JPWO2014097558A1 - センサチップ - Google Patents

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卓也 岡
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Abstract

センサチップは、被検知物質を捕捉するためのプローブを含有するプローブ溶液と共に用いられるように構成されている。そのセンサチップは、基板と、基板の上面上に設けられたプローブ固定化部と、基板の上面上でプローブ固定化部の周りに設けられた液滴広がり防止部とを備える。プローブ固定化部は、プローブ溶液の液滴が滴下されることでプローブを固定化するように構成されている。液滴広がり防止部は、プローブ固定化部から液滴が広がることを防止するように構成されている。プローブ固定化部は内部に空隙を有する多孔質体からなる。このセンサチップは高い検出感度を有する。

Description

本発明は、例えば核酸、タンパク質、糖鎖、脂質、などの生体試料の検出や分析に用いられるセンサチップに関する。
従来のセンサチップのアプリケーションの一例である核酸分子やタンパク質を同時多項目で検出するデバイスとして、マイクロアレイチップが利用されている。マイクロアレイチップは例えば、DNA分子を検出するためのDNAマイクロアレイである。DNAマイクロアレイは、スライドガラスやシリコン基板の平面上に、プローブとなる核酸を固定化している。そして、核酸分子などの被検知物質を含んだ試料と反応させ、ハイブリダイゼーション反応させることによって、プローブの核酸の塩基配列に特異的なDNAやRNAを検出することができる。このプローブをスライドガラス平面上にアレイ状に固定化させることで、多種類のDNAやRNAを同時に検出することができ、DNAの分析を効率良く行うことができる。DNAマイクロアレイは、研究分野だけでなく臨床診断分野においても広く用いられている。
また、プローブを固定化する平面としてニトロセルロース、ナイロン、ポリビニリデンジフルオライドなどの樹脂を用いたプロテインアレイも利用されている。これは、プローブとして抗体やリコンビナントタンパク質などを固定化している。そして、ウイルス抗原やホルモンなどのタンパク質やペプチドなどの被検知物質と反応させることによって多種類の被検知物質を同時に検出することができる。プロテインアレイの場合、樹脂表面が疎水性であることがプローブの固定化に好適で、プローブを簡単に効率良く固定することができるため、プロテオミクス研究に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
プローブの固定化量および密度は被検知物質の検出感度に影響する。このため、検出精度が求められる分析にはこれらを厳密に制御する方法が必要になる。プローブをアレイ状に固定化する方法として、プローブとプローブ固定化物質を混合したようなプローブ溶液をセンサチップ表面にスポッティングする方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
また、センサチップ表面を活性化かつ疎水化させ、プローブをスポッティングすることによって複数種類のプローブをアレイ状に固定化したセンサチップが開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、スポッティングによるプローブ固定化におけるセンサチップの製造方法では、スポットの径は試料の表面張力によって影響を受ける場合がある。すなわち、プローブ溶液のプローブの濃度や溶液の組成が異なる場合、溶液の表面張力が変化するため接触面の大きさも変化する。その結果、マイクロアレイなどのように複数種類のプローブをアレイ状に固定化する場合、スポット径が不均一になる。従って、種類や濃度の異なるプローブ溶液のスポット径を均一にすることが求められる。また、スポッティング時の湿度や温度によってスポットの大きさが影響を受けるので、再現性高くスポット径を均一にすることが求められる。
特表2005−504309号公報 特許第4532854号公報 特許第4209494号公報
センサチップは、被検知物質を捕捉するためのプローブを含有するプローブ溶液と共に用いられるように構成されている。そのセンサチップは、基板と、基板の上面上に設けられたプローブ固定化部と、基板の上面上でプローブ固定化部の周りに設けられた液滴広がり防止部とを備える。プローブ固定化部は、プローブ溶液の液滴が滴下されることでプローブを固定化するように構成されている。液滴広がり防止部は、プローブ固定化部から液滴が広がることを防止するように構成されている。プローブ固定化部は内部に空隙を有する多孔質体からなる。
このセンサチップは高い検出感度を有する。
図1は本発明の実施の形態1におけるセンサチップの断面図である。 図2は実施の形態1におけるセンサチップのプローブの固定化方法を示す断面図である。 図3は実施の形態1におけるプローブが固定化されたセンサチップの断面図である。 図4は実施の形態1におけるセンサチップのプローブの他の固定化方法を示す断面図である。 図5は実施の形態1におけるプローブが固定化されたセンサチップの断面図である。 図6Aは実施の形態1におけるセンサチップの製造方法及びプローブの固定化方法を示す断面図である。 図6Bは実施の形態1におけるセンサチップの製造方法及びプローブの固定化方法を示す断面図である。 図6Cは実施の形態1におけるセンサチップの製造方法及びプローブの固定化方法を示す断面図である。 図6Dは実施の形態1におけるセンサチップの製造方法及びプローブの固定化方法を示す断面図である。 図6Eは実施の形態1におけるセンサチップの製造方法及びプローブの固定化方法を示す断面図である。 図7は実施の形態1における他のセンサチップの断面図である。 