JP5838685B2 - 無線空間給電システム - Google Patents

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本発明は、無線により電力を伝送するシステムに関し、特に、電磁誘導方式による無線電力給電に関する。
無線による電力伝送として、電磁誘導や電波を利用した方式が知られている。電磁誘導方式は、1831年のファラデーの法則発見に端を発し、1836年にはトランスが発明されている。電磁誘導方式は、防水性において特長を有し、近年では電動歯ブラシやシェーバーの充電器などの各種製品に適用されている。この方式は非接触充電技術とも呼ばれ、伝送距離は数mm以下、動作周波数は数百KHz以下の場合が多く、送電電力量は設計による。伝送距離が短く磁界が周囲に漏れないことがその特徴である。
一方、電波(マイクロ波)方式は、1888年のヘルツによる電磁波の存在の確認、1904年のテスラによる無線電力伝送実験計画(150kHz、1MW)以降、研究開発が続けられている。この方式は、近年では例えば無線での物品管理システム(RF−ID)等に適用されている。この方式は電波を利用するので電磁界を周囲に放射し、長距離(〜数十m)の電力伝送が可能である。その反面、エネルギーが拡散するため受電する伝送効率は数%程度以下と小さいことが特徴である。ここで、伝送効率は、送電器が送出する電力に対する受電器が受電する電力比、つまり空間での電力伝送率を意味する。
無線による電力伝送技術への主たる要望は、より長距離に、且つ、より高効率に送電することである。2006年に、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、磁界共鳴方式による無線給電技術を提案した。この技術は特許文献1(特表2009−501510号)に開示されている。磁界共鳴方式においては、送電側及び受電側にそれぞれ2つのコイルを配置し、各インダクタンス(L)を大きくとることで、共鳴現象が発生する。その結果、より長距離で高効率な電力送電を実現している。
MITの論文(非特許文献1)によれば、共振周波数10MHzを用い、コイル間距離が2mに対し、コイル間伝送効率45%を達成している。送電システム全体の伝送効率は、送電装置(主に増幅器)の効率37.5%と受電装置(主に整流器)の効率90%を含めた全体の積となるため、約15%となる。つまり、送電電力400Wを投入し、2m先の60Wの電灯を点灯させている。このように、従来の電磁誘導方式より長距離まで比較的高効率で給電できるのが、磁界共鳴方式の特長である。
しかしながら、磁界共鳴方式では、共鳴現象を利用し長距離化が可能とはいえ、送受電コイル間で磁束が届く範囲でしか電力伝送はできない。その範囲は一般的に共振波長の1/20程度である。この伝送距離は、送受電コイルの直径とほぼ一致する。言い換えれば、磁界共鳴方式の実効的な伝送距離は、送受電コイルの直径程度である。例えば、上記共振周波数10MHzの場合、1波長は30mであるから、その1/20は1.5mとなる。上記MIT実験では、コイル径0.6mとそれより小さいため、そのコイル間伝送効率は、コイル間隔1mで90%、2mで45%であった。
つまり、磁界共鳴方式においては、共振周波数を低くする(すなわち波長を長くする)ことにより、長距離化を図ることができるが、コイル径は巨大となる。特に、受電側コイルは、それを実装する機器の大きさと密接に関連するため、数メートル以上の直径を持つ受電コイルは、適用先がほとんどないのが現状である。よって、給電距離が数m以上の高効率で実用的な無線給電技術の開発が望まれている。
一方、無線による電力伝送へのニーズとして、多数の対象物への給電がある。これに関する先行特許文献を2件挙げて説明する。
特許文献2(特表2003−502992号)には、電磁誘導方式の送受電コイルが形成する電磁場内に受電体を配置する例が開示されている。送受電コイルにはそれぞれ交流電源装置が接続されており、送受の交替が可能である。一方、電磁場形成のエネルギーは回収機構がないため、受電体が受電できるエネルギー以外は損失となる。更にこの方式では、電磁誘導方式によって電磁場が形成されるため、その送受電コイル間の距離は、概ね磁界共鳴方式の1/10程度の極短距離に留まる。
