JPWO2014125589A1 - 密着性向上剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を用いて基材に被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるための密着性向上剤は、特定の有機溶剤可溶性グアニジン化合物からなることを特徴とする。

Description

本発明は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を基材へ被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上するための密着性向上剤、該密着性向上剤を含む樹脂組成物並びに該密着性向上剤を使用した基材表面の処理方法に関するものである。
樹脂の硬化被膜と基材との密着性を向上させるために、基材表面を物理的に研磨することにより粗面化したり、化学的に研磨することにより粗面化してアンカー効果を得る方法や、クロメート処理などに代表される重金属による表面処理方法などが広く行なわれている。しかしながら、物理的または化学的な研磨により基材表面を粗面化する方法は、高度な寸法精度を要求される部材、部品などに適用することは難しく、また、物理的研磨では粉塵発生による粉塵爆発や、人体への影響および職場環境の悪化などが懸念され、さらに、化学的研磨では、化学研磨液として強酸などを使用するため、取り扱いに十分な注意が必要であり、また、基材が金属の場合には腐食に対する十分な注意が必要となる。また、クロメート処理などによる重金属を用いた表面処理は、6価クロムなどの有害な重金属を使用することから表面処理工程、排水処理工程並びに被処理物の使用に際して人体や環境に対する悪影響が懸念される。
また、樹脂の硬化被膜と基材との密着性向上剤としては、シランカップリング剤などの反応性ケイ素化合物が使用されている。しかしながら、シランカップリング剤などの反応性ケイ素化合物を使用しても、満足のいく密着性が得られないことがあり、さらにコストが上昇するという問題もある。
このようなことから、例えば、特許文献1には、特定の反応性ケイ素基を有する有機重合体と、アミン系化合物を含有する硬化性組成物が開示されており、また、アミン系化合物として、グアニジン、フェニルグアニジン、1−トリルグアニジン、ジフェニルグアニジンのようなグアニジン化合物や、ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニド、1−フェニルビグアニドのようなビグアニドが例示されている。
また、特許文献2には、活性エネルギー線硬化性樹脂、希釈剤、光重合開始剤、硬化密着付与剤およびエポキシ基を有する化合物からなる光重合性熱硬化性樹脂組成物が開示されており、また、硬化密着付与剤として、ジシアンジアミドのようなポリアミンや、テトラメチルグアニジンのような三級アミンが例示されている。
さらに、特許文献3には、樹脂を含む水溶液または水性分散体に、イミダゾール類、トリアジン類、トリアゾール類、グアニン類、グアニジン類等の孤立電子対を持つ窒素原子を含有する化合物の1種または2種以上を含有する金属用表面処理剤が開示されており、また、グアニジン類として、グアニジン、グアニジノ酢酸、グアニジノ炭酸エチルエステル、d1−2−グアニジノプロピオン酸、アミノグアニジン、グアニルチオ尿素、グアニル尿素、グアニルトルエン等が例示されている。
また、特許文献4には、エンジニアリングプラスチックを構成部材の一部とする小型継電器あるいは小型電子・電器部品を絶縁封止するためのエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂(A)、グアニジン化合物(B)、潜在性硬化剤(C)を必須成分とし、エポキシ樹脂(A)100重量部に対しグアニジン化合物(B)を1〜7重量部含有することを特徴とする一液型エポキシ樹脂組成物が開示されている。
さらに、特許文献5には、(A)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合およびカルボキシル基を併せ持つ活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)エポキシ樹脂、および(E)エポキシ樹脂用硬化剤を含んでなり、該エポキシ樹脂用硬化剤(E)が特定のシアノグアニジン誘導体であることを特徴とする光硬化性熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開2010−24369号公報 特開平10−20493号公報 特開2000−104485号公報 特開2009−84384号公報 特開平8−82930号公報
しかしながら、上述の特許文献1の硬化性組成物では、有機重合体が特定の反応性ケイ素基を有する特定のシリコーン樹脂であり、グアニジン化合物、ビグアニド化合物のようなアミン系化合物は、シラノール縮合触媒として反応性ケイ素基を加水分解、縮合させるために作用してシリコーン樹脂の硬化を促進するものであり、上述のようなシリコーン樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるために作用するものではない。
また、特許文献2では、光重合性熱硬化性樹脂組成物の、硬化密着性付与剤としてジシアンジアミド、テトラメチルグアニジンなどが例示されているが、ジシアンジアミドは、有機溶剤に不溶性または難溶性であるため、樹脂に安定した密着性を付与することはできない。また、テトラメチルグアニジンは、三級アミン構造を有する化合物であり、このような化合物は、樹脂の密着性を向上させることはできない。
さらに、特許文献3の金属用表面処理剤では、樹脂の水溶液または水性分散体にグアニジン類などを配合するものであり、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性向上剤としての作用・効果を開示または示唆するものではない。
また、特許文献4は一液型エポキシ樹脂組成物に関するものであるが、エポキシ樹脂は本来基材への密着性が悪く、グアニジン化合物などを配合しても密着性の改善効果は余り見られず、本発明において、エポキシ樹脂は対象とはならない。
