JPWO2014073593A1 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

(A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体、(C)炭酸カルシウム、および、(D)カーボンブラックを含む硬化性組成物であって、反応性ケイ素基が下記一般式(1)で表されることを特徴とする硬化性組成物。−SiXnR3−n・・・(1)(式中、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(ただし加水分解性基を除く)を示す。nは1、2または3を示す。Xが複数個のときXは互いに同じでもよく異なっていてもよい。Rが複数個のときRは互いに同じでもよく異なっていてもよい。)

Description

本発明は、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物及びその硬化物に関する。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体は、室温においても空気中の水分と反応してゴム状に硬化することが可能な重合体であり、既に工業的に生産されており、シーリング材、接着剤などの用途に広く使用されている。
また、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体に類似した重合体として、ウレタンプレポリマーに反応性ケイ素基を導入した重合体である、いわゆる、シリル化ポリウレタンも知られている。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体に可塑剤、充填剤、安定剤、硬化触媒などを添加した硬化性組成物が、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などに開示されている。これら特許文献の硬化性組成物は、シーリング材用途に適用可能である。
CN1995140A号公報 CN102086366A号公報 CN102994034A号公報
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物を接着剤用途に使用する場合、引張物性(引張応力、引張破断強度、引張破断伸び)、接着強度などに優れることが必要であり、特に引張破断強度が高いことが必要である。しかしながら、上記特許文献に記載の硬化性組成物を接着剤用途に適用した場合、引張破断強度などが充分でないことがある。そのため、接着剤用途に適用するためには、より高い引張破断強度を有する硬化性組成物が望まれている。
本発明では、引張破断強度に優れ、さらに引張剪断強度の立ち上がりにも優れる工業用シーリング材、工業用接着剤に適用可能な硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体、(B)反応性ケイ素基を有する直鎖状ポリオキシアルキレン重合体、(C)炭酸カルシウム、および(D)カーボンブラックを含む硬化性組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1).(A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体、(C)炭酸カルシウム、および、(D)カーボンブラックを含む硬化性組成物であって、
反応性ケイ素基が下記一般式(1)で表されることを特徴とする硬化性組成物、
−SiX3−n ・・・(1)
(式中、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(ただし加水分解性基を除く)を示す。nは1、2または3を示す。Xが複数個のときXは互いに同じでもよく異なっていてもよい。Rが複数個のときRは互いに同じでもよく異なっていてもよい。)
(2).さらに、(B)上記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有する直鎖状ポリオキシアルキレン重合体を含む(1)に記載の硬化性組成物、
(3).(A)成分と(B)成分との混合比率が重量比で100/0〜5/95であることを特徴とする(1)または(2)に記載の硬化性組成物、
(4).(A)成分と(B)成分との混合比率が重量比で100/0〜60/40であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(5).(D)成分の吸油量が50ml/100g以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(6).(A)成分および/または(B)成分の数平均分子量がそれぞれ15,000〜50,000である、および/または(A)成分と(B)成分の混合物の数平均分子量が15,000〜50,000であることを特徴とする(2)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(7).(C)成分が重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、およびこれらの炭酸カルシウムを表面処理した炭酸カルシウムの中から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(8).(C)成分が平均粒子径1μm以下の膠質炭酸カルシウムであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(9).(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、(C)成分を60〜200重量部、(D)成分を20〜50重量部含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(10).(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物、
に関する。
本発明の硬化性組成物は硬化物の引張破断強度に優れ、さらに引張剪断強度の立ち上がりにも優れる。また接着剤用途に適用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る硬化性組成物は、(A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体、(C)炭酸カルシウム、および、(D)カーボンブラックを含むことを特徴とする。
硬化性組成物は、さらに(B)反応性ケイ素基を有する直鎖状ポリオキシアルキレン重合体を含んでもよい。
(A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体および(B)反応性ケイ素基を有する直鎖状ポリオキシアルキレン重合体が有する反応性ケイ素基は、下記一般式(1)で表される。
−SiX3−n ・・・(1)
式(1)中、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(ただし加水分解性基を除く)を示す。nは1、2または3を示す。Xが複数個のときXは互いに同じでもよく、異なっていてもよい。Rが複数個のときRは互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
Rとしては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基が特に好ましい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシメチル基、クロロメチル基、R’がメチル基、フェニル基などであるR’SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などがあげられる。これらの中では、メチル基、エチル基がより好ましい。
