JPWO2014102897A1 - パイル織編物からなる円筒状軸シール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スプリングバックして拡大しうるスリットを有していながら粉体の漏れのない回転状軸シール材を提供する。【解決手段】 粉体容器1の円筒状軸シール材4bは円筒状軸シール材4bの内側にカットパイル7bを有するパイル織編物7からなるパイル5とパイルの円筒状支持部材4cからなり、その外径4eは外圧により縮小され、かつ内径4dへの圧力により拡大され、円筒状軸シール材4bを回転体の支持枠2の取付孔2aに挿着する時、円筒状軸シール材4bの外径4eをスリット8の縮小により取付け、スリット8のスプリングバックの拡大により取付孔2aに密着して、円筒状軸シール材4bのスリット8への粉体3の侵入防止及び円筒状軸シール材4bの取付け箇所からの粉体3の漏れを回転軸方向へのパイル5の倒れを押戻す力あるいは回転軸方向へのパイル5の倒れを押戻す手段とパイル5のファイバー密度とにより行い、粉体3の漏れを防止している。【選択図】 図4

Description

この発明は、粉体を取り扱う装置の回転体の回転軸の端部をシールする円筒状支持部材の内側に形成のカットパイルを有するパイル織物又はパイル編物(以下、パイル織物又はパイル編物を「パイル織編物」という。)からなる円筒状軸シール材に関し、特にスプリングバックによって円筒軸の端部から粉体の漏れを生じることの無い、円筒状軸シール材に関する。
従来から、粉体を取り扱う装置の回転体の回転軸の端部をシールするシール材には、ゴム系のシール材、スポンジ系のシール材、あるいは、フェルト系のシール材が適用されている。これらのシール材の中で、ゴム系のシール材は粘弾性を有することで摩擦係数が高い。このため、ゴム系のシール材は高回転になると熱を発生し、摩耗によるシール性能の低下があり、寿命に問題があった。さらに摩擦熱の発生に伴なって、被シール材である粉体が電子写真装置のトナーなどの樹脂よりなる粉体の場合には、摩擦熱によって粉体が軟化せしめられて回転軸に固着し、電子写真装置の回転装置をロックさせてしまう問題があった。又、シール材の面による接触からなるシールでは、トルクが上昇して回転装置の寿命に問題を生じさせていた。
一方、スポンジ系のシール材では、シール材に気泡を有しているため、圧縮状態で使用することが一般的である。しかし、シール材に気泡を有しているため、粉体がシール材の中には入り込んでシール性能を低下せしめ、かつ、高速回転では摩擦熱によってゴム系のシール材と同様に、被シール材である粉体樹脂が軟化されて回転軸に固着し、回転装置をロックさせてしまう問題があった。
さらに、フェルト系のシール材では、ファイバーを圧縮して製作したフェルトを使用しているため、ファイバーの方向性が不規則であるため、粉体がシール材内のファイバー間に入り始めると、粉体の規制ができなくなり、シール性能の低下が生じていた。
これらのことから粉体を取り扱う装置などの粉体用のシール材に求められる特性としては、高シール性、低摩擦力、高寿命、さらに低コストなどである。
そこで、粉体用のシール材として基布の表面からパイルを起毛させたパイル織物からなり、この織物のパイルの先端を揃えてカットしたカットパイルを回転体の回転方向に斜毛し、一方、このパイルの根元に存在する空隙部を、このパイルに含まれている捲縮性のファイバーで塞いで空隙部を減少させることで、粉体の入り込みを防いでいる(例えば、特許文献1参照。)。
又、スポンジやフェルトからなるシール材として、スポンジなどの発泡性の基材の表面にフェルトを配置し、フェルトの表面を回転体の外周面に接触させてシールを行い、あるいは中空ファイバー又は多孔性の中空ファイバーからなる糸をパイル用糸として回転体のシール材としたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ところで、これらのシール材は、基本的には平面状のシール材であるので、回転体の回転軸に適用するためには、円形に曲げなければならない。そのために自動挿入が困難で、手作業を必要とするので機械化し難かった。
そこで、本発明の発明者らは、粉体で処理する粉体処理用ローラなどの回転軸に、軸封として適用する粉体漏出防止用の円筒状シール部材において、スリットを有する円筒状シール部材の径を円筒状シール部材の取付孔の孔径に合せて縮小して取付け可能とすることで、取付けた時に径を縮小して取付けたスリットがスプリングバックによって拡大可能であり、回転体の回転軸径に順応して円筒状シール部材のパイルもしくはファイバーの中央の孔径を容易に拡大し得ることで回転軸への嵌合を容易とし、さらに円筒状シール部材の挿着の自動挿入化を可能とし、さらに円筒状シール部材を外周の取付孔からの押圧力によって円筒状シール部材の外径を縮小し得ることで、粉体の回転軸からの漏出を的確に阻止できる円筒状シール部材を開発した(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この円筒状シール部材は、スプリングバックを構築しているスリットが傾斜したスリットあるいはジグザグ状のスリットであり、製造面において、傾斜あるいはジグザグのカットにより裁断部の先端が鋭角になっているので、作業者の取り扱い時の安全性が懸念されている。又、円筒状シール部材はその形状が長方形でないので、製作時の円筒状にする前の工程では、打抜き加工が必要であり、打ち抜きによる部材のロスおよび製造時間の短縮ができない問題である。
特開2005−201427号公報 特開2003−56713号公報 特開2008−26728号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記した先行技術が有するシール材としての問題点を解消して、スプリングバックして拡大しうるスリットを有していながらも粉体の漏れのない回転状軸シール材を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、第1の手段では、粉体を取り扱う装置における回転装置である回転体の回転軸から粉体の漏れが防止された円筒状軸シール材であって、この円筒状軸シール材は、繊維すなわちファイバーからなるパイルを形成してなる織編物と、このパイルが形成された織編物を支持している円筒状支持部材から形成されている。この円筒状支持部材は外周からの外圧によりその外径が縮小しうる構造の部材からなり、かつ、円筒状軸シール材のパイルからなる内径に回転軸から作用する圧力によって外径が拡大しうる構造を有する部材から形成されている。さらに、パイルは円筒状支持部材の内側に形成のカットパイルを有するパイル織物又はパイル編物すなわちパイル織編物から構成されている。さらに、回転装置の回転体の支持枠の取付孔にこの円筒状軸シール材を挿着する際に、円筒状軸シール材の外径は挿着前は取付孔と同じであるかもしくは取付孔より若干大きく、挿着時に円筒状シール部材の外径は縮小可能なスリットを有することで、弾性によって取付孔から受ける外圧に抗して取付孔に圧入によって外径が縮小されて取付けられる。さらに取付けられた後は、スリットのスプリングバックによって外径が拡げられ、取付孔の内径に密着するように構成されている。さらに円筒状軸シール材の外周に形成されている略直線状のスリットへの粉体の侵入防止を以下のように行っている。すなわち、粉体容器に設けられた回転軸が通る孔の半径が円筒状軸シール材の中心からスリット端面側のパイル同士の重なり位置までの距離である回転軸の半径よりも大きく、かつ、粉体容器に設けられた回転軸が通る孔の半径が、円筒状軸シール材の中心からスリット端面側のパイル同士の重なり位置までの距離よりも小さく構成されることで、パイル(即ちファイバー)密度やパイルの構成で回転軸との取付けによる回転軸方向へのパイルの倒れあるいは膨れ又は回転軸方向のパイルの倒れあるいは膨れを押戻す手段により円筒状軸シール材の軸方向内側のパイルを容器の軸が通る孔の周辺の壁と接するように構成し、円筒状軸シール材の取付け箇所からの粉体の漏れが防止され、円筒状軸シール材の外周、スリット、および、回転軸からの粉体の漏れが防止されたことを特徴とする円筒状軸シール材である。
