JPWO2013157316A1 - 自己保持型ソレノイド及びツースクラッチ - Google Patents

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Abstract

スライダに大きな推力及び大きな移動ストロークを得ることができ、かつ省電力特性を併せ持つように構成するため、スライダを第1の位置から第2の位置に移動させる場合に、第2のコイルに通電を行った状態で第1のコイルの周囲に永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように第1のコイルに通電を行う通電制御部を備えた。

Description

本発明は、自己保持型ソレノイド及びツースクラッチに関するものである。
ツースクラッチとしては、回転体であるロータに設けたツース部と、アーマチュアに設けたツース部との噛み合いによってロータからアーマチュアへトルクを伝達するものが提供されている。この種のクラッチのON/OFF(噛み合い/非噛み合い)は、ステータに設けたコイルを非励磁状態と励磁状態とに切り替えて行うようにしている。一般的には、クラッチをONする際にコイルを励磁状態とするもの(例えば、特許文献1参照)、あるいはクラッチをOFFする際にコイルを励磁状態とするもの(例えば、特許文献2参照)がある。しかし、特許文献1に記載のものではクラッチをON状態に維持する際に復帰バネに抗するようにコイルに通電し続ける必要があり、また特許文献2に記載のものではクラッチをOFF状態に維持する際に復帰バネに抗するようにコイルに通電し続ける必要があり、消費電力の増大に起因して発熱等の問題を招来する恐れがある。
一方、図14に示すような自己保持型ソレノイドが知られている。この自己保持型ソレノイドでは、軟磁性体から成る固定片1に円筒状の永久磁石2が配設されるとともに、永久磁石2の両側にそれぞれリング状のコイル3a,3bが配設され、これら永久磁石2及びコイル3a,3bの中心部に軟磁性体から成るスライダ4が設けられている。図14に示した状態では、永久磁石2の磁束5の作用によって第1のコイル3aの周囲にスライダ4及び固定片1を通過する磁気回路が構成されるため、スライダ4及び固定片1がそれぞれ一方の磁極面4a,1aで吸着し、機械的に安定している。この状態から第1のコイル3aに通電して永久磁石2の磁束5を打ち消す方向に磁束6を誘起させれば、スライダ4が固定片1に対して図中右側にスライドし、スライダ4と固定片1とが他方の磁極面4b,1bで吸着した状態に変位する。
上記のような自己保持型ソレノイドを適用すれば、クラッチをON状態に維持する場合及びクラッチをOFF状態に維持する場合のいずれであっても常時通電する必要がないため、消費電力を低減して発熱等の問題を招来する恐れがなくなる。
特開2005−30491号公報 実開平7−23828号公報
しかしながら、上記のように、コイル3aに通電して永久磁石2の磁束5を打ち消しただけでは、スライダ4の推力を十分に得ることが難しい場合が多い。このため、スライダ4の移動が不安定となって、クラッチのON状態とOFF状態との切り替えが安定しないという問題を招来する恐れがある。特に、クラッチの切り替えに大きな力が必要となる場合、あるいは大きな移動ストロークが必要な場合には、上述した問題が一層顕著となる。
本発明は、上記実情に鑑みて、スライダに大きな推力及び大きな移動ストロークを得ることができ、かつ省電力特性を併せ持つ自己保持型ソレノイド及びツースクラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る自己保持型ソレノイドは、永久磁石の両側にそれぞれコイルを配設するとともに、磁性体から成るスライダを前記コイルの並設方向に沿って移動可能に配設し、前記スライダが第1の位置に配置された場合には前記永久磁石の磁束によって第1のコイルの周囲に形成される磁気回路により前記スライダを前記第1の位置に保持する一方、前記スライダが第2の位置に配置された場合には前記永久磁石の磁束によって第2のコイルの周囲に形成される磁気回路により前記スライダを前記第2の位置に保持するように構成した自己保持型ソレノイドにおいて、前記スライダを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる場合に、前記第2のコイルに通電を行った状態で前記第1のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように前記第1のコイルに通電を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上述した自己保持型ソレノイドにおいて、前記通電制御手段は、前記スライダを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる場合、前記第2のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束に沿って磁束が生じるように前記第2のコイルに通電を行った状態で、前記一方のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように前記第1のコイルに通電を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