JP5777132B1 - 植物生長促進剤及び植物の生長促進方法 - Google Patents
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Abstract
有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できると共に安定した効果を付与することのできる、植物生長促進剤を提供する。植物生長促進剤は、以下式(I):【化1】で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含む。
Description
本発明は、植物の生長を促し、単位面積あたりの収穫量を向上させることのできる植物生長促進剤及び植物の生長促進方法に関するものである。
農業や園芸の分野において、植物の生長を促進させて単位面積当たりの収穫量を向上させることは重要なテーマであり、それゆえ、様々な植物生長技術が研究されている。それら技術のうち、特別な設備等が必要なく、通常の作業工程に導入しやすいことから、植物の生長を促進させる作用を有する植物生長促進剤を植物体や土壌に施用する技術が注目されている。植物生長促進剤としては、各種微生物の培養液(特許文献1及び特許文献2)や動植物抽出物等といった生物資材を用いることが報告されている。
他方、ケシ科植物の一種であるタケニグサ(Macleaya cordata)やハナビシソウ(Eschscholzia californica)等には、サンギナリンをはじめとしたベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドが含まれることが知られている。近年、この植物アルカロイドに着目した研究が行われ、サンギナリン等には抗菌作用(特許文献3〜特許文献5)、抗腫瘍作用(特許文献6)、害虫防除作用(特許文献7及び特許文献8)といった作用のあることが報告されている。
Psotova et al. Safety assessment of sanguiritrin, alkaloid fraction of Macleaya cordata, in rats. Veterinarni Medicina, 51,2006(4):p145-155
しかしながら、特許文献1、2に記載の微生物培養液等の生物資材は、その有効成分が不明であるため、食用植物に適用するには安全面に問題があった。また、生物資材は生物原料から得られるため、その効果にばらつきがみられることがあった。
また、サンギナリン等のベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドは、特許文献3〜8に記載されたように、特定の作用を有するものの、サンギナリン等を植物の生長を促進させるために用いることは報告されていない。
従って本発明の目的は、有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できると共に安定した効果を付与することのできる、新たな植物生長促進剤を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、サンギナリン等のベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドの新たな生理活性作用及び用途を見出すことにある。
また、本発明の他の目的は、上述の植物生長促進剤を使用することによる、植物の生長促進方法を提供することにある。
本発明の植物生長促進剤は、上式で表わされる植物アルカロイドの一種であるサンギナリン(Sanguinarine)又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。本発明の植物生長促進剤を植物に施用することにより、植物の生長を促進させ、収穫量を向上させることができる。さらに、外観品質や味覚、その他健康上好ましい成分量が増加するため、品質を向上させることができる。有効成分であるサンギナリン又はその塩は、1mg/m2以下と低濃度かつ少量の施用で確実な効果を有するため、安定した植物生長促進効果を植物に付与することができる。また、このサンギナリンは、非特許文献1において、ラットへの投与試験の結果、生理障害に関する各項目で特記すべき障害は出なかったことが報告されているように、高い安全性を有している。それゆえ、高い安全性を有し、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用することができる。なお、本発明におけるサンギナリン又はその塩には、サンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。
また、本発明の植物生長促進剤の有効成分が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物由来物であることも好ましい。これにより、植物由来物中に含まれるサンギナリン又はその塩によって、対象とする植物の生長促進を図ることができる。また、天然物から本発明の生長促進剤の有効成分を得ることができるため、化学合成等の化学的手段に頼らずに本発明の植物生長促進剤を得ることができる。
また、この植物由来物が、タケニグサ由来物であることも好ましい。これにより、植物由来物として好適な植物材料が選択される。タケニグサ由来物中に含まれるサンギナリン又はその塩によって、対象とする植物の生長促進を図ることができる。
さらに、このタケニグサ由来物が、タケニグサの種子由来物であることも好ましい。これにより、タケニグサの植物器官のうち、有効成分が多く含まれる好適な器官が選択される。
また、植物由来物が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物に対し、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理からなる群から選択される少なくとも1つの抽出処理を施すことにより得られる抽出物であることも好ましい。これにより、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理といった簡易な処理により、効率よく、本発明の植物生長促進剤の有効成分を得ることができる。
さらに、本発明の植物の生長促進方法は、上述の植物生長促進剤を、植物体、土壌又は水耕栽培の培養液に施用する工程を備えている。植物生長促進剤を水や堆肥のように植物体や土壌、水耕栽培の培養液に施用することによって、簡単に対象となる植物に生長促進効果を付与することができる。
また、本発明の植物の生長促進方法において、植物生長促進剤を施用する植物体、土壌又は水耕栽培の培養液が、育苗中の植物体、育苗培土又は育苗時の培養液であることも好ましい。田畑への定植前の育苗期の植物体に対し、植物生長促進剤を施用することにより、対象となる植物に生長促進効果を十分に付与することができる。これにより、定植後への植物体への施用と比べ、植物生長促進剤の施用量を低減させることができるとともに、施用の手間もかからず、植物の生産コストを低減させることができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する植物生長促進剤を提供することができる。
(1)有効成分がサンギナリン又はその塩の少なくとも1種であるため、安全性が高く、低濃度で効果を発揮する。
(2)顕著な植物生長促進効果を有し、その効果が安定して得られる。
(3)収穫物の外観品質や味覚等の品質を向上させ、収穫物の価値を高めることができる。
(4)有効成分が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物から植物由来物として簡単に得ることができるため、化学合成等の化学的手段に頼らずに、安価に本発明の植物生長促進剤を得ることができる。
(1)有効成分がサンギナリン又はその塩の少なくとも1種であるため、安全性が高く、低濃度で効果を発揮する。
(2)顕著な植物生長促進効果を有し、その効果が安定して得られる。
(3)収穫物の外観品質や味覚等の品質を向上させ、収穫物の価値を高めることができる。
(4)有効成分が、サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物から植物由来物として簡単に得ることができるため、化学合成等の化学的手段に頼らずに、安価に本発明の植物生長促進剤を得ることができる。
本発明の植物生長促進剤は、有効成分として以下の式(I)
で表わされるサンギナリン又はその塩の少なくとも1種を有効成分として含んでいる。サンギナリンは自然界において主にケシ科植物に含まれるベンゾフェナンスリジン骨格をもつ植物アルカロイドである。さらに、本発明におけるサンギナリン又はその塩には、実質的にサンギナリンと同じ機能又は効果を有するサンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。本明細書において、以下「サンギナリン」と記載するものには、サンギナリン又はその塩が含まれるのはもちろん、サンギナリン誘導体又はその塩も含まれる。
