本発明は、複数種の画像データから出力画像データを生成する技術に関する。
立体画像は、一般的に、左眼で観察される左画像と、右眼で観察される右画像と、を用いて表現される(特許文献1参照)。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさは、立体画像の質に大きく影響する。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれが過度に大きいならば、観察者は、過度に強調された立体感を受けることもある。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれが過度に小さいならば、観察者は、画像を立体的に知覚できないこともある。したがって、左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさの調整は、立体画像を作成する編集者にとって、重要である。
複数種の画像を比較することによって、画像中に表された物の時間的な変化も容易に確認され得る。例えば、経時的な色変化や手術といった処理の前後の視覚的な特性の変化は、複数種の画像の比較によって明確に把握され得る。
上述の如く、複数種の画像間の比較によって、様々な視覚的な情報を取得することが可能であるが、現状において、複数種の画像を容易に比較するための技術は存在しない。例えば、左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさの調整は、編集者の技量に大きく依存する。
本発明は、複数種の画像を容易に比較するための技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像データ処理装置は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成する。画像データ処理装置は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する抽出部を備える。該抽出部は、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを処理し、前記出力画像データを生成する。
本発明の他の局面に係る画像データ処理方法は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成するために利用される。画像データ処理方法は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する段階と、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを用いて、前記出力画像データを生成する段階と、を備える。
本発明は、使用者に複数種の画像を容易に比較させることができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
例示的なデータ処理システムの機能構成を表す概略的なブロック図である。
図1に示されるデータ処理システムの表示面の概略的な正面図である。
図1に示されるデータ処理システムの第1記憶部に記憶された第1画像データによって表現される例示的な第1画像の概略図である。
図1に示されるデータ処理システムの第2記憶部に記憶された第2画像データによって表現される例示的な第2画像の概略図である。
図3Aに示される第1画像の概略図である。
図3Bに示される第2画像の概略図である。
図4Aに示される第1画像を表現する第1画像データの概念図である。
図4Bに示される第2画像を表現する第2画像データの概念図である。
図1に示されるデータ処理システムが生成する出力画像データの概念図である。
図6に示される出力画像データによって表現される出力画像の概略図である。
図1に示されるデータ処理システムの画像データ処理装置が実行するデータ処理の概略的なフローチャートである。
例示的な撮像システムの概略図である。
図9に示される撮像システムのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
図10に示される撮像システムが実行する画像処理を表す概略的なフローチャートである。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する画像データの抽出処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する画像データの抽出処理の概念図である。
図10に示される撮像システムが出力する出力画像の生成に用いられるデータ領域の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する出力画像データの生成処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が出力画像データに組み込む境界データによって表される例示的な境界線像の概略図である。
図16に示される境界線像を含む出力画像の生成処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が出力画像データに組み込む識別データによって表される例示的な識別像の概略図である。
図18に示される識別像を含む出力画像の生成処理の概念図である。
左画像が表示される領域と右画像が表示される領域とを識別するための識別パターンの概念図である。
他の撮像システムの概略図である。
例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。
例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。
他の撮像システムのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
図24に示される撮像システムの表示装置の概略図である。
瞼の切開手術の前に撮影された眼の画像である。
瞼の切開手術の後に撮影された眼の画像である。
図26A及び図26Bに示される画像から作成された出力画像である。
画像データを処理するための例示的な技術が、図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。また、データ処理技術の概念の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、本実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。
(データ処理システム)
図1は、例示的なデータ処理システム100の機能構成を表す概略的なブロック図である。図1を参照して、データ処理システム100が説明される。
データ処理システム100は、データ生成装置200と、表示装置300と、画像データ処理装置400と、を備える。データ生成装置200は、複数の種類の画像データを生成する。データ処理システム100が、立体画像を生成するために用いられるならば、データ生成装置200は、左眼で観察される左画像を表現するための左画像データと、右眼で観察される右画像を表現するための右画像データと、を生成する。データ処理システム100が、視覚的に把握される特性の時間的な変化に関する情報の取得に用いられるならば、データ生成装置200は、異なる時刻に取得された画像データを生成する。データ生成装置200は、カメラ装置であってもよく、或いは、画像データを生成することができる他の装置(例えば、コンピュータ)であってもよい。複数の種類の画像データは、データ生成装置200から画像データ処理装置400へ送られる。画像データ処理装置400は、ケーブルによってデータ生成装置200に接続されてもよい。この場合、画像データは、ケーブルを通じて、画像データ処理装置400に電気信号として送信される。代替的に、画像データは、無線信号として、データ生成装置200から画像データ処理装置400へ送られてもよい。画像データ処理装置400は、複数の種類の画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、画像データ処理装置400から表示装置300へ送られる。表示装置300は、表示面310を備える。表示装置300は、出力画像データによって表される出力画像を表示面310に表示する。使用者は、表示面310に写し出された出力画像を参照し、複数の種類の画像データを同時に観察並びに比較することができる。表示装置300は、データ処理システム100に専ら用いられる専用のモニタ装置であってもよい。代替的に、表示装置300は、表示機能を有する携帯端末であってもよい。データ生成装置200と画像データ処理装置400との間のデータ伝送技術と同様に、画像データ処理装置400から表示装置300へのデータ伝送は、有線式であってもよく、或いは、無線式であってもよい。
画像データ処理装置400は、記憶部410と、抽出部420と、を備える。記憶部410は、データ生成装置200が生成した複数の種類の画像データを記憶する。抽出部420は、複数の種類の画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、抽出部420から表示装置300へ送られる。
記憶部410は、第1記憶部411と、第2記憶部412と、を含む。データ処理システム100が、立体画像の生成に利用されるならば、第1記憶部411は、左画像及び右画像のうち一方を記憶する一方で、第2記憶部412は、左画像及び右画像のうち他方を記憶する。データ処理システム100が、視覚的に把握される特性の時間的な変化に関する情報の取得に用いられるならば、第1記憶部411は、先に取得された画像データを記憶し、第2記憶部412は、後に取得された画像データを記憶してもよい。以下の説明において、第1記憶部411に記憶された画像データは、「第1画像データ」と称される。第2記憶部412に記憶された画像データは、「第2画像データ」と称される。
記憶部410は、磁気的或いは光学的な記憶ディスクやUSBメモリといった一般的な記憶媒体であってもよい。第1記憶部411及び第2記憶部412は、記憶媒体中の異なる記憶領域であってもよい。
本実施形態において、データ生成装置200は、2種類の画像データを画像データ処理装置400に出力する。代替的に、データ生成装置は、3種類以上の画像データを画像データ処理装置へ出力してもよい。この場合、画像データ処理装置の記憶部は、3種類以上の記憶領域(或いは、記憶素子)を含んでもよい。
抽出部420は、読出部421と、合成部422と、を含む。読出部421は、第1記憶部411から第1画像データを読み出す。読出部421は、第2記憶部412から第2画像データを読み出す。第1画像データ及び第2画像データは、読出部421から合成部422へ出力される。合成部422は、第1画像データ及び第2画像データを処理し、出力画像データを生成する。出力画像データは、合成部422から表示装置300へ出力される。
図2は、表示面310の概略的な正面図である。図1及び図2を参照して、表示面310が説明される。
図2に示される表示面310は、複数の第1領域311と、複数の第2領域312と、に概念的に区分されている。本実施形態において、表示面310は、均等に区分されている。代替的に、表示面310は、不均等に区分されてもよい。
各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域である。各第2領域312も、水平方向に延びる帯状の領域である。代替的に、第1領域及び第2領域は、他の形状であってもよい。例えば、第1領域及び第2領域は、垂直方向に延びる帯状の領域であってもよい。
第1領域311及び第2領域312は、交互に垂直方向に配列される。したがって、第2領域312は、第1領域311に上下に隣り合う。第1領域及び第2領域が、垂直方向に延びる帯状の領域であるならば、第1領域及び第2領域は、交互に水平方向に配列される。この場合、第2領域は、第1領域に左右に隣り合う。
図1を参照して説明された如く、出力画像データによって表される出力画像は、表示面310に亘って全体的に表示される。以下の説明において、第1領域311に表示される画像は、「第1領域画像」と称される。第2領域312に表示される画像は、「第2領域画像」と称される。
図3Aは、第1記憶部411に記憶された第1画像データによって表現される例示的な第1画像FIの概略図である。図3Bは、第2記憶部412に記憶された第2画像データによって表現される例示的な第2画像SIの概略図である。図1乃至図3Bを参照して、第1画像FI及び第2画像SIが説明される。
第1画像データによって表現される第1画像FIは、表示面310と等しい形状及び大きさを有してもよい。同様に、第2画像データによって表現される第2画像SIは、表示面310と等しい形状及び大きさを有してもよい。したがって、図2を参照して説明された表示面310に対する領域分割の手法にしたがって、第1画像FI及び第2画像SIが分割されるように、合成部422は、第1画像データ及び第2画像データを処理することができる。
図4Aは、第1画像FIの概略図である。図4Bは、第2画像SIの概略図である。図2、図4A及び図4Bを参照して、第1画像FI及び第2画像SIが更に説明される。
第1画像FIは、複数の第1領域311にそれぞれ対応する複数の領域FR1と、複数の第2領域312にそれぞれ対応する複数の領域FR2と、を含む。第1画像FIが表示面310に表示されるならば、複数の領域FR1内の画像部分は、複数の第1領域311にそれぞれ表示される。第1画像FIが表示面310に表示されるならば、複数の領域FR2内の画像部分は、複数の第2領域312にそれぞれ表示される。本実施形態において、領域FR1は、第1対応領域として例示される。
本実施形態において、各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域FR1も水平方向に延びる帯状の領域になる。また、各第2領域312は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域FR2も水平方向に延びる帯状の領域になる。尚、第1画像中で区画される領域の形状は、表示面中の分割概念に応じて決定される。したがって、表示面が垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画されるならば、第1画像中の領域も垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画される。本実施形態において、領域FR1は、第1帯状領域として例示される。
第2画像SIは、複数の第1領域311にそれぞれ対応する複数の領域SR1と、複数の第2領域312にそれぞれ対応する複数の領域SR2と、を含む。第2画像SIが表示面310に表示されるならば、複数の領域SR1内の画像部分は、複数の第1領域311にそれぞれ表示される。第2画像SIが表示面310に表示されるならば、複数の領域SR2内の画像部分は、複数の第2領域312にそれぞれ表示される。本実施形態において、領域SR2は、第2対応領域として例示される。
本実施形態において、各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域SR1も水平方向に延びる帯状の領域になる。また、各第2領域312は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域SR2も水平方向に延びる帯状の領域になる。尚、第2画像中で区画される領域の形状は、表示面中の分割概念に応じて決定される。したがって、表示面が垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画されるならば、第2画像中の領域も垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画される。本実施形態において、領域SR2は、第2帯状領域として例示される。
図5Aは、第1画像FIを表現する第1画像データFDTの概念図である。図5Bは、第2画像SIを表現する第2画像データSDTの概念図である。図4A乃至図5Bを参照して、第1画像データFDT及び第2画像データSDTが説明される。
第1画像データFDTは、領域FR1内で表示される画像を表現するデータ部分FDR1と、領域FR2内で表示される画像を表現するデータ部分FDR2と、を含む。第2画像データSDTは、領域SR1内で表示される画像を表現するデータ部分SDR1と、領域SR2内で表示される画像を表現するデータ部分SDR2と、を含む。
図6は、出力画像データOIDの概念図である。図1、図2、図5A乃至図6を参照して、抽出部420によるデータ処理が説明される。
読出部421は、第1記憶部411から第1画像データFDTを読み出す。また、読出部421は、第2記憶部412から第2画像データSDTを読み出す。
読出部421は、第1画像データFDTからデータ部分FDR1を抽出する。また、読出部421は、第2画像データSDTから、データ部分SDR2を抽出する。データ部分FDR1,SDR2は、読出部421から合成部422へ出力される。本実施形態において、データ部分FDR1は、第1抽出データとして例示される。データ部分SDR2は、第2抽出データとして例示される。
合成部422は、第1領域311に表示される画像を表すデータとして、データ部分FDR1を処理する。合成部422は、第2領域312に表示される画像を表すデータとして、データ部分SDR2を処理する。この結果、データ部分FDR1,SDR2を含む出力画像データOIDが生成される。
図7は、出力画像データOIDによって表現される出力画像OIの概略図である。図1乃至図3B、図6及び図7を参照して、出力画像OIが説明される。
