JPWO2014034341A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

有機EL素子(101)は、陽極と陰極との間に、少なくとも1層の中間金属層と、少なくとも2つの発光ユニットと、を有し、中間金属層が2つの発光ユニット間に配置され、中間金属層が、仕事関数3.0eV以下の金属から構成され、かつ、膜厚が0.6〜5nmである。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
一般に、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、陽極/有機発光層/陰極からなる層構成を基本とし、これに正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の層を適宜設けることによって構成されている。
このような構成からなる有機EL素子は、一般的に発光電流効率と駆動寿命とがトレードオフの関係になることが知られている。そのため、このトレードオフの関係を改善するべく、有機材料、有機層構成、素子駆動方法等、様々な視点から検討が加えられてきた。
そして、有機層構成の観点から、このトレードオフ関係を抜本的に改善する技術として、少なくとも有機材料を用いて構成された発光層を含む1層以上からなる発光機能層群を1つの発光ユニットとし、中間層を介して複数の発光ユニットを積層することにより、発光電流効率を維持しつつ長寿命化を図る、あるいは駆動寿命を大きく損なうことなく発光電流効率を格段に増大させ得る、いわゆるタンデム構造が提案されている。
このようなタンデム構造における中間層としては、たとえば、下記特許文献1〜7において各構成が開示されている。
「特許文献1」には、OLED層間に2層の導電層を有する構成が開示されており、具体的にはMg−Ag合金膜とITO膜との積層構造等について開示されている。
「特許文献2」には、少なくとも2層からなる中間導電層について開示されており、具体的には厚さ8nmのMg−Ag合金膜と厚さ10nmのIn−Zn−O導電膜との積層構造等が開示されている。
「特許文献3」には、有機化合物を含むフローティング状の導電体薄膜層に、アクセプターまたはドナーをドープして導電性を発現させる技術について開示されている。
「特許文献4」および「特許文献5」にも、同様にアクセプターおよびドナーをドープした有機層を積層することによる中間層が開示されている。
「特許文献6」には、仕事関数4.5eV以下の金属層(内部電極)を発光ユニット間に挿入した構成が開示されており、「特許文献7」にも、実施例において同様の構成が開示されている。
しかしながら、有機EL素子に求められる性能向上、生産性向上の要求は年々厳しさを増し、これら技術手段によってもなお解決されるべき課題があることが明らかになってきた。
たとえば、「特許文献1」、「特許文献2」に開示されている構成では、導電層を2層積層することが必要であること、実際の態様として開示されているITO、In−Zn−O膜はスパッタ法により製膜する必要があり、一般に蒸着法または塗布法により製膜される有機EL素子の製膜プロセスとは異なること、等の理由から生産効率面において負荷が大きい。また、このような導電層を有機材料上にスパッタ法で製膜する場合には、有機膜へのダメージも無視し得ない。
「特許文献3」、「特許文献4」、「特許文献5」に記載されているドーピング層を用いる方法は、「特許文献1」、「特許文献2」と比較して、プロセス面の負荷は軽減されるが、ドープ濃度に依存した性能変動があるため生産安定性の確保が課題となり、さらには発光ユニットを構成する各層へのドープ材料の拡散により性能劣化が生じるリスクが大きくなる等、有機EL素子の、特に長年に渡る使用においての性能低下の加速が懸念される。
「特許文献6」、「特許文献7」に開示されている金属層1層を発光ユニット間に挿入する構成は、「特許文献1」、「特許文献2」と比較して、相対的にプロセス面への負荷が小さく、また材料拡散による性能変動の懸念も少ない構成ではあるが、本発明者らの検討によれば、なお改善すべき課題があることがわかった。
具体的には、「特許文献6」の実施例において、Al(仕事関数約4.3eV)を用いた膜厚6nmの構成が開示されているが、Al層のみでは駆動電圧が高いため、金属層の陽極側に隣接して電子注入性層が必要となる。実際に電子注入性層材料としてLiFを用いた構成が開示されている。結果として、無機層を1層挿入する必要があり、生産面での負荷が増大するとともに、実質的にはLiF/Alの2層構成にて中間層としての機能を発現しているとも考えられる。また、該金属層の膜厚が6nmと厚いため、金属層の吸収による効率低下以外にも、保存安定性、駆動安定性に課題があることがわかってきた。
「特許文献7」の実施例には、金属層(中間ユニット)として膜厚0.3nmのLi層を用いた構成が開示されているが、金属層膜厚が0.3nm程度と薄いため、やはり有機EL素子の安定性能、特に駆動初期あるいは素子作製後比較的短期における性能変動が大きく課題があることがわかってきた。
米国特許第6337492号明細書 特許第3884564号公報 特開2003−264085号公報 特許第4570014号公報 米国特許第7830089号明細書 特表2007−533073号公報 特許第4315874号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、低駆動電圧、高発光効率、保存安定性能に優れ、生産性も向上した、複数の発光ユニットの積層構造からなる有機EL素子、さらには白色発光を呈する有機EL素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、陽極と陰極との間に、少なくとも1層の中間金属層と、少なくとも2つの発光ユニットと、を有し、中間金属層が2つの発光ユニット間に配置され、中間金属層が、仕事関数3.0eV以下の金属から構成され、かつ、膜厚が0.6〜5nmであることを特徴とする有機EL素子において、上記課題を改善できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明にかかる上記課題は、以下の手段により解決される。
1.陽極と陰極との間に、少なくとも1層の中間金属層と、少なくとも2つの発光ユニットと、を有し、前記中間金属層が2つの前記発光ユニット間に配置されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記中間金属層が、仕事関数3.0eV以下の金属から構成され、かつ、膜厚が0.6〜5nmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記中間金属層の前記発光ユニット側の少なくとも一方の側の表面が、非平坦面であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記中間金属層の前記陽極側に隣接する層が、単一の有機化合物から構成されていることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記中間金属層の前記陽極側に隣接する層が、単一の有機化合物を製膜することにより形成されていることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記中間金属層と前記発光ユニットとで積層体とし、
前記積層体の層構成および各層の構成材料と、前記積層体の前記中間金属層側に隣接する他の発光ユニットまたは他の積層体の層構成および各層の構成材料とが、発光層を除いて同一であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.白色発光を呈することを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明の上記手段によれば、低駆動電圧、高発光効率、保存安定性能に優れ、生産性も向上した、複数の発光ユニットの積層構造からなる有機EL素子、さらには白色発光を呈する有機EL素子を提供することができる。
本発明の有機EL素子を組み込んだ照明装置の一例を示す概略図である。 本発明の有機EL素子を組み込んだ照明装置の一例を示す断面図である。 本発明の中間金属層のSEM像である。 本発明の中間金属層のSEM像である。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に、少なくとも1層の中間金属層と、少なくとも2つの発光ユニットと、を有し、中間金属層が2つの発光ユニット間に配置され、中間金属層が、仕事関数3.0eV以下の金属から構成され、かつ、膜厚が0.6〜5nmであることを特徴とする。
また、より優れた保存安定性(突然死の抑制)が得られることから、中間金属層が完全平坦面を有する場合より、少なくとも一方の面が非平坦面として形成されている方が好ましい。中間金属層の一方の面が非平坦面であれば、層面内方向について電流が流れにくく、膜厚の基板面内変動等に起因する有機層の膜厚ムラにより生じる薄膜部位への電流集中と、それに伴う短絡故障等の発生を抑制することができる。
また、中間金属層の陽極側に隣接する層が単一の有機化合物を製膜することにより形成された層であることが、単一かつ有機材料の製膜という生産プロセスの簡便さ、工程管理の容易さ、複数材料を使用することによる性能変動リスクの回避という点はもとより、より優れた長期あるいは高温保存安定性、長期駆動安定性が得られることから好ましい。
さらに、本発明においては、1層の中間金属層と1つの発光ユニットとで積層体とした場合、積層体の層構成および各層の構成材料と、積層体の中間金属層側に隣接する他の発光ユニットまたは他の積層体の層構成および各層の構成材料とが、発光層を除いて同一であることが、生産効率、安定性面から好ましい。
また、本発明においては、各々の発光ユニットにおいて、リン光発光材と蛍光発光材とを混在させず、リン光発光材のみ、あるいは蛍光発光材のみで構成することが発光効率のロスを抑制する上で好ましい。これはリン光発光材、蛍光発光材を同一発光ユニット内に混在させた場合、リン光発光材、蛍光発光材間でのエネルギー移動、消光による発光効率の損失が起きやすいためである。
さらに、本発明においては白色発光を呈することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、照明装置に好適に具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、および本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用する。
《有機EL素子の層構成》
本発明の有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(I)陽極/第1発光ユニット/中間金属層/第2発光ユニット/陰極
(II)陽極/第1発光ユニット/第1中間金属層/第2発光ユニット/第2中間金属層/第3発光ユニット/陰極
(III)陽極/第1発光ユニット/第1中間金属層/第2発光ユニット/第2中間金属層/第3発光ユニット/第3中間金属層/第4発光ユニット/陰極
