される。
Φc≒μcSc/[μ0(S0−Sc)+μcSc]×Φ0
≒α/[α+(β2−1)]×Φ0 …… (5)
従って、相互インダクタンスMc(=M12)は、次の式(6)により表される。
Mc≒α/(α+β2−1) …… (6)
一例として、α=100、β=10のとき、Mc=0.91M0となり、相互インダクタンスは元の約9割程度に保たれる、すなわち、約1割減程度で済むことが分かる。なお、上記は、簡便なモデルによる説明であり、定量的には、コア形状の効果などによって磁気抵抗モデルからのずれは起こり得るのはいうまでもない。
図6は、本実施例のコイル構造体によるコイル抵抗の低減を説明するための図であり、第3磁性体部53に巻かれるコイル54の面積Sc(コイル径)と抵抗Rの関係を説明するためのものである。ここで、図6(a)は、コイル54の面積Sが大きい場合(S=S0)を示し、図6(b)は、コイル54の面積Sが小さい場合(S=S0/β2)を示す。
まず、コイル抵抗Rは、コイルの線長さに比例する。そこで、前述した空芯コイルの抵抗R0を使用すると、本実施例のコイル構造体におけるコイル54の抵抗Rcは、R0/βになると考えられる。例えば、β=10のときは、Rc=R0/10となる。つまり、コイル面積を1/100にすると、コイル抵抗は1/10に減少する。
そこで、本実施例のコイル構造体を、例えば、図8および図9を参照して後述する送電器1(送電共振コイル11a)または受電器2(受電共振コイル21a)の一方に適用した場合を考える。
このときの効率(送受電効率)kQをkcQcとすると、kcQcは、次の式(7)により表される。
kcQc=ωMc/(R1Rc)1/2
≒ωαM0/(α+β2−1)×(1/[(R10)/β]1/2
≒(αβ1/2)/(α+β2−1)×(ωM0)/(R10)1/2
≒(αβ1/2)/(α+β2−1)×k00 …… (7)
従って、kcQcは、k00のおよそ(αβ1/2)/(α+β2−1)倍になると考えることができる。一例として、α=100,β=10のとき、kcQc≒2.9k00となる。つまり、kQを、もとの2.9倍に増大することが可能なのが分かる。これは、前述した式(4)において、βの増加による分子(M:M12)の減少よりも、分母(R:(R12)1/2)の減少の方が大きいためであるとして説明することができる。
図7は、本実施例による効果を説明するための図であり、上述した式(7)のkcQc≒(αβ1/2)/(α+β2−1)×k00において、(αβ1/2)/(α+β2−1)=X(α,β)とし、横軸に絞込み部の長さ比βを取り、縦軸に係数Xを取ったものである。そして、図7は、様々な比透磁率α=1〜10000およびXmaxに対するβ依存性を示している。
すなわち、図7では、αの値1,100,200,400,600,800,1000,2000,5000,10000およびXmaxに対して、それぞれ特性曲線CL1,CL2,CL3,CL4,CL5,CL6,CL7,CL8,CL9,CL10およびCL11が描かれている。
なお、これまでの説明は、コア損失が十分に小さく無視できる場合に基づいていたが、図7では、コア損失がある場合を考慮したもので、コア損失がある場合には、コイル抵抗が増えて見える。
ここで、コア損失によるコイル抵抗の増加分をR"とすると、図7に示されるように、コイル抵抗Rcは、Rc=R0/β"と表すことができ、その時のkcQcは、αβ"1/2/(α+β2−1)となる。これは、コア損失が無い場合の(β"/β)1/2倍である。
一例として、α=100,β=10,β"=8のとき、kcQc=2.6k00となる。つまり、αβ1/2/(α+β2−1)>(β"/β)1/2であれば、コア損失があっても十分に効率kQを増加させる効果があると言える。
次に、本実施例が適用される無線電力伝送システムの例を、図8および図9を参照して説明する。なお、図8および図9では、1つの送電器1(ワイヤレス送電部11)および1つの受電器2(ワイヤレス受電部21)のみが描かれているが、本実施例は、複数の送電器1および複数の受電器2を含む無線電力伝送システムに対して適用できるのは前述した通りである。
図8は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図であり、参照符号1は一次側(送電器)を示し、2は二次側(受電器)を示す。図8に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、電力供給コイル11bおよび送電共振コイル(送電コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、受電共振コイル(受電コイル)21aおよび電力取出コイル21bを含む。
図8に示されるように、送電器1と受電器2は、例えば、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴により、送電器1から受電器2に対してエネルギー(電力)の伝送を行う。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲)よりも短く設定される。