図8Aは本発明の実施の形態2におけるセンサチップの断面図である。 図8Bは実施の形態2における他のセンサチップの断面図である。 図8Cは実施の形態2におけるさらに他のセンサチップの断面図である。 図9は本発明の実施の形態3におけるセンサチップの断面図である。 図10は実施の形態3におけるセンサチップのプローブの固定化方法を示す断面図である。 図11は実施の形態3における他のセンサチップの上面斜視図である。 図12は実施の形態3におけるセンサチップの検体反応を示す拡大図である。 図13は実施の形態3におけるセンサチップの検出方法を示す断面図である。 図14Aは実施の形態3におけるセンサチップの製造方法を示す断面図である。 図14Bは実施の形態3におけるセンサチップの製造方法を示す断面図である。 図14Cは実施の形態3におけるセンサチップの製造方法を示す断面図である。 図15は実施の形態3におけるさらに他のセンサチップの断面図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるセンサチップ1の断面図である。センサチップ1は、基板2と、基板2の上面2A上に設けられたプローブ固定化部3と、基板2の上面2A上に設けられた液滴広がり防止部4とを備える。
プローブ固定化部3は、被検知物質を捕捉するためのプローブを固定化するように構成されている。被検知物質とは、プローブと特異的に反応する物質のことであり、例えば、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質、などの生体試料である。
液滴広がり防止部4はプローブ固定化部3の周辺に設けられており、プローブ固定化部3にスポットされる液滴の広がりを防止する。
基板2としては、例えば、ガラス、シリコン、石英、セラミック、二酸化ケイ素、金属などの無機材料あるいは、COC、COP、PC、PMMA、SAN、PSなどの樹脂あるいは有機材料を用いることができる。例えば上面2Aを含む表面の平坦性として表面は5μm以内の凸凹を有する石英平板が基板2として好ましい。
プローブ固定化部3は基板2の上面2Aそのものであってもよい。また、プローブ固定化部3は基板2の上面2Aに導入された化学官能基であってもよい。
例えば、上面2Aにシラノール基を有する基板2では、上面2Aにシランカップリング剤により表面修飾を行うことでシラノール基を上面2Aに導入することができる。
また、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2%酢酸水溶液中で攪拌し、加水分解反応を30分から1時間行う。その後、その溶液を基板2の上面2A上に滴下し、室温下で30分以上反応させることによって、基板2の上面2A上にエポキシ基を導入することができる。プローブとして抗体などのタンパク質を用いる場合、導入されたエポキシ基はプローブと脱水縮合によって共有結合されるため、プローブをプローブ固定化部3上に固定化することができる。
なお、所望のシランカップリング剤を使用することによって様々な化学官能基を基板2の上面2Aに導入することができる。化学官能基としては、例えばイソシアネート基、カルボキシル基、メタクリロキシ基、アミノ基、アクリル基、ビニル基、アルデヒド基、マレイミド基などを導入することができる。このため、プローブの種類に応じて最適の表面処理を選択することができる。
液滴広がり防止部4は、例えば、基板2の上面2Aと平行の方向に配置されている。基板2の上面2Aと平行に配置されることによって、プローブ固定化部3を上面2Aと平行な方向に構成することができ、同一平面内をスキャンすることで、複数のプローブを同時に検出しやすくなる。
液滴広がり防止部4には、例えば、撥水コーティングなどの疎水性の高い表面処理剤を用いて疎水性をもたらす表面処理を施してもよい。疎水性の高い表面処理剤として例えばn−オクタデシルトリクロロシランを用いて直鎖状炭化水素を基板2の上面2Aに導入することで撥水性を付与することができる。なお、撥水性を付与するための表面処理剤としてはこれに限定されるものでない。例えば、フッ素化合物などの疎水性表面処理剤を同様に用いることができる。疎水性の高い表面処理としては、例えば水の接触角が80度より大きくなるような表面処理が望ましく、より好ましくは接触角が150度より大きくなるような表面処理剤が用いられる。接触角が150度より大きくなる超撥水表面においては、プローブ5と被検知物質との反応時に生じる非特異的吸着によるノイズも抑えられるので、センサチップ1の検出感度を高くすることができる。
液滴広がり防止部4が1種類以上の表面処理からなっていてもよい。このような構成によって、平坦性を維持したまま液滴広がり防止部4を構成することができ、凹凸による検出感度への影響をなくすことができる。
図2は実施の形態1におけるセンサチップ1のプローブ5の固定化方法を示す断面図である。図3はプローブ5が固定化されたセンサチップの断面図である。
図2に示すように、センサチップ1にプローブ5を含んだプローブ溶液6をプローブ固定化部3の上面3A上に滴下する。プローブ5としては、例えば抗体や受容体などの、特定物質と選択的に結合するタンパク質や相補配列とハイブリダイズする核酸又は核酸様物質が用いられる。プローブ5はこれら生体高分子に限定されるものではなく、所望の被検知物質に特異的に結合する分子をプローブ5として利用することができる。例えばコンビナトリアルケミストリーで得た低分子化合物をプローブ5として用いることでリガンドを探索することができる。
また、プローブ溶液6としては、例えば、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウラートを含有した緩衝液にプローブ5を懸濁させた溶液が用いられ、例えば、1μg/mL〜1mg/mLのモノクローナル抗体を懸濁させた界面活性剤入りリン酸緩衝液が用いられる。
