JPWO2014065348A1 - Hmgb1断片を利用した脊髄の損傷に対する新規治療法 - Google Patents

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Abstract

HMGB1タンパク質の一部からなる適切な長さを持つ断片ペプチドを合成し、当該ペプチドが脊髄の損傷治療効果を示すことを確認した。

Description

本発明は、HMGB1断片を含む、脊髄の損傷に対する新規治療用医薬組成物およびその使用に関する。
骨髄間葉系幹細胞は、多能性を有する生体内幹細胞であり、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨などに分化することが知られている。近年、脳梗塞などの組織損傷を有する患者に対して、自己の骨髄間葉系幹細胞を投与することで、組織損傷の治癒の促進が可能であることが報告され始めている。しかし、骨髄間葉系幹細胞は、骨髄中にある希少な細胞であるため、患者から採取できる量には限界がある。そのため、広範囲の組織損傷の治療に必要な量の骨髄間葉系幹細胞を確保することは困難である。そこで、現時点では、骨髄間葉系幹細胞を一旦培養して増殖させることで、治療に必要な細胞数を確保する方法がとられている。しかしながら、骨髄間葉系幹細胞の未分化状態を維持したまま培養することは極めて困難である。また、ウイルスや細菌のコンタミネーション、細胞の癌化などといった付随する解決すべき課題も多数存在する。また安全性や品質が保証された細胞を培養するための費用は極めて膨大なものとなる。
一方、脊髄損傷に対しても、骨髄間葉系幹細胞が治癒促進効果を有することが知られてきている。これは、多能性を有する骨髄間葉系幹細胞が神経細胞に分化することや、損傷組織に集積した骨髄間葉系幹細胞が、成長因子などの組織損傷改善効果を有する成分を供給していることによると予想されている。
WO2008/053892 WO2007/015546 WO2009/133939 WO2009/133943 WO2009/133940 WO2004/004763
Bustinら、 Mol Cell Biol、19:5237-5246、1999年 Horiら、J. Biol. Chem.、270、25752-25761、1995年 Wangら、Science、285:248-251、1999年 Mullerら、EMBO J、20:4337-4340、2001年 Wangら、Science、285:248-251、1999年 Germaniら、J Leukoc Biol.、81(1):41-5、2007年 Palumboら、J. Cell Biol.、164:441-449、2004年 Merenmiesら、J. Biol. Chem.、266:16722-16729、1991年 Wu Yら、Stem cells、25:2648-2659、2007年 Tamaiら、Proc Natl Acad Sci U S A.、108(16):6609-6614、2011年 Yangら、J Leukoc Biol. 81(1):59-66、2007年 Bassoら、J Neurotrauma.、23(5):635-659、2006年 Rahimi-Movagharら、Int J Neurosci.、118(10):1359-1373、2008年 Quertainmont Rら、PloS One.、7(6):e39500、2012年
脊髄損傷は下半身の麻痺による歩行困難など、患者にとって生活の質を極めて失う疾患であるにもかかわらず、自然治癒は期待できず、また有効な治療法も確立されていない。上記で述べたように、現在、細胞治療等の再生医療の、脊髄損傷の治療への適用が期待されているが、いまだ開発の途上である。また、仮に実用化されたとしても、高額な治療費用などの課題は解決していない。
しかし、骨髄間葉系幹細胞を損傷部位に動員する活性を有する医薬品を投与することによって、脊髄損傷の治癒促進を行うことができれば、現在有効な治療方法がほとんど存在しない脊髄損傷の患者にとって、安価で安全な治療法を提供できると期待される。
発明者らは、これまでにHMGB1(High mobility group box 1)が、骨髄中の間葉系幹細胞の遊走を刺激し、血中へ動員する活性を有しているタンパク質であることを明らかにしてきた。元来、HMGB1は非ヒストン核蛋白の主要成分として知られており、その分子内にBoxAおよびBoxBという2つのDNA結合ドメインを有している。また核内におけるHMGB1の機能は、ヌクレオソーム構造を弛緩させ、転写反応に最適な構造を構築することが知られている。ところが、近年になって、核蛋白HMGB1が、分泌シグナルを持たないにもかかわらず、細胞外に分泌されて種々の活性を発揮することが明らかになってきた。最も研究が進んでいるのは、炎症のメディエーターとしての機能である。例えば、マウスの敗血症モデル(LPS投与モデル)において、TNFα刺激によりマクロファージから分泌されるHMGB1が敗血症のメディエーターであることが明らかになっており(Wang et al.: Science 1999;285: 248-251)、レセプターの候補としてTLR4が知られている。また、HMGB1の最も有名なレセプターはRAGEであり、このレセプターとHMGB1との結合は、細胞の遊走活性や炎症性のシグナル伝達に影響していることが報告されている。
