JPWO2013153955A1 - X線投影像補正装置及びx線投影像補正方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、事前の学習手順を必要とせずに、X線投影像におけるビームハードニングの影響を補正できる技術を提供するものである。複数方向からの投影によって得られた複数のX線投影像について、X線投影像の各画素の持つ投影値の合計を前記X線投影像毎にそれぞれ求める。ついで、投影値を補正するための仮の補正関数を仮定する。ついで、最適化された補正関数を決定する。この補正関数の決定は、補正後の投影値の合計が各投影像において一定であるという条件を満たすように、仮の補正関数を修正することにより行われる。。ついで、最適化された補正関数を用いて、投影値を補正する。

Description

本発明は、X線CTを用いてCT断面像を得るためのX線投影像を補正するための技術に関するものである。特に、本発明は、ビームハードニングの影響を低減ないし除去するように、X線投影像を補正するための技術に関するものである。
X線CT(Computed Tomography)は、被写体(対象物)に多方向からX線を照射し、得られたX線強度分布(X線投影像)に基づいて、被写体内部の画像(断面画像)を再構成することができる技術である。このようなX線CTは、従来から、医療用途において広く用いられているが、近年では、産業用にも用いられるようになった。X線CTを用いると、外部からは見えない表面形状を特定することができるので、例えば、複雑な形状を持つ製品の寸法検査やリバースエンジニアリングにおいて有用である。
ところで、X線源として白色X線を用いた場合には、ビームハードニングと呼ばれる現象を生じ、このため、再構成によって得られる画像の精度が劣化する傾向がある。このこと自体はよく知られた現象であるが、以下、ビームハードニング現象の概略について説明する。
まず、単色X線を用いた場合について説明する。X線源から放射された単色X線が物体を透過するときに、X線源でのX線の強度I0と物質(被写体)を透過した後のX線の強度Iの間には、次の関係が成り立つ(ランベルトベールの法則)。
ここで、積分はX線の透過経路にそって行われ、μは線減弱係数と呼ばれる値で、位置xにおける材質によって決まる値である。
さらに、X線CTの理論では、次のように対数変換によって定義される投影値Pがよく使われる。
この式に上記のIの式を適用すると、
となる。
この式の右辺は、X線の透過経路に沿ったμの積分であることから、投影値はRay-sum値と呼ばれることもある。例えば、金属等の単一の材質でできた物体が大気中に置かれている場合は、μ(x)は、空気の所ではゼロとしてよく、また物体の中では一定の値(ここではμとする)になるので、
となる。ここでLはX線が物体を透過した部分の長さである。このように、投影値と透過長との間には線形の関係がある。透過長に対して、上記の投影値をプロットしたものが図1(a)のグラフである。
(ビームハードニング)
X線源が単色ではなく、あるスペクトル分布をもった白色X線源の場合には、上記の線形関係が成り立たなくなる。それは、白色X線における低エネルギ成分(軟X線)は、透過長に対して急速に減衰する一方で、高エネルギ成分(硬X線)は減衰しにくいからである。つまり、ある長さを透過したX線では、軟X線が失われて硬X線の成分が残ることになる。これがビーム硬化(ビームハードニング)と呼ばれる現象である。
X線の透過長に対して、上記の白色X線の投影値をプロットしたものが図1(b)である。このように、透過長が短い部分においては、軟X線の減衰のために、投影値が大きく増加(つまりX線強度は大きく低下)する。一方で、透過長が長くなるにつれて、透過力の強い硬X線の影響が相対的に強くなるために、増加が緩やかになる(つまりX線強度があまり低下しなくなる)。
(ビームハードニングアーチファクト)
X線CTでは、この投影値を用いて断面像を再構成する。その際には上記の線形性が仮定されるために、白色X線源の場合には、断面像にアーチファクトが生じる。つまり、得られた断面像の精度が劣化することになる。
(ビームハードニング補正)