加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基などがあげられる。加水分解性基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシメチル基、クロロメチル基などがあげられる。これらの中ではメトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
反応性ケイ素基の具体例としては、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などがあげられる。これらの中では、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基が良好な機械物性を有する硬化物が得られるため好ましく、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。
(A)成分および(B)成分の主鎖骨格は、一般式(2)で示される繰り返し単位が好ましい。
−R−O− ・・・(2)
ここで式中、Rは炭素原子数1〜14の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基を示す。
一般式(2)としては、例えば、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−などがあげられる。
(A)成分および(B)成分がシーラントや接着剤用途に使用される場合、主鎖骨格として−CHCH(CH)O−で表されるプロピレンオキシド単位を80重量%以上有することが好ましく、90重量%以上含有することがより好ましい。
(A)成分および(B)成分の主鎖骨格となるポリオキシアルキレン重合体を製造する場合、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキシドを反応させる重合方法が分子量分布の狭い重合体を得られることから好ましい。
複合金属シアン化物錯体触媒としては、Zn[Co(CN)で表される亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体などがあげられる。また、これらにtert−ブタノールなどのアルコール化合物や、グライム、ジグライム、トリグライムなどのエーテル化合物などから選ばれる少なくとも1種の化合物が有機配位子として配位した触媒も使用できる。
(A)成分を合成するための開始剤は3〜6個の活性水素を有する化合物が好ましく、3〜4個の活性水素を有する化合物がより好ましく、3個の活性水素を有する化合物が特に好ましい。活性水素を有する官能基としては水酸基が特に好ましい。
(A)成分を合成するための開始剤の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビトールなどの多価アルコールがあげられる。また(A)成分の分子量よりも低分子量であり、かつ、数平均分子量500〜20,000のポリオキシアルキレントリオールなども使用できる。
(B)成分を合成するための開始剤は2個の活性水素を有する化合物が好ましい。活性水素を有する官能基としては水酸基が特に好ましい。
(B)成分を合成するため開始剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコールがあげられる。また(B)成分の数平均分子量よりも低分子量であり、かつ、数平均分子量500〜20,000のポリオキシアルキレンジオールなども使用できる。
アルキレンオキシドの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシドなどがあげられる。
(A)成分および(B)成分の主鎖骨格に反応性ケイ素基を導入する方法は例えば、以下に示す公知の方法で行うことができる。
(i)ポリオキシアルキレン重合体の末端水酸基をアルコラート化して−OM(Mはアルカリ金属)とした後、不飽和基含有ハロゲン化炭化水素(塩化アリルおよび/または塩化メタリル)と反応させて、不飽和基末端ポリオキシアルキレン重合体を製造する。ついで、この不飽和基にHSiX3−n(X、R、nは前記一般式(1)と同じ。)で表されるアルコキシシランを作用させてヒドロシリル化することにより反応性ケイ素基を導入する方法。
(ii)(i)と同様にして得た不飽和基末端のポリオキシアルキレン重合体の不飽和基にメルカプトシラン化合物を反応させる方法。
(iii)ポリオキシアルキレン重合体の末端水酸基にイソシアネートシラン化合物を反応させる方法。
(iv)ポリオキシアルキレン重合体の末端水酸基にポリイソシアネート化合物を反応させて末端水酸基をイソシアネート基に変換した後、このイソシアネート基にイソシアネートシラン化合物および/またはアミノシラン化合物を反応させる方法。
これらのうち、(ii)の方法はメルカプトシラン化合物に基づく臭気が問題になる場合があること、(iii)および(iv)の方法は得られる重合体の粘度が高くなり作業性が問題になる場合があること、また貯蔵安定性が問題になる場合がある。このためこれらの方法の中では(i)の方法が特に好ましい。
(A)成分と(B)成分の数平均分子量はGPC換算分子量で、それぞれ15,000〜50,000が好ましく、17,000〜45,000がより好ましく、18,000〜40,000がさらに好ましく、19,000〜35,000が特に好ましく、21,000〜35,000が最も好ましい。数平均分子量が15,000未満では得られる硬化物の引張破断伸びが不十分となる傾向がある。数平均分子量が50,000を超えると硬化性組成物の硬化速度の低下や粘度が高くなるために作業性が悪くなる傾向にある。
(A)成分と(B)成分の混合物の数平均分子量はGPC換算分子量で、15,000〜50,000が好ましく、17,000〜45,000がより好ましく、18,000〜40,000がさらに好ましく、19,000〜35,000が特に好ましく、21,000〜35,000が最も好ましい。数平均分子量が15,000未満では得られる硬化物の引張破断伸びが不十分となる傾向がある。数平均分子量が50,000を超えると硬化性組成物の硬化速度の低下や粘度が高くなるために作業性が悪くなる傾向にある。
(A)成分および(B)成分の数平均分子量は、反応性ケイ素基導入前の重合体前駆体を、JIS K 1557の水酸基価の測定方法と、JIS K 0070のヨウ素価の測定方法に基づいた滴定分析により求めた数平均分子量に相当する分子量(末端基分子量)として求めることができる。
また、(A)成分および(B)成分をGPC測定により求めたポリスチレン換算分子量(GPC換算分子量)として求めることも可能である。
(A)成分の反応性ケイ素基の数は、重合体1分子中に平均して1.5〜3個が好ましく、平均して1.7〜3個がより好ましく、平均して1.8〜2.8個がさらに好ましく、平均して1.9〜2.7個が特に好ましく、平均して2.0〜2.5個が最も好ましい。平均して1.5個未満になると硬化物の引張破断強度が不十分になる傾向にある。一方、平均して3個を超えると硬化物の引張破断伸びが不十分となる傾向にある。
(B)成分の反応性ケイ素基の数は、重合体1分子中に平均して1.1〜2個が好ましく、平均して1.2〜1.9個がより好ましく、平均して1.3〜1.8個がさらに好ましく、平均して1.4〜1.7個が特に好ましい。平均して1.1個未満になると硬化性組成物の硬化が不十分となる場合がある。また、硬化物の引張破断強度が不十分になる傾向にある。一方、平均して2個を超えると硬化物の引張破断伸びが不十分となる傾向にある。