特許文献3(特開2010−239838号)には、磁界共鳴方式の主送電装置に対し、2つ以上の受電装置があり、別途電力回収用の補助受電装置を有する構成が開示されている。この技術の主な目的は、磁界共鳴型給電によって2つ以上の受電装置に給電することである。受電の条件として、共鳴周波数の一致が要求される。
このシステム構成では、複数の受電装置を配置した場合に、各受電装置間の距離をある一定以上に保たなければならない。その理由は以下の通りである。受電装置同士が近づくと、各受電装置に装備されている共振器間の結合が強くなる。その結果、各受電装置の共振周波数が設定値からずれ、受電装置への伝送効率が急激に悪化する。このような現象を避けるために、各受電装置間の距離をある一定以上に保つことが必要である。
このような各受電装置の共振周波数のずれが実用上無視できるような最小受電体間距離は、送受電器や受電装置の設計に依存する。しかし、いずれにしても、受電装置間の距離に制約が生じるため、利便性が悪いという課題を有する。さらに、できるだけ多数の受電装置を密に配置して一括給電するという用途の場合、受電装置間に確保しなければならないスペースが無駄になり、システム全体としての伝送効率が悪いという課題を有している。
特許文献4(特開2005−323019号)には、RFIDタグ用ブースターアンテナが記載されている。この技術は、物品確認のための無線認証(RFID)システムに関し、リーダ(送電コイル)とRFIDタグ間に、RFIDタグのアンテナより大きなブースターアンテナを配置することにより、通信距離が延長される。ブースターアンテナは、送電コイルが生成した磁場を受電側において密にする機能を有する。このシステム構成において、ブースターアンテナは、対向するリーダ(送電コイル)とRFIDの間に配置される。ブースターアンテナが受電側RFIDアンテナより前方に配置され、且つ、大きさが大きいのが特徴である。
特表2009−501510号公報 特表2003−502992号公報 特開2010−239838号公報 特開2005−323019号公報
Marin Soljacic et al.,"Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances",Science 6 July 2007:Vol.317 no.5834 pp.83−86
磁界共鳴方式では、送電側と受電側の共振周波数が一致した場合のみ、高い伝送効率での給電が可能になるという制限がある。そのため送電側コイルと受電側コイルの共振周波数が一致するように設計するか、あるいは送電側、受電側、の少なくとも一方に、共振周波数を一致させる機構を備えておく必要がある。言い換えれば、共振周波数が一致しない任意の受電体が受電することは困難である。給電対象が備える受電用のコイルについて、設計上の制約が少ない無線給電システムが望まれる。
さらに、数メートル以上の長距離給電を行う場合、受電コイルが巨大になるという問題がある。磁界共鳴方式でさえ、伝送距離と同程度の直径の受電コイルが必要となる。電磁誘導方式では、磁界共鳴方式に比べ、距離は1/10となるか、コイル径をさらに10倍程度まで拡大する必要がある。給電対象が比較的小さいコイルによって受電できる無線給電システムが望まれる。
無線給電技術における究極的なニーズは、屋内等の空間において、どこでも、いつでも、常に給電を受ける技術にある。しかしながら、一般的な無線給電技術は、1対1給電や、1対多給電に留まっている。屋内等の空間において、複数の受電体がどこでも、いつでも、常に給電を受けられることが望まれる。
本発明の一側面において、無線空間給電システムは、少なくとも1つの送電器と少なくとも1つの受電器とを備える。送電器は、電源回路に接続される送電側1次コイルと、その送電側1次コイルと分離しており、共振器として機能する送電側2次コイルとを備える。受電器は、送電器と異なる共振周波数を有し、送電器が発生する磁力線を補足する受電側コイルを備える。
送電器側に共振器を配置することによって、送電器側の電磁界エネルギーを高め、それにより従来の電磁誘導方式より長距離まで電力伝送が可能になる。送電器は、送電側の電源に接続された送電側1次コイルと、共振器として機能する送電側2次コイルを備える。これにより、送電器側の電磁界エネルギーの蓄積を高めることができる。一方、受電器は、前記共振周波数と周波数が異なっている。すなわち、送電側と受電側の周波数を一致させる設計上及び運用上の制約が無い。よって、送受電器間は電磁界共鳴方式とは異なる給電システムである。
