JPWO2014027543A1 - 凝固完了位置制御方法及び凝固完了位置制御装置 - Google Patents

凝固完了位置制御方法及び凝固完了位置制御装置 Download PDF

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Abstract

温度算出部101が、連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって鋳片の表面温度を推定し、パラメータ補正部102が、鋳片の表面温度の測定値と鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正し、凝固完了位置制御部103が、補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより鋳片温度と鋳片の凝固完了位置とを推定し、あらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出し、補正された2次冷却水量の関数であるパラメータに算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより鋳片温度と凝固完了位置とを推定し、所定の操業上の制約条件を満たす場合に、算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する。

Description

本発明は、連続鋳造機における鋳片(cast strand)の温度を推定し、凝固完了位置などの鋳片の凝固状態を制御する凝固完了位置制御方法(Final solidification point control method)及び凝固完了位置制御装置に関する。
連続鋳造機の操業において、連続鋳造中の鋳片の凝固状態を把握することは極めて重要である。例えば、モールドを抜けた後の冷却スプレー(cooling spray)による冷却(2次冷却、secondary cooling)が不十分であるために、内部が完全に凝固していない状態で鋳片が連続鋳造機外に抜け出た場合、鋳片を切断した際に内部の溶鋼が流出して大きなトラブルになる。このため、内部が完全に凝固していない状態で鋳片が連続鋳造機外に抜け出ることを抑制するために、鋳片の凝固状態を正確に把握することが重要である。
また、鋼の連続鋳造の際、鋳片の凝固末期の未凝固相では、凝固により溶鋼の体積が収縮するために、最終凝固部であるデンドライト樹の間に残って成分が濃化した溶鋼が流動し、鋳片中心部に集積して凝固するいわゆる中心偏析(centerline segregation)が発生し、鉄鋼製品の品質が劣化する。例えば、石油輸送用や天然ガス輸送用のラインパイプ材においては、中心偏析が発生すると、サワーガスの作用により中心偏析を起点とした水素誘起割れ(HIC,hydrogen induced cracking)が発生する。また、飲料水用の缶製品に用いられる深絞り材においては、中心偏析による成分の偏析により加工性に異方性が出現してしまう。
鉄鋼製品の品質の劣化を招く中心偏析を防止するために、凝固末期に未凝固鋳片を鋳片の凝固収縮量に見合う圧下量で徐々に圧下する方法(以下、軽圧下(soft reduction)と呼ぶ)が知られている。軽圧下によれば、凝固収縮量に見合う圧下量で鋳片を徐々に圧下して未凝固相の体積を減少させ、デンドライト樹(dendritic structure)間の濃化溶鋼の流動を起こさないようにして中心偏析を防止する。そこで、2次冷却を適正に行なって、軽圧下を実施するロール群が配設された軽圧下帯(soft reduction zone)の範囲内に鋳片の凝固完了位置を制御する必要がある。
さらに、鋳片表面の割れ等の品質トラブルが発生することを抑制するために、モールド直下から鉛直方向下方に引き抜かれた鋳片を水平方向に曲げる矯正部(bending and straightening zones)において鋳片の温度が脆化域(brittle temperature range)にかからないように2次冷却の制約条件(constraint conditions)を設定する必要がある。
このような背景から、連続鋳造中の鋳片の表面温度および内部温度を計測し、矯正部の温度や凝固完了位置などの鋳片の凝固状態を把握して適正に制御する技術が求められている。しかしながら、連続鋳造中の鋳片の表面温度は、2次冷却水がかけられる位置では内部温度に比べて非常に低くなり、複数の冷却ゾーンの間などの2次冷却水がかけられない位置では復熱する。加えて、2次冷却水の存在や水蒸気の発生もあるため、2次冷却を適正に制御することを目的とした鋳片の表面温度の計測は困難である。また、連続鋳造機の雰囲気温度は高温で非常に苛酷であるために、鋳片の内部温度をオンラインで計測できる技術はない。このため、従来までは、伝熱モデルを用いた数値計算によって鋳片の凝固状態を推定することが行われている(特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1記載の技術は、始めに、所定長さの鋳込みが進行する毎に連続鋳造中の鋳片内に鋳込み方向に垂直な計算面(calculation plane)を仮想的に発生させる。次に、この技術は、計算面が鋳込み方向に連続して設定された複数のゾーンをそれぞれ通過して次のゾーン入側境界に到達した時点で、直前に通過したゾーンの平均冷却条件に基づいて計算面内の温度分布を計算する。そして、この技術は、得られた計算面内の温度分布を次のゾーン以後で行なう計算の初期値として与え、順次計算面内の温度分布を計算することにより、最終ゾーン入側境界での計算面内の温度分布を求めて凝固状態を推定する。