(I−1)陽極/白色発光ユニット/中間金属層/白色発光ユニット/陰極
(I−2)陽極/青色発光ユニット/中間金属層/緑・赤色発光ユニット/陰極
(I−3)陽極/緑・赤色発光ユニット/中間金属層/青色発光ユニット/陰極
(II−1)陽極/青色発光ユニット/第1中間金属層/青色発光ユニット/第2中間金属層/緑・赤色発光ユニット/陰極
(II−2)陽極/青色発光ユニット/第1中間金属層/緑色発光ユニット/第2中間金属層/赤色発光ユニット/陰極
(II−3)陽極/緑色発光ユニット/第1中間金属層/赤色発光ユニット/第2中間金属層/青色発光ユニット/陰極
本発明において、発光ユニット数としては2以上であれば特に制限はないが、生産効率を鑑みると、2〜10が好ましく、2〜4がより好ましい。発光ユニット数をN(Nは2以上の整数)とすると、本発明の中間金属層数はN−1である。
また、発光ユニットの層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層
(ii)正孔注入輸送層/第1発光層/第2発光層/電子注入輸送層
(iii)正孔注入輸送層/第1発光層/中間層/第2発光層/電子注入輸送層
(iv)正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(v)正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(vi)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
(vii)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(viii)正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
本発明において、各層を形成する方法としては、たとえば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア−ブロジェット法)、インクジェット法、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法等の公知の薄膜形成法により製膜して形成することができる。
本発明のおいては、発光ユニット内の発光層にリン光発光材、蛍光発光材を混在させてもよいが、好ましくはリン光発光材または蛍光発光材のみで構成することが好ましい。
本発明においては、蛍光発光層およびリン光発光層は、ホスト、ドーパント型の発光層であることが好ましい。
また、発光層に含有される発光ドーパントは、発光層の膜厚方向に対し、均一な濃度で含有されていてもよく、また濃度分布を有していてもよい。
また、本発明において、各発光ユニットは構成の異なるものを組み合わせて使用することができるが、発光ユニットを構成する発光層を除いて、同一の層、材料を用いた構成であることが好ましく、さらには発光層数も同一であることが好ましい。この場合には、生産上、使用材料数を少なくできコスト面、品質管理面でメリットがあり、さらには蒸着プロセスであれば製膜チャンバーを各発光ユニットで共通化し易い等、生産効率面のメリットも享受できる。
上記理由より、白色発光ユニットを積層する場合には、発光層を含む全層の構成、材料が同じであることがなお好ましい。
また、異なる発光色を呈する発光ユニットを積層して白色発光を得ようとする場合には、これら発光ユニットが相互に補色の関係にあることが好ましい。たとえば、青色発光ユニットと、補色となる黄緑、黄色またはオレンジ色の発光色を呈する発光ユニットを設けることで、白色発光を呈する有機EL素子とすることができる。
なお、「補色」の関係とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質の発光を混合すると、白色発光を得ることができる。
高演色性の白色発光が得られ、より幅広い範囲の色度の調整が容易であることから、青色発光層に加え、緑色および赤色の発光色を呈する層が、いずれかの発光ユニットに設けられていることが好ましい。
また、青、緑、赤の発光材料を1つの発光層中に混在させ白色発光を呈する発光層として、発光ユニットに設けることもできる。
本発明の有機EL素子や本発明にかかる化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
本発明においては、光色の黒体輻射軌跡からの偏差Duvが、相関色温度が2500〜7500Kの範囲内において、−20〜+20の範囲に含まれる光を白色光と呼ぶものとする。Duv(=1000duv)の定義は、JIS Z 8725:1999「光源の分布温度および色温度・相関色温度測定方法」による。
本発明における各発光ユニットに包含される個々の発光層の膜厚は、特に制限はないが、形成する膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、5〜200nmの範囲内に調整することが好ましく、さらに好ましくは10〜100nm以下の範囲に調整される。
《中間金属層》
本発明にかかる中間金属層は、2つの発光ユニット間に配置され、形成されている。
中間金属層は、その一部微細領域にほとんど金属材料が製膜されていない状態、いわゆるピンホールが形成されていたり、面内方向において網状に形成されていてもよい。あるいは、中間金属層形成部分が島状(斑状)に形成されていてもよい。
本発明の中間金属層としては、仕事関数3.0eV以下の金属が用いられる。
中間金属層に用いられる材料としては、カルシウム(仕事関数2.87eV、融点1112.2K)、リチウム(同2.9eV、同453.7K)、ナトリウム(同2.75eV、同371K)、カリウム(同2.3eV、同336.9K)、セシウム(同2.14eV、同301.6K)、ルビジウム(同2.16eV、同312.1K)、バリウム(同2.7eV、同998.2K)、ストロンチウム(同2.59eV、同1042.2K)が挙げられるが、中でも常圧での融点が400K以上であり、有機EL素子の高温環境下での性能を損うおそれの小さいリチウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムが好ましい。
仕事関数が3.0eVより大きいと、中間金属層に対し陰極側に位置する発光ユニットから、陽極側に位置する発光ユニットへの電子注入障壁が大きく、有機EL素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。特に、中間金属層の陰極側に隣接する層をいわゆるn型ドーピングを施さず、より生産的にシンプルな構成である単一の有機化合物層として形成する場合に、より大きな問題となる。
本発明の中間金属層の膜厚は、0.6〜5nmの範囲である。好ましくは0.8〜3nmであり、さらに好ましくは0.8〜2nmである。
中間金属層の膜厚が5nmより大きい場合には、使用する金属材料の光吸収による有機EL素子の効率低下が発生するとともに、保存安定性、駆動安定性が劣化する。これら安定性が劣化する理由は定かではないが、膜厚が厚いと中間金属層の電気的特性が金属バルクとしての特性により近づいていくため、膜の導電性が増大し、膜面内方向に導電性が増加、膜厚の基板面内変動等に起因する有機層の膜厚ムラにより生じる薄膜部位への電流集中とそれに伴う短絡故障等の発生が加速される等の原因が考えられる。
一方、本発明者らの検討によれば、中間金属層の膜厚が0.6nm未満の場合には、有機EL素子の性能安定性、特にその素子作製後、比較的初期段階における性能変動が大きいことが判明した。これら初期の安定性が劣化する原因は定かではないが、膜厚が過剰に薄く、数オングストロームの膜厚の金属膜、またはクラスター径からなる金属塊からなる場合には、その物理的、化学的安定性が金属バルクの状態とは大きく異なり、隣接層材料との酸化還元反応を含む化学的反応、あるいは熱、素子の駆動に伴う電荷との相互作用等により、金属膜または金属塊の状態が変化し、さらには、その一部の金属原子またはイオンの隣接層への拡散等の現象が発生する可能性が高くなることが想定される。このように、製膜直後の状態からの一定の準安定状態への移行に伴い性能変化が生じるものと考えられる。
なお、本発明における「中間金属層の膜厚」とは、中間金属層の単位面積当たりの製膜重量を材料の密度で除して求められる「平均膜厚」として定義される。したがって、中間金属層のある部分が「平均膜厚」より厚くても、あるいは逆に薄くなっていても構わない。
「特許文献6」には、「仕事関数が4.5eV以下である金属、その合金およびその酸化物よりなる群から選ばれる物質よりなる単一層の内部電極」を用いる構成が開示されているが、実施例において具体的に示されている構成は膜厚6nmのAl(仕事関数4.28eV)を内部電極に使用した構成のみであり、後述の実施例において示されるように、仕事関数3.0eV以下の金属を用いる本発明と比較して駆動電圧が著しく高い。特に、中間金属層の陽極側に隣接する層が単一の有機化合物で構成されている場合には、その差異が顕著である。また、6nmという膜厚は、本発明の0.6〜5nmの膜厚を有する素子と比較し、その保存安定性、駆動安定性が大きく劣るものであり、「特許文献6」からは本発明の顕著な効果を予測することはできない。
一方、「特許文献7」の実施例には、金属層として膜厚0.3nmのLi層を用いた構成が開示されているが、上記記述および後述の実施例に示されるように、中間金属層の膜厚が0.3nm程度と薄い場合には、有機EL素子の駆動初期あるいは素子作製後比較的短期における性能変動が大きいことが判明した。
本発明においては、中間金属層の電圧印加方向の導電性を損なうことなく、面内方向の導電性を抑えられることから、中間金属層の発光ユニット側両面が完全平坦面を有するよりも、少なくともその一方の面が非平坦面として形成されていることが好ましい。中間金属層が非平坦面を有するとは、中間金属層の面内方向における形状が網状または島状となっていることを意味する。
本発明においては、中間金属層の陽極側に隣接する層が単一の有機化合物を製膜することにより形成された層であることが好ましい。この場合、生産プロセスが簡便になり工程管理が容易となること、複数材料を使用することによる性能変動リスクを回避できるという点はもとより、より優れた長期あるいは高温保存安定性、長期駆動安定性が得られることから好ましい。
中間金属層に隣接する層は、陰極側に位置する発光ユニットと陽極側に位置する発光ユニット間で、中間金属層を介して、各発光ユニットからの電荷の授受、各発光ユニットへの電荷の注入を容易に行える機能を有することが望ましい。
このような機能を有する層として、電荷輸送性を高めるため、たとえば、電荷輸送性有機材料と、該有機材料を酸化もしくは還元できる、あるいは該有機材料と電荷移動錯体を形成しうるような無機材料または有機金属錯体等とをドーピングした混合層を形成することが知られている。