本発明では、HMGB1断片を含む、脊髄の損傷に対する新規治療用医薬組成物およびその使用を開示する。
具体的には、本発明者らは、HMGB1タンパク質の1から44番目までのアミノ酸からなるペプチド(配列番号:5)、11から44番目までのアミノ酸からなるHMGB1断片(配列番号:4)を、ペプチド合成により作成した。作成した各HMGB1断片を、脊髄の損傷の治療効果を評価できる疾患モデルマウスに投与し、脊髄の損傷に対する当該断片の治療効果を確認した。
本願は、この知見に基づき、以下の発明を提供するものである。
[1]
HMGB1断片ペプチドを含有する、脊髄の損傷を治療するために用いられる医薬組成物。
[2]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである、[1]の医薬組成物。
[3]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、[1]の医薬組成物。
[4]
HMGB1断片ペプチドを投与する工程を含む、脊髄の損傷の治療方法。
[5]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである、[4]の方法。
[6]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、[4]の方法。
[7]
脊髄の損傷を治療するために使用するHMGB1断片ペプチド。
[8]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである、[7]のHMGB1断片ペプチド。
[9]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、[7]のHMGB1断片ペプチド。
[10]
HMGB1断片ペプチドを含有する、脊髄の損傷を治療するために用いられる医薬の製造のための使用。
[11]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである、[10]の使用。
[12]
前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、[10]の使用。
各種合成ペプチドの、PDGFRα陽性株化骨髄間葉系幹細胞の遊走刺激活性を示す写真である。最小の断片であるHMGB1断片ペプチド(17−25)を含む全ての断片ペプチドは、細胞遊走刺激活性を示している。 異なる長さのHMGB1断片ペプチドの有する、PDGFRα陽性株化骨髄間葉系幹細胞の遊走刺激活性を示す写真である。各ペプチドは、ペプチド合成により作製した。付随するグラフは、各断片ペプチドの細胞遊走刺激活性を定量化したものである。この実験により、HMGB1断片ペプチド(17−25)が、遊走刺激活性を有する最小の断片であることが示される。 陰性コントロール群(PBS投与)に比較して、HMGB1断片(11−44)投与群において有意に神経症状の改善効果が認められた。(*p<0.05, **p<0.01 VS. PBS) 脊髄のHE染色の図である。陰性コントロール群(PBS投与)に比較して、HMGB1断片(11−44)投与群では、脊髄の損傷部位のサイズが縮小しており、病理組織においても治療効果が認められた。 HMGB1全長とHMGB1断片(11−44)投与群における、脊髄の損傷を作製した疾患モデル動物の神経症状改善効果を経時的に比較したグラフである。 HMGB1断片(11−44および1−44)投与群の脊髄の損傷を作製した疾患モデル動物の神経症状改善効果を比較したグラフである。(#; 1-44, #p<0.05 VS. PBS、*; 11-44, *p<0.05 VS. PBS)
本発明は、細胞遊走刺激活性を有するHMGB1断片ペプチドを含有する、脊髄の損傷を治療するために用いられる医薬組成物を提供する。本発明の脊髄の損傷を治療するために用いられる医薬組成物は、本明細書において、医薬、薬剤または薬学的組成物とも表現される。
本発明において、「脊髄の損傷」とは、脊髄における外因性または内因性の損傷を意味する。脊髄における外因性の損傷には、例えば、脊髄における外傷性の損傷などが含まれるが、これに限定されない。また、本明細書中において、脊髄における外因性の損傷は、単に「脊髄損傷」とも表現される。
