JPWO2014112629A1 - フロアパネル - Google Patents

Abstract

発泡セメント層（３）を少なくとも含む発泡セメント板（１）と、前記発泡セメント板（１）の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレート（５ａ）およびボトムプレート（５ｂ）とを含むフロアパネル（１０）において、発泡セメント層（３）を、多孔質のセメント硬化体相中に繊維を分散状態で含み、厚さ１２〜３０ｍｍ、比重０．８〜１．５であるように構成することによって、フロアパネルに必要とされる強度を確保しつつ軽量化を図ることができ、しかも複雑な工程を経ることなく簡便にフロアパネルを製造することができる。

Description

本発明は、屋内または屋外用の床材として、特にフリーアクセスフロア（いわゆるＯＡフロア）用の床材として好適なフロアパネルに関する。

従来のコンクリート製のフロアパネルは、矩形状の型枠内にコンクリートを薄く打設することにより板状に成形されており、コンクリート打設時にはその型枠内にあらかじめエキスパンドメタルや鉄筋等の補強材を配置しておき、硬化したコンクリートと一体化させることによりパネルの剛性を高めるようになっている。

上記エキスパンドメタルは、フロアパネルの平面ほぼ全体にわたるように配置され、また、上記鉄筋は例えばフロアパネルの外周に沿って、またはフロアパネルの中心を十字に通るようにして配置されている（例えば特許文献１参照）。

また、フロアパネルの他の形態として、スチール製のトッププレートとボトムプレートとを対向配置するとともに中空構造となるようにそれらの外周縁を接続し、その中空部分に軽量コンクリートを充填して硬化させた、軽量コンクリート入りスチール製フロアパネルも知られている（例えば特許文献２参照）。

上記したいずれのフロアパネルも、屋内用の床材として使用されるため、薄さが要求され、他方、コンクリート単体では剛性が不足するという問題がある。そこで、コンクリート中に金属製補強材を埋設したり、または軽量コンクリート全体をスチール製プレートで被覆する等の補強が施されている。

特開２００８−８２１００号公報 特開平７−２５９３０６号公報 特開２０１１−３８３７８号公報

しかしながら、上記した前者のフロアパネルでは、エキスパンドメタルや鉄筋等、多数の金属製補強材をコンクリート中に埋設しなければならないためフロアパネルの軽量化を図ることが難しく、加えて型枠内の決められた位置に金属製補強材をセッティングしなければならないために製造工程が複雑になる。

また、後者のフロアパネルでは、軽量コンクリート材の注入時の漏れ出しを防止する必要性からスチール製プレートを液密中空構造に組み立てなければならないため、製造コストが高くなり、製造工程も複雑になるという課題がある。

本発明は以上のようなコンクリート製のフロアパネルの課題を考慮してなされたものであり、フロアパネルに必要とされる強度を確保しつつ軽量化を図ることができ、しかも複雑な工程を経ることなく簡便に製造することができるフロアパネルを提供することを目的とする。

また、本発明では、フロアパネルの側面および角部などのフロアパネルの周囲面を保護してその輸送中および保管中あるいは施工中または使用中におけるフロアパネルの破損を防止することを目的とする。

さらに、本発明では、意匠性に優れるフロアパネルを提供することを目的とする。

本発明によれば、発泡セメント層を少なくとも含む発泡セメント板と、上記発泡セメント板の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレートおよびボトムプレートとを含むフロアパネルであって、
上記発泡セメント層は、多孔質のセメント硬化体相中に繊維を分散状態で含み、厚さ１２〜３０ｍｍ、比重０．８〜１．５であることを特徴とするフロアパネルが提供される。

上記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方の縁部は、上記発泡セメント板の周囲面の少なくとも一部を被覆していてもよい。

本発明の１つの態様では、上記トッププレートおよびボトムプレートの縁部がともに上記発泡セメント板の周囲面を互いに対向して被覆していてもよい。

上記トッププレートおよびボトムプレートの対向する縁部の間隔は１〜１５ｍｍであり得る。

本発明の１つの態様では、上記トッププレートが上記発泡セメント板の上面と同じ面積またはそれよも大きな面積を有し、上記ボトムプレートの縁部が上記発泡セメント板の周囲面の少なくとも一部を被覆し、上記トッププレートよりも大きな面積を有する石板または石板付きパネルを上記トッププレートの上面に更に含んでいてもよい。

上記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方は、厚さ０．２５〜１．０ｍｍの金属板であり得る。

本発明の１つの態様において、上記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方は、それぞれ上記発泡セメント板の上面および下面に対して接着剤により接着されていてよい。

上記接着剤は、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、およびアイオノマー樹脂からなる群より選択される少なくとも１種の樹脂を含むものであってよい。

また、上記接着剤は、例えば１５０〜５００ｇ／ｍ^２、好ましくは２００〜５００ｇ／ｍ^２で使用されていてよい。

本発明の１つの態様において、上記発泡セメント板は、上記発泡セメント層の少なくとも片面に形成された繊維強化樹脂層を更に含んでいてよい。

本発明のフロアパネルによれば、フロアパネルに必要とされる強度を確保しつつ軽量化を図ることができ、複雑な工程を経ることなく簡便に製造することができる。

また、本発明によれば、フロアパネルの側面および角部などのフロアパネルの周囲面を保護してその輸送中および保管中あるいは施工中または使用中におけるフロアパネルの破損を防止することができる。

さらに、本発明によれば、意匠性に優れるフロアパネルを提供することもできる。

本発明の実施形態１におけるフロアパネルを示す概略図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は断面図である。 本発明の実施形態２におけるフロアパネルを示す概略断面図である。 図１または図２の実施形態におけるフロアパネルの改変例１を示す概略上面図である。 図１または図２の実施形態におけるフロアパネルの改変例２を示す概略上面図であって、（ａ）は蓋を外した状態、（ｂ）は蓋を設置した状態を示す。 本発明の実施形態３におけるフロアパネルを示す概略図であって、（ａ）は斜視図、（ｂ）は断面図である。 本発明の実施形態４におけるフロアパネルを示す概略断面図である。 図５または図６の実施形態におけるフロアパネルの改変例Ａを示す概略上面図である。 図５または図６の実施形態におけるフロアパネルの改変例Ａを示す概略斜視図である。 図５または図６の実施形態におけるフロアパネルの改変例Ｂを示す概略上面図である。 図５または図６の実施形態におけるフロアパネルの改変例Ｂを示す概略斜視図である。 本発明の実施形態５におけるフロアパネルを示す概略断面図である。 本発明の実施形態６におけるフロアパネルを示す概略断面図である。 本発明の実施形態５または６のフロアパネルで用いることのできる支持脚の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態５または６のフロアパネル（説明の便宜上２枚）に配置した図１３に示す支持脚を示す概略側面図である。 本発明のフロアパネルの改変例で用いることのできる支持脚の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のフロアパネルの改変例ＡまたはＢ（説明の便宜上２枚）に配置した図１５に示す支持脚を示す概略側面図である。 本発明のフロアパネルの改変例ＡまたはＢ（４枚）の下側に配置した図１５に示す支持脚を示す概略上面図である。

以下、本発明のフロアパネルについて、図面を参照しながら、いくつかの実施形態を挙げて詳述する。

（実施形態１）
図１に示すように、本実施形態のフロアパネル１０は、発泡セメント板１と、この発泡セメント板１の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂとを有する。かかるフロアパネル１０は、トッププレート５ａがフロアパネルの表側（床面側）に位置し、ボトムプレート５ｂが裏側に位置するようにして使用され得る。