そこで、従来から、ビームハードニングの影響を補正するための方法が提案されている。例えば、下記特許文献1及び非特許文献1では、ビームハードニングにより非線形となっている投影値曲線を補正して線形化する手法が提案されている。下記非特許文献1では、既知資料での事前測定による補正手法を提案している。しかしながら、これは、準備に手間がかかるだけでなく、事前測定とは異なる撮影条件には適用できないという問題がある。また、下記特許文献1では、補正前のサイノグラム(X線投影像の並び)を利用して予備的な再構成を行い、得られた再構成画像を分析して、非線形曲線のマッピングにより補正を行う手法を提案している。しかしながら、この手法では、予備的な再構成やマッピングが必要となって補正に時間を要する等の問題がある。
(メタルアーチファクト)
ビームハードニングアーチファクトと混同されやすいものに、メタルアーチファクトがあるので注意を要する。メタルアーチファクトは、物質の中に金属のようなX線の吸収が非常に大きい部分がある場合に発生する大きなノイズである。特に医療用X線CTでは、例えば虫歯治療のための金属補綴物などによって発生するために、例えば下記の非特許文献2のように、古くから多数の開発が行われている。このメタルアーチファクトの原因は、X線の吸収が非常に大きい部分によるX線の減弱によって、ディテクタに入射するX線の強度が著しく低下してディテクタの検出限界を下回ることにある。したがって、メタルアーチファクトは、本発明の対象とするビームハードニングとは全く異なるものである。
米国特許第6,975,697号公報
M Krumm, S Kasperl, M Franz., Reducing non-linear artifacts of multi-material objects in industrial 3D computed tomography, NDT & E International. 2008 vol. 41 (4) pp. 242-251. W. A. Kalender, R. Hebel, and J. Ebersberger. Reduction of CT artifacts caused by metallic implants. Radiology, Vol. 164 (2), pp. 576-577, 1987.
本発明は、前記の状況に鑑みてなされたものである。本発明は、事前の学習手順や予備的な再構成やマッピングを必要とせずに、X線投影像におけるビームハードニングの影響を補正できる技術を提供することを目的としている。
前記した課題を解決する手段は、以下の項目のように記載できる。
(項目1)
投影値算出部と、補正関数仮定部と、補正関数決定部と、投影値補正部とを備えており、
投影値算出部は、複数方向からの投影によって得られた複数のX線投影像について、X線投影像の各画素の持つ投影値の合計を前記X線投影像毎にそれぞれ求める構成とされており、
前記補正関数仮定部は、前記投影値を補正するための仮の補正関数を仮定する処理を行う構成とされており、
前記補正関数決定部は、補正後の投影値の合計が各投影像において一定であるという条件を満たすように、前記仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定する構成とされており、
前記投影値補正部は、前記最適化された補正関数を用いて前記投影値を補正する構成とされている
X線投影像補正装置。
(項目2)
前記補正関数決定部は、0でない所定の参照値と、前記仮の補正関数の適用によって得られた前記投影値の合計との差が最小になるように、前記最適化された補正関数を求める処理を行う
項目1に記載のX線投影像補正装置。
(項目3)
前記仮の補正関数は、n次の多項式であり、
前記補正関数決定部は、前記n次の多項式における未知係数を決定するものである
項目1又は2に記載のX線投影像補正装置。
(項目4)
前記所定の参照値は、前記投影値の合計における最大値である
項目2に記載のX線投影像補正装置。
(項目5)
項目1〜4のいずれか1項に記載のX線投影像補正装置を備えたX線CT装置。
(項目6)
以下のステップを備えるX線投影像補正方法:
(1)複数方向からの投影によって得られた複数のX線投影像について、X線投影像の各画素の持つ投影値の合計を前記X線投影像毎にそれぞれ求めるステップ;
(2)前記投影値を補正するための仮の補正関数を仮定するステップ;
(3)補正後の投影値の合計が各投影像において一定であるという条件を満たすように、前記仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定するステップ;
