JPWO2013162026A1 - 核酸の増幅方法、および、増幅核酸の検出方法 - Google Patents

核酸の増幅方法、および、増幅核酸の検出方法 Download PDF

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Abstract

効率的なハイブリダイゼーションを行うための核酸の増幅・検出方法、および、それらに使用するデバイス・キットの提供を課題とする。標的核酸を増幅する際に、両末端に一本鎖領域を有する二本鎖核酸として増幅し、検出する。また、それらを用いた検出デバイス・キットを提供する。

Description

本発明は、核酸の増幅方法、および、その方法で増幅された核酸の検出方法に関する。
分子生物学の研究分野、遺伝子検査等の臨床応用分野において、標的核酸配列を特異的に増幅する方法は非常に重要な技術となっている。核酸増幅法により得られた増幅産物を特異的に検出する方法の一つとして、標的配列を含む核酸断片を固相に固定して検出する方法がある。この方法では、標的核酸を特異的に固相に捕捉することで、洗浄等により非特異的な核酸配列を容易に除去し、検出特異性を上げることが可能である。
この際、標的核酸を固相に捕捉する方法としては、特異的な結合を形成し得る抗原−抗体の組合せ、あるいは、リガンド−レセプターの組合せを利用する方法が挙げられる。例えば、非特許文献1では、一方のプライマーの末端をビオチン修飾し、他方のプライマーを蛍光物質修飾したプライマーを用いて増幅したPCR産物の検出法が開示されている。この方法では、PCR産物をストレプトアビジン−アガロースからなる固相と接触させ、ストレプトアビジン−ビオチン複合体を形成させることにより固相に結合させ、その蛍光を測定することで目的の増幅産物の検出が可能である。
しかし、標識に使用可能な抗原/抗体やリガンド/レセプターの組合せには制限があるため、同時に多数の標的核酸を検出することは実質的には困難である。また、蛍光標識核酸は高価であるといったコスト面の問題も有する。
標的核酸を固相に捕捉する別の方法として、標的核酸に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブを固相上に固定化し、標的核酸とプローブとのハイブリダイゼーションを介して、標的核酸を固相に間接的に固定化する方法がある。この方法ではハイブリッド形成によるシグナル強度の検出を行う。このような核酸解析法は、プローブ配列を変えることで複数の標的配列を一度に解析することが可能である。
しかし、固定化したプローブと標的核酸とを固相上でハイブリダイゼーションさせるには、一般にPCR法で増幅した二本鎖核酸を、熱処理により一本鎖に変性する工程が必要であるが、加熱処理は煩雑であるだけでなく、再アニーリングによるハイブリダイゼーション効率の低下が問題である。また、一本鎖DNAは球状化し易く、検出感度に劣るという問題も有している。特許文献1では、加熱処理を行わず、ヌクレアーゼ処理によって一本鎖核酸を増幅する方法が開示されているが、これも操作は煩雑であり、一本鎖の球状化の問題がある。
核酸の検出方法の中でも、操作性に優れ、迅速、簡便な標的核酸の検出方法として、特許文献2に記載のクロマトグラフィーに基づいた方法がある。この方法は、細胞、ウイルスまたは細菌から遺伝子を抽出する工程、任意抽出された遺伝子の断片化工程、および検出工程が、単一の遺伝子検出装置上で、任意抽出された遺伝子またはその断片を含む液体試料をキャピラリー作用によって移動させる事により連続して行われる遺伝子検出方法である。目的遺伝子の存否を判断し、更にその種類を同定する事が可能になる。ただし、特許文献2でもNASBA法により一本鎖核酸を増幅している。一本鎖核酸の使用上の課題は前述の通りである。
上記の問題を解決するために、特許文献3および特許文献4では、プライマー領域の5’側にDNAポリメラーゼによる核酸合成を阻害する非天然型核酸タグ、ヘアピン構造、またはシュードノット構造を有することで、PCR反応後も二本鎖核酸の片方に一本鎖領域を残している。特殊なプライマーを用いてPCR反応を行うだけで、二本鎖DNAの片方の末端にハイブリダイゼーション可能な一本鎖領域を有する増幅産物を作製可能であるという点で優れている。しかし、検出には蛍光標識や、表面プラズモン共鳴差イメージングによる検出が必要であるため、高価な専用の装置が必要であり、迅速性、簡便性の面で問題がある。
特開平5−252998号公報 特開2006−201062号公報 国際公開第2006/095550号パンフレット 特開2009−296948号公報
Analytical biochemistry,193,231−235,(1991)
臨床現場における遺伝子診断や検査においては、検査装置が大型かつ高価であること、および、検査時間を要することで、患者の検査費用や数回の通院での手間や負担を要することが多い。そこで、検査の正確性を保ちつつも患者および検査者の負担を軽減する必要があるという理由から、簡便、迅速かつ特異性の高い方法、低コストで特殊な装置を必要としない方法が求められる。本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的はハイブリダイゼーション法の特異性の高さを活用し、かつ、PCR産物の検出工程に要する時間と工程を減らし、特殊な装置を必要とすることなく、簡便かつ高精度に、目視にて検出する核酸検出方法、および核酸検出デバイスまたはキットを提供することを課題とする。更には、これまでは高価な標識タグを標的核酸ごとに作製する必要があり、手間とコスト面で改善の余地があった。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、それぞれのプライマー本体部の5’末端に連結した核酸増幅反応において二本鎖化されないタグ領域を有したプライマーセットを用いることにより、標的核酸を、両末端それぞれに一本鎖領域を有する二本鎖核酸として増幅し、当該増幅断片を、前記一本鎖領域の一方とハイブリダイゼーションし得るオリゴヌクレオチドプローブを有する固相と結合させ、これを検出することにより、特殊な装置を必要とすることなく、前記DNA増幅断片を簡便かつ高精度に検出できることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、核酸増幅反応で二本鎖化されないタグ領域が5’末端側に連結されたプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、両末端に一本鎖領域を有する核酸を得ることを特徴とする、核酸の増幅方法に関する。
タグ領域が、スペーサーを介してプライマーと連結されていることが好ましい。
スペーサーが、核酸誘導体を含むことが好ましい。
核酸誘導体が、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
L型核酸が、L型DNA、L型RNA、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
3−deoxy−2−hydroxy−dNが、2’−5’結合によりプライマーと連結されていることが好ましい。
修飾塩基核酸が、発色団またはビオチンを含むことが好ましい。
発色団が、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニン、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
損傷塩基核酸が、脱塩基ヌクレオチド、5−ヒドロキシメチル−dN、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
リン酸結合部位修飾核酸が、ホスホロチオエート又はその誘導体を含むことが好ましい。
核酸誘導体が、5’−5’結合でプライマーと連結され、かつ、3’−3’結合でタグ領域と連結されていることが好ましい。
スペーサーが、非核酸誘導体を含むことが好ましい。
非核酸誘導体が、D−threoninol骨格を有することが好ましい。
D−threoninol骨格に、アゾベンゼン、ビオチン、EDTA、および、発色団からなる群から選択される少なくとも1以上が導入されていることが好ましい。
発色団が、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニン、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
非核酸誘導体が、炭素鎖(C)、ペグ鎖((CHCHO))、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、および、ジチオールフォスフォロアミダイトからなる群から選択される少なくとも1以上であることが好ましい。
スペーサーが複数種類および/又は複数個であることが好ましい。
また、本発明は、前記核酸の増幅方法で得られた、両末端に一本鎖領域を有する核酸を検出することを特徴とする核酸の検出方法に関する。
片方の一本鎖領域と相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプローブを固相に固定する工程、および、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブを、両末端に一本鎖領域を有する核酸とハイブリダイズさせる工程を含むことが好ましい。
更に、他方の一本鎖領域と相補的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプローブを標識物質と結合する工程、および、前記第2のオリゴヌクレオチドプローブを、両末端に一本鎖領域を有する核酸とハイブリダイズさせる工程を含むことが好ましい。
更に、目視で核酸を判別する工程を含むことが好ましい。
標識物質が着色担体であることが好ましい。
両末端に一本鎖領域を有する核酸を、核酸検出デバイス上で検出することが好ましい。
核酸検出デバイスが、アレイ又はクロマトグラフィーであることが好ましい。
本発明によれば、タグ領域が核酸増幅反応で二本鎖化されないので、両末端に一本鎖領域を有しハイブリダイゼーションによる検出効率の高い核酸を得ることができる。
更に本発明によれば、核酸増幅産物の一本鎖領域を利用して特異的に核酸増幅産物を固相に結合させることができ、更にもう一方の一本鎖領域を利用して標識化合物との複合体を形成することができ、特殊な装置を用いることなく核酸増幅産物を簡便、迅速に目視判定することが可能となる。更に、構造的に安定な二本鎖核酸を検出することによって、全長一本鎖の検出と比較して検出感度が向上される。また、固相に結合させるための増幅産物の一本鎖領域と、これに相補的な固相上のオリゴヌクレオチドプローブの組み合わせを複数種用意することで、試料中に存在する2種以上の標的核酸を同時に判別することも可能となる。更に、安価なジョイントプライマーを介することによりあらゆる標的核酸に同一の一本鎖領域を付加することが可能となる。その同一の一本鎖領域を利用して、同一の標識タグおよびデバイスを用いて検出が可能となる。この場合、高価な標識タグを標的核酸ごとに作製する必要がなく、手間とコストを大幅に改善することができる。
本発明のPCR用プライマーの概念図である。 本発明のPCR用第1プライマーの概念図である。 本発明のPCR用第2プライマーの概念図である。 本発明における部分二本鎖核酸の合成法の概念図である。 本発明における部分二本鎖核酸の合成法の別様態の概念図である。 本発明の核酸クロマトグラフィーデバイスの一例を示す概略図である。 本発明におけるPCR産物検出原理の概念図である。 本発明のマイクロアレイ(DNAチップ)の一例を示す概略図である。 本発明のビーズ担体の一例を示す概略図である。 参考例の変性PAGEの結果の一例である。 実施例1の核酸クロマトグラフィー様ストリップによるPCR増幅産物の検出結果の一例である。 実施例13のクロマトグラフィー様ストリップによるPCR増幅産物の検出結果である。 実施例14で使用した標的1の概念図である。 実施例14で使用した標的2の概念図である。
本発明は、核酸増幅反応で二本鎖化されないタグ領域が5’末端側に連結されたプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、両末端に一本鎖領域を有する核酸を得ることを特徴とする、核酸の増幅方法に関する。核酸としては、例えばDNA、RNAが挙げられる。核酸増幅産物の両末端の一本鎖領域は、天然のヌクレオチドを含むことが好ましい。更に本発明は、前記方法によって作製された、両末端に一本鎖領域を有する核酸を、検出する工程を含む核酸の検出方法に関する。
両末端に一本鎖領域を有する核酸は、鋳型となる試料DNAに対して、特定のプライマーセットを用いて核酸増幅反応を行うことにより得られる。両末端に一本鎖領域を有する核酸は、二本鎖DNA増幅断片であって両末端に一本鎖領域を有するものであることが好ましい。
試料DNAは特に限定されず、核酸増幅反応の鋳型として用いることができればよい。具体的には、血液、体液、組織、口腔内粘膜、毛髪、爪、培養細胞、動物、植物、微生物等のあらゆる生物試料由来のDNAを用いることができる。また、上記試料DNAはゲノムDNA、cDNA、ミトコンドリアDNA、および葉緑体DNAなどでもよい。また、RNAを鋳型として逆転写反応後に得られたcDNAを用いることもできる。これらDNAは、増幅させるDNA断片に応じて、適時選択すればよい。また、試料DNAは精製されたDNAである必要はなく、試料DNAを含む細胞や組織を、精製処理することなく、そのまま核酸増幅反応に適用することができる。
両末端に一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片は、核酸増幅反応において二本鎖化されないタグ領域を有する2つ以上のプライマーを用いて核酸増幅法により得られた産物であることが好ましい。この場合において、二本鎖DNA増幅断片の両末端の一本鎖領域は、核酸増幅反応に使用するプライマーのうち、核酸増幅反応により二本鎖化されないタグ領域に由来する領域である。
図1に核酸増幅用プライマーを示す。このプライマーは、プライマー本体領域1と、前記プライマー本体部の5’側に核酸増幅反応により二本鎖化されないタグ領域2からなる。また、プライマー本体領域とタグ領域との間に、ポリメラーゼ反応阻害領域3としてスペーサー領域を有していても良い。
また、二本鎖DNA増幅断片は、標的核酸の鋳型にハイブリダイズ可能な配列、および、該鋳型にハイブリダイズ不可能な共通配列を有するプライマーを含む第1プライマーセット、並びに、上記共通配列の相補配列とハイブリダイズ可能な配列、および核酸増幅反応において二本鎖化されないタグ領域を有するプライマーを含む第2プライマーセットを用いて、核酸増幅法により得られた産物であることが好ましい。図2にPCR用第1プライマーセットを構成するプライマーを示す。PCR用第1プライマー(ジョイントプライマー)は、標的核酸の鋳型にハイブリダイズ可能なプライマー本体領域4と、前記プライマー本体領域の5’側に第2プライマーと共通の配列からなる共通領域5からなることを特徴とする。図3にPCR用第2プライマーセットを構成するプライマーを示す。第2プライマーは、前記第1プライマーと共通の配列を有するプライマー本体領域6と、本体領域6の5’側に核酸増幅反応により二本鎖化されないタグ領域7からなることを特徴とする。第2プライマー本体領域とタグ領域との間に、ポリメラーゼ反応阻害領域8としてスペーサー領域を有していてもよい。
プライマー本体領域とは、核酸増幅反応におけるプライマーとして機能し得る塩基配列を有するオリゴヌクレオチド領域を意味する。具体的には、標的核酸の標的塩基配列における5’末端側又は3’末端側とハイブリダイズし得る配列であり、一般的には、標的塩基配列の5’末端側または、3’末端側の塩基配列と相補的な塩基配列である。これらのプライマー本体領域は、標的核酸と特異的に結合可能であれば、塩基欠損や挿入、およびミスマッチ部位を有していても良い。プライマー本体領域の長さは、8塩基以上であることが好ましく、12塩基以上であることがより好ましく、15塩基以上であることが更に好ましい。また、プライマーの鎖長には特に上限はないが、その合成のコストなどの観点から、通常は50塩基以下、あるいは40塩基以下のものが好適である。
プライマーのタグ領域は、天然のヌクレオチドを含むことが好ましい。天然のヌクレオチドとは天然のアデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシルの塩基、デオキシリボース、リボースの糖部、および、リン酸基から構成されるヌクレオチドのことであり、各部分が人工的な修飾を受けていないヌクレオチドのことである。天然のヌクレオチドは、D型ヌクレオチドであってもよく、L型ヌクレオチドであってもよい。D型ヌクレオチドとは、D型のデオキシリボースもしくはリボースからなるヌクレオチドを示す。また、L型ヌクレオチドとは、L型のデオキシリボースもしくはリボースからなるヌクレオチドを示す。タグ領域が天然のヌクレオチドを含むことにより、合成が安価で容易になるという効果を奏する。また、プライマーのタグ領域における天然のヌクレオチドの割合は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、70%以上であることが更により好ましく、90%以上であることが最も好ましい。タグ領域の長さは特に限定されず、相補鎖核酸とハイブリダイズするために十分な長さを有していればよい。通常、5塩基〜60塩基であり、好ましくは6塩基〜40塩基である。
プライマーのタグ領域の核酸の向きはプライマー本体領域と同一方向に配列されていることが好ましい。プライマーのタグ領域の核酸の向きがプライマー本体領域と同一方向に配列されることにより、合成が安価で容易になるという効果を奏する。例えば、アゾベンゼンのような非天然の化合物がタグ領域とプライマー本体領域の間に入っている場合のように、タグ領域とプライマー本体領域が直接つながっていなくても、同一方向に配列されていることが好ましい。ここで、核酸が同一方向であるとは、隣り合うヌクレオチド同士が、ヌクレオチド中の糖の3’位同士や5’位同士ではなく、5’位と3’位の間でホスホジエステル結合していることをいう。例えば、タグ領域において、ヌクレオチド同士がホスホジエステル結合により糖の5’位と3’位の間で結合されている場合には、本体領域においても、ヌクレオチド同士が糖の5’位と3’位の間で形成されていることをいう。