あるいは、低仕事関数のアルカリ原子またはアルカリ土類原子を含有するアルカリ化合物またはアルカリ土類化合物の薄層を設けることが知られている。たとえば、「特許文献6」には、Al内部電極の陽極側に隣接する層としてLiFからなる層が設けられている。これらドーピング材料(アルカリまたはアルカリ土類化合物)の薄層を設ける方法は、上記生産プロセス上のデメリットの他に、保存安定性、駆動安定性を損なうことが判明した。これは、熱および/または駆動通電等により、ドーピング材料、特にアルカリ原子、アルカリイオン、アルカリ土類原子またはイオンあるいはそれを含有する化学種が有機EL素子内を拡散し、素子内の他の有機機能層の性能変動をもたらすことが一因と推定される。また、アルカリまたはアルカリ土類化合物を含有する層を中間金属層に隣接して形成した場合、これら層を形成する化合物間で短期あるいは長期の保存において化学反応が生じ、性能変動をもたらす可能性がある。本発明者らは、本発明の構成をとることで、これら性能劣化を抑制できることを見出した。
《発光層》
以下、発光層に含まれるホスト化合物およびドーパント化合物について説明する。
(1)リン光ホスト化合物
本発明に用いられるリン光ホスト化合物としては、構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、または、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
リン光ホスト化合物は、単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。
本発明にかかるリン光発光層に用いられるリン光ホスト化合物としては、下記一般式(a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014034341
一般式(a)中、「X」は、NR′,O,S,CR′R″またはSiR′R″を表し、R′,R″は各々水素原子または置換基を表す。「Ar」は芳香族環を表す。nは0〜8の整数を表す。
一般式(a)における「X」において、R′,R″で各々表される置換基としては、アルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(たとえば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(たとえば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、たとえば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(たとえば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、複素環基(たとえば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(たとえば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(たとえば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(たとえば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(たとえば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(たとえば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(たとえば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(たとえば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(たとえば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(たとえば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(たとえば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(たとえば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(たとえば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(たとえば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(たとえば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基(たとえば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(たとえば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(たとえば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(たとえば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(a)において、好ましい「X」はNR′またはOであり、R′としては芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が特に好ましい。
一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族環としては、芳香族炭化水素環または芳香族複素環が挙げられる。また、芳香族環は単環、縮合環のいずれでもよく、さらに未置換でも、後述するような置換基を有していてもよい。
一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族複素環としては、たとえば、フラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
上記の中でも、一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族環として好ましく用いられるのは、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ベンゼン環であり、特に好ましく用いられるのは、カルバゾール環、カルボリン環、ベンゼン環である。上記の中でも、置換基を有するベンゼン環が好ましく、特に好ましくは、カルバゾリル基を有するベンゼン環が好ましい。
また、一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族環としては、下記に示すような、各々3環以上の縮合環が好ましい一態様であり、3環以上が縮合した芳香族炭化水素縮合環としては、具体的には、ナフタセン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、フェナントレン環、ピレン環、ベンゾピレン環、ベンゾアズレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、アセナフテン環、アセナフチレン環、トリフェニレン環、コロネン環、ベンゾコロネン環、ヘキサベンゾコロネン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フルオランテン環、ペリレン環、ナフトペリレン環、ペンタベンゾペリレン環、ベンゾペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、コロネン環、ナフトコロネン環、オバレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。なお、これらの環はさらに、置換基を有していてもよい。
また、3環以上が縮合した芳香族複素環としては、具体的には、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の一つが窒素原子で置き換わったものを表す)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)等が挙げられる。なお、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
ここで、一般式(a)において、「Ar」で表される芳香族環が有してもよい置換基は、R′,R″で、各々表される置換基と同義である。
また、一般式(a)において、nは0〜8の整数を表すが、0〜2の整数であることが好ましく、特に「X」がO,Sである場合には1または2であることが好ましい。
以下、一般式(a)で表されるリン光ホスト化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014034341
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また、本発明に用いるリン光ホスト化合物は、低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
リン光ホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。本発明においては、ガラス転移点が90℃以上の化合物が好ましく、さらには130℃以上の化合物が優れた特性を得られることから好ましい。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121に準拠した方法により求められる値である。
従来公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が好適である。たとえば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
本発明においては、複数のリン光発光層を有する場合には、リン光ホスト化合物は発光層ごとに異なっていてもよいが、同一の化合物であることが生産効率上、工程管理上好ましい。
また、リン光ホスト化合物は、その最低励起3重項エネルギー(T)が、2.7eVより大きいことがより高い発光効率を得られることから好ましい。
本発明でいう最低励起3重項エネルギーとは、ホスト化合物を溶媒に溶解し、液体窒素温度において観測したリン光発光スペクトルの最低振動バンド間遷移に対応する発光バンドのピークエネルギーをいう。
(2)リン光発光ドーパント
本発明に用いることができるリン光発光ドーパントは、公知のものの中から選ぶことができる。たとえば、元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物、好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、もしくは白金化合物(白金錯体系化合物)、または希土類錯体から選ぶことができる。中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明の白色発光を呈する有機EL素子を作製する場合には、少なくとも緑、黄、赤領域の発光を担う発光体としてはリン光発光材料が好ましい。
(一般式(A)〜(C)で表される部分構造)
また、本発明に青色リン光発光ドーパントを用いる場合には、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、下記一般式(A)〜(C)から選ばれる少なくとも1つの部分構造を有していることが好ましい。