特開2002−178117号公報 特開平9−24449号公報 特開平10−291060号公報
ところで、数値計算によって鋳片の凝固状態を推定する場合、鋳片に鋲打ち(the nail shooting method)等を行って実際の凝固状態を確認し、確認結果に基づいて伝熱モデルのパラメータを調整することによって実際の凝固状態との一致性を補償することが行われる。そして、伝熱モデルのパラメータの調整が一旦行われると、その状態で計算結果を信用した操業が行われる。しかしながら、鋳造条件や鋼種が異なる場合や冷却機器の変更又は経年劣化や一時的な故障等、パラメータの調整が行われた時点とは異なる操業状態が発生した場合には、計算による凝固状態の推定結果が実際とは異なったものになり、鋳片の凝固状態を精度高く推定できなくなる。
なお、このような問題点を解決するために、特許文献2や特許文献3記載の技術が提案されている。具体的には、特許文献2記載の技術は、連続鋳造機の物理現象を数式化した制御モデルを用いて設定した冷却スプレーの流量指令に基づいて鋳造した結果得られた鋳片の温度と制御モデルを用いて算出された鋳片の温度との差分から制御モデルのパラメータを修正する。特許文献3記載の技術は、鋳片の測定点における表面温度の計算値が測定値と一致するよう鋳片表面からの熱流束分布を補正する。
特許文献2,3記載の技術によれば、モデルのパラメータを修正することによって測定点においては鋳片温度の測定値と計算値とを一致させることができる。しかしながら、鋳片の内部温度の計算値に関しては実際の内部温度に一致させていないので、修正後のモデルを用いたとしても凝固状態を精度高く推定できる保証はない。このため、鋳片の凝固完了位置が連続鋳造機を外れて大きなトラブルになる恐れがある。また、矯正部における鋳片の温度が脆化域にかかり、鋳片表面に割れが生じる品質トラブルをもたらす恐れがある。また、鋳片の凝固完了位置を当初の目標位置に修正する制御を行なう技術は記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、鋳片温度(鋳片の内部温度および表面温度)を精度高く推定し、鋳片の凝固状態を制御可能な凝固完了位置制御方法及び凝固完了位置制御装置を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る凝固完了位置制御方法は、連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御方法であって、連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定ステップと、連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定ステップにおける測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定ステップと、前記温度測定ステップにおける鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定ステップにおける鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正ステップと、前記補正ステップで補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定ステップと、前記凝固完了位置推定ステップで求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出ステップと、前記補正ステップで補正された2次冷却水量の関数であるパラメータに前記操作量算出ステップで算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定ステップと、前記凝固状態推定ステップで推定された鋳片温度と凝固完了位置とが所定の操業上の制約条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記制約条件が満たされる場合に、前記操作量算出ステップで算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る凝固完了位置制御方法は、上記発明において、前記判定ステップにおいて前記制約条件が満たされない場合に、該制約条件が満たされるまで、前記操作量算出ステップと、凝固状態推定ステップと、判定ステップとを繰り返すことを特徴とする。
また、本発明に係る凝固完了位置制御方法は、上記発明において、前記判定ステップにおける制約条件は、凝固完了位置の許容範囲および矯正部の温度範囲であることを特徴とする。
