JP2021164312A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータを提供する。【解決手段】モータ1はフランジ部22を有するロータ20とモータステータ30と電磁ブレーキ10とを備える。電磁ブレーキ10は、ブレーキコイル220及びこれを取り囲む略Uの字形のステータ励磁部材260によるブレーキステータ200と、アーマチュア300とを有する。アーマチュア300は内周ヨーク310、アーマチュア永久磁石330及び外周ヨーク320の順で積層してなり磁軸が積層方向と一致している。フランジ部22は第1当接面130、アーマチュア300は第2当接面350/第3当接面360、ステータ磁路部材260は第4当接面270を夫々有する。励磁することによりアーマチュア300が移動し、第1当接面130及び第2当接面350が当接するか又は第3当接面360及び第4当接面270が当接する。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁ブレーキを内蔵したモータに関する。
電磁ブレーキを内蔵したモータが各種提案されている。この電磁ブレーキはモータの回転部(ロータなど)を制動する目的でモータの内部に収容されている。
電磁ブレーキとして、例えば制動用ばねを用いたものが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された電磁ブレーキは、図示を省略するが、励磁コイルが非通電(無励磁)状態のとき、制動用ばねによってアーマチュアをハブにシリコンゴム等の摩擦板を介して押し付けることにより必要な制動力を得て、ブレーキを作動させる。励磁コイルが通電(励磁)状態のときには、励磁コイルによる電磁力によりアーマチュアを制動用ばねに抗して吸引することによりブレーキを非作動とし、回転部の動きを開放する。
特許文献1に記載された電磁ブレーキは、停電等により電源供給が断たれた場合であっても制動用ばねのバネ力によってブレーキが作動する。このため、例えばモータを動力としたクレーンによって運搬物を吊り上げている最中にモータ、電磁ブレーキ装置等への電源供給が断たれたとしても、クレーンに連結されている電磁ブレーキ装置において自動的にブレーキが作動し回転部(モータシャフト、車輪等)の動きを制動するので、運搬物の落下を防ぐことができる。
しかしながら、特許文献1に記載された電磁ブレーキは、制動用ばねが破損した場合にはブレーキが作動しなくなってしまうという課題がある。また、制動用ばねのバネ力に抗うポジションにアーマチュアを維持し続けるには、励磁コイルに対し連続的に通電しなければならず、省電力とはいえない。このことは、特許文献1に記載されたいわゆる無励磁作動型の電磁ブレーキ装置に限らず、いわゆる励磁作動型の電磁ブレーキにおいても同様の課題となっている。
このような課題を解決するものとして、制動用ばねを用いない自己保持型の電磁ブレーキが提案されている(例えば、特許文献2参照)。自己保持型の電磁ブレーキは、ブレーキの作動状態及び非作動状態の間で状態を変えるときのみ電力を消費する構成となっている。
図7は、特許文献2に記載された電磁ブレーキ900の構成を示す図である
特許文献2に記載された電磁ブレーキ900は、図7に示すように、回転軸AXの側から該回転軸に垂直な径方向に突出したフランジ部を有する。電磁ブレーキ900は、被制動対象の回転部に接続されるハブ916と、被制動対象の固定部に固定されるステータ(図示なし)と、ハブ916とステータとの間に配置されハブ916とステータとの間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能に構成されたアーマチュア930と、を備える。
また、電磁ブレーキ900は、励磁コイル922と、断面視したときに励磁コイル922を取り囲むような略Cの字形をなし一端961及び他端962がアーマチュア930に面するようにして配置されたステータ磁路部材960と、を含んでいる。また、ステータ磁路部材960の略Cの字型の内側には永久磁石933が配置されている。さらに、アーマチュア930は、第1フランジ部931及び第2フランジ部932を有するロビン型となっている。
電磁ブレーキ900においては、永久磁石933、ステータ磁路部材960及び第2フランジ部932によって形成された磁気回路により、第2フランジ部932の他方側の面932b及びステータ磁路部材960の他端962の間で吸引力を生じさせている。この吸引力に基づいて、第1フランジ部931のブレーキ当接面931aをハブ916の側に押し付けることにより必要な制動力を得て、ブレーキの作動状態を保持している。一方、ブレーキ非作動状態の場合は、第2フランジ部の一方側の面932a及びステータ磁路部材960の一端961の間で吸引力を生じさせる。この吸引力に基づいて、第1フランジ部931の裏面931bをステータ磁路部材960の外面963に当接させることによりブレーキの非作動状態を保持している。ブレーキの作動状態及び非作動状態の間で状態を変えるときには、励磁コイル922に所定の電流を通電することにより、アーマチュア930を所定の方向に移動させて状態を変える。
このように、特許文献2に記載された電磁ブレーキ900は、制動用ばねを必要とせず、ブレーキの作動状態及び非作動状態の間で状態を変えるときのみ電力を消費するため比較的省電力なものとなっている。
実開昭57−122836号公報 特開平9−229105号公報
しかしながら、特許文献2に記載された電磁ブレーキ900のアーマチュア930は上記したようにロビン型となっている。このため次のような課題を有している。
(a)ブレーキの作動/非作動の状態切替に資する磁気回路上の場所(磁束が通過し吸引力を得ようとする場所で「力点」とも言える)であるステータ磁路部材960の一端961及び他端962付近の第2フランジ部932と、ハブ916への押し付けを行い回転部の制動に資する場所(「作用点」とも言える)である第1フランジ部931のブレーキ当接面931aと、が物理的に離れている。したがって、必ずしも強い制動力を得ることができない。
(b)アーマチュア930がロビン型であるため、第1フランジ部931及び第2フランジ部932が互いに動きを規制してしまうという構造的な課題を負っている。このため、第1フランジ部931側で、ブレーキ当接面931aをハブ916に固定された摩擦材913に当接してブレーキ作動状態としたときには、第2フランジ部932側では、第2フランジ部932の他方側の面932bとステータ磁路部材960の他端962との間には必ずエアギャップ9bを確保する必要がある。また、第2フランジ部932を挟んだ反対側にもエアギャップ9aを確保する必要がある。これらのエアギャップ9a,9bにより磁気抵抗が大きくなり、これに伴い通過する磁束が小さくなってしまい、その結果、十分な吸引力を得ることができず強い制動力を得ることができない。
(c)摩擦材913が摩耗すると、エアギャップ9bが減少し最終的にはエアギャップ9bが0(ゼロ)となる可能性がある。そうすると、ハブ916に対する押し付けの力が弱くなり、十分な制動力を得ることができなくなる。
(d)永久磁石933と第2フランジ部932の端部(図示を省略)との間に径方向のクリアランス9cを確保する必要がある。このクリアランス9cにより磁気抵抗が大きくならざるを得ない。また、また、図示された符号934はスペーサであり、かかるスペーサ934はヨークとして機能しておらず磁気抵抗を下げるものではない。永久磁石933からみてヨークとして機能しているのはステータ磁路部材960及び第2フランジ部932のみである。このように、電磁ブレーキ900における磁気抵抗は比較的大きくなっており、磁気回路を通過する磁束は比較的小さいものであることから強い制動力を得ることができない。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータが提供される。