上述した自己保持型ソレノイドにおいて、前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、予め設定した一定の電流値で通電を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上述した自己保持型ソレノイドにおいて、前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、電流値を漸次変化させながら通電を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上述した自己保持型ソレノイドにおいて、前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、前記スライダが移動を開始した時点で前記第1のコイルへの通電を停止し、かつ前記第2のコイルへの通電を継続することを特徴とする。
また、本発明に係るツースクラッチは、上述したいずれか一つの自己保持型ソレノイドにおいて前記スライダを円筒状に形成し、その端面にツース部を設けるとともに、前記スライダの中心軸線を中心として前記スライダに対して相対回転可能に配設した回転体にツース部を形成し、前記コイルへの通電状態を制御することによって前記スライダを中心軸線に沿って移動させ、前記スライダのツース部を前記回転体のツース部に対して噛み合い状態と非噛み合い状態とに切り替えるように構成したことを特徴とする。
また、本発明は、上述したツースクラッチにおいて、少なくとも前記スライダのツース部と前記回転体のツース部とが離隔した状態から接触する時点までの間、前記永久磁石の磁束によって前記回転体と前記スライダとが互いに離反する方向に向けて推力が発生するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、スライダを第1の位置もしくは第2の位置に保持させる際にコイルに通電する必要がないため、消費電力の増大に起因した発熱等の問題を招来する恐れがない。しかも、スライダを第1の位置から第2の位置に移動させる場合には、第2のコイルに通電を行った状態で第1のコイルの周囲に永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように第1のコイルに通電を行うようにしているため、スライダに大きな推力及び大きな移動ストロークを得ることが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1である自己保持型ソレノイドにおいてスライダが第1の位置に配置された状態を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示した自己保持型ソレノイドにおいてスライダが第2の位置に配置された状態を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示した自己保持型ソレノイドの2つのコイルに個別に通電を行う電気回路を例示した図である。 図4−1は、図3に示した通電制御部がスライダを第2の位置から第1の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングを示したタイミングチャートである。 図4−2は、図3に示した通電制御部がスライダを第1の位置から第2の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングを示したタイミングチャートである。 図5−1は、図1に示した自己保持型ソレノイドにおいてスライダを第1の位置から第2の位置へ移動させる場合にスライダに作用する推力とコイルへ通電する電流値との関係を示したグラフである。 図5−2は、図1に示した自己保持型ソレノイドにおいてスライダを第2の位置から第1の位置へ移動させる場合にスライダに作用する推力とコイルへ通電する電流値との関係を示したグラフである。 図6−1は、図3に示した通電制御部がスライダを第2の位置から第1の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングの変形例1を示したタイミングチャートである。 図6−2は、図3に示した通電制御部がスライダを第1の位置から第2の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングの変形例1を示したタイミングチャートである。 図7−1は、図3に示した通電制御部がスライダを第2の位置から第1の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングの変形例2を示したタイミングチャートである。 図7−2は、図3に示した通電制御部がスライダを第1の位置から第2の位置に移動させる場合に通電を行うタイミングの変形例2を示したタイミングチャートである。 図8は、本発明の実施の形態2であるツースクラッチにおいてスライダが第1の位置に配置され、クラッチがOFFとなった状態を示す半断面図である。 図9は、図8に示したツースクラッチにおいてスライダが第2の位置に配置され、クラッチがONとなった状態を示す半断面図である。 図10は、図8に示したツースクラッチにおいてコイルに通電を行うことなくスライダを移動させた場合に永久磁石のみによってスライダに作用する推力とスライダの位置との関係を示すグラフである。 