以下に、本発明の実施の形態1〜6に係る空気調和システム1について、図面を参照して説明する。また、以下の説明において、理解を容易にするために、方向を表す用語(例えば「右」、「左」、「前」、「後」等)等を適宜用いるが、説明のためのものであって、これらの用語は本願に係る発明を限定されるものではない。また、各実施の形態1〜6で説明した機器及び事項を適宜組み合わせて用いることが可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和システム1を中心とする構成の概観を示す図である。ここで、本構成は一例であって、本発明はこの構成に限定されるものではない。図1に示すように、空気調和システム1は、エネルギー管理ゲートウェイ13、空調設備23、汎用機器コントローラー11、汎用機器21、及び専用伝送線(専用通信網)33から構成される。空気調和システム1は、空調設備23を構成する室外機51、室内機53、及び空調制御リモートコントローラー71、汎用機器コントローラー11、並びにエネルギー管理ゲートウェイ13を専用伝送線33で通信可能に接続し、それぞれ各種情報(データ)を含む信号の通信(送受信)を行うことができる。
エネルギー管理ゲートウェイ13は、空調設備23の室外機51、室内機53、及び、汎用機器コントローラー11に接続されている加湿器101、ヒーター103、換気扇105及び温度/湿度センサー107等の汎用機器21の制御を行う制御対象の機器に対して、制御内容に基づく制御指令(制御指示)の信号等を送信する。ここで、専用伝送線33を介して行われる機器間の通信は、独自の通信方式(プロトコル)で、空気調和に係る通信が行われる。この独自の通信方式とは、各メーカ独自に構築した空調設備23間の通信専用の通信プロトコルであり、一般に公開されていない非公開の通信プロトコルをいう。また、専用伝送線33で接続する室外機51、室内機53、及び汎用機器21等の各機器は、例えば通信における固有の番号及びアドレス等(以下、管理アドレスという)を有しており、区別されているものとする。また、各機器が通信を行う際には、信号の送信先及び送信元のアドレスのデータを含めた信号を送信するものとする。
また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、通信プロトコルが外部に公開される、いわゆるオープンプロトコルにより通信を行う汎用伝送線(汎用通信網)35、例えば、汎用伝送線35を介して、エネルギー管理装置91又はWEBブラウザ93等の各種の外部装置25と接続して通信を行う。また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、汎用伝送線35に接続している無線送信機器95を介して、外部装置25となるタブレット端末97とも接続し、通信を行う。
なお、ここでのオープンプロトコルとは、LONWORKS(エシェロン社の登録商標)プロトコル又はBACnet(米国冷凍空調学会の登録商標)プロトコル(A Data Communication Protocol for Building Automation and Control Networks)などである。エネルギー管理装置91は、例えば、空気調和システムの他に、照明システム若しくはエレベーターシステム等のビル内に設置された各システムのエネルギー使用状況(電力使用状況)を統合管理し、又は複数のビル群のエネルギー使用状況を統合管理等する装置である。
また、汎用機器コントローラー11と汎用機器21とは、入力信号及び出力信号により入出力処理を行う入出力信号線で接続されるが、エネルギー管理ゲートウェイ13と外部装置25間と同様にLANなどの入出力信号線31を介して接続し、汎用機器コントローラー11と汎用機器21とが汎用伝送線35を介して通信を行う構成とすることができる。
(空調設備)
空調設備23は、専用伝送線33を介して専用の通信プロトコルにより通信を行い、例えばビル等の建物に設けられた、1又は複数の室外機51と、1又は複数の室内機53とで構成され、ビル等の冷暖房に使用される設備である。ただ、空調設備23の構成はこれに限定されるものではない。通常、空調設備23には、1又は複数の空調制御リモートコントローラー71が更に設けられている。また、室外機51と各室内機53とは冷媒配管41により接続されており、冷媒配管41を流れる冷媒の圧力を変化させて冷媒の吸熱、放熱により空気調和を行う。
(室外機)
図2は、本発明の実施の形態1に係る室外機51の構成例を表す図である。室外機制御手段131は、例えば、室外機通信手段133が受信したエネルギー管理ゲートウェイ13等からの信号等に基づいて、室外機51を構成する各手段の動作を制御する。ここで、室外機制御手段131は、処理を行うために必要となるデータを記憶する記憶手段(図示せず)を有している。室外機通信手段133は、専用伝送線33と接続され、専用伝送線33と室外機制御手段131との間における信号通信のインターフェースとなる。室外機温度センサー61は、室外機51周辺の温度(気温)を検知する検出手段である。ここで、室外機温度センサー61は室外機51の構成の一部として記載しているが、例えば別ユニットで設ける等してもよい。
圧縮機111は、吸入した冷媒(気体)を圧縮し、運転周波数に基づく任意の圧力を加えて送り出す(吐出する)。圧縮機111は、例えば、運転周波数を任意に変化させることにより容量、具体的には、単位時間あたりの冷媒を送り出す量を変化させるインバータ回路を備えた容量可変のインバータ圧縮機としてもよい。室外機側熱交換器115は、熱交換器を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。室外機側ファン121は、例えば、室外機側熱交換器115に熱交換する空気を送るものである。四方切換弁113は、例えば、冷房運転、暖房運転に応じて、配管経路の切り替えを行う弁である。アキュムレーター119は、液を溜め、気体の冷媒だけを圧縮機111に吸入させる装置である。また、室外機側膨張弁117は、室外機制御手段131の指示に基づいて、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。
(室内機)
図3は、本発明の実施の形態1に係る室内機53の構成例を表す図である。室内機制御手段231は、例えば、空調制御リモートコントローラー71からの操作指令を含む信号、室内機通信手段233が受信した信号等に基づいて、室内機53を構成する各手段の動作を制御する。ここで、室内機制御手段231は、処理を行うために必要となるデータを記憶する記憶手段(図示せず)を有しているものとする。室内機通信手段233は、専用伝送線33と接続され、専用伝送線33と室内機制御手段231との間における信号通信のインターフェースとなる。ここで、本実施の形態では、室内機53は、専用伝送線33を介して直接信号の送受を行うことができるが、例えば、室外機51を介して間接に通信を行うようにしてもよい。
室内機温度センサー65は、例えば、室内機53が設けられた室内の温度(気温)を検知する検出手段である。また、室内機湿度センサー63は室内の湿度を検知する検出手段である。室内機温度センサー65及び室内機湿度センサー63の検知に係る信号は、室内機制御手段231に送信される。ここで、室内機温度センサー65及び室内機湿度センサー63は室内機53の構成の一部として記載しているが、例えば、別ユニットで設けてもよい。室内機制御手段231は、その信号に基づいて、温度、湿度に係るデータを生成する。また、室内機制御手段231は、温度及び湿度のデータを含む信号を室外機51、エネルギー管理ゲートウェイ13、及び汎用機器コントローラー11に送信する。
室内機側熱交換器215は、熱交換器内を通過する冷媒と空気との熱交換を行う。室内機側ファン221は、室内機側熱交換器215に空気を送り、熱交換させ、さらに熱交換された空気を室内に送り込む。室内機側膨張弁217は、室内機制御手段231の指示に基づいて、弁の開度を調整し、冷媒の流量を制御する。この結果、室内機側熱交換器215を通過する冷媒量が制御され、室内機側熱交換器215における冷媒の蒸発等が調整される。
(エネルギー管理ゲートウェイ)
エネルギー管理ゲートウェイ13は、専用伝送線33を介して通信可能に接続される。エネルギー管理ゲートウェイ13は、室外機51、室内機53、及び空調制御リモートコントローラー71等の空調設備23と、加湿器101、ヒーター103、換気扇105、及び温度/湿度センサー107等の汎用機器21とで形成される空気調和システム1内において、管理対象となる機器の集中(統合)制御を行う装置である。
エネルギー管理ゲートウェイ13は、汎用機器21の制御をするときには、専用伝送線33を介して汎用機器コントローラー11に制御指令等を送る。つまり、エネルギー管理ゲートウェイ13は、専用伝送線33及び汎用機器コントローラー11を介して、汎用機器コントローラー11に接続された汎用機器21を制御する。
エネルギー管理ゲートウェイ13は、予め設定した空気調和システム1の一部又は全ての機器が消費した電力のデータを収集し、集計等の空調設備又は汎用機器の管理に関する演算処理を行う。また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、表示手段を有しているときには、収集した電力のデータ内容又は集計した電力等を表示する。また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、空気調和システム1の一部又は全ての機器の運転時間を積算する等して、課金を行うことができる。
換言すれば、空調設備23、汎用機器21等の電力管理を、汎用機器コントローラー11、専用伝送線33を介してエネルギー管理ゲートウェイ13で制御することによって、空気調和システム1全体の省エネルギー化を図ることができる。
また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、空気調和制御について、空調対象空間が目標とする温度(設定温度)の設定に基づき、室内機53等の空調設備23を制御することができる。このとき、エネルギー管理ゲートウェイ13は、目標とする温度範囲、例えば、上限温度及び下限温度が設定されると、セットバック制御を行うことができる。
さらに、エネルギー管理ゲートウェイ13は、いわゆるオープンプロトコルにより通信を行う汎用伝送線35、例えば、LAN(Local Area Network)を介して、外部装置25との間で、空気調和システム1の監視、管理等に係る通信を行うことができる。よって、エネルギー管理ゲートウェイ13は、外部装置25との間で通信インターフェースとしての機能も有する。
例えば、空調設備23、汎用機器21等の電力管理を、エネルギー管理ゲートウェイ13を介してエネルギー管理装置91で制御することによって、主に、専用伝送線33で制御される空気調和システム1と、ビル内の他システム(エレベーターシステム等)とを統合したビル全体での省エネルギー化を図ることができる。
なお、外部装置25に送信する信号に含まれるデータは、エネルギー管理ゲートウェイ13が、空調設備23又は汎用機器21の管理に関する演算等の処理を行って得られた管理に係るデータであって、例えば、空調設備23のグループ構成、料金等に対応したデータである。また、通信には、例えば、汎用性を有するXML(Extensible Markup Language)を送受信できるようなプロトコルが用いられる。
次に、エネルギー管理ゲートウェイ13の通信及び処理等に係る装置構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の詳細構成の一例を示す図である。図5に示すように、エネルギー管理ゲートウェイ13は、汎用通信部351、専用通信部353、処理制御部355、記憶部357、及び管理制御部359を備える。
専用通信部353は、専用伝送線33と接続されており、空調設備23の汎用機器コントローラー11と専用のプロトコルに対応した通信を行うインターフェースの機能を有する。専用通信部353は、専用伝送線33を流れる信号を受信してデータを抽出し、管理制御部359から送られる空気調和システム1に対する制御指令を専用伝送線33に送る。
