JPWO2014098119A1 - 光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物、粘着剤、粘着剤シート、表示装置及び表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
表示装置組み立ての際に不具合が生じて表示体に貼り合わせた光学機能材料を剥離してリワークする場合、表示体に硬化物の糊残りが少ない光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を提供する。主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に二重結合を含み、二重結合当量が10,000〜150,000g/molであり、重量平均分子量(Mw)が25,000〜2,000,000である反応性ポリマー(A成分)、重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、アミド基含有単量体(C成分)、及び光重合開始剤(D成分)を含有する光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
Description
本発明は、光学機能材料用のアクリル系粘着剤組成物に関する。更に詳しくは、画像表示パネル等の表示体と保護カバープレート等の光学機能材料との隙間を埋める等の用途に使用できるアクリル系粘着剤組成物である。また、本発明は、当該アクリル系粘着剤組成物から得られる粘着剤、及び前記粘着剤を用いて組み立てられた表示装置に関する。
液晶表示パネル等の表示体の上に、保護カバープレートや透明タッチパネルプレート等の光学機能材料を、粘着剤を用いて貼り合わせる表示装置の組み立て工程において、表示体と光学機能材料との貼り合わせ位置がずれた場合に、表示パネルそのものを廃棄すると経済的損失が大きいことから、剥離して修復(リワーク)することが行われる。
例えば、特許文献1には、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するアクリル系重合体と光重合開始剤とを必須成分として含み、表示体である画像表示パネルと光学機能材料である保護カバープレートとの間の隙間を埋める光学樹脂粘着剤組成物が開示されており、この組成物はリワークに適していると説明されている。
しかしながら、特許文献1に記載の粘着剤組成物の硬化物はリワークに際して被接着物同士を剥離すると画像表示パネルの表面に粘着剤が残る(以下、「糊残り」という。)ので、溶剤で膨潤させて除去する必要がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、表示装置組み立ての際に不具合が生じて表示体に貼り合わせた光学機能材料を剥離してリワークする場合、表示体に硬化物の糊残りが少ない光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物、及び当該組成物を硬化して得られた粘着剤シートや粘着剤を用いて製造された表示装置を提供することを目的とする。
[1]主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に二重結合を含み、二重結合当量が10,000〜150,000g/molであり、重量平均分子量(Mw)が25,000〜2,000,000である反応性ポリマー(A成分)、重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、アミド基含有単量体(C成分)、及び光重合開始剤(D成分)を含有する光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物(以下、本組成物1という)。
[2]前記反応性ポリマー(A成分)がアミド基を含む反応性ポリマー(A’成分)である[1]に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[3]アミド基を含み、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に重合性二重結合を含み、二重結合量が10,000〜150,000g/molであり、重量平均分子量(Mw)が25,000〜2,000,000である反応性ポリマー(A’成分)、重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、及び光重合開始剤(D成分)を含有する光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物(以下、本組成物2という)。
[4]前記(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位が、アミド基含有(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[5]前記アミド基含有(メタ)アクリル系単量体が、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドである[4]に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[6]前記N,N−2置換(メタ)アクリルアミドがアクリロイルモルホリンである[5]に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[7]前記アミド基含有単量体(C成分)が、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドである[1]又は[2]に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[8]前記N,N−2置換(メタ)アクリルアミドがアクリロイルモルホリンである[7]に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[9]前記光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物に含まれるカルボキシル基含有単量体の量が、前記A成分または前記A’成分、及び前記B成分の合計量100質量部に対して、5質量部以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[10]前記反応性ポリマー(A成分またはA’成分)が側鎖中にウレタン結合を含む[1]〜[9]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル液粘着剤組成物。
[11]さらに多官能(メタ)アクリレート(E成分)を含有する[1]〜[10]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[12]さらにシラン化合物(F成分)を含有する[1]〜[11]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
[13][1]〜[12]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる粘着剤。
[14][1]〜[12]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる粘着剤シート。
[15]厚みが25〜1000μmである[14]に記載の粘着剤シート。
[16]表示体上に粘着剤層を備え、該粘着剤層上に光学機能材料の層を備える表示装置であって、該粘着剤層が[13]に記載の粘着剤を含む表示装置。
[17]表示体上に粘着剤層を備え、該粘着剤層上に光学機能材料の層を備える表示装置であって、該粘着剤層が[14]に記載の粘着剤シートである表示装置。
[18][1]〜[12]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を光学機能材料に塗布し、該光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、該光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を得て、該粘着剤層により前記光学機能材料と表示装置とを接着する工程を含む表示装置の製造方法。
[19][1]〜[12]のいずれかに記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を、離間して設置したフィルム状又はシート状の光学機能材料とフィルム状又はシート状の表示体の間に注入し、該光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、該光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を得る工程を含む表示装置の製造方法。
[20]フィルム状又はシート状の光学機能材料、[14]又は[15]に記載の粘着剤シート、及びフィルム状又はシート状の表示体をこの順に積層されるように、該光学機能材料と該表示体とを貼り合わせる工程を含む表示装置の製造方法。
本発明の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着剤(以下、本粘着剤と記す)は、表示装置組み立ての際に不具合が生じて修復(リワーク)する場合、表示体の表面に糊残りがないためリワーク性に優れている。また本粘着剤は、酸化インジウムスズ(以下、ITOという。)等の透明導電性皮膜に対する耐腐食性に優れている。
以下、本発明について具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を示す。
本組成物1は、反応性ポリマー(A成分)、重合性二重結合を一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、アミド基含有単量体(C成分)及び光重合開始剤(D成分)を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物である。また、本組成物2は、A成分の内でアミド基を含む反応性ポリマー(A’成分)、重合性二重結合を一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)及び光重合開始剤(D成分)を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物である。以下、各成分について説明する。
本組成物1においては、A成分として主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に二重結合を含む反応性ポリマーを用いる。