本発明において、細胞遊走刺激活性とは、細胞遊走を刺激する活性を意味する。本明細書において、細胞遊走刺激活性は、細胞遊走誘導活性または細胞誘導活性とも表現される。
本発明の医薬組成物は、投与・添加部位を限定しない。すなわち、該組成物は、再生が必要な脊髄の損傷部位、当該損傷部位とは異なる部位、血中など、いずれの部位に投与されても、その効果を発揮することができる。例えば、該組成物を投与・添加することにより、投与・添加部位またはその近傍の部位に細胞が動員され、損傷の再生が誘導または促進される。また例えば、該組成物を損傷部位またはその近傍に投与・添加することにより、該損傷に細胞が動員され、損傷の再生が誘導または促進される。また例えば、該組成物を再生が必要な組織とは異なる組織に投与・添加することにより、骨髄から再生が必要な組織に末梢循環を介して骨髄細胞が動員され、組織再生が誘導または促進される。ここで、「末梢循環」とは、「血液循環」、「末梢循環血流」とも称される。
再生が必要な組織とは異なる組織への投与とは、再生が必要な部位以外の部位(再生が必要な部位とは異なる部位)に投与することを意味する。したがって、「再生が必要な組織とは異なる組織」は、再生が必要な組織とは異なる部位、再生が必要な部位とは異なる部位、再生が必要な組織から離れた部位、再生が必要な部位から離れた部位、再生が必要な部位から遠位にある部位、再生が必要な組織から遠位にある組織、遠位部、遠位組織と表現することもできる。すなわち、本発明の組成物は、体外から直接薬剤を投与することが困難な組織を再生するために、有効に利用される。また、再生が必要な組織とは異なる組織としては、血液組織、筋肉組織、皮下組織、皮内組織、腹腔等が例示できる。
また、本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、未分化な細胞、種々の分化段階にある細胞が挙げられるが、これらに制限されない。また、本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、幹細胞、非幹細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。幹細胞には、循環性の幹細胞、または非循環性の幹細胞が含まれる。非循環性の幹細胞としては、組織に常在している組織幹細胞が例示できる。循環性の幹細胞としては、血中循環性の幹細胞が例示できる。
また、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、骨髄由来細胞または造血系幹細胞が挙げられるが、これに制限されない。本明細書において「造血系幹細胞」とは好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、マクロファージなどの白血球の他、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞などの血球系の細胞に分化可能な幹細胞であり、マーカーとしてヒトではCD34陽性、CD133陽性、マウスではCD34陰性、c-Kit陽性、Sca-1陽性、Lineage marker 陰性であることが知られている。また、造血系幹細胞は、培養皿で培養する場合、単独で培養することが困難であり、ストローマ細胞との共培養が必要であることが特徴である。
本明細書において、「骨髄細胞」とは、骨髄内に存在する細胞を意味し、一方、「骨髄由来細胞」とは、骨髄から骨髄外に動員された「骨髄細胞」を意味する。「骨髄細胞」は骨髄中に存在する組織前駆細胞集団を含む細胞を含む。また「骨髄由来細胞」はmesoangioblastを含む細胞であってもよく、mesoangioblastを除く細胞であってもよい。
組織前駆細胞は、血液系以外の特定組織細胞への一方向性分化能を持つ未分化細胞と定義され、上述した間葉系組織、上皮系組織、神経組織、実質臓器、血管内皮への分化能を有する未分化細胞を含む。
本明細書において、「骨髄間葉系幹細胞」、「骨髄間質多能性細胞」、あるいは「骨髄多能性幹細胞」とは、骨髄内に存在する細胞であって、骨髄から直接あるいはその他の組織(血液や皮膚、脂肪、その他の組織)から間接的に採取され、培養皿(プラスチックあるいはガラス製)への付着細胞として培養・増殖可能であり、骨、軟骨、脂肪などの間葉系組織(間葉系幹細胞)、あるいは骨格筋、心筋、さらには神経組織、上皮組織(多能性幹細胞)への分化能を有するという特徴を持つ細胞であり、骨髄細胞採取によって取得することができる細胞である。