(A)成分および(B)成分の反応性ケイ素基の平均個数は、反応性ケイ素基が直接結合した炭素上のプロトンを高分解能H−NMR機器を用いて定量する方法により求めた平均個数として求めることができる。
本発明における重合体中の反応性ケイ素基の平均個数の計算においては、前駆重合体に反応性ケイ素基を導入した際に、反応性ケイ素基が導入されなかった前駆重合体および副反応によって得られた重合体も、同一の主鎖構造を有する反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の一部とみなして、反応性ケイ素基の1分子中の平均個数を計算する際の母数(分子数)に含めて計算を行う。
(A)成分および/または(B)成分の反応性ケイ素基は、分子鎖の内部に側鎖として存在してもよく、分子鎖の末端に存在してもよい。シーラント、接着剤用途などに使用される場合には、反応性ケイ素基は分子鎖の末端に存在することが引張物性や接着性の点からより好ましい。
(A)成分および/または(B)成分の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる硬化性組成物の粘度を下げる点から狭いほうが好ましく、1.6以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。
(A)成分および(B)成分は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分と(B)成分の混合比率(A/B)は、重量比で100/0〜5/95であることが好ましい。
引張破断強度または引張剪断強度の立ち上がりの点から、(A)成分と(B)成分との混合比率の範囲の好ましい下限はA/B≧40/60、より好ましくはA/B≧50/50、さらに好ましくはA/B≧60/40、特に好ましくはA/B≧70/30、最も好ましくはA/B≧85/15である。引張破断強度の点から、好ましい上限は80/20≧A/B、より好ましくは100/0≧A/Bであり、引張剪断強度の立ち上がりの点から、好ましい上限は100/0≧A/Bである。(A)成分が重合体全体の40重量%未満になると十分な引張剪断強度の立ち上がりが得られない場合がある。
また、引張破断伸びの点から、(A)成分と(B)成分との混合比率(A/B)は、重量比で95/5〜5/95が好ましい。混合比率の範囲のより好ましい下限はA/B≧10/90、さらに好ましくはA/B≧15/85、特に好ましくはA/B≧25/75、最も好ましくはA/B≧40/60であり、より好ましい上限は90/10≧A/B、さらに好ましくは85/15≧A/B、特に好ましくは75/25≧A/B、最も好ましくは60/40≧A/Bである。(A)成分と(B)成分の混合使用により引張物性値は、(A)成分および(B)成分をそれぞれ単独で使用して得られる引張物性値を単純に平均して求めた値よりも優れた引張破断強度および引張破断伸びを得ることができる。
(A)成分と(B)成分の混合物は、(A)成分と(B)成分とを別々に合成した後、混合することによって得ることができる。また、最初に(A)成分の開始剤と(B)成分の開始剤とを所望の割合で混合したものを開始剤として用いて合成することにより混合物を得ることもできる。なお、本発明では、(A)成分の開始剤と(B)成分の開始剤とを混合した開始剤を用いて合成した反応性ケイ素基を有し、分岐構造と直鎖構造の両方を含むポリオキシアルキレン重合体は(A)成分と(B)成分の混合物として扱うものとする。
本発明では、充填剤として、(C)炭酸カルシウムを配合する。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、およびこれらの炭酸カルシウムを表面処理した炭酸カルシウムの中から選ばれる少なくとも1種以上を使用することができる。
沈降性炭酸カルシウムは、長径1μm以上の軽質炭酸カルシウムと、平均粒子径1μm以下の膠質炭酸カルシウムに分類されるが、いずれのものも使用することができる。このうち、良好な力学物性が得られる点から、膠質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
また表面処理された膠質炭酸カルシウムも使用することができる。表面処理剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸、脂肪酸エステル、変性脂肪酸、ロジンなどの樹脂酸、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カチオン系界面活性剤などがあげられる。
これらの中では表面処理された膠質炭酸カルシウムが好ましく、脂肪酸処理または樹脂酸処理された膠質炭酸カルシウムが特に好ましい。
膠質炭酸カルシウムの平均粒子径としては0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましく、0.02〜0.1μmが特に好ましい。
膠質炭酸カルシウムは、たとえば、白艶華CCR、白艶華CC、白艶華O、Calmos、Vigot10(いずれも白石カルシウム(株)製)、Neolight SP(竹原化学工業(株)製)などの市販品として入手可能である。
重質炭酸カルシウムは、平均粒子径0.3〜10μmが好ましく、0.7〜7μmがより好ましく、0.7〜5μmが特に好ましく、1.1〜4μmが最も好ましい。0.3μm未満では硬化性組成物の粘度が高くなり作業性が悪くなる傾向にある。10μmを超えると十分な接着性が得られない傾向にある。
また、表面処理された重質炭酸カルシウムも使用することができる。表面処理剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸、脂肪酸エステル、変性脂肪酸、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カチオン系界面活性剤などがあげられる。
重質炭酸カルシウムは、たとえば、SS−88、NS−100、NS−400、NS−600、NS−1000、NS−2300、NS−2500、NCC−110、NCC−410、NCC−610、NCC−1010、NCC−2510、NEW−F、NCC−P(いずれもFORMOSA PLASTICS CORPORATION製)などの市販品として入手可能である。
(C)成分は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の使用量は(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して60〜200重量部が好ましく、100〜180重量部がより好ましく、120〜180重量部がさらに好ましく、130〜170重量部が特に好ましい。
なお、本発明では重質炭酸カルシウムの使用は硬化性組成物の粘度を下げる効果があるものの、硬化物の引張破断強度を十分にあげることができない場合がある。このため重質炭酸カルシウムの使用量は沈降性炭酸カルシウムよりも少ないことが好ましく、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して10重量部未満がより好ましく、本発明では使用しないことが特に好ましい。
本発明では、引張破断強度および引張剪断強度の立ち上がりを得るために、(D)カーボンブラックを配合することが必須である。
(D)成分は公知の製法で得られるものを使用することができる。例えば、オイルファーネス法またはガスファーネス法で得られるファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックがあげられる。入手性の点から、現在の製法の主流であるファーネス法によるものが好ましい。
