JPWO2014013903A1 - タキサン系活性成分含有液体組成物、その製造方法及び液体製剤 - Google Patents
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Abstract
(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少ないとも1種の界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である液体組成物。
Description
本発明は、タキサン系活性成分含有液体組成物、その製造方法及び液体製剤に関する。
抗悪性腫瘍剤であるタキサン系薬物のドセタキセルは、点滴静脈注射により、患者に投与される。
タキサン系薬物は、難溶性薬物であり、タキサン系薬剤を点滴静脈注射する際には、ポリソルベート及びエタノール等の可溶化剤を用いてタキサン系薬剤は可溶化される。しかしながら、これらの可溶化剤の使用には、過敏症などの副作用が懸念されている。
タキサン系薬物は、難溶性薬物であり、タキサン系薬剤を点滴静脈注射する際には、ポリソルベート及びエタノール等の可溶化剤を用いてタキサン系薬剤は可溶化される。しかしながら、これらの可溶化剤の使用には、過敏症などの副作用が懸念されている。
これらの問題に対して、大韓民国登録特許公報第136722号公報(特許文献1)には、エタノール共存化でタキサン系薬剤を溶解させた後にエタノールを留去することにより、実質的にエタノールを含有しないタキサン系薬剤含有液体組成物を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法で調製したタキサン系薬剤含有注射剤は、点滴静脈注射の際に用いる輸液に速やかに混合することが難しい。また、特許文献1に記載の方法で調製したタキサン系薬剤含有注射剤は、保管時に沈殿物が生成する可能性もある。
このような状況において、実質的にエタノールを含有せず、輸液に速やかに混合させることができるタキサン系薬剤含有液体組成物の開発が待ち望まれている。
このような状況において、実質的にエタノールを含有せず、輸液に速やかに混合させることができるタキサン系薬剤含有液体組成物の開発が待ち望まれている。
本発明は、実質的にエタノールを含有せず、点滴静脈注射の際に用いる輸液に速やかに混合させることができるタキサン系活性成分を含有する液体組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明の別の態様は、分解物の生成を抑制し、保存安定性を長期間維持しうる液体組成物を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である液体組成物。
<2> (d)有機酸を更に含有する<1>に記載の液体組成物。
<3> タキサン系活性成分が、ドセタキセルである<1>または<2>に記載の液体組成物。
<4> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<5> グリコールが、分子量20〜600のグリコールを含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<6> グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールを含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<7> グリコールが、ポリエチレングリコール300を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<8> 界面活性剤成分が、ポリソルベート80を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<9> 界面活性剤成分が、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートである<1>〜<8>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<10> 有機酸が、無水クエン酸を含む<2>〜<9>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<11> 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである<2>〜<10>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<12> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<13> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<14> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、
(b)少なくとも1種のグリコールと、
(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、
を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下である液体組成物。
<15> タキサン系活性成分が、ドセタキセルである<14>に記載の液体組成物。
<16> グリコールと界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲である<14>または<15>に記載の液体組成物。
<17> グリコールと界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である<14>〜<16>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<18> 界面活性剤成分が、ポリソルベートである<14>〜<17>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<19> 界面活性剤成分が、ポリソルベート80である<14>〜<18>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<20> (d)有機酸を更に含有する<14>〜<19>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<21> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<14>〜<20>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<22> グリコールが、分子量20〜600のグリコールである<14>〜<21>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<23> グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールである<14>〜<22>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<24> グリコールが、ポリエチレングリコール300である<14>〜<23>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<25> 有機酸が、クエン酸である<20>〜<24>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<26> 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである<20>〜<25>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<27> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<14>〜<26>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<28> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<14>〜<27>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<29> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含む混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
<30> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上である混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
<31> 加熱溶解工程により得られた溶解液を、濾過滅菌する工程を更に有する<29>または<30>に記載の製造方法。
<32> 混合液が、更に(d)有機酸を含む<29>〜<31>のいずれか1つに記載の製造方法。
<33> 水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、<1>〜<28>のいずれか1つに記載の液体組成物が封入された液体製剤。
<1> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である液体組成物。
<2> (d)有機酸を更に含有する<1>に記載の液体組成物。
<3> タキサン系活性成分が、ドセタキセルである<1>または<2>に記載の液体組成物。
<4> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<5> グリコールが、分子量20〜600のグリコールを含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<6> グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールを含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<7> グリコールが、ポリエチレングリコール300を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<8> 界面活性剤成分が、ポリソルベート80を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<9> 界面活性剤成分が、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートである<1>〜<8>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<10> 有機酸が、無水クエン酸を含む<2>〜<9>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<11> 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである<2>〜<10>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<12> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<13> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<14> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、