合成部422による合成処理の結果、出力画像OIは、複数の領域FR1と複数の領域SR2とを含む。出力画像OI中において、領域FR1及び領域SR2は、交互に配列される。領域FR1は、第1領域311に表示される。領域SR2は、第2領域312に表示される。領域FR1,SR2は、表示面310に同時に表示されるので、使用者は、第1画像FIと第2画像SIとを容易に比較することができる。本実施形態において、領域FR1は、第1領域画像として例示される。領域SR2は、第2領域画像として例示される。
図8は、画像データ処理装置400が実行するデータ処理の概略的なフローチャートである。図1及び図8を参照して、画像データ処理装置400のデータ処理が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、第1記憶部411は、第1画像を表す第1画像データを記憶する。第2記憶部412は、第2画像を表す第2画像データを記憶する。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、読出部421は、第1記憶部411から第1画像データを読み出す。また、読出部421は、第2記憶部412から第2画像データを読み出す。読出部421は、その後、第1画像データから一部のデータを抽出する。また、読出部421は、第2画像データから一部のデータを抽出する。代替的に、読出部421は、第1画像データを読み出しながら、第1画像データの一部を抽出してもよい。読出部421は、第2画像データを読み出しながら、第2画像データの一部を抽出してもよい。読出部421による読出並びに抽出処理の手法は、本実施形態の原理を何ら限定しない。抽出されたデータは、読出部421から合成部422へ出力される。その後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、合成部422は、読出部421から受け取ったデータを合成し、出力画像データを生成する。
(立体画像の作成への用途)
上述のデータ処理技術は、立体画像の作成に有用である。
図9は、撮像システム110の概略図である。図1乃至図3B、図5A乃至図7並びに図9を参照して、撮像システム110が説明される。尚、図1を参照して説明された様々な要素と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、図1乃至図8に基づく説明が適用される。
撮像システム110は、カメラ装置500と、表示装置300と、ケーブル320と、を備える。カメラ装置500は、データ生成装置200の機能と画像データ処理装置400の機能とを有する(図1を参照)。
カメラ装置500は、筐体510と、左レンズ部521と、右レンズ部531と、を備える。筐体510は、左レンズ部521と右レンズ部531とを保持する。左レンズ部521及び右レンズ部531は水平方向に整列する。カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531を用いて、被写体Oを撮像する。尚、カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531を同時に用いて、被写体Oを撮像してもよい。代替的に、カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531のうち一方を先に用いて被写体Oを撮像し、その後、左レンズ部521及び右レンズ部531のうち他方を用いて被写体Oを撮像してもよい。
カメラ装置500は、左レンズ部521を通じて入射した光を用いて、左画像データを生成する。また、カメラ装置500は、右レンズ部531を通じて入射した光を用いて、右画像データを生成する。左画像データは、左眼で観察される左画像を生成するために利用される。右画像データは、右眼で観察される右画像を生成するために利用される。左画像データは、第1画像データFDTとして処理されてもよい(図5Aを参照)。この場合、左画像は、第1画像FIとして表示される(図3Aを参照)。右画像データは、第2画像データSDTとして処理されてもよい(図5Bを参照)。この場合、右画像は、第2画像SIとして表示される(図3Bを参照)。
筐体510は、左画像データ及び右画像データを処理するための様々な装置を収容する。ケーブル320は、カメラ装置500と表示装置300とに接続される。カメラ装置500は、左画像データ及び右画像データを処理し、出力画像データOIDを生成する(図6を参照)。出力画像データOIDは、ケーブル320を通じて、カメラ装置500から表示装置300へ出力される。
表示装置300は、表示面310上に、出力画像データOIDに応じて、出力画像OIを表示する(図7を参照)。この結果、使用者は、左画像内の被写体Oと右画像内の被写体Oとの間の位置的な差異を視覚的に把握することができる。両画像内の被写体Oの位置的な差異が適切な値になるように、使用者は、カメラ装置500を調整することができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データ及び右画像データを表示装置300に選択的に出力してもよい。この結果、使用者は、左レンズ部521に対する調整作業と、右レンズ部531に対する調整作業と、を個別に行うことができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データ全てを出力する出力動作と、右画像データ全てを出力する出力動作と、を交互に繰り返してもよい。この間、表示装置300は、表示面310全体に左画像を表示する表示動作と、表示面310全体に右画像を表示する表示動作と、を実行することができる。使用者が、これらの表示動作の切替に同期して開閉する眼鏡装置を通じて、表示面310を観察するならば、使用者は、左眼で左画像を観察し、右眼で右画像を観察することができる。この結果、使用者は、表示面310に表示された映像を立体的に知覚することができる。したがって、使用者は、左画像データと右画像データとによって表現される立体画像の質を評価することができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、右画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作と、右画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、左画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作と、を交互に切り替えてもよい。カメラ装置500が、左画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、右画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作を実行している間、表示装置300は、第1領域311に左画像を表示し、第2領域312に右画像を表示することができる(図2を参照)。カメラ装置500が、右画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、左画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作を実行している間、表示装置300は、第1領域311に右画像を表示し、第2領域312に左画像を表示することができる(図2を参照)。この場合、表示装置300は、第1領域311から出射される映像光と第2領域312から出射される映像光に対して、互いに異なる光学的特性を与えてもよい。使用者が着用する眼鏡装置が、光学的特性に応じて光の透過及び遮断を行う光学素子を有するならば、使用者は、表示面310上に表示された映像を立体的に知覚することができる。したがって、使用者は、左画像データと右画像データとによって表現される立体画像の質を評価することができる。
カメラ装置500は、使用者に立体的に映像を知覚させるための既知の様々な技術にしたがって、表示装置300への出力動作を変更してもよい。
図10は、撮像システム110のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図1、図9及び図10を参照して、撮像システム110が更に説明される。
カメラ装置500は、左撮像部520と、右撮像部530と、レンズ制御部540と、信号処理部550と、メモリ560と、入力インターフェース570と、を備える。左撮像部520は、左画像データを生成する。左画像データは、信号処理部550に出力され、その後、メモリ560に格納される。右撮像部530は、右画像データを生成する。右画像データは、信号処理部550に出力され、その後、メモリ560に格納される。左撮像部520及び右撮像部530は、データ生成装置200に対応する(図1を参照)。メモリ560は、記憶部410に対応する(図1を参照)。
信号処理部550は、メモリ560から、左画像データ及び右画像データを読み出す。信号処理部550は、その後、左画像データ及び右画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、信号処理部550から表示装置300へ出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、出力画像を表示面310に表示する。
入力インターフェース570は、キーボード、マウス、入力ボタン、リモートコントローラ、タッチパネルやケーブルを介して信号処理部550に接続された外部入力装置であってもよい。使用者は、表示面310に写し出された画像を観察し、入力インターフェース570に所望の動作を行ってもよい。入力インターフェース570は、使用者の操作に応じた操作信号を信号処理部550に出力する。信号処理部550は、レンズ制御部540及び/又は表示装置300を駆動するための駆動信号を出力してもよい。
レンズ制御部540は、信号処理部550からの駆動信号に応じて、左撮像部520と右撮像部530とを制御する。この結果、撮像システム110は、立体画像を適切に作成することができる。
左撮像部520は、上述の左レンズ部521を備える。左レンズ部521は、複数のレンズを含むレンズ群であってもよい。左レンズ部521に加えて、左撮像部520は、左撮像素子522と、左AD変換器523と、左アクチュエータ524と、を備える。
左アクチュエータ524は、レンズ制御部540の制御下で、左レンズ部521を動作させる。例えば、左アクチュエータ524は、左レンズ部521のレンズ間の距離を調整してもよい。この結果、被写体Oからの光に対する焦点が適切に調整される。また、左レンズ部521のレンズ間の距離の調整によって、ズーム機能がもたらされてもよい。左アクチュエータ524は、モータや、レンズを駆動することができる他の動力装置であってもよい。
左撮像素子522は、左レンズ部521を透過した光を受ける。左撮像素子522は、その後、受光された光のエネルギを、電気エネルギに変換する。この結果、被写体Oからの光は、電気信号に変換される。電気信号は、左撮像素子522から左AD変換器523へ出力される。
左撮像素子522は、アナログ信号を左AD変換器523へ出力する。左AD変換器523は、アナログ信号を、デジタル信号に変換する。デジタル信号は、左画像データに相当する。アナログ信号からデジタル信号への変換によって、信号処理部550は、左画像データを容易に処理することができる。
右撮像部530は、上述の右レンズ部531を備える。右レンズ部531は、複数のレンズを含むレンズ群であってもよい。右レンズ部531に加えて、右撮像部530は、右撮像素子532と、右AD変換器533と、右アクチュエータ534と、を備える。
右アクチュエータ534は、レンズ制御部540の制御下で、右レンズ部531を動作させる。例えば、右アクチュエータ534は、右レンズ部531のレンズ間の距離を調整してもよい。この結果、被写体Oからの光に対する焦点が適切に調整される。また、右レンズ部531のレンズ間の距離の調整によって、ズーム機能がもたらされてもよい。右アクチュエータ534は、モータや、レンズを駆動することができる他の動力装置であってもよい。
右撮像素子532は、右レンズ部531を透過した光を受ける。右撮像素子532は、その後、受光された光のエネルギを、電気エネルギに変換する。この結果、被写体Oからの光は、電気信号に変換される。電気信号は、右撮像素子532から右AD変換器533へ出力される。
右撮像素子532は、アナログ信号を右AD変換器533へ出力する。右AD変換器533は、アナログ信号を、デジタル信号に変換する。デジタル信号は、右画像データに相当する。アナログ信号からデジタル信号への変換によって、信号処理部550は、右画像データを容易に処理することができる。
信号処理部550は、左信号処理部551と、右信号処理部552と、処理制御部553と、を備える。左信号処理部551及び右信号処理部552は、処理制御部553の制御下で動作する。
上述の如く、左AD変換器523は、左画像データに相当するデジタル信号を生成する。デジタル信号は、左AD変換器523から左信号処理部551に出力される。左AD変換器523は、処理制御部553の制御下で、デジタル信号を処理する。処理制御部553が、デジタル信号によって定められる輝度レベルを増大させる指示を左信号処理部551に与えるならば、左信号処理部551は、デジタル信号を処理し、輝度レベルを増大させる。尚、処理制御部553は、左信号処理部551に、コントラストを調整するための補正指示、色相を調整するための補正指示、エッジ(輪郭)の強度を調整するための補正指示を与えてもよい。左信号処理部551は、処理制御部553の制御下で様々な信号処理を行うことができる。
上述の如く、右AD変換器533は、右画像データに相当するデジタル信号を生成する。デジタル信号は、右AD変換器533から右信号処理部552に出力される。右AD変換器533は、処理制御部553の制御下で、デジタル信号を処理する。処理制御部553が、デジタル信号によって定められる輝度レベルを増大させる指示を右信号処理部552に与えるならば、右信号処理部552は、デジタル信号を処理し、輝度レベルを増大させる。尚、処理制御部553は、右信号処理部552に、コントラストを調整するための補正指示、色相を調整するための補正指示、エッジ(輪郭)の強度を調整するための補正指示を与えてもよい。右信号処理部552は、処理制御部553の制御下で様々な信号処理を行うことができる。
処理制御部553は、左信号処理部551に入力されるデジタル信号及び右信号処理部552に入力されるデジタル信号に対する処理内容を決定する。処理内容は、処理制御部553から左信号処理部551及び右信号処理部552のそれぞれに通知される。左信号処理部551によって処理されたデジタル信号によって表される左画像データ及び右信号処理部552によって処理されたデジタル信号によって表される右画像データは、メモリ560に記憶される。処理制御部553は、メモリ560に記憶される左画像データ及び右画像データのバランスをとるためのバランス制御を行う。
上述の如く、表示面310は、左画像データによって表される左画像の一部及び右画像データによって表される右画像の一部が交互に並べられた出力画像を表示する。例えば、使用者は、表示面310に写し出された左画像と右画像とを対比し、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見出す。このとき、表示面310に写し出された左画像と右画像との間での輝度レベル、色相、コントラストやエッジ強度の差異が大きいならば、使用者は、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見極めにくいこともある。例えば、左画像及び右画像のうち一方が明るく、他方が暗いならば、使用者は、両画像を比較しにくいこともある。上述のバランス制御は、表示面310に写し出された左画像と右画像との間での輝度レベル、色相、コントラストやエッジ強度の差異を適切な値にすることを目的とする。
使用者が、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見極めようとするならば、被写体Oを除く領域を表すデジタル信号間での差異は、小さいことが好ましいこともある。この場合、被写体Oを除く領域を表すデジタル信号間での差異が小さくなるように、処理制御部553は、上述のバランス制御の内容を決定してもよい。左信号処理部551及び右信号処理部552は、決定された内容のバランス制御の下、デジタル信号を処理してもよい。バランス制御は、比較の目的となる対象以外の領域に関して、左画像と右画像との間の差異を所定の値以下にすることを目的としてもよい。
処理制御部553は、バランス制御下で処理された左画像データ及び右画像データをメモリ560に出力する。メモリ560は、左画像データ及び右画像データを記憶する。
処理制御部553は、その後、メモリ560から左画像データ及び右画像データを読み出す。この点において、処理制御部553は、読出部421に相当する(図1を参照)。
処理制御部553は、その後、左画像データの一部及び右画像データの一部を抽出する。処理制御部553は、左画像データを上述の第1画像データとして処理してもよい。この場合、処理制御部553は、右画像データを上述の第2画像データとして処理する。代替的に、処理制御部553は、右画像データを上述の第1画像データとして処理してもよい。この場合、処理制御部553は、左画像データを上述の第2画像データとして処理する。
処理制御部553は、左画像データの一部と右画像データの一部とを組み合わせ、出力画像データを生成する。この点において、処理制御部553は、合成部422に相当する(図1を参照)。
出力画像データは、処理制御部553から表示装置300に出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、出力画像を表示する。
図11は、撮像システム110が実行する画像処理を表す概略的なフローチャートである。図10及び図11を参照して、撮像システム110が実行する画像処理が説明される。