(D)成分の吸油量(JIS K 6217(ISO4656)に準拠してジブチルフタレート(DBP)の吸収量から測定した値)は50ml/100g以上が好ましく、50〜150ml/100gがより好ましく、50〜130ml/100gがさらに好ましく、70〜120ml/100gがさらにより好ましく、90〜120ml/100gが特に好ましい。50ml/100g未満では十分な引張破断強度が得られない傾向にある。150ml/100gを超えると硬化性組成物の粘度が高くなり作業性が悪くなる傾向にある。
(D)成分の具体例はHIBLACK30、HIBLACK10、HIBLACK5L、HIBLACK20L、HIBLACK30L(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製)などの市販品として入手可能である。
(D)成分は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の使用量は(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して5〜50重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましく、20〜50重量部がさらに好ましく、20〜45重量部が特に好ましい。5重量部未満では十分な引張破断強度が得られない傾向にある。50重量部を超えると粘度が高くなるため、作業性が悪くなったり、硬化性組成物を作製できなくなったりする傾向にある。
本発明の硬化性組成物には、硬化物の物性を損なわない範囲でその他の充填剤も配合することができる。その他の充填剤としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、クレーおよびカオリンなどの補強性フィラー、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末およびPMMA粉末などの樹脂粉末、ガラス繊維などの繊維状フィラーなどがあげられる。
本発明の硬化性組成物には、(A)成分および/または(B)成分の硬化を促進するために硬化触媒を配合することができる。硬化触媒としては、有機錫化合物、カルボン酸、カルボン酸金属塩、アミン化合物などがあげられる。
有機錫化合物は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジオクチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などがあげられる。
カルボン酸は、ネオデカン酸、バーサチック酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸などをあげることができる。
カルボン酸金属塩は、カルボン酸錫、カルボン酸鉛、カルボン酸ビスマス、カルボン酸カリウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸チタン、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸ハフニウム、カルボン酸バナジウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸鉄、カルボン酸コバルト、カルボン酸ニッケル、カルボン酸セリウムなどがあげられる。
アミン化合物は、ラウリルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などがあげられる。
上記のなかでは、ジブチル錫化合物、ジオクチル錫化合物は強度が早く発現することからより好ましい。
硬化触媒の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、0.05〜20重量部が好ましく、0.1〜15重量部がより好ましく、0.5〜10重量部がさらに好ましく、1〜7重量部が特に好ましく、1.5〜5重量部が最も好ましい。0.05重量部未満であると、硬化速度が遅くなる傾向にある。一方、20重量部を超えると硬化速度が速くなりすぎるために良好な硬化物が得られなくなる。
本発明の硬化性組成物には可塑剤を添加することができる。可塑剤の添加により、硬化性組成物の粘度やスランプ性および硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の引張強度、伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸ジイソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類などがあげられる。また、フタル酸エステルを水素添加して得られる化合物も使用することができる。この化合物は、BASF社から商品名:Hexamoll DINCHとして工業的に製造販売され入手も容易である。
また、高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤を使用すると重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持する。高分子可塑剤としては、ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤;分子量500以上、更には1000以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールあるいはこれらポリエーテルポリオールのヒドロキシ基をエステル基,エチル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレンなどがあげられる。
これらの中では、硬化性組成物の深部硬化性が良好な点からポリエーテル可塑剤がより好ましい。ポリエーテル可塑剤の数平均分子量は、500〜15,000が好ましく、800〜10,000がより好ましく、1,000〜5,000が特に好ましい。分子量が小さいと可塑剤が流出し良好な物性を維持できなくなる。また、分子量が大きすぎると粘度が高くなり作業性が悪くなる。ポリエーテル系可塑剤の分子量分布は狭いほうが好ましく、1.8未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。なお、ポリエーテル可塑剤は反応性珪素基を有していてもよい。この場合、(A)成分および(B)成分よりも数平均分子量が小さく、反応性ケイ素基の数も少ないほうが好ましい。
可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して5〜150重量部が好ましく、10〜120重量部がより好ましく、20〜100重量部が特に好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなり、150重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する。
本発明の硬化性組成物には、接着性付与剤を配合することができる。接着性付与剤は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルジエトキシメチルシランなどのアミノ基含有シラン化合物、イソシアネート基含有シラン化合物、メルカプト基含有シラン化合物、エポキシ基含有シラン化合物、(メタ)アクリロイル基含有シラン化合物などがあげられる。これらの中では接着性の点からアミノ基含有シラン化合物がより好ましい。
接着性付与剤の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、特に、0.5〜10重量部がより好ましい。