図11−1は、図8に示したツースクラッチにおいてスライダが第1の位置に配置された状態の要部断面図である。 図11−2は、図8に示したツースクラッチにおいて第1の位置に配置されたスライダを第2の位置に移動させるために第1のコイル及び第2のコイルに通電した状態の要部断面図である。 図11−3は、図8に示したツースクラッチにおいてスライダが第2の位置に配置された状態の要部断面図である。 図11−4は、図8に示したツースクラッチにおいて第2の位置に配置されたスライダを第1の位置に移動させるために第1のコイル及び第2のコイルに通電した状態の要部断面図である。 図12−1は、従来の一般的なツースクラッチにおいてアーマチュアがOFF位置からON位置に移動するときのアーマチュアの位置とアーマチュアに作用する推力との関係を表したグラフである。 図12−2は、従来の一般的なツースクラッチにおいてアーマチュアがON位置からOFF位置に移動するときのアーマチュアの位置とアーマチュアに作用する推力との関係を表したグラフである。 図13−1は、図8に示したツースクラッチにおいてアーマチュアがOFF位置からON位置に移動するときのアーマチュアの位置とアーマチュアに作用する推力との関係を表したグラフである。 図13−2は、図8に示したツースクラッチにおいてアーマチュアがON位置からOFF位置に移動するときのアーマチュアの位置とアーマチュアに作用する推力との関係を表したグラフである。 図14は、従来の自己保持型ソレノイドの構造を概略的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る自己保持型ソレノイド及びツースクラッチの好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1である自己保持型ソレノイドを模式的に示すものである。ここで例示する自己保持型ソレノイドは、励磁ユニット10を備えた固定基体20と、固定片30と、スライダ40とを備えて構成してある。固定基体20、固定片30及びスライダ40は、いずれも軟磁性体等の磁性材料によって成形したものである。
固定基体20は、中心孔21を有した円盤状を成す基部22と、基部22の外周縁部から突出する環状の凸部23と、基部22の内周縁部から凸部23と同じ方向に突出した略円筒状の磁気ヨーク部24とを一体に成形したものである。磁気ヨーク部24には、その内部に中心孔21に連通した中空孔25が形成してあり、シャフト(図示せず)を設けることが可能である。
固定片30は、中心孔31を有した略円盤状を成すもので、外周縁部において固定基体20に対向する部位に円環状の凸部32を有している。固定片30の内周縁部には、磁気ヨーク部24と接合できるように平行部33が設けてある。
励磁ユニット10は、中空円筒形状の永久磁石11と、永久磁石11を挟持する態様で所定の巻数を有するリング状の第1のコイル12及び第2のコイル13とを備えており、基部22と固定片30との間に挟持されている。永久磁石11は、固定基体20の中心軸線Lに対してラジアル方向に1極着磁したものである。
スライダ40は、略円筒形状に形成したもので、励磁ユニット10の径外周側において第1のコイル12及び第2のコイル13の並設方向に沿って移動することが可能である。図には明示していないが、このスライダ40は、図示せぬ可動片にて保持されており、励磁ユニット10との間に一定の微小な隙間を保つような形状に設定してある。
図3に例示するように、励磁ユニット10の第1のコイル12及び第2のコイル13には、それぞれ独立した電気回路が構成してある。それぞれの電気回路は、通電制御部(通電制御手段)50から与えられた制御信号に応じて電源51と各コイル12,13との接続態様を切り替える端子ユニット52,53を有したものである。
上記のように構成した自己保持型ソレノイドでは、図1に示すように、スライダ40が固定片30と当接し、第1のコイル12と永久磁石11とに対向した第1の位置に配置された場合、永久磁石11の磁束fmによって第1のコイル12の周囲に磁気回路が形成される。つまり、スライダ40が第1の位置に配置された状態においては、永久磁石11→スライダ40→固定片30→磁気ヨーク部24→永久磁石11の向きに磁気回路が形成されるため、第1のコイル12や第2のコイル13への通電を継続することなくスライダ40が第1の位置に保持されることになる。
この状態からスライダ40を固定基体20の基部22に当接する第2の位置まで移動させるには、通電制御部50からの制御信号により、図4−1に示すタイミングチャートに従って第1のコイル12及び第2のコイル13にそれぞれ個別に通電を行えば良い。第1のコイル12への通電は、図1に示すように、永久磁石11の磁束fmに対して、方向が逆向きで大きさの等しい磁束fc1が第1のコイル12の周囲に生じるように行う。第2のコイル13への通電は、永久磁石11の磁束fmに対して方向が等しく、スライダ40に吸引力を作用させることができる磁束fc2が第2のコイル13の周囲に生じるように行う。