第2の手段では、粉体の漏れが防止された円筒状軸シール材は、パイル(即ちファイバー)密度やパイルの構成と回転軸との取付けによる回転軸方向へのパイルの倒れあるいは膨れ又は回転軸方向へのパイルの倒れあるいは膨れを押戻す手段を用いて円筒状軸シール材の軸方向内側のパイルを粉体容器の軸が通る孔の周辺の壁と接するように構成し、粉体容器に設けられた回転軸が通る孔は円筒状軸シール材の地糸からなる円形よりも小さくなった孔径又は円筒状軸シール材のスリット端面側のパイル同士の重なり位置までの距離よりも小さくなった孔径からなる。そして、パイルの構成が、開繊された直毛繊維のパイル、斜毛された直毛繊維のパイル、捲縮された繊維のパイルの中から選ばれるパイルの構成からなり、又は外側の回転軸方向に倒れるパイルあるいは膨れるパイルが押戻される手段が、回転軸を受ける軸受、軸受に形成した円筒状の凸部、あるいは円筒状軸シール材と軸受の間に設けられるスペーサーから選ばれる手段のパイルの押戻し手段により、パイルが押込まれるように構成されている。さらに、このパイルの倒れの部分又はパイルの膨らみの部分により、粉体容器に設けられている回転軸が通る孔の周辺の壁に接して、円筒状軸シール材から粉体の漏れが防止されていることを特徴とする第1の手段の円筒状軸シール材である。
第3の手段では、粉体の漏れが防止された円筒状軸シール材におけるパイル織編物からなるカットパイルを支持した円筒状支持部材は、金属部材、樹脂部材、弾性を有するゴム部材のいずれかから選ばれる平板状の支持部材からなり、この平板状の支持部材が有する平面状のカットパイルは円筒状の突き合わせ状に巻き回されて円筒状軸シール材に形成されるか又は成形型により円筒状軸シール材に形成されている。これらの手段によって円筒状支持部材は回転軸の方向に対してスリットが設けられていることを特徴とする第1の手段の円筒状軸シール材である。
第4の手段では、円筒状軸シール材におけるパイル織編物からなるカットパイルは、天然繊維もしくは合成繊維よりなっている。そして、パイル織編物における粉体の漏れを防止する単位面積当たりの繊維すなわちファイバーからなるパイル(即ちファイバー)密度を示す単位面積当たりのファイバー本数Nは、下記の式(1)に示す式の範囲で構成されている。この式(1)では、そのパイルのファイバーの長さをIとし、回転軸へのパイルのオーバーラップ量をδとするとき、オーバーラップ量δは下記の式(2)に示す関係を有しており、又、押戻し手段による押戻し距離は、円筒状軸シール材が回転軸に挿入され、外側に倒れているあるいは膨れているパイルがパイルの先端位置から回転軸方向の内側へ押戻し手段の軸受あるいはスペーサーによって押戻され、この押戻し手段による押戻されるか、又は、この押戻し手段による押し込まれた距離が下記の式(5)に示す距離以上でかつシール材の幅の1/2の範囲からなっている、ことを特徴とする第1〜3の手段のいずれか一つの手段に記載の円筒状軸シール材である。
ただし、
[L/{2×(2Φt+ΦF)}]2<N≦[L/(2×ΦF)]2……(1)
δ>I−[I×{(ΦF+2Φt)/P}]……(2)
なお、式(2)において、P=L/(N)1/2……(3)
の関係を有し、
パイル間の間隙率(%)=[{(P/2)−ΦF}/(P/2)]×100……(4)
とするとき、
押戻し距離(mm)≧円筒状軸シール材の幅×(パイル間の間隙率/100)……(5)
である。そして、押戻し距離は円筒状シール材の幅の側端部からパイルを内側に押戻して押込む距離である。
なお、式(1)において、Lは単位面積の一辺の単位長さ、ΦFはパイル織編物に使用のパイル(繊維)の平均径もしくはカットパイルの平均パイル(繊維)径、Φtは粉体の粒子径、Pはカットパイルのパイル(ファイバー)間の平均ピッチである。
第5の手段では、円筒状軸シール材と回転軸を支持して回転軸を摺動させる部材である軸受とが一体的に構成され、一体的に構成された軸受部と軸シール材はパイルの倒れもしくは膨れにより、パイルが軸受部と接しない空間が設けられた構造、又は、この軸受の内面に軸受の摺動部と異なる内径で円筒状の凸部が設けられ、この円筒状の凸部が円筒状軸シール材と一体化している構造である。そして、この円筒状の凸部によってパイルのファイバーが回転軸の方向である内側の倒れる方向あるいは膨れる方向へ向けられて、円筒状軸シール材と軸受が形成されていることを特徴とする第1〜4のいずれか一つの手段の円筒状軸シール材を用いた回転軸シールユニットである。
本発明は上記の手段としたことで、粉体を取り扱う装置の回転体の回転軸の端部をシールする円筒状支持部材の内側に形成のカットパイルを有するパイル織編物からなる円筒状軸シール材はスプリングバックして拡大しうるスリットを有しているにもかかわらず粉体の漏れが生じない。
すなわち、第1の手段では、円筒状軸シール材の取付け箇所からの粉体の漏れが防止され、円筒状軸シール材はその外周、スリット、および回転軸からの粉体の漏れが防止されている。
第2の手段では、パイルの構成が開繊された直毛繊維のパイル、斜毛された直毛繊維のパイル、捲縮された繊維のパイルの中から選ばれるパイルの構成、あるいは外側の回転軸方向に倒れるパイルが、回転軸を受ける軸受、軸受に形成した円筒状の凸部、あるいは円筒状軸シール材と軸受の間に設けられるスペーサーからなる、パイル押戻し手段により押込まれ、かつ、パイルの倒れ又はパイルの膨らみにより粉体容器の回転軸の軸孔周辺の壁に接することで、円筒状軸シール材から粉体の漏れが防止される。
第3の手段では、パイル織編物からなるカットパイルを外周で支持している円筒状支持部材は、金属部材、樹脂部材、弾性を有するゴム部材のいずれかからなる、平板状の支持部材を円筒状の突き合わせ状に巻き回して円筒状軸シール材とされるか、又は、成形型により成形され、この円筒状軸シール材には回転軸の方向に対してスリットが設けられているので、このスリットのスプリングバックによって、支持枠の孔径からなる取付孔に円筒状軸シール材が容易に取付けできる。
第4の手段では、天然繊維もしくは合成繊維より円筒状軸シール材におけるパイル織編物からなるカットパイル形成し、このパイルのファイバー密度すなわち単位面積当たりのファイバーの本数を式(1)の範囲に構成し、又、押戻し手段を用いた回転軸に外挿された円筒状軸シール材の、外側に倒れあるいは膨れたパイルを内側へ戻す手段で押戻される距離の式(5)以上で、かつ、シール幅の1/2とすることで、パイルのファイバーからの粉体の漏出を的確に防止することができる。