なお、プローブ溶液6としてはこれら界面活性剤に限定されるものではなく、プローブ5の安定化のために加えられるトレハロースなどの多糖類やNaN3などの防腐剤が用いられる。あるいは、プローブ固定化部3との結合を促進するN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)などの活性物質も用いてプローブ5とプローブ固定化部3との結合を促進させることができる。
例えばインクジェットなどのマイクロディスペンサーを用いて一定量のプローブ溶液6を基板2の上面2A上に吐出することができる。プローブ固定化部3は、直径10〜1000μmの円形状を有することが望ましく、より望ましくは直径10〜200μmの円形状を有する。この場合、プローブ固定化部3に吐出されるプローブ溶液6の量は1pL〜100nLである。
プローブ固定化部3を直径10μm以上のスポットとすることで、汎用的なレーザースキャナの解像度で精度良く検出することができる。また、プローブ固定化部3を直径200μm以下にすることによって、汎用的に用いられるSociety for Biomolecular Screening(SBS)フォーマットの9mm間隔に配置された同一反応区画の中に200〜300個のプローブ固定化部3を配置することができ、それらのプローブ固定化部3に固定されたプローブに対して同時多項目検査を容易に行うことができるようになる。
上記構成において、プローブ溶液6が液滴広がり防止部4によってはじかれることによって、プローブ溶液6が接触する平面がプローブ固定化部3に限定される。その結果、図3に示すようにプローブ5がプローブ固定化部3上にのみ固定化され、液滴広がり防止部4の上面4Aには固定化されない。
図4は実施の形態1におけるセンサチップ1のプローブ溶液が多い場合のプローブの固定化方法を示す断面図である。図5は実施の形態1におけるプローブ溶液が多い場合のプローブが固定化されたセンサチップの断面図である。プローブ5の固定化される量を増加させるために、スポットするプローブ溶液6の量を増量する場合がある。この場合であっても、液滴広がり防止部4によってプローブ溶液6がプローブ固定化部3上に制限されるので、図5に示すようにプローブ5がプローブ固定化部3上にのみ固定化され、液滴広がり防止部4の上面4Aには固定化されない。
プローブ溶液6の吐出量はプローブ溶液6の粘性の影響を受けるので、再現性良く吐出量を制御するために、プローブ溶液6でのプローブ5の濃度が一定になるように調整する。液滴広がり防止部4が無い場合には、プローブ5の固定化される量を増加させるためにプローブ溶液6の吐出量を増加させると、プローブ溶液6の吐出量に応じて基板2上のスポットの接触面積が大きくなり、プローブ5が固定化される面積も大きくなる。
プローブ溶液6が液滴の拡がりやすい表面張力の小さな溶液である場合にはスポット径を小さくすることが難しい。スポット径を規定する実施の形態1における方法は、均一性が求められる診断などの分析用途に対しては有効である。
また、複数のスポット径が不均一となる場合、固定化されたプローブ5の密度も不均一となり、プローブ5と被検知物質との反応などで得られるシグナル強度も不均一となるので、検査の再現性が悪くなる。図5に示すように、予め規定したプローブ固定化部3上にのみプローブ5が固定化されることによって、シグナル強度の再現性を高めることができる。
液滴広がり防止部4はフォトリソグラフィ法で形成することができる。図6Aから図6Eは実施の形態1におけるセンサチップ1の製造方法を示し、特にプローブ5の固定化方法を示す断面図である。
基板2を準備する。ここで基板2としてはスライドガラスを用いる。光架橋性ポリマー100の水溶液を基板2の上面2A上にコーティングする。例えば、光架橋性ポリマー100の水溶液としてBIOSURFINE−AWP(東洋合成工業製)を1.2%水溶液になるように純水で希釈して作成する。スピンコータを用いてその水溶液を基板2の上面2A上にコーティングする。回転数1000rpmにて30秒その水溶液をスピンコートすることによって、図6Aに示すように、膜厚約0.8μmの光架橋性ポリマー100を基板2の上面2A上に形成することができる。
次に、図6Bに示すように、光架橋性ポリマー100の上面にマスク101を接触させ、紫外線(UV)を照射して光架橋性ポリマー100の光架橋を行う。例えば、直径200μmで400μmのピッチ間隔を有したマスク101を接触させ、マスク101の上方から100mJのUVを照射し光架橋性ポリマー100の光架橋を行う。
UVを照射した後の基板2を純水中に1分間静置し、UVで硬化されていないポリマー100を水で洗って除去し、ドライエアーを吹き付けて基板2を乾燥させる。その結果、図6Cに示すように、UV硬化によって耐水性を有する硬化樹脂膜よりなる液滴広がり防止部4が形成される。そして、液滴広がり防止部4の間の洗浄によって光架橋性ポリマーが除去された空隙がプローブ固定化部3として機能する。
次に、図6Dに示すように、プローブ固定化部3を有する基板2の上面2A上にプローブ溶液6を滴下しプローブ5を固定化させる。例えば、2.5μg/mlになるように希釈したストレプトアビジンCy3を滴下し、5分間室温にて静置する。その後、基板2を純水中に1分間静置して洗浄し、ドライエアーを吹き付けて基板2を乾燥させることにより、図6Eに示すようにプローブ固定化部3にプローブ5を固定化させる。
その結果、プローブ固定化部3の直径は均一な200μmとなった。さらに、レーザースキャナにてセンサチップ1の平均蛍光強度を算出したところ、液滴広がり防止部4上での平均蛍光強度は309であり、プローブ5が固定化されたプローブ固定化部3上での平均蛍光強度は1113であった。
上記のように、プローブ溶液6の広がりを規定する液滴広がり防止部4をフォトリソグラフィによって形成することで、均一な径を有するプローブ固定化部3を作製することができる。