本発明の植物生長促進剤に含まれるサンギナリンは、天然抽出物等の天然由来物、化学合成物、微生物発酵法による微生物由来物のいずれでもよいが、化学合成等の化学的手段に頼らずに本発明の生長促進剤を得ることができる観点から、天然由来物が好ましく、植物由来物であることがより好ましい。また、サンギナリン塩としては、特に限定されないが、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩又はリン酸塩等の無機酸塩、並びに酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩又は脂肪酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
サンギナリンは、ケシ科植物の一種であるタケニグサ(Macleaya cordata)、ハナビシソウ(Eschscholzia californica)、クサノオウ(Chelidonium majus)及びブラッドルート(Sangurinaria canadensis)等の植物体中に含まれている。それゆえ、このようなサンギナリン又はその塩を含有する植物から、本発明の生長促進剤の有効成分であるサンギナリンを抽出等することによって得ることができる。
このうち、タケニグサはケシ科の多年草で日当たりの良い草原、空地等によく見られ、このような場所に生息しているタケニグサはサンギナリンの含有量が多いとされている。従って、サンギナリンを天然物由来、すなわち、植物から得ようとする場合には、タケニグサから得ることが好ましい。また、タケニグサには、種子、葉部、茎部、果実及び根部のいずれの植物器官にもサンギナリンが含まれているが、種子における含有量が他の植物器官に比べて圧倒的に多い。従って、高効率である観点から、タケニグサの種子からサンギナリンを得ることが好ましい。なお、タケニグサの種子は莢付果実に入っているので、莢付果実をまず収穫し、莢付果実から取り出した種子を使用するか、莢付果実ごと使用することも好ましい。また、タケニグサは、自然環境下で放任栽培すると、年に2回(初夏及び晩秋)開花して莢付果実が得られるので、この手法で栽培すれば効率的に莢付果実を収穫することができる。
タケニグサをはじめ、植物からサンギナリンを得る場合には、その植物由来物には、植物に含有されている他の成分が含まれていてもよい。一例として、タケニグサ由来物には、サンギナリンのほか、ケレリスリン(Chelerythrine)、ケリルビン(Chelirubine)、プロトピン(protopine)等、タケニグサに含まれているアルカロイド類が含まれていてもよい。このうち、ケレリスリンは、本発明の生長促進剤の有効成分であるサンギナリンと同様、ベンゾフェナンスリジン骨格を有するアルカロイドであり、サンギナリンとほとんど共通した構造を有している。さらに、サンギナリンとケレリスリンとは、いずれもプロテインキナーゼC(PKC)アンタゴニスト活性、抗菌活性および抗真菌特性を有することが知られており、その機能や作用も共通する点が多い。そのため、ケレリスリンをサンギナリン誘導体として、本発明の生長促進剤の有効成分とすることもできる。
以下において、サンギナリンを含有する植物から、本発明の生長促進剤の有効成分であるサンギナリンを得る方法について説明する。サンギナリンが含まれる植物由来物には、植物体そのもの及び植物抽出物が含まれる。たとえば、植物体そのものとしては、サンギナリンを含む植物を乾燥させて破砕したもの、さらに、この乾燥破砕物を粉状、粒状、スラリー状又はペースト状にしたものが挙げられる。
他方、本発明に係る植物抽出物は、サンギナリンを含有する植物材料を抽出溶媒に浸漬又は接触させて抽出処理を行うことにより得られる。抽出処理は常圧下及び加圧下のいずれでも行うことができる。抽出温度は0℃〜150℃、好ましくは常温〜120℃の範囲であり、抽出時間は1分〜24時間、好ましくは1分〜3時間で抽出され得る。抽出に用いる溶媒は特に限定されないが、水、塩酸水溶液・硫酸水溶液・酢酸・水酸化ナトリウム水溶液等の酸塩基類、メタノール・エタノール・イソプロパノール・ポリエチレングリコール・グリセリン・ソルビトールなどのアルコール類、アセトン・ジメチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、トルエン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ヘキサン等及びこれらの混合物等が挙げられる。このうち、取り扱いの容易さ及び生長促進剤としての安全性から水、希塩酸や酢酸、アルコール類又はそれらの混合物が望ましい。抽出処理としては特に限定されないが、具体的には、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理、熱抽出処理、加圧抽出処理、加圧熱水抽出処理、ソックスレー抽出装置による抽出処理、超臨界抽出処理、超音波抽出処理、酵素分解による抽出処理などを適用することができる。
溶媒抽出処理とは、植物材料を上述のような適当な溶媒に浸漬し、一定時間放置することにより行う抽出処理のことをいう。処理温度としては、室温又は溶媒の沸点未満まで加温して処理することができる。また、浸漬の際に溶媒を撹拌したり、植物材料を加圧して抽出を促進させることも可能である。本発明の実施形態に係る溶媒抽出物は、タケニグサ等の種子、葉、茎等の抽出対象物を常温のエタノール溶液に10分〜24時間、好ましくは30分〜6時間、より好ましくは1時間〜3時間浸漬させることによって得られる。また、タケニグサ等の種子、葉、茎等の抽出対象物を50℃〜70℃に加温した希塩酸に10分〜24時間、好ましくは30分〜6時間、より好ましくは1時間〜3時間浸漬させることによっても得られる。
熱抽出処理とは50℃以上の含水溶媒を用いて行う抽出処理のことをいう。本発明の実施形態に係る熱抽出物は、タケニグサの等の種子、葉、茎等の抽出対象物を50℃以上の含水溶媒に接触または浸漬させ、3分〜24時間、好ましくは3分〜3時間、より好ましくは5分〜60分間、加温または煮沸処理することにより得られる。
亜臨界水抽出処理とは、臨界点(水の臨界点は22MPa、374℃)より温度・圧力の低い条件における亜臨界状態にある溶媒を利用して行う抽出処理のことをいう。本発明の実施形態に係る亜臨界水抽出物は、水溶媒又は水とメタノール、酢酸などの親水性溶媒を混合した溶媒を亜臨界状態下におき、タケニグサの等の種子、葉、茎等の抽出対象物について、1分〜24時間、好ましくは1分〜60分間、より好ましくは3分〜10分間抽出処理することにより得られる。亜臨界条件としては圧力0.2MPa〜15MPa、温度100℃〜200℃が好ましい。
タケニグサやクサノオウ等のサンギナリンを含有する植物から、上記の方法により植物抽出物を得る際には、生体または乾燥体を植物材料として用いることができる。但し、乾燥が不十分であったり、乾燥後長期間放置しておくと、時としてカビやすくなり、抽出したサンギナリンの安定性が低下する場合が出てくると考えられており、実際の検証でも、採取後7日経過した時点で既に有意的な低下が確認されている。そのため、乾燥した場合でも早期に抽出処理に供することが好ましい。
また、上述のようにして得られた植物抽出物は、抽出溶媒中に抽出された液体状態で得られるが、この溶媒中に塩基又は酸を添加して中和処理を施してもよい。また、植物抽出物に対し、減圧濃縮法やゲル吸着法を利用して処理し、サンギナリン濃度を高めた液体としてもよい。さらに、スプレードライヤーや減圧乾燥機などを使用することによって、植物抽出物を粉末状に加工することもできる。また、粉末状に加工された抽出物を抽出溶媒とは別の溶媒に溶解させ、植物抽出物の取り扱いを容易にしたり、保存安定性を高めることも可能である。また、植物抽出物に含まれるサンギナリンの純度を高めたい場合には、イオン交換樹脂、シリカゲル、活性炭などによる吸着精製やカラムクロマトグラフィー、再結晶などにより精製を行い、高純度のサンギナリンを含む植物抽出物を得ることができる。
本発明の植物生長促進剤は、上述のようにして得た植物抽出物をそのまま用いることができるが、有効成分であるサンギナリンの活性を失わず、施用する植物に対して悪い影響を及ぼさない範囲において、植物抽出物に二次的な処理を施したものを用いてもよい。また、植物抽出物のみならず、化学合成によって得たサンギナリンや微生物発酵によって得たサンギナリンを本発明の生長促進剤に用いてもよい。また、本発明の生長促進剤は、液体に限らず、慣用的な方法で、粉体、粒体、懸濁液等に加工されていてもよい。