第5の手段では、円筒状軸シール材と回転軸を支持して回転軸を摺動させる部材である軸受とを一体的に構成し、一体的に構成された円筒状軸シール材と軸受部はパイルの倒れもしくは膨れによりパイルが軸受部と接しない空間が設けられた構造、又はこの軸受の内面に軸受の摺動部と異なる円筒状の凸部が設けられた構造とし、この円筒状の凸部を円筒状軸シール材と一体化し、パイルの倒れもしくは膨れによる変形、又は、この円筒状の凸部によってパイルのファイバーを回転軸の内側の方向へ向けて倒してあるいは膨らしているので、パイルの回転軸への噛み込みを無くすことができる。さらに、円筒状軸シール材を軸受と一体化して回転軸シールユニットとしているので、故障時に回転軸に嵌合した円筒状軸シール材は回転軸シールユニット毎の交換ができ、装置全体の交換ではなく部品ユニットごとの交換であるので、無駄がなく、省資源であり、補修時の作業性も向上する。
平板状シール材のパイルの構成を示す図。 円筒状軸シール材の基本構成の図で、(a)は正面図で、(b)は(a)の左側から見た側面図、(c)は(b)の断面図である。 粉体の漏れ防止の条件がΦB/2<Dpの時の図で、(a)は押戻し手段の軸受が回転軸に挿着されている図、(b)は(a)から押戻し手段の軸受を除去した図、(c)は(b)の右方から見た図である。 図3の(a)の拡大図。 図3の(c)の拡大図。 粉体の漏れ防止の条件がΦB/2>Dpの時の図で、(a)は押戻し手段の軸受が回転軸に挿着されている図、(b)は(a)から押戻し手段の軸受を除去して粉体が隙間より漏れている図、(c)は(b)の右方から見た図でスリット幅の間隙がパイルの重なり位置まで生じている図。 円筒状軸シール材を回転軸に挿入して取付けた後のパイルの倒れおよび押戻し手段の軸受によりパイルを押戻したときのパイルの膨らみを示す図。 円筒状軸シール材を取付けた後に回転軸が挿入され、パイルが内側に倒れて取付けられた例を示す図。 パイル配列及びパイル間隙を示すモデルで、(a)の左はパイル配列を上面から見たモデル図、中央はパイル配列を側面から見たモデル図、右はパイルの最大撓み時の側面から見たモデル図、(b)の左はパイル間隙を正面から見たモデル図、中央はパイルが重なり合ったパイル間隙を側面から見たモデル図。 パイルのオーバーラップ量とパイル押込み範囲を示す図。 円筒状軸シール材と軸受の間にスペーサーおよび軸受を設けた図。 円筒状軸シール材を凸状軸受にてパイルを押戻した状態を示す図。 円筒状軸シール材と軸受が一体化されて形成された回転軸の軸シールユニットの取付け状態を示す図。 円筒状軸シール材と軸受が一体化されて形成された他の形状の回転軸の軸シールユニットの取付け状態を示す図。 パイルが回転軸方向外側に倒れている時の押込み手段の凸部の高さを変更して行うパイルの膨らみ量の測定部を示す図。 振動試験機の概要図。 攪拌試験機の概要図。 円筒状軸シール材の使用例を示す図で、(a)は供給ローラ軸で、(b)は攪拌ローラ軸での使用例を示す図。 スリット幅とシール材であるパイル織編物からなるパイル糸の必要開き角度の関係および回転軸と容器の孔の隙間との関係について机上算出したグラフ。 円筒状軸シール材とステンレス製シャフトと樹脂製シャフトにおける粉体の攪拌漏れ試験のランニング時間と漏れのレベルの関係を示すグラフ。 金型で成形したパーティングラインを有する回転軸シャフトを用いた従来のゴム製のシール材と本発明の円筒状軸シール材における粉体の攪拌漏れ試験のランニング時間と漏れのレベルの関係を示すグラフ。
本発明の実施の形態について、図面および表を参照して、以下に説明する。第1の手段の発明は、粉体3を取り扱う装置1、例えば粉体容器9、に配設されている回転装置である回転体1aの回転軸1bから、粉体3の漏出を防止した円筒状軸シール材4bにおけるものである。そして、この円筒状軸シール材4bでは、ファイバーからなるパイル5を有するパイル織編物7がパイル5の先端を中心4i側に向けて円筒状となって円筒状支持部材4cに形成されている。又、この円筒状支持部材4cはその外周からの外圧によって円筒状支持部材4cの外径4eが縮小しうる構造の部材からなっている。さらに、この円筒状軸シール材4bのパイル5の内径4dの内周面は、内部に嵌合されている回転軸1bから受ける外周側への圧力によって、円筒状支持部材4cである外輪支持部材4hの外径4eを拡大しうる構造の部材から形成されている。
このパイル5は円筒状支持部材4cの内側に形成のカットパイル7bを有するパイル織編物7からなっている。さらに、粉体容器9の回転装置であるの回転体1aの支持枠2の取付孔2aに円筒状軸シール材4bを挿着する際に、円筒状軸シール材4bの外周である外径4eは挿着前は取付孔2aの孔径2bと同じであるかもしくは取付孔2aの孔径2bより若干大きいが、挿着時に円筒状シール部材4の外径4eは縮小可能なスリット8を有するので、取付孔2aから受ける外圧に抗して縮小できる結果、取付孔2aに筒状軸シール材4の外径4eを圧入により取付けできる。さらに取付け後はスリット8のスプリングバックによって筒状軸シール材4の外径4eを拡大するので、取付孔2aに密着して取付けることができる。さらに円筒状軸シール材4bの外径4eに形成されている略直線状のスリット8へ粉体3が侵入しないよう、以下のようにして、防止している。すなわち、円筒状軸シール材4bの中心4iから、スリット8の端面側のパイル5同士の重なっている位置までの距離である回転軸半径1cよりも大きく、かつ、粉体容器9に設けられた回転軸が通る孔10の半径、すなわち取付孔2aの孔径2bの1/2を、円筒状軸シール材4bの中心1dから、スリット8の端面側のパイル5同士がパイルの重なり位置までの距離5dよりも小さく構成することで、回転軸1bへの取付けによる回転軸1bの方向へのパイル5の倒れによる変形、又は回転軸1bの方向のパイル5の倒れを押戻す手段とパイル5の密度、及び、パイル5の構成とにより、円筒状軸シール材4bの取付け箇所から粉体3の漏出を防止している。これら手段により第1の手段の発明は円筒状軸シール材4bの外径4e、スリット8、および回転軸1bから粉体3の漏出を防止した構成からなっている。
次に、第2の手段の発明について説明する。この第2の手段の発明は、円筒状軸シール材4bの取付け箇所から粉体3の漏出が防止された発明である。この発明では、パイル5の(即ちファイバーの)密度、パイル5の構成、回転軸1bとの取付けによる回転軸方向へのパイル5の倒れ又は回転軸1b方向のパイル5の倒れを押戻す手段により円筒状軸シール材の軸方向内側のパイル5を容器の軸が通る孔の周辺の壁と接するように構成し、円筒状軸シール材4bの取付け箇所からの粉体3の漏れを防止している。この漏れ防止の作用は、粉体容器9に形成された回転軸1bが通る孔10の周辺の壁10bに、パイル5が当接するように構成された、パイル5の構成及び密度、及び、パイル5の反発弾性による力で行われる。ところで、粉体容器9に設けられた回転軸が通る孔10は円筒状軸シール材4bの地糸7cからなる円形よりも小さくなった孔径10aから形成されているか、あるいは円筒状軸シール材4bのスリット8における端面側のパイル5同士のパイル重なり位置までの距離5dよりも小さくなった孔径10aから形成されている。上記、パイル5の構成は、立毛した直毛繊維で根元の近傍から開繊され開き角を構成するパイル5、あるいは、直毛繊維からなるパイル5を回転軸1bの内側方向又は回転方向に斜毛した繊維からなるパイル5、あるいは捲縮した繊維からなるパイル5から選ばれるパイル5の構成で、パイル5の重なり又はパイル5の絡み合いにより粉体3の漏れが防止されているパイル構成であるか、あるいは、回転軸方向1fの外側へ向いて倒れたパイル5を内側へ押戻す手段が、回転軸1bを受ける軸受12からなる押戻し手段、あるいは、軸受12に形成した円筒状の凸部13による押戻し、又は、シール材4fと軸受12の間に設けられたスペーサー14からなる押戻し手段のどちらかによって、パイル5が内側へ押込まれる、パイル5の構成である。さらに、このパイル5の倒れの部分又は膨らみの部分が粉体容器9に設けられている回転軸が通る孔10の周辺の壁10bに接することで、粉体3が円筒状軸シール材4bからの漏出が防止されている。すなわち、第2の手段の発明では、粉体3の漏出が円筒状軸シール材4bで防止されている。