Figure 2014034341
一般式(A)中、「Ra」は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、「Rb」,「Rc」は各々水素原子または置換基を表し、「A1」は芳香族環または芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、「M」はIrまたはPtを表す。
Figure 2014034341
一般式(B)中、「Ra」は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、「Rb」,「Rc」,「Rb」,「Rc」は各々水素原子または置換基を表し、「A1」は芳香族環または芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、「M」はIrまたはPtを表す。
Figure 2014034341
一般式(C)中、「Ra」は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、「Rb」、「Rc」は各々水素原子または置換基を表し、「A1」は芳香族環または芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表し、「M」はIrまたはPtを表す。
一般式(A)〜(C)において、「Ra」で表される脂肪族基としては、アルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基)、シクロアルキル基(たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)が挙げられ、芳香族基としては、たとえば、フェニル基、トリル基、アズレニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、o−テルフェニル基、m−テルフェニル基、p−テルフェニル基、アセナフテニル基、コロネニル基、フルオレニル基、ペリレニル基等が挙げられ、複素環基としては、たとえば、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、クロマニル基等を挙げることができ、これらの基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
一般式(A)〜(C)において、「Rb」,「Rc」,「Rb」,「Rc」で表される置換基としては、アルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(たとえば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(たとえば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(たとえば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(たとえば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(たとえば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(たとえば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(たとえば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(たとえば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(たとえば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(たとえば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(たとえば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(たとえば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(たとえば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(たとえば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(たとえば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(たとえば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(たとえば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(たとえば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(たとえば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(たとえば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(たとえば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(たとえば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(たとえば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。
一般式(A)〜(C)において、「A1」で表される芳香族環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられ、芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。
一般式(A)〜(C)において、「M」はIr、Ptを表し、特にIrが好ましい。
一般式(A)〜(C)の構造は部分構造であり、それ自身が完成構造の発光ドーパントとなるには、中心金属の価数に対応した配位子が必要である。具体的には、ハロゲン(たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等)、アリール基(たとえば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等)、アルキル基(たとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、芳香族複素環基(たとえば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、フタラジニル基等)、一般式(A)〜(C)の金属を除いた部分構造等が挙げられる。
また、一般式(A)〜(C)の部分構造3個で完成構造となるトリス体が好ましい。
以下、本発明にかかる青色リン光発光ドーパントの上記一般式(A)〜(C)の部分構造を持つ化合物を例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014034341
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Figure 2014034341
(3)蛍光発光ドーパント(蛍光性ドーパント、蛍光発光体等ともいう)
蛍光発光ドーパントとしては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
《注入層:正孔注入層、電子注入層》
注入層は必要に応じて設けることができ、陽極または中間金属層と発光層または正孔輸送層との間、および陰極または中間金属層と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極および中間金属層と有機層間に設ける層のことで、たとえば、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細が記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
正孔注入層(陽極バッファー層)としては、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。また、特表2003−519432号公報に記載されている材料を使用することも好ましい。
正孔注入層(あるいは陽極および中間金属層の陰極側に隣接する層)は、複数の材料を混合して用いてもよいが、本発明において、正孔注入層は単一の有機化合物を製膜することによって形成されることが好ましい。これは、複数の材料を混合して使用する場合には、混合比の生産時における変動、たとえば製膜基板面内における濃度変動等による性能変動のリスクが高くなり好ましくない。
正孔注入層の膜厚については特に制限はないが、通常は0.1〜100nm程度の範囲内、好ましくは1〜30nmの範囲内である。
電子注入層に好適な材料としては、電子輸送層と陰極間に設ける電子注入層においては、仕事関数3eV以下のアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらの化合物が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、具体的には、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、酸化リチウム、リチウムキノリン錯体、炭酸セシウム等が挙げられ、フッ化リチウム、フッ化セシウムが好ましい。
本発明においては、中間金属層の陽極側に隣接する層としてはアルカリ金属化合物あるいはアルカリ土類化合物からなる層は設けないことが好ましい。
電子注入層の膜厚については特に制限はないが、通常は0.1〜10nm程度の範囲内、好ましくは0.1〜2nmの範囲内である。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、必要に応じて設けられるものである。たとえば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子に設ける正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