また、送電共振コイル11aおよび受電共振コイル21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzや85kHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長の1/6程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)は、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル11bに対して高周波の電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる送電周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図9は、図8の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図であり、図9(a)および図9(b)は、3コイル構成の例を示し、図9(c)は、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図8に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が電力供給コイル11bおよび送電共振コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が受電共振コイル21aおよび電力取出コイル21bを含んでいる。
これに対して、図9(a)の例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図9(b)の例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図9(c)の例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図9(a)〜図9(c)は、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
なお、本実施例のコイル構造体は、例えば、上述した図8および図9における送電共振コイル11aおよび受電共振コイル21aの少なくとも一方に適用することができる。すなわち、本実施例のコイル構造体は、送電共振コイル11aだけ、受電共振コイル21aだけ、或いは、送電共振コイル11aおよび受電共振コイル21aの両方に適用することができる。
図10は、本実施例のコイル構造体における条件の第1例を説明するための図であり、図10(a)は、平面図を示し、図10(b)は側面図を示す。まず、図10(a)に示されるように、コイル54内の第3磁性体部53の面積(第1投影面積)Scと、第1磁性体部51および第2磁性体部52のうちより大きい方の面積(第2投影面積)S0の比(Sc/S0)を求める。
次に、図10(b)に示されるように、コイル54内の第3磁性体部53を通過(透過)する磁束(第1磁束)Φcと、第1磁性体部51および第2磁性体部52を透過する磁束のうちより大きい方の磁束(第2磁束)Φ0の比(Φc/Φ0)を求める。
そして、第1磁束Φcと第2磁束Φ0の比(Φc/Φ0)が、第1投影面積Scと第2投影面積S0の比(Sc/S0)の4乗根((Sc/S0)-1/4)よりも大きな値となる、Φc/Φ0>(Sc/S0)-1/4が成立するように規定する。なお、(Sc/S0)-1/4は、β1/2に相当する。
このように、Φc/Φ0>(Sc/S0)-1/4が成立するように規定すれば、kQの値は、空芯の同じ面積のコイル(54)を使用した場合よりも大きなものとなる。さらに、前述した図7に示されるように、例えば、Φc/Φ0>(Sc/S0)-1/4×1.5、すなわち、1.5倍よりも大きくなるように規定すれば、より十分なkQが得られることになる。
なお、図10では、第1磁性体部51および2磁性体部52の面積が異なる場合を考えたが、第1および第2磁性体部51,52が同じ形状(同じ投影面積)ならば、どちらか一方の面積をS0として適用するのはいうまでもない。これは、以下に説明する図11〜図13でも同様である。
図11は、本実施例のコイル構造体における条件の第2例を説明するための図であり、図11(a)は、平面図を示し、図11(b)は側面図を示す。まず、図11(a)に示されるように、コイル54の実効的な第1抵抗値Rcと、コイル54と同じ線材で第1磁性体部51および第2磁性体部52のうちより大きい方と等しくした空芯コイルの実質的な第2抵抗値R0の平方根(Rc/R0)-1/2を求める。
すなわち、R0は、コイル54に使用した線材と同じ(材料,太さ等)の線材により第1磁性体部51および第2磁性体部52のうちより大きい外周長の空芯コイルにおける抵抗値に相当する。
次に、図11(b)に示されるように(図10(b)を参照して説明したように)、コイル54内の第3磁性体部53を通過する第1磁束Φcと、第1磁性体部51および第2磁性体部52を透過する磁束のうちより大きい方の第2磁束Φ0の比(Φc/Φ0)を求める。
そして、第1磁束Φcと第2磁束Φ0の比(Φc/Φ0)が、第1抵抗値Rcと第2抵抗値R0の平方根(Rc/R0)-1/2よりも大きな値となる、Φc/Φ0>(Rc/R0)-1/2が成立するように規定する。なお、(Rc/R0)-1/2は、β1/2に相当する。
このように、Φc/Φ0>(Rc/R0)-1/2が成立するように規定すれば、kQの値は、空芯の同じ面積のコイル(54)を使用した場合よりも大きなものとなる。さらに、例えば、Φc/Φ0>(Rc/R0)-1/2×1.5、すなわち、1.5倍よりも大きくなるように規定すれば、より十分なkQが得られることになる。
図12は、本実施例のコイル構造体における条件の第3例を説明するための図であり、図12(a)は、平面図を示し、図12(b)は側面図を示す。図12(a)に示される(図10(a)を参照して説明したのと同様)に、コイル54内の第3磁性体部53の第1投影面積Scと、第1磁性体部51および第2磁性体部52のうちより大きい方の第2投影面積S0の比(Sc/S0)を求める。
そして、第1投影面積Scと第2投影面積S0の比(Sc/S0)の逆数(S0/Sc)の平方根(S0/Sc)-1/2が3以上となる((S0/Sc)-1/2≧3)ように規定する。ここで、(S0/Sc)-1/2は、βに相当する。