このモータは、回転軸を中心とした円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列されたロータ永久磁石を有すると共に、前記回転軸の側から該回転軸に垂直な径方向に突出したフランジ部を有するロータと、モータコイル、及び、前記モータコイルがそれぞれに対して装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され且つ前記突極の先端面が前記ロータ永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたモータステータと、アーマチュアを所定の面に当接することにより前記ロータを制動する電磁ブレーキと、を備えたモータである。このモータにおいて、前記ロータの前記フランジ部の少なくとも一部には前記アーマチュアが当接する第1当接面を有している。
前記電磁ブレーキは、当該モータの固定部に固定されたブレーキステータと、前記フランジ部及び前記ブレーキステータの間に配置され、前記フランジ部及び前記ブレーキステータの間を前記回転軸と平行な方向に沿って移動可能に構成された前記アーマチュアと、を有している。
また、前記ブレーキステータは、ブレーキコイルと、前記回転軸を含む平面で切断した面を視るようにして断面視したときに前記ブレーキコイルを取り囲むような略Uの字形をなし一端及び他端が前記アーマチュアに面するようにして配置されたステータ磁路部材と、を含んでいる。
また、前記アーマチュアは、内周ヨーク、アーマチュア永久磁石及び外周ヨークを含み、前記回転軸の側から前記径方向に向かって互いに隣接しながら前記内周ヨーク、前記アーマチュア永久磁石及び前記外周ヨークの順番で積層するようにして構成されている。
ここで、前記アーマチュア永久磁石は、該アーマチュア永久磁石が有する正の磁極及び負の磁極を互いに結ぶ磁軸が、前記内周ヨーク、前記アーマチュア永久磁石及び前記外周ヨークの積層方向と一致するようにして配置されている。
また、前記アーマチュアは、前記第1当接面と対向する位置に前記内周ヨーク及び前記外周ヨークのそれぞれの一端側の端面によって構成された第2当接面を有しており、且つ、前記ステータ磁路部材と対向する位置に前記内周ヨーク及び前記外周ヨークのそれぞれの他端側の端面によって構成された第3当接面を有している。
また、前記ステータ磁路部材は、前記第3当接面と対向する位置に前記ステータ磁路部材の前記一端の端面及び前記他端の端面によって構成された第4当接面を有している。
このとき、前記電磁ブレーキは、前記ブレーキコイルに所定の電流を通電することにより、前記アーマチュアが所定の方向に移動して、前記第1当接面及び前記第2当接面が互いに当接する状態となるか、又は、前記第3当接面及び前記第4当接面が互いに当接する状態となるように構成されている。
本発明によれば、省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータを提供することができる。
実施形態1に係るモータ1を説明するために示す断面図である。 実施形態1の電磁ブレーキ10に等価な磁気回路(但し、非励磁状態)を示す図である。 実施形態1の電磁ブレーキ10の動作を説明するために示す図である。 比較例に係るモータと実施例に係るモータとを表を用いて比較説明するために示す図である。 実施形態2に係るモータ2の電磁ブレーキ10’を説明するために示す要部断面図である。 実施形態3に係るモータ3の突極群、コイル群及びロータ永久磁石を説明するために示す模式図である。 特許文献2に記載された電磁ブレーキ900の構成を示す図である。
以下、本発明に係るモータの実施形態について図面を参照して説明する。各図面は一例を示した模式図であり、必ずしも実際の寸法、比率等を厳密に反映したものではない。
[実施形態1]
1.実施形態1に係るモータ1の構成
図1は、実施形態1に係るモータ1を説明するために示す断面図である。図1(a)は、モータ1を、回転軸AXを含む平面で切断したときの断面図である。図1(b)は図1(a)の破線Aで囲まれた領域を拡大した電磁ブレーキ10の要部断面図である。いずれの図もブレーキ作動状態の様子を示している。
(1)モータ1の概要
図1(a)に示すように、実施形態1に係るモータ1は、大きく分けると回転子であるロータ20と、ロータ20に対応した固定子であるモータステータ30と、ロータ20の動きを制動する電磁ブレーキ10と、を備えている。
ロータ20に接続されたシャフト60は回転軸AXを中心に回転する。シャフト60にはユーザが所望する負荷に接続される。
モータケース81及びモータカバー82によって囲まれた空間には、モータステータ30及び電磁ブレーキ10が配置されている。つまり、モータ1は電磁ブレーキ10を内蔵したモータとなっている。
電磁ブレーキ10はいわゆる自己保持型の電磁ブレーキである。すなわち、電磁ブレーキ10は、電磁石となるコイル(ブレーキコイル220)に対し、ブレーキの状態(作動状態/非作動状態)を切り替えるときだけ電流を流すことによりアーマチュア300を動かしてブレーキの状態を切り替えるもので、且つ、状態が切り替わった後にブレーキコイル220への電流をオフとしてもブレーキの状態を保持できるものとなっている。
(2)ロータ20
ロータ20は少なくとも次の構成を有している。すなわち、ロータ20は、回転軸AXを中心とした円周方向CFに沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列された永久磁石(ロータ永久磁石24)を有すると共に、回転軸AXの側から該回転軸AXに垂直な径方向RD(以下、「ラジアル方向RD」ということがある)に突出したフランジ部22を有する。ここで、ロータ20のフランジ部22の少なくとも一部には後述するアーマチュア300が当接する第1当接面130を有している。
図1(a)の例では、シャフト60の外周面には、シャフト連結部21が固定されている。シャフト連結部21のラジアル方向RDには、シャフト連結部21から突出するようにしてフランジ部22が形成されている。フランジ部22はここではディスク状の部材によって構成されており、フランジ部22の図右側の面が第1当接面130となっている。フランジ部22には、アーマチュア300側に配置されたブレーキライニング25が含まれていてもよい。この場合にはブレーキライニング25の表面が第1当接面130となる。フランジ部22のラジアル方向RDの側(外側)には、ロータ永久磁石24を配置するための構造体(ここでは仮に永久磁石配置台座23と呼ぶ)が形成されている。かかる永久磁石配置台座23のラジアル方向RD側の面には、ロータ永久磁石24が、回転軸AXを中心とした円周方向CFに沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列されるようにして固定されている。また、シャフト60の外周面には、ボール72を擁するボールベアリング70が2個配置されている。ボールベアリング70の内輪73がシャフト60の外周面に固定されている。外輪71はモータケース81に篏合するようにして固定されている。
上記したシャフト連結部21、フランジ部22、永久磁石配置台座23及びロータ永久磁石24によって「ロータ20」を構成している。また、ロータ20、シャフト60、ボールベアリング70の内輪73等によってモータ1の「回転部」を構成している。
(3)モータステータ30
モータステータ30は、モータコイル50、及び、モータコイル50がそれぞれに対して装着された複数の突極40を有する。モータステータ30において、複数の突極40が円周方向CFに沿って配列され且つ突極40の先端面40cがロータ永久磁石24の磁極が配列された面24aに対向するように形成されている。
上記したモータケース81、モータカバー82、モータステータ30、ボールベアリング70の外輪71等によってモータ1の「固定部」を構成している。
(4)その他
実施形態1に係るモータ1は、回転軸AXに垂直な径方向RD(ラジアル方向RD)に沿ってみたときにロータ20が回転軸AXとモータステータ30との間に配置されており、実施形態1に係るモータ1はいわゆるインナー・ロータ型のモータである。