また、セラミックコーティング硝子への接着性の点から、組成物全体(100重量%)に対してアミノ基含有シラン化合物を1.0〜6.0重量%配合することが好ましく、1.2〜6.0重量%がより好ましく、1.2〜5.0重量%がさらに好ましく、1.3〜4.0重量%配合することが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物には、硬化物の表面耐候性を高める目的で紫外線吸収剤を配合することができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物などが例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。ベンゾトリアゾール系は、Tinuvin P、Tinuvin1130、Tinuvin99−2、Tinuvin928、Tinuvin326、Tinuvin329(BASF社製)などの市販品として入手可能である。
紫外線吸収剤の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、硬化物の光酸化劣化を防止する目的で光安定剤を配合することができる。光安定剤としてはベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。ヒンダードアミン系は、Tinuvin770、Tinuvin770DF、Tinuvin292、Tinuvin5050、Tinuvin5151、Tinuvin5060(BASF社製)などの市販品として入手可能である。
光安定剤の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物には、硬化物の熱による酸化劣化を防止する目的で熱安定剤を配合することができる。熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。ヒンダードフェノール系は、IRGANOX1010、IRGANOX1035(BASF社製)などの市販品として入手可能である。
熱安定剤の使用量は、(A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、貯蔵安定性を高める目的で脱水剤を配合することができる。脱水剤として、たとえば、ビニルトリメトキシシラン,ビニルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物をあげることができる。
脱水剤の使用量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、作業性を改善するために揺変剤を配合することができる。揺変剤として、ポリアマイドワックス、水添ヒマシ油、金属石鹸などをあげることができる。
揺変剤の使用量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物または得られる硬化物の諸物性を改善する目的で、さらに必要に応じて、粘着付与樹脂、物性調整剤、光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、エポキシ化合物、粒子状物質、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、溶剤、防かび剤などを配合することができる。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合剤をミキサーなどの混練機に入れて混合して作製するバッチ生産方式や、スクリュー式押出機などの押出機に配合剤を逐次添加、混合して作製する連続生産方式などの任意の方法で作製することができる。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め混合し密封保存し、施工時に空気中の湿気により硬化する1成分型硬化性組成物として調製することもできる。また、重合体などを含む主剤と、硬化触媒などを含む硬化剤とに分けておき、施工時に混合して使用する2成分型硬化性組成物として調製することもできる。
本発明の硬化性組成物は、建造物、船舶、自動車、鉄道、道路などの密封剤として使用できる。また、自動車の補修剤、バスやトラックのシール剤や接着剤として使用できる。さらに、単独あるいはプライマーの塗布によりガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などのような広範囲の基材に密着可能な密封組成物および接着組成物としても使用可能である。接着剤として通常の接着剤の他、コンタクト接着剤としても使用できる。
本発明の硬化性組成物を硬化させることにより本発明の硬化物を得ることができる。
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドを重合し、GPC換算での数平均分子量が約26,000の水酸基末端ポリオキシプロピレントリオールを得た(送液システムとして東ソー(株)製HLC−8120GPC(カラム:東ソー(株)製TSK−GEL Hタイプ、溶媒:THF)を用いて測定したポリスチレン換算分子量)。
得られた水酸基末端ポリオキシプロピレントリオールの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加して水酸基をNaO基に変換した後、さらに塩化アリルを反応させ、n−ヘキサンと水を用いて精製することにより、末端の約97%がアリル基に変換され、GPC換算での数平均分子量が約26,000のアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体を得た。
得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液を触媒として、ジメトキシメチルシランを反応させて、ジメトキシメチルシリル基を分子末端に有する分岐状ポリオキシプロピレン重合体(重合体A−1)を得た。HNMR(日本電子(株)製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定により、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均2.4個であった。また、GPC換算での数平均分子量は26,000であった。
(合成例2)
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオール分子量と約2,000のポリオキシプロピレンジオールの1/1(重量比)混合物を開始剤に使用した以外は合成例1と同様の操作を行い、GPC換算での数平均分子量が19,700であり、1分子あたり平均1.7個のジメトキシメチルシリル基を分子末端に有し、分岐構造と直鎖構造を1/1(重量比)の割合で含むポリオキシプロピレン重合体(重合体AB−1)を得た。
(合成例3)
分子量約3,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤に使用した以外は合成例1と同様の操作を行い、GPC換算での数平均分子量が25,500であり、1分子あたり平均1.4個のジメトキシメチルシリル基を分子末端に有する直鎖状ポリオキシプロピレン重合体(重合体B−1)を得た。
(実施例1)