(b)少なくとも1種のグリコールと、
(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、
を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下である液体組成物。
<15> タキサン系活性成分が、ドセタキセルである<14>に記載の液体組成物。
<16> グリコールと界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲である<14>または<15>に記載の液体組成物。
<17> グリコールと界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である<14>〜<16>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<18> 界面活性剤成分が、ポリソルベートである<14>〜<17>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<19> 界面活性剤成分が、ポリソルベート80である<14>〜<18>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<20> (d)有機酸を更に含有する<14>〜<19>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<21> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<14>〜<20>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<22> グリコールが、分子量20〜600のグリコールである<14>〜<21>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<23> グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールである<14>〜<22>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<24> グリコールが、ポリエチレングリコール300である<14>〜<23>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<25> 有機酸が、クエン酸である<20>〜<24>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<26> 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである<20>〜<25>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<27> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<14>〜<26>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<28> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<14>〜<27>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<29> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含む混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
<30> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上である混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
<31> 加熱溶解工程により得られた溶解液を、濾過滅菌する工程を更に有する<29>または<30>に記載の製造方法。
<32> 混合液が、更に(d)有機酸を含む<29>〜<31>のいずれか1つに記載の製造方法。
<33> 水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、<1>〜<28>のいずれか1つに記載の液体組成物が封入された液体製剤。
本発明によれば、実質的にエタノールを含有しないタキサン系活性成分を含有する液体組成物及びその製造方法を提供することができる。また、点滴静脈注射の際に用いる輸液に速やかに混合させることができるタキサン系活性成分を含有する液体組成物、及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、分解物の生成を抑制し、保存安定性を長期間維持しうる液体組成物及びその製造方法を提供することができる。
本発明の液体組成物の第一の態様は、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上の液体組成物(以下、「液体組成物I」とも称する。)である。
本発明の液体組成物Iは、ドセタキセル及びその誘導体から選択されるタキサン系活性成分を、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分と共に含む。そのため、実質的にエタノールを含有していなくても、液体組成物の点滴静脈注射の際に用いる輸液への混合性を向上させることができる。
本発明の液体組成物Iは、ドセタキセル及びその誘導体から選択されるタキサン系活性成分を、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分と共に含む。そのため、実質的にエタノールを含有していなくても、液体組成物の点滴静脈注射の際に用いる輸液への混合性を向上させることができる。
本発明の液体組成物の第二の態様は、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下である液体組成物(以下、「液体組成物II」とも称する。)である。
本発明の液体組成物IIは、過酸化物価が5meq/kg以下の界面活性剤成分である。そのため、分解物の生成が抑制され、保存安定性を長期間維持することができる。
本発明の液体組成物IIは、過酸化物価が5meq/kg以下の界面活性剤成分である。そのため、分解物の生成が抑制され、保存安定性を長期間維持することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中のそれぞれの成分の量は、それぞれの成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「輸液」との語は、一般的に臨床現場において用いられる点滴用の輸液全般に加え、生理食塩水をも包含する。生理食塩水とは、塩化ナトリウムを0.9w/v%含有する食塩水を意味する。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中のそれぞれの成分の量は、それぞれの成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「輸液」との語は、一般的に臨床現場において用いられる点滴用の輸液全般に加え、生理食塩水をも包含する。生理食塩水とは、塩化ナトリウムを0.9w/v%含有する食塩水を意味する。
本発明において、例えば本発明の液体組成物を構成する各成分の配合量(濃度)について用いられる「v/v%」は、液体組成物の体積100mLに対する各成分の体積(mL)の100分率(下記式1a)を意味する。液体組成物の全体積に対する各成分の体積で表現する場合も、特に断らない限り、同様に、液体組成物の体積100mLに対する各成分の体積(mL)を意味する。例えば、液体組成物100mL中に1.0mLの体積で配合される成分の配合量は「1.0v/v%」と表記される。
式1a:[各成分体積(mL)/全組成物の体積100mL]×100(%)
以下、本発明について説明する。
式1a:[各成分体積(mL)/全組成物の体積100mL]×100(%)
以下、本発明について説明する。
<液体組成物>
本発明にかかる液体組成物Iは、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上の液体組成物である。
また、本発明にかかる液体組成物IIは、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下の液体組成物である。
以下、液体組成物を構成する各成分について説明する。なお、特に断らない限り、各成分についての説明は、液体組成物I及びIIで共通するものとする。
本発明にかかる液体組成物Iは、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分と、を含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上の液体組成物である。
また、本発明にかかる液体組成物IIは、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下の液体組成物である。
以下、液体組成物を構成する各成分について説明する。なお、特に断らない限り、各成分についての説明は、液体組成物I及びIIで共通するものとする。
[タキサン系活性成分]
本発明の液体組成物は、ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分を含有する。
本発明におけるタキサン系活性成分は、ドセタキセル及びその誘導体から選択された少なくとも1種である。
ドセタキセル(docetaxel)は、タキサン系抗ガン剤として知られる難溶性薬物である。
ドセタキセルの誘導体の例としては、特許第3950993号公報に記載されており、さらに国際公開第92/09589号パンフレット、国際公開第93/06093パンフレット、欧州特許出願公開第534708号明細書、欧州特許出願公開第558959号明細書及び仏国特許出願公開第2697019号明細書に記載される方法に従いまたは準じて得ることができる。
ドセタキセル及びその誘導体としては、医薬上許容される塩及び水和物も包含される。例えば、ドセタキセル3水和物などが挙げられる。
これらのタキサン系活性成分は、通常単独で用いられるが、2種以上を混合して用いることもできる。
タキサン系活性成分としてはドセタキセル、及びドセタキセル3水和物が好ましい。また、本発明の液体組成物を製造する際における溶解性の観点から、ドセタキセル3水和物が特に好ましい。
液体組成物に含有されるタキサン系活性成分の濃度は、輸液への混合性の観点より、16mg/mL〜24mg/mLであることが好ましく、18mg/mL〜23mg/mLであることがより好ましく、19mg/mL〜22mg/mLであることがさらに好ましい。
本発明の液体組成物は、ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分を含有する。
本発明におけるタキサン系活性成分は、ドセタキセル及びその誘導体から選択された少なくとも1種である。