さらに、第3の手段の発明について説明する。第3の手段の発明は、粉体3の漏れが防止された円筒状軸シール材4bにおけるものである。すなわち、円筒状軸シール材4bにおいて、パイル織編物7からなるカットパイル7bがその外周で支持されて円筒状とされた円筒状支持部材4cは、金属部材、樹脂部材、弾性を有するゴム部材のいずれかから形成されている平板状の支持部材11の両端を円筒状に突き合わせるように形成したもの、あるいは成形型を用いて成形したものである。この平板状の支持部材11、例えばアルミからなる平面状支持部材11を基材としてその表面にカットパイル7bが形成されている。そして、上記したように、カットパイル7bを有するアルミからなる平面状支持部材11の両端を円筒状の突き合わせ状に巻き回し、あるいは成形型にて成形してカットパイル7bを有する円筒状軸シール材4bとしている。これらの手段によって、この円筒状軸シール材4bは、回転軸1bの方向に対して上記の平面状支持部材11の両端を巻き回して、あるいは円筒状に成形して、突合わせ状とした部分に、隙間のスリット8を形成して、スリット8を有する円筒状軸シール材4bとされている。
さらに、第4の手段の発明について説明する。第4の手段の発明は、パイル織編物7からなるカットパイル7bを有する円筒状軸シール材4bである。このカットパイル7bを形成するパイル織編物7は天然繊維又は合成繊維のファイバーからなっている。これらのファイバーからの粉体3の漏出が防止し得るパイル5のファイバー密度すなわち単位面積当たりのファイバーの本数Nは、下記の式(1)に示す範囲で構成されている。この範囲では、パイルのファイバーの長さをIとし、回転軸へのパイルのオーバーラップ量をδとするとき、オーバーラップ量δはIと下記の式(2)に示す関係式を有する構成とし、円筒状軸シール材4bが回転軸1bに挿入される。又、押戻し手段による押戻し距離は、回転軸方向1fの外側へ倒れているパイル5がパイル5の先端位置から回転軸方向1fの内側へ押戻し手段によって押戻され、円筒状軸シール材4bでは、この押戻し手段により押戻された距離は下記の式(5)に示す距離以上、かつ、シール材4fの幅の1/2の範囲からなっている。
ただし、
[L/{2×(2Φt+ΦF)}]2<N≦[L/(2×ΦF)]2……(1)
δ>I−[I×{(ΦF+2Φt)/P}]……(2)
なお、式(2)において、P=L/(N)1/2……(3)
の関係を有し、
パイル5の間の間隙率(%)=[{(P/2)−ΦF}/(P/2)]×100……(4)
とするとき、
押戻し距離(mm)≧円筒状軸シール材4bの幅×(パイル5の間の間隙率/100)……(5)
である。そして、押戻し距離は円筒状シール材の幅の側端部からパイルを内側に押戻して押込む距離である。
なお、式(1)において、Lは円筒状軸シール材の単位面積当たりの単位長さ、ΦFはパイル織編物に使用のパイル(ファイバー)もしくはカットパイルの平均パイル径、Φtは粉体の粒子径、Pはカットパイルのパイル間の平均ピッチである。
又、さらに、第5の手段の発明について説明する。第5の手段の発明は、円筒状軸シール材4bを用いた回転軸シールユニット15であり、円筒状軸シール材4bと、回転軸1bを支持して摺動する軸受12との両者が一体的に構成されたものである。この軸受12と円筒状軸シール材4bとが一体化され、回転軸1bへの挿入において軸受12の摺動部12aと円筒状軸シール材4bの間にパイル5の倒れによる摺動部12aへの噛み込み防止空間が設けられた構造であり、あるいは、この軸受12の内面に軸受12の摺動部12aとは異なる円筒状の凸部13が設けられており、この円筒状の凸部13が円筒状軸シール材4bと一体化されている。そして、この円筒状の凸部13によってパイル5のファイバーは回転軸方向1fである内側へ向けられている。このようにパイル5の倒れによる摺動部12aとパイル5との噛み込みが防止される空間を有する構造、あるいはパイル5のファイバーが回転軸方向1fである内側へ向けられた状態で円筒状軸シール材4bと軸受12がホルダー15aに配置された構造で回転軸シールユニット15となっている。
以上のように、本発明の円筒状軸シール材4bは、例えば図1に示すアルミ板からなる平板状のパイル支持部材4aに設けられた立毛した直毛繊維のカットパイル7bから、図2に示すように構成されている。ここで、図1のアルミ板からなる平板状のパイル支持部材4aに設けられたカットパイル7bの構成について説明する。アルミ板からなる平板状のパイル支持部材4aに接着剤による接着層7fによって接着された地糸7cである経糸7dおよび緯糸7eに、パイル糸7aのファイバーからなるパイル5が支持され、このパイル糸7aのファイバーからなるパイル5の先端がカットされてカットパイル7bに形成されている。緯糸7eの片側に係止されたカットパイル7bの先端はパイルの開き角度θの大きさの扇形に開繊され開いている。従って、地糸7cの一本の緯糸7eに係合されたカットパイル7bは左右合せて2θの開き角度となって開繊されている。そこで、隣同士のカットパイル7bはそれぞれの左右のカットパイル7bのファイバー同士がθの範囲で互いに開繊が重なっている。
図2の(a)はスリット幅8aの直線状のスリット8を有する円筒状軸シール材4bの正面図で、図2の(b)はスリット8から見た側面図で、図2の(c)は(b)の断面図である。この円筒状軸シール材4bは外径4eの部分が金属部材、樹脂部材あるいは弾性を有するゴム部材から選ばれる素材からなり、その内径4dまでの部分がパイル編織物7からなるシール材4fからなっている。これらの外径4eの部分の素材と内径4dまでの部分のシール材4fが一体的に構成されて円筒状軸シール材4bとなっている。この外径4eの部分の素材と内径4dまでの部分であるシール材4fの一体化は接着剤による一体化、あるいは樹脂成形による一体化で形成されている。ところで、接着剤による一体化の場合は立毛しているパイル5の根元(外径4e側の地糸4gの部分)以外の部分(すなわち内径4d側)に接着剤が含浸しないようにすることが必要であり、樹脂成形による一体化の場合は、成形時にパイル5の根元以外の部分に樹脂が含浸しないようにすることが必要である。又、この円筒状軸シール材4bは、略直線状のスリット8を外周の外輪支持部材4iに有する。この様にして、シール材4fのスプリングバックによって、支持枠2の孔径2bからなる取付孔2aに円筒状軸シール材4bを容易に取付けできる構造となっている。そのため、円筒状軸シール材4bに形成のスリット8の部分からの粉体3の漏れ防止として、スリット8の円周方向において、パイル5のファイバー同士が重なる部分を有し、この重なる部分が回転軸1bの半径よりも大きい部分の箇所で重なるようになっている。このためにはパイル織編物7のパイル糸7aからなるカットパイル7bは、パイル織編物7を構成する地糸7cから規制を受けない領域で、図1と同様に、十分に開繊されていることが必要である。