A成分は、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位(以下、「単量体X由来の繰り返し単位」を単に「X単位」と記す場合がある)を含む。換言すれば、A成分は(メタ)アクリル系重合体を基本骨格とする。主鎖中に(メタ)アクリル系単量体単位を含ませることによって優れた耐候性、光学的性質(透光性、透明性)を発揮させることが可能となる。なお、本明細書において「主鎖」は、反応性ポリマーにおいて最も炭素数の多い炭素鎖を意味する。
「(メタ)アクリル系単量体」とは、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの誘導体を意味する。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;フェノキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、o−ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族環含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸塩類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノアクリレート、ジシアノビニリデン、フマロニトリル等のシアン化ビニル類;等を挙げることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本粘着剤が良好な粘着性を発揮させる点から、A成分はアミド基を含む反応性ポリマー(A’成分)であることが好ましい。また、A’成分は(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位として、アミド基含有(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を有することが好ましい。
アミド基含有(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のN,N−2置換(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でもN,N−2置換(メタ)アクリルアミドがより好ましい。N,N−2置換(メタ)アクリルアミドは、アミド基のN原子に結合する2つの置換基(以下、R1とR2という)が置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の炭化水酸基であるもの、R1とR2とで環を形成していているもの、R1とR2とで形成される環が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を介しているもの、並びにR1、R2及びR1とR2とで形成される環が置換基を有しているものがより好ましい。さらに、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドは、R1とR2とで形成される環が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を介しているものが好ましく、アクリロイルモルホリンが特に好ましい。なお、これらアミド基含有(メタ)アクリル系単量体は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
良好な粘着性を発揮させる点から、A成分は(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、イソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステル類由来の繰り返し単位を有することが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、イソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
A成分の主鎖は、1種の(メタ)アクリル系単量体単位を含む単独重合体であってもよいし、2種以上の(メタ)アクリル系単量体単位を含む共重合体であってもよい。但し、粘着剤とした際に、その塗膜の物性を精密に調整することが容易であるという理由から、A成分の主鎖は、2種以上の(メタ)アクリル系単量体単位を含む共重合体であることが好ましい。
なお、A成分の主鎖は、(メタ)アクリル系単量体単位を含むものであれば足り、全ての繰り返し単位が(メタ)アクリル系単量体単位である必要は無い。即ち、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体単位を含むものであってもよい。
「(メタ)アクリル系単量体以外の単量体」の種類については特に制限はないが、例えば、二重結合を有する単量体を用いることができる。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム類;等を挙げることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
A成分の主鎖において、(メタ)アクリル系単量体単位の含有率は、本粘着剤の粘着性能の観点から、A成分の主鎖を構成する単量体単位の合計を100質量%とした場合に、50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。即ち、主鎖の全てが(メタ)アクリル系単量体単位によって構成されていることが好ましい。
A成分は、側鎖中に二重結合を含む官能基を有する。言い換えれば、A成分は、基本骨格となる(メタ)アクリル系重合体に対して、化学修飾によって(メタ)アクリロイル系官能基及びビニル基等の二重結合を含む官能基を導入し変性させた構造である。
側鎖中に二重結合を有する重合体は、活性エネルギー線によってその重合体同士が架橋されるため、活性エネルギー線に対する硬化性を有する。また、耐候性が高いことに加えて、本粘着剤を剥離した際に表示体に糊残りがなく、表示体を汚染し難いという好ましい効果が発揮される。
また側鎖中の二重結合は、例えば、アクリロイル骨格、メタクリロイル骨格、ビニル骨格等の二重結合を含む骨格により提供される。このような骨格を含む官能基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が挙げられる。A成分の重合性の観点から側鎖にはアクリロイルオキシ基を含むことが好ましい。
A成分の二重結合当量は、10,000〜150,000g/molの範囲内とする必要がある。二重結合当量は、主鎖の構造、重量平均分子量、ガラス転移温度、粘着物性等によっても異なるが、12,000〜110,000g/molの範囲内であることが好ましく、20,000〜90,000g/molの範囲内であることがより好ましく、30,000〜70,000g/molの範囲内であることがさらに好ましい。ここで、二重結合当量とは二重結合1molあたりのポリマーの質量を意味する。二重結合当量が10,000g/mol未満であると、粘着剤の凝集力が増し本シートの粘着力が高くなりすぎるためリワーク性が低下する。また、二重結合当量が150,000g/mol超であると、粘着剤の凝集力がなくなり、表示体への糊残りが多くなる。
A成分の重量平均分子量(Mw)は、25,000〜2,000,000である。重量平均分子量をこの範囲内とすることによって、B成分及びC成分との混和性が良好となり本組成物の調製が容易となる他、本粘着剤の表示体への糊残りが少なく、表示体を汚染し難いという好ましい効果が発揮される。
A成分の重量平均分子量(Mw)は、50,000〜1,000,000の範囲内が好ましく、70,000〜800,000の範囲内がより好ましく、90,000〜600,000の範囲内がさらに好ましい。重量平均分子量が25,000未満であると、粘着剤の表示体への糊残りが増え、表示体を汚染する傾向があるため好ましくない。一方、重量平均分子量が2,000,000を超えると、本組成物を調製する際にA成分のB成分及びC成分に対する混和性が低下する傾向があるため好ましくない。
重量平均分子量(Mw)は、主鎖となる(メタ)アクリル系重合体を重合する際の重合条件、例えば、重合開始剤の種類及び量、溶媒の種類及び量、反応温度、反応時間等を適切に制御することによって、調節することができる。なお、本明細書において「重量平均分子量」は、gel permeation chromatography(GPC)で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
A成分のガラス転移温度(Tg)は、−55℃〜0℃の範囲内が好ましく、−55℃〜−10℃の範囲内がより好ましい。ガラス転移温度をこの範囲内とすることによって、粘着剤とした際に適度な粘着性能が発現する。
なお、本明細書において「ガラス転移温度」は、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に準拠して測定されたガラス転移温度を意味する。
A成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、主鎖となる(メタ)アクリル系重合体をベースポリマーとして、このベースポリマーに対して、化学修飾によって(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法(化学修飾法)によって製造することができる。
化学修飾法の例としては、水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーの水酸基に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物をウレタン結合により結合させることによって、側鎖に(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法を挙げることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類と他の(メタ)アクリル系単量体とを共重合させることにより得られる。「イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物」としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズMOI、昭和電工社製)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)等を挙げることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