ドセタキセル(docetaxel)は、タキサン系抗ガン剤として知られる難溶性薬物である。
ドセタキセルの誘導体の例としては、特許第3950993号公報に記載されており、さらに国際公開第92/09589号パンフレット、国際公開第93/06093パンフレット、欧州特許出願公開第534708号明細書、欧州特許出願公開第558959号明細書及び仏国特許出願公開第2697019号明細書に記載される方法に従いまたは準じて得ることができる。
ドセタキセル及びその誘導体としては、医薬上許容される塩及び水和物も包含される。例えば、ドセタキセル3水和物などが挙げられる。
これらのタキサン系活性成分は、通常単独で用いられるが、2種以上を混合して用いることもできる。
タキサン系活性成分としてはドセタキセル、及びドセタキセル3水和物が好ましい。また、本発明の液体組成物を製造する際における溶解性の観点から、ドセタキセル3水和物が特に好ましい。
液体組成物に含有されるタキサン系活性成分の濃度は、輸液への混合性の観点より、16mg/mL〜24mg/mLであることが好ましく、18mg/mL〜23mg/mLであることがより好ましく、19mg/mL〜22mg/mLであることがさらに好ましい。
[グリコール]
本発明の液体組成物は、少なくとも1種のグリコールを含有する。
グリコールとしては、人体への安全性の観点および取り扱い性の観点より、分子量が20〜600のグリコールが好ましく、分子量が50〜400のグリコールがより好ましく、分子量が270〜330のグリコールがさらに好ましい。
本発明の液体組成物は、少なくとも1種のグリコールを含有する。
グリコールとしては、人体への安全性の観点および取り扱い性の観点より、分子量が20〜600のグリコールが好ましく、分子量が50〜400のグリコールがより好ましく、分子量が270〜330のグリコールがさらに好ましい。
グリコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラグリコール、ブチレングリコール又はポリエチレングリコールが挙げられ、人体への安全性の観点から、プロピレングリコール、ブチレングリコール又はポリエチレングリコールが好ましい。中でも、非経口投与における人体への安全性の観点から、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールが好ましい。
ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400又はポリエチレングリコール600が挙げられる。
ここでポリエチレングリコール200とは平均分子量180〜220のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール300とは平均分子量270〜330のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール400とは平均分子量360〜440のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール600とは平均分子量640〜660のポリエチレングリコール混合物である。
非経口製剤への使用実績の観点から、ポリエチレングリコール400又はポリエチレングリコール300が好ましい。組成物製造時の混合性、および、組成物と輸液との混合性の観点からポリエチレングリコール300がより好ましい。
中でも、平均分子量280〜320のポリエチレングリコール300が好ましく、平均分子量285〜315のポリエチレングリコール300がより好ましい。
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、第16改正日本薬局方に記載の方法に従い測定することができる。
ここでポリエチレングリコール200とは平均分子量180〜220のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール300とは平均分子量270〜330のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール400とは平均分子量360〜440のポリエチレングリコール混合物であり、ポリエチレングリコール600とは平均分子量640〜660のポリエチレングリコール混合物である。
非経口製剤への使用実績の観点から、ポリエチレングリコール400又はポリエチレングリコール300が好ましい。組成物製造時の混合性、および、組成物と輸液との混合性の観点からポリエチレングリコール300がより好ましい。
中でも、平均分子量280〜320のポリエチレングリコール300が好ましく、平均分子量285〜315のポリエチレングリコール300がより好ましい。
なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、第16改正日本薬局方に記載の方法に従い測定することができる。
グリコールとしては、市販品を使用することができる。
ポリエチレングリコール400としては、例えば、マクロゴール400(商品名、丸石社)、SR PEG400 NF(商品名、CRODA社)、SUNBRIGHT DKH−04HB(商品名、日油社)が挙げられる。
ポリエチレングリコール300としては、例えば、SUNBRIGHT DKH−03HB(商品名、日油社)、SR PEG300 NF(商品名、CRODA社)、PEG300(商品名、MERCK社)等を挙げることができる。
ポリエチレングリコール400としては、例えば、マクロゴール400(商品名、丸石社)、SR PEG400 NF(商品名、CRODA社)、SUNBRIGHT DKH−04HB(商品名、日油社)が挙げられる。
ポリエチレングリコール300としては、例えば、SUNBRIGHT DKH−03HB(商品名、日油社)、SR PEG300 NF(商品名、CRODA社)、PEG300(商品名、MERCK社)等を挙げることができる。
液体組成物において、グリコールは、いずれかの種類を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよいが、ポリエチレングリコール300が、全グリコールの70v/v%以上であることが好ましく、80v/v%以上であることがより好ましく、90v/v%以上であることが最も好ましい。
グリコールは、液体組成物の全体積に対して45v/v%〜55v/v%の割合で含有されることが好ましい。グリコールの含有量が液体組成物の全体積に対して45v/v%以上であれば液体組成物の輸液への混合性が維持され、55v/v%以下であれば、界面活性剤成分との親和性が低下することもないため、液体組成物を製剤化に供することができる。
また、グリコールは、液体組成物の全体積に対して47.5v/v%〜52.5v/v%の割合で含有されることがより好ましい。
また、グリコールは、液体組成物の全体積に対して47.5v/v%〜52.5v/v%の割合で含有されることがより好ましい。
[界面活性剤成分]
本発明の液体組成物は、ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分を含有する。
ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分は、世界的に非経口製剤に使用した場合の安全性が様々な人種に対して確認されているため、好適に用いることができる。
本発明の液体組成物は、ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分を含有する。
ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される界面活性剤成分は、世界的に非経口製剤に使用した場合の安全性が様々な人種に対して確認されているため、好適に用いることができる。
ポリソルベートとしては、ポリソルベート20、ポリソルベート80が挙げられる。
ポリソルベートとしては、市販品を使用することができ、ポリソルベート80としては、例えば、Tween80 HP (商品名、CRODA社)、NIKKOL TO−10MV(商品名、日光ケミカルズ社)、Montanox 80 PPI(商品名、SEPPIC社)、Montanox80 API (商品名、SEPPIC社)、ポリソルベート80GS(商品名、日油社)、ポリソルベート80HX2(商品名、日油社)等を挙げることができる。
ポリソルベートとしては、市販品を使用することができ、ポリソルベート80としては、例えば、Tween80 HP (商品名、CRODA社)、NIKKOL TO−10MV(商品名、日光ケミカルズ社)、Montanox 80 PPI(商品名、SEPPIC社)、Montanox80 API (商品名、SEPPIC社)、ポリソルベート80GS(商品名、日油社)、ポリソルベート80HX2(商品名、日油社)等を挙げることができる。
ポリオキシエチレングリコールエステルとしては、非経口製剤への使用実績の観点から、酸化エチレンの平均付加モル数が3〜60のポリオキシエチレングリコールエステルが好ましく、酸化エチレンの平均付加モル数が30〜40のポリオキシエチレングリコールエステルがさらに好ましい。
ポリオキシエチレングリコールエステルとしては、市販品を使用することができ、例えば、クレモホールEL−P(商品名、BASF社)、クレモホールEL(商品名、BASF社)、NIKKOL CO−10(商品名、日光ケミカルズ社)等を挙げることができる。
ポリオキシエチレングリコールエステルとしては、市販品を使用することができ、例えば、クレモホールEL−P(商品名、BASF社)、クレモホールEL(商品名、BASF社)、NIKKOL CO−10(商品名、日光ケミカルズ社)等を挙げることができる。
ポリオキシエチレンひまし油誘導体とは、ひまし油の二重結合に水素を添加した硬化ひまし油に、酸化エチレンを付加重合して得られる非イオン性界面活性剤である。具体的には、ポリオキシエチレン硬化ひまし油50、ポリオキシエチレン硬化ひまし油60、が挙げられる。
ポリオキシエチレンひまし油誘導体としては、市販品を使用することができ、例えば、NIKKOL HCO−50(商品名、日光ケミカルズ社)、NIKKOL HCO−60(商品名、日光ケミカルズ社)等を挙げることができる。
ポリオキシエチレンひまし油誘導体としては、市販品を使用することができ、例えば、NIKKOL HCO−50(商品名、日光ケミカルズ社)、NIKKOL HCO−60(商品名、日光ケミカルズ社)等を挙げることができる。
界面活性剤成分としては、非経口製剤における安全性が確認されていることから、クレモホールEL、HCO−60、ポリソルベート80が好ましく、クレモホールEL、ポリソルベート80がより好ましく、ポリソルベート80が最も好ましい。
液体組成物において、界面活性剤成分は、いずれかの種類を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよいが、ポリソルベート80が、全界面活性剤成分の70v/v%以上であることが好ましく、80v/v%以上であることがより好ましく、90v/v%以上であることが最も好ましい。
液体組成物において、界面活性剤成分は、いずれかの種類を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよいが、ポリソルベート80が、全界面活性剤成分の70v/v%以上であることが好ましく、80v/v%以上であることがより好ましく、90v/v%以上であることが最も好ましい。