本発明にかかる正孔阻止層、電子阻止層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲内である。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。たとえば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、さらには、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、たとえば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)、特表2003−519432号公報に記載されているような、いわゆるp型半導体的性質を有するとされる正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度の範囲内、好ましくは5〜200nmの範囲内である。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、陰極または中間金属層を介して注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、たとえば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ビピリジル誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、カルボジイミド、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
本発明においては、中間金属層に隣接して電子輸送層を設ける場合には、ピリジン環をその構造の中に包含する化合物であることが好ましい。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、たとえば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、およびこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホ基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層には、複数の材料を混合して用いてもよい。アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物のドーピングを行うこともできる。しかしながら、本発明においては、電子輸送層は単一の有機化合物を製膜することによって形成されることが好ましい。これは、複数の材料を混合して使用する場合には、混合比の生産時における変動、たとえば製膜基板面内における濃度変動等による性能変動のリスクが高くなり好ましくない。本発明においては、低仕事関数の中間金属層を用いることにより、アルカリ金属等のドーピングを行わずとも中間電極からの電子注入性を損なうことなく好適な性能を得ることができる。
電子輸送層に含まれる有機化合物のガラス転移温度は、110℃以上であることがより優れた高温保存性、高温プロセス安定性が得られることから好ましい。
電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度の範囲内、好ましくは5〜200nmの範囲内である。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に適用する支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)あるいはアペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度が、0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1992に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、水蒸気透過度、酸素透過度がいずれも1×10−5g/(m・24h)以下、1×10−5ml/(m・24h・atm)以下であることがより好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、たとえば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などを用いることができる。さらに、バリア膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機材料からなる層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものも好ましい。
不透明な支持基板としては、たとえば、アルミ、ステンレス等の金属板・フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
《封止》
本発明の有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、たとえば、封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウムおよびタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、有機EL素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムは、酸素透過度1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。また、水蒸気透過度、酸素透過度がいずれも1×10−5g/(m・24h)以下、1×10−5ml/(m・24h・atm)以下であることがより好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。接着剤として、具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系などの熱および化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温(25℃)から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相および液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、たとえば、金属酸化物(たとえば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(たとえば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(たとえば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム等)、過塩素酸類(たとえば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物および過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
素子の機械的強度を高めるために、上記封止用フィルムの外側に保護膜あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が上記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、上記封止に用いたのと同様のガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au、Ag、Al等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式など湿式製膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗値は数百Ω/□以下が好ましい。
膜厚は材料にもよるが、通常5〜1000nmの範囲内、好ましくは5〜200nmの範囲内で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、銀、アルミニウム等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、たとえば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物や、アルミニウム、銀等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗値は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μmの範囲内、好ましくは5〜200nmの範囲内で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記材料を1〜20nmの範囲内の膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/第1発光ユニット/中間金属層/第2発光ユニット/陰極からなり、第1発光ユニットが陽極側から正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、第2発光ユニットが中間金属層側から正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な支持基板上に所望の電極物質、たとえば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲内の膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。
次に、この上に第1発光ユニットである正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を形成させる。
第1発光ユニットを構成する各層の製膜に際し、層毎に異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般に、それぞれボート加熱温度50〜450℃、真空度1×10−6〜1×10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲内で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に中間金属層用物質からなる薄膜を0.6〜5nmの範囲、好ましくは0.8〜3nm、さらに好ましくは0.8〜2nmの範囲になるように蒸着法により形成させ中間金属層を設ける。
次いで、第1発光ユニットの製膜と同様にして、第2発光ユニットの各層を形成し、陰極用物質を1μm以下、好ましくは5〜200nmの範囲の膜厚になるように、たとえば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して第1発光ユニットの正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行うことが、水分、酸素等による有機EL素子へのダメージが抑えられ好ましい。
また作製順序を逆にして、陰極/第1発光ユニット/中間金属層/第2発光ユニット/陽極の順に作製することもできる。この場合、第1発光ユニットは、たとえば、陰極側より電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層の順となり、第2発光ユニットは、たとえば、中間金属層側より電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層の順となる。
このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《光取出し向上技術》