化学修飾法の別の例としては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーのイソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物をウレタン結合により結合させることによって、側鎖に(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法を挙げることができる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステル等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類と他の(メタ)アクリル系単量体とを共重合させることにより得られる。「水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物」としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
A成分は側鎖中にウレタン結合を含むことが好ましい。A成分が側鎖中にウレタン結合を含むことで、本粘着剤の表示体に対する適度な粘着力、リワーク性が向上する等の性能が発現することが可能となる。
本組成物1中のA成分の含有量は、A成分の重合体の構造、B成分の種類、C成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性等によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量%とした場合に、5〜80質量%の範囲内が好ましく、10〜70質量%の範囲であることがより好ましい。A成分の含有量は多いほど粘度が高くなり本組成物の成膜性が良くなり、含有量が低いほど希釈剤としてB成分やC成分を使用した際にそれらの成分との混和性が向上する傾向がある。
また、本組成物2中のA’成分の含有量は、A’成分の重合体の構造、B成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性等によっても異なるが、A’成分及びB成分の合計を100質量%とした場合に、5〜80質量%の範囲内が好ましく、10〜70質量%の範囲であることがより好ましい。A’成分の含有量は多いほど粘度が高くなり本組成物の成膜性が良くなり、含有量が低いほど希釈剤としてB成分を使用した際にそれらの成分との混和性が向上する傾向がある。
本組成物1及び2(以下、まとめて本組成物という)は、B成分として重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体を構成成分として含有する。B成分を含有することによって、本組成物の塗工が容易になり、本粘着剤の表示体に対する適度な粘着力、リワーク性が向上する等の性能が発現する。
B成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシド基含有(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシ−5−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ含有(メタ)アクリレート;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、ジフェニル((メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッド・ホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のリン酸基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノアクリレート、ジシアノビニリデン、フマロニトリル等のシアン化ビニル単量体;クロトン酸、イソクロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸塩類;ビニルスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系単量体等を挙げることができる。これらアクリル系単量体以外の単量体成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。この中でもA成分との反応のしやすさという点で炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が2〜25の炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数が6〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
これらの中でも、より良好な透明性、粘着力を発現させる点から、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレートが好ましい。
また、本粘着剤の粘着性を向上させる観点から、2−エチルヘキシルアクリレートとイソボルニルアクリレートの両方をB成分として配合することがより好ましい。
本組成物1中のB成分の含有量は、A成分の重合体の構造や分子量、B成分の種類、C成分の種類、D成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量%とした場合に、20〜95質量%の範囲内であることが好ましく、30〜80質量%の範囲内であることがより好ましい。これらの含有量の範囲は、本組成物2においても、C成分を必須成分としないこと以外は本組成物1と同様である。B成分の含有量は多いほどA成分との混和性が向上する傾向がある。一方、B成分の含有量は少ないほど粘度が高くなり成膜しやすい傾向がある。
本組成物1は、C成分としてアミド基含有単量体を含有する。C成分を含有することによって、本粘着剤の表示体に対する適度な粘着力、リワーク性が向上する等の性能が発現する。
アミド基含有(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のN−置換(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のN,N−2置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中でもA成分の溶解性の点からN,N−2置換(メタ)アクリルアミドが好ましい。N,N−2置換(メタ)アクリルアミドは、アミド基のN原子に結合する2つの置換基(以下、R1とR2という)が置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の炭化水酸基であるもの、R1とR2とで環を形成していているもの、R1とR2とで形成される環が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を介しているもの、並びにR1、R2及びR1とR2とで形成される環が置換基を有しているものがより好ましい。さらに、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドは、R1とR2とで形成される環が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を介しているものが好ましく、アクリロイルモルホリンが特に好ましい。なお、これらアミド基含有(メタ)アクリル系単量体は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本組成物1中のC成分の含有量は、A成分の重合体の構造や分子量、B成分の種類、C成分の種類、D成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量%とした場合に、5〜30質量%の範囲が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。C成分の含有量は多いほど、本粘着剤の粘着力が発現する。一方、C成分の含有量は少ないほど、本組成物の粘度が高くなり成膜しやすい傾向がある。
本組成物は、D成分として光重合開始剤を含有する。光重合開始剤とは、重合系中にあって活性エネルギー線の照射によって重合反応を開始させる作用を有する添加剤を意味する。本発明において、その種類は特に制限はない。
D成分としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3(1H−ピロール−1−イル)−フェニル〕チタニウム、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも、硬化性の観点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを用いることが好ましい。
本組成物中のD成分の含有量は、A成分の重合体の構造、B成分の種類、C成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性等によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量部とした場合に、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜5質量部の範囲内であることがより好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがさらに好ましい。これらのことは、本組成物2においても、C成分を必須成分としないこと以外は本組成物1と同様である。D成分の含有量は多いほど光重合開始剤としての作用が十分に発揮される。一方、D成分の含有量は少ないほど本粘着剤中のD成分の残留量が少なくなるので粘着剤としての性能低下が少なくなる。