また、本発明に係る凝固完了位置制御装置は、連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御装置であって、連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定手段と、連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定手段による測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定手段と、前記温度測定手段による鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定手段による鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正手段と、前記補正手段により補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定手段と、前記凝固完了位置推定手段により求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出手段と、前記補正手段により補正された2次冷却水量の関数であるパラメータに前記操作量算出手段により算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定手段と、前記凝固状態推定手段により推定された鋳片温度と凝固完了位置とが所定の操業上の制約条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記制約条件を満たすと判定された場合に、前記操作量算出手段により算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る凝固完了位置制御方法及び凝固完了位置制御装置によれば、鋳片温度を精度高く推定し、鋳片の凝固状態を制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態である凝固完了位置推定装置が適用される連続鋳造機の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である凝固完了位置推定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態である凝固状態制御処理の流れを示すフローチャートである。 図4は、表面温度計の配設位置における鋳片の表面温度の測定値及びパラメータの補正前後における鋳片の表面温度の推定値の変化を示す図である。 図5は、パラメータの補正前後における鋳片の厚み方向中央部の温度変化を例示する図である。 図6は、2次冷却水量の操作前後における鋳片の厚み方向中央部の温度変化を例示する図である。 図7は、2次冷却水量の操作前後における鋳片の表面温度の温度変化を例示する図である。 図8は、制約条件の充足前後における鋳片の表面温度の温度変化を例示する図である。 図9は、制約条件の充足前後における鋳片の厚み方向中央部の温度変化を例示する図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置の構成及びその動作について説明する。
〔連続鋳造機の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置が適用される連続鋳造機の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置が適用される連続鋳造機の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置が適用される連続鋳造機1では、溶鋼2が満たされたタンディッシュ3の鉛直方向下方にモールド4が設けられ、タンディッシュ3の底部にモールド4への溶鋼供給口となる浸漬ノズル5が設けられている。モールド4の鉛直方向下方には、サポートロール6が設置されている。
鋳片Sの鋳込み方向には2次冷却帯として複数の冷却ゾーン7a〜13a,7b〜13bが配置されている。各冷却ゾーンには複数のスプレー用又はエアミストスプレー用のノズルが配置され、各ノズルから鋳片Sの表面に2次冷却水が噴霧される。なお、図1では、反基準面側(the opposite side of the base plane)(上面側)の冷却ゾーンには符号aを図示し、基準面側(the base plane)(下面側)の冷却ゾーンには符号bを図示している。また、本構成例では、冷却ゾーンは合計7つであるが、実際の連続鋳造機における冷却ゾーンの数は機長等に応じて様々である。
最終の冷却ゾーン13a,13bの入側の近傍には、鋳片Sの表面温度を測定する表面温度計14が配設されている。本実施形態では、最終の冷却ゾーン13a,13bの入側の近傍に表面温度計14を配設したが、より上流側の冷却ゾーン間に表面温度計14を配設してもよい。
〔凝固完了位置制御装置の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である凝固完了位置推定装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の一実施形態である凝固完了位置制御装置100は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。凝固完了位置制御装置100は、情報処理装置内部のCPU等の演算処理装置が制御プログラムを実行することによって、温度算出部101、パラメータ補正部102、及び凝固完了位置制御部103として機能する。これら各部の機能については後述する。また、凝固完了位置制御装置100には、表面温度計14、及び表示装置や印刷装置等の出力装置110が接続されている。
〔凝固状態制御処理〕
このような構成を有する凝固完了位置制御装置100は、以下に示す凝固状態制御処理を実行することによって、矯正部の温度域などの操業上の制約条件を充足させながら鋳片Sの凝固完了位置を修正する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、この凝固状態制御処理を実行する際の凝固完了位置制御装置100の動作について説明する。