本実施形態において、発泡セメント板１は、発泡セメント層３から成り、発泡セメント層３の上面および下面にトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂがそれぞれ接合されている。しかしながら、発泡セメント板１は、少なくとも発泡セメント層を有するものであればよく、他の構成部材を有していてもよい（例えば実施形態２参照）。

発泡セメント層３は、少なくともセメント硬化体および繊維を含む材料であって、多数の気泡（または孔）を内部に有する材料から成る。より詳細には、発泡セメント層３においては、多数の気泡が分散して多孔質を成しているセメント硬化体相中に繊維が分散している。発泡セメント層３中の気泡は、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の軽量化に寄与し、また、その断熱性を向上させることもできる。発泡セメント層３中の繊維は、補強繊維として機能し（以下、本明細書において「補強繊維」とも言う）、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の軽量化に寄与すると共に、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の強度を向上させることができる。

発泡セメント層３は、厚さ１２〜３０ｍｍ、比重０．８〜１．５、例えば繊維量１〜１５ｋｇ／ｍ^３、好ましくは１〜１０ｋｇ／ｍ^３を満たすように作製される。本発明者の鋭意研究の結果、これら条件を満足する発泡セメント層３を備えた発泡セメント板１を、トッププレート５ａとボトムプレート５ｂとの間に配置して使用することによって、強度と重さのバランスを最適化し、十分な強度を有しつつも軽量なフロアパネル１０が得られることが見出された。

発泡セメント層３の厚さは、１２〜３０ｍｍとする。発泡セメント層３の厚さが１２ｍｍ未満であると、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０全体の強度が十分でなく、厚さが３０ｍｍを超えると、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の重量が増して取り扱い性（または施工性）が低下し得る。発泡セメント層３の厚さは、好ましくは１５〜２５ｍｍであり、代表的には約１９〜２３ｍｍである。

発泡セメント層３の比重は、０．８〜１．５とする。発泡セメント層３の比重が０．８未満であると、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０全体の強度が十分でなく、比重が１．５を超えると、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の重量が増して、取り扱い性（または施工性）が低下し得る。発泡セメント層３の比重は、好ましくは１．１〜１．３である。

なお、本発明において「比重」とは、水に対する比重（−）を意味する。

発泡セメント層３の比重は、種々の因子に影響され得るが、特に、発泡セメント層中に存在する気泡および繊維の各量を調整することによって制御可能である。気泡は、独立気泡および連続気泡のいずれであってもよい。発泡セメント層３の単位体積あたりの気泡量（気泡の合計体積）が多いほど、発泡セメント層３の比重は小さくなる。また、使用する繊維にもよるが、通常は、発泡セメント層３の単位体積あたりの繊維量が多いほど、発泡セメント層３の比重は小さくなる。

発泡セメント層３中の繊維量は、例えば１〜１５ｋｇ／ｍ^３、好ましくは１〜１０ｋｇ／ｍ^３とする。発泡セメント層３中の繊維量をかかる範囲とすることによって、繊維同士が絡み合って（または補強構造を成して）、発泡セメント層３の強度を向上させ得、補強繊維として機能する。発泡セメント層３中の繊維量が１ｋｇ／ｍ^３未満であると、発泡セメント層３ひいてはフロアパネル１０の重量が増すと共に強度が低下し、繊維量が１５ｋｇ／ｍ^３を超えると、セメント硬化体相が連続相を形成し難くなって、発泡セメント層３が脆くなり得る。発泡セメント層３中の繊維量は、より好ましくは３〜１０ｋｇ／ｍ^３、さらにより好ましくは３〜８ｋｇ／ｍ^３である。

セメント硬化体相は、セメント硬化体、即ち、セメントと水とが反応して硬化したものを主成分とする相（分散媒相）を意味するものとする。なお、セメント硬化体相には、セメント硬化体に対して分散性、相溶性または溶解性を示す物質および／または成分が比較的少量存在していてもよい。

原料であるセメントの種類としては特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等、各種セメントを使用できる。これらのなかでも、早強ポルトランドセメントが、生産性、強度等の点から好ましい。

セメントと水との配合割合は、セメント１００質量部に対して、例えば水２０〜１００質量部、好ましくは水２０〜５０質量部を配合する。水の配合割合が多すぎると発泡セメント層３の強度が低下する傾向があり、水の配合割合が少なすぎると、未硬化の原料混合物の流動性が低下する傾向がある。

上述のように、セメント硬化体相中に補強繊維が分散して存在し、補強繊維は互いに絡み合って補強構造を形成することができる。

かかる補強繊維としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、銅繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール繊維は耐久性が高く、更に、セメントおよびセメント硬化体との親和性に優れるので好ましい。

補強繊維の繊維長は、特に限定されないが、４〜３５ｍｍの範囲であることが好ましい。補強繊維の繊維長が４ｍｍ未満では補強効果が不足する傾向がみられる。補強繊維の繊維長は長いほど、補強効果の点では有利であるものの、あまり長すぎると、繊維の分散性が低下し、発泡セメント層３内で補強繊維が偏在し、かえって発泡セメント層３の強度を低下させることがある。

補強繊維の太さは、特に限定されないが、例えば１０〜１００μｍの範囲であり得る。

発泡セメント層３では、セメント硬化体相中に、補強繊維に加えて、他の分散質、例えば骨材（微細骨材、細骨材、粗骨材）等が分散していてもよい。骨材を含む場合、高い強度を得る観点からは骨材添加量は多くないほうがよく、その寸法も小さいほどよく、微細骨材が好ましい。

また、発泡セメント層３は、追加の他の物質および／または成分、例えば起泡剤、発泡剤、減水剤、難燃剤、着色剤、ＡＥ剤、防水剤等を、任意の形態で（例えば、セメント硬化体相に対して相溶または溶解して、あるいはセメント硬化体相中に分散して）含んでいてよい。

発泡セメント層３に気泡を含ませるには、起泡剤および／または発泡剤を使用することが好ましい。起泡剤および／または発泡剤は、特に限定されず、セメント、モルタル、コンクリートなどの用途において利用可能な任意の起泡剤および／または発泡剤を使用してよい。起泡剤としては、タンパク質系起泡剤、界面活性剤系起泡剤、例えばポリエーテル類、芳香族スルホン酸塩類（アルキルベンゼンスルホン酸塩など）、硫黄含有化合物（高級アルキルエーテル硫酸エステル類など）、樹脂系起泡剤などを使用してよい。発泡剤としては、アルミニウム粉末等の金属系発泡剤などを使用してよい。

起泡剤および／または発泡剤の添加量や添加方法は、特に限定されないが、発泡セメント層３の比重が０．８〜１．５の範囲以内となるように選択／調整され得る。起泡剤および／または発泡剤の添加量は、通常は、セメント１００質量部に対して０．１〜３質量部の範囲である。添加方法には、プレフォーミング、ミックスフォーミング、アフターフォーミング等があるが、代表的にはプレフォーミングが適用され得る。

発泡セメント層３は、具体的には、例えば以下のようにして得ることができる。

セメント、水、および必要に応じて減水剤等を混合し、これに補強繊維を加えて混練して、未硬化の原料混合物を得る。他方、起泡剤に、コンプレッサーからのエアー（圧縮空気）を導入して、所定の倍率、例えば１０〜３０倍程度に発泡した気泡を作る。この気泡を上記原料混合物に加えて、全体が均一になるように撹拌して、未硬化（またはフレッシュな状態）の発泡原料混合物を得る。なお、撹拌の途中で原料混合物の比重を適宜測定して、目標値に近づけるように気泡を更に追加してもよい。

