JP6321898B1 - 複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品 - Google Patents

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Abstract

耐熱性に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制された電子部品が得られる複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品を提供する。本発明に係る複合樹脂組成物は、(A)液晶性ポリマーと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含み、上記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、所定量の下記構成単位(I)〜(V)からなる、溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドであり、前記(B)繊維状充填剤の重量平均繊維長は、250μm以上である。

Description

本発明は、複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品に関する。
液晶性ポリマーは、寸法精度、流動性等に優れる熱可塑性樹脂である。このような特徴を有するため、液晶性ポリマーは、従来より各種電子部品の材料として採用されてきた。
特に、近年のエレクトロニクス機器の高性能化に伴う、コネクターの高耐熱化(実装技術による生産性向上)、高密度化(多芯化)、及び小型化という時代の要請もあり、上記液晶性ポリマーの特徴を活かし、ガラス繊維で強化された液晶性ポリマー組成物がコネクター材料として採用されている。
しかし、近年、コネクターにおいて軽薄短小化が更に進み、成形品の肉厚不足による剛性不足や金属端子のインサートによる内部応力により、成形後及びリフロー加熱中にそり変形が発生し、基板とのハンダ付け不良となる問題が生じている。即ち、従来のガラス繊維のみによる強化では、剛性を上げるためにガラス繊維の添加量を増やすと薄肉部分に樹脂が充填せず、又は成形時の圧力によりインサート端子が変形する問題があった。
かかるそり変形の問題を解決するため、成形手法を工夫することが行われ、また材料面からは特定の板状充填剤の配合が提案されている。即ち、市場に多く存在する通常のコネクター(電子部品)の場合、成形に際し、対称性を保つようなゲート位置、設計をすることで、製品の寸法精度、そりをコントロールすることが可能であり、更に従来提案されている低そり材料を使用することで、そり変形の少ない製品が得られている。
しかしながら、近年における電子部品の形状の複雑化に伴い、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品の提供が求められている。かかる非対称電子部品としては、DDR−DIMMコネクター等のラッチ構造(両端に固定用の爪がある)を持つメモリーモジュール用コネクターが代表例として挙げられる。特にノートパソコン用メモリーモジュール用コネクターでは、取り付けのためのラッチ構造を有し、また位置合わせのための切り欠きがあるため、非常に複雑な形状となる。
このような非対称電子部品の場合、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れかの軸面に対して対称性を有する通常のコネクター(対称電子部品)と異なり、対称性を有しないことから、成形手法の面からのそり変形改善には限界がある。また、複雑な形状を有する非対称電子部品の場合、成形品内の樹脂及びフィラーの配向が複雑となり、より高い流動性も必要となり、そり変形の抑制がより困難である。
このような問題点を解決する技術として、例えば、特許文献1には、特定の繊維状充填剤と特定の板状充填剤とを特定量配合してなる液晶性ポリマー組成物から成形され、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品が開示されている。
国際公開第2008/023839号
しかしながら、最近の非対称電子部品における集積率の増加等に伴う形状変化、特にピッチ間距離や製品高さの減少、極数の増加等の要因により、上記特許文献1に開示された液晶性ポリマー組成物等の従来の液晶性ポリマー組成物では対処しきれない場合があることが判明した。即ち、従来の液晶性ポリマー組成物は耐熱性及び流動性が十分ではなく、このような液晶性ポリマー組成物から、そり変形が抑制された非対称電子部品を得ることは困難であった。
また、液晶性ポリマー組成物には、ブリスター発生の問題が生じ得る。即ち、液晶性ポリマーである液晶性ポリエステルアミドは、高温熱安定性が良いため、高温での熱処理を要する材料に使用される場合が多い。しかし、成形品を高温の空気中及び液体中に長時間放置すると、表面にブリスターと呼ばれる細かい膨れが生じるという問題が起こる。この現象は、液晶性ポリエステルアミドが溶融状態にある時に発生する分解ガス等が成形品内部に持ち込まれ、その後、高温の熱処理を行う際にそのガスが膨張し、加熱で軟化した成形品表面を押し上げ、押し上げられた部分がブリスターとして現れることによる。ブリスターの発生は、材料の溶融押出し時にベント孔から充分脱気することや成形する際に成形機内に長く滞留させないこと等によって、少なくすることもできる。しかし、非常に条件範囲が狭く、ブリスターの発生を抑えた成形品、即ち、耐ブリスター性を有する成形品を得るには充分ではない。ブリスター発生の根本的な解決には、液晶性ポリエステルアミドそのものの品質の向上を要し、公知の液晶性ポリエステルアミドやそれを用いた方法では、ブリスター発生の問題を解決するには不充分である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制された電子部品が得られる複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構成単位を所定量含む液晶性ポリマーと、繊維状充填剤と、板状充填剤と、を組み合わせ、繊維状充填剤の重量平均繊維長を250μm以上とすることで上記の課題を解決できることを見出した。具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) (A)液晶性ポリマーと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含む複合樹脂組成物であって、
前記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記構成単位(I)〜(V)のみからなり、
全構成単位に対して構成単位(I)の含有量は50〜69モル%であり、
全構成単位に対して構成単位(II)の含有量は9.2〜22.5モル%であり、
全構成単位に対して構成単位(III)の含有量は2.5〜6.3モル%であり、
全構成単位に対して構成単位(IV)の含有量は8.5〜24モル%であり、
全構成単位に対して構成単位(V)の含有量は1〜7モル%であり、