(4)前記最適化された補正関数を用いて前記投影値を補正するステップ。
(項目7)
項目6記載のX線投影像補正方法をコンピュータにより実行するためのコンピュータプログラム。
本発明によれば、事前の学習手順や予備的な再構成やマッピングを必要とせずに、X線投影像におけるビームハードニングの影響を補正することが可能となる。
ビームハードニングの原理を説明するための、透過長Lと投影値Pとの関係を示すグラフであって、図(a)は単色X線の場合、図(b)は白色X線の場合を示す。 X線CT装置の概略を示す説明図である。 本発明の一実施形態におけるX線投影像補正装置の全体的構成を示すブロック図である。 CT断面像を再構成する手法の概要を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるX線投影像補正方法の手順を示すブロック図である。 投影値の合計の保存則を説明するための説明図である。 本実施形態の補正方法によるCT断面像の一例であって、図(a)は補正を行わない場合、図(b)及び図(c)は本実施形態による補正を行った場合を示す。 本実施形態の補正方法によるCT断面像の一例であって、図(a)は補正を行わない場合、図(b)は本実施形態による補正を行った場合を示す。 図8を模式的に図面化した説明図である。 図9に示す直線Aに沿った輝度値の変化を示すグラフであって、横軸は長さ(任意単位)、縦軸は正規化された輝度値を示す。 図9に示す直線Bに沿った輝度値の変化を示すグラフであって、横軸は長さ(任意単位)、縦軸は正規化された輝度値を示す。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るX線投影像補正装置について説明する。
(X線CT装置の概要)
まず、本実施形態の説明の前提として、本実施形態のX線投影像補正装置が適用されるX線CT装置の一例を、図2に基づいて説明する。このX線CT装置は、図2(a)に示されるように、X線源101と、ディテクタ部102とを主要な構成として備えている。
X線源101は、この例では、白色X線をディテクタ部102に向けて発する構成となっている。
ディテクタ部102は、複数の(p個の)ディテクタ1021〜102pの集合によって構成されている。複数のディテクタは、いわば画素に相当するものであり、各ディテクタで検出したX線の輝度値(つまりエネルギ値)により投影値を計算し、X線投影像を構成できるようになっている。つまり、投影像とは、ディテクタ毎の画素値の集合により構成される。
X線源101とディテクタ部102との間には、回転台103が配置されており、この回転台103の上に対象物104を載せることができるようになっている。また、回転台103は、所定の角度毎に回転させることができるようになっている。ディテクタ部102の各ディテクタは、対象物104を透過したX線を検出することにより、各回転角度に対応したq枚のX線投影像1051〜105qを構成できるようになっている(図2(b)参照)。
図2のX線CT装置では、X線投影像の並びであるサイノグラムを用いて再構成を行うことによって、断面画像を得ることができる。このようなX線CT装置自体、及び再構成の手法自体は、既存のものを用いることができるので、これ以上詳しい説明は省略する。
(本実施形態の構成)
本実施形態のX線投影像補正装置は、前記したX線CT装置に付随して用いられるものである。本例のX線投影像補正装置は、投影値算出部1と、補正関数仮定部2と、補正関数決定部3と、投影値補正部4と、参照値決定部5とを備えている(図3参照)。
投影値算出部1は、複数方向からの投影によって得られたX線投影像の集合であるサイノグラムをディテクタ部102から受け取り、各投影像における投影値(つまり画素値)の合計をそれぞれ求める構成とされている。
補正関数仮定部2は、投影値を補正するための仮の補正関数を仮定する処理を行う構成とされている。本例では、仮の補正関数として、n次(例えば三次)の多項式を用いている。ここで、「仮の補正関数を仮定する処理」とは、例えば、「予めシステム側に登録されている仮の補正関数を特定する処理」を意味するが、「何らかの手法により動的に仮の補正関数を生成する処理」であってもよい。また、予めシステム側に登録されている仮の補正関数は、1種類であっても複数種類であってもよい。