処理制御部355は、エネルギー管理ゲートウェイ13の機能を実現する処理、具体的には、空調設備23、汎用機器21といった空気調和システム1内の各機器の制御指令に関する処理を行う。処理制御部355は、処理内容の手順を予め1又は複数のプログラムモジュールで構成されるアプリケーションとして有している。処理制御部355は、プログラムモジュールに記述されたプログラムを実行することで各装置の機能を実現する。
よって、処理制御部355は、各装置に必要となるプログラムをメモリ等(図示せず)に記憶させ、実行させるようにすることで、各装置に対応した処理制御手段を構成することができる。したがって、専用設計等が行われることで各装置の処理制御手段を構成させる必要がなく、設計時間の短縮等を図ることができる。また、処理制御部355は、各処理内容をアプリケーションとして有しているため、機能の追加、削除等が簡単に実施可能である。
なお、処理制御部355は、例えば、更新可能なプログラムモジュールとして形成される。よって、各種媒体を介してエネルギー管理ゲートウェイ13に実装させることが可能である。例えば、microSD(SDアソシエーションの登録商標)を介してエネルギー管理ゲートウェイ13にアップロードされることで実装させてもよい。また、処理制御部355は、汎用通信部351又は専用通信部353を介してエネルギー管理ゲートウェイ13にアップロードされることで実装させてもよい。
管理制御部359は、処理制御部355から出力される指令に基づき、空気調和システム1内の制御指令に係る信号等を、専用伝送線33を介して、空調設備23又は汎用機器21等に送る制御を行う。
記憶部357の管理情報記憶領域371には、エネルギー管理ゲートウェイ13が空調設備23又は汎用機器21を制御又は管理するための管理情報が記憶されている。管理情報収集部381は、専用通信部353で受信した空調設備23及び汎用機器21に係る運転及び動作情報、又は、空調設備23及び汎用機器21に係るセンサー及びアクチュエータの検出情報といった各種情報(データ)のうち、予め登録されている管理情報を収集(取得)する。
ここで、運転・動作情報は、例えば、運転及び停止状態、運転モード、風量、風向き、消費電力量、並びに室内の設定温度等である。一方、各種センサーの検出情報は、室内温度、室内湿度、室外湿度、室内機の吸い込み温度、冷媒圧力、及び各機器の状態等であり、出力情報も含むものとする。
つまり、管理情報とは、空調設備23及び汎用機器21に係る運転及び動作情報、又は、空調設備23及び汎用機器21に係る各種センサー及びアクチュエータの検出情報の各種情報(データ)のうち、エネルギー管理ゲートウェイ13が空調設備23又は汎用機器21を制御又は管理するために必要な管理情報として設定されている情報をいう。
また、専用伝送線33で接続する室外機51、室内機53、及び汎用機器21等の各機器は、先に説明した通り、通信における固有のアドレスである管理アドレスによって区別されている。よって、各機器が通信を行う際には、各機器は、信号の送信先、送信元のアドレスのデータ(情報)を含めた信号を送信する。
このため、管理アドレスとは、管理情報の送信元又は送信先アドレスである。よって、管理アドレスが特定されることで、空気調和システム1を構成する空調設備23及び汎用機器21の各機器が特定される。したがって、空気調和システム1は、管理アドレス毎に管理情報を登録させ、記憶部357の管理情報記憶領域に記憶させることもできる。
また、処理制御部355は、記憶部357の管理情報記憶領域371から管理情報を読み出すことができる。また、処理制御部355は、記憶部357の管理情報記憶領域371から読み出した管理情報に基づいて、空気調和システム1の消費電力、空調能力等の空気調和システム1を管理する各種演算(計算)処理を行うことができる。また、空気調和システム1は、記憶部357に記憶された管理情報に基づいて空調設備23及び汎用機器を連携させた空気調和に関する統合制御を行う。
また、管理情報には、空気調和システム1の運転情報又は検出情報をデータ加工した情報が含まれていてもよい。予め登録する管理情報に、エネルギー管理に必要なデータ加工した情報を含めることによって、処理制御部355での空気調和システム1の消費電力及び空調能力等の各種演算(計算)につき、照明システム又はエレベーターシステムといったような他のビル内システムの各種演算と比較的容易に共通化を行うことができ、処理制御部355を空気調和システム1専用ではない汎用のシステムで構成することもできる。
また、管理制御部359で登録する管理情報を設定するため、専用伝送線33で受信する各種情報が管理情報であるかどうかを受信毎に処理制御部355で判断する必要がないため、処理制御部355の情報処理量を軽減することができる。
管理制御部359は、予め登録されている管理情報を変更する管理情報変更部383を有しており、例えば、処理制御部355からの変更要求に基づき、予め登録されている管理情報の変更処理を行う。
また、管理制御部359は、管理情報の変更に規制をかける変更内容規制部385を更に有しており、専用伝送線33で受信する各種情報のうち、管理情報に変更(設定)できない情報を、変更が規制されている情報として、記憶部357の変更内容規制領域375に予め記憶される。例えば、管理制御部359は、室内機53が取得する温度データを変更可能とし、圧縮機111の運転周波数を変更不可とした場合、変更内容規制領域375には、変更が可能であるデータ(情報)と、変更が不可であるデータ(情報)とが識別可能に構成されている。
管理制御部359の管理情報変更部383は、管理情報への変更要求があった情報が、記憶部357の変更内容規制領域375に記憶されたものであるか否かを判断する。具体的には、管理制御部359の管理情報変更部383は、管理情報への変更要求があった情報が、変更が規制されている情報であるか否かを判断する。なお、記憶部357の変更内容規制領域375には、変更が規制されている情報が、予め記憶されているものと想定する。
管理制御部359は、変更が規制されていない管理情報の場合には、記憶部357の管理情報記憶領域371に記憶されている管理情報の内容を変更し、変更要求があった情報を管理情報として追加する。また、管理情報変更部383は、管理情報記憶領域371に記憶する管理情報の内容を変更すると、併せて、記憶部357の変更履歴記憶領域373に管理情報の変更履歴を記憶する。このため、記憶部357の変更された管理情報の履歴を確認することによって、状況に応じて必要となる管理情報を特定することが可能となる。
このため、管理情報変更部383は、変更した管理情報を管理し、変更して過去値となった管理情報を変更履歴記憶領域373に記憶させ、変更して最新値となった管理情報を管理情報記憶領域371に記憶させる。管理制御部359の変更内容規制部385は、変更内容規制領域375を参照することで、ユーザーによって実装された処理制御部355で編集可能な管理情報を管理する。
記憶部357の管理情報記憶領域371には、最新値の管理情報及びアプリケーション用入出力情報が記憶される。最新値の管理情報は、エネルギー管理ゲートウェイ13が保持する最も新しい管理情報である。このアプリケーション用入出力情報は、アプリケーション用入力情報と、アプリケーション用出力情報とから構成される情報である。アプリケーション用入力情報は、処理制御部355が各種演算を実行するとき、その演算の実行に用いられる入力パラメータである。この入力パラメータは、汎用通信部351又は専用通信部353から供給される。アプリケーション用出力情報は、処理制御部355が各種演算を実行し、出力する出力パラメータである。この出力パラメータは、例えば、室外機51又は室内機53の各種情報又は制御パラメータであり、専用通信部353を介して室外機51又は室内機53に供給される。
汎用通信部351は、汎用伝送線35と接続され、汎用伝送線35又は無線送信機器95を介して、外部装置25との通信インターフェースの機能を有している。汎用通信部351は、汎用伝送線35を流れる信号を受信してデータを抽出する。また、処理制御部355の送信指令に基づき、管理制御部359の管理情報収集部381で収集した空気調和システム1の管理情報、又は、空調設備23若しくは汎用機器21の管理に関する演算等の処理結果を汎用伝送線35に送る。
なお、汎用通信部351は、例えば、経路制御機能を有するルーター等で構成されてもよい。また、汎用通信部351は、所定の通信プロトコルに準拠したデータに変換できるものであってもよい。具体的には、IEEE802.11に準拠したものであってもよい。また、例えば、Bluetooth(登録商標)等のようなIEEE802.15に準拠したデータに変換できるものであってもよい。
エネルギー管理ゲートウェイ13は、専用通信部353と汎用通信部351とを有している。よって、エネルギー管理ゲートウェイ13は、専用伝送線33を介した専用のプロトコルに対応した通信を、専用通信部353及び汎用通信部351によってプロトコル変換を行い、汎用伝送線35を介して、外部装置25のエネルギー管理装置91へ空気調和システム1に関する管理情報の送信を行うことができる。
エネルギー管理ゲートウェイ13の専用通信部353及び汎用通信部351でプロトコル変換が行われるため、空気調和システム1からの情報授受(受信及び送信)において、個々にプロトコル変換を行う必要が無く、既存の空気調和システム1内の各機器を空気調和制御する通信に負荷がかかることがない。よって、空気調和システム1の専用伝送線33の通信トラフィックに影響を与えずに、オープンプロトコルへのプロトコル変換が実現可能である。
また、専用伝送線33を介して専用通信部353で受信する空気調和システム1の運転情報又は検出情報といった各種情報のうち、予め登録されている管理情報のみを処理制御部355で出力することができる。よって、不必要な情報の流出防止となるとともに処理制御部355での処理負荷軽減も図ることができる。
また、エネルギー管理ゲートウェイ13の記憶部357及び管理制御部359の全部又は一部の機能及び構成については、エネルギー管理ゲートウェイ13に装着されるメモリーカードによって実現することもできる。このメモリーカードの実装形態は特に限定されず、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、CompactFlash(登録商標)、ATA(AT Attachment)カードを実装される。エネルギー管理ゲートウェイ13の記憶部357及び管理制御部359の全部又は一部にメモリーカードを用いることによって、記憶部357及び管理制御部359の内容更新の際、メモリーカードの交換により簡易に内容の更新をすることができる。
(汎用機器コントローラー)
汎用機器コントローラー11は、1又は複数の汎用設備機器等で構成される汎用機器21を制御する装置であり、専用伝送線33と1又は複数の汎用設備機器等で構成される汎用機器21の間に接続されている。
専用伝送線33に直接接続することができない1又は複数の汎用機器21と、専用伝送線33との間に、汎用機器コントローラー11が接続されることによって、1又は複数の汎用機器21の制御が実現されている。
汎用機器コントローラー11は、エネルギー管理ゲートウェイ13と、空調設備23との間の専用プロトコルに対応した通信信号又はデータの形式が、汎用機器21における形式と異なる場合、汎用機器21を制御するための操作信号への形式変換を行って汎用機器21に出力する。
汎用機器コントローラー11は、汎用機器21からの制御信号及び検出信号を、空調設備23専用のプロトコル通信に対応した通信信号又はデータに形式変換を行い、専用伝送線33を介して、エネルギー管理ゲートウェイ13又は空調設備23に送信する。
汎用機器コントローラー11は、例えば、専用伝送線33を介して、エネルギー管理ゲートウェイ13から送られた汎用機器21の制御指令に基づいて、アクチュエータ等を備えた汎用機器21を制御する。また、汎用機器コントローラー11は、温度/湿度センサー107等の汎用機器21からの検出信号の形式変換等を行って、専用伝送線33側に検出情報の送信を行う。
