JPWO2014013994A1 - 継手および継手組立体 - Google Patents

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Abstract

サイズが大きな場合であっても、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能な継手および継手組立体を提供する。リング(70)は、ナット(30)の内側であって、チューブ(90)の外側に配置され、チューブ(90)よりも弾性率が高い。リング(70)は、以下の条件を満たす弾性率を有している。チューブ(90)に対して本体(20)、ナット(30)およびリング(70)が連結された状態において、リング(70)が弾性領域内の状態にある場合には、リング(70)が自身の応力によって、チューブ(90)を径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。また、リング(70)が弾性領域を超えた状態である場合には、拡張したリング(70)がナット(30)の径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、チューブ(90)を径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。

Description

本発明は、継手および継手組立体に関する。
従来より、例えば、特許文献1(特開2009−144916号公報)に記載のように、チューブの内部を通過させる流体が漏れ出さないように強固に連結することが可能なチューブ継手が提案されている。ここで、チューブ継手が取り付けられるチューブの外径サイズとして、1/4インチ、3/8インチ、1/2インチ、3/4インチ、および、1インチの各サイズが提案されている。
このチューブ継手では、筒状の継手本体の端部にチューブを取り付けて連結ナットを継手本体に対して螺着させる場合に、継手本体と連結ナットとの間に固定リングが設けられている。そして、連結ナットを継手本体に対して螺着させていく際に、チューブは、内側からは継手本体によって、外側からは連結ナットによって押されている固定リングによって、締め付けられる。
このチューブ継手では、以上の構成を採用したことで、連結ナットを継手本体に対して螺着させていく際には連結ナットはチューブに対して回転するものの、固定リングはチューブに対して回転することが無いため、チューブの外側表面に環状の傷が付いてしまったりチューブが切断されてしまうことを防ぐことができた、としている。
しかも、固定リングの硬さをチューブの硬さよりも硬くすることで、チューブ継手からチューブが抜けないように接続を強固にするとともに、連結ナットを継手本体に固定する際に、連結ナットに変形が生じることを防止することができる、としている(引用文献1の段落番号0021等参照)。
このように、上述の特許文献1(特開2009−144916号公報)に記載されているような継手では、チューブの外径サイズとして、最大で1インチのものまでが提案されている。
発明者らは、チューブを流す流体の流量を多く確保することが可能な、大きなサイズのチューブおよびそのチューブに接続するチューブ継手の開発を試みた。
そして、サイズの大きなチューブに用いられるチューブ継手では、サイズの小さなチューブ継手よりも、チューブが抜けやすく、流体の漏れが生じやすいことが明らかになった。
これに対して、固定リングの硬さをチューブの硬さよりも硬くすることによって、チューブをチューブ継手から抜けにくくすることは可能である。しかし、固定リングの弾性率が高すぎる場合には、連結ナットを継手本体に螺着させていく際に固定リングに生じる撓みが非常に少なく、チューブを径方向外側から内側に向けて過度に締め付けてしまい、チューブが切断されてしまうおそれがある。
そうすると、固定リングの弾性率は、チューブの抜けを抑制しつつチューブの外表面を傷付けにくいという、ある望ましい範囲が存在することになる。そして、当該望ましい範囲の弾性率となるように固定リングを設計することで、チューブをチューブ継手に強固に接続した状態において、チューブの外表面に対して、チューブの径方向外側から径方向内側に向けて、固定リングの弾性力を作用させることができ、固定リングと継手本体とによってチューブを適切な力で挟持させることができ、チューブが切断されないようにしながら接続を強固にすることが可能となる。
しかし、上述のように、チューブの切断が抑制されるようにしつつも強固な接続が可能となるようにチューブをチューブ継手に接続した状態において、チューブが引っ張られたり曲げられたりすることで、チューブに対してなんらかの外力が作用する場合がある。このように、上述の接続状態において、チューブに外力が作用すると、固定リングが自己の弾性領域を超えて径方向外側に拡張してしまうことがある。このように、チューブに外力が作用して、固定リングが自己の弾性領域を超えた状態になると、チューブに対して固定リングの径方向外側から径方向内側に向けた力が作用しにくくなり、チューブ継手から抜けやすくなってしまうことがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、サイズが大きな場合であっても、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能な継手および継手組立体を提供することにある。
第1観点に係る継手は、樹脂によって少なくとも内側表面が構成されているチューブに接続される継手であって、本体、ナット、および、少なくとも1つのリングを備えている。本体は、一端に設けられたチューブ連結部と、外周面においてチューブ連結部より外径が大きくなるように設けられた本体ねじ山部と、を有する。本体には、軸方向に延びた貫通孔が形成されている。ナットは、ナットねじ山部と縮径部と被当接部を有している。ナットねじ山部は、ナットに対して軸方向の一端側から軸方向の他端側に向けて本体のチューブ連結部が挿入された状態で、本体の本体ねじ山部と螺合可能である。縮径部は、ナットの軸方向の他端側に設けられており、ナットねじ山部よりも内径が小さい。被当接部は、縮径部に対して軸方向の一端側を向くように形成されている。少なくとも1つのリングは、ナットのナットねじ山部よりも径方向内側の空間に配置され、チューブよりも弾性率が高く、ナットの被当接部に当接する。リングは、以下の条件を満たす弾性率を有している。すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングが自身の応力によって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。また、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングが弾性領域を超えた状態である場合には、拡張したリングがナットの径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。
この継手は、チューブの内面が本体のチューブ連結部の外面と接するようにチューブを本体に取り付けた状態で、ナットのナットねじ山部を本体の本体ねじ山部と螺合させてねじ込んでいくと、チューブの外側に位置しているリングは、ナットの被当接部に当接して本体のチューブ連結部の端部に近づいていく。そして、チューブの一部がリングと本体のチューブ連結部の端部とによって挟み込まれた状態で、リングは径方向外側に広がるように弾性変形する。リングは、このように弾性変形した弾性状態においては、チューブを径方向外側から径方向内側に押さえつけるように弾性力をチューブに対して作用させることができる。
ここで、この継手は、樹脂を含んで構成されたチューブに接続される場合であっても、弾性率がチューブの弾性率よりも高いリングを採用しているため、リングの強い弾性力によってチューブを押さえつけることができ、チューブを強固に固定して、チューブを抜けにくくすることが可能になるとともに、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制することが可能になっている。
また、ナットを本体に螺着させてチューブに継手を固定させた状態で、チューブになんらかの外力が作用した場合であっても、当該リングの弾性率によって、チューブを抜けにくくすることができている。しかも、チューブに継手を固定させた状態で、チューブに対してなんらかの外力がさらに作用した場合には、リングがさらに拡張するように変形して弾性領域を超えた状態にすることができている。これにより、チューブを過度に締め付けてしまうことを防ぎ、チューブが切断されてしまうことを抑制できている。
そして、このようにリングが拡張変形して弾性領域を超えた状態となった場合であっても、拡張したリングは、径方向外側の部分が、ナットの径方向内側表面に当接し、ナットの内周部分によって径方向内側に押される。このように、ナットによって径方向内側に押されたリングは、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押して締め付けて固定するため、チューブを抜けにくくすることが可能になるとともに、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制することが可能になっている。
以上により、この継手によると、チューブのサイズが大きな場合であっても、チューブが切断されることを抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能になっている。
第2観点に係る継手は、第1観点に係る継手において、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングと外周部分と、リングの径方向外側に位置するナットの内周部分と、の間には径方向の隙間が設けられている。
この継手では、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、リングの外周部分は、ナットの内周部分のうちリングの径方向外側に位置している部分には接触しない。このため、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、ナットが径方向外側に向けて拡管されるように変形することを抑制することができている。
第3観点に係る継手は、第1観点または第2観点に係る継手において、リングの弾性率は、ナットの弾性率よりも高い。
この継手では、リングの弾性率は、チューブの弾性率よりも高いだけでなく、ナットの弾性率よりも高い。このため、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、ナットの弾性率の高さはリングの弾性率程度の高さではないため、チューブが過度に締め付けられることを防ぎ、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。
第4観点に係る継手は、第1観点から第3観点のいずれかに係る継手において、リングの円周方向を法線方向とする断面の形状は、矩形形状のうち、少なくとも径方向内側であって軸方向の本体側の部分が面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状である。リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分である。
この継手では、ナットを本体にねじ込んでいくと、チューブが、本体のチューブ連結部の端部とリングによって挟持された状態になるが、この時、リングは、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分において、チューブと接している。そして、この継手では、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分(リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分)は、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状となっている。このため、チューブよりも弾性率の高いリングを採用した継手をチューブに連結して固定した場合であっても、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されることなく角が設けられている場合と比較して、リングからチューブに対して局所的な押しつけ力が作用しにくいようにすることができている。これにより、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。しかも、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分(リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分)は、チューブの外側の面との接触面積が広過ぎないようにすることができるため、リングによってチューブが押し付けられている力が分散されてチューブが抜けやすくなってしまうことを抑制できている。
第5観点に係る継手は、第4観点に係る継手において、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分である。
この継手では、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になっている。
第6観点に係る継手は、第1観点から第5観点のいずれかに係る継手において、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとした場合において、ナットおよびリングが連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるXおよびYに相当する部分の長さについて、(X−Y)/Yの値が、0.003以上0.020以下である。
この継手では、チューブに接続され、リングが拡張されていく段階において、ナットの内周部分に接触する前の段階で、より確実に、リングを弾性状態外の状態にすることが可能になる。これにより、リングが弾性状態のままでナットの内周部分に接触することでチューブが過度に押さえつけられて切断されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
第7観点に係る継手は、第1観点から第6観点のいずれかに係る継手において、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとし、チューブの厚みをZとした場合において、ナット、リング、および、チューブが互いに連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるX、YおよびZに相当する部分の長さについて、(X−Y)/Zの値が、0.04以上0.30以下である。
この継手では、チューブに接続され、リングが拡張されていくことでチューブが押しつぶされていく段階において、チューブが過度に押しつぶされて切断されてしまうよりも前の段階において、より確実にリングの状態を弾性領域を超えた状態にさせることができる。これにより、チューブが切断されることをより確実に抑制することができる。
第8観点に係る継手は、第1観点から第7観点のいずれかに係る継手において、チューブは、PFA、FEPおよびPTFEからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。ナットは、PFA、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。リングは、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。
この継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れをより確実に抑制させることが可能になる。
第9観点に係る継手は、第1観点から第8観点のいずれかに係る継手において、リングは、不透明である。ナットは、透明もしくは半透明である。
この継手では、ナットが透明もしくは半透明であり、リングが不透明であるため、チューブにリングとナットを連結させた状態において、ナットの外側からリングの存在を視認することが可能になる。これにより、リングの付け忘れを生じにくくすることができる。
第10観点に係る継手組立体は、チューブと、第1観点から第9観点のいずれかに係る継手を備える。チューブは、耐薬品性を備える樹脂を含んで構成されている。チューブの曲げ半径が0.3m以上3.0m以下である。
この継手組立体では、鉄から構成された管等とは異なり、チューブが曲がりやすいため、長い距離を接続させるために長いチューブを現地まで運ぶ必要が生じた場合であっても、巻き付ける等してコンパクト化させて運ぶことができる。
第1観点に係る継手では、チューブのサイズが大きな場合であっても、チューブが切断されることを抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能になっている。
第2観点に係る継手では、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、ナットが径方向外側に向けて拡管されるように変形することを抑制することができている。
第3観点に係る継手では、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。
第4観点に係る継手では、チューブが切断されにくく、かつ、チューブを抜けにくくすることが可能になっている。
第5観点に係る継手では、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になっている。
