JPWO2014050371A1 - 電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品 - Google Patents

電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品 Download PDF

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Abstract

流動性が良好である電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品を提供すること。本発明は、(A)液晶性ポリマーと、(B)ミルドファイバーと、(C)板状無機充填材と、を含む電子部品用複合樹脂組成物であって、上記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記の構成単位:(I)4−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位、(II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位、(III)テレフタル酸由来の構成単位、(IV)イソフタル酸由来の構成単位、及び(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構成単位を含む。

Description

本発明は、電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品に関する。特に、本発明は、非対称電子部品用複合樹脂組成物、当該複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された低背狭ピッチコネクターに関する。
液晶性ポリマーは、寸法精度、流動性等に優れる熱可塑性樹脂である。このような特徴を有するため、液晶性ポリマーは、従来より各種電子部品の材料として採用されてきた。このような電子部品を製造する上で、液晶ポリマー組成物には、流動性が良好であることが求められる。電子部品としては、例えば、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター等が挙げられる。
特に、非対称電子部品については、下記のような背景が存在する。近年のエレクトロニクス機器の高性能化に伴う、コネクターの高耐熱化(実装技術による生産性向上)、高密度化(多芯化)、及び小型化という時代の要請もあり、上記液晶性ポリマーの特徴を活かし、ガラス繊維で強化された液晶性ポリマー組成物がコネクター材料として採用されている。
しかし、近年、コネクターにおいて軽薄短小化がさらに進み、成形品の肉厚不足による剛性不足や金属端子のインサートによる内部応力により、成形後及びリフロー加熱中にそり変形が発生し、基板とのハンダ付け不良となる問題が生じている。すなわち、従来のガラス繊維のみによる強化では、剛性を上げるためにガラス繊維の添加量を増やすと薄肉部分に樹脂が充填せず、又は成形時の圧力によりインサート端子が変形する問題があった。
かかるそり変形の問題を解決するため、成形手法を工夫することが行われ、また材料面からは特定の板状充填剤の配合が提案されている。すなわち、市場に多く存在する通常のコネクター(電子部品)の場合、成形に際し、対称性を保つようなゲート位置、設計をすることで、製品の寸法精度、そりをコントロールすることが可能であり、さらに従来提案されている低そり材料を使用することで、そり変形の少ない製品が得られている。
しかしながら、近年における電子部品の形状の複雑化に伴い、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品の提供が求められている。かかる非対称電子部品としては、DDR−DIMMコネクター等のラッチ構造(両端に固定用の爪がある)を持つメモリーモジュール用コネクターが代表例として挙げられる。特にノートパソコン用メモリーモジュール用コネクターでは、取り付けのためのラッチ構造を有し、また位置合わせのための切り欠きがあるため、非常に複雑な形状となる。
このような非対称電子部品の場合、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れのかの軸面に対して対称性を有する通常のコネクター(対称電子部品)と異なり、対称性を有しないことから、成形手法の面からのそり変形改善には限界がある。また、複雑な形状を有する非対称電子部品の場合、成形品内の樹脂及びフィラーの配向が複雑となり、より高い流動性も必要となり、そり変形の抑制がより困難である。
このような問題点を解決する技術として、例えば、特許文献1には、特定の繊維状充填剤と特定の板状充填剤とを特定量配合してなる液晶性ポリマー組成物から成形され、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品が開示されている。
また、特に、低背狭ピッチコネクターについては、下記のような背景が存在する。近年のエレクトロニクス機器の小型化及び薄型化に伴い、エレクトロニクス機器を構成する電子部品(コネクター等)の低背化及び狭ピッチ化に対するニーズがある。例えば、特許文献2には、マイカ及びガラス繊維で強化された液晶性ポリマー組成物から成形されたコネクターが開示されている。このようなコネクターは、流動性、寸法安定性等が要求される、基板対基板コネクターや、フレキシブルプリント基板(FPC)とフレキシブルフラットケーブル(FFC)とを接続するために使用されるフレキシブルプリント基板用コネクター等として採用されている。
国際公開第2008/023839号 特開2006−37061号公報
しかしながら、従来の液晶性ポリマー組成物は流動性が十分ではない。特に、非対称電子部品については、最近の非対称電子部品における集積率の増加等に伴う形状変化、特にピッチ間距離や製品高さの減少、極数の増加等の要因により、上記特許文献1に開示された液晶性ポリマー組成物等の従来の液晶性ポリマー組成物では対処しきれない場合があることが判明した。すなわち、従来の液晶性ポリマー組成物は流動性が十分ではなく、このような液晶性ポリマー組成物から、そり変形が抑制された非対称電子部品を得ることは困難であった。また、特に、低背狭ピッチコネクターについては、従来の液晶性ポリマー組成物から、コネクターを成形しようとすると、組成物の流動性が十分ではなく加工性に劣るため、低背化及び狭ピッチ化に対するニーズに対応した低背狭ピッチコネクターの製造が困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、流動性が良好である電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品を提供することを目的とする。本発明は、好ましい一態様において、流動性が良好であり、そり変形が抑制された非対称電子部品が得られる非対称電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品を提供することを目的とする。本発明は、好ましい別の態様において、流動性が良好であり、低背狭ピッチコネクターの製造を実現できる複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された低背狭ピッチコネクターを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構成単位を所定量含む液晶性ポリマーと、ガラス繊維及び/又はミルドファイバーと、板状無機充填材と、を組み合わせることで上記の課題を解決できることを見出した。具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) (A)液晶性ポリマーと、(B)ミルドファイバーと、(C)板状無機充填材と、を含む電子部品用複合樹脂組成物であって、
上記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記の構成単位:(I)4−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位、(II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位、(III)テレフタル酸由来の構成単位、(IV)イソフタル酸由来の構成単位、及び(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構成単位を含み、