なお、汎用機器21は、空気調和システム1と連携して空気調和を行う機器である。例えば、汎用機器21は、空調対象空間の空気の入れ換えを行う換気扇105、空調対象空間の加湿(湿度制御)を行う加湿器101、空調対象空間の加熱を行うヒーター103等のアクチュエータを備えた機器、温度等の物理量を検出する温度/湿度センサー107等の各種センサー等である。また、汎用機器21は、他の空気調和に係る機器だけでなく、照明装置又は照明システム、防災装置又は防災システム等のように、空気調和システム1と連携した動作を実施する他の設備機器、システム等であってもよい。
換言すれば、空調設備23と汎用機器21との連携制御を可能にする汎用機器コントローラー11を備えることで、空気調和制御の幅を広げることができる。また、ビル等の異なる被空調空間に対応させて個々の空気調和システム1を構築する際、空気調和システム1内の制御対象には、空調設備23に加えて汎用機器21を含めることができる。よって、汎用機器21の活用によって独自開発等する機器が減少し、空気調和システム1の開発全体のコストを低減させることができる。
次に、汎用機器コントローラー11の通信及び処理等に係る装置構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る汎用機器コントローラー11の詳細構成の一例を示す図である。図4に示すように、汎用機器コントローラー11は、受電部301、専用通信部303、及び機器制御部304を備える。機器制御部304は、空調設備管理部305及び汎用機器管理部307を備える。
機器制御部304には、空調設備23と、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21とで形成される空気調和システム1全体での連携制御アルゴリズムが予め設定可能である。この連携制御アルゴリズムは、空調設備23の室内機53及び室外機51、並びに汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の機器内容若しくは各制御に関する情報に基づいて設定される。よって、利用者(操作者)のニーズに応じ、空気調和システム1を構成する各機器の連携制御アルゴリズムが設定される。
汎用機器コントローラー11は、入出力信号線31を介して、汎用機器21と接続されている。よって、汎用機器コントローラー11は、上記で説明したように、汎用機器21に制御指令等を出力し、汎用機器21、例えば、加湿器101、ヒーター103、及び換気扇105等を制御する。
汎用機器コントローラー11は、専用伝送線33を介して、エネルギー管理ゲートウェイ13及び空調設備23と接続されている。よって、汎用機器コントローラー11は、空調設備23、例えば、空調制御リモートコントローラー71、室外機51、及び室内機53の各種情報を取得し、室外機51及び室内機53と、汎用機器21とを連携制御する。
汎用機器コントローラー11の汎用機器制御部323は、エネルギー管理ゲートウェイ13からの制御指令を専用通信部303で受信すると、受信した制御指令を汎用機器入出力部325から汎用機器21に出力する。また、汎用機器コントローラー11の汎用機器制御部323は、汎用機器21の各種センサからの検出信号が汎用機器入出力部325に入力されると、専用通信部303から専用伝送線33を介してエネルギー管理ゲートウェイ13等に送信する。尚、汎用機器21への入出力を行う汎用機器入出力部325は、汎用機器21との通信を行う汎用通信部として構成されてもよい。
専用通信部303は、専用伝送線33を流れる信号を受信してデータを抽出するとともに、空調設備管理部305又は汎用機器管理部307から送られるデータ(情報)を専用伝送線33に送る。
空調設備管理部305は、空調設備23を制御又は管理するために必要な情報を、管理情報として登録(記憶)している。空調設備管理部305は、専用通信部303で受信した空調設備23の運転及び動作情報又は空調設備23の各種センサ及びアクチュエータの検出情報(データ)のうち、予め管理情報として登録されている情報を収集して、記憶する。空調設備管理部305は収集処理を行うためにタイマ等の計時手段を有している。
また、運転及び動作情報は、例えば、運転及び停止状態、運転モード、風量、風向き、消費電力量、並びに室内の設定温度等である。一方、各種センサの検出情報は、室内温度、室内湿度、室外湿度、室内機の吸い込み温度、冷媒圧力、及び各機器の状態等であり、出力情報を含むものである。
空調設備管理部305は、空調設備設定部311及び空調設備制御部313を備える。空調設備設定部311は、管理情報を含む各種設定情報等を管理する。空調設備制御部313は、空調設備23に対する制御指令を専用伝送線33を介して送信し、空調設備23を制御する。また、専用伝送線33で接続する室外機51及び室内機53等の空調設備23の各機器は、先に説明した通り、通信における固有のアドレスである管理アドレスによって区別されている。よって、各機器が通信を行う際には、各機器は、信号の送信先、送信元のアドレスのデータ(情報)を含めた信号を送信する。
空調設備設定部311は、汎用機器コントローラー11に専用伝送線33を介して接続されている空調設備23との通信に必要な管理アドレス、又は、空調設備23の各機器の管理情報を含む制御に関する設定を行う。
具体的には、空調設備設定部311では、汎用機器コントローラー11で管理する空調設備23の各機器の管理アドレスが、管理対象アドレスとして設定可能であるため、管理対象アドレスとして登録(記憶)される。この管理対象アドレスの設定は、アドレス範囲の指定等のように、予め定められた条件に従って設定されてもよい。尚、空調設備管理部305での管理情報の登録は、管理対象アドレスとして登録されている管理アドレス毎に設定することもできる。また、空調設備制御部313は、空調設備23及び汎用機器21から送信及び入力された情報(データ)に基づき、空調設備23の各機器の制御を行う。
空調設備管理部305は、例えば、汎用機器管理部307から送られる信号に基づき、指示に係る信号等を、専用伝送線33を介して、空調制御リモートコントローラー71、室外機51、及び室内機53に送る処理を行う。また、空調設備管理部305は、専用伝送線33を流れる信号を受信してデータを収集等し、汎用機器管理部307に送るものと判断したデータを汎用機器管理部307に送る処理を行う。空調設備管理部305は、空調設備設定部311が記憶したデータを含む信号を一定時間毎に汎用機器管理部307に送る。
汎用機器管理部307は、汎用機器設定部321、汎用機器制御部323、及び汎用機器入出力部325を備える。汎用機器設定部321は、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の管理情報、機器内容、又は、各制御に関する設定を行う。汎用機器設定部321は、汎用機器21を制御又は管理するために必要な情報を、管理情報として登録(記憶)している。また、汎用機器設定部321は、汎用機器21の運転及び動作情報、又は、空調設備23及び汎用機器21の各種センサ及びアクチュエータの検出情報のうちから、予め管理情報として登録されている情報を収集して、記録する。
また、汎用機器21の各機器は、汎用機器入出力部325に対応した管理アドレスによって区別されており、汎用機器設定部321での管理情報の登録は、管理アドレス毎に設定することもできる。汎用機器制御部323は、空調設備23及び汎用機器21から送信及び入力された情報に基づき、汎用機器21に対する制御を行う。尚、汎用機器設定部321に設定された汎用機器21の設定情報は、汎用機器コントローラー11の専用通信部303から、専用伝送線33を介してエネルギー管理ゲートウェイ13に送信することができる。
汎用機器入出力部325は、汎用機器入力部331及び汎用機器出力部333を備える。汎用機器入力部331は、汎用機器コントローラー11への入力インターフェースであり、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の各種センサ(検出手段)、例えば、温度/湿度センサー107からの検出情報が入力されるとともに、汎用機器21の運転・動作情報が入力される。汎用機器出力部333は、汎用機器コントローラー11から汎用機器21への出力インターフェースであり、汎用機器21としてアクチュエータ等を備える加湿器101、ヒーター103、及び換気扇105等を接続しているときに制御指令等の信号を出力する。
汎用機器制御部323は、汎用機器コントローラー11の機能を実現する処理を行う。汎用機器制御部323は、処理内容の手順を予め1又は複数のプログラムモジュールで構成されるアプリケーションとして有しており、プログラムモジュールに記述されたプログラムを実行することで各装置の機能を実現する。各装置に必要となるプログラムを記憶部等(図示せず)に記憶させ、実行させるようにすることで、各装置に対応した処理制御手段を構成することができるので、専用設計する等して各装置の処理制御手段を構成する必要がなく、設計時間の短縮等を図ることができる。また、機能の追加、削除等を簡単に行うことができる。
なお、汎用機器制御部323は、例えば、更新可能なプログラムモジュールとして形成される。よって、各種媒体を介して汎用機器コントローラー11に実装させることが可能である。例えば、microSD(SDアソシエーションの登録商標)を介して汎用機器コントローラー11にアップロードされることで実装させてもよい。また、汎用機器制御部323は、専用通信部303又は汎用機器入力部331を介して汎用機器コントローラー11にアップロードされることで実装させてもよい。
また、汎用機器コントローラー11は、専用伝送線33から受電する受電部301を有しており、エネルギー管理ゲートウェイ13及び空調設備23と通信する専用通信部303は、受電部からの受電によって動作する。このため、別途電源を設けることなく、エネルギー管理ゲートウェイ13及び空調設備23とのインターフェース機能を構成することができる。尚、受電部301は、汎用機器コントローラー11全体に電力を供給する機能を有するものとすることもできる。例えば、受電部301が、商用電源に接続され、又は、二次電池から電力が供給されることで、汎用機器コントローラー11に電力を供給してもよい。
汎用機器コントローラー11は、空調設備23と汎用機器21から入力される各種センサ等の検出情報と、空調設備23と汎用機器21との各機器の運転情報とに基づいて、空調設備23及び汎用機器21の各機器の制御を行う。また、各機器の制御に際し、汎用機器コントローラー11の機器制御部304は、設定されている連携制御アルゴリズムに従い、専用通信部303から空調設備23の室内機53及び室外機51による空調制御指令を送信するとともに、汎用機器入出力部325から汎用機器21に制御指令を送信する。
このため、空調設備23及び汎用機器21がそれぞれ独立した空調制御を行うのではなく、汎用機器コントローラー11を用いることによって、専用伝送線33を介した専用通信によって制御される空調設備23及び汎用機器21を連携させることで空気調和システム1全体の制御を実現することができる。
また、専用通信部303を有する汎用機器コントローラー11を専用伝送線33に接続させるため、既存の空調設備23間の通信方式を変更することなく、空調設備23のシステム構成を活用して、空調設備23と汎用機器21の連携制御を行うことができる。
(空調制御リモートコントローラー)
空調制御リモートコントローラー71は、操作者の空調設備23及び汎用機器コントローラー11に接続された汎用機器21の運転又は停止、温度又は湿度設定等の各種操作入力を受付けるリモートコントローラーである。空調制御リモートコントローラー71は、専用伝送線33を介して室内機53と接続されている。操作者が空調制御リモートコントローラー71を用いて入力した設定温度、運転モード等の操作指令の信号を室内機制御手段231に送信する。