さらに、特許文献5もまたエポキシ樹脂を含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、特許文献4と同様の課題を有する。
従って、本発明の目的は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を基材へ被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上するための密着性向上剤、該密着性向上剤を含む樹脂組成物並びに該密着性向上剤を使用した基材表面の処理方法を提供することにある。
即ち、本発明は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を用いて基材に被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるための密着性向上剤において、密着性向上剤が、ビグアニド、アミノグアニジン、1−o−トリルビグアニド、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、1−フェニルビグアニド、1,3−ジフェニルグアニジン、n−ドデシルグアニジン、グアニジン、N−(β−フェネチル)ジグアニド、グアニル尿素、1−フェニルグアニジン、グアニルチオ尿素、2−フェニル−1,3−ジシクロヘキシルグアニジン、6−グアニジノカプロン酸、1,1’−イミノビス(オクタメチレン)ジグアニジン、1,6−ジグアニジノヘキサン、キシリルビグアニド、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1−アミノ−3−サリチロイルグアニジンおよび1−(N−サリチロイル)−アミノ−3−サリチロイルグアニジンからなる群から選択される1種または2種以上よりなる有機溶剤可溶性グアニジン化合物からなることを特徴とする密着性向上剤を提供することにある。
また、本発明の密着性向上剤は、さらに、トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選択される1種または2種以上のヘテロ環化合物を含むことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記密着性向上剤、および(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上の有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液とからなることを特徴とする樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の樹脂組成物は、有機溶剤が、炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体類、エステル系溶剤、含窒素系溶剤および塩素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに、本発明は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を基材に被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるための基材表面の処理方法において、前記密着性向上剤を有機溶剤に溶解することによって得られた有機溶剤溶液中に基材を浸漬するか、もしくは該溶液を基材に塗布することを特徴とする基材表面の処理方法を提供することにある。
また、本発明の基材表面の処理方法は、有機溶剤が、炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体類、エステル系溶剤、含窒素系溶剤および塩素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに、本発明の基材表面の処理方法は、有機溶剤可溶性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
また、本発明の基材表面の処理方法は、基材が鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ガラス、シリコンウェハーおよびセラミックスからなる群から選択されることを特徴とする。
本発明の密着性向上剤によれば、樹脂硬化被膜と基材との密着性を飛躍的に向上させることができ、しかも、本発明の密着性向上剤は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液に直接添加することができる他、密着性向上剤の有機溶剤溶液として基材表面を処理することができるため、その使用用途が広範にわたり、また、コスト的にも有利である。
本発明の密着性向上剤は、有機溶剤可溶性グアニジン化合物からなり、具体的には、ビグアニド、アミノグアニジン、1−o−トリルビグアニド、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、1−フェニルビグアニド、1,3−ジフェニルグアニジン、n−ドデシルグアニジン、グアニジン、N−(β−フェネチル)ジグアニド、グアニル尿素、1−フェニルグアニジン、グアニルチオ尿素、2−フェニル−1,3−ジシクロヘキシルグアニジン、6−グアニジノカプロン酸、1,1’−イミノビス(オクタメチレン)ジグアニジン、1,6−ジグアニジノヘキサン、キシリルビグアニド、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1−アミノ−3−サリチロイルグアニジンおよび1−(N−サリチロイル)−アミノ−3−サリチロイルグアニジンからなる群から選択される1種または2種以上よりなる有機溶剤に可溶性のグアニジン化合物が例示できる。なお、有機溶剤に不溶性または難溶性であるグアニジン化合物、例えばジシアンジアミド、グアニジンの無機酸塩などは、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させることができないために好ましくない。また、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンなどのような三級アミン構造のグアニジンもまた密着性向上効果が期待できないために好ましくない。