なお、電磁ブレーキ10以外のモータ1の全般的な構成としては、本出願人が先に出願した特願2017-249243に記載されたモータの構成を取り込んで適用することができる。よって、本明細書においては先の出願である特願2017-249243の明細書及び図面の記載内容を援用するものとし、先の出願の明細書及び図面の記載内容が本明細書に記載されているものとする。
(5)電磁ブレーキ10
図1(b)に示すように、電磁ブレーキ10は、電磁ブレーキ10用のステータであるブレーキステータ200及びアーマチュア300を有している。
ブレーキステータ200は、当該モータ1の固定部に固定されている。例えば、図1(a)に示すようにモータカバー82に固定してもよい。しかしこれに限らず、何等かの形で何等かの固定的な部位に固定されていればよい。
アーマチュア300は電磁力の影響を受けて動く可動部分をいう。アーマチュア300は、上記したロータ20のフランジ部22及びブレーキステータ200の間に配置され、フランジ部22及びブレーキステータ200の間を回転軸AXと平行な方向(以下、「スラスト方向」ということがある)に沿って移動可能に構成されている。
(6)ブレーキステータ200
ブレーキステータ200は、大まかに捉えるとブレーキコイル220及びステータ磁路部材260を含んでいる。
ブレーキコイル220は、外部から所定の電流を供給することにより、磁気回路を形成する部材(ステータ磁路部材260、内周ヨーク310、外周ヨーク320、フランジ部22、ガイド部材230等。詳細は後述)を励磁する。
ブレーキコイル220は、コイルホルダ222を用いて、当該コイルホルダ222のレールに沿って電線(符号なし)を回転軸AXを中心に巻回することによって得てもよい。コイルホルダ222は外観が扁平したボビン形状をなした絶縁材からなる。
ステータ磁路部材260は、ブレーキステータ200側の磁気回路(後述する図2の「第2の磁気回路」に相当)の一部を構成する部材である。ここでは、図1(b)のようにステータ基体210とステータケース240とを併せて「ステータ磁路部材260」を構成する。なお、ステータ基体210及びステータケース240は軟磁性体からなる。
ステータ磁路部材260は、回転軸AXを含む平面で切断した面を視るようにして断面視したときにブレーキコイル220を取り囲むような略Uの字形をなしている。ステータ磁路部材260は、その一端の端面260a及び他端の端面260bがアーマチュア300に面するようにして配置されている。
ここで、ステータ磁路部材260の断面形状が「略Uの字形」というのは、一端の端面260a及び他端の端面260bがアーマチュア300に面しており、且つ、一端の端面260aと他端の端面260bの間を結ぶ磁路部材の部分(図面では右側の方)は特段のエアギャップもなく閉じて連続しているという意味での「略Uの字形」であり、この限りにおいては略Cの字形や略くの字形に近いものもここでいう「略Uの字形」に含まれる。
(7)ガイド部材230
電磁ブレーキ10は、ステータ磁路部材260と一体となったガイド部材230を更に有している。つまり、実施形態1の電磁ブレーキ10においては、ブレーキステータ200(固定部)に属する形でガイド部材230が設けられている。ガイド部材230は、後述するようにアーマチュア300(具体的には内周ヨーク310又は外周ヨーク320)に設けられた被ガイド部314と係合して、アーマチュア300の移動を案内する。
ガイド部材230は、ボス状のもの、ガイドレール状のもの等で構成することができる。ここでは、ピン232を用いてボス状のガイド部材230を構成している。ピン232は、その一端側がステータ基体210に設けられたピン固定穴214に圧入されており、ステータ基体210に固定されている。ピン232の他端側の残余はステータ基体210のアーマチュア300側の面から突出しており、かかる突出した部分によって「ボス」を構成している。このガイド部材230としてのボスは、その長手方向が回転軸AXと平行となるようにして配置されている。
このボス状のピン232はステータ基体210に複数本配置されていることが好ましく、さらには3本配置されていることがより好ましい。配置数が3本であることにより、3本より多い場合のようにピン232と被ガイド部314(後述)の間の摩擦やガタの影響を受けることも少なく、また、2本以下の場合のように励磁による吸引力が偏ってアーマチュア300に伝達することもなく、円滑且つ満遍なくアーマチュア300を案内することができる。
なお、ガイド部材230は軟磁性体であっても、そうでなくても、どちらでも構わない。
(8)アーマチュア300
アーマチュア300は、内周ヨーク310、アーマチュア永久磁石330及び外周ヨーク320を含み、回転軸AXの側(内側)から径方向RDに向かって互いに隣接しながら内周ヨーク310、アーマチュア永久磁石330及び外周ヨーク320の順番で積層するようにして構成されている。なお、本明細書では、アーマチュア300における、ロータ20のフランジ部22と対向する側を「一端側」と定義し、ステータ磁路部材260と対向する側を「他端側」と定義する。
内周ヨーク310は、環状をなした軟磁性体からなり、ガイド部材230と係合するように被ガイド部314(ここではボス孔)が3箇所設けられている。
これにより、ガイド部材230及び被ガイド部314が係合して互いに案内をすることにより、アーマチュア300がフランジ部22とブレーキステータ200との間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能となっている。これにより、第1当接面130及び第2当接面350(後述)が当接することでロータ20を制動できるようになっている。
外周ヨーク320は、内周ヨーク310よりも径の大きな環状をなした軟磁性体からなる。
アーマチュア永久磁石330は、該アーマチュア永久磁石330が有する正の磁極(N極)及び負の磁極(S極)を互いに結ぶ磁軸が、内周ヨーク310、アーマチュア永久磁石330及び外周ヨーク320の積層方向と一致するようにして配置されている。例えば、アーマチュア永久磁石330は、径方向RDの側(外側)に正の磁極(N極)が出現し、回転軸AXの側(内側)に負の磁極(S極)が出現するようにして配置されている。なお、正の磁極及び負の磁極は、ブレーキコイル220への通電の制御(後述)を整合させるのであれば、上記と逆に配置しても構わない。
アーマチュア永久磁石330としては、連続的な円環状のもので、例えば外周側をN極、内周側をS極となるように着磁したいわゆる内外周単極のものを採用することができる。 ただ、円環を複数分割した形状の個別の永久磁石を複数組み合わせて「アーマチュア永久磁石330」として構成することが好ましい。連続的な円環状の永久磁石を製造するよりも、個別の永久磁石を製造する方が成形、着磁等の点で容易だからである。例えば、一周360°の円環を8分割した形状であって中心角にして45°の円弧状の個別の永久磁石を、8個連結して「アーマチュア永久磁石330」を構成してもよい。
アーマチュア永久磁石330のスラスト方向(回転軸AXと平行な方向)の厚みは、アーマチュア300のスラスト方向厚みと同じとしてもよいし、図1に示すように小さくしてもよい。この場合、アーマチュア永久磁石330のアーマチュア300における位置(スラスト方向に沿ってみたときの位置)は、ステータ磁路部材260の側に偏在させることが好ましい。このとき、アーマチュア永久磁石330で埋めきれない空間は非磁性材料からなるスペーサ340で埋めてもよい。
(9)アーマチュア300とフランジ部22・ステータ磁路部材260との接触面
アーマチュア300は、ロータ20のフランジ部22とブレーキステータ200(ステータ磁路部材260)との間を行き来しながら、それらのいずれかと当接して、当接の際の押し当ての力により得られる当接面同士の摩擦抵抗により回転体の制動をする。以下に、かかる当接面について説明をする。
本明細書においては、フランジ部22におけるアーマチュア300側の当接面を「第1当接面」、アーマチュア300におけるフランジ部22側の当接面を「第2当接面」及びステータ磁路部材260側の当接面を「第3当接面」、並びに、ステータ磁路部材260におけるアーマチュア300側の当接面を「第4当接面」と定義する。