液体組成物Iにおいて、界面活性剤成分としては、過酸化物価5meq/kg以下のものが好ましい。過酸化物価が5meq/kg以下の界面活性剤成分を配合させることにより、分解物の生成を抑制することができる。
また、界面活性剤成分としては過酸化物価が3meq/kg以下のものがより好ましい。
なお、本明細書において、界面活性剤成分の過酸化物価は、電位差滴定法(欧州薬局方(European.Pharmacopoeia)第7.0版)に従い測定するものとする。
効率的な分解物の生成抑制の観点から、界面活性剤成分としては、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートが好ましく、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80がより好ましい。
また、界面活性剤成分としては過酸化物価が3meq/kg以下のものがより好ましい。
なお、本明細書において、界面活性剤成分の過酸化物価は、電位差滴定法(欧州薬局方(European.Pharmacopoeia)第7.0版)に従い測定するものとする。
効率的な分解物の生成抑制の観点から、界面活性剤成分としては、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートが好ましく、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80がより好ましい。
液体組成物IIにおいて、界面活性剤成分は、過酸化物価5meq/kg以下のものである。界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kgより大きい場合には、分解物の生成を抑制することができない。
また、界面活性剤成分としては過酸化物価が3meq/kg以下のものが好ましい。
なお、本明細書において、界面活性剤成分の過酸化物価は、電位差滴定法(欧州薬局方(European.Pharmacopoeia)第7.0版)に従い測定するものとする。
効率的な分解物の生成抑制の観点から、界面活性剤成分としては、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートが好ましく、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80がより好ましい。
また、界面活性剤成分としては過酸化物価が3meq/kg以下のものが好ましい。
なお、本明細書において、界面活性剤成分の過酸化物価は、電位差滴定法(欧州薬局方(European.Pharmacopoeia)第7.0版)に従い測定するものとする。
効率的な分解物の生成抑制の観点から、界面活性剤成分としては、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートが好ましく、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80がより好ましい。
界面活性剤成分は、液体組成物の全体積に対して45v/v%〜55v/v%の割合で含有されることが好ましい。界面活性剤成分の含有量が液体組成物の全体積に対して45v/v%以上であれば、グリコールとの親和性が維持され液体組成物を製剤化に供することができ、55v/v%以下であれば輸液への混和性も維持される。
また、界面活性剤成分は、液体組成物の全体積に対して47.5v/v%〜52.5v/v%の割合で含有されることがより好ましい。
また、界面活性剤成分は、液体組成物の全体積に対して47.5v/v%〜52.5v/v%の割合で含有されることがより好ましい。
本発明の液体組成物Iにおいて、前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は45/55〜55/45の範囲である。前述したグリコールと、界面活性剤との体積比が45/55より小さい場合には、液体組成物Iの輸液への混合性が低下し、グリコールと、界面活性剤との体積比が55/45より大きい場合には、グリコールと界面活性剤との親和性が低下し液体組成物Iを製剤化に供することができない。
前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であることが好ましい。
前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であることが好ましい。
本発明の液体組成物IIにおいて、前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は45/55〜55/45の範囲であることが好ましい。前述したグリコールと、界面活性剤との体積比が45/55以上である場合には、液体組成物の輸液への混合性が低下することはなく、グリコールと、界面活性剤との体積比が55/45以下であれば、グリコールと界面活性剤との親和性が低下することもなく、液体組成物IIを製剤化に供することができる。
前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であることがより好ましい。
前述したグリコールと、界面活性剤成分との体積比は47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であることがより好ましい。
本発明の液体組成物Iにおいて、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物Iの全体積に対して95v/v%以上である。前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量が95v/v%未満である場合には、ドセタキセルの安定性が悪化する。
溶解したドセタキセルの安定性の観点より、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物Iの全体積に対して99v/v%以上が好ましい。
溶解したドセタキセルの安定性の観点より、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物Iの全体積に対して99v/v%以上が好ましい。
本発明の液体組成物IIにおいて、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物Iの全体積に対して95v/v%以上であることが好ましい。前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量が95v/v%以上であれば、ドセタキセルの安定性が維持される。
溶解したドセタキセルの安定性の観点より、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物IIの全体積に対して99v/v%以上がより好ましい。
溶解したドセタキセルの安定性の観点より、前述したグリコールと、界面活性剤との合計含有量は、液体組成物IIの全体積に対して99v/v%以上がより好ましい。
[有機酸]
本発明の液体組成物は、有機酸を含有することが好ましい。
これにより、タキサン系活性成分を安定化することができる。
有機酸としては、薬学上許容されるものであれば特に限定されないが、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸等である。中でも、有機酸としては、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸が好ましい。タキサン系活性成分の安定化効果の観点からクエン酸がより好ましい。クエン酸は、より高いタキサン系活性成分の安定化効果が得られるため無水クエン酸として添加することが好ましい。
有機酸としては、市販品を使用することができ、例えば、無水クエン酸(商品名、MERCK社)、クエン酸1水和物(商品名、和光純薬社)、アスコルビン酸(商品名、和光純薬社)等を挙げることができる。
本発明の液体組成物は、有機酸を含有することが好ましい。
これにより、タキサン系活性成分を安定化することができる。
有機酸としては、薬学上許容されるものであれば特に限定されないが、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸等である。中でも、有機酸としては、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸が好ましい。タキサン系活性成分の安定化効果の観点からクエン酸がより好ましい。クエン酸は、より高いタキサン系活性成分の安定化効果が得られるため無水クエン酸として添加することが好ましい。
有機酸としては、市販品を使用することができ、例えば、無水クエン酸(商品名、MERCK社)、クエン酸1水和物(商品名、和光純薬社)、アスコルビン酸(商品名、和光純薬社)等を挙げることができる。
液体組成物において、有機酸は、いずれかの種類を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよいが、クエン酸が、全有機酸の70w/w%以上であることが好ましく、80w/w%以上であることがより好ましく、90w/w%以上であることが最も好ましい。
液体組成物に含有される有機酸の濃度は、タキサン系活性成分安定化の観点より、1.0mg/mL〜4.0mg/mLであることが好ましく、1.5mg/mL〜3.0mg/mLであることがより好ましく、1.75mg/mL〜2.5mg/mLであることがさらに好ましい。
[その他の成分]
液体組成物は、タキサン系活性成分、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分の他に、製薬上許容されるその他の成分を必要に応じて含有することができる。
その他の成分としては、pH調整剤、安定化剤(たとえばピロ亜硫酸ナトリウム)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
液体組成物は、タキサン系活性成分、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分の他に、製薬上許容されるその他の成分を必要に応じて含有することができる。
その他の成分としては、pH調整剤、安定化剤(たとえばピロ亜硫酸ナトリウム)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
[液体組成物]
本発明の液体組成物は、実質的にエタノールを含有しないため、アルコールに対して耐性のある患者だけではなく、アルコールに対して過敏な患者に対しても、安全に投与することが可能となる。
液体組成物は、蒸留水を用いて質量基準で5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲であることが好ましい。希釈したときのpHがこの範囲にあると、タキサン系活性成分の分解が抑制され、安定性に優れるため好ましい。また、pHがこの範囲にあると、点滴静脈注射の際に用いる輸液との混合性に優れ、且つ輸液に混合して患者に点滴静脈注射をする際に血管痛などを引き起こすことがなく好ましい。また、希釈したときのpHは、3.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。
なお、本発明においてpHを測定するために用いられる蒸留水とは、蒸留器で蒸留した水を意味する。
蒸留水としては、市販品を使用することができ、大塚注射用蒸留水(商品名、大塚製薬工業社)、蒸留水(商品名、和光純薬工業社)などが挙げられる。