本発明に用いているパイル織編物7の開繊方法は、洗いによって開繊させる方法あるいは湿潤な熱気によってパイル糸7aを膨潤させて開繊させる方法、パイル糸7aを膨潤させた後に、膨潤したパイル糸7aのファイバー間に針状体を挿入してパイル糸7aを開繊させる方法である。これらの開繊方法によって、地糸7cからの規制を受けない領域でパイル5の開繊した状態が継続して得られる。そこでは、パイルの開き角度θが5度以上の開繊が形成され、さらにパイル5同士の重なり部分をパイル5の根元5aの近くにまでもたらすことができる。なお、図1に示す平板状シール材4のパイル5の開き角度θは測定したところ10〜15度を有していることが確認されている。これらを図2に示す円筒状軸シール材4bの中心4iからパイル5同士の重なり位置までの距離5dを、適用する回転軸1b(図3に示す)の半径よりも大きくすることができ、粉体3の漏れるスリット8の間隙を回転軸1b上に存在しないようにすることができる。また、図示していないが、捲縮繊維を用いることでファイバーの縮れにより角度が広がり易く端部の裁断部からパイル5であるファイバーが食み出し、膨らんだ状態を形成することができ、また、斜毛した場合も距離5dを、適用する回転軸1b(図3に示す)の半径よりも大きくすることができる。
図3、図4、図5、特に図3の(b)に見られるように、上記のように構成した円筒状軸シール材4bと回転軸1bが通っている粉体容器9に取付けた回転軸1bの外側へ、パイル5の先端部分が向いて倒れている。しかし、この倒れているパイル5を押戻す手段の一つである軸受12によりパイル5の先端部部分を回転軸1bの内側へ押戻すことで、回転体1aである粉体容器9に設けられた回転軸が通る孔10の周辺の壁10bに、パイル5の押戻し手段の軸受12によってパイル5が膨らむ。この膨らみにより、粉体容器9に設けられている回転軸が通る孔10の周辺の壁10bとパイル5が接し、粉体3の漏れが防止されており、この様子が図2、3、4により示されている。このときの漏れの防止条件として、粉体容器9に設けられた回転軸が通る孔10の孔径10aをパイル5同士の重なり位置までの距離5dに形成される孔径よりも小さな孔径とすることで、パイル5による粉体3の漏出はシール材4fで防止されていることがわかる。
回転体1aである粉体容器9に回転軸が通る孔の孔径10aの半径がパイル5同士の重なり位置までの距離5dよりも長い場合を図6に示す。図6の(c)に見られるように、パイル5同士の重なり位置までの距離5dが、粉体容器9に設けられた回転軸が通る孔の孔径10aの半径よりも回転軸1bの中心1dの側へよると、すなわち回転軸の通る孔の中心からパイルの重なり位置までの距離Dp(5d)が短くなると、スリット幅8aの間隙8cが生じ、パイル5による遮断が行われず、粉体3の漏れが生じる。したがって、直線状のスリット8を有する円筒状軸シール材4bでは、シール材4fを取付ける粉体容器9の回転軸が通る孔10およびこの孔10の周辺の壁10bも重要な因子であって、回転軸が通る孔の孔径10aは可能な限り小さくすることが望ましく、回転軸1bとの関係では、回転軸が通る孔10と回転軸1bとの間隙が1.0mm以下であることが望ましい。
図7に粉体容器9に回転軸1bが通っている場合の円筒状軸シール材4bの取付けの例を示す。回転軸1bが通っている場合、本発明におけるシール材4fを取付けた場合は、図7の(b)に示すように、回転軸1bの外側の方向にパイル5が倒れ込んでいる。この外側へ倒れ込んだパイル5を押戻し手段である軸受12により、図7の(a)に示すように、回転軸1bの内側の方向へ押込み、パイル5の倒れ方向とは逆の方向にパイル5の膨らみを形成し、パイル5の膨らみが粉体容器9の回転軸の通る孔10の周辺に当接して、粉体3の漏れを防止している。
図8の(c)に示すように、本発明の円筒状軸シール材4bを回転軸が通る孔10に取付けた後、この円筒状軸シール材4bによりシールされる回転軸1bを挿入したときの例を示す。このときのパイル5の倒れの方向は粉体容器9の側へ倒れ、粉体容器9の回転軸が通る孔10にパイル5が入り込む状態となっている。これらのパイル5の倒れを粉体容器9の回転軸が通る孔10の周辺の支持枠2の壁がパイル5の倒れを規制している条件となっている。
さらに、本発明の円筒状軸シール材4bに用いるパイル5のファイバー密度は、下記の式(1)に示す関係の密度である。パイル5の倒れがないときには、粉体3の粒子径が2個以上入らないパイル5のファイバー密度の条件で、パイル5が倒れるすなわち斜毛となることで、粉体3が粉体容器9の回転軸が通る孔10に侵入しない条件となっている。
[L/{2×(2Φt+ΦF)}]2<N≦[L/(2×ΦF)]2……(1)
ただし、
Nは、単位面積当りのパイルのファイバー本数
Lは、単位面積の一辺の単位長さ
ΦFは、パイル織編物に使用のパイルもしくはカットパイルの平均パイル径
Φtは、粉体の粒子径
Pは、カットパイルのパイル間の平均ピッチ
である。
そして、上記のパイル5のファイバー密度において、パイル5が倒れるときの条件としては、パイルのファイバーの長さIの時は、回転軸へのパイルのオーバーラップ量δが下記の式(2)に示す条件を有している。
δ>I−[I×{(ΦF+2Φt)/P}]……(2)
なお、式(2)において、P=L/(N)1/2……(3)の関係を有する。
ただし、
Pは、カットパイルのパイル間の平均ピッチ
である。
さらに、本発明におけるパイル5が回転軸1bの外側方向へ倒れたパイル5を内側方向へ押戻す関係については、パイル5同士の間における間隙率と押戻す距離の関係があり、このパイル5同士の間における間隙率は下記の式(4)に示し、押戻す距離は下記の式(5)に示す関係を有しており、この関係を必要最低押戻し量の算出の関係とし、図9の(a)にパイル配列のモデル例を示し、左は上面から見た平均パイル径ΦFと粉体の粒子径ΦTのパイル配列の図、中央は側面から見たパイル配列の図、右は最大たわみ時(パイルが接する時)のパイル配列の図である。図9の(b)にパイル間隙のモデル例を示し、左は正面から見たパイル間隙を示し、中央は側面から見たパイルが重なり合ったパイル間隙の図である。
パイル間の間隙率(%)=[{(P/2)−ΦF}/(P/2)]×100……(4)
押戻し距離(mm)≧円筒状軸シール材の幅(mm)×(パイル間の間隙率/100)……(5)
である。そして、押戻し距離は円筒状シール材の幅の側端部からパイルを内側に押戻して押込む距離である。
なお、P=2(ΦF+2ΦT)の時、
1)単位面積当たりのパイルのファイバーの本数Nは、
N=(L/P)2
={L/2(ΦF+2ΦT)}2
2)パイル間隙率(パイル倒れ時の)(%)は、
間隙率(%)=100{(P/2)−ΦF}/(P/2)
3)必要最低押戻し距離(mm)は、
必要最低押戻し距離(mm)=間隙率×シール幅
ここに、
Nは、単位面積当たりのパイルのファイバーの本数
Pは、カットパイルのパイル間の平均ピッチ
ΦFは、平均パイル径
ΦTは、粉体の粒子径
である。
