JPWO2013145734A1 - 劣化状態推定方法、及び劣化状態推定装置 - Google Patents

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Abstract

劣化状態を推定する処理による2次電池の劣化をより抑制する劣化状態推定方法を提供することにある。劣化状態推定方法は、2次電池(84)の劣化状態を推定する劣化状態推定方法であって、2次電池に電流を流すための電流制御を行う制御ステップと、2次電池に電流が流れたときにおける2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測ステップと、2次電池の劣化状態を推定するためのモデルと、計測ステップにおいて得られた計測情報とに基づいて、2次電池の劣化状態を推定する推定ステップとを含み、電流制御においては、2次電池の暫定的な劣化状態に応じて電流の電流値と、所定の電流値を維持する維持期間との少なくとも一方を決定する。

Description

本発明は、劣化状態推定方法に関する。特に、2次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定方法に関する。
近年における2次電池の大容量化に伴い、2次電池の劣化状態を正確に推定可能な蓄電池システムが求められている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009−250796号公報 特開2005−274280号公報
しかしながら、特許文献1に示される劣化診断方法には、当該劣化診断を行うことにより、診断の対象とした2次電池の劣化をより進めてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、劣化状態を推定する処理による2次電池の劣化をより抑制させることが可能な、劣化状態推定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る劣化状態推定装置の一態様は、2次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定方法であって、前記2次電池に電流を流す電流制御を行う制御ステップと、前記2次電池に前記電流が流れたときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測ステップと、前記2次電池の劣化状態を推定するためのモデルと、前記計測ステップにおいて得られた計測情報とに基づいて、前記2次電池の劣化状態を推定する推定ステップとを含み、前記電流制御においては、前記2次電池に流す電流について、当該電流の電流値と、当該電流を所定の電流値で維持する維持期間との少なくとも一方を、前記2次電池の暫定的な劣化状態に応じて決定する。
なお、本発明は、このような劣化状態推定方法として実現できるだけでなく、劣化状態推定方法に含まれる特徴的なステップを手段とする劣化状態推定装置として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのはいうまでもない。
さらに、本発明は、このような劣化状態推定方法の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、劣化状態推定装置を含む蓄電池システムとして実現したりできる。
以上、本発明によると、劣化状態を推定する処理による2次電池の劣化をより抑制する劣化状態推定方法を提供できる。
図1は、従来技術の概要を説明するための図である。 図2は、実施の形態1における蓄電池システムの概要を示す図である。 図3は、実施の形態1における制御装置の機能ブロックを示す図である。 図4は、正及び負の振幅を有する電流が、それぞれ時間tpだけ蓄電池に流れた場合における、当該蓄電池の端子電圧の変化を示す図である。 図5は、蓄電池の劣化状態と、端子電圧との関係を示す図である。 図6Aは、時間の経過とともに階段状に大きくなる電流を新品の蓄電池に流した場合における電流と電圧との関係を示す図である。 図6Bは、時間の経過とともに階段状に大きくなる電流を劣化した蓄電池に流した場合における電流と電圧との関係を示す図である。 図7Aは、蓄電池に階段状の波形を有する電流を流すための指令値を示す図である。 図7Bは、制御部によって生成される制御信号を示す図である。 図8は、蓄電池に流れる電流及びこれに対応する端子電圧の波形を示す図である。 図9は、実施の形態1に係る制御装置の動作シーケンスを示す図である。 図10は、実施の形態1においてSOH推定部が使用する、2次電池の等価回路モデルの一例を示す図である。 図11は、実施の形態1に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、実施の形態1の変形例に係る制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図13Aは、単調増加する指令値に対して、制御部により決定された制御信号を示す第1の図である。 図13Bは、一定の指令値に対して、制御部により決定された制御信号を示す第1の図である。 図14Aは、単調増加する指令値に対して、制御部により決定された制御信号を示す第2の図である。 図14Bは、一定の指令値に対して、制御部により決定された制御信号を示す第2の図である。 図15は、本発明の実施の形態2における蓄電池システムの概要を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態2における制御装置が備える劣化状態推定装置の機能ブロックを示す図である。 図17は、2次電池に流す測定用電流の大きさと、端子電圧の変化量との関係を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態2に係る制御部が行う測定用電流の制御方法を説明する概念図である。 図19は、本発明の実施の形態2に係る劣化状態推定装置の動作シーケンスを示すシーケンス図である。 図20は、本発明の実施の形態2において、図19の測定用電流値算出処理における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。 図21は、本発明の実施の形態2の変形例2において、図19の測定用電流値算出処理における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。 図22は、本発明の実施の形態2の変形例3において、図19の測定用電流値算出処理における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記述した蓄電池システムに関し、以下の第1の問題が生じることを見いだした。
近年、需要家に設置して使用される、大容量の2次電池(蓄電池ともいう)を備える蓄電池システムの普及が見込まれている。また、蓄電池システムと同様に大容量の2次電池を備えるEV(Electric Vehicle)が一般家庭に普及しつつある。
一般に、2次電池は、充放電を繰り返すことにより劣化する(サイクル劣化)。また、2次電池の運用時間が経過するに従い劣化する(カレンダ劣化)。したがって、高価な2次電池の寿命を延ばし、効率よく使用するためには、2次電池の劣化状態をなるべく正確に推定する必要がある。
2次電池の劣化状態を数値化した指標として、SOH(State Of Health)と呼ばれる指標が知られている。SOHは、2次電池の劣化状態が0の状態(すなわち、新品の状態)を100とした場合の当該2次電池の劣化状態を、0〜100の数値で示したものである。なお、SOHが小さいほど、劣化が進行していることを意味する。蓄電池システムは、SOHを推定することにより、例えばユーザに対して2次電池の交換を促すメッセージを提示することができる。また、劣化した2次電池の負担を軽減するような2次電池の出力制御を行うことができる。
SOHを推定する方法としては、例えば、電流値を積算し満充電から完放電までの総電流を測定するクーロンカウンティング法、複数の電流値と電圧値とから内部抵抗を測定しあらかじめ準備した内部抵抗、温度、及びSOCのマップからSOHを推定する内部抵抗測定法、異なる周波数の交流電圧を印加し等価回路のパラメータを算出するACインピーダンス測定法などがある。
さらに、特許文献1に示される様に、蓄電池に一定電流パルスを印加しその際の電圧の時系列変化から蓄電池の等価回路のパラメータを算出することにより劣化状態を推定する手法もある。本発明の一形態はこの測定法に則った。この方式のメリットは、専用の計測器や高周波電源装置など特別なハードウェアが不要で、充放電を通して蓄電池システム内でSOH測定を行うことができることである。そのため、従来のように専門家が測定するのではなく、実際に使われている状況の中でSOHの推定が可能である。
より詳細には、図1に示される様に、一定振幅Iのパルス電流を、診断対象である2次電池に流す。その際に、2つ以上の時刻において、2次電池の電圧Vocを測定する。例えば、図1では、時刻t0〜t5の6つの時刻において、Vocを測定している。その後、各時刻における電圧値から、2次電池の劣化状態を診断する。