構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数が構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数の1〜1.06倍であり、又は、構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数が構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数の1〜1.06倍である、溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドであり、
前記(B)繊維状充填剤の重量平均繊維長は、250μm以上であり、
前記(A)液晶性ポリマーは、複合樹脂組成物全体に対して37.5〜82.5質量%であり、
前記(B)繊維状充填剤は、複合樹脂組成物全体に対して2.5〜17.5質量%であり、
前記(C)板状充填剤は、複合樹脂組成物全体に対して15〜45質量%であり、
前記(B)繊維状充填剤及び前記(C)板状充填剤の総量は、複合樹脂組成物全体に対して17.5〜62.5質量%である複合樹脂組成物。
Figure 0006321898
(2) 前記(B)繊維状充填剤は、ガラス繊維である(1)に記載の複合樹脂組成物。
(3) 上記(C)板状充填剤は、タルクである(1)又は(2)に記載の複合樹脂組成物。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の複合樹脂組成物から成形され、製品全長が30mm以上であり、製品高さが5mm以上である電子部品。
(5) 成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品である(4)に記載の電子部品。
(6) ピッチ間距離が0.6mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが5.0mm以下、極数が200極以上のメモリーモジュール用コネクターである(4)又は(5)に記載の電子部品。
本発明によれば、耐熱性に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制された電子部品が得られる複合樹脂組成物、及び当該複合樹脂組成物から成形された電子部品が提供される。
実施例で成形したDDR−DIMMコネクターを示す図である。なお、Aはゲート位置を示す。 実施例で行ったDDR−DIMMコネクターのそりの測定における測定箇所を示す図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[複合樹脂組成物]
本発明における複合樹脂組成物は、特定の液晶性ポリマーと、繊維状充填剤と、板状充填剤とを所定量ずつ含み、繊維状充填剤の重量平均繊維長は250μm以上である。以下、本発明における複合樹脂組成物を構成する成分について説明する。
(液晶性ポリマー)
本発明における複合樹脂組成物には、上記全芳香族ポリエステルアミドである液晶性ポリマーが含まれる。上記全芳香族ポリエステルアミドは、融点が低いため、加工温度を低くすることができ、溶融時の分解ガスの発生が抑制される。その結果、上記全芳香族ポリエステルアミドを含む複合樹脂組成物を成形して得られた成形品は、ブリスター発生が抑制されて、耐ブリスター性が向上する。液晶性ポリマーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、下記構成単位(I)、下記構成単位(II)、下記構成単位(III)、下記構成単位(IV)、及び下記構成単位(V)のみからなる。
Figure 0006321898
構成単位(I)は、4−ヒドロキシ安息香酸(以下、「HBA」ともいう。)から誘導される。本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、全構成単位に対して構成単位(I)を50〜69モル%含む。構成単位(I)の含有量が50モル%未満、又は69モル%を超えると、耐熱性及び製造性の少なくとも1つが不十分となりやすい。
構成単位(II)は、1,4−フェニレンジカルボン酸(以下、「TA」ともいう。)から誘導される。本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、全構成単位に対して構成単位(II)を9.2〜22.5モル%含む。構成単位(II)の含有量が9.2モル%未満、又は22.5モル%を超えると、耐熱性及び製造性の少なくとも1つが不十分となりやすい。
構成単位(III)は、1,3−フェニレンジカルボン酸(以下、「IA」ともいう。)から誘導される。本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、全構成単位に対して構成単位(III)を2.5〜6.3モル%含む。構成単位(III)の含有量が2.5モル%未満、又は6.3モル%を超えると、耐熱性及び製造性の少なくとも1つが不十分となりやすい。
構成単位(IV)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下、「BP」ともいう。)から誘導される。本発明における全芳香族ポリエステルアミドには、全構成単位に対して構成単位(IV)を8.5〜24モル%含む。構成単位(IV)の含有量が8.5モル%未満、又は24モル%を超えると、耐熱性及び製造性の少なくとも1つが不十分となりやすい。
構成単位(V)は、N−アセチル−p−アミノフェノール(以下、「APAP」ともいう。)から誘導される。本発明における全芳香族ポリエステルアミドには、全構成単位に対して構成単位(V)を1〜7モル%含む。構成単位(V)の含有量が1モル%未満であると、耐熱性は良好でありつつも、製造性が不十分となりやすい。構成単位(V)の含有量が7モル%を超えると、耐熱性及び製造性の少なくとも1つが不十分となりやすい。
耐熱性と製造性とのバランスの観点から、構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数(以下、「モル数1A」ともいう。)は、構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数(以下、「モル数2A」ともいう。)の1〜1.06倍であり、又は、構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数は、構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数の1〜1.06倍である。モル数1Aは、モル数2Aの1〜1.025倍であり、又は、モル数2Aは、モル数1Aの1〜1.025倍であることが好ましい。
以上の通り、本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、特定の構成単位である(I)〜(V)のそれぞれを、全構成単位に対して特定の量含有し、かつ、モル数1Aとモル数2Aとの比が特定の範囲であるため、耐熱性及び製造性にバランスよく優れる。