全構成単位に対して(I)の構成単位の含有量は35〜75モル%であり、
全構成単位に対して(II)の構成単位の含有量は2〜8モル%であり、
全構成単位に対して(III)の構成単位の含有量は4.5〜30.5モル%であり、
全構成単位に対して(IV)の構成単位の含有量は2〜8モル%であり、
全構成単位に対して(V)の構成単位の含有量は12.5〜32.5モル%であり、
全構成単位に対して(II)及び(IV)の構成単位の総量は4〜10モル%であり、
上記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して40〜80質量%であり、
上記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%であり、
上記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜35質量%である電子部品用複合樹脂組成物。
(2) 上記電子部品が非対称電子部品であり、
上記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して47.5〜65質量%であり、
上記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して15〜30質量%であり、
上記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して20〜35質量%である(1)に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
(3) 上記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である(2)に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
(4) 上記電子部品が低背狭ピッチコネクターであり、
上記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%である(1)に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
(5) 上記(A)液晶性ポリマーは、[融点−結晶化温度]の値が50〜60℃であり、融点よりも10〜20℃高い温度において、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定された溶融粘度が5〜15Pa・sである(4)に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
(6) 上記(B)ミルドファイバーの平均繊維長は50〜100μmであり、かつ、
上記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である(4)又は(5)に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
(7) (1)に記載の電子部品用複合樹脂組成物から成形される電子部品。
(8) 上記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して47.5〜65質量%であり、
上記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して15〜30質量%であり、
上記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して20〜35質量%であり、
成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品である(7)に記載の電子部品。
(9) 上記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上であるである(8)に記載の電子部品。
(10) ピッチ間距離が0.8mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが6.0mm以下、極数が150極以上のメモリーモジュール用コネクターである(8)又は(9)に記載の電子部品。
(11) レール構造を有し、製品高さが3.0mm以下のメモリーカードソケットである(8))又は(9)に記載の電子部品。
(12) 上記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%であり、
ピッチ間距離が0.5mm以下であり、
製品全長が4.0mm以上であり、
製品高さが4.0mm以下であり、
基板対基板コネクター又はフレキシブルプリント基板用コネクターである低背狭ピッチコネクターである(7)に記載の電子部品。
(13) 上記(A)液晶性ポリマーは、[融点−結晶化温度]の値が50〜60℃であり、融点よりも10〜20℃高い温度において、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定された溶融粘度が5〜15Pa・sである(12)に記載の電子部品。
(14) 上記(B)ガラス繊維及びミルドファイバーの平均繊維長は50〜100μmであり、かつ、
上記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である(12)又は(13)に記載の電子部品。
本発明によれば、流動性が良好である電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品を提供される。本発明の好ましい一態様においては、流動性が良好であり、そり変形が抑制された非対称電子部品が得られる非対称電子部品用複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品が提供される。本発明の好ましい一態様においては、流動性が良好であり、低背狭ピッチコネクターの製造を実現できる複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された低背狭ピッチコネクターが提供される。
実施例で成形したDDR−DIMMコネクターを示す図である。なお、Aはゲート位置を示す。 実施例で行ったDDR−DIMMコネクターのそりの測定における測定点を示す図である。 実施例で成形した低背狭ピッチコネクター(フレキシブルプリント基板用コネクター)を示す図である。なお、図中の数値の単位はmmである。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[複合樹脂組成物]
本発明における複合樹脂組成物は、特定の液晶性ポリマーと、ガラス繊維及び/又はミルドファイバーと、板状無機充填材とを所定量ずつ含む。以下、本発明における複合樹脂組成物を構成する成分について説明する。
(液晶性ポリマー)
本発明における液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記の構成単位:(I)4−ヒドロキシ安息香酸(「HBA」とも呼ばれる)由来の構成単位、(II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(「HNA」とも呼ばれる)由来の構成単位、(III)テレフタル酸(「TA」とも呼ばれる)由来の構成単位、(IV)イソフタル酸(「IA」とも呼ばれる)由来の構成単位、及び(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル(「BP」とも呼ばれる)由来の構成単位を含む。
本発明における液晶性ポリマーには、上記の構成単位が特定の割合で含まれる。すなわち、全構成単位に対して(I)の構成単位の含有量は35〜75モル%(好ましくは40〜65モル%)である。全構成単位に対して(II)の構成単位の含有量は2〜8モル%(好ましくは3〜7モル%)である。全構成単位に対して(III)の構成単位の含有量は4.5〜30.5モル%(好ましくは13〜26モル%)である。全構成単位に対して(IV)の構成単位の含有量は2〜8モル%(好ましくは3〜7モル%)である。全構成単位に対して(V)の構成単位の含有量は12.5〜32.5モル%(好ましくは15.5〜29モル%)である。全構成単位に対して(II)及び(IV)の構成単位の総量は4〜10モル%(好ましくは5〜10モル%)である。
