JPWO2013151041A1 - 植物の環境ストレス耐性向上用組成物及び植物の環境ストレス耐性を向上させる方法 - Google Patents

植物の環境ストレス耐性向上用組成物及び植物の環境ストレス耐性を向上させる方法 Download PDF

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Abstract

有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できると共に安定した効果を付与することのできる、植物の環境ストレス耐性向上用組成物を提供する。植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、以下式(I):【化1】で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含む。

Description

本発明は、植物の環境ストレス耐性向上用組成物及び植物の環境ストレス耐性を向上させる方法に関するものである。
近年では、地球温暖化の進行により、高温化や乾燥化と言った環境の変動が現われており、その影響は穀物等の食用植物の生育にまで及びつつある。このような状況に対応するために、施設園芸や植物工場と言った植物の生育環境を整える方法と、植物自体の環境ストレス耐性を向上させる方法が考えられるが、前者の方法では設備を構築したりメンテナンスしたりする必要が有るだけでなく、現実に事業規模で栽培する場合にはかなりのエネルギーを継続的に消費することになり、コスト面を考慮すると安易に利用することはできない。
後者の方法としては、(1)交配育種、(2)環境ストレス耐性遺伝子の組換え、(3)生物資材の利用、が考えられる。(1)の方法では、品種の確立に長い年月が掛かり、今当に求められている状況に対応することはできない。(2)の方法では、遺伝子組換え植物を生育するための設備が必要となり、上記した前者の方法と同様な課題が残る。これに対して、(3)の方法では、特許文献1、2に記載されたように、特別な設備等を必要とせず、必要な時に酵母分解物や生薬粗抽出液といった生物資材を植物に与えるだけで環境ストレス耐性を向上させることができるので、最も実用的と見なされている。
一方、天然成分のうち植物アルカロイド類は、比較的容易に分離できる上に、防虫効果だけでなく、人体に対する薬理効果も確認されており、その具体的な製造法や利用法については、特許文献3〜9に示すように既に提案されている。
特開平11−199419号公報 特開2007−45709号公報 米国特許第5,133,981号明細書 特表2008−524130号公報 特表2011−521982号公報 特表2011−512370号公報 特開平5−124944号公報 特開2008−37775号公報 特開2009−46411号公報
Psotova et al. Safety assessment of sanguiritrin, alkaloid fraction of Macleaya cordata, in rats. Veterinarni Medicina, 51,2006(4):p145-155
しかしながら、特許文献1、2に記載の酵母分解物や生薬粗抽出液といった生物資材は、その有効成分が不明であるため、食用植物に適用するには安全面に問題があった。また、生物資材は生物原料から得られるため、その効果にばらつきがみられることがあった。
他方、特許文献3〜9には、上述の通り、植物アルカロイド類をさまざまな用途に用いることが開示されているが、植物アルカロイド類を植物の環境ストレス耐性を向上させるために用いることは報告されていない。
従って本発明の目的は、有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できると共に安定した効果を付与することのできる、植物の環境ストレス耐性向上用組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、植物アルカロイド類を有効成分として含む植物の環境ストレス耐性向上用組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上述の組成物を使用することにより、植物の環境ストレス耐性を向上させる方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、以下式(I):
Figure 2013151041
で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。
本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、上式で表わされる植物アルカロイドの一種であるサンギナリン(Sanguinarine)又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。本発明の組成物を植物に施用することにより、植物の環境ストレス耐性が強められ、干ばつや酷暑等といった過酷な環境下での植物の生育が可能となる。有効成分であるサンギナリン又はその塩は、数ppm〜数十ppmという低濃度かつ少量の施用で確実な効果を有するため、安定した環境ストレス耐性向上効果を植物に付与することができる。また、このサンギナリンは、非特許文献1において、ラットへの投与試験の結果、生理障害に関する各項目で特記すべき障害は出なかったことが報告されているように、高い安全性を有している。それゆえ、高い安全性を有し、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用することができる。なお、本発明におけるサンギナリン又はその塩には、サンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。
また、この環境ストレスは、高温ストレス、乾燥ストレス、又は高温ストレス及び乾燥ストレスであることも好ましい。これにより、本発明の組成物によって、好適に植物の耐性を向上させることのできる環境ストレスが選択される。