すなわち、前述した図7に示されるように、(S0/Sc)-1/2≧3であれば、kQを増大する効果は十分と考えられるが、5以上((S0/Sc)-1/2≧5)であれば、より一層好ましいものとなる。
図13は、本実施例のコイル構造体における条件の第4例を説明するための図であり、図13(a)は、平面図を示し、図13(b)は側面図を示す。図13(a)および図13(b)に示されるように、第3磁性体部53の第1外周(コイル54の線長さ)Lcと、第1磁性体部51および第2磁性体部52のうちより大きい方の第2外周L0の比(Lc/L0)を求める。
そして、第1外周Lcと第2外周L0の比(Lc/L0)が3以上となる(Lc/L0≧3)ように規定する。ここで、(Lc/L0)は、βに相当する。すなわち、上述した図12の場合と同様に、Lc/L0≧3であれば、kQを増大する効果は十分と考えられるが、5以上(Lc/L0≧5)であれば、より一層好ましいものとなる。
図10〜図13を参照して説明した本実施例のコイル構造体を規定する条件の第1例〜第4例は、例えば、コイル構造体を適用する装置の形状や大きさ、或いは、扱う電力や許容される容積や重量等の様々な要因により適切なものを利用することになる。
図14は、本実施例のコイル構造体における第3磁性体部の例を説明するための図であり、図14(a)は、コイル構造体の全体の断面図および平面図であり、図14(b)〜図14(d)は、第3磁性体部53およびコイル54を拡大して示す断面図である。
図14(b)は、第3磁性体部53を円柱形状とし、第3磁性体部53の外側にコイル54を巻きつけた様子を示す。なお、コイル54は、第3磁性体部53の外側に密接するように複数回ヘリカル状に巻回してもよいが、コイル54同士が重なり合うようにスパイラル状に巻回してもよい。
ただし、コイルをヘリカル状に巻回する場合、第1および第2磁性体部51,52の磁界が絞り込まれるコイル54内の第3磁性体部53の面積Scは変化しないが、コイルをヘリカル状に巻回すると、実質的な面積Scが増大することになる。
図14(c)および図14(d)は、第3磁性体部53の形状が第1および第2磁性体部51,52に接する両端よりもコイル54が巻かれる中央の径が小さくなるように、すなわち、第3磁性体部53の径が連続的に変化するように形成されている。
すなわち、コイル54を第3磁性体部53の外側に複数回ヘリカル状に巻回するには、図14(a)の形状が好ましいが、コイル54を第3磁性体部53の外側に1回またはスパイラル状に巻回するには、図14(c)および図14(d)の方が好ましい。
これは、第1および第2磁性体部51,52の磁界をコイル54内の第3磁性体部53に絞り込むには、第1および第2磁性体部51,52と第3磁性体部53の径(軟磁性体材料)が連続的に変化している方が有利と考えられるからである。なお、図14に示す第3磁性体部の形状は、単なる例であり、様々に変形および変更することができるのはいうまでもない。
図15は、本実施例のコイル構造体における第1磁性体部および第2磁性体部の例を説明するための図であり、図15(e)は、上述してきた基本形状に相当し、図15(a)〜図15(d)は、変形例に相当する。なお、図15(e)は、後に、図16および図17を参照して説明するシミュレーションの計算条件に使用する個所も示している。
まず、図15(a)に示す例は、第1および第2磁性体部51,52を、コイル構造体を適用する装置(例えば、スマートフォン等)の形状に対応させて、非対称形状としたものであり、図15(c)に示す例は、ほぼ矩形形状としたものである。
すなわち、第1および第2磁性体部51,52は、例えば、ほぼ円形形状,楕円形状,矩形形状,多角形状または非対称形状とすることができる。ここで、例えば、矩形形状や多角形状とした場合において、角部を丸める等の様々な変更も可能である。
また、図15(b)に示す例は、第1および第2磁性体部51,52に切欠き50Aを形成したものであり、図15(d)に示す例は、第1および第2磁性体部51,52にスリット50Bを形成したものである。なお、スリット50Bは、へこみ(凹部)としてもよい。
このように、第1および第2磁性体部51,52は、必ずしも全て軟磁性体材料で形成(充填)されていなくても、前述した本実施例のコイル構造体の効果は発揮される。すなわち、本実施例のコイル構造体を、例えば、スマートフォンの受電共振コイル(21a)に適用する場合、図15(b)や図15(d)の形状とすることにより、第1および第2磁性体部51,52による重量を低減することが可能になる。
以上において、第1磁性体部51および第2磁性体部52は、両方とも同じ形状でなくてもよいのはもちろんである。また、図15に示す第1および第2磁性体部の形状は、単なる例であり、様々に変形および変更することができるのはいうまでもない。
図16および図17は、本実施例のコイル構造体によるシミュレーションの例を示す図であり、図16(a)は計算条件を示し、図16(b)はシミュレーション結果を示し、そして、図17はシミュレーションにおける様々な数値およびkQの規格化を示す。
まず、図15(e)に示されるように、第1および第2磁性体部51,52の厚さをX,第3磁性体部53の厚さ(高さ)をY,第1および第2磁性体部51,52の直径をD0,そして、コイル54内の第3磁性体部53の直径をDcとする。
図16(a)に示されるように、シミュレーションの計算条件としては、周波数fを100kHz,軟磁性体の比透磁率μrを1000,Xを5mm,Yを10mm,そして,D0を100mmとして行った。
また、コイル54の線幅を1mm,コイル54の線厚(1回巻く毎)を0.1mmtとし、さらに、送電コイルの直径を500mm,距離を100mmとした。なお、コイル54の内径として、コイル54内の第3磁性体部53の直径Dcに対して、コイル線幅の2倍(Dc+2)を設定した。