有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率1.6〜2.1程度の範囲内)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15〜20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極または発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極または発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、たとえば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(たとえば、米国特許第4774435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(たとえば、特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(たとえば、特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(たとえば、特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(たとえば、特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(基板と外界間を含む)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)などが挙げられる。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体との間に、基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(基板と外界間を含む)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明は、これらの手段を組み合わせることにより、さらに高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚さで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、たとえば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマーなどが挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度の範囲内であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましく、1.35以下であることがより好ましい。
また、低屈折率媒質の厚さは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚さが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面、または、いずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といった、いわゆるブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち、層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。
しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。このとき、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度の範囲内が好ましい。回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状など、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
本発明の有機EL素子は、支持基板(基板)の光取出し側に、たとえばマイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは、いわゆる集光シートと組み合わせることにより、特定方向、たとえば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmの範囲内が好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚さが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、たとえば液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとしてたとえば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)などを用いることができる。
プリズムシートの形状としては、たとえば基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、有機EL素子からの光放射角を制御するために光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。たとえば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)などを用いることができる。
《表示装置》
本発明の有機EL素子を適用した表示装置について説明する。
本発明の有機EL素子は、白色の表示装置に用いられることが好ましい。白色の表示装置の場合は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法、スロット型コータ法等で膜を形成できる。発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
このようにして得られた多色または白色の表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度の範囲内を印加すると、発光が観測できる。
《照明装置》
本発明の有機EL素子を適用した照明装置について説明する。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
本発明に用いられる白色有機EL素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「体積%」を表す。
また、各実施例において使用される化合物は、下記のとおりの構造を有するものである。
Figure 2014034341
Figure 2014034341
Figure 2014034341
Figure 2014034341
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子101の作製
陽極として、30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を150nmの厚さで製膜し、パターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適の量充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物M−1の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を同様にして蒸着し、膜厚50nmの層を形成した。
次いで、化合物BD−1および化合物H−1を、化合物BD−1が5%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚35nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
次いで、化合物E―1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚25nmの層を形成した。
続いて、アルミニウムを6nmの膜厚に蒸着し、中間金属層を形成した。
次いで、化合物M−2と化合物M−3を体積比50:50となるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚10nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚50nmの層を形成した。
次いで、化合物GD−1、RD−1および化合物H−2を、化合物GD−1が15%、RD−1が0.8%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚30nmの黄色を呈するリン光発光層を形成した。
その後、化合物E―1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚35nmの層を形成した。
さらに、LiFを膜厚1.5nmで形成した後に、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
次いで、上記素子の非発光面をガラスケースで覆い、図1,図2に示す構成からなる「有機EL素子101」を作製した。
図1は有機EL素子の概略図を示している。図1に示すとおり、有機EL素子101は、ガラスカバー102で覆われている。ガラスカバー102での封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。
図2は有機EL素子の断面図を示している。図2に示すとおり、透明電極付きガラス基板107上に有機EL層106と陰極105とが積層・形成されている。ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
(2)有機EL素子102の作製
有機EL素子101の作製において、中間金属層の膜厚を1nmに変更した以外は同様にして「有機EL素子102」を作製した。
(3)有機EL素子103の作製
有機EL素子101の作製において、化合物E−1からなる層と中間金属層との間にLiFを厚さ1nmで製膜した以外は同様にして「有機EL素子103」を作製した。
(4)有機EL素子104の作製
有機EL素子102の作製において、化合物E−1からなる層と中間金属層との間にLiFを厚さ1nmで製膜した以外は同様にして「有機EL素子104」を作製した。
(5)有機EL素子105の作製
有機EL素子101の作製において、中間金属層を形成する材料をAgに変更した以外は同様にして「有機EL素子105」を作製した。
(6)有機EL素子106の作製
有機EL素子102の作製において、中間金属層を形成する材料をAgに変更した以外は同様にして「有機EL素子106」を作製した。
(7)有機EL素子107の作製
有機EL素子102の作製において、中間金属層を形成する材料をLiに変更した以外は同様にして「有機EL素子107」を作製した。
(8)有機EL素子108の作製
有機EL素子101の作製において、中間金属層を形成する材料をCaに変更した以外は同様にして「有機EL素子108」を作製した。
(9)有機EL素子109の作製
有機EL素子107の作製において、中間金属層の膜厚を4.5nmとした以外は同様にして「有機EL素子109」を作製した。
(10)有機EL素子110の作製