「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、造血系幹細胞及びこれに由来する白血球、赤血球、血小板、骨芽細胞、ファイブロサイトなどの分化細胞、または、これまで骨髄間葉系幹細胞あるいは骨髄間質多能性幹細胞あるいは骨髄多能性幹細胞と呼ばれている細胞に代表される幹細胞である。本明細書において、「骨髄幹細胞」とは、骨髄内に存在する幹細胞を意味し、一方、「骨髄由来幹細胞」とは、骨髄から骨髄外に動員された「骨髄幹細胞」を意味する。本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、「骨髄由来幹細胞」が挙げられるが、これに制限されない。「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、骨髄採取(骨髄細胞採取)、あるいは末梢血採血により単離することができる。造血系幹細胞は非付着細胞であるが、「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」の一部は、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血により得られた血液中の単核球分画細胞培養により、付着細胞として得られる。
また、「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、間葉系幹細胞を含み、骨芽細胞(分化を誘導するとカルシウムの沈着を認めることで特定可能)、軟骨細胞(アルシアンブルー染色陽性、サフラニン-O染色陽性などで特定可能)、脂肪細胞(ズダンIII染色陽性で特定可能)、さらには線維芽細胞、平滑筋細胞、ストローマ細胞、腱細胞、などの間葉系細胞、さらには神経細胞、上皮細胞(たとえば表皮角化細胞、腸管上皮細胞はサイトケラチンファミリーを発現する)、血管内皮細胞への分化能力を有することが好ましい。分化後の細胞は上記細胞に限定されるものではなく、肝臓、腎臓、膵臓などの実質臓器細胞への分化能も含む。
また、骨髄から骨髄外に動員された「骨髄由来骨髄間葉系幹細胞」、「骨髄由来骨髄間質多能性細胞」、あるいは「骨髄由来骨髄多能性幹細胞」は、末梢血採血、さらには脂肪など間葉組織、皮膚などの上皮組織、脳などの神経組織からの採取によって取得することができる細胞である。
また、これら細胞は、採取後直接、あるいは一度培養皿へ付着させた細胞を生体の損傷部に投与することにより、例えば皮膚を構成するケラチノサイトなどの上皮系組織、脳を構成する神経系の組織への分化能も有するという特徴も持つ。
骨髄間葉系幹細胞、骨髄間質多能性幹細胞、骨髄多能性幹細胞、あるいは骨髄から骨髄外へ動員されたこれら細胞は、骨芽細胞(分化を誘導するとカルシウムの沈着を認めること等で特定可能)、軟骨細胞(アルシアンブルー染色陽性、サフラニン-O染色陽性等で特定可能)、脂肪細胞(ズダンIII染色陽性等で特定可能)の他に、例えば線維芽細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、ストローマ細胞、腱細胞などの間葉系細胞、神経細胞、色素細胞、表皮細胞、毛包細胞(サイトケラチンファミリー、ヘアケラチンファミリー等を発現する)、上皮系細胞(たとえば表皮角化細胞、腸管上皮細胞はサイトケラチンファミリー等を発現する)、内皮細胞、さらに肝臓、腎臓、膵臓等の実質臓器細胞に分化する能力を有することが好ましいが、分化後の細胞は上記細胞に限定されるものではない。
ヒト骨髄細胞、ヒト骨髄由来細胞としては、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血、脂肪採取によって取得し、直接あるいは単核球分画を分離後に培養して付着細胞として取得できる細胞が例示できるが、これに制限されるものではない。ヒト骨髄細胞、ヒト骨髄由来細胞のマーカーとしては、PDGFRα陽性、Lin陰性、CD45陰性、CD44陽性、CD90陽性、CD29陽性、Flk-1陰性、CD105陽性、CD73陽性、CD90陽性、CD71陽性、Stro-1陽性、CD106陽性、CD166陽性、CD31陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。
また、マウス骨髄細胞、マウス骨髄由来細胞としては、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血、脂肪採取によって取得し、直接あるいは単核球分画を分離後に培養して付着細胞として取得できる細胞が例示できるが、これに制限されるものではない。マウス骨髄細胞、マウス骨髄由来細胞のマーカーとしては、CD44陽性、PDGFRα陽性、PDGFRβ陽性、CD45陰性、Lin陰性、Sca-1陽性、c-kit陰性、CD90陽性、CD29陽性、Flk-1陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。