図16(b)は、図17に示されるように、β(=D0/Dc)が1,2,5,10,25と変化したとき、kQの変化を規格化したシミュレーション結果を示す。さらに、図16(b)は、本実施例を適用しない空芯コイル(μr=1)の場合も示している。
なお、図17において、R1は送電器の共振コイル抵抗(損失),R2は受電器の共振コイル抵抗,L1は送電器の自己インダクタンス,L2は受電器の自己インダクタンス,そして,M12は送電器と受電器の間の相互インダクタンスを示す。また、Q1は送電器のQ値(電磁界の損失の程度),Q2は受電器のQ値,kは電磁界の結合の程度,そして,kQと図3から効率(受電効率)が得られる。
このように、図16および図17に示すシミュレーションは、第1および第2磁性体部51,52の直径D0を100mmで固定し、コイル54内の第3磁性体部53の直径Dcを変化させてkQの計算を行った。
これにより、図16(b)に示されるように、空芯コイル(絞り込みの無い場合)と比較すると、本実施例のコイル構造体(本実施例のコイル構造体を受電共振コイルに適用した受電器)によれば、より大きなkQが得られることが分かる。
すなわち、本実施例を適用することにより、例えば、コアの厚さや外径を増大することなく、高効率化が可能性であると言うことができる。なお、上述したシミュレーションは、本実施例のコイル構造体を受電共振コイル(受電器)に適用した場合であるが、送電共振コイル(送電器)に適用した場合も同様の効果が得られるのはいうまでもない。
すなわち、本実施例は、例えば、磁界共鳴を用いた無線電力伝送システムにおける送電器の共振コイルと受電器の共振コイルのどちらか一方、或いは、両方の共振コイルに対して適用することができる。
以上の記載において、本実施例は、例えば、受電電力が数W〜数十Wのスマートフォンやノートパソコンだけでなく、さらに、大きな電力を扱う家電製品、或いは、自動車等の電力インフラ機器に対して、幅広く適用することが可能である。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではない。また、明細書のそのような記載は、発明の利点および欠点を示すものでもない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
第1磁性体部と、
前記第1磁性体部に対向する第2磁性体部と、
前記第1磁性体部と前記第2磁性体部の間に設けられた第3磁性体部と、
前記第3磁性体部に巻かれたコイルと、を有し、
前記コイル内の第3磁性体部の面積は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部の面積よりも小さい、
ことを特徴とするコイル構造体。
(付記2)
前記第1磁性体部および前記第2磁性体部は、それぞれシート形状の軟磁性体材料で形成され、前記第3磁性体部は、ほぼ円柱形状の軟磁性体材料で形成され、
前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束が、前記コイル内の第3磁性体部に絞り込まれるようになっている、
ことを特徴とする付記1に記載のコイル構造体。
(付記3)
前記第3磁性体部は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部に接する両端よりも,前記コイルが巻かれる中央の径が小さくなる形状とされている、
ことを特徴とする付記1または付記2に記載のコイル構造体。
(付記4)
前記第1磁性体部,前記第2磁性体部および前記第3磁性体部は、一体的に形成されている、
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記5)
前記コイル内の第3磁性体部を透過する第1磁束と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束のうちより大きい方の第2磁束の比が、前記コイル内の第3磁性体部の第1投影面積と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2投影面積の比の4乗根よりも大きな値となる、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記6)
前記コイル内の第3磁性体部を透過する第1磁束と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束のうちより大きい方の第2磁束の比が、前記コイルの実効的な第1抵抗値と,前記コイルと同じ線材で前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方と等しくした空芯コイルの第2抵抗値の平方根よりも大きな値となる、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記7)
前記コイル内の第3磁性体部の第1投影面積と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2投影面積の比の逆数の平方根が3以上となる、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記8)
前記第3磁性体部の第1外周と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2外周の比が3以上となる、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記9)
前記第1磁性体部および前記第3磁性体部は、ほぼ円形形状,楕円形状,矩形形状,多角形状または非対称形状とされている、
ことを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1項に記載のコイル構造体。