また、本発明の密着性向上剤には、トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選択される1種または2種以上のヘテロ環化合物を配合することができる。ヘテロ環化合物を配合する場合、有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物の質量比が1:100000〜100000:1、好ましくは1:10000〜10000:1の範囲内である。ヘテロ環化合物の質量比が上記範囲より少ないと、その配合効果が発現せず、また、上記範囲を超えると、密着性を阻害するために好ましくない。
なお、トリアゾール類としては、トリアゾール(1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)またはこれらとベンゼン環あるいはナフタレン環の環縮合構造を有する化合物;トリアゾール環の窒素および/または芳香環に、置換基として、C1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステルなど)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基など)、硫黄(チオール基、スルフィドなど)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を含有する化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、シクロヘキサノ[1,2−d]トリアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロキシトリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、1−[N,N−ビス(エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−ブチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−オクチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2’,3’−ジ−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−カルボン酸、1−オレオイルベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミド、4−アミノウラゾール、1,2,4−トリアゾール−5−オン等が挙げられる。
テトラゾール類としては、テトラゾール(1H−テトラゾール,2H−テトラゾール)の1,5位が、水素又は置換基として、C1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分枝型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステルなど)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基など)、硫黄(チオール基、スルフィドなど)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を含有することができる化合物が好ましい。このような化合物として具体的には、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5’−ビス−1H−テトラゾール2アンモニウム塩、5,5’−アゾビス−1H−テトラゾール等が挙げられる。
本発明の密着性向上剤は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上の有機溶剤可溶性樹脂を有機溶剤溶液としては、基材へ被覆して硬化被膜を得る際に、硬化被膜の基材への密着性を向上させることができる。
なお、基材としては、具体的には、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ガラス、シリコンウェハーおよびセラミックスなどを挙げることができる。
次に、本発明の密着性向上剤は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液に配合することにより樹脂組成物として使用することができる。ここで、有機溶剤可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上を挙げることができる。
なお、本発明の密着性向上剤の有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液への配合割合は、有機溶剤可溶性樹脂100質量部に対して、有機溶剤可溶性グアニジン化合物を0.0001〜10質量部、好ましくは0.001〜10質量部の範囲内である。有機溶剤可溶性グアニジン化合物の配合割合が有機溶剤可溶性樹脂100質量部に対して0.0001質量部未満であると、密着力を十分に向上させることができず、また、10質量部を超えると、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液に溶解し難くなるために好ましくない。
また、本発明の密着性向上剤に上述のようなヘテロ環化合物が配合されている場合に、有機溶剤可溶性樹脂100質量部に対して、ヘテロ環化合物を0.0001〜10質量部、好ましくは0.001〜10質量部の範囲内である。ヘテロ環化合物の配合割合が有機溶剤可溶性樹脂100質量部に対して0.0001質量部未満であると、ヘテロ環化合物を配合した効果が発現せず、また、10質量部を超えると、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液に溶解し難くなるために好ましくない。
なお、有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物の質量比は、上述のように1:100000〜100000:1、好ましくは1:10000〜10000:1の範囲内である。