本発明の液体組成物は、実質的にエタノールを含有しないため、アルコールに対して耐性のある患者だけではなく、アルコールに対して過敏な患者に対しても、安全に投与することが可能となる。
液体組成物は、蒸留水を用いて質量基準で5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲であることが好ましい。希釈したときのpHがこの範囲にあると、タキサン系活性成分の分解が抑制され、安定性に優れるため好ましい。また、pHがこの範囲にあると、点滴静脈注射の際に用いる輸液との混合性に優れ、且つ輸液に混合して患者に点滴静脈注射をする際に血管痛などを引き起こすことがなく好ましい。また、希釈したときのpHは、3.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。
なお、本発明においてpHを測定するために用いられる蒸留水とは、蒸留器で蒸留した水を意味する。
蒸留水としては、市販品を使用することができ、大塚注射用蒸留水(商品名、大塚製薬工業社)、蒸留水(商品名、和光純薬工業社)などが挙げられる。
液体組成物は、液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満であることが好ましい。エタノールの含有量が1v/v%未満である場合には、アルコールに対して過敏な患者に対しても、安全に投与することができる。液体組成物の全体積に対するエタノールの含有量は、0.5v/v%未満がより好ましく、0.1v/v%未満がさらに好ましい。
エタノールの含有量は、通常用いられている方法により確認することができる。具体的には、ガスクロマトグラフィを用いた方法により確認することができる。
エタノールの含有量は、通常用いられている方法により確認することができる。具体的には、ガスクロマトグラフィを用いた方法により確認することができる。
液体組成物は、タキサン系活性成分を、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分に添加して、溶液が均一で、且つ透明な液体となるまで加熱しながら攪拌溶解することにより調製することができる。
液体組成物は、癌治療薬として使用することができる。投薬の対象となる癌の種類としては、乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌、卵巣癌、食道癌、子宮体癌、前立腺癌等が挙げられる。
液体組成物は、癌治療薬として使用することができる。投薬の対象となる癌の種類としては、乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌、卵巣癌、食道癌、子宮体癌、前立腺癌等が挙げられる。
<液体組成物の製造方法>
本発明の製造方法は、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含む混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有するものである(以下、「製造方法I」とも称する。)。
本発明の液体組成物の製造方法Iは、グリコールと、界面活性剤成分とを、加熱して、溶解するため、難溶性であるタキサン系活性成分が含まれていても、共溶媒を使用せずに液体組成物を製造することができる。また、本製造方法では共溶媒を使用しないため、脱溶媒工程が不要となる。
液体組成物の製造方法Iにおいて、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が4/6〜7/3であることが好ましい。
本発明の製造方法は、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含む混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有するものである(以下、「製造方法I」とも称する。)。
本発明の液体組成物の製造方法Iは、グリコールと、界面活性剤成分とを、加熱して、溶解するため、難溶性であるタキサン系活性成分が含まれていても、共溶媒を使用せずに液体組成物を製造することができる。また、本製造方法では共溶媒を使用しないため、脱溶媒工程が不要となる。
液体組成物の製造方法Iにおいて、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が4/6〜7/3であることが好ましい。
また、別の態様として、本発明の製造方法は、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択されるタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含み、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45であり、(b)グリコールと、(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上である混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有するものである(以下、「製造方法II」とも称する。)。本製造方法でも共溶媒を使用しないため、脱溶媒工程が不要となる。
本発明の液体組成物の製造方法IIは、特定量のグリコールと、特定量の界面活性剤成分とを、加熱して、溶解するため、難溶性であるタキサン系活性成分が含まれていても、共溶媒を使用せずに液体組成物を製造することができる。
以下、液体組成物の製造方法の各工程について説明する。なお、各工程についての説明は、製造方法I及びIIで共通するものとする。
本発明の液体組成物の製造方法IIは、特定量のグリコールと、特定量の界面活性剤成分とを、加熱して、溶解するため、難溶性であるタキサン系活性成分が含まれていても、共溶媒を使用せずに液体組成物を製造することができる。
以下、液体組成物の製造方法の各工程について説明する。なお、各工程についての説明は、製造方法I及びIIで共通するものとする。
共溶媒とは、沸点が120℃以下の有機溶媒である。例えばエタノール、アセトン、メタノール、アセトニトリル等が挙げられる。
[加熱溶解工程]
加熱溶解工程においては、タキサン系活性成分、グリコール及び界面活性剤成分を含む混合液を用いて、混合液中のタキサン系活性成分を、共溶媒を使用せずに、溶液が均一で、且つ透明な液体となるまで加熱しながら溶解する。
また、混合液は、タキサン系活性成分の安定化及びpH調整の観点から、(d)有機酸を含んでいてもよい。
加熱溶解工程において、30℃〜70℃の加熱条件下で溶解することが好ましく、35℃〜50℃の加熱条件下で溶解することがより好ましい。
また、加熱溶解時には、攪拌を行なってもよい。
攪拌方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、マグネチックスターラーを用いたスターラーバーによる攪拌、スリーワンモーター(HEIDON社)を用いたモーター駆動式の攪拌羽による攪拌等が挙げられる。
溶解時間としては、溶液が均一で、且つ透明な液体となる時間であれば特に制限はされない。例えば、1時間〜6時間が好ましく、2時間〜3時間がより好ましい。
なお、(a)タキサン系活性成分、(b)グリコール、(c)界面活性剤成分及び(d)有機酸については、前述した事項をそのまま適用する。
加熱溶解工程においては、タキサン系活性成分、グリコール及び界面活性剤成分を含む混合液を用いて、混合液中のタキサン系活性成分を、共溶媒を使用せずに、溶液が均一で、且つ透明な液体となるまで加熱しながら溶解する。
また、混合液は、タキサン系活性成分の安定化及びpH調整の観点から、(d)有機酸を含んでいてもよい。
加熱溶解工程において、30℃〜70℃の加熱条件下で溶解することが好ましく、35℃〜50℃の加熱条件下で溶解することがより好ましい。
また、加熱溶解時には、攪拌を行なってもよい。
攪拌方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、マグネチックスターラーを用いたスターラーバーによる攪拌、スリーワンモーター(HEIDON社)を用いたモーター駆動式の攪拌羽による攪拌等が挙げられる。
溶解時間としては、溶液が均一で、且つ透明な液体となる時間であれば特に制限はされない。例えば、1時間〜6時間が好ましく、2時間〜3時間がより好ましい。
なお、(a)タキサン系活性成分、(b)グリコール、(c)界面活性剤成分及び(d)有機酸については、前述した事項をそのまま適用する。
[濾過滅菌工程]
濾過滅菌工程においては、加熱溶解工程により得られた溶解液を濾過滅菌する。
濾過滅菌は、静脈注射に用いる製剤を製剤化する際に通常採用される方法により行なえばよい。例えば、0.22μmメンブレンフィルター、加圧ろ過器等を用いた方法を採用することができる。
濾過滅菌工程においては、加熱溶解工程により得られた溶解液を濾過滅菌する。
濾過滅菌は、静脈注射に用いる製剤を製剤化する際に通常採用される方法により行なえばよい。例えば、0.22μmメンブレンフィルター、加圧ろ過器等を用いた方法を採用することができる。
[その他の工程]
本発明の液体組成物の製造方法は、加熱溶解工程及び濾過滅菌工程以外の工程を必要に応じて有してもよい。
液体組成物の製造方法において、濾過滅菌工程の後の液体組成物は、密封容器に注入され、密閉されることが好ましい。そのため、液体組成物の製造方法は、液体組成物が密封容器に注入され、密閉される工程(以下、「製品化工程」と略記することもある。)をさらに有してもよい。
密封容器としては、バイアル瓶、アンプル、注射器が挙げられる。なかでも医療現場における取り扱い性の観点から、バイアル瓶が好ましい。好適なバイアル瓶としては、低アルカリ溶出バイアル瓶が挙げられる。さらに好ましくは、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶が挙げられる。
本発明の液体組成物の製造方法は、加熱溶解工程及び濾過滅菌工程以外の工程を必要に応じて有してもよい。
液体組成物の製造方法において、濾過滅菌工程の後の液体組成物は、密封容器に注入され、密閉されることが好ましい。そのため、液体組成物の製造方法は、液体組成物が密封容器に注入され、密閉される工程(以下、「製品化工程」と略記することもある。)をさらに有してもよい。
密封容器としては、バイアル瓶、アンプル、注射器が挙げられる。なかでも医療現場における取り扱い性の観点から、バイアル瓶が好ましい。好適なバイアル瓶としては、低アルカリ溶出バイアル瓶が挙げられる。さらに好ましくは、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶が挙げられる。
加熱溶解工程、濾過滅菌工程及び製品化工程という一連の工程を、酸素濃度が1.0v/v%以下の窒素ガス下で行なうことができる。これにより、液体組成物の安定性を長期間維持することができるため好ましい。
一連の工程は、酸素濃度が0.5v/v%以下の窒素ガス下で行なうことがより好ましく、0.1v/v%以下の窒素ガス下で行なうことがさらに好ましい。
一連の工程は、酸素濃度が0.5v/v%以下の窒素ガス下で行なうことがより好ましく、0.1v/v%以下の窒素ガス下で行なうことがさらに好ましい。
また、本発明の製造方法における別の態様としては、(a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下である混合液を、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有するものであってもよい。