上述のように、センサチップ1は、被検知物質を捕捉するためのプローブ5を含有するプローブ溶液6と共に用いられるように構成されている。センサチップ1は、基板2と、基板の上面2A上に設けられたプローブ固定化部3と、基板2の上面2A上でプローブ固定化部3の周りに設けられた液滴広がり防止部4とを備える。プローブ固定化部3は、プローブ溶液6の液滴が滴下されることでプローブ5を固定化するように構成されている。液滴広がり防止部4は、プローブ固定化部3から液滴が広がることを防止するように構成されている。
図7は実施の形態1における他のセンサチップ21の断面図である。図7において、図1に示すセンサチップ1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図7に示すセンサチップ21は、液滴広がり防止部4の代わりに、基板2の上面2Aに設けられた液滴広がり防止部24を備える。液滴広がり防止部24は基板2の上面2Aから突出して配置されている。
液滴広がり防止部24は基板2と同じ材質で構成することができる。例えば基板2を樹脂素材で構成する場合は、金型成型や射出成型あるいは切削成型などで液滴広がり防止部24を有する基板2を形成することができる。基板2の上面2Aから突出する液滴広がり防止部24の高さを1〜100μmとすることで、プローブ固定化部3の外形や面積を規定することができる。
また、突出した液滴広がり防止部24を無機素材で構成する場合は、基板2の化学エッチングや切削成型の際に作製することができる。
また、突出した液滴広がり防止部24の高さとしては10μm〜1mmが好ましい。突出した液滴広がり防止部24の高さを10μm以上とすることによって、汎用的に用いられる微小液滴吐出装置で吐出されるサブnLの液滴を直径200μmの円形状のプローブ固定化部3に捕捉させることができる。また、突出した液滴広がり防止部24の高さを1mm以下とすることで、汎用的な蛍光スキャナーのスキャンを妨害することなく容易にプローブ固定化部3と液滴広がり防止部24をスキャンさせることができる。
液滴広がり防止部24は基板2の上面2Aに直接接合した繊維状の構造物で形成することもできる。例えば基板2の上面2A上に繊維状の構造物を直接作製する方法として、化学蒸着法や気相蒸着法を用いることができる。なお、繊維状の構造物の表面にさらに疎水性を付与する表面処理剤で表面処理を施してもよい。
上記構成において、プローブ溶液6がプローブ固定化部3上にのみ捕捉されることとなり、プローブ溶液6の量が変化してもプローブ5が固定化される面積を均一にすることができ、センサチップ21により抗原抗体反応などで得られるシグナル強度を均一化することができる。
(実施の形態2)
図8Aは本発明の実施の形態2におけるセンサチップ31の断面図である。図8Aにおいて、図1に示す実施の形態1におけるセンサチップ1と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態2におけるセンサチップ31は、図1に示す実施の形態1におけるセンサチップ1のプローブ固定化部3の代わりに、多孔質体からなるプローブ固定化部33を備える。
多孔質体の材料として、例えば、活性炭や珪藻土、多孔質シリカなどの材料を1nm〜100μmの膜厚に焼成した素材や、ニトロセルロースなどのような多孔質成膜した素材、あるいは、シリコンなどの基材を化学エッチングなどの方法で多孔質に改質した素材などを用いることができる。
液滴広がり防止部4の形状や高さは限定されない。液滴広がり防止部4は、基板2の上面2Aの所定の深さに配置されていてもよく、例えば図7に示す実施の形態1におけるセンサチップ21の突出した液滴広がり防止部24であってもよい。液滴広がり防止部4は多孔質体で構成してもよい。多孔質体の材料として、例えば、活性炭や珪藻土、多孔質シリカなどの材料を1nm〜100μmの膜厚に焼成した素材や、ニトロセルロースなどのような多孔質成膜した素材、あるいは、シリコンなどの基材を化学エッチングなどの方法で多孔質に改質した素材などを用いることができる。
液滴広がり防止部4の表面は表面処理されていることが望ましい。例えば、液滴広がり防止部4に撥水性の表面処理を施しておくことによってプローブ固定化部33にのみプローブ溶液6を捕捉させることができる。これにより、プローブ固定化部33が多孔質体であっても、プローブ5を固定化する領域を容易に均一にすることができる。
液滴広がり防止部4が空隙を有する多孔質体で形成されている場合は、多孔質体の内部まで、撥水性の処理を施すことが好ましい。これにより、プローブ溶液6の液滴の広がりをさらに抑制することができる。
以上述べたように、センサチップ31は、被検知物質を捕捉するためのプローブ5を含有するプローブ溶液6と共に用いられるように構成されている。センサチップ31は、基板2と、基板2の上面2A上に設けられたプローブ固定化部33と、基板2の上面2A上でプローブ固定化部33の周りに設けられた液滴広がり防止部4とを備える。プローブ固定化部33は、プローブ溶液6の液滴が滴下されることでプローブ5を固定化するように構成されている。液滴広がり防止部4は、プローブ固定化部33から液滴が広がることを防止するように構成されている。プローブ固定化部33は内部に空隙を有する多孔質体からなる。
図8Bは実施の形態2における他のセンサチップ31Aの断面図である。図8Bにおいて、図8Aに示すセンサチップ31と同じ部分には同じ参照番号を付す。センサチップ31Aは、基板2の上面2A上に設けられた多孔質体51を備える。プローブ固定化部33と液滴広がり防止部34は1つの多孔質体51よりなる。液滴広がり防止部34は疎水性を有し、プローブ固定化部33は親水性を有する。液滴広がり防止部34はプローブ固定化部33よりも高い疎水性を有する。多孔質体51に疎水化処理を施すことで液滴広がり防止部34を形成することができる。もしくは、多孔質体51に親水化処理を施すことでプローブ固定化部33を形成することができる。