第6観点に係る継手では、リングが弾性状態のままでナットの内周部分に接触してチューブが切断されてしまうことを、より確実に抑制できる。
第7観点に係る継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制できる。
第8観点に係る継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れをより確実に抑制させることが可能になる。
第9観点に係る継手では、リングの付け忘れを抑制することができる。
第10観点に係る継手組立体では、コンパクト化させて運ぶことができる。
実施例に係る継手および継手組立体の外観の概略に関する分解斜視図である。 本体の側面図である。 本体の側面視断面図である。 本体を軸方向においてチューブが挿入される側とは反対側から見た図である。 リングの側面図である。 ナットの側面図である。 ナットの側面視断面図である。 ナットを軸方向における縮径部側から見た図である。 チューブにリングとナットを取り付けた状態の側面視断面図である。 先端が拡管されたチューブを本体に連結させた状態の側面視断面図である。 本体に対してナットをねじ込んでいく様子を示す側面視断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視部分拡大概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態に関する他の例を示す側面視部分拡大概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視部分拡大概略断面図である。 他の実施形態(7−1)に係る継手の連結固定状態を示す側面視断面図である。 他の実施形態(7−2)に係る継手の連結固定状態を示す側面視断面図である。
以下に、一実施形態に係る継手および継手組立体を説明する。以下に説明する継手および継手組立体は、例示を目的とするものであり、これに限定されるものではない。
(1)継手および継手組立体
本実施形態の継手は、チューブに接続される継手であって、本体、ナット、および、リングを備えている。継手組立体は、チューブに継手が連結固定されて構成される。
(2)チューブ
チューブは、少なくとも内側表面が樹脂によって構成された管状部材である。
チューブは、少なくとも径方向内側の表面が樹脂によって構成されていればよく、例えば、一部に金属の層等を含むものであってもよい。また、径方向内側の表面と、径方向外側の表面が樹脂によって構成され、中間層が金属によって構成されていてもよい。好ましくは、チューブが一種類の樹脂組成物によって構成される。
チューブの内部を通過させる流体については、特に限定されないが、例えば、酸、アルカリ、溶剤、温泉水などの高温水、海洋水、工業用廃液類などが挙げられる。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、フッ酸、硫酸、燐酸などが挙げられる。アルカリとしては、例えば、アンモニア水、物エタノールアミン等の有機アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。溶剤としては、例えば、メタノール、プロパノールなどのアルコール類、トルエンなどの有機溶剤類が挙げられる。
チューブの内部を通過させる流体の状態は、加圧状態であってもよい。このように流体が加圧された状態では、継手部分からの漏れが問題となりがちになるが、本実施形態の継手では、このような加圧された流体が内部を流れる場合であっても、その漏れを抑制させることができる。
チューブは、内部を通過させる流体の流量をより多く確保しつつ、施工作業性を良好にする点で、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、内径が28.0mm以上66.0mm以下であることが好ましく、45.0mm以上55.0mm以下であることがより好ましい。チューブの外径は、38.1mm(1.5インチ)より大きいことが好ましく、50.8mm(2.0インチ)より大きいことがより好ましい。また、チューブの外径は、70.0mm以下であることが好ましい。さらに、チューブの外径は、52.0mm以上62.0mm以下であることがより好ましい。
チューブの厚みは、2.5mm以上4.0mm以下であることが好ましく、3.0mm以上3.5mm以下であることがより好ましい。
チューブの曲げ半径は、0.3m以上3.0m以下であることが好ましく、0.5m以上1.5m以下であることがより好ましい。なお、チューブの曲げ半径は、チューブを円弧状に湾曲させていった時に、チューブが折れ曲がってしまう(破壊ではない)直前の半径をいうものとする。
なお、チューブの厚みを増すと、チューブを切れにくくすることができるが、曲げ半径が長くなる傾向がある。このように曲げ半径が長くなってしまうと、1本チューブが長くなってしまい、現地への運搬が困難になるため、短い複数本に分けて運搬する必要が生じるが、その場合には、現地での接続作業が繁雑になるとともに、接続箇所の数が増大することで漏れの問題も顕著になってしまう。このため、チューブの運搬容易性を確保し、施工現場での引き回しの容易性を確保するために、例えば、チューブの厚みが1.0mm以上10.0mm以下であって、かつ、チューブの曲げ半径が0.3m以上1.5m以下であることが好ましい。
チューブは、継手に連結固定する際の施工の容易性を高めるために、接続先の端部を加熱拡管させることが好ましい。
チューブを構成する樹脂としては、耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。耐薬品性を備えた樹脂としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびこれらの混合物が挙げられる。なかでも、耐薬液性、耐クラッキング性、耐熱性、曲げても折れにくいという機械的特性の観点から、チューブを構成する樹脂は、PFAであることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、260℃以上310℃以下であることが好ましく、295℃以上310℃以下であることがより好ましい。融点が295℃以上のPFAは柔らか過ぎないためフレアー加工部の変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができる。また、融点が310℃以下のPFAは耐クラッキング性に優れておりフレアー加工部における割れが生じにくい。この樹脂のASTMD638に準拠して測定される弾性率は、300MPa以上800MPa以下であることが好ましく、400MPa以上800MPa以下であることがより好ましい。
なお、チューブの表面粗さは、0.001以上2.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、チューブの外表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(3)本体
本体は、チューブ連結部と、本体ねじ山部を有しており、軸方向に伸びた貫通孔が形成されている。
本体ねじ山部は、チューブ連結部に対して軸方向内側に設けられており、チューブ連結部の外径よりも外径が大きく、ナットのナットねじ山部と螺合するように構成されている。
本体は、さらに、取付側ねじ山部、および、本体操作部を有していてよい。取付側ねじ山部は、軸方向においてチューブ連結部が設けられている側とは反対側の端部近傍の外周面に設けられており、継手が接続される相手の部材のねじ山と螺合するように構成されている。本体操作部は、ナットを本体にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、軸方向において、本体ねじ山部と取付ねじ山部との間に設けられる。この本体操作部は、軸方向視において多角形状もしくはその変形形状となっている。
チューブ連結部は、本体の一端側に筒状に形成されている。チューブ連結部は、チューブが取り付けられることで、チューブの内面によって径方向外側から覆われる。
本体ねじ山部は、外周面においてチューブ連結部より外径が大きくなるように設けられている。
本体のチューブ連結部は、軸方向外側の端部においてチューブ挿入端が設けられていることが好ましい。チューブ挿入端は、軸方向外側に向かうほど径方向外側の部分が径方向内側に位置するように構成された径方向外側挿入部と、軸方向外側に向かうほど径方向内側の部分が径方向外側に位置するように構成された径方向内側挿入部とを有している。径方向外側挿入部は、外側傾斜面によって構成されていてもよいし、軸方向外側であって径方向外側に向けて膨出してなだらかに湾曲した外側R部分によって構成されていてもよい。径方向外側挿入部が外側傾斜面によって構成されている場合には、軸方向の断面形状において、当該外側傾斜面と軸方向とがなす角のうち小さい方の角度が、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、30度以上60度以下であることが好ましい。径方向内側挿入部は、軸方向外側であって径方向内側に向けて膨出してなだらかに湾曲したR部分によって構成されていないことが好ましく、内側傾斜面によって構成されていることがより好ましい。径方向内側挿入部がR部分によって構成されると、継手がチューブに連結固定された状態で、チューブの内面と径方向内側挿入部のR部分との間に流体が滞留してしまうおそれがあるためである。径方向内側挿入部が内側傾斜面によって構成されている場合には、軸方向の断面形状において、当該内側傾斜面と軸方向とがなす角のうち小さい方の角度が、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、30度以上70度以下であることが好ましい。当該角度を30度以上とすることで、チューブ連結部の先端の径方向の厚みが薄くなって強度が低下してしまうことを避ける事ができ、継手をチューブに連結固定した際に、リングやチューブによって内側に押されて、径方向内側に倒れ込んでしまうことを回避しやすくなる。また、当該角度を70度以下にすることで、チューブ連結部の内側傾斜面とチューブの内面との間に形成される隙間に生じる流体の滞留を抑制することができる。
本体のチューブ連結部における径方向外側挿入部と径方向内側挿入部との径方向における境界部分の位置は、チューブ連結部の厚み幅の範囲内であって、チューブ連結部の径方向内側寄りに位置していることが好ましい。また、当該境界部分によって構成される円の直径は、リングの内径よりも小さいことが好ましい。これは、チューブが継手を連結固定させた状態において、チューブ連結部の境界部分の先端形状が、チューブに対して、チューブの厚み方向に向けて突き刺さることを回避し、チューブの切断が生じにくくするためである。なお、径方向外側挿入部が外側傾斜面によって構成され、径方向内側挿入部が内側傾斜面によって構成されている場合に、軸方向の断面形状において、外側傾斜面と内側傾斜面とがなす角のうち小さい方の角度は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、80度以上であることが好ましく、90度以上であることがより好ましい。チューブ連結部の境界部分の先端形状が鋭利な形状になりすぎないようにするためである。なお、後述するリングが本体側でかつ径方向内側に傾斜面を備えており、チューブ連結部が外側傾斜面を備えている場合には、軸方向の断面形状において、当該リングの傾斜面の傾斜角度と、チューブ連結部の外側傾斜面の傾斜角度との相違が、10度未満であることが好ましく、一致していることがより好ましい。
また、チューブ連結部の境界部分によって構成される円の直径は、チューブの外径よりも小さく、かつ、チューブの内径よりも大きいことが好ましい。これにより、チューブを継手に連結固定した状態において、本体のチューブ連結部が、径方向内側に倒れ込みにくくすることができ、流体の流れの抵抗となることを防ぐことができるとともに、チューブが切断されにくいようにすることができる。
本体のチューブ連結部の外径は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、チューブの外径の1.05倍以上1.10倍以下であることが好ましい。
本体のチューブ連結部の径方向の厚みは、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、チューブの厚みの1.5倍以上1.8倍以下であることが好ましい。
本体は、複数の部品によって構成されていてもよいが、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。この本体を構成する樹脂についても、チューブと同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、または、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が挙げられる。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、320℃以上330℃以下であることが好ましく、327℃であることがより好ましい。ここで、特に限定されないが、例えば、PTFE成形加工品の原料は粉体状のPTFE原料粉末を金型内で圧縮して固めた後、360℃以上380℃以下の熱風環境炉の中で焼成され、冷却後に機械加工されて加工品を得ることができるが、この時に原料粉体の加熱下での焼成が不十分であると融点が327℃より高く、機械特性が劣り割れるなどの不具合の原因になる。また、この樹脂のASTMD638に準拠して測定される弾性率は、400MPa以上800MPa以下であることが好ましい。
なお、本体の表面粗さは、0.001以上2.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、本体のチューブ連結部の先端に位置する径方向外側挿入部の表面を、円周方向ではなく、略軸方向に沿うように測定した。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、上記径方向外側挿入部の表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(4)ナット
ナットは、ナットねじ山部と縮径部と被当接部を有している。
ナットねじ山部は、軸方向の一端側(挿入用開口側)から軸方向の他端側に向けて本体のチューブ連結部が挿入された状態で、本体ねじ山部と螺合できるように構成されている。
縮径部は、軸方向の他端側(挿入用開口側とは反対側)に設けられており、ナットねじ山部よりも内径が小さいくなるように構成されている。
被当接部は、縮径部に対して軸方向の一端側(挿入用開口側)を向くように形成されている。被当接部は、ナット全体のうち、チューブが継手に連結固定した状態において、リングの一部と当接する部分である。
ナットは、軸方向における挿入用開口側の端部において、径方向の厚みが、その近傍の部分よりも分厚くなるように構成されていることが好ましい。
ナットは、軸方向において、ナットねじ山部と縮径部との間において、ねじ山が設けられておらず軸方向に伸びた筒形状であるナット筒状部が形成されていることが好ましい。ナットにおけるナット筒状部の径方向の厚みは、後述するリングが弾性状態を超えて拡張されてリングの外径部分とナットが接触した状態であってもチューブが抜けないようにナット自身の変形が抑えられる必要性から、チューブの厚みの1.5倍以上4.0倍以下であることが好ましく、2.5倍以上3.5倍以下であることがより好ましい。
ナットは、軸方向視において、外周形状が多角形状もしくはその変形形状となっている、ナット操作部を有していてよい。ナット操作部は、ナットを本体にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分である。
被当接部の形状は、特に限定されないが、チューブが継手に連結固定された状態において、当接するリングの一部と対応する形状であることが好ましい。例えば、チューブが継手に連結固定された状態において当接するリングの一部の形状が面形状であり、その面の法線方向が軸方向である場合には、被当接部も面形状であり、その面の法線方向が軸方向となるように構成されていることが好ましい。
ナットは、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。このナットを構成する樹脂についても、チューブや本体と同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、および、これらの混合物が挙げられる。なかでもPFAによって構成されていることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、295℃以上310℃以下であることが好ましい。融点が295℃以上のPFAは柔らか過ぎないため変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができる。また、融点が310℃以下のPFAは耐クラッキング性に優れており割れが生じにくい。この樹脂のASTMD638に準拠して測定される弾性率は、400MPa以上800MPa以下であることが好ましい。
なお、ナットは、チューブを継手に連結固定した状態で、リングが内部に位置しているか否か(リングを付け忘れていないか)を視認できるという観点で、透明もしくは半透明であることが好ましい。
(5)リング
リングは、ナットのナットねじ山部よりも径方向内側の空間に配置され、チューブよりも弾性率が高く、ナットの被当接部に当接するように用いられる環状部材である。リングは、継手において、少なくとも1つ用いられていればよく、複数用いられていてもよい。複数用いられている場合には、ナットの被当接部に当接するリングと、チューブの外表面に当接するリングとが異なっていてもよい。
チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングは、次の性質を実現することができる弾性率を有している。すなわち、リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングが自身の応力によって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことができる。しかも、リングが弾性領域を超えた状態である場合には、拡張したリングがナットの径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことができる。リングの弾性率をチューブの弾性率よりも高くなるように調節することにより、チューブの一部がリングと本体のチューブ連結部の端部とによって挟み込まれた状態で、リングは、径方向外側に広がるように弾性変形して、チューブを径方向外側から径方向内側に押さえつけるように弾性力を作用させることができる。これにより、チューブを強固に固定して、チューブを抜けにくくし、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制できる。そして、ナットを本体に螺着させてチューブに継手を固定させた状態で、チューブになんらかの外力が作用した場合であっても、上述のようにリングの弾性率が調節されているために、チューブを抜けにくくすることができている。しかも、チューブに継手を固定させた状態で、チューブに対してなんらかの外力がさらに作用した場合には、リングがさらに拡張するように変形して弾性領域を超えた状態にすることができている。これにより、チューブが過度に締め付けられることで切断されてしまうことを抑制できている。そして、このようにリングが拡張変形して弾性領域を超えた状態となった場合であっても、拡張したリングは、径方向外側の部分が、ナットの径方向内側表面に当接し、ナットの内周部分によって径方向内側に押される。このようにして、ナットによって径方向内側に押されたリングは、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押して締め付けて固定することができるため、チューブを抜けにくくし、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制できる。
また、リングは、ナットとは別部材として用いられているため、ナットを本体に螺着させていく段階において、ナットはチューブの回りを回転するが、リングの回転は抑制されている。これにより、リングが回転することによってチューブの外周に傷が生じることを抑制し、チューブを切断から保護することができている。
リングの形状は、円周方向を法線方向とする切断面の形状が、矩形形状のうち、少なくとも径方向内側であって軸方向の本体側の部分が面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状であることが好ましい。このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分であることが好ましく、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分であることがより好ましく、リングの径方向の幅の3%以上10%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上10%以下の部分であることがさらに好ましい。当該範囲は、以下の理由で好ましい。すなわち、チューブに継手を連結固定させた状態では、リングは、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分において、チューブと接することになる。そして、この継手では、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分に、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されている場合には(リングの径方向の幅の0.3%以上で、リングの軸方向の幅の1%以上の部分に採用されている場合には)、チューブよりも弾性率の高いリングを採用している場合であっても、リングからチューブに対して局所的な押しつけ力が作用しにくいようにすることができている。これにより、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。しかも、このリングの面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されている部分を、リングの径方向の幅の40%以下であり、リングの軸方向の幅の40%以下の部分にすることで、チューブの外側の面との接触面積が広過ぎないようにすることができるため、リングによってチューブが押し付けられている力が分散されてチューブが抜けやすくなってしまうことを抑制できている。特に、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分が、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分である場合には、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になる。
また、チューブは本体の径方向外側挿入部の外側表面を沿うようにして軸方向に対して傾斜した状態で取り付けられるため、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分のうち、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分以外の部分は、当該チューブの外面のうち軸方向に対して傾斜した部分に対して、チューブの厚みを狭める方向に向けてチューブに押し付けられる。他方で、本体の径方向外側挿入部は、チューブの内面のうち軸方向に対して傾斜した部分に対して、チューブの厚みを狭める方向に向けてチューブに押し付けられる。これにより、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分と、本体の径方向外側挿入部と、によって、チューブが挟持される。このチューブが挟持されている部分は、チューブの他の部分と比べて、厚みが薄くなる。また、チューブが挟持されている部分よりも奥の部分は、チューブが挟持されている部分よりも、厚みが分厚くなる。これにより、チューブの分厚い部分は、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分と本体の径方向外側挿入部とによって挟まれた部分を通過することが困難になるため、チューブが手前に抜けにくくすることができている。
なお、面取りされた形状がリングに形成されている場合には、その面取りされた形状の面の法線とリングの径方向とがなす角のうち小さい方の角が、20度以上70度以下であることが好ましく、30度以上60度以下であることがより好ましく、45度であることが特に好ましい。
リングの外径は、リングが径方向外側に向けて押されることで拡張される場合に、破壊されることなく、弾性領域を超えた状態で、ナットの内側に当接する大きさであることが好ましく、具体的には、ナットのナット筒状部の内径の85.0%以上99.9%以下であることが好ましく、98.0%以上99.9%以下であることがより好ましい。また、リングの外径が最も長くなる部分とナットのナット筒状部の内径との間に生じる隙間は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
リングの内径は、チューブの外径の1.001倍以上1.04倍以下であることが好ましく、チューブの外径の1.001倍以上1.01倍以下であることがより好ましい。
リングの径方向の厚みは、チューブの厚みよりも分厚いことが好ましい。具体的には、リングの径方向の厚みは、チューブの厚みの1.2倍以上2.5倍以下であることが好ましく、チューブの厚みの1.2倍以上2.0倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上1.8倍以下であることがさらに好ましい。
リングの軸方向の幅は、特に限定されないが、例えば、リングの径方向の厚みの0.5倍以上4倍以下であることが好ましく、1.0倍以上2.0倍以下であることがより好ましい。
リングは、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。このリングを構成する樹脂についても、チューブや本体やナットと同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの樹脂組成物には、フィラーが含有されていてもよいが、ガラス繊維を含有しないものであることが好ましい。このような樹脂としては、なかでもPVDFもしくはPCTFEであることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、130℃以上290℃以下であることが好ましく、160℃以上230℃以下であることがより好ましい。融点がこの範囲内であれば、リングが柔らか過ぎないため変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができるとともに、耐クラッキング性に優れるため割れが生じにくい。この樹脂のASTMD638に準拠して測定される弾性率は、500MPa以上4000MPa以下であることが好ましく、ナットの弾性率よりも高いことがより好ましく、チューブの弾性率よりも高いことがより好ましく、1000MPa以上2500MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、ナットの弾性率がリングの弾性率よりも低い場合には、チューブに継手を連結固定させた状態において、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、ナットの弾性率の高さはリングの弾性率程度の高さではないため、チューブが過度に締め付けられることを防ぎ、チューブが切断されることを抑制することができる。
なお、ナットが透明もしくは半透明である場合には、リングの付け忘れを防止する観点から、リングは不透明もしくは着色されていることが好ましい。
なお、リングの表面粗さは、0.001以上8.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、リングのうち連結固定状態において本体の径方向外側挿入部に最も近い位置に位置する部分の表面を、円周方向ではなく、略軸方向に沿うように測定した。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、リングのうち上記部分の表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(6)各部材の関係
各部材を構成する素材の関係、すなわち、チューブを構成する樹脂とリングを構成する樹脂とナットを構成する樹脂の組合せとしては、チューブを構成する樹脂がPFAであり、リングを構成する樹脂がPVDFもしくはPCTFEであり、ナットを構成する樹脂がPFAであることが特に好ましい。なお、この組合せにおいて、本体を構成する樹脂がPTFEもしくはPFAであることが特に好ましい。
また、各部材の形状および大きさの関係、すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとした場合において、ナットおよびリングが連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるXおよびYに相当する部分の長さで表した式(X−Y)/Yの値が、0.003以上0.020以下であることが好ましく、0.0055以上0.0121以下であることがより好ましく、0.0055以上0.0090以下であることがさらに好ましい。
さらに、各部材の形状および大きさの関係、すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとし、チューブの厚みをZとした場合において、ナット、リング、および、チューブが互いに連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるX、YおよびZに相当する部分の長さで表した式(X−Y)/Zの値が、0.04以上0.30以下であることが好ましく、0.05以上0.25以下であることがより好ましい。
図1に、実施例1に係る継手および継手組立体の外観の概略に関する分解斜視図を示す。
継手組立体150は、継手100がチューブ90に連結固定されて構成されている。
継手100は、本体20と、リング70と、ナット30によって構成されている。
チューブ90は、その一端が本体20のチューブ連結部22(後述する)に連結された状態において、ナット30を本体20に対して螺合させていくことで、ナット30の径方向内側であってチューブ90の径方向外側に位置しているリング70と、本体20のチューブ挿入端21(後述する)と、によって挟持されることで連結固定される。
以下、各部材について分けて詳細を説明する。
(チューブ90)
チューブ90は、PFA樹脂によって構成されており、外径が57.4mm、内径が50.8mm、径方向の厚みが3.3mmであった。このチューブ90の曲げ半径は、0.91mであり、このチューブ90の弾性率は、450MPaであった。
(本体20)
本体20は、図2の側面視外観図に示すように、チューブ挿入端21、チューブ連結部22、本体ねじ山部23、本体操作部24、取付側ねじ山部25、および、貫通孔26を備えている。チューブ挿入端21は、チューブ90が挿入される側の先端を構成している。チューブ挿入端21は、図2の即断面図に示すように、軸方向外側に向かうほど径方向外側の部分が径方向内側に位置するように構成された外側傾斜面21aと、軸方向外側に向かうほど径方向内側の部分が径方向外側に位置するように構成された内側傾斜面21bと、を有している。チューブ連結部22は、チューブ90が挿入された状態で、チューブ90の内面が外面に接する部分であり、チューブ挿入端21から筒状に伸びるようにして構成されている。本体ねじ山部23は、チューブ連結部22に対してチューブ挿入端21側とは反対側に設けられており、チューブ連結部22の外径よりも外径が大きく、後述するナット30のナットねじ山部34と螺合するように構成されている。本体操作部24は、ナット30を本体20にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、本体ねじ山部23に対してチューブ連結部22側とは反対側に設けられている。本体操作部24は、図4の軸方向視上面図に示すように、軸方向視において、矩形の各辺をなだらかにつないだ形状を有している。取付側ねじ山部25は、図示しない取付対象に対して螺着されるためのねじ山を有している。貫通孔26は、本体20を軸方向に貫通する孔である。
図2に示すように、軸方向における長さについて、チューブ挿入端21とチューブ連結部22の合計長さa1は28.0mmであり、本体ねじ山部23の長さa2は40.0mmであり、本体操作部24の長さa3は20.0mmであり、取付側ねじ山部25の長さa4は30.0mmであった。また、図3に示すように、貫通孔の内径a5は20.8mmであり、外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分が構成する円の直径a6は54.8mmであり、チューブ連結部22の外径a7は61.8mmであり、いずれも同心円上に位置させた。また、軸断面において、軸方向に対する外側傾斜面21aの傾斜角度θ1は45度であり、軸方向に対する内側傾斜面21bの傾斜角度θ2は45度であった。なお、軸断面において、外側傾斜面21aの傾斜面と内側傾斜面21bの傾斜面がなす角度は90度であった。また、図4に示すように、本体操作部24の対向する面同士の間隔a8は80.0mmであった。
本体20は、PTFEによって構成した。
この本体20の弾性率は、460MPaであった。
(リング70)
リング70は、図5に示すように、内面71、外面72、第1側面73、第2側面74、内側第1傾斜面75、外側第1傾斜面76、外側第2傾斜面77、および、内側第2傾斜面78を有する環状部材である。
内面71は、軸方向と平行に筒状に伸びた面によって、リング70の径方向の最も内側の面を構成している。外面72は、軸方向と平行に筒状に伸びた面によって、リング70の径方向の最も外側の面を構成している。第1側面73は、軸方向を法線方向とする円周状の面であり、リング70の軸方向の一端側を構成している。第2側面74は、軸方向を法線方向とする円周状の面であり、リング70の軸方向の他端側を構成している。内側第1傾斜面75は、内面71と第1側面73とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第1側面73側に近づくにつれて径方向外側に位置するように傾斜面が形成されている。外側第1傾斜面76は、外面72と第1側面73とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第1側面73側に近づくにつれて径方向内側に位置するように傾斜面が形成されている。外側第2傾斜面77は、外面72と第2側面74とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第2側面74側に近づくにつれて径方向内側に位置するように傾斜面が形成されている。内側第2傾斜面78は、内面71と第2側面74とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第2側面74側に近づくにつれて径方向外側に位置するように傾斜面が形成されている。