上記のようにして得られた発泡原料混合物を成形型枠内に充填し、これを養生しながら硬化させる。これにより、多孔質のセメント硬化体相中に補強繊維が絡み合った状態で分散して成る発泡セメント層３が得られる。

なお、発泡セメント層３を製造するにあたっては、発泡セメント層３の寸法に応じた型枠を使用して、発泡セメント層３を直接に成形し、養生硬化させて得てよい。あるいは、より大きな型枠を使用して、一旦、大きなサイズからなる発泡セメントブロックを成形し、養生硬化させた後に、所望の厚さ、大きさの板状に切り出すことによって発泡セメント層３を得てもよい。後者の場合、一つの型枠から最終的に多数枚の発泡セメント層３を得ることができ、また養生、硬化もこれらをまとめて行うことができるため、生産性が向上するという利点がある。

養生は、通常の養生でもよいし、蒸気養生でもよいし、両者を組み合わせてもよい。また、養生は型枠内で完了させるのではなく、その型枠内で蒸気養生し、ある程度硬化（または固化）した段階で、通常は数時間後に、型枠から取り出して更に養生すれば、型枠での成形サイクルが短くなり、生産性が向上する。

かかる発泡セメント層３の製造方法によれば、未硬化の発泡原料混合物の混練時に、補強繊維が均一に分散するように撹拌するだけで、補強繊維が互いに絡み合った補強構造が得られ、バラツキのない強度が得られる。よって、発泡セメント層３の製造に際し、エキスパンドメタル等の金属製補強材を型枠内の決められた位置にセッティングするといった従来の繁雑な作業が不要になり、簡単にフロアパネルを製造することができ、製造コストを削減することができる。なお、上述した発泡セメント層３の製造方法の例では、プレフォーミングによる場合について説明したが、ミックスフォーミング、アフターフォーミング等の他の発泡方法であっても、未硬化の発泡原料混合物中で補強繊維を均一に分散させ得、上記と同様の効果を奏する。

本実施形態においては、発泡セメント板１の上面および下面として、このような発泡セメント層３の両面に対して、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂが接合される。

トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの材料、厚さ、形状等は、フロアパネルの用途等に応じて適宜選択可能である。

ボトムプレート５ｂは、フロアパネル１０の裏側に位置するようにして使用され得るので、通常、意匠性は求められない。かかるボトムプレート５ｂは、フロアパネル１０の強度を向上させる等の観点から、例えば金属板（表面処理された金属板を包含する）を使用でき、具体的には、鉄板、アルミニウム板、鋼板などが使用され得る。鋼板の例としては、いわゆるステンレス鋼板などが挙げられる。また、かかる金属板は、溶融（または浸漬）メッキ、電気メッキ、樹脂被覆などにより表面処理されていてよい。これらのなかでも、溶融亜鉛メッキまたは電気亜鉛メッキされた鋼板や、ガルバリウム鋼板、ＺＡＭ鋼板は、その耐食性が高いので好ましい。

金属板には、開口が配列されているパンチングメタル、ラスなども含まれる。

ボトムプレート５ｂは、ボトムプレート５ｂが金属板である場合、厚さ３ｍｍ未満の薄板で十分であり、好ましくは厚さ０．２５〜１．０ｍｍである。これにより、十分かつ適度な強度を得ることができる。

トッププレート５ａには、上述したボトムプレート５ｂと同様のものを使用してよい。フロアパネル１０において十分かつ適度な強度を得るには、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの少なくとも一方が、厚さ０．２５〜１．０ｍｍの金属板であることが好ましい。より好ましくはトッププレート５ｂの厚さは０．２５〜０．６５ｍｍである。

しかしながら、トッププレート５ａは、フロアパネル１０の表側に位置するようにして使用され得、場合によっては意匠性が求められる。かかる場合には、トッププレート５ａとして、例えば石板または石板付きパネル等を使用してもよい。あるいは、トッププレート５ａの上面に石板または石板付きパネルを配置してもよい。石板の種類については特に制限はなく、天然石（例えば花崗岩、閃緑岩、ハンレイ岩などの御影石、大理石等）を板状に加工したものや、人造石を板状に加工したものであってもよい。石板付きパネルは、かかる石板を発泡セメントを含んで成るパネル部に接合してなるものであってよく、同じ厚みの石板に比べて軽量かつ安価で、しかも防水性等の性能に優れる。石板付きパネルの例としては、カナフレックスコーポレーション株式会社による特許第４４５４６９３号公報に記載の化粧石板付パネル、より具体的にはカナストーン（登録商標）の名称で市販されている化粧石板付パネル等が挙げられる。石板または石板付きパネルの厚さは、特に限定されない。石板の厚さは、石板がひび割れない程度で加工可能な厚さ、例えば３〜１５ｍｍ、好ましくは３〜１２ｍｍであってよい。石板付きパネルの厚さは、例えば５〜３５ｍｍ、好ましくは１０〜３５ｍｍ、より好ましくは１０〜２０ｍｍであってよく、さらにより好ましくは１５〜１８ｍｍである。

また、本発明では、上述の石板付きパネルとして、例えば、石板（厚さ：３ｍｍ〜１５ｍｍ）にパネル部として上述の発泡セメント層と同様の多孔質発泡セメント層（厚さ：５〜２０ｍｍ）を設け、その内部に複数（好ましくは３層）の以下にて詳細に説明する繊維強化樹脂層（厚さ：０．１〜２．０ｍｍ）（例えば、ガラス繊維をウレタン樹脂で固めたＦＲＰ層など）を配置したカナフレックスコーポレーション株式会社から市販されている高強度カナストーンと呼ばれる石板付きパネルを使用してもよい。かかる石板付きパネルを使用することによって、耐荷重強度に優れ、なおかつ意匠性に優れるフロアパネルを提供することができる。

これらトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂは、それぞれ発泡セメント板１（本実施形態においては発泡セメント層３）の上面および下面に対して、接着剤により接着され得る。

かかる接着剤としては、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、およびアイオノマー樹脂からなる群より選択される少なくとも１種の樹脂を含む接着剤を使用できる。これらのなかでも、エポキシ系樹脂またはポリウレタン系樹脂を含む接着剤が、高い接着性および強度が得られるので好ましい。

接着剤の使用量は、使用する接着剤や、発泡セメント板１の接着表面材料にもよるが、例えば１５０〜５００ｇ／ｍ^２、好ましくは２００〜５００ｇ／ｍ^２、より好ましくは２００〜３５０ｇ／ｍ^２である。これにより、十分かつ適度な接着強度を得ることができる。

なお、接着剤の使用量は、接着前（硬化前）の接着剤の量を意味するが、接着後に残存する接着剤の量とほぼ同じであると考えて差し支えない。

本実施形態においては、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの両方が、接着剤により発泡セメント板１に接着され得る。しかしながら、本発明はこれに限定されず、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂのいずれか一方（例えばトッププレート５ａ）または両方が、別の方法により発泡セメント板１に接合されていてもよい。かかる別の方法としては、特に限定されず、発泡セメント板１とトッププレート５ａおよび／またはボトムプレート５ｂとの接合表面材料の組み合わせにもよるが、例えばプレス、熱圧着などが挙げられる。

トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂは、それぞれ発泡セメント板１の上面および下面の大部分を覆うものであればよく、全面を覆っていなくてもよい。あるいは、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂは、それぞれ発泡セメント板１の上面および下面の面積よりも大きな面積を有していてもよい。

本実施形態のフロアパネル１０の平面形状は、図１（ａ）に示すような正方形であることが、１つのユニットを成すのに最も簡便である。しかしながら、これに限定されず、フロアパネル１０は、任意の適切な平面形状を有していてよい。