また、有機溶剤可溶性樹脂を溶解するために使用する有機溶剤としては、例えば、炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体、エステル系溶剤、含窒素系溶剤、塩素系溶剤を挙げることができる。
ここで、炭化水素類としては、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどを例示することができる。
また、芳香族炭化水素類としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
さらに、アルコール類としては、具体的には、ベンジルアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。 また、ケトン類としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
さらに、グリコール類としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられる。
また、グリコール誘導体としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、グリセリン、グリセリンモノアセテート、グリセリン−1,3−ジアセテート、グリセリントリアセテートなどが挙げられる。
さらに、エステル系溶剤としては、具体的には、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクケート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレートなどが挙げられる。
また、含窒素系溶剤としては、具体的には、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセチアミド、N−エチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−プロピルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
さらに、塩素系溶剤としては、具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどが挙げられる。
なお、上述の有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液における有機溶剤可溶性樹脂の濃度は、1〜90質量%、好ましくは10〜80質量%の範囲内である。
さらに、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を基材に被覆する際に、その前処理工程として、本発明の有機溶剤可溶性グアニジン化合物または有機溶剤可溶性グアニジン化合物およびヘテロ環化合物からなる密着性向上剤を有機溶剤に溶解することによって得られた溶液中に基材を浸漬するか、もしくは該溶液をスプレー法などにより基材に塗布して基材表面を処理することによって有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させることができる。
ここで、本発明の方法に使用可能な有機溶剤としては、上述のような炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体、エステル系溶剤、含窒素系溶剤、塩素系溶剤を挙げることができる。
なお、有機溶剤溶液中の有機溶剤可溶性グアニジン化合物の濃度は、0.00001〜20質量%、好ましくは0.0001〜20質量%の範囲内である。有機溶剤可溶性グアニジン化合物の濃度が0.00001質量%未満であると、基材表面の処理効果が発現しないために好ましくなく、また、20質量%を超えると、有機溶剤に溶解し難くなるために好ましくない。また、ヘテロ環化合物を併用する場合、ヘテロ環化合物の濃度は、0.00001〜20質量%、好ましくは0.0001〜20質量%の範囲内である。有機溶剤可溶性グアニジン化合物の濃度が0.00001質量%未満であると、ヘテロ環化合物の配合効果が発現しないために好ましくなく、また、20質量%を超えると、有機溶剤に溶解し難くなるために好ましくない。なお、有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物を併用する場合、有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物の質量比は、1:2000000〜2000000:1、好ましくは1:200000〜200000:1の範囲内である。
また、基材表面の処理は、有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物とからなる密着性向上剤の有機溶剤溶液で行うことが好ましい。
なお、本発明の基材表面の処理方法により処理することにより有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の密着性を向上させる効果を発現できる基材としては、例えば、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ガラス、シリコンウェハーおよびセラミックスなどを挙げることができる。
また、本発明の基材表面の処理方法により密着性を向上させることができる有機溶剤可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上を挙げることができる。
上述のような有機溶剤可溶性樹脂は、上述のような有機溶剤に溶解した溶液として、上記処理を施した基材表面に慣用の方法にて塗布して良好な密着性を有する硬化被膜を形成することができる。
なお、上記基材表面の処理において、有機溶剤可溶性グアニジン化合物のみの有機溶剤溶液を用いた場合には、上記処理に続いて、基材をヘテロ環化合物の有機溶剤溶液中に浸漬するか、もしくは該溶液をスプレー法などにより基材に塗布して基材表面を処理することにより更に基材表面を処理することもできる。この処理を併用することにより有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性をさらに向上させることができる。この場合、ヘテロ環化合物の濃度は、0.00001〜20質量%、好ましくは0.0001〜20質量%の範囲内である。有機溶剤可溶性グアニジン化合物の濃度が0.00001質量%未満であると、ヘテロ環化合物の配合効果が発現しないために好ましくなく、また、20質量%を超えると、有機溶剤に溶解し難くなるために好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではないことを理解されたい。