本組成物に含まれるカルボキシル基含有単量体の量は、A成分及びB成分の合計量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。本組成物に含まれるカルボキシル基含有単量体の量が、A成分及びB成分の合計100質量部に対して5質量部以下であることにより、ITO等の金属を含む透明導電性皮膜が形成された光学機能材料の貼り合わせの際に金属が腐食されることを防ぎ、導電性を維持できる。本組成物に含まれるカルボキシル基含有単量体の量は、A成分及びB成分の合計100質量部に対して、3質量部以下がより好ましく、1.5質量部以下が更に好ましい。なお、本組成物にはカルボキシル基含有単量体が含まれなくてもよい。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、クロトン酸、イソクロトン酸、ケイ皮酸等の一塩基酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸等の二塩基酸;等を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体は、分子内または分子間の2つのカルボキシル基が脱水して得られる酸無水物であってもよい。カルボキシル基含有単量体は、A成分及びB成分との反応のし易さの点で、一塩基酸が好ましく、より好ましくは、(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)である。カルボキシル基含有単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また本組成物は、E成分として多官能(メタ)アクリレートを含んでもよい。多官能(メタ)アクリレートとしては、重合性二重結合を二つ以上含み、アミド基を含まない単量体が好ましい。E成分としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチルロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレートまたは9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの2官能アクリレート;トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3官能型ウレタン(メタ)アクリレートまたはトリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの3官能アクリレート;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートまたはペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能アクリレート;プロピオン酸変性ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能アクリレート;及びジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレート(例えば、イソシアネート単量体及びトリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレートの反応物などの6官能アクリレート);ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等の多官能単量体等を挙げることができる。これら重合性二重結合を二つ以上有する単量体の中では、粘着力を発現するため、2官能アクリレートと3官能アクリレートが好ましい。1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及びポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートが、本組成物の塗工性を高め、及び本粘着剤の表示体への糊残りを少なくできる観点から更に好ましい。本発明では、上述した多官能(メタ)アクリレート中の1種または2種以上を混合して使用することができる。
またE成分の含有量は、A成分の重合体の構造、B成分の種類、C成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性等によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量部とした場合、リワーク性を向上させる観点から、0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.05〜1質量部の範囲内であることがより好ましい。これらのことは、本組成物2においても、C成分を必須成分としないこと以外は本組成物1と同様である。
また本組成物は、F成分としてシラン化合物を含んでもよい。F成分としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
本発明では、上述したシラン化合物中の1種または2種以上を混合して使用することができる。中でもγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、本粘着剤の湿熱耐久性の観点から好ましい。
本組成物中のF成分の含有量は、A成分の重合体の構造、B成分の種類、C成分の種類、表示体の種類、要求される粘着特性によっても異なるが、A成分、B成分及びC成分の合計を100質量部とした場合、本粘着剤の湿熱耐久性及び透明性の観点から、0.05〜1質量部の範囲が好ましく、0.1〜0.5質量部の範囲内であることがより好ましい。これらのことは、本組成物2においても、C成分を必須成分としないこと以外は本組成物1と同様である。
本組成物には、紫外線吸収剤を配合してもよい。紫外線吸収剤を配合することにより、紫外線を遮断し、本硬化物より下層側に存在する物質の酸化や変質の抑制、或いは有機物の分解による変色、退色及び脆化等の劣化を抑制することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物;サリチル酸エステル類、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤;等を挙げることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本組成物には、粘着性付与剤、老化防止剤、着色剤、光安定剤、熱重合開始剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、フィラー、アミン化合物、エポキシ化合物等を添加してもよい。
本組成物は、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分、F成分及びその他の成分を所定の比率で混合することにより得ることができる。
本組成物の配合方法としては、例えば、溶液重合法で製造されたアクリル系重合体(A成分またはA’成分)の溶液にB成分を添加し、十分に攪拌後、減圧加熱して溶剤を除去した後にC成分、D成分、E成分、F成分、G成分及びその他の成分を適宜添加混合する方法が挙げられる。また、別の方法として、溶液重合法で製造されたアクリル系重合体(A成分またはA’成分)の溶液にB成分、C成分、D成分、E成分、F成分、G成分及びその他の成分を適宜添加し、十分に攪拌後、減圧加熱して溶剤を除去する方法が挙げられる。しかしながら、配合方法は特に限定されるものではない。いずれの方法においても、各成分を十分に攪拌混合し、均一な組成物とする。
本組成物の25℃におけるE型粘度計で測定した粘度は、気泡を噛まず成膜できることから1〜10,000mPa・sであることが好ましい。本組成物は有機溶剤に溶解することなく、そのままの状態で塗工に供することができる。
なお、本組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤の含有量は塗工性に応じて適宜調整すればよいが、反応性ポリマー(A成分またはA’成分)100質量部に対して100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
有機溶剤として、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール(沸点65℃)、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられるが、これらに限らない。
本組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線及び可視光線が挙げられる。作業性および硬化性の観点から紫外線が特に好ましい。紫外線を照射する光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンフラッシュランプ、LEDランプなどが挙げられる。
本粘着剤は、表示体と光学機能材料とを貼り合せて表示装置を製造するために使用できる。表示体としては、ガラスに偏向板を貼り付けてあるLCD、ELディスプレイ、EL照明、電子ペーパーやプラズマディスプレー等の表示素子が挙げられる。光学機能材料としては、視認性向上や外部衝撃による表示素子の割れ防止を目的とするアクリル板(片面又は両面ハードコート処理や、ARコートしてあってもよい)、ポリカーボネート板、PET板、PEN板等の透明プラスチック板、強化ガラス(飛散防止フィルムが付いていてもよい)及びタッチパネル入力やセンサー等が挙げられる。
本粘着剤を用いて、表示体と光学機能材料とを貼り合せる方法としては、例えば、本組成物を光学機能材料に塗布し、得られた塗膜上に表示体を積層し、光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、本組成物を硬化させて粘着剤層とし、当該粘着剤層により前記光学機能材料と前記表示体を接着する方法(方法1)が挙げられる。また、該方法としては、本組成物を、離間して設置したフィルム状又はシート状の光学機能材料とフィルム状又はシート状の表示体との間に注入し、光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、本組成物を硬化させて粘着剤層とし、表示体と光学機能材料とを貼着して一体化させる方法(方法2)が挙げられる。さらに、該方法としては、フィルム状又はシート状の光学機能材料、後述する粘着剤シート、及びフィルム状又はシート状の表示体をこの順に積層されるように、前記光学機能材料と粘着剤シートと表示体とを貼り合せる方法(方法3)、表示体の表面に本組成物を塗工し、本組成物が未硬化の状態でその上にフィルム状又はシート状の光学機能材料を載せた後、活性エネルギー線を光学機能材料の側から照射して本組成物を硬化して、表示体と光学機能材料との間に接着剤層を形成して貼り合せる方法(方法4)等が挙げられる。しかしながら、貼り合せる方法はこれらに限ったものではない。