これにより、分解物の生成が抑制され、保存安定性を長期間維持しうる液体組成物を得ることができる。
これにより、分解物の生成が抑制され、保存安定性を長期間維持しうる液体組成物を得ることができる。
<液体製剤>
本発明の液体製剤は、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、既述の液体組成物I及びIIが封入された液体製剤である。
このようなバイアル瓶を用いることで、液体組成物の分解物の生成が抑制され、液体組成物の保存安定性が長期間にわたり維持される。
本発明の液体製剤は、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、既述の液体組成物I及びIIが封入された液体製剤である。
このようなバイアル瓶を用いることで、液体組成物の分解物の生成が抑制され、液体組成物の保存安定性が長期間にわたり維持される。
ナトリウム溶出量は、常法に従い測定することができる。例えば、原子吸光分析装置を用いた方法が挙げられる。
水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶としては、市販品を使用することができ、例えば、ガラス成型時の温度を通常より低温で処理したバイアル瓶:低温処理バイアル瓶(日電理化硝子社、不二硝子社、大和特殊硝子社)、ガラス表面を有機酸でアルカリ成分を除去したバイアル瓶:VIST処理バイアル瓶(大和特殊硝子社)、ガラス表面をSiO2皮膜で覆ったバイアル瓶:シリコート処理バイアル瓶(不二硝子社)等を使用することができる。
水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶としては、市販品を使用することができ、例えば、ガラス成型時の温度を通常より低温で処理したバイアル瓶:低温処理バイアル瓶(日電理化硝子社、不二硝子社、大和特殊硝子社)、ガラス表面を有機酸でアルカリ成分を除去したバイアル瓶:VIST処理バイアル瓶(大和特殊硝子社)、ガラス表面をSiO2皮膜で覆ったバイアル瓶:シリコート処理バイアル瓶(不二硝子社)等を使用することができる。
医療現場での取扱上、25℃における液体製剤の粘度は300mPa・s以下であることが好ましい。液体製剤の粘度がこの範囲にあると、液体製剤を注射シリンジ等で抜き取る際の負荷が少なく好ましい。
液体製剤の粘度は、通常用いられる方法により確認することができる。具体的には、第16改正日本薬局方に記載の回転粘度計法などが用いられる。
液体製剤の粘度は、通常用いられる方法により確認することができる。具体的には、第16改正日本薬局方に記載の回転粘度計法などが用いられる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(液体製剤の調製)
ドセタキセル3水和物42.7mg及び有機酸(無水クエン酸、MERCK社)3.75mgを、清潔なバイアル瓶に秤量し、グリコール(ポリエチレングリコール300(PEG300、平均分子量285〜315) MERCK社)1.0mL及び界面活性剤(ポリソルベート80:SEPPIC社)1.0mLを、バイアル瓶に添加した(総体積2.0mL)。その後、溶液が均一でかつ澄明な液体となるまで、窒素ガス下(酸素濃度が0.0v/v%)及び35℃の加熱条件下で攪拌溶解した。
調製した液体組成物を、窒素雰囲気下でバイアル瓶に封入し、バイアル瓶を打栓し、濾過滅菌作業まで保管した。
0.2μmの疎水化PVDFフィルター(商品名:デュラポア、merck millipore社)を用いて、バイアル瓶に封入して保存した液体組成物を、濾過滅菌した。その後、濾過滅菌して得られた液体組成物を、窒素ガス下(酸素濃度が0.0v/v%)で低温処理バイアル瓶(日電理化硝子社)に充填し、テフロン(登録商標)コーティングされたクロロブチルゴム栓で打栓することにより液体製剤を得た。このときの25℃における液体製剤の粘度は約200mPa・sであった。
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌して調製した液体組成物0.1gを、蒸留水0.4ml(和光純薬工業社)で質量基準で5倍に希釈したときのpHの値を測定した。測定値を表1に示す。
(液体製剤の調製)
ドセタキセル3水和物42.7mg及び有機酸(無水クエン酸、MERCK社)3.75mgを、清潔なバイアル瓶に秤量し、グリコール(ポリエチレングリコール300(PEG300、平均分子量285〜315) MERCK社)1.0mL及び界面活性剤(ポリソルベート80:SEPPIC社)1.0mLを、バイアル瓶に添加した(総体積2.0mL)。その後、溶液が均一でかつ澄明な液体となるまで、窒素ガス下(酸素濃度が0.0v/v%)及び35℃の加熱条件下で攪拌溶解した。
調製した液体組成物を、窒素雰囲気下でバイアル瓶に封入し、バイアル瓶を打栓し、濾過滅菌作業まで保管した。
0.2μmの疎水化PVDFフィルター(商品名:デュラポア、merck millipore社)を用いて、バイアル瓶に封入して保存した液体組成物を、濾過滅菌した。その後、濾過滅菌して得られた液体組成物を、窒素ガス下(酸素濃度が0.0v/v%)で低温処理バイアル瓶(日電理化硝子社)に充填し、テフロン(登録商標)コーティングされたクロロブチルゴム栓で打栓することにより液体製剤を得た。このときの25℃における液体製剤の粘度は約200mPa・sであった。
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌して調製した液体組成物0.1gを、蒸留水0.4ml(和光純薬工業社)で質量基準で5倍に希釈したときのpHの値を測定した。測定値を表1に示す。
(評価)
(1)製造適性
・溶解時間
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌した際に、これらの各成分の混合溶液が均一で、且つ澄明な溶液となるまでに要した時間を計測した。評価結果を表3に示す(表中、Hは時間(hour)を表す)。
なお、混合溶液が、均一で、且つ澄明な溶液になったことの判定は目視により行なった。具体的には、外観観察は肉眼的観察を行い、溶け残りが認められないときに溶解終了と判断した。
・外観観察
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌した後、12時間経過後の液体組成物の外観を観察した。
均一な溶液となっている場合にはA、2相に分離した場合にはBとして評価した。評価結果を表4に示す。
(1)製造適性
・溶解時間
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌した際に、これらの各成分の混合溶液が均一で、且つ澄明な溶液となるまでに要した時間を計測した。評価結果を表3に示す(表中、Hは時間(hour)を表す)。
なお、混合溶液が、均一で、且つ澄明な溶液になったことの判定は目視により行なった。具体的には、外観観察は肉眼的観察を行い、溶け残りが認められないときに溶解終了と判断した。
・外観観察
タキサン系活性成分、有機酸、特定量のグリコール及び特定量の界面活性剤成分を加熱攪拌した後、12時間経過後の液体組成物の外観を観察した。
均一な溶液となっている場合にはA、2相に分離した場合にはBとして評価した。評価結果を表4に示す。
(2)輸液との混合性
得られた液体製剤を、ドセタキセル濃度が約0.77mg/mLとなるように生理食塩水中に添加し、TAITEC社製ROTATOR RT−50で攪拌し、1分後の点滴静脈注射の際に用いる輸液と液体製剤との混合性を評価した。
攪拌1分後に、輸液中にゲル状物が多量に残る場合をC、少量溶け残っている場合をB、混合した場合をAとして目視により評価した。評価結果を表5に示す。
得られた液体製剤を、ドセタキセル濃度が約0.77mg/mLとなるように生理食塩水中に添加し、TAITEC社製ROTATOR RT−50で攪拌し、1分後の点滴静脈注射の際に用いる輸液と液体製剤との混合性を評価した。
攪拌1分後に、輸液中にゲル状物が多量に残る場合をC、少量溶け残っている場合をB、混合した場合をAとして目視により評価した。評価結果を表5に示す。
[実施例2〜3、参考例1〜7]
各成分の含有量を、表1及び表2に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜3及び参考例1〜7の液体製剤を得た。液体組成物のpH測定値は表1及び表2に示す。
実施例2〜3及び参考例1〜7は実施例1と同様にして評価に用いた。評価結果を表3〜5に示す
なお、参考例1は現在市販されているドセタキセル水和物注射剤タキソテール(登録商標)である。
各成分の含有量を、表1及び表2に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜3及び参考例1〜7の液体製剤を得た。液体組成物のpH測定値は表1及び表2に示す。
実施例2〜3及び参考例1〜7は実施例1と同様にして評価に用いた。評価結果を表3〜5に示す
なお、参考例1は現在市販されているドセタキセル水和物注射剤タキソテール(登録商標)である。
表3の結果から、ポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)を6/4〜3/7となるようにポリエチレングリコール300を添加して加熱することで、エタノールを全く使用しないドセタキセル含有液体組成物の調製が可能であることがわかった。
表4の結果から、ポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)を、ポリエチレングリコール300の添加量が60v/v%以上となるように増量すると、得られた液体組成物は経時で2相に分離することがわかった。
また、表5から、ポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)が、55/45〜45/55の範囲で製剤化すると、得られた液体製剤と、点滴静脈注射の際に用いる輸液(生理食塩水)とを速やかに混合できることがわかった。また、実施例1〜3の結果からも明らかである通り、本発明の液体製剤は、輸液との混合開始から、1分という短時間で完全に混合させることができる。すなわち、本発明の液体製剤は、医療現場における実用性という観点から、非常に優れた液体製剤であることが明らかになった。
表3〜5の結果から、実施例1〜3に示すポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)が55/45〜45/55で調製されたドセタキセル液体製剤は、既存薬であるタキソテール(登録商標)(ドセタキセル水和物注射剤、サノフィアベンティス社)及びワンタキソテール(登録商標)(ドセタキセル水和物製剤、サノフィアベンティス社)では成し得なかった、輸液との混合性と、エタノール不使用の両立とを達成することが出来た。
さらに、実施例1〜3に示す液体製剤は、沈殿物を生成しないことも明らかになった。
また、表5から、ポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)が、55/45〜45/55の範囲で製剤化すると、得られた液体製剤と、点滴静脈注射の際に用いる輸液(生理食塩水)とを速やかに混合できることがわかった。また、実施例1〜3の結果からも明らかである通り、本発明の液体製剤は、輸液との混合開始から、1分という短時間で完全に混合させることができる。すなわち、本発明の液体製剤は、医療現場における実用性という観点から、非常に優れた液体製剤であることが明らかになった。