以上、本実施形態のフロアパネル１０について詳述した。かかるフロアパネル１０は、軽量であり、かつ、フロアパネルに必要とされる強度を有する。更に、かかるフロアパネル１０は、主要部が無機質材料で構成されているため、難燃性であり、不燃処理が不要である。また、フロアパネル１０は、その内部に発泡セメント層３を備えるため、感電防止性をも有する。

なお、フロアパネルに必要とされる強度は、その用途に応じて異なり得る。例えばフリーアクセスフロアに求められる強度は、ＪＩＳ Ａ １４５０ 「フリーアクセスフロア試験方法」に規定される静荷重試験、衝撃試験、およびローリングロード試験に従って評価され得る。これら各試験方法は、規定されている通りであるが、概略的には以下のようなものである。

静荷重試験：載荷点（最弱部）に所定荷重（例えば３，０００Ｎ）を載荷したときの変形量を測定し、更に、荷重除去後の残留変形量を測定する。
衝撃試験：加撃点（最弱部）に加撃体（砂袋３０ｋｇ）を高さ２５０ｍｍから自由落下させたときの残留変形量を測定する。
ローリングロード試験：車輪に所定荷重（例えば１，０００Ｎ）を加えた状態で、列方向（最弱部を通る）に５０００往復させたときの残留変形量を測定する。

本実施形態のフロアパネル１０は、これら各試験において以下の性能を示すことが、本発明者により確認されている。
静荷重試験：変形量５．０ｍｍ以下かつ残留変形量３．０ｍｍ以下
衝撃試験：残留変形量３．０ｍｍ以下
ローリングロード試験：残留変形量３．０ｍｍ以下

（実施形態２）
図２に示すように、本実施形態のフロアパネル１１は、実施形態１のフロアパネル１０と同様に、発泡セメント板１と、この発泡セメント板１の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂとを有する。かかるフロアパネル１１は、トッププレート５ａがフロアパネルの表側（床面側）に位置し、ボトムプレート５ｂが裏側に位置するようにして使用され得る。

しかしながら、実施形態１のフロアパネル１０とは異なり、本実施形態においては、発泡セメント板１は、発泡セメント層３の両面に形成された繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂを更に含んでおり、繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂにトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂがそれぞれ接合されている。

以下、本実施形態のフロアパネル１１について、実施形態１のフロアパネル１０と異なる点を中心に説明するものとし、特に説明のない限り、実施形態１の説明が同様に当て嵌まる。

本実施形態において発泡セメント層３の両面を被覆する繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂは、樹脂中に補強繊維が埋設されて成る層（ＦＲＰ層）である。

繊維強化樹脂層４ａ、４ｂの厚みは、それぞれ例えば０．１〜３．０ｍｍ程度、好ましくは０．２〜３．０ｍｍ程度とし得る。

繊維強化樹脂層４ａ、４ｂ中の補強繊維としては、実施形態１にて上述した発泡セメント層３中の補強繊維と同様の材料を使用することができる。ただし、補強繊維の長さについては、１０ｍｍ〜５０ｍｍの長さのものを使用することが、後述するスプレー法により繊維強化樹脂層４ａ、４ｂを形成できるので好ましい。

繊維強化樹脂層４ａ、４ｂを構成する樹脂（合成樹脂）としては、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、アクリルフォーム、酢酸セルロースフォーム、その他の発泡性合成樹脂を使用することが好ましい。繊維強化樹脂層４ａ、４ｂを形成するための発泡性合成樹脂の発泡倍率は特に限定はないが、２〜１０倍程度が好ましい。しかし、これに限定されず、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、硬質ポリウレタン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、フェノールウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸セルロース樹脂、エポキシ樹脂、その他の非発泡性合成樹脂を使用してもよい。

繊維強化樹脂層４ａ、４ｂは、具体的には、例えば以下のようにして発泡セメント層３に一体化して形成することができる。

まず、ロール状に巻き取られたガラスロービングを巻き解き、例えば長さ２０ｍｍ程度の短繊維に切断して補強繊維を得る。次に、実施形態１と同様にして作製した発泡セメント層３の一方の面に、エアーガンを用いてその補強繊維を敷き詰め、その上に液状の樹脂（好ましくは発泡性合成樹脂）をノズルからスプレーする。これにより、補強繊維が液状の樹脂中に含浸され、樹脂の硬化後に繊維強化樹脂層が得られる。かかる手順を発泡セメント層３のもう一方の面に対しても同様に実施することにより、繊維強化樹脂層４ａ、４ｂが得られる。

繊維強化樹脂層４ａ、４ｂの表面を平滑にし、また、厚みを均一にするために、繊維強化樹脂層４ａ、４ｂ付きの発泡セメント層３、即ち、発泡セメント板１の両面を、押え板にてプレスしてもよい。プレスは、例えば１００〜１５０ｋｇｆ／ｍｍ^２の圧力で２０〜４０分間で行うことが好ましい。プレス時間が２０分を下回ると繊維強化樹脂層４ａ、４ｂの厚みが不均一になり、また、二次発泡によって発泡セメント層３と繊維強化樹脂層４ａ、４ｂとが剥離する恐れがある。

本実施形態においては、発泡セメント板１の上面および下面として、このような繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂの発泡セメント層３と反対側の各面に対して、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂがそれぞれ接合され得る。

接合方法は、実施形態１と同様の方法を利用できる。例えば接着剤により接着してよい。また、プレスにより接合してもよい。繊維強化樹脂層４ａ、４ｂは、プレスにより接合する際に接着層として機能し得る。

プレスにより接合する場合、上述のようにして作製された繊維強化樹脂層４ａ、４ｂ付きの発泡セメント層３、即ち、発泡セメント板１の上面および下面にトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂをそれぞれ位置決めし、プレス機でプレスすることによって一体化させる。かかるプレスによる接合は、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂに対して片方ずつ行っても、両方同時に行ってもよい。

なお、上記説明では、繊維強化樹脂層４ａ、４ｂの表面を平滑にし、また、厚みを均一にするために発泡セメント板１の両面をプレスし、その後、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂを発泡セメント板１に接合するために、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂを発泡セメント板１に対してプレスするものとした。しかし、これに限らず、発泡セメント板１の両面をプレスする際に、トッププレート５ａまたはボトムプレート５ｂあるいはその両方と一緒にプレスしてもよい。この場合、接合のためのプレス工程を減らすことができる。

以上、本実施形態のフロアパネル１１について詳述した。かかるフロアパネル１１は、実施形態１のフロアパネル１０と同様の効果を奏することができる。

加えて、本実施形態のフロアパネル１１は、発泡セメント層３の両面を繊維強化樹脂層４ａ、４ｂで被覆しているので、発泡セメント層３の剛性を高めることができる。本実施形態のフロアパネル１１は、上述の各試験において、実施形態１のフロアパネル１０と同等またはそれ以上の性能を示すことが、本発明者により確認されている。

しかしながら、本発明はこれに限定されず、発泡セメント層３の両面に形成された繊維強化樹脂層４ａ、４ｂのうち、いずれか一方のみとしてもよい。

以上、本発明の実施形態１および２におけるフロアパネルについて詳述した。かかるフロアパネルは、裏側にボトムプレートが備えられているため、そのボトムプレートを支持脚に載置するようにして、複数のフロアパネルを敷き詰めれば、簡単にフリーアクセスフロアを構成することができる。この場合、例えば以下の例のように改変可能である。

（改変例１）
本発明のフロアパネル、より詳細には実施形態１または２のフロアパネルは、例えば図３に示すフロアパネル１３のように、略正方形の平面形状であって、発泡セメント板１の四隅に切り欠き７ａ（以下、「コーナー加工部７ａ」または単に「加工部７ａ」と呼ぶ場合もある）が設けられた形状を有するものであってよい。