(ステップS210)
ステップS210において、左撮像部520及び右撮像部530は、撮像を行う。この結果、左画像データの生成に用いられるデジタル信号は、左撮像部520から左信号処理部551に出力される。右画像データの生成に用いられるデジタル信号は、右撮像部530から右信号処理部552へ出力される。デジタル信号の出力の後、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、左信号処理部551及び右信号処理部552は、デジタル信号を処理する。処理制御部553は、左信号処理部551及び右信号処理部552に入力されたデジタル信号を解析し、バランス制御の内容を決定する。バランス制御の内容は、左信号処理部551と右信号処理部552とに通知される。左信号処理部551及び右信号処理部552は、処理制御部553による上述のバランス制御下で、信号処理を実行してもよい。信号処理の後、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、処理制御部553は、左信号処理部551によって処理されたデジタル信号を左画像データとしてメモリ560に格納する。また、処理制御部553は、右信号処理部552によって処理されたデジタル信号を右画像データとしてメモリ560に格納する。メモリ560へのデータの記録の後、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
ステップS240において、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをメモリ560から読み出す。処理制御部553は、左画像データの一部を出力画像データの一部として利用される画像データとして抽出する。また、処理制御部553は、右画像データの一部を出力画像データの一部として利用される画像データとして抽出する。処理制御部553は、抽出された画像データを組み合わせ、出力画像データを生成する。出力画像データの生成の後、ステップS250が実行される。
(ステップS250)
ステップS250において、出力画像データは、処理制御部553から表示装置300へ出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、表示面310に出力画像を表示する。この結果、使用者は、左画像と右画像とを同時に観察することができる。例えば、使用者は、左画像中の被写体の水平位置と、右画像中の被写体の水平位置と、の間の差異を、左画像と右画像との間の視差量として知覚することができる。両画像間の被写体の位置的な差異が大きいならば、使用者は、左画像と右画像との間の視差量が大きいと判断することができる。両画像間の被写体の位置的な差異が小さいならば、使用者は、左画像と右画像との間の視差量が大きいと判断することができる。
使用者は、視差量の関する上述の判断結果に応じて、左画像と右画像との間の視差量を適切に調整することができる。例えば、使用者は、入力インターフェース570を操作し、左撮像部520及び右撮像部530を調整してもよい。焦点を合わせられた被写体に関する視差量が適切な値となるように、使用者は、左撮像部520及び右撮像部530を調整することができる。或いは、表示面310に現れる画像全体に関する視差量が適切な値となるように、使用者は、左撮像部520及び右撮像部530を調整することができる。使用者は、視差量の調整のために、左撮像部520と右撮像部530との間の距離や輻輳角を調整してもよい。
本実施形態の原理によって、使用者は、左画像と右画像との間の視差量を容易に把握することができる。この結果、使用者は、左画像と右画像とを取得するための様々な設定を容易且つ適切に調整することができる。
図12は、ステップS240において処理制御部553が実行する画像データの抽出処理の概念図である。図10乃至図12を参照して、処理制御部553が実行する画像データの抽出処理が説明される。
図12は、例示的な左画像と、左画像に対応する左画像データと、を示す。図12に示される左画像は、水平方向に延びる18個の矩形領域を用いて、概念的に区分されている。説明の明瞭化のため、各矩形領域には、上から番号が順に付されている。最も上の矩形領域には、数字「1」が付され、最も下の矩形領域には、数字「18」が付されている。奇数が付された矩形領域及び偶数が付された矩形領域は垂直方向に交互に整列する。左画像は、奇数が付された矩形領域と偶数が付された矩形領域とによって表現される。
左画像データは、左画像を表現するので、左画像に対する上述の区画パターンが得られるように、処理制御部553は、左画像データを区分することができる。ステップS240において、処理制御部553は、奇数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、左画像データから抽出する。
図13は、ステップS240において処理制御部553が実行する画像データの抽出処理の概念図である。図10乃至図13を参照して、処理制御部553が実行する画像データの抽出処理が説明される。
図13は、例示的な右画像と、右画像に対応する右画像データと、を示す。図12を参照して説明された左画像と同様に、図13に示される右画像は、水平方向に延びる18個の矩形領域を用いて、概念的に区分されている。説明の明瞭化のため、各矩形領域には、上から番号が順に付されている。最も上の矩形領域には、数字「1」が付され、最も下の矩形領域には、数字「18」が付されている。奇数が付された矩形領域及び偶数が付された矩形領域は垂直方向に交互に整列する。右画像は、奇数が付された矩形領域と偶数が付された矩形領域とによって表現される。図13に示される右画像に対する区画パターンは、図12を参照して説明された左画像に対する区画パターンと同一である。
右画像データは、右画像を表現するので、右画像に対する上述の区画パターンが得られるように、処理制御部553は、右画像データを区分することができる。ステップS240において、処理制御部553は、偶数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、右画像データから抽出する。
図14は、出力画像の生成に用いられるデータ領域の概念図である。図2、図10乃至図14を参照して、ステップS240において処理制御部553が実行する出力画像データの生成処理が説明される。
図14は、18個のデータ領域を概念的に表す。説明の明瞭化のため、各データ領域には、上から番号が順に付されている。最も上のデータ領域には、数字「1」が付され、最も下のデータ領域には、数字「18」が付されている。
奇数が付されたデータ領域は、第1領域311に表示される画像を表すデータのために割り当てられる(図2を参照)。偶数が付されたデータ領域は、第2領域312に表示されるデータのために割り当てられる(図2を参照)。尚、これらのデータ領域は、メモリ560の記憶領域の一部であってもよい。
図11を参照して説明された如く、処理制御部553は、奇数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、左画像データから抽出する。処理制御部553は、奇数が付されたデータ領域に書き込む。
図12を参照して説明された如く、処理制御部553は、偶数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、右画像データから抽出する。処理制御部553は、偶数が付されたデータ領域に書き込む。
図15は、ステップS240において処理制御部553が実行する出力画像データの生成処理の概念図である。図10及び図15を参照して、出力画像データの生成処理が説明される。
処理制御部553の上述の書込処理によって抽出された左画像データが表現する画像は、第1領域311に表示される。処理制御部553の上述の書込処理によって抽出された右画像データが表現する画像は、第2領域312に表示される。この結果、左画像を表す矩形領域及び右画像を表す矩形領域が交互に垂直方向に整列した画像が、出力画像として、表示面310上に表示される。
本実施形態において、左画像が表示される矩形領域及び右画像が表示される矩形領域は、交互に設定されている。代替的に、表示面310中において、左画像が表示される矩形領域が部分的に連続する領域が存在してもよい。同様に、表示面310中において、右画像が表示される矩形領域が部分的に連続する領域が存在してもよい。使用者が、特定の垂直位置において、左画像と右画像との間の水平方向の位置差を確認したいならば、特定の垂直位置において、左画像と右画像との間の境界が現れるように、処理制御部553は、画像データの抽出処理を行ってもよい。
本実施形態において、表示面310は、均等に分割されている。代替的に、表示面310が概念的に不均等に分割されるように、処理制御部553は画像データの抽出処理を行ってもよい。
図16は、処理制御部553が出力画像データに組み込む境界データによって表される例示的な境界線像の概略図である。図10、図14及び図16を参照して、境界線像が説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。出力画像中に、左画像と右画像との間の境界が表されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。境界線像は、左画像と右画像との間の境界を表す。
境界線像は、第1境界線FBLと第2境界線SBLとを含んでもよい。本実施形態において、第1境界線FBLは、第2境界線SBLよりも太い。代替的に、第1境界線FBLは、第2境界線SBLと色相において相違してもよい。
データ領域へ書き込まれるデータが、右画像データから左画像データに切り替えられるときに、処理制御部553は、第1境界線FBLを表すデータをデータ領域に書き込んでもよい。データ領域へ書き込まれるデータが、左画像データから右画像データに切り替えられるときに、処理制御部553は、第2境界線SBLを表すデータをデータ領域に書き込んでもよい。
図17は、境界線像を含む出力画像の生成処理の概念図である。図10及び図17を参照して、出力画像の生成処理が説明される。
上述の如く、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをデータ領域に書き込む間、境界データも書き込む。この結果、出力画像は、左画像と右画像とに加えて、境界線像も含むことになる。使用者は、第1境界線FBLの下方、且つ、第2境界線SBLの上方に存在する領域に表される画像を、左画像として識別することができる。また、使用者は、第1境界線FBLの上方、且つ、第2境界線SBLの下方に存在する領域に表される画像を、右画像として識別することができる。
本実施形態において、2種類の境界線が用いられている。代替的に、1種類の境界線が利用されてもよい。この場合、使用者は、境界線間の領域に左画像及び右画像が含まれていると認識した上で、左右の画像間の視差量を見極めることができる。
図18は、処理制御部553が出力画像データに組み込む識別データによって表される例示的な識別像の概略図である。図10、図16及び図18を参照して、識別像が説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。左画像が表示される領域中に左画像を表す識別像が表示され、及び/又は、右画像が表される領域中に右画像を表す識別像が表示されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。
本実施形態において、左画像が表示される領域を表す識別像として、「L」のマークが用いられる。また、右画像が表示される領域を表す識別像として、「R」のマークが用いられる。代替的に、左画像と右画像との間で、形状及び/又は色相において異なるマークが識別像として用いられてもよい。
本実施形態において、「L」のマーク及び「R」のマークのうち一方は、第1識別像として例示される。「L」のマーク及び「R」のマークのうち他方は、第1識別像として例示される。
識別データは、メモリ560によって記憶されてもよい。処理制御部553は、左画像データとともに「L」のマークを表示するための識別データをメモリ560から読み出してもよい。処理制御部553は、「L」のマークを表示するための識別データを左画像データに組み込み、出力画像を生成してもよい。処理制御部553は、右画像データとともに「R」のマークを表示するための識別データをメモリ560から読み出してもよい。処理制御部553は、「R」のマークを表示するための識別データを右画像データに組み込み、出力画像を生成してもよい。
図18には、識別像とともに、境界線が表されている。境界線は、図16を参照して説明された技術によって表示されてもよい。
図19は、識別像を含む出力画像の生成処理の概念図である。図10及び図19を参照して、出力画像の生成処理が説明される。
上述の如く、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをデータ領域に書き込む間、識別データも書き込む。この結果、出力画像は、左画像と右画像とに加えて、識別像も含むことになる。使用者は、「L」のマークが表示された領域に写し出される画像を、左画像として識別することができる。また、使用者は、「R」のマークが表示された領域に写し出される画像を、右画像として識別することができる。
本実施形態において、2種類の識別像が用いられている。代替的に、1種類の識別像が利用されてもよい。
図20は、左画像が表示される領域と右画像が表示される領域とを識別するための識別パターンの概念図である。図10及び図20を参照して、識別パターンが説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。左画像が表示される領域と右画像が表示される領域との間で、色相、コントラスト及び/又は輝度レベルにおいて差異が識別されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。
処理制御部553は、左画像データと右画像データとの間で、色相、コントラスト及び/又は輝度レベルに関して異なる処理を実行してもよい。処理制御部553が、左画像データに関して、赤の色相を強める処理をするならば、使用者は、全体的に赤色がかった領域に表示されている画像を、左画像として認識することができる。尚、左画像データと右画像データとの間における色相、コントラスト及び/又は輝度レベルに関する異なる処理によってもたらされる差異が、左画像と右画像との間の比較を阻害しないように、処理制御部553は、識別パターンを作り出す。
図21は、撮像システム120の概略図である。図1、図9及び図21を参照して、撮像システム120が説明される。尚、図9を参照して説明された様々な要素と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、図1に基づく説明が適用される。
撮像システム120は、カメラ装置250と、表示装置300と、ケーブル320と、コンピュータ装置450と、を備える。カメラ装置250は、図1を参照して説明されたデータ生成装置200に相当する。コンピュータ装置450は、図1を参照して説明された画像データ処理装置400に相当する。
カメラ装置250は、左カメラ装置251と、右カメラ装置252と、を備える。左カメラ装置251は、図10を参照して説明された左撮像部520が有するハードウェア構成を有してもよい。右カメラ装置252は、図10を参照して説明された右撮像部530が有するハードウェア構成を有してもよい。
コンピュータ装置450は、レンズ制御部540、信号処理部550、メモリ560及び入力インターフェース570を備えてもよい(図10を参照)。したがって、撮像システム120は、図10を参照して説明された撮像システム110と同様の動作を行うことができる。
図22は、例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。図10、図21及び図22を参照して、撮像タイミングが説明される。
左撮像部520及び右撮像部530が、同時に撮像動作をするならば、左画像データ及び右画像データは、同時刻に取得される。同様に、左カメラ装置251及び右カメラ装置252が、同時に撮像動作をするならば、左画像データ及び右画像データは、同時刻に取得される。この場合、左画像データと右画像データとによって表される画像には、時間的な変動因子は、ほとんど含まれない。したがって、信号処理部550は、同時刻に取得された左画像データ及び右画像データを用いて、出力画像を生成してもよい。使用者は、生成された出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を適切に見出すことができる。
図23は、例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。図10、図21乃至図23を参照して、撮像タイミングが説明される。
図22に示されるタイミングチャートとは異なり、図23のタイミングチャートは、左画像の撮像タイミングが、右画像の撮像タイミングと相違していることを表している。例えば、左カメラ装置251が撮像動作を実行したことを表す信号が、右カメラ装置252に出力された後、右カメラ装置252が撮像動作を行うならば、図23のタイミングチャートで表される関係が生ずる。例えば、右画像データの取得タイミングは、右カメラ装置252へ信号を出力するための時間長さと右カメラ装置252の撮像動作に要求される時間長さとの和の分だけ、左画像データの取得タイミングから遅れることになる。当該遅れは、左画像データと右画像データとの間での取得タイミングの相違となる。
図23に示されるタイミング関係の下では、左画像と右画像との間には、視差量に加えて、時間的な変動因子が含まれることもある。例えば、被写体が移動しているならば、左画像データと右画像データとの間での取得タイミングの相違の分だけ、被写体の位置、姿勢や形状といった視覚的な特性が時間的に変化することもある。