第1のコイル12及び第2のコイル13に対して通電を開始するタイミングt1は同じである。これに対して通電を停止するタイミングは、図4−1中の二点鎖線で示すように、スライダ40が固定基体20の基部22に当接する時点t3で同時に行っても良いし、同図中の実線で示すように、第1のコイル12に対してはスライダ40が移動を開始した直後の時点t2で直ちに通電を停止するようにしても良い。スライダ40が移動を開始した直後の時点t2で通電を停止するのは、スライダ40に対する永久磁石11の磁束fmの影響が急激に低下するためである。第2のコイル13に対してスライダ40が固定基体20の基部22に当接するまでの間(t1→t3)、継続して通電を行うのは、スライダ40に対してできるだけ長い時間吸引力を作用させ、より大きな推力及びより大きな移動ストロークを得るようにするためである。スライダ40が固定基体20の基部22に当接し、図2に示すように、第2のコイル13と永久磁石11とに対向した第2の位置まで移動した後においては、第2のコイル13への通電を停止した場合にも、永久磁石11の磁束fmによって第2のコイル13の周囲に形成される磁気回路(永久磁石11→スライダ40→基部22→磁気ヨーク部24→永久磁石11)によりスライダ40が第2の位置に保持されることになる。
同様に、スライダ40を第2の位置から第1の位置まで移動させるには、通電制御部50からの制御信号により、図4−2に示すタイミングチャートに従って第1のコイル12及び第2のコイル13にそれぞれ個別に通電を行えば良い。第2のコイル13への通電は、永久磁石11の磁束fmに対して、方向が逆向きで大きさの等しい磁束fc2が第2のコイル13の周囲に生じるように行う。第1のコイル12への通電は、永久磁石11の磁束fmに対して方向が等しく、スライダ40に吸引力を作用させることができる磁束fc1が第1のコイル12の周囲に生じるように行う。
第1のコイル12及び第2のコイル13に対して通電を開始するタイミングt4は同じであるが、通電を停止するタイミングは、図4−2中の二点鎖線で示すように、スライダ40が固定片30に当接する時点t6で同時に行っても良いし、同図中の実線で示すように、第2のコイル13に対してはスライダ40が移動を開始した直後の時点t5で直ちに通電を停止するようにしても良い。スライダ40が移動を開始した直後の時点t5で通電を停止するのは、スライダ40に対する永久磁石11の磁束fmの影響が急激に低下するためである。第1のコイル12に対しては、スライダ40に対してできるだけ長い時間吸引力を作用させ、より大きな推力及びより大きな移動ストロークを得るようにするため、スライダ40が固定片30に当接するまでの間(t4→t6)、継続して通電を行う。スライダ40が固定片30に当接し、図1に示すように、第1のコイル12と永久磁石11とに対向した第1の位置まで移動した後においては、第1のコイル12への通電を停止した場合にも、永久磁石11の磁束fmによって第1のコイル12の周囲に形成される磁気回路によりスライダ40が第1の位置に保持されることになる。
以下、通電制御部50を通じて同様の通電制御を行うことにより、スライダ40が第1の位置と第2の位置との間で移動することになる。尚、永久磁石11による磁束fmは、便宜的に方向を示したものであり、図示する方向に限定されることはない。また、スライダ40を第1の位置から第2の位置に移動させる場合と、第2の位置から第1の位置に移動させる場合とで、便宜上永久磁石11による磁束を「fm」、第1のコイル12の周囲に生じる磁束を「fc1」、第2のコイル13の周囲に生じる磁束を「fc2」として同じ符号を付しているが、これらの符号は磁束の大きさが同じであることを意味するものではない。
図5−1及び図5−2は、スライダ40に作用する推力と各コイル12,13へ通電する電流値との関係を示したものである。図5−1及び図5−2において横軸は各コイル12,13のアンペアターンを示し、縦軸は双方向へのスライダ40の推力を示している。
図5−1に示すように、スライダ40を第1の位置から第2の位置へ移動させる場合、第2のコイル13については、電流値を増加させるに従ってスライダ40に作用する推力(吸引力)も増大することになる。これに対して、第1のコイル12に流す電流値には、第1のコイル12からの磁束fc1と、永久磁石11からの磁束fmとがほぼ同等となり、スライダ40への推力が0に最も近くなるような最良点が存在する。最良点未満の電流値では、永久磁石11の磁束fmを打ち消すことができず、また、最良点を超える電流値では、第1のコイル12に生じる磁束fc1が、スライダ40を第1の位置に留める力として作用するためスライダ40の移動に影響を及ぼすことになる。同様に、図5−2に示すように、スライダ40を第2の位置から第1の位置へ移動させる場合、第1のコイル12に対しては、電流値を増加させるに従ってスライダ40に作用する推力(吸引力)が増大し、第2のコイル13に対しては、電流値に最良点が存在する。
従って、永久磁石11の磁束fmを打ち消すように各コイル12,13に通電を行う場合には、それぞれの最良点に一致する電流値を予め設定し、通電制御部50から設定した電流値で通電を行うように制御信号を与えることが好ましい。