複数のフロアパネルを敷き詰めてフリーアクセスフロアを構成する場合、１枚のフロアパネルが１つのユニットとして理解され、これらユニットの辺部によって形成されるグリッドの各格子点部分に１つの支持脚が配置され得る。１ユニットを成す１枚のフロアパネルの平面形状は正方形であることが好ましく、この場合、これらユニットの辺部によって形成されるグリッドの格子点部分には、４枚のフロアパネルの角部が集まり、これらの角部が１つの支持脚に載置され得る。

例えば図３に示すフロアパネル１３のように、発泡セメント板１の四隅に切り欠き７ａが設けられていると、切り欠き７ａに嵌合し、好ましくはフロアパネル１３のトッププレート５ａの表面と略面一になる固定部材によって支持脚に固定することが可能となる。かかる固定部材と組み合わされて使用され得る支持脚は、例えば特許文献３などに開示されている。

また、かかる改変例では、以下にて詳細に説明する図１５に示す支持脚と固定部材との組み合わせを使用してもよい。

切り欠き７ａの形状は、組み合わせて使用され得る固定部材に応じて、任意の適切な形状とされ得る。例えば、切り欠き７ａの近傍において、発泡セメント板１は、トッププレート５ａ（およびボトムプレート５ｂ）で被覆されていなくてもよい。

また、このような発泡セメント板１のプレートで被覆されていない部分には、必要に応じて、固定部材を収容するためにさらなる切り欠き（例えば段差、具体的には略扇形の段差など）が設けられていてもよい。なお、本実施形態では、これらを総称して切り欠き（又はコーナー加工部もしくは加工部）７ａと呼ぶ。

本改変例によれば、フロアパネル１３を、切り欠き７ａを利用して支持脚に固定して敷設できるので、そのガタツキを防止でき、耐震性にも優れる。

（改変例２）
また、本発明のフロアパネル、より詳細には実施形態１または２のフロアパネルは、例えば図４に示すフロアパネル１５のように、略正方形の平面形状であって、四隅以外の部分、より詳細には、ユニットの辺部の中央付近（図４（ａ）参照）に更なる切り欠き７ｂが設けられた形状を有するものであってよい。

複数のフロアパネルを敷き詰めてフリーアクセスフロアを構成する場合、支持脚によってフロアパネルの下方に形成される空間には、配線（電話回線、電気通信、電源などのための各種配線）が収納され得る。

図４に示すフロアパネル１５のように、その四隅以外の部分に切り欠き７ｂが設けられていると、この切り欠き７ｂを通じて、配線の挿入／取り出し、移設等を簡便に行うことができる。

切り欠き７ｂの形状および数等は特に限定されない。例えば、切り欠き７ｂの近傍において、トッププレート５ａ（および／またはボトムプレート５ｂ）によって、発泡セメント板１は被覆されていなくてよい。

また、必須ではないが、切り欠き７ｂを利用しない場合には、フロアパネル１５のトッププレート５ａと略面一になる蓋９によって、切り欠き７ｂを塞ぐようにしてよい（図４（ｂ）参照）。

このとき、必要に応じて、このような発泡セメント板１のプレートで被覆されていない部分には、例えば蓋９の厚みに応じて、さらなる切り欠き（例えば段差など）が設けられていてもよい。なお、本実施形態では、これらを総称して切り欠き７ｂ（または加工部７ｂ）と呼ぶ。

本改変例によれば、フロアパネル１５の切り欠き７ｂを利用してフロアパネル１５の下方に形成される空間にアクセスできるので、配線レイアウトの自由度に優れる。

更に、改変例１にて上述したフロアパネル１３（図３参照）と、改変例２にて上述したフロアパネル１５とを組み合わせて使用してもよい。この場合、これらフロアパネル１３、１５（図４参照）は、実質的に同じ平面寸法とされ、２種類のユニットとして理解され得る。

以上、フロアパネルの２つの改変例１および２について説明したが、本発明の概念を逸脱しない範囲で、その他、種々の改変が可能であろう。

例えば、切り欠き７ｂの数を１つにすることによって、フロアパネルの製造はさらに簡便となり、その在庫管理も容易となる。

（実施形態３）
図５に示すように、本実施形態のフロアパネル２０は、上述の実施形態１のフロアパネル１０と同様に、発泡セメント板１と、この発泡セメント板１の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレート５ａとボトムプレート５ｂとを有する。

以下、本実施形態のフロアパネル２０について、実施形態１のフロアパネル１０と異なる点を中心に説明するものとし、特に説明のない限り、実施形態１の説明が同様に当てはまる。

フロアパネル２０では、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの縁部がともに延在して、より具体的には図５に示すように、それぞれ発泡セメント板１の側面の辺に沿って屈曲し、発泡セメント板１の周囲面を互いに対向して被覆する。

なお、本実施形態のフロアパネル２０は、図５に示す形態に限定されるものではなく、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの少なくとも一方の縁部が発泡セメント板１の周囲面の少なくとも一部を被覆していればよい。

例えば、トッププレート５ａの縁部のみが延在して発泡セメント板１の周囲面の少なくとも一部または全部を被覆してもよい。あるいは、ボトムプレート５ｂの縁部のみが延在して発泡セメント板１の周囲面の少なくとも一部または全部を被覆してもよい。

ここで、発泡セメント板１の周囲面とは、発泡セメント板１のトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂが配置され得る上面および下面以外の面を意味し、より具体的には発泡セメント板１の側面および角部（頂部を含む）などを意味する。なお、図示する実施形態では発泡セメント板１の４つの側面および８つの頂部の全てが覆われているが、本実施形態は、かかる形態に限定されるものではない。従って、発泡セメント板１の少なくとも１つの側面の少なくとも一部あるいは少なくとも１つの頂部がトッププレート５ａおよび／またはボトムプレート５ｂで覆われていてもよい。

図５に示す実施形態では、発泡セメント板１の４つの側面のそれぞれがトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂで被覆され、なおかつ発泡セメント板１の上面側の４つの頂部および下面側の４つの頂部がそれぞれトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂで被覆されている。

かかる構成により、発泡セメント板１の周囲面（すなわち側面および頂部）をトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂで被覆して保護することができ、フロアパネルの運搬時や保管時あるいは施工時または使用時に生じる発泡セメント板１の破損を有意に防止することができる。

また、上述のようにトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂをそれぞれ接着剤によって発泡セメント板１の上面および下面にそれぞれ接着する場合、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂのズレを防止することができる。さらに、このような縁部が延在して互いに対向するトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂを使用することによって、接着剤のはみ出しを顕著に防止することもでき、フロアパネルの外観を更に向上させることができる。

例えば、図５に示すように、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの縁部をそれぞれ互いに対向して配置する場合、縁部の間隔ｄ（図５（ｂ）参照）は、例えば１ｍｍ〜１５ｍｍ、好ましくは３ｍｍ〜１０ｍｍである。

間隔ｄを上記の範囲内で調節することによって、本実施形態では、フロアパネルにかかる曲げ応力等の応力に対応することができる。

図５に示すトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの作製方法に特に制限はなく、例えば上述の１枚の金属板を発泡セメント板１の上面または下面よりも大きな寸法で任意の適切な形状で打ち抜いて、従来公知のプレス機等を用いて、プレス加工により折り曲げて作製することができる。

なお、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂの角部および頂部は、それぞれ図５に示すように結合または接触していてもよく、あるいは任意の間隔が適切に設けられていてもよい。