しかしながら、劣化状態を診断するために2次電池に流す測定用のパルス電流Iの値が大きくなるほど、2次電池の端子電圧が大きくなる。その結果、2次電池の劣化をより促進させてしまう。一方、2次電池に流すパルス電流Iの値を小さくした場合、2次電池の端子電圧が小さくなる。その結果、2次電池の劣化は抑制できるが、劣化状態の推定精度が悪化する。2次電池の劣化状態を精度良く推定するためには、所定値以上の大きな電圧変化が必要となるためである。
すなわち、特許文献1に示される劣化状態診断方法を使用する場合には、2次電池の劣化抑制と、推定される劣化状態の精度との間にトレードオフの関係があるという第1の問題が生じる。
また、本発明者は、次のような第2の問題が生じることも見出した。
特許文献1のような従来の蓄電池システムは、2次電池の劣化状態を推定するための専用のモードを有している。この劣化状態推定モードにおいては、劣化状態を推定するためだけに、2次電池に測定用電流が流される。しかしながら、2次電池に測定用電流を流す間、負荷装置への電力供給など、蓄電池システムの本来の目的に必要な蓄電池の充放電制御ができない。また、蓄電池に測定用電流を流すことが、当該2次電池の劣化を進行させるおそれがある。
なお、蓄電池には測定用電流以外にも、蓄電池本来の目的で充電又は放電される電流が流れる。ここで、蓄電池本来の目的とは、例えば、(1)需要家において安価な夜間電力を充電し、充電された電力を昼間に放電する場合、(2)需要家に設置された発電設備において発電された余剰電力を充電し、売電価格が高い時間帯に逆潮流する場合、(3)出力の安定しない自然エネルギーを用いた発電設備から出力される電力のバッファとして使用する場合、など様々な使用形態が考えられる。
そこで、本発明者は、測定用電流に代わり、本来の目的で蓄電池を流れる電流と、その際の端子電圧を計測することにより、当該蓄電池の劣化状態を推定可能な制御装置を実現する。すなわち、本発明の一態様に係る制御装置は、指令値に基づいて蓄電池の充電及び放電を制御するとともに、蓄電池の劣化状態を示す値であるSOHを推定することができる。
こうした制御装置を実現する際には、以下の課題があることを、本発明者は見出した。
一般に、蓄電池に対する充放電制御の精度を向上させるには、蓄電池に対する制御信号の出力期間をなるべく短くする方が好ましい。一方、蓄電池は劣化が進むにつれて、電圧変化の時定数がより大きくなる。すなわち、劣化が進むほど、蓄電池を流れる電流が変化した場合に、この電流変化に対応する端子電圧の変化速度が緩慢になる。従って、劣化が進んだ蓄電池に対しては、制御信号の出力期間をより長くしなければ、電圧の測定精度が悪化する。その結果、SOHの推定精度が悪化してしまう。
以上述べたように、測定用電流に代わり、本来の目的で蓄電池を流れる電流と、その際の端子電圧を計測することにより、当該蓄電池の劣化状態を推定するためには、蓄電池の劣化状態に応じて、蓄電池に対する制御信号の出力期間を適切に調整しなければならないという第2の問題が生じる。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る劣化状態推定方法は、2次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定方法であって、前記2次電池に電流を流す電流制御を行う制御ステップと、前記2次電池に前記電流が流れたときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測ステップと、前記2次電池の劣化状態を推定するためのモデルと、前記計測ステップにおいて得られた計測情報とに基づいて、前記2次電池の劣化状態を推定する推定ステップとを含み、前記電流制御においては、前記2次電池に流す電流について、当該電流の電流値と、当該電流を所定の電流値で維持する維持期間との少なくとも一方を、前記2次電池の暫定的な劣化状態に応じて決定する。
一般に、劣化が進んでいる2次電池ほど、同じ値の電流を流したときの端子電圧の変化量が大きくなるという性質がある。すなわち、新品の電池と古い電池に同じ電流を流した場合、古い電池ほど電圧変化が大きくなる。
そこで、本態様では、2次電池の劣化状態に応じて2次電池に流す電流値および維持期間の少なくとも一方を変化させる。これにより、常に同じ大きさの電流を2次電池に流す場合または常に同じ維持期間で所定の電流値の電流を2次電池に流す場合と比較して、例えば劣化が進んだ2次電池ほど、小さな電流を流すまたは長い維持期間で電流を流す場合には、測定精度を落とさずに2次電池の劣化を抑制することができる。
また、さらに、前記2次電池の暫定的な劣化状態を示す情報である劣化情報を取得するステップを含み、前記制御ステップでは、前記劣化情報により示される前記2次電池の劣化がより進むほど、前記電流の電流値を減少させる第1制御、及び、前記維持期間を長くする第2制御の少なくとも一方を行ってもよい。
これによると、2次電池の劣化が進むほど、電流値を小さくする第1制御、及び、維持期間を長くする第2制御の少なくとも一方を行うことにより、SOHの推定精度を維持したまま、2次電池の劣化を抑制することができる。
具体的には、前記情報取得ステップでは、前記2次電池が充電又は放電された回数を示すサイクル情報を前記劣化情報として取得し、前記制御ステップでは、前記2次電池が充電又は放電された回数が多いほど、前記第1制御及び前記第2制御の少なくとも一方を行ってもよい。
これによると、2次電池の劣化状態を、2次電池のサイクル数を用いて容易に推定することができる。
または、前記情報取得ステップでは、前記2次電池の運用時間を前記劣化情報として取得し、前記制御ステップでは、前記2次電池の運用時間が長いほど、前記第1制御及び前記第2制御の少なくとも一方を行ってもよい。
これによると、2次電池の劣化状態を、2次電池の運用時間を用いて容易に推定することができる。
また、さらに、前記推定ステップでは、前記モデルおよび前記計測情報を用いて前記劣化状態を示す値であるSOHを推定し、推定された前記SOHを記憶部に記憶するステップを含み、前記制御ステップでは、前記記憶部に記憶されている第1のSOHと、前記第1のSOHよりも後に前記推定ステップで推定された第2のSOHとを比較し、前記第2のSOHが前記第1のSOHよりも大きい場合、前記電流の電流値を大きくする制御、及び、前記維持期間を短くする制御の少なくとも一方を行い、前記第2のSOHが前記第1のSOHよりも小さい場合、前記電流の電流値を小さくする制御、及び、前記維持期間を長くする制御の少なくとも一方を行ってもよい。
これによると、過去に推定されたSOHの遷移から、電流の電流値及び維持期間の少なくとも一方を決定することができる。
また、前記制御ステップでは、前記2次電池の電圧変化量が予め定められた基準値に近づくように、前記電流の電流値を決定してもよい。
これによると、2次電池の電圧を計測するセンサの分解能に応じて、必要最小限の電圧を2次電池に流すことができる。したがって、SOHの推定精度を落とさずに、2次電池の劣化をより抑制することができる。
また、前記制御ステップでは、前記電流としてパルス電流を前記2次電池に流してもよい。
また、さらに、前記2次電池の充放電にかかる電流である充放電電流の電流値が定められた指令値を取得する指令値取得ステップと、前記2次電池の電圧変化に関する時定数に基づいて前記維持期間を決定するための期間に関する閾値を決定する閾値決定ステップとを含み、前記制御ステップでは、(i)前記指令値取得ステップにおいて取得された前記指令値と、前記閾値決定ステップにおいて決定された前記閾値とに基づいて、前記2次電池の充放電電流の電流値と、当該充放電電流の電流値を維持する期間とを、それぞれ前記電流の電流値および前記維持期間として決定し、(ii)決定された前記電流の電流値および前記維持期間で前記2次電池の充放電を制御し、前記計測ステップでは、前記制御ステップにおいて前記2次電池の充放電が制御されているときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得し、前記制御ステップでは、前記閾値よりも長くなるように前記維持期間を決定してもよい。
これによると、SOHの推定精度を保ちながら2次電池の充放電の制御を行うための電流の電流値及び維持期間を決定し、2次電池へ出力することができる。その結果、2次電池の充放電の制御を継続しながら、当該2次電池の劣化状態を推定することができる。
また、前記指令値取得ステップでは、前記指令値を第1の期間ごとに取得し、前記制御ステップでは、前記閾値が前記第1の期間未満の場合は、前記第1の期間の長さを前記維持期間の長さとして決定し、前記閾値が前記第1の期間以上の場合は、前記閾値以上の長さを前記維持期間の長さとして決定してもよい。
これによると、取得した指令値に基づいて、SOHの推定精度を保ちながら2次電池の充放電の制御を行うための電流の電流値及び維持期間を決定することができる。したがって、2次電池の適切な制御と、劣化状態の推定とを両立させることができる。