また、本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物の有効成分が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物由来物であることも好ましい。これにより、植物由来物中に含まれるサンギナリン又はその塩によって、保護すべき植物に環境ストレス耐性を付与することができる。また、天然物から本発明の組成物の有効成分を得ることができるため、化学合成等の化学的手段に頼らずに本発明の組成物を得ることができる。
また、この植物由来物が、タケニグサ由来物であることも好ましい。これにより、植物由来物として好適な植物材料が選択される。タケニグサ由来物中に含まれるサンギナリン又はその塩によって、保護すべき植物に環境ストレス耐性を付与することができる。
さらに、このタケニグサ由来物が、タケニグサの種子由来物であることも好ましい。これにより、タケニグサの植物器官のうち、有効成分が多く含まれる好適な器官が選択される。
また、植物由来物が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物に対し、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理からなる群から選択される少なくとも1つの抽出処理を施すことにより得られる抽出物であることも好ましい。これにより、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理といった簡易な処理により、効率よく、本発明の組成物の有効成分を得ることができる。
さらに、本発明の植物の環境ストレス耐性を向上させる方法は、上述の植物の環境ストレス耐性向上用組成物を、植物が環境ストレスを受ける前に、その植物体又は土壌に施用する工程を備えている。植物が環境ストレスを受ける前に、本発明の組成物を保護すべき植物に与えることによって、前もって植物に環境ストレス耐性が付与され、環境ストレスに暴露された植物の回復機能を早め、さらなる生育を促すことができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する植物の環境ストレス耐性向上用組成物を提供することができる。
(1)有効成分がサンギナリン又はその塩の少なくとも1種であるため、安全性が高く、低濃度で効果を発揮する。
(2)植物の高温・乾燥等の環境ストレス耐性を安定して向上させることができる。
(3)有効成分が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物から植物由来物として簡単に得ることができるため、化学合成等の化学的手段に頼らずに、安価に本発明の組成物を得ることができる。
本発明の実施例3における55℃での高温暴露処理から10日間経過したシロイヌナズナの新鮮重量を示すグラフである。 本発明の実施例3における55℃での高温暴露処理から10日間経過したシロイヌナズナの生育状況を示す写真である。 本発明の実施例4における35℃−1時間及び45℃−2時間の高温暴露処理から4日間経過したシロイヌナズナの生育状況を示す写真である。 本発明の実施例4におけるシロイヌナズナの障害程度平均(%)を示すグラフである。 本発明の実施例5における40℃−1週間での高温暴露処理後のトマト苗の生育状況を示す写真である。 本発明の実施例6における14日間の乾燥暴露処理後のコマツナの新鮮重量を示すグラフである。 本発明の実施例7における試験中の土壌飽和水分含量(%)の変化を示すグラフである。 本発明の実施例7における乾燥暴露処理後の再灌水前のアルファルファの生育状況を示す写真である。 本発明の実施例7における乾燥暴露処理から7日間経過したアルファルファの生育状況を示す写真であって、(a)プラスチック鉢を上側から見た写真、(b)プラスチック鉢を正面側から見た写真、(c)収穫したアルファルファを示す写真である。 本発明の実施例7における乾燥暴露処理から7日間経過したアルファルファの新鮮重量を示すグラフである。 本発明の実施例8における乾燥暴露処理から7日間経過したチンゲンサイの生育状況を示す写真であって、(a)プラスチック鉢を斜め上側から見た写真、(b)プラスチック鉢を上側から見た写真である。 本発明の実施例8における乾燥暴露処理から7日間経過したチンゲンサイの新鮮重量を示すグラフである。
本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、有効成分として以下の式(I)で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。
Figure 2013151041
サンギナリンは自然界において主にケシ科植物に含まれるベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドである。さらに、本発明におけるサンギナリン又はその塩には、実質的にサンギナリンと同じ機能又は効果を有するサンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。本明細書において、以下「サンギナリン」と記載するものには、サンギナリン又はその塩が含まれるのはもちろん、サンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。
本発明の組成物に含まれるサンギナリンは、天然抽出物等の天然由来物、化学合成物、微生物発酵法による微生物由来物のいずれでもよいが、化学合成等の化学的手段に頼らずに本発明の組成物を得ることができる観点から、天然由来物が好ましく、植物由来物であることがより好ましい。また、サンギナリン塩としては、特に限定されないが、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩又はリン酸塩等の無機酸塩、並びに酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩又は脂肪酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