本発明の生長促進剤中における有効成分含量、すなわち、サンギナリンの含量は、特に限定されないが、本発明の生長促進剤を希釈して使用できるような濃度とするため、サンギナリン含量が10ppm以上であることが好ましく、100ppm以上であることがより好ましい。また、本発明の生長促進剤の1回あたりの施用量は、植物体の重量にもよるが、通常の食用植物の苗や土壌などに適用するのであれば、散布面積1m2あたり、サンギナリン含量として0.001mg〜50mgが好ましく、0.005mg〜10mgがより好ましく、0.01mg〜5mgがさらに好ましい。他方、本発明の生長促進剤を水耕栽培の培養液に適用する場合には、上述した苗や土壌等に適用する場合に比べて成分流出がほとんどないことから、さらに効率よく施用することができる。具体的には、培養液中のサンギナリン含量を0.001ppm〜5ppmとすることが好ましく、0.01ppm〜1ppmとすることがより好ましく、0.02ppm〜0.5ppmとすることがさらに好ましい。また、水耕栽培植物に対し、上述した土耕栽培植物への適用と同様の方法で本発明の生長促進剤を施用することも可能である。このような低濃度の施用であっても、本発明の生長促進剤は、対象となる植物に対し、生長促進効果を十分に付与させ、品質の点においても向上させることができる。なお、本発明の生長促進剤の植物体に対する施用は、植物体の全栽培期間を通じて、早期に1回行うのみで、保護すべき植物に対し十分に生長促進効果を付与させることができるものであるが、効果を十分に高めるために、複数回施用することも可能である。
植物の生長には、草丈、地上部重量、根部重量、総重量、収穫物の重量、収穫物の大きさ、子実の個数又は子実の重量などが含まれる。また、植物の品質には、外観、味覚、その他機能性成分等に関連する内容が含まれる。植物の生長向上とは、植物体や作物の生育状況に関し、対照区の植物よりも良好な状態にあると判断されることをいう。同様に、植物の品質向上とは、植物体や作物の外観や味覚、その他機能性成分等に関し、対照区の植物よりも良好な状態にあると判断されることをいう。また、植物の生長向上の対象となるのは、植物体全体や作物に限定されず、花、葉、果実、茎又は根等の植物器官の少なくとも1つであってもよい。
上記のような生長促進効果付与の対象となる保護すべき植物種としては、双子葉植物又は単子葉植物のいずれでもよく、特に限定されないが、例えば、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモなどのナス科植物、ニンジン、セロリ、ミシマサイコなどのセリ科植物、ビート、ホウレンソウなどのアカザ科植物、リーフレタス、シュンギク、レタス、ゴボウ、ガーベラなどのキク科植物、ダイズ、エンドウ、カンゾウ、アルファルファ、スイートピーなどのマメ科植物、ネギ、タマネギ、ニンニク、チューリップなどのユリ科植物、イチゴ、バラ、リンゴ、モモ、ナシなどのバラ科植物、スイカ、メロン、キュウリなどのウリ科植物、サツマイモなどのヒルガオ科、チャ、ツバキなどのツバキ科植物、スギ、ヒノキなどのヒノキ科植物、ユーカリなどのフトモモ科植物、オリーブなどのモクセイ科植物、ウンシュウミカン、レモンなどのミカン科植物、ブドウなどのブドウ科植物、シソ、バジル、ミント、ローズマリー、セージなどのシソ科植物、イネ、トウモロコシ、シバ、麦類、ライグラス等のイネ科植物、コマツナ、チンゲンサイ、ブロッコリー、キャベツ等のアブラナ科植物、バナナ等のバショウ科植物、マンゴー等のウルシ科植物、パパイア科植物、その他の熱帯性植物などが挙げられる。
なお、本発明の生長促進剤には、展着剤、界面活性剤、水溶性高分子、滑沢剤、酸化防止剤、防腐剤等を添加してもよい。また、殺菌や害虫作用を有するものを添加することで、相乗作用を狙ってもよい。このように、市場での取引状況や保存状況や使用状況に応じて、本発明の植物生長促進剤は、サンギナリンを含有する植物抽出物又はサンギナリン単体のみを含有するだけでなく、サンギナリンとしての有効性を失わない範囲において、変更を加えることができる。
本発明の生長促進剤の施用方法については、生長促進剤が粉体又は粒体である場合には直接散布するか、水等の溶媒に溶解させ、所定濃度に希釈したのち散布、噴霧、注入又は灌水等によって施用することができる。また、本発明の生長促進剤が液体又は懸濁液である場合には、直接散布するか、所定濃度に希釈して散布、噴霧、注入又は灌水等によって施用することができる。また、本発明の生長促進剤の施用は、植物体の根元や土壌、水耕栽培の培養液等に対して行われるか、保護すべき植物の植物器官(花、葉、果実、茎又は根など)の少なくとも1つに対して行われる。
以下に記載する実施例に示すように、植物体やその子実の収穫前の段階において、本発明の生長促進剤を施用することにより、施用された植物およびその子実に生長促進効果を付与する。このように、本発明の生長促進剤を施用することのみで、生長促進効果を付与することができるため、簡易な工程で植物体やその子実の収穫量を向上させることができる。また、本発明の生長促進剤を施用する時期については、植物体の栽培期間の早期の段階、たとえば育苗期間中などが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[タケニグサ抽出物の製造1]
夏から秋に結実し、成熟したタケニグサの莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。タケニグサの果実及びその中の種子にはサンギナリンが多く含まれている。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)200gを60℃に調温した5Lの希塩酸(0.1N)に浸漬させた。さらに、木製の棒で上から果実を押圧し、果実及び種子を圧縮させながら抽出を促した。その後60℃の温度保持を解除して、1時間放置した。放置後、直径60cmの濾紙で果実及び種子入りの希塩酸を濾過して濾液を回収し、タケニグサ果実及び種子の1回目の粗抽出液を得た。
夏から秋に結実し、成熟したタケニグサの莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。タケニグサの果実及びその中の種子にはサンギナリンが多く含まれている。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)200gを60℃に調温した5Lの希塩酸(0.1N)に浸漬させた。さらに、木製の棒で上から果実を押圧し、果実及び種子を圧縮させながら抽出を促した。その後60℃の温度保持を解除して、1時間放置した。放置後、直径60cmの濾紙で果実及び種子入りの希塩酸を濾過して濾液を回収し、タケニグサ果実及び種子の1回目の粗抽出液を得た。
生じた残渣を、再度、60℃に調温した5Lの希塩酸(0.1N)に浸漬させ、上記と同様に、木製の棒で上から果実及び種子の残渣を押圧し、果実及び種子を圧縮させながら抽出を促した。60℃の温度保持を解除して1時間放置し、直径60cmの濾紙で果実及び種子入りの希塩酸を濾過して濾液を回収し、タケニグサ果実及び種子の2回目の粗抽出液を得た。そして、1回目の粗抽出液と2回目の粗抽出液を合わせたものを、タケニグサ果実及び種子の粗抽出液とした。
次に、タケニグサ果実及び種子の粗抽出液の精製を行った。精製用の球状シリカゲル(ワコーゲル(登録商標)50C18、和光純薬工業株式会社製品)を95%エタノールで処理して活性化した後、アルコールを水で洗って置換した。このシリカゲルを漏斗に設置した濾紙上に一面に置き、濾過器具の準備を終了した。シリカゲルの上から、上記のタケニグサ果実及び種子の粗抽出液を流し込み、主な成分として、目的物質であるサンギナリンをシリカゲルに吸着させた。そして、このシリカゲルを水道水で洗浄した後、95%エタノールで吸着物を溶出させ、約700mLのタケニグサ果実及び種子の抽出液を得た。HPLCを用いて、得られた抽出液に含まれているサンギナリンの濃度を測定したところ、この抽出液には、タケニグサ果実及び種子由来のサンギナリンが約1,500ppm含まれていることが確認された。得られた抽出液を、以下「希塩酸抽出液」と記載する。以下の実施例4〜15では、この「希塩酸抽出液」を希釈して各試験に使用した。
[タケニグサ抽出物の製造2]
タケニグサの成熟した莢付果実を乾燥させ、粉砕させた。この粉砕品97gをビーカーにとり、40%エタノール溶液1000mLに浸漬させた。常温で約2時間放置し、時折ビーカー内の溶液を撹拌して抽出を促した。放置後、濾紙(NO.2,東洋濾紙株式会社製)で濾過して約820mLの濾液を回収した。HPLCを用いて、得られた濾液、すなわちエタノール抽出液に含まれているサンギナリンの濃度を測定したところ、この抽出液には、タケニグサ果実及び種子由来のサンギナリンが約1,000ppm含まれていることが確認された。得られた抽出液を、以下「エタノール抽出液」と記載する。以下の実施例16〜18では、この「エタノール抽出液」を希釈して各試験に使用した。
タケニグサの成熟した莢付果実を乾燥させ、粉砕させた。この粉砕品97gをビーカーにとり、40%エタノール溶液1000mLに浸漬させた。常温で約2時間放置し、時折ビーカー内の溶液を撹拌して抽出を促した。放置後、濾紙(NO.2,東洋濾紙株式会社製)で濾過して約820mLの濾液を回収した。HPLCを用いて、得られた濾液、すなわちエタノール抽出液に含まれているサンギナリンの濃度を測定したところ、この抽出液には、タケニグサ果実及び種子由来のサンギナリンが約1,000ppm含まれていることが確認された。得られた抽出液を、以下「エタノール抽出液」と記載する。以下の実施例16〜18では、この「エタノール抽出液」を希釈して各試験に使用した。
[タケニグサ抽出物の製造3]