また、前記制御ステップでは、さらに、第2の期間に取得した複数の前記指令値の前記第2の期間における変化量に基づいて、前記電流の電流値と前記維持期間との複数の組を決定してもよい。
例えば、前記制御ステップでは、前記第2の期間に取得した前記複数の指令値により定められる当該第2の期間における前記充放電電流の電流値の変化量と、当該複数の指令値に対応して決定した前記複数の組の、当該第2の期間における前記充放電電流の電流値の変化量とが一致するように、前記複数の組を決定してもよい。
これによると、指令値の傾きと複数の組の傾きとが一致するように、複数の組を決定することができる。これにより、電流の電流値と、維持期間とを、より適切に決定することができる。
また、前記制御ステップでは、連続したタイミングで決定すべき前記電流の電流値である第1の電流値と第2の電流値との差が所定の基準値未満の場合には、前記第1の電流値と前記第2の電流値との差が前記所定の基準値以上となり、かつ、前記第1の電流値と前記第2の電流値との和が前記所定の基準値未満となるように、前記第1の電流値及び前記第2の電流値を決定してもよい。
これによると、2次電池の劣化状態を推定するために必要な大きさの電流変化がない指令値を受信した場合においても、この指令値に対して劣化状態の推定に必要なだけの電流変化を付与するように第1の電流値及び第2の電流値を決定することにより、正確な劣化状態を推定できる。
また、前記制御ステップでは、所定期間に連続して取得された複数の前記指令値を示す波形と、当該複数の指令値に対応して決定すべき複数の前記電流値を示す波形との差である差分波形を、前記第2の期間において積分して得られる面積が0に近づくように、前記電流値を決定してもよい。
これによると、複数の指令値を1つの推定値として丸める際に生じる量子化誤差を最小にすることができる。したがって、指令値によって意図された制御により近い充放電の制御を、2次電池に対して行うことができる。
なお、これらの全般的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1における2次電池システム80の概要を示す。
2次電池システム80は、例えば、需要家ごとに設置される。また、2次電池システム80は、連系制御装置95から取得した充放電指令値(以後、「指令値」ともいう)に基づいて、2次電池84の充放電制御を行う。
図2に示される様に、2次電池システム80は、変圧器75を介して電力系統70に連系している。したがって、2次電池システム80は、2次電池84に電力系統70から取得した電力を充電することができる。また、2次電池システム80は2次電池84に放電させることにより、需要家が有する一般的な負荷装置86A及び86Bに電力を供給できる。
より詳細には、2次電池システム80は、充放電装置82と、2次電池84と、充放電制御装置90とを備える。なお、以後特に断らない限り、充放電制御装置90を制御装置90ともいう。
充放電装置82は、制御装置90から取得した制御信号に基づいて、2次電池84の充電又は放電(以降、「充放電」ともいう)を行う。例えば、充放電装置82は、インバータ(DC/AC変換器)及びコンバータ(DC/DC変換器)のうち少なくとも1つを有してもよい。
2次電池84は、1つの2次電池、又は、複数の2次電池が直列又は並列に接続された2次電池である。2次電池84としては、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ナトリウム・硫黄電池、ニッカド電池等、任意の種類の2次電池が考えられる。
2次電池84に充電される電圧、及び2次電池84が放電する電圧を示す情報は、制御装置90へ無線又は有線通信により送信される。なお、電圧に加え、2次電池84に充電される電流、及び2次電池84が放電する電流を示す情報のうち少なくとも1つが、制御装置90へ送信されてもよい。
制御装置90は、2次電池84に充電又は放電させるべき電流の値、時刻、時間等を含む制御信号を生成し、充放電装置82へ出力する。例えば、制御装置90は、事前に定められたモードに従って、充放電装置82へ、2次電池84の充放電を制御するための制御信号を送信してもよい。具体的には、制御装置90は、夜間は電力系統70から取得した電力を2次電池84へ充電させ、昼間は2次電池84に放電させるよう制御してもよい。これにより、より料金のより安い夜間電力を有効に活用することができる。また、2次電池システム80が、さらに、需要家に設置された発電設備と接続されている場合には、発電設備で発電された電力を2次電池84へ充電させるように制御してもよい。この場合、2次電池84に充電された電力は、売電又は需要家で消費すべきタイミングで放電される。さらに、停電時には優先的に2次電池84から放電させるよう制御してもよい。
制御装置90は、図3以降で説明する劣化状態推定装置を備える。本実施の形態1における制御装置90が備える劣化状態推定装置は、2次電池84に対する充放電制御を行うに際して、並行して、2次電池84の劣化の度合いを示すSOHを推定することができる。制御装置90が備える劣化状態推定装置は、SOHに応じて2次電池84に対する制御を変更することにより、例えば、2次電池84の長寿命化を実現できる。詳細については、後述する。
なお、図2において、連系制御装置95は、2次電池システム80の外側に設置されている。しかし、2次電池システム80が、連系制御装置95を含んでもよい。また、充放電制御装置90は連系制御装置95を備えてもよい。
図3は、本実施の形態における制御装置90が備える劣化状態推定装置100の機能ブロックを示す。劣化状態推定装置100は、指令値に基づいて2次電池の充電及び放電を制御する。なお、ここでいう「指令値」とは、2次電池の充放電にかかる電流である充放電電流の電流値が定められた値である。
より詳細には図3に示される様に、劣化状態推定装置100は、制御部102と、計測部104と、SOH推定部106と、閾値決定部107と、記憶部108と、指令値取得部110とを備える。
記憶部108は、事前に定められた2次電池の特性情報として劣化状態を推定するためのモデルを記憶している。2次電池の特性情報とは、予め実験によって求められるデータに対応する情報である。具体的には、2次電池の等価回路モデル(後述参照)に含まれるパラメータの大きさと、当該2次電池のSOHとを対応付ける情報である。より具体的には、記憶部108は、接続される2次電池の特性情報、特性情報を数式化した関数式、又は特性情報を数式化した関数式を離散化したテーブル等を記憶している。なお、記憶部108は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等で実現される。
指令値取得部110は、例えば連系制御装置95から指令値を取得する。
閾値決定部107は、2次電池84の電圧変化に関する時定数に基づいて維持期間を決定するための期間に関する閾値を決定する。なお、2次電池84の電圧変化に関する時定数は、後述するように、2次電池84のSOHを推定する過程で求められる、2次電池84の等価回路モデルに含まれるパラメータから算出される。また、劣化状態推定装置100は、2次電池84のサイクル数又は運用時間等、2次電池の劣化と因果関係があることが知られている客観的な情報から閾値を決定してもよい。これによると、劣化状態推定装置100の初回使用時など、まだ時定数が算出されていない場合等においても、適切に閾値を決定できる。詳細については、後述する。
制御部102は、(i)指令値取得部110により取得された指令値と、閾値決定部107により決定された閾値とに基づいて、2次電池84の充放電電流の電流値と、当該充放電電流の電流値を維持する期間とを、それぞれ電流の電流値及び維持期間として決定し、(ii)決定された電流の電流値及び維持期間で2次電池84の充放電を制御する。より詳細には、制御部102は、閾値決定部107により決定される閾値よりも長くなるように維持期間を決定する。
例えば、指令値取得部110が、指令値を第1の期間ごとに連系制御装置95から取得する場合を考える。このとき、制御部102は、閾値が第1の期間未満の場合は、第1の期間の長さを維持期間の長さとして決定してもよい。また、閾値が第1の期間以上の場合は、閾値以上の長さを維持期間の長さとして決定してもよい。
計測部104は、制御部102から取得した制御信号により2次電池84を充電又は放電が制御されているときにおける2次電池84の少なくとも電圧値を計測情報として取得する。例えば、計測部104は、2次電池84の端子間に設置した電圧センサの出力を、無線又は有線通信により取得してもよい。なお、2次電池84が複数の2次電池を有する場合、計測部104は、個々の2次電池の電圧値を取得してもよく、2次電池84全体の電圧値を取得してもよい。個々の2次電池の電圧値を取得した場合には、個々の2次電池ごとにSOHを推定することができる。なお、計測部104は計測情報として、さらに、2次電池84の電流値を取得してもよい。
SOH推定部106は、記憶部108に記憶されている2次電池84の特性情報と、計測部104で得られた計測情報とに基づいて、2次電池84のSOHを推定する推定部である。SOHを推定する方法の詳細については、後述する。