全構成単位に対して(I)の構成単位の含有量が35モル%未満又は75モル%超であると、液晶性ポリマーの融点が著しく高くなり、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に液晶性ポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量の液晶性ポリマーを製造することができなくなる可能性があるため好ましくない。
全構成単位に対して(II)の構成単位の含有量が2モル%未満であると、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に、成形品に割れが発生する可能性があるため好ましくない。また、全構成単位に対して(II)の構成単位の含有量が8モル%超であると、液晶性ポリマーの耐熱性が低くなるため好ましくない。
全構成単位に対して(III)の構成単位の含有量が4.5モル%未満又は30.5モル%超であると、液晶性ポリマーの融点が著しく高くなり、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に液晶性ポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量の液晶性ポリマーを製造することができなくなる可能性があるため好ましくない。
全構成単位に対して(IV)の構成単位の含有量が2モル%未満であると、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に、成形品に割れが発生する可能性があるため好ましくない。また、液晶性ポリマーの融点が著しく高くなり、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に液晶性ポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量の液晶性ポリマーを製造することができなくなる可能性があるため好ましくない。
また、全構成単位に対して(IV)の構成単位の含有量が8モル%超であると、液晶性ポリマーの耐熱性が低くなるため好ましくない。
全構成単位に対して(V)の構成単位の含有量が12.5モル%未満又は32.5モル%超であると、液晶性ポリマーの融点が著しく高くなり、非対称電子部品液晶性ポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量の液晶性ポリマーを製造することが、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際にできなくなるため好ましくない。
全構成単位に対して(II)及び(IV)の構成単位の総量が4モル%未満であると、液晶性ポリマーの結晶化熱量が2.5J/g以上となり得る。この場合、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品を製造する際に、成形品に割れが発生する可能性があるため好ましくない。液晶性ポリマーの結晶化熱量の好ましい値は、2.3J/g以下であり、より好ましくは2.0J/g以下である。なお、結晶化熱量は、液晶性ポリマーの結晶化状態を示し、示差熱量測定によって求められる値である。具体的には、液晶性ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+40℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で測定した際に観測される発熱ピーク温度のピークより求められる発熱ピークの熱量を指す。
また、全構成単位に対して(II)及び(IV)の構成単位の総量が10モル%超であると、液晶性ポリマーの耐熱性が低くなるため好ましくない。
なお、本発明における液晶性ポリマーには、本発明の目的を阻害しない範囲で公知の他の構成単位を導入することもできる。
本発明における液晶性ポリマーは、上記の構成単位を、直接重合法、エステル交換法、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等によって重合させることで得られる。
上記の構成単位の重合においては、上記の構成単位に加えて、上記の構成単位に対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを併用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の酸無水物等が挙げられる。
上記の構成単位の重合においては、種々の触媒を使用でき、例えば、ジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタンけい酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類、ルイス酸塩(BF等)等が挙げられる。触媒の使用量は、上記の構成単位の総量に対して約0.001〜1質量%、好ましくは約0.003〜0.2質量%であってもよい。
重合反応の条件としては、上記の構成単位の重合が進行する条件であれば特に限定されず、例えば、反応温度200〜380℃、最終到達圧力0.1〜760Torr(すなわち、13〜101,080Pa)であってもよい。
重合反応は、全原料モノマー、アシル化剤及び触媒を同一反応容器に仕込んで反応を開始させる方法(一段方式)でもよく、(I)、(II)及び(V)の各構成単位に対応する原料モノマー、すなわち、4−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位、及び4,4’−ジヒドロキシビフェニルのヒドロキシル基をアシル化剤によりアシル化させた後、(III)及び(IV)の各構成単位に対応する原料モノマー、すなわち、テレフタル酸及びイソフタル酸のカルボキシル基と反応させる方法(二段方式)でもよい。
上記の構成単位(I)乃至(V)を含む液晶性ポリマーは、構成成分及び液晶性ポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、熱安定性と易加工性を併せ持つ点で、本発明における液晶性ポリマーは、異方性溶融相を形成するもの、すなわち、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーであることが好ましい。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。具体的には、溶融異方性は、偏光顕微鏡(オリンパス(株)製等)を使用し、ホットステージ(リンカム社製等)にのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより確認できる。溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーは、光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光が透過する。
さらに、融点より10〜20℃高い温度で、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定した液晶性ポリマーの溶融粘度が1×10Pa・s以下(さらに好ましくは、5Pa・s以上かつ1×10Pa・s以下)であることが、電子部品の成形時において、特に、非対称電子部品におけるラッチ構造や切り欠き等の複雑な形状を有する部分の成形時において、複合樹脂組成物の流動性を確保し、充填圧力が過度にならない点で好ましい。
また、本発明における液晶性ポリマーは、融点から結晶化温度を引いた値である、[融点−結晶化温度]の値が50〜60℃であり、かつ、融点より10〜20℃高い温度において、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定された溶融粘度が5〜15Pa・sであることが好ましい。このような液晶性ポリマーによれば、電子部品の成形時において、特に、低背狭ピッチコネクター等の成形時において、複合樹脂組成物の流動性を確保できるため、充填圧力が過度な値となることを抑制できる。