サンギナリンは、ケシ科植物の一種であるタケニグサ(Macleaya cordata)、ハナビシソウ(Eschscholzia californica)、クサノオウ(Chelidonium majus)及びブラッドルート(Sangurinaria canadensis)等の植物体中に含まれている。それゆえ、このようなサンギナリン又はその塩を含有する植物から、本発明の組成物の有効成分であるサンギナリンを抽出等することによって得ることができる。
このうち、タケニグサはケシ科の多年草で日当たりの良い草原、空地等によく見られ、このような場所に生息しているタケニグサはサンギナリンの含有量が多いとされている。従って、サンギナリンを天然物由来、すなわち、植物から得ようとする場合には、タケニグサから得ることが好ましい。また、タケニグサには、種子、葉部、茎部、果実及び根部のいずれの植物器官にもサンギナリンが含まれているが、種子における含有量が他の植物器官に比べて圧倒的に多い。従って、高効率である観点から、タケニグサの種子からサンギナリンを得ることが好ましい。なお、タケニグサの種子は莢付果実に入っているので、莢付果実をまず収穫し、莢付果実から取り出した種子を使用するか、莢付果実ごと使用することも好ましい。また、タケニグサは、自然環境下で放任栽培すると、年に2回(初夏及び晩秋)開花して莢付果実が得られるので、この手法で栽培すれば効率的に莢付果実を収穫することができる。
タケニグサをはじめ、植物からサンギナリンを得る場合には、その植物由来物には、植物に含有されている他の成分が含まれていてもよい。一例として、タケニグサ由来物には、サンギナリンのほか、ケレリスリン(Chelerythrine)、ケリルビン(Chelirubine)、プロトピン(protopine)等、タケニグサに含まれているアルカロイド類が含まれていてもよい。このうち、ケレリスリンは、本発明の組成物の有効成分であるサンギナリンと同様、ベンゾフェナンスリジン骨格を有するアルカロイドであり、サンギナリンとほとんど共通した構造を有している。さらに、サンギナリンとケレリスリンとは、いずれもプロテインキナーゼC(PKC)アンタゴニスト活性、抗菌活性および抗真菌特性を有することが知られており、その機能や作用も共通する点が多い。そのため、ケレリスリンをサンギナリン誘導体として、本発明の組成物の有効成分とすることもできる。
以下において、サンギナリンを含有する植物から、本発明の組成物の有効成分であるサンギナリンを得る方法について説明する。植物由来物には、植物体そのもの及び植物抽出物が含まれる。たとえば、植物体そのものとしては、サンギナリンを含む植物を乾燥させて破砕したもの、さらに、この乾燥破砕物を粉状、粒状、スラリー状又はペースト状にしたものが挙げられる。
他方、本発明に係る植物抽出物は、サンギナリンを含有する植物材料を抽出溶媒に浸漬又は接触させて抽出処理を行うことにより得られる。抽出処理は常圧下及び加圧下のいずれでも行うことができる。抽出温度は0℃〜150℃、好ましくは常温〜120℃の範囲であり、抽出時間は1分〜24時間、好ましくは1分〜3時間で抽出され得る。抽出に用いる溶媒は特に限定されないが、水、塩酸水溶液・硫酸水溶液・酢酸・水酸化ナトリウム水溶液等の酸塩基類、メタノール・エタノール・イソプロパノール・ポリエチレングリコール・グリセリン・ソルビトールなどのアルコール類、アセトン・ジメチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、トルエン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ヘキサン等及びこれらの混合物等が挙げられる。このうち、取り扱いの容易さ及び組成物とするときの安全性から水、希塩酸や酢酸、アルコール類又はそれらの混合物が望ましい。抽出処理としては特に限定されないが、具体的には、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理、熱抽出処理、加圧抽出処理、加圧熱水抽出処理、ソックスレー抽出装置による抽出処理、超臨界抽出処理、超音波抽出処理、酵素分解による抽出処理などを適用することができる。
溶媒抽出処理とは、植物材料を上述のような適当な溶媒に浸漬し、一定時間放置することにより行う抽出処理のことをいう。処理温度としては、室温又は溶媒の沸点未満まで加温して処理することができる。また、浸漬の際に溶媒を撹拌したり、植物材料を加圧して抽出を促進させることも可能である。本発明の実施形態に係る溶媒抽出物は、タケニグサ等の種子、葉、茎等の抽出対象物を50℃〜70℃に加温した希塩酸に10分〜24時間、好ましくは30分〜6時間、より好ましくは1時間〜3時間浸漬させることによって得られる。
熱抽出処理とは50℃以上の含水溶媒を用いて行う抽出処理のことをいう。本発明の実施形態に係る熱抽出物は、タケニグサ等の種子、葉、茎等の抽出対象物を50℃以上の含水溶媒に接触または浸漬させ、3分〜24時間、好ましくは3分〜3時間、より好ましくは5分〜60分間、加温または煮沸処理することにより得られる。
亜臨界水抽出処理とは、臨界点(水の臨界点は22MPa、374℃)より温度・圧力の低い条件における亜臨界状態にある溶媒を利用して行う抽出処理のことをいう。本発明の実施形態に係る亜臨界水抽出物は、水溶媒又は水とメタノール、酢酸などの親水性溶媒を混合した溶媒を亜臨界状態下におき、タケニグサ等の種子、葉、茎等の抽出対象物について、1分〜24時間、好ましくは1分〜60分間、より好ましくは3分〜10分間抽出処理することにより得られる。亜臨界条件としては圧力0.2MPa〜15MPa、温度100℃〜200℃が好ましい。
タケニグサやクサノオウ等のサンギナリンを含有する植物から、上記の方法により植物抽出物を得る際には、生体または乾燥体を植物材料として用いることができる。但し、乾燥が不十分であったり、乾燥後長期間放置しておくと、時としてカビやすくなり、抽出したサンギナリンの安定性が低下する場合が出てくると考えられており、実際の検証でも、採取後7日経過した時点で既に有意的な低下が確認されている。そのため、乾燥した場合でも早期に抽出処理に供することが好ましい。