本発明において、遊走が刺激される細胞としては、PDGFRα陽性細胞が挙げられるが、これに制限されない。また、遊走が刺激されるPDGFRα陽性細胞は、特に制限されないが、好ましくは骨髄由来のPDGFRα陽性細胞である。また、PDGFRα以外のマーカーとしてはCD29陽性、CD44陽性、CD90陽性、CD271陽性、CD11b陰性、Flk-1陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。PDGFRα陽性細胞としては、PDGFRα陽性の骨髄由来細胞、PDGFRα陽性の骨髄由来間葉系幹細胞、PDGFRα陽性の組織に常在している組織細胞(例えば、線維芽細胞などが例示できる)、PDGFRα陽性の骨髄由来細胞であって、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血により得られた血液中の単核球分画細胞培養により、付着細胞として得られる細胞などが例示できるが、これらに制限されるものではない。
本発明におけるHMGB1タンパク質としては、ヒト由来のHMGB1タンパク質として配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含むタンパク質、当該タンパク質をコードするDNAとして、配列番号:2に記載の塩基配列を含むDNAが例示できるが、これらに限定されるものではない。
本発明における、「細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片ペプチド」とは、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1タンパク質の一部からなるペプチドを意味する。本発明のHMGB1タンパク質の一部からなる断片ペプチドは、細胞遊走刺激活性を有する限り特に制限されないが、好ましくは、本発明者らによる実験によって確認された、細胞遊走刺激活性を有する断片のうち最小のペプチド断片である、HMGB1タンパク質の17番目から25番目までのアミノ酸配列(配列番号:3)を少なくとも含む、HMGB1断片ペプチドである(図1)。
本発明において、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片からなるペプチドとしては、以下の断片を例示することが出来るが、それらに限定されない。
本発明において、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片としては、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む断片ペプチドである、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片ペプチドが挙げられる。これらの断片ペプチドとしては、例えば、配列番号:3の断片ペプチド(17−25)を少なくとも含み、配列番号:4の断片ペプチド(11−44)を上限とする断片ペプチド、または、配列番号:4の断片ペプチド(11−44)を少なくとも含み、配列番号:5の断片ペプチド(1−44)を上限とする断片ペプチド、または、配列番号:3の断片ペプチド(17−25)を少なくとも含み、配列番号:5の断片ペプチド(1−44)を上限とする断片ペプチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片ペプチドとしては、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる断片ペプチドである、細胞遊走刺激活性を有する、HMGB1断片ペプチドが挙げられる。
本発明の組成物の投与方法は、経口投与または非経口投与が挙げられ、非経口投与方法としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられるが、これらに限定されない。注射投与の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによって本発明の組成物を全身または局部的(例えば、皮下、皮内、皮膚表面、眼球あるいは眼瞼結膜、鼻腔粘膜、口腔内および消化管粘膜、膣・子宮内粘膜、または損傷部位など)に投与できる。
また、本発明の組成物の投与方法としては、例えば、血管内投与(動脈内投与、静脈内投与等)、血液内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与が例示されるが、これらに限定されない。