図3は、本発明の一実施形態である凝固状態制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、連続鋳造機が稼働し、例えば、表面温度計14の配設位置を鋳片Sが通過したタイミングで開始となり、凝固状態制御処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、温度算出部101は、表面温度計14の配設位置における鋳片Sの表面温度を測定する。これにより、ステップS1の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、温度算出部101が、2次冷却計算(伝熱モデルを用いた鋳片の2次冷却に関する伝熱計算)によって、表面温度計14の配設位置における鋳片Sの表面温度の推定値を算出する。具体的には、連続鋳造機における2次冷却計算は、鋳込み方向に単位長さにスライスされた鋳片断面を考え、以下に示す数式(1)により表される2次元伝熱方程式を、鋳片S内の場所に応じて水冷、空冷、ミスト冷却、ロール抜熱等の様々な状況における鋳片表面の境界条件の熱流速(数式(2)参照)を与えて解くことで実行される。なお、2次冷却計算自体については、本発明の出願時点で公知であるので、詳細な説明は省略する。
また、モールド4内における伝熱計算では、hを凝固シェルとモールド内壁との熱伝達係数、Tをモールド内における凝固シェルの表面温度、Tをモールド内壁温度として、数式(2)の境界条件を以下に示す数式(3)のように変更する。なお、数式(1)中のcは鋳片Sの比熱、ρは鋳片Sの密度、kは鋳片Sの熱伝導率、Tは鋳片Sの表面温度、x,yはそれぞれ鋳片Sの厚さ方向及び幅方向の位置を表す座標値である。また、数式(2)中のQは熱流束、hは2次冷却帯の熱伝達係数、Tは鋳片Sの表面温度、Tは雰囲気温度を示している。ステップS2の処理では、初期パラメータとして予め与えられたh、h、kを用いて鋳片Sの表面温度の推定値を算出する。これにより、ステップS2の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS3の処理に進む。
Figure 2014027543
Figure 2014027543
Figure 2014027543
ステップS3の処理では、パラメータ補正部102が、ステップS2の処理によって得られた表面温度の推定値が測定値と一致するように、数式(1)に含まれる熱伝導率k、数式(3)に含まれるモールド内壁と凝固シェルとの間の熱伝達係数h、及び数式(2)に含まれる2次冷却帯の熱伝達係数hのうちの少なくとも1つのパラメータの値を補正する。
本実施の形態では、伝熱モデルのパラメータとして、2次冷却帯の熱伝達係数hを補正するが、熱伝導率k、モールド内壁と凝固シェルとの間の熱伝達係数hを補正する場合も同様に以下の処理を適用できる。なお、補正後の2次冷却帯における熱伝達係数h’は、補正係数αを用いて次式(4)のように表すことができる。
Figure 2014027543
パラメータの値を補正することにより、初期パラメータ設定時から一般の鋳造操業条件(たとえば、注湯する溶鋼温度,モールド内の冷却条件、鋳造品の成分、寸法、鋳造温度、鋳造速度、連続鋳造機内の2次冷却水の設定など)や鋼種が変更された場合や、冷却機器の変更、経年劣化、あるいは一時的な故障がある場合などにも、操業状態の変化に対応した精度の高い2次冷却計算ができる。これにより、ステップS3の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、凝固完了位置制御部103が、ステップS3の処理によってパラメータが補正された伝熱モデルを用いて、鋳片Sの内部温度および表面温度(鋳片温度)の推定値を算出し、推定された鋳片Sの厚み方向中央部の温度と固相線温度とを比較することにより、鋳片Sの凝固完了位置を推定する。
具体的には、鋳込み方向に単位長さにスライスされた鋳片断面を連続的に想定し、各鋳片断面において2次冷却計算を行なうことにより、鋳片Sの長手方向(鋳込み方向)の温度変化を算出できる。すなわち、鋳造中に鋳造速度や冷却水量が変化する場合にも、オンラインで水冷実績データ、鋳造速度、T/D溶鋼温度などの操業条件を取り込んでリアルタイムに2次冷却計算を行なうことにより、鋳片Sの長手方向の温度変化を算出することができる。算出された各鋳片断面の厚み方向中央部の温度と固相線温度とを比較することにより、鋳片Sの凝固完了位置および形状を推定することができる。これにより、ステップS4の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、凝固完了位置制御部103が、ステップS4の処理によって推定された鋳片Sの凝固完了位置の推定位置と、予め設定された凝固完了位置の目標位置との偏差に基づいて、偏差を解消するように鋳片Sの2次冷却水量の操作量を算出する。2次冷却水量の操作量を算出する際、凝固完了位置制御部103は、凝固完了位置の推定位置と凝固完了位置の目標位置との偏差に対して比例演算や比例積分演算などの公知の手法を適用する。これにより、ステップS5の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS6の処理に進む。
なお、2次冷却帯の熱伝達係数hは、2次冷却水量wの関数として、次式(5)のように表せる。
Figure 2014027543