合成例1で得た重合体A−1の100重量部に対して、ポリエーテル可塑剤としてポリプロピレングリコール(三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)50重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製、商品名:Neolight SP、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム、平均粒子径:0.08μm)140重量部、カーボンブラック(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、商品名:HIBLACK10、吸油量:97ml/100g、平均粒子径:30nm)40重量部、熱安定剤(BASF社製、商品名:IRGANOX1010)1重量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin326)1重量部、光安定剤(BASF社製、商品名:Tinuvin770)1重量部を計量し、混合した後、3本ペイントロールを用いてよく分散させた。この後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−171)0.5重量部、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−1120)5重量部、さらに縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を添加して十分に混合することにより硬化性組成物を得た。
(実施例2〜6、比較例1)
実施例1と同じ方法で、表1に記載の配合剤と使用量(重量部数)に従って調製し、硬化性組成物を得た。
Figure 2014073593
上記で得られた硬化性組成物について、以下の方法で物性測定を行った。
(引張物性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を厚み3mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないように充填した。その後、23℃、相対湿度50%で3日間、さらに50℃で4日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K 6251に準拠して3号ダンベルを打ち抜き、引張試験(引張速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、50%引張応力(M50)、100%引張応力(M100)、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)を測定した。測定結果を表1に示した。
(引張剪断強度の立ち上がり)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を接着面積25mm×12.5mm、厚み1mmとなるように塗布して被着体であるステンレス同士を張り合わせることにより試験体を作製した。張り合わせた時を開始時間として、その後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で1時間経過後、2時間経過後、および3時間経過後に引張剪断試験(引張速度50mm/分)を行い引張剪断強度の測定を行った。また破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、(A)成分と(B)成分を重量比で100/0〜50/50で混合して用いた硬化性組成物(実施例1〜6)は、(B)成分のみを使用した硬化性組成物(比較例1)よりも優れた引張剪断強度の立ち上がりを有することがわかる。
(実施例7)
合成例1で得た重合体A−1の100重量部に対して、ポリエーテル可塑剤としてポリプロピレングリコール(三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)50重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製、商品名:Neolight SP、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム、平均粒子径:0.08μm)130重量部、カーボンブラック(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、商品名:HIBLACK10、吸油量:97ml/100g、平均粒子径:30nm)50重量部、熱安定剤(BASF社製、商品名:IRGANOX1010)1重量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin326)1重量部、光安定剤(BASF社製、商品名:Tinuvin770)1重量部を計量し、混合した後、3本ペイントロールを用いてよく分散させた。この後120℃で2時間減圧乾燥を行い、50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−171)4重量部、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−1120)5重量部、さらに縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を添加して十分に混合することにより硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物を防湿性の容器に充填し、密閉することにより1液型硬化性組成物を得た。
(実施例8〜10)
実施例7と同じ方法で、表2に記載の配合剤と使用量(重量部数)に従って調整し、1液型硬化性組成物を得た。
Figure 2014073593
上記で得られた1液型硬化性組成物について、以下の方法で物性測定を行った。
(引張物性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を厚み3mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないように充填した。その後、23℃、相対湿度50%で3日間、さらに50℃で4日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K 6251に準拠して3号ダンベルを打ち抜き、引張試験(引張速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、50%引張応力(M50)、100%引張応力(M100)、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)を測定した。測定結果を表2に示した。
(引張剪断強度)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を接着面積25mm×12.5mm、厚み3mmとなるように塗布して被着体であるステンレス同士を張り合わせた。その後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間、14日間および21日間養生、ならびに23℃×7日間さらに50℃×4日間養生することにより試験体を作製した。得られた試験体を用いて引張剪断試験(引張速度50mm/分)を行い引張剪断強度の測定を行った。また破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表2に示した。「C50A50」は、凝集破壊が50%、界面破壊が50%を意味し、「C40A60」は、凝集破壊が40%、界面破壊が60%を意味する。
表2から明らかなように、(A)成分100重量部に対してカーボンブラックの使用量が5〜50重量部の範囲内であれば優れた引張剪断強度が得られることがわかる。
(実施例11)