信号処理部550は、視覚的な特性の時間的な変動を低減するための補正処理を行ってもよい。例えば、信号処理部550は、左画像データ及び右画像データを用いて、動きベクトルを算出してもよい。信号処理部550は、動きベクトルを用いて、擬似的に同時刻となる時間位置の画像を補間してもよい。信号処理部550は、補間処理から得られた画像データを用いて、上述の出力画像を生成してもよい。この結果、使用者は、視覚的な特性の時間的な変化の影響をほとんど受けることなく、左画像と右画像との間の視差量を適切に見極めることができる。
図24は、例示的な撮像システム110Aのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図10及び図24を参照して、撮像システム110Aが説明される。尚、図10を参照して説明された撮像システム110と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素は、図10に基づく説明が援用される。
撮像システム110Aは、カメラ装置500Aと、表示装置300Aと、を備える。撮像システム110と異なり、カメラ装置500Aは、入力インターフェース570を備えていない。この点において、撮像システム110Aは、撮像システム110とは相違する。
表示装置300Aは、表示面310Aを備える。表示面310と同様に、表示面310Aは、画像を表示する機能を有する。表示機能に加えて、表示面310Aは、入力インターフェース570の機能を有する。即ち、使用者は、表示面310Aを通じて、撮像システム110Aを操作することができる。
図25は、表示装置300Aの概略図である。図22乃至図25を参照して、撮像システム110Aが更に説明される。
図25に示される表示装置300Aの表示面310A上には、上述の出力画像に加えて、出力画像やカメラ装置500Aに対する入力操作に用いられるインターフェース画像IFIが表示されている。例えば、使用者は、インターフェース画像IFIを操作し、カメラ装置500Aが行う撮像タイミングのパターン(図22及び図23を参照)を撮像システム110Aに通知してもよい。
図25に示されるインターフェース画像IFIは、「prev」の文字と「next」の文字とを含んでいる。表示面310Aに表される出力画像が、図22に示される左画像「L2」と右画像「R2」とから形成され、且つ、使用者が「prev」の文字を押圧するならば、信号処理部550は、先行する左画像「L1」と先行する右画像「R1」とを用いて出力画像を生成してもよい。使用者が「next」の文字を押圧するならば、信号処理部550は、後続の左画像「L3」と後続の右画像「R3」とを用いて出力画像を生成してもよい。したがって、本実施形態の原理は、静止画だけでなく、動画にも適用可能である。
インターフェース画像IFIを表すインターフェースデータは、メモリ560によって記憶されてもよい。信号処理部550は、メモリ560からインターフェースデータを読み出してもよい。信号処理部550は、出力画像データにインターフェースデータを組み入れてもよい。インターフェースデータは、表示装置300Aに出力されてもよい。
使用者は、インターフェース画像IFIを利用して、様々な操作を行うことができる。例えば、使用者は、インターフェース画像IFIを用いて、出力画像の質の調整(例えば、輝度調整、コントラスト調整、エッジ強度の調整や色補正)を行ってもよい。したがって、使用者は、立体画像の作成を効率的に行うことができる。
必要に応じて、使用者は、インターフェース画像IFIを利用して、左画像が表示される領域の垂直方向の寸法及び右画像が表示される領域の垂直方向の寸法を調整してもよい。この結果、使用者は、左画像と右画像とを適切に比較することができる。例えば、使用者が特定の被写体に関する視差量を見極めようとするならば、特定の被写体に合わせて、垂直方向の寸法が設定されてもよい。特定の被写体が大きいならば、使用者は、垂直方向の寸法に対して、大きな値を設定してもよい。特定の被写体が小さいならば、使用者は、垂直方向の寸法に対して、大きな値を設定してもよい。例えば、特定の被写体が、少なくとも1つの第1領域と少なくとも1つの第2領域とによって表されるならば、使用者は、特定の被写体に関する視差量を見極めることができる。
図25に示される表示装置300Aの表示面310A上には、インターフェース画像IFIに加えて、測量像MIが示されている。測量像MIは、左画像と右画像との間のずれ量を測るために用いられる。使用者は、測量像MIを定規として用い、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。
測量像MIを表す測量像データは、メモリ560によって記憶されてもよい。信号処理部550は、メモリ560から測量像データを読み出してもよい。信号処理部550は、出力画像データに測量像データを組み入れてもよい。測量像データは、表示装置300Aに出力されてもよい。
使用者が、測量像MIに対してドラッグ操作をする間、信号処理部550は、ドラッグ操作に応じて、測量像MIの位置を変更するように、測量像データを処理してもよい。使用者が、測量像MIを、左画像と右画像との境界に重ねるならば、使用者は、左画像と右画像との間の位置的な相違を適切に見極めることができる。代替的に、測量像MIが、左画像と右画像との境界に予め重なるように、信号処理部550は、測量像データを処理してもよい。代替的に、測量像MIが、左画像と右画像との境界の近くで表示されるように、信号処理部550は、測量像データを処理してもよい。
測量像は、左画像と右画像との間の適切なずれ量を表してもよい。左画像と右画像との間のずれ量が、測量像で表される長さよりも大きいならば、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を低減させる調整処理を行うことができる。左画像と右画像との間のずれ量が、測量像で表される長さよりも小さいならば、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を増大させる調整処理を行うことができる。
必要に応じて、測量像が表す長さは、可変であってもよい。この結果、使用者は、立体画像の作成条件に応じて、基準となるずれ量を適切に設定することができる。
信号処理部550は、左画像と右画像との間の境界上又は境界の近くに配置された測量像を表す測量像データと、測量像の周囲の画像データとを用いて、左画像と右画像との間のずれ量が適切であるか否かを判断する機能を有してもよい。また、所定のずれ量(測量象データ)となるように、カメラ装置は、自動調整(ズーム位置、カメラの光軸のなす角度である輻輳角や光軸間距離)する機能を有しても良い。
(手術の効果の検証への用途)
上述の実施形態の原理は、様々な用途に適用可能である。上述の実施形態は視差量を見極めることを目的とする。視差は、一般的に、左画像と右画像との水平方向の位置的な差異によって生ずるので(即ち、視差は、垂直方向の位置的な差異にほとんど依存しないので)、表示領域は、水平方向に延びる複数の矩形領域に分割されている。しかしながら、表示領域の分割パターンは、本実施形態が適用される技術フィールドに依存する。例えば、瞼の切開手術の効果を検証するためには、表示領域は、垂直方向に延びる複数の矩形領域に分割される。他の用途において、表示領域は、同心円状に分割されてもよい。上述の説明から明らかな如く、分割パターンは、複数の種類の画像データからのデータの抽出に依存する。したがって、データの抽出方法が用途に応じて適切に設定されるならば、使用者は、複数の画像を適切に観察することができる。
図26Aは、瞼の切開手術の前に撮影された眼の画像である。図26Bは、瞼の切開手術の後に撮影された眼の画像である。
図26A及び図26Bに示される画像を対比しても、手術の効果は検証されにくい。
図27は、上述のデータ処理技術を用いて作成された画像である。
手術前後の眼の画像が水平方向に並べられている。したがって、使用者は、手術前後での開眼寸法の変化を容易に見極めることができる。加えて、使用者は、開眼寸法において最も大きな変化があった領域を容易に特定することができる。
図8及び図11に示されるデータ処理は、ソフトウェアを用いて実行されてもよい。この場合、抽出部420(図1を参照)又は信号処理部550(図10を参照)は、CPU、FPGA、DSP上で動作するソフトウェアプログラムを実行してもよい。
図8及び図11に示されるデータ処理は、集積素子といったハードウェアを用いて実行されてもよい。この場合、抽出部420(図1を参照)又は信号処理部550(図10を参照)は、図8及び図11に示されるデータ処理を実行するように設計された集積回路であってもよい。
画像データ処理装置400(図1を参照)は、表示装置300(図1を参照)と一体化されてもよい。この場合、画像データ処理装置400は、データ処理機能だけでなく、画像を表示するための表示機能をも有することになる。
上述の実施形態の原理は、写真データだけでなく、コンピュータグラフィクス技術によって作成された画像データの処理にも適用可能である。例えば、画像データの編集中に、本実施形態の原理を利用して、左画像と右画像との間の視差量の確認が行われてもよい。
上述の実施形態に関連して説明された様々な技術は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一局面に係る画像データ処理装置は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成する。画像データ処理装置は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する抽出部を備える。該抽出部は、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを処理し、前記出力画像データを生成する。
上記構成によれば、抽出部は、第1画像を表す第1画像データの一部を、出力画像の第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出する。また、抽出部は、第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する。抽出部は、第1抽出データと第2抽出データとを処理し、出力画像データを生成するので、第1画像の一部は、第1領域に表示され、且つ、第2領域の一部は、第2領域に表示される。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1画像は、前記第1領域に対応する第1対応領域を含んでもよい。前記第2画像は、前記第2領域に対応する第2対応領域を含んでもよい。前記抽出部は、前記第1対応領域に表示される画像を表すデータを前記第1抽出データとして前記第1画像データから抽出し、且つ、前記第2対応領域に表示される画像を表すデータを前記第2抽出データとして前記第2画像データから抽出してもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1領域に対応する第1対応領域に表示される画像を表すデータを第1抽出データとして前記第1画像データから抽出する。また、抽出部は、第2領域に対応する第2対応領域に表示される画像を表すデータを第2抽出データとして第2画像データから抽出する。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1対応領域は、所定の方向に延びる複数の第1帯状領域を含んでもよい。前記第2対応領域は、前記所定の方向に延びる複数の第2帯状領域を含んでもよい。前記第1帯状領域及び前記第2帯状領域が交互に配列されるように、前記抽出部は、前記出力画像データを生成してもよい。
上記構成によれば、第1帯状領域及び第2帯状領域が交互に配列されるように、抽出部は、出力画像データを生成するので、使用者は、第1画像及び第2画像を全体的に比較することができる。
上記構成において、前記所定の方向は、水平方向又は垂直方向であってもよい。
上記構成によれば、第1帯状領域及び第2帯状領域が水平方向に延びるならば、第1帯状領域及び第2帯状領域は垂直方向に交互に配列される。したがって、使用者は、第1画像と第2画像との間の水平方向の位置的な変化を容易に観察することができる。第1帯状領域及び第2帯状領域が垂直方向に延びるならば、第1帯状領域及び第2帯状領域は水平方向に交互に配列される。したがって、使用者は、第1画像と第2画像との間の垂直方向の位置的な変化を容易に観察することができる
上記構成において、前記抽出部は、前記第1画像の一部であることを表現する第1識別像を表示するための第1識別データを前記第1抽出データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1画像の一部であることを表現する第1識別像を表示するための第1識別データを第1抽出データに組み入れるので、使用者は、第1領域に表示されている画像が第1画像の一部であることを容易に確認することができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記第2画像の一部であることを表現する第2識別像を表示するための第2識別データを前記第2抽出データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第2画像の一部であることを表現する第2識別像を表示するための第2識別データを第2抽出データに組み入れるので、使用者は、第2領域に表示されている画像が第2画像の一部であることを容易に確認することができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記出力画像に対する入力操作に用いられるインターフェース画像を表すインターフェースデータを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、出力画像に対する入力操作に用いられるインターフェース画像を表すインターフェースデータを出力画像データに組み入れるので、使用者は、インターフェース画像を利用して、出力画像に対して、入力操作を容易に行うことができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記第1領域と前記第2領域との間の境界を表す境界線を表す境界データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1領域と第2領域との間の境界を表す境界線を表す境界データを出力画像データに組み入れるので、使用者は、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1画像及び前記第2画像は、立体画像の表示のために用いられてもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち一方は、左眼で観察される左画像であってもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち他方は、右眼で観察される右画像であってもよい。
上記構成によれば、使用者は、左画像と右画像とを容易に比較することができるので、立体画像は、容易に作成又は調整される。
上記構成において、前記抽出部は、前記左画像と前記右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像を表示する測量像データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、左画像と右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像を表示する測量像データを出力画像データに組み入れるので、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を定量的に把握することができる。
上記構成において、前記第1画像及び前記第2画像は、立体画像の表示のために用いられてもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち一方は、左眼で観察される左画像であってもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち他方は、右眼で観察される右画像であってもよい。前記出力画像は、前記左画像と前記右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像と、を含んでもよい。該測量像が前記境界線に重ねられるように、前記抽出部は、前記測量像を表示する測量像データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、測量像が境界線に重ねられるので、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を容易に測定することができる。
上述の実施形態の一局面に係る画像データ処理方法は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成するために利用される。画像データ処理方法は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する段階と、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを用いて、前記出力画像データを生成する段階と、を備える。