上記の耐熱性を表す指標として、融点と荷重たわみ温度(以下、「DTUL」ともいう。)との差が挙げられる。この差が、110℃以下であると耐熱性が高くなる傾向にあり好ましい。DTULは、前記全芳香族ポリエステルアミド60質量%と、平均繊維径11μm、平均繊維長75μmのミルドファイバー40質量%とを、前記全芳香族ポリエステルアミドの融点+20℃にて溶融混練して得られるポリエステルアミド樹脂組成物の状態で測定される値であり、ISO75−1,2に準拠して測定することができる。耐熱性と製造性とのバランスの観点から、上記差は、好ましくは0℃超108℃以下(例えば、65℃以上108℃以下)、より好ましくは71℃以上107℃以下である。
次いで、本発明における全芳香族ポリエステルアミドの製造方法について説明する。本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、直接重合法やエステル交換法等を用いて重合される。重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等、又はこれらの2種以上の組み合わせが用いられ、溶融重合法、又は溶融重合法と固相重合法との組み合わせが好ましく用いられる。
本発明では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の脂肪酸無水物等が挙げられる。
これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものとしては、ジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタン珪酸塩類、チタンアルコラート類、脂肪酸金属塩、BFの如きルイス酸塩等が挙げられ、脂肪酸金属塩が好ましい。触媒の使用量は一般にはモノマーの全質量に基づいて約0.001〜1質量%、特に約0.003〜0.2質量%が好ましい。
また、溶液重合又はスラリー重合を行う場合、溶媒としては流動パラフィン、高耐熱性合成油、不活性鉱物油等が用いられる。
反応条件としては、例えば、反応温度200〜380℃、最終到達圧力0.1〜760Torr(即ち、13〜101,080Pa)である。特に溶融反応では、例えば、反応温度260〜380℃、好ましくは300〜360℃、最終到達圧力1〜100Torr(即ち、133〜13,300Pa)、好ましくは1〜50Torr(即ち、133〜6,670Pa)である。
反応は、全原料モノマー(HBA、TA、IA、BP、及びAPAPのみ)、アシル化剤、及び触媒を同一反応容器に仕込んで反応を開始させることもできるし(一段方式)、原料モノマーHBA、BP、及びAPAPの水酸基をアシル化剤によりアシル化させた後、TA及びIAのカルボキシル基と反応させることもできる(二段方式)。
溶融重合は、反応系内が所定温度に達した後、減圧を開始して所定の減圧度にして行う。撹拌機のトルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系から全芳香族ポリエステルアミドを排出する。
上記重合方法により製造された全芳香族ポリエステルアミドは、更に常圧又は減圧、不活性ガス中で加熱する固相重合により分子量の増加を図ることができる。固相重合反応の好ましい条件は、反応温度230〜350℃、好ましくは260〜330℃、最終到達圧力10〜760Torr(即ち、1,330〜101,080Pa)である。
本発明における全芳香族ポリエステルアミドの製造方法は、脂肪酸金属塩の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及びN−アセチル−p−アミノフェノールを脂肪酸無水物でアシル化して、1,4−フェニレンジカルボン酸及び1,3−フェニレンジカルボン酸とエステル交換する工程を含むことが好ましく、
4−ヒドロキシ安息香酸、1,4−フェニレンジカルボン酸、1,3−フェニレンジカルボン酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及びN−アセチル−p−アミノフェノールのみからなる全モノマーに対し、
4−ヒドロキシ安息香酸の使用量が50〜69モル%、
1,4−フェニレンジカルボン酸の使用量が9.2〜22.5モル%、
1,3−フェニレンジカルボン酸の使用量が2.5〜6.3モル%、
4,4’−ジヒドロキシビフェニルの使用量が8.5〜24モル%、
N−アセチル−p−アミノフェノールの使用量が1〜7モル%
であることが好ましく、
1,4−フェニレンジカルボン酸と1,3−フェニレンジカルボン酸との合計のモル数(以下、「モル数1B」ともいう。)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとN−アセチル−p−アミノフェノールとの合計のモル数(以下、「モル数2B」ともいう。)の1〜1.06倍であり、又は、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとN−アセチル−p−アミノフェノールとの合計のモル数は、1,4−フェニレンジカルボン酸と1,3−フェニレンジカルボン酸との合計のモル数の1〜1.06倍であることが好ましく、
前記脂肪酸無水物の使用量は、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及びN−アセチル−p−アミノフェノールの合計の水酸基当量の1.02〜1.04倍であることが好ましい。上記脂肪酸金属塩が酢酸金属塩であり、上記脂肪酸無水物が無水酢酸であることがより好ましい。また、モル数1Bは、モル数2Bの1〜1.025倍であり、又は、モル数2Bは、モル数1Bの1〜1.025倍であることがより好ましい。
次いで、全芳香族ポリエステルアミドの性質について説明する。本発明における全芳香族ポリエステルアミドは、溶融時に光学的異方性を示す。溶融時に光学的異方性を示すことは、本発明における全芳香族ポリエステルアミドが液晶性ポリマーであることを意味する。
本発明において、全芳香族ポリエステルアミドが液晶性ポリマーであることは、全芳香族ポリエステルアミドが熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位(I)〜(V)から構成される全芳香族ポリエステルアミドは、構成成分及びポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本発明のポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドに限られる。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
ネマチックな液晶性ポリマーは融点以上で著しく粘性低下を生じるので、一般的に融点又はそれ以上の温度で液晶性を示すことが加工性の指標となる。融点は、でき得る限り高い方が耐熱性の観点からは好ましいが、ポリマーの溶融加工時の熱劣化や成形機の加熱能力等を考慮すると、340℃超370℃以下であることが好ましい目安となる。なお、より好ましくは、345〜365℃である。