パイル5同士の間の間隙が大きいほど押戻し距離は大きくなり、パイル5のファイバー密度が大きくなると、回転軸1bの外側方向へ倒れたパイル5の押戻し距離を小さくすることができる。又、上記の式(5)より、必要最低限の押戻し距離は略シール材4fの幅の50%以下であるので、シール材4fの幅の2分の1あれば良く、この状態を図10に示している。図10において、5cはパイル長さを示し、5eはパイルのはみ出しであってその先端部は回転軸1bに重なる部分である。このパイルのはみ出し5eは回転軸1bの表面に沿って回転軸1bの外側方向へ倒れている。そこで、回転軸1bにスペーサー相当部14aのある軸受12を嵌合して、上記の外側方向への倒れを回転軸1bの内側方向へ押し戻し、かつ、回転軸1bにスペーサー相当部14aの凸部の高さの距離(厚み)を押込む。
又、パイル5を押込むとき、パイル5はU字状に圧縮されて必要最低限の押戻し距離だけ押込まれることから、回転軸1bの内側方向である逆方向にパイル5の押込みにより生じるパイル5の膨らみ量5gの大きさは円筒状の凸部13又はスペーサー14による押戻し距離から必要最低限の押戻し距離を減じた大きさの略1/2となり、したがって下記の式(6)で近似される。
膨らみ量≒(押戻し距離−必要最低限の押戻し距離)/2……(6)
次に本発明のパイル5の先端が回転軸1bの方向の外側に倒れているものを押戻す手段の例を、図3、図11および図12に示す。図3については既に上記の段落0029で記載した通りである。図11では、必要な押戻し距離がパイル5の先端のはみ出し5eの尾大きさである倒れ幅以上に必要な場合に、本発明の円筒状軸シール材4bのシール材4fと軸受12の間にスペーサー14を設け、シール材4fの内部までパイル5を押戻す手段である。図12は、軸受12に円筒状の凸部13を設け、シール材4fの環状の内側までパイル5を押戻す手段である。このようにシール材4fの環状の内側まで、図11の(b)のように、回転軸1bに嵌まったスペーサー14及び軸受12の押込みにより、図11の(a)のように、パイル5を押戻すことで、パイル5の先端を回転軸1bの内側へ向かせることができる。このことによってパイル5の先端の倒れによる倒れ方向をシール材4fの内部で形成することができ、粉体3の流れを規制可能な漏れのない構造とすることができる。一方、図11のスペーサー14に代えて、図12では、その(c)に示すように、軸受12自体にスペーサー相当部14aである円筒状の凸部13を一体的に設けており、この図12の(b)に示す凸部13を先端に有する軸受12を矢印方向へ向けて回転軸1bに嵌合して、図12の(a)に示すように、円筒状軸シール材4bであるパイル5を回転軸1bの内部へ押込む。この凸部13を先端に有する軸受12により内部へのパイル5の押込みにより、パイル5の先端の膨らみが増して回転軸1bとの接触が増える。
又、本発明の円筒状軸シール材4bとこの円筒状軸シール材4bを支持してなる回転軸シールユニットの例を図13及び図14に示す。図13の回転軸シールユニット15はホルダー15aの内部の軸受12を有する部分の先端部に円筒状軸シール材4bであるパイル5の先端部を回転軸方向の内側に押し出すための円筒状の凸部13を有している。回転軸シールユニット15の円筒状軸シール材4bを支持する部分が、図13の(a)に示すように、円筒状軸シール材4bの周囲に延びてホルダー15aとなって存在し、このホルダー15aの部分の後端部が回転軸1bの軸受部12aとなり、回転軸シールユニット15となっている。これは、図13の(b)に示すように、円筒状軸シール材4bを支持する回転軸シールユニット15が矢印方向の回転軸1bに挿入されて(a)に示す回転軸シールユニット15とされる。この場合、図13の(c)は、ユニット押さえ15bを後端部に有する回転軸シールユニット15を示し、この回転軸シールユニット15は取付けねじ孔15cでねじ締めして(b)に示す支持枠2の後端に取付けできる。さらに、このホルダー15aの内部に支持される円筒状軸シール材4bは取り外すことが可能である。
一方、図14の(a)に示す回転軸シールユニット15では、環状の支持枠2の内径面に嵌合した回転軸シールユニット15のホルダー15aの内面にパイル(ファイバー)5が斜毛された円筒状軸シール材4bが嵌合し、円筒状軸シール材4bの内側端面の箇所で回転軸に挿入されて斜毛されたパイルが倒れることで膨らみを形成し、円筒状軸シール材4bの内側端面と容器の軸の通る孔の周辺部がパイルの反発荷重とパイル密度によりシールが行われる構成となっている。そして、軸の挿入により外側に倒れるパイルが軸受摺動部12aの箇所で噛み込まないように空間が設けられパイル(ファイバー)の噛み込み防止がされている。 さらには、パイルの斜毛方向、あるいは、軸の回転によりパイルが回転方向に移動し粉体が容器側へ戻される作用を形成し粉体が侵入しない構成としている。図14の(b)は、内部にパイルが斜毛された円筒状軸シール材4bであるパイル5をホルダー15aの内部に有し、軸への挿入によるパイルの倒れによってパイルが軸受摺動部12aの内部にパイルが入らない噛み込み防止空間が設けられた回転軸シールユニット15が矢印方向に支持枠2まで前方に移動して回転体1aの回転軸1bに嵌合されることを示している。図14の(c)は、ユニット押さえ15bを後端部に有する回転軸シールユニット15を示し、この回転軸シールユニット15は取付けねじ孔15cでねじ締めして支持枠2の後端に取付けできる。この円筒状軸シール材4bの周囲に延びて支持するホルダー15aは内部に軸受12を有して一体化されて形成されている。さらに、このホルダー15aの内部に支持する円筒状軸シール材4bは取り外すことが可能である。尚、構成の本発明の一部の例であり、パイル(ファイバー)5が直毛、斜毛、捲縮繊維から構成されたパイルを軸シール部材として用いて噛み込み防止空間を有する形状の異なる回転軸シールユニットも本発明に含まれるものであり、また、回転軸シールユニットは軸受けにベアリング、焼結部材、フッ素樹脂などの樹脂摺動部材を用いて一体的に構成しても良い構成で、このような構成も本発明に含まれるものである。
図13及び図14に示すように、本発明の円筒状軸シール材4bを軸受12と一体化して回転軸シールユニット15に形成している。この回転軸シールユニット15のホルダー15aに設けられた軸受12の摺動部12aを有し、回転軸1bに嵌合した円筒状軸シール材4bは回転軸シールユニット15毎で交換することが可能である。このように、円筒状軸シール材4bの交換は、装置全体の交換では無く、装置を構成する部品ユニット毎の交換であるので、無駄が少なく省資源であり、さらに補修時の作業性が向上する。
図15は、本発明のパイル5の先端の倒れを軸受12を内在する押込み手段である先端に凸部の長さ13aを有する円筒状の凸部13により押込んだ時に生じるパイル5の膨らみ量5gを有する状況を示している。この図は先に示した図4と同様の図であり、粉体容器1の支持枠2に回転軸1bを挿通し、この回転軸1bに円筒軸シール材4bであるパイル5を嵌挿し、この円筒軸シール材4bを回転軸1bにさらに嵌挿した円筒状の凸部13に有する凸部の長さ13aを押戻し距離Dcだけ押し込むことで、パイル5の膨らみ量5gからなるパイルの膨らみ5fを回転軸1bの後方の方向に形成している。