また、空調制御リモートコントローラー71と、エネルギー管理ゲートウェイ13と、汎用機器コントローラー11とは、室内機53及び専用伝送線33を介して接続されており、空調設備23及び汎用機器21の運転又は停止、温度又は湿度設定等の各種操作入力情報は、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13に送信することができる。空調制御リモートコントローラー71は、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の初期設定を行う汎用機器初期設定部を有しており、汎用機器コントローラー11の汎用機器初期設定の情報に基づき、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の設定を行う。
操作者が空調制御リモートコントローラー71の操作部75を介して行う各種操作に基づく信号、例えば、空調設備23、汎用機器コントローラー11に接続された汎用機器21等の運転、停止等の指示、温度、湿度の設定等を専用伝送線33に送る。このため、空調設備23及び汎用機器21の運転、停止、温度又は湿度の設定等が行われる。また、表示部73を有し、例えば専用伝送線33を介して送られる信号に含まれる情報(データ)に基づく表示を行う。ここで、空調制御リモートコントローラー71の表示部73を、例えば液晶ディスプレイにタッチパネルを重ねて形成するタッチパネル方式とすることで、表示部73と操作部75とを一体的に形成でき、表示部73の表示画面を操作内容に応じて切替えることもでき、空調設備23に係る操作画面と汎用機器21に係る操作画面とを切替えて表示できる。
空調制御リモートコントローラー71の表示を汎用機器操作表示に切替えると、汎用機器設定部321で設定された汎用機器21の運転又は停止、温度又は湿度設定等の各種操作入力を受付ける画面が表示され、汎用機器21の各種操作入力を受付ける。空調制御リモートコントローラー71で汎用機器21の操作入力を受付けると、専用伝送線33を介して、空調制御リモートコントローラー71から汎用機器コントローラー11に操作情報が入力される。汎用機器コントローラー11の専用通信部303で汎用機器21の操作情報を受信すると、汎用機器コントローラー11の汎用機器制御部323は、汎用機器入出力部325を介して操作情報に対応する汎用機器21の制御を行う。
また、空調制御リモートコントローラー71は、人感センサー83、照度センサー81、温度/湿度センサー85をさらに有している。人感センサー83は、空調制御リモートコントローラー71の近くに人がいるかどうかを判断するための検出手段である。例えば人がいないと判断すると、表示部73のバックライトを消灯させ、人がいると判断するとリ点灯させることで省エネルギーを図る。照度センサー81は、空調制御リモートコントローラー71の周囲における照度を検知する手段である。温度/湿度センサー85は空調制御リモートコントローラー71の周囲における温度、湿度を検知する手段である。
従って、空調制御リモートコントローラー71は、空調設備23の室内機53及び室外機51のみではなく、汎用機器コントローラー11に接続されている汎用機器21の操作についても一括して行うことができる。また、汎用機器コントローラー11と空調制御リモートコントローラー71とは、専用伝送線33を介して接続されているため、汎用機器コントローラー11から接続されている汎用機器21の情報を受信することもでき、この場合には、空調制御リモートコントローラー71で操作入力できる汎用機器21の初期設定作業、及び汎用機器コントローラー11に接続される汎用機器21が変更された場合の設定作業を軽減することができる。
また、空調制御リモートコントローラー71が室内機53毎に設けられる一例について説明したが、例えば、室内機53の複数台毎に空調制御リモートコントローラー71を設けてもよく、空調制御リモートコントローラー71の台数は特に限定されない。
本実施形態では、エネルギー管理ゲートウェイ13から空調設備23への制御指令のみではなく、エネルギー管理ゲートウェイ13から汎用機器21への制御指令も、各空調メーカ独自の専用のプロトコルに対応したネットワークである専用伝送線33を介して送信することができるため、空調設備23用の既存の専用伝送線33を活用することができるとともに、汎用機器コントローラー11の接続を介することによって、エネルギー管理ゲートウェイ13で空気調和システム1全体の連携した制御を実現することができる。
また、空調設備23及び汎用機器21を包括した大規模なシステム又は通信網の構築をすることなく、汎用機器コントローラー11に汎用機器21を制御する入出力機能を設けることによって、小規模なシステムで連携した空気調和制御を行う空気調和システム1を構築できる。
また、本実施の形態では、エネルギー管理ゲートウェイ13及び汎用機器コントローラー11のいずれも、空調設備23及び汎用機器21、つまり空気調和システム1全体の連携空調制御を行うことができる。このため、空気調和システム1全体の連携空調制御をエネルギー管理ゲートウェイ13と汎用機器コントローラー11で役割分担して実現できるため、空気調和システム1が設置されるビル等の被空調空間に適合させた空調制御を実現することができる。
また、汎用機器コントローラー11と空調制御リモートコントローラー71とが専用伝送線33で接続されているため、空調制御リモートコントローラー71を用いて汎用機器コントローラー11に接続された汎用機器21の操作入力を受付けることができ、利用者に対し、空調制御リモートコントローラー71のみで空気調和システム1の各機器の操作を行わせることができる。
また、エネルギー管理ゲートウェイ13、汎用機器コントローラー11、及び空調制御リモートコントローラー71は専用伝送線33で接続されているため、エネルギー管理ゲートウェイ13及び汎用機器コントローラー11での空調設備23及び汎用機器21の制御内容(運転内容)を空調制御リモートコントローラー71のタッチパネルを用いた確認が適宜可能であり、空気調和システム1の各機器の運転状態が空調制御リモートコントローラー71で簡単に把握される。
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成及び動作を前提として、空気調和システム1内において、ある装置(例えば、エネルギー管理ゲートウェイ13)が別の装置(例えば、汎用機器コントローラー11)に送信されたデータを取得する、いわゆる、盗み聞きの動作について説明する。
従来、ある装置が、他の装置が有するデータを取得しようとする場合、そのようなある装置は、他の装置に対してデータを含む信号(管理情報)の送信を要求する。一方、他の装置は、ある装置からの要求に応じて、データを含む信号(管理情報)を送信する。この場合、他の装置に対し、複数の装置から同じ要求がなされた場合、そのような他の装置は、各装置の要求に応じて同じデータを含む信号をそれぞれ送信することになっていた。このため、不用意に通信トラフィックを増加させてしまっていた。そこで、このような場合であっても、本実施の形態2に係る空気調和システム1は、以下に説明する、いわゆる、盗み聞きの動作によって、通信トラフィックを抑制させることができる。
図6は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システム1内での通信例を示す図である。図6に示すように空調設備23の室内機53は、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13と専用伝送線33を介して接続されている。そして、各装置において、専用伝送線33を介した信号(データ)の送受信は各通信部(専用通信部353,303等)が行い、信号(データ)取得に係る処理は、各制御手段(処理制御部355,管理制御部359,機器制御部304等)が行うものとして説明する。
ここで、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、それぞれ別々に、室内機53を含む空調設備23、汎用機器21を監視・制御する装置である。ここでは、装置間の通信方法を説明する一例として、空調設備23の室内機53のみ専用伝送線33を介して接続されているが、実際には本実施形態1の図1で示した通り、空調設備23の1又は複数の室外機51、1又は複数の室内機53、並びに、1又は複数の空調制御リモートコントローラー71がそれぞれ接続される。ここで、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、それぞれ、室内機53が有する室内機53の運転状態等の各種データ(管理情報を含む)、例えば吸い込み温度のデータを必要としているものとする。
汎用機器コントローラー11は、室内機53に対して、室内機53の運転状態又はセンサの検出情報(信号)等の各種データの内、空気調和システム1の管理に必要な管理情報、例えば、吸い込み温度を含む信号の送信を要求する信号、すなわち、要求信号を専用伝送線33を介して送信する(以下、要求信号に応じて、他の装置に送る各種データを含む信号を応答信号という)。要求信号を含む専用伝送線33に流す信号については、送信に際し、例えば図7に示すように、空調設備23専用のプロトコル等に基づいて予め設定した通信フレームに即した形式で信号を送る。
図7は、本発明の実施の形態1に係る空気調和システム1内で通信される通信フレームの一例を示す図である。図7に示すように、通信フレームは、所定のプロトコルに準拠した形式で形成されたデータであり、例えば、送信元アドレス、送信先アドレス、通信コマンドの電文長等の実データを含むヘッダー部Aと、通信コマンド部Bと、伝送エラーを検出するコード等を含むフレームチェック部Cとで構成される。
通信コマンド部Bは、制御監視の動作内容又は対象の分類を示す通信コマンド分類部B1、制御監視の運転及び動作内容を表す動作内容部B2、及び制御監視の動作対象を表す動作の対象部B3等で構成される。なお、上記で説明した通信フレームは一例を示し、特にこれに限定されない。
汎用機器コントローラー11は、室内機53から空気調和システム1の管理に必要な管理情報、例えば、吸い込み温度のデータを含む信号(通信フレーム)を受信して吸い込み温度データを取得する。
前述したように、エネルギー管理ゲートウェイ13も、汎用機器コントローラー11と同じく、室内機53が有する室内機53の運転状態等の各種データのうち、空気調和システム1の管理に必要な管理情報、例えば吸い込み温度のデータを必要とする。信号の送信先がいずれの装置であっても、専用伝送線33に送られた信号は、エネルギー管理ゲートウェイ13にも送られる。そこで、専用伝送線33を介して受信した信号に基づき、エネルギー管理ゲートウェイ13は、送信元アドレス及び通信コマンドを判断する。そして、エネルギー管理ゲートウェイ13は、送信元アドレスが室内機53を表すものであって、通信コマンドが吸い込み温度データの要求信号に対するものと判断すると、信号を受信して処理を行い、吸い込み温度データを取得する。
ここで、本実施の形態2では、汎用機器コントローラー11が要求信号を送信し、エネルギー管理ゲートウェイ13が送信元アドレス(管理アドレス)と通信コマンド(コマンド中の管理情報)とに基づいて、室内機53の吸い込み温度のデータを取得するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、エネルギー管理ゲートウェイ13が送信した要求信号に対する信号に基づいて、汎用機器コントローラー11が室内機53の吸い込み温度のデータを取得するようにしてもよい。
また、本実施の形態2では、室内機53の運転状態等の各種データのうち、吸い込み温度のデータを取得しているが、室内機53のデータに限らず、汎用機器コントローラー11又はエネルギー管理ゲートウェイ13が必要な管理情報(データ)を一括又は個別に取得するようにしてもよい。このとき、汎用機器コントローラー11又はエネルギー管理ゲートウェイ13は、信号中の送信元アドレスと通信コマンドに基づいて、空気調和システム1の管理に有用な管理情報(データ)かどうかの判断をする。
以上のように、本実施の形態2によれば、室内機53から汎用機器コントローラー11への信号等、専用伝送線33に流れる信号を、エネルギー管理ゲートウェイ13が受信し、信号中の送信元アドレスと通信コマンドに基づいて、信号中の吸い込み温度データを取得するようにしたので、エネルギー管理ゲートウェイ13が要求信号を送信しなくても、吸い込み温度データを取得することができる。また、要求信号毎に室内機53から信号を送る必要がないので、空気調和システム1全体の通信トラフィックを低減することができる。