また、上述のようにして得られた植物抽出物は、抽出溶媒中に抽出された液体状態で得られるが、この溶媒中に塩基又は酸を添加して中和処理を施してもよい。また、植物抽出物に対し、減圧濃縮法やゲル吸着法を利用して処理し、サンギナリン濃度を高めた液体としてもよい。さらに、スプレードライヤーや減圧乾燥機などを使用することによって、植物抽出物を粉末状に加工することもできる。また、粉末状に加工された抽出物を抽出溶媒とは別の溶媒に溶解させ、植物抽出物の取り扱いを容易にしたり、保存安定性を高めることも可能である。また、植物抽出物に含まれるサンギナリンの純度を高めたい場合には、イオン交換樹脂、シリカゲル、活性炭などによる吸着精製やカラムクロマトグラフィー、再結晶などにより精製を行い、高純度のサンギナリンを含む植物抽出物を得ることができる。
本発明の組成物は、上述のようにして得た植物抽出物をそのまま用いることができるが、有効成分であるサンギナリンの活性を失わず、施用する植物に対して悪い影響を及ぼさない範囲において、植物抽出物に二次的な処理を施したものを用いてもよい。また、植物抽出物のみならず、化学合成によって得たサンギナリンや微生物発酵によって得たサンギナリンを本発明の組成物に用いてもよい。また、本発明の組成物は、液体に限らず、慣用的な方法で、粉体、粒体、懸濁液等に加工してもよい。
本発明の組成物中における有効成分含量、すなわち、サンギナリンの含量は、特に限定されないが、本発明の組成物を希釈して使用できるような濃度とするため、サンギナリン含量が10ppm以上であることが好ましく、100ppm以上であることがより好ましい。また、本発明の組成物の1回あたりの施用量は、植物体の重量にもよるが、通常の食用植物の苗などに適用するのであれば、1植物体あたり、サンギナリン含量として0.001μg〜10mgが好ましく、0.005μg〜2mgがより好ましく、0.01μg〜0.5mgがさらに好ましい。このような低濃度の施用であっても、本発明の組成物は、保護すべき植物に対し、環境ストレス耐性を向上させることができる。なお、本発明の組成物の植物体に対する施用は、植物体の全栽培期間を通じて1回行うだけで、保護すべき植物に対し、十分に環境ストレス耐性を向上させることができるものであるが、環境ストレス耐性を十分に高めるために、複数回施用することも好ましい。
環境ストレスには、高温、乾燥、低温、多雨、紫外線、塩害又は病害虫などが含まれる。具体的には、高温ストレス耐性とは、夏期における酷暑に対する耐性をいい、乾燥ストレス耐性とは、一定の期間、水がない状態に対する耐性をいい、低温耐性とは、低温又は凍結に対する耐性をいう。また、環境ストレス耐性の向上とは、植物体の生育状況(植物体新鮮重量、伸長度合等)、外観から目視で評価される状態、又は障害程度平均等において、対照区の植物よりも良好な状態にあると判断されることをいう。また、環境ストレス耐性向上の対象となるのは、植物体全体に限定されず、花、葉、果実、茎又は根等の植物器官の少なくとも1つであってもよい。
上記のような環境ストレス耐性向上の対象となる保護すべき植物種としては、双子葉植物又は単子葉植物のいずれでもよく、特に限定されないが、例えば、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモなどのナス科植物、ニンジン、セロリ、ミシマサイコなどのセリ科植物、ビート、ホウレンソウなどのアカザ科植物、シュンギク、レタス、ゴボウ、ガーベラなどのキク科植物、ダイズ、エンドウ、カンゾウ、アルファルファ、スイートピーなどのマメ科植物、ネギ、タマネギ、ニンニク、チューリップなどのユリ科植物、イチゴ、バラ、リンゴ、モモ、ナシなどのバラ科植物、スイカ、メロン、キュウリなどのウリ科植物、サツマイモなどのヒルガオ科、チャ、ツバキなどのツバキ科植物、スギ、ヒノキなどのヒノキ科植物、ユーカリなどのフトモモ科植物、オリーブなどのモクセイ科植物、ウンシュウミカン、レモンなどのミカン科植物、ブドウなどのブドウ科植物、シソ、バジル、ミント、ローズマリー、セージなどのシソ科植物、イネ、トウモロコシ、シバ、ライグラス等のイネ科植物、コマツナ、チンゲンサイ、ブロッコリー、キャベツ等のアブラナ科植物、バナナ等のバショウ科植物、マンゴー等のウルシ科植物、パパイア科植物、その他の熱帯性植物などが挙げられる。
なお、本発明の組成物には、展着剤、界面活性剤、水溶性高分子、滑沢剤、酸化防止剤、防腐剤等を添加してもよい。また、殺菌や害虫作用を有するものを添加することで、相乗作用を狙ってもよい。このように、市場での取引状況や保存状況や使用状況に応じて、本発明の環境ストレス耐性向上用組成物は、サンギナリンを含有する植物抽出物又はサンギナリン単体のみを含有するだけでなく、サンギナリンとしての有効性を失わない範囲において、変更を加えることができる。
本発明の組成物の施用方法については、組成物が粉体又は粒体である場合には直接散布するか、水等の溶媒に溶解させ、所定濃度に希釈したのち散布、噴霧、注入又は灌水等によって施用することができる。また、本発明の組成物が液体又は懸濁液である場合には、直接散布するか、所定濃度に希釈して散布、噴霧、注入又は灌水等によって施用することができる。また、本発明の組成物の施用は、保護すべき植物の植物器官(花、葉、果実、茎又は根など)の少なくとも1つに対して行われるか、植物体の根元や土壌に対して行われる。
以下に記載する実施例に示すように、保護すべき植物が環境ストレスを受ける前に本発明の組成物を施用することにより、施用された植物は、環境ストレスを受けている間に植物体を維持し続け、又は環境ストレスを受けた後に急速に回復する効果を有する。このように、本発明の組成物を前もって植物に施用することのみで、環境ストレス耐性を向上させることができるため、保護すべき植物、特に農作物や園芸植物等を簡易な工程で環境ストレスから保護することができる。また、本発明の組成物を施用する時期については、保護すべき植物が環境ストレスを受けている間であってもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[タケニグサ抽出物の製造1]