スペーサー領域には、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害するスペーサーが含まれており、核酸の増幅反応の過程でポリメラーゼによる伸長反応を阻害し、タグ領域を一本鎖構造に保つことができる。スペーサーの構造は、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害することができれば特に限定されないが、核酸誘導体や非核酸誘導体を含むことが好ましい。
核酸誘導体は、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害し、タグ領域を一本鎖構造に保つことが可能なら特に限定されない。核酸誘導体として、5’−5’結合や3’−3’結合のような逆位配列構造を形成する核酸、強固なヘアピン構造やシュードノット構造のようにポリメラーゼの進行を阻害する立体構造を有する核酸、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、BNA(LNA)、および、それらの誘導体が挙げられる。
5’−5’結合もしくは3’−3’結合とは、化学式(1)
で示すようにDNAを構成するデオキシリボースの5’位とリン酸基を挟んで隣のデオキシリボースの5’位が結合している構造、もしくは、3’位とリン酸基を挟んで隣のデオキシリボースの3’位が結合している構造である。通常の5’位と3’位の結合とは逆方向であるため、逆位配列構造と呼ぶ。具体的な例としては、プライマー本体領域の5’領域とスペーサーが5’−5’結合で連結され、かつ、前記タグ領域の3’末端とスペーサー3’−3’結合で連結されるように、逆位構造を2回有した構造が挙げられる。また、逆位構造の回数は少なくとも1回含んでいれば良く、特に限定しないが、偶数回含んでいることが好ましい。偶数回の逆位構造を有すればタグ領域の末端が通常のプライマーと同じく5’位になるため、タグ領域からの非特異的な伸長反応を抑制することができ、検出時にも効果的である。また、スペーサーを化学式(1)に示すような1塩基ではなく、好ましくは5〜60塩基とすることで、スペーサーとタグの両方の役割を兼ねることも可能である。
「ヘアピン構造」や「シュードノット構造」とは、同一分子内の他の一本鎖領域と対合して形成される安定なループ構造を意味する。
L型核酸は、化学式(2)
もしくは化学式(3)
で表されるように、核酸を構成する糖であるデオキシリボースもしくはリボースが、天然型のD型とは光学異性体の構造を有するL型DNA、L型RNA、および、その誘導体である。L型核酸は、一般的に使用されているDNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。L型DNAは左巻きの二重らせん構造を形成するので、天然に存在するD型核酸とハイブリッドを形成することはなく、L型核酸同士でのみハイブリッドを形成できる。
3−deoxy−2−hydroxy−dNは、化学式(4)
で表される3−deoxy−2−hydroxy−dAのように、デオキシリボースの3’位に水酸基を有しておらず、2’位と隣のデオキシリボース5’位の間で2’−5’結合により結合している。そのため、DNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。本発明では、3−deoxy−2−hydroxy−dNが、2’−5’結合によりプライマーと連結されていることが好ましい。
修飾塩基核酸は、DNAの塩基部位にbiotin(ビオチン)や発色団などの修飾を有する核酸である。発色団としては、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニンなどが挙げられるがそれらに限定しない。修飾塩基核酸の例としては、化学式(5)
で表されるアミノC6−dA、化学式(6)
で表される2−Thio−dT、化学式(7)
で表される4−Thio−dT、化学式(8)
で表されるビオチン−dT、化学式(9)
で表されるカルボキシ−dT、化学式(10)
で表されるピレン−dU、化学式(11)
で表されるぺリレン−dU、化学式(12)
で表されるピロロ−dC、化学式(13)
で表されるエテノ−dA、化学式(14)
で表されるFITC−dT、化学式(15)
で表されるTAMRA−dT、化学式(16)
で表されるダブシル−dT、BHQ−1−dT、Cy3−dT、Cy5−dTなどが挙げられるがこれらに限定されない。これらは塩基部の修飾が立体的な障害となり、DNAポリメラーゼに認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
損傷塩基核酸は、脱塩基ヌクレオチド(APサイト:脱プリン塩基、脱ピリミジン塩基)、化学式(17)
で表されるdSpacer、化学式(18)
で表されるAbasicや、5−ヒドロキシメチル−dNなど、脱塩基や修飾された塩基を有する核酸である。これらは、一般的に使用されるDNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
リン酸結合部位修飾核酸は、化学式(19)
で表される、ホスホロチオエート(Sオリゴ)のように、核酸のリン酸基の一部を他の原子や分子で置き換えたもので、DNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
RNAは、化学式(20)
で示されるように、核酸を構成する糖がリボースからなり、一般的に使用されるDNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
2’−OMe−Nは、化学式(21)
で表される2’−OMe−Gのように、核酸を構成する糖部が修飾されており、DNAポリメラーゼでは認識されないので、伸長反応の鋳型として機能しない。
更に、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害する非核酸誘導体としては、D−threoninol骨格、PCspacer、炭素鎖(C)などの脂肪鎖、ペグ鎖(CHCHO)、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、PNA、および、それらの誘導体が挙げられるが、ポリメラーゼによる伸長反応を阻害し、当該領域を一本鎖構造に保つことが可能なら特に限定されない。これらの非核酸分子は、核酸とは異なる構造を持つため、DNAポリメラーゼでは認識されず、伸長反応の鋳型として機能しない。
D−threoninol(スレオ二ノール)骨格は、化学式(22)
で示すように、核酸同士をスレオ二ノールで結合した構造をしており、スレオ二ノールのアミノ基に種々の分子を挿入することが可能である。アミノ基を介して結合出来るものであれば特に限定しないが、例えば、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、TET、HEX、JOE、Cy3、Cy5、Dabcyl、シアニン、BHQなどの発色団、Biotin、EDTAの他、化学式(23)
で表される、アゾベンゼンを挿入することが出来る。
脂肪鎖は、Cで示すように、炭素鎖が連なった構造、および、その誘導体を示す。ここで、nの数は特に限定されないが、1〜45であることが好ましく、2〜18であることがより好ましい。例えば、化学式(24)
で示すような、C3リンカーや、C6リンカー、化学式(25)
で示されるようなC12リンカーが挙げられる。また、誘導体として、化学式(26)
で表される、PCspacerのような構造も挙げられる。
ペグ鎖は、(CHCHO)で示されるポリエチレングリコールが連なった構造、および、その誘導体を示す。ここで、nの数は特に限定されないが、1〜21であることが好ましく、1〜9であることがより好ましい。例えば、化学式(27)
で表される、Spacer9(トリエチレングリコールスペーサー)や、化学式(28)
で表される、Spacer18(ヘキサ−エチレングリコールスペーサー)が挙げられる。
ジスルフィド含有鎖は、CSSCで示されるジスルフィド結合の構造を有するものを示す。ここで、nの数は特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましい。例えば、化学式(29)
で表される炭素数が3のものが挙げられる。また、ジスルフィド結合を有していれば両側には脂肪鎖やペグ鎖などどの構造を取っていても良い。また、ジスルフィド含有鎖として、化学式(30)
で表されるような、ジチオールフォスフォロアミダイトなども挙げられる。
PNAとは主鎖にペプチド構造を保持した、DNAやRNAに似た構造を持つ分子であり、N−(2−アミノエチル)グリシンがアミド結合で結合したものが主鎖となっている。そして、核酸塩基に相当するプリン環やピリミジン環が、メチレン基とカルボニル基を介して主鎖に結合している。
BNA(LNA)とは、化学式(31)
で表されるように、DNAもしくはRNAの糖部構造を架橋修飾することによって人工的に合成した核酸を示す。
タグ領域が天然のヌクレオチドのみからなり、タグ領域の核酸の向きがプライマー本体領域と同じ方向である場合には、通常、プライマー領域との間にポリメラーゼ反応を阻害するスペーサーを要する。一方、タグ領域がL型核酸、PNA、BNAなどを含み、DNAポリメラーゼによる反応の鋳型にならず核酸増幅反応後も二本鎖化されない場合には、ポリメラーゼ反応を阻害するスペーサーは省略することも可能である。また、本発明のプライマーは、逆位構造、ヘアピン構造、シュードノット構造などの安定なループ構造、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、BNA(LNA)、などの核酸誘導体、および、炭鎖、ペグ鎖、ジスルフィド含有鎖、PNAなどの非核酸誘導体等を単独で有するものであってもよく、複数を組み合わせて有するものであってもよい。
プライマーは、オリゴヌクレオチドの標識に通常用いられる様々な分子により標識することも可能である。このような分子としては、酵素、磁性粒子、蛍光色素、放射性同位元素等が挙げられる。これらを単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
設計したプライマーを製造する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。具体的には、DNA合成装置を用いるか、受託合成サービスを利用することで、設計したプライマーを容易に得ることができる。
核酸増幅法は、上述のプライマーを使用して、両末端に一本鎖領域を有する核酸を得られる方法であれば特に限定されない。例えば、PCRが挙げられる。また、LAMP法、ICAN法などの等温増幅法も用いることが出来る。
核酸増幅法としてPCRを用い、スペーサーを介してタグ領域とプライマーが連結されている場合、PCRに用いるリバースプライマーとフォワードプライマーの組み合わせとしては、両方のプライマーに異なるスペーサーを用いても良いし、片方にスペーサーを用いて、もう片方にはスペーサーを導入せず、プライマーの5’末端にビオチンなどの修飾を行っても良い。
PCR条件は特に限定されるものではなく、上述した試料DNAを鋳型として、前記プライマーセットを用いてPCRを行ったときに、試料DNAの所望の領域が増幅される条件であればよい。PCRに用いるポリメラーゼは、特に限定されるものではないが、耐熱性DNAポリメラーゼであることが好ましく、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に有さない耐熱性DNAポリメラーゼであることがより好ましい。このような耐熱性DNAポリメラーゼとしては、Ex−Taq(タカラバイオ社製)、KOD Plus(東洋紡社製)、Phusion、PrimeSTAR、KOD FX、Tks Gflex等が挙げられるが、これに限定されない。また、温度、時間、緩衝液組成等のPCRの反応条件も特に限定されるものではなく、選択したDNAポリメラーゼ、プライマーの配列、目的配列部分の長さ等に応じて、適宜設定すればよい。核酸増幅反応により増幅されるDNAの長さは、20塩基以上であることが好ましく、40塩基以上であることがより好ましい。20塩基未満であると十分な特異性を有するプライマーの設計が困難になり、非特異的増幅が増える傾向がある。
前記プライマーセットを使用して、定法によりPCRを行うことで、標的核酸配列の両末端に一本鎖領域を付加した増幅産物を得ることができる。図4には、増幅反応の一例として、プライマー本体領域とタグ領域からなるプライマーを用いた場合の増幅反応の模式図を示す。フォワードプライマー10は標的核酸配列9の5’末端側の一部と同一の配列からなるプライマー本体領域11と、その5’末端側にタグ領域12を有する。リバースプライマー13は、標的核酸配列の3’末端側の一部と相補的な配列からなるプライマー本体領域14と、その5’末端側にタグ領域15を有する。両プライマーに結合するタグ領域の配列は、それぞれ異なる配列を有することが好ましい。前記プライマーセットを使用してPCRを行うと、両プライマーに付加されたタグ領域は実質的にPCR反応に関与しないため、両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物16が得られる。両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅断片とは、図4で示すように標的DNA領域と同一の二本鎖DNA部、および、その両側のそれぞれの5’末端にタグ部として一本鎖領域を有するDNA増幅産物を意味する。つまり、前記DNA増幅断片をより詳細に説明すると、両末端に修飾されていない核酸で構成される一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片を示しており、かつ、両末端の一本鎖領域はそれぞれ連続するDNA鎖と同一方向からなる配列を有している。
図5には、増幅反応の一例として、ジョイントプライマーセットとしてプライマー本体領域と共通配列領域からなるプライマー、および、共通配列とタグ領域からなるプライマーを用いた場合の増幅反応の模式図を示す。第1、および、第2プライマーセットを使用して、定法によりPCRを行うことで、標的核酸配列の両末端に一本鎖領域を付加した増幅産物を得ることができる。
フォワード第1プライマー18は標的核酸配列17の5’末端側の一部と同一の配列からなるプライマー本体領域19と、その5’末端側に共通配列領域20を有する。リバース第1プライマー21は、標的核酸配列の3’末端側の一部と相補的な配列からなるプライマー本体領域22と、その5’末端側に共通配列領域23を有する。両プライマーに付加する共通領域の配列は、それぞれ異なる配列を有することが好ましい。前記第1プライマーセットを利用してPCR反応を行うと共通領域を有する二本鎖DNA増幅産物24が得られる。
更にDNA増幅産物24の両端の共通配列領域のフォワード第2プライマー25は前記共通領域を有する二本鎖DNA増幅産物24の5’末端側の一部と共通の配列からなるプライマー本体領域26と、その5’末端側にタグ領域27を有する。リバース第2プライマー28は、前記共通領域を有する二本鎖DNA増幅産物24の3’末端側の一部と共通の相補的な配列からなるプライマー本体領域29と、その5’末端側にタグ領域30を有する。両プライマーに結合するタグ領域の配列は、それぞれ異なる配列を有することが好ましい。前記プライマーセットを使用してPCRを行うと、両プライマーに付加されたタグ領域は実質的にPCR反応に関与しないため、両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物31が得られる。本態様においては、第1プライマーを用いたPCR反応、および、第2プライマーを用いたPCR反応を図5のように連続して行うが、その順番は、第1プライマーと第2プライマーを同時に加えてもよい。或いは、第2プライマーを後から加えてもよい。
両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅断片とは、図5の31で示すように標的DNA領域と同一の二本鎖DNA部、および、その両側のそれぞれの5’末端にタグ部として一本鎖領域を有するDNA増幅産物を意味する。
第1、および、第2プライマーセットを用いることにより、標的核酸を変更しても、共通配列を同一の配列にしておくことで、第2プライマーは同一のプライマーを使用でき、同一の一本鎖タグ配列を作り出すことが可能となる。前記DNA増幅断片をより詳細に説明すると、両末端に修飾されていない核酸で構成される一本鎖領域を有する二本鎖DNA増幅断片を示しており、かつ、両末端の一本鎖領域はそれぞれ連続するDNA鎖と同一方向からなる配列を有している。
前記プライマーを使用して得られた増幅産物の一本鎖領域を利用して、ハイブリダイゼーション複合体を形成する。ハイブリダイゼーションとは核酸を含む分子が相補的に複合体を形成することをいい、DNA/DNAのほか、DNA/RNA、DNA/PNA、L−DNA/L−DNAなどが含まれる。本発明の核酸検出方法では核酸が一本鎖領域を有するので、核酸増幅工程の後、熱処理等の一本鎖化処理等を行うことなく、ハイブリダイゼーション反応に使用することができる。