次に、本実施の形態に係る制御部102の処理を説明するための前提として、2次電池に流れる電流と電圧との関係について、図4〜図6Bを参照して説明する。
図4は、正及び負の振幅を有する電流が、それぞれ時間tだけ2次電池に流れた場合における、当該2次電池の端子電圧の変化を示す。より詳細には、図4の(a)は、2次電池に流れる電流の振幅を示す。また、図4の(b)は、図4の(a)に示される電流が流れた場合における2次電池の電圧変化を示す。
なお、ここでは、2次電池に負の振幅を有する電流が流れることは2次電池が充電中であることを意味する。また、正の振幅を有する電流が流れることは2次電池が放電中であることを意味する。図4に示される様に、2次電池においては、充電時に電圧が上昇し、放電時に電圧が降下する。
図5は、2次電池の劣化状態と、端子電圧との関係を示す。より詳細には、図5の(a)は、2次電池に流れる電流を示す。図5の(a)に示されるように、時間T1及び時間T2において振幅が−Iとなるパルス電流が2次電池を流れる場合を考える。
図5の(b)は、図5の(a)に示される電流が、新品の2次電池を流れた場合における、当該2次電池の端子電圧を示す。図5の(b)に示されるように、T1及びT2のいずれの時間においても、等しく電圧Vが生じている。したがって、いずれの時間においても、電圧は定常状態に達していることがわかる。
図5の(c)は、図5の(c)に示される電流が、劣化した2次電池を流れた場合における、当該2次電池の端子電圧を示す。図5の(c)に示されるように、時間T2だけ電流が流れた場合には、電圧V(>V)が生じている。しかし、時間T1だけ電流が流れた場合に生じる電圧は、電圧Vよりも小さい。これは、劣化した2次電池では、電圧変化に関する時定数がより大きくなるため、時間T1だけ電流が流れても電圧が定常状態に達しないためである。
このことより、2次電池の端子電圧を正確に取得するためには、2次電池の劣化が進むほど、より長い時間、2次電池に電流が流れる必要があることがわかる。なお、SOHの推定には、必ずしも、定常状態に達した端子電圧を計測する必要はない。2次電池の端子電圧が、SOHの推定に必要な電圧変化量を満たせば、SOHを推定することはできる。ただし、より正確な電圧を計測することにより、より正確にSOHを推定できる。
図6A及び図6Bは、2次電池の劣化が進むほど、より長い時間、2次電池に電流を流す一例を示す。詳細には、図6Aは、時間の経過とともに階段状に大きくなる電流を新品の2次電池に流した場合における電流と電圧との関係を示す。また、図6Bは、時間の経過とともに階段状に大きくなる電流を劣化した2次電池に流した場合における電流と電圧との関係を示す。
図6Aでは、時間TC1ごとに変化する電流値を2次電池に流している。一方、図6Bでは、時間TC2(>TC1)ごとに変化する電流値を2次電池に流している。図6Bに示されるように、劣化により2次電池の時定数が大きくなるため、電圧が定常状態となるために必要な時間TC2の間、一定値の電流を2次電池に流している。
前述の閾値決定部107は、2次電池の電圧が定常状態となるために必要な時間に対応する値を、閾値として決定する。また、劣化状態推定装置100が維持期間ごとに、制御信号を生成し出力するとした場合、制御部102は、維持期間が閾値よりも長くなるように制御信号を生成する。これにより、劣化状態推定装置100は、2次電池の電圧変化を正確に取得することができる。
制御部102は、さらに、第2の期間に取得した複数の指令値の第2の期間における変化量、及び閾値に基づいて、電流の電流値と維持期間との複数の組を決定してもよい。より詳細には、制御部102は、第2の期間に取得した複数の指令値により定められる当該第2の期間における充放電電流の電流値の変化量と、当該複数の指令値に対応して決定した複数の組の、当該第2の期間における充放電電流の電流値の変化量とが一致するように、複数の組を決定してもよい。なお、ここでいう「複数の組」とは、制御部102によって決定された維持期間と、当該維持期間ごとに生成される電流の電流値との組であり、制御部102によって生成される制御信号を示す。以下、図7A及び図7Bを参照して、説明する。
図7Aは、2次電池に階段状の波形を有する電流を流すための指令値(破線)を示す。より詳細には、横軸は時間[s]を、縦軸は指令値によって示される電流値[A]を示す。また、指令値の傾きをθとする。ここで、指令値の傾きとは、例えば、指令値を示す波形の階段n個分(すなわち、第2の期間n個分)の期間における指令値の変化量を示す。
また、図7Bは、制御部102によって生成される制御信号(実線)を示す。横軸は時間[s]を、縦軸は制御信号によって示される電流値[A]を示す。なお、破線は、図7Aと同じ指令値を示す。また、制御信号の傾きはθである。ここで、制御信号の傾きとは、制御信号を示す階段n個分(すなわち、第1の期間n個分)の期間における制御信号の変化量を示す。
例えば、2次電池の劣化が進行していたため、当該2次電池の電圧が定常状態に至るまでに第2の期間3個分の期間が必要であるとする。この場合、制御部102は、制御信号を生成するために、(1)第1の期間の長さと、(2)第1の期間ごとに出力される制御信号の大きさとを決定しなければならない。そこで制御部102は、第1の期間として、第2の期間3個分の長さを使用する。さらに、制御信号の大きさとして、第2の期間3個ごとの指令値の大きさを使用する。その結果、制御部102は、図7Bに示されるように、指令値と傾きが等しく、かつ、指令値3つ分の期間に対して1つが対応するような周期を有する制御信号を生成する。
図8は、2次電池に流れた電流及びこれに対応する端子電圧の波形を示す。より詳細には、図8の(a)は、新品電池に大きさIの電流を時間T1だけ充電させた場合の、電流値[A]と、これに対応する2次電池の端子電圧[V]の変化を示す。また、図8の(b)は、劣化した電池に大きさIの電流を時間T2だけ充電させた場合の、電流値[A]と、これに対応する2次電池の端子電圧[V]の変化を示す。図8に示されるように、劣化した電池には、より長い時間、充電させる必要があるため、端子電圧の上昇値もより大きくなる。
次に、図9〜図11を参照して、本実施の形態に係る劣化状態推定装置100が行う処理の流れについて説明する。
図9は、本実施の形態に係る劣化状態推定装置100の動作シーケンスを示す。
まず、劣化状態推定装置100が備える制御部102は、連系制御装置95から指令値を取得する(S100)。次に、制御部102は、取得した指令値と、閾値決定部107により決定された閾値とに基づいて、制御信号を算出する(S102)。具体的には、制御信号は、電流の大きさ、及び当該電流を流す時間を示す情報を含む。なお、詳細な処理については後述する。
次に、制御部102は、ステップS102において算出した制御信号によって示される電流を2次電池84に流すため、充放電装置82に当該制御信号を送信する(S104)。
次に劣化状態推定装置100が備える計測部104は、2次電池84から、電流値及び電圧値を取得する(S106)。なお、前述したように、計測部104は、少なくとも電圧値を取得すればよい。また、計測部104が、電圧センサ等を有していない場合には、計測部104は、計測部104の外部に配置された電圧センサ等から、2次電池84に流れる電流値及び端子間の電圧値を取得してもよい。
なお、計測部104は、電流値及び電圧値を例えば数ミリ秒ごとに複数回取得する。こうして取得された電流値及び電圧値は、例えば、劣化状態推定装置100が備える記憶部108に配列又はリスト等の所定のデータ構造として一時的に記憶することが考えられる。
次に、劣化状態推定装置100が備えるSOH推定部106は、計測部104によって取得された複数の電圧値及び電流値から、例えば最小二乗法を用いた非線形回帰分析等の手法により、2次電池84の等価回路モデルに含まれるパラメータを決定する(S108)。
その後、SOH推定部106は、ステップS108において決定した等価回路モデルのパラメータの値から、SOHを推定する(S110)。例えば、説明のために2次電池84の温度が一定である場合を考えると、2次電池84のSOHは、式1で表される線形回帰式によって推定される。
SOH=p×R+p×R+p×C+p ・・・(式1)
ここで、R、R、Cは、後述する等価回路モデルのパラメータである。また、p、p、p、pは、事前に行われる実験により求められた回帰係数である。言いかえると、回帰係数p、p、p、pは、前述した、記憶部108が記憶している特性情報の具体例である。
なお、劣化状態推定装置100は、ステップS108において決定された等価回路モデルのパラメータ及びSOH等の、2次電池の状態を示す情報を記憶部108に記憶してもよい(S112)。これによると、閾値決定部107は、過去にSOH推定部106で決定された等価回路モデルのパラメータから、2次電池の時定数を算出することにより、適切な閾値を決定できる。
図10は、本実施の形態においてSOH推定部106が使用する、2次電池の等価回路モデルの一例を示す。