実施例1
有機溶剤可溶性グアニジン化合物または有機溶剤可溶性グアニジン化合物およびヘテロ環化合物を、表1に記載する有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液に配合することにより樹脂組成物を調製した。なお、表2および表3中の有機溶剤可溶性グアニジン化合物およびヘテロ環化合物の配合量は、有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液中の樹脂分100質量部に対する配合量である。
Figure 2014125589
Figure 2014125589
Figure 2014125589
Figure 2014125589
Figure 2014125589
次に、本発明品および比較品の試験溶液を、表2および3に示す基材に、アプリケーターを用い均一に塗布し、150℃で10分間加熱することにより硬化して膜厚40μmの硬化被膜を得た。
密着性試験1
得られた硬化被膜につき、JIS K5600−5−6「塗料一般試験方法−塗膜の機械的特性−付着性(クロスカット法)」に準拠して密着性試験1を行った。
即ち、硬化被膜の表面にJIS K5600−5−6に規定する切込み工具とスペーサーを用いて格子パターン(線間隔:2mm、切込みの数:縦6本、横6本)を形成できるように基材に貫通するまで切込みを入れ、その格子上に、JIS K5600−5−6に規定する透明感圧付着テープを置き、指先でしっかりテープをこすり付けて付着させた後、5分以内にテープを引き剥がした。なお、引き剥がす際には、硬化被膜とテープの角度が約60°となるようにテープの端を掴み、0.5〜1秒間で引き離した。
密着性試験2
得られた硬化被膜につき、JIS K5600−7−1「塗料一般試験方法−塗膜の長期耐久性−耐中性塩水噴霧性」に準拠して密着性試験2を行った。なお、硬化被膜に、基材に達するクロスカット[JIS K5600−5−6「塗料一般試験方法−塗膜の機械的特性−付着性(クロスカット法)」に準拠]を入れ、24時間の試験を実施した。
即ち、硬化被膜の表面にJIS K5600−5−6に規定する切込み工具とスペーサーを用いて格子パターン(線間隔:2mm、切込みの数:縦6本、横6本)を形成できるように基材に貫通するまで切込みを入れ、次に、塩水噴霧試験機に鉛直線に対して20±5°になるように設置した。試験用塩水は、純水に特級塩化ナトリウムを50±5g/リットルの濃度となるように溶解して調整し[pH(25℃):6.5〜7.2、比重(25℃):1.029〜1.036]、塩水補給タンクに装填し、塩水噴霧試験機の蓋を閉めた後、試験機内の温度を35℃に保ち、試験用塩水を35℃で噴霧した。なお、試験用塩水の噴霧量は、硬化被膜80cm2に対して1時間当たり1.5±0.5mlとした。
なお、密着性試験1および2の評価は、JIS K5600−5−6「塗料一般試験方法−塗膜の機械的特性−付着性(クロスカット法)8.結果の表し方(試験結果の分類)」に準拠して、以下の表4に記載する試験結果の分類に基づいて行った。得られた結果を表2および3に併記する。
Figure 2014125589
耐アルカリ性試験
得られた硬化被膜に、1質量%濃度炭酸ナトリウム水溶液(pH11.3)を用い、液温30℃、スプレー圧0.1MPaで1分間スプレーした後、硬化被膜の剥離の有無を確認し、以下の試験結果の分類に基づいて評価した:
○:完全に密着している
△:一部剥離が見られる
×:完全に剥離している
得られた結果を表2および3に併記する。
なお、表2および3中の基材としては、鋼:JIS G3141に規定するSPCC(C:0.15%以下、Mn:0.60%以下、P:0.100%以下、S:0.050%以下、Fe残部)、ステンレス鋼:JIS G4304に規定するSUS304(C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.00〜10.50%、Cr:18.00〜20.00%、Fe残部)、銅:JIS H3100に規定するC1100P(Cu:99.90%以上)、黄銅:JIS H3100に規定するC2680P(Cu:64.0〜68.0%、Pb:0.05以下、Fe:0.05%以下、Zn残部)、アルミニウム:JIS H4000に規定するA1050P(Si:0.25%以下、Fe:0.40%以下、Cu:0.05%以下、Mn:0.05%以下、Mg:0.05%以下、Zn:0.05%以下、Ti:0.03%以下、Al残部)、アルミニウム合金:JIS H5302に規定するADC12(Cu:1.5〜3.5%、Si:9.6〜12.0%、Mg:0.3%以下、Zn:1.0%以下、Fe:1.3%以下、Mn:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Sn:0.3%以下、Al残部)、マグネシウム合金:ASTMに規定するAZ91D(Al:8.3〜9.7%、Zn:0.35〜1.0%、Mn:0.15%以上、Si:0.10%以下、Cu:0.030%以下、Ni:0.002%以下、Fe:0.005%以下、Mg残部)、ニッケル:JIS H4551に規定するNW2200(Ni:99.0%以上)、ニッケル合金:JIS H4551に規定するNW4400(C:0.30%以下、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、S:0.025%以下、Cu:28.0〜34.0%、Ni残部)、亜鉛:JIS H2107に規定する普通亜鉛地金(Zn:99.97%以上)、亜鉛合金:JIS H5301に規定するZDC2(Al:3.5〜4.3%、Cu:0.25%以下、Mg:0.020〜0.06%、Fe:0.10%以下、Zn残部)、すず:JIS H2108に規定する1種(Sn:99.90%以上)、すず合金:JIS H5401に規定するホワイトメタル1種(Sb:5.0〜7.0%、Cu:3.0〜5.0%、Sn残部)、ガラス:JIS R3202に規定するフロート板ガラス、シリコンウェハー:ポリシュッドウェハー、セラミックス:陶磁器を使用した。