両末端に天然のヌクレオチドを含む一本鎖領域タグを有する二本鎖DNA増幅断片の一方の一本鎖領域と、捕捉用担体(固相)に固定した第1のオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせることができる。更に、二本鎖DNA増幅断片の他方の一本鎖領域と、標識物質が直接的又は間接的に結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズする工程を含むことが好ましい。二本鎖DNA増幅断片、第1のオリゴヌクレオチドプローブ、および第2のオリゴヌクレオチドプローブからなる三者複合体形成をサンドイッチハイブリダイゼーションと呼ぶ。なお、三者のハイブリダイゼーションの順は特に限定されない。
第1のオリゴヌクレオチドプローブの長さは、二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域とハイブリダイズできれば特に限定されないが、5〜60塩基長であることが好ましく、10〜40塩基長であることがより好ましい。
第2のオリゴヌクレオチドプローブの長さは、二本鎖DNA増幅断片の一本鎖領域とハイブリダイズできれば特に限定されないが、5〜60塩基長であることが好ましく、10〜40塩基長であることがより好ましい。
第2のオリゴヌクレオチドプローブに結合する標識物質は、二本鎖DNA増幅断片の検出を実現するものであれば特に限定されないが、着色担体であって二本鎖DNA増幅断片の目視検出を実現できるものであることが好ましい。このような着色担体としては、着色粒子や酵素、色素結合担体などが挙げられる。これらの中でも、着色粒子を用いることが好ましい。
着色粒子としては、金、銀、銅、白金などの金属からなるコロイド粒子や、顔料や染料などでラテックスを着色してなる着色ラテックス、色素分子をシリカ(二酸化ケイ素)粒子内部に固定化したシリカナノ粒子などが挙げられる。これらの中でも、金コロイド粒子や、青色、赤色等に着色された水分散型高分子重合体からなる着色ラテックス粒子を用いることが好ましい。このような着色粒子を用いることにより、DNA増幅断片の目視判定をより容易なものとすることができる。特に多項目を同時に検出する際には、項目ごとに異なる色の着色粒子を用いることにより、多数の項目を同時に目視判定することが容易となる。
着色粒子を用いる場合、その粒径は、特に限定されるものではないが、サンドイッチハイブリダイゼーション複合体の形成、および、標的配列を含む増幅産物の固相への捕捉に悪影響が小さく、かつ、検出の際に発色のよいものであることが好ましい。着色粒子の粒径は、後述のクロマトグラフィー用媒体の孔径より小さい粒径から選択される。具体的には、通常500nm以下が用いられ、中でも0.1nm〜100nmとすることが好ましく、1nm〜50nmとすることがより好ましい。着色担体として用いる酵素とは、発色、もしくは、発光する基質の反応を触媒するタンパク質のことである。例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼなどが挙げられるが、肉眼で検出可能であればこれに限定されない。
二本鎖DNA増幅断片の末端の一本鎖領域と、第1又は第2のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションが起こる条件であれば特に限定されないが、室温下、10mMリン酸緩衝液中で反応させることが好ましい。このとき塩化ナトリウム等の塩を入れることで、ハイブリダイゼーションの効率は上昇する。
捕捉用担体(固相)上の認識可能な位置に形成されたサンドイッチハイブリダイゼーション複合体に含まれる標識物質を検出することにより、標的核酸の有無を判定することができる。検出は、目視にて判別することが好ましい。また、検出は、可視光下で行われることが好ましい。可視光とは特に波長が380〜800nmの光を指す。本発明の検出法によれば、核酸増幅反応の増幅産物は熱変性等の一本鎖化処理を行うことなく、そのままハイブリダイゼーション反応に使用することが可能である。また、特殊な装置を必要とすることなく、標的核酸の有無を簡便、迅速に目視にて判別することが可能である。
上記のサンドイッチハイブリダイゼーション複合体の形成による核酸検出方法は、核酸検出デバイス上で行われることが好ましい。また、核酸検出デバイスとしては、特に限定されないが、二本鎖DNA増幅断片の末端に有する一本鎖タグ領域の少なくとも一部と相補的な配列を有する捕捉用オリゴヌクレオチドプローブを担持しているデバイスが好ましい。例えば、クロマトグラフィー、アレイ、ビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
図6の核酸クロマトグラフィーデバイスは、基材となる部材36の上に、サンプルパッド32(DNA増幅産物を添加するための担体)、コンジュゲートパッド33(着色担体結合オリゴヌクレオチドを配置した担体)、捕捉用オリゴヌクレオチドを保持した担体34(クロマトグラフィー用媒体)、および吸収パッド35を、粘着剤等を用いて貼り合わせたものである。担体34の上には、捕捉用オリゴヌクレオチドを塗布したテストライン37、および、コントロールライン38が設けられている。着色担体結合オリゴヌクレオチドを展開溶液に混合する場合は、コンジュゲートパッド33が無くても良い。
クロマトグラフィーでは、下記工程(a)〜(c):(a)核酸検出デバイス上の、第1のオリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは異なる領域に、DNA増幅断片を配置する工程、(b)溶媒を用いて、DNA増幅断片を、第1オリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域の方向に、デバイス上で拡散させる工程、および(c)第1のオリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、第1オリゴヌクレオチドプローブとDNA増幅断片とをハイブリダイズさせる工程、を含む方法により、二本鎖DNA増幅断片が検出されることが好ましい。
例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、工程(a)ではサンプルパッド32にDNA増幅断片を配置する。工程(b)では矢印方向にDNA増幅断片を拡散させる。工程(c)ではテストライン37において、固定された第1のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイズにより、DNA増幅断片を捕捉する。
工程(c)の前に、DNA増幅断片と、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる工程を更に含むことが好ましい。例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、コンジュゲートパッド33において、DNA増幅断片と第2のオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる。
また、クロマトグラフィーでは、(d)核酸検出デバイス上の、第1のオリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域とは各々異なる領域に、DNA増幅断片、および標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブをそれぞれ配置し、(e)溶媒を用いて、DNA増幅断片を、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブが配置されている領域の方向に拡散させ、(f)標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブが配置されている領域において、DNA増幅断片と、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせ、(g)工程(f)でハイブリダイズした複合体を第1のオリゴヌクレオチドプローブが配置されている方向に、展開媒体上で拡散させ、(h)前記第1のオリゴヌクレオチドプローブが固定されている領域において、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブと前記複合体とをハイブリダイズさせることが好ましい。
例えば、図6の核酸クロマトグラフィーデバイスの場合、工程(d)ではサンプルパッド32にDNA増幅断片を配置し、コンジュゲートパッド33に第2のオリゴヌクレオチドプローブを配置する。工程(e)では、DNA増幅断片を、サンプルパッド32から矢印方向に拡散させる。工程(f)ではコンジュゲートパッド33において、DNA増幅断片と、第2のオリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズする。工程(g)ではDNA増幅断片と、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイズによる複合体を、矢印方向に拡散させる。工程(h)ではテストライン37において第1のオリゴヌクレオチドプローブと複合体とをハイブリダイズさせる。
メンブレン上のテストラインには前記DNA増幅断片の一方のタグ領域と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドプローブが、捕捉用の第1のオリゴヌクレオチドプローブとして固定化されている。捕捉用の第1のオリゴヌクレオチドプローブは、直接メンブレンに結合しても良く、官能基を介して結合していても良く、何らかの物質を介してメンブレンに結合していても良い。その仲介となる物質は、ペプチド、タンパク質、核酸などが挙げられるが限定されない。仲介となる物質がアビジンの場合は、捕捉用オリゴヌクレオチドにビオチン修飾が必要となる。
メンブレン上のコントロールラインには、着色担体捕捉用のオリゴヌクレオチドプローブが固定化されている。コントロールライン用のオリゴヌクレオチドプローブは、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブと相補的な配列を有しており、溶液が展開すると必ず標識物質が捕捉されるようになっている。コントロールライン用のオリゴヌクレオチドプローブに関しても前述と同様に直接メンブレンに結合しても良いし、官能基を介して、結合していても良いし、何らかの物質を介してメンブレンに結合していても良い。その仲介となる物質は、ペプチド、タンパク質、核酸などが挙げられるが、限定されない。仲介となる物質がアビジンの場合は、捕捉用オリゴヌクレオチドにビオチン修飾が必要となる。
テストラインにおける呈色により、試料中のターゲット核酸の存在を目視で判別することが可能である。一方、コントロールラインにおける呈色により、正常な展開と呈色反応が行えていることを目視で判別することが可能である。ここで、目視とは肉眼で観察して色を判断することをいう。また、判別は、可視光下で行われることが好ましい。可視光とは特に波長が380〜800nmの光を指す。
クロマトグラフィー用媒体としては、定性濾紙、定量濾紙、分液濾紙、硝子繊維濾紙、シリカ繊維濾紙、複合繊維濾紙よりなる濾紙などが挙げられる。また、ニトロセルロースなどのセルロースよりなる濾紙や、ポリエーテルスルフォンメンブレンなどの合成樹脂の膜や、シリカゲル、アガロース、デキストラン、ゼラチンなどの多孔質ゲルも使用することができる。また、ナイロンメンブレンも好適に使用できる。実際の使用に際して、このクロマトグラフ媒体の形態および大きさは特に制限されるものではなく、操作および反応結果の観察において適切であればよい。
これらの担体は、親水性や化合物の結合性を向上させるために様々な修飾を施すことも可能である。操作をより簡便にするためには、反応部位が表面に形成されているクロマトグラフィー媒体の裏面に、プラスチックなどよりなる支持体を設けることが好ましい。
デバイス内の展開方向としては、図6に示すように水平方向でも良いし、垂直方向でも良く特に限定されない。展開溶媒としては、核酸増幅反応における溶媒を使用することができるので、核酸増幅反応後の反応液をそのまま、図6におけるサンプルパッド32に滴下することができる。または、増幅反応後の反応液に、別途展開溶液を添加しサンプルパッドに添加することも可能である。展開溶媒としては、液体であれば特に限定されないが、リン酸緩衝液や、Tris緩衝液などのグッド緩衝液が使用可能である。また、溶媒には塩、界面活性剤、タンパク質、もしくは、核酸を溶解しておいても良い。
図7にて、本発明の実施形態の一例として、クロマト担体上でのサンドイッチハイブリダイゼーション複合体の形成を例にとって説明する。核酸増幅工程で得られたDNA増幅断片16は、熱処理等の一本鎖化処理等を行うことなく次の複合体形成工程に使用する。前記DNA断片の一方のタグ領域12と特異的に結合可能な核酸配列39および着色担体40を含むオリゴヌクレオチドプローブと、DNA増幅断片16との間のハイブリダイゼーションにより、第1の複合体41が形成される。複合体41は、PCRの反応容器のように、展開媒体にアプライ前に形成してもよいし、DNA増幅断片を担体上にアプライし、毛細管現象で移動中に前記標識分子結合オリゴヌクレオチドを塗布、乾燥させた担体を通過させて形成することも可能である。
複合体41は、多孔質メンブレン等からなるクロマトグラフィー用媒体42上の識別可能な位置に予め結合した捕捉用オリゴヌクレオチドプローブ43と、展開媒体上で接触する。前記捕捉用のオリゴヌクレオチド43は、前記DNA増幅断片のもう一方のタグ配列15と相補的な配列を有しており、複合体41と捕捉用オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより、サンドイッチハイブリダイゼーション複合体が形成される。
サンドイッチハイブリダイゼーション複合体を形成する順序は特に限定されない。DNA増幅断片と標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドプローブとの複合体41を形成後、捕捉用の第1のオリゴヌクレオチドプローブとの複合体を形成するのが好ましいが、DNA増幅断片を捕捉用の第1のオリゴヌクレオチドプローブで展開媒体上で濃縮後、標識物質が結合した第2のオリゴヌクレオチドを展開し、サンドイッチハイブリダイゼーション複合体を形成することも可能である。
その他の核酸検出デバイスの形態としては、アレイが挙げられる。アレイとしては、図8で示すようなマイクロアレイ(DNAチップ)が挙げられる。マイクロアレイ44上の捕捉用オリゴヌクレオチドを固定したウェル内に、サンドイッチハイブリダイゼーションにより三者複合体を形成させることが可能である。
また、図9で示すようなビーズ形態が挙げられる。捕捉用オリゴヌクレオチドを保持したビーズ担体45上で、サンドイッチハイブリダイゼーションによる三者複合体を形成させることが可能である。
前記核酸検出方法、および核酸検出デバイスは、核酸増幅法により得られた核酸(例えば、PCR産物)を検出することを含むあらゆる分野の技術に用いることができる。具体的には、例えば、分子生物学の研究分野、病原体の検出、アレルゲンなど食品中の混入物の検出、食品の品質管理(偽装表示食品、遺伝子組み換え食品などの検査)、家畜管理、遺伝子変異(一塩基多型(以下、「SNP」ともいう)、挿入、欠失)の検出、染色体欠失変異の検出、ガンなどの疾患検査等に用いることができる。したがって、本発明には、本発明にかかる核酸検出方法を一工程として含む、病原体による感染症の検出方法、食品中の混合物(例えば、アレルゲン)の検出方法、食品の品質管理、家畜の管理方法、および塩基多型の検出方法等も含まれる。
ここで、本発明の利用の一実施形態として、本発明にかかる病原体の検出方法、およびアレルゲンの検出方法、について詳細に説明する。
病原体の検出方法は、本発明にかかる核酸検出方法を用いて、病原体が特異的に有する遺伝子を検出する工程を含んでいればよい。上記病原体は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、病原性細菌、病原性ウイルス、食中毒細菌、院内感染原因細菌およびウイルス等を挙げることができる。より具体的には、例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインーバーウイルス(EBV)、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のウイルス、O157等の大腸菌、結核菌、チフス菌、サルモネラ菌もしくは腸炎ビブリオ菌等の細菌、またはマイコプラズマ等の微生物を例示することができる。
病原体の検出方法について、より具体的に説明すると、例えば、病原体の有無を検査する対象となる試料から調製したDNA試料に、上記病原体が特異的に有する遺伝子が含まれるか否かを上記核酸検出方法を用いて判定する。また、DNA試料を調製することなく、病原体の有無を検査する対象となる試料をそのまま核酸増幅法の鋳型として使用することもできる。例えば、病原体として大腸菌等の細菌を検出する場合に、細菌のコロニーの懸濁液を鋳型として使用することができる。その結果、病原体が特異的に有する遺伝子が検出された場合には、該試料には病原体が含まれていると判定する。これにより、特殊な装置を必要とすることなく、簡便に、かつ、高精度に、試料中に病原体が含まれているか否かを判定することができる。すなわち、本発明にかかる病原体の検出方法は、微生物の感染症の診断に用いることができる。
アレルゲンの検出方法は、本発明にかかる核酸検出方法を用いて、アレルゲンをコードする遺伝子を検出する工程を含んでいればよい。上記アレルゲンは特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、食品中に含まれるアレルゲンを挙げることができる。より具体的には、卵白アレルゲン、乳アレルゲン、小麦アレルゲン、そばアレルゲン、および落花生アレルゲン等を挙げることができる。アレルゲンの検出方法について、より具体的に説明すると、例えば、食品から調製したDNA試料に、卵、乳、小麦、そば、落花生などのアレルゲンをコードする遺伝子が含まれるか否かを上記核酸検出方法を用いて判定する。その結果、このような遺伝子が検出された場合には、該食品には、アレルゲンを含有する原料が含まれていると判定する。