上記構成によれば、第1画像を表す第1画像データの一部は、出力画像の第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出される。第1画像と同時に観察される第2画像を表す第2画像データの一部は、第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出される。出力画像データは、第1抽出データと第2抽出データとを用いて、生成されるので、第1画像の一部は、第1領域に表示され、且つ、第2領域の一部は、第2領域に表示される。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上述の様々の実施形態の原理は、複数種の画像間の比較が要求される様々な技術に有用である。
本発明は、複数種の画像データから出力画像データを生成する技術に関する。
立体画像は、一般的に、左眼で観察される左画像と、右眼で観察される右画像と、を用いて表現される(特許文献1参照)。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさは、立体画像の質に大きく影響する。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれが過度に大きいならば、観察者は、過度に強調された立体感を受けることもある。左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれが過度に小さいならば、観察者は、画像を立体的に知覚できないこともある。したがって、左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさの調整は、立体画像を作成する編集者にとって、重要である。
複数種の画像を比較することによって、画像中に表された物の時間的な変化も容易に確認され得る。例えば、経時的な色変化や手術といった処理の前後の視覚的な特性の変化は、複数種の画像の比較によって明確に把握され得る。
上述の如く、複数種の画像間の比較によって、様々な視覚的な情報を取得することが可能であるが、現状において、複数種の画像を容易に比較するための技術は存在しない。例えば、左画像と右画像との間のオブジェクトや背景の位置的なずれの大きさの調整は、編集者の技量に大きく依存する。
本発明は、複数種の画像を容易に比較するための技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像データ処理装置は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成する。画像データ処理装置は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する抽出部を備える。該抽出部は、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを処理し、前記出力画像データを生成する。
本発明の他の局面に係る画像データ処理方法は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成するために利用される。画像データ処理方法は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する段階と、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを用いて、前記出力画像データを生成する段階と、を備える。
本発明は、使用者に複数種の画像を容易に比較させることができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
例示的なデータ処理システムの機能構成を表す概略的なブロック図である。
図1に示されるデータ処理システムの表示面の概略的な正面図である。
図1に示されるデータ処理システムの第1記憶部に記憶された第1画像データによって表現される例示的な第1画像の概略図である。
図1に示されるデータ処理システムの第2記憶部に記憶された第2画像データによって表現される例示的な第2画像の概略図である。
図3Aに示される第1画像の概略図である。
図3Bに示される第2画像の概略図である。
図4Aに示される第1画像を表現する第1画像データの概念図である。
図4Bに示される第2画像を表現する第2画像データの概念図である。
図1に示されるデータ処理システムが生成する出力画像データの概念図である。
図6に示される出力画像データによって表現される出力画像の概略図である。
図1に示されるデータ処理システムの画像データ処理装置が実行するデータ処理の概略的なフローチャートである。
例示的な撮像システムの概略図である。
図9に示される撮像システムのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
図10に示される撮像システムが実行する画像処理を表す概略的なフローチャートである。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する画像データの抽出処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する画像データの抽出処理の概念図である。
図10に示される撮像システムが出力する出力画像の生成に用いられるデータ領域の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が実行する出力画像データの生成処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が出力画像データに組み込む境界データによって表される例示的な境界線像の概略図である。
図16に示される境界線像を含む出力画像の生成処理の概念図である。
図10に示される撮像システムの処理制御部が出力画像データに組み込む識別データによって表される例示的な識別像の概略図である。
図18に示される識別像を含む出力画像の生成処理の概念図である。
左画像が表示される領域と右画像が表示される領域とを識別するための識別パターンの概念図である。
他の撮像システムの概略図である。
例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。
例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。
他の撮像システムのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
図24に示される撮像システムの表示装置の概略図である。
瞼の切開手術の前に撮影された眼の画像である。
瞼の切開手術の後に撮影された眼の画像である。
図26A及び図26Bに示される画像から作成された出力画像である。
画像データを処理するための例示的な技術が、図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。また、データ処理技術の概念の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、本実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。
(データ処理システム)
図1は、例示的なデータ処理システム100の機能構成を表す概略的なブロック図である。図1を参照して、データ処理システム100が説明される。
データ処理システム100は、データ生成装置200と、表示装置300と、画像データ処理装置400と、を備える。データ生成装置200は、複数の種類の画像データを生成する。データ処理システム100が、立体画像を生成するために用いられるならば、データ生成装置200は、左眼で観察される左画像を表現するための左画像データと、右眼で観察される右画像を表現するための右画像データと、を生成する。データ処理システム100が、視覚的に把握される特性の時間的な変化に関する情報の取得に用いられるならば、データ生成装置200は、異なる時刻に取得された画像データを生成する。データ生成装置200は、カメラ装置であってもよく、或いは、画像データを生成することができる他の装置(例えば、コンピュータ)であってもよい。複数の種類の画像データは、データ生成装置200から画像データ処理装置400へ送られる。画像データ処理装置400は、ケーブルによってデータ生成装置200に接続されてもよい。この場合、画像データは、ケーブルを通じて、画像データ処理装置400に電気信号として送信される。代替的に、画像データは、無線信号として、データ生成装置200から画像データ処理装置400へ送られてもよい。画像データ処理装置400は、複数の種類の画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、画像データ処理装置400から表示装置300へ送られる。表示装置300は、表示面310を備える。表示装置300は、出力画像データによって表される出力画像を表示面310に表示する。使用者は、表示面310に写し出された出力画像を参照し、複数の種類の画像データを同時に観察並びに比較することができる。表示装置300は、データ処理システム100に専ら用いられる専用のモニタ装置であってもよい。代替的に、表示装置300は、表示機能を有する携帯端末であってもよい。データ生成装置200と画像データ処理装置400との間のデータ伝送技術と同様に、画像データ処理装置400から表示装置300へのデータ伝送は、有線式であってもよく、或いは、無線式であってもよい。
画像データ処理装置400は、記憶部410と、抽出部420と、を備える。記憶部410は、データ生成装置200が生成した複数の種類の画像データを記憶する。抽出部420は、複数の種類の画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、抽出部420から表示装置300へ送られる。
記憶部410は、第1記憶部411と、第2記憶部412と、を含む。データ処理システム100が、立体画像の生成に利用されるならば、第1記憶部411は、左画像及び右画像のうち一方を記憶する一方で、第2記憶部412は、左画像及び右画像のうち他方を記憶する。データ処理システム100が、視覚的に把握される特性の時間的な変化に関する情報の取得に用いられるならば、第1記憶部411は、先に取得された画像データを記憶し、第2記憶部412は、後に取得された画像データを記憶してもよい。以下の説明において、第1記憶部411に記憶された画像データは、「第1画像データ」と称される。第2記憶部412に記憶された画像データは、「第2画像データ」と称される。
記憶部410は、磁気的或いは光学的な記憶ディスクやUSBメモリといった一般的な記憶媒体であってもよい。第1記憶部411及び第2記憶部412は、記憶媒体中の異なる記憶領域であってもよい。
本実施形態において、データ生成装置200は、2種類の画像データを画像データ処理装置400に出力する。代替的に、データ生成装置は、3種類以上の画像データを画像データ処理装置へ出力してもよい。この場合、画像データ処理装置の記憶部は、3種類以上の記憶領域(或いは、記憶素子)を含んでもよい。
抽出部420は、読出部421と、合成部422と、を含む。読出部421は、第1記憶部411から第1画像データを読み出す。読出部421は、第2記憶部412から第2画像データを読み出す。第1画像データ及び第2画像データは、読出部421から合成部422へ出力される。合成部422は、第1画像データ及び第2画像データを処理し、出力画像データを生成する。出力画像データは、合成部422から表示装置300へ出力される。
図2は、表示面310の概略的な正面図である。図1及び図2を参照して、表示面310が説明される。
図2に示される表示面310は、複数の第1領域311と、複数の第2領域312と、に概念的に区分されている。本実施形態において、表示面310は、均等に区分されている。代替的に、表示面310は、不均等に区分されてもよい。
各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域である。各第2領域312も、水平方向に延びる帯状の領域である。代替的に、第1領域及び第2領域は、他の形状であってもよい。例えば、第1領域及び第2領域は、垂直方向に延びる帯状の領域であってもよい。
第1領域311及び第2領域312は、交互に垂直方向に配列される。したがって、第2領域312は、第1領域311に上下に隣り合う。第1領域及び第2領域が、垂直方向に延びる帯状の領域であるならば、第1領域及び第2領域は、交互に水平方向に配列される。この場合、第2領域は、第1領域に左右に隣り合う。
図1を参照して説明された如く、出力画像データによって表される出力画像は、表示面310に亘って全体的に表示される。以下の説明において、第1領域311に表示される画像は、「第1領域画像」と称される。第2領域312に表示される画像は、「第2領域画像」と称される。
図3Aは、第1記憶部411に記憶された第1画像データによって表現される例示的な第1画像FIの概略図である。図3Bは、第2記憶部412に記憶された第2画像データによって表現される例示的な第2画像SIの概略図である。図1乃至図3Bを参照して、第1画像FI及び第2画像SIが説明される。
第1画像データによって表現される第1画像FIは、表示面310と等しい形状及び大きさを有してもよい。同様に、第2画像データによって表現される第2画像SIは、表示面310と等しい形状及び大きさを有してもよい。したがって、図2を参照して説明された表示面310に対する領域分割の手法にしたがって、第1画像FI及び第2画像SIが分割されるように、合成部422は、第1画像データ及び第2画像データを処理することができる。
図4Aは、第1画像FIの概略図である。図4Bは、第2画像SIの概略図である。図2、図4A及び図4Bを参照して、第1画像FI及び第2画像SIが更に説明される。
第1画像FIは、複数の第1領域311にそれぞれ対応する複数の領域FR1と、複数の第2領域312にそれぞれ対応する複数の領域FR2と、を含む。第1画像FIが表示面310に表示されるならば、複数の領域FR1内の画像部分は、複数の第1領域311にそれぞれ表示される。第1画像FIが表示面310に表示されるならば、複数の領域FR2内の画像部分は、複数の第2領域312にそれぞれ表示される。本実施形態において、領域FR1は、第1対応領域として例示される。
本実施形態において、各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域FR1も水平方向に延びる帯状の領域になる。また、各第2領域312は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域FR2も水平方向に延びる帯状の領域になる。尚、第1画像中で区画される領域の形状は、表示面中の分割概念に応じて決定される。したがって、表示面が垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画されるならば、第1画像中の領域も垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画される。本実施形態において、領域FR1は、第1帯状領域として例示される。
第2画像SIは、複数の第1領域311にそれぞれ対応する複数の領域SR1と、複数の第2領域312にそれぞれ対応する複数の領域SR2と、を含む。第2画像SIが表示面310に表示されるならば、複数の領域SR1内の画像部分は、複数の第1領域311にそれぞれ表示される。第2画像SIが表示面310に表示されるならば、複数の領域SR2内の画像部分は、複数の第2領域312にそれぞれ表示される。本実施形態において、領域SR2は、第2対応領域として例示される。
本実施形態において、各第1領域311は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域SR1も水平方向に延びる帯状の領域になる。また、各第2領域312は、水平方向に延びる帯状の領域として規定されているので、各領域SR2も水平方向に延びる帯状の領域になる。尚、第2画像中で区画される領域の形状は、表示面中の分割概念に応じて決定される。したがって、表示面が垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画されるならば、第2画像中の領域も垂直方向に延びる帯状の領域を用いて区画される。本実施形態において、領域SR2は、第2帯状領域として例示される。
図5Aは、第1画像FIを表現する第1画像データFDTの概念図である。図5Bは、第2画像SIを表現する第2画像データSDTの概念図である。図4A乃至図5Bを参照して、第1画像データFDT及び第2画像データSDTが説明される。
第1画像データFDTは、領域FR1内で表示される画像を表現するデータ部分FDR1と、領域FR2内で表示される画像を表現するデータ部分FDR2と、を含む。第2画像データSDTは、領域SR1内で表示される画像を表現するデータ部分SDR1と、領域SR2内で表示される画像を表現するデータ部分SDR2と、を含む。
図6は、出力画像データOIDの概念図である。図1、図2、図5A乃至図6を参照して、抽出部420によるデータ処理が説明される。
読出部421は、第1記憶部411から第1画像データFDTを読み出す。また、読出部421は、第2記憶部412から第2画像データSDTを読み出す。
読出部421は、第1画像データFDTからデータ部分FDR1を抽出する。また、読出部421は、第2画像データSDTから、データ部分SDR2を抽出する。データ部分FDR1,SDR2は、読出部421から合成部422へ出力される。本実施形態において、データ部分FDR1は、第1抽出データとして例示される。データ部分SDR2は、第2抽出データとして例示される。
合成部422は、第1領域311に表示される画像を表すデータとして、データ部分FDR1を処理する。合成部422は、第2領域312に表示される画像を表すデータとして、データ部分SDR2を処理する。この結果、データ部分FDR1,SDR2を含む出力画像データOIDが生成される。