円筒状軸シール材4bを回転軸が通る孔10に取付けるための孔径10aを10mmとするとき、この孔径10aに取付けられるようにする。このため、パイル5の長さを2mm、パイル織編物7の地糸7cの厚みを0.9mm、パイル5のファイバー密度を467500本/in2、平均パイル径ΦFを13μmとして、このパイル織編物7からなる平面状のシール材4fを外径4bとなる円筒状支持部材4cである厚さ0.3mmのアルミシートに接着剤にて貼り合せ、回転軸が通る孔10に適合する長さ29.8mm、および幅3mmに裁断し、これを成形機により円筒状軸シール材4bに作製した。なお、回転軸が通る孔の孔径10aが10mmである取付孔2aに取付けた時、直線状のスリット8の間隙8cは0.2〜0.3mmであった。又、スリット8の部分のパイル5同士の重なり位置までの距離5dの部分は円筒状軸シール材4bの中心4iから3.8〜4.0mmであり、これは適用する回転軸1bの半径3mmよりも大きい条件となっている。さらに、適用する回転軸1bに対するパイル5のオーバーラップ量は1.2mmとなっている。
上記で作製した円筒状軸シール材4bを、図16に示す振動試験機16の粉体容器16bの軸径6mmの取付軸16eであるステンレス製シャフトに嵌挿して取付けた。なお、粉体容器16bのカバー16cの取付軸16eが通る孔16dの孔径は径7mmとし、円筒状軸シール材4bの取付孔2aの孔径は径10mmとしている。そして加振器16aにて加速度100m/s2、周波数50Hzの条件で、粉体3を入れた振動試験機16の粉体3の漏れ試験を行った。円筒状軸シール材4bのシール性の評価は10分間の振動試験で粉体3の漏れのなかったものはOKとし、10分間未満の振動試験で粉体3の漏れたものはNGとした。なお、パイル5の膨らみ量5gの調整は軸受12の部分と円筒状軸シール材4bの間にスペーサー14を設け、スペーサー14の厚みおよび径を変化させて膨らみ量5gを調整している。そして、それぞれの時点の膨らみ量5gを測定し、その膨らみ量5gに応じて振動試験を行った。
次に、図17に示す、粉体3を装入している攪拌試験機17による攪拌試験では、SUS製シャフトの回転軸17aおよびその周囲の攪拌部材17bを回転させ、円筒状軸シール材4bのシール性の試験を行った。攪拌試験の条件として、攪拌試験機17の回転軸17aおよび攪拌部材17bの回転方向17cの回転数を400rpmとして、10時間で漏れのなかったものをOKとし、それ未満の1時間で漏れたものをNGとした。
表1に実施例の1〜4と比較例の1〜3についての試験結果を示している。表1から、パイル5の膨らみ5fは押戻し距離に対して依存していることがわかる。又、振動試験にて、膨らみが無く、取付軸16eとの間に間隙が生じると、比較例1に見られるように、漏れが生じる結果となっている。さらに攪拌試験でも、同様に、膨らみが無く、取付軸16eとの間に間隙が生じると漏れが1時間で生じる結果となってNGとなっている。
Figure 2014102897
さらに、粉体容器16bの取付軸16eにカバー16cを取付けるために、カバー16cに設けた孔16dの半径を、円筒状軸シール材4bの中心4iからの距離すなわちパイル5の重なり部分の距離よりも小さくすることで、粉体3の漏出を防止するシール性はOKとなっている。逆に、粉体容器16bの孔16dの半径を円筒状軸シール材4bの中心4iからの距離のパイル5の重なり距離よりも大きくすると比較例2及び3に示すように、粉体3の漏れを生じさせてNGとなっている。又、スリット8の幅についても、比較例3のように幅を大きくすることで、パイルの重なり位置までの距離5dに近づき、すなわち中心からの距離が短くなって取付軸16eの半径および粉体容器16bの孔16dの半径よりも短くなると、粉体3が漏れる結果となってNGとなっている。
以上の試験結果から、本発明の円筒状軸シール材4bは使用条件も含め、直線状のスリット幅Wsの8aを有していても、スリット8の部分のパイル5同士の重なり位置までの距離5dが適用する回転軸1bの軸半径よりも大きい条件とし、パイル5の膨らみ5fを設け粉体容器9の回転軸が通る孔10の周辺の壁10bと接するように構成することで、粉体3の漏れが防止できる。又、円筒状軸シール材4bの幅方向に対する余裕度を考えた場合、シール材4fの内部までパイル5を押込む方がより好ましい。
本発明における円筒状軸シール材4bを、図18の(a)に示すように、例えば電子写真の画像形成装置の現像ケースのハウジングもしくはトナー容器の支持枠2における、供給ローラ1hの回転軸1bに適用した場合の例、あるいは図18の(b)に示すように、同じく電子写真の画像形成装置の現像ケースのハウジングもしくはトナー容器の支持枠2における、攪拌ローラ1jすなわちアジテータの回転軸1bに適用した場合の例をそれぞれ示す。
図19のグラフに、本発明における円筒状軸シール材4bのスリット8の幅と必要なパイル織編物7のパイル糸7aの開繊後のパイルの開き角度θとの関係と、回転軸1bと粉体容器9の回転軸が通る孔の孔径10aにおける間隙について机上で算出した結果を示す。このグラフに示すように、例えばパイルの開き角度θが15度以下とすれば、スリット8の幅は取付け時に0.3mm以下にすることが好ましく、それ以上の余裕を持たせるためには、パイルの開き角度θを大きくするか又は粉体容器9の回転軸が通る孔の孔径10aを小さくすることで対応できることがわかる。
図20のグラフに、本発明における円筒状軸シール材4bを用いて、長期の攪拌漏れ試験を行った結果を示す。この結果、ポリオキシメチレン樹脂(POM)、ステンレス(SUS)製金属シャフトのいずれにおいても、200時間の長時間試験でも粉体3の漏れは無しのレベルの5の生じない結果となっている。
又、図21のグラフに、本発明における円筒状軸シール材4bと従来のゴムシール材との比較による攪拌漏れ試験の結果を示す。この場合、回転軸1bに段差のパーティング・ラインを有し、段差が0.05mmであるABS樹脂製シャフトである回転軸1bに適用して比較した結果、従来のゴムシール材は5分間程度で粉体3の漏れが生じたのに対し、本発明における円筒状軸シール材4bを用いたものは、200時間攪拌しながら回転させても問題がなく、段差を有している回転軸1bに対しても適用が可能であり、回転軸1bのコスト軽減にも寄与できるものである。なお、パイル5の表面の処理として、段差による引きちぎれ防止のために、2mg程度のシリコンオイルを塗布して試験を行った。
以上の結果からもわかるように、パイル5の表面に微少のオイル塗布を行っても問題のない結果であり、本発明における円筒状軸シール材4bには、このようにパイル5へオイル塗布の処理を行ったものも含まれる。
1 粉体を取り扱う装置(粉体容器)
1a 回転体(回転装置)
1b 回転軸(軸)
1c 回転軸半径
1d 中心(回転軸の)
1e 回転軸端部
1f 回転軸方向
1g 漏れ防止部
1h 供給ローラ
1i ギア
1j 攪拌ローラ(アジテータ)
2 支持枠
2a 取付孔
2b 孔径(内径)
3 粉体(トナー)
4 平板状シール材
4a 平板状のパイル支持部材(アルミ)
4b 円筒状軸シール材
4c 円筒状支持部材
4d 内径(内周)
4e 外径(外周)
4f シール材
4g 内径(地糸の)
4h 外輪支持部材(アルミ)
4i 中心
5 パイル
5a パイルが回転軸と接している箇所
5c パイル長さ
5d パイル重なり位置までの距離
5e パイル先端のはみ出し
5f パイルの膨らみ
5g 膨らみ量(幅)
6 拡大しうる構造を有する部材
7 パイル織編物
7a パイル糸
7b カットパイル
7c 地糸
7d 経糸
7e 緯糸
7f 接着層
8 スリット