ここで、上記式(4)の補正係数αは熱伝達係数h(w)について求められたものであるが、2次冷却水量wに対して操作量Δwを与えた後の熱伝達係数h(w+Δw)に対して適用しても精度上の問題はない。すなわち、補正前の熱伝達係数h(w+Δw)と補正後の熱伝達係数h’(w+Δw)との関係は、上記式(4)および式(5)により、次式(6)のように表せる。したがって、2次冷却水量を操作しても、ステップS3の処理で補正された2次冷却帯の熱伝達係数h’を再度補正する必要はない。2次冷却水量を操作した場合、h’(w)をh’(w+Δw)に変更するだけでよい。
Figure 2014027543
ステップS6の処理では、凝固完了位置制御部103が、ステップS3の処理で補正されたパラメータh’に、ステップS5の処理で算出された操作量Δwを加算した2次冷却水量(w+Δw)を代入したパラメータh’(w+Δw)を用いた伝熱モデルを用いて、鋳片Sの鋳片温度(内部温度および表面温度)の推定値を算出し、凝固完了位置を推定する。これにより、ステップS6の処理は完了し、凝固状態制御処理はステップS7の処理に進む。
ステップS7の処理では、凝固完了位置制御部103が、ステップS6の処理で算出された鋳片温度の推定値が操業上の制約条件を満たすか否かを判定する。ここで、凝固完了位置制御部103は、操業上の制約条件として、矯正部での鋳片温度が脆化域(脆化する温度範囲)にかかっていないことと、凝固完了位置の推定位置が所定の許容範囲をもつ目標位置にあることを確認する。
凝固完了位置制御部103は、これらの制約条件を満たしていないと判定した場合は、凝固状態制御処理をステップS5の処理に戻す。すなわち、凝固完了位置制御部103は、2次冷却水量の操作量を変更し、鋳片温度を推定する処理を、制約条件を充足するまで繰り返す。一方、凝固完了位置制御部103は、上記の制約条件を満たすと判定した場合は、凝固状態制御処理をステップS8の処理に進める。
ステップS8の処理では、凝固完了位置制御部103は、ステップS5の処理で算出された冷却水量の操作量Δwを当初の冷却水量wに加算した冷却水量(w+Δw)による2次冷却を制御する。これにより、凝固完了位置制御部103は、凝固完了位置を目標位置に修正する制御を行なう。これにより、ステップS8の処理は完了し、一連の凝固状態制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である凝固状態制御処理では、鋳片温度と凝固完了位置とを高精度で推定し、矯正部での表面温度に関する制約条件を満たしながら、凝固完了位置を所定の範囲の目標位置になるように制御できる。したがって、凝固完了位置が機端になるように制御すれば、連続鋳造機の設備能力を最大に発揮させて製品の高生産性を維持できる。また、凝固完了位置を軽圧下帯になるように制御すれば、中心偏析などの内部品質の劣化を防止して高品質の製品を生産できる。
〔実施例〕
図4は、表面温度計14の配設位置における表面温度の測定値及びパラメータの補正前後における鋳造位置(モールド4からの距離)での表面温度の推定値の変化を示す図である。本実施例では、パラメータのうち2次冷却帯における熱伝達係数hを補正した。図4において、線L1は鋳造位置と補正前のパラメータで推定された表面温度との関係を示し、線L2は、鋳造位置と補正後のパラメータで推定された表面温度との関係を示す。また、点P1に示す表面温度計14の配設位置(鋳造位置=25m)における表面温度の測定値は808℃であった。この位置における補正前のパラメータで推定された表面温度は、点P2に示すように836℃であった。そこで、2次冷却帯における熱伝達係数hを5%増加させる補正を行なって、線L2に示す表面温度の推定値を表面温度計14の配設位置(鋳造位置=25m)において点P1に一致させた。
図5は、パラメータの補正前後における厚み方向中央部の温度変化を示す図である。図5において、線L3は鋳造位置と補正前のパラメータで推定された厚み方向中央部の温度との関係を示し、線L4は、鋳造位置と補正後のパラメータで推定された厚み方向中央部の温度との関係を示す。なお、本実施例の鋼種の固相線温度は1500℃であることから、厚み方向中央部の温度が1500℃となる鋳造位置が凝固完了位置と推定される。すなわち、図5に点P3で示すように、補正前のパラメータで推定された凝固完了位置は、鋳造位置=29.7mであり、補正後のパラメータで推定された凝固完了位置は、点P4に示すように、鋳造位置=29.1mであった。
次に、図6〜図9を参照し、2次冷却水量の操作量を決定する手順を例示する。なお、本実施例では、推定される凝固完了位置の目標位置との偏差に基づいて2次冷却による抜熱量の変更量を求める。抜熱量の変更量は、2次冷却水の操作量と凝固完了位置の推定位置の変化との関係から求めることができる。
図6は、2次冷却水量の操作前後における厚み方向中央部の温度変化を示す図である。図6において、線L4は、鋳造位置と操作前の状態で推定された厚み方向中央部の温度との関係を示し、線L5は、鋳造位置と操作後の状態で推定された厚み方向中央部の温度との関係を示す。なお、線L4は図5の線L4と同一である。
図7は2次冷却水量の操作前後における表面温度の温度変化を示す図である。図7において、線L2は、鋳造位置と操作前の状態で推定された表面温度との関係を示し、線L6は、鋳造位置と操作後の状態で推定された表面温度との関係を示す。なお、線L2は図4の線L4と同一である。
図8は、制約条件の充足前後における表面温度の温度変化を示す図である。図8において、線L2は図7の線L2と同一で、鋳造位置と2次冷却水量の操作前の状態で推定された表面温度との関係を示す。線L6は、鋳造位置と2次冷却水量の操作後の状態で制約条件充足前に推定された表面温度との関係を示し、図7の線L6と同一である。線L7は、鋳造位置と2次冷却水の操作後の状態で制約条件充足後に推定された表面温度との関係を示す。