本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して40〜80質量%含む。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して40質量%未満であると、流動性が悪化するため好ましくない。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して80質量%超であると、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の曲げ弾性率及び耐クラック性が低下するため好ましくない。本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して50〜70質量%含むことが好ましい。
本発明における複合樹脂組成物は、特に、非対称電子部品用である場合、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して47.5〜65質量%含むことが好ましい。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して47.5質量%以上であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となりやすく、また、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品等の成形品のそり変形が大きくなりにくいため好ましい。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して65質量%以下であると、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品等の成形品の曲げ弾性率及び耐クラック性が低下しにくいため好ましい。本発明における複合樹脂組成物は、特に、非対称電子部品用である場合、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して50〜55質量%含むことがより好ましい。
(ミルドファイバー)
本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーと、ミルドファイバーと、を含むため、当該複合樹脂組成物を成形して得られた成形品は高温剛性に優れる。
本発明の複合樹脂組成物において、ミルドファイバーの繊維長から算出される、ミルドファイバーの平均繊維長は50〜150μmであることが好ましい。平均繊維長が50μm以上であると、複合樹脂組成物から得られる成形品の高温剛性が十分であるため好ましい。平均繊維長が150μm以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となり、成形品のそり変形が大きくなりにくいため好ましい。
特に、本発明の複合樹脂組成物が低背狭ピッチコネクター用である場合、本発明の複合樹脂組成物において、ミルドファイバーの繊維長から算出される、ミルドファイバーの平均繊維長は50〜100μmであることが好ましい。平均繊維長が50μm以上であると、複合樹脂組成物から得られる成形品の高温剛性が十分であるため好ましい。平均繊維長が100μm以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となり、複合樹脂組成物の成形が困難になりにくいため好ましい。
また、本発明におけるミルドファイバーの繊維径は、特に制限されないが、一般的に5〜15μm程度のものが使用される。
本発明における複合樹脂組成物は、ミルドファイバーを、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%含む。ミルドファイバーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して10質量%未満であると、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の加重たわみ温度が低く、高温剛性が十分ではないため好ましくない。ミルドファイバーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して30質量%超であると、組成物の流動性が悪化するため好ましくない。
本発明における複合樹脂組成物は、特に、非対称電子部品用である場合、ミルドファイバーを、複合樹脂組成物全体に対して15〜30質量%含むことが好ましい。ミルドファイバーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して15質量%以上であると、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品等の成形品は、加重たわみ温度が低くなりにくく、高温剛性が十分であるため好ましい。ミルドファイバーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して30質量%以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となり、成形品のそり変形が大きくなりにくいため好ましい。
(板状無機充填材)
本発明における複合樹脂組成物には、板状無機充填材がさらに含まれる。本発明における複合樹脂組成物に板状無機充填材が含まれることにより、そり変形が抑制された成形品を得ることができる。
板状無機充填材は、複合樹脂組成物全体に対して10〜35質量%含まれる。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して10質量%未満であると、複合樹脂組成物から得られる成形品のそり変形の抑制が十分ではないため好ましくない。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して35質量%超であると、複合樹脂組成物の流動性が悪化し、複合樹脂組成物の成形が困難になる可能性があるため好ましくない。
板状無機充填材は、特に、複合樹脂組成物が非対称電子部品用である場合、複合樹脂組成物全体に対して20〜35質量%含まれることが好ましい。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して20質量%以上であると、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品等の成形品のそり変形が大きくなりにくいため好ましい。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して35質量%以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となりやすいため好ましい。
板状無機充填材は、特に、複合樹脂組成物が低背狭ピッチコネクター用である場合、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%含まれることが好ましい。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して10質量%以上であると、複合樹脂組成物から得られる低背狭ピッチコネクター等の成形品のそり変形の抑制が十分となりやすいため好ましい。板状無機充填材の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して30質量%以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となりやすく、複合樹脂組成物の成形が困難になりにくいため好ましい。