このように実施の形態1の自己保持型ソレノイドにおいては、スライダ40を第1の位置から第2の位置へ移動する際に、第1のコイル12に永久磁石11の磁束fmを打ち消すだけの通電を行い、かつ第2のコイル13へは必要な推力を得られるように通電を行う。また、スライダ40を第2の位置から第1の位置へ移動させる際は、第2のコイル13に永久磁石11の磁束fmを打ち消すだけの通電を行い、かつ第1のコイル12には必要な推力を得られるように通電を行うようにしている。従って、スライダ40に大きな推力及び大きな移動ストロークを得ることが可能となる。しかも、スライダ40を第1の位置もしくは第2の位置に保持させる際には、コイル12,13に通電する必要がないため、消費電力の増大に起因した発熱等の問題を招来する恐れがない。また、コイル12,13それぞれの電流を独立に制御可能な機能を有することは、基部22または固定片30またはスライダ40の1つ以上が、対向して配置されているコイル12,13の中心面に対して非対称な形状である場合にも大きな推力を得る観点から特に有用である。大きな推力を得るために適切なアンペアターンがコイル12,13ごとに異なるためである。
図5−1及び図5−2で示した、永久磁石11の磁束fmを打ち消すようにコイル12,13へ通電する際の電流値の最良点は、周囲の温度環境によって変化するものである。従って、実施の形態1の図4−1及び図4−2に示すように、一定の電流値でコイル12,13に通電を行う場合には、温度条件に応じて最良点となる電流値を都度補正することが好ましい。しかしながら、最良点となる電流値を温度条件によって都度補正するには、温度を検出するセンサが必要となるばかりか、制御も煩雑化することになる。
そこで、変形例1では、温度を検出するセンサや煩雑な制御を要することなく最良点での通電を行うべく通電制御部50から図6−1及び図6−2に示すような制御信号を出力するようにしている。すなわち、変形例1では、コイル12,13に永久磁石11の磁束fmを打ち消す磁束を生じさせる場合、電流値を漸次増加させながら通電を行うようにした。変化させる電流値の幅は、例えば標準となる温度条件で決定される電流値の最良点に対してプラス側とマイナス側とに等しい幅を設定すれば良い。尚、本変形例1において実施の形態1と同様の構成に関しては同一の符号を付して詳細説明を省略している。
上記のように電流値を漸次増加させながらコイル12,13へ通電を行えば、温度条件の変化に関わらず常に最良点に合致した電流値でコイル12,13に通電を行うことができるようになり、スライダ40を効率良く移動させることが可能となる。尚、実施の形態1と同様、スライダ40が移動を開始した時点でコイル12,13への通電を停止すれば、電流値を漸次増加させることがスライダ40の移動に影響を与える恐れはなく、スライダ40に大きな推力及び大きな移動ストロークを得ることが可能となる。
尚、図6−1及び図6−2では、電流値を漸次増加するように変化させているが、図7−1及び図7−2の変形例2に示すように、電流値を漸次減少するように変化させるようにしても同様の作用効果を奏することが可能である。
(実施の形態2)
図8及び図9は、本発明の実施の形態2であるツースクラッチを示したものである。ここで例示するツースクラッチは、ロータ(回転体)60の回転を軸部材70に対して伝達する状態と非伝達の状態とに切り替える場合に用いられるもので、実施の形態1で示した自己保持型ソレノイドを応用して構成してある。すなわち、このツースクラッチでは、ステータとなる固定基体20の中心孔21にベアリング71を介して軸部材70が回転可能に支持してある。固定基体20と軸部材70とは、トメワ72によって軸部材70の中心軸線方向に沿った相対移動が阻止されている。固定基体20において軸部材70の周面に対向する位置には、永久磁石11及び2つのコイル12,13から成る励磁ユニット10が配設してある。さらに、励磁ユニット10と軸部材70との間には、アーマチュア80が配設してある。アーマチュア80は、軸部材70の周囲に設けた円筒状を成すアクチュエータ本体81と、アクチュエータ本体81の外周部に固定した円筒状を成すスライダ40とを備えて構成したもので、アクチュエータ本体81と軸部材70との間に設けたキー82により、軸部材70の中心軸線方向に沿っては移動可能、かつ軸部材70と供回りする態様で軸部材70に装着してある。アクチュエータ本体81において固定基体20の内周から突出した部分は太径となっており、その端面にアーマチュアツース部83を有している。実施の形態1で記載したように、固定基体20及びスライダ40は、軟磁性体等の磁性材料によって成形してあるが、アクチュエータ本体81については必ずしも軟磁性体で成形する必要はなく、アーマチュアツース部83として十分な強度を確保できる部材によって成形しても良い。
ロータ60は、ベアリング61を介して軸部材70に回転可能に支持してある。図には明示していないが、ロータ60と軸部材70とは、トメワによって軸部材70の中心軸線方向に沿った相対移動が阻止されている。ロータ60においてアクチュエータ本体81の端面に対向する部位には、ロータツース部62が設けてある。ロータツース部62は、図8に示すように、アーマチュア80のスライダ40が第1のコイル12と永久磁石11とに対向した第1の位置に配置された場合にアクチュエータ本体81に設けたアーマチュアツース部83に対して噛み合い状態となり、かつ、図9に示すように、スライダ40が第2のコイル13と永久磁石11とに対向した第2の位置に配置された場合にアーマチュアツース部83との噛み合いが解除された非噛み合い状態となるように構成したものである。ロータ60についてもアクチュエータ本体81と同様、ロータツース部62として十分な強度を確保できる部材によって成形してある。