有機EL素子107の作製において、中間金属層の膜厚を2.5nmとした以外は同様にして「有機EL素子110」を作製した。
(11)有機EL素子111の作製
有機EL素子107の作製において、中間金属層の膜厚を1.5nmとした以外は同様にして「有機EL素子111」を作製した。
(12)有機EL素子112の作製
有機EL素子107の作製において、中間金属層の膜厚を1nmとした以外は同様にして「有機EL素子112」を作製した。
(13)有機EL素子113の作製
有機EL素子107の作製において、中間金属層の膜厚を0.7nmとした以外は同様にして「有機EL素子113」を作製した。
(14)有機EL素子114の作製
有機EL素子108の作製において、中間金属層の膜厚を1nmとした以外は同様にして「有機EL素子114」を作製した。
(15)有機EL素子115の作製
有機EL素子102の作製において、中間金属層を形成する材料をCsに変更した以外は同様にして「有機EL素子115」を作製した。
(16)有機EL素子116の作製
有機EL素子102の作製において、中間金属層を形成する材料をKに変更した以外は同様にして「有機EL素子116」を作製した。
《有機EL素子の評価》
(1)外部取出し発光量子効率、駆動電圧の測定
分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング社製)を用い、室温(25℃)にて各有機EL素子の正面輝度および輝度角度依存性を測定することにより、有機EL素子の基板前面から外部に放射される光量を計測し、通電量2.5mA/cmにおける外部取出し発光量子収率を求め、また同通電量における駆動電圧を測定した。
評価結果を表1に示す。
なお、各有機EL素子の外部取出し発光量子効率および駆動電圧は、有機EL素子108の外部取出し発光量子効率および駆動電圧を100とした場合の相対値で示している。
Figure 2014034341
(2)まとめ
表1に示されるように、本発明の有機EL素子109〜116は、比較例の有機EL素子101〜108に対し、発光量子効率が向上しており、かつ、より低い電圧で駆動できることがわかる。
以上から、中間金属層として、仕事関数3.0eV以下の金属で構成し、その膜厚を0.6〜5nmとすることが発光効率の向上および低電圧駆動に有用であることがわかる。
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子201の作製
陽極として、30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を150nmの厚さで製膜し、パターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適の量充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物M−4の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を同様にして蒸着し、膜厚40nmの層を形成した。
次いで、化合物BD−1および化合物H−1を、化合物BD−1が5%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚30nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
次いで、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚30nmの層を形成した。
続いて、リチウムを6nmの膜厚に蒸着し、中間金属層を形成した。
次いで、化合物M−4を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚50nmの層を形成した。
次いで、化合物GD−1,RD−1および化合物H−2を、化合物GD−1が17%、RD−1が0.8%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚30nmの黄色を呈するリン光発光層を形成した。
その後、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚30nmの層を形成した。
さらに、LiFを膜厚1.5nmにて形成した後に、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
次いで、有機EL素子101と同様にして、上記素子の非発光面をガラスケースで覆い、図1,図2に示す構成からなる「有機EL素子201」を作製した。
(2)有機EL素子202〜207の作製
有機EL素子201の作製において、中間金属層の膜厚をそれぞれ4.5nm、2.5nm、1.5nm、1nm、0.7nm、0.3nmとした以外は同様にして「有機EL素子202〜207」を作製した。
(3)有機EL素子208の作製
有機EL素子201の作製において、中間金属層のLi膜厚を1nmとし、またLiFに変えてLiを膜厚1nmにて製膜した以外は同様にして「有機EL素子208」を作製した。
有機EL素子208は、1層の中間金属層と1つの発光ユニットとで積層体とした場合、積層体の層構成および各層の構成材料と、積層体の中間金属層側に隣接する他の発光ユニットの層構成および各層の構成材料とが、発光層を除いて同一である。
より詳しくは、発光ユニットを構成する化合物M−4で構成される層からリチウムで構成される中間金属層までの層構成およびその構成材料と、中間金属層の陰極側に隣接する化合物M−4で構成される層から陰極に隣接するリチウムで構成される層までの層構成およびその構成材料とが、発光層を除いて同一となっている。
なお、上記有機EL素子201〜208は、輝度2000cd/mにおいて、相関色温度3500〜4000Kの範囲の白色発光を呈した。
《有機EL素子の評価》
(1)外部取出し発光量子効率、駆動電圧の測定
実施例1と同様にして、外部取出し発光量子効率、駆動電圧を評価した。
評価結果を表2に示す。
なお、各有機EL素子の外部取出し発光量子効率および駆動電圧は、有機EL素子201の外部取出し発光量子効率および駆動電圧を100とした場合の相対値で示している。
(2)保存初期安定性の評価
上記のように作製した有機EL素子201〜208を90℃環境下で15時間保存(放置)し、2.5mA/cmで駆動した際の保存前後での駆動電圧を室温(25℃)にて測定し、その変動幅を求め保存初期安定性の指標とした。
評価結果を表2に示す。
なお、各有機EL素子の駆動電圧の変動幅は、有機EL素子201の変動幅を100とした相対値で示している。
(3)長期保存安定性
有機EL素子201〜208を75℃環境下で500時間保存(放置)し、2.5mA/cmで駆動した際の保存前後での駆動電圧、正面輝度を室温(25℃)にて測定し、その変動幅を求め長期保存安定性の指標とした。正面輝度は実施例1と同様に分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて計測した。
評価結果を表2に示す。
なお、各有機EL素子の駆動電圧、正面輝度の変動幅は、有機EL素子201の変動幅を100とした相対値で示している。
Figure 2014034341
(4)まとめ
表2に示すとおり、本発明の中間金属層の膜厚を有する有機EL素子202〜206,208は、比較例の有機EL素子201,207と比較して、初期、長期保存いずれにおいても駆動電圧の変動が小さく、また長期保存での輝度変動が小さく良好であることがわかる。
詳しくは、中間金属層の膜厚が6nmと厚い比較例の有機EL素子201は、本発明の有機EL素子と比較して、特に長期保存における輝度変動が著しく大きい。また、中間金属層の膜厚が0.3nmと薄い比較例の有機EL素子207は、長期保存での輝度変動は本発明の有機EL素子と比較して顕著に劣位という訳ではないが、保存初期での駆動電圧変動が著しく大きく、安定性能において大きく劣っている。中間金属層の膜厚を本発明の範囲とすることで保存安定性が著しく向上することがわかる。
また、中間金属層と発光ユニットとで積層体とし、その積層体の層構成および各層の構成材料と、積層体の中間金属層側に隣接する他の発光ユニットの層構成および各層の構成材料とを発光層を除いて同一とした有機EL素子208においても良好な性能を示し、各発光ユニットの発光層を除く層構成および各層の構成材料を同一とする、簡略化された生産面でのメリットを享受できることがわかる。
以下に示す試料を作製し、走査型電子顕微鏡にて中間金属層の膜面状態を観察した。
陽極として、30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を150nmの厚さで製膜した基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、製膜材料を、各々試料作製に最適の量充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚30nmの層を形成した。
次いで、リチウムを所望の膜厚に蒸着し、有機EL素子101と同様にして、上記素子の非発光面をガラスケースで覆い試料を作製した。
電子顕微鏡での膜面観察にあたり、上記ガラスケースを電子顕微鏡内に製膜試料をセットする直前に、窒素ガス雰囲気下で基板から剥離し、膜面を露出させた。
図3は、リチウム膜厚を1nmとした試料の膜上方より観察したSEM像である。斑状、縞状の模様が観察され、明部110にリチウムが製膜されている。すなわち、本発明の膜厚1nmの中間金属層の膜は、リチウムが製膜されている領域(明部110)と、リチウムが製膜されていない領域またはその付着量が少ない領域(暗部120)からなる微細構造を有しており、非平坦面をなしていることがわかる。
図4は、リチウム膜厚を2.5nmとした試料の膜上方より観察したSEM像である。点状の暗部120を有し、依然として膜が完全な平坦面とはなっていないが、その非平坦の程度は、図3で示される膜厚1nmの中間金属層と比較し著しく小さい。
実施例2に示されるように、中間金属層の膜厚が1nmの方が2.5nmより保存安定性能に優れており、中間金属層の膜厚が該膜面平坦度と相関していることがわかる。
なお、中間金属層の膜厚が3nmを越えると、このような明暗模様は観察されず、中間金属層膜面が平坦であることを示した。
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子401の作製
有機EL素子205の作製において、蛍光発光層に隣接して化合物E−1からなる層を製膜した後、KFを膜厚1.5nmに蒸着速度0.01nm/秒で製膜し、リチウムからなる中間金属層を形成した以外は同様にして「有機EL素子401」を作製した。
(2)有機EL素子402の作製
有機EL素子205の作製において、蛍光発光層に隣接して化合物E−1からなる層に変えて、化合物E−1とKFとを体積比85:15となるように蒸着速度0.1nm/秒で製膜した以外は同様にして「有機EL素子402」を作製した。
(3)有機EL素子403の作製
有機EL素子205の作製において、蛍光発光層に隣接して化合物E−1からなる層に変えて、化合物E−1とLiFとを体積比80:20となるように蒸着速度0.1nm/秒で製膜した以外は同様にして「有機EL素子403」を作製した。