図8Cは実施の形態2におけるさらに他のセンサチップ31Bの断面図である。図8Cにおいて、図8Bに示すセンサチップ31Aと同じ部分には同じ参照番号を付す。センサチップ31Bは、センサチップ31Aの多孔質体51の上面51Aに設けられた多孔質体151と、多孔質体151の上面151Aに設けられた多孔質体251とをさらに備える。多孔質体151には、多孔質体51のプローブ固定化部33と液滴広がり防止部34とそれぞれ同じ特性を有するプローブ固定化部133と液滴広がり防止部134が設けられている。多孔質体251には、多孔質体51のプローブ固定化部33と液滴広がり防止部34とそれぞれ同じ特性を有するプローブ固定化部233と液滴広がり防止部234が設けられている。すなわち、プローブ固定化部33、133、233は、プローブ溶液の液滴が滴下されることでプローブを固定化するように構成されている。液滴広がり防止部34、134、234は、プローブ固定化部33、133、233の周りに設けられて、プローブ固定化部33、133、233から液滴が広がることを防止するように構成されている。液滴広がり防止部34、134、234は疎水性を有し、プローブ固定化部33、133、233は親水性を有する。液滴広がり防止部34、134、234はプローブ固定化部33、133、233よりも高い疎水性を有する。プローブ固定化部133は液滴広がり防止部34の上面34A上に位置する。液滴広がり防止部134はプローブ固定化部33の上面33A上に位置する。プローブ固定化部233は液滴広がり防止部134の上面134A上に位置する。液滴広がり防止部234はプローブ固定化部133の上面133A上に位置する。多孔質体51、151、251は積層されて1つの多孔質体551を構成する。多孔質体51、151、251は、それぞれ同じ材料で構成されていても、異なる材料で構成されていてもよい。なお、多孔質体551は、実際に積層された構造ではなく、多孔質体551の内部を、仮想的に多孔質体51、151、251からなる積層構造とみなしてもよい。このように、基板2の上面2A上に設けられた空隙を有する多孔質体551の厚み方向に、親水性を有するプローブ固定化部33、133、233と撥水性を有する液滴広がり防止部34、134、234を選択的に配置することにより、プローブ固定化部33、133、233を空間的に設けることができる。
プローブ固定化部33、133、233を空間的に設けることにより、被検知物質を捕捉する領域をセンサチップ31Bの厚み方向すなわち基板2の上面2Aと直角の方向に形成することが出来るので、センサチップ31Bを大きくすることなく、検出領域を増加させることができる。センサチップ31Bの1枚あたりの検出領域を増加させることにより、一度に複数の異なる被検知物質を検出できる。
多孔質体551の厚み方向に検出領域が設けられている場合は、例えば、共焦点顕微鏡を使うことで、それぞれの検出領域で被検知物質を検出することができる。
プローブ固定化部33(133,233)を多孔質材料とすることによって、プローブ5を固定化するための比表面積を増加させることができ、より多くのプローブ5を固定化することができる。このため、プローブ5で捕捉できる被検知物質が多くなり、センサチップ31(31A、31B)を高感度化できる。
また、多孔質体51、551の厚みを100μmとすることで、汎用的な蛍光スキャナーの焦点距離内にシグナルを限定することができ、センサチップ31A、31Bの検出効率を上げることができる。
(実施の形態3)
図9は本発明の実施の形態3におけるセンサチップ41の断面図である。図9において、図1に示す実施の形態1におけるセンサチップ1と同じ部分には同じ参照符号を付す。センサチップ41は、基板2の上面2A上に設けられた繊維シート7を備える。繊維シート7は複数の空隙907を内部に有する多孔質体である。繊維シート7には、実施の形態1におけるプローブ固定化部3と液滴広がり防止部4とそれぞれ同様の機能を有するプローブ固定化部43と液滴広がり防止部44とが設けられている。繊維シート7は互いに絡み合う複数の繊維8よりなり、複数の繊維8の間には空隙907が形成されている。
繊維シート7の複数の繊維8はアモルファス二酸化ケイ素(以下、単に二酸化ケイ素と呼ぶ)からなり、互いに絡み合うことで接続されて、基板2の上面2Aと平行に広がるシート形状を構成している。
繊維シート7は基板2の上面2Aと熱硬化樹脂や紫外線(UV)硬化樹脂などの接着剤を用いて間接的に結合させることができるが、プラズマ活性化処理などを行い直接接合することもできる。
基板2が、例えばシリコン、石英、セラミックなどのケイ素を含む材料よりなる場合、繊維8を加熱することによって繊維8の一部を熱溶融させて基板2の上面2A上に熱溶融させることができる。これにより、接着剤を用いることなく基板2上に繊維8を簡便に結合させることができ、コストを低減させることもできる。熱溶融によるこの方法ではまた、接着剤などの揮発性の高い有機成分を使用しないので、二酸化ケイ素よりなる繊維8に対する汚染を少なくすることができる。
例えばシリコンや石英よりなる基板2にあらかじめホスホラスシリカガラス(PSG)膜やボロホスホシリカガラス(BSG)膜などを接着層として付けておき、1000℃に加熱することによって、二酸化ケイ素よりなる繊維8を溶融することなく、基板2の上面2Aに結合させることができる。このように二酸化ケイ素よりも融点の低い膜を基板2の上面2Aに設けておくことによって、繊維8の熱溶融による構造変化を抑止し、繊維シート7の広い表面積と高い空隙率を維持したまま繊維シート7(繊維8)を基板2の上面2Aに結合させることができる。