また、上記では、予め登録されている管理情報の内、吸い込み温度のデータを用いて説明したが、予め登録されている管理情報について、信号中の送信元アドレス(管理アドレス)と通信コマンドに基づいて、同様の処理を行うことにより、必要な管理情報(データ)を効率よく取得できるとともに、空気調和システム1全体の通信トラフィックを低減することができる。
また、エネルギー管理ゲートウェイ13の要求信号の通信周期に関わらず、専用伝送線に流れる管理情報(信号)をタイムリーに取得することができるため、エネルギー管理ゲートウェイ13及び汎用機器コントローラー11にて管理情報の取得を迅速に行うことが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、実施の形態1で説明した構成及び動作を前提として、空気調和システム1内において、ある機器(例えば、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13)が別の機器(例えば、室外機51)に送信されたデータを取得する、いわゆる、盗み聞きの動作の他の実施例について説明する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る空気調和システム1内での通信例を示す図である。図8に示すように空調設備23の室内機53は、室外機51、汎用機器コントローラー11、エネルギー管理ゲートウェイ13と専用伝送線33を介して接続されている。
各機器において、専用伝送線33を介した信号(データ)の送受信は、各通信部(専用通信部353、専用通信部303、室外機通信手段133,及び室内機通信手段233等)が行うものとして説明する。また、各機器において、信号(データ)取得に係る処理は、各制御手段(処理制御部355、管理制御部359、及び機器制御部304等)が行うものとして説明する。また、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、それぞれ別々に、室内機53を含む空調設備23、汎用機器21を監視・制御する機器であるとして説明する。
ここでは、機器間の通信方法を説明する一例として、空調設備23の室内機53及び室外機51のみ専用伝送線33を介して接続されているが、実際には実施形態1の図1で示した通り、空調設備23の1又は複数の室外機51、1又は複数の室内機53、並びに、1又は複数の空調制御リモートコントローラー71が接続される。そして、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、管理情報に関して室外機51と同じデータを保有するようにしている。
室外機51は、室内機53に対して、室内機53の運転状態又はセンサの検出等の各種データのうち、例えば、吸い込み温度を含む信号の送信を要求する信号、すなわち、要求信号を専用伝送線33を介して送信する。要求信号を受信した室内機53は、自身が保有するデータを含む信号を専用伝送線33を介して室外機51に返信する。送信及び返信に際しては、実施形態2で説明した通り、専用プロトコル等に基づいて予め設定した通信フレームに即した形式の信号が送られる。室外機51は、室内機53から吸い込み温度のデータ(運転状態等の管理情報)を含む信号を受信して吸い込み温度データを取得する。
前述したように、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13が、室外機51と同じく、空気調和システム1の管理に必要な管理情報、例えば、吸い込み温度のデータを保有するようにしている。そこで、専用伝送線33を介して受信した信号に基づき、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、送信先アドレス及び通信コマンドを判断する。そして、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、送信先アドレスが室外機51を表すものであって、通信コマンドが吸い込み温度データの要求信号に対する応答信号と判断すると、信号を受信して処理を行い、吸い込み温度データを取得する。
以上のように、本実施の形態では、専用伝送線33に流れる信号を、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13が受信し、信号中の送信先アドレスと通信コマンドに基づいて、信号中の各種データを取得するようにした。よって、例えば、送信先が室外機51であれば、同じデータを取得することができる。このため、専用伝送線33に、室外機51及び室内機53の他に、汎用機器コントローラー11、エネルギー管理ゲートウェイ13といったコントローラー機能を有する機器を複数台接続しても、空気調和システム1全体の通信トラフィックを抑制することができる。
また、上記では、予め登録されている管理情報のうち、吸い込み温度のデータを用いて説明したが、予め登録されている管理情報の全てについて、信号中の送信先アドレス(管理アドレス)と通信コマンドに基づいて、同様の処理を行うことにより、必要な管理情報(データ)を効率よく取得できるとともに、空気調和システム1全体の通信トラフィックを低減することができる。
また、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13の要求信号の通信周期に関わらず、専用伝送線に流れる管理情報(信号)をタイムリーに取得することができる。よって、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13にて管理情報の取得を迅速に行うことが可能となる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、実施の形態1で説明した構成及び動作を前提として、空気調和システム1内において、ある機器(例えば、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13)が別の機器(例えば、室外機51)に送信されたデータを取得する、いわゆる、盗み聞きの動作の他の実施例について説明する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る空気調和システム1内での通信例を示す図である。図9に示すように空調設備23の室内機53は、室外機51と、汎用機器コントローラー11と、エネルギー管理ゲートウェイ13と、専用伝送線33を介して、接続されている。
各機器において、専用伝送線33を介した信号(データ)の送受信は、各通信部(専用通信部353、専用通信部303、室外機通信手段133、及び室内機通信手段233等)が行うものとして説明する。また、各機器において、信号(データ)取得に係る処理は、各制御手段(処理制御部355、管理制御部359、機器制御部304等)が行うものとして説明する。また、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、それぞれ別々に、室内機53を含む空調設備23、汎用機器21を監視及び制御する機器であるとして説明する。
ここでは、機器間の通信方法を説明する一例として、空調設備23の室内機53及び室外機51のみ専用伝送線33を介して接続されているが、実際には実施形態1の図1で示した通り、空調設備23の1又は複数の室外機51、1又は複数の室内機53、1又は複数の空調制御リモートコントローラー71が接続される。
ここで、室外機51、汎用機器コントローラー11、エネルギー管理ゲートウェイ13は、タイマ等の計時装置を有しているものとする。本実施の形態は、室内機53に要求信号を送っていた室外機51が故障等したときの汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13の処理等に関するものである。
例えば、室外機51は、室内機53の運転状態又はセンサの検出情報(信号)等の各種データの表示、例えば、吸い込み温度の表示、各種データの保持等のために60秒程度で定期的にデータの取得が必要な機器である。一方、エネルギー管理ゲートウェイ13及び汎用機器コントローラー11は、室外機51よりも頻繁に表示を更新する必要性がないため、定期的な吸い込み温度データの取得は100秒程度でもよい。
そこで、エネルギー管理ゲートウェイ13及び汎用機器コントローラー11は、室外機51が要求信号を送信する周期よりも長い周期で要求信号を送信する。そして、吸い込み温度データを取得すると、計時装置をリセット処理する。ここで、汎用機器コントローラー11の要求信号の通信周期を例えば101秒とし、エネルギー管理ゲートウェイ13の要求信号の通信周期を例えば102秒として、異なる周期(時間)で設定する。このように、要求信号の通信周期を異ならせることで、汎用機器コントローラー11とエネルギー管理ゲートウェイ13とが室内機53に対して同時に要求信号を送信しないようにする。ここで、通信周期は例示であり、秒数等を限定されるものではない。
室外機51は、室内機53に対し、60秒毎に要求信号を送信し、室内機53が専用伝送線を介して吸い込み温度データを含む信号を送信する。汎用機器コントローラー11とエネルギー管理ゲートウェイ13とは、信号を受信して吸い込み温度データを取得し、計時装置をリセットする。このため、基本的には、汎用機器コントローラー11とエネルギー管理ゲートウェイ13とが空調設備23に対して要求信号を送信する必要がない。
しかし、図9に示すように、室外機51の故障、データ送信の際、及び外来ノイズの影響等のように、何らかの原因で、汎用機器コントローラー11又はエネルギー管理ゲートウェイ13が吸い込み温度データを取得できない場合がある。ここでは汎用機器コントローラー11が取得できないものとする。このとき、汎用機器コントローラー11は室内機53に対して要求信号を送信する。
汎用機器コントローラー11からの要求信号を受信した室内機53は、吸い込み温度データを含む信号を専用伝送線33を介して汎用機器コントローラー11に送信する。汎用機器コントローラー11は、室内機53から吸い込み温度データを含む信号を受信して吸い込み温度データを取得する。一方、エネルギー管理ゲートウェイ13は、受信した信号の送信元アドレス及び通信コマンドに基づいて、吸い込み温度データを取得する。そして、室外機が、再び60秒毎に要求信号を送信するようになると、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は要求信号送信に係る周期が長いため、要求信号を送信しなくても吸い込み温度データを取得することができる。
なお、室外機51、汎用機器コントローラー11、及びエネルギー管理ゲートウェイ13のそれぞれの通信周期を、要求信号の通信周期をそれぞれ、60秒、101秒、102秒としたが、各機器の通信周期を適宜入れ替える様にしてもよい。また、ここでは、送信元アドレスと通信コマンドとに基づく判断処理を行ったが、実施の形態3と同様に、送信先アドレスと通信コマンドとに基づいて行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態4に係る空気調和システム1によれば、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13に吸い込み温度データを取得するとリセットされる要求信号の通信周期を設定しておき、通信周期になると要求信号を送信するようにした。よって、本実施の形態4に係る空気調和システム1は、例えば、室外機51宛の信号に基づいて吸い込み温度データが取得できなくても、要求信号を送信して吸い込み温度データを取得することができる。本実施の形態4において、要求信号を送信しなかった他の機器は、専用伝送線33を流れる信号に基づいて吸い込み温度データを取得することができ、空気調和システム1全体のトラフィックの抑制が可能となる。このとき、本実施の形態4において、要求信号を送信しなかった他の機器間で異なる通信周期を設定しておけば、同時に要求信号を送信する可能性が極めて低くなり、信号の衝突等を防ぐことができる。
実施の形態5.