リング70は、内径b1が57.7mmであり、外径b2が68.5mmであり、軸方向の厚みb3が8.0mmであった。また、内側第1傾斜面75、外側第1傾斜面76、外側第2傾斜面77、および、内側第2傾斜面78は、いずれも、軸方向に対する傾斜面の傾斜角度のうち小さい方の角度が45度であった。また、内側第1傾斜面75および内側第2傾斜面78は、いずれも、軸方向に0.3mmの幅で、径方向に0.3mmの幅が斜めに削り取られて生じるような形状および大きさを有する傾斜面であった(図5のb4、b7参照)。外側第1傾斜面76および外側第2傾斜面77は、いずれも、軸方向に0.5mmの幅で、径方向に0.5mmの幅が斜めに削り取られて生じるような形状および大きさを有する傾斜面であった(図5のb5、b6参照)。
なお、リング70は、対称的な形状を有しており、軸方向のいずれを本体20側に向けたとしても同じ結果が得られるため、本実施例では、第1側面73を本体20側に向けた場合を例に説明する。この場合、本体20との間でチューブ90の挟持に主として寄与する部分は、内側第1傾斜面75であることになる。なお、ここで、内側第1傾斜面75の軸方向に対する傾斜角度は、本体20の外側傾斜面21aの軸方向に対する傾斜角度と45度で共通している。
リング70は、PVDFによって構成した。
このリング70の弾性率は、2200MPaであった。
(ナット30)
ナット30は、図6の側面視外観図、図7の側面視断面図、および、図8の軸方向における縮径部側から見た図において示すように、挿入端部31、外側筒状部32、ナット操作部33、ナットねじ山部34、ナット筒状部35、縮径部36、被当接部37、および、湾曲部38を備えている。
挿入端部31は、ナット30を本体20に挿入する際の挿入側先端を構成しており、やや径方向外側に広がった形状を有している。外側筒状部32は、軸方向に筒状に伸びている。ナット操作部33は、ナット30を本体20にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、外側筒状部32に対して軸方向の挿入端部31側とは反対側に形成されている。このナット操作部33は、図8に示すように、軸方向視において、6角形の各角が丸みを帯びた形状となるように構成されている。ナットねじ山部34は、本体20にナット30が挿入されて螺着される際に、本体ねじ山部23に対して径方向外側から螺合することができるように、ナット30の内側であって挿入端部31側を構成している。縮径部36は、挿入端部31側とは反対側の端部から挿入端部31側に向けて伸びており、ナット30の内側において筒状部分を構成している。ナット筒状部35は、ナットねじ山部34と縮径部36とを軸方向に繋ぐように、ナット30の内側において筒状部分を構成しており、径方向については縮径部36の径方向外側であってナットねじ山部34の径方向内側を構成している。被当接部37は、縮径部36の挿入端部31側の端部と、ナット筒状部35の挿入端部31側とは反対側の端部と、を径方向に広がるようにして繋いだ面(挿入端部31側を向いている)によって構成されている。湾曲部38は、ナット筒状部35の挿入端部31側とは反対側の端部と被当接部37とが繋がっている部分に設けられたR形状部分である。
ナット30は、図6に示すように、挿入端部31の外径c1は95.0mmであり、ナット操作部33において互いに向かう合う丸みを帯びた形状の部分同士を結んだ長さc2は90.0mmであった。また、図6に示すように、軸方向における長さについて、挿入端部31の長さc3は41.5mmであり、外側筒状部32の長さc4は31.0mmであり、ナット操作部33の長さc5は5.0mmであった。また、図7に示すように、ナット筒状部35の内径c6は69.0mmであり、縮径部36の内径c7は58.0mmであった。さらに、図6に示すように、軸方向における長さについて、ナットねじ山部34の長さc8は34.0mmであり、ナット筒状部35の長さc9は32.5mmであり、縮径部36の長さc10は11.0mmであった。なお、湾曲部38の曲率半径は0.5mmであった。
ナット30は、PFAによって構成した。
このナット30の弾性率は、500MPaであった。
(連結固定の動作)
本実施例では、以下の手順で、チューブ90に対して本体20、リング70およびナット30を固定させて、チューブ90に対して継手100を連結固定させた。
まず、継手100を取り付けようとするチューブ90の先端を、縮径部36側を介してナット30に挿入し、さらに、リング70に挿入して、図9の側面視断面図に示すような状態とした。
次に、継手100を取り付けようとするチューブ90の先端部分の内径を、チューブ連結部22の外径程度まで加熱拡管させた。そして、拡管したチューブ90の先端の内側に本体20のチューブ連結部22を挿入し、図10の側面視断面図に示すような状態とした。なお、チューブ90の先端は、チューブ連結部22の軸方向の幅内に収まる位置とした。
その後、本体20に対してナット30を軸方向に近づけていき、本体20の本体ねじ山部23と、ナット30のナットねじ山部34と、が互いに螺合し始める部分まで移動させた。この時、リング70は、リング70の第2側面74が、ナット30の被当接部37に軸方向において当接することで、軸方向における本体20側に向けて移動した。そして、本体20に対してナット30を回転させることで、図11の側面視断面図に示す状態となるように、ナット30を本体20に対してねじ込んでいった。なお、ここで、本体20とチューブ90とは概ね一体化されており、ナット30の回転につられて回転することはない。また、ナット30とリング70とは別体に構成されているため、ナット30が回転した場合であっても、リング70は原則的にはチューブ90の外表面を軸方向に向けて沿うように移動するだけであり、リング70はチューブ90の外表面上で回転しない。
ナット30の本体20へのねじ込み操作を続けていくと、リング70の内側第1傾斜面75が、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分に対して当接する。さらに、ナット30の本体20へのねじ込み操作を続けていくと、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分を、リング70の内側第1傾斜面75が軸方向本体20側に向けて押していく。このとき、リング70は、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分から、軸方向の本体20側とは反対側に押し返される反力と、径方向外側に拡張させる力と、を受ける。これにより、リング70は、弾性変形し、弾性領域内の状態になることで、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分に対して弾性力を作用させることになる。そして、ナット30を締め付けていく際の締付トルクが予め定めた250kgf・cmの値となった時点でナット30の本体20へのねじ込み操作を終えて、図12の側面視断面図に示す状態にして、チューブ90に対して継手100を連結固定させた。なお、締付トルクが250kgf・cmの値となったか否かを基準としたのは、以下の理由による。すなわち、上記実施例の形状、寸法、材質を前提とした場合に、シール性を良好にできること(チューブ90の内部を通過する流体が漏れないこと)、および、引っ張り強度を良好にできること(チューブ90が継手100から抜けないこと)、という観点から締付トルクの値の下限を把握した。また、上記実施例の形状、寸法、材質を前提とした場合に、本体20のチューブ連結部22が過度な締付によって径方向内側に大きく倒れ込んで流路を大きく狭めてしまうことがないこと、という観点から締付トルクの値の上限を把握した。このようにして把握した締付トルクの下限と上限の範囲の中から、ナット30の本体20へのねじ込み操作を終えたと判断すべき適当な値を定めた。
なお、ナット30の本体20へのねじ込み操作の終了時点は、上述の締付トルクの値に対応した締付距離(ナット30の外表面のある位置と、本体20の外表面のある位置と、の距離の変化)を予め定めておくことで判断してもよい。
(連結固定された状態)
チューブ90に対して継手100が連結固定された状態の要部拡大断面概略図を図13に示す。
連結固定された状態では、リング70の径方向外側を構成する外面72と、その径方向外側に位置しているナット30のナット筒状部35の内面と、の間には、径方向における隙間が生じていた。すなわち、軸中心からリング70の外面72までの径方向の距離Aよりも、軸中心からナット30のナット筒状部35の内面までの径方向の距離Bの方が長かった。この隙間は、例えば、以下のようにして確認することができる。すなわち、リング70の径方向外側を構成する外面72に予め着色塗料等を塗布した状態で、連結固定させ、連結固定された状態からナット30を取り外した際に、ナット30のナット筒状部35の内面に上記着色塗料が色写りしていないことを視認することによって、連結固定状態において隙間が存在していることを確認できる。なお、連結固定された状態では、軸中心から本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分までの径方向の距離Cは、軸中心からリング70の内面71までの径方向の距離Dよりも短かく、本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分はチューブ90(リング70の径方向内側に位置している部分)の径方向の厚みの幅の範囲内に位置していた。
なお、本実施例では、上記締付トルクとなった状態を連結固定された状態としたが、本実施例とは形状や寸法や材質が異なる場合については、連結固定された状態を別の基準で特定してもよい。例えば、図14に示すように、リング70の第1側面73の軸方向における位置sと、本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分の軸方向における位置tと、の軸方向における距離が、チューブ90の径方向の厚み(なんら力が作用されていない状態での外径と内径との差の半分)の30%の範囲内(マイナス30%以上プラス30%以下)になっている状態を、連結固定された状態とするようにしてもよい。
(外力が作用してリングが拡張した状態)
チューブ90に対して継手100が連結固定された状態において、さらに、チューブ90に外力を作用させた場合の要部拡大断面概略図を図15に示す。
ここでは、外力を作用させることは、引張性能評価試験で用いられる引張試験機を用いて行った。具体的には、連結固定された状態において、チューブ90が継手100から軸方向に離れるように、チューブ90を引っ張ることで外力を作用させた。ここでの引張強度を、上記実施例の形状、寸法、材質に基づいて、15MPaとした。なお、ここでは、引張速度を200mm/minとした。なお、連結固定された状態では、チューブ90の厚みは、リング70の内側第1傾斜面75と本体20の外側傾斜面21aによって挟まれている部分において厚みが薄くなっており、その前後で厚みが厚くなっている。このため、連結固定された状態において、引張試験機によって、チューブ90を軸方向に継手100から離れる方向に引っ張ることで、チューブ90のうち厚みが厚くなっている部分によってリング70が径方向外側に押し拡げられるようになる。このようにして、リング70が弾性領域を超えて、リング70の径方向外側を構成する外面72がナット30のナット筒状部35の内面に接する状態になる。
なお、上述した外力としての引張強度の15MPaの値は、(i)チューブの引張による最大応力(降伏点を超えてチューブが伸びてしまう時の値)と、(ii)流体圧力による最大応力(チューブ90の最高使用圧力の仕様に基づいて定めた)と、(iii)締付による最大応力と、を合計して得られる引張応力がかかった状況を考慮して定めた。
上述の外力をさらに作用させてリング70が拡張した状態では、リング70が弾性領域を超えた状態となっており、リング70の径方向外側を構成する外面72と、その径方向外側に位置しているナット30のナット筒状部35の内面と、が接触していた。なお、リング70の径方向外側を構成する外面72がナット30のナット筒状部35の内面に接したことについては、上述のように、リング70の径方向外側を構成する外面72に予め着色塗料等を塗布した状態で、連結固定させ、引張試験機によって外力を作用させた後にナット30を取り外した際に、ナット30のナット筒状部35の内面に上記着色塗料の色写りが生じていることを視認することで確認した。これにより、外力が作用してリング70が拡張した状態では、リング70には、リング70の外面72とナット30のナット筒状部35との接触部分を介して、ナット30から径方向内側へ押される力が作用されていることを確認した。このため、リング70は、チューブ90を径方向外側から内側に押し付けることが可能になっていたということができる。
(評価)
上述した連結固定されており上述の外力を作用させていない状態のサンプルと、連結固定された後に上述の外力を作用させた状態のサンプルについて、気密性能評価試験、耐圧性能評価試験、熱サイクル性能評価試験、および、繰り返し結合性能評価試験による評価を行った。
気密性能評価試験は、一端を封じた状態にして継手100全体を水中に浸漬し、N2ガスをチューブ90内に充填することで内圧を1.4MPaまで上げ、5分経過した後に、気泡の発生の有無を目視確認することで行った。ここで、1分間N2ガスの漏れ(気泡の発生)がないことを合格基準とした。
耐圧性能評価試験は、一端を封じた状態にして手押しポンプを接続し、チューブ90内に水を充填した後、手押しポンプにて内圧を徐々に上げながらフィッティングの漏れ、チューブ90の抜けの有無を確認することで行った。チューブ90が破裂するまで漏れが生じないことを合格基準とした。
繰り返し結合性能評価試験は、チューブ90と継手100との着脱施工作業を20回繰り返し、その後、気密性評価試験と同様の試験方法にて行った。20回の繰り返し着脱施工操作の後においても、1分間N2ガスの漏れ(気泡の発生)がないことを合格基準とした。
以上の評価試験については、連結固定されており上述の外力を作用させていない状態のサンプルと、連結固定された後に上述の外力を作用させた状態のサンプルのいずれについても、いずれの試験においても合格であった。
(7)他の実施形態
上記実施形態に対応する実施例の一つとして、上述した実施例を例に挙げたが、実施形態としてはこれに限られず、適宜変更して得られる以下のような実施形態としてもよい。
(7−1)
上記実施形態の実施例では、ナット30の内側のうち、縮径部36以外の部分がナットねじ山部34とナット筒状部35によって構成される場合を例に挙げて説明した。
しかし、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、図16に示すように、上記実施例のナット30の代わりに、上記実施例のナットねじ山部34が軸方向に延長されて上記実施例のナット筒状部35に相当する部分にまで設けられているナット230を用いてもよい。
(7−2)
上記実施形態の実施例では、リング70が1つだけ用いられている場合を例に挙げて説明した。
しかし、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、図17に示すように、上記実施例のリング70と同様の形状および寸法のリング270をさらに用いて、リング70とリング270とを軸方向に連なるように並べて用いてもよい。
20 本体
22 チューブ連結部
23 本体ねじ山部
30 ナット
34 ナットねじ山部
36 縮径部
37 被当接部
70 リング
90 チューブ
100 継手
150 継手組立体
特開2009−144916号公報
本発明は、継手および継手組立体に関する。
従来より、例えば、特許文献1(特開2009−144916号公報)に記載のように、チューブの内部を通過させる流体が漏れ出さないように強固に連結することが可能なチューブ継手が提案されている。ここで、チューブ継手が取り付けられるチューブの外径サイズとして、1/4インチ、3/8インチ、1/2インチ、3/4インチ、および、1インチの各サイズが提案されている。
このチューブ継手では、筒状の継手本体の端部にチューブを取り付けて連結ナットを継手本体に対して螺着させる場合に、継手本体と連結ナットとの間に固定リングが設けられている。そして、連結ナットを継手本体に対して螺着させていく際に、チューブは、内側からは継手本体によって、外側からは連結ナットによって押されている固定リングによって、締め付けられる。
このチューブ継手では、以上の構成を採用したことで、連結ナットを継手本体に対して螺着させていく際には連結ナットはチューブに対して回転するものの、固定リングはチューブに対して回転することが無いため、チューブの外側表面に環状の傷が付いてしまったりチューブが切断されてしまうことを防ぐことができた、としている。
しかも、固定リングの硬さをチューブの硬さよりも硬くすることで、チューブ継手からチューブが抜けないように接続を強固にするとともに、連結ナットを継手本体に固定する際に、連結ナットに変形が生じることを防止することができる、としている(引用文献1の段落番号0021等参照)。
このように、上述の特許文献1(特開2009−144916号公報)に記載されているような継手では、チューブの外径サイズとして、最大で1インチのものまでが提案されている。
発明者らは、チューブを流す流体の流量を多く確保することが可能な、大きなサイズのチューブおよびそのチューブに接続するチューブ継手の開発を試みた。
そして、サイズの大きなチューブに用いられるチューブ継手では、サイズの小さなチューブ継手よりも、チューブが抜けやすく、流体の漏れが生じやすいことが明らかになった。