基板2の上面2Aにあらかじめ塗布しておく接着層として、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いることによって、二酸化ケイ素よりなる繊維8を熱溶融させなくても押止することによって基板2に強固かつ簡便に結合させることができ、コストを低減させることができる。
二酸化ケイ素よりなる複数の繊維8のそれぞれの少なくとも一箇所で互いに結合させて繊維シート7を形成することもできる。例えば、繊維シート7に約1100℃以上の熱を加えると、繊維8は熱溶融を起こす。互いに隣り合い接触している繊維8が熱溶融を起こすと、冷却される過程で接触している箇所が結合し、複数の繊維8が互いに結合した繊維シート7を形成する。これによって互いの二酸化ケイ素繊維8が分離しないので繊維シート7が取扱いやすくなる。
繊維シート7の厚みは10〜100μmが好ましい。10μm以上の厚みを有することにより、繊維シート7のプローブ固定化部43の基板2の上面2Aに対する投影面積当たりの表面積を高めることができる。なお、光学的な検出を容易にするために繊維シート7の厚みは大きすぎない方が好ましい。広い表面積を有効に光学検出に使うために繊維シート7の膜厚を100μm以下とすることが望ましい。
繊維8の太さを0.01μm以上とすることによって、プローブ固定化部43に固定化されるプローブ5の密度を容易に上げることができる。例えば、プローブ5としてIgG抗体を用いた場合、IgG抗体の大きさが直径約10nmであることから、繊維8の太さを10nm以上にすることによって、プローブ5自身の立体障害を回避することができ、1本の繊維8に結合できるプローブ5の数を増やすことができる。
図9に示すように、繊維シート7を構成する複数の繊維8は親水性繊維8aと疎水性繊維8bとを含む。疎水性繊維8bが基板2の上面2A上に配置されており、親水性繊維8aは疎水性繊維8bの上面に配置されている。すなわち、親水性繊維8aは疎水性繊維8bを介して基板2の上面2Aの上方に配置されている。プローブ固定化部43は親水性繊維8aによって構成されている。親水性繊維8aとしては例えば、二酸化ケイ素よりなる繊維8の表面に親水性を付与する表面処理剤で表面処理された繊維が望ましい。例えばシランカップリング剤で繊維8の表面にカルボキシル基やエポキシ基などを導入することで、親水性繊維8aが得られる。また、二酸化ケイ素よりなる繊維8の表面に疎水性を付与する表面処理剤で表面処理を施すことで疎水性繊維8bが得られる。例えばシランカップリング剤を用いて繊維8の表面にメタクリロキシ基やアクリル基、あるいはフルオロ基などを導入することで疎水性繊維8bが得られる。
図10は実施の形態3におけるセンサチップ41のプローブ5固定化方法を示す断面図である。プローブ5を含有するプローブ溶液6をプローブ固定化部43にスポッティングすると、プローブ溶液6が液滴広がり防止部44の疎水性繊維8bにはじかれることによって、プローブ溶液6が分散する領域が親水性繊維8aで構成されたプローブ固定化部43に限定されるので、プローブ5はプローブ固定化部43にのみ固定化され、液滴広がり防止部44には固定化されない。したがって、センサチップ41はプローブ5が固定化される領域の面積を規定することができるので、精度良くプローブ固定化部43の空間形状を制御することができる。
図11は実施の形態3における他のセンサチップ41Aの上面斜視図である。センサチップ41Aは、基板2の上面2A上に設けられた複数の繊維シート7を備える。図11に示すように、複数の繊維シート7はそれぞれ円形状を有し、基板2の上面2Aと平行に配置されている。繊維シート7のそれぞれには複数のプローブ固定化部43が設けられている。このように空間的容量を制御されたプローブ固定化部43を基板2から一定距離を設けて、基板2の上面2Aと平行な方向に複数のプローブ固定化部43を配置することができる。
実施の形態3におけるセンサチップ41、41Aにおいて、目的となる被検知物質をプローブ5と効率よく接触させて反応させることで、センサチップ41Aの検出感度を高くすることができる。また、プローブ5に捕捉された被検知物質を高密度に濃縮することで、センサチップ41Aに接続される検出器での被検知物質の検出効率を上げることができ、感度を高くすることができる。
基板2の表面付近では検体の液流動性が低下する場合がある。上記構成においてプローブ固定化部43を基板2から一定の距離だけ離れて配置することによって、基板2の表面付近の検体の液流動性低下の影響を受けることなく、液流動性の高いプローブ固定化部43でのみ、プローブ5と被検知物質との接触反応を起こすことができ、反応効率を高めることができ、センサチップ41、41Aの感度を向上させることができる。
また、被検知物質を基板2の上面2Aと直角の繊維シート7の深さ方向に分散させることなくプローブ5で捕捉することによって、被検知物質を濃縮することができ、センサチップ41、41Aの感度を高くすることができる。
センサチップ41Aでは、複数のプローブ固定化部43が同一平面内(基板2の上面2A上)に配置されているので、それぞれのプローブ固定化部43にそれぞれ異なる種類のプローブ5を固定化させることによって複数種類の被検知物質を同時に検出することができる。
以下、実施の形態3におけるセンサチップ41、41Aの使用方法について説明する。
図12は、センサチップ41、41Aでの検体反応を示す拡大図である。プローブ固定化部43での親水性繊維8aの表面にプローブ5が固定化されている。プローブ5に被検知物質9が結合する。そして、プローブ5に結合した被検知物質9を標識10が捉えることによって、被検知物質9が存在した場合に、親水性繊維8aが標識10によってラベルされる。