上記記載の方法3で使用する粘着剤シートは本組成物を活性エネルギー線によりシート状に硬化して得られたもの(以下、本粘着剤シートという)である。本粘着剤シートの製造方法としては、例えば、本組成物をセパレーターに塗工後、活性エネルギー線の照射により硬化反応を行って粘着剤層を形成し、セパレーターを貼り合わせロール状に巻き取る方法が挙げられる。また、別の方法としては、本組成物をセパレーターに塗工後、未硬化の本組成物をセパレーターで挟み込み、光硬化反応を行い、ロール状に巻き取る方法が挙げられる。セパレーターには、メラミンやシリコーンなどで表面処理したPETフィルムや、オレフィン系フィルムなどの樹脂フィルム、シリコーンや剥離性アクリル樹脂などで表面処理したグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの離型紙を使用することができる。特に、PETフィルムなどの樹脂フィルムが好ましい。さらにセパレーターは背面に密着防止や帯電防止などの処理を施したものでもよい。本組成物の塗工には、アプリケーター、ダイコーター、リップコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、コンマロールコーター、ディップロールコーター、グラビアロールコーター、バーコーター、ブレードナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、スピンコーター、スプレーコーターなどの方法を適宜選択して用いることができる。なお、光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物中に有機溶剤を含む場合、光硬化反応前、もしくは光硬化反応後に有機溶剤を乾燥除去してもよい。有機溶剤の乾燥除去方法は、特に制限されず、例えば、送風乾燥、温風乾燥、赤外線加熱、遠赤外線加熱機、真空乾燥等が挙げられる。乾燥温度は組成物に含まれる溶媒の沸点に応じて適宜選択すればよい。
上記記載の方法3の光学機能材料と表示体とを貼り合せる具体的な手順としては、例えば以下の方法が挙げられる。画像表示パネル等の表示体に光学シートや光学フィルム等の光学機能材料を積層するにあたり、まず、光学機能材料に両面に粘着性を有する本粘着剤シートの一方の面を貼り付けて、本粘着剤シートを光学機能材料上に積層した積層体を作製する。次いで粘着剤シートの他方の面を表示体に貼り付ける。この方法とは逆に、先に表示体に粘着剤シートを貼り付け、その後に光学機能材料を貼り付けてもよい。これらの方法によれば、画像表示パネル等の表示体上に本粘着剤シートの層を備え、その上に光学シート又は光学フィルム等の光学機能材料の層を備える画像表示装置等の表示装置を製造することができる。
本粘着剤シートの厚みは、25μm以上1000μm以下であることが好ましい。該厚みが25μm以上であれば、20μm程度の段差を埋めることが可能であり、1000μm以下であれば、薄型化の要求にこたえることができる。さらに、20μm程度の段差を埋める観点から、該厚みは50μm以上がより好ましく、75μm以上がさらに好ましい。また、薄型化の要求に応える観点から、該厚みは500μm以下が好ましく、350μm以下がより好ましい。また、表示体と光学機能材料とを貼り合せる前記方法1及び2の粘着剤層の厚みも、上記粘着剤シートの厚みと同様である。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。
実施例及び比較例において、種々の粘着剤組成物を製造し、これらを硬化した粘着剤シートを作製して、種々の評価を行った。粘着剤組成物の構成成分であるA成分については、重量平均分子量は測定で求め、二重結合当量は理論計算で算出した。粘着剤組成物については粘度を測定した。粘着剤シートについては、粘着力、被着体への糊残り、ITO腐食性試験を行った。
[A成分の重量平均分子量]
A成分の重量平均分子量は、gel permeation chromatography(GPC)で測定した。カラムはポリスチレンゲルを使用し、移動相にTHF(テトラヒドロフラン)を用い、ポリスチレン標準物質からの換算値を用いた。
A成分の重量平均分子量は、gel permeation chromatography(GPC)で測定した。カラムはポリスチレンゲルを使用し、移動相にTHF(テトラヒドロフラン)を用い、ポリスチレン標準物質からの換算値を用いた。
[A成分の二重結合当量]
A成分の二重結合当量は、反応性ポリマーであるA成分において、二重結合1molあたりのポリマーの質量を意味し、以下の式で理論的に算出される。なお、以下の式は、二重結合の導入に用いられた単量体が二重結合を1つ有する場合を示す。
A成分の二重結合当量は、反応性ポリマーであるA成分において、二重結合1molあたりのポリマーの質量を意味し、以下の式で理論的に算出される。なお、以下の式は、二重結合の導入に用いられた単量体が二重結合を1つ有する場合を示す。
以下は、後述する製造例1の反応性ポリマー(A−1)の二重結合当量を求めた計算例である。
[粘着剤組成物の粘度]
粘着剤組成物の粘度は、JIS−K−7117−1に準じてE型粘度計(トキメック社製)を用いて、試料約1mlを25℃に保持した状態で測定した。
粘着剤組成物の粘度は、JIS−K−7117−1に準じてE型粘度計(トキメック社製)を用いて、試料約1mlを25℃に保持した状態で測定した。
[粘着剤シートの作製]
上記の粘着剤組成物に対し、アスピレーターで真空引きを10分間行った。これを厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー#100)上に垂らし、さらにその上からシリコーンで表面処理した厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム(リンテック社製、商品名:P501031)を被せた。この積層物を隙間が一定のロール間を一定速度で滑らせ、厚みを一定とした。その後メタルハライドランプを用いて、積算光量が3000mJ/cm2となるようにコンベア速度を設定し、光硬化(照射強度:100mW/cm2)した。粘着剤組成物の硬化物である粘着剤シートの厚みは175μmであった。
上記の粘着剤組成物に対し、アスピレーターで真空引きを10分間行った。これを厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー#100)上に垂らし、さらにその上からシリコーンで表面処理した厚さ50μmの透明ポリエステルフィルム(リンテック社製、商品名:P501031)を被せた。この積層物を隙間が一定のロール間を一定速度で滑らせ、厚みを一定とした。その後メタルハライドランプを用いて、積算光量が3000mJ/cm2となるようにコンベア速度を設定し、光硬化(照射強度:100mW/cm2)した。粘着剤組成物の硬化物である粘着剤シートの厚みは175μmであった。
[粘着力]
粘着剤の粘着力は、JIS−Z−0237に準じて測定した。被着体として、ステンレス鋼板(株式会社エンジニアリングテストサービス社製、商品名:SUS304BA処理品、厚さ1.5mm、幅50mm、長さ125mm)を使用した。セパレーターであるポリエステルフィルムが両面に付いた粘着剤シートを幅24mm、長さ250mmに切断し、シリコーンで表面処理した厚み50μmの透明ポリエステルフィルムを剥がしてステンレス板に貼り合わせた。次いで貼り合わせた粘着剤シートを23℃×50%RHの条件下にて180度方向に300mm/minの速度で引き剥がし、粘着力を測定した。粘着力が1.0N/24mm以上の場合を「A」、粘着力が1.0N/24mm未満の場合を「B」として評価した。
粘着剤の粘着力は、JIS−Z−0237に準じて測定した。被着体として、ステンレス鋼板(株式会社エンジニアリングテストサービス社製、商品名:SUS304BA処理品、厚さ1.5mm、幅50mm、長さ125mm)を使用した。セパレーターであるポリエステルフィルムが両面に付いた粘着剤シートを幅24mm、長さ250mmに切断し、シリコーンで表面処理した厚み50μmの透明ポリエステルフィルムを剥がしてステンレス板に貼り合わせた。次いで貼り合わせた粘着剤シートを23℃×50%RHの条件下にて180度方向に300mm/minの速度で引き剥がし、粘着力を測定した。粘着力が1.0N/24mm以上の場合を「A」、粘着力が1.0N/24mm未満の場合を「B」として評価した。
[被着体への糊残り]
上記、粘着力の評価後、被着体(ステンレス板)の表面を目視で観察し、粘着剤の糊残りがなかった場合を「A」、糊残りがあった場合を「B」で評価した。
上記、粘着力の評価後、被着体(ステンレス板)の表面を目視で観察し、粘着剤の糊残りがなかった場合を「A」、糊残りがあった場合を「B」で評価した。
[ITO腐食性]
セパレーターであるポリエステルフィルムが両面に付いた粘着剤シートを100mm×50mmに切断した後、シリコーンで表面処理した厚み50μmの透明ポリエステルフィルムを剥した。これをITOでスパッタリング処理された100mm×100mm×1.1mmのガラスのITO面に、2Kgの手動式ゴムローラーを2往復させて貼り合わせることにより試験片を得た。この試験片について、温度85℃湿度85%RHの恒温恒湿槽中に25時間放置した前後の抵抗値をテスター(カスタム社製、製品名:CDM−03)にて測定した。ITO腐食性は、試験開始前に測定した抵抗値(R0)と試験後の抵抗値(R1)から下記の計算式より求めた抵抗値の上昇率で評価した。抵抗値の上昇率は、少ないほど、ITOを腐食する程度が低く良好な粘着シートであることを意味する。ITO腐食性(%)は10%未満の場合を「A」、10%以上の場合を「B」で評価した。
セパレーターであるポリエステルフィルムが両面に付いた粘着剤シートを100mm×50mmに切断した後、シリコーンで表面処理した厚み50μmの透明ポリエステルフィルムを剥した。これをITOでスパッタリング処理された100mm×100mm×1.1mmのガラスのITO面に、2Kgの手動式ゴムローラーを2往復させて貼り合わせることにより試験片を得た。この試験片について、温度85℃湿度85%RHの恒温恒湿槽中に25時間放置した前後の抵抗値をテスター(カスタム社製、製品名:CDM−03)にて測定した。ITO腐食性は、試験開始前に測定した抵抗値(R0)と試験後の抵抗値(R1)から下記の計算式より求めた抵抗値の上昇率で評価した。抵抗値の上昇率は、少ないほど、ITOを腐食する程度が低く良好な粘着シートであることを意味する。ITO腐食性(%)は10%未満の場合を「A」、10%以上の場合を「B」で評価した。
ITO腐食性(%)=(R1―R0)/R0×100