これにより、特殊な装置を必要とすることなく、簡便に、かつ、高精度に食品等の試料中に、アレルゲンを含有する原料が含まれているか否かを判定することができる。なお、アレルゲンの由来は、上記例示したものに限定されるものではなく、例えば、穀類を例に取れば、イネ、トウモロコシ、アワ、キビ、ヒエ、ソバ、およびマメ類のすべてが含まれる。DNAは、熱に安定であり、加工食品中でも微量に検出されるので、前記アレルゲンの検出方法により得られたデータは、食品の表示に利用したり、食品のアレルギー情報として利用したりすることに加えて、加工助剤やキャリーオーバー等食品添加物のごく微量の残存、あるいは製造ライン問の相互汚染の有無等の生産者の意図していない物質の混入の検出に用いることができる。
そのほか、本発明の核酸の検出方法は、ヒトを含む哺乳動物の親子鑑定、家畜の血統の特定、農産物の品種の特定、SNP検出、遺伝子の変異による疾患(癌など)の検出等に用いることができる。具体的には、例えば、家畜についていえば、血統登録、個体識別、親子判定、病原遺伝子のキャリア個体の除去などの目的に利用することができる。なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示した技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
参考例
各種スペーサーによる伸長反応阻害効果の確認
(1)各種プライマーの合成
本参考例では、テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を用い、PCR増幅により約330塩基対が増幅するようにフォワードプライマーFおよびリバースプライマーRを設計した。
更に、プライマーFの5’末端側にタグ配列(Ta)と31種類のスペーサーのいずれか(Sx)が導入されたタグ付きプライマーTa−S1−F〜Ta−S31−Fを設計した。
スペーサーを含まないフォワードプライマーとして、5’末端側にタグ配列(Ta)のみ付加されたプライマーTa−F、5’末端側にBiotin修飾されたプライマーmTa−F、3’末端側にFITC修飾されたプライマーTa−Fmを設計した。設計したフォワードプライマーを表1に示す。
表1のS1〜S31のスペーサーの構造は、前記化学式(1)〜(31)とそれぞれ対応している。これらタグ付きプライマーの合成は、つくばオリゴサービス株式会社の受託合成システム、もしくは、EUROGENTEC社の受託合成システムを利用して購入した。
フォワードプライマーF:5’−d(GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号1)
リバースプライマーR:5’−d(CTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号2)
タグ配列Ta:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号3)
プライマーTa−Sx−F:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG Sx GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号4)
プライマーTa−F:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAGGGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号5)
プライマーmTa−F:5’−Biotin−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAGGGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号6)
プライマーTa−Fm:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAGGGAAACAGCTATGACCATGA)−FITC−3’(配列番号7)
(2)各種プライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で作製したプライマーを用いたPCR反応を行った。20pmolのフォワードプライマーTa−S1−F〜Ta−S31−F、Ta−F、mTa−F、Ta−Fmのいずれか、20pmolのリバースプライマーR、および10pgのpUC19を0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRキット(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、目的の約330bpの核酸を増幅した。
(3)アガロースゲル電気泳動
1×TAEバッファー(ニッポンジーン社製)とアガロース(和光純薬社製)を用いて、2%アガロースゲルを作製した。ゲルを電気泳動槽に入れ、1×TAEバッファーで満たした後、前記工程(2)で得られたPCR反応液を5μlとローディングバッファー1μlを混合し、ゲルのウェルにアプライした。100Vの電圧をかけて30分間泳動を行った後、臭化エチジウムブロマイド溶液(ナカライテスク社製)にゲルを浸して、15分間染色を行った。染色後UV照射撮影装置を用いて、254nmのUVを照射し、二本鎖DNAの増幅産物の確認を行った。
その結果、それぞれ一本の増幅産物が確認できた。ただし、3’末端を修飾し、スペーサーを含まないフォワードプライマーTa−Fmを用いた反応だけは、増幅産物が確認できなかった。
(4)変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(変性PAGE)
前記工程(2)で得られたPCR反応液を7μlずつPCRチューブに取り、TBE−Urea sample buffer(invitrogen社製)7μlと混合した。その混合液を70℃、3分間熱処理を行った。電気泳動槽に6% TBE−Urea Gel(invitrogen社製)をセットし、TBEバッファー(1.08%(w/v)トリス、0.55%(w/v)ホウ酸、0.037%(w/v)EDTA・2Na(2HO))を泳動槽に入れた。熱処理を行った増幅産物を各ウェルにアプライした。
180Vの条件で、60分間電気泳動を行った後、臭化エチジウムブロマイド溶液(ナカライテスク社製)にゲルを浸して、15分間染色を行った。染色後UV照射撮影装置を用いて、254nmのUVを照射し、変性して一本鎖となった増幅産物の確認を行った。フォワードプライマーとして(i)プライマーTa−F、(ii)プライマーTa−S1−F、(iii)プライマーTa−S20−F、(iv)プライマーTa−S23−Fを用いた時のPCR増幅産物の泳動結果を、代表例として図10に示す。
変性PAGEを用いてPCR増幅産物を電気泳動した場合、スペーサーを含まないフォワードプライマーを使用して得られたPCR増幅産物では、一本のバンドが確認された。スペーサーを含むフォワードプライマーを使用して得られたPCR増幅産物では、二本のバンドが確認された。
アガロースゲル電気泳動と変性PAGEの両方の結果において一本のバンドが確認されたPCR増幅産物では、完全に末端まで二本鎖となった増幅産物が得られている。アガロースゲル電気泳動の結果において一本のバンドが確認され、変性PAGEの結果において二本のバンドが確認されたPCR産物では、異なる長さの一本鎖DNAが会合して二本鎖を形成しており、ポリメラーゼによる伸長反応がスペーサーで阻害され、一本鎖のタグを末端に有する二本鎖の増幅産物が得られたことが確認できた。
各スペーサーを有するフォワードプライマーを用いてPCRを行った結果を表1に示す。
各種スペーサー付加プライマーセットを用いたクロマトグラフィー検出
(1)各種プライマーセットを用いたPCR反応
リバースプライマーにTm−S1−Rを用いること以外は、参考例の工程(1)と同様にPCR反応を行い、目的の330bpの増幅産物を増幅した。
タグ配列Tm:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号8)
プライマーTm−S1−R:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA S1 CTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号9)
(2)金コロイド結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)とチオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号5、タグTa配列番号3の相補鎖)を混合し、50℃で16時間インキュベートした。6000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去、0.05M塩化ナトリウムを含む5mMリン酸(pH7)バッファーを添加し混和後、再度50℃で40時間インキュベートした。
インキュベート後、遠心(6000rpm、15分間)を行い、上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。調製した金コロイド溶液をグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ1:5’−Dd(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−SH−3’(配列番号10)
(3)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号8に相補的な配列(配列番号11)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブを、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ2:5’−Dd(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号11)
(4)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、各種タグ付きプライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(5)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(1)で作製したPCR産物を変性することなく、それぞれ直ちに工程(4)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、5〜15分と短時間であった。
結果を表1に示す。表1において、工程(1)で検体としてpUC19を添加してPCR反応を行った場合にテストストリップ上に標的核酸特異的な着色ラインが検出され、かつ、ネガティブコントロールとして水を添加した場合にラインの着色検出は認められなかったプライマーを「○」と記載した。フォワードプライマーとして(i)プライマーTa−F、(ii)プライマーTa−S1−F、(iii)プライマーTa−S20−F、(iv)プライマーTa−S23−Fを用いた時のPCR増幅産物のクロマトグラフィー様テストストリップの検出結果を、代表例として図11に示す。
各種スペーサー付加プライマーセットを用いたアレイ検出
(1)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号8に相補的な配列(配列番号11)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブを、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、ミリポア社製)に1μlスポットし、40℃で30分間風乾した。このプローブ固定化メンブレンを、各種タグ付きプライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用アレイとして用いる。
(2)ドットブロット法によるPCR産物の検出
実施例1の工程(1)で作製したPCR産物を変性することなく、それぞれ直ちに工程(1)で作製したアレイ上にアプライし、更に実施例1の工程(2)で作製した金コロイド溶液を滴下して15〜20分静置し、アレイによる検出を行った。アレイを用いたドットブロット法による検出に要した時間は、15〜20分と短時間であった。
結果を表1に示す。表1において、検体としてpUC19を添加した場合にアレイ上に標的核酸特異的な着色スポットが検出され、かつ、ネガティブコントロールとして水を添加した場合にスポットの着色検出は認められなかったプライマーを「○」と記載した。
種々のPCRキットを用いた実験
EX Taq以外のPCRキットとして、KOD plus、Phusion、PrimeSTAR、KOD FX、Tks Gflexを用いて参考例、および実施例1〜2と同様の実験を行ったところ、EX Taq PCRを使用した場合と同様の結果が確認された。
(1)L−DNAタグ付きプライマーの合成
本実施例では、テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を用い、PCR増幅により約330塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(F)およびリバースプライマー(R)を参考例と同様に設計した。更にそれぞれの5’末端側に非天然型(L型)DNA鎖からなるタグ配列T1およびT2を導入したL−DNAタグ付きプライマー、T1−FおよびT2−Rを設計した。L−DNAタグ付きプライマーの合成は、0.2μMスケールのカラムを用いて、一般的なホスホロアミダイト法に基づいて、DNA自動合成機(H−8−SE:Gene World)で合成した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
タグ配列T1:5’−d(GACAACGGAGACAGAGCCAA)−3’(配列番号12)
タグ配列T2:5’−d(ATGCTACCGTATGCCCAGTG)−3’(配列番号13)
プライマーT1−F:5’−d(GACAACGGAGACAGAGCCAA)−d(GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号14)
プライマーT2−R:5’−d(ATGCTACCGTATGCCCAGTG)−d(CTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号15)
(2)L−DNAタグ付きプライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で実施し作製したプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーT1−FとプライマーT2−Rを各15pmolと、10ngのpUC19とを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、目的の約330bpを増幅した。また、pUC19を添加しないで同様の反応を行い、ネガティブコントロールとした。
(3)ラテックス結合L型オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有L型オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号16、配列番号12の相補鎖)を、水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
ヌクレオチドプローブ3:5’−d(TTGGCTCTGTCTCCGTTGTC)−NH−3’(配列番号16)
(4)L型オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
カルボキシル基修飾ナイロンメンブレン(日本ポール社製、6mmx60mm)を水溶性カルボジイミドにより処理し、脱イオン水で洗浄した。活性化したメンブレンの一端から30mmの箇所に、配列番号13に対して相補的な配列(配列番号17)を有するアミノ基含有L型オリゴヌクレオチドプローブを、ディスペンサーを用いてライン上に塗布し、15分間風乾した。その後、メンブレンをTris緩衝液で処理し、ブロッキング後、メンブレンを水洗、乾燥した。
ヌクレオチドプローブ4:5’−d(CACTGGGCATACGGTAGCAT)−NH−3’(配列番号17)
(5)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したナイロンメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、L型DNAタグ付きプライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(6)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(2)で検体としてpUC19を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして水を添加した場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)ヘアピンタグ付きプライマーの合成
参考例の工程(1)と同様に、テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を用い、PCR増幅により約330塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(F)およびリバースプライマー(R)を設計した。その5’末端側にヘアピン構造を有するポリメラーゼ反応阻害領域(H)、およびタグ配列T3およびT4を導入したタグ付きプライマー、T3−H−FおよびT4−H−Rを合成した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