夏から秋に結実し、成熟したタケニグサの莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。タケニグサの果実及びその中の種子にはサンギナリンが多く含まれている。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)200gを60℃に調温した5Lの希塩酸(0.1N)に浸漬させた。さらに、木製の棒で上から果実を押圧し、果実及び種子を圧縮させながら抽出を促した。その後60℃の温度保持を解除して、1時間放置した。放置後、直径60cmの濾紙で果実及び種子入りの希塩酸を濾過して濾液を回収し、タケニグサ果実及び種子の1回目の粗抽出液を得た。
生じた残渣を、再度、60℃に調温した5Lの希塩酸(0.1N)に浸漬させ、上記と同様に、木製の棒で上から果実及び種子の残渣を押圧し、果実及び種子を圧縮させながら抽出を促した。60℃の温度保持を解除して1時間放置し、直径60cmの濾紙で果実及び種子入りの希塩酸を濾過して濾液を回収し、タケニグサ果実及び種子の2回目の粗抽出液を得た。そして、1回目の粗抽出液と2回目の粗抽出液を合わせたものを、タケニグサ果実及び種子の粗抽出液とした。
次に、タケニグサ果実及び種子の粗抽出液の精製を行った。精製用の球状シリカゲル(ワコーゲル(登録商標)50C18、和光純薬工業株式会社製品)を95%エタノールで処理して活性化した後、アルコールを水で洗って置換した。このシリカゲルを漏斗に設置した濾紙上に一面に置き、濾過器具の準備を終了した。シリカゲルの上から、上記のタケニグサ果実及び種子の粗抽出液を流し込み、主な成分として、目的物質であるサンギナリンをシリカゲルに吸着させた。そして、このシリカゲルを水道水で洗浄した後、95%エタノールで吸着物を溶出させ、約700mLのタケニグサ果実及び種子の抽出液を得た。HPLCを用いて、得られた抽出液に含まれているサンギナリンの濃度を測定したところ、この抽出液には、タケニグサ果実及び種子由来のサンギナリンが約1,500ppm含まれていることが確認された。得られた抽出液を、以下「TGエキス」と記載する。以下の実施例3及び実施例5〜8では、この「TGエキス」を希釈し、種々の濃度にして各試験に使用した。
[タケニグサ抽出物の製造2]
タケニグサの成熟した莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)について、煮沸(温熱)抽出及び亜臨界水抽出を行った。溶媒としては、煮沸抽出及び亜臨界水抽出の両方共に、水10:メタノール9:酢酸1(体積比)で混合したものを500mL使用した。
煮沸抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、常圧下及び煮沸時間30分の条件で抽出処理を行った。
他方、亜臨界水抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、温度100℃、圧力3MPa及び処理時間5分の条件、温度のみを140℃に変更した条件、並びに、温度のみを180℃に変更した条件の計3つの抽出条件で抽出処理を行った。
得られた煮沸抽出液及び各亜臨界水抽出液中に含まれるサンギナリンの濃度をHPLC(UPLC(登録商標)、日本ウォーターズ社製品)を用いて測定した。結果を表1に示す。表1の各抽出処理に記載された数値は、HPLC測定において、各抽出液中に含まれるサンギナリンに相当する成分のピーク面積を示している。
Figure 2013151041
表1に示すように、サンギナリンのピーク面積が煮沸抽出処理では、400であるのに対し、亜臨界水抽出処理では1300〜1400であることが確認された。これにより、煮沸抽出に比べて、亜臨界水抽出では3倍以上の高い濃度でサンギナリンが抽出されており、高効率な抽出が実現できることがわかった。実施例1及び2の結果より、種々の抽出方法によって、タケニグサからサンギナリンを抽出できることが確認された。
[高温耐性の評価1:シロイヌナズナ]
シロイヌナズナの種子を培養土を入れたプラスチックポットに播種して栽培した。栽培環境条件は、室内で[16時間明所+8時間暗所]サイクル、温度23℃とした。実施例1で得られたTGエキス(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、2ppm、20ppm、200ppm及び0ppm(TGエキスなし、水のみ)になるように調整した各試験区用の試料液をそれぞれ作成し、栽培から25日経過したシロイヌナズナの葉部にスポイトで試料液をそれぞれ滴下した。滴下量は1植物体当り0.5mLとした。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、2ppmの試験区では0.001mgであり、20ppmの試験区は0.01mgであり、200ppmの試験区では0.1mgであった。滴下後、当初の栽培環境条件で2日間栽培を続行してから、室内温度を55℃に上げ、明所で1時間、55℃の高温暴露を行った。その後、当初の栽培環境条件に戻し、10日間栽培を続行した。なお、55℃での高温暴露を行わない以外は、上記と同様の栽培環境条件でシロイヌナズナを栽培すると共に、各試料液を滴下する試験を合わせて行った。また、各試験区及び対照区のサンプル数Nは4で行った。
図1に、55℃、1時間の高温暴露から10日間経過後に、各試験区(2ppm、20ppm及び200ppm)及び対照区(0ppm)のシロイヌナズナの植物体新鮮重量を測定した結果を示す。また、図2に、55℃、1時間の高温暴露から10日間経過後の試験区(20ppm)及び対照区のシロイヌズナの外観を示す。図1に示すシロイヌナズナの重量測定結果からは、試料液中のサンギナリンの濃度が2ppm、20ppm及び200ppmのいずれでも、対照区(0ppm)より相対的に成長が良好であることが確認された。
また、外観評価からも、試料液の含有サンギナリンの濃度が20ppmのものは、対照区(0ppm)よりも成長が明らかに良好であり、高温に対する環境ストレス耐性が向上していることが確認された。