また投与部位に制限はなく、再生が必要な組織部位もしくはその近傍、再生が必要な組織とは異なる部位、または、再生が必要な組織に対して遠位かつ異所である部位が例示できる。例えば、血中(動脈内、静脈内等)、筋肉、皮下、皮内、腹腔内が挙げられるが、これらに限定されない。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。本発明のペプチドを投与する場合、例えば、一回の投与につき、体重1 kgあたり0.0000001mgから1000mgの範囲で投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.00001から100000mg/bodyの範囲で投与量が選択できる。本発明のペプチドを分泌する細胞や該ペプチドをコードするDNAが挿入された遺伝子治療用ベクターを投与する場合も、該ペプチドの量が上記範囲内となるように投与することができる。しかしながら、本発明の医薬組成物はこれらの投与量に制限されるものではない。
本発明のHMGB1断片ペプチドは、該ペプチドをコードするDNAを適当な発現系に組み込んで遺伝子組換え体(recombinant)として得ることができるし、または、人工的に合成することもできる。また、本発明の医薬組成物は、常法に従って製剤化することができ(例えば、Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton, U.S.A)、医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。
なお、本明細書において引用されたすべての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、下記の実施例に限定されるものではない。
合成ペプチドのマイグレーション活性の確認
(方法)
以下のペプチドを、MBL(株式会社医学生物学研究所)に依頼し固相法で合成した。なお、マウスHMGB1の配列に基づき、ペプチドを合成したが、マウス、およびヒトのHMGB1は1番目から169番目までのアミノ酸配列はすべて一致し、100%相同性を保っている。
HMGB1の1番目から10番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(1-10)、
1番目から34番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(1-34)、
11番目から20番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-20)、
11番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-25)、
11番目から30番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-30)、
11番目から34番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-34)、
11番目から44番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-44)、および
陽性コントロールとしてHEK293で生産したマウス全長HMGB1(1-215(HEK))を、100μg/mlになるように調整し、ケモタキシスチャンバーの下層に入れ、マウス骨髄間葉系幹細胞株(MSC-1細胞、大阪大学玉井ら作製(Tamaiら、Proc Natl Acad Sci U S A.、108(16):6609-6614、2011年)に対するマイグレーション活性を検討した。
(結果)
少なくとも、合成ペプチド(11-34)、(1-34)、(11-44)、(1-44)、(11-30)には、陽性コントロールと同等以上の活性を認めた(図1A)。また、合成ペプチド(11-25)にも活性を認めた(図1A)。
(方法)
さらに活性中心部分を絞り込むために短いペプチドを以下のように合成した。
HMGB1の11番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(11-25)、
12番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(12-25)、
13番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(13-25)、
14番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(14-25)、
15番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(15-25)、
16番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(16-25)、
17番目から25番目のアミノ酸配列からなる合成ペプチド(17-25)。
陽性コントロールとして1日齢マウス皮膚(1匹分)をPBSに浸し4℃12時間インキュベートした遠心上清(skin extract)、およびHEK293で生産したマウス全長HMGB1(1-215(HEK))を使用した。ケモタキシスチャンバーの上層には株化骨髄間葉系幹細胞株(MSC-1)を入れ、これらのタンパク質・合成ペプチドは5μMもしくは10μMの濃度でケモタキシスチャンバーの下層に挿入した。マイグレーションアッセイは上記と同様の方法で施行した。