スライダ40が第1の位置に配置された場合には、アクチュエータ本体81の細径側端面がトメワ72に当接することによってその位置が規定され、ロータツース部62とアーマチュアツース部83との間に中心軸線方向に沿った所定のギャップが確保される。スライダ40が第2の位置に配置された場合には、アクチュエータ本体81の太径側端面がロータ60の内周側端面に当接することによってその位置が規定される。
ここで、本実施の形態2では、図10に示すように、スライダ40を第1の位置から第2の位置に向けて移動させ、アーマチュアツース部83の先端とロータツース部62の先端とが互いに接触する時点Pを超えた噛み合い初期の状態までは、第1のコイル12及び第2のコイル13に通電を行わない場合、永久磁石11の磁束fmによってロータ60とスライダ40とが互いに離反する方向に向けて推力が発生するように構成してある。これは、アーマチュアツース部83とロータツース部62との噛み合いがスムーズに行われない場合、第1のコイル12や第2のコイル13への通電を停止することで直ちにロータ60に対してスライダ40を退行移動させ、アーマチュアツース部83及びロータツース部62を非噛み合い状態に戻すことで双方に摩耗や損傷を来す事態を防止するためである。
尚、その他、実施の形態2において実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略している。
上記のように構成したツースクラッチにおいては、図11−1に示すように、スライダ40が第1の位置に配置された場合、永久磁石11の磁束fmによって第1のコイル12の周囲に磁気回路が形成される。つまり、スライダ40が第1の位置に配置された状態においては、永久磁石11→固定基体20→スライダ40→永久磁石11の向きに磁気回路が形成される。このため、第1のコイル12や第2のコイル13への通電を継続することなくスライダ40が第1の位置に保持されることになる。この状態においては、ロータツース部62とアーマチュアツース部83とが非噛み合い状態となっており、ロータ60の回転が軸部材70に伝達されることはない(クラッチOFF)。
スライダ40が第1の位置に配置された状態において、通電制御部(通電制御手段)50からの制御信号により、図11−2に示すように、第1のコイル12の周囲に形成される永久磁石11の磁束fmを打ち消すように第1のコイル12に通電を行うとともに、スライダ40に吸引力を作用させることができるように第2のコイル13に通電を行うと、第2のコイル13の周囲に形成される磁束fc2によってスライダ40が吸引されることになり、図11−3に示すように、スライダ40が第2の位置に移動する。従って、ロータツース部62とアーマチュアツース部83とが噛み合い状態となり、ロータ60の回転がアーマチュア80及びキー82を介して軸部材70に伝達され、軸部材70が回転することになる(クラッチON)。
ここで、実施の形態1と同様、第1のコイル12及び第2のコイル13に対して通電を開始するタイミングは同じであるが、通電を停止する場合は第1のコイル12と第2のコイル13とで同じタイミングであっても異なるタイミングであっても良い。スライダ40が移動を開始した直後の時点、つまりスライダ40に対する永久磁石11の磁束fmの影響が急激に低下した時点で第1のコイル12に対する通電を直ちに停止すれば、スライダ40の移動に影響を与えることなく、消費電力の低減に寄与することができる。一方、第2のコイル13に対しては、スライダ40が第2の位置に移動するまでの間、継続して通電を行うことにより、スライダ40に対してできるだけ長い時間吸引力を作用させることができ、より大きな推力及びより大きな移動ストロークを得ることができる。さらに大きな移動ストロークを得ることにより、図8に示すように、アーマチュアツース部83及びロータツース部62の双方に軸部材70の中心軸線方向に沿った平行部分83a,62aを設けることができるようになり、回転方向の噛み合い力の向上によってより大きなトルクを伝達することが可能となる。スライダ40が第2の位置まで移動した後においては、第2のコイル13への通電を停止した場合にも、永久磁石11の磁束fmによって第2のコイル13の周囲に形成される磁気回路(永久磁石11→固定基体20→スライダ40→永久磁石11)によりスライダ40が第2の位置に保持され、ロータ60の回転が軸部材70に伝達された状態を維持する。
上述した動作の間、本実施の形態2のツースクラッチでは、スライダ40を第1の位置から第2の位置に向けて移動させ、アーマチュアツース部83の先端とロータツース部62の先端とが互いに接触する時点を超えた噛み合い初期の状態までは、第1のコイル12及び第2のコイル13に通電を行わない場合、永久磁石11の磁束fmによってロータ60とスライダ40とが互いに離反する方向に向けて推力が発生するように構成してある。従って、アーマチュアツース部83とロータツース部62との噛み合いがスムーズに行われない場合、第1のコイル12や第2のコイル13への通電を停止することでスライダ40が第1の位置に戻るため、アーマチュアツース部83及びロータツース部62相互の接触がなくなり、双方に摩耗や損傷を来す事態を防止することができる。