補正関数決定部3は、「各投影像において、補正処理後の投影値の合計がそれぞれ一定になる」という条件を満たすように、仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定する構成とされている。本例の補正関数決定部3は、0でない所定の参照値と、仮の補正関数の適用によって得られた投影値の合計との差が最小になるように、最適化された補正関数を求める処理を行うものである。また、補正関数決定部3は、仮の補正関数とされたn次の多項式における未知係数を決定するものである。
投影値補正部4は、最適化された補正関数を用いて投影値を補正する構成とされている。補正された投影値(あるいはそれにより構成される投影像又はサイノグラム)は、再構成処理のための再構成処理部(図示せず)に出力される。
参照値決定部5は、補正関数の最適化に用いられる参照値を決定する処理を行うものである。本例では、所定の参照値として、投影像毎の投影値の合計における最大値が用いられる。
本例のX線投影像補正装置の詳しい動作は、以下において詳述する。
(本実施形態の動作)
つぎに、前記したX線投影像補正装置を用いた補正処理手順について、図4〜図6をさらに参照して説明する。
(CT断面像生成手順)
まず、図4を参照して、CT断面像生成のための全体的な手順について説明する。
(図4のステップSA−1)
対象物104を所定角度ずつ回転させながら、X線源101から白色X線を対象物104に照射し、透過像をディテクタ部102の各ディテクタにより検出する。一つのディテクタの出力により、投影像の1画素が構成される。これによって、従来と同様に、対象物とX線源との角度に対応した各投影像を取得することができる。すなわち、本例では、一つの角度関係に対応して、1枚の投影像が取得される。また、図2の例では、コーンビームを用いた2次元ディテクタを例示しているが、ファンビームを用いた1次元ディテクタなど他の撮像方式を用いることも可能である。つまり、本実施形態のX線投影像は、1次元画像であっても2次元画像であってもよい。ただし、本例では、各投影像の中に、対象物全体が写り込んでいることが必要である。その理由については後述する。また、以下の例では、対象物として、単一材質であること、すなわち、X線への減衰係数が均一であることを仮定する。
(図4のステップSA−2)
ついで、本例のX線投影像補正装置により、サイノグラム中の各投影像を補正する。この手順の詳細については、図5に基づいて後述する。
(図4のステップSA−3及びSA−4)
ついで、補正されたX線投影像の集合であるサイノグラムを用いて、CT断面像の再構成を行う。得られたCT断面像は、所定の出力先(例えばディスプレイ、プリンタ、あるいは記憶装置など)に出力される。再構成の手法自体は、従来と同様でよいので、再構成手法についての詳しい説明は省略する。
(本例におけるX線投影像補正方法)
以下、図5をさらに参照しながら、本例におけるX線投影像補正方法を詳しく説明する。
(図5のステップSB−1)
まず、複数方向からの投影によって得られた複数の投影像について、各投影像における投影値(つまり画素値)の合計を、投影値算出部1により、それぞれ求める。
投影値の合計は、例えば以下の式で表現できる。
ここで、iは、角度ごとの投影を示し、jは、ディテクタ番号を示す。ディテクタ番号とは、各ディテクタ部に連番で付された番号であり、ディテクタ部が2次元に配置されているときも、所定の規則に基づいて連続で付される。したがって、Pijは、i番目の角度での投影におけるj番目のディテクタ部における投影値(輝度値)である。そして、上の式に示されるように、すべてのiにおいて、投影像毎の投影値の合計は一定となる。この様子を図6に示す。どの方向から投影したとしても、各X線は同じ面積を通過することになるから、投影値PijとX線の透過長xijとが線形関係にあるならば、各投影において、投影値Pijの合計は等しくなるはずである。ただし、対象物の投影像がディテクタ部全体の範囲内に収まっている必要がある。なお、保存則は線形関係が満たされる場合に成立し、白色X線を用いた場合には、実際は、この保存則から外れた(つまり非線形の)投影値が得られる。
(図5のステップSB−2)