図9は、制約条件の充足前後における厚み方向中央部の温度変化を示す図である。図9において、線L4は図6の線L4と同一で、鋳造位置と2次冷却水量の操作前の状態で推定された表面温度との関係を示す。線L5は図6の線L5と同一で、鋳造位置と2次冷却水量の操作後の状態で制約条件充足前に推定された表面温度との関係を示す。線L8は、鋳造位置と2次冷却水量の操作後の状態で制約条件充足後に推定された表面温度との関係を示す。
本実施例の鋼種の凝固完了位置の目標値は28.3m(許容範囲は鋳造位置=28.3〜28.5m)であることから、図6に示すように、推定される凝固完了位置を点P4から点P5に(モールド4側に0.8m)変更するよう、抜熱量を現在の値から7.5%増加させる。このとき、図7の線L6に示すように、鋳片Sを曲げ戻す矯正部R1(鋳造位置=15〜20m)で脆化域(表面温度≦700℃)にかかる。そこで、矯正部R1での表面温度が脆化域にかからないという制約条件を満たすように、2次冷却の抜熱量の現在の値からの増加量を5%に変更する。その場合、図8の線L7に示すように、鋳片Sの表面温度は矯正部R1で脆化域にかからず、制約条件を満たす。また、凝固完了位置は、図9の点P8に示すように、鋳造位置=28.5mと推定され、凝固完了位置の目標位置の許容範囲を鋳造位置=28.3m〜28.5とする制約条件を満たす。以上により、2次冷却の抜熱量の現在の値からの増加量を5%に変更することにより、制約条件を満たして凝固完了位置を目標位置(の許容範囲)に制御できることが確認された。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
以上のように、本発明にかかる凝固完了位置制御方法及び凝固完了位置制御装置は、連続鋳造機における鋳片の温度を推定し、凝固完了位置などの鋳片の凝固状態を制御する技術に適している。
1 連続鋳造機
2 溶鋼
3 タンディッシュ
4 モールド
5 浸漬ノズル
6 サポートロール
7a〜13a,7b〜13b 冷却ゾーン
14 表面温度計
100 凝固完了位置制御装置
101 温度算出部
102 パラメータ補正部
103 凝固完了位置制御部
110 出力装置
S 鋳片
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る凝固完了位置制御方法は、連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御方法であって、連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定ステップと、連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定ステップにおける測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定ステップと、前記温度測定ステップにおける鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定ステップにおける鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正ステップと、前記補正ステップで補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定ステップと、前記凝固完了位置推定ステップで求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出ステップと、前記補正ステップで補正されたパラメータのうち、2次冷却水量の関数で表されるパラメータに前記操作量算出ステップで算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定ステップと、前記凝固状態推定ステップで推定された鋳片温度と凝固完了位置とが、矯正部での鋳片温度が脆化温度域にかかっていないことおよび凝固完了位置が所定の許容範囲内の目標位置にあることからなる制約条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記制約条件が満たされる場合に、前記操作量算出ステップで算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る凝固完了位置制御装置は、連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御装置であって、連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定手段と、連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定手段による測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定手段と、前記温度測定手段による鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定手段による鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正手段と、前記補正手段により補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定手段と、前記凝固完了位置推定手段により求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