タケニグサの成熟した莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)について、煮沸(温熱)抽出及び亜臨界水抽出を行った。溶媒としては、煮沸抽出及び亜臨界水抽出の両方共に、水10:メタノール9:酢酸1(体積比)で混合したものを500mL使用した。煮沸抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、常圧下及び煮沸時間30分の条件で抽出処理を行った。他方、亜臨界水抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、温度100℃、圧力3MPa及び処理時間5分の条件、温度のみを140℃に変更した条件、並びに、温度のみを180℃に変更した条件の計3つの抽出条件で抽出処理を行った。
タケニグサの成熟した莢付果実1kgを集め、一晩風通しの良い場所において自然乾燥させた。そして、翌日に莢付果実(中に種子を含む)について、煮沸(温熱)抽出及び亜臨界水抽出を行った。溶媒としては、煮沸抽出及び亜臨界水抽出の両方共に、水10:メタノール9:酢酸1(体積比)で混合したものを500mL使用した。煮沸抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、常圧下及び煮沸時間30分の条件で抽出処理を行った。他方、亜臨界水抽出は、果実(中に種子を含む)20gについて、温度100℃、圧力3MPa及び処理時間5分の条件、温度のみを140℃に変更した条件、並びに、温度のみを180℃に変更した条件の計3つの抽出条件で抽出処理を行った。
得られた煮沸抽出液及び各亜臨界水抽出液中に含まれるサンギナリンの濃度をHPLC(UPLC(登録商標)、日本ウォーターズ社製品)(UPLC)を用いて測定した。結果を表1に示す。表1の各抽出処理に記載された数値は、HPLC測定において、各抽出液中に含まれるサンギナリンに相当する成分のピーク面積を示している。
表1に示すように、サンギナリンのピーク面積が煮沸抽出処理では、400であるのに対し、亜臨界水抽出処理では1300〜1400であることが確認された。これにより、煮沸抽出に比べて、亜臨界水抽出では3倍以上の高い濃度でサンギナリンが抽出されており、高効率な抽出が実現できることがわかった。実施例1〜3の結果より、種々の抽出方法によって、タケニグサからサンギナリンを抽出できることが確認された。
[生長促進効果の評価1:トマト(ナス科)]
トマト(品種:桃太郎)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3−4.5−3kg/10a、追肥も同様にN−P−K=3−4.5−3kg/10aを栽培期間中に10回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にトマト果実を収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でトマトを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
トマト(品種:桃太郎)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3−4.5−3kg/10a、追肥も同様にN−P−K=3−4.5−3kg/10aを栽培期間中に10回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にトマト果実を収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でトマトを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表2に、対照区及び試験区の各果房のトマト果実の果数と果重及び、植物体の草丈と地上部重を測定した結果を示す。また、表3に、対照区及び試験区の各果房のトマト果実中に含まれる糖度、硝酸及びビタミンCの濃度を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表2に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のトマトの方が、対照区のトマトよりも収穫量及び茎・葉の生長が良好であることが確認された。さらに、表3に示すように、抽出液を添加した試験区のトマト果実の方が、対照区のトマト果実よりも、糖度に優れると共に硝酸濃度が略半分と低く、味品質に優れることが示された。一般的にトマト果実中に含まれる硝酸は、摂食後に体内において健康被害をもたらす可能性があるため、硝酸濃度の低いものが好ましいとされている。本実施例においては、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、硝酸濃度を著しく低減させた安全性の高いトマト果実が得られることがわかった。また、試験区では、果実に含まれるビタミンC濃度も高く、健康に関する機能にも秀でたトマト果実が得られることが確認された。このように、サンギナリンを含む抽出液を植物体に灌注処理することにより、果実の収穫量が増え、茎・葉の生長も促進されると共に、味覚や安全性等の品質においても優れる果実が得られることが確認された。
[生長促進効果の評価2:キュウリ(ウリ科)]
キュウリ(品種:北進)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=8−12−8kg/10a、追肥も同様にN−P−K=3−4.5−3kg/10aを栽培期間中に10回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から11日目、26日目、31日目及び47日目に計4回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から31日目〜54日目の期間内に12回に分けてキュウリ果実を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキュウリを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
キュウリ(品種:北進)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=8−12−8kg/10a、追肥も同様にN−P−K=3−4.5−3kg/10aを栽培期間中に10回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から11日目、26日目、31日目及び47日目に計4回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から31日目〜54日目の期間内に12回に分けてキュウリ果実を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキュウリを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表4に、対照区及び試験区のキュウリ果実の果数、総果重及び1果あたりの果重、植物体の草丈と地上部重を測定した結果を示す。また、表5に、対照区及び試験区のキュウリ果実の平均糖度及びキュウリ果実の外観品質を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表4に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のキュウリの方が、対照区のキュウリよりも収穫量及び茎・葉の生長が良好であることが確認された。さらに、表5に示すように、抽出液を添加した試験区のキュウリ果実の方が、対照区のキュウリ果実よりも、糖度に優れており、美味であることが示された。また、対照区では真っ直ぐな形状である正常果が収穫できず、曲がり果、先細果及びくびれ果等の異常果のみが収穫されたが、試験区では、正常果が収穫果の略半分近くを占め、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、外観においても優れた品質のキュウリ果実が得られることが示された。
[生長促進効果の評価3:スイートコーン(イネ科)]
スイートコーン(品種:ゴールドラッシュ)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥をN−P−K=26−39−26kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目、及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から68日目にコーン子実を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキュウリを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