図10に示されるV及びIは、それぞれ2次電池の電圧値及び電流値を示す。また、R、C、Rは、前述の式1で使用されるパラメータである。より詳細には、Rは、分極抵抗成分を表す。また、Cは、分極キャパシタンス成分を表す。また、Rは、電解質抵抗成分を表す。すなわち、R、C、R2次電池の内部抵抗に対応する。2次電池の劣化が進むとR、C、Rは大きくなることから、式1を用いてSOHを推定することができる。さらに、閾値決定部107は、R×Cとして、2次電池84の電圧変化における時定数を算出し、この時定数を閾値として使用するよう決定してもよい。
具体的には、当該2次電池を流れる電流値と端子電圧とを、所定のサンプリング間隔で計測する。その結果得られる、電流及び電圧の実測値と、2次電池の等価回路モデルから得られる理論値とが一致するように、等価回路モデルに含まれるパラメータR、C、Rを決定する。なお、より詳細には、例えば、関連技術を示す特許文献2に示される方法などを使用してもよい。
なお、図10では、2次電池の等価回路モデルとしてパラメータが3つの3次モデルを使用している。しかし、例えばパラメータが5つの5次モデルなど、他のモデルを使用することもできる。
次に、図11及び図12を参照して、図9に示した本実施の形態に係る劣化状態推定装置100の動作シーケンスを、より詳細に説明する。
図11は、本実施の形態に係る劣化状態推定装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9と同じステップには同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。
まず、指令値取得部110が、連系制御装置95から指令値を取得する(S100)。
次に、制御部102は、指令値の取得間隔(すなわち、連系制御装置95による劣化状態推定装置100に対する制御周期)である第1の期間と、閾値決定部107により決定された閾値の大きさとを比較する(S202)。その結果、第1の期間が閾値よりも大きい場合には(S202でYes)、制御信号を出力する間隔(すなわち、劣化状態推定装置100による充放電装置82に対する制御周期)である維持期間の長さを、第1の期間と同じ長さに設定する(S208)。さらに、制御部102は、制御信号の大きさとして当該時刻における指令値の大きさを使用し、ステップS104の充放電制御に進む。言いかえると、制御部102は、第1の期間が閾値より大きい場合には、取得した指令値を、負荷装置に対する制御信号として出力する。
一方、第1の期間が閾値以下の場合には(S202でNo)、維持期間の長さを閾値以上の長さ(例えば、閾値に等しい長さ)に設定する(S204)。次に、制御部102は、図7Bで説明したように、ステップS100において取得した指令値と傾きが一致するように、制御信号の電流値を決定する(S206)。
以上述べた、ステップS202、S204、S206、S208が、図9に示される制御信号算出処理(S102)において行われる詳細な処理の流れである。
なお、閾値決定部107は、例えば、以下の方法によりステップS202以前に閾値の大きさを決定することができる。
事前に、ステップS108の処理が実行されており、2次電池84の等価回路モデルのパラメータであるR及びCが既知である場合には、閾値決定部107は、R×Cを計算することにより、2次電池84の時定数を算出できる。この場合、閾値決定部107は、算出した2次電池84の時定数以上の値を閾値として決定することができる。
一方、2次電池84の等価回路モデルのパラメータであるR及びCが既知でない場合においては、閾値決定部107は、2次電池84の劣化が進むほど、より大きくなるように閾値を決定することができる。例えば、閾値決定部107は、2次電池84が充電又は放電された回数を示すサイクル情報を取得し、2次電池84が充電又は放電された回数が多いほど、より大きくなるように閾値を決定してもよい。つまり、2次電池が充電又は放電された回数が多いほど、維持期間を長くする制御(以降、第2制御ともいう)を行ってもよい。また、閾値決定部107は、2次電池の運用時間を取得し、運用時間が長いほど、より大きくなるように閾値を決定してもよい。つまり、2次電池の運用時間が長いほど、第2制御を行ってもよい。なお、閾値決定部107は、サイクル情報及び運用時間に限らず、2次電池の劣化と因果関係がある他の任意の情報を使用して、閾値を決定することができる。また、閾値決定部107は、前回または過去にSOH推定部106により推定されたSOHを使用して、閾値を決定してもよい。
その後、ステップS104において、制御信号が充放電装置82へ送信されることにより、充放電制御が行われた後、ステップS110で2次電池84のSOHが推定されるまでの処理は、図9と同様である。
以上述べた劣化状態推定装置100によると、SOHの推定精度を保ちながら2次電池84の充放電制御が可能な送信間隔及び値を有する制御信号を、指令値から生成し、2次電池84へ出力することができる。その結果、2次電池の充放電制御を継続しながら、当該2次電池の劣化状態を推定することが可能な制御装置を提供できる。
(変形例)
本実施の形態に係る劣化状態推定装置100は、ステップS108において等価回路モデルのパラメータを推定する際には、電流及び電圧の測定値と、理論値とが一致するように、等価回路モデルのパラメータをあわせこむ。したがって、電流値及び電圧値は、所定の範囲で適度にばらついていることが望ましい。しかしながら、ステップS100において、長期間、一定の電流値を指令値として取得し続けることも想定される。図12は、こうした一定の指令値を取得し続ける場合でも適切にSOHを推定可能な制御装置の処理の流れを説明するフローチャートである。なお、図11との違いは、ステップS208、S210、及びS212が追加されている点にある。したがって、これらのステップを中心に説明する。
制御部102は、第2の期間が閾値より大きいと判定した場合(S202でYes)、第1の期間の大きさとして第2の期間の大きさを設定する(S208)。
次に、制御部102は、生成すべき制御信号(すなわち、指令値のサンプリング値)の時間変化の有無を確認する(S210)。より具体的には、制御部102は、連続したタイミングで決定すべき電流の電流値である第1の電流値と第2の電流値との差が所定の基準値未満であるか否かを判定する。その後、制御部102は、第1の電流値と第2の電流値との差が所定の基準値未満の場合には(S210でYes)、第1の電流値と第2電流値との差が所定の基準値以上となり、かつ、第1の電流値と第2の電流値との和が所定の基準値未満となるように、第1の電流値及び第2の電流値を決定する。その結果、生成される制御信号の波形は、典型的には、後述する図13Bに示されるような凸凹形状となる。その後、制御部102は、ステップS104において、制御信号を出力する。
また、制御部102は、第1の電流値と第2の電流値との差が所定の基準値以上の場合には(S210でNo)、ステップS104において、取得した指令値を制御信号として出力する。
一方、制御部102は、第1の期間が閾値以下であると判定した場合(S202でNo)、ステップS204及びステップS206において、制御信号を生成する。
以上述べたように、本実施の形態の変形例に係る劣化状態推定装置100によると、指令値に含まれる電流値の変化量がSOHを推定するために必要な変化量よりも小さい場合においても、より精度よくSOHを推定することができる。その際には、例えば、代表的な温度域ごとに特性情報の組を記憶部108に記憶しておいてもよい。
なお、図11及び図12のステップS206において、制御部102が制御信号の電流値を算出する際には、指令値を制御信号として丸めることによる量子化誤差が最小になるように、制御信号を算出することが好ましい。具体的には、図13A及び図13Bを参照して説明する。なお、図13A及び図13Bでは、説明のため、指令値を直線で表している。
図13Aは、単調増加する指令値に対して、制御部102により決定された制御信号を示す。前述したように、制御信号の傾きが指令値の傾きに一致するように、制御信号の値が決められている。また、図13Aでは、制御信号の波形と指令値の波形とで囲まれる領域のうち、指令値の上側の領域と指令値の下側の領域とが等しい面積をもつように、制御信号の値が決定されている。具体的には、面積Aと面積Bとが等しい。これにより、指令値の周期を、より大きな周期を有する制御信号として丸めた場合に生じる、制御上の誤差を最小にすることができる。
また、図13Bは、一定の指令値に対して、制御部102により決定された制御信号を示す。前述したように、精度よくSOHを推定できるよう、制御信号が凸凹形状の波形となっている。また図13Bでは、図13Aと同様に、制御信号の波形と指令値の波形とで囲まれる領域のうち、指令値の上側の領域と指令値の下側の領域とが等しい面積をもつように、制御信号の値が決定されている。すなわち、面積Aと面積Bとが等しい。これにより、凸凹形状の制御信号を生成した際に生じる、制御上の誤差を最小にすることができる。