図1(b)に示すように、ロータ20はフランジ部22において、アーマチュア300に対向する位置に「第1当接面130」を有している。
アーマチュア300は、第1当接面130と対向する位置に内周ヨーク310及び外周ヨーク320のそれぞれの一端側の端面310a,320aによって構成された「第2当接面350」を有しており、且つ、ステータ磁路部材260と対向する位置に内周ヨーク310及び外周ヨーク320のそれぞれの他端側の端面310b,320bによって構成された「第3当接面360」を有している。
ステータ磁路部材260は、第3当接面360と対向する位置にステータ磁路部材260の一端の端面260a及び他端の端面260bによって構成された「第4当接面270」を有している。
これら第1当接面130、第2当接面350、第3当接面360及び第4当接面270は、回転軸AXに対し垂直の関係になっている。別言すると、これらの当接面は、内周ヨーク、永久磁石及び外周ヨークの積層方向と平行の関係になっている。なおここでの「垂直」「平行」とは、厳密な意味での「垂直」「平行」の他に、実用的な範囲で電磁ブレーキ10が作用・効果を奏する程度に概略垂直・概略平行な場合もこれに含まれる。
また、第2当接面350は、内周ヨーク310及び外周ヨーク320のそれぞれの一端側の端面310a,320aが同一平面(いわば面一)として形成されていることを想定して説明しているが、端面310a,320aの間に若干の段差があっても構わない。これは、第3当接面360及び第4当接面270においても同様である。
ブレーキ作動状態のときには、一方で第1当接面130及び第2当接面350が互いに当接する状態となってロータ20が制動され、他方で第3当接面360及び第4当接面270の間はエアギャップAGが生じている《図1及び後述する図3(a),図3(c)参照》。ブレーキ非作動状態のときには、一方で第1当接面130及び第2当接面350の間でエアギャップAGが生じてロータ20を始めとする回転部の回転が解放され、他方で第3当接面360及び第4当接面270が互いに当接する状態となっている《後述する図3(e),図3(g)参照》。なお、図1及び図3等では説明のためにデフォルメしてエアギャップを比較的大きく描いているが、これらのエアギャップにも磁束が通過するものとして以下も説明を続ける。
電磁ブレーキ10は、ブレーキコイル220に所定の電流を通電することにより、アーマチュア300が所定の方向に移動して、第1当接面130及び第2当接面350が互いに当接する状態となるか、又は、第3当接面360及び第4当接面270が互いに当接する状態となるように構成されている。
2.実施形態1の電磁ブレーキ10の動作
(1)等価な磁気回路
図2は、実施形態1の電磁ブレーキ10に等価な磁気回路(但し、非励磁状態)を示す図である。
電磁ブレーキ10はこれまで述べたような構成を採っていることから、起磁力源であるアーマチュア永久磁石330を起点としてアーマチュア永久磁石330のN極、外周ヨーク320、外周ヨークによる第2当接面350、フランジ部22の第1当接面130、フランジ部22、フランジ部22の第1当接面130、内周ヨーク310による第2当接面350、内周ヨーク310及びアーマチュア永久磁石330のS極の経路で「第1の磁気回路」を構成している。なお、アーマチュア永久磁石330の起磁力をFmgとし、第1の磁気回路の磁気抵抗をRrとし、第1の磁気回路を通過する磁束をΦrとする(図2及び図3を参照)。
同様に、起磁力源であるアーマチュア永久磁石330を起点としてアーマチュア永久磁石330のN極、外周ヨーク320、外周ヨーク320による第3当接面360、ステータ磁路部材260の一端の端面260aによる第4当接面270、ステータ磁路部材260、ステータ磁路部材260の他端の端面260bによる第4当接面270、内周ヨーク310による第3当接面360、内周ヨーク310及びアーマチュア永久磁石330のS極の経路で「第2の磁気回路」を構成している。なお、アーマチュア永久磁石330の起磁力をFmgとし、第2の磁気回路の磁気抵抗をRsとし、第2の磁気回路を通過する磁束をΦsとする(図2及び図3を参照)。
なお、ここではアーマチュア永久磁石330において外周側にN極を内周側にS極を配置する場合を想定した説明としている。
参考までに、図1に例示した電磁ブレーキ10においては、アーマチュア永久磁石330を起点に実質的な磁路長を比較してみると、ブレーキコイル220が配置されているブレーキステータ200側(第2の磁気回路)の磁路長よりも、ロータ20のフランジ部22側(第1の磁気回路)の磁路長の方が短くなっている。
(2)電磁ブレーキ10の動作
上記した磁気回路を念頭に、以下、モータ1における電磁ブレーキ10の動作について説明する。
図3は、実施形態1の電磁ブレーキ10の動作を説明するために示す図である。図3(a)、図3(c)、図3(e)及び図3(g)は第1フェーズ〜第4フェーズにそれぞれ対応した要部拡大断面図である。ブレーキコイル220を構成する各電線は、電流を通電していない状態は白抜きの丸の表示とし、紙面手前側から紙面裏側の方向に電流(紙面裏側への電流)を通電している状態は丸の中にXを書き入れた表示とし、紙面裏側から紙面手前側の方向に電流(紙面手前側への電流)を通電している状態は丸の中に点を書き入れた表示としている。また、図3(b)、図3(d)、図3(f)及び図3(h)は、第1フェーズ〜第4フェーズにそれぞれ対応した磁気回路の図である。これらの各図において、磁力線(磁束)の一部を実線及び点線で模式的に示しており、また、点線についてはブレーキコイル220による磁力線(磁束)の増加分を示している。
(2−1)ブレーキ作動モードからブレーキ非作動モードへの切り替え
(a)第1フェーズ《図3(a)及び図3(b)参照》
第1フェーズは、安定的にブレーキ作動状態を維持しているモード(ブレーキ作動モード)である。
一般に、磁気回路においてエアギャップが小さいほどアーマチュアに働く吸引力も大きいことが知られている。エアギャップが小さいと磁気抵抗が小さくなり、これに伴いエアギャップ付近を通過する磁束が大きくなって吸引力が増すからである。
第1フェーズにおいて、フランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間のエアギャップは0(ゼロ)である。一方、アーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間のエアギャップはAGである。
このときの第1の磁気回路の磁気抵抗RrBと第2の磁気回路の磁気抵抗RsBとの関係は、RrB<<RsBとなる。このため、アーマチュア永久磁石330から発した磁束の殆どが第1の磁気回路を通過する。このときの第1の磁気回路を通過する磁束をΦ1とする。一方で、第2の磁気回路を通過する磁束は0(ゼロ)である。なお、厳密にみれば第2の磁気回路を通過する磁束は完全に0(ゼロ)とまで言えないが、ここでは便宜上0(ゼロ)として扱いながら図5を図示し以下の説明を続ける。また第1の磁気回路の磁束が0(ゼロ)の場合も同様とする。
このようにして、第1フェーズにおいては、アーマチュア300〜ステータ磁路部材260間の吸引力はほぼ0(ゼロ)である一方、フランジ部22〜アーマチュア300間には強い吸引力が生じている。このため、ブレーキコイル220に電流を通電しなくとも、安定的にロータ20のフランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間の当接状態は保持され、ロータ20を制動し、ブレーキ作動状態を維持することができる。
(b)第2フェーズ《図3(c)及び図3(d)参照》
ブレーキ作動モードにある電磁ブレーキ10に対して、ブレーキコイル220に紙面裏側への所定量の電流を通電すると、ブレーキコイル220は電磁石となり起磁力Fcを発生する。このため、かかる起磁力Fcにより第1の磁気回路及び第2の磁気回路には追加的な磁束Φ3が生じる。