本発明により、設計上の制約の少ない無線給電システムを提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施形態における無線給電システムを示す。 図2は、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、及び本発明の実施形態による3次元シミュレーションの結果を示す。 図3は、送電器と受電器を配置した部屋を示す。 図4は、本発明の第2実施形態を示す。 図5は、本発明の第3実施形態における送電側コイルを示す。 図6は、本発明の第4実施形態を示す。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における無線空間給電システムを示す。本実施形態において、空間内に電磁場を形成するシステムは、主として送電器101と受電器102からなる。送電器101は、無線で電力を送電する装置であり、電源装置103に接続する送電側1次コイル104と、その送電側1次コイル104と分離され、電気的に接続されていない(1次コイル104との間の接続配線を有しない)送電側2次コイル105を備える。一方、受電器102は、送電器101が発生する磁力線を補足する受電用コイル107を備える。この送電器101と受電器102との間の電力伝送により、送電器101と受電器102の間の空間に給電用の電磁場が形成される。図1には生成される磁力線106が概念的に示されている。
送電側2次コイル105は、電源装置103から供給される共振周波数により共振現象を発生し、送電側で電磁場エネルギーを蓄積する機能を有する。一方、受電器102は、その共振周波数と異なる周波数を有する。送電器と受電器との間で共振周波数を一致させる設計上及び運用上の制約がないことが、本実施形態の一特長である。よって、本実施形態において、送電器と受電器間での共鳴状態は発生せず、いわゆる電磁界共鳴方式とは異なる。
受電体108は、受電コイル109を備える。送受電器が形成する電磁場の中に受電体108を置くことにより、受電コイル109が電磁場から電力を収集することができる。受電用コイル107に収集されなかった電力は、帰還ループ110を経て、送電側の電源装置103に戻される。この電力回収により電磁場形成のためのエネルギーを抑制することができる。
電磁場を形成するための送電器101及び受電器102は、それぞれ2個以上配置されていても良い。送電器の数と受電器の数は同じでなくとも良い。
図1に示された各コイルは、直線の導電体、曲線の導電体、または、直線と曲線からなる導電体で構成されていても良い。各コイルは、インダクタと容量で構成されていても良い。受電体108は、形成された電磁場内に2個以上存在しても良い。受電体108は、複数の受電コイル109を備えていても良い。送受電器及び受電体の構成以外の、無線給電に使用される増幅回路、整流回路、制御回路等は、当業者にとってよく知られているため、その詳細な構成の説明は省略する。
図2に、電磁誘導方式及び磁界共鳴方式と、本実施形態発明による空間内電磁場形成の3次元シミュレーション結果の例を示す。送電する電力の周波数は1MHz(=1波長300m)とし、送電器及び受電器の各コイル径は15m、間隔を17mとした時の、送電器と受電器間の空間内の磁界強度分布を示している。磁界共鳴方式の場合、送電器及び受電器近傍での磁界強度が高くなる。これは共鳴現象のためであり、送電コイルから17m離れた受電コイル間での空間の伝送効率は90%と見積もられた。前述のように、磁界共鳴方式の伝送距離は、一般的に共振波長の1/20程度となる。図2では、コイル径を15mと大きくすることで、高効率なコイル間伝送を17mまで拡大できたと言える。
