JP6285725B2 - エタノールフリードセタキセル医薬組成物 - Google Patents
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Description
(1) ドセタキセル及び/又はその薬学的に許容可能な塩を含有し、且つエタノールを含まない、医薬的に安定な溶液医薬組成物。
(2) ポリソルベート80を含み、さらにグリコフロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される1種以上を含有する前記(1)に記載の医薬組成物。
(3) ポリソルベート80及びグリコフロールを含有する前記(1)又は(2)に記載の医薬組成物。
(4) pH調整剤を含有する前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(5) 前記pH調整剤が、クエン酸である前記(4)に記載の医薬組成物。
(6) pHが2.7〜4.5である前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(7) 輸液に溶解後、1時間以上、均一で澄明な状態である前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(8) 輸液に溶解後、5時間以上、均一で澄明な状態である前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(9) 溶液粘度が、200mPa・s以下である前記(1)〜(8)のいずれか1項記載の医薬組成物。
(10) 治療有効量を輸液バッグに入った輸液に加えたとき、10秒以上60秒以下の振盪混和によって、前記輸液に完全に溶解することを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の医薬組成物。
なお、本発明の安定性試験においては、試料をバイアルに入れて密封するため、湿度は考慮しなくともよい。
グリコフロールとは、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテルとしても知られており、以下の構造を有する:
なお、本発明において、輸液バッグを振盪させる操作は、特に制限されるものではないが、具体的には、例えば輸液バッグを1分間に約30〜約100回上下させる速度で行ってもよい。また、上下させる振り幅は、特に限定されず、例えば、約1cm〜約50cmとしてもよい。また、前記輸液バッグは、通常この分野で用いられるものであれば特に限定されず、容量、材質等は所望により適宜選択してよい。
試液1gに水4mLを加えて、pHメーターにて測定した。
<性状の確認>
目視にて確認した。
<粘性(注射筒での抜き取りやすさ)の確認>
試験溶液をバイアルから注射筒(テルモシリンジ;10mL、テルモ注射針;18G×11/2)で抜き取ったときの抜き取り易さを評価した。
試験溶液10mL(表1に記載した試験溶液の2.5本相当)をバイアルから注射筒(テルモシリンジ;10mL、テルモ注射針;18G×11/2)に抜き取り、容量250mL(予備容量125mL)の輸液バッグに入れた250mLの生理食塩液に注入後、該輸液バッグをゆっくりと泡立てないように45秒間振盪させた。泡が消えるまで放置し溶解を確認し、溶解が不十分である場合、再度該輸液バッグを45秒間振盪させた。溶解後、輸液の性状(不溶物が析出するまでの時間)を目視にて確認した。
本品2mLを正確に量り、エタノール(99.5)2mLを加え、これに希釈液(アセトニトリル/水/酢酸(31)混液(100:100:0.1))を加えて正確に50mLとし、試料溶液とする。試料溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより測定を行う。
装置:液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:232nm)
カラム:φ4.6mm×150mmのステンレス管に、3.5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化剤を充填する。
カラム温度:45℃付近の一定温度
移動相A:水
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比(グラジエント条件)を次のように変えて濃度勾配を制御する。
注入後の時間(分) 移動相A(vol%) 移動相B(vol%)
0〜9 72 28
9〜39 72→28 28→72
39〜49 28→ 0 72→100
49〜40 0→72 100→28
流量:毎分1.2mL
類縁物質A:2−ジベンゾイル2−ペンタノイルドセタキセル
類縁物質B:6−オキソドセタキセル
類縁物質C:4−エピドセタキセル
類縁物質D:4−エピ−6−オキソドセタキセル
類縁物質の量(%)=AU/AT×100 (I)
ここで、AUは、試料溶液の個々の類縁物質のピーク面積、ATは、溶媒ピークを除く試料溶液中の全て(ドセタキセル及び全ての類縁物質)のピーク面積の総量である。
ドセタキセル無水物20mgをグリコフロール0.5mLに溶解させ、無水クエン酸を約5mg添加し、pHを3.2に調整した。その後、ポリソルベート80を0.5mL加え、溶液組成物を得た。
<実施例2〜8>
実施例1のドセタキセル無水物の含有量、ポリソルベートの含有量、ならびにポリソルベート80以外の可溶化剤を表1に示すとおりに変えた以外は、実施例1と同様にして溶液組成物を得た。
<比較例1>
実施例1のグリコフロール0.5mLを濃グリセリン0.5mLに変えた以外は、実施例1と同様にして溶液組成物を得た。
<参考例1>
ワンタキソテール点滴静注80mg/4mLを用いた。
上記実施例1〜8及び比較例1で得られた溶液組成物、ならびにワンタキソテール点滴静注80mg/4mL(参考例1)を、バイアルに入れて密封し、80℃で3日間保存した。
苛酷試験開始時の試験溶液の性状、抜き取りやすさ(粘性)、pH及び輸液溶解後の均一性維持時間について測定した。ただし、比較例1は、ドセタキセルが完全に溶解せず、均一で澄明な溶液とならなかったため、その他の試験については実施しなかった。
また、試験後、各溶液組成物について、性状、類縁物質含量の測定を実施した。
結果を表1に示す。
<性状及び抜き取りやすさ>
表中の「性状」及び「抜き取りやすさ」についての評価基準は以下の通りである。
◎:参考例1の結果よりも優れている、
〇:参考例1の結果と同等、
△:参考例1の結果よりも劣っている。
<医薬的安定性>
また、医薬的安定性については、類縁物質A、類縁物質B、類縁物質C、類縁物質D、及び類縁物質の総量に基づいて、下記のように評価した。
◎:類縁物質A 0.1%未満、類縁物質B 1%未満、
類縁物質C 0.5%未満、類縁物質D 0.2%未満、
及び、類縁物質の総量 2.5%未満
〇:(上記◎の条件の内、少なくとも1つが下記の結果であったもの)
類縁物質A 0.1〜0.2%、類縁物質B 1〜1.5%、
類縁物質C 0.5〜1%、類縁物質D 0.2〜0.5%、
又は、類縁物質の総量 2.5〜3.5%
△:(上記◎の条件の内、少なくとも1つが下記の結果であったもの)
類縁物質A 0.2%超過、類縁物質B 1.5%超過、
類縁物質C 1%超過、類縁物質D 0.5%超過、
又は、類縁物質の総量 3.5%超過
Claims (8)
- ドセタキセル及び/又はその薬学的に許容可能な塩、ポリソルベート80、グリコフロール、ポリエチレングリコール、及びクエン酸を含有し、且つエタノールを含まない、医薬的に安定な溶液医薬組成物であり、グリコフロールを組成物中に5〜60v/v%含有する医薬組成物。
- ポリソルベート80を組成物中に10〜60v/v%含有する請求項1に記載の医薬組成物。
- クエン酸を組成物中に5〜200mg/mL含有する請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- pHが2.7〜4.5である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 輸液に溶解後、1時間以上、均一で澄明な状態である請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 輸液に溶解後、5時間以上、均一で澄明な状態である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 溶液粘度が、200mPa・s以下である請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
- 治療有効量を輸液バッグに入った輸液に加えたとき、10秒以上60秒以下の振盪混和によって、前記輸液に完全に溶解することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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