これに対して、固定リングの硬さをチューブの硬さよりも硬くすることによって、チューブをチューブ継手から抜けにくくすることは可能である。しかし、固定リングの弾性率が高すぎる場合には、連結ナットを継手本体に螺着させていく際に固定リングに生じる撓みが非常に少なく、チューブを径方向外側から内側に向けて過度に締め付けてしまい、チューブが切断されてしまうおそれがある。
そうすると、固定リングの弾性率は、チューブの抜けを抑制しつつチューブの外表面を傷付けにくいという、ある望ましい範囲が存在することになる。そして、当該望ましい範囲の弾性率となるように固定リングを設計することで、チューブをチューブ継手に強固に接続した状態において、チューブの外表面に対して、チューブの径方向外側から径方向内側に向けて、固定リングの弾性力を作用させることができ、固定リングと継手本体とによってチューブを適切な力で挟持させることができ、チューブが切断されないようにしながら接続を強固にすることが可能となる。
しかし、上述のように、チューブの切断が抑制されるようにしつつも強固な接続が可能となるようにチューブをチューブ継手に接続した状態において、チューブが引っ張られたり曲げられたりすることで、チューブに対してなんらかの外力が作用する場合がある。このように、上述の接続状態において、チューブに外力が作用すると、固定リングが自己の弾性領域を超えて径方向外側に拡張してしまうことがある。このように、チューブに外力が作用して、固定リングが自己の弾性領域を超えた状態になると、チューブに対して固定リングの径方向外側から径方向内側に向けた力が作用しにくくなり、チューブ継手から抜けやすくなってしまうことがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、サイズが大きな場合であっても、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能な継手および継手組立体を提供することにある。
第1観点に係る継手は、樹脂によって少なくとも内側表面が構成されているチューブに接続される継手であって、本体、ナット、および、少なくとも1つのリングを備えている。本体は、一端に設けられたチューブ連結部と、外周面においてチューブ連結部より外径が大きくなるように設けられた本体ねじ山部と、を有する。本体には、軸方向に延びた貫通孔が形成されている。ナットは、ナットねじ山部と縮径部と被当接部を有し、弾性率が400MPa以上800MPa以下である。ナットねじ山部は、ナットに対して軸方向の一端側から軸方向の他端側に向けて本体のチューブ連結部が挿入された状態で、本体の本体ねじ山部と螺合可能である。縮径部は、ナットの軸方向の他端側に設けられており、ナットねじ山部よりも内径が小さい。被当接部は、縮径部に対して軸方向の一端側を向くように形成されている。少なくとも1つのリングは、弾性率が1000MPa以上2500MPa以下であり、ナットのナットねじ山部よりも径方向内側の空間に配置され、チューブよりも弾性率が高く、ナットの被当接部に当接する。リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングの外周部分と、リングの径方向外側に位置するナットの内周部分と、の間には径方向の隙間が設けられている。リングが径方向外側に広がる際にナットの径方向内側表面に当接する前の段階でリングが弾性領域を超えるように構成されている。リングは、以下の条件を満たす弾性率を有している。すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングが自身の応力によって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。また、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングが弾性領域を超えた状態である場合には、拡張したリングがナットの径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことが可能である。
この継手は、チューブの内面が本体のチューブ連結部の外面と接するようにチューブを本体に取り付けた状態で、ナットのナットねじ山部を本体の本体ねじ山部と螺合させてねじ込んでいくと、チューブの外側に位置しているリングは、ナットの被当接部に当接して本体のチューブ連結部の端部に近づいていく。そして、チューブの一部がリングと本体のチューブ連結部の端部とによって挟み込まれた状態で、リングは径方向外側に広がるように弾性変形する。リングは、このように弾性変形した弾性状態においては、チューブを径方向外側から径方向内側に押さえつけるように弾性力をチューブに対して作用させることができる。
ここで、この継手は、樹脂を含んで構成されたチューブに接続される場合であっても、弾性率がチューブの弾性率よりも高いリングを採用しているため、リングの強い弾性力によってチューブを押さえつけることができ、チューブを強固に固定して、チューブを抜けにくくすることが可能になるとともに、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制することが可能になっている。
また、ナットを本体に螺着させてチューブに継手を固定させた状態で、チューブになんらかの外力が作用した場合であっても、当該リングの弾性率によって、チューブを抜けにくくすることができている。しかも、チューブに継手を固定させた状態で、チューブに対してなんらかの外力がさらに作用した場合には、リングがさらに拡張するように変形して弾性領域を超えた状態にすることができている。これにより、チューブを過度に締め付けてしまうことを防ぎ、チューブが切断されてしまうことを抑制できている。
そして、このようにリングが拡張変形して弾性領域を超えた状態となった場合であっても、拡張したリングは、径方向外側の部分が、ナットの径方向内側表面に当接し、ナットの内周部分によって径方向内側に押される。このように、ナットによって径方向内側に押されたリングは、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押して締め付けて固定するため、チューブを抜けにくくすることが可能になるとともに、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制することが可能になっている。
以上により、この継手によると、チューブのサイズが大きな場合であっても、チューブが切断されることを抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能になっている。
また、この継手では、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、リングの外周部分は、ナットの内周部分のうちリングの径方向外側に位置している部分には接触しない。このため、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、ナットが径方向外側に向けて拡管されるように変形することを抑制することができている。
また、この継手では、リングの弾性率は、チューブの弾性率よりも高いだけでなく、ナットの弾性率よりも高い。このため、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、ナットの弾性率の高さはリングの弾性率程度の高さではないため、チューブが過度に締め付けられることを防ぎ、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。
観点に係る継手は、第1観点に係る継手において、リングの円周方向を法線方向とする断面の形状は、矩形形状のうち、少なくとも径方向内側であって軸方向の本体側の部分が面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状である。リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分である。
この継手では、ナットを本体にねじ込んでいくと、チューブが、本体のチューブ連結部の端部とリングによって挟持された状態になるが、この時、リングは、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分において、チューブと接している。そして、この継手では、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分(リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分)は、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状となっている。このため、チューブよりも弾性率の高いリングを採用した継手をチューブに連結して固定した場合であっても、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されることなく角が設けられている場合と比較して、リングからチューブに対して局所的な押しつけ力が作用しにくいようにすることができている。これにより、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。しかも、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分(リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分)は、チューブの外側の面との接触面積が広過ぎないようにすることができるため、リングによってチューブが押し付けられている力が分散されてチューブが抜けやすくなってしまうことを抑制できている。
観点に係る継手は、第観点に係る継手において、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分である。
この継手では、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になっている。
観点に係る継手は、第1観点から第観点のいずれかに係る継手において、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとした場合において、ナットおよびリングが連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるXおよびYに相当する部分の長さについて、(X−Y)/Yの値が、0.003以上0.020以下である。
この継手では、チューブに接続され、リングが拡張されていく段階において、ナットの内周部分に接触する前の段階で、より確実に、リングを弾性状態外の状態にすることが可能になる。これにより、リングが弾性状態のままでナットの内周部分に接触することでチューブが過度に押さえつけられて切断されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
観点に係る継手は、第1観点から第観点のいずれかに係る継手において、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとし、チューブの厚みをZとした場合において、ナット、リング、および、チューブが互いに連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるX、YおよびZに相当する部分の長さについて、(X−Y)/Zの値が、0.04以上0.30以下である。
この継手では、チューブに接続され、リングが拡張されていくことでチューブが押しつぶされていく段階において、チューブが過度に押しつぶされて切断されてしまうよりも前の段階において、より確実にリングの状態を弾性領域を超えた状態にさせることができる。これにより、チューブが切断されることをより確実に抑制することができる。
観点に係る継手は、第1観点から第観点のいずれかに係る継手において、チューブは、PFA、FEPおよびPTFEからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。ナットは、PFA、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。リングは、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている。
この継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れをより確実に抑制させることが可能になる。
観点に係る継手は、第1観点から第観点のいずれかに係る継手において、リングは、不透明である。ナットは、透明もしくは半透明である。
この継手では、ナットが透明もしくは半透明であり、リングが不透明であるため、チューブにリングとナットを連結させた状態において、ナットの外側からリングの存在を視認することが可能になる。これにより、リングの付け忘れを生じにくくすることができる。
観点に係る継手組立体は、チューブと、第1観点から第観点のいずれかに係る継手を備える。チューブは、耐薬品性を備える樹脂を含んで構成されている。チューブの曲げ半径が0.3m以上3.0m以下である。
この継手組立体では、鉄から構成された管等とは異なり、チューブが曲がりやすいため、長い距離を接続させるために長いチューブを現地まで運ぶ必要が生じた場合であっても、巻き付ける等してコンパクト化させて運ぶことができる。
第1観点に係る継手では、チューブのサイズが大きな場合であっても、チューブが切断されることを抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れを抑制させることが可能になっている。また、リングが弾性変形している状態において、リングの弾性力によってチューブが固定されている場合には、ナットが径方向外側に向けて拡管されるように変形することを抑制することができている。また、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。
観点に係る継手では、チューブが切断されにくく、かつ、チューブを抜けにくくすることが可能になっている。
観点に係る継手では、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になっている。
観点に係る継手では、リングが弾性状態のままでナットの内周部分に接触してチューブが切断されてしまうことを、より確実に抑制できる。
観点に係る継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制できる。
観点に係る継手では、チューブが切断されることをより確実に抑制しながら、チューブの抜けや流体の漏れをより確実に抑制させることが可能になる。
観点に係る継手では、リングの付け忘れを抑制することができる。
観点に係る継手組立体では、コンパクト化させて運ぶことができる。
実施例に係る継手および継手組立体の外観の概略に関する分解斜視図である。 本体の側面図である。 本体の側面視断面図である。 本体を軸方向においてチューブが挿入される側とは反対側から見た図である。 リングの側面図である。 ナットの側面図である。 ナットの側面視断面図である。 ナットを軸方向における縮径部側から見た図である。 チューブにリングとナットを取り付けた状態の側面視断面図である。 先端が拡管されたチューブを本体に連結させた状態の側面視断面図である。 本体に対してナットをねじ込んでいく様子を示す側面視断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視部分拡大概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態に関する他の例を示す側面視部分拡大概略断面図である。 継手がチューブに連結固定された状態の側面視部分拡大概略断面図である。 他の実施形態(7−1)に係る継手の連結固定状態を示す側面視断面図である。 他の実施形態(7−2)に係る継手の連結固定状態を示す側面視断面図である。
以下に、一実施形態に係る継手および継手組立体を説明する。以下に説明する継手および継手組立体は、例示を目的とするものであり、これに限定されるものではない。
(1)継手および継手組立体
本実施形態の継手は、チューブに接続される継手であって、本体、ナット、および、リングを備えている。継手組立体は、チューブに継手が連結固定されて構成される。
(2)チューブ
チューブは、少なくとも内側表面が樹脂によって構成された管状部材である。
チューブは、少なくとも径方向内側の表面が樹脂によって構成されていればよく、例えば、一部に金属の層等を含むものであってもよい。また、径方向内側の表面と、径方向外側の表面が樹脂によって構成され、中間層が金属によって構成されていてもよい。好ましくは、チューブが一種類の樹脂組成物によって構成される。
チューブの内部を通過させる流体については、特に限定されないが、例えば、酸、アルカリ、溶剤、温泉水などの高温水、海洋水、工業用廃液類などが挙げられる。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、フッ酸、硫酸、燐酸などが挙げられる。アルカリとしては、例えば、アンモニア水、物エタノールアミン等の有機アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。溶剤としては、例えば、メタノール、プロパノールなどのアルコール類、トルエンなどの有機溶剤類が挙げられる。
チューブの内部を通過させる流体の状態は、加圧状態であってもよい。このように流体が加圧された状態では、継手部分からの漏れが問題となりがちになるが、本実施形態の継手では、このような加圧された流体が内部を流れる場合であっても、その漏れを抑制させることができる。