一方、この時の受電コイル地点の磁界強度から推定すると、電磁誘導方式では、送電コイルから1.5m程度までは同等の磁界強度が得られ、本実施形態ではその範囲は2.5mまで拡張される。これは本実施形態における送電器が共振器を有しており、送電器側の電磁界エネルギーが高められていることに起因する。このように、磁界共鳴方式が17mまで90%の伝送効率を得られることに対し、共鳴現象を有しない電磁誘導や本実施形態では、その距離はそれぞれ1.5mと2.5m程度と大幅に縮減される。しかし、言い換えれば、電磁誘導や本実施形態の手段であっても、コイル径が15mとなることを許容できれば、高効率伝送を実現できる伝送距離はそれぞれ1.5m、2.5m程度まで可能である。すなわち本実施形態により電磁誘導方式より1mの長距離化を実現できる。
上記のように、共鳴現象を利用しない本実施形態の手段においても、送受電コイル径を15mとした場合、コイル間の高効率伝送ができる距離は2.5m程度確保できる。すなわち、本実施形態における送受電器を2.5mの距離に配置すれば、その間の空間に比較的磁界強度が高い場を形成することができる。更に、この実験構成において、送受電器の距離を近づけるほど、コイル間の伝送効率は90%より大きくなる。
一方、これらの送受電器間に、別途独立した受電体を配置した場合、その位置において受電体が備える受電コイルを通過する磁力線に応じて受電量が決まる。つまり、受電体が形成された電磁場内のどこでも、いつでも、常に受電できる無線給電システムが実現できる。
図3は、本実施形態における送電器101を部屋201内の床(または床下)に配置し、受電器102を天井(または天井裏)に配置した構成を示す。送電器101と受電器102との間の距離は2.5mである。前述のように、送電する電力の周波数、及び、コイル径の設計により、送受電器の間の空間の電磁場を高めることができ、その間に配置した受電体が自身の備える受電コイルにより受電することが可能となる。
図3において、送電器101は、電源装置103に接続される送電側1次コイル104と、当該1次コイルと電気的な接続はない送電側2次コイル105からなる。ともにコイル径は、図2の条件と同じく15mを採用し、送電側1次コイル104は円形単層巻き、送電側2次コイル105は円形ヘリカル型で5.75巻きである。送電側2次コイル105の共振周波数は1MHzであり、送電側1次コイル104はインピーダンス整合の位置に配置した。この構成により、部屋201内に電磁場が形成される。一方、受電器102で受電された電気エネルギーは、帰還ループ110を介して、電源装置103に戻される。これにより、部屋内に電磁場を形成するエネルギーを抑制できる。
図3において、受電体としてノートパソコン111と、携帯電話112の例を示している。ノートパソコン111は机202の上にあり、携帯電話112はカバン203の中に入っている。これらの受電体は、空間内(部屋内)に形成されている電磁場から、自身が備えるコイルを使って受電することができる。この時、受電する電力量は、各受電体が備えるコイルにより決定され、整流回路により自らの仕様に合う電圧を収集することが可能である。
各受電体は複数のコイルを備えても良い。その場合、複数のコイルで得られた電力を合成した電力を得ることができる。これらの受電電力は、受電体が備えるコイル径が小さいため、受電体を直接駆動する電圧電流に届かない場合が多い。しかしながら、対象とする受電体はバッテリーを内包していることを想定しており、電磁場が形成された空間内のどこでも、いつでも、常に充電される本実施形態のシステムは利便性が高いと考えられる。
上記のように、本実施形態によれば、空間内の電磁場形成の機能と電力収集の機能とを分離することで、例えば空間内で携帯電話等に給電する利用シーンの要求を実現するシステムを構築することができる。図3のノートパソコン111の場合、ディスプレイ裏に配置した直径15cmのコイルにより、空間内の磁束を捕獲し8mWの受電量が得られると見積もられた。一方、携帯電話112の場合、直径3cmで1mWの受電量であった。ここで、送電器への印加電力は100Wとした。
図4は、本発明の第2の実施形態を示す。部屋201内の床(または床下)に2つの送電器101を配置し、天井(または天井裏)に2つの受電器102を配置する。送電器101と受電器102との間の距離は2.5mである。前述のように、送電する電力の周波数、及び、コイル径の設計により、送受電器の間の空間の電磁場を高めることができ、その間に配置した受電体が自身の具備する受電コイルにより受電することが可能となる。