[高温耐性の評価2:シロイヌナズナ]
実施例3におけるシロイヌナズナの高温耐性評価においては、実施例1で得たタケニグサの酸溶媒抽出液(TGエキス)を使用しているところ、サンギナリンの高純度試薬を使用した場合においても、実施例3のように、植物の高温に対する環境ストレス耐性が向上するか否かを試験した。
市販のサンギナリン試薬として塩化サンギナリン水和物(シグマ・アルドリッチ社製品、S5890-25MG)を入手し、サンギナリン濃度が、0.2ppm、2ppm及び20ppmになるように水に溶解させて、各試験区用の試料液をそれぞれ作成した。また、対照区用の試料液として、0.5%のDMSO水溶液を作成した。これらの試料液を用いて、以下の試験を行った。
シロイヌナズナの種子をHYPONEX(登録商標)1,000倍希釈液で飽和させたロックウールキューブに播種して栽培した。栽培環境条件は、[16時間明所+8時間暗所]サイクル、温度22℃とした。栽培から14日経過したシロイヌナズナの株元に、各種濃度に調整したサンギナリン水溶液からなる試料液及び対照区用の0.5%のDMSO水溶液をスポイトでそれぞれ滴下した。滴下量は1植物体当り100μLとした。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、0.2ppmの試験区では0.02μgであり、2ppmの試験区では0.2μgであり、20ppmの試験区では0.002mgであった。滴下後、当初の栽培環境条件で2日間栽培を続行してから、室内温度を35℃に上げて明所で1時間暴露し、さらに45℃に上げて暗所で2時間高温暴露を行った。その後、当初の栽培環境条件に戻し、4日間栽培を続行した。また、各試験区及び対照区のサンプル数Nは18(1栽培容器当り6植物体で試験、3栽培容器で実施)で行った。
図3に、35℃・1時間及び45℃・2時間の高温暴露から4日間経過後の各試験区(0.2ppm、2ppm及び20ppm)及び対照区(0.5%DMSO)のシロイヌナズナの外観を示す。
また、図4に、本実施例におけるシロイヌナズナの障害程度平均(%)を表わしたグラフを示す。この障害程度平均は、上記条件での高温暴露から4日間経過した後のシロイヌナズナの成長した本葉の状態を4段階(指数:3枯死、2一部枯死、1一部白化、0健全)で目視評価し、次式に代入して算出した。
障害程度=Σ(3×N3+2×N2+1×N1)/(3×全個体数)
N1〜N3:各指数の個体数
図3のシロイヌナズナの外観及び図4に示す障害程度平均(%)からは、サンギナリンの濃度が0.2ppm、2ppm及び20ppmのいずれの試験区においても、対照区(0.5%DMSO水溶液)より相対的に成長が良好であり、サンギナリン投与量が増えるほど、シロイヌナズナの障害程度平均も低下することが確認された。また、サンギナリン濃度が20ppmの試験区(1植物体あたりのサンギナリン投与量が0.002mg)では、障害程度平均が10%未満と顕著に低いことがわかった。これにより、実施例3で使用されたタケニグサの酸溶媒抽出液(TGエキス)と同様に、サンギナリンの高純度試薬を使用した場合においても、植物の高温に対する環境ストレス耐性が向上することが確認された。
[高温耐性の評価3:トマト]
実施例3〜4において、植物のモデル生物であるシロイヌナズナについて、サンギナリンの環境ストレス耐性向上効果が確認されたため、引き続き、その他の植物においても、同様の効果がみられるかを確認する試験を行った。被試験植物としては、食用植物であるトマトを選定した。
トマトの種子を育苗装置に播種して栽培した。栽培環境条件は、室内で[16時間明所+8時間暗所]サイクル、温度23℃とした。実施例1で得られたTGエキス(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、2ppm、20ppm及び0ppm(TGエキスなし、水のみ)になるように調整した各試験区用の試料液をそれぞれ作成した。そして、栽培から13日経過した子葉が展開したトマト苗の根元の培養土に対して各試料液をそれぞれ注入して施用した。施用量は、苗14本に対して200mL、すなわち、1植物体当たり約14mL施用した。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、2ppmの試験区では0.028mgであり、20ppmの試験区では0.28mgであった。施用後、当初の栽培環境条件で2週間経過した後、本葉1枚が展開し始めたトマト苗を培養装置に入れ、40℃の雰囲気下で1週間高温暴露させた。高温暴露中は1日1回培養液を補給した。また、各試験区及び対照区のサンプル数Nは14で行った。
図5に、1週間の40℃での高温暴露後の試験区(2ppm及び20ppm)と対照区(0ppm及び無施用)のトマト苗の外観を示す。これによれば、試料液の含有サンギナリンの濃度が2ppm、20ppmのものはいずれも、対照区(0ppm、無施用)よりも成長が明らかに良好であり、高温に対する環境ストレス耐性が向上していることが確認された。また、含有サンギナリンの濃度が2ppmよりも20ppmの試験区のトマト苗の方に健全な葉が多くみられ、サンギナリン投与量が増えるほど、トマト苗の環境ストレス耐性向上効果が高くなることが確認された。
[乾燥耐性の評価1:コマツナ]
コマツナの種子を培養土を入れたプラスチックポットに播種し、1ポットあたり3植物体で栽培した。栽培環境は、室内で[16時間明所+8時間暗所]サイクル、温度23℃とした。実施例1で得られたTGエキス(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppm、15ppm及び0ppm(TGエキスなし、水のみ)になるように調整した各試験区で用いる試料液をそれぞれ作成した。そして、栽培から14日経過したコマツナの根元に各試料液をそれぞれ撒布した。施用量は1ポット当り10mLとし、1植物体当りの施用量は3.3mLであった。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、1.5ppmの試験区では0.005mgであり、15ppmの試験区では0.05mgであった。撒布後、水を与えずに、14日間栽培を続行した。各試験区及び対照区のサンプル数Nは3で行った。