表2および3の結果より、本発明品の樹脂組成物は、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜と基材の高い密着性を示すと共に良好な耐アルカリ性を有することが判る。
また、本発明に係る硬化被膜に、3質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)を液温30℃、スプレー圧0.1MPaで1分間スプレーしたところ、いずれの硬化被膜も剥離または溶解することが確認された。
実施例2
有機溶剤可溶性グアニジン化合物または有機溶剤可溶性グアニジン化合物とヘテロ環化合物を表5および6に記載する濃度で溶解することにより基材処理用の有機溶剤溶液を調製した。
Figure 2014125589
Figure 2014125589
Figure 2014125589
Figure 2014125589
次に、上述の試験溶液中に、表5、6に示す基材を10秒間浸漬した後引き上げた後乾燥してアセトンを除去することにより基材表面を処理した。
次に、処理済み基材へ、表1に有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液をアプリケーターを用い均一に塗布し、150℃で10分間加熱することにより硬化して膜厚40μmの硬化被膜を得た。
得られた硬化被膜につき、上記実施例1と同様の方法にて密着性試験1および2並びに耐アルカリ性試験を行ない、得られた結果を表5および6に併記する。
表5および6の結果より、本発明の基材表面の処理方法は、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜と基材の高い密着性並びに良好な耐アルカリ性を提供できることが判る。
また、本発明例により得られた硬化被膜に、3質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)を液温30℃、スプレー圧0.1MPaで1分間スプレーしたところ、いずれの硬化被膜も剥離または溶解することが確認された。

Claims (8)

  1. 有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を用いて基材に被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるための密着性向上剤において、密着性向上剤が、ビグアニド、アミノグアニジン、1−o−トリルビグアニド、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、1−フェニルビグアニド、1,3−ジフェニルグアニジン、n−ドデシルグアニジン、グアニジン、N−(β−フェネチル)ジグアニド、グアニル尿素、1−フェニルグアニジン、グアニルチオ尿素、2−フェニル−1,3−ジシクロヘキシルグアニジン、6−グアニジノカプロン酸、1,1’−イミノビス(オクタメチレン)ジグアニジン、1,6−ジグアニジノヘキサン、キシリルビグアニド、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1−アミノ−3−サリチロイルグアニジンおよび1−(N−サリチロイル)−アミノ−3−サリチロイルグアニジンからなる群から選択される1種または2種以上よりなる有機溶剤可溶性グアニジン化合物からなることを特徴とする密着性向上剤。
  2. トリアゾール類およびテトラゾール類からなる群から選択される1種または2種以上のヘテロ環化合物を含む、請求項1記載の密着性向上剤。
  3. 請求項1または2記載の密着性向上剤、および(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上の有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液とからなることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 有機溶剤が、炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体類、エステル系溶剤、含窒素系溶剤および塩素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 有機溶剤可溶性樹脂の有機溶剤溶液を基材に被覆する際に、有機溶剤可溶性樹脂の硬化被膜の基材への密着性を向上させるための基材表面の処理方法において、請求項1または2記載の密着性向上剤を有機溶剤に溶解することによって得られた有機溶剤溶液中に基材を浸漬するか、もしくは該溶液を基材に塗布することを特徴とする基材表面の処理方法。
  6. 有機溶剤が、炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体類、エステル系溶剤、含窒素系溶剤および塩素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項5記載の基材表面の処理方法。
  7. 有機溶剤可溶性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、前記樹脂のモノマー2種以上の共重合樹脂、前記樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物、前記樹脂の1種または2種以上と前記共重合樹脂の1種または2種以上と前記モノマーの1種または2種以上の共重合物からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項5または6記載の基材表面の処理方法。
  8. 基材が鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ガラス、シリコンウェハーおよびセラミックスからなる群から選択される、請求項5ないし7のいずれか1項記載の基材表面の処理方法。
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