以上、本実施形態のフロアパネル２０について詳述した。かかるフロアパネル２０は、実施形態１のフロアパネル１０と同様の効果を奏することができる。

（実施形態４）
図６の断面図に示すように、本実施形態のフロアパネル２１では、実施形態２と同様に、発泡セメント板１と、この発泡セメント板１の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂとを有する。かかるフロアパネル２１は、トッププレート５ａがフロアパネルの表側（床面側）に位置し、ボトムプレート５ｂが裏側に位置するようにして使用され得る。

また、本実施形態では、実施形態２のフロアパネル１１と同様に、発泡セメント板１は、発泡セメント層３の両面に形成された繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂを含み、繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂにトッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂがそれぞれ接合されている。

本実施形態において、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂは、上述の実施形態３のフロアパネル２０と同様である。

本実施形態では、このような構成とすることで、発泡セメント板１が繊維強化樹脂層４ａおよび４ｂを含むので、フロアパネルの強度をさらに向上させることができる。

以上、本発明の実施形態３および４におけるフロアパネルについて詳述した。かかるフロアパネルは、裏側にボトムプレートが備えられているため、そのボトムプレートを支持脚に載置するようにして、複数のフロアパネルを敷き詰めれば、簡単にフリーアクセスフロアを構成することができる。この場合、例えば以下の例のように改変可能である。

（改変例Ａ）
本発明の実施形態３および４のフロアパネルは、例えば図７および８に示すフロアパネル２３のように、略正方形の平面形状であって、その四隅にそれぞれ切り欠き７ａが設けられた形状を有するものであってよい。なお、本改変例において、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂに形成される切り欠き７ａは、発泡セメント板１に形成した切り欠きに対応するように金属板をプレス加工等で成形して形成され得るものであり、実際にプレートを切削したり切断して作製したものではないことに留意すべきである（以下、「コーナー加工部または加工部７ａ）と称する場合もある）。

切り欠き７ａの形状は、上述の改変例１と同様に、支持脚およびこの支持脚と組み合わせて使用され得る固定部材の形状などに応じて、任意の適切な形状とされ得る。なお、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂに形成され得る切り欠きの形状は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。

図７および８に示すフロアパネル２３のように、フロアパネルの四隅に切り欠き７ａが設けられていると、かかる切り欠き７ａに嵌合し、好ましくはフロアパネル２３のトッププレート５ａの表面と略面一になる固定部材によって、かかるフロアパネルを支持脚に固定することが可能となる。かかる固定部材と組み合わせて使用され得る支持脚は、例えば特許文献３などに開示されている。

また、かかる改変例では、以下にて詳細に説明する図１５に示す支持脚と固定部材との組み合わせを使用してもよい（より具体的には図１５〜１７を参照のこと）。

本改変例によれば、フロアパネル２３を、切り欠き７ａを利用して支持脚に固定して敷設できるので、そのガタツキを防止でき、耐震性にも優れる。

さらに、本改変例によれば、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂのそれぞれが発泡セメント板１に設けた切り欠きの形状に対応する形状の切り欠き７ａを有することから、発泡セメント板１に設けた切り欠き部分を被覆して保護することができる。それにより、フロアパネルの搬送中または保管中あるいは施工中または使用中において、発泡セメント板１が破損することを防止することができる。特に支持脚または固定部材との接触によって発泡セメント板１が破損することを有意に防止することができる。

（改変例Ｂ）
また、本発明の実施形態３および４のフロアパネルは、例えば図９および１０に示すフロアパネル２５のように、略正方形の平面形状であって、四隅以外の部分、より詳細には、フロアパネルの側面の中央付近（図９参照）に切り欠き７ｂが更に設けられた形状を有するものであってよい。なお、本改変例において、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂに形成され得る切り欠き７ｂは、発泡セメント板１に形成した切り欠きに対応するように金属板をプレス加工等で成形して形成され得るものであり、実際にプレートを切削したり切断して作製したものではないことに留意すべきである（以下、「加工部７ｂ」と呼ぶ場合もある）。

図９に示すフロアパネル２５のように、その四隅以外の部分に切り欠き７ｂが設けられていると、上述の改変例２と同様に、切り欠き７ｂを通じて、配線の挿入／取り出し、移設等を簡便に行うことができる。

切り欠き７ｂの形状および数等には特に制限はないが、図９に示すフロアパネル２５のように切り欠き７ｂの数が１つであると、かかるフロアパネル２５を複数枚用いることによって、様々な切り欠きパターンを有するフリーアクセスフロアを簡単に構成することができる。また、そうすることで、フロアパネルの生産および管理が飛躍的に簡便となる。なお、トッププレート５ａおよびボトムプレート５ｂに形成され得る切り欠き７ｂの形状は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。

なお、必須ではないが、切り欠き７ｂを利用しない場合には、フロアパネル２５のトッププレート５ａの表面と略面一になる蓋によって、切り欠き７ｂを塞ぐようにしてよい（図示せず）。

以上、実施形態３および４のフロアパネルの改変例ＡおよびＢについて説明したが、本発明の概念を逸脱しない範囲で、その他、種々の改変も可能であろう。

（実施形態５）
本実施形態のフロアパネル３０では、トッププレート５ａの縁部が発泡セメント板１の上面と同じ面積またはそれよりも大きな面積を有するように延在し（例えば、発泡セメント板の側面から０ｍｍ〜１０ｍｍ）、ボトムプレート５ｂの縁部が発泡セメント板１の周囲面の少なくとも一部を被覆するように延在している（例えば図１１参照）。また、トッププレート５ａの上面には、トッププレート５ａの上面よりも大きな面積を有する石板付きパネル１００が配置されている。

実施形態５において使用することのできる石板付きパネル１００は、図１１の断面図に示す通り石板１０１およびパネル部１０２を含むものであり、上述の実施形態１で説明した石板付きパネルを何ら制限なく使用することができる。また、実施形態５において、石板付きパネル１００の代わりに上述の実施形態１で説明した石板を配置してもよい。

本実施形態において、石板または石板付きパネルの縁部は、発泡セメント板の側面から、例えば１０ｍｍ〜１２ｍｍの位置にある。

図示する実施形態５のフロアパネル３０において、トッププレート５ａは、発泡セメント板１の上面よりも大きな面積を有することによって、発泡セメント板１の上面で石板または石板付きパネルを十分に支持することができる。また、石板または石板付きパネルは、トッププレート５ａよりも大きな面積を有し、フロアパネル３０に優れた外観を与えることができる。特に、石板付きパネルとして、上述のカナフレックスコーポレーション株式会社から市販されている高強度カナストーンを使用することによって、優れた外観だけでなく、同じ厚みの石板を使用した場合と比べて優れた軽量化（例えば１／２以下の軽量化）を達成することができ、その施工性が向上する。しかも５０００Ｎ以上の荷重にも耐え得るフロアパネルを提供することができる。なお、通常のフロアパネルに求められる静荷重試験の規格は、上述の通り、３０００Ｎである。

石板または石板付きパネルと、トッププレート５ａとの接合方法に特に制限はなく、例えば、上述の接着剤を用いることができ、特に石板付きパネルを使用する場合には、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などを含む接着剤を用いることが好ましい。

なお、本実施形態において、トッププレート５ａは、上述の通り、発泡セメント板１の上面と同一の面積を有するものであってもよく、あるいは石板または石板付きパネルと同一の面積を有するものであってもよい。

ボトムプレート５ｂは、上述の実施形態３および４と同様に、その縁部が延在して、より具体的には図１１に示すように発泡セメント板１の底部の形状に沿って屈曲し、発泡セメント板１の周囲面の少なくとも一部を被覆して保護することができる。かかるボトムプレート５ｂの縁部は、発泡セメント板１の厚み（又は高さ）の半分以上を被覆することが好ましい。