本実施の形態5では、実施の形態1で説明した汎用機器コントローラー11において、専用伝送線33を介して接続される空調設備23及び汎用機器21の各機器の管理アドレスと、管理情報の設定(入手)と、更新処理に関して説明する。
図10は、本発明の実施の形態5に係る汎用機器コントローラー11の制御例を説明するフローチャートであり、空調設備管理部305(空調設備制御部313)の空調設備23の新規に管理又は制御対象となる機器の管理アドレス及び管理情報の入手に係る処理手順の一例が示されている。汎用機器コントローラー11が専用伝送線33を流れる信号を受信した際に、受信した信号(データ)から抽出した送信元アドレスが新規のアドレスである場合の処理について、図10を用いて説明する。
汎用機器コントローラー11の専用通信部303が専用伝送線33を流れる信号を受信すると、ステップS11において、空調設備管理部305は、新規送信元アドレスであるか否かを判定する。この新規送信元アドレスとは、汎用機器コントローラー11にて最初に受信した送信元アドレスをいう。空調設備管理部305は、新規送信元アドレスである場合、ステップS12に進む。一方、空調設備管理部305は、新規送信元アドレスでない場合、ステップS11に戻る。
ステップS12において、空調設備管理部305は、新規送信元アドレスは管理対象アドレスであるか否かを判定する。管理対象アドレスとは、空調設備管理部305に登録されている汎用機器コントローラー11で管理する空調設備23の各機器の管理アドレスであり、実施の形態1で説明した通り、空調設備設定部311にて管理対象のアドレスが予め設定されている。空調設備管理部305は、新規送信元アドレスは管理対象アドレスである場合、ステップS13に進む。一方、空調設備管理部305は、新規送信元アドレスは管理対象アドレスでない場合、ステップS11に戻る。
ステップS13において、空調設備管理部305は、空調設備管理部305に予め登録されている管理情報の返信を、専用通信部303を介して新規送信元アドレスに対して要求する。空調設備管理部305は、空調設備23の各機器の管理アドレス毎に管理情報が登録されている場合には、当該管理アドレスに特定された機器に必要な管理情報を一括して要求することができる。
ステップS14において、空調設備管理部305は、新規送信元アドレスから管理情報の返信があるか否かを判定する。空調設備管理部305は、管理情報の返信がある場合、ステップS15に進む。一方、空調設備管理部305は、管理情報の返信がない場合、ステップS14に戻る。ステップS15において、空調設備制御部313は、管理アドレス(新規送信元アドレス)と管理情報とを関連付けて記憶し、ステップS11に戻る。
以上により、汎用機器コントローラー11は、新規に設置された空調設備23の各機器の管理情報を管理アドレスに関連付けて記憶することができる。また、空調設備23の各機器を更新又は追加する場合においても、該機器の管理アドレスである新規送信元アドレスからの通信に基づき、汎用機器コントローラー11側で管理アドレスに対応付けた管理情報の入手が可能となり、空調設備23の各機器の更新又は追加を反映させた管理対象とする各機器の管理及び制御を汎用機器コントローラー11にて実現することができる。
また、上記では、空調設備管理部305が空調設備23の新規に管理又は制御対象となる機器の管理アドレス及び管理情報の入手について説明したが、汎用機器入出力部325に入力される信号に基づいて、汎用機器管理部307が汎用機器21の新規に管理又は制御対象となる機器の管理アドレス及び管理情報の入手についても同様に行うようにしてもよい。
次に、汎用機器コントローラー11で管理又は制御対象となる空調設備23の各機器の管理アドレス及び管理情報につき、空調設備管理部305で専用通信部303を介して管理情報を収集後、空調設備管理部305によって汎用機器管理部307の空調設備23の各機器の管理情報を更新する処理について説明する。図11は、本実施の形態5に係る汎用機器コントローラー11の制御例を説明するフローチャートであり、管理情報の変更に対する空調設備管理部305の処理手順の一例が示されている。
ここでは、空気調和システム1内に流れる信号、例えば、管理情報に基づいた空気調和システム1内の空調設備23の制御が優先される。よって、汎用機器管理部307の空調設備23の管理情報の更新に係る処理については、空調設備管理部305における管理情報の収集処理及び専用通信部303の送信処理よりも処理の優先度を下げる。このようにすることで、収集処理及び送信処理を行っていない場合に、汎用機器管理部307の管理情報の更新に係る処理が実行されるため、空気調和システム1内の空調設備23の制御に影響を与えずに、汎用機器管理部307の管理情報の更新を行うことができる。
また、汎用機器管理部307の空調設備23の各機器の管理アドレス及び管理情報を更新することによって、汎用機器コントローラー11の機器制御部304は、管理情報に基づき、空調設備23及び汎用機器21の連携制御を実現することができる。
ステップS31において、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305は、汎用機器管理部307に記憶されている管理情報を取得(入手)したか否かを判定する。空調設備管理部305は、汎用機器管理部307から管理情報を取得した場合、ステップS32に進む。一方、空調設備管理部305は、汎用機器管理部307から管理情報を取得しない場合、ステップS31に戻る。
ステップS32において、空調設備管理部305は、空調設備管理部305で記憶されている管理情報と汎用機器管理部307から取得した管理情報との相違部分を抽出する。ここで、空調設備管理部305は、管理又は制御対象となる機器の管理アドレス及び管理情報を関連付けて記憶しており、抽出した相違する管理情報に関連する管理アドレスも抽出する。
ステップS33において、空調設備管理部305は、専用通信部303を介して、抽出した各管理アドレスにより特定される空調設備23の各機器を送信先として、抽出した管理アドレス毎に相違する管理情報を専用伝送線33上に送信する。
ステップS34において、空調設備管理部305は、抽出した全ての管理アドレスに対して相違する管理情報を専用伝送線33上に送信したか否かを判定する。空調設備管理部305は、全ての管理アドレスに対して相違する管理情報を専用伝送線33上に送信した場合、ステップS35に進む。一方、空調設備管理部305は、全ての管理アドレスに対して相違する管理情報を専用伝送線33上に送信しない場合、ステップS33に戻る。
ステップS35において、空調設備管理部305は、第1所定周期をリセットする。ステップS36において、空調設備管理部305は、第1所定周期のカウントを開始する。ステップS37において、空調設備管理部305は、第2所定周期をリセットする。ステップS38において、空調設備管理部305は、第2所定周期のカウントを開始し、ステップS31に戻る。
ここで、第1所定周期とは、空調設備23の各機器間で専用プロトコル通信を行う周期であり、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305は、この第1所定周期毎に空調設備23の各機器に対して管理情報を収集する。また、第2所定周期とは、空調設備管理部305が汎用機器管理部307の管理情報を纏めて更新する周期であり、上記説明の通り、空調設備管理部305で記憶されている管理情報と汎用機器管理部307から取得した管理情報との相違部分について一括して更新される。
また、第2所定周期は、第1所定周期よりも長い周期、すなわち、第1所定周期<第2所定周期の関係が成立するように設定される。
この第1所定周期及び第2所定周期の二つの周期について、第1所定周期<第2所定周期の関係が成立するように設定したことによって、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305に空調設備23各機器からの管理情報が確実に収集(取得)された後に、
空調設備管理部305から汎用機器管理部307に管理情報(データ)が転送され、汎用機器管理部307の管理情報の更新を行うことができる。
また、空調設備管理部305における管理情報の収集処理及び専用通信部303の送信処理収集処理を行っていない周期(タイミング)で、汎用機器管理部307の管理情報の更新に係る処理が実行されるため、空気調和システム1内の空調設備23の各機器の制御に影響を与えずに、汎用機器管理部307の管理情報の更新を行うことができる。
次に、空調設備23の各機器間で専用プロトコル通信を行う第1所定周期毎に、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305が、管理又は制御対象となる空調設備23の各機器に対して管理情報を収集する処理手順について説明する。図12は、本実施の形態5に係る汎用機器コントローラー11の制御例を説明するフローチャートであり、第1所定周期毎に行う管理情報の収集手順の一例が示されている。
ステップS51において、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305は、第1所定周期が経過したか否かを判定する。空調設備管理部305は、第1所定周期が経過した場合、ステップS52に進む。一方、空調設備管理部305は、第1所定周期が経過しない場合、ステップS51に戻る。
ステップS52において、空調設備管理部305は、管理又は制御対象となる空調設備23の各機器を特定する管理アドレスを送信先として、管理アドレス毎に管理情報の返信を要求する。なお、上記の説明では、管理アドレス毎に管理情報の返信を要求する一例について説明したが、必要な管理情報を一括して返信要求してもよい。
ステップS53において、空調設備管理部305は、管理情報の返信があるか否かを判定する。空調設備管理部305は、管理情報の返信がある場合、ステップS54に進む。一方、空調設備管理部305は、管理情報の返信がない場合、ステップS53に戻る。このとき、空調設備管理部305は、専用通信部303を介して、専用伝送線33を流れる信号からデータを抽出する。ここで、専用伝送線を流れる信号は、例えば、実施の形態2で説明した様に、予め設定した通信フレームに即した形式となっており、通信フレーム内のデータには、送信元アドレス、送信先アドレス、及び通信コマンド(実データ)が含まれる。
ステップS54において、空調設備管理部305は、空調設備23の各機器の管理アドレスから返信された管理情報に基づき、管理アドレスと管理情報とを関連付けて記憶する。管理アドレスは、例えば、返信に係る信号に含まれる送信元アドレスである。
ステップS55において、空調設備管理部305は、管理又は制御対象となる空調設備23の全ての管理アドレスについて管理情報の返信の要求が終了したか否かを判定する。空調設備管理部305は、全ての管理アドレスについて管理情報の返信の要求が終了した場合、ステップS56に進む。一方、空調設備管理部305は、全ての管理アドレスについて管理情報の返信の要求が終了しない場合、ステップS52へ戻る。