図6に、14日間水を与えずに乾燥条件下で栽培したコマツナの各試験区(1.5ppm及び15ppm)及び対照区(0ppm)の植物体新鮮重量を測定した結果を示す。図6に示すコマツナの重量測定結果からは、試料液の含有サンギナリンの濃度が1.5ppm及び15ppmのいずれでも、対照区(0ppm)より相対的に成長が良好であり、乾燥によく耐え、枯れずに2〜3倍程度の重量を保持することが確認された。このことから、サンギナリンを投与することにより、植物の乾燥に対する環境ストレス耐性が向上することがわかった。
[乾燥耐性の評価2:アルファルファ]
10cm口径のプラスチック鉢に、ピートバン(登録商標)を8割ほど入れ、そこに、アルファルファの種子(Medicago sativa L. ”TypeP” cultivar, Nakahara Saishujo, Fukuoka, Japan)を15粒播種した。先ず、室内にて、常温で新聞紙をかけて栽培を行った。栽培から4日目頃に発芽したので、室外にプラスチック鉢を移し、室外で栽培を行った。栽培開始から7日目に鉢ごとに間引きを行い、1鉢当り4植物体に仕立てた。実施例1で得られたTGエキス(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、0.015ppm、0.15ppm、1.5ppm、15ppm及び0ppm(TGエキスなし、水のみ)になるように調整した各試験区用の試料液をそれぞれ作成した。そして、栽培開始から9日経過したアルファルファの葉に対し、葉から5cmほど離れた位置から各試料液をそれぞれ噴霧した。噴霧量は1植物体当り0.73mLとした。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、0.015ppmの試験区では0.011μgであり、0.15ppmの試験区では0.11μgであり、1.5ppmの試験区では1.1μgであり、15ppmの試験区では0.011mgであった。噴霧処理の後、栽培10日目から25日目になるまで灌水を停止して乾燥条件下でアルファルファの栽培を行った。栽培から25日目に、鉢の下に受け皿を設置して十分に鉢を灌水させ、当初の栽培環境条件で、栽培開始から33日目まで栽培を続行した。栽培期間中は各鉢中の土壌(ピートバン;登録商標)中の水分含量をハンディー水分含量計で連続測定し、乾燥暴露の状態を確認した。また、各試験区及び対照区のサンプル数Nは4で行った。
図7は、栽培試験中の各鉢中の土壌飽和水分含量の変化を示している。栽培10日目に灌水を停止したのち、一定の速度で土壌中の水分含量が徐々に減少し、栽培20日目で土壌中の水分含量はほぼゼロになったことがわかった。この状態は再灌水を開始する栽培25日目まで続いた。よって、試験されたアルファルファは少なくとも5日間、厳酷な乾燥状態に暴露されていることが確認された。また、栽培25日目に再灌水させると、土壌中の水分含量は100%近くまで上昇した。
図8に乾燥暴露後の再灌水前(栽培25日目)のアルファルファの試験区(0.015ppm、0.15ppm、1.5ppm及び15ppm)と対照区(0ppm)の外観を示す。また、図9(a)〜(c)に乾燥暴露から7日間経過後(栽培33日目)の各試験区及び対照区のアルファルファの外観を示す。さらに、図10には、乾燥暴露から7日間経過後(栽培33日目)の、各試験区及び対照区のアルファルファの植物体新鮮重量を測定した結果を示す。
乾燥暴露後のアルファルファを観察したところ、図8に示すように、試験区及び対照区共に活力を失っており、しおれかかっていた。他方、乾燥暴露後1週間経過したアルファルファを観察したところ、図9(a)〜(c)に示すように、サンギナリンを含有するTGエキスを投与した試験区の植物体については、サンギナリン濃度によって程度の差はみられるものの、ほぼ回復し、葉色もよく、さらに成長することが確認された。しかしながら、対照区の植物体は回復することなく枯死した。さらに、図10に示すアルファルファの重量測定結果からは、試料液の含有サンギナリンの濃度が0.015ppm、0.15ppm、1.5ppm及び15ppmのいずれでも、対照区(0ppm)より相対的に成長が良好であり、含有サンギナリンの濃度が0.15ppmと低濃度であっても高い効果を示すことが確認された。これらの結果より、サンギナリンを投与することにより、植物の乾燥に対する環境ストレス耐性が向上することがわかった。
[乾燥耐性の評価3:チンゲンサイ]
10cm口径のプラスチック鉢に、ピートバン(登録商標)を8割ほど入れ、そこに、チンゲンサイの種子を12粒播種した。プラスチック鉢を室外に置いて栽培し、栽培7日目に鉢ごとに間引きを行い、1鉢当り4植物体に仕立てた。実施例1で得られたTGエキス(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、0.015ppm、0.15ppm、1.5ppm、15ppm及び0ppm(TGエキスなし、水のみ)になるように調整した各試験区用の試料液をそれぞれ作成した。そして、栽培開始から12日経過したチンゲンサイの葉に対し、葉から5cmほど離れた位置から各試料液をそれぞれ噴霧した。噴霧量は1植物体当り0.73mLとした。それゆえ、各試験区の1植物体当りに適用されたサンギナリン量は、0.015ppmの試験区では0.011μgであり、0.15ppmの試験区では0.11μgであり、1.5ppmの試験区では1.1μgであり、15ppmの試験区では0.011mgであった。噴霧処理の後、栽培12日目から26日目になるまで灌水を停止して乾燥条件下でチンゲンサイの栽培を行った。栽培から26日目に、鉢の下に受け皿を設置して十分に鉢を灌水させ、当初の栽培環境条件で、栽培開始から33日目まで栽培を続行した。また、各試験区のサンプル数Nは4、対照区のサンプル数Nは8で行った。
図11に乾燥暴露から7日間経過後(栽培33日目)の各試験区及び対照区のチンゲンサイの外観を示す。さらに、図12には、乾燥暴露から7日間経過後(栽培33日目)の、各試験区及び対照区のチンゲンサイの植物体新鮮重量を測定した結果を示す。