|Φ3|≒|Φ1|の関係となるようにブレーキコイル220に通電する電流を設定すると、第1の磁気回路を通過する磁束Φr(例えば第1当接面130及び第2当接面350を通過する磁束Φr)は、アーマチュア永久磁石330による磁束Φ1とブレーキコイル220による磁束Φ3とによって相殺されて、実質的に0(ゼロ)となる。
そうすると、実質的には、アーマチュア永久磁石330から発した磁束の殆どが第2の磁気回路を通過することとなる。このため、アーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間のエアギャップAGを通過する磁束は相対的に大きなものとなり、アーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間で吸引力を生じる。このようにして、アーマチュア300がステータ磁路部材260側に移動することとなる(第3フェーズへの移行)。
(c)第3フェーズ《図3(e)及び図3(f)参照》
第2フェーズによって励磁された電磁ブレーキ10は、アーマチュア300の両側における吸引力のバランスが変わり、アーマチュア300がステータ磁路部材260側に移動する。すると、図3(e)及び図3(f)に示すように、アーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間のエアギャップは0(ゼロ)となり、フランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間のエアギャップはAGとなる。
このときの第1の磁気回路の磁気抵抗RrFと第2の磁気回路の磁気抵抗RsFとの関係は、RrF>>RsFとなる。このため、アーマチュア永久磁石330から発した磁束の殆どが第2の磁気回路を通過する。このときの第2の磁気回路を通過する磁束をΦ2とする。一方で、第1の磁気回路を通過する磁束は0(ゼロ)である。
このようにして、第3フェーズにおいては、フランジ部22〜アーマチュア300間の吸引力はほぼ0(ゼロ)である一方、アーマチュア300〜ステータ磁路部材260間には強い吸引力が生じている。このため、ブレーキコイル220に電流を通電しなくとも、安定的にアーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間の当接状態は保持され、ロータ20を開放し、ブレーキ非作動状態を維持することができる。
以上説明したように第1フェーズ、第2フェーズ及び第3フェーズの順にフェーズを変えることにより、ブレーキ作動モードからブレーキ非作動モードに切り替えることができる。
(2−2)ブレーキ非作動モードからブレーキ作動モードへの切り替え
ブレーキ非作動モードからブレーキ作動モードへ切り替える場合は、上記(2−1)と逆の動作をする。
(a)第3フェーズ《図3(e)及び図3(f)参照》
上記(2−1)(c)で行った説明と同様のため詳しい説明は省略するが、第3フェーズにおいては安定的にブレーキ非作動状態を維持している。
(b)第4フェーズ《図3(g)及び図3(h)参照》
ブレーキ非作動モードにある電磁ブレーキ10に対して、ブレーキコイル220に紙面手前側への所定量の電流を通電すると、ブレーキコイル220は電磁石となり起磁力Fc’を発生する。このため、かかる起磁力Fc’により第1の磁気回路及び第2の磁気回路には追加的な磁束Φ4が生じる。
|Φ4|≒|Φ2|の関係となるようにブレーキコイル220に通電する電流を設定すると、第2の磁気回路を通過する磁束Φs(例えば第3当接面360及び第4当接面270を通過する磁束Φs。図2参照。)は、アーマチュア永久磁石330による磁束Φ2とブレーキコイル220による磁束Φ4とによって相殺されて、実質的に0(ゼロ)となる。
そうすると、実質的には、アーマチュア永久磁石330から発した磁束の殆どが第1の磁気回路を通過することとなる。このため、フランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間のエアギャップAGを通過する磁束は相対的に大きなものとなり、フランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間で吸引力を生じる。このようにして、アーマチュア300がロータ20のフランジ部22側に移動することとなる(第1フェーズへの移行)。
(c)第1フェーズ《図3(a)及び図3(b)参照》
第4フェーズによって励磁された電磁ブレーキ10は、アーマチュア300の両側における吸引力のバランスが変わり、フランジ部22側に移動する。すると、図3(a)及び図3(b)に示すように、フランジ部22(第1当接面)〜アーマチュア300(第2当接面)間のエアギャップは0(ゼロ)となり、アーマチュア300(第3当接面)〜ステータ磁路部材260(第4当接面)間のエアギャップはAGとなる。
このようにして、第1フェーズにおいては安定的にブレーキ作動状態を維持することができる《詳しい説明は上記(2−1)(a)を援用する》。
以上説明したように第3フェーズ、第4フェーズ及び第1フェーズの順にフェーズを変えることにより、ブレーキ作動モードからブレーキ非作動モードに切り替えることができる。
なお、上記からも理解できるように、実施形態1の電磁ブレーキ10は、ブレーキコイル220に電流を通電しなくとも、アーマチュア永久磁石330による吸引力のみでブレーキ作動モード及びブレーキ非作動モードを安定的に維持できるため、実施形態1の電磁ブレーキ10を「自己保持型」の電磁ブレーキとして構成することができる。
3.実施形態1に係るモータ1の効果
(1)実施形態1の電磁ブレーキ10は、電磁石となるブレーキコイル220に流す電流の方向を瞬時に切り替えて流すだけで、ブレーキの作動・非作動を切り替えて自己保持することができる。
電磁ブレーキ10において、アーマチュア300は、ロータ20のフランジ部22とブレーキステータ200との間に配置され、フランジ部22とブレーキステータ200との間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能に構成されている。また、アーマチュア300自体は、回転軸AXの側から径方向(外方向)に向かって内周ヨーク310、アーマチュア永久磁石330及び外周ヨーク320の順番で積層するようにして構成されている。ここでのアーマチュア永久磁石330は、磁軸が上記積層方向と一致するようにして配置されている。さらに、フランジ部22、アーマチュア300及びブレーキステータ200(ステータ磁路部材260)との接触に関しては、上記した第1当接面130、第2当接面350、第3当接面360及び第4当接面270を有している。電磁ブレーキ10はこのような構成を採っているため、アーマチュア永久磁石330を起点とした上記「第1の磁気回路」及び上記「第2の磁気回路」を構成している。
このため、一旦、フランジ部22の第1当接面130及びアーマチュア300の第2当接面350が互いに当接する状態となるか、又は、アーマチュア300の第3当接面360及びステータ磁路部材260の第4当接面270が互いに当接する状態となったならば、仮にブレーキコイル220への通電を切ったとしても、アーマチュア永久磁石330を起磁力(Fmg)とする吸引力が、第1の磁気回路を通じて第1当接面130及び第2当接面350を介してアーマチュア300からフランジ部22に働き続けるか、又は、第2の磁気回路を通じて第3当接面360及び第4当接面270を介してアーマチュア300からステータ磁路部材260に働き続けることとなる。つまり、一旦、アーマチュア300がフランジ部22側に引き寄せられる、又は、アーマチュア300がステータ磁路部材260側に引き寄せられると、仮にブレーキコイル220への通電を切ったとしてもその状態を維持することができる。
したがって、実施形態1に係るモータ1に内蔵する電磁ブレーキ10を自己保持型の省電力なものとすることができる。
(2)例えば、アーマチュア300の第2当接面350からフランジ部22の第1当接面130に押し付けを行って制動を行う場合、アーマチュア300の押し付けを行いロータ20の制動に資する場所は第1当接面130及び第2当接面350である。また、ブレーキの作動/非作動の状態切替に資する磁気回路上の場所も同様に第1当接面130及び第2当接面350の付近である。したがって、実施形態1の電磁ブレーキ10によれば、吸引力を生じる界面と制動のために押し付けが行われる界面とが同じ界面となり、吸引力を押し付ける力に直接的に変換することができる。