すなわち、制御部102は、所定期間に連続して取得された複数の指令値を示す波形と、当該複数の指令値に対応して決定すべき複数の電流値を示す波形との差である差分波形を、第2の期間において積分して得られる面積が0に近づくように、電流値を決定してもよい。
なお、制御部102は、図14A及び図14Bに示されるように、制御信号とx軸(すなわち、電流=0[A]となる軸)とで囲まれる面積と、指令値とx軸とで囲まれる面積とが等しくなるように、制御信号を生成してもよい。この場合、面積A+面積Cと、面積B+面積Cとが等しくなる。
なお、実施の形態及びその変形例で説明した計測部104は、さらに、2次電池の温度を取得してもよい。SOHは、2次電池の電圧に加え、温度にも依存して定まるため、劣化状態推定装置100は、2次電池の温度を使用することでより正確なSOHを推定できる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる2次電池システム80では、劣化状態推定装置100は、指令値に応じた充放電を制御しつつ、2次電池84のSOHを推定しているが、測定用電流を電流として2次電池84に流すことによりSOHを推定してもよい。
図15は、本発明の実施の形態2における2次電池システム180の概要を示す。
2次電池システム180は、充放電装置82と、2次電池84と、制御装置190とを備える。
なお、2次電池システム180は、図2に示す実施の形態1における2次電池システム80とは、制御装置190の構成が異なることと、連系制御装置95からの充放電指令値を取得しないこととが異なる。このため、制御装置190について説明する。なお、2次電池システム180の構成のうちで、実施の形態1の2次電池システム180と同様の符号を付している構成については、同様であるため説明を省略する。
具体的には、制御装置190は、図16以降で説明する劣化状態推定装置を備える。本実施の形態における制御装置190が備える劣化状態推定装置は、2次電池84のSOHを推定するために、2次電池84の状態を示す2次電池情報、及び、2次電池84の端子電圧及び電流を取得する。なお、2次電池情報とは、例えば2次電池84の温度、満充電された回数を示すサイクル数、運用時間等である。なお、ここで述べた情報は、制御装置190が2次電池84から取得すべき情報の一例である。後述するように、制御装置190は、少なくとも2次電池84の端子電圧を取得すれば、2次電池84のSOHを推定することができる。
図16は、本実施の形態における制御装置190が備える劣化状態推定装置200の機能ブロックを示す。劣化状態推定装置200は、SOHを推定する。
より詳細には図3に示される様に、劣化状態推定装置200は、制御部202と、計測部104と、SOH推定部106と、記憶部108と、情報取得部210とを備える。なお、劣化状態推定装置200は、実施の形態1の劣化状態推定装置100の構成とは、制御部202及び情報取得部210が異なるため、制御部202及び情報取得部210を中心に説明する。
制御部202は、2次電池のSOHを推定するために、当該2次電池に測定用電流(電流)を流すための電流制御を行う。より詳細には、制御部202は、2次電池84へ測定用電流を流すよう、充放電装置82に制御信号を送信する。このとき、制御部202は、電流制御で2次電池に流す電流について、当該電流の電流値と、当該電流を所定の電流値で維持する維持期間との少なくとも一方を、2次電池の暫定的な劣化状態に応じて決定する。なお、制御部202が測定用電流の電流値を決定するために参照する2次電池の暫定的な劣化状態とは、後述するように、2次電池のサイクル数、及び2次電池の運用時間など、2次電池の劣化と因果関係があることが知られている客観的な情報であってSOHを推定するにあたって利用できる情報を意味する。なお、暫定的な劣化状態として、以前に算出されたSOHの値を使用してもよい。
計測部104は、2次電池に測定用電流が流れたときにおける2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する。
SOH推定部106は、記憶部108に記憶されている特性情報と、計測部104で得られた計測情報とに基づいて、2次電池84のSOHを推定する。SOHを推定する方法の詳細については、後述する。
情報取得部210は、2次電池の暫定的な劣化状態を示す情報である劣化情報を取得する。劣化情報として、例えば、2次電池が充電又は放電された回数を示すサイクル情報、及び2次電池の運用時間のうち少なくとも一方を使用することが考えられる。充放電された回数が多いほど、また、運用時間が長いほど、当該2次電池は劣化が進んでいると考えられる。
なお、サイクル情報として、例えば2次電池が満充電された回数であるサイクル数が使用できる。しかし、満充電以外の充電回数、又は、放電回数等をサイクル情報として使用してもよい。2次電池のサイクル情報、及び運用時間は、例えば2次電池84が備える管理用メモリから情報取得部210が取得することが考えられるがこれに限られない。例えば、劣化情報は、接続された2次電池のサイクル情報、及び運用時間を記憶部108に記憶させることで管理してもよい。この場合、劣化状態推定装置200は、情報取得部210を備えなくても、同様の発明の効果を奏する。さらにまた、制御装置190の外部に、劣化情報の管理装置を設置してもよい。
次に、本実施の形態に係る制御部202の処理を説明するための前提として、2次電池に流れる電流と電圧との関係について、図4、図17及び図18を参照して説明する。
図4は、正及び負の振幅を有する測定用のパルス電流を、それぞれ時間tだけ2次電池に流した場合における、当該2次電池の端子電圧の変化を示した図と考えてもよい。より詳細には、図4の(a)は、2次電池に流す測定用電流の振幅を示すと考えてもよい。また、図4の(b)は、図4の(a)に示される測定用電流を流した場合の、2次電池の電圧変化を示すと考えてもよい。図4に示した様に、2次電池においては、充電時に電圧が上昇し、放電時に電圧が降下する。
図17は、2次電池に流す測定用電流の大きさと、端子電圧の変化量との関係を示す。より詳細には、図17の(a)は、2次電池に流す測定用電流の一例を示す。
図17の(b)は、図17の(a)に示される測定用電流を新品の2次電池に流した場合における、当該2次電池の端子電圧の変化を示す。図17の(b)に示される様に、大きさがI及びIの電流に対して、それぞれ、最大V及びVの電圧変化が生じている。
図17の(c)は、図17の(a)に示される測定用電流を劣化した2次電池に流した場合における、当該2次電池の端子電圧の変化を示す。図17の(c)に示される様に、大きさがI及びIの電流に対して、それぞれ、最大V及びVの電圧変化が生じている。
ここで、V及びVは、それぞれ、V及びVよりも大きい。したがって、2次電池に流される電流が大きいほど、電圧の変化量が大きくなることがわかる。また、V及びVは、それぞれ、V及びVよりも大きい。したがって、電流値が一定の場合には、2次電池の劣化が進むほど、電圧の変化量が大きくなることがわかる。
図18は、本実施の形態に係る制御部202が行う測定用電流の制御方法を説明する概念図である。より詳細には、図18の(a)は、新品の2次電池に対して制御部202が流す測定用電流及び当該測定用電流を流した場合に生じる電圧変化を示す。また図18の(b)は、劣化した2次電池に対して制御部202が流す測定用電流及び当該測定用電流を流した場合に生じる電圧変化を示す。
図18に示される様に、制御部202は、新品の2次電池に流す電流の大きさIよりも、劣化した2次電池に流す電流の大きさIがより小さくなるように、測定用電流を制御する。ここで、図17に示されるように、劣化した2次電池の方が、測定用電流に対する電圧変化量が大きくなる。したがって、例えば、新品の2次電池における電圧変化量Vと、劣化した2次電池における電圧変化量Vとが等しくなるように、I>Iとなる電流の大きさIを決めることができる。
次に、図19及び図20を参照して、本実施の形態に係る劣化状態推定装置200のより詳細な動作について説明する。
図19は、本実施の形態に係る劣化状態推定装置200の動作シーケンスを示す。
まず、劣化状態推定装置200が備える制御部202は、2次電池のSOHを算出するために2次電池に流すべき測定用電流値を算出する(S300)。具体的には、制御部202は、測定用電流の電流値の大きさ、及び当該電流を流す時間を決定する。なお、詳細な処理については後述する。
次に、制御部202は、ステップS300において決定した測定用電流を、測定対象の2次電池である2次電池84に流すため、充放電装置82に電流値の制御信号を送信する(S302)。
次に劣化状態推定装置200が備える計測部104は、2次電池84から、電流値及び電圧値を取得する(S304)。
次に、劣化状態推定装置200が備えるSOH推定部106は、計測部104によって取得された複数の電圧値及び電流値から、例えば、最小二乗法を用いた非線形回帰分析等の手法により、2次電池84の等価回路モデルに含まれるパラメータを決定する(S306)。
その後、SOH推定部106は、ステップS206において決定した等価回路モデルのパラメータの値から、SOHを推定する(S208)。