ついで、参照値決定部5は、後述の補正関数を決定するための参考値を決定する。この参考値としては、この例では、各投影iにおいて得られた投影値合計のうち、最大のものを使用する。これにより、補正前後における投影値のスケールをおおよそ整合させることができる。ただし、物質形状を特定するためのCT断面像においては、部位による輝度の違いが分かれば十分であることが多いので、参考値は、0でない定数(通常は正の値)であればよい。
(図5のステップSB−3)
前記ステップSB−2の後に、あるいはこれと前後して、補正関数仮定部2は、投影値を補正するための仮の補正関数を仮定する。本例では、仮の補正関数F()として、以下のような三次多項式を用いる。
ここでa1, a2 ,a3 は係数であり、上の例ではベクトルaの元となっている。これらの係数はこの時点では未知である。なお、ここで三次式を仮定したが、適宜なn次式(nは自然数)を用いることができる。次数が多いほど精度が高くなると考えられるので、必要な精度と計算速度とに鑑みて仮の補正関数Fを決定することができる。また、n次式以外の補正関数を考えることも可能である。
(図5のステップSB−4)
ついで、補正関数決定部3は、各投影像における補正後の投影値の合計が一定であるという条件を満たすように、仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定する。具体的には、本例では、以下のような目的関数Jを考える。このJの値が最小となるように、関数F(具体的にはその係数)を決定する。
このような係数の決定手法は、最小二乗法として知られており、その解法自体は既存のものを使用できるので、解法の詳細についての説明は省略する。
なお、前記の解法においては、正しい線減弱係数μを得ることは困難であるが、実際上は、μは一定値であれば十分であることが多い。特に、産業用の応用においては、通常は、正しいμを得る必要はなく、何らかの一定値を仮定出来ればよい。
本実施形態では、このようにして、ビームハードニングの影響を取り除くための、最適化された補正関数を決定することができる。
(図5のステップSB−5)
ついで、投影値補正部4は、最適化された補正関数を用いて投影値を補正する。これにより、ビームハードニングの影響が除去ないし軽減された投影像からなるサイノグラムを得ることができ、これを用いて再構成を行うことにより、高精度なCT断面像を得ることができる。
本実施形態における前記したX線投影像補正方法は、適宜なコンピュータプログラムを用いることにより、コンピュータにより実行することができる。
本実施形態によれば、事前学習を行わずに、X線投影像の適正な補正を行うことが可能となる。また、本実施形態では、予備的な再構成を行う必要がないので、X線投影像補正の処理を高速で行うことができるという利点もある。
(変形例)
なお、前記した目的関数Jは、ほぼすべての場合に適用可能であるが、まれに、制約条件を付することが好ましい場合がある。その例を以下に示す。以下の例では、目的関数J'として、単調増加かつ上に凸の制約を加えている。このような制約を付した場合の解法も既知なので、これについての詳しい説明は省略する。
(実施例1)
本例の方法により得られたCT断面像を図7に示す。図7(a)は補正なしのもの、図7(b)は、目的関数Jを用いて補正したもの、図7(c)は目的関数J'を用いて補正したものである。この対象物は、均一材質なので、図7(a)のように輝度がばらつくのは、断面像の精度の劣化を示している。これに対して、図7(b)及び(c)では、輝度のばらつきが解消されている。この結果によっても、本例の手法によるCT断面像精度の向上の効果を理解することができる。
(実施例2)
本例の方法により得られたCT断面像の評価結果を、実施例2として、図8〜図11において説明する。図8は、得られたCT断面像の一例の写真であり、図9は、それを図面化した説明図である。図8(a)において「補正なし」とは、本例による補正を行わなかったもの、同図(b)において「補正あり」とは、目的関数Jを用いて補正したものを示す。
図9に示す直線(一点鎖線)Aの矢印方向に沿った輝度値の変化を図10に示す。図10における「補正なし」及び「補正あり」の意味は図8の場合と同じである。補正なしのグラフ(図中点線)では、部品の中央に進むにつれて、カッピングアーチファクトによるCT値の落ち込みを確認できる。さらに部品中央部分(横軸の目盛りにおいて200の付近)においては、周囲の空気領域(横軸において0付近及び400付近)のCT値よりもさらに小さい値となっていることがわかる。これに対して、補正後のグラフ(図中実線)では、カッピングアーチファクトが解消されており、しかも、中央部分の値は、周囲の空気領域におけるCT値とほぼ同じ値に補正できている。