したがって、実施形態1に係るモータ1に内蔵する電磁ブレーキ10を強い制動力を有するものとすることができる。
(3)実施形態1の電磁ブレーキ10においては、ブレーキ作動状態としたときアーマチュア300の第2当接面350がフランジ部22と必ず接する。また、ブレーキ非作動状態としたときアーマチュア300の第3当接面360がステータ磁路部材260と必ず接することとなる。このため、両側に常にエアギャップを設けなければならない特許文献2の場合に比べて磁気回路上の磁気抵抗を小さくすることができる。よって、実施形態1の電磁ブレーキ10によれば、特許文献2に記載の電磁ブレーキ900に比べより強い吸引力を生じることができ、より強い制動力を得ることができる。
(4)実施形態1の電磁ブレーキ10において、アーマチュア300は、フランジ部22とブレーキステータ200との間に配置され、フランジ部22とブレーキステータ200との間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能に構成されている。そして、ブレーキ作動状態としたとき、アーマチュア300の第2当接面350がフランジ部22に押し付けられながら接するよう構成されている。換言すると、アーマチュア300の可動範囲においては、特段、アーマチュア300の動きを規制するものは無い。このため、制動のために押し付けられる面が多少摩耗したとしても、特許文献2に記載された電磁ブレーキのように押し付けの力が弱くなることはなく、実施形態1の電磁ブレーキ10によれば依然として強い制動力を得ることができる。
このように、実施形態1に係るモータ1は以上のような特徴を備えた電磁ブレーキ10を内蔵しているため、実施形態1によれば省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータ1を提供することが可能となる。
(5)実施形態1の電磁ブレーキ10においては、ステータ磁路部材260と一体となったガイド部材230を更に備え、内周ヨーク310又は外周ヨーク320において被ガイド部314が設けられて、ガイド部材230及び被ガイド部314が係合して互いに案内をすることにより、アーマチュア300がフランジ部22とブレーキステータ200との間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能となっており、第1当接面130及び第2当接面350が当接することでロータ20を制動するよう構成されている。
このような構成とすることにより、ガイド部材230に沿ってアーマチュア300を円滑に移動させることができる。また、このような構成によりアーマチュア300はステータに属することとなり、逆に回転体側(ロータ20側)を軽量化することができるため、比較的弱いトルクでも制動でき、効率よく制動が実現できる。
4.実験例
実験による評価の結果、省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵したモータを実現できたので、以下説明する。
(1)試料
特許文献1に記載された電磁ブレーキと同様の原理による制御用ばねを用いた無励磁作動型の電磁ブレーキ(市販品)をモータに組み込んで、これを「比較例」に係るモータとした。一方、実施形態1に係るモータ1(自己保持型の電磁ブレーキ10)を試作し、これを「実施例」に係るモータとした。
(2)比較例に係るモータと実施例に係るモータとの比較結果
図4は、比較例に係るモータと実施例に係るモータとを表を用いて比較説明するために示す図である。
図4に示すように、外形寸法(電磁ブレーキのみの寸法)は概ね同様の大きさであった。しかし、ロータ20の動きを開放する状態(フリー状態)を得るための電力については「比較例」に係るモータの電磁ブレーキでは、状態を保持している間は連続的に6.5Wの電力を必要とするのに対し、「実施例」に係るモータの電磁ブレーキでは、ロータ20の動きを制動する状態から解放する状態(フリー状態)に移行するときのみ瞬間的に6.3Wを必要とするだけであった。
また、ブレーキが作動している状態で得られる制動トルクは、「実施例」に係るモータの電磁ブレーキによれば「比較例」に係るモータの電磁ブレーキと同等の0.5N・mであり、十分に強い制動力が得られることが確認された。
したがって、実施形態1に係るモータ1によれば、省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキ10を内蔵したモータを実現できることが確認された。
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係るモータ2の電磁ブレーキ10’を説明するために示す要部断面図である。図5は実施形態1を説明した図1(b)に対応しており、実施形態1と同じ構成要素については図5において実施形態1と同じ符号を付し、説明を省略する。
実施形態2に係るモータ2は、基本的には実施形態1に係るモータ1と同様の構成を有するが、電磁ブレーキ10’のアーマチュア300がロータ20(回転部)側に属する点において実施形態1に係るモータ1とは異なる。そこで、実施形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施形態1と共通する他の部分については、符号を付しての図示及びそれらの説明は省略する。
図5に示すように、実施形態2に係るモータ2においては、フランジ部22’と一体となったガイド部材230’を備えている。つまり、実施形態2に係るモータ2の電磁ブレーキ10’においては、ロータ20(回転体)に属する形でガイド部材230’が設けられている。図5の例では、ガイド部材230’は、図5に示すようにフランジ部22’と一体的に形成してもよいし、実施形態1のように、フランジ部に設けられたピン固定穴にピンを圧入することでピンとフランジ部とを一体化してもよい(図示を省略。符号なし)。
一方、内周ヨーク310又は外周ヨーク320において(図5の例では内周ヨーク310において)被ガイド部314’(ボス孔等)が設けられている。
また、ガイド部材230’及び被ガイド部314’が係合して互いに案内をすることにより、アーマチュア300がフランジ部22’とブレーキステータとの間を回転軸AXと平行な方向に沿って移動可能となっている。第3当接面360及び第4当接面270が当接することでロータ20(フランジ部22’)を制動するよう構成されている。
このような構成とすることにより、ガイド部材230’に沿ってアーマチュア300を回転軸AXと平行な方向に円滑に移動させることができる。また、ロータ20(回転体)に属する形でガイド部材230’を設けることにより、逆にブレーキステータ200’の構造を簡略化することができる。
なお、実施形態2に係るモータ2は、電磁ブレーキ10’のアーマチュア300がロータ20(回転部)側に属する点以外の構成においては、実施形態1に係るモータ1と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係るモータ1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係るモータ3の突極群、コイル群及びロータ永久磁石を説明するために示す模式図である。図6(a)は、回転軸AX(図1等参照)に沿って平面視したときの突極40(符号41〜46が付された突極を包含してここでは一般に突極40とした)の配置を示す模式図である。併せてロータ永久磁石24の一部も示している。第1突極群41G〜第6突極群46Gの境界を便宜上一点鎖線で示している。図6(b)は、モータ3を回転軸AXに沿って平面視したときの第1突極群41G、第1モータコイル群51G及びロータ永久磁石24を示す模式図である。