チューブは、内部を通過させる流体の流量をより多く確保しつつ、施工作業性を良好にする点で、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、内径が28.0mm以上66.0mm以下であることが好ましく、45.0mm以上55.0mm以下であることがより好ましい。チューブの外径は、38.1mm(1.5インチ)より大きいことが好ましく、50.8mm(2.0インチ)より大きいことがより好ましい。また、チューブの外径は、70.0mm以下であることが好ましい。さらに、チューブの外径は、52.0mm以上62.0mm以下であることがより好ましい。
チューブの厚みは、2.5mm以上4.0mm以下であることが好ましく、3.0mm以上3.5mm以下であることがより好ましい。
チューブの曲げ半径は、0.3m以上3.0m以下であることが好ましく、0.5m以上1.5m以下であることがより好ましい。なお、チューブの曲げ半径は、チューブを円弧状に湾曲させていった時に、チューブが折れ曲がってしまう(破壊ではない)直前の半径をいうものとする。
なお、チューブの厚みを増すと、チューブを切れにくくすることができるが、曲げ半径が長くなる傾向がある。このように曲げ半径が長くなってしまうと、1本チューブが長くなってしまい、現地への運搬が困難になるため、短い複数本に分けて運搬する必要が生じるが、その場合には、現地での接続作業が繁雑になるとともに、接続箇所の数が増大することで漏れの問題も顕著になってしまう。このため、チューブの運搬容易性を確保し、施工現場での引き回しの容易性を確保するために、例えば、チューブの厚みが1.0mm以上10.0mm以下であって、かつ、チューブの曲げ半径が0.3m以上1.5m以下であることが好ましい。
チューブは、継手に連結固定する際の施工の容易性を高めるために、接続先の端部を加熱拡管させることが好ましい。
チューブを構成する樹脂としては、耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。耐薬品性を備えた樹脂としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびこれらの混合物が挙げられる。なかでも、耐薬液性、耐クラッキング性、耐熱性、曲げても折れにくいという機械的特性の観点から、チューブを構成する樹脂は、PFAであることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、260℃以上310℃以下であることが好ましく、295℃以上310℃以下であることがより好ましい。融点が295℃以上のPFAは柔らか過ぎないためフレアー加工部の変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができる。また、融点が310℃以下のPFAは耐クラッキング性に優れておりフレアー加工部における割れが生じにくい。この樹脂のASTM D638に準拠して測定される弾性率は、300MPa以上800MPa以下であることが好ましく、400MPa以上800MPa以下であることがより好ましい。
なお、チューブの表面粗さは、0.001以上2.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、チューブの外表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(3)本体
本体は、チューブ連結部と、本体ねじ山部を有しており、軸方向に伸びた貫通孔が形成されている。
本体ねじ山部は、チューブ連結部に対して軸方向内側に設けられており、チューブ連結部の外径よりも外径が大きく、ナットのナットねじ山部と螺合するように構成されている。
本体は、さらに、取付側ねじ山部、および、本体操作部を有していてよい。取付側ねじ山部は、軸方向においてチューブ連結部が設けられている側とは反対側の端部近傍の外周面に設けられており、継手が接続される相手の部材のねじ山と螺合するように構成されている。本体操作部は、ナットを本体にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、軸方向において、本体ねじ山部と取付ねじ山部との間に設けられる。この本体操作部は、軸方向視において多角形状もしくはその変形形状となっている。
チューブ連結部は、本体の一端側に筒状に形成されている。チューブ連結部は、チューブが取り付けられることで、チューブの内面によって径方向外側から覆われる。
本体ねじ山部は、外周面においてチューブ連結部より外径が大きくなるように設けられている。
本体のチューブ連結部は、軸方向外側の端部においてチューブ挿入端が設けられていることが好ましい。チューブ挿入端は、軸方向外側に向かうほど径方向外側の部分が径方向内側に位置するように構成された径方向外側挿入部と、軸方向外側に向かうほど径方向内側の部分が径方向外側に位置するように構成された径方向内側挿入部とを有している。径方向外側挿入部は、外側傾斜面によって構成されていてもよいし、軸方向外側であって径方向外側に向けて膨出してなだらかに湾曲した外側R部分によって構成されていてもよい。径方向外側挿入部が外側傾斜面によって構成されている場合には、軸方向の断面形状において、当該外側傾斜面と軸方向とがなす角のうち小さい方の角度が、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、30度以上60度以下であることが好ましい。径方向内側挿入部は、軸方向外側であって径方向内側に向けて膨出してなだらかに湾曲したR部分によって構成されていないことが好ましく、内側傾斜面によって構成されていることがより好ましい。径方向内側挿入部がR部分によって構成されると、継手がチューブに連結固定された状態で、チューブの内面と径方向内側挿入部のR部分との間に流体が滞留してしまうおそれがあるためである。径方向内側挿入部が内側傾斜面によって構成されている場合には、軸方向の断面形状において、当該内側傾斜面と軸方向とがなす角のうち小さい方の角度が、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、30度以上70度以下であることが好ましい。当該角度を30度以上とすることで、チューブ連結部の先端の径方向の厚みが薄くなって強度が低下してしまうことを避ける事ができ、継手をチューブに連結固定した際に、リングやチューブによって内側に押されて、径方向内側に倒れ込んでしまうことを回避しやすくなる。また、当該角度を70度以下にすることで、チューブ連結部の内側傾斜面とチューブの内面との間に形成される隙間に生じる流体の滞留を抑制することができる。
本体のチューブ連結部における径方向外側挿入部と径方向内側挿入部との径方向における境界部分の位置は、チューブ連結部の厚み幅の範囲内であって、チューブ連結部の径方向内側寄りに位置していることが好ましい。また、当該境界部分によって構成される円の直径は、リングの内径よりも小さいことが好ましい。これは、チューブが継手を連結固定させた状態において、チューブ連結部の境界部分の先端形状が、チューブに対して、チューブの厚み方向に向けて突き刺さることを回避し、チューブの切断が生じにくくするためである。なお、径方向外側挿入部が外側傾斜面によって構成され、径方向内側挿入部が内側傾斜面によって構成されている場合に、軸方向の断面形状において、外側傾斜面と内側傾斜面とがなす角のうち小さい方の角度は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、80度以上であることが好ましく、90度以上であることがより好ましい。チューブ連結部の境界部分の先端形状が鋭利な形状になりすぎないようにするためである。なお、後述するリングが本体側でかつ径方向内側に傾斜面を備えており、チューブ連結部が外側傾斜面を備えている場合には、軸方向の断面形状において、当該リングの傾斜面の傾斜角度と、チューブ連結部の外側傾斜面の傾斜角度との相違が、10度未満であることが好ましく、一致していることがより好ましい。
また、チューブ連結部の境界部分によって構成される円の直径は、チューブの外径よりも小さく、かつ、チューブの内径よりも大きいことが好ましい。これにより、チューブを継手に連結固定した状態において、本体のチューブ連結部が、径方向内側に倒れ込みにくくすることができ、流体の流れの抵抗となることを防ぐことができるとともに、チューブが切断されにくいようにすることができる。
本体のチューブ連結部の外径は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、チューブの外径の1.05倍以上1.10倍以下であることが好ましい。
本体のチューブ連結部の径方向の厚みは、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、チューブの厚みの1.5倍以上1.8倍以下であることが好ましい。
本体は、複数の部品によって構成されていてもよいが、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。この本体を構成する樹脂についても、チューブと同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、または、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が挙げられる。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、320℃以上330℃以下であることが好ましく、327℃であることがより好ましい。ここで、特に限定されないが、例えば、PTFE成形加工品の原料は粉体状のPTFE原料粉末を金型内で圧縮して固めた後、360℃以上380℃以下の熱風環境炉の中で焼成され、冷却後に機械加工されて加工品を得ることができるが、この時に原料粉体の加熱下での焼成が不十分であると融点が327℃より高く、機械特性が劣り割れるなどの不具合の原因になる。また、この樹脂のASTM D638に準拠して測定される弾性率は、400MPa以上800MPa以下であることが好ましい。
なお、本体の表面粗さは、0.001以上2.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、本体のチューブ連結部の先端に位置する径方向外側挿入部の表面を、円周方向ではなく、略軸方向に沿うように測定した。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、上記径方向外側挿入部の表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(4)ナット
ナットは、ナットねじ山部と縮径部と被当接部を有している。
ナットねじ山部は、軸方向の一端側(挿入用開口側)から軸方向の他端側に向けて本体のチューブ連結部が挿入された状態で、本体ねじ山部と螺合できるように構成されている。
縮径部は、軸方向の他端側(挿入用開口側とは反対側)に設けられており、ナットねじ山部よりも内径が小さいくなるように構成されている。
被当接部は、縮径部に対して軸方向の一端側(挿入用開口側)を向くように形成されている。被当接部は、ナット全体のうち、チューブが継手に連結固定した状態において、リングの一部と当接する部分である。
ナットは、軸方向における挿入用開口側の端部において、径方向の厚みが、その近傍の部分よりも分厚くなるように構成されていることが好ましい。
ナットは、軸方向において、ナットねじ山部と縮径部との間において、ねじ山が設けられておらず軸方向に伸びた筒形状であるナット筒状部が形成されていることが好ましい。ナットにおけるナット筒状部の径方向の厚みは、後述するリングが弾性状態を超えて拡張されてリングの外径部分とナットが接触した状態であってもチューブが抜けないようにナット自身の変形が抑えられる必要性から、チューブの厚みの1.5倍以上4.0倍以下であることが好ましく、2.5倍以上3.5倍以下であることがより好ましい。
ナットは、軸方向視において、外周形状が多角形状もしくはその変形形状となっている、ナット操作部を有していてよい。ナット操作部は、ナットを本体にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分である。
被当接部の形状は、特に限定されないが、チューブが継手に連結固定された状態において、当接するリングの一部と対応する形状であることが好ましい。例えば、チューブが継手に連結固定された状態において当接するリングの一部の形状が面形状であり、その面の法線方向が軸方向である場合には、被当接部も面形状であり、その面の法線方向が軸方向となるように構成されていることが好ましい。
ナットは、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。このナットを構成する樹脂についても、チューブや本体と同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、および、これらの混合物が挙げられる。なかでもPFAによって構成されていることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、295℃以上310℃以下であることが好ましい。融点が295℃以上のPFAは柔らか過ぎないため変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができる。また、融点が310℃以下のPFAは耐クラッキング性に優れており割れが生じにくい。この樹脂のASTM D638に準拠して測定される弾性率は、400MPa以上800MPa以下であることが好ましい。
なお、ナットは、チューブを継手に連結固定した状態で、リングが内部に位置しているか否か(リングを付け忘れていないか)を視認できるという観点で、透明もしくは半透明であることが好ましい。
(5)リング
リングは、ナットのナットねじ山部よりも径方向内側の空間に配置され、チューブよりも弾性率が高く、ナットの被当接部に当接するように用いられる環状部材である。リングは、継手において、少なくとも1つ用いられていればよく、複数用いられていてもよい。複数用いられている場合には、ナットの被当接部に当接するリングと、チューブの外表面に当接するリングとが異なっていてもよい。
チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態において、リングは、次の性質を実現することができる弾性率を有している。すなわち、リングが弾性領域内の状態にある場合には、リングが自身の応力によって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことができる。しかも、リングが弾性領域を超えた状態である場合には、拡張したリングがナットの径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すことができる。リングの弾性率をチューブの弾性率よりも高くなるように調節することにより、チューブの一部がリングと本体のチューブ連結部の端部とによって挟み込まれた状態で、リングは、径方向外側に広がるように弾性変形して、チューブを径方向外側から径方向内側に押さえつけるように弾性力を作用させることができる。これにより、チューブを強固に固定して、チューブを抜けにくくし、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制できる。そして、ナットを本体に螺着させてチューブに継手を固定させた状態で、チューブになんらかの外力が作用した場合であっても、上述のようにリングの弾性率が調節されているために、チューブを抜けにくくすることができている。しかも、チューブに継手を固定させた状態で、チューブに対してなんらかの外力がさらに作用した場合には、リングがさらに拡張するように変形して弾性領域を超えた状態にすることができている。これにより、チューブが過度に締め付けられることで切断されてしまうことを抑制できている。そして、このようにリングが拡張変形して弾性領域を超えた状態となった場合であっても、拡張したリングは、径方向外側の部分が、ナットの径方向内側表面に当接し、ナットの内周部分によって径方向内側に押される。このようにして、ナットによって径方向内側に押されたリングは、チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押して締め付けて固定することができるため、チューブを抜けにくくし、チューブの内部を通過する流体の漏れを抑制できる。
また、リングは、ナットとは別部材として用いられているため、ナットを本体に螺着させていく段階において、ナットはチューブの回りを回転するが、リングの回転は抑制されている。これにより、リングが回転することによってチューブの外周に傷が生じることを抑制し、チューブを切断から保護することができている。