ステップS56において、空調設備管理部305は、第1所定周期をリセットする。ステップS57において、空調設備管理部305は、第2所定周期のカウントアップ条件を設定する。ここで、第2所定周期とは、空調設備管理部305から汎用機器管理部307に管理情報(データ)が転送され、汎用機器管理部307の管理情報の更新を行う周期である。第2所定周期は、先に説明した通り、第1所定周期よりも長い周期、すなわち、第1所定周期<第2所定周期の関係が成立するように設定される。ステップS58において、空調設備制御部313は、第1所定周期のカウントを開始し、ステップS51に戻る。
次に、図12のフローチャートで説明した第1周期に関わらずに、実施の形態2〜4で説明したいわゆる盗み聞きの動作により、空調設備管理部305が、空調設備23の各機器の管理情報を収集する処理手順について図13を用いて説明する。
図13は、本実施形態に係る汎用機器コントローラー11の制御例を説明するフローチャートであり、第1所定周期に関係なく収集する手順の一例が示されている。なお、図13で説明する処理は、基本的に専用伝送線33上を流れる各種信号は専用伝送線33に接続された全ての機器にて受信できることが前提となっている。
ステップS71において、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305は、専用伝送線33から信号を受信したか否かを判定する。空調設備管理部305は、専用伝送線33から信号を受信した場合、ステップS72に進む。一方、空調設備管理部305は、専用伝送線33から信号を受信しない場合、ステップS71に戻る。
ステップS72において、空調設備管理部305は、受信した信号の送信元アドレスが管理アドレスであるか否かを判定する。空調設備管理部305は、受信した信号の送信元アドレスが管理アドレスである場合、ステップS73に進む。一方、空調設備管理部305は、受信した信号の送信元アドレスは管理アドレスでない場合、ステップS71に戻る。
ステップS73において、空調設備管理部305は、通信コマンドから受信した信号が必要な管理情報であるか否かを判定する。空調設備管理部305は、受信した信号が必要な管理情報である場合、ステップS74に進む。一方、空調設備管理部305は、受信した信号は必要な管理情報でない場合、ステップS71に戻る。
ステップS74において、空調設備管理部305は、空調設備23の各機器の管理アドレスから返信された管理情報に基づき、管理アドレスと管理情報とを関連付けて記憶する。ステップS75において、空調設備制御部313は、第2所定周期のカウントアップ条件を設定し、ステップS71に戻る。ここで、第2所定周期とは、先に説明した通り、第1所定周期よりも長い周期、すなわち、第1所定周期<第2所定周期の関係が成立するように設定される。
以上のように、本実施の形態5によれば、例えば、室内機53から室外機51への信号等、専用伝送線33に流れる信号を、汎用機器コントローラー11が受信し、信号中の送信元アドレス(管理アドレス)と通信コマンド(コマンド中の管理情報)に基づいて、信号中の管理情報を取得するようにしたので、汎用機器コントローラー11が要求信号を送信しなくても、管理情報を取得することができる。また、汎用機器コントローラー11の要求信号毎に空調設備23の各機器から信号を送る必要がないので、空気調和システム1全体の通信トラフィックを低減することができる。
また、汎用機器コントローラー11の要求信号の通信周期(第1所定周期)に関わらず、専用伝送線33に流れる管理情報(信号)をタイムリーに取得することができるため、汎用機器コントローラー11にて管理情報の取得を迅速に行うことが可能となる。
最後に、空調設備管理部305から汎用機器管理部307に管理情報(データ)が転送され、汎用機器管理部307の管理情報の更新を行う処理手順について説明する。図14は、本実施形態に係る汎用機器コントローラー11の制御例を説明するフローチャートであり、空調設備管理部305による汎用機器管理部307の管理情報の更新が第2所定周期毎に実行される一例について示されている。
ステップS91において、汎用機器コントローラー11の空調設備管理部305は、第2所定周期が経過したか否かを判定する。空調設備管理部305は、第2所定周期が経過した場合、ステップS92に進む。一方、空調設備管理部305は、第2所定周期が経過しない場合、ステップS91に戻る。
ステップS92において、空調設備管理部305は、空調設備管理部305の管理情報(データ)を汎用機器管理部307に転送し、汎用機器管理部307の管理情報を更新する。
ステップS93において、空調設備制御部313は、第2所定周期をリセットする。ステップS94において、空調設備制御部313は、第2所定周期のカウントを開始する。よって、汎用機器コントローラー11内において、空調設備管理部305から汎用機器管理部307への管理情報の引き渡しが第2所定周期毎に実行される。
なお、図10〜図14の各動作は逐次実行であっても並列実行であってもよいが、通常においては、各処理が並列に実行されている。
実施形態6.
実施の形態6では、エネルギー管理ゲートウェイ13において、専用伝送線33を介して接続される空調設備23及び汎用機器21の各機器の管理アドレス、又は管理情報の取得(入手)、更新に関して説明する。
図15は、本実施の形態に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の制御例を説明するフローチャートであり、エネルギー管理ゲートウェイ13の処理制御部355が管理対象を設定する処理の一例が示されている。実施の形態1〜5で説明した通り、エネルギー管理ゲートウェイ13の記憶部357には、専用通信部353で受信した空調設備23及び汎用機器21の運転及び動作情報(データ)又は空調設備23及び汎用機器21の各種センサー及びアクチュエータの検出情報(データ)の内、エネルギー管理ゲートウェイ13の管理又は制御対象とする各機器の管理情報が登録されている。ここでは、処理制御部355が登録されている管理情報を制限することによって、管理情報を階層化する処理手順について説明する。
ステップS111において、処理制御部355は、受信して取得(入手)した管理アドレス及び管理情報に管理外のものがあるか否かを判定する。処理制御部355は、受信して取得した管理アドレス及び管理情報に管理外のものがある場合、ステップS112へ進む。一方、処理制御部355は、受信して取得した管理アドレス及び管理情報に管理外のものがない場合、ステップS111に戻る。
ステップS112において、処理制御部355は、管理外の管理アドレス及び管理情報を管理対象とするか否かを判定する。処理制御部355は、管理外の管理アドレス及び管理情報を管理対象とする場合、ステップS111に戻る。一方、処理制御部355は、管理外の管理アドレス及び管理情報を管理対象としない場合、ステップS113へ進む。
ステップS113において、処理制御部355は、当該アドレスを管理対象外とする旨の管理制御部359への設定を行い、ステップS111に戻る。例えば、管理フラグが0に設定された状態で、送信先の通信プロトコルに準拠した所定の形式の通信フレームを管理制御部359へ送信する。なお、ここでは、管理フラグが0を管理対象外、管理フラグが1を管理対象として処理する一例について説明したが、特に実装形態は限定されない。
よって、上記で説明したように、処理制御部355、すなわち、アプリケーションが受信した管理情報を管理対象とするか否かを決定する。この動作で管理情報を制限することができるため、利用予定の管理情報の対応レベルを階層化することができる。例えば、全ての管理情報を管理対象として、第1アプリケーションを作成し、管理情報の一部を管理対象として、第2アプリケーションを作成したとする。この場合、第1アプリケーションは、管理外の管理情報を全て管理対象として設定すればよく、第2アプリケーションは、該当する管理情報のみ管理対象として設定すればよい。また、直接的には管理制御部359に対して管理対象外とする設定をしているため、管理制御部359が処理制御部355へ流れるデータについて制限することができる。また、管理制御部359が処理制御部355へ流れるデータについて制限をかけるため、処理制御部355が汎用通信部351
を介して汎用伝送線35へ流すデータについても制限することができる。
図16は、本実施の形態に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の制御例を説明するフローチャートであり、エネルギー管理ゲートウェイ13の処理制御部355が、専用通信部353を介して空調設備23及び汎用機器21の管理情報を受信する処理の一例が示されている。また、エネルギー管理ゲートウェイ13は、汎用機器21の管理情報は、汎用機器コントローラー11を介して受信する。
ステップS121において、処理制御部355は、予め定めた周期で管理情報を受信したか否かを判定する。処理制御部355は、予め定めた周期で管理情報を受信した場合、ステップS122へ進む。一方、処理制御部355は、予め定めた周期で管理情報を受信しない場合、ステップS121に戻る。
ステップS122において、処理制御部355は、管理情報記憶領域371に最新値の管理情報を記憶する。
ステップS123において、処理制御部355は、変更履歴記憶領域373に過去の管理情報を記憶し、ステップS121に戻る。
よって、上記で説明したように、処理制御部355は、最新値の管理情報と、過去の管理情報とを別々に格納記憶したので、最新値の管理情報と、過去の管理情報とを区別して抽出することができる。したがって、処理制御部355は、通常の制御を行うときには最新値の管理情報で空調設備23等を制御することができる。また、記憶部357は、過去管理情報を受信した管理情報の履歴として蓄積していくことができる。
上記では、予め定められた周期で管理情報を受信した場合の最新値の管理情報と過去の管理情報の記憶について説明したが、次に、エネルギー管理ゲートウェイ13の管理情報の最新値確認周期毎に空調設備23及び汎用機器21の管理情報を要求する場合の最新値の管理情報と過去の管理情報の記憶について説明する。
図17は、本実施の形態に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の制御例を説明するフローチャートであり、エネルギー管理ゲートウェイ13の処理制御部355が、専用通信部353を介して空調設備23及び汎用機器21の管理情報の要求処理を実行する一例が示されている。
ステップS131において、処理制御部355は、最新値確認周期が経過したか否かを判定する。処理制御部355は、最新値確認周期が経過した場合、ステップS132に進む。一方、処理制御部355は、最新値確認周期が経過しない場合、ステップS131に戻る。