さらに、図9に示す直線(一点鎖線)Bの矢印方向に沿った輝度値の変化を図11に示す。図11における「補正なし」及び「補正あり」の意味は前記と同じである。補正なしのグラフ(図中点線)では、部品が単一材質であるにもかかわらず、CT値が不安定に変動して、不自然な谷ができている。これに対して、補正後のグラフ(図中実線)では、この谷が消滅して、部品部分においてほぼ一定のCT値を維持している。これらの結果によっても、本例の手法によるCT断面像精度の向上の効果を理解することができる。
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、前記した各構成要素は、機能ブロックとして存在していればよく、独立したハードウエアとして存在しなくても良い。また、実装方法としては、ハードウエアを用いてもコンピュータソフトウエアを用いても良い。さらに、本発明における一つの機能要素が複数の機能要素の集合によって実現されても良く、本発明における複数の機能要素が一つの機能要素により実現されても良い。
また、本発明を構成する各機能要素は、離散して存在しても良い。離散して存在する場合には、例えばネットワークを介して必要なデータを受け渡すことができる。各部の内部における各機能も、同様に、離散して存在することが可能である。例えば、グリッドコンピューティングやクラウドコンピューティングを用いて、本実施形態における各機能要素あるいはその一部分を実現することも可能である。
1 投影値算出部
2 補正関数仮定部
3 補正関数決定部
4 投影値補正部
5 参照値決定部
101 線源
102 ディテクタ部
1021〜102p ディテクタ
103 回転台
104 対象物
1051〜105q X線投影像
106 画像

Claims (7)

  1. 投影値算出部と、補正関数仮定部と、補正関数決定部と、投影値補正部とを備えており、
    投影値算出部は、複数方向からの投影によって得られた複数のX線投影像について、X線投影像の各画素の持つ投影値の合計を前記X線投影像毎にそれぞれ求める構成とされており、
    前記補正関数仮定部は、前記投影値を補正するための仮の補正関数を仮定する処理を行う構成とされており、
    前記補正関数決定部は、補正後の投影値の合計が各投影像において一定であるという条件を満たすように、前記仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定する構成とされており、
    前記投影値補正部は、前記最適化された補正関数を用いて前記投影値を補正する構成とされている
    X線投影像補正装置。
  2. 前記補正関数決定部は、0でない所定の参照値と、前記仮の補正関数の適用によって得られた前記投影値の合計との差が最小になるように、前記最適化された補正関数を求める処理を行う
    請求項1に記載のX線投影像補正装置。
  3. 前記仮の補正関数は、n次の多項式であり、
    前記補正関数決定部は、前記n次の多項式における未知係数を決定するものである
    請求項1又は2に記載のX線投影像補正装置。
  4. 前記所定の参照値は、前記投影値の合計における最大値である
    請求項2に記載のX線投影像補正装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のX線投影像補正装置を備えたX線CT装置。
  6. 以下のステップを備えるX線投影像補正方法:
    (1)複数方向からの投影によって得られた複数のX線投影像について、X線投影像の各画素の持つ投影値の合計を前記X線投影像毎にそれぞれ求めるステップ;
    (2)前記投影値を補正するための仮の補正関数を仮定するステップ;
    (3)補正後の投影値の合計が各投影像において一定であるという条件を満たすように、前記仮の補正関数を修正することにより、最適化された補正関数を決定するステップ;
    (4)前記最適化された補正関数を用いて前記投影値を補正するステップ。
  7. 請求項6記載のX線投影像補正方法をコンピュータにより実行するためのコンピュータプログラム。
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