本発明における板状無機充填材としては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられるが、複合樹脂組成物の流動性を悪化させることなく、複合樹脂組成物から得られる成形品のそり変形を抑制させるという点でタルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。また、板状無機充填材の平均粒径については特に限定されないが、薄肉部における流動性を考慮すると小さい方が望ましい。一方、複合樹脂組成物から得られる非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品のそり変形を小さくするためには一定の大きさを維持していることが望ましい。具体的には、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
〔タルク〕
本発明において使用できるタルクとしては、当該タルクの全固形分量に対して、Fe、Al、及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であり、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超2.0質量%以下であり、かつCaOの含有量が0.5質量%未満であるものが好ましい。すなわち、本発明において使用できるタルクは、その主成分たるSiO及びMgOの他、Fe、Al、及びCaOのうちの少なくとも1種を含有し、各成分を上記の含有量範囲で含有するものであってもよい。
上記タルクにおいて、Fe、Al、及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe、Al、及びCaOの合計含有量は、1.0質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
また、上記タルクのうち、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超のタルクは入手しやすい。また、上記タルクにおいて、Fe及びAlの合計含有量が2.0質量%以下であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe及びAlの合計含有量は、1.0質量%超1.7質量%以下が好ましい。
さらに、上記タルクにおいて、CaOの含有量が0.5質量%未満であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。CaOの含有量は、0.01質量%以上0.4質量%以下が好ましい。
本発明におけるタルクの、レーザー回折法で測定した質量基準又は体積基準の累積平均粒子径(D50)は、成形品のそり変形の防止及び複合樹脂組成物の流動性の維持という観点から、4.0〜20.0μmであることが好ましく、10〜18μmであることがより好ましい。
〔マイカ〕
マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。本発明において使用できるマイカとしては、白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等が挙げられるが、これらのうち色相が良好であり、低価格であるという点で白雲母が好ましい。
また、マイカの製造において、鉱物を粉砕する方法としては、湿式粉砕法及び乾式粉砕法が知られている。湿式粉砕法とは、マイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕で本粉砕し、その後、脱水、乾燥を行う方法である。湿式粉砕法と比較して、乾式粉砕法は低コストで一般的な方法であるが、湿式粉砕法を用いると、鉱物を薄く細かく粉砕することがより容易である。後述する好ましい平均粒径及び厚みを有するマイカが得られるという理由で、本発明においては薄く細かい粉砕物を使用することが好ましい。したがって、本発明においては、湿式粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好ましい。
また、湿式粉砕法においては、被粉砕物を水に分散させることが必要となるため、被粉砕物の分散効率を高めるために、被粉砕物に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を加えることが一般的である。本発明において使用できる凝集沈降剤及び沈降助剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄−シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄−シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH))、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(NaCO)等が挙げられる。これらの凝集沈降剤及び沈降助剤は、pHがアルカリ性又は酸性である。本発明で使用するマイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を使用していないものが好ましい。凝集沈降剤及び/又は沈降助剤で処理されていないマイカを使用すると、複合樹脂組成物中のポリマーの分解が生じにくく、多量のガス発生やポリマーの分子量低下等が起きにくいため、得られる非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等の成形品の性能をより良好に維持するのが容易である。
本発明において使用できるマイカは、マイクロトラックレーザー回折法により測定した平均粒径が10〜100μmであるものが好ましく、平均粒径が20〜80μmであるものが特に好ましい。マイカの平均粒径が10μm以上であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。マイカの平均粒径が100μm以下であると、成形品の剛性の向上が十分となりやすく、ウエルド強度も十分となりやすいため好ましい。さらに、マイカの平均粒径が100μm以下であると、本発明の非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、及び同軸コネクターを含む電子部品等を成形するのに十分な流動性を確保しやすい。
本発明において使用できるマイカの厚みは、電子顕微鏡の観察により実測した厚みが0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.3μmであることが特に好ましい。マイカの厚みが0.01μm以上であると、複合樹脂組成物の溶融加工の際にマイカが割れにくくなるため、成形品の剛性が向上しやすい可能性があるため好ましい。マイカの厚みが1μm以下であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。
本発明において使用できるマイカは、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、かつ/又は、結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
(その他の成分)
本発明における複合樹脂組成物には、上記の成分の他に、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、難燃剤、及び公知の無機充填剤のうちの1種以上を配合してもよい。
本発明における複合樹脂組成物の製造方法は、複合樹脂組成物中の成分を均一に混合できれば特に限定されず、従来知られる樹脂組成物の製造方法から適宜選択することができる。例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出した後、得られた複合樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
本発明における複合樹脂組成物は流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、ラッチ構造や切り欠き等を備える非対称電子部品のような複雑な形状を有する部品、低背狭ピッチコネクター等のような小型で複雑な形状を有する部品、同軸コネクター等を好ましく成形できる。最小充填圧力は、複合樹脂組成物を成形する際に、365℃において良好な成形品を得られる最小の射出充填圧として特定される。
[電子部品]