図4において、送電器101は、電源装置103に接続される送電側1次コイル104と、当該1次コイルと電気的な接続はない送電側2次コイル105とを備える。図4では、2つの送電器が並列接続され、且つ2つの受電器が並列接続されている。コイル径はすべて7.5mを採用し、送電側1次コイル104は円形単層巻き、送電側2次コイルは円形ヘリカル型で5.75巻きである。送電側2次コイル105の共振周波数は1MHzである。送電側1次コイル104はインピーダンス整合の位置に配置する。この構成により、部屋201内に電磁場を形成する。一方、受電器102で受電された電気エネルギーは、帰還ループ110を介して、電源装置103に戻される。この帰還により、部屋内に電磁場を形成するためのエネルギーが抑制される。
図4では、受電体として、机202の上に配置したノートパソコン111の例が示されている。受電体は、内蔵するコイルによって、空間内(部屋内)に形成されている電磁場から受電することができる。この第2実施形態の場合、送受電器が複数台あり、受電体は各送電器から送出される電磁波エネルギーを受けることが出来る。しかしながら、各送電器と受電体の距離が異なる場合、同相の電磁波を送出すると、受電体位置での電力の位相がズレ、それらの和である受電量が小さくなる場合がある。よって、受電体への距離差を考慮した位相差給電を行うことにより、受電体の受電電力のロスを抑制することができる。この場合、受電体が収集する電力量は、各受電体が備えるコイルにより決定される。各受電体は整流回路を備え、収集した電力を自らの仕様に合う電圧に変換する。
各受電体は複数のコイルを備えていてもよい。その場合、複数のコイルで得られた電力を合成して、受電電力とすることができる。この受電電力は、受電体が備えるコイル径が小さいため、受電体を直接駆動する電圧及び電流に届かない場合が多い。しかしながら、対象とする受電体はバッテリーを内包していることを想定しており、電磁場が形成された空間内のどこでも、いつでも、常に充電される本実施形態のシステムは利便性が高いと考えられる。
上記のように、本実施形態においては、空間内の電磁場形成と受電の機能を分離することで、例えば空間内でノートパソコン等に給電する利用シーンの要求を満たす給電システムを構築することができた。ノートパソコン111の場合、ディスプレイ裏に配置した直径15cmのコイルにより、空間内の磁束を捕獲し6mWの受電量が得られた。各送電器への印加電力は50Wであった。
第1、第2実施形態における送電器のコイルとしては、送電側1次コイル104は円形単層巻き、送電側2次コイル105は円形ヘリカル型を例示した。しかしながら、コイルの形状は、第1、第2実施形態と同様の効果が得られれば、制約を受けない。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第1、第2実施形態に示した送電側2次コイルがヘリカル型の場合、コイル厚が30cm程度になる場合がある。そのため条件によっては、体積の大きさと、固定治具を含めた重量の大きさが問題となる可能性がある。
本発明の第3実施形態は、この問題を緩和することを可能にする。送電側1次コイルと2次コイルを同一平面上に形成する。利用シーンは図3の第1実施形態と同様である。図5は、本実施形態における送電側の平面コイルを示す。送電側1次コイル104の直径は15mであり、幅1cmの金属線を平板に貼り付けて形成している。その送電側1041次コイルの内側に、同じく幅1cmの金属線でスパイラル形状に平板に貼り付けられた送電側2次コイル105が存在する。1次コイル104は電源装置に接続されるが、1次コイルと2次コイルとを電気的に接続する配線はない。前述のように、1次コイルと2次コイルの共振周波数は一致しており、送電側2次コイル105は共振器として機能する。2次コイルの巻き数としては、共振状態が最も高くなる回数が選択される。このような平板コイルによって、設置体積を縮減できる。特に、本実施形態における空間内に電磁場を形成するための送受電器のコイル径は15m程度を巨大であるため、平板化のメリットは大きい。