図7は、出力画像データOIDによって表現される出力画像OIの概略図である。図1乃至図3B、図6及び図7を参照して、出力画像OIが説明される。
合成部422による合成処理の結果、出力画像OIは、複数の領域FR1と複数の領域SR2とを含む。出力画像OI中において、領域FR1及び領域SR2は、交互に配列される。領域FR1は、第1領域311に表示される。領域SR2は、第2領域312に表示される。領域FR1,SR2は、表示面310に同時に表示されるので、使用者は、第1画像FIと第2画像SIとを容易に比較することができる。本実施形態において、領域FR1は、第1領域画像として例示される。領域SR2は、第2領域画像として例示される。
図8は、画像データ処理装置400が実行するデータ処理の概略的なフローチャートである。図1及び図8を参照して、画像データ処理装置400のデータ処理が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、第1記憶部411は、第1画像を表す第1画像データを記憶する。第2記憶部412は、第2画像を表す第2画像データを記憶する。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、読出部421は、第1記憶部411から第1画像データを読み出す。また、読出部421は、第2記憶部412から第2画像データを読み出す。読出部421は、その後、第1画像データから一部のデータを抽出する。また、読出部421は、第2画像データから一部のデータを抽出する。代替的に、読出部421は、第1画像データを読み出しながら、第1画像データの一部を抽出してもよい。読出部421は、第2画像データを読み出しながら、第2画像データの一部を抽出してもよい。読出部421による読出並びに抽出処理の手法は、本実施形態の原理を何ら限定しない。抽出されたデータは、読出部421から合成部422へ出力される。その後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、合成部422は、読出部421から受け取ったデータを合成し、出力画像データを生成する。
(立体画像の作成への用途)
上述のデータ処理技術は、立体画像の作成に有用である。
図9は、撮像システム110の概略図である。図1乃至図3B、図5A乃至図7並びに図9を参照して、撮像システム110が説明される。尚、図1を参照して説明された様々な要素と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、図1乃至図8に基づく説明が適用される。
撮像システム110は、カメラ装置500と、表示装置300と、ケーブル320と、を備える。カメラ装置500は、データ生成装置200の機能と画像データ処理装置400の機能とを有する(図1を参照)。
カメラ装置500は、筐体510と、左レンズ部521と、右レンズ部531と、を備える。筐体510は、左レンズ部521と右レンズ部531とを保持する。左レンズ部521及び右レンズ部531は水平方向に整列する。カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531を用いて、被写体Oを撮像する。尚、カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531を同時に用いて、被写体Oを撮像してもよい。代替的に、カメラ装置500は、左レンズ部521及び右レンズ部531のうち一方を先に用いて被写体Oを撮像し、その後、左レンズ部521及び右レンズ部531のうち他方を用いて被写体Oを撮像してもよい。
カメラ装置500は、左レンズ部521を通じて入射した光を用いて、左画像データを生成する。また、カメラ装置500は、右レンズ部531を通じて入射した光を用いて、右画像データを生成する。左画像データは、左眼で観察される左画像を生成するために利用される。右画像データは、右眼で観察される右画像を生成するために利用される。左画像データは、第1画像データFDTとして処理されてもよい(図5Aを参照)。この場合、左画像は、第1画像FIとして表示される(図3Aを参照)。右画像データは、第2画像データSDTとして処理されてもよい(図5Bを参照)。この場合、右画像は、第2画像SIとして表示される(図3Bを参照)。
筐体510は、左画像データ及び右画像データを処理するための様々な装置を収容する。ケーブル320は、カメラ装置500と表示装置300とに接続される。カメラ装置500は、左画像データ及び右画像データを処理し、出力画像データOIDを生成する(図6を参照)。出力画像データOIDは、ケーブル320を通じて、カメラ装置500から表示装置300へ出力される。
表示装置300は、表示面310上に、出力画像データOIDに応じて、出力画像OIを表示する(図7を参照)。この結果、使用者は、左画像内の被写体Oと右画像内の被写体Oとの間の位置的な差異を視覚的に把握することができる。両画像内の被写体Oの位置的な差異が適切な値になるように、使用者は、カメラ装置500を調整することができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データ及び右画像データを表示装置300に選択的に出力してもよい。この結果、使用者は、左レンズ部521に対する調整作業と、右レンズ部531に対する調整作業と、を個別に行うことができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データ全てを出力する出力動作と、右画像データ全てを出力する出力動作と、を交互に繰り返してもよい。この間、表示装置300は、表示面310全体に左画像を表示する表示動作と、表示面310全体に右画像を表示する表示動作と、を実行することができる。使用者が、これらの表示動作の切替に同期して開閉する眼鏡装置を通じて、表示面310を観察するならば、使用者は、左眼で左画像を観察し、右眼で右画像を観察することができる。この結果、使用者は、表示面310に表示された映像を立体的に知覚することができる。したがって、使用者は、左画像データと右画像データとによって表現される立体画像の質を評価することができる。
必要に応じて、カメラ装置500は、左画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、右画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作と、右画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、左画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作と、を交互に切り替えてもよい。カメラ装置500が、左画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、右画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作を実行している間、表示装置300は、第1領域311に左画像を表示し、第2領域312に右画像を表示することができる(図2を参照)。カメラ装置500が、右画像データを第1画像データFDTとして処理し、且つ、左画像データを第2画像データSDTとして処理する処理動作を実行している間、表示装置300は、第1領域311に右画像を表示し、第2領域312に左画像を表示することができる(図2を参照)。この場合、表示装置300は、第1領域311から出射される映像光と第2領域312から出射される映像光に対して、互いに異なる光学的特性を与えてもよい。使用者が着用する眼鏡装置が、光学的特性に応じて光の透過及び遮断を行う光学素子を有するならば、使用者は、表示面310上に表示された映像を立体的に知覚することができる。したがって、使用者は、左画像データと右画像データとによって表現される立体画像の質を評価することができる。
カメラ装置500は、使用者に立体的に映像を知覚させるための既知の様々な技術にしたがって、表示装置300への出力動作を変更してもよい。
図10は、撮像システム110のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図1、図9及び図10を参照して、撮像システム110が更に説明される。
カメラ装置500は、左撮像部520と、右撮像部530と、レンズ制御部540と、信号処理部550と、メモリ560と、入力インターフェース570と、を備える。左撮像部520は、左画像データを生成する。左画像データは、信号処理部550に出力され、その後、メモリ560に格納される。右撮像部530は、右画像データを生成する。右画像データは、信号処理部550に出力され、その後、メモリ560に格納される。左撮像部520及び右撮像部530は、データ生成装置200に対応する(図1を参照)。メモリ560は、記憶部410に対応する(図1を参照)。
信号処理部550は、メモリ560から、左画像データ及び右画像データを読み出す。信号処理部550は、その後、左画像データ及び右画像データを合成し、出力画像データを生成する。出力画像データは、信号処理部550から表示装置300へ出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、出力画像を表示面310に表示する。
入力インターフェース570は、キーボード、マウス、入力ボタン、リモートコントローラ、タッチパネルやケーブルを介して信号処理部550に接続された外部入力装置であってもよい。使用者は、表示面310に写し出された画像を観察し、入力インターフェース570に所望の動作を行ってもよい。入力インターフェース570は、使用者の操作に応じた操作信号を信号処理部550に出力する。信号処理部550は、レンズ制御部540及び/又は表示装置300を駆動するための駆動信号を出力してもよい。
レンズ制御部540は、信号処理部550からの駆動信号に応じて、左撮像部520と右撮像部530とを制御する。この結果、撮像システム110は、立体画像を適切に作成することができる。
左撮像部520は、上述の左レンズ部521を備える。左レンズ部521は、複数のレンズを含むレンズ群であってもよい。左レンズ部521に加えて、左撮像部520は、左撮像素子522と、左AD変換器523と、左アクチュエータ524と、を備える。
左アクチュエータ524は、レンズ制御部540の制御下で、左レンズ部521を動作させる。例えば、左アクチュエータ524は、左レンズ部521のレンズ間の距離を調整してもよい。この結果、被写体Oからの光に対する焦点が適切に調整される。また、左レンズ部521のレンズ間の距離の調整によって、ズーム機能がもたらされてもよい。左アクチュエータ524は、モータや、レンズを駆動することができる他の動力装置であってもよい。
左撮像素子522は、左レンズ部521を透過した光を受ける。左撮像素子522は、その後、受光された光のエネルギを、電気エネルギに変換する。この結果、被写体Oからの光は、電気信号に変換される。電気信号は、左撮像素子522から左AD変換器523へ出力される。
左撮像素子522は、アナログ信号を左AD変換器523へ出力する。左AD変換器523は、アナログ信号を、デジタル信号に変換する。デジタル信号は、左画像データに相当する。アナログ信号からデジタル信号への変換によって、信号処理部550は、左画像データを容易に処理することができる。
右撮像部530は、上述の右レンズ部531を備える。右レンズ部531は、複数のレンズを含むレンズ群であってもよい。右レンズ部531に加えて、右撮像部530は、右撮像素子532と、右AD変換器533と、右アクチュエータ534と、を備える。
右アクチュエータ534は、レンズ制御部540の制御下で、右レンズ部531を動作させる。例えば、右アクチュエータ534は、右レンズ部531のレンズ間の距離を調整してもよい。この結果、被写体Oからの光に対する焦点が適切に調整される。また、右レンズ部531のレンズ間の距離の調整によって、ズーム機能がもたらされてもよい。右アクチュエータ534は、モータや、レンズを駆動することができる他の動力装置であってもよい。
右撮像素子532は、右レンズ部531を透過した光を受ける。右撮像素子532は、その後、受光された光のエネルギを、電気エネルギに変換する。この結果、被写体Oからの光は、電気信号に変換される。電気信号は、右撮像素子532から右AD変換器533へ出力される。
右撮像素子532は、アナログ信号を右AD変換器533へ出力する。右AD変換器533は、アナログ信号を、デジタル信号に変換する。デジタル信号は、右画像データに相当する。アナログ信号からデジタル信号への変換によって、信号処理部550は、右画像データを容易に処理することができる。
信号処理部550は、左信号処理部551と、右信号処理部552と、処理制御部553と、を備える。左信号処理部551及び右信号処理部552は、処理制御部553の制御下で動作する。
上述の如く、左AD変換器523は、左画像データに相当するデジタル信号を生成する。デジタル信号は、左AD変換器523から左信号処理部551に出力される。左AD変換器523は、処理制御部553の制御下で、デジタル信号を処理する。処理制御部553が、デジタル信号によって定められる輝度レベルを増大させる指示を左信号処理部551に与えるならば、左信号処理部551は、デジタル信号を処理し、輝度レベルを増大させる。尚、処理制御部553は、左信号処理部551に、コントラストを調整するための補正指示、色相を調整するための補正指示、エッジ(輪郭)の強度を調整するための補正指示を与えてもよい。左信号処理部551は、処理制御部553の制御下で様々な信号処理を行うことができる。
上述の如く、右AD変換器533は、右画像データに相当するデジタル信号を生成する。デジタル信号は、右AD変換器533から右信号処理部552に出力される。右AD変換器533は、処理制御部553の制御下で、デジタル信号を処理する。処理制御部553が、デジタル信号によって定められる輝度レベルを増大させる指示を右信号処理部552に与えるならば、右信号処理部552は、デジタル信号を処理し、輝度レベルを増大させる。尚、処理制御部553は、右信号処理部552に、コントラストを調整するための補正指示、色相を調整するための補正指示、エッジ(輪郭)の強度を調整するための補正指示を与えてもよい。右信号処理部552は、処理制御部553の制御下で様々な信号処理を行うことができる。
処理制御部553は、左信号処理部551に入力されるデジタル信号及び右信号処理部552に入力されるデジタル信号に対する処理内容を決定する。処理内容は、処理制御部553から左信号処理部551及び右信号処理部552のそれぞれに通知される。左信号処理部551によって処理されたデジタル信号によって表される左画像データ及び右信号処理部552によって処理されたデジタル信号によって表される右画像データは、メモリ560に記憶される。処理制御部553は、メモリ560に記憶される左画像データ及び右画像データのバランスをとるためのバランス制御を行う。
上述の如く、表示面310は、左画像データによって表される左画像の一部及び右画像データによって表される右画像の一部が交互に並べられた出力画像を表示する。例えば、使用者は、表示面310に写し出された左画像と右画像とを対比し、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見出す。このとき、表示面310に写し出された左画像と右画像との間での輝度レベル、色相、コントラストやエッジ強度の差異が大きいならば、使用者は、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見極めにくいこともある。例えば、左画像及び右画像のうち一方が明るく、他方が暗いならば、使用者は、両画像を比較しにくいこともある。上述のバランス制御は、表示面310に写し出された左画像と右画像との間での輝度レベル、色相、コントラストやエッジ強度の差異を適切な値にすることを目的とする。
使用者が、左画像中の被写体Oと右画像中の被写体Oとの間の位置的な差異を見極めようとするならば、被写体Oを除く領域を表すデジタル信号間での差異は、小さいことが好ましいこともある。この場合、被写体Oを除く領域を表すデジタル信号間での差異が小さくなるように、処理制御部553は、上述のバランス制御の内容を決定してもよい。左信号処理部551及び右信号処理部552は、決定された内容のバランス制御の下、デジタル信号を処理してもよい。バランス制御は、比較の目的となる対象以外の領域に関して、左画像と右画像との間の差異を所定の値以下にすることを目的としてもよい。
処理制御部553は、バランス制御下で処理された左画像データ及び右画像データをメモリ560に出力する。メモリ560は、左画像データ及び右画像データを記憶する。
処理制御部553は、その後、メモリ560から左画像データ及び右画像データを読み出す。この点において、処理制御部553は、読出部421に相当する(図1を参照)。
処理制御部553は、その後、左画像データの一部及び右画像データの一部を抽出する。処理制御部553は、左画像データを上述の第1画像データとして処理してもよい。この場合、処理制御部553は、右画像データを上述の第2画像データとして処理する。代替的に、処理制御部553は、右画像データを上述の第1画像データとして処理してもよい。この場合、処理制御部553は、左画像データを上述の第2画像データとして処理する。
処理制御部553は、左画像データの一部と右画像データの一部とを組み合わせ、出力画像データを生成する。この点において、処理制御部553は、合成部422に相当する(図1を参照)。
出力画像データは、処理制御部553から表示装置300に出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、出力画像を表示する。
図11は、撮像システム110が実行する画像処理を表す概略的なフローチャートである。図10及び図11を参照して、撮像システム110が実行する画像処理が説明される。