(付記10)
前記第1磁性体部および前記第2磁性体部は、少なくとも1つのスリット,へこみまたは切欠きを有する、
ことを特徴とする付記9に記載のコイル構造体。
(付記11)
受電器に対する電力を、磁界共鳴を利用して無線により送電する送電共振コイルを含む送電器であって、
前記送電共振コイルは、付記1乃至付記10のいずれか1項に記載のコイル構造体である、
ことを特徴とする送電器。
(付記12)
さらに、
前記送電共振コイルに対する電力を、電磁誘導を利用して供給する電力供給コイルと、
前記電力供給コイルに対して、高周波の電力を供給する高周波電源部と、を有する、
ことを特徴とする付記11に記載の送電器。
(付記13)
さらに、
前記受電器との間で通信を行う通信回路部と、
前記通信回路部の出力に基づいて、前記高周波電源部を制御する送電制御部と、を有する、
ことを特徴とする付記12に記載の送電器。
(付記14)
送電器からの電力を、磁界共鳴を利用して無線により受電する受電共振コイルを含む受電器であって、
前記受電共振コイルは、付記1乃至付記10のいずれか1項に記載のコイル構造体である、
ことを特徴とする受電器。
(付記15)
さらに、
前記受電共振コイルからの電力を、電磁誘導を利用して受け取る電力取出コイルと、
前記電力取出コイルから取り出された電力を受け取る内部回路と、を有する、
ことを特徴とする付記14に記載の受電器。
(付記16)
さらに、
前記送電器との間で通信を行う通信回路部と、
前記電力取出コイルの出力および前記通信回路部の出力に基づいて、前記受電共振コイルを制御する受電制御部と、を有する、
ことを特徴とする付記15に記載の受電器。
(付記17)
少なくとも1つの送電器、および、少なくとも1つの受電器を含む無線電力伝送システムであって、
前記送電器の少なくとも1つは、付記11乃至付記13のいずれか1項に記載の送電器であるか、或いは、
前記受電器の少なくとも1つは、付記14乃至付記16のいずれか1項に記載の受電器である、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
1 送電器(一次側:送電側)
1A1〜1A3 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A1〜2A3,2B1〜2B3,2C1,2C2 受電器
11 ワイヤレス送電部
11a 送電共振コイル(LC共振器)
11b 電力供給コイル
12 高周波電源部
13 送電制御部
14 通信回路部(第1通信回路部)
21 ワイヤレス受電部
21a 受電共振コイル(LC共振器)
21b 電力取出コイル
22 受電回路部(整流部)
23 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部(機器本体,負荷)
51 第1磁性体部
52 第2磁性体部
53 第3磁性体部
54 コイル

Claims (12)

  1. 第1磁性体部と、
    前記第1磁性体部に対向する第2磁性体部と、
    前記第1磁性体部と前記第2磁性体部の間に設けられた第3磁性体部と、
    前記第3磁性体部に巻かれたコイルと、を有し、
    前記コイル内の第3磁性体部の面積は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部の面積よりも小さい、
    ことを特徴とするコイル構造体。
  2. 前記第1磁性体部および前記第2磁性体部は、それぞれシート形状の軟磁性体材料で形成され、前記第3磁性体部は、ほぼ円柱形状の軟磁性体材料で形成され、
    前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束が、前記コイル内の第3磁性体部に絞り込まれるようになっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコイル構造体。
  3. 前記第3磁性体部は、前記第1磁性体部および前記第2磁性体部に接する両端よりも,前記コイルが巻かれる中央の径が小さくなる形状とされている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコイル構造体。
  4. 前記コイル内の第3磁性体部を透過する第1磁束と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束のうちより大きい方の第2磁束の比が、前記コイル内の第3磁性体部の第1投影面積と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2投影面積の比の4乗根よりも大きな値となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  5. 前記コイル内の第3磁性体部を透過する第1磁束と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部を透過する磁束のうちより大きい方の第2磁束の比が、前記コイルの実効的な第1抵抗値と,前記コイルと同じ線材で前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方と等しくした空芯コイルの第2抵抗値の平方根よりも大きな値となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  6. 前記コイル内の第3磁性体部の第1投影面積と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2投影面積の比の逆数の平方根が3以上となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  7. 前記第3磁性体部の第1外周と,前記第1磁性体部および前記第2磁性体部のうちより大きい方の第2外周の比が3以上となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  8. 前記第1磁性体部および前記第3磁性体部は、ほぼ円形形状,楕円形状,矩形形状,多角形状または非対称形状とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  9. 前記第1磁性体部および前記第2磁性体部は、少なくとも1つのスリット,へこみまたは切欠きを有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のコイル構造体。