本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して37.5〜82.5質量%含む。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して37.5質量%未満であると、複合樹脂組成物の流動性が悪化しやすく、また、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品のそり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。液晶性ポリマーの含有量が、複合樹脂組成物全体に対して82.5質量%超であると、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品の曲げ弾性率及び耐クラック性が低下するため好ましくない。本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーを、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して44〜75質量%含むことが好ましく、60〜65質量%含むことがより好ましい。
(繊維状充填剤)
本発明における複合樹脂組成物は、上記の液晶性ポリマーと、繊維状充填剤と、を含み、繊維状充填剤の重量平均繊維長は250μm以上であるため、当該複合樹脂組成物を成形して得られた成形品は高温剛性に優れ、そり変形が抑制されている。繊維状充填剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。本発明における繊維状充填剤としては、特に限定されず、ガラス繊維、ミルドファイバー、カーボン繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。複合樹脂組成物から得られる成形品の高温剛性が向上しやすいため、本発明における繊維状充填剤としては、ガラス繊維が好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、繊維状充填剤の重量平均繊維長は、250μm以上であり、350μm以上であることが好ましく、450μm以上であることがより好ましい。上記重量平均繊維長が250μm未満であると、複合樹脂組成物から得られる成形品の高温剛性が十分となりにくく、成形品のそり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。上記重量平均繊維長の上限としては、特に限定されず、600μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。上記重量平均繊維長が600μm以下であると、複合樹脂組成物の流動性が良好となり、成形品のそり変形が大きくなりにくいため好ましい。なお、本明細書において、繊維状充填剤の重量平均繊維長とは、複合樹脂組成物を600℃で2時間加熱し灰化して灰化残渣を得、この灰化残渣を5質量%ポリエチレングリコール水溶液に分散させて分散液を得、この分散液について画像測定器を用いて測定した重量平均繊維長をいう。
また、本発明における繊維状充填剤の繊維径は、特に制限されず、一般的に5〜15μm程度のものが使用される。
本発明における複合樹脂組成物は、繊維状充填剤を、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して2.5〜17.5質量%含む。繊維状充填剤の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して2.5質量%未満であると、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品は、荷重たわみ温度が低く、高温剛性が十分ではないため好ましくない。繊維状充填剤の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して17.5質量%超であると、複合樹脂組成物の流動性が悪化し、成形品のそり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。本発明における繊維状充填剤は、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して4〜16質量%含まれることが好ましく、5〜15質量%含まれることがより好ましい。
(板状充填剤)
本発明における複合樹脂組成物には、板状充填剤が更に含まれる。本発明における複合樹脂組成物に板状充填剤が含まれることにより、そり変形が抑制された成形品を得ることができる。板状充填剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
板状充填剤は、複合樹脂組成物全体に対して15〜45質量%含まれる。板状充填剤の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して15質量%未満であると、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品のそり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。板状充填剤の含有量が、複合樹脂組成物全体に対して45質量%超であると、複合樹脂組成物の流動性が悪化する恐れがあるため好ましくない。本発明における板状充填剤は、複合樹脂組成物中に、複合樹脂組成物全体に対して20〜40質量%含まれることが好ましく、25〜35質量%含まれることがより好ましい。
本発明における板状充填剤としては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられ、複合樹脂組成物の流動性を悪化させることなく、複合樹脂組成物から得られる成形品のそり変形を抑制させるという点で、タルクが好ましい。また、板状充填剤の平均粒径については特に限定されず、薄肉部における流動性を考慮すると小さい方が望ましい。一方、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品のそり変形を小さくするためには一定の大きさを維持している必要がある。具体的には、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
〔タルク〕
本発明において使用できるタルクとしては、当該タルクの全固形分量に対して、Fe、Al及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であり、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超2.0質量%以下であり、かつCaOの含有量が0.5質量%未満であるものが好ましい。即ち、本発明において使用できるタルクは、その主成分たるSiO及びMgOの他、Fe、Al及びCaOのうちの少なくとも1種を含有し、各成分を上記の含有量範囲で含有するものであってもよい。
上記タルクにおいて、Fe、Al及びCaOの合計含有量が2.5質量%以下であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe、Al及びCaOの合計含有量は、1.0質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
また、上記タルクのうち、Fe及びAlの合計含有量が1.0質量%超のタルクは入手しやすい。また、上記タルクにおいて、Fe及びAlの合計含有量が2.0質量%以下であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。Fe及びAlの合計含有量は、1.0質量%超1.7質量%以下が好ましい。