ポリメラーゼ反応阻害配列H:5’−d(AGGCGAGGTCGCGAGCGCACATGTGCGCTCGCGACCTC GCCT)−3’(配列番号18)
タグ配列T3:5’−d(TATGATATGCTTCTCCACGCATAAT)−3’(配列番号19)
タグ配列T4:5’−d(TGCTCTGTACACTTGCTCAAT)−3’(配列番号20)
プライマーT3−H−F:5’−d(TATGATATGCTTCTCCACGCATAATAGGCGAGGTCGCGAGCGCACATG TGCGCTCGCGACCTCGCCTGGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号21)
プライマーT4−H−R:5’−d(TGCTCTGTACACTTGCTCAATAGGCGAGGTCGCGAGCGCACATGTGC GCTCGCGACCTCGCCTCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号22)
(2)ヘアピンタグ付きプライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で実施し作製したプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーFとプライマーRを各15pmolと、10ngのpUC19とを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、目的の約330bpを増幅した。また、pUC19を添加しないで同様の反応を行い、ネガティブコントロールとした。
(3)ラテックス結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号23、配列番号19の相補鎖)を、水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ5:5’−d(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA)−NH−3’(配列番号23)
(4)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
カルボキシル基修飾ナイロンメンブレン(日本ポール社製、6mmx60mm)を水溶性カルボジイミドにより処理し、脱イオン水で洗浄した。活性化したメンブレンの一端から30mmの箇所に、配列番号20の相補的な配列(配列番号24)を有するアミノ基含有L型オリゴヌクレオチドプローブを、ディスペンサーを用いてライン上に塗布し、15分間風乾した。その後、メンブレンをTris緩衝液で処理し、ブロッキング後、メンブレンを水洗、乾燥した。
オリゴヌクレオチドプローブ6: 5’−d(ATTGAGCAAGTGTACAGAGCA)−NH−3’(配列番号24)
(5)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したナイロンメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、ヘアピンタグ付きプライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(6)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(2)で検体としてpUC19を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして水を添加した場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)人工核酸(アゾベンゼン)挿入プライマーの合成
参考例の工程(1)と同様に、テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を用い、PCR増幅により約330塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(F)およびリバースプライマー(R)を設計した。それぞれの5’末端側に人工核酸であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T5およびT6を導入したタグ付きプライマー、T5−X−FおよびT6−X−Rを合成した。この2種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。本検討で作製したプライマーセットを示す。
タグ配列T5:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号25)
タグ配列T6:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号26)
プライマーT5−X−F:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号27)
プライマーT6−X−R:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号28)
なお、プライマーに挿入されたアゾベンゼンは前記化学式(23)で表される。
(2)アゾベンゼン挿入プライマープセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で実施し作製したプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーT5−X−FとプライマーT6−X−Rを各15pmolと、10ngのpUC19とを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを35回行い、目的の約330bpを増幅した。また、pUC19を添加しないで同様の反応を行い、ネガティブコントロールとした。
(3)ラテックス結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号29、配列番号25の相補鎖)を、水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ7:5’−d(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−NH−3’(配列番号29)
(4)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
カルボキシル基修飾ナイロンメンブレン(日本ポール社製、6mmx60mm)を水溶性カルボジイミドにより処理し、脱イオン水で洗浄した。活性化したメンブレンの一端から30mmの箇所に、配列番号26の相補的な配列(配列番号30)を有するアミノ基含有D型オリゴヌクレオチドプローブを、ディスペンサーを用いてライン上に塗布し、15分間風乾した。その後、メンブレンをTris緩衝液で処理し、ブロッキング後、メンブレンを水洗、乾燥した。
オリゴヌクレオチドプローブ8:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−NH−3’(配列番号30)
(5)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したナイロンメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(6)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(2)で検体としてpUC19を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして水を添加した場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)金コロイド結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)とチオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号31、配列番号25の相補鎖)を混合し、50℃で16時間インキュベートした。6000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去、0.05M 塩化ナトリウム、5mMリン酸バッファー、pH7を添加し混和後、再度50℃で40時間インキュベートした。
インキュベート後、遠心(6000rpm、15分間)を行い、上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。
調製した金コロイド溶液をグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ7:5’−d(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−SH−3’(配列番号31)
(2)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号26に相補的な配列(配列番号31)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブを、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、 ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ10:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号32)
(3)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(4)テストストリップによるPCR産物の検出
実施例6の工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(3)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。実施例6の工程(2)で検体としてpUC19を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして水を添加した場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号26に相補的な配列(配列番号33)を有するオリゴヌクレオチドプローブをUltraBindアフィニティメンブレン(日本ポール社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、80℃で1時間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ11:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−3’(配列番号33)
(2)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したUltraBindアフィニティメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(3)テストストリップによるPCR産物の検出
実施例6の工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(2)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。実施例6の工程(2)で検体としてpUC19を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして水を添加した場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)人工核酸(アゾベンゼン)挿入プライマーの合成
標的核酸のテンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)、EcoRIメチラーゼ遺伝子、および、BamHIメチラーゼ遺伝子の3種類を用い、PCR増幅により約330塩基対、約200塩基対、および、約100塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(F1)とリバースプライマー(R1)、フォワードプライマー(F2)とリバースプライマー(R2)、および、フォワードプライマー(F3)とリバースプライマー(R3)の3組のプライマーをそれぞれ設計した。それぞれの5’末端側に人工核酸であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T7とT8、タグ配列T9とT10、および、タグ配列T11とT12を導入したタグ付きプライマー、T7−X−F1とT8−X−R1、T9−X−F2とT10−X−R2、および、T11−X−F3とT12−X−R3を合成した。この6種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
タグ配列T7:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号34)
タグ配列T8:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号35)
プライマーT7−X−F1:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号36)
プライマーT8−X−R1:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号37)
タグ配列T9:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT)−3’(配列番号38)
タグ配列T10:5’−d(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA)−3’(配列番号39)
プライマーT9−X−F2:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X AGCATTATGAATTATATGGT)−3’(配列番号40)
プライマーT10−X−R2:5’−d(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA X TTGTTTACATTTATAGCATC)−3’(配列番号41)
タグ配列T11:5’−d(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA)−3’(配列番号42)
タグ配列T12:5’−d(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG)−3’(配列番号43)
プライマーT11−X−F3:5’−d(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA X TGGTTTTAAAACTCTGATAC)−3’(配列番号44)
プライマーT12−X−R3:5’−d(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG X AGTATGATGAGGGTGTAACA)−3’(配列番号45)
(2)アゾベンゼン挿入プライマーセット3組を用いたPCR反応
前記工程(1)で実施し作製した3組のプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーT7−X−F1、プライマーT8−X−R1、プライマーT9−X−F2、プライマーT10−X−R2、プライマーT11−X−F3、および、プライマーT12−X−R3を各15pmolと、各テンプレート10ngを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。反応液は次の5種類を用意した。
(i)テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を添加、
(ii)テンプレートとしてEcoRIメチラーゼ遺伝子を添加、
(iii)テンプレートとしてBamHIメチラーゼ遺伝子を添加、
(iv)テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)、EcoRIメチラーゼ遺伝子、および、BamHIメチラーゼ遺伝子の3種類全て添加、そして、
(v)テンプレートなし。
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、それぞれ目的の配列を有するDNA断片を次のように得た。(i)約330bp、(ii)約200bp、(iii)約100bp、および、(iv)約330bp、約200bp、約100bpの3種類、(v)増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)を増幅した。
(3)ラテックス結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(青色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ12(配列番号46、配列番号34の相補鎖)、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(オレンジ色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ13(配列番号47、配列番号38の相補鎖)、および、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(緑色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ14(配列番号48、配列番号42の相補鎖)を、それぞれ水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、オリゴヌクレオチドプローブ12結合ラテックス(青色)、オリゴヌクレオチドプローブ13結合ラテックス(オレンジ色)、オリゴヌクレオチドプローブ14結合ラテックス(緑色)を作製した。