上記構成において、複数の親水性繊維8a間に形成された空隙内に被検知物質9及び標識10を含んだ水溶液を反応させることによって、被検知物質9を介して標識10が親水性繊維8aに捕捉される。捕捉されていない標識10を洗い流すことによって、被検知物質9の量に依存した標識10が親水性繊維8aに捕捉されて残る。そして、親水性繊維8aに捕捉されて残された標識10を定量することによって被検知物質9の量を検出することができる。標識10としては例えば、Cy3やCy5などの蛍光分子が好適で、蛍光分子それぞれを励起する励起波長に一致した光を照射することによって蛍光分子が発する蛍光を検出して標識10を定量することができる。
図13は実施の形態3におけるセンサチップ41、41Aの検出反応を示す断面図である。図13ではセンサチップ41、41Aの検出反応を示す一様態として上述の蛍光検出方法を示しているが、検出反応としてこの方法に限定されるものではない。
例えば、上述の方法によって、標識10として蛍光分子を繊維シート7のプローブ固定化部43である親水性繊維8aに捕捉させる。
次に標識10に特異的な励起波長を有する励起光源11で、励起光を照射し、標識10の蛍光分子からの蛍光を蛍光検知部12で検出する。例えば蛍光分子としてCy3を用いた場合は励起光源11が発生する532nmの波長を有するレーザーを用いることができ、放出される550nmの波長の蛍光を蛍光検知部12で検出することができる。蛍光検知部12としては例えばCCDや光電子倍増管などが用いられ、所望の蛍光の波長だけ透過する蛍光フィルターを用いることで高感度にその蛍光を検出することができる。
また、蛍光分子としては例えばCy3やCy5などが用いられ、異なる蛍光波長を有する複数の蛍光分子を親水性繊維8aに捕捉させることもできる。
上記構成において、センサチップ41の繊維シート7上に捕捉された標識10である蛍光分子を蛍光検知部12で得られた出力を元に定量することができ、被検知物質9を定量することができる。
以下、実施の形態3におけるセンサチップ41の製造方法について説明する。図14Aから図14Cは、実施の形態3におけるセンサチップ41の製造方法を示す断面図である。
図14Aに示すように、上面2Aに繊維シート7が結合した基板2を準備する。繊維シート7の繊維8の表面に全体的に疎水性を付与する表面処理を施すことによって、疎水性繊維8bからなる繊維シート7を作製する。
次に、図14Bに示すように、マスク102を用いてUVエキシマレーザーなどの光照射装置を用いて光を疎水性繊維8b上に照射する。
マスク102としては、例えば、クロム遮光されたガラス板などが用いられる。また、遮光形状を変更することによってUVを照射するUV照射領域をコントロールすることができ、また、複数のUV照射領域に同時に照射することができる。
UV照射レーザーのUVが疎水性繊維8bに照射されることによって、疎水性繊維8bに導入されていた疎水性分子が酸化によって除去され、疎水性繊維8bは疎水性を失い親水性繊維8aに変質する。このとき、照射される光のエネルギーを調節することによって、繊維シート7の疎水性を失わせる領域の深さを調節することができる。
上記方法によって、図14Cに示すように、所定の深さまで疎水性を失わせた領域を作製することによって、プローブ固定化部43を空間的に規定することができる。上記の深さは任意に設定することができる。
なお、疎水性を失わせた領域に対して、再度シランカップリング剤などで表面処理を行うことによって、例えば、エポキシ基や、カルボキシル基などのようなプローブ5と共有結合しうる親水性の化学官能基を導入して親水性繊維8aよりなるプローブ固定化部43を作製することもできる。
図15は実施の形態3におけるさらに他のセンサチップ41Bの断面図である。図15において図9に示すセンサチップ41と同じ部分には同じ参照番号を付す。センサチップ41Bは、図9に示すセンサチップ41の繊維シート7の代わりに、基板2の上面2A上に設けられて空隙907を有する繊維シート507を備える。繊維シート507は内部に複数の空隙907を有する多孔質体である。繊維シート507の厚み方向すなわち基板2の上面2Aと直角の方向に、親水性を有する部分であるプローブ固定化部43、143と撥水性を有する部分である液滴広がり防止部44、144を選択的に配置することにより、プローブ固定化部43、143を空間的に設けることができる。プローブ固定化部43は互いに結合する複数の親水性繊維8aよりなり、プローブ固定化部143は互いに結合する複数の親水性繊維108aよりなる。液滴広がり防止部44は互いに結合する複数の疎水性繊維8bよりなり、液滴広がり防止部144は互いに結合する複数の疎水性繊維108bよりなる。繊維シート507は、基板2の上面2A上に設けられた繊維シート7と、繊維シート7の上面7A上に設けられた繊維シート107とで構成されていてもよい。繊維シート107は複数の空隙907を有する多孔質体である。図14Aから図14Cに示すプローブ固定化部43と液滴広がり防止部44とを有する繊維シート7と同様に、プローブ固定化部143と液滴広がり防止部144とを有する繊維シート107を作製することができる。繊維シート7、107を積層することにより、プローブ固定化部43、143を空間的に設けることができる。
プローブ固定化部43、143を空間的に設けることにより、被検知物質を捕捉する複数のプローブ固定化部43、143をセンサチップ41Bの厚み方向に形成することが出来るので、センサチップ41Bを大きくすることなく、被検知物質を検出する検出領域を増加させることができる。1つのセンサチップ41Bあたりの検出領域を増加させることにより、一度に複数の異なる被検知物質を検出できる。
繊維シート7の厚み方向に複数の検出領域が形成される場合は、例えば、共焦点顕微鏡を使うことでそれぞれの検出領域で被検知物質を検出することができる。
上述のように、図15に示すセンサチップ41Bは、基板2と、基板2の上面2A上に設けられたプローブ固定化部43と、基板2の上面2A上でプローブ固定化部43の周りに設けられた液滴広がり防止部44と、液滴広がり防止部44の上面44A上に設けられたプローブ固定化部143と、プローブ固定化部143の周りに設けられた液滴広がり防止部144とを備える。プローブ固定化部43、143は、プローブ溶液6の液滴が滴下されることでプローブ5を固定化するように構成されている。液滴広がり防止部44、144は、プローブ固定化部43、143からその液滴が広がることを防止するように構成されている。プローブ固定化部143と液滴広がり防止部144は、液滴広がり防止部44の上面とプローブ固定化部43の上面にそれぞれ設けられている。プローブ固定化部143からその液滴が広がることを防止するように構成されている。プローブ固定化部43は内部に空隙を有する多孔質体からなる。その多孔質体は繊維8a、8bからなる繊維シート7である。プローブ固定化部143は内部に空隙を有する多孔質体からなる。その多孔質体は繊維108a、108bからなる繊維シート107である。
実施の形態1〜3において、「上面」「上方」等の方向を示す用語は、基板やプローブ固定化部等のセンサチップの構成部分の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示し、鉛直方向等の絶対的な方向を示すものではない。
本発明にかかるセンサチップは、例えばプロテオミクス研究や病気の診断などのバイオアッセイに用いるデバイスとして利用できる。
1,21,31,41,41A,41B センサチップ
2 基板
3 プローブ固定化部(第1のプローブ固定化部、第2のプローブ固定化部)
4 液滴広がり防止部(第1の液滴広がり防止部、第2の液滴広がり防止部)
5 プローブ
6 プローブ溶液
7,107,507 繊維シート(第1の繊維シート、第2の繊維シート)
8 複数の繊維
8a 複数の繊維(第1の複数の繊維)
8b 複数の繊維(第2の複数の繊維)
9 被検知物質
33 プローブ固定化部(第1のプローブ固定化部)
34 液滴広がり防止部(第1の液滴広がり防止部)
43 プローブ固定化部(第1のプローブ固定化部)
44 液滴広がり防止部(第1の液滴広がり防止部)
108a,108b 繊維
133 プローブ固定化部(第2のプローブ固定化部)
134 液滴広がり防止部(第2の液滴広がり防止部)
143 プローブ固定化部(第2のプローブ固定化部)
144 液滴広がり防止部(第2の液滴広がり防止部)
907 空隙

Claims (14)

  1. 被検知物質を捕捉するためのプローブを含有するプローブ溶液と共に用いられるように構成されたセンサチップであって、
    基板と、
    前記基板の上面上に設けられて、前記プローブ溶液の液滴が滴下されることで前記プローブを固定化するように構成された第1のプローブ固定化部と、
    前記基板の前記上面上で前記第1のプローブ固定化部の周りに設けられて、前記第1のプローブ固定化部から前記液滴が広がることを防止するように構成された第1の液滴広がり防止部と、
    を備え、
    前記第1のプローブ固定化部は内部に空隙を有する第1の多孔質体からなる、センサチップ。
  2. 前記第1の多孔質体は、前記空隙を形成する複数の第1の繊維からなる第1の繊維シートである、請求項1に記載のセンサチップ。
  3. 前記第1の複数の繊維はアモルファス二酸化ケイ素よりなる、請求項2に記載のセンサチップ。
  4. 前記第1の繊維シートは円形状を有する、請求項2に記載のセンサチップ。
  5. 前記第1の液滴広がり防止部の上面上に設けられて、前記プローブ溶液の液滴が滴下されることで前記プローブを固定化するように構成された第2のプローブ固定化部と、
    前記第2のプローブ固定化部の周りに設けられて、前記第2のプローブ固定化部から前記液滴が広がることを防止するように構成された第2の液滴広がり防止部と、
    をさらに備え、
    前記第2のプローブ固定化部は内部に空隙を有する第2の多孔質体からなる、請求項1に記載のセンサチップ。
  6. 前記第1の多孔質体は、前記空隙を形成する複数の第1の繊維からなる第1の繊維シートであり、
    前記第2の多孔質体は、前記空隙を形成する複数の第2の繊維からなる第2の繊維シートである、請求項5に記載のセンサチップ。
  7. 前記第1の繊維シートは前記基板の前記上面上に直接あるいは間接的に結合されている、請求項6に記載のセンサチップ。
  8. 前記第2の複数の繊維と前記第1の複数の繊維とはアモルファス二酸化ケイ素よりなる、請求項6に記載のセンサチップ。
  9. 前記第2の液滴広がり防止部は前記第1のプローブ固定化部の上面に設けられている、請求項5に記載のセンサチップ。
  10. 前記基板の前記上面上に設けられて、前記プローブ溶液の液滴が滴下されることで前記プローブを固定化するように第2のプローブ固定化部と、
    前記基板の前記上面上で前記第2のプローブ固定化部の周りに設けられて、前記第2のプローブ固定化部から前記液滴が広がることを防止するように構成された第2の液滴広がり防止部と、
    をさらに備えた、請求項1に記載のセンサチップ。
  11. 前記第1のプローブ固定化部と前記第1の液滴広がり防止部とを含みかつ円形状を有する第1の繊維シートと、
    前記第1のプローブ固定化部と前記第1の液滴広がり防止部とを含みかつ円形状を有する第2の繊維シートと、
    をさらに備えた、請求項10に記載のセンサチップ。
  12. 前記第1の液滴広がり防止部には1種類以上の表面処理が施されている、請求項1に記載のセンサチップ。
  13. 前記基板はガラス、シリコン、石英、セラミック、樹脂、金属の少なくともいずれか一つからなる、請求項1に記載のセンサチップ。
  14. 前記第1の液滴広がり防止部は前記第1のプローブ固定化部よりも高い疎水性を有する、請求項1に記載のセンサチップ。
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