(ステップS210)
ステップS210において、左撮像部520及び右撮像部530は、撮像を行う。この結果、左画像データの生成に用いられるデジタル信号は、左撮像部520から左信号処理部551に出力される。右画像データの生成に用いられるデジタル信号は、右撮像部530から右信号処理部552へ出力される。デジタル信号の出力の後、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、左信号処理部551及び右信号処理部552は、デジタル信号を処理する。処理制御部553は、左信号処理部551及び右信号処理部552に入力されたデジタル信号を解析し、バランス制御の内容を決定する。バランス制御の内容は、左信号処理部551と右信号処理部552とに通知される。左信号処理部551及び右信号処理部552は、処理制御部553による上述のバランス制御下で、信号処理を実行してもよい。信号処理の後、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、処理制御部553は、左信号処理部551によって処理されたデジタル信号を左画像データとしてメモリ560に格納する。また、処理制御部553は、右信号処理部552によって処理されたデジタル信号を右画像データとしてメモリ560に格納する。メモリ560へのデータの記録の後、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
ステップS240において、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをメモリ560から読み出す。処理制御部553は、左画像データの一部を出力画像データの一部として利用される画像データとして抽出する。また、処理制御部553は、右画像データの一部を出力画像データの一部として利用される画像データとして抽出する。処理制御部553は、抽出された画像データを組み合わせ、出力画像データを生成する。出力画像データの生成の後、ステップS250が実行される。
(ステップS250)
ステップS250において、出力画像データは、処理制御部553から表示装置300へ出力される。表示装置300は、出力画像データに応じて、表示面310に出力画像を表示する。この結果、使用者は、左画像と右画像とを同時に観察することができる。例えば、使用者は、左画像中の被写体の水平位置と、右画像中の被写体の水平位置と、の間の差異を、左画像と右画像との間の視差量として知覚することができる。両画像間の被写体の位置的な差異が大きいならば、使用者は、左画像と右画像との間の視差量が大きいと判断することができる。両画像間の被写体の位置的な差異が小さいならば、使用者は、左画像と右画像との間の視差量が小さいと判断することができる。
使用者は、視差量の関する上述の判断結果に応じて、左画像と右画像との間の視差量を適切に調整することができる。例えば、使用者は、入力インターフェース570を操作し、左撮像部520及び右撮像部530を調整してもよい。焦点を合わせられた被写体に関する視差量が適切な値となるように、使用者は、左撮像部520及び右撮像部530を調整することができる。或いは、表示面310に現れる画像全体に関する視差量が適切な値となるように、使用者は、左撮像部520及び右撮像部530を調整することができる。使用者は、視差量の調整のために、左撮像部520と右撮像部530との間の距離や輻輳角を調整してもよい。
本実施形態の原理によって、使用者は、左画像と右画像との間の視差量を容易に把握することができる。この結果、使用者は、左画像と右画像とを取得するための様々な設定を容易且つ適切に調整することができる。
図12は、ステップS240において処理制御部553が実行する画像データの抽出処理の概念図である。図10乃至図12を参照して、処理制御部553が実行する画像データの抽出処理が説明される。
図12は、例示的な左画像と、左画像に対応する左画像データと、を示す。図12に示される左画像は、水平方向に延びる18個の矩形領域を用いて、概念的に区分されている。説明の明瞭化のため、各矩形領域には、上から番号が順に付されている。最も上の矩形領域には、数字「1」が付され、最も下の矩形領域には、数字「18」が付されている。奇数が付された矩形領域及び偶数が付された矩形領域は垂直方向に交互に整列する。左画像は、奇数が付された矩形領域と偶数が付された矩形領域とによって表現される。
左画像データは、左画像を表現するので、左画像に対する上述の区画パターンが得られるように、処理制御部553は、左画像データを区分することができる。ステップS240において、処理制御部553は、奇数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、左画像データから抽出する。
図13は、ステップS240において処理制御部553が実行する画像データの抽出処理の概念図である。図10乃至図13を参照して、処理制御部553が実行する画像データの抽出処理が説明される。
図13は、例示的な右画像と、右画像に対応する右画像データと、を示す。図12を参照して説明された左画像と同様に、図13に示される右画像は、水平方向に延びる18個の矩形領域を用いて、概念的に区分されている。説明の明瞭化のため、各矩形領域には、上から番号が順に付されている。最も上の矩形領域には、数字「1」が付され、最も下の矩形領域には、数字「18」が付されている。奇数が付された矩形領域及び偶数が付された矩形領域は垂直方向に交互に整列する。右画像は、奇数が付された矩形領域と偶数が付された矩形領域とによって表現される。図13に示される右画像に対する区画パターンは、図12を参照して説明された左画像に対する区画パターンと同一である。
右画像データは、右画像を表現するので、右画像に対する上述の区画パターンが得られるように、処理制御部553は、右画像データを区分することができる。ステップS240において、処理制御部553は、偶数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、右画像データから抽出する。
図14は、出力画像の生成に用いられるデータ領域の概念図である。図2、図10乃至図14を参照して、ステップS240において処理制御部553が実行する出力画像データの生成処理が説明される。
図14は、18個のデータ領域を概念的に表す。説明の明瞭化のため、各データ領域には、上から番号が順に付されている。最も上のデータ領域には、数字「1」が付され、最も下のデータ領域には、数字「18」が付されている。
奇数が付されたデータ領域は、第1領域311に表示される画像を表すデータのために割り当てられる(図2を参照)。偶数が付されたデータ領域は、第2領域312に表示されるデータのために割り当てられる(図2を参照)。尚、これらのデータ領域は、メモリ560の記憶領域の一部であってもよい。
図11を参照して説明された如く、処理制御部553は、奇数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、左画像データから抽出する。処理制御部553は、奇数が付されたデータ領域に書き込む。
図12を参照して説明された如く、処理制御部553は、偶数が付された矩形領域の画像を表すデータ部分を、右画像データから抽出する。処理制御部553は、偶数が付されたデータ領域に書き込む。
図15は、ステップS240において処理制御部553が実行する出力画像データの生成処理の概念図である。図10及び図15を参照して、出力画像データの生成処理が説明される。
処理制御部553の上述の書込処理によって抽出された左画像データが表現する画像は、第1領域311に表示される。処理制御部553の上述の書込処理によって抽出された右画像データが表現する画像は、第2領域312に表示される。この結果、左画像を表す矩形領域及び右画像を表す矩形領域が交互に垂直方向に整列した画像が、出力画像として、表示面310上に表示される。
本実施形態において、左画像が表示される矩形領域及び右画像が表示される矩形領域は、交互に設定されている。代替的に、表示面310中において、左画像が表示される矩形領域が部分的に連続する領域が存在してもよい。同様に、表示面310中において、右画像が表示される矩形領域が部分的に連続する領域が存在してもよい。使用者が、特定の垂直位置において、左画像と右画像との間の水平方向の位置差を確認したいならば、特定の垂直位置において、左画像と右画像との間の境界が現れるように、処理制御部553は、画像データの抽出処理を行ってもよい。
本実施形態において、表示面310は、均等に分割されている。代替的に、表示面310が概念的に不均等に分割されるように、処理制御部553は画像データの抽出処理を行ってもよい。
図16は、処理制御部553が出力画像データに組み込む境界データによって表される例示的な境界線像の概略図である。図10、図14及び図16を参照して、境界線像が説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。出力画像中に、左画像と右画像との間の境界が表されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。境界線像は、左画像と右画像との間の境界を表す。
境界線像は、第1境界線FBLと第2境界線SBLとを含んでもよい。本実施形態において、第1境界線FBLは、第2境界線SBLよりも太い。代替的に、第1境界線FBLは、第2境界線SBLと色相において相違してもよい。
データ領域へ書き込まれるデータが、右画像データから左画像データに切り替えられるときに、処理制御部553は、第1境界線FBLを表すデータをデータ領域に書き込んでもよい。データ領域へ書き込まれるデータが、左画像データから右画像データに切り替えられるときに、処理制御部553は、第2境界線SBLを表すデータをデータ領域に書き込んでもよい。
図17は、境界線像を含む出力画像の生成処理の概念図である。図10及び図17を参照して、出力画像の生成処理が説明される。
上述の如く、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをデータ領域に書き込む間、境界データも書き込む。この結果、出力画像は、左画像と右画像とに加えて、境界線像も含むことになる。使用者は、第1境界線FBLの下方、且つ、第2境界線SBLの上方に存在する領域に表される画像を、左画像として識別することができる。また、使用者は、第1境界線FBLの上方、且つ、第2境界線SBLの下方に存在する領域に表される画像を、右画像として識別することができる。
本実施形態において、2種類の境界線が用いられている。代替的に、1種類の境界線が利用されてもよい。この場合、使用者は、境界線間の領域に左画像及び右画像が含まれていると認識した上で、左右の画像間の視差量を見極めることができる。
図18は、処理制御部553が出力画像データに組み込む識別データによって表される例示的な識別像の概略図である。図10、図16及び図18を参照して、識別像が説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。左画像が表示される領域中に左画像を表す識別像が表示され、及び/又は、右画像が表される領域中に右画像を表す識別像が表示されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。
本実施形態において、左画像が表示される領域を表す識別像として、「L」のマークが用いられる。また、右画像が表示される領域を表す識別像として、「R」のマークが用いられる。代替的に、左画像と右画像との間で、形状及び/又は色相において異なるマークが識別像として用いられてもよい。
本実施形態において、「L」のマーク及び「R」のマークのうち一方は、第1識別像として例示される。「L」のマーク及び「R」のマークのうち他方は、第2識別像として例示される。
識別データは、メモリ560によって記憶されてもよい。処理制御部553は、左画像データとともに「L」のマークを表示するための識別データをメモリ560から読み出してもよい。処理制御部553は、「L」のマークを表示するための識別データを左画像データに組み込み、出力画像を生成してもよい。処理制御部553は、右画像データとともに「R」のマークを表示するための識別データをメモリ560から読み出してもよい。処理制御部553は、「R」のマークを表示するための識別データを右画像データに組み込み、出力画像を生成してもよい。
図18には、識別像とともに、境界線が表されている。境界線は、図16を参照して説明された技術によって表示されてもよい。
図19は、識別像を含む出力画像の生成処理の概念図である。図10及び図19を参照して、出力画像の生成処理が説明される。
上述の如く、処理制御部553は、左画像データと右画像データとをデータ領域に書き込む間、識別データも書き込む。この結果、出力画像は、左画像と右画像とに加えて、識別像も含むことになる。使用者は、「L」のマークが表示された領域に写し出される画像を、左画像として識別することができる。また、使用者は、「R」のマークが表示された領域に写し出される画像を、右画像として識別することができる。
本実施形態において、2種類の識別像が用いられている。代替的に、1種類の識別像が利用されてもよい。
図20は、左画像が表示される領域と右画像が表示される領域とを識別するための識別パターンの概念図である。図10及び図20を参照して、識別パターンが説明される。
上述の如く、使用者は、出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。左画像が表示される領域と右画像が表示される領域との間で、色相、コントラスト及び/又は輝度レベルにおいて差異が識別されるならば、使用者は、視差量を容易に把握することができる。
処理制御部553は、左画像データと右画像データとの間で、色相、コントラスト及び/又は輝度レベルに関して異なる処理を実行してもよい。処理制御部553が、左画像データに関して、赤の色相を強める処理をするならば、使用者は、全体的に赤色がかった領域に表示されている画像を、左画像として認識することができる。尚、左画像データと右画像データとの間における色相、コントラスト及び/又は輝度レベルに関する異なる処理によってもたらされる差異が、左画像と右画像との間の比較を阻害しないように、処理制御部553は、識別パターンを作り出す。
図21は、撮像システム120の概略図である。図1、図9及び図21を参照して、撮像システム120が説明される。尚、図9を参照して説明された様々な要素と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、図1に基づく説明が適用される。
撮像システム120は、カメラ装置250と、表示装置300と、ケーブル320と、コンピュータ装置450と、を備える。カメラ装置250は、図1を参照して説明されたデータ生成装置200に相当する。コンピュータ装置450は、図1を参照して説明された画像データ処理装置400に相当する。
カメラ装置250は、左カメラ装置251と、右カメラ装置252と、を備える。左カメラ装置251は、図10を参照して説明された左撮像部520が有するハードウェア構成を有してもよい。右カメラ装置252は、図10を参照して説明された右撮像部530が有するハードウェア構成を有してもよい。
コンピュータ装置450は、レンズ制御部540、信号処理部550、メモリ560及び入力インターフェース570を備えてもよい(図10を参照)。したがって、撮像システム120は、図10を参照して説明された撮像システム110と同様の動作を行うことができる。
図22は、例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。図10、図21及び図22を参照して、撮像タイミングが説明される。
左撮像部520及び右撮像部530が、同時に撮像動作をするならば、左画像データ及び右画像データは、同時刻に取得される。同様に、左カメラ装置251及び右カメラ装置252が、同時に撮像動作をするならば、左画像データ及び右画像データは、同時刻に取得される。この場合、左画像データと右画像データとによって表される画像には、時間的な変動因子は、ほとんど含まれない。したがって、信号処理部550は、同時刻に取得された左画像データ及び右画像データを用いて、出力画像を生成してもよい。使用者は、生成された出力画像を観察し、左画像と右画像との間の視差量を適切に見出すことができる。
図23は、例示的な撮像タイミングを表す概略的なタイミングチャートである。図10、図21乃至図23を参照して、撮像タイミングが説明される。
図22に示されるタイミングチャートとは異なり、図23のタイミングチャートは、左画像の撮像タイミングが、右画像の撮像タイミングと相違していることを表している。例えば、左カメラ装置251が撮像動作を実行したことを表す信号が、右カメラ装置252に出力された後、右カメラ装置252が撮像動作を行うならば、図23のタイミングチャートで表される関係が生ずる。例えば、右画像データの取得タイミングは、右カメラ装置252へ信号を出力するための時間長さと右カメラ装置252の撮像動作に要求される時間長さとの和の分だけ、左画像データの取得タイミングから遅れることになる。当該遅れは、左画像データと右画像データとの間での取得タイミングの相違となる。
図23に示されるタイミング関係の下では、左画像と右画像との間には、視差量に加えて、時間的な変動因子が含まれることもある。例えば、被写体が移動しているならば、左画像データと右画像データとの間での取得タイミングの相違の分だけ、被写体の位置、姿勢や形状といった視覚的な特性が時間的に変化することもある。