この3種のラテックスをグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ12:5’−d(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−NH−3’(配列番号46)
オリゴヌクレオチドプローブ13:5’−d(TTGCTCTGTACACTTGCTCAATGCG)−NH−3’(配列番号47)
オリゴヌクレオチドプローブ14:5’−d(TTACACATGGACATGCGCAATT)−NH−3’(配列番号48)
(4)3種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号35に相補的な配列(配列番号49)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ15、配列番号39に相補的な配列(配列番号50)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ16、および、配列番号43に相補的な配列(配列番号51)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ17を、それぞれストレプトアビジンと混合する。それらの混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 135、ミリポア社製)上の3箇所にディスペンサーを用いて、上流側から順に互いに離れた位置でライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。三本の検出ラインを作製した。
オリゴヌクレオチドプローブ15:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号49)
オリゴヌクレオチドプローブ16:5’−d(TATGATATGCTTCTCCACGCATAAT)−Biotin−3’(配列番号50)
オリゴヌクレオチドプローブ17:5’−d(CTCAGCAGTTTCCTCTAAAGTA)−Biotin−3’(配列番号51)
(5)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(3)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(6)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(2)で作製した(i)〜(v)のPCR産物をそれぞれ変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。その結果は以下に示す。
(i):一本目の検出ラインのみ青色に着色。
(ii):二本目の検出ラインのみオレンジ色に着色。
(iii):三本目の検出ラインのみ緑色に着色。
(iv):一本目の検出ラインが青色に、二本目の検出ラインがオレンジ色に、三本目の検出ラインが緑色にそれぞれ着色。
(v):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子特異的に検出が可能であり、3種類の同時検出も確認できた。
また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)ジョイントプライマーの合成
標的核酸のテンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)、EcoRIメチラーゼ遺伝子、および、BamHIメチラーゼ遺伝子の3種類を用い、PCR増幅により約330塩基対、約200塩基対、および、約100塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(Fj1)とリバースプライマー(Rj1)、フォワードプライマー(Fj2)とリバースプライマー(Rj2)、および、フォワードプライマー(Fj3)とリバースプライマー(Rj3)の3組のプライマーをそれぞれ設計した。それぞれの5’末端側に共通配列KF1とKR1、共通配列KF2とKR2、および、共通配列KF3とKR3を導入した共通配列付加プライマー、KF1−Fj1とKR1−Rj1、KF2−Fj2とKR2−Rj2、および、KF3−Fj3とKR3−Rj3を合成した。この6種の共通配列付加プライマー(ジョイントプライマー)はつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
共通配列KF1:5’−d(TGGGCTGACCTAGAGGTCTT)−3’(配列番号52)
共通配列KR1:5’−d(ATGAAATGCAGGCCATTCGG)−3’(配列番号53)
プライマーKF1−Fj1:5’−d(TGGGCTGACCTAGAGGTCTT GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号54)
プライマーKR1−Rj1:5’−d(ATGAAATGCAGGCCATTCGG TCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号55)
共通配列KF2:5’−d(CCGGAACAGACACCAGGTTT)−3’(配列番号56)
共通配列KR2:5’−d(GAAGCTGTACCGTCACATGA)−3’(配列番号57)
プライマーKF2−Fj2:5’−d(CCGGAACAGACACCAGGTTT AGCATTATGAATTATATGGT)−3’(配列番号58)
プライマーKR2−Rj2:5’−d(GAAGCTGTACCGTCACATGA TTGTTTACATTTATAGCATC)−3’(配列番号59)
共通配列KF3:5’−d(ATACCGATGAGTGTGCTACC)−3’(配列番号60)
共通配列KR3:5’−d(TGGCCTGTGTGACACTATGC)−3’(配列番号61)
プライマーKF3−Fj3:5’−d(ATACCGATGAGTGTGCTACC TGGTTTTAAAACTCTGATAC)−3’(配列番号62)
プライマーKR3−Rj3:5’−d(TGGCCTGTGTGACACTATGC AGTATGATGAGGGTGTAACA)−3’(配列番号63)
(2)人工核酸(アゾベンゼン)挿入プライマーの合成
工程(1)で作成したジョイントプライマーセットがそれぞれ増幅する3種類のPCR増幅断片に結合できるように、それぞれのジョイントプライマーと同一の共通配列を有するプライマーを3組設計した。それぞれのプライマーは、5’末端側に人工核酸であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T16とT17、タグ配列T18とT19、および、タグ配列T20とT21を導入したタグ付きプライマー、T16−X−KF1とT17−X−KR1、T18−X−KF2とT19−X−KR2、および、T20−X−KF3とT21−X−KR3を合成した。この6種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
タグ配列T16:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号64)
タグ配列T17:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号65)
プライマーT16−X−KF1:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X TGGGCTGACCTAGAGGTCTT )−3’(配列番号66)
プライマーT17−X−KR1:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X ATGAAATGCAGGCCATTCGG )−3’(配列番号67)
タグ配列T18:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT)−3’(配列番号68)
タグ配列T19:5’−d(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA)−3’(配列番号69)
プライマーT18−X−KF2:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X CCGGAACAGACACCAGGTTT)−3’(配列番号70)
プライマーT19−X−KR2:5’−d(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA X GAAGCTGTACCGTCACATGA)−3’(配列番号71)
タグ配列T20:5’−d(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA)−3’(配列番号72)
タグ配列T21:5’−d(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG)−3’(配列番号73)
プライマーT20−X−KF3:5’−d(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA X ATACCGATGAGTGTGCTACC)−3’(配列番号74)
プライマーT21−X−KR3:5’−d(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG X TGGCCTGTGTGACACTATGC)−3’(配列番号75)
(3)ジョイントプライマー、および、アゾベンゼン挿入プライマーを用いたPCR反応
前記工程(1)および(2)で実施し作製した6組のプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーKF1−Fj1、プライマーKR1−Rj1、プライマーKF2−Fj2、プライマーKR2−Rj2、プライマーKF3−Fj3、プライマーKR3−Rj3、プライマーT16−X−KF1、プライマーT17−X−KR1、プライマーT18−X−KF2、プライマーT19−X−KR2、プライマーT20−X−KF3、プライマーT21−X−KR3を各8pmolと、各テンプレート10ngを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。
反応液は次の5種類を用意した。
(i)テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)を添加、
(ii)テンプレートとしてEcoRIメチラーゼ遺伝子を添加、
(iii)テンプレートとしてBamHIメチラーゼ遺伝子を添加、
(iv)テンプレートとしてpUC19(タカラバイオ社製)、EcoRIメチラーゼ遺伝子、および、BamHIメチラーゼ遺伝子の3種類全て添加、そして、
(v)テンプレートなし。
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、それぞれ目的の配列を有するDNA断片を次のように得た。(i)約360bp、(ii)約230bp、(iii)約130bp、および、(iv)約360bp、約230bp、約130bpの3種類、(v)増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)を増幅した。
(4)ラテックス結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(青色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ18(配列番号76、配列番号64の相補鎖)、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(オレンジ色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ19(配列番号77、配列番号68の相補鎖)、および、カルボキシル基含有ポリスチレンラテックス(緑色)(固形分10%(w/w)、Bangs社製)とアミノ基含有オリゴヌクレオチドプローブ20(配列番号78、配列番号72の相補鎖)を、それぞれ水溶性カルボジイミドを必要量添加したMES緩衝液中で混合し、結合後、モノエタノールアミンでブロッキングを行った。前記反応液を遠心分離後、上清を除去し、得られた沈殿を水洗した。洗浄後、界面活性剤を含むHEPES緩衝液に再懸濁し、オリゴヌクレオチドプローブ18結合ラテックス(青色)、オリゴヌクレオチドプローブ19結合ラテックス(オレンジ色)、オリゴヌクレオチドプローブ20結合ラテックス(緑色)を作製した。
この3種のラテックスをグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ18:5’−d(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−NH−3’(配列番号76)
オリゴヌクレオチドプローブ19:5’−d(TTGCTCTGTACACTTGCTCAATGCG)−NH−3’(配列番号77)
オリゴヌクレオチドプローブ20:5’−d(TTACACATGGACATGCGCAATT)−NH−3’(配列番号78)
(5)3種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号65に相補的な配列(配列番号79)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ21、配列番号69に相補的な配列(配列番号80)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ22、および、配列番号73に相補的な配列(配列番号81)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ23を、それぞれストレプトアビジンと混合する。それらの混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 135、ミリポア社製)上の3箇所にディスペンサーを用いて、上流側から順に互いに離れた位置でライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。三本の検出ラインを作製した。
オリゴヌクレオチドプローブ21:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号79)
オリゴヌクレオチドプローブ22:5’−d(TATGATATGCTTCTCCACGCATAAT)−Biotin−3’(配列番号80)
オリゴヌクレオチドプローブ23:5’−d(CTCAGCAGTTTCCTCTAAAGTA)−Biotin−3’(配列番号81)
(6)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(4)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(7)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(3)で作製した(i)〜(v)のPCR産物をそれぞれ変性することなく、直ちに工程(6)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。
その結果は以下に示す。
(i):一本目の検出ラインのみ青色に着色。
(ii):二本目の検出ラインのみオレンジ色に着色。
(iii):三本目の検出ラインのみ緑色に着色。
(iv):一本目の検出ラインが青色に、二本目の検出ラインがオレンジ色に、三本目の検出ラインが緑色に着色。
(v):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子特異的に検出が可能であり、3種類の検出も確認できた。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)人工核酸(アゾベンゼン)挿入プライマーの合成
本実施例では、標的としてプラスミドpUC19を導入した大腸菌(E.coli DH5α)を用いる。pUC19がテンプレートとなるときに、PCR増幅により約330塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(F)およびリバースプライマー(R)を設計した。それぞれの5’末端側に人工核酸であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T25およびT26を導入したタグ付きプライマー、T25−X−FおよびT26−X−Rを合成した。この2種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
タグ配列T25:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号82)
タグ配列T26:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号83)
プライマーF:5’−d(GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号84)
プライマーR:5’−d(TCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号85)
プライマーT25−X−F:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号86)