合成例2で得た重合体AB−1の100重量部に対して、ポリエーテル可塑剤としてポリプロピレングリコール(三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)50重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製、商品名:Neolight SP、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム、平均粒子径:0.08μm)140重量部、カーボンブラック(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、商品名:HIBLACK10、吸油量:97ml/100g、平均粒子径:30nm)40重量部、熱安定剤(BASF社製、商品名:IRGANOX1010)1重量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin326)1重量部、光安定剤(BASF社製、商品名:Tinuvin770)1重量部を計量し、混合した後、3本ペイントロールを用いてよく分散させた。この後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−171)0.5重量部、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−1120)5重量部、さらに縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を添加して十分に混合することにより硬化性組成物を得た。
(実施例12〜14)
実施例11と同じ方法で、表3に記載の配合剤と使用量(重量部数)に従って調製し、硬化性組成物を得た。
なお、HIBLACK10、30、5L、20Lの平均粒子径はそれぞれ30nm、23nm、35nm、28nmである。
Figure 2014073593
上記で得られた硬化性組成物について、以下の方法で物性測定を行った。
(引張物性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を厚み3mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないように充填した。その後、23℃、相対湿度50%で3日間、さらに50℃で4日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K 6251に準拠して3号ダンベルを打ち抜き、引張試験(引張速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、50%引張応力(M50)、100%引張応力(M100)、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)を測定した。測定結果を表3に示した。
(引張剪断強度の立ち上がり)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を接着面積25mm×12.5mm、厚み1mmとなるように塗布して被着体であるステンレス同士を張り合わせることにより試験体を作製した。張り合わせた時を開始時間として、その後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で1時間経過後、2時間経過後、および3時間経過後に引張剪断試験(引張速度50mm/分)を行い引張剪断強度の測定を行った。また破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、実施例11〜14のカーボンブラックを配合した硬化性組成物はいずれも優れた引張剪断強度の立ち上がりを有することがわかる。
(実施例15)
合成例1で得た重合体A−1の100重量部に対して、ポリエーテル可塑剤としてポリプロピレングリコール(三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)50重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製、商品名:Neolight SP、脂肪酸で表面処理された膠質炭酸カルシウム、平均粒子径:0.08μm)140重量部、カーボンブラック(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、商品名:HIBLACK10、吸油量:97ml/100g、平均粒子径:30nm)40重量部、熱安定剤(BASF社製、商品名:IRGANOX1010)1重量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin326)1重量部、光安定剤(BASF社製、商品名:Tinuvin770)1重量部を計量し、混合した後、3本ペイントロールを用いてよく分散させた。この後120℃で2時間減圧乾燥を行い、50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−171)4重量部、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−1120)5重量部、さらに縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を添加して十分に混合することにより硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物を防湿性の容器に充填し、密閉することにより1液型硬化性組成物を得た。
(実施例16)
実施例15と同じ方法で、表4に記載の配合剤と使用量(重量部数)に従って調製し、1液型硬化性組成物を得た。
Figure 2014073593
上記で得られた1液型硬化性組成物について、以下の方法で物性測定を行った。
(引張物性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を厚み3mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないように充填した。その後、23℃、相対湿度50%で3日間、さらに50℃で4日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K 6251に準拠して3号ダンベルを打ち抜き、引張試験(引張速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、50%引張応力(M50)、100%引張応力(M100)、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)を測定した。測定結果を表4に示した。
(引張剪断強度)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を接着面積25mm×12.5mm、厚み3mmとなるように塗布して被着体であるステンレス同士を張り合わせた。その後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間および14日間養生することにより試験体を作製した。得られた試験体を用いて引張剪断試験(引張速度50mm/分)を行い引張剪断強度の測定を行った。また破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表4に示した。
(ハンドピール接着性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、被着体であるセラミックコート硝子に硬化性組成物をビード状に十分に密着させながら塗布した。その後、23℃、相対湿度50%で7日間および14日間養生することにより試験体を作製した。被着体と硬化物との間にカッターナイフで約1cmの切込みを入れ、手剥離にて90°剥離試験を行い、破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表4に示した。「C40T40A20」は、凝集破壊が40%、薄層破壊が40%、界面破壊が20%を意味する。
表4から明らかなように、接着性付与剤としてアミノ基含有シラン化合物の配合量を増やすと、セラミックコート硝子への接着性が改善されることがわかる。