一方、アーマチュアツース部83とロータツース部62とが噛み合った状態において通電制御部50からの制御信号により、図11−4に示すように、第2のコイル13の周囲に形成される永久磁石11の磁束fmを打ち消すように第2のコイル13に通電を行うとともに、スライダ40に吸引力を作用させることができるように第1のコイル12に通電を行うと、第1のコイル12の周囲に形成される磁束fc1によってスライダ40が吸引されることになり、図11−1に示すように、スライダ40が第1の位置に移動する。従って、ロータツース部62とアーマチュアツース部83とが非噛み合い状態となり、ロータ60の回転が軸部材70に伝達されない状態に復帰する(クラッチOFF)。スライダ40が第1の位置まで移動した後においては、第1のコイル12への通電を停止した場合にも、永久磁石11の磁束fmによって第1のコイル12の周囲に形成される磁気回路(永久磁石11→固定基体20→スライダ40→永久磁石11)によりスライダ40が第1の位置に保持される。
以下、通電制御部50を通じて同様の通電制御を行うことにより、スライダ40が第1の位置と第2の位置との間で移動することになり、アーマチュアツース部83とロータツース部62とを噛み合い状態と非噛み合い状態に切り替えることができる。尚、実施の形態1と同様、永久磁石11による磁束fmは、便宜的に方向を示したものであり、図示する方向に限定されることはない。また、スライダ40を第1の位置から第2の位置に移動させる場合と、第2の位置から第1の位置に移動させる場合とで、便宜上永久磁石11による磁束を「fm」、第1のコイル12の周囲に生じる磁束を「fc1」、第2のコイル13の周囲に生じる磁束を「fc2」として同じ符号を付しているが、これらの符号は磁束の大きさが同じであることを意味するものではない。
図12−1及び図12−2は、従来の一般的なツースクラッチにおいてアーマチュアの位置とアーマチュアに作用する推力との関係を表したもので、図12−1はアーマチュアがOFF位置からON位置に移動するときの推力の変化を示し、図12−2はアーマチュアがON位置からOFF位置に移動するときの推力の変化を表している。図12−1及び図12−2において横軸はアーマチュアの位置を示し、縦軸はアーマチュアに作用する推力を表している。横軸においては、クラッチがONのときのアーマチュアの位置をON位置として表示し、クラッチがOFFのときのアーマチュアの位置をOFF位置として表示している。縦軸においては、アーマチュアがON位置に向かう方向の推力を吸引力とし、ON位置から離れる方向の推力を反発力としている。図12−1中の曲線1はアーマチュアがOFF位置に復帰するための復帰バネによる反発力を示し、曲線2はコイルに通電したときの吸引力を示し、曲線1と曲線2との合成した曲線3がアーマチュアに作用する推力となる。クラッチがONの状態を維持するには、復帰バネによる反発力に抗しなければならないため、常時コイルに通電が必要となる。尚、図12−2に示すように、クラッチがONの状態からコイルの通電を停止すると、復帰バネによってクラッチがOFFの状態になる。この従来例では、図12−1に示すように、コイルからアーマチュアが離隔する方向に移動すると、コイルへの通電による吸引力が指数関数的に低下することになる。このため、アーマチュアを確実に吸引するためには、アーマチュアの移動ストロークを長く設定することが困難となる。
これに対して図13−1及び図13−2は、上述した実施の形態2のツースクラッチのON/OFF切り替え動作において、アーマチュア80の位置とアーマチュア80に作用する推力との関係を表したもので、図13−1は、アーマチュア80がOFF位置(スライダ40の第1の位置)からON位置(スライダ40の第2の位置)に移動するときの推力の変化を示し、図13−2はクラッチON状態からOFF状態に推移するときの推力の変化を表している。図13−1及び図13−2において横軸はアーマチュア80の位置を示し、縦軸はアーマチュア80に作用する推力を示している。横軸においては、クラッチがONのときのアーマチュア80の位置をON位置として表示し、クラッチがOFFのときのアーマチュア80の位置をOFF位置として表示している。縦軸においては、アーマチュア80がON位置に向かう方向の推力を吸引力とし、ON位置から離れる方向の推力を反発力としている。
図13−1中の座標1は、アーマチュア80がOFF位置に配置されている場合の永久磁石11による保持力である。この状態から第1のコイル12の周囲に形成される永久磁石11の磁束fmを打ち消すように第1のコイル12に通電を行うとともに、スライダ40に吸引力を作用させることができるように第2のコイル13に通電を行うと、その瞬間にアーマチュア80に作用する推力が座標2の吸引力となる。その後、アーマチュア80の移動に伴って曲線3に示すような吸引力が作用し(第1のコイル12への通電を停止)、アーマチュア80がON位置に至る(座標4)。さらにアーマチュア80がON位置の状態で第2のコイル13への通電を停止すると、アーマチュア80に作用する吸引力が永久磁石11によるものだけとなり、座標5となる。
同様に、図13−2中の座標5に示す状態から第2のコイル13の周囲に形成される永久磁石11の磁束fmを打ち消すように第2のコイル13に通電を行うとともに、スライダ40に吸引力を作用させることができるように第1のコイル12に通電を行うと、その瞬間にアーマチュア80に作用する推力が座標4′の反発力となる。その後、アーマチュア80の移動に伴って曲線3′に示すような反発力が作用し(第2のコイル13への通電を停止)、アーマチュア80がOFF位置に至る(座標2′)。さらにアーマチュア80がOFF位置の状態で第1のコイル12への通電を停止すると、アーマチュア80に作用する反発力が永久磁石11によるものだけとなり、座標1となる。