  10. 受電器に対する電力を、磁界共鳴を利用して無線により送電する送電共振コイルを含む送電器であって、
    前記送電共振コイルは、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のコイル構造体である、
    ことを特徴とする送電器。
  11. 送電器からの電力を、磁界共鳴を利用して無線により受電する受電共振コイルを含む受電器であって、
    前記受電共振コイルは、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のコイル構造体である、
    ことを特徴とする受電器。
  12. 少なくとも1つの送電器、および、少なくとも1つの受電器を含む無線電力伝送システムであって、
    前記送電器の少なくとも1つは、請求項10に記載の送電器であるか、或いは、
    前記受電器の少なくとも1つは、請求項11に記載の受電器である、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
JP2015158147A 2015-08-10 2015-08-10 コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム Expired - Fee Related JP6565464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158147A JP6565464B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158147A JP6565464B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017037955A true JP2017037955A (ja) 2017-02-16
JP6565464B2 JP6565464B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=58047434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015158147A Expired - Fee Related JP6565464B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6565464B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111667995A (zh) * 2019-03-07 2020-09-15 Tdk株式会社 线圈单元、无线供电装置、无线受电装置及无线电力传输系统

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63116413A (ja) * 1986-11-05 1988-05-20 Tokyo Keidenki Kk 電力伝達装置
JPS63187607A (ja) * 1987-01-30 1988-08-03 Tokyo Keidenki Kk 電力伝達装置
JPH0373052U (ja) * 1989-11-20 1991-07-23
JPH06197480A (ja) * 1992-12-25 1994-07-15 Toyota Autom Loom Works Ltd 電磁給電装置
JPH0878257A (ja) * 1994-09-08 1996-03-22 Kaageo P-Shingu Res Lab:Kk 非接触エネルギー伝送システム用トランスの1次側コア
JP2000505681A (ja) * 1996-12-02 2000-05-16 ライト、サイエンシーズ、リミテッド、パートナーシップ 組織を通して給電するための電磁コイル形状
JP2002043135A (ja) * 2000-07-19 2002-02-08 Kyocera Corp フェライトボビン及びその製造方法
JP2011010435A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Fujitsu Ten Ltd 非接触式電力供給装置および非接触式電力供給ユニット
WO2011114527A1 (ja) * 2010-03-19 2011-09-22 富士通株式会社 携帯電話機
JP2011233802A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Fdk Corp 超低背ドラムコアの製造方法
JP2014099501A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Tdk Corp コイル部品

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63116413A (ja) * 1986-11-05 1988-05-20 Tokyo Keidenki Kk 電力伝達装置