このような構成とすることで、フロアパネルの運搬時、保管時あるいは施工時または使用時において、発泡セメント板１の破損を顕著に防止することができる。

なお、本実施形態において、発泡セメント板１は、上述の実施形態１と同様のものであり、あるいは実施形態２または４と同様のものを使用してもよい。

また、本実施形態のフロアパネル３０では、フロアパネルの任意の場所、好ましくはその中央部に任意の形状の貫通孔を設けてコンセントやアップコン（コンセント、ジャック、アース等を備える）を配置してもよい。なお、本実施形態において使用することのできるアップコンに特に制限はなく、例えば市販のアップコンを何ら制限なく使用することができる。

（実施形態６）
図１２の断面図に示すように、本実施形態のフロアパネル４０は、基本的には上述の実施形態５のフロアパネル３０と同様であるが、ボトムプレート５ｂの縁部は、発泡セメント板１の周囲面の露出部分（すなわち、ボトムプレート５ｂで覆われていない部分）と、トッププレート５ａの縁部および石板付きパネル１００のパネル部１０２の底面とともに、コーキング材２００で覆われている。

このような構成とすることで、発泡セメント板１への水分の浸入を防止して、発泡セメント板１の破損をさらに防止することができる。

本実施形態において使用することのできるコーキング材に特に制限はなく、例えば、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系などのコーキング材を使用することができる。

また、このように発泡セメント板１の周囲面の露出部分を少なくとも覆うことができれば、使用するコーキング材の量に特に制限はない。

（支持脚）
実施形態５および６のフロアパネルを敷き詰めてフリーアクセスフロアを構成する場合、１枚のフロアパネルが１つのユニットとして理解され、これらユニットの辺部によって形成されるグリッドの各格子点部分に１つの支持脚が配置され得る。

支持脚としては、例えば図１３に示す支持脚３００（複数であってもよい）を使用することができる。支持脚３００は、十字形の突条部３０２を有する台座３０１とフランジ３０５とがボルト３０４によって回転可能に固定され、ナット３０３によって台座３０１の高さを調節することができるものである。

支持脚３００を構成する材料に特に制限はないが、台座３０１（突条部３０２を含む）は樹脂から構成され、ナット３０３、ボルト３０４およびフランジ３０５は金属から構成され得る。

台座３０１が樹脂から構成されることによって、その成形は容易となる。また、ナット３０３、ボルト３０４およびフランジ３０５が金属から構成されることによって、支持脚に十分な強度を与えることができる。

例えば、図１４にて詳細に示す通り、支持脚３００は、隣接する実施形態５のフロアパネル３０（又は実施形態６のフロアパネル４０であってもよい）のボトムプレート５ｂの間に台座３０１の突条部３０２が配置され得るように配置され得る。このとき、台座３０１の上面（すなわち、ここでは突条部３０２が存在しない部分）には、ボトムプレート５ｂの角部が配置され得る。なお、図１４では説明の便宜上、隣接するフロアパネルの数は２枚であるが、通常は、４枚のフロアパネルをその角部が集合するように配置され、その集合した角部の中央に支持脚が配置され得る。

また、ボトムプレート５ｂの角部付近の裏面に凸部を設け、それに対応する形状の凹部を台座３０１の上面（すなわち、ここでは突条部３０２が存在しない部分）に形成することによって、ボトムプレート５ｂに形成した凸部と台座３０１に形成した凹部とを係合させて、フロアパネルの位置決めをさらに簡単にしてもよい。

例えば、ボトムプレート５ｂの角部付近の裏面に金属製または樹脂製のプレートを配置し、それに対応する形状の凹部を台座３０１の上面に形成することによって、これらを互いに係合させることができる。また、かかるプレートにより、フロアパネルの上面の高さを調節してもよい。

このような支持脚を使用することにより、実施形態５および／または６のフロアパネルを施工面から一定の間隔を空けて敷き詰めることができ、その石板に基づく優れた外観の意匠を有するフリーアクセスフロアを提供することができる。このとき支持脚３００のフランジ３０５に１以上の貫通孔を設けて、フランジ３０５をボルト等で床に固定してもよい。

なお、実施形態５および６のフロアパネルに使用することのできる支持脚は、図示するものに限定されるものではない。

次に、図１５に示す支持脚４００は、固定部材４０１と組み合わせて使用するものであり、十字形に配置された突条部４０４を有する台座４０５と、その支持部４０６とを含み、台座４０５および支持部４０６は一体となって、ボルト４０８（複数であってもよい）によって、フランジ４０９に回転可能に固定され得るものである。また、支持脚４００では、ナット４０７によって、台座４０５の高さを調節することができる。

固定部材４０１は、その支柱部４０２を有し、かかる支柱部４０２は台座４０５に形成されたスリーブ部４０３内に収容されて、固定部材４０１の上面の高さを調節することができる構造となっている。

支持脚４００を構成する材料に特に制限はないが、固定部材４０１（支柱部４０２を含む）ならびに台座４０５（スリーブ部４０３および突条部４０４を含む）は、樹脂から構成されていてもよく、台座の支持部４０６、ナット４０７、ボルト４０８およびフランジ４０９は金属から構成され得る。

固定部材４０１および台座４０５がそれぞれ樹脂から構成されることによって、それらの成形は容易となる。また、台座の支持部４０６、ナット４０７、ボルト４０８およびフランジ４０９が金属から構成されることによって、支持脚に十分な強度を与えることができる。

支持脚４００は、上述の改変例１および２ならびに改変例ＡおよびＢなどのフロアパネルのように、パネルの角部に切り欠き７ａを有するものに適用することが好ましい。

例えば、図１６にて詳細に示す通り、支持脚４００は、隣接する改変例Ａのフロアパネル２３（又は改変例Ｂのフロアパネル２５、あるいは改変例１または２のフロアパネルであってもよい）の角部に形成された切り欠き７ａが集合して形成する空間に台座４０５のスリーブ部４０３が配置され、なおかつ隣接するボトムプレート５ｂの間に突条部４０４が配置され得るように配置され得る。このとき、台座４０５の上面（すなわち、ここでは突条部４０４が存在しない部分）には、ボトムプレート５ｂの角部が配置され得る。

また、固定部材４０１の支柱部４０２が台座４０５のスリーブ部４０３内に配置されてトッププレート５ａが固定され得る。このとき、固定部材４０１の上面は、図示する通り、トッププレート５ａの上面と略面一である。

より詳細には、図１７の上面図で示す通り、４つのフロアパネルの角部を集合させて、その中心部の下側に支持脚４００を配置する。

なお、図示する実施形態では、固定部材４０１の上面の形状は円形であるが、固定部材の上面の形状は、かかる形状に限定されるものではない。また、フロアパネルの角部に形成される切り欠き７ａの形状にも特に制限はなく、フロアパネルの仕様に応じて、好ましくは固定部材４０１の上面がトッププレート５ａの上面と略面一となるような形状に適宜形成すればよい。

また、このような切り欠き７ａを有するフロアパネルに使用することのできる支持脚は、図示するものに限定されるものではない。

（実施例１）
上述の実施形態１に従って、下記条件にてフロアパネルを作製した。
パネル平面寸法：４９４ｍｍ×４９４ｍｍ（但し、四隅コーナーにおいて、発泡セメント板には１５ｍｍ×１５ｍｍの二等辺三角形の切り欠きを設け、トッププレートおよびボトムプレートには半径２５ｍｍの略扇形の切り欠きを設けた）
パネル厚さ：２１ｍｍ
パネル重量：６．８ｋｇ
トッププレート：厚さ０．３ｍｍの溶融亜鉛メッキ鋼板
発泡セメント板：下記条件の発泡セメント層のみ
発泡セメント層：厚さ 約２０ｍｍ
比重 １．２
繊維 長さ４〜３５ｍｍ、太さ１０〜１００μｍ
ボトムプレート：厚さ０．３ｍｍの溶融亜鉛メッキ鋼板
トッププレートおよびボトムプレートと発泡セメント板との間の接合：エポキシ樹脂系接着剤を２５０ｇ／ｍ^２で使用して接着