更に、上記タルクにおいて、CaOの含有量が0.5質量%未満であると、複合樹脂組成物の成形加工性及び複合樹脂組成物から成形された電子部品等の成形品の耐熱性が悪化しにくい。CaOの含有量は、0.01質量%以上0.4質量%以下が好ましい。
本発明におけるタルクの、レーザー回折法で測定した質量基準又は体積基準の累積平均粒子径(D50)は、成形品のそり変形の防止及び複合樹脂組成物の流動性の維持という観点から、4.0〜20.0μmであることが好ましく、10〜18μmであることがより好ましい。
〔マイカ〕
マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。本発明において使用できるマイカとしては、白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等が挙げられるが、これらのうち色相が良好であり、低価格であるという点で白雲母が好ましい。
また、マイカの製造において、鉱物を粉砕する方法としては、湿式粉砕法及び乾式粉砕法が知られている。湿式粉砕法とは、マイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕で本粉砕し、その後、脱水、乾燥を行う方法である。湿式粉砕法と比較して、乾式粉砕法は低コストで一般的な方法であるが、湿式粉砕法を用いると、鉱物を薄く細かく粉砕することがより容易である。後述する好ましい平均粒径及び厚みを有するマイカが得られるという理由で、本発明においては薄く細かい粉砕物を使用することが好ましい。したがって、本発明においては、湿式粉砕法により製造されたマイカを使用するのが好ましい。
また、湿式粉砕法においては、被粉砕物を水に分散させる工程が必要であるため、被粉砕物の分散効率を高めるために、被粉砕物に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を加えることが一般的である。本発明において使用できる凝集沈降剤及び沈降助剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄−シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄−シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH))、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(NaCO)等が挙げられる。これらの凝集沈降剤及び沈降助剤は、pHがアルカリ性又は酸性である。本発明で使用するマイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤及び/又は沈降助剤を使用していないものが好ましい。凝集沈降剤及び/又は沈降助剤で処理されていないマイカを使用すると、複合樹脂組成物中のポリマーの分解が生じにくく、多量のガス発生やポリマーの分子量低下等が起きにくいため、得られる電子部品等の成形品の性能をより良好に維持するのが容易である。
本発明において使用できるマイカは、マイクロトラックレーザー回折法により測定した平均粒径が10〜100μmであるものが好ましく、平均粒径が20〜80μmであるものが特に好ましい。マイカの平均粒径が10μm以上であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。マイカの平均粒径が100μm以下であると、成形品の剛性の向上が十分となりやすく、ウェルド強度も十分となりやすいため好ましい。更に、マイカの平均粒径が100μm以下であると、本発明の電子部品等を成形するのに十分な流動性を確保しやすい。
本発明において使用できるマイカの厚みは、電子顕微鏡の観察により実測した厚みが0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.3μmであることが特に好ましい。マイカの厚みが0.01μm以上であると、複合樹脂組成物の溶融加工の際にマイカが割れにくくなるため、成形品の剛性が向上しやすい可能性があるため好ましい。マイカの厚みが1μm以下であると、成形品の剛性に対する改良効果が十分となりやすいため好ましい。
本発明において使用できるマイカは、シランカップリング剤等で表面処理されていてもよく、かつ/又は、結合剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
本発明における複合樹脂組成物において、繊維状充填剤及び板状充填剤の総量は、複合樹脂組成物全体に対して17.5〜62.5質量%である。上記総量が、複合樹脂組成物全体に対して17.5質量%未満であると、複合樹脂組成物から得られる電子部品等の成形品は、荷重たわみ温度が低く、高温剛性が十分ではなく、また、そり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。上記総量が、複合樹脂組成物全体に対して62.5質量%超であると、複合樹脂組成物の流動性が悪化し、成形品のそり変形が大きくなる恐れがあるため好ましくない。上記総量は、複合樹脂組成物全体に対して25〜56質量%であることが好ましく、35〜40質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
本発明における複合樹脂組成物には、上記の成分の他に、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、難燃剤、及び公知の無機充填剤のうちの1種以上を配合してもよい。
本発明における複合樹脂組成物の製造方法は、複合樹脂組成物中の成分を均一に混合でき、繊維状充填剤の重量平均繊維長を250μm以上にすることができれば特に限定されず、従来知られる樹脂組成物の製造方法から適宜選択することができる。例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出した後、得られた複合樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
本発明における複合樹脂組成物は流動性に優れるため、成形時の最小充填圧力が過度になりにくく、電子部品、特に、ラッチ構造や切り欠き等を備える非対称電子部品のような複雑な形状を有する部品等を好ましく成形できる。流動性の程度は、コネクターの最小充填圧力により判断する。即ち、図1に示すDDR−DIMMコネクターを射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として特定する。最小充填圧力が低いほど、流動性が優れていると評価される。
液晶性ポリマーの融点より10〜30℃高い温度で、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して測定した複合樹脂組成物の溶融粘度が1×10Pa・s以下(より好ましくは、5Pa・s以上1×10Pa・s以下)であることが、電子部品における複雑な形状を有する部分の成形時において、特に、非対称電子部品におけるラッチ構造や切り欠き等の複雑な形状を有する部分の成形時において、複合樹脂組成物の流動性を確保し、充填圧力が過度にならない点で好ましい。