なお、ステップS304からステップS308は、それぞれ、実施の形態1の図9を用いて説明したステップS106からステップS110と同一の処理である。
なお、後述するように、劣化状態推定装置200は、ステップS308において推定されたSOHを、例えば記憶部108に記憶してもよい(S310)。これによると、SOH推定部106は、過去に推定されたSOHを使用して、ステップS300において測定用電流の大きさを決定することができる。
図20は、図19のステップS300における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、情報取得部210は、2次電池の劣化状態を示す劣化情報を取得する(S402)。劣化情報は、例えば前述したように、2次電池のサイクル数及び2次電池の運用時間等のうち少なくとも1つを使用することが考えられる。また、以前に算出されたSOHを、劣化情報として使用してもよい。
次に、制御部102は、2次電池の劣化状態に基づき測定用電流の値を決定する(S404)。具体的には、制御部202は、劣化情報により示される2次電池の劣化がより進むほど、測定用電流の電流値を減少させる第1制御を行う。例えば、劣化情報として2次電池のサイクル情報を使用する場合には、制御部202は、2次電池が充電又は放電された回数が多いほど、測定用電流の電流値を減少させる。また、劣化情報として2次電池の運用時間を使用する場合には、制御部202は、2次電池の運用時間が長いほど、測定用電流の電流値を減少させる。
これにより、本実施の形態における劣化状態推定装置200は、測定用電圧の大きさがSOHの推定に必要な最小限の大きさとなるように、2次電池の劣化状態に基づいて測定用電圧の大きさを制御することができる。その結果、SOHの推定精度と、2次電池の劣化抑制とを両立することができる。
(変形例1)
なお、以上述べた実施の形態2に係る劣化状態推定装置200においては、測定用電流の大きさを制御することにより2次電池の劣化を抑制する。これの他に、劣化状態推定装置200は、2次電池に測定用電流を流す時間を制御することにより、SOHの推定精度をより向上させることができる。具体的には、実施の形態2に係る制御部202は、劣化情報に示される2次電池の劣化がより進むほど、測定用電流の所定の電流値を維持する維持時間を長くする第2制御を行ってもよい。つまり、制御部202は、2次電池の劣化がより進むほど、第1制御および第2制御の少なくとも一方を行うことにより、SOHの推定精度をより向上させることができる。具体的には、制御部202は、2次電池が充電又は放電された回数が多いほど、または、2次電池の運用時間が長いほど、第1制御及び第2制御の少なくとも一方を行うとしてもよい。
例えば、再度図18を参照して、図18の(a)では、時間tの間に電圧の波形が平衡状態に達している。一方、図18の(b)では、時間tの間も電圧の波形は過渡状態にある。したがって、2次電池の電圧の真の値は、電圧Vよりも大きい可能性がある。したがって、図18の(b)のように、劣化した2次電池に測定用電流を流す場合には、より長い時間、電流を流すことで、より正確な電圧値を取得できると考えられる。
また、実施の形態1にかかる劣化状態推定装置100に、図13Bのように凸凹形状の波形で示される制御信号で、電流値が制御されるときに、2次電池の劣化がより進むほど、維持時間を長くする制御だけでなく、2次電池に流す電流の電流値を小さくする制御を行ってもよい。
(変形例2)
次に、実施の形態2に係る劣化状態推定装置200の変形例2について説明する。本変形例2において、制御部202は、2次電池の劣化状態を示す劣化情報として、SOH推定部106が過去に推定したSOHを使用する。
図21は、本変形例2に係る劣化状態推定装置200が備える制御部202が測定用電流の大きさを決定する際に行う詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部202は、SOH推定部106によって過去に推定されたSOHを取得する(S406)。例えば、再度図19を参照して、ステップS310において記憶部108はSOH推定部106により推定されたSOHを記憶している。従って、制御部202は、記憶部108から、直前に推定されたSOHと、2回前に推定されたSOHとを取得する。以後説明のため、2回前に推定されたSOHを第1のSOHと呼び、直前に推定されたSOHを第1のSOHと呼ぶ。すなわち、第2のSOHは、第1のSOHよりも後にSOH推定部106により推定されたSOHである。なお、劣化状態推定装置200の初回使用時など、記憶部108に2以上のSOHが記憶されていない場合には、例えば、100など、事前に記憶されている既定値をSOHとして使用することなどが考えられる。
次に、制御部202は、ステップS406において取得されたSOHに基づき、測定用電流の大きさを決定する(S408)。例えば、制御部202は、第1のSOHと第2のSOHとを比較し、第2のSOHが第1のSOHよりも大きい場合、測定用電流の電流値をより大きくする制御、及び、維持期間を短くする制御の少なくとも一方を行い、第2のSOHが第1のSOHよりも小さい場合、測定用電流の電流値をより小さくする制御、及び、維持期間を長くする制御の少なくとも一方を行う。
第2のSOHが第1のSOHよりも小さい場合とは、2次電池の劣化が進んだことを意味する。したがって、測定用電流をより小さくする制御、及び、維持期間を長くする制御の少なくとも一方を行うことにより、2次電池の劣化の進行を低減することができる。一方、第1のSOHが第2のSOHよりも小さい場合とは、例えば計測部104による計測誤差、又は、モデル化誤差等により、SOHの推定に誤差が生じている場合等が考えられる。この場合には、測定用電流を大きくする制御、及び、維持期間を短くする制御の少なくとも一方を行うことにより、SOHの推定精度を向上させることができる。
なお、上記の説明において制御部102は、直前に推定されたSOHと、2回前に推定されたSOHとを取得した。しかし、制御部102が取得するSOHはこれに限られない。例えば、j回前に推定されたSOHを第1のSOHとして取得し、i回前に推定されたSOHを第2のSOHとして取得してもよい。ここで、i及びjは、i<jなる自然数であるとする。また、m回前〜n回前までに推定されたSOHの平均値を第1のSOHとして取得し、k回前〜l回前までに推定されたSOHの平均値を第2のSOHとして取得してもよい。ここで、k、l、m、及びnは、例えば、k<l<m<nなる自然数であるとする。
また、このように、過去に推定されたSOHを劣化情報として利用することは、実施の形態1の劣化状態推定装置100に適用してもよい。
(変形例3)
次に、測定用電流の大きさを決定する処理における変形例3に係る制御部202について述べる。
本実施の形態2の変形例3に係る制御部202は、2次電池の電圧変化量が事前に定められた基準値に近づくように、測定用電流値を決定する。言いかえると、制御部202は、2次電池に流す測定用電流が事前に定められた大きさとなるように、フィードバック制御を行う。
図22は、本変形例3に係る劣化状態推定装置200が備える制御部202が測定用電流の大きさを決定する際に行う詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部202は、補正電圧値を算出する(S412)。補正電圧値は、事前に定められた基準電圧値から、前回計測された2次電池の電圧値を差し引いた値として求められる。例えば、計測部104が2次電池の電圧値を取得する度に、その値を記憶部108等に記憶させておくことにより、制御部202は前回計測された電圧値を取得することができる。
次に、制御部202は、補正電流値を算出する(S414)。補正電流値は、以下の式2により求められる。
補正電流値=補正電圧値/(R+R) ・・・(式2)
ここで、R及びRは、SOH推定部106によって決定された、2次電池の等価回路モデルに含まれるパラメータである。
最後に、制御部202は、測定用電流値を算出する(S416)。測定用電流値は、ステップS414で求められた補正電流値と、前回の測定用電流値とを足すことにより求められる。例えば、制御部202が測定用電流値を決定する度に、その値を記憶部108等に記憶させておくことにより、制御部202は前回の測定用電流値を取得することができる。
なお、基準電圧値は、例えば次のようにして定めることができる。計測部104が取得する2次電池の電圧変化の値は、電圧センサの分解能に起因する誤差が含まれうる。この誤差の影響は、特に、電圧変化量が小さい場合に深刻となる。したがって、電圧センサごとに、等価回路モデルの推定精度が必要十分となる電圧変化量を実験的に求め、求められた値を基準電圧値として使用することが考えられる。
以上述べた、変形例3に係る劣化状態推定装置200によると、2次電池の電圧を計測するセンサの分解能に応じて、必要最小限の測定用電圧を2次電池に流すことができる。したがって、SOHの推定精度を落とさずに、2次電池の劣化をより抑制することができる。