(結果)
全ての合成ペプチドで活性を認めた(図1B)。HMGB1断片ペプチド(17-25)が、遊走刺激活性を有する最小の断片であることが示された。
(方法)
被験動物はマウスC57BL6/J, 7週齢雌マウスを使用した。イソフルランによる吸入麻酔を施行し、背部正中線の皮膚を切開し第9胸椎の椎弓を露出し切除した。同部位の硬膜を露出し、マイクロ持針器を用い硬膜上から脊髄を3秒間把持し、外傷性の脊髄の損傷を作製した。脊髄の損傷を作製した後に皮膚の縫合を行った。脊髄の損傷の確認は手術の翌日に両後肢の麻痺を評価することによって行い、麻痺の見られないマウスは試験から除外した。試験薬はHMGB1の断片(アミノ酸配列:11−44番目のアミノ酸、合成ペプチド、MBLにて製造)100μgをダルベッコーのPBS(D-PBS)200μLに希釈して調製した。陰性コントロールにはD-PBS200μLを使用した。手術翌日に初回の投与を尾静脈から行いその後毎日計5回投与を行った。神経症状の評価はBMS(Basso Mouse Scale)スコアを術後1,3,7,10,14,17,21日目に行なった。
(結果)
BMSスコアで、PBS投与群に比較してHMGB1断片を投与した群にて手術後3日目から有意に神経症状の改善が観察された。特に術後3日目、7日目、14日、17日目の症状改善が顕著であった。(図2A) また、損傷部位の脊髄のHE染色像では陰性コントロール群では広範囲に損傷が認められる(D1)のに対し、HMGB1断片(11-44ペプチド)投与群では損傷部分(D2)が縮小しており病理組織上においても治療効果が認められた。(図2B)
(考察)
HMGB1断片の投与によって脊髄に損傷を負わせたマウスの神経症状の明らかな改善が認められた。本試験で使用したHMGB1断片には骨髄間葉系幹細胞の動員活性が認められており、動員された骨髄間葉系幹細胞による脊髄の損傷の治療効果が期待された。骨髄間葉系幹細胞の組織損傷に対する作用としては、多能性による神経への分化による組織再生の他、骨髄間葉系幹細胞が分泌する成長因子、サイトカインなどによる損傷組織の保護作用が期待できる。今回の試験においては術後1週目までの短期的には後者の作用が、またそれ以降においてはさらに前者の作用が影響していると予想される。
(方法)
被験動物はマウスC57BL6/J, 7週齢雌マウスを使用した。イソフルランによる吸入麻酔を施行し、背部正中線の皮膚を切開し第9胸椎の椎弓を露出し切除した。同部位の硬膜を露出し、マイクロ持針器を用い硬膜上から脊髄を3秒間把持し、外傷性の脊髄の損傷を作製した。脊髄の損傷を作製した後に皮膚の縫合を行った。脊髄の損傷の確認は手術の翌日に両後肢の麻痺を評価することによって行い、麻痺の見られないマウスは試験から除外した。HMGB1の断片は(アミノ酸配列:11-44番目のアミノ酸、合成ペプチド、MBLにて製造)100μgをダルベッコーのPBS(D-PBS)200μLに希釈して調製した。HMGB1の全長タンパクは既報の通りHEK293に発現させ製造し精製したHMGB1(100μg)をD-PBS200μLに希釈して調製した。陰性コントロールにはD-PBS 200μLを使用した。手術翌日に初回の投与を尾静脈から行い、その後毎日計5回投与を行った。神経症状の評価はBMSスコアを術後1,3,7,14日目に行なった。
(結果)
神経症状の改善効果はBMSスコアを用いて評価した。7,14日目いずれの時点においても、HMGB1断片(11−44番目のアミノ酸)投与群において最も治療効果が見られた。HMGB1(全長)投与群は、陰性コントロール群に比較し治療効果が認められたもののHMGB1断片(11−44番目のアミノ酸)ほどの治療効果は認められなかった。(図3)
(考察)
脊髄の損傷を作製した後、早期においてはHMGB1全長投与群では、HMGB1断片(11−44番目のアミノ酸)投与群と陰性コントロール群の中間程度の治療効果が認められたが、脊髄の損傷作製後14日目ではHMGB1断片(11−44番目のアミノ酸)投与群において他の群と比較して極めて良好な改善が認められた。今回の実験によって、治療効果においてはむしろ全長のタンパク以上に脊髄の損傷に対する有効性が明らかになった。本断片のように化学合成可能なペプチドは、医薬品製造において安価で均一な製品を大量に製造できることから実用化において極めて有用性が高いと考えられる。
(方法)