(電子部品)
本発明における複合樹脂組成物を成形することにより、本発明の電子部品を得ることができる。本発明の電子部品としては、特に限定されず、例えば、製品全長が30mm以上、製品高さが5mm以上である電子部品が挙げられる。本発明の電子部品のうち、非対称電子部品とは、成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がないものをいう。
市場に多く存在する通常のコネクター(電子部品)の場合、XY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れかの軸面において対称性を有するものであり、成形に際し、対称性を保つようなゲート位置及び設計とすることで、製品の寸法精度及びそりをコントロールすることが可能である。これに対し、非対称電子部品は、形状が複雑であり、成形手法ではそり変形を抑制することが困難なものである。本発明の電子部品、特に、非対称電子部品では、本発明の複合樹脂組成物を用いることで、そり変形が抑制されている。
このような電子部品の代表例としては、コネクター、ソケットが挙げられる。
コネクターとしては、例えば、メモリーモジュール用コネクター、インターフェースコネクターが挙げられる。メモリーモジュール用コネクターとしては、例えば、DIMMコネクター;DDR−DIMMコネクター、DDR2−DIMMコネクター、DDR−SO−DIMMコネクター、DDR2−SO−DIMMコネクター、DDR−Micro−DIMMコネクター、DDR2−Micro−DIMMコネクター等のDDRコネクター等が挙げられる。インターフェースコネクターとしては、例えば、SATAコネクター、SASコネクター、NGFFコネクター等が挙げられる。中でも、DDRコネクター、SATAコネクター、SASコネクター、及びNGFFコネクターが好適であり、特にノートパソコン用途の薄肉で形状の複雑なメモリーモジュール用コネクターであって、ピッチ間距離が0.6mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが10.0mm以下、極数が200極以上のものが特に好適である。このようなメモリーモジュール用コネクターは、ピーク温度230〜280℃で表面実装のためのIRリフロー工程に供せられ、IRリフロー工程を経る前のそりが0.1mm以下であり、なおかつリフロー前後のそりの差が0.05mm以下であることが求められるが、本発明によればこのような要求を満足できる。
また、ソケットとしては、カードバス、CFカード、メモリースティック、PCカード、SDカード、SDMo、スマートカード、スマートメディアカード等のメモリーカードソケットが挙げられる。
本発明の電子部品を得る成形方法としては特に限定されず、そり変形が抑制された電子部品を得るために、残留内部応力のない成形条件を選ぶことが好ましい。充填圧力を低くし、得られる電子部品の残留内部応力を低下させるために、成形機のシリンダー温度は、液晶性ポリマーの融点以上の温度が好ましい。
また、金型温度は70〜100℃が好ましい。金型温度が低いと、金型に充填された複合樹脂組成物が流動不良を起こす可能性があるため好ましくない。金型温度が高いと、バリ発生等の問題が生じる可能性があるため好ましくない。射出速度については、150mm/秒以上で成形することが好ましい。射出速度が低いと、未充填成形品しか得られない可能性があり、完全に充填した成形品が得られたとしても、充填圧力が高く残留内部応力の大きい成形品となり、そり変形の大きい電子部品しか得られない可能性がある。
本発明の電子部品は、そり変形が抑制されている。電子部品のそりの程度は、以下の通りにして判断する。即ち、図1に示すDDR−DIMMコネクターにて、図2において黒丸で示す複数の位置で高さを測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差をそりとする。本発明の電子部品は、IRリフローを行う前後において、そりの変化が抑制されている。
また、本発明の電子部品は、ブリスター発生が抑制されている。ブリスター発生の程度は、ブリスター温度により判断する。即ち、所定温度のホットプレスに5分間挟んだ成形品の表面におけるブリスター発生の有無を目視にて観察し、ブリスターの発生個数がゼロとなる最高温度をブリスター温度とする。ブリスター温度が高いほど、ブリスター発生が抑制されていると評価される。
また、本発明の電子部品は、耐熱性、例えば、高温剛性により評価されるような耐熱性に優れる。高温剛性は、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定することで評価する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸10.6モル(64モル%)(HBA)
(II)テレフタル酸2.4モル(14.5モル%)(TA)
(III)イソフタル酸0.6モル(3.5モル%)(IA)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.7モル(16モル%)(BP)
(V)N−アセチル−p−アミノフェノール0.3モル(2モル%)(APAP)
酢酸カリウム触媒110mg
無水酢酸1715g(HBAとBPとのAPAPとの合計の水酸基当量の1.03倍)
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから20分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
<評価>
合成例1の全芳香族ポリエステルアミドについて、融点、DTUL、及び製造性の評価を以下の方法で行った。評価結果を表1に示す。
[融点]
DSC(TAインスツルメント社製)にて、ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
[DTUL]
ポリマー60質量%とガラス繊維(セントラル硝子(株)製EFH75−01、ミルドファイバー、平均繊維径11μm、平均繊維長75μm)40質量%を二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて、ポリマーの融点+20℃のシリンダー温度にて溶融混練し、ポリエステルアミド樹脂組成物ペレットを得た。
上記ポリエステルアミド樹脂組成物ペレットを、成形機(住友重機械工業(株)製「SE100DU」)を用いて、以下の成形条件で成形し、測定用試験片(4mm×10mm×80mm)を得た。この試験片を用いて、ISO75−1,2に準拠した方法で荷重たわみ温度を測定した。なお、曲げ応力としては、1.8MPaを用いた。結果を表1に示す。
〔成形条件〕
シリンダー温度:ポリマーの融点+20℃
金型温度:80℃
背圧:2MPa
射出速度:33mm/sec
[製造性]
上述した重合容器の下部からポリマーを排出する際の挙動を観察し、以下の基準に従って製造性を評価した。結果を表1〜4に示す。
○:ポリマーを問題なくストランドとして排出でき、このストランドをペレット状にカッティングできた場合、製造性は良好であると評価した。
×:重合途中に容器内で固化等を起こしてポリマーを排出できない場合、又は、ポリマーをストランドとして排出できてもこのストランドをカッティングできない場合、製造性は不良であると評価した。