このように送電器の送電側1次コイルのコイル径を、送電側2次コイルのそれより大きくすることにより、両コイルを同一平面に配置することができ、必要なスペースを小さくすることができる。前述のように、形成する電磁場の距離(あるいは体積)を大きくするには送受電器のコイル径は大きくする必要があるため、両コイルを含む送電器の体積は大きくならざるを得ない。両コイルを同一平面内に形成することにより、その体積を大幅に削減できる。なお、送電側2次コイルは、電気的に送電側1次コイルとは接続がない共振器であり、コイルの設計により共振器としての機能は維持できる。
図6は、本発明の第4実施形態を示す。認証用無線タグへの一括給電箱での充電例である。一括給電箱204の上部に送電器101を配置し、下部に受電器102を配置する。送電器101と受電器102との間の距離は5cmである。送電器101は、電源装置103に接続された送電側1次コイル104と、その送電側1次コイル104と電気的な接続はない送電側2次コイル105からなる。受電器102は、受電側1次コイル107からなる。送受電器の各コイル径は直径30cmとした。送電側1次コイル104は円形単層巻き、送電側2次コイル105は円形ヘリカル型で5.75巻きである。送電側2次コイル105の共振周波数は1MHzであり、送電側1次コイル104はインピーダンス整合の位置に配置する。この構成により、一括給電箱204内に電磁場を形成する。一方、認証タグ205は自身が備える受電コイルにより受電することが出来る。受電器102で受電された電気エネルギーは、帰還ループ110を介して、電源装置103に戻される。これにより、一括給電箱内に電磁場を形成するためのエネルギーを抑制できる。
形成された電磁場から各受電体が電力を収集するためには、磁界共鳴方式でなく、電磁誘導方式が用いられる。そのため本実施形態においては、特許文献3と異なり、各受電体をより近接に配置することが可能である。したがって、特許文献3に比べて、給電対象によって収集されずに無駄になる電力を低減することが可能であり、かつ、特許文献3よりも多数の受電体を一括給電できる、という効果がある。
第4実施形態では、一括給電箱204内に多数の認証タグ205を入れ、一度に大量に一括充電することが出来る。さらに第4実施形態においては、図6と類似の構成として、給電箱に携帯端末や表示機器等を入れ、一括給電することもできる。第4実施形態では、認証タグや携帯端末等の例を挙げたが、本発明の空間内の電磁場形成と独立した受電体が具備する受電コイルによる受電の主旨に合致すれば、どのような受電体に対しても適用することができる。
以上に説明した本発明の幾つかの実施形態では、送電器を構成する送電側2次コイルの共振現象により、送電器の電磁気エネルギーが高められる。その結果、電磁誘導方式よりも長距離且つ高効率な無線給電が可能となる。このシステムでは、送電側と受電側の共振周波数を一致させる必要がない。そのため、システム設計及び運用の自由度が高い。
さらに、送受電器間に形成される電磁場内に、受電コイルを備えた1つ以上の受電体を配置することにより、電磁場内のどこでも受電が可能になる。つまり、空間内に電磁場を形成する機能と、受電体が受電する機能とを分離することにより、当該受電体が、電磁場を形成する空間内のどこでも、いつでも、つねに受電が可能となる無線給電システムを提供することができる。
このように電磁場形成機能と、その電磁場中で受電する機能とを分離する方式のメリットをさらに説明する。電磁場を形成する送受電器のコイル径を大きくすることにより、電磁場領域を拡大することができる。送受電器は各1台ずつでも良く、また、それぞれ複数台をアレイ型に配置することにより、空間内の電磁場発生領域を拡大しても良い。
一般に、コイル径を大きくすることで、送電距離も長くすることができる。しかし例えば、伝送距離15mを仮定すると、送受電コイル径も15m程度となる。特に、受電する側の機器が15m径の受電コイルを有することは現実的ではない。よって、携帯機器等への部屋内へのどこでも給電は困難と考えられてきた。
本発明の実施形態においては、空間内に電磁場を形成する機能と、受電体が受電する機能とを分離することにより、このような問題に対処することができる。例えば、開閉機構(出入口の扉)を有する大型の部屋や倉庫の天井及び床に、コイル径15mの送受電コイルを配置する。開閉機構を介して、作業者がその部屋の内部に少なくとも1つの電気機器を受電体として配置する。作業者は部屋の外に出て、開閉機構を閉じる。その後、送電器に電力を供給することにより、空間内に電磁場を形成する。送受電電器と独立した1以上の受電体は、自らの受電アンテナが当該電磁場から捕捉する磁力線により、一括して充電することができる。このような方式により、電磁場が形成された空間内のどこでも給電が可能となる。