スイートコーン(品種:ゴールドラッシュ)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥をN−P−K=26−39−26kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目、及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から68日目にコーン子実を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキュウリを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表6に、対照区及び試験区のコーン子実の果数、果重、植物体の草丈、止葉長及び地上部重を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表6に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のコーンの方が、対照区のコーンよりも収穫量及び茎・葉の生長が良好であることが確認された。特に、試験区におけるコーン果重は、対照区と比べて180%と2倍近い値を示し、顕著な収穫量向上効果のあることが示された。
[生長促進効果の評価4:大豆(マメ科)]
大豆(品種:ふさみどり)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥0.5t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=4−6−4kg/10a、追肥はN−P−K=6−9−6kg/10aを栽培期間中に1回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から68日目に大豆を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件で大豆を栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
大豆(品種:ふさみどり)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥0.5t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=4−6−4kg/10a、追肥はN−P−K=6−9−6kg/10aを栽培期間中に1回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から68日目に大豆を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件で大豆を栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表7に、対照区及び試験区の収穫された大豆莢数、1莢数(莢中の豆の数が1個のもの)、2莢数(莢中の豆の数が2個のもの)、3莢数(莢中の豆の数が3個のもの)、莢重及び植物体の草丈と地上部重を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表7に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区の大豆の方が、対照区の大豆よりも収穫量及び茎・葉の生長が良好であることが確認された。特に、試験区における大豆の莢数は対照区の大豆の莢数より若干少ないものの、3莢数(莢中の豆の数が3個のもの)の数では2倍となっており、顕著な収穫量向上効果のあることが示された。
[生長促進効果の評価5:バレイショ(ナス科)]
バレイショ(品種:男爵)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して室外にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=18−26−20kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室外日最高温度は30〜35℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、定植から88日目に抽出液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行った。その後、定植から104日目に大豆を収穫した。また、同様の条件で緑肥鋤き込み処理を施した土壌での試験を行った。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でバレイショを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
バレイショ(品種:男爵)の苗を準備し、25Lプランタに苗を2株定植して室外にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=18−26−20kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室外日最高温度は30〜35℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、定植から88日目に抽出液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行った。その後、定植から104日目に大豆を収穫した。また、同様の条件で緑肥鋤き込み処理を施した土壌での試験を行った。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でバレイショを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表8に、対照区及び試験区の収穫されたジャガイモの個数及び重量を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表8に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のバレイショの方が、対照区のバレイショよりも収穫量が増大したことが確認された。また、対照区の緑肥鋤き込みありの結果と、試験区の緑肥鋤き込みなしの結果を比較すると、緑肥鋤き込みにより効果よりも、抽出液を添加することによる効果の方が高いことが示された。
[生長促進効果の評価6:キャベツ(アブラナ科)]
キャベツ(品種:金春)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥3t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=16−24−6kg/10a、追肥はN−P−K=8−12−8kg/10aを栽培期間中に2回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にキャベツを収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキャベツを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
キャベツ(品種:金春)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥3t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=16−24−6kg/10a、追肥はN−P−K=8−12−8kg/10aを栽培期間中に2回施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にキャベツを収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でキャベツを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表9に、対照区及び試験区のキャベツの全重量と調整重量を測定した結果を示す。なお、調整重量とはキャベツを出荷するために調整した後の重量である。また、試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表9に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のキャベツの方が、対照区のキャベツよりも重量が大きく、収穫量に優れることが確認された。また、対照区のキャベツには抽台がみられたが、試験区のキャベツにはみられなかった。このように、サンギナリンを含有する抽出液を植物体に灌注処理することにより、収穫量が増えると共に抽台も抑制することができ、品質においても優れる収穫物が得られることが確認された。
[生長促進効果の評価7:リーフレタス(キク科)]
リーフレタス(品種:レッドファイヤー)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=20−30−20kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にリーフレタスを収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でリーフレタスを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