<合成例2〜16、比較合成例1〜8>
原料モノマーの種類、仕込み比率(モル%)を表1〜3に示す通りとした以外は、合成例1と同様にしてポリマーを得た。また、合成例1と同様の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
Figure 0006321898
Figure 0006321898
Figure 0006321898
<実施例1〜4、比較例1〜5>
下記の実施例及び比較例において、液晶性ポリマー1は、合成例1で得た液晶性ポリマーである。また、液晶性ポリマー2及び3は、以下の通りにして製造した。
なお、本実施例において、ペレットの融点及び溶融粘度の測定は、それぞれ下記の条件で行った。
[融点の測定]
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶性ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
[溶融粘度の測定]
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1B型を使用し、液晶性ポリマーの融点よりも10〜30℃高い温度で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、液晶性ポリマーの溶融粘度を測定した。なお、測定温度は、液晶性ポリマー1については360℃、液晶性ポリマー2については350℃、液晶性ポリマー3については380℃であった。
(液晶性ポリマー2の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸:1380g(60モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:157g(5モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸:484g(17.5モル%)(TA)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル:388g(12.5モル%)(BP)
(V)4−アセトキシアミノフェノール:126g(5モル%)(APAP)
酢酸カリウム触媒:110mg
無水酢酸:1659g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち、1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は336℃、溶融粘度は19Pa・sであった。
(液晶性ポリマー3の製造方法)
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸:1040g(48モル%)(HBA)
(II)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:89g(3モル%)(HNA)
(III)テレフタル酸:547g(21モル%)(TA)
(IV)イソフタル酸:91g(3.5モル%)(IA)
(V)4,4’−ジヒドロキシビフェニル:716g(24.5モル%)(BP)
酢酸カリウム触媒:110mg
無水酢酸:1644g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから20分かけて5Torr(即ち、667Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット化した。得られたペレットの融点は355℃、溶融粘度は10Pa・sであった。
(液晶性ポリマー以外の成分)
上記で得られた各液晶性ポリマーと、下記の成分とを二軸押出機を使用して混合し、複合樹脂組成物を得た。各成分の配合量は表4に示した通りである。なお、以下、表中の「%」は質量%を示す。
(B)繊維状充填剤
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製ECS03T−786H、繊維径10μm、長さ3mmのチョプドストランド
ミルドファイバー:日東紡(株)製PF70E001、繊維径10μm、平均繊維長70μm(メーカー公称値)
なお、上記のメーカー公称値は、組成物中での実測値である表4中の100μmとは異なっている。
(C)板状充填剤
タルク;松村産業(株)製クラウンタルクPP、平均粒径10μm
また、複合樹脂組成物を得る際の押出条件は下記の通りである。
[押出条件]
〔実施例1〜4、比較例1〜3〕
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて360℃とした。液晶性ポリマーはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填剤はサイドフィード口から供給した。
〔比較例4〕
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて350℃とした。液晶性ポリマーはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填剤はサイドフィード口から供給した。
〔比較例5〕
メインフィード口に設けられたシリンダーの温度を250℃とし、他のシリンダーの温度はすべて380℃とした。液晶性ポリマーはすべてをメインフィード口から供給した。また、充填剤はサイドフィード口から供給した。
なお、複合樹脂組成物中の繊維状充填剤の重量平均繊維長は下記の方法で測定した。
[重量平均繊維長の測定]
複合樹脂組成物ペレット5gを600℃で2時間加熱し灰化した。灰化残渣を5質量%ポリエチレングリコール水溶液に十分分散させた後、スポイトでシャーレに移し、顕微鏡で繊維状充填剤を観察した。同時に画像測定器((株)ニレコ製LUZEXFS)を用いて繊維状充填剤の重量平均繊維長を測定した。
(複合樹脂組成物の溶融粘度の測定)
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1B型を使用し、液晶性ポリマーの融点よりも10〜30℃高い温度で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、複合樹脂組成物の溶融粘度を測定し、以下の基準に従って評価した。なお、測定温度は、液晶性ポリマー1を使用した複合樹脂組成物については360℃、液晶性ポリマー2を使用した複合樹脂組成物については350℃、液晶性ポリマー3を使用した複合樹脂組成物については380℃であった。結果を表4に示す。
○(良好):上記溶融粘度が40Pa・s以下であった。
×(不良):上記溶融粘度が40Pa・s超であった。
下記の方法に基づき、複合樹脂組成物から成形したコネクターの物性を測定した。各評価結果を表4に示す。
(曲げ試験)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形して0.8mm厚の成形品を得、ASTM D790に準拠し、曲げ強度、破断歪、及び曲げ弾性率を測定し、以下の基準に従って評価した。
・曲げ強度
○(良好):上記曲げ強度が155MPa以上であった。
×(不良):上記曲げ強度が155MPa未満であった。