（評価）
以上のようにして作製した実施例１のフロアパネルを用いて、四隅を図１５に示す支持脚（固定部材の上面の直径５０ｍｍ、支持脚のボルトの直径１２ｍｍ、支持脚台座７５ｍｍ×７５ｍｍ）に載置し、支持脚のフランジの底面（７０ｍｍ×７０ｍｍ）からフロアパネルの上面までの高さ１００ｍｍとし、ＪＩＳ Ａ １４５０ 「フリーアクセスフロア試験方法」に規定される静荷重試験、衝撃試験、およびローリングロード試験に従って評価した。試験条件は、下記の通りである。
静荷重試験：所定荷重３，０００Ｎとし、１ユニット（フロアパネル１枚）にて、載荷点をパネル中央として実施した。
衝撃試験：１ユニット（フロアパネル１枚）にて、加撃時にカーペット（株式会社サンゲツ製「カーペットタイル ＮＴ−３５０」を敷設し、加撃点をパネル最弱部（すなわちパネルのいずれか一辺の中央部）として実施した。
ローリングロード試験：所定荷重１，０００Ｎとし、３ユニット（フロアパネル３枚）１列にて、負荷時にカーペット（株式会社サンゲツ製「カーペットタイル ＮＴ−３５０」を敷設し、パネルの列方向中央を通る位置に負荷をかけて実施した。

結果を表１に示す。表中、フリーアクセスフロア工業会による規格値を併せて示す。

表１を参照して、実施例１のフロアパネルは、フリーアクセスフロアに求められる強度を十分に有するものであった。

（実施例２）
実施例１と同様にして、上述の実施形態３に従って、下記条件にてフロアパネルを作製した。
パネル平面寸法：４９７ｍｍ×４９７ｍｍ（但し、四隅コーナーにおいて、発泡セメント板に１５ｍｍ×１５ｍｍの二等辺三角形の切り欠きおよび上面および下面に半径２５ｍｍで深さ４ｍｍの略扇形の切り欠きを設けた）
パネル厚さ：２１ｍｍ
パネル重量：６．８ｋｇ
トッププレート：厚さ０．３ｍｍの溶融亜鉛メッキ鋼板（但し、予めプレス加工により成形され、四隅コーナーにおいて発泡セメント板に形成した切り欠きに対応する形状のコーナー加工部を有する）
発泡セメント板：下記条件の発泡セメント層のみ
発泡セメント層：厚さ 約２０ｍｍ
比重 １．２
繊維 長さ４〜３５ｍｍ、太さ１０〜１００μｍ
ボトムプレート：厚さ０．３ｍｍの溶融亜鉛メッキ鋼板（但し、予めプレス加工により成形され、四隅コーナーにおいて発泡セメント板に形成した切り欠きに対応する形状のコーナー加工部を有する）
トッププレートの縁部とボトムプレートの縁部との間隔ｄ（図５ｂ参照）：約７ｍｍ
トッププレートおよびボトムプレートと発泡セメント板との間の接合：ウレタン樹脂系接着剤を２５０ｇ／ｍ^２で使用して接着

（評価）
以上のようにして作製した実施例２のフロアパネルを用いて、上記と同様に評価した。結果を表２に示す。

表２を参照して、実施例２のフロアパネルは、フリーアクセスフロアに求められる強度を十分に有するものであった。

また、実施例２のフロアパネルによると、その周囲面において接着剤のはみ出しがなく、外観に優れる。さらに、その製造の際、予め成形したトッププレートおよびボトムプレートを単純に発泡セメント板に接着剤を介して静置すればよく、その位置決めの手間や固定の手間が掛からず、作業性に優れることがわかった。

本願は、２０１３年１月２１日に日本国で出願された特願２０１３−８４９４号を基礎としてその優先権を主張するものであり、その内容はすべて本明細書中に参照することにより援用される。

本発明のフロアパネルは、屋内または屋外用フロアパネルとして広範囲に使用することができる。本発明のフロアパネルは、特にフリーアクセスフロア（いわゆるＯＡフロア）用の床材として好適に利用可能であるが、これに限定されない。

１ 発泡セメント板
３ 発泡セメント層
４ａ、４ｂ 繊維強化樹脂層
５ａ トッププレート
５ｂ ボトムプレート
７ａ、７ｂ 切り欠き
９ 蓋
１０、１１、１３、１５、２０、２１、２３、２５、３０、４０ フロアパネル
１００ 石板付きパネル
１０１ 石板
１０２ パネル部
２００ コーキング材
３００ 支持脚
３０１ 台座
３０２ 突条部
３０３ ナット
３０４ ボルト
３０５ フランジ
４００ 支持脚
４０１ 固定部材
４０２ 固定部材の支柱部
４０３ スリーブ部
４０４ 突条部
４０５ 台座
４０６ 台座の支持部
４０７ ナット
４０８ ボルト
４０９ フランジ

Claims (10)

1. 発泡セメント層を少なくとも含む発泡セメント板と、
   前記発泡セメント板の上面および下面にそれぞれ接合されたトッププレートおよびボトムプレートと
   を含むフロアパネルであって、
   前記発泡セメント層は、多孔質のセメント硬化体相中に繊維を分散状態で含み、厚さ１２〜３０ｍｍ、比重０．８〜１．５であることを特徴とするフロアパネル。
2. 前記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方の縁部が前記発泡セメント板の周囲面の少なくとも一部を被覆することを特徴とする請求項１に記載のフロアパネル。
3. 前記トッププレートおよびボトムプレートの縁部がともに前記発泡セメント板の周囲面を互いに対向して被覆することを特徴とする請求項２に記載のフロアパネル。
4. 前記トッププレートおよびボトムプレートの対向する縁部の間隔が１〜１５ｍｍであることを特徴とする請求項３に記載のフロアパネル。
5. 前記トッププレートが前記発泡セメント板の上面と同じ面積またはそれよりも大きな面積を有し、前記ボトムプレートの縁部が前記発泡セメント板の周囲面の少なくとも一部を被覆し、前記トッププレートよりも大きな面積を有する石板または石板付きパネルを前記トッププレートの上面に更に含むことを特徴とする請求項１に記載のフロアパネル。
6. 前記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方が、厚さ０．２５〜１．０ｍｍの金属板である、請求項１〜５のいずれか１項に記載のフロアパネル。
7. 前記トッププレートおよびボトムプレートの少なくとも一方が、それぞれ前記発泡セメント板の上面および下面に対して接着剤により接着されている、請求項１〜６のいずれか１項に記載のフロアパネル。
8. 前記接着剤が、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、およびアイオノマー樹脂からなる群より選択される少なくとも１種の樹脂を含む、請求項１〜７のいずれか１項に記載のフロアパネル。
9. 前記接着剤が、１５０〜５００ｇ／ｍ^２で使用されている、請求項１〜８のいずれか１項に記載のフロアパネル。
10. 前記発泡セメント板が、前記発泡セメント層の少なくとも片面に形成された繊維強化樹脂層を更に含む、請求項１〜９のいずれか１項に記載のフロアパネル。

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