信号処理部550は、視覚的な特性の時間的な変動を低減するための補正処理を行ってもよい。例えば、信号処理部550は、左画像データ及び右画像データを用いて、動きベクトルを算出してもよい。信号処理部550は、動きベクトルを用いて、擬似的に同時刻となる時間位置の画像を補間してもよい。信号処理部550は、補間処理から得られた画像データを用いて、上述の出力画像を生成してもよい。この結果、使用者は、視覚的な特性の時間的な変化の影響をほとんど受けることなく、左画像と右画像との間の視差量を適切に見極めることができる。
図24は、例示的な撮像システム110Aのハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図10及び図24を参照して、撮像システム110Aが説明される。尚、図10を参照して説明された撮像システム110と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素は、図10に基づく説明が援用される。
撮像システム110Aは、カメラ装置500Aと、表示装置300Aと、を備える。撮像システム110と異なり、カメラ装置500Aは、入力インターフェース570を備えていない。この点において、撮像システム110Aは、撮像システム110とは相違する。
表示装置300Aは、表示面310Aを備える。表示面310と同様に、表示面310Aは、画像を表示する機能を有する。表示機能に加えて、表示面310Aは、入力インターフェース570の機能を有する。即ち、使用者は、表示面310Aを通じて、撮像システム110Aを操作することができる。
図25は、表示装置300Aの概略図である。図22乃至図25を参照して、撮像システム110Aが更に説明される。
図25に示される表示装置300Aの表示面310A上には、上述の出力画像に加えて、出力画像やカメラ装置500Aに対する入力操作に用いられるインターフェース画像IFIが表示されている。例えば、使用者は、インターフェース画像IFIを操作し、カメラ装置500Aが行う撮像タイミングのパターン(図22及び図23を参照)を撮像システム110Aに通知してもよい。
図25に示されるインターフェース画像IFIは、「prev」の文字と「next」の文字とを含んでいる。表示面310Aに表される出力画像が、図22に示される左画像「L2」と右画像「R2」とから形成され、且つ、使用者が「prev」の文字を押圧するならば、信号処理部550は、先行する左画像「L1」と先行する右画像「R1」とを用いて出力画像を生成してもよい。使用者が「next」の文字を押圧するならば、信号処理部550は、後続の左画像「L3」と後続の右画像「R3」とを用いて出力画像を生成してもよい。したがって、本実施形態の原理は、静止画だけでなく、動画にも適用可能である。
インターフェース画像IFIを表すインターフェースデータは、メモリ560によって記憶されてもよい。信号処理部550は、メモリ560からインターフェースデータを読み出してもよい。信号処理部550は、出力画像データにインターフェースデータを組み入れてもよい。インターフェースデータは、表示装置300Aに出力されてもよい。
使用者は、インターフェース画像IFIを利用して、様々な操作を行うことができる。例えば、使用者は、インターフェース画像IFIを用いて、出力画像の質の調整(例えば、輝度調整、コントラスト調整、エッジ強度の調整や色補正)を行ってもよい。したがって、使用者は、立体画像の作成を効率的に行うことができる。
必要に応じて、使用者は、インターフェース画像IFIを利用して、左画像が表示される領域の垂直方向の寸法及び右画像が表示される領域の垂直方向の寸法を調整してもよい。この結果、使用者は、左画像と右画像とを適切に比較することができる。例えば、使用者が特定の被写体に関する視差量を見極めようとするならば、特定の被写体に合わせて、垂直方向の寸法が設定されてもよい。特定の被写体が大きいならば、使用者は、垂直方向の寸法に対して、大きな値を設定してもよい。特定の被写体が小さいならば、使用者は、垂直方向の寸法に対して、小さな値を設定してもよい。例えば、特定の被写体が、少なくとも1つの第1領域と少なくとも1つの第2領域とによって表されるならば、使用者は、特定の被写体に関する視差量を見極めることができる。
図25に示される表示装置300Aの表示面310A上には、インターフェース画像IFIに加えて、測量像MIが示されている。測量像MIは、左画像と右画像との間のずれ量を測るために用いられる。使用者は、測量像MIを定規として用い、左画像と右画像との間の視差量を見極めることができる。
測量像MIを表す測量像データは、メモリ560によって記憶されてもよい。信号処理部550は、メモリ560から測量像データを読み出してもよい。信号処理部550は、出力画像データに測量像データを組み入れてもよい。測量像データは、表示装置300Aに出力されてもよい。
使用者が、測量像MIに対してドラッグ操作をする間、信号処理部550は、ドラッグ操作に応じて、測量像MIの位置を変更するように、測量像データを処理してもよい。使用者が、測量像MIを、左画像と右画像との境界に重ねるならば、使用者は、左画像と右画像との間の位置的な相違を適切に見極めることができる。代替的に、測量像MIが、左画像と右画像との境界に予め重なるように、信号処理部550は、測量像データを処理してもよい。代替的に、測量像MIが、左画像と右画像との境界の近くで表示されるように、信号処理部550は、測量像データを処理してもよい。
測量像は、左画像と右画像との間の適切なずれ量を表してもよい。左画像と右画像との間のずれ量が、測量像で表される長さよりも大きいならば、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を低減させる調整処理を行うことができる。左画像と右画像との間のずれ量が、測量像で表される長さよりも小さいならば、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を増大させる調整処理を行うことができる。
必要に応じて、測量像が表す長さは、可変であってもよい。この結果、使用者は、立体画像の作成条件に応じて、基準となるずれ量を適切に設定することができる。
信号処理部550は、左画像と右画像との間の境界上又は境界の近くに配置された測量像を表す測量像データと、測量像の周囲の画像データとを用いて、左画像と右画像との間のずれ量が適切であるか否かを判断する機能を有してもよい。また、所定のずれ量(測量象データ)となるように、カメラ装置は、自動調整(ズーム位置、カメラの光軸のなす角度である輻輳角や光軸間距離)する機能を有しても良い。
(手術の効果の検証への用途)
上述の実施形態の原理は、様々な用途に適用可能である。上述の実施形態は視差量を見極めることを目的とする。視差は、一般的に、左画像と右画像との水平方向の位置的な差異によって生ずるので(即ち、視差は、垂直方向の位置的な差異にほとんど依存しないので)、表示領域は、水平方向に延びる複数の矩形領域に分割されている。しかしながら、表示領域の分割パターンは、本実施形態が適用される技術フィールドに依存する。例えば、瞼の切開手術の効果を検証するためには、表示領域は、垂直方向に延びる複数の矩形領域に分割される。他の用途において、表示領域は、同心円状に分割されてもよい。上述の説明から明らかな如く、分割パターンは、複数の種類の画像データからのデータの抽出に依存する。したがって、データの抽出方法が用途に応じて適切に設定されるならば、使用者は、複数の画像を適切に観察することができる。
図26Aは、瞼の切開手術の前に撮影された眼の画像である。図26Bは、瞼の切開手術の後に撮影された眼の画像である。
図26A及び図26Bに示される画像を対比しても、手術の効果は検証されにくい。
図27は、上述のデータ処理技術を用いて作成された画像である。
手術前後の眼の画像が水平方向に並べられている。したがって、使用者は、手術前後での開眼寸法の変化を容易に見極めることができる。加えて、使用者は、開眼寸法において最も大きな変化があった領域を容易に特定することができる。
図8及び図11に示されるデータ処理は、ソフトウェアを用いて実行されてもよい。この場合、抽出部420(図1を参照)又は信号処理部550(図10を参照)は、CPU、FPGA、DSP上で動作するソフトウェアプログラムを実行してもよい。
図8及び図11に示されるデータ処理は、集積素子といったハードウェアを用いて実行されてもよい。この場合、抽出部420(図1を参照)又は信号処理部550(図10を参照)は、図8及び図11に示されるデータ処理を実行するように設計された集積回路であってもよい。
画像データ処理装置400(図1を参照)は、表示装置300(図1を参照)と一体化されてもよい。この場合、画像データ処理装置400は、データ処理機能だけでなく、画像を表示するための表示機能をも有することになる。
上述の実施形態の原理は、写真データだけでなく、コンピュータグラフィクス技術によって作成された画像データの処理にも適用可能である。例えば、画像データの編集中に、本実施形態の原理を利用して、左画像と右画像との間の視差量の確認が行われてもよい。
上述の実施形態に関連して説明された様々な技術は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一局面に係る画像データ処理装置は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成する。画像データ処理装置は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する抽出部を備える。該抽出部は、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを処理し、前記出力画像データを生成する。
上記構成によれば、抽出部は、第1画像を表す第1画像データの一部を、出力画像の第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出する。また、抽出部は、第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する。抽出部は、第1抽出データと第2抽出データとを処理し、出力画像データを生成するので、第1画像の一部は、第1領域に表示され、且つ、第2画像の一部は、第2領域に表示される。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1画像は、前記第1領域に対応する第1対応領域を含んでもよい。前記第2画像は、前記第2領域に対応する第2対応領域を含んでもよい。前記抽出部は、前記第1対応領域に表示される画像を表すデータを前記第1抽出データとして前記第1画像データから抽出し、且つ、前記第2対応領域に表示される画像を表すデータを前記第2抽出データとして前記第2画像データから抽出してもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1領域に対応する第1対応領域に表示される画像を表すデータを第1抽出データとして前記第1画像データから抽出する。また、抽出部は、第2領域に対応する第2対応領域に表示される画像を表すデータを第2抽出データとして第2画像データから抽出する。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1対応領域は、所定の方向に延びる複数の第1帯状領域を含んでもよい。前記第2対応領域は、前記所定の方向に延びる複数の第2帯状領域を含んでもよい。前記第1帯状領域及び前記第2帯状領域が交互に配列されるように、前記抽出部は、前記出力画像データを生成してもよい。
上記構成によれば、第1帯状領域及び第2帯状領域が交互に配列されるように、抽出部は、出力画像データを生成するので、使用者は、第1画像及び第2画像を全体的に比較することができる。
上記構成において、前記所定の方向は、水平方向又は垂直方向であってもよい。
上記構成によれば、第1帯状領域及び第2帯状領域が水平方向に延びるならば、第1帯状領域及び第2帯状領域は垂直方向に交互に配列される。したがって、使用者は、第1画像と第2画像との間の水平方向の位置的な変化を容易に観察することができる。第1帯状領域及び第2帯状領域が垂直方向に延びるならば、第1帯状領域及び第2帯状領域は水平方向に交互に配列される。したがって、使用者は、第1画像と第2画像との間の垂直方向の位置的な変化を容易に観察することができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記第1画像の一部であることを表現する第1識別像を表示するための第1識別データを前記第1抽出データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1画像の一部であることを表現する第1識別像を表示するための第1識別データを第1抽出データに組み入れるので、使用者は、第1領域に表示されている画像が第1画像の一部であることを容易に確認することができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記第2画像の一部であることを表現する第2識別像を表示するための第2識別データを前記第2抽出データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第2画像の一部であることを表現する第2識別像を表示するための第2識別データを第2抽出データに組み入れるので、使用者は、第2領域に表示されている画像が第2画像の一部であることを容易に確認することができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記出力画像に対する入力操作に用いられるインターフェース画像を表すインターフェースデータを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、出力画像に対する入力操作に用いられるインターフェース画像を表すインターフェースデータを出力画像データに組み入れるので、使用者は、インターフェース画像を利用して、出力画像に対して、入力操作を容易に行うことができる。
上記構成において、前記抽出部は、前記第1領域と前記第2領域との間の境界を表す境界線を表す境界データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、第1領域と第2領域との間の境界を表す境界線を表す境界データを出力画像データに組み入れるので、使用者は、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上記構成において、前記第1画像及び前記第2画像は、立体画像の表示のために用いられてもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち一方は、左眼で観察される左画像であってもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち他方は、右眼で観察される右画像であってもよい。
上記構成によれば、使用者は、左画像と右画像とを容易に比較することができるので、立体画像は、容易に作成又は調整される。
上記構成において、前記抽出部は、前記左画像と前記右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像を表示する測量像データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、抽出部は、左画像と右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像を表示する測量像データを出力画像データに組み入れるので、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を定量的に把握することができる。
上記構成において、前記第1画像及び前記第2画像は、立体画像の表示のために用いられてもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち一方は、左眼で観察される左画像であってもよい。前記第1画像及び前記第2画像のうち他方は、右眼で観察される右画像であってもよい。前記出力画像は、前記左画像と前記右画像との間のずれ量の測定に利用される測量像と、を含んでもよい。該測量像が前記境界線に重ねられるように、前記抽出部は、前記測量像を表示する測量像データを前記出力画像データに組み入れてもよい。
上記構成によれば、測量像が境界線に重ねられるので、使用者は、左画像と右画像との間のずれ量を容易に測定することができる。
上述の実施形態の一局面に係る画像データ処理方法は、第1領域に表示される第1領域画像と、前記第1領域に隣り合う第2領域に表示される第2領域画像と、を含む出力画像を表す出力画像データを生成するために利用される。画像データ処理方法は、第1画像を表す第1画像データの一部を、前記第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出し、且つ、前記第1画像と同時に観察並びに比較される第2画像を表す第2画像データの一部を、前記第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出する段階と、前記第1抽出データと前記第2抽出データとを用いて、前記出力画像データを生成する段階と、を備える。
上記構成によれば、第1画像を表す第1画像データの一部は、出力画像の第1領域画像を表す第1抽出データとして抽出される。第1画像と同時に観察される第2画像を表す第2画像データの一部は、第2領域画像を表す第2抽出データとして抽出される。出力画像データは、第1抽出データと第2抽出データとを用いて、生成されるので、第1画像の一部は、第1領域に表示され、且つ、第2領域の一部は、第2領域に表示される。したがって、使用者は、出力画像を観察し、第1画像と第2画像とを容易に比較することができる。
上述の様々の実施形態の原理は、複数種の画像間の比較が要求される様々な技術に有用である。