リングの形状は、円周方向を法線方向とする切断面の形状が、矩形形状のうち、少なくとも径方向内側であって軸方向の本体側の部分が面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状であることが好ましい。このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分は、リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分であることが好ましく、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分であることがより好ましく、リングの径方向の幅の3%以上10%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上10%以下の部分であることがさらに好ましい。当該範囲は、以下の理由で好ましい。すなわち、チューブに継手を連結固定させた状態では、リングは、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分において、チューブと接することになる。そして、この継手では、このリングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分に、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されている場合には(リングの径方向の幅の0.3%以上で、リングの軸方向の幅の1%以上の部分に採用されている場合には)、チューブよりも弾性率の高いリングを採用している場合であっても、リングからチューブに対して局所的な押しつけ力が作用しにくいようにすることができている。これにより、チューブが切断されることを抑制することが可能になっている。しかも、このリングの面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状が採用されている部分を、リングの径方向の幅の40%以下であり、リングの軸方向の幅の40%以下の部分にすることで、チューブの外側の面との接触面積が広過ぎないようにすることができるため、リングによってチューブが押し付けられている力が分散されてチューブが抜けやすくなってしまうことを抑制できている。特に、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分における面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分が、リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分である場合には、チューブが切断される可能性をより低減させつつ、チューブに対してリングを食い込ませて引張強度を確保することが可能になる。
また、チューブは本体の径方向外側挿入部の外側表面を沿うようにして軸方向に対して傾斜した状態で取り付けられるため、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分のうち、面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状の部分以外の部分は、当該チューブの外面のうち軸方向に対して傾斜した部分に対して、チューブの厚みを狭める方向に向けてチューブに押し付けられる。他方で、本体の径方向外側挿入部は、チューブの内面のうち軸方向に対して傾斜した部分に対して、チューブの厚みを狭める方向に向けてチューブに押し付けられる。これにより、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分と、本体の径方向外側挿入部と、によって、チューブが挟持される。このチューブが挟持されている部分は、チューブの他の部分と比べて、厚みが薄くなる。また、チューブが挟持されている部分よりも奥の部分は、チューブが挟持されている部分よりも、厚みが分厚くなる。これにより、チューブの分厚い部分は、リングの径方向内側であって軸方向の本体側の部分と本体の径方向外側挿入部とによって挟まれた部分を通過することが困難になるため、チューブが手前に抜けにくくすることができている。
なお、面取りされた形状がリングに形成されている場合には、その面取りされた形状の面の法線とリングの径方向とがなす角のうち小さい方の角が、20度以上70度以下であることが好ましく、30度以上60度以下であることがより好ましく、45度であることが特に好ましい。
リングの外径は、リングが径方向外側に向けて押されることで拡張される場合に、破壊されることなく、弾性領域を超えた状態で、ナットの内側に当接する大きさであることが好ましく、具体的には、ナットのナット筒状部の内径の85.0%以上99.9%以下であることが好ましく、98.0%以上99.9%以下であることがより好ましい。また、リングの外径が最も長くなる部分とナットのナット筒状部の内径との間に生じる隙間は、連結固定されておらずなんら力が作用されていない状態において、0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
リングの内径は、チューブの外径の1.001倍以上1.04倍以下であることが好ましく、チューブの外径の1.001倍以上1.01倍以下であることがより好ましい。
リングの径方向の厚みは、チューブの厚みよりも分厚いことが好ましい。具体的には、リングの径方向の厚みは、チューブの厚みの1.2倍以上2.5倍以下であることが好ましく、チューブの厚みの1.2倍以上2.0倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上1.8倍以下であることがさらに好ましい。
リングの軸方向の幅は、特に限定されないが、例えば、リングの径方向の厚みの0.5倍以上4倍以下であることが好ましく、1.0倍以上2.0倍以下であることがより好ましい。
リングは、一種類の樹脂組成物によって構成されていることが好ましい。このリングを構成する樹脂についても、チューブや本体やナットと同様に耐薬品性を備えた樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの樹脂組成物には、フィラーが含有されていてもよいが、ガラス繊維を含有しないものであることが好ましい。このような樹脂としては、なかでもPVDFもしくはPCTFEであることが好ましい。この樹脂のDSC(示差走査熱量測定)によりピークトップを求めて定まる融点は、130℃以上290℃以下であることが好ましく、160℃以上230℃以下であることがより好ましい。融点がこの範囲内であれば、リングが柔らか過ぎないため変形を抑制することができ、チューブを抜けにくくすることができるとともに、耐クラッキング性に優れるため割れが生じにくい。この樹脂のASTM D638に準拠して測定される弾性率は、500MPa以上4000MPa以下であることが好ましく、ナットの弾性率よりも高いことがより好ましく、チューブの弾性率よりも高いことがより好ましく、1000MPa以上2500MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、ナットの弾性率がリングの弾性率よりも低い場合には、チューブに継手を連結固定させた状態において、リングが弾性領域を超えるほど変形して、リングの外周部分がナットの内周部分に当接して径方向内側に向けて押された状態になった場合であっても、ナットの弾性率の高さはリングの弾性率程度の高さではないため、チューブが過度に締め付けられることを防ぎ、チューブが切断されることを抑制することができる。
なお、ナットが透明もしくは半透明である場合には、リングの付け忘れを防止する観点から、リングは不透明もしくは着色されていることが好ましい。
なお、リングの表面粗さは、0.001以上8.0以下であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さの測定は、リングのうち連結固定状態において本体の径方向外側挿入部に最も近い位置に位置する部分の表面を、円周方向ではなく、略軸方向に沿うように測定した。なお、ここでの表面粗さの測定は、ミツトヨ製SURFTEST SV-600を使用し、JIS B0601-1994に準拠して、リングのうち上記部分の表面における算術平均粗さRa(μm)として測定した。
(6)各部材の関係
各部材を構成する素材の関係、すなわち、チューブを構成する樹脂とリングを構成する樹脂とナットを構成する樹脂の組合せとしては、チューブを構成する樹脂がPFAであり、リングを構成する樹脂がPVDFもしくはPCTFEであり、ナットを構成する樹脂がPFAであることが特に好ましい。なお、この組合せにおいて、本体を構成する樹脂がPTFEもしくはPFAであることが特に好ましい。
また、各部材の形状および大きさの関係、すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとした場合において、ナットおよびリングが連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるXおよびYに相当する部分の長さで表した式(X−Y)/Yの値が、0.003以上0.020以下であることが好ましく、0.0055以上0.0121以下であることがより好ましく、0.0055以上0.0090以下であることがさらに好ましい。
さらに、各部材の形状および大きさの関係、すなわち、チューブに対して本体、ナットおよびリングが連結された状態でリングが弾性領域内の状態にある場合に、ナットの内周部分のうち、リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、リングの外径が最大である部分の外径をYとし、チューブの厚みをZとした場合において、ナット、リング、および、チューブが互いに連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるX、YおよびZに相当する部分の長さで表した式(X−Y)/Zの値が、0.04以上0.30以下であることが好ましく、0.05以上0.25以下であることがより好ましい。
図1に、実施例1に係る継手および継手組立体の外観の概略に関する分解斜視図を示す。
継手組立体150は、継手100がチューブ90に連結固定されて構成されている。
継手100は、本体20と、リング70と、ナット30によって構成されている。
チューブ90は、その一端が本体20のチューブ連結部22(後述する)に連結された状態において、ナット30を本体20に対して螺合させていくことで、ナット30の径方向内側であってチューブ90の径方向外側に位置しているリング70と、本体20のチューブ挿入端21(後述する)と、によって挟持されることで連結固定される。
以下、各部材について分けて詳細を説明する。
(チューブ90)
チューブ90は、PFA樹脂によって構成されており、外径が57.4mm、内径が50.8mm、径方向の厚みが3.3mmであった。このチューブ90の曲げ半径は、0.91mであり、このチューブ90の弾性率は、450MPaであった。
(本体20)
本体20は、図2の側面視外観図に示すように、チューブ挿入端21、チューブ連結部22、本体ねじ山部23、本体操作部24、取付側ねじ山部25、および、貫通孔26を備えている。チューブ挿入端21は、チューブ90が挿入される側の先端を構成している。チューブ挿入端21は、図2の即断面図に示すように、軸方向外側に向かうほど径方向外側の部分が径方向内側に位置するように構成された外側傾斜面21aと、軸方向外側に向かうほど径方向内側の部分が径方向外側に位置するように構成された内側傾斜面21bと、を有している。チューブ連結部22は、チューブ90が挿入された状態で、チューブ90の内面が外面に接する部分であり、チューブ挿入端21から筒状に伸びるようにして構成されている。本体ねじ山部23は、チューブ連結部22に対してチューブ挿入端21側とは反対側に設けられており、チューブ連結部22の外径よりも外径が大きく、後述するナット30のナットねじ山部34と螺合するように構成されている。本体操作部24は、ナット30を本体20にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、本体ねじ山部23に対してチューブ連結部22側とは反対側に設けられている。本体操作部24は、図4の軸方向視上面図に示すように、軸方向視において、矩形の各辺をなだらかにつないだ形状を有している。取付側ねじ山部25は、図示しない取付対象に対して螺着されるためのねじ山を有している。貫通孔26は、本体20を軸方向に貫通する孔である。
図2に示すように、軸方向における長さについて、チューブ挿入端21とチューブ連結部22の合計長さa1は28.0mmであり、本体ねじ山部23の長さa2は40.0mmであり、本体操作部24の長さa3は20.0mmであり、取付側ねじ山部25の長さa4は30.0mmであった。また、図3に示すように、貫通孔の内径a5は20.8mmであり、外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分が構成する円の直径a6は54.8mmであり、チューブ連結部22の外径a7は61.8mmであり、いずれも同心円上に位置させた。また、軸断面において、軸方向に対する外側傾斜面21aの傾斜角度θ1は45度であり、軸方向に対する内側傾斜面21bの傾斜角度θ2は45度であった。なお、軸断面において、外側傾斜面21aの傾斜面と内側傾斜面21bの傾斜面がなす角度は90度であった。また、図4に示すように、本体操作部24の対向する面同士の間隔a8は80.0mmであった。
本体20は、PTFEによって構成した。
この本体20の弾性率は、460MPaであった。
(リング70)
リング70は、図5に示すように、内面71、外面72、第1側面73、第2側面74、内側第1傾斜面75、外側第1傾斜面76、外側第2傾斜面77、および、内側第2傾斜面78を有する環状部材である。
内面71は、軸方向と平行に筒状に伸びた面によって、リング70の径方向の最も内側の面を構成している。外面72は、軸方向と平行に筒状に伸びた面によって、リング70の径方向の最も外側の面を構成している。第1側面73は、軸方向を法線方向とする円周状の面であり、リング70の軸方向の一端側を構成している。第2側面74は、軸方向を法線方向とする円周状の面であり、リング70の軸方向の他端側を構成している。内側第1傾斜面75は、内面71と第1側面73とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第1側面73側に近づくにつれて径方向外側に位置するように傾斜面が形成されている。外側第1傾斜面76は、外面72と第1側面73とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第1側面73側に近づくにつれて径方向内側に位置するように傾斜面が形成されている。外側第2傾斜面77は、外面72と第2側面74とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第2側面74側に近づくにつれて径方向内側に位置するように傾斜面が形成されている。内側第2傾斜面78は、内面71と第2側面74とを繋ぐ傾斜面であって、軸方向において第2側面74側に近づくにつれて径方向外側に位置するように傾斜面が形成されている。
リング70は、内径b1が57.7mmであり、外径b2が68.5mmであり、軸方向の厚みb3が8.0mmであった。また、内側第1傾斜面75、外側第1傾斜面76、外側第2傾斜面77、および、内側第2傾斜面78は、いずれも、軸方向に対する傾斜面の傾斜角度のうち小さい方の角度が45度であった。また、内側第1傾斜面75および内側第2傾斜面78は、いずれも、軸方向に0.3mmの幅で、径方向に0.3mmの幅が斜めに削り取られて生じるような形状および大きさを有する傾斜面であった(図5のb4、b7参照)。外側第1傾斜面76および外側第2傾斜面77は、いずれも、軸方向に0.5mmの幅で、径方向に0.5mmの幅が斜めに削り取られて生じるような形状および大きさを有する傾斜面であった(図5のb5、b6参照)。
なお、リング70は、対称的な形状を有しており、軸方向のいずれを本体20側に向けたとしても同じ結果が得られるため、本実施例では、第1側面73を本体20側に向けた場合を例に説明する。この場合、本体20との間でチューブ90の挟持に主として寄与する部分は、内側第1傾斜面75であることになる。なお、ここで、内側第1傾斜面75の軸方向に対する傾斜角度は、本体20の外側傾斜面21aの軸方向に対する傾斜角度と45度で共通している。
リング70は、PVDFによって構成した。
このリング70の弾性率は、2200MPaであった。
(ナット30)
ナット30は、図6の側面視外観図、図7の側面視断面図、および、図8の軸方向における縮径部側から見た図において示すように、挿入端部31、外側筒状部32、ナット操作部33、ナットねじ山部34、ナット筒状部35、縮径部36、被当接部37、および、湾曲部38を備えている。
挿入端部31は、ナット30を本体20に挿入する際の挿入側先端を構成しており、やや径方向外側に広がった形状を有している。外側筒状部32は、軸方向に筒状に伸びている。ナット操作部33は、ナット30を本体20にねじ込む際にレンチや人の指によって挟持される部分であり、外側筒状部32に対して軸方向の挿入端部31側とは反対側に形成されている。このナット操作部33は、図8に示すように、軸方向視において、6角形の各角が丸みを帯びた形状となるように構成されている。ナットねじ山部34は、本体20にナット30が挿入されて螺着される際に、本体ねじ山部23に対して径方向外側から螺合することができるように、ナット30の内側であって挿入端部31側を構成している。縮径部36は、挿入端部31側とは反対側の端部から挿入端部31側に向けて伸びており、ナット30の内側において筒状部分を構成している。ナット筒状部35は、ナットねじ山部34と縮径部36とを軸方向に繋ぐように、ナット30の内側において筒状部分を構成しており、径方向については縮径部36の径方向外側であってナットねじ山部34の径方向内側を構成している。被当接部37は、縮径部36の挿入端部31側の端部と、ナット筒状部35の挿入端部31側とは反対側の端部と、を径方向に広がるようにして繋いだ面(挿入端部31側を向いている)によって構成されている。湾曲部38は、ナット筒状部35の挿入端部31側とは反対側の端部と被当接部37とが繋がっている部分に設けられたR形状部分である。
ナット30は、図6に示すように、挿入端部31の外径c1は95.0mmであり、ナット操作部33において互いに向かう合う丸みを帯びた形状の部分同士を結んだ長さc2は90.0mmであった。また、図6に示すように、軸方向における長さについて、挿入端部31の長さc3は41.5mmであり、外側筒状部32の長さc4は31.0mmであり、ナット操作部33の長さc5は5.0mmであった。また、図7に示すように、ナット筒状部35の内径c6は69.0mmであり、縮径部36の内径c7は58.0mmであった。さらに、図6に示すように、軸方向における長さについて、ナットねじ山部34の長さc8は34.0mmであり、ナット筒状部35の長さc9は32.5mmであり、縮径部36の長さc10は11.0mmであった。なお、湾曲部38の曲率半径は0.5mmであった。