・破断歪
○(良好):上記破断歪が2.2%以上であった。
×(不良):上記破断歪が2.2%未満であった。
・曲げ弾性率
○(良好):上記曲げ弾性率が10000MPa以上であった。
×(不良):上記曲げ弾性率が10000MPa未満であった。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、比較例1〜3)
350℃(比較例4)
370℃(比較例5)
金型温度:80℃
射出速度:33mm/sec
(荷重たわみ温度)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形して成形品を得、ISO75−1,2に準拠して荷重たわみ温度を測定し、以下の基準に従って評価した。
○(良好):上記荷重たわみ温度が265℃以上であった。
×(不良):上記荷重たわみ温度が265℃未満であった。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、比較例1〜3)
350℃(比較例4)
370℃(比較例5)
金型温度:80℃
射出速度:33mm/sec
(ブリスター温度)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形して、ウェルド部を有する12.5mm×120mm×0.8mmの成形品を得た。この成形品を上記ウェルド部で二分割して得た断片を1検体とし、所定温度のホットプレスに5分間挟んだ。その後、目視にて上記検体の表面にブリスターが発生しているかどうかを調べた。ブリスター温度は、ブリスターの発生個数がゼロとなる最高温度とし、以下の基準に従って評価した。
○(良好):上記ブリスター温度が270℃以上であった。
×(不良):上記ブリスター温度が270℃未満であった。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業、SE100DU
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、比較例1〜3)
350℃(比較例4)
370℃(比較例5)
金型温度:90℃
射出速度:33mm/sec
(DDRコネクターそり)
下記成形条件で、複合樹脂組成物を射出成形し(ゲート:トンネルゲート、ゲートサイズ:φ0.75mm)、図1に示すような、全体の大きさ70.0mm×26.0mm×4.0mmt、ピッチ間距離0.6mm、ピン孔数100×2のDDR−DIMMコネクターを得た。
[成形条件]
成形機:住友重機械工業SE30DUZ
シリンダー温度:
360℃(実施例1〜4、比較例1〜3)
350℃(比較例4)
370℃(比較例5)
金型温度:80℃
射出速度:200mm/sec
得られたコネクターを水平な机の上に静置し、コネクターの高さをミツトヨ製クイックビジョン404PROCNC画像測定機により測定した。その際、図2において黒丸で示す複数の位置で高さを測定し、最小二乗平面からの最大高さと最小高さとの差をDDRコネクターのそりとした。なお、そりは、下記条件で行ったIRリフローの前後で測定し、以下の基準に従って評価した。
・IRリフロー前
○(良好):上記そりが0.06mm以下であった。
×(不良):上記そりが0.06mm超であった。
・IRリフロー後
○(良好):上記そりが0.1mm以下であった。
×(不良):上記そりが0.1mm超であった。
[IRリフロー条件]
測定機:日本パルス技術研究所製大型卓上リフローハンダ付け装置RF−300(遠赤外線ヒーター使用)
試料送り速度:140mm/sec
リフロー炉通過時間:5分
プレヒートゾーンの温度条件:150℃
リフローゾーンの温度条件:190℃
ピーク温度:251℃
(DDRコネクター変形量)
上述の方法で測定したリフロー前後のそりの差をDDRコネクター変形量として求め、以下の基準に従って評価した。
○(良好):上記変形量が0.04mm以下であった。
×(不良):上記変形量が0.04mm超であった。
(DDRコネクター最小充填圧力)
図1のDDR−DIMMコネクターを射出成形する際に良好な成形品を得られる最小の射出充填圧力を最小充填圧力として測定し、以下の基準に従って評価した。
○(良好):上記最小充填圧力が140MPa以下であった。
×(不良):上記最小充填圧力が140MPa超であった。
Figure 0006321898
表4に示される通り、本発明における複合樹脂組成物から成形された電子部品は、耐熱性に優れ、そり変形及びブリスター発生が抑制されていた。

Claims (6)

  1. (A)液晶性ポリマーと、(B)繊維状充填剤と、(C)板状充填剤と、を含む複合樹脂組成物であって、
    前記(A)液晶性ポリマーは、必須の構成成分として、下記構成単位(I)〜(V)のみからなり、
    全構成単位に対して構成単位(I)の含有量は50〜69モル%であり、
    全構成単位に対して構成単位(II)の含有量は9.2〜22.5モル%であり、
    全構成単位に対して構成単位(III)の含有量は2.5〜6.3モル%であり、
    全構成単位に対して構成単位(IV)の含有量は8.5〜24モル%であり、
    全構成単位に対して構成単位(V)の含有量は1〜7モル%であり、
    構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数が構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数の1〜1.06倍であり、又は、構成単位(IV)と構成単位(V)との合計のモル数が構成単位(II)と構成単位(III)との合計のモル数の1〜1.06倍である、溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドであり、
    前記(B)繊維状充填剤の重量平均繊維長は、250μm以上であり、
    前記(A)液晶性ポリマーは、複合樹脂組成物全体に対して37.5〜82.5質量%であり、
    前記(B)繊維状充填剤は、複合樹脂組成物全体に対して2.5〜17.5質量%であり、
    前記(C)板状充填剤は、複合樹脂組成物全体に対して15〜45質量%であり、
    前記(B)繊維状充填剤及び前記(C)板状充填剤の総量は、複合樹脂組成物全体に対して17.5〜62.5質量%である複合樹脂組成物。
    Figure 0006321898
  2. 前記(B)繊維状充填剤は、ガラス繊維である請求項1に記載の複合樹脂組成物。
  3. 前記(C)板状充填剤は、タルクである請求項1又は2に記載の複合樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の複合樹脂組成物から成形され、製品全長が30mm以上であり、製品高さが5mm以上である電子部品。
  5. 成形品のXY軸面、YZ軸面、及びXZ軸面の何れの軸面に対しても対称性がない非対称電子部品である請求項4に記載の電子部品。
  6. ピッチ間距離が0.6mm以下、製品全長が60.0mm以上、製品高さが10.0mm以下、極数が200極以上のメモリーモジュール用コネクターである請求項4又は5に記載の電子部品。
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