(実施例17)
合成例1で得た重合体A−1の100重量部に対して、ポリエーテル可塑剤としてポリプロピレングリコール(三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)50重量部、表面処理炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製、商品名:Neolight SP)160重量部、カーボンブラック(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、商品名:HIBLACK30、吸油量:110ml/100g、平均粒径23nm)20重量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin326)1重量部、光安定剤(BASF社製、商品名:Tinuvin770)1重量部を計量し、混合した後、3本ペイントロールを用いてよく分散させた。この後120℃で2時間減圧脱水を行い、50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−171)3重量部、および、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive社製、商品名:A−1120)5重量部を添加して混合した。さらに縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を添加し混合することにより硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物を防湿性の容器に充填し、密閉することにより1液型硬化性組成物を得た。
(実施例18〜23、比較例2)
実施例1と同じ方法で、表5に記載の配合剤と使用量に従って調整し、1液型硬化性組成物を得た。
Figure 2014073593
使用した配合剤について以下に示す。
・HIBLACK10(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、吸油量:97ml/100g、平均粒子径:30nm)
・Monarch570(CABOT社製、吸油量:115ml/100g、平均粒子径:24nm)
上記で得られた硬化性組成物について、以下の方法で物性測定を行った。
(引張物性)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を厚み3mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないように充填した。その後、23℃、相対湿度50%で3日間、さらに50℃で4日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K6251に準拠して3号ダンベルを打ち抜き、引張試験(引張速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、50%引張応力(M50)、100%引張応力(M100)、破断強度(TB)、破断伸び(EB)を測定した。測定結果を表5に示した。
(引張剪断強度)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、硬化性組成物を接着面積25mm×12.5mm、厚み0.2mmとなるように塗布して被着体であるアルミニウム同士を張り合わせた。その後、23℃、相対湿度50%で7日間養生することにより試験体を作製した。得られた試験片から引張剪断試験(引張速度50mm/分)を行い引張剪断強度の測定を行った。また破壊状態を目視で観察した。なお、破壊状態は、凝集破壊(CF)、薄層破壊(TF)、界面破壊(AF)とした。評価結果を表5に示した。
表5から明らかなように、(A)成分を含む硬化性組成物(実施例17〜23)は(B)成分のみを使用した硬化性組成物(比較例2)よりも引張破断強度および引張剪断強度に優れることがわかる。
また、特に(A)成分と(B)成分を1/1(重量比)で混合して用いた硬化性組成物(実施例18〜20)は、優れた引張破断強度と引張破断伸びを有することがわかる。この結果は、(A)成分を単独で用いた硬化性組成物(実施例17)と(B)成分を単独で用いた硬化性組成物(比較例2)との単純な平均から導き出した値よりも優れた値を示している。
本発明の硬化性組成物は、建造物、船舶、自動車、鉄道、道路などの密封剤として使用できる。また、自動車の補修剤、バスやトラックのシール剤や接着剤として使用できる。さらに、単独あるいはプライマーの塗布によりガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などのような広範囲の基材に密着可能な密封組成物および接着組成物としても使用可能である。接着剤として通常の接着剤の他、コンタクト接着剤としても使用できる。

Claims (10)

  1. (A)反応性ケイ素基を有する分岐状ポリオキシアルキレン重合体、(C)炭酸カルシウム、および、(D)カーボンブラックを含む硬化性組成物であって、
    反応性ケイ素基が下記一般式(1)で表されることを特徴とする硬化性組成物。
    −SiX3−n ・・・(1)
    (式中、Xは水酸基または加水分解性基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(ただし加水分解性基を除く)を示す。nは1、2または3を示す。Xが複数個のときXは互いに同じでもよく異なっていてもよい。Rが複数個のときRは互いに同じでもよく異なっていてもよい。)
  2. さらに、(B)上記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有する直鎖状ポリオキシアルキレン重合体を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. (A)成分と(B)成分との混合比率が重量比で100/0〜5/95であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. (A)成分と(B)成分との混合比率が重量比で100/0〜60/40であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. (D)成分の吸油量が50ml/100g以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. (A)成分および/または(B)成分の数平均分子量がそれぞれ15,000〜50,000である、および/または(A)成分と(B)成分の混合物の数平均分子量が15,000〜50,000であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. (C)成分が重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、およびこれらの炭酸カルシウムを表面処理した炭酸カルシウムの中から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. (C)成分が平均粒子径1μm以下の膠質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. (A)成分と(B)成分との合計100重量部に対して、(C)成分を60〜200重量部、(D)成分を20〜50重量部含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物。
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