本発明における複合樹脂組成物を成形することにより、本発明の電子部品を得ることができる。電子部品としては、特に限定されないが、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター等が挙げられる。
(非対称電子部品)
本発明における複合樹脂組成物を成形することにより、本発明の非対称電子部品を得ることができる。本発明の非対称電子部品とは、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がないものをいう。
市場に多く存在する通常のコネクター(電子部品)の場合、XY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れかの軸面において対称性を有するものであり、成形に際し、対称性を保つようなゲート位置及び設計とすることで、製品の寸法精度及びそりをコントロールすることが可能である。これに対し、本発明の非対称電子部品は、形状が複雑であり、成形手法ではそり変形を抑制することが困難なものである。本発明の非対称電子部品では、特定の複合樹脂組成物を用いることで、そり変形が抑制されている。
このような非対称電子部品の代表例としては、ある種のコネクター、ソケットが挙げられる。
コネクターとしては、DIMMコネクター、DDR−DIMMコネクター、DDR2−DIMMコネクター、DDR−SO−DIMMコネクター、DDR2−SO−DIMMコネクター、DDR−Micro−DIMMコネクター、DDR2−Micro−DIMMコネクター等のメモリーモジュール用コネクターが挙げられる。中でも、DDR−DIMMコネクター及びDDR2−DIMMコネクターが好適であり、特にノートパソコン用途の薄肉で形状の複雑なメモリーモジュール用コネクターであって、ピッチ間距離が0.8mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが6.0mm以下、極数が150極以上のものが特に好適である。このようなメモリーモジュール用コネクターは、ピーク温度230〜280℃で表面実装のためのIRリフロー工程に供せられ、IRリフロー工程を経る前のそりが0.1mm以下であり、なおかつリフロー前後のそりの差が0.05mm以下であることが求められるが、本発明によればこのような要求を満足できる。
また、ソケットとしては、カードバス、CFカード、メモリースティック、PCカード、SDカード、SDMo、スマートカード、スマートメディアカード、microSDカード、miniSDカード、xDピクチャーカード、TransFlash等のメモリーカードソケットが挙げられ、特にレール構造を有し、製品高さが3.0mm以下のメモリーカードソケットが好適である。
(低背狭ピッチコネクター)
本発明における複合樹脂組成物を成形することにより、本発明の低背狭ピッチコネクターを得ることができる。本発明の低背狭ピッチコネクターの形状としては、特に限定されないが、ピッチ間距離が0.5mm以下、製品全長が4.0mm以上、製品高さが4.0mm以下である低背狭ピッチコネクターであってもよい。また、本発明の低背狭ピッチコネクターの種類としては特に限定されないが、基板対基板コネクター(「BtoBコネクター」としても知られる)、フレキシブルプリント基板(FPC)とフレキシブルフラットケーブル(FFC)とを接続するために使用されるフレキシブルプリント基板用コネクター(「FPC用コネクター」としても知られる)等であってもよい。
(同軸コネクター)
本発明における複合樹脂組成物を成形することにより、本発明の同軸コネクターを得ることができる。樹脂組成物を成形して同軸コネクターを製造するには、当該樹脂組成物が流動性に優れることを要するが、本発明における複合樹脂組成物は、流動性に優れるため、この複合樹脂組成物を用いて円滑に同軸コネクターを製造することができる。同軸コネクターとしては、特に限定されないが、例えば、厚み100μm以下の同軸コネクターが挙げられる。
本発明の非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター等の本発明の電子部品を得る成形方法としては特に限定されないが、得られる電子部品の変形等を防ぐために、特に、そり変形が抑制された非対称電子部品を得るために、又は、得られる低背狭ピッチコネクターや同軸コネクターの変形等を防ぐために、残留内部応力のない成形条件を選ぶことが好ましい。充填圧力を低くし、非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター等の得られる電子部品の残留内部応力を低下させるために、成形機のシリンダー温度は、液晶性ポリマーの融点以上の温度が好ましい。
また、金型温度は70〜100℃が好ましい。金型温度が低すぎなければ、特に、金型温度が70℃以上であると、金型に充填された複合樹脂組成物が流動不良を起こしにくいため好ましい。金型温度が高すぎなければ、特に、金型温度が100℃以下であると、バリ発生等の問題が生じにくいため好ましい。射出速度については、150mm/秒以上で成形することが好ましい。射出速度が低すぎなければ、特に、射出速度が150mm/秒以上であると、未充填成形品しか得られない可能性が低く、完全に充填した成形品は、充填圧力が高く残留内部応力の大きい成形品となりにくく、そり変形の大きい非対称電子部品、平面度が劣るコネクター等の、形状の点で問題のある電子部品しか得られない可能性が低い。
特に、本発明の非対称電子部品は、そり変形が抑制されている。非対称電子部品のそりの程度は、以下の通りにして判断する。すなわち、非対称電子部品を水平な机の上に静置し、非対称電子部品の高さを画像測定機により測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差を非対称電子部品のそりとする。本発明の非対称電子部品は、IRリフローを行う前後において、そりの変化が抑制されている。
また、本発明の非対称電子部品、低背狭ピッチコネクター、同軸コネクター等の本発明の電子部品は、高温剛性に優れる。高温剛性は、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定することで評価する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(液晶性ポリマー1の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸:1041g(48モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:89g(3モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸:565g(21.7モル%)(TA)
(IV)イソフタル酸:78g(3モル%)(IA)
(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル:711g(24.3モル%)(BP)
酢酸カリウム触媒:110mg
無水酢酸:1645g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、さらに360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから20分かけて10Torr(すなわち、1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は358℃、結晶化温度は303℃、結晶化熱量は1.6J/g、溶融粘度は9Pa・sであった。
なお、本実施例において、ペレットの融点、結晶化温度、結晶化熱量、及び溶融粘度の測定は、それぞれ下記の条件で行った。
[融点の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶性ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
[結晶化温度の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶性ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で測定した際に観測される発熱ピーク温度を測定した。