[製造例1]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、トルエン(400g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.9g)及びAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(5g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて100〜110℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに100〜110℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.1g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にトルエンの残留量が1%以下になるまでトルエンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−1)を得た。反応性ポリマー(A−1)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−1)の重量平均分子量は570,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、50932g/molであった。
[製造例1]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、トルエン(400g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.9g)及びAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(5g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて100〜110℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに100〜110℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.1g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にトルエンの残留量が1%以下になるまでトルエンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−1)を得た。反応性ポリマー(A−1)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−1)の重量平均分子量は570,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、50932g/molであった。
[実施例1]
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(333g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(100g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2800mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、粘着力、被着体への糊残り、ITO腐食性を評価した。結果を表1に示す。
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(333g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(100g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2800mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、粘着力、被着体への糊残り、ITO腐食性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(350g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(83g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(E−1)(1.3g)及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2600mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(350g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(83g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(E−1)(1.3g)及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2600mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(350g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(83g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(E−1)(1.3g)、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(F−1)(1.3g)及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2700mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(350g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(83g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(133g)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(E−1)(1.3g)、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(F−1)(1.3g)及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、2700mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(420g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(120g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(160g)、粘着性付与剤であるパインクリスタルPE−590(商品名、荒川化学工業社製)(80g)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、1400mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
反応性ポリマー(A−1)(100g)に、2−エチルヘキシルアクリレート(B−1)(420g)、イソボルニルアクリレート(B−2)(120g)、アクリロイルモルホリン(C−1)(160g)、粘着性付与剤であるパインクリスタルPE−590(商品名、荒川化学工業社製)(80g)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(2g)を混合してアクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、1400mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[製造例2]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、粘度14000mPa・s、重量平均分子量11000、水酸基当量(OHV)20mgKOH/gの水酸基含有ビニル重合体(東亜合成社製、商品名:アルフォンUH−2000)(800g)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズMOI)(53g)を投入し、窒素気流下、50℃に保持した。その後、ジラウリン酸ジブチルスズ(0.12g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了し、反応性ポリマー(A−2)853gを得た。反応性ポリマー(A−2)は、原料に用いた水酸基含有ビニル重合体由来の主鎖と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−2)の重量平均分子量は12,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は2497g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、粘度14000mPa・s、重量平均分子量11000、水酸基当量(OHV)20mgKOH/gの水酸基含有ビニル重合体(東亜合成社製、商品名:アルフォンUH−2000)(800g)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズMOI)(53g)を投入し、窒素気流下、50℃に保持した。その後、ジラウリン酸ジブチルスズ(0.12g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了し、反応性ポリマー(A−2)853gを得た。反応性ポリマー(A−2)は、原料に用いた水酸基含有ビニル重合体由来の主鎖と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−2)の重量平均分子量は12,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は2497g/molであった。
[比較例1]
反応性ポリマー(A−2)(100g)に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(B−3)(5.4g)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(1.1g)を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、9000mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