プライマーT26−X−R:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TCTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号87)
(2)アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR反応
プラスミドpUC19を導入した大腸菌(E.coli DH5α)のコロニーを取り、1ml水中に混和した。前記工程(1)で作製したプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーFとプライマーRを各5pmolと、前記大腸菌のけん濁液1μlとを0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaqPCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、25μlのPCR反応液を調製した。その後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、目的の約330bpを増幅した。また、けん濁液を添加しないで同様の反応を行い、ネガティブコントロールとした。
(3)金コロイド結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
Gold Colloid(10nm、5.7×1012(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と抗FITC抗体溶液(5mMリン酸バッファー、pH7)を混合し、20分、室温で静置した。1%BSAおよび0.1%PEGを含む溶液を1/2量添加し、10000rpmで25分間遠心分離し、上清を除去、1%BSAおよび0.1%PEGを含む溶液を添加し混和後、10000rpmで25分間遠心分離した。遠心後に上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。
調製した金コロイド溶液に3’末端FITC修飾オリゴヌクレオチドプローブ24(配列番号88、配列番号82の相補鎖)を混合し、グラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ24:5’−d(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−FITC−3’(配列番号88)
(4)オリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号83に相補的な配列(配列番号89)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ25を、ストレプトアビジンと混合する。その混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 180、 ミリポア社製)にディスペンサーを用いてライン上に塗布し、40℃で30分間風乾した。
オリゴヌクレオチドプローブ25:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号89)
(5)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、上記で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(6)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(2)で作製したPCR産物を変性することなく、直ちに工程(5)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。工程(2)で検体として大腸菌を添加した場合、テストライン上に標的核酸特異的な着色ラインが検出された。一方、ネガティブコントロールとして大腸菌を添加しない場合、ラインの検出は認められなかった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、10〜15分と短時間であった。
(1)SNPターゲットの合成
本実施例では、標的として2種類の50塩基対の合成DNAを準備した。この2つのDNAは、末端から20番目の一塩基だけ異なる一塩基多型(SNP)である。標的1を野生型(WT)、標的2を変異型(MT)と仮定してSNP検出試験を行う。
下記には、標的1、および、標的2の二本鎖DNAのうち片方の配列のみを示す。下線部は異なる一塩基である。
標的1(WT):CACACCGCATATGGTGCACTCTCAGTACAATCTGCTCTGATGCCGCATAG(配列番号90)
標的2(MT):CACACCGCATATGGTGCACTCTCAGTACAACTGCCTGATGCCGCATAG(配列番号91)
(2)人工核酸(アゾベンゼン)挿入プライマーの合成
前記工程(1)で合成した標的1もしくは標的2をテンプレートとしたときに、PCR増幅により約50塩基対が増幅するようにフォワードプライマー(Fwt)、リバースプライマー(Rwt)、およびリバースプライマー(Rmt)を設計した。それぞれの5’末端側に人工核酸であるアゾベンゼンを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T27、T28、T29を導入したタグ付きプライマー、T27−X−Fwt、T28−X−Rwt、T29−X−Rmtを合成した。この3種のアゾベンゼン挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
タグ配列T27:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG)−3’(配列番号92)
タグ配列T28:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA)−3’(配列番号93)
タグ配列T29:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT)−3’(配列番号94)
プライマーFwt:5’−d(CACACCGCATATGGTGCACT)−3’(配列番号95)
プライマーRwt:5’−d(CTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号96)
プライマーRmt:5’−d(CTATGCGGCATCAGAGCAG)−3’(配列番号97)
プライマーT27−X−Fwt:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X CACACCGCATATGGTGCACT)−3’(配列番号98)
プライマーT28−X−Rwt:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TCTATGCGGCATCAGAGCAGA)−3’(配列番号99)
プライマーT29−X−Rmt:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X TCTATGCGGCATCAGAGCAGC)−3’(配列番号100)
(3)アゾベンゼン挿入プライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で作製した標的1、もしくは、標的2を含む試料溶液と、前記工程(2)で合成した3種のプライマーを用いてPCR反応を行った。
プライマーT27−X−Fwt、プライマーT28−X−Rwt、および、プライマーT29−X−Rmtを各5pmolと、各テンプレート1fmolを0.2mlのPCRチューブに入れ、ExTaq PCRキット(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調整した。
反応液に用いるテンプレートは次の4種類を準備した。
(i)テンプレートとして標的1(ホモ型)、
(ii)テンプレートとして標的1、および、標的2(ヘテロ型)、
(iii)テンプレートとして標的2(ホモ型)、
(iv)標的なし(水添加)
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で10秒、55℃で30秒、72℃で10秒のサイクルを30回行い、それぞれ目的の配列を有するDNA断片を次のように得た。(i)約50bp、(ii)約50bp、(iii)約50bp、および、(iv)増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)を増幅した。
(4)金コロイド結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と、チオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ26(配列番号101、配列番号92の相補鎖)を混合し、50℃で16時間インキュベートした。6000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去、0.05M塩化ナトリウムを含む5mMリン酸バッファー(pH7)を添加し混和後、再度50℃で40時間インキュベートした。インキュベート後、遠心(6000rpm、15分間)を行い、上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。
調製した金コロイド溶液をグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ26:5’−Dd(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−SH−3’(配列番号101)
(5)2種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
配列番号93に相補的な配列(配列番号102)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ27、および、配列番号94に相補的な配列(配列番号103)を有する3’末端ビオチン修飾オリゴヌクレオチドプローブ28、それぞれストレプトアビジンと混合する。それらの混合液をニトロセルロースメンブレン(商品名:Hi−Flow 135、ミリポア社製)上の、上流側から順に互いに離れた2箇所の位置でディスペンサーを用いて塗布し、40℃で30分間風乾し、二本の検出ラインを作製した。
オリゴヌクレオチドプローブ27:5’−d(GATCATACACGTGGTTGGAAGCTAACC)−Biotin−3’(配列番号102)
オリゴヌクレオチドプローブ28:5’−d(TTGCTCTGTACACTTGCTCAATGCG)−Biotin−3’(配列番号103)
(6)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、工程(5)で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(4)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、スペーサー(アゾベンゼン)挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(7)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(3)で作製した(i)〜(iv)のPCR産物を変性することなく、直ちに工程(6)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。
その結果は以下に示す。
(i):一本目の検出ラインのみ着色。
(ii):一本目のライン、二本目の検出ライン両方とも着色。
(iii):二本目の検出ラインのみ着色。
(iv):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子特異的に検出が可能であり、更に、SNPのホモ型とヘテロ型の判別も同時に判定できた。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、5〜15分と短時間であった。
(1)スペーサー(5’−5’結合+3’−3’結合)挿入プライマーの合成
本実施例では、試料として薄力小麦粉(日清製粉社製)、そば粉(おびなた社製)、および、落花生(ル・モンド・アリコ社製)の3種類を用いた。各試料から、PCR増幅により、それぞれ約141塩基対、約127塩基対、および、約95塩基対のDNAが増幅するようにフォワードプライマー(Fwtr)とリバースプライマー(Rwtr)、フォワードプライマー(FFAG)とリバースプライマー(RFAG)、および、フォワードプライマー(Fagg)とリバースプライマー(Ragg)の3組のプライマーをそれぞれ設計した。それぞれの5’末端側に5’−5’結合+dA+3’−3’結合を含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、およびタグ配列T7とT8、タグ配列T9とT10、および、タグ配列T11とT12を導入したタグ付きスペーサー挿入プライマー、T7−X−FwtrとT8−X−Rwtr、T9−X−FFAGとT10−X−RFAG、および、T11−X−FaggとT12−X−Raggを合成した。この6種のタグスペーサー挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
以下に本検討で作製した3組のプライマーセットを示す。
プライマーT7−X−Fwtr:5’−Dd(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X CATCACAATCAACTTATGGTGG)−3’(配列番号104)
プライマーT8−X−Rwtr:5’−Dd(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TTTGGGAGTTGAGACGGGTTA)−3’(配列番号105)
プライマーT9−X−FFAG:5’−Dd(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X AACGCCATAACCAGCCCGATT)−3’(配列番号106)
プライマーT10−X−RFAG:5’−Dd(ATTATGCGTGGAGAAGCATATCATA X CCTCCTGCCTCCCATTCTTC)−3’(配列番号107)
プライマーT11−X−Fagg:5’−Dd(AATTGCGCATGTCCATGTGTAA X CGAAGGAAACCCCGCAATAAAT)−3’(配列番号108)
プライマーT12−X−Ragg:5’−Dd(TACTTTAGAGGAAACTGCTGAG X CGACGCTATTTACCTTGTTGAG)−3’(配列番号109)
(2)各試料のゲノムDNAの精製
各試料(小麦粉、そば粉、粉砕した落花生)2gからそれぞれゲノムDNAを精製した。まず、遠沈管(50mL容)に試料を量り採り、CTAB緩衝液15mLを加え、ホモジナイザーを用いて混合した。CTAB緩衝液30mLを加え、転倒混和後55℃で30分間加温する。加温処理後、溶液を撹拌し、均質となった溶液600μLをマイクロチューブ(1.5mL容)に量り採った。
この均質溶液から、次の方法で核酸の抽出を行った。すなわち、この均質溶液に対し500μLのフェノール/クロロホルム混合液(1M Tris/塩酸(pH8.0)飽和フェノールとクロロホルム/イソアミルアルコールを1:1(v/v)の割合で混合したもの)を加え、転倒混和後ボルテックスミキサーで軽く懸濁した。懸濁後、室温条件下で7,500×gとなる速度で15分間遠心し、分離した水層(上層)を新しいマイクロチューブに移した。水層に対し、再び500μLのクロロホルム/イソアミルアルコール混合液(クロロホルムとイソアミルアルコールを24:1(v/v)の割合で混合したもの)を加え、転倒混和後ボルテックスミキサーで軽く懸濁した。室温条件下で7,500×gとなる速度で15分間遠心し、分離した水層(上層)を新しいマイクロチューブに移した。分離した水層に等容量のイソプロピルアルコールを加え、転倒混和後、室温条件下で7,500×gとなる速度で15分間遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てた。次いで、500μLの70%エタノールを壁面から静かに加え、その後、室温条件下で7,500×gとなる速度で1分間遠心した。遠心後、沈殿にさわらないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てた。チューブに残った核酸の沈殿を乾燥させるため、アスピレーターを用いて2〜3分間の真空乾燥処理を行った。この時、完全に乾燥しないように注意した。50μLのTE緩衝液(10mM Tris/塩酸(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0))を加えてよく混和し、その後、室温で15分間静置した。この間、数回転倒混和し、沈殿が完全に溶解する事を促した。完全に溶解したものをDNA試料原液とした。
なお、CTAB緩衝液は次の方法で調製した。ビーカーに8mLの0.5mM EDTA(pH 8.0)、20mLの1M Tris/塩酸(pH8.0)、および56mLの5M NaCl水溶液を量り採り、混合した後、約150mLとなるように水を加え、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)4gを撹拌しながら加え、完全に溶解した。更に水を加え全量を200mLとし、オートクレーブで滅菌した。
(3)スペーサー(5’−5’結合+3’−3’結合)挿入プライマーセット3組を用いたPCR反応