リーフレタス(品種:レッドファイヤー)の苗を準備し、18Lプランタに苗を2株定植して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥2t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=20−30−20kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から14日目、28日目及び61日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。定植から70日目にリーフレタスを収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でリーフレタスを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表10に、対照区及び試験区のリーフレタスの全重量と調整重量を測定した結果を示す。なお、調整重量とはリーフレタスを出荷するために調整した後の重量である。また、試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表10に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のリーフレタスの方が、対照区のリーフレタスよりも収穫量に優れることが確認された。また、対照区のリーフレタスには抽台及び心葉に石灰欠乏症がみられたが、試験区のリーフレタスにはみられなかった。このように、サンギナリンを含有する抽出液を植物体に灌注処理することにより、収穫量が増えると共に抽台や石灰欠乏症も抑制することができ、品質においても優れる収穫物が得られることが確認された。
[生長促進効果の評価8:水稲(イネ科)]
水稲(品種:あいちのかおり)の苗を準備し、ワグネルポット1/2000aに田植して温室内にて栽培した。供与土壌は灰色低地土を用い、堆肥は使用せず、土改良材として苦土石灰60kg/10aを施用した。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3−1−2kg/10aとし、穂肥はN−P−K=2−0.5−1kg/10aを施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、田植から6日目、42日目及び83日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。田植から135日目に稲穂を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件で水稲を栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
水稲(品種:あいちのかおり)の苗を準備し、ワグネルポット1/2000aに田植して温室内にて栽培した。供与土壌は灰色低地土を用い、堆肥は使用せず、土改良材として苦土石灰60kg/10aを施用した。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3−1−2kg/10aとし、穂肥はN−P−K=2−0.5−1kg/10aを施用した。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜45℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、田植から6日目、42日目及び83日目に計3回の灌注処理を行い、使用液量はそれぞれ0.5L/m2とした。田植から135日目に稲穂を収穫した。なお、抽出液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件で水稲を栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表11に、対照区及び試験区の水稲の収穫量と株の重量を測定した結果を示す。試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表11に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区のイネの方が、対照区のイネよりも収穫量及び植物体の生長に優れることが確認された。また、試験区のイネの方が対照区のイネと比べて屑米の割合が低く、収穫物の品質においても優れる収穫物が得られることが確認された。
[処理方法の検討1]
コマツナ(アブラナ科、品種:わかみ)の種を準備し、4Lプランタに種を5粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=6−9−6kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種時に抽出液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から56日目にコマツナを収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を播種時ではなく、播種から9日目(試験区2)、播種から17日目(試験区3)、播種から9日目及び17日目の2回(試験区4)及び抽出液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った。
コマツナ(アブラナ科、品種:わかみ)の種を準備し、4Lプランタに種を5粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=6−9−6kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種時に抽出液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から56日目にコマツナを収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を播種時ではなく、播種から9日目(試験区2)、播種から17日目(試験区3)、播種から9日目及び17日目の2回(試験区4)及び抽出液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った。
表12に、対照区及び試験区1〜4の収穫されたコマツナの草丈、地上部重量及び根重量を測定した結果を示す。各試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表12に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区1〜4のコマツナの方が、対照区のコマツナよりも収穫量及び植物体の生長が良好であることが確認された。また、試験区1〜4の結果によれば、播種時の1回の添加処理のみで十分な生長効果を付与できることがわかった。このように、サンギナリンを含有する抽出液を栽培時期の早期に灌注処理することのみで、植物体の生長が促進され、収穫量も増大する効果を付与できることが示された。
[処理方法の検討2]
ホウレンソウ(アカザ科、品種:おかめ)の種を準備し、6Lプランタに種を5粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=6−9−6kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種時に試料液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から56日目にホウレンソウを収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を播種時ではなく、播種から9日目(試験区2)、播種から17日目(試験区3)、播種から9日目及び17日目の2回(試験区4)及び試料液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件でホウレンソウを栽培する試験を行った。
ホウレンソウ(アカザ科、品種:おかめ)の種を準備し、6Lプランタに種を5粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥としてバーク堆肥1t/10a、土改良材として苦土石灰150kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=6−9−6kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は30〜40℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種時に試料液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から56日目にホウレンソウを収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を播種時ではなく、播種から9日目(試験区2)、播種から17日目(試験区3)、播種から9日目及び17日目の2回(試験区4)及び試料液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件でホウレンソウを栽培する試験を行った。