表3〜5の結果から、実施例1〜3に示すポリソルベート80とポリエチレングリコール300との組成比(v/v%)が55/45〜45/55で調製されたドセタキセル液体製剤は、既存薬であるタキソテール(登録商標)(ドセタキセル水和物注射剤、サノフィアベンティス社)及びワンタキソテール(登録商標)(ドセタキセル水和物製剤、サノフィアベンティス社)では成し得なかった、輸液との混合性と、エタノール不使用の両立とを達成することが出来た。
さらに、実施例1〜3に示す液体製剤は、沈殿物を生成しないことも明らかになった。
[実施例4〜5及び参考例8]
各成分の含有量を、表6に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4〜5および参考例8の液体組成物を得た。
水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が表7に記載のナトリウム溶出量を示す各バイアル瓶を用意して、これに得られた液体組成物(実施例4〜5及び参考例8)を充填し、各液体製剤を得た。40℃75%相対湿度1ヶ月加速安定性試験を実施した。
実施例4〜5及び参考例8に加えて、実施例1の液体組成物についても、実施例4と同様の方法で、バイアル瓶に充填し、実施例1にかかる液体製剤を得た。実施例2にかかる液体製剤についても、実施例4と同様に、加速安定性試験を行なった。
加速安定性試験後の液体製剤の安定性を、ドセタキセルの主分解物である7−エピドセタキセルと10−オキソドセタキセルの生成量で評価した。
評価方法としては、高速液体クロマトグラフにより、液体製剤調製直後のドセタキセル濃度の測定を行った後、ドセタキセルのピーク面積に対する各分解物(7−エピドセタキセル及び10−オキソドセタキセル)のピーク面積の割合を算出し、分解物の生成量を評価した。
7−エピドセタキセルの標品としては、tront research chemicals .incのものを使用した。
10−オキソドセタキセルの標品としては、santa cruz biotechnology.inc およびdocetaxel identification(商品名、USP社)を使用した。
高速液体クロマトグラフは、以下の条件に設定した。
カラム:shim−pack XR−ODSII(島津製作所社)
検出器:UV検出器
検出波長:230nm評価結果を表8に示す。
各成分の含有量を、表6に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4〜5および参考例8の液体組成物を得た。
水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が表7に記載のナトリウム溶出量を示す各バイアル瓶を用意して、これに得られた液体組成物(実施例4〜5及び参考例8)を充填し、各液体製剤を得た。40℃75%相対湿度1ヶ月加速安定性試験を実施した。
実施例4〜5及び参考例8に加えて、実施例1の液体組成物についても、実施例4と同様の方法で、バイアル瓶に充填し、実施例1にかかる液体製剤を得た。実施例2にかかる液体製剤についても、実施例4と同様に、加速安定性試験を行なった。
加速安定性試験後の液体製剤の安定性を、ドセタキセルの主分解物である7−エピドセタキセルと10−オキソドセタキセルの生成量で評価した。
評価方法としては、高速液体クロマトグラフにより、液体製剤調製直後のドセタキセル濃度の測定を行った後、ドセタキセルのピーク面積に対する各分解物(7−エピドセタキセル及び10−オキソドセタキセル)のピーク面積の割合を算出し、分解物の生成量を評価した。
7−エピドセタキセルの標品としては、tront research chemicals .incのものを使用した。
10−オキソドセタキセルの標品としては、santa cruz biotechnology.inc およびdocetaxel identification(商品名、USP社)を使用した。
高速液体クロマトグラフは、以下の条件に設定した。
カラム:shim−pack XR−ODSII(島津製作所社)
検出器:UV検出器
検出波長:230nm評価結果を表8に示す。
表8の結果から、バイアル瓶からのNa溶出量を少なくすることにより、ドセタキセルの分解物である7−エピドセタキセルの生成を抑えることがわかった。
[実施例6〜7、参考例9]
各成分の含有量を、表9に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6〜7および参考例9の液体製剤を得た。
得られた液体製剤を、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が0.57ppmである低温処理バイアル瓶に充填し、40℃75%相対湿度1ヶ月の加速安定性試験を実施した。
実施例6〜7及び参考例9のポリソルベート80の過酸化物価(meq/L)は、欧州薬局方 EP(european pharmacopoeia)に記載の方法を用いて測定した。過酸化物価の測定値を表9に示す。
加速安定性試験後の液体製剤の安定性を、高速液体クロマトグラフを用いて、10−オキソドセタキセルの生成量を測定して評価した。高速液体クロマトグラフの測定条件等は、実施例4と同様である。評価結果を表10に示す。
各成分の含有量を、表9に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6〜7および参考例9の液体製剤を得た。
得られた液体製剤を、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が0.57ppmである低温処理バイアル瓶に充填し、40℃75%相対湿度1ヶ月の加速安定性試験を実施した。
実施例6〜7及び参考例9のポリソルベート80の過酸化物価(meq/L)は、欧州薬局方 EP(european pharmacopoeia)に記載の方法を用いて測定した。過酸化物価の測定値を表9に示す。
加速安定性試験後の液体製剤の安定性を、高速液体クロマトグラフを用いて、10−オキソドセタキセルの生成量を測定して評価した。高速液体クロマトグラフの測定条件等は、実施例4と同様である。評価結果を表10に示す。
表10から、添加するポリソルベート80の過酸化物価が5.0meq/kg以下であれば有意にドセタキセルの分解物である10−オキソドセタキセルの生成を抑制することがわかった。
また、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶を用いて、過酸化物価が5meq/kg以下である特定量の界面活性成分を含有した液体製剤を調製することにより、液体組成物の安定性が長期にわたり維持され、タキサン系活性成分の分解も抑制することができることが明らかになった。
また、水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶を用いて、過酸化物価が5meq/kg以下である特定量の界面活性成分を含有した液体製剤を調製することにより、液体組成物の安定性が長期にわたり維持され、タキサン系活性成分の分解も抑制することができることが明らかになった。
以上の結果より、本発明の液体組成物は、実質的にエタノールを使用することなく、点滴静脈注射の際に用いる輸液に速やかに溶解可能であることが明らかになった。また、本発明の液体製剤は、高度に安定な製剤であることが明らかになった。
[実施例8及び9]
各成分の含有量を、表11に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例8及び9の液体製剤を得た。
実施例8及び9の製造適性を実施例1と同様に溶解時間と外観観察にて評価した。評価結果を表11に示す。表11中、「−」は未配合を示す。
なお、実施例8及び9で使用した、PEG300の平均分子量は285〜315であり、PEG400の平均分子量は380〜420であり、PEG600の平均分子量は570〜630である。
各成分の含有量を、表11に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例8及び9の液体製剤を得た。
実施例8及び9の製造適性を実施例1と同様に溶解時間と外観観察にて評価した。評価結果を表11に示す。表11中、「−」は未配合を示す。
なお、実施例8及び9で使用した、PEG300の平均分子量は285〜315であり、PEG400の平均分子量は380〜420であり、PEG600の平均分子量は570〜630である。
表11の結果から、速やかに輸液と混和する均一な溶液製剤を作製するためにはグリコールはPEG300〜PEG600が好ましく、さらに製造時間(溶解時間)の観点でグリコール中のPEG300の割合が9割以上であることがより好ましいことが明らかになった。
[実施例10〜12、及び参考例10〜13]
各成分の含有量を、表12及び13に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例10〜12及び参考例10〜13の液体製剤を得た。
実施例10及び11の製造適性を実施例1と同様に溶解時間と外観観察とを評価した。あわせて、輸液との混合性についても実施例1と同様に評価した。
評価結果を表12に示す。
各成分の含有量を、表12及び13に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例10〜12及び参考例10〜13の液体製剤を得た。
実施例10及び11の製造適性を実施例1と同様に溶解時間と外観観察とを評価した。あわせて、輸液との混合性についても実施例1と同様に評価した。
評価結果を表12に示す。
また、実施例10〜12および参考例10〜13の液体製剤について、実施例4と同様に、40℃75%相対湿度1ヵ月加速安定性試験を行った。その後の液体製剤の安定性を、高速液体クロマトグラフを用いて、分解物の総量を測定して評価した。高速液体クロマトグラフの測定条件等は実施例4と同様である。評価結果を表13に示す。なお、表13に示した生成した分解物の総量とは、実施例4に記載の7−エピドセタキセル、10−オキソドセタキセルおよびその他ドセタキセル類縁物質の生成量の総量を意味する。
表12及び13に記載の結果より、点滴投与の際に低刺激で、タキサン系活性成分がより安定な製剤とするためにはクエン酸の添加量は1.25mg/mL〜3.75mg/mLがより好ましいことが明らかになった。
2012年7月19日に出願の日本国出願番号2012−161001の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
2012年7月19日に出願の日本国出願番号2012−161001の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
前記の課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、(d)有機酸と、を含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上であり、(d)有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである液体組成物であって、(a)タキサン系活性成分がドセタキセル及びドセタキセル3水和物からなる群より選択される少なくとも1種であり、(b)グリコールがポリエチレングリコール300であり、(c)界面活性剤成分がポリソルベート80であり、(d)有機酸が無水クエン酸である、液体組成物。