前記工程(1)で実施し作製した3組のプライマーセットを用いたPCR反応を行った。プライマーT7−X−Fwtr、プライマーT8−X−Rwtr、プライマーT9−X−FFAG、プライマーT10−X−RFAG、プライマーT11−X−Fagg、および、プライマーT12−X−Raggを各15pmolと、各DNA試料原液を0.2mlのPCR用チューブに入れ、ExTaq PCRデバイス(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調製した。
反応液に添加したDNA試料原液としては、次の5種類を用意した。
(i)テンプレートとして小麦粉のDNA試料原液を添加、
(ii)テンプレートとしてそば粉のDNA試料原液を添加、
(iii)テンプレートとして落花生のDNA試料原液を添加、
(iv)テンプレートとして小麦粉、そば粉、落花生3種類全てのDNA試料原液を添加、そして、
(v)テンプレートなし。
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒のサイクルを30回行い、それぞれ目的の配列を有するDNA断片を次のように得た。(i)約141bp、(ii)約127bp、(iii)約95bp、および、(iv)約141bp、約127bp、約95bpの3種類、(v)増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)を増幅した。
(4)金コロイド結合オリゴヌクレオチドプローブの作製
Gold Colloid(40nm、9.0×1010(粒子数/ml)、British BioCell International社製)と、チオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ29(配列番号110、配列番号34の相補鎖)、チオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ30(配列番号111、配列番号38の相補鎖)、および、チオール基含有オリゴヌクレオチドプローブ31(配列番号112、配列番号42の相補鎖)を、それぞれ混合し、50℃で16時間インキュベートした。6000rpmで15分間遠心分離し、上清を除去、0.05M塩化ナトリウムを含む5mMリン酸バッファー(pH7)を添加し混和後、再度50℃で40時間インキュベートした。インキュベート後、遠心(6000rpm、15分間)を行い、上清を除去し、5mMリン酸バッファー(pH7)を添加した。このバッファー置換を再度行った。
調製した金コロイド溶液をグラスファイバー製パッドに均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドとした。
オリゴヌクレオチドプローブ29:5’−Dd(CTATAAACCCAGTGAAAAATGTTGCCA)−SH−3’(配列番号110)
オリゴヌクレオチドプローブ30:5’−Dd(TTGCTCTGTACACTTGCTCAATGCG)−SH−3’(配列番号111)
オリゴヌクレオチドプローブ31:5’−Dd(TTACACATGGACATGCGCAATT)−SH−3’(配列番号112)
(5)3種のオリゴヌクレオチドプローブの固相への固定化
実施例9の工程(4)と同様の方法を用いて、オリゴヌクレオチドプローブ15、16、17をそれぞれライン上に塗布し、ニトロセルロースメンブレン上に乾燥固定した。
(6)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
バッキングシートから成る基材に、工程(5)で作成したニトロセルロースメンブレンからなるクロマトグラフィー媒体、工程(4)で作製したコンジュゲーションパッド、試料添加部である汎用性のサンプルパッド、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収パッドを図6に示す様に貼り合わせ、スペーサー(5’−5’結合+3’−3’結合)挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(7)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(3)で作製した(i)〜(v)のPCR産物を変性することなく、直ちに工程(6)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。
その結果を以下(i)〜(v)、および、図12に示す。
(i):一本目の検出ラインのみ着色。
(ii):二本目の検出ラインのみ着色。
(iii):三本目の検出ラインのみ着色。
(iv):一本目の検出ライン、二本目の検出ライン、および、三本目の検出ラインが全て着色。
(v):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的遺伝子を特異的に検出できることが確認された。3種類の試料の同時検出も確認された。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、5〜15分と短時間であった。
pUC19インサートの有無の検出
(1)ターゲットDNA(pUC19、および、インサートを含むpUC19)の準備
本実施例では、標的として2種類のプラスミドDNAを準備した。標的の概要を図13、図14に示す。標的1はプラスミドpUC19 DNA(タカラバイオ社製)、標的2はpUC19のマルチクローニングサイトにインサートとして遺伝子A(1668bp)を挿入したプラスミド(pUC19/遺伝子A)を用いる。
遺伝子A配列(配列番号113)
標的1:pUC19配列(配列番号114)
標的2:pUC19配列/遺伝子A(配列番号115)
(2)C6リンカー挿入プライマーの合成
図13、図14で示すように、pUC19配列上のマルチクローニングサイトを挟んだ位置にフォワードプライマー(F)、および、リバースプライマー(R)を、インサート遺伝子A配列上にリバースプライマー(R‐in)を設計した。フォワードプライマーFとリバースプライマーRを用いてPCR反応を行うと、標的1のpUC19では118塩基対の増幅産物が得られ、インサートを含む標的2のpUC19/遺伝子Aでは1768塩基対の増幅産物が得られる。また、フォワードプライマーFとリバースプライマーR−inを用いてPCR反応を行うと、標的2(インサート挿入)で101塩基長の増幅産物が生ずる。それぞれの5’末端側にC6リンカーを含むポリメラーゼ反応阻害領域(X)、および実施例12に記載したタグと同様のタグ配列T27、T28、T29を導入したタグ付きプライマー、T27−X−F、T28−X−R、T29−X−R−inを合成した。この3種のC6リンカー挿入プライマーはつくばオリゴサービス株式会社にて受託合成を行い購入した。
本検討で作製したプライマーセットを示す。
プライマーF:5’−d(GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号116)
プライマーR:5’−d(TTTCCCAGTCACGACGTTGT)−3’(配列番号117)
プライマーR−in:5’−d(AGTGCGTGCTGGGCTCTTC)−3’(配列番号118)
プライマーT27−X−F:5’−d(TGGCAACATTTTTCACTGGGTTTATAG X GGAAACAGCTATGACCATGA)−3’(配列番号119)
プライマーT28−X−R:5’−d(GGTTAGCTTCCAACCACGTGTAGATCA X TTTCCCAGTCACGACGTTGT)−3’(配列番号120)
プライマーT29−X−R−in:5’−d(CGCATTGAGCAAGTGTACAGAGCAT X AGTGCGTGCTGGGCTCTTC)−3’(配列番号121)
(3)C6リンカー挿入プライマーセットを用いたPCR反応
前記工程(1)で準備した標的1、もしくは、標的2溶液と前記工程(2)で合成した3種のプライマーを用いてPCR反応を行った。プライマーT27−X−F、プライマーT28−X−R、および、プライマーT29−X−R−inを各5pmolと、各テンプレート1fmolを0.2mlのPCRチューブに入れ、ExTaq PCRキット(タカラバイオ社製)の説明書に従い、100μlのPCR反応液を調整した。
反応液に用いるテンプレートは次の4種類を準備した。
(i)テンプレートとして標的1、
(ii)テンプレートとして標的1、および、標的2、
(iii)テンプレートとして標的2、
(iv)標的なし(水添加)
これら反応液を調製後、チューブをサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System、アプライドバイオシステム社製)にセットし、95℃で5分間熱処理後、95℃で10秒、55℃で30秒、72℃で5秒のサイクルを30回行った。このPCR反応条件において伸長反応時間を5秒と短くしたのは、増幅長の短いものだけを選択的に増幅するためである。この反応条件において、インサートを有する標的2がテンプレートの場合、プライマーT27−X−F、プライマーT28−X−Rでは1786bpの増幅は生じず、プライマーT27−X−F、プライマーT29−X−R−inにより101bpの増幅断片だけが生じる。よって、それぞれ目的の配列を有するDNA断片を次のように得た。(i)118bp、(ii)118bp、101bp、(iii)101bp、および、(iv)増幅DNA断片なし(ネガティブコントロールとする)を増幅した。
(4)核酸クロマトグラフィー様テストストリップの作製
実施例13の工程(4)〜(6)と同様の方法で、スペーサー挿入プライマーセットを用いたPCR増幅産物の検出用テストストリップを作製した。
(5)テストストリップによるPCR産物の検出
工程(3)で作製した(i)〜(iv)のPCR産物を変性することなく、直ちに工程(4)で作製したテストストリップ上の試料添加部位にそれぞれアプライし、クロマトグラフィーによる検出を行った。
その結果を以下に示す。
(i):一本目の検出ラインのみ着色。
(ii):一本目のライン、二本目の検出ライン両方とも着色。
(iii):二本目の検出ラインのみ着色。
(iv):どの検出ラインも着色は認められなかった。
この結果から、それぞれの標的プラスミド特異的に検出が可能であり、プラスミド内のインサートの有無を判別可能であった。また、クロマトグラフィーによる検出に要した時間は、5〜15分と短時間であった。
このようにプラスミドへの遺伝子の挿入の有無を判別でき、同様の方法を用いて、ゲノムへの遺伝子の挿入や欠失等の変異も簡便に検出可能である。
1.プライマー領域
2.タグ領域
3.ポリメラーゼ反応阻害領域(スペーサー領域)
4.第1プライマー(ジョイントプライマー)のプライマー領域
5.第1プライマー(ジョイントプライマー)の共通領域
6.第2プライマーの共通領域
7.第2プライマーのタグ領域
8.第2プライマーのポリメラーゼ反応阻害領域(スペーサー領域)
9.標的核酸配列
10.フォワードプライマー
11.フォワードプライマーのプライマー領域
12.フォワードプライマーのタグ領域
13.リバースプライマー
14.リバースプライマーのプライマー領域
15.リバースプライマーのタグ領域
16.両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物
17.標的核酸配列
18.フォワード第1プライマー
19.フォワード第1プライマーのプライマー領域
20.フォワード第1プライマーのタグ領域
21.リバース第1プライマー
22.リバース第1プライマーのプライマー領域
23.リバース第1プライマーのタグ領域
24.第1プライマーによる二本鎖PCR産物
25.フォワード第2プライマー
26.フォワード第2プライマーのプライマー領域
27.フォワード第2プライマーのタグ領域
28.リバース第2プライマー
29.リバース第2プライマーのプライマー領域
30.リバース第2プライマーのタグ領域
31.両末端に一本鎖領域を有するDNA増幅産物
32.サンプルパッド
33.コンジュゲートパッド
34.捕捉用オリゴヌクレオチドを保持した担体
35.吸収パッド
36.基材
37.テストライン
38.コントロールライン
39.標識分子結合用オリゴヌクレオチド
40.標識分子
41.PCR産物−標識分子複合体
42.多孔質メンブレン
43.捕捉用オリゴヌクレオチド
44.捕捉用オリゴヌクレオチドを各ウェルに保持した担体(マイクロアレイ)
45.捕捉用オリゴヌクレオチドを保持したビーズ担体
46.変性PAGE、染色後のポリアクリルアミドゲル
47.約360merの一本鎖
48.約330merの一本鎖
49.クロマトグラフィー様ストリップ
50.テストライン
51.テストライン1
52.テストライン2
53.テストライン3

Claims (24)

  1. 核酸増幅反応で二本鎖化されないタグ領域が5’末端側に連結されたプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、両末端に一本鎖領域を有する核酸を得ることを特徴とする、核酸の増幅方法。
  2. タグ領域が、スペーサーを介してプライマーと連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の核酸の増幅方法。
  3. スペーサーが、核酸誘導体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の標的核酸の増幅方法。
  4. 核酸誘導体が、L型核酸、3−deoxy−2−hydroxy−dN、修飾塩基核酸、損傷塩基核酸、リン酸結合部位修飾核酸、RNA、2’−OMe−N、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項3に記載の核酸の増幅方法。
  5. L型核酸が、L型DNA、L型RNA、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項4に記載の核酸の増幅方法。
  6. 3−deoxy−2−hydroxy−dNが、2’−5’結合によりプライマーと連結されていることを特徴とする、請求項4に記載の核酸の増幅方法。
  7. 修飾塩基核酸が、発色団またはビオチンを含むことを特徴とする、請求項4に記載の核酸の増幅方法。
  8. 発色団が、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニン、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項7に記載の核酸の増幅方法。
  9. 損傷塩基核酸が、脱塩基ヌクレオチド、5−ヒドロキシメチル−dN、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項4に記載の核酸の増幅方法。
  10. リン酸結合部位修飾核酸が、ホスホロチオエート又はその誘導体を含むことを特徴とする、請求項4に記載の核酸の増幅方法。
  11. 核酸誘導体が、5’−5’結合でプライマーと連結され、かつ、3’−3’結合でタグ領域と連結されていることを特徴とする、請求項3〜10のいずれかに記載の核酸の増幅方法。
  12. スペーサーが、非核酸誘導体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の標的核酸の増幅方法。
  13. 非核酸誘導体が、D−threoninol骨格を有することを特徴とする、請求項12に記載の核酸の増幅方法。
  14. D−threoninol骨格に、アゾベンゼン、ビオチン、EDTA、および、発色団からなる群から選択される少なくとも1以上が導入されていることを特徴とする、請求項13に記載の核酸の増幅方法。
  15. 発色団が、ピレン、エテノ、ピロロ、ぺリレン、フルオレセイン、FITC、Cy3、Cy5、TAMRA、ダブシル、シアニン、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項14に記載の核酸の増幅方法。
  16. 非核酸誘導体が、炭素鎖(C)、ペグ鎖((CHCHO))、ジスルフィド含有鎖(CSSC)、および、ジチオールフォスフォロアミダイトからなる群から選択される少なくとも1以上であることを特徴とする、請求項12に記載の核酸の増幅方法。
  17. スペーサーが複数種類および/又は複数個であることを特徴とする、請求項2に記載の核酸の増幅方法。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の核酸の増幅方法で得られた、両末端に一本鎖領域を有する核酸を検出することを特徴とする核酸の検出方法。
  19. 片方の一本鎖領域と相補的な配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプローブを固相に固定する工程、および、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブを、両末端に一本鎖領域を有する核酸とハイブリダイズさせる工程を含むことを特徴とする、請求項18に記載の核酸の検出方法。
  20. 更に、他方の一本鎖領域と相補的な配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプローブを標識物質と結合する工程、および、前記第2のオリゴヌクレオチドプローブを、両末端に一本鎖領域を有する核酸とハイブリダイズさせる工程を含むことを特徴とする、請求項19に記載の核酸の検出方法。
  21. 更に、目視で核酸を判別する工程を含むことを特徴とする、
    請求項20に記載の核酸の検出方法。
  22. 標識物質が着色担体であることを特徴とする、
    請求項20または21に記載の核酸の検出方法。
  23. 両末端に一本鎖領域を有する核酸を、核酸検出デバイス上で検出することを特徴とする、請求項18〜22のいずれかに記載の核酸の検出方法。
  24. 核酸検出デバイスが、アレイ又はクロマトグラフィーである、請求項23に記載の核酸の検出方法。
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