実施形態3に係るモータ2は、基本的には実施形態1に係るモータ1,実施形態2に係るモータ2と同様の構成を有するが、モータステータ30’,ロータ20’の構成において所定の特徴を有している点において実施形態1に係るモータ1,実施形態2に係るモータ2とは異なる。そこで、実施形態1,実施形態2との相違点を中心に説明するものとし、実施形態1,実施形態2と共通する他の部分については、符号を付しての図示及びそれらの説明は省略する。
(1)まず、実施形態3に係るモータ3においては、モータステータ30’が有する突極40の数は3mn個となっている。なお、mは2以上の自然数である。また、nは4以上の自然数で、後述する1つの突極群内の突極数である。
図6(a)の例では、m=2,n=11に相当し、モータステータ30’が有する突極40(41,42,43,44,45,46)の数は合計で66個となっている。
次に、モータステータ30’において、n個の第(3k−2)突極によって構成される第(3k−2)突極群、n個の第(3k−1)突極によって構成される第(3k−1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番で前記モータステータの円周方向に沿って配設されている(但し、kは1〜mまでの自然数。)。なお、「この順番でモータステータ30’の円周方向に沿って配設されている」とは、別言すると、各突極群に付された突極群番号が1ずつ増加する順番で各突極群がステータの円周方向に沿って配設されている、という意味である。
そして、上記した突極群に対応するようにして、第(3k−2)突極群のn個の第(3k−2)突極には、直列に連結されたn個のモータコイルからなる第(3k−2)モータコイル群が装着されており、第(3k−1)突極群のn個の第(3k−1)突極には、直列に連結されたn個のモータコイルからなる第(3k−1)モータコイル群が装着されており、第(3k)突極群のn個の第(3k)突極には、直列に連結されたn個のモータコイルからなる第(3k)モータコイル群が装着されている。
参考までに、図6(a)の例では、変数kに対し1及び2が適用された場合に相当し、第1突極群41G〜第6突極群46Gがこの順番で構成されており、それぞれの突極群には第1モータコイル群51G《図6(b)参照)》〜第6モータコイル群56G(図示なし)がそれぞれ装着されている。
実施形態3に係るモータ3が駆動される際には、第(3k−2)モータコイル群にはU相の電流が供給され、第(3k−1)モータコイル群にはV相の電流が供給され、及び、第(3k)モータコイル群にはW相の電流が供給される。
一方、各突極40は、モータステータ30’の半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されている。
第1突極群〜第(3m)突極群《図6における符号は一般に4(3m)Gとなる》のそれぞれにおいて、モータコイル50は、隣接する突極40間で巻回方向が互いに逆になるように突極40に対して装着され、且つまた、モータコイル50は、隣接する突極40間において当該モータコイル50を構成する巻線58の一部である渡り線59によって突極40の先端側40a又は基端側40bで渡され、且つ、渡り線59は、隣接するスロットSL間で先端側40a又は基端側40bの関係が逆になっている。
なお、実施形態3に係るモータ3に関するその他の構成の詳細な説明は、上記したように先の出願である特願2017-249243の明細書及び図面の記載内容を援用するものとする。
実施形態3に係るモータ3において、突極40及びモータコイル50をこのように構成することで、極数が比較的多くスロットSLの幅が狭い場合であってもモータを実現することができる。その結果、小型・軽量で高トルクを出力できるモータとなる。
また、極数を多くすることができるため、各突極40における巻線58の巻回数を然程多くしなくても必要なトルクを発生させることができる。この場合、巻回数が少ないため、突極40及びモータコイル50がラジアル方向に占有する空間は小さくなり、その分だけ電磁ブレーキ10,10’を収容する空間を大きく確保できる。すると、その分だけアーマチュア300を大きくすることもでき、第2当接面350及び第3当接面360が大きく制動性能が高い電磁ブレーキ10,10’を内蔵することも可能となる。
したがって、実施形態3によれば、省電力ながら強い制動力を得ることができる自己保持型の電磁ブレーキを内蔵することと、小型・軽量で、且つ、極数が比較的多く高トルクを出力すること、の両立が可能なモータを提供することができる。
(2)実施形態3に係るモータ3において、隣接する突極40間の間隔が、巻線58の直径の2.1倍〜3.0倍の範囲内にあることが好ましい。
巻線の直径に対してスロットの幅が狭いような場合(上記数値範囲を満たすような場合)であっても、実施形態3によれば好適に所望のモータを実現することができる。
(3)実施形態3に係るモータ3において、ロータ永久磁石24が有する磁極数は(3mn±m)個であることが好ましい。但し、この場合において、m及びnは(3mn±m)が偶数となるように選択されるものとする。
すなわち、突極数3mnに対して、ロータ永久磁石24の磁極数が余剰又は不足する分がm個である。このため、突極40とロータ永久磁石24の磁極とのズレ量が、励磁されるm箇所の突極群に1箇所ずつ均等に配分される。すると、ロータ20’に対しバランスよく周方向(ロータ20’を回転軸AXを中心とした円形のものとして捉えたとき)の力が加えられることとなり、より円滑なロータ20’の回転を実現することができる。
(4)実施形態3に係るモータ3は、減速歯車を介することなくロータ20’が負荷に対して直接的に連結されるダイレクト・ドライブ型のモータであることが好ましい。
実施形態3に係るモータ3は、(a)極数が比較的多い、(b)同相で励磁される突極群同士が互いに機械角180°ずれた位置に対となって配設されている、(c)ロータの永久磁石が有する磁極数と突極数とが所定の関係を有している(永久磁石の配置ピッチと突極の配置ピッチとが所定の関係を有している)等の理由から、起動時や低速運転時にも、高トルクを出力することができ、また、振動やコギングトルクの脈動が抑制されて円滑且つ安定した回転を得ることができる。このため、ダイレクト・ドライブ型のモータとして好適に採用することができる。
なお、実施形態3に係るモータ3は、モータステータ30’,ロータ20’の構成において所定の特徴を有している点以外の構成においては、実施形態1に係るモータ1,実施形態2に係るモータ2と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係るモータ1,実施形態2に係るモータ2が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)各実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)各実施形態において、被ガイド部314,314’を内周ヨーク310に設ける構成を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外周ヨーク320において被ガイド部314,314’を設けてもよい。