被験動物はマウスC57BL6/J, 7週齢雌マウスを使用した。イソフルランによる吸入麻酔を施行し、背部正中線の皮膚を切開し第9胸椎の椎弓を露出し切除した。同部位の硬膜を露出し、マイクロ持針器を用い硬膜上から脊髄を3秒間把持し、外傷性の脊髄の損傷を作製した。脊髄の損傷を作製した後に皮膚の縫合を行った。脊髄の損傷の確認は手術の翌日に両後肢の麻痺を評価することによって行い、麻痺の見られないマウスは試験から除外した。HMGB1の断片は(アミノ酸配列:11−44番目のアミノ酸および1−44番目のアミノ酸、合成ペプチド、MBLにて製造)100μgをD-PBS 200μLに希釈して調製した。陰性コントロールにはD-PBS 200μLを使用した。手術翌日に初回の投与を尾静脈から行い、その後毎日計5回投与を行った。神経症状の評価はBMSスコアを術後1,3, 7,10,14,17,21,28日目に行なった。
(結果)
神経症状の改善効果はBMSスコアを用いて評価した。17、21、28日いずれの時点においても、陰性コントロール群に比較するとHMGB1断片(11−44番目のアミノ酸および1−44番目のアミノ酸)投与群において治療効果が見られた。11−44番目のアミノ酸からなるHMGB1断片と1−44番目のアミノ酸からなるHMGB1断片の治療効果はほぼ同程度であった。(図4)
(考察)
HMGB1断片11-44も1-44いずれも脊髄の損傷の治療効果において有効性が認められた。図1に示すように、発明者らはHMGB1の骨髄間葉系幹細胞動員活性のコアドメインの一つが17番目のアミノ酸から25番目のアミノ酸からなるペプチドであることを明らかにした。11-44の断片も1−44の断片も17−25を含んでおりこれらのペプチドの薬効を示すコアペプチドは17−25の配列であると予想される。HMGB1全長タンパクが骨髄間葉系幹細胞を動員する際にRAGEを介さないことが報告されており(2011年PNAS 玉井など)、また11−44の断片も1−44の断片もRAGE等の既報のレセプターのリガンドとしての報告がないことから、これらの断片はこれまで知られていないレセプターを標的としていることが予想される。
本発明により、脊髄の損傷を治療するための、PDGFRα陽性細胞の動員活性を維持したHMGB1断片ペプチドの新規用途が提供される。本発明のHMGB1断片ペプチドは、全長が215アミノ酸からなるHMGB1タンパク質に対し、分子量が約20パーセント以下である。このような断片ペプチドは、ペプチド合成機を使用した化学的合成による生産が可能であるため、ペプチドを医薬品として製造する場面において、精製純度の向上、安定生産、コスト削減が期待される。
また、完全長のHMGB1は、エンドトキシンの一種であるLPS(Lipopolysaccharide)との結合活性を有することが知られているが、医薬品にLPSが少量でも混入すると、発熱などをおこし、しばしば重篤な副作用につながるため、医薬品へのLPSの混入は厳しく規制されている。HMGB1がLPSと親和性を有することから、医薬品に混入したLPSを完全に除去することは困難である。しかしペプチド化によってLPSとの親和性が低下することから、医薬品へのLPSの混入も軽減できると予想される。それゆえ、本発明において特定されたPDGFRα陽性細胞動員部分を含むHMGB1断片を用いることで、いっそう安全な脊髄の損傷治療用医薬組成物の開発が可能になる。
再生が必要な脊髄の損傷部位、または、その近傍部位に本発明のHMGB1断片を直接投与することにより、該損傷の再生を誘導または促進できる。さらに、静脈内投与などの方法で、再生が必要な部位とは異なる部位に、本発明のHMGB1断片を投与することにより、脊髄の損傷の再生を誘導または促進することもできる。このように、本発明では、一般診療において広く施行されている静脈投与による脊髄の損傷の治療を可能にするため、治療剤を任意の回数、任意の濃度で、安全かつ簡便に投与することが可能となった。この事実は、従来の治療方法と比較して、本願発明が極めて優れている側面の一つである。
また、現在の再生医療や細胞治療の現場では、患者由来の希少な骨髄多能性幹細胞を生体外で培養し、増殖させた後に治療に利用するが、当該培養過程は、細胞の劣化(癌化や細菌、ウイルスなどのコンタミネーション)の危険を伴うため、十分な安全管理が必要である。これに対して、本発明に基づく治療剤は、細胞を体外に取り出す工程や、人工的操作を加える工程を含まないため、比較的安全性が高いと考えられる。この事実も、従来の治療方法と比較して本願発明が優れている側面の一つであるといえる。

Claims (3)

  1. HMGB1断片ペプチドを含有する、脊髄の損傷を治療するために用いられる医薬組成物。
  2. 前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記HMGB1断片ペプチドが、配列番号:3、配列番号:4および配列番号:5からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項1に記載の医薬組成物。
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