表13に、対照区及び試験区1〜4の収穫されたホウレンソウの草丈及び地上部重量を測定した結果を示す。各試験区における括弧内の数値は、対照区の数値に対する割合を示している。
表13に示す測定結果からは、サンギナリンを含有する抽出液を添加した試験区1〜4のホウレンソウの方が、対照区のホウレンソウよりも収穫量及び植物体の生長が良好であることが確認された。また、試験区1〜4の結果によれば、栽培早期に添加処理することにより効果が高くなり、播種時又は播種から早い時期の1回の添加処理のみで十分な生長効果を付与できることがわかった。このように、サンギナリンを含有する抽出液を栽培時期の早期に灌注処理することのみで、植物体の生長が促進され、収穫量も増大する効果を付与できることが示された。
[処理方法の検討3]
コマツナ(アブラナ科、品種:わかみ)の種を準備し、500mLのノイバイエルポットに種を20粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥及び土改良材は使用しなかった。施肥条件としては、元肥はN−P−K=7−7−7kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は20〜30℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種から7日後に試料液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から48日目にコマツナを収穫した(試験区1)。また、含有サンギナリン濃度を1.5ppmに調整した試料液(試験区2)、含有サンギナリン濃度を2ppmに調整した試料液(試験区3)、含有サンギナリン濃度を2.5ppmに調整した試料液(試験区4)を用いた以外は、上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った。さらに、試料液を添加処理せずに上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った(対照区)。
コマツナ(アブラナ科、品種:わかみ)の種を準備し、500mLのノイバイエルポットに種を20粒播種して温室内にて栽培した。供与土壌は淡色黒ボク土を用い、堆肥及び土改良材は使用しなかった。施肥条件としては、元肥はN−P−K=7−7−7kg/10aとし、追肥は行わなかった。栽培環境条件としては、栽培期間中の室内日最高温度は20〜30℃であり、土壌表面が乾燥する度に灌水を行った。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用い、播種から7日後に試料液の使用量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、播種から48日目にコマツナを収穫した(試験区1)。また、含有サンギナリン濃度を1.5ppmに調整した試料液(試験区2)、含有サンギナリン濃度を2ppmに調整した試料液(試験区3)、含有サンギナリン濃度を2.5ppmに調整した試料液(試験区4)を用いた以外は、上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った。さらに、試料液を添加処理せずに上記と同様の条件でコマツナを栽培する試験を行った(対照区)。
表14に、対照区の数値に対する試験区1〜4のコマツナの草丈、地上部重量及び根重量の割合(%)及び発芽率(%)を示す。
表14に示す結果からは、いずれの試験区においても、対照区のものよりも生長が良好であった。また、試料液中のサンギナリン濃度についてみると、1ppmから生長促進効果を付与することができており、低濃度の施用で効果を植物体に効果を付与できることがわかった。本実施例及び上述の実施例の結果より、栽培時期の早期に低濃度のサンギナリンを植物体に施用するのみで、植物の生長を促進させ、収穫量を向上させることができることがわかった。それゆえ、定植前のポット苗などに施用することができるため、定植後の田畑に施用するよりも、サンギナリンを含有する植物生長促進剤の使用量が少なくて済むと共に、施用の手間もかからず、低コストかつ簡易に植物に生長促進効果を付与することができる。
[現地試験における生長促進効果の評価1:水稲]
水稲(品種:こしひかり)の苗を準備し、静岡県御殿場市の試験圃場50m2に田植して栽培を行った。土壌は灰色低地土であり、堆肥は使用せず、土改良材としてケイカル120kg/10aを施用した。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3.5−9−4kg/10aとし、穂肥は、田植から80日目にN−P−K=3−0−3kg/10aを、田植から90日目にN−P−K=1−0−1kg/10aを施用した。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、試験圃場の一部に田植から89日目に試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、田植から138日目に稲穂を収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を田植から108日目(試験区2)、及び試料液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件で水稲を栽培する試験を行った。
水稲(品種:こしひかり)の苗を準備し、静岡県御殿場市の試験圃場50m2に田植して栽培を行った。土壌は灰色低地土であり、堆肥は使用せず、土改良材としてケイカル120kg/10aを施用した。施肥条件としては、元肥はN−P−K=3.5−9−4kg/10aとし、穂肥は、田植から80日目にN−P−K=3−0−3kg/10aを、田植から90日目にN−P−K=1−0−1kg/10aを施用した。実施例1で得られた希塩酸抽出液(含有サンギナリン濃度:約1500ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.5ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、試験圃場の一部に田植から89日目に試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、田植から138日目に稲穂を収穫した(試験区1)。また、試料液の灌注処理を田植から108日目(試験区2)、及び試料液の灌注処理なし(対照区)とした以外は、上記と同様の条件で水稲を栽培する試験を行った。
表15に、対照区の数値に対する試験区1〜2の水稲の収穫量と株の重量の割合(%)を算出した結果を示す。また、表16に、対照区及び試験区1〜2の収穫した米の食味分析結果を、表17に穀粒判別結果を示す。
表15に示す測定結果より、現地試験においても温室での試験同様に、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、収穫量及び植物体の生長に優れることが確認された。また、屑米量が低減することから、上述の実施例で示されたように、植物体への添加処理時期は栽培早期が好ましいことがわかった。さらに、コメの食味目標値は、蛋白質6.8%以下、アミロース20%以下、脂肪酸20mg以下、食味値80以上であるところ、表16に示されるように、食味分析値は対照区よりも試験区の方が優れ、味覚品質においても試験区の方が優れた品質を示すことが確認された。また、収穫されたコメを穀粒判別機(株式会社サタケ製品)にかけて分析したところ、表17に示されるように、対照区よりも試験区の方が整粒米が多く、乳白米や未熟米等の不完全米が減少しており、外観品質においても優れていることが確認された。なお、これらの食味品質及び外観品質においても、試験区1の方が試験区2よりも良好な値を示していることから、品質を向上させる目的においても、植物体の処理時期は栽培早期が好ましいことがわかった。
[現地試験における生長促進効果の評価2:チンゲンサイ]
チンゲンサイ(品種:夏あおい)の苗を準備し、静岡県御前崎市の試験圃場20m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ150kg/10a及びケイ酸加里50kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=10−10−28kg/10aを用い、追肥は使用しなかった。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植前日の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から31日目に1作目のチンゲンサイを収穫した(試験区1)。また、上記と同様にして、2作目のチンゲンサイ(試験区2)、3作目のチンゲンサイ(試験区3)を収穫した。また、各試験区に対応する対照区として、試料液を添加処理せずにチンゲンサイを栽培する試験を行った(対照区1〜3)。