ステップS132において、処理制御部355は、管理制御部359に最新値の管理情報を要求する。
ステップS133において、処理制御部355は、最新値の管理情報の返信があるか否かを判定する。処理制御部355は、最新値の管理情報の返信がある場合、ステップS134に進む。一方、処理制御部355は、最新値の管理情報の返信がない場合、ステップS133に戻る。
ステップS134において、処理制御部355は、管理情報記憶領域371に最新値の管理情報を記憶する。ステップS135において、処理制御部355は、変更履歴記憶領域373に過去の管理情報を記憶する。ステップS136において、処理制御部355は、最新値確認周期をリセットする。ステップS137において、処理制御部355は、最新値確認周期のカウントを開始し、ステップS131に戻る。
よって、上記で説明したように、処理制御部355は、最新値確認周期毎に最新値を管理制御部359に要求して取得するので、最新値の管理情報に基づいて各種処理を行うことができる。また、処理制御部355は、最新値の管理情報と、過去の管理情報とを別々に格納記憶したので、最新値の管理情報と、過去の管理情報とを区別して抽出することができる。
次に、処理制御部(アプリケーション)355のメモリに、処理制御部355側から管理情報の変更を行った履歴を記憶する処理手順について説明する。図18は、本実施の形態に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の制御例を説明するフローチャートであり、エネルギー管理ゲートウェイ13の処理制御部355が管理情報の変更要求を実行する一例が示されている。
ステップS151において、処理制御部355は、処理制御部355内のメモリ(図示せず)に追加された管理情報があるか否か判定する。処理制御部355は、メモリに追加された管理情報がある場合、ステップS152に進む。一方、処理制御部355は、メモリに追加された管理情報がない場合、ステップS151に戻る。
ステップS152において、処理制御部355は、メモリに記憶された変更部分の管理アドレス及び管理情報を管理制御部359に送信し、ステップS151に戻る。
よって、上記で説明したように、処理制御部355、すなわち、アプリケーションは、処理制御部355側から管理情報の変更を行った場合、変更された管理アドレス及び管理情報を管理制御部359に転送する。
図19は、本実施の形態に係るエネルギー管理ゲートウェイ13の制御例を説明するフローチャートであり、エネルギー管理ゲートウェイ13の処理制御部355の通常のアプリケーションとしての処理の一例が示されている。
ステップS161において、処理制御部355は、管理情報記憶領域371に格納されている最新値の管理情報をアプリケーション側のメモリにコピーして取得する。
ステップS162において、処理制御部355は、管理情報記憶領域371に記憶された最新値の管理情報と変更履歴記憶領域373に記憶された過去の管理情報とを比較することによって、前回の変更が反映されているか否かを判定する。処理制御部355は、前回の変更が反映されている場合、ステップS163に進む。一方、処理制御部355は、前回の変更が反映されていない場合、ステップS164に進む。
ステップS163において、処理制御部355は、前回の処理結果を破棄して元の状態に戻す。例えば、処理制御部355は、アプリケーション側のメモリに割り当てられた処理結果格納領域(図示せず)の中から、前回の処理結果を参照し、参照した前回の処理結果を元の状態に戻す。
ステップS164において、処理制御部355は、所定のアプリケーション用出力の制御を実行する。ステップS165において、処理制御部355は、所定のアプリケーション用入力値を取りこむ。ステップS166において、処理制御部355は、アプリケーション用入出力情報を管理情報と同じ記憶部357、例えば、管理情報記憶領域371に並列に格納する。
例えば、処理制御部355は、アプリケーション用入出力情報と、管理情報とが、同一時間で互いに参照可能とする構成をとることで、同じ時間軸に対する処理結果を参照可能である。また、例えば、処理制御部355は、同一タイミングで複数のデータを同時に格納できるように、アプリケーション用入出力情報を格納する記憶領域と、管理情報を格納する記憶領域とが、物理的に並列に構成されていると想定する。この場合も同じ時間軸に対する処理結果を参照可能である。また、例えば、処理制御部355は、アプリケーション用入出力情報を格納する記憶領域がFIFO(First In First Out)を実現するデータ構造で構成され、管理情報を格納する記憶領域がFIFOを実現するデータ構造で構成されていると想定する。この場合も同じ時間軸に対する処理結果を参照可能である。なお、上記の説明は、アプリケーション用入出力情報を管理情報と共に管理情報記憶領域371に並列に格納する一例を示し、特にこれに限定されない。例えば、同一時刻に処理されたことを示す識別子が、アプリケーション用入出力情報と、管理情報とのそれぞれに付与されてもよい。
ステップS167において、処理制御部355は、アプリケーションにて管理情報が更新(変更)されたか否かを判定する。処理制御部355は、アプリケーションにて管理情報が更新(変更)された場合、メモリに更新(変更)情報を記憶して、ステップS168へ進む。一方、処理制御部355は、アプリケーションにて管理情報が更新(変更)されない場合、処理を終了する。ステップS168において、処理制御部355は、管理制御部359に所定のタイミングで更新(変更)された管理情報を伝達(送信)し、処理を終了する。ステップS201において、管理制御部359は、変更履歴記憶領域373に管理情報を記憶し、処理を終了する。
よって、上記で説明したように、処理制御部はアプリケーションでの変更内容が処理制御部355から管理制御部359に伝達されるため、専用通信部353を介して、専用伝送線33により空調設備23及び汎用機器コントローラー11に変更された管理情報を送信することができる。また、最新値の管理情報に基づいてアプリケーションが実行されるため、最新値の管理情報が反映された処理を行うことができる。また、アプリケーション用入出力情報と、管理情報とを並列に格納しているため、同じ時間軸上で実行された処理内容を容易に参照することができる。
なお、図15〜図19の各動作は逐次実行であっても並列実行であってもよいが、通常においては、各処理が並列に実行されている。
なお、上記の実施の形態での説明では、汎用機器コントローラー11及びエネルギー管理ゲートウェイ13は、それぞれ別々に演算が行われ、別々の筐体、すなわち、物理的に離れた位置に処理が実装される一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、一つのサーバー装置に、汎用機器コントローラー11の機能と、エネルギー管理ゲートウェイ13の機能とが論理的に異なる形態で実装されてもよい。つまり、汎用機器コントローラー11の機能と、エネルギー管理ゲートウェイ13の機能とがそれぞれ実行されればよいため、その物理的な格納場所又は実行場所は特に限定されない。例えば、遠隔地にある複数のサーバー装置等に図10〜図19の各動作を分散処理させ、互いに演算結果の同期を取りながら処理が実行されてもよい。また、上記で説明したように、汎用機器コントローラー11の機能と、エネルギー管理ゲートウェイ13の機能とが論理的に異なる形態でそれぞれが仮想化されることで、1つのサーバー装置に2つの機能が実装されてもよい。
以上のように、1又は複数の室内機53と1又は複数の室外機51とを有する空調設備23と、空調設備23専用の通信プロトコルに対応したネットワークである専用伝送線33と、空調設備23と専用伝送線33を介して接続され、1又は複数の汎用機器21が接続される汎用機器コントローラー11と、空調設備23及び汎用機器コントローラー11と、専用伝送線33を介して接続され、空調設備23を管理するエネルギー管理ゲートウェイ13と、を備え、エネルギー管理ゲートウェイ13は、専用伝送線33を介して空調設備23との通信を可能にする専用通信部303と、専用通信部303を介して受信する各種情報のうち、空調設備23を管理するために予め登録された管理情報を収集する管理制御部359と、収集された管理情報に基づいて、空調設備23の管理に関する演算処理を実行し、空調設備23を制御する処理制御部355と、を有し、汎用機器コントローラー11は、空調設備23及び汎用機器21のそれぞれに対応した運転情報が受信又は入力され、運転情報に基づいて、汎用機器21の制御を行う空気調和システム1が構成される。
この構成で、エネルギー管理ゲートウェイ13が、専用伝送線33上で流れている他の装置に送る信号を含めて受信し、取得すべきデータを含んでいれば取得処理するようにしたので、各機器がそれぞれデータに係る信号送信を要求しなくても、所望するデータを取得することができ、また要求毎に同じデータを含む信号を専用伝送線に流す必要がないので、システム全体の通信トラフィックの増加を防ぐことができる。
本発明に係る空気調和システムは、1又は複数の室内機と1又は複数の室外機とを有する空調設備と、空調設備専用の通信プロトコルに対応したネットワークである専用伝送線と、空調設備と専用伝送線を介して接続され、1又は複数の汎用機器が接続される汎用機器コントローラーと、空調設備及び汎用機器コントローラーと、専用伝送線を介して接続され、該空調設備を管理するエネルギー管理ゲートウェイと、を備え、エネルギー管理ゲートウェイは、専用伝送線を介して空調設備との通信を可能にする専用通信部と、専用通信部を介して受信する各種情報のうち、空調設備を管理するために予め登録された管理情報を収集する管理制御部と、収集された管理情報に基づいて、空調設備を制御する処理制御部と、を有し、汎用機器コントローラーは、空調設備及び汎用機器のそれぞれに対応した運転情報が受信又は入力され、前記運転情報に基づいて空調設備及び汎用機器の制御を行うものである。
本発明に係る空気調和システムは、1又は複数の室内機と1又は複数の室外機とを有する空調設備と、空調設備専用の通信プロトコルに対応したネットワークである専用伝送線と、空調設備と専用伝送線を介して接続され、1又は複数の汎用機器が接続される汎用機器コントローラーと、空調設備及び汎用機器コントローラーと、専用伝送線を介して接続され、該空調設備を管理するエネルギー管理ゲートウェイと、を備え、エネルギー管理ゲートウェイは、専用伝送線を介して空調設備との通信を可能にする専用通信部と、専用通信部を介して受信する各種情報のうち、空調設備を管理するために予め登録された管理情報を収集する管理制御部と、収集された管理情報に基づいて、空調設備を制御する処理制御部と、通信プロトコルが外部に公開されるオープンプロトコルにより汎用伝送線を介して外部機器との通信を可能にする汎用通信部と、を有し、汎用機器コントローラーは、空調設備及び汎用機器のそれぞれに対応した運転情報が受信又は入力され、前記運転情報に基づいて空調設備及び汎用機器の制御を行うものである。