[結晶化熱量の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、全芳香族ポリエステル及びポリエステル樹脂組成物を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で測定した際に観測される発熱ピーク温度のピークより求められる発熱ピークの熱量を測定した。
[溶融粘度の測定]
L=20mm、d=1mmの(株)東洋精機製キャピログラフ1B型を使用し、液晶性ポリマーの融点よりも10〜20℃高い温度で、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、液晶性ポリマーの溶融粘度を測定した。
(液晶性ポリマー2の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸:188.4g(60モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:21.4g(5モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸:66.8g(17.7モル%)(TA)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル:52.2g(12.3モル%)(BP)
(V)4−アセトキシアミノフェノール:17.2g(5モル%)(APAP)
酢酸カリウム触媒:15mg
無水酢酸:226.2g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、さらに340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(すなわち、667Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は334℃、結晶化温度は290℃、結晶化熱量は2.7J/g、溶融粘度は18Pa・sであった。
(液晶性ポリマー以外の成分)
上記で得られた各液晶性ポリマーと、下記の成分とを二軸押出機を使用して混合し、複合樹脂組成物を得た。各成分の配合量は表1〜3に示した通りである。
(B)ガラス繊維及び/又はミルドファイバー
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製ECS03T−786H、繊維径10μm、長さ3mmのチョプドストランド
ミルドファイバー:日東紡(株)製PF70E001、繊維径10μm、平均繊維長70μm
(C)板状無機充填材
タルク;松村産業(株)製クラウンタルクPP、平均粒径10μm
マイカ;(株)山口雲母工業製AB−25S、平均粒径25μm
また、複合樹脂組成物を得る際の押出条件は下記の通りである。
[押出条件]
〔実施例1〜11、比較例4、5、10、11、参考例1〜4〕
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて370℃とした。液晶性ポリマーはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填材はサイドフィード口から供給した。
〔比較例1〜3、6〜9〕
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて350℃とした。液晶性ポリマーはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填材はサイドフィード口から供給した。
なお、複合樹脂組成物中のガラス繊維及びミルドファイバーの平均ガラス繊維長は下記の方法で測定した。
[平均ガラス繊維長の測定]
複合樹脂組成物ペレット5gを600℃で2時間加熱し灰化した。灰化残渣を5質量%ポリエチレングリコール水溶液に十分分散させた後、スポイトでシャーレに移し、顕微鏡でガラス繊維又はミルドファイバーを観察した。同時に画像測定器((株)ニレコ製LUZEXFS)を用いてガラス繊維又はミルドファイバーの重量平均繊維長を測定した。
<非対称電子部品の作製及び評価>
下記の方法に基づき、複合樹脂組成物から成形したDDR−DIMMコネクターの物性を測定した。各評価結果を表1に示す。
(DDRコネクターそり)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形し(ゲート:トンネルゲート、ゲートサイズ:φ0.75mm)、図1に示すような、全体の大きさ70.0mm×26.0mm×4.0mmt、ピッチ間距離0.6mm、ピン孔数100×2のDDR−DIMMコネクターを得た。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業SE30DUZ
シリンダー温度(ノズル側からの温度を示す):
360℃−365℃−340℃−330℃(実施例1〜3、比較例4、5、参考例1、2)
350℃−350℃−340℃−330℃(比較例1〜3)
金型温度:80℃
射出速度:300mm/秒
保圧力:50MPa
保圧時間:2秒
冷却時間:10秒
スクリュー回転数:120rpm
スクリュー背圧:1.2MPa
得られたコネクターを水平な机の上に静置し、コネクターの高さをミツトヨ製クイックビジョン404PROCNC画像測定機により測定した。その際、図2において黒丸で示す複数の位置で高さを測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差をDDRコネクターのそりとした。なお、そりは、下記条件で行ったIRリフローの前後で測定した。
[IRリフロー条件]
測定機:日本パルス技術研究所製大型卓上リフローハンダ付け装置RF−300(遠赤外線ヒーター使用)
試料送り速度:140mm/秒
リフロー炉通過時間:5分
プレヒートゾーンの温度条件:150℃
リフローゾーンの温度条件:190℃
ピーク温度:251℃
(DDRコネクター変形量)
上述の方法で測定したリフロー前後のそりの差をDDRコネクター変形量として求めた。
(DDRコネクター最小充填圧力)
図1のDDR−DIMMコネクターを射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として測定した。
(荷重たわみ温度)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形して成形品を得、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定した。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度(ノズル側からの温度を示す):
360℃−370℃−370℃−360℃−340℃−330℃(実施例1〜3、比較例4、5、参考例1、2)
350℃−350℃−350℃−350℃−340℃−330℃(比較例1〜3)
金型温度:80℃
射出速度:2m/分
保圧力:50MPa
保圧時間:2秒
冷却時間:10秒
スクリュー回転数:120rpm
スクリュー背圧:1.2MPa
Figure 2014050371
表1に示される通り、本発明の複合樹脂組成物は、流動性が良好であり、当該複合樹脂組成物から成形された非対称電子部品は、そり変形が抑制されており、また、高温剛性に優れていた。
<低背狭ピッチコネクターの作製及び評価>
下記の方法に基づき、低背狭ピッチコネクターの成形時のコネクター最小充填圧力及び荷重たわみ温度を測定した。その結果を表2及び3に示す。なお、表中、「充填不可」とは、成形機に複合樹脂組成物を充填できなかったことを指す。
(コネクター最小充填圧力)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を図3に示すような、全体の大きさ17.6mm×4.00mm×1.16mm、ピッチ間距離0.5mm、ピン孔数30×2ピン、最小肉厚:0.12mmのFPCコネクター(ゲート:トンネルゲート(φ0.4mm))を射出成形し、良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として測定した。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE30DUZ
シリンダー温度(ノズル側からの温度を示す):