8a スリット幅Ws
8b 端面側(スリットの)
8c 間隙
9 粉体容器
10 回転軸が通る孔
10a 回転軸が通る孔の孔径
10b 周辺の壁
11 平板状の支持部材
12 軸受
12a (軸受の)摺動部
13 円筒状の凸部
13a 凸部の長さ
14 スペーサー
14a スペーサー相当部(円筒状凸部)
15 回転軸シールユニット
15a ホルダー
15b ユニット押さえ
15c 取付けねじ孔
15d (ホルダーの)先端部
15e (ホルダーの)後端部
16 振動試験機
16a 加振器
16b 粉体容器
16c カバー
16d 孔
16e 取付軸
16f アングル
16g ピックアップセンサー
16h 振動の加速度方向
17 攪拌試験機
17a 回転軸
17b 攪拌部材
17c 回転方向
θ パイルの開き角度
I パイルのファイバーの長さ
δ 回転軸へのパイルのオーバーラップ量
N 単位面積当たりのパイルのファイバーの本数
L 円筒状軸シール材の単位長さ
ΦF パイル織編物に使用のパイルもしくはカットパイルの平均パイル径
Φt 粉体の粒子径
P カットパイルのパイル間の平均ピッチ
ΦB 回転軸の通る孔径
Dp 回転軸の通る孔の中心からパイルの重なり位置までの距離
Dc 押戻し距離

Claims (5)

  1. 粉体を取り扱う回転装置の回転体の回転軸から粉体の漏出が防止された円筒状軸シール材において、円筒状軸シール材は繊維からなるパイルを形成してなる織編物とこのパイルが形成された織編物を支持する円筒状支持部材からなり、この円筒状支持部材は外周からの外圧により外径が縮小しうる構造を有し、かつ、円筒状軸シール材のパイルからなる内径に回転軸から作用する圧力により外径が拡大しうる構造を有する部材から形成され、パイルは円筒状軸シール材の内側に形成のカットパイルからなるパイル織物又はパイル編物(これらを「パイル織編物」という。)から構成され、回転体の支持枠の取付孔に円筒状軸シール材を挿着する際に、円筒状軸シール材の外径が挿着前は取付孔と同じであるかもしくは取付孔より若干大きく、挿着時に円筒状軸シール材の外径は縮小可能なスリットを有して、弾性により取付孔から受ける外圧に抗して取付孔に圧入により外径を縮小して取付けされ、取付け後はスリットのスプリングバックにより外径を拡げて取付孔に密着するように構成され、円筒状軸シール材の外周に形成されている略直線状のスリットへの粉体の侵入防止を、円筒状軸シール材の中心からスリット端面側のパイル同士が重なり位置までの距離が回転軸の半径よりも大きく、かつ、粉体容器に設けられた回転軸が通る孔の半径を上記円筒状軸シール材の中心からスリット端面側のパイル同士が重なり位置までの距離より小さく構成して、パイル密度即ちファイバー密度、パイルの構成、回転軸との取付けによる回転軸方向へのパイルの倒れ、又は回転軸方向のパイルの倒れを押戻す手段の1つ以上を用いて円筒状軸シール材の軸方向内側のパイルが容器の回転軸の通る孔の周辺の壁と接するように構成し、円筒状軸シール材の取付け箇所からの粉体の漏れを防止し、円筒状軸シール材の外周、スリット、および回転軸からの粉体の漏れを防止したことを特徴とする円筒状軸シール材。
  2. 粉体の漏れが防止された円筒状軸シール材は、パイル密度即ちファイバー密度、パイルの構成、回転軸との取付けによる回転軸方向へのパイルの倒れ、又は回転軸方向のパイルの倒れを押戻す手段の1つ以上を用いて円筒状軸シール材の軸方向内側のパイルが容器の回転軸の通る孔の周辺の壁と接するように構成され、粉体容器に設けられた回転軸が通る孔は円筒状軸シール材の地糸からなる円形よりも小さくなった孔径又は円筒状軸シール材のスリット端面側のパイル同士の重なり位置までの距離よりも小さくなった孔径からなり、
    パイルの構成が開繊された直毛繊維のパイル、斜毛された直毛繊維のパイル、捲縮された繊維のパイルの中から選ばれるパイルの構成、あるいは、外側の回転軸方向に倒れるパイルが押戻される手段が、回転軸を受ける軸受手段、軸受に形成した円筒状の凸部手段、円筒状軸シール材と軸受の間に設けられたスペーサー手段のいずれかの一手段以上からなるパイルの押戻し手段によりパイルが押込まれるように構成され、このパイルの倒れの部分又はパイルの膨らみの部分により粉体容器に設けられた回転軸が通る孔周辺の壁に接して、円筒状軸シール材からの粉体の漏れが防止されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒状軸シール材。
  3. 粉体の漏れが防止された円筒状軸シール材におけるパイル織編物からなるカットパイルが支持された円筒状支持部材は、金属部材、樹脂部材、弾性を有するゴム部材のいずれかからなる平板状の支持部材から形成されて、円筒状の突き合わせ状に巻き回されて円筒状に形成されるか又は成形型により成形され、この円筒状軸シール材は回転軸方向に対してスリットが設けられっていることを特徴とする請求項1に記載の円筒状軸シール材。
  4. 円筒状軸シール材におけるパイル織編物からなるカットパイルは、天然繊維もしくは合成繊維よりなり、粉体の漏れを防止する単位面積当たりの繊維からなるパイル5のファイバー密度である単位面積当たりのファイバー本数Nは、下記の式(1)に示す範囲で構成され、そのパイルのファイバーの長さをIとし、回転軸へのパイルのオーバーラップ量をδとするとき、オーバーラップ量δは下記の式(2)に示す関係を有し、又、押戻し手段による押戻し距離は円筒状軸シール材が回転軸に挿入され、外側に倒れているパイルがパイルの先端位置から回転軸方向の内側へ押戻し手段によって押戻され、又、この押戻し手段によるパイルの軸方向内側への押戻し距離が下記の式(5)に示す距離以上でかつシール材の幅の1/2の範囲からなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒状軸シール材。
    ただし、
    [L/{2×(2Φt+ΦF)}]2<N≦[L/(2×ΦF)]2……(1)
    δ>I−[I×{(ΦF+2Φt)/P}]……(2)
    なお、式(2)において、P=L/(N)1/2……(3)
    の関係を有し、
    パイル間の間隙率(%)=[{(P/2)−ΦF}/(P/2)]×100……(4)とするとき、
    押戻し距離(mm)≧円筒状軸シール材の幅×(パイル間の間隙率/100)……(5)
    であり、
    なお、式(1)において、Lは単位面積の一辺の単位長さ、ΦFはパイル織編物に使用のパイルのファイバーの平均径もしくはカットパイルの平均パイルのファイバー径、Φtは粉体の粒子径、Pはカットパイルのパイルのファイバー間の平均ピッチである。
  5. 円筒状軸シール材と回転軸を支持して摺動する軸受とが一体的に構成され、一体的に構成された軸受部と軸シール材の間にパイルの倒れによる軸受部への噛み込み防止空間が設けられた構造、又は該軸受の内面に軸受の摺動部と異なる円筒状の凸部が設けられており、該円筒状の凸部が円筒状軸シール材と一体化されて、該円筒状の凸部によってパイルのファイバーが回転軸方向である内側へ向けられて、円筒状軸シール材と軸受が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の円筒状軸シール材を用いた回転軸シールユニット。
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