反応性ポリマー(A−2)(100g)に、テトラヒドロフルフリルアクリレート(B−3)(5.4g)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D−1)(1.1g)を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。この組成物の粘度は、9000mPa・s/25℃であった。この組成物を用いて粘着剤シートを作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[製造例3]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、トルエン(370g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.97g)及びAIBN(5g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて100〜110℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに100〜110℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.19g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にトルエンの残留量が1%以下になるまでトルエンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−3)を得た。反応性ポリマー(A−3)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−3)の重量平均分子量は430,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、トルエン(370g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.97g)及びAIBN(5g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて100〜110℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに100〜110℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.19g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にトルエンの残留量が1%以下になるまでトルエンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−3)を得た。反応性ポリマー(A−3)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−3)の重量平均分子量は430,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
[製造例4]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(3.5g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 4.28g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−4)を得た。反応性ポリマー(A−4)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−4)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、13000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(3.5g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 4.28g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−4)を得た。反応性ポリマー(A−4)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−4)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、13000g/molであった。
[製造例5]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(5.80g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 7.09g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−5)を得た。反応性ポリマー(A−5)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−5)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、8000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(5.80g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 7.09g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−5)を得た。反応性ポリマー(A−5)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−5)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、8000g/molであった。
[製造例6]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.37g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 0.45g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−6)を得た。反応性ポリマー(A−6)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−6)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、120000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.37g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 0.45g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−6)を得た。反応性ポリマー(A−6)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−6)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、120000g/molであった。
[製造例7]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.25g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 0.31g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−7)を得た。反応性ポリマー(A−7)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−7)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、180000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.25g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 0.31g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−7)を得た。反応性ポリマー(A−7)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−7)の重量平均分子量は110,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、180000g/molであった。
[製造例8]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(400g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−8)を得た。反応性ポリマー(A−8)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−8)の重量平均分子量は45,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(400g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−8)を得た。反応性ポリマー(A−8)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−8)の重量平均分子量は45,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
[製造例9]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(500g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(1.0g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−9)を得た。反応性ポリマー(A−9)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−9)の重量平均分子量は18,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(500g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(390g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(1.0g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−9)を得た。反応性ポリマー(A−9)は、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−9)の重量平均分子量は18,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