JPS63187607A (ja) * 1987-01-30 1988-08-03 Tokyo Keidenki Kk 電力伝達装置
JPH0373052U (ja) * 1989-11-20 1991-07-23
JPH06197480A (ja) * 1992-12-25 1994-07-15 Toyota Autom Loom Works Ltd 電磁給電装置
JPH0878257A (ja) * 1994-09-08 1996-03-22 Kaageo P-Shingu Res Lab:Kk 非接触エネルギー伝送システム用トランスの1次側コア
JP2000505681A (ja) * 1996-12-02 2000-05-16 ライト、サイエンシーズ、リミテッド、パートナーシップ 組織を通して給電するための電磁コイル形状
JP2002043135A (ja) * 2000-07-19 2002-02-08 Kyocera Corp フェライトボビン及びその製造方法
JP2011010435A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Fujitsu Ten Ltd 非接触式電力供給装置および非接触式電力供給ユニット
WO2011114527A1 (ja) * 2010-03-19 2011-09-22 富士通株式会社 携帯電話機
JP2011233802A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Fdk Corp 超低背ドラムコアの製造方法
JP2014099501A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Tdk Corp コイル部品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111667995A (zh) * 2019-03-07 2020-09-15 Tdk株式会社 线圈单元、无线供电装置、无线受电装置及无线电力传输系统
CN111667995B (zh) * 2019-03-07 2023-07-18 Tdk株式会社 线圈单元、无线供电装置、无线受电装置及无线电力传输系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP6565464B2 (ja) 2019-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102423618B1 (ko) 무선 전력 송신기
Chatterjee et al. Design optimisation for an efficient wireless power transfer system for electric vehicles
US10243411B2 (en) Wireless charger with uniform H-field generator and EMI reduction
JP6065838B2 (ja) 無線給電システム及び無線給電方法
US11133706B2 (en) Wireless power transmitter
JP6164288B2 (ja) ワイヤレス給電装置
WO2012001959A1 (ja) 無線電力伝送装置
WO2017100747A1 (en) System for inductive wireless power transfer for portable devices
KR20130119585A (ko) 무선 전력 송수신 코일 장치
US20180294673A1 (en) Wireless power transmitter
KR102637679B1 (ko) 무선 전력 송수신 장치
KR101382920B1 (ko) 무선전력 송신장치
JP2019514324A (ja) 無線充電式エネルギーストア
KR20120116802A (ko) 중계기를 이용한 무선 전력 전송 시스템 및 무선 전력 수신기
JP6565464B2 (ja) コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム
JP6232191B2 (ja) 給電部、受電部及び給電システム
Krestovnikov et al. Approach to choose of optimal number of turns in planar spiral coils for systems of wireless power transmission
US11264836B2 (en) Wireless kinetic charger
KR101920216B1 (ko) 무선 전력 송신기 및 무선 전력 수신기
JP5838685B2 (ja) 無線空間給電システム
CN107112802B (zh) 无线电力接收器
Kim et al. Modified helical coils structure for uniform magnetic flux density
KR101833744B1 (ko) 무선 전력 송수신용 코일 및 상기 코일을 사용한 송신기 및 수신기
US20220285078A1 (en) Three-dimensional wireless power transfer coil and apparatus having same
KR20170111308A (ko) 3축 무선전력 수신기 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6565464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees