JPWO2014091960A1 - 有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物 - Google Patents

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Abstract

有機半導体材料の溶解性に優れ、結晶性が高い有機トランジスタを形成することができる有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物を提供する。本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物であって、下記式(A)で表される溶剤Aを含む。式(A)中、R1はC1-4アルキル基、C1-4アシル基、C5-6シクロアルカン環、C5-6シクロアルケン環、C6-12アリール基、又はこれらが2以上結合してなる基である。R2、R3、R4、R5は同一又は異なって、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R6はC1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R1とR3は互いに結合して隣接する酸素原子及び炭素原子と共に環を形成していてもよい。nは1又は2であり、mは0〜2の整数である。【化1】

Description

本発明は、有機半導体材料の溶解性に優れた有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物、及び該有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物と有機半導体材料を含む有機トランジスタ製造用組成物に関する。本願は、2012年12月12日に日本に出願した、特願2012−271139号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
トランジスタはディスプレイやコンピュータ機器を構成する重要な半導体電子デバイスとして広く活用されており、従来、ポリシリコンやアモルファスシリコン等の無機物が半導体材料として用いられた。しかし、このような無機物を用いた薄膜トランジスタの製造においては、真空プロセスや高温プロセスを必要とし、製造コストが嵩むことが問題であった。また、高温プロセスを含むため使用できる基板に制限があり、例えばガラス基板等が主に使用されてきた。しかし、ガラス基板は耐熱性は高いが衝撃に弱く軽量化が困難であり、柔軟性に乏しいためフレキシブルなトランジスタを形成することは困難であった。
そこで、近年、有機半導体材料を利用した有機電子デバイスに関する研究開発が盛んに行われている。有機半導体材料は、印刷法、スピンコート法等のウェットプロセスによる簡便な方法で容易に薄膜形成が可能であり、従来の無機半導体材料を利用したトランジスタと比較し、製造プロセス温度を低温化できるという利点がある。これにより、一般に耐熱性の低いプラスチック基板の使用が可能となり、ディスプレイ等のエレクトロニクスデバイスの軽量化や低コスト化が実現できるとともに、プラスチック基板のフレキシビリティーを活かした用途等、多様な展開が期待できる。
有機半導体材料としては、例えばジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン等の低分子の半導体材料を使用することにより高い半導体デバイス性能を発現することが知られている(非特許文献1)。しかし、ジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェンに代表される無置換のアセン系化合物の多くはπ共役系による強い分子間相互作用により溶剤への溶解性が乏しい(特許文献1)。その為、有機半導体材料を高濃度に溶解した有機トランジスタ製造用組成物を調整することができず、印刷法で形成された有機半導体は結晶グレインが小さくなり高い電圧をかけないと通電しない、さらには高い電圧をかけると絶縁膜が剥れる等の問題があった。
上記問題を解決する方法として、特許文献2、3では有機半導体材料としてアセン系化合物に溶解性付与のための脱離基を付与した化合物を使用し、溶剤としてクロロホルムやジクロロベンゼン等のハロゲン化物を使用することが記載されている。しかし、前記脱離基を有するアセン系化合物の多くは脱離基を付与していないアセン系化合物に比べ溶解時の加熱に不安定であること、及び電荷移動度が低いことが問題であった。
また、非特許文献2では、有機半導体材料としてアセン系化合物に溶解性付与のためのアルキル置換基を付与した化合物を使用し、前記有機半導体材料に対して高溶解性を有するハロゲン化物を溶剤として使用することが記載されている。しかし、ハロゲン化物は生態毒性が懸念され、作業安全上の問題があった。
また、特許文献4では無置換のアセン系化合物の分散液を使用して薄膜を形成することが記載されている。しかし、分散液中に含まれる無置換のアセン系化合物の凝集を防止して、その分散性を維持することは困難であり、無置換のアセン系化合物が無秩序に凝集することにより電荷移動度が低下することが問題であった。
特開2009−302264号公報 特開2011−148743号公報 特開2012−041327号公報 特開2011−003852号公報
J. Am. Chem. Soc., 2005, 127 (14), p 614-618 J. Am. Chem. Soc., 2007, 129 (14), p 15732-15733
従って、本発明の目的は、有機半導体材料の溶解性に優れ、結晶性が高い有機トランジスタを形成することができる有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物を含む有機トランジスタ製造用組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の溶剤又は溶剤組成物を用いると、比較的低温でも高い有機半導体材料溶解性を実現でき、ガラス基板に比べて耐熱性の低いプラスチック基板上にも印刷法により有機トランジスタを形成することができることを見いだした。また、前記溶剤又は溶剤組成物を含有する有機トランジスタ製造用組成物は、基板上に塗布されると有機半導体材料が自己組織化作用により結晶化することを見いだした。更に、必要に応じて、前記溶剤又は溶剤組成物に一般的に電子材料用途に使用される溶剤を混合すると、塗布性、乾燥性をさらに向上し得ることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物であって、下記式(A)で表される溶剤Aを含む有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物を提供する。
Figure 2014091960
(式中、R1はC1-4アルキル基、C1-4アシル基、C5-6シクロアルカン環、C5-6シクロアルケン環、C6-12アリール基、又はこれらが2以上結合してなる基である。R2、R3、R4、R5は同一又は異なって、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R6はC1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R1とR3は互いに結合して隣接する酸素原子及び炭素原子と共に環を形成していてもよい。nは1又は2であり、mは0〜2の整数である)
前記溶剤Aとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、及びシクロヘキサノールアセテートから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記有機半導体材料としては、下記式(1)
Figure 2014091960
(式中、Arは環式化合物から2個の水素原子を除いた基であり、前記環式化合物は式(A-1)〜式(A-5)の何れかで表される化合物である。R’、R”は同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1-18アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
で表される化合物(1)、及び下記式(2-a)〜(2-d)
Figure 2014091960
(式中、Rは置換基を有していてもよいC1-24アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
本発明は、また、有機半導体材料と前記有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物とを含む有機トランジスタ製造用組成物を提供する。
前記有機半導体材料としては、下記式(1)
Figure 2014091960
(式中、Arは環式化合物から2個の水素原子を除いた基であり、前記環式化合物は式(A-1)〜式(A-5)の何れかで表される化合物である。R’、R”は同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1-18アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
で表される化合物(1)、及び下記式(2-a)〜(2-d)
Figure 2014091960
(式中、Rは置換基を有していてもよいC1-24アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) 有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物であって、前記式(A)で表される溶剤Aを含む有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
(2) 溶剤Aが、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、及びシクロヘキサノールアセテートから選択される少なくとも1種を含む(1)に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
(3) 有機半導体材料が、前記式(1)で表される化合物(1)、及び前記式(2-a)〜(2-d)で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物である(1)又は(2)に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
(4) 有機半導体材料と、(1)又は(2)に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は(5) 有機半導体材料が、前記式(1)で表される化合物(1)、及び前記式(2-a)〜(2-d)で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物である(4)に記載の有機トランジスタ製造用組成物。
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、比較的低温でも高い有機半導体材料溶解性を有する。そのためガラス基板に比べ、耐熱性は低いが、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルであるプラスチック基板等にも有機トランジスタを直接形成することができ、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルなディスプレイやコンピュータ機器を形成することができる。また、印刷法、スピンコート法等のウェットプロセスによる簡便な方法で容易に有機トランジスタの製造が可能であり、コストの大幅な削減が可能である。
そして、本発明の有機トランジスタ製造用組成物は基板上に塗布されると有機半導体材料が自己組織化作用により結晶化して、高い結晶性を有する有機トランジスタが得られる。
[有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物]
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物であって、上記式(A)で表される溶剤Aを含むことを特徴とする。
(溶剤A)
本発明の溶剤Aは上記式(A)で表される。式(A)中、R1はC1-4アルキル基、C1-4アシル基、C5-6シクロアルカン環、C5-6シクロアルケン環、C6-12アリール基、又はこれらが2以上結合してなる基である。R2、R3、R4、R5は同一又は異なって、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R6はC1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R1とR3は互いに結合して隣接する酸素原子及び炭素原子と共に環を形成していてもよい。nは1又は2であり、mは0〜2の整数である。
1〜R6におけるC1-4(=炭素数1〜4)アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等を挙げることができる。
1〜R6におけるC1-4(=炭素数1〜4)アシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等を挙げることができる。
1におけるC5-6(=炭素数5〜6)シクロアルカン環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン環等を挙げることができ、C5-6(炭素数5〜6)シクロアルケン環としては、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン環等を挙げることができる。
1におけるC6-12(=炭素数6〜12)アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等を挙げることができる。
1とR3とが互いに結合して隣接する酸素原子及び炭素原子と共に形成する環としては、例えば、テトラヒドロフラン環等のヘテロ原子として酸素原子を含有する5〜7員の複素環式化合物等を挙げることができる。
本発明の溶剤Aとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールメチルプロピルエーテル、エチレングリコールメチルブチルエーテル、エチレングリコールエチルプロピルエーテル、エチレングリコールエチルブチルエーテル、エチレングリコールプロピルブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル、プロピレングリコールエチルブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、なかでも、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、及びシクロヘキサノールアセテートから選択される少なくとも1種の化合物が、有機半導体材料の溶解性に優れる点で好ましい
有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物中(100重量%)における溶剤Aの含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、50重量%以上(例えば50〜100重量%)が好ましく、70重量%以上(例えば70〜100重量%)が特に好ましい。溶剤Aの含有量が上記範囲を下回ると、有機半導体材料の溶解性が低下する傾向がある。
(溶剤B)
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、上記溶剤A以外にも、一般的に電子材料用途に使用される溶剤であって、上記溶剤Aと相溶する溶剤(=溶剤B)を併用してもよい。
溶剤Bとしては、例えば、(モノ,ジ,トリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、C3-6アルコール、C3-6アルカンジオール、C3-6アルカンジオールモノアルキルエーテル、C3-6アルカンジオールアルキルエーテルアセテート、C4-6アルカンジオールジアセテート、グリセリントリアセテート、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸ジエステル、アルコキシカルボン酸エステル、環状ケトン、ラクトン、環状エーテル、アミド類、ピリジン類、芳香族炭化水素、芳香族アセテート、芳香族エーテル、アミン類等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記(モノ,ジ,トリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル等を挙げることができる。
前記C3-6アルコールとしては、例えば、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、2−ヘキシルアルコール等を挙げることができる。
前記C3-6アルカンジオールとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等を挙げることができる。
前記C3-6アルカンジオールモノアルキルエーテルとしては、例えば、3−メトキシブタノール等を挙げることができる。
前記C3-6アルカンジオールアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、3−メトキシブチルアセテート等を挙げることができる。
前記C4-6アルカンジオールジアセテートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等を挙げることができる。
前記ヒドロキシカルボン酸エステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
前記ヒドロキシカルボン酸ジエステルとしては、例えば、乳酸メチルアセテート、乳酸エチルアセテート等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボン酸エステルとしては、例えば、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。
前記環状ケトンとしては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、4−ケトイソホロン等を挙げることができる。
前記ラクトン類としては、例えば、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール等を挙げることができる。
前記アミド類としては、例えば、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
前記ピリジン類としては、例えば、ピリジン、メチルピリジン等を挙げることができる。
前記芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、テトラリン等を挙げることができる。
前記芳香族アセテートとしては、例えば、酢酸フェニル等を挙げることができる。
前記芳香族エーテルとしては、例えば、アニソール等を挙げることができる。
前記アミン類としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。
本発明では、上記溶剤Aと溶剤Bを併用することにより、有機半導体材料を高濃度に含有し、塗布性、乾燥性等に優れる有機トランジスタ製造用組成物を形成することができる。
塗布性をより向上するためには、前記(モノ,ジ,トリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、及びアルコキシカルボン酸エステルから選択される溶剤を1種又は2種以上併用することが効果的である。
乾燥性をより向上するためには、環状ケトン、環状エーテル、芳香族炭化水素、芳香族アセテート、及び芳香族エーテルから選択される溶剤を1種又は2種以上併用することが効果的である。
溶剤Aと溶剤Bとを併用する場合、その混合比(前者/後者(重量比))は、例えば95/5〜50/50、好ましくは95/5〜70/30である。溶剤Aに比べ溶剤Bの割合が多くなると、有機半導体材料の溶解性が低下する傾向がある。尚、溶剤Aとして2種以上の溶剤を組み合わせて使用する場合にはその合計量である。溶剤Bについても同様である。
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は溶剤Aを含有するため、比較的低温でも高い有機半導体材料溶解性を有する。例えば、100℃における前記式(1)で表される化合物の溶解度は、有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物100重量部に対して、例えば0.05重量部以上、好ましくは0.06重量部以上、特に好ましくは0.07重量部以上である。溶解度の上限は例えば0.5重量部、好ましくは0.4重量部、特に好ましくは0.3重量部である。
(有機半導体材料)
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物である。前記有機半導体材料としては特に限定されないが、本発明においては、前記式(1)で表される化合物(1)、及び式(2-a)〜(2-d)で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記式(1)中、Arは環式化合物から2個の水素原子を除いた基であり、前記環式化合物は式(A-1)〜式(A-5)の何れかで表される化合物である。R’、R”は同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1-18アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す
前記C1-18(=炭素数1〜18)アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ミリスチル、ヘキシルデシル、オクチルデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。C1-18アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基を挙げることができる。フェニル基、ナフチル基、チオフェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル等の炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。
式(1)で表される化合物(1)としては、なかでも、下記式(1-1)で表される化合物が、結晶グレインが大きな有機トランジスタが得られる点で好ましい。
Figure 2014091960
前記式(2-b)中、Rは置換基を有していてもよいC1-24アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す。
前記C1-24(=炭素数1〜24)アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ミリスチル、ヘキシルデシル、オクチルデシル、エイコシル、テトラコシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。
RにおけるC1-24アルキル基、フェニル基、ナフチル基、及びチオフェニル基が有していてもよい置換基としては、上記R’、R”と同様の例を挙げることができる。
前記化合物(2)における繰り返し単位の数(重合度)としては、例えば2〜5000程度であることが好ましい。また、繰り返し単位を2種以上有する場合、各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよく、規則的に結合されていてもよい。
化合物(2)としては、なかでも、下記式(2-1)〜(2-3)で表される繰り返し単位を有する化合物が、結晶グレインが大きな有機トランジスタが得られる点で好ましい。式中、k、l、mは括弧内に示される繰り返し単位の数であり、2〜5000の整数を示す。
Figure 2014091960
[有機トランジスタ製造用組成物]
本発明の有機トランジスタ製造用組成物は、上記有機半導体材料と、上記有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物とを含むことを特徴とする。
本発明の有機トランジスタ製造用組成物は、例えば、上記有機半導体材料と、上記有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物とを混合し、窒素雰囲気下、遮光条件下で、70〜150℃程度の温度で0.1〜10時間程度加熱することにより調製することができる。
本発明の有機トランジスタ製造用組成物(100重量%)中の有機半導体材料(特に、前記式(1)で表される化合物)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、例えば0.05重量%以上、好ましくは0.06重量%以上、特に好ましくは0.07重量%以上である。上限は、例えば0.5重量%、好ましくは0.4重量%、特に好ましくは0.3重量%である。
本発明の有機トランジスタ製造用組成物(100重量%)中の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、例えば99.99重量%以下である。その下限は、例えば92.00重量%、好ましくは95.00重量%、特に好ましくは95.50重量%であり、上限は、好ましくは99.98重量%、特に好ましくは99.96重量%である。
すなわち、本発明の有機トランジスタ製造用組成物に含まれる有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物量(2種以上含有する場合はその総量)は、有機半導体材料の自己組織化作用による結晶化を促進することができる点で、本発明の有機トランジスタ製造用組成物に含まれる有機半導体材料量(特に、前記式(1)で表される化合物の量、2種以上含有する場合はその総量)に対し、例えば200倍(重量)以上が好ましく、更に好ましくは250倍(重量)以上、特に好ましくは333倍(重量)以上である。上限は、例えば2000倍(重量)、好ましくは1667倍(重量)、特に好ましくは1429倍(重量)である。
本発明の有機トランジスタ製造用組成物には、上記有機半導体材料と上記有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物以外にも、一般的な有機トランジスタ製造用組成物に含まれる他の成分(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、及びブチラール樹脂等の樹脂の原料)を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の有機トランジスタ製造用組成物は、比較的低温でも有機半導体材料を高濃度に溶解することができる。そのため、ガラス基板に比べて耐熱性は低いが、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルなプラスチック基板にも有機トランジスタを直接形成することができ、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルなディスプレイやコンピュータ機器を形成することができる。また、本発明の有機トランジスタ製造用組成物は本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物を含むため、基板上に塗布されると有機半導体材料が自己組織化作用により結晶化し、高い結晶性を有する有機トランジスタが得られる。更に、印刷法、スピンコート法等のウェットプロセスによる簡便な方法で容易に有機トランジスタの形成が可能であり、コストの大幅な削減が可能である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
有機半導体材料としてジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン(DNTT:式(1-1)で表される化合物)(和光純薬工業(株)製)を使用し、有機トランジスタ製造用溶剤としてテトラヒドロフルフリルアセテート(THFFA:(株)ダイセル製)を使用した。
20℃環境下で、有機トランジスタ製造用溶剤中に有機半導体材料を、その濃度が0.08重量%〜0.15重量%となる様に分散した。その後、窒素雰囲気、遮光条件下、100℃で6時間程度加熱して有機トランジスタ製造用組成物を得た。得られた有機トランジスタ製造用組成物中の不溶物を目視で確認し、有機半導体材料の溶解性を下記基準で評価した。
評価基準
不溶物が確認されなかった場合:○(溶解)
不溶物が確認された場合:×(不溶解)
実施例2〜9、比較例1
表1に示した有機トランジスタ製造用溶剤を使用した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタ製造用組成物を調製し、有機半導体材料の溶解性を評価した。
Figure 2014091960
THFFA:テトラヒドロフルフリルアセテート((株)ダイセル製)
EDGAC:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
DPMA:ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
PMNP:プロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル((株)ダイセル製)
PMNB:プロピレングリコールメチルn−ブチルエーテル((株)ダイセル製)
DMM:ジプロピレングリコールジメチルエーテル((株)ダイセル製)
DPMNP:ジプロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル((株)ダイセル製)
DPMNB:ジプロピレングリコールメチルn−ブチルエーテル((株)ダイセル製)
MBA:3−メトキシブタノールアセテート((株)ダイセル製)
o−DCB:1,2−ジクロロベンゼン(東京化成工業(株)製)
実施例10
有機半導体材料としてポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(レジオレギュラー)(P3HT:式(2-1)で表される化合物)を使用し、有機トランジスタ製造用溶剤としてシクロヘキサノールアセテートを使用した。
20℃環境下で、有機トランジスタ製造用溶剤中に有機半導体材料を、その濃度が0.50重量%となる様に分散した。その後、窒素雰囲気、遮光条件下、100℃で6時間程度加熱して有機トランジスタ製造用組成物を得た。
得られた有機トランジスタ製造用組成物に不溶物は確認されなかった。
上記実施例1〜9から明らかなように、本発明の有機トランジスタ製造用溶剤は従来から使用されてきた1,2−ジクロロベンゼン(o−DCB)よりも有機半導体材料(式(1)で表される化合物、特に、ジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン:DNTT)の溶解性に優れている。
上記実施例10から明らかなように、本発明の有機トランジスタ製造用溶剤はポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(レジオレギュラー)(P3HT:式(2-1)で表される化合物)に対しても優れた溶解性を有している。
また、1,2−ジクロロベンゼン(o−DCB)は毒性を有するため取り扱いが困難であるが、本発明の有機トランジスタ製造用溶剤は取り扱い性においても優れている。
本発明の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物は、比較的低温でも高い有機半導体材料溶解性を有する。そのためガラス基板に比べ、耐熱性は低いが、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルであるプラスチック基板等にも有機トランジスタを直接形成することができ、衝撃に強く、軽量且つフレキシブルなディスプレイやコンピュータ機器を形成することができる。また、印刷法、スピンコート法等のウェットプロセスによる簡便な方法で容易に有機トランジスタの製造が可能であり、コストの大幅な削減が可能である。
そして、本発明の有機トランジスタ製造用組成物は基板上に塗布されると有機半導体材料が自己組織化作用により結晶化して、高い結晶性を有する有機トランジスタが得られる。

Claims (5)

  1. 有機半導体材料溶解用の溶剤又は溶剤組成物であって、下記式(A)で表される溶剤Aを含む有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
    Figure 2014091960
    (式中、R1はC1-4アルキル基、C1-4アシル基、C5-6シクロアルカン環、C5-6シクロアルケン環、C6-12アリール基、又はこれらが2以上結合してなる基である。R2、R3、R4、R5は同一又は異なって、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R6はC1-4アルキル基、又はC1-4アシル基である。R1とR3は互いに結合して隣接する酸素原子及び炭素原子と共に環を形成していてもよい。nは1又は2であり、mは0〜2の整数である)
  2. 溶剤Aが、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、及びシクロヘキサノールアセテートから選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
  3. 有機半導体材料が、下記式(1)
    Figure 2014091960
    (式中、Arは環式化合物から2個の水素原子を除いた基であり、前記環式化合物は式(A-1)〜式(A-5)の何れかで表される化合物である。R’、R”は同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1-18アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
    で表される化合物(1)、及び下記式(2-a)〜(2-d)
    Figure 2014091960
    (式中、Rは置換基を有していてもよいC1-24アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
    で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物。
  4. 有機半導体材料と、請求項1又は2に記載の有機トランジスタ製造用溶剤又は溶剤組成物とを含む有機トランジスタ製造用組成物。
  5. 有機半導体材料が、下記式(1)
    Figure 2014091960
    (式中、Arは環式化合物から2個の水素原子を除いた基であり、前記環式化合物は式(A-1)〜式(A-5)の何れかで表される化合物である。R’、R”は同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1-18アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
    で表される化合物(1)、及び下記式(2-a)〜(2-d)
    Figure 2014091960
    (式中、Rは置換基を有していてもよいC1-24アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよいチオフェニル基を示す)
    で表される繰り返し単位を1種又は2種以上有する化合物(2)から選択される少なくとも1種の化合物である請求項4に記載の有機トランジスタ製造用組成物。
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