[製造例10]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(363g)、アクリロイルモルホリン(27g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−10)を得た。反応性ポリマー(A−10)は、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリロイルモルホリンとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−10)の重量平均分子量は102,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(363g)、アクリロイルモルホリン(27g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−10)を得た。反応性ポリマー(A−10)は、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリロイルモルホリンとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−10)の重量平均分子量は102,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
[製造例11]
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(331g)、アクリロイルモルホリン(59g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−11)を得た。反応性ポリマー(A−11)は、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリロイルモルホリンとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−11)の重量平均分子量は128,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトン(200g)を仕込んだ。2−エチルヘキシルアクリレート(331g)、アクリロイルモルホリン(59g)、ヒドロキシエチルアクリレート(0.96g)及びAIBN(0.4g)の混合液を、滴下ロートに仕込み、2時間かけて85〜90℃に保持したフラスコ内に滴下し、さらに85〜90℃で6時間重合反応を行った。次いで2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI 1.17g)、ハイドロキノン(0.16g)及びジブチルスズラウレート(0.16g)をフラスコ内に加え、同温度にて付加反応を開始した。反応はイソシアネート価測定による反応率が99%以上となった時点である8時間後に終了した。次にメチルエチルケトンの残留量が1%以下になるまでメチルエチルケトンを系外に除去し、反応性ポリマー(A−11)を得た。反応性ポリマー(A−11)は、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリロイルモルホリンとヒドロキシエチルアクリレート由来の繰り返し単位を含む主鎖と、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来の二重結合を含む側鎖を有していた。反応性ポリマー(A−11)の重量平均分子量は128,000(GPC:ポリスチレン換算)、二重結合当量は、47000g/molであった。
[実施例5〜実施例13、比較例2〜比較例4]
表1に示す配合量に従い、実施例1と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物を得た。得られたアクリル系粘着剤組成物の各種評価結果を表1に示す。
表1に示す配合量に従い、実施例1と同様の方法でアクリル系粘着剤組成物を得た。得られたアクリル系粘着剤組成物の各種評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜13のアクリル系粘着剤組成物を硬化して得られた粘着剤はいずれも、粘着力、被着体への糊残り、ITO腐食性のすべての評価項目で、良好な結果を示した。これに対し、二重結合量と重量平均分子量のうちのどちらか一方もしくは両方が所定の範囲外の場合は、粘着力、被着体への糊残り、ITO腐食性のいずれかの評価項目で、良好な結果が得られなかった。
この出願は、2012年12月20日に出願された日本出願特願2012−278591を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
Claims (20)
- 主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に二重結合を含み、二重結合当量が10,000〜150,000g/molであり、重量平均分子量(Mw)が25,000〜2,000,000である反応性ポリマー(A成分)、重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、アミド基含有単量体(C成分)、及び光重合開始剤(D成分)を含有する光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記反応性ポリマー(A成分)がアミド基を含む反応性ポリマー(A’成分)である請求項1に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- アミド基を含み、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に重合性二重結合を含み、二重結合量が10,000〜150,000g/molであり、重量平均分子量(Mw)が25,000〜2,000,000である反応性ポリマー(A’成分)、重合性二重結合をただ一つ含み、アミド基を含まない単量体(B成分)、及び光重合開始剤(D成分)を含有する光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位が、アミド基含有(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位である請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記アミド基含有(メタ)アクリル系単量体が、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドである請求項4に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記N,N−2置換(メタ)アクリルアミドがアクリロイルモルホリンである請求項5に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記アミド基含有単量体(C成分)が、N,N−2置換(メタ)アクリルアミドである請求項1または2に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記N,N−2置換(メタ)アクリルアミドがアクリロイルモルホリンである請求項7に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物に含まれるカルボキシル基含有単量体の量が、前記A成分及び前記B成分の合計量100質量部に対して、5質量部以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 前記反応性ポリマー(A成分)が側鎖中にウレタン結合を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル液粘着剤組成物。
- さらに多官能(メタ)アクリレート(E成分)を含有する請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- さらにシラン化合物(F成分)を含有する請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる粘着剤。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる粘着剤シート。
- 厚みが25〜1000μmである請求項14に記載の粘着剤シート。
- 表示体上に粘着剤層を備え、該粘着剤層上に光学機能材料の層を備える表示装置であって、該粘着剤層が請求項13に記載の粘着剤を含む表示装置。
- 表示体上に粘着剤層を備え、該粘着剤層上に光学機能材料の層を備える表示装置であって、該粘着剤層が請求項14に記載の粘着剤シートである表示装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を光学機能材料に塗布し、該光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、該光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を得て、該粘着剤層により前記光学機能材料と表示装置とを接着する工程を含む表示装置の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を、離間して設置したフィルム状又はシート状の光学機能材料とフィルム状又はシート状の表示体との間に注入し、該光学機能材料側から活性エネルギー線を照射して、該光学機能材料用アクリル系粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を得る工程を含む表示装置の製造方法。
- フィルム状又はシート状の光学機能材料、請求項14に記載の粘着剤シート、及びフィルム状又はシート状の表示体をこの順に積層されるように、該光学機能材料と該粘着剤シートと該表示体とを貼り合わせる工程を含む表示装置の製造方法。
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