受電体が受電する電力は、受電体のコイルが、電磁場全体に生じている磁束線のほんの一部を捕捉した結果であるため、例えばmWオーダー以下の小さな電力である。しかし、駆動電力がW級以下の小さな受電体、例えば携帯機器やタグセンサ等にとっては、電磁場内のどこに存在していても常に給電(充電)されるメリットは大きい。
さらに、電磁場を形成する送受電器間で伝送される電気エネルギーの内、受電器で受電した電気エネルギーは、帰還ループを介して送電器側に返還する。このようなシステムにより、電磁場形成のためのエネルギーを抑制することができる。
さらに、電磁場を形成する空間を特定の閉空間(例えば給電倉庫や給電箱)とした場合、対象受電体を多数入れ、当該空間を無人とした管理環境下で一括給電することが可能である。
101 送電器
102 受電器
103 電源装置
104 送電側1次コイル
105 送電側2次コイル
106 磁力線
107 受電用コイル
108 受電体
109 受電コイル
110 帰還ループ
111 ノートパソコン
112 携帯電話
202 机
203 カバン
204 一括給電箱
205 認証タグ

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの送電器と少なくとも1つの受電器とを具備し、
    前記送電器は、
    電源回路に接続される送電側1次コイルと、
    前記送電側1次コイルと分離しており、共振器として機能する送電側2次コイルと
    を具備し、
    前記受電器は、
    前記送電器と異なる共振周波数を有し、前記送電器が発生する磁力線を補足する受電側コイル
    を具備し、
    前記送電器と前記受電器とによって電磁場が形成される領域に、前記無線空間給電システムによって給電される対象である受電体が配置される
    無線空間給電システム。
  2. 請求項において、
    前記受電体は受電用コイルを具備する
    無線空間給電システム。
  3. 請求項において、
    前記受電体は複数の受電用コイルを具備する
    無線空間給電システム。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    更に、前記受電器で受電される電力エネルギーを前記送電器へ帰還させるエネルギー回収部を具備する
    無線空間給電システム。
  5. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記少なくとも1つの送電器は複数の送電器であり、
    前記少なくとも1つの受電器は複数の受電器である
    無線空間給電システム。
  6. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記送電側1次コイルと前記送電側2次コイルとは同一平面上に形成される
    無線空間給電システム。
  7. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記送電側1次コイルの直径は、前記送電側2次コイルの直径よりも大きい
    無線空間給電システム。
  8. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    更に、前記受電器と前記送電器との間に配置され、開閉機構を有する部屋を具備する
    無線空間給電システム。
  9. 請求項8に記載された無線空間給電システムによる給電方法であって、
    前記開閉機構を介して前記部屋の内部に複数の電気機器を配置する工程と、
    前記開閉機構を閉じる工程と、
    前記送電器に電力を供給して前記送電器と前記受電器との間に電磁場を生成することにより、前記複数の電気機器に対して一括して充電する工程と
    を具備する
    給電方法。
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