365℃−365℃−355℃−345℃(実施例4〜11、比較例10、11、参考例3、4)
350℃−350℃−340℃−330℃(比較例6〜9)
金型温度:80℃
射出速度:12m/分
保圧力:50MPa
保圧時間:2秒
冷却時間:5秒
スクリュー回転数:120−100rpm
スクリュー背圧:1.5−1.0MPa
(荷重たわみ温度)
下記成形条件で、複合樹脂組成物をそれぞれ射出成形して成形品を得て、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定した。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度(ノズル側からの温度を示す):
360℃−370℃−370℃−360℃−340℃−330℃(実施例4〜11、比較例10、11、参考例3、4)
350℃−350℃−350℃−350℃−340℃−330℃(比較例6〜9)
金型温度:80℃
射出速度:2m/分
保圧力:50MPa
保圧時間:2秒
冷却時間:10秒
スクリュー回転数:120rpm
スクリュー背圧:1.2MPa
Figure 2014050371
Figure 2014050371
表2及び3に示される通り、本発明の複合樹脂組成物は、流動性に優れ、当該複合樹脂組成物から成形された低背狭ピッチコネクターは、最小充填圧力の値が低減されていた。
このような非対称電子部品の場合、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れかの軸面に対して対称性を有する通常のコネクター(対称電子部品)と異なり、対称性を有しないことから、成形手法の面からのそり変形改善には限界がある。また、複雑な形状を有する非対称電子部品の場合、成形品内の樹脂及びフィラーの配向が複雑となり、より高い流動性も必要となり、そり変形の抑制がより困難である。

Claims (14)

  1. (A)液晶性ポリマーと、(B)ミルドファイバーと、(C)板状無機充填材と、を含む電子部品用複合樹脂組成物であって、
    前記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記の構成単位:(I)4−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位、(II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位、(III)テレフタル酸由来の構成単位、(IV)イソフタル酸由来の構成単位、及び(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構成単位を含み、
    全構成単位に対して(I)の構成単位の含有量は35〜75モル%であり、
    全構成単位に対して(II)の構成単位の含有量は2〜8モル%であり、
    全構成単位に対して(III)の構成単位の含有量は4.5〜30.5モル%であり、
    全構成単位に対して(IV)の構成単位の含有量は2〜8モル%であり、
    全構成単位に対して(V)の構成単位の含有量は12.5〜32.5モル%であり、
    全構成単位に対して(II)及び(IV)の構成単位の総量は4〜10モル%であり、
    前記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して40〜80質量%であり、
    前記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%であり、
    前記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜35質量%である電子部品用複合樹脂組成物。
  2. 前記電子部品が非対称電子部品であり、
    前記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して47.5〜65質量%であり、
    前記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して15〜30質量%であり、
    前記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して20〜35質量%である請求項1に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
  3. 前記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である請求項2に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
  4. 前記電子部品が低背狭ピッチコネクターであり、
    前記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%である請求項1に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
  5. 前記(A)液晶性ポリマーは、[融点−結晶化温度]の値が50〜60℃であり、融点よりも10〜20℃高い温度において、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定された溶融粘度が5〜15Pa・sである請求項4に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
  6. 前記(B)ミルドファイバーの平均繊維長は50〜100μmであり、かつ、
    前記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である請求項4又は5に記載の電子部品用複合樹脂組成物。
  7. 請求項1に記載の電子部品用複合樹脂組成物から成形される電子部品。
  8. 前記(A)液晶性ポリマーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して47.5〜65質量%であり、
    前記(B)ミルドファイバーの含有量は、複合樹脂組成物全体に対して15〜30質量%であり、
    前記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して20〜35質量%であり、
    成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品である請求項7に記載の電子部品。
  9. 前記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上であるである請求項8に記載の電子部品。
  10. ピッチ間距離が0.8mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが6.0mm以下、極数が150極以上のメモリーモジュール用コネクターである請求項8又は9に記載の電子部品。
  11. レール構造を有し、製品高さが3.0mm以下のメモリーカードソケットである請求項8又は9に記載の電子部品。
  12. 前記(C)板状無機充填材の含有量は、複合樹脂組成物全体に対して10〜30質量%であり、
    ピッチ間距離が0.5mm以下であり、
    製品全長が4.0mm以上であり、
    製品高さが4.0mm以下であり、
    基板対基板コネクター又はフレキシブルプリント基板用コネクターである低背狭ピッチコネクターである請求項7に記載の電子部品。
  13. 前記(A)液晶性ポリマーは、[融点−結晶化温度]の値が50〜60℃であり、融点よりも10〜20℃高い温度において、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定された溶融粘度が5〜15Pa・sである請求項12に記載の電子部品。
  14. 前記(B)ミルドファイバーの平均繊維長は50〜100μmであり、かつ、
    前記(C)板状無機充填材は、タルク及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である請求項12又は13に記載の電子部品。
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