図11に示すように、サンギナリンを含有するTGエキスを投与した試験区の植物体については、サンギナリン濃度によって程度の差はみられるものの、ほぼ回復し、葉色もよく、さらに成長することが確認された。しかしながら、対照区の植物体は回復することなく枯死した。さらに、図12に示すチンゲンサイの重量測定結果からは、試料液の含有サンギナリンの濃度が0.015ppm、0.15ppm、1.5ppm及び15ppmのいずれでも、対照区(0ppm)より相対的に成長が良好であり、含有サンギナリンの濃度が0.15ppmと低濃度であっても高い効果を示すことが確認された。これらの結果より、サンギナリンを投与することにより、植物の乾燥に対する環境ストレス耐性が向上することがわかった。
本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できる。さらに安定した環境ストレス耐性向上効果を保護すべき植物に付与することができる。
本発明の植物の環境ストレス耐性向上用組成物は、上式で表わされる植物アルカロイドの一種であるサンギナリン(Sanguinarine)又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。本発明の組成物を植物に施用することにより、植物の環境ストレス耐性が強められ、干ばつや酷暑等といった過酷な環境下での植物の生育が可能となる。有効成分であるサンギナリン又はその塩は、数ppm〜数十ppmという低濃度かつ少量の施用で確実な効果を有するため、安定した環境ストレス耐性向上効果を植物に付与することができる。また、このサンギナリンは、非特許文献1において、ラットへの投与試験の結果、生理障害に関する各項目で特記すべき障害は出なかったことが報告されているように、高い安全性を有している。それゆえ、高い安全性を有し、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用することができる
サンギナリンは自然界において主にケシ科植物に含まれるベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドである。本明細書において、以下「サンギナリン」と記載するものには、サンギナリン又はその塩が含まれる。
タケニグサをはじめ、植物からサンギナリンを得る場合には、その植物由来物には、植物に含有されている他の成分が含まれていてもよい。一例として、タケニグサ由来物には、サンギナリンのほか、ケレリスリン(Chelerythrine)、ケリルビン(Chelirubine)、プロトピン(protopine)等、タケニグサに含まれているアルカロイド類が含まれていてもよい。このうち、ケレリスリンは、本発明の組成物の有効成分であるサンギナリンと同様、ベンゾフェナンスリジン骨格を有するアルカロイドであり、サンギナリンとほとんど共通した構造を有している。さらに、サンギナリンとケレリスリンとは、いずれもプロテインキナーゼC(PKC)アンタゴニスト活性、抗菌活性および抗真菌特性を有することが知られており、その機能や作用も共通する点が多い
環境ストレスには、高温、乾燥、低温、多雨、紫外線又は害などが含まれる。具体的には、高温ストレス耐性とは、夏期における酷暑に対する耐性をいい、乾燥ストレス耐性とは、一定の期間、水がない状態に対する耐性をいい、低温耐性とは、低温又は凍結に対する耐性をいう。また、環境ストレス耐性の向上とは、植物体の生育状況(植物体新鮮重量、伸長度合等)、外観から目視で評価される状態、又は障害程度平均等において、対照区の植物よりも良好な状態にあると判断されることをいう。また、環境ストレス耐性向上の対象となるのは、植物体全体に限定されず、花、葉、果実、茎又は根等の植物器官の少なくとも1つであってもよい。

Claims (7)

  1. 以下式(I):
    Figure 2013151041
    で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含むことを特徴とする植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  2. 前記環境ストレスが、高温ストレス、乾燥ストレス、又は高温ストレス及び乾燥ストレスであることを特徴とする請求項1に記載の植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  3. 前記有効成分が、前記サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物由来物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  4. 前記植物由来物が、タケニグサ由来物であることを特徴とする請求項3に記載の植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  5. 前記タケニグサ由来物が、タケニグサの種子由来物であることを特徴とする請求項4に記載の植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  6. 前記植物由来物が、前記サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物に対し、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理からなる群から選択される少なくとも1つの抽出処理により得られる抽出物であることを特徴とする請求項3に記載の植物の環境ストレス耐性向上用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を、植物が環境ストレスを受ける前に、前記植物又は土壌に施用する工程を備えることを特徴とする植物の環境ストレス耐性を向上させる方法。
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