ナット30は、PFAによって構成した。
このナット30の弾性率は、500MPaであった。
(連結固定の動作)
本実施例では、以下の手順で、チューブ90に対して本体20、リング70およびナット30を固定させて、チューブ90に対して継手100を連結固定させた。
まず、継手100を取り付けようとするチューブ90の先端を、縮径部36側を介してナット30に挿入し、さらに、リング70に挿入して、図9の側面視断面図に示すような状態とした。
次に、継手100を取り付けようとするチューブ90の先端部分の内径を、チューブ連結部22の外径程度まで加熱拡管させた。そして、拡管したチューブ90の先端の内側に本体20のチューブ連結部22を挿入し、図10の側面視断面図に示すような状態とした。なお、チューブ90の先端は、チューブ連結部22の軸方向の幅内に収まる位置とした。
その後、本体20に対してナット30を軸方向に近づけていき、本体20の本体ねじ山部23と、ナット30のナットねじ山部34と、が互いに螺合し始める部分まで移動させた。この時、リング70は、リング70の第2側面74が、ナット30の被当接部37に軸方向において当接することで、軸方向における本体20側に向けて移動した。そして、本体20に対してナット30を回転させることで、図11の側面視断面図に示す状態となるように、ナット30を本体20に対してねじ込んでいった。なお、ここで、本体20とチューブ90とは概ね一体化されており、ナット30の回転につられて回転することはない。また、ナット30とリング70とは別体に構成されているため、ナット30が回転した場合であっても、リング70は原則的にはチューブ90の外表面を軸方向に向けて沿うように移動するだけであり、リング70はチューブ90の外表面上で回転しない。
ナット30の本体20へのねじ込み操作を続けていくと、リング70の内側第1傾斜面75が、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分に対して当接する。さらに、ナット30の本体20へのねじ込み操作を続けていくと、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分を、リング70の内側第1傾斜面75が軸方向本体20側に向けて押していく。このとき、リング70は、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分から、軸方向の本体20側とは反対側に押し返される反力と、径方向外側に拡張させる力と、を受ける。これにより、リング70は、弾性変形し、弾性領域内の状態になることで、チューブ90のうち本体20の外側傾斜面21aの近傍に位置している部分に対して弾性力を作用させることになる。そして、ナット30を締め付けていく際の締付トルクが予め定めた250kgf・cmの値となった時点でナット30の本体20へのねじ込み操作を終えて、図12の側面視断面図に示す状態にして、チューブ90に対して継手100を連結固定させた。なお、締付トルクが250kgf・cmの値となったか否かを基準としたのは、以下の理由による。すなわち、上記実施例の形状、寸法、材質を前提とした場合に、シール性を良好にできること(チューブ90の内部を通過する流体が漏れないこと)、および、引っ張り強度を良好にできること(チューブ90が継手100から抜けないこと)、という観点から締付トルクの値の下限を把握した。また、上記実施例の形状、寸法、材質を前提とした場合に、本体20のチューブ連結部22が過度な締付によって径方向内側に大きく倒れ込んで流路を大きく狭めてしまうことがないこと、という観点から締付トルクの値の上限を把握した。このようにして把握した締付トルクの下限と上限の範囲の中から、ナット30の本体20へのねじ込み操作を終えたと判断すべき適当な値を定めた。
なお、ナット30の本体20へのねじ込み操作の終了時点は、上述の締付トルクの値に対応した締付距離(ナット30の外表面のある位置と、本体20の外表面のある位置と、の距離の変化)を予め定めておくことで判断してもよい。
(連結固定された状態)
チューブ90に対して継手100が連結固定された状態の要部拡大断面概略図を図13に示す。
連結固定された状態では、リング70の径方向外側を構成する外面72と、その径方向外側に位置しているナット30のナット筒状部35の内面と、の間には、径方向における隙間が生じていた。すなわち、軸中心からリング70の外面72までの径方向の距離Aよりも、軸中心からナット30のナット筒状部35の内面までの径方向の距離Bの方が長かった。この隙間は、例えば、以下のようにして確認することができる。すなわち、リング70の径方向外側を構成する外面72に予め着色塗料等を塗布した状態で、連結固定させ、連結固定された状態からナット30を取り外した際に、ナット30のナット筒状部35の内面に上記着色塗料が色写りしていないことを視認することによって、連結固定状態において隙間が存在していることを確認できる。なお、連結固定された状態では、軸中心から本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分までの径方向の距離Cは、軸中心からリング70の内面71までの径方向の距離Dよりも短かく、本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分はチューブ90(リング70の径方向内側に位置している部分)の径方向の厚みの幅の範囲内に位置していた。
なお、本実施例では、上記締付トルクとなった状態を連結固定された状態としたが、本実施例とは形状や寸法や材質が異なる場合については、連結固定された状態を別の基準で特定してもよい。例えば、図14に示すように、リング70の第1側面73の軸方向における位置sと、本体20の外側傾斜面21aと内側傾斜面21bとの境界部分の軸方向における位置tと、の軸方向における距離が、チューブ90の径方向の厚み(なんら力が作用されていない状態での外径と内径との差の半分)の30%の範囲内(マイナス30%以上プラス30%以下)になっている状態を、連結固定された状態とするようにしてもよい。
(外力が作用してリングが拡張した状態)
チューブ90に対して継手100が連結固定された状態において、さらに、チューブ90に外力を作用させた場合の要部拡大断面概略図を図15に示す。
ここでは、外力を作用させることは、引張性能評価試験で用いられる引張試験機を用いて行った。具体的には、連結固定された状態において、チューブ90が継手100から軸方向に離れるように、チューブ90を引っ張ることで外力を作用させた。ここでの引張強度を、上記実施例の形状、寸法、材質に基づいて、15MPaとした。なお、ここでは、引張速度を200mm/minとした。なお、連結固定された状態では、チューブ90の厚みは、リング70の内側第1傾斜面75と本体20の外側傾斜面21aによって挟まれている部分において厚みが薄くなっており、その前後で厚みが厚くなっている。このため、連結固定された状態において、引張試験機によって、チューブ90を軸方向に継手100から離れる方向に引っ張ることで、チューブ90のうち厚みが厚くなっている部分によってリング70が径方向外側に押し拡げられるようになる。このようにして、リング70が弾性領域を超えて、リング70の径方向外側を構成する外面72がナット30のナット筒状部35の内面に接する状態になる。
なお、上述した外力としての引張強度の15MPaの値は、(i)チューブの引張による最大応力(降伏点を超えてチューブが伸びてしまう時の値)と、(ii)流体圧力による最大応力(チューブ90の最高使用圧力の仕様に基づいて定めた)と、(iii)締付による最大応力と、を合計して得られる引張応力がかかった状況を考慮して定めた。
上述の外力をさらに作用させてリング70が拡張した状態では、リング70が弾性領域を超えた状態となっており、リング70の径方向外側を構成する外面72と、その径方向外側に位置しているナット30のナット筒状部35の内面と、が接触していた。なお、リング70の径方向外側を構成する外面72がナット30のナット筒状部35の内面に接したことについては、上述のように、リング70の径方向外側を構成する外面72に予め着色塗料等を塗布した状態で、連結固定させ、引張試験機によって外力を作用させた後にナット30を取り外した際に、ナット30のナット筒状部35の内面に上記着色塗料の色写りが生じていることを視認することで確認した。これにより、外力が作用してリング70が拡張した状態では、リング70には、リング70の外面72とナット30のナット筒状部35との接触部分を介して、ナット30から径方向内側へ押される力が作用されていることを確認した。このため、リング70は、チューブ90を径方向外側から内側に押し付けることが可能になっていたということができる。
(評価)
上述した連結固定されており上述の外力を作用させていない状態のサンプルと、連結固定された後に上述の外力を作用させた状態のサンプルについて、気密性能評価試験、耐圧性能評価試験、熱サイクル性能評価試験、および、繰り返し結合性能評価試験による評価を行った。
気密性能評価試験は、一端を封じた状態にして継手100全体を水中に浸漬し、N2ガスをチューブ90内に充填することで内圧を1.4MPaまで上げ、5分経過した後に、気泡の発生の有無を目視確認することで行った。ここで、1分間N2ガスの漏れ(気泡の発生)がないことを合格基準とした。
耐圧性能評価試験は、一端を封じた状態にして手押しポンプを接続し、チューブ90内に水を充填した後、手押しポンプにて内圧を徐々に上げながらフィッティングの漏れ、チューブ90の抜けの有無を確認することで行った。チューブ90が破裂するまで漏れが生じないことを合格基準とした。
繰り返し結合性能評価試験は、チューブ90と継手100との着脱施工作業を20回繰り返し、その後、気密性評価試験と同様の試験方法にて行った。20回の繰り返し着脱施工操作の後においても、1分間N2ガスの漏れ(気泡の発生)がないことを合格基準とした。
以上の評価試験については、連結固定されており上述の外力を作用させていない状態のサンプルと、連結固定された後に上述の外力を作用させた状態のサンプルのいずれについても、いずれの試験においても合格であった。
(7)他の実施形態
上記実施形態に対応する実施例の一つとして、上述した実施例を例に挙げたが、実施形態としてはこれに限られず、適宜変更して得られる以下のような実施形態としてもよい。
(7−1)
上記実施形態の実施例では、ナット30の内側のうち、縮径部36以外の部分がナットねじ山部34とナット筒状部35によって構成される場合を例に挙げて説明した。
しかし、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、図16に示すように、上記実施例のナット30の代わりに、上記実施例のナットねじ山部34が軸方向に延長されて上記実施例のナット筒状部35に相当する部分にまで設けられているナット230を用いてもよい。
(7−2)
上記実施形態の実施例では、リング70が1つだけ用いられている場合を例に挙げて説明した。
しかし、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、図17に示すように、上記実施例のリング70と同様の形状および寸法のリング270をさらに用いて、リング70とリング270とを軸方向に連なるように並べて用いてもよい。
20 本体
22 チューブ連結部
23 本体ねじ山部
30 ナット
34 ナットねじ山部
36 縮径部
37 被当接部
70 リング
90 チューブ
100 継手
150 継手組立体
特開2009−144916号公報

Claims (10)

  1. 樹脂によって少なくとも内側表面が構成されているチューブ(90)に接続される継手(100)であって、
    一端に設けられたチューブ連結部(22)と、外周面において前記チューブ連結部より外径が大きくなるように設けられた本体ねじ山部(23)と、を有し、軸方向に延びた貫通孔(26)が形成されている本体(20)と、
    軸方向の一端側から軸方向の他端側に向けて前記本体の前記チューブ連結部が挿入された状態で前記本体ねじ山部と螺合可能なナットねじ山部(34)と、前記軸方向の他端側に設けられており前記ナットねじ山部よりも内径が小さい縮径部(36)と、前記縮径部に対して前記軸方向の一端側を向くように形成された被当接部(37)と、を有するナット(30)と、
    前記ナットの前記ナットねじ山部よりも径方向内側の空間に配置され、前記チューブよりも弾性率が高く、前記ナットの前記被当接部に当接する少なくとも1つのリング(70)と、
    を備え、
    前記チューブに対して前記本体、前記ナットおよび前記リングが連結された状態において、
    前記リングが弾性領域内の状態にある場合には、前記リングが自身の応力によって、前記チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押しており、
    前記リングが弾性領域を超えた状態である場合には、拡張した前記リングが前記ナットの径方向内側表面によって径方向内側に押されることによって、前記チューブを径方向外側から径方向内側に向けて押すこと
    が可能となるような弾性率を前記リングが有している、
    継手。
  2. 前記チューブに対して前記本体、前記ナットおよび前記リングが連結された状態において、前記リングが弾性領域内の状態にある場合には、前記リングと外周部分と、前記リングの径方向外側に位置する前記ナットの内周部分と、の間には径方向の隙間が設けられている、
    請求項1に記載の継手。
  3. 前記リングの弾性率は、前記ナットの弾性率よりも高い、
    請求項1または2に記載の継手。
  4. 前記リングの円周方向を法線方向とする断面の形状は、矩形形状のうち、少なくとも径方向内側であって軸方向の前記本体側の部分が面取りされた形状もしくは丸みを帯びた形状であって、
    前記リングの径方向内側であって軸方向の前記本体側の部分における前記面取りされた形状もしくは前記丸みを帯びた形状の部分は、前記リングの径方向の幅の0.3%以上40%以下の部分であり、前記リングの軸方向の幅の1%以上40%以下の部分である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の継手。
  5. 前記リングの径方向内側であって軸方向の前記本体側の部分における前記面取りされた形状もしくは前記丸みを帯びた形状の部分は、前記リングの径方向の幅の3%以上29%以下の部分であり、前記リングの軸方向の幅の2%以上25%以下の部分である、
    請求項4に記載の継手。
  6. 前記チューブに対して前記本体、前記ナットおよび前記リングが連結された状態で前記リングが弾性領域内の状態にある場合に、前記ナットの内周部分のうち、前記リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、
    前記リングの外径が最大である部分の外径をYとした場合において、
    前記ナットおよび前記リングが連結されておらずなんら力が作用されていない状態における前記Xおよび前記Yに相当する部分の長さについて、
    (X−Y)/Y
    の値が、0.003以上0.020以下である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の継手。
  7. 前記チューブに対して前記本体、前記ナットおよび前記リングが連結された状態で前記リングが弾性領域内の状態にある場合に、前記ナットの内周部分のうち、前記リングの外径が最大である部分に対して径方向外側に位置する部分の内径をXとし、
    前記リングの外径が最大である部分の外径をYとし、
    前記チューブの厚みをZとした場合において、
    前記ナット、前記リング、および、前記チューブが互いに連結されておらずなんら力が作用されていない状態におけるX、YおよびZに相当する部分の長さについて、
    (X−Y)/Z
    の値が、0.04以上0.30以下である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の継手。
  8. 前記チューブは、PFA、FEPおよびPTFEからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されており、
    前記ナットは、PFA、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されており、
    前記リングは、PCTFE、PVDF、ETFE、および、PPSからなる群より選択される少なくとも一種を含有する樹脂組成物で構成されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の継手。
  9. 前記リングは不透明であり、前記ナットは透明もしくは半透明である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の継手。
  10. 前記チューブ(90)と、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の継手(100)と、
    を備え、
    前記チューブは、耐薬品性を備える樹脂を含んで構成されており、曲げ半径が0.3m以上3.0m以下である、
    継手組立体(150)。
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