<2> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<1>に記載の液体組成物。
<3> 界面活性剤成分が、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80である<1>または<2>に記載の液体組成物。
<4> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<5> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<6> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、(d)有機酸とを含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上であり、(d)有機酸の濃度が1.0mg/mL〜4.0mg/mLである混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法であって、(a)タキサン系活性成分がドセタキセル及びドセタキセル3水和物からなる群より選択される少なくとも1種であり、(b)グリコールがポリエチレングリコール300であり、(c)界面活性剤成分がポリソルベート80であり、(d)有機酸が無水クエン酸である、液体組成物の製造方法。
<7> 加熱溶解工程の加熱条件が35℃〜50℃である<6>に記載の液体組成物の製造方法。
<8> 加熱溶解工程により得られた溶解液を、濾過滅菌する工程を更に有する<6>または<7>に記載の液体組成物の製造方法。
<9> 水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の液体組成物が封入された液体製剤。
<1> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、(d)有機酸と、を含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上であり、(d)有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4.0mg/mLである液体組成物であって、(a)タキサン系活性成分がドセタキセル及びドセタキセル3水和物からなる群より選択される少なくとも1種であり、(b)グリコールがポリエチレングリコール300であり、(c)界面活性剤成分がポリソルベート80であり、(d)有機酸が無水クエン酸である、液体組成物。
<2> タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである<1>に記載の液体組成物。
<3> 界面活性剤成分が、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベート80である<1>または<2>に記載の液体組成物。
<4> 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<5> 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の液体組成物。
<6> (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、(d)有機酸とを含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が47.5/52.5〜52.5/47.5の範囲であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上であり、(d)有機酸の濃度が1.0mg/mL〜4.0mg/mLである混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法であって、(a)タキサン系活性成分がドセタキセル及びドセタキセル3水和物からなる群より選択される少なくとも1種であり、(b)グリコールがポリエチレングリコール300であり、(c)界面活性剤成分がポリソルベート80であり、(d)有機酸が無水クエン酸である、液体組成物の製造方法。
<7> 加熱溶解工程の加熱条件が35℃〜50℃である<6>に記載の液体組成物の製造方法。
<8> 加熱溶解工程により得られた溶解液を、濾過滅菌する工程を更に有する<6>または<7>に記載の液体組成物の製造方法。
<9> 水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の液体組成物が封入された液体製剤。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例2〜3及び実施例8〜9は、いずれも参照例と読み替えるものとする。
Claims (33)
- (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、
(b)少なくとも1種のグリコールと、
(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、
を含み、
(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲であり、
(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である液体組成物。 - (d)有機酸を更に含有する請求項1に記載の液体組成物。
- タキサン系活性成分が、ドセタキセルである請求項1または請求項2に記載の液体組成物。
- タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、分子量20〜600のグリコールを含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、ポリエチレングリコール300を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 界面活性剤成分が、ポリソルベート80を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 界面活性剤成分が、過酸化物価5meq/kg以下のポリソルベートである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 有機酸が、無水クエン酸を含む請求項2〜請求項9のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4mg/mLである請求項2〜請求項10のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の液体組成物。
- (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、
(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分と、
を含み、界面活性剤成分の過酸化物価が5meq/kg以下である液体組成物。 - タキサン系活性成分が、ドセタキセルである請求項14に記載の液体組成物。
- グリコールと界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45の範囲である請求項14または請求項15に記載の液体組成物。
- グリコールと界面活性剤成分との合計含有量が、液体組成物の全体積に対して95v/v%以上である請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 界面活性剤成分が、ポリソルベートである請求項14〜請求項17のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 界面活性剤成分が、ポリソルベート80である請求項14〜請求項18のいずれか1項に記載の液体組成物。
- (d)有機酸を更に含有する請求項14〜請求項19のいずれか1項に記載の液体組成物。
- タキサン系活性成分の濃度が、16mg/mL〜24mg/mLである請求項14〜請求項20のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、分子量20〜600のグリコールである請求項14〜請求項21のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、分子量20〜600のポリエチレングリコールである請求項14〜請求項22のいずれか1項に記載の液体組成物。
- グリコールが、ポリエチレングリコール300である請求項14〜請求項23のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 有機酸が、無水クエン酸である請求項20〜請求項24のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 有機酸の濃度が、1.0mg/mL〜4mg/mLである請求項20〜請求項25のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 蒸留水を用いて5倍に希釈したときのpHが3.0〜4.5の範囲である請求項14〜請求項26のいずれか1項に記載の液体組成物。
- 液体組成物の全体積に対するエタノール含有量が1v/v%未満である請求項14〜請求項27のいずれか1項に記載の液体組成物。
- (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含む混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
- (a)ドセタキセル及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種のタキサン系活性成分と、(b)少なくとも1種のグリコールと、(c)ポリソルベート、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレンひまし油誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤成分とを含み、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との体積比が45/55〜55/45であり、(b)グリコールと(c)界面活性剤成分との合計含有量が全体積に対して95v/v%以上である混合液を、共溶媒を使用せずに、加熱して、混合液中に含まれる(a)タキサン系活性成分を溶解する加熱溶解工程を有する、液体組成物の製造方法。
- 加熱溶解工程により得られた溶解液を、濾過滅菌する工程を更に有する請求項29または請求項30に記載の製造方法。
- 混合液が、更に(d)有機酸を含む請求項29〜請求項31のいずれか1項に記載の製造方法。
- 水を充填して121℃60分間加熱処理した場合における水へのナトリウム溶出量が1ppm以下であるバイアル瓶に、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の液体組成物が封入された液体製剤。
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