チンゲンサイ(品種:夏あおい)の苗を準備し、静岡県御前崎市の試験圃場20m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ150kg/10a及びケイ酸加里50kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=10−10−28kg/10aを用い、追肥は使用しなかった。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植前日の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から31日目に1作目のチンゲンサイを収穫した(試験区1)。また、上記と同様にして、2作目のチンゲンサイ(試験区2)、3作目のチンゲンサイ(試験区3)を収穫した。また、各試験区に対応する対照区として、試料液を添加処理せずにチンゲンサイを栽培する試験を行った(対照区1〜3)。
表18に、各対照区及び各試験区の草丈、全重量及び調整重の測定結果を示す。また、対照区3及び試験区3については、チンゲンサイ中に含まれる硝酸濃度の測定結果を示す。なお、調整重とはチンゲンサイを出荷するために調整した後の重量である。また、各試験区における括弧内の数値は、対応する対照区の数値に対する割合を示している。
表18に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、収穫量及び植物体の生長に優れることが確認された。また、対照区と比べ、試験区の植物体内の硝酸量は、著しく低減されており、味覚及び安全性に関する品質も向上することが示された。
[現地試験における生長促進効果の評価3:ハネギ]
ハネギ(品種:金山寺)の苗を準備し、静岡県静岡市内の試験圃場25m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ100kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=14−7−7kg/10aを用い、穂肥としてN−P−K=6−3−3kg/10aを施用した。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から19日目の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から44日目にハネギを収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でハネギを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
ハネギ(品種:金山寺)の苗を準備し、静岡県静岡市内の試験圃場25m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ100kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=14−7−7kg/10aを用い、穂肥としてN−P−K=6−3−3kg/10aを施用した。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から19日目の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から44日目にハネギを収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でハネギを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表19に、各対照区及び各試験区の草丈、全重量及び調整重の測定結果を示す。また、品質を評価する項目として、収穫されたハネギの先端枯死の有無、ハネギ中のビタミンC濃度の測定結果を示す。これらの測定値は、収穫したハネギの55株の平均値である。なお、調整重とはハネギを出荷するために調整した後の重量である。また、各試験区における括弧内の数値は、対応する対照区の数値に対する割合を示している。
表19に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、収穫量及び植物体の生長に優れることが確認された。また、対照区と比べ、試験区のハネギは先端枯死した植物体が認められず、植物体内のビタミンC濃度も高く、外観品質及び機能性に関する品質も向上することが示された。
[現地試験における生長促進効果の評価4:ハネギ]
ハネギ(品種:金山寺)の苗を準備し、静岡県静岡市内の試験圃場50m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ100kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=10−6−6kg/10aを用い、穂肥としてN−P−K=5−2−2kg/10aを施用した。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から10日目の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から51日目にハネギを収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でハネギを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
ハネギ(品種:金山寺)の苗を準備し、静岡県静岡市内の試験圃場50m2に定植して栽培を行った。土壌は砂丘未熟土であり、堆肥として牛糞堆肥2t/10a、土改良材としてセルカ100kg/10aを施用して用いた。施肥条件としては、元肥はN−P−K=10−6−6kg/10aを用い、穂肥としてN−P−K=5−2−2kg/10aを施用した。実施例2で得られたエタノール抽出液(含有サンギナリン濃度:約1000ppm)を水で希釈して含有サンギナリン濃度が、1.0ppmになるように調整した試料液を作成した。この試料液を用いて、定植から10日目の苗に対して試料液の使用液量が0.5L/m2となるように灌注処理を行い、定植から51日目にハネギを収穫した。なお、試料液を添加しない以外は、上記と同様の栽培環境条件でハネギを栽培する試験(対照区)を合わせて行った。
表20に、各対照区及び各試験区の草丈、全重量及び調整重の測定結果を示す。また、品質を評価する項目として、収穫されたハネギの先端枯死の有無、ハネギ中のビタミンC濃度及びグルコース濃度の測定結果を示す。これらの測定値は、収穫したハネギの35株の平均値である。なお、調整重とはハネギを出荷するために調整した後の重量である。また、各試験区における括弧内の数値は、対応する対照区の数値に対する割合を示している。
表20に示す測定結果より、サンギナリンを含有する抽出液を添加することにより、収穫量及び植物体の生長に優れることが確認された。また、対照区と比べ、試験区のハネギは先端枯死の割合が少なく、植物体内のビタミンC濃度及びグルコース濃度が高く、外観品質及び味覚や健康等の機能性に関する品質も向上することが示された。
本発明の植物生長促進剤は、有効成分が明らかであり、食用植物のような安全性が求められる植物にも適用できる。さらに、安定した植物生長促進効果を対象とする植物に付与することができる。
Claims (7)
- 前記有効成分が、前記サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物由来物であることを特徴とする請求項1に記載の植物生長促進剤。
- 前記植物由来物が、タケニグサ由来物であることを特徴とする請求項2に記載の植物生長促進剤。
- 前記タケニグサ由来物が、タケニグサの種子由来物であることを特徴とする請求項3に記載の植物生長促進剤。
- 前記植物由来物が、前記サンギナリン又はその塩の少なくとも1種を含有する植物に対し、溶媒抽出処理、亜臨界水抽出処理及び熱抽出処理からなる群から選択される少なくとも1つの抽出処理により得られる抽出物であることを特徴とする請求項2に記載の植物生長促進剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の植物生長促進剤を、植物体、土壌又は水耕栽培の培養液に施用する工程を備えることを特徴とする植物の生長促進方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の植物生長促進剤を、育苗中の植物体、育苗培土、水耕栽培における育苗時の培養液又は播種時の灌注液に施用する工程を備えることを特徴とする植物の生長促進方法。
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