出手段と、前記補正手段により補正されたパラメータのうち、2次冷却水量の関数で表されるパラメータに前記操作量算出手段により算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定手段と、前記凝固状態推定手段により推定された鋳片温度と凝固完了位置とが、矯正部での鋳片温度が脆化温度域にかかっていないことおよび凝固完了位置が所定の許容範囲内の目標位置にあることからなる制約条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記制約条件を満たすと判定された場合に、前記操作量算出手段により算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作手段と、を備えることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御方法であって、
    連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定ステップと、
    連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定ステップにおける測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定ステップと、
    前記温度測定ステップにおける鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定ステップにおける鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正ステップと、
    前記補正ステップで補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定ステップと、
    前記凝固完了位置推定ステップで求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出ステップと、
    前記補正ステップで補正された2次冷却水量の関数であるパラメータに前記操作量算出ステップで算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定ステップと、
    前記凝固状態推定ステップで推定された鋳片温度と凝固完了位置とが所定の操業上の制約条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて前記制約条件が満たされる場合に、前記操作量算出ステップで算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作ステップと、
    を含むことを特徴とする凝固完了位置制御方法。
  2. 前記判定ステップにおいて前記制約条件が満たされない場合に、該制約条件が満たされるまで、前記操作量算出ステップと、凝固状態推定ステップと、判定ステップとを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の凝固完了位置制御方法。
  3. 前記判定ステップにおける制約条件は、凝固完了位置の許容範囲および矯正部の温度範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の凝固完了位置制御方法。
  4. 連続鋳造機における鋳片の凝固完了位置を制御する凝固完了位置制御装置であって、
    連続鋳造機内の鋳造方向の少なくとも一点において鋳片の表面温度を測定する温度測定手段と、
    連続鋳造機の操業条件を用いた伝熱モデルによって前記温度測定手段による測定箇所での鋳片の表面温度を推定する温度推定手段と、
    前記温度測定手段による鋳片の表面温度の測定値と前記温度推定手段による鋳片の表面温度の推定値とが一致するように、前記伝熱モデル内に含まれる熱伝導率、モールドと凝固シェルとの間の熱伝達係数、及び2次冷却帯の熱伝達係数のうちの少なくとも1つのパラメータを補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正されたパラメータを用いた伝熱モデルにより、鋳片の表面温度と内部温度とを含む鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固完了位置推定手段と、
    前記凝固完了位置推定手段により求められた凝固完了位置推定値とあらかじめ定められた凝固完了位置目標値との偏差から2次冷却水量の操作量を算出する操作量算出手段と、
    前記補正手段により補正された2次冷却水量の関数であるパラメータに前記操作量算出手段により算出された操作量を加算した2次冷却水量を代入したパラメータを用いた伝熱モデルにより、連続鋳造機内の鋳片温度を推定し、推定された鋳片の内部温度に基づいて連続鋳造機内における鋳片の凝固完了位置を推定する凝固状態推定手段と、
    前記凝固状態推定手段により推定された鋳片温度と凝固完了位置とが所定の操業上の制約条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記制約条件を満たすと判定された場合に、前記操作量算出手段により算出された操作量に基づいて2次冷却を制御する操作手段と、
    を備えることを特徴とする凝固完了位置制御装置。
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