1,2,3…モータ、9a,9b…エアギャップ、9c…クリアランス、10,10’,900…電磁ブレーキ、20,20’…ロータ、21…シャフト連結部、22,22’…フランジ部、23…永久磁石配置台座、24…ロータ永久磁石、24a…磁極が配列された面、25…ブレーキライニング、30,30’…モータステータ、40,41,42,43,44,45,46…突極、40a…突極の先端側、40b…突極の基端側、40c…突極の先端面、41G…第1突極群、42G…第2突極群、43G…第3突極群、44G…第4突極群、45G…第5突極群、46G…第6突極群、50…モータコイル、51G…第1モータコイル群、58…巻線、59…渡り線、60…シャフト、70…ボールベアリング、71…(ボールベアリングの)外輪、72…ボール、73…(ボールベアリングの)内輪、81…モータケース、82…モータカバー、130…第1当接面、200,200’ …ブレーキステータ、210…ステータ基体、214…ピン固定穴、220…ブレーキコイル、222…コイルホルダ、230,230’ …ガイド部材、232…ピン、240…ステータケース、260,960…ステータ磁路部材、260a…一端側の端面、260b…他端側の端面、270…第4当接面、300,930…アーマチュア、310…内周ヨーク、310a…一端側の端面、310b…他端側の端面、314,314’…被ガイド部、320…外周ヨーク、320a…一端側の端面、320b…他端側の端面、330…アーマチュア永久磁石、340,934…スペーサ、350…第2当接面、360…第3当接面、913…摩擦材、916…ハブ、922…励磁コイル、931…第1フランジ部、931a…ブレーキ当接面、931b…(第1フランジ部の)裏面、932…第2フランジ部、932a…(第2フランジ部の一方側の)面、932b…(第2フランジ部の他方側の)面、933…永久磁石、961…(ステータ磁路部材の)一端、962…(ステータ磁路部材の)他端、963…(ステータ磁路部材の)外面

Claims (8)

  1. 回転軸を中心とした円周方向に沿ってN極及びS極の磁極が交互に配列されたロータ永久磁石を有すると共に、前記回転軸の側から該回転軸に垂直な径方向に突出したフランジ部を有するロータと、
    モータコイル、及び、前記モータコイルがそれぞれに対して装着された複数の突極を有し、前記複数の突極が円周方向に沿って配列され且つ前記突極の先端面が前記ロータ永久磁石の磁極が配列された面に対向するように形成されたモータステータと、
    アーマチュアを所定の面に当接することにより前記ロータを制動する電磁ブレーキと、を備えたモータであって、
    前記ロータの前記フランジ部の少なくとも一部には前記アーマチュアが当接する第1当接面を有しており、
    前記電磁ブレーキは、
    当該モータの固定部に固定されたブレーキステータと、
    前記フランジ部及び前記ブレーキステータの間に配置され、前記フランジ部及び前記ブレーキステータの間を前記回転軸と平行な方向に沿って移動可能に構成された前記アーマチュアと、を有しており、
    前記ブレーキステータは、ブレーキコイルと、前記回転軸を含む平面で切断した面を視るようにして断面視したときに前記ブレーキコイルを取り囲むような略Uの字形をなし一端及び他端が前記アーマチュアに面するようにして配置されたステータ磁路部材と、を含み、
    前記アーマチュアは、内周ヨーク、アーマチュア永久磁石及び外周ヨークを含み、前記回転軸の側から前記径方向に向かって互いに隣接しながら前記内周ヨーク、前記アーマチュア永久磁石及び前記外周ヨークの順番で積層するようにして構成されており、
    前記アーマチュア永久磁石は、該アーマチュア永久磁石が有する正の磁極及び負の磁極を互いに結ぶ磁軸が、前記内周ヨーク、前記アーマチュア永久磁石及び前記外周ヨークの積層方向と一致するようにして配置されており、
    前記アーマチュアは、前記第1当接面と対向する位置に前記内周ヨーク及び前記外周ヨークのそれぞれの一端側の端面によって構成された第2当接面を有しており、且つ、前記ステータ磁路部材と対向する位置に前記内周ヨーク及び前記外周ヨークのそれぞれの他端側の端面によって構成された第3当接面を有しており、
    前記ステータ磁路部材は、前記第3当接面と対向する位置に前記ステータ磁路部材の前記一端の端面及び前記他端の端面によって構成された第4当接面を有しており、
    前記電磁ブレーキは、前記ブレーキコイルに所定の電流を通電することにより、前記アーマチュアが所定の方向に移動して、前記第1当接面及び前記第2当接面が互いに当接する状態となるか、又は、前記第3当接面及び前記第4当接面が互いに当接する状態となるように構成されている、
    ことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記電磁ブレーキは、前記ステータ磁路部材と一体となったガイド部材を更に有し、
    前記内周ヨーク又は前記外周ヨークにおいて被ガイド部が設けられ、
    前記ガイド部材及び前記被ガイド部が係合して互いに案内をすることにより、前記アーマチュアが前記フランジ部と前記ブレーキステータとの間を前記回転軸と平行な方向に沿って移動可能となっており、
    前記第1当接面及び前記第2当接面が当接することで前記ロータを制動するよう構成されている、ことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記フランジ部と一体となったガイド部材を更に備え、
    前記内周ヨーク又は前記外周ヨークにおいて被ガイド部が設けられ、
    前記ガイド部材及び前記被ガイド部が係合して互いに案内をすることにより、前記アーマチュアが前記フランジ部と前記ブレーキステータとの間を前記回転軸と平行な方向に沿って移動可能となっており、
    前記第3当接面及び前記第4当接面が当接することで前記ロータを制動するよう構成されている、ことを特徴とするモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のモータにおいて、
    当該モータは、前記回転軸に垂直な径方向に沿ってみたときに前記ロータが前記回転軸と前記モータステータとの間に配置されたインナー・ロータ型のモータである、ことを特徴とするモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記モータステータが有する前記突極の数は3mn個であり(但し、mは2以上の自然数。nは4以上の自然数。)、
    前記モータステータにおいて、n個の第(3k−2)突極によって構成される第(3k−2)突極群、n個の第(3k−1)突極によって構成される第(3k−1)突極群、及び、n個の第(3k)突極によって構成される第(3k)突極群が、この順番で前記モータステータの円周方向に沿って配設され(但し、kは1〜mまでの自然数。)、
    前記第(3k−2)突極群のn個の前記第(3k−2)突極には、直列に連結されたn個の前記モータコイルからなる第(3k−2)モータコイル群が装着されており、前記第(3k−1)突極群のn個の前記第(3k−1)突極には、直列に連結されたn個の前記モータコイルからなる第(3k−1)モータコイル群が装着されており、前記第(3k)突極群のn個の前記第(3k)突極には、直列に連結されたn個の前記モータコイルからなる第(3k)モータコイル群が装着されており、
    前記第(3k−2)モータコイル群にはU相の電流が供給され、前記第(3k−1)モータコイル群にはV相の電流が供給され、及び、前記第(3k)モータコイル群にはW相の電流が供給され、
    各前記突極は、前記モータステータの半径方向に沿って平坦なストレート形に形成されており、
    第1突極群〜第(3m)突極群のそれぞれにおいて、
    前記モータコイルは、隣接する前記突極間で巻回方向が互いに逆になるように前記突極に対して装着され、
    前記モータコイルは、隣接する前記突極間において当該モータコイルを構成する巻線の一部である渡り線によって前記突極の先端側又は基端側で渡され、且つ、前記渡り線は、隣接するスロット間で前記先端側又は前記基端側の関係が逆になっている、
    ことを特徴とするモータ。
  6. 請求項5に記載のモータにおいて、
    隣接する前記突極間の間隔が、前記巻線の直径の2.1倍〜3.0倍の範囲内にあることを特徴とするモータ。
  7. 請求項5又は6に記載のモータにおいて、
    前記ロータの前記ロータ永久磁石が有する磁極数は(3mn±m)個である(但し、m及びnは3mn±mが偶数となるように選択されるものとする。)ことを特徴とするモータ。
  8. 前記モータは、減速歯車を介することなく前記ロータが負荷に対して直接的に連結されるダイレクト・ドライブ型のモータであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のモータ。
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