《有機EL素子の評価》
実施例2と同様にして、駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性を評価した。
評価結果を表3に示す。
なお、各有機EL素子の駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性は、有機EL素子205の駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性を100とした相対値で示している。
Figure 2014034341
表3に示すとおり、中間金属層の陽極側に隣接する層が単一の有機化合物を製膜することにより形成された層である有機EL素子205は、該隣接層が無機化合物である有機EL素子401、あるいは該隣接層が有機化合物と無機化合物の混合層からなる有機EL素子402,403と比較して、特にその長期保存安定性において優れていることがわかる。
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子501の作製
有機EL素子205の作製において、蛍光発光層に隣接して化合物E−1からなる層に変えて、化合物E−2からなる層を形成した以外は同様にして「有機EL素子501」を作製した。
(2)有機EL素子502の作製
有機EL素子501の作製において、化合物E−2からなる層を製膜した後、KFを膜厚1.5nmに蒸着速度0.01nm/秒で製膜し、リチウムからなる中間金属層を形成した以外は同様にして「有機EL素子502」を作製した。
《有機EL素子の評価》
実施例2と同様にして、駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性を評価した。
評価結果を表4に示す。
なお、各有機EL素子の駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性は、有機EL素子501の駆動電圧、外部取出し発光量子効率および長期保存安定性を100とした場合の相対値で示している。
Figure 2014034341
表4に示すとおり、中間金属層の陽極側に隣接する層の材料を化合物E−1からE−2に変更した素子においても、該隣接層が単一の有機化合物を製膜することにより形成された層である有機EL素子501の方が、該隣接層が無機化合物である有機EL素子502と比較して、その長期保存安定性において優れていることがわかる。
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子601の作製
陽極として、30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を150nmの厚さで製膜し、パターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適の量充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物M−4の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を同様にして蒸着し、膜厚50nmの層を形成した。
次いで、化合物GD−1、RD−1および化合物H−2を、化合物GD−1が12%、RD−1が1.5%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚12nmの黄色を呈するリン光発光層を形成した。
次いで、化合物BD−2および化合物H−2を、化合物BD−2が12%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚20nmの青色発光を呈するリン光発光層を形成した。
次いで、化合物F−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚5nmの層を形成し、さらに続いて、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚30nmの層を形成した。
続いて、リチウムを6nmの膜厚に蒸着し中間金属層を形成した。
次いで、上記化合物M−4から化合物E−2までの製膜をもう1回繰り返して行い、さらにリチウムを膜厚1nmで製膜し、その後、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
次いで、有機EL素子101と同様にして、上記素子の非発光面をガラスケースで覆い、図1,図2に示す構成からなる「有機EL素子601」を作製した。
(2)有機EL素子602の作製
有機EL素子601の作製において、中間金属層の膜厚を1nmとした以外は同様にして「有機EL素子602」を作製した。
(3)有機EL素子603の作製
有機EL素子601の作製において、中間金属層の膜厚を0.4nmとした以外は同様にして「有機EL素子603」を作製した。
上記各有機EL素子は、正面輝度1000cd/mにおいて、相関色温度約2800Kの白色発光を呈した。
《有機EL素子の評価》
実施例2と同様にして、駆動電圧、外部取出し発光量子効率および保存安定性を評価したところ、中間金属層の膜厚とこれら諸性能との関係において実施例2と同様の結果が得られ、全発光材料にリン光発光材料を使用した有機EL素子においても、本発明の効果が確認された。
《有機EL素子の作製》
(1)有機EL素子701の作製
陽極として、30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上に、ITO(インジウムチンオキシド)を150nmの厚さで製膜し、パターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適の量充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物M−4の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
次いで、化合物M−2を同様にして蒸着し、膜厚50nmの層を形成した。
次いで、化合物GD−1および化合物H−2を、化合物GD−1が9%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚30nmの緑色を呈するリン光発光層を形成した。
次いで、化合物E―1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚15nmの層を形成した。
続いて、リチウムを6nmの膜厚に蒸着し、第1中間金属層を形成した。
次いで、上記同様に化合物M−4からなる膜厚15nmの層、化合物M−2からなる膜厚40nmの層を形成した。
その後、化合物GD−1、RD−1および化合物H−2を、化合物GD−1が8%、RD−1が1.5%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚25nmの赤色を呈するリン光発光層を形成した。
次いで、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚25nmの層を形成した。
続いて、リチウムを6nmの膜厚に蒸着し、第2中間金属層を設けた。
次いで、上記同様に化合物M−4からなる膜厚15nmの層、化合物M−2からなる膜厚40nmの層を形成した。
次いで、化合物BD−1および化合物H−1を、化合物BD−1が5%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚25nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
次いで、化合物E−1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚35nmの層を形成した。
さらに、リチウムを膜厚1nmにて形成した後に、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成した。
次いで、有機EL素子101と同様にして、上記素子の非発光面をガラスケースで覆い、図1,図2に示す構成からなる「有機EL素子701」を作製した。
有機EL素子701は、中間金属層を2カ所に有する素子である。
(2)有機EL素子702の作製
有機EL素子701の作製において、第1および第2中間金属層の膜厚を1nmとした以外は同様にして「有機EL素子702」を作製した。
(3)有機EL素子703の作製
有機EL素子701の作製において、第1および第2中間金属層の膜厚を0.4nmとした以外は同様にして「有機EL素子703」を作製した。
《有機EL素子の評価》
実施例2と同様にして、駆動電圧、外部取出し発光量子効率および保存安定性を評価したところ、中間金属層の膜厚とこれら諸性能との関係において実施例2と同様の結果が得られ、中間金属層を2カ所以上に有する有機EL素子においても、本発明の効果が確認された。
本発明は、低駆動電圧、高発光効率、保存安定性能に優れ、生産性も向上した、複数の発光ユニットの積層構造からなる有機EL素子、さらには白色発光を呈する有機EL素子を提供することに、特に好適に利用することができる。
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
110 明部
120 暗部

Claims (6)

  1. 陽極と陰極との間に、少なくとも1層の中間金属層と、少なくとも2つの発光ユニットと、を有し、前記中間金属層が2つの前記発光ユニット間に配置されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記中間金属層が、仕事関数3.0eV以下の金属から構成され、かつ、膜厚が0.6〜5nmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記中間金属層の前記発光ユニット側の少なくとも一方の側の表面が、非平坦面であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記中間金属層の前記陽極側に隣接する層が、単一の有機化合物から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記中間金属層の前記陽極側に隣接する層が、単一の有機化合物を製膜することにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記中間金属層と前記発光ユニットとで積層体とし、
    前記積層体の層構成および各層の構成材料と、前記積層体の前記中間金属層側に隣接する他の発光ユニットまたは他の積層体の層構成および各層の構成材料とが、発光層を除いて同一であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 白色発光を呈することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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