このように、実施の形態2のツースクラッチでは、永久磁石11を狭持して2つのコイル12,13を設け、通電制御部50からの制御信号により、アーマチュア80を第1の位置から第2の位置に移動させる場合に、第2のコイル13に通電を行った状態で第1のコイル12の周囲に永久磁石11の磁束fmを打ち消す磁束が生じるように第1のコイル12に通電を行うようにしている。しかも、このツースクラッチにおいては、アーマチュア80が第1の位置及び第2の位置に配置された場合、永久磁石11の磁束fmによってそれぞれの位置に保持されるため、従来のツースクラッチのように復帰バネを要しない。このため、移動ストロークを、従来より大幅に長くすることが可能となり、高伝達トルクのツースクラッチが可能となった。
11 永久磁石
12,13 コイル
20 固定基体
21 中心孔
22 基部
23 凸部
24 磁気ヨーク部
25 中空孔
30 固定片
31 中心孔
32 凸部
33 平行部
40 スライダ
50 通電制御部
51 電源
52,53 端子ユニット
60 ロータ
61 ベアリング
62 ロータツース部
70 軸部材
71 ベアリング
72 トメワ
80 アーマチュア
81 アクチュエータ本体
82 キー
83 アーマチュアツース部

Claims (7)

  1. 永久磁石の両側にそれぞれコイルを配設するとともに、磁性体から成るスライダを前記コイルの並設方向に沿って移動可能に配設し、前記スライダが第1の位置に配置された場合には前記永久磁石の磁束によって第1のコイルの周囲に形成される磁気回路により前記スライダを前記第1の位置に保持する一方、前記スライダが第2の位置に配置された場合には前記永久磁石の磁束によって第2のコイルの周囲に形成される磁気回路により前記スライダを前記第2の位置に保持するように構成した自己保持型ソレノイドにおいて、
    前記スライダを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる場合に、前記第2のコイルに通電を行った状態で前記第1のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように前記第1のコイルに通電を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする自己保持型ソレノイド。
  2. 前記通電制御手段は、前記スライダを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる場合、前記第2のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束に沿って磁束が生じるように前記第2のコイルに通電を行った状態で、前記一方のコイルの周囲に前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束が生じるように前記第1のコイルに通電を行うことを特徴とする請求項1に記載の自己保持型ソレノイド。
  3. 前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、予め設定した一定の電流値で通電を行うことを特徴とする請求項1に記載の自己保持型ソレノイド。
  4. 前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、電流値を漸次変化させながら通電を行うことを特徴とする請求項1に記載の自己保持型ソレノイド。
  5. 前記通電制御手段は、前記第1のコイルに前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束を生じさせる場合、前記スライダが移動を開始した時点で前記第1のコイルへの通電を停止し、かつ前記第2のコイルへの通電を継続することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の自己保持型ソレノイド。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載した自己保持型ソレノイドにおいて前記スライダを円筒状に形成し、その端面にツース部を設けるとともに、前記スライダの中心軸線を中心として前記スライダに対して相対回転可能に配設した回転体にツース部を形成し、前記コイルへの通電状態を制御することによって前記スライダを中心軸線に沿って移動させ、前記スライダのツース部を前記回転体のツース部に対して噛み合い状態と非噛み合い状態とに切り替えるように構成したことを特徴とするツースクラッチ。
  7. 少なくとも前記スライダのツース部と前記回転体のツース部とが離隔した状態から接触する時点までの間、前記永久磁石の磁束によって前記回転体と前記スライダとが互いに離反する方向に向けて推力が発生するように構成したことを特徴とする請求項6に記載のツースクラッチ。
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