なお、実施の形態及びその変形例に係る計測部104は、2次電池の電圧値に加え、電流値を測定してもよい。制御装置190は、所定の電流値を出力するよう電流指令値を2次電池に送信することにより、2次電池を制御する。しかし、実際に2次電池から出力される電流値と、電流指令値との間に誤差が生じうる。したがって、計測部104は、2次電池の電圧値及び電流値を計測することにより、より精度よく2次電池の劣化状態を推定することができる。また、SOHは電圧値に加え、2次電池の温度にも依存して定まる。上記説明では、2次電池の温度を一定として説明したが、計測部104は、さらに2次電池の温度を計測してもよい。この場合、劣化状態推定装置200は、例えばいくつかの温度域ごとに特性情報を記憶部108に記憶しておくことにより、より正確なSOHを推定することができる。
また、このように、2次電池の電圧変化量が事前に定められた基準値に近づくように、2次電池に流す電流の電流値を決定することは、実施の形態1の劣化状態推定装置100に適用してもよい。
(他の実施の形態)
なお、実施の形態1、実施の形態1の変形例、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、及び実施の形態2の変形例2で説明した蓄電池システムの制御装置は、充放電装置82および2次電池84から離れた外部に配置されている外部サーバとして実現してもよい。つまり、例えば、充放電装置82及び2次電池84の複数を一括して管理するための管理サーバとして、ネットワーク越しに当該充放電装置82及び当該2次電池84を制御するようにしてもよい。要するに、当該制御装置は、クラウド上で実現してもよい。
また、実施の形態1、実施の形態1の変形例、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、及び実施の形態2の変形例2で説明した蓄電池システムの制御装置は、電気自動車に搭載される2次電池のSOHを推定するための装置として実現してもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の画像復号化装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、2次電池の劣化状態を示す値であるSOH(State Of Health)を推定する劣化状態推定方法であって、前記2次電池に電流を流すための電流制御を行う制御ステップと、前記2次電池に前記電流が流れたときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測ステップと、前記2次電池の特性情報と、前記計測ステップにおいて得られた計測情報とに基づいて、前記2次電池のSOHを推定するSOH推定ステップとを含み、前記制御ステップにおいては、前記2次電池の暫定的な劣化状態に応じて前記電流の電流値と、所定の電流値を維持する維持期間との少なくとも一方を決定する劣化状態推定方法を実行させる。
また、実施の形態1、実施の形態1の変形例、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、及び実施の形態2の変形例2で説明した蓄電池システムの制御装置は、コンピュータにより実現することも可能である。
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integrated Circuit:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。また、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る劣化状態推定方法および劣化状態推定装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本発明は、制御装置に適用できる。特に、指令値に基づいて2次電池の充電及び放電を制御する制御装置に適用できる。
70 電力系統
75 変圧器
80、180 2次電池システム
82 充放電装置
84 2次電池
86A、86B 負荷装置
90、190 制御装置(充放電制御装置)
95 連系制御装置
100、200 劣化状態推定装置
102、202 制御部
104 計測部
106 SOH推定部
107 閾値決定部
108 記憶部
110 指令値取得部
210 情報取得部

Claims (15)

  1. 2次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定方法であって、
    前記2次電池に電流を流す電流制御を行う制御ステップと、
    前記2次電池に前記電流が流れたときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測ステップと、
    前記2次電池の劣化状態を推定するためのモデルと、前記計測ステップにおいて得られた計測情報とに基づいて、前記2次電池の劣化状態を推定する推定ステップとを含み、
    前記電流制御においては、前記2次電池に流す電流について、当該電流の電流値と、当該電流を所定の電流値で維持する維持期間との少なくとも一方を、前記2次電池の暫定的な劣化状態に応じて決定する
    劣化状態推定方法。
  2. さらに、
    前記2次電池の暫定的な劣化状態を示す情報である劣化情報を取得する情報取得ステップを含み、
    前記制御ステップでは、前記劣化情報により示される前記2次電池の劣化がより進むほど、前記電流の電流値を減少させる第1制御、及び、前記維持期間を長くする第2制御の少なくとも一方を行う
    請求項1に記載の劣化状態推定方法。
  3. 前記情報取得ステップでは、前記2次電池が充電又は放電された回数を示すサイクル情報を前記劣化情報として取得し、
    前記制御ステップでは、前記2次電池が充電又は放電された回数が多いほど、前記第1制御及び前記第2制御の少なくとも一方を行う
    請求項2に記載の劣化状態推定方法。
  4. 前記情報取得ステップでは、前記2次電池の運用時間を前記劣化情報として取得し、
    前記制御ステップでは、前記2次電池の運用時間が長いほど、前記第1制御及び前記第2制御の少なくとも一方を行う
    請求項2または3に記載の劣化状態推定方法。
  5. さらに、
    前記推定ステップでは、前記モデルおよび前記計測情報を用いて前記劣化状態を示す値であるSOHを推定し、
    推定された前記SOHを記憶部に記憶するステップを含み、
    前記制御ステップでは、
    前記記憶部に記憶されている第1のSOHと、前記第1のSOHよりも後に前記推定ステップで推定された第2のSOHとを比較し、
    前記第2のSOHが前記第1のSOHよりも大きい場合、前記電流の電流値を大きくする制御、及び、前記維持期間を短くする制御の少なくとも一方を行い、
    前記第2のSOHが前記第1のSOHよりも小さい場合、前記電流の電流値を小さくする制御、及び、前記維持期間を長くする制御の少なくとも一方を行う
    請求項1から4のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  6. 前記制御ステップでは、
    前記2次電池の電圧変化量が予め定められた基準値に近づくように、前記電流の電流値を決定する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  7. 前記制御ステップでは、
    前記電流としてパルス電流を前記2次電池に流す
    請求項1から6のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  8. さらに、
    前記2次電池の充放電にかかる電流である充放電電流の電流値が定められた指令値を取得する指令値取得ステップと、
    前記2次電池の電圧変化に関する時定数に基づいて前記維持期間を決定するための期間に関する閾値を決定する閾値決定ステップとを含み、
    前記制御ステップでは、(i)前記指令値取得ステップにおいて取得された前記指令値と、前記閾値決定ステップにおいて決定された前記閾値とに基づいて、前記2次電池の充放電電流の電流値と、当該充放電電流の電流値を維持する期間とを、それぞれ前記電流の電流値および前記維持期間として決定し、(ii)決定された前記電流の電流値および前記維持期間で前記2次電池の充放電を制御し、
    前記計測ステップでは、前記制御ステップにおいて前記2次電池の充放電が制御されているときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得し、
    前記制御ステップでは、前記閾値よりも長くなるように前記維持期間を決定する
    請求項1から6のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  9. 前記指令値取得ステップでは、前記指令値を第1の期間ごとに取得し、
    前記制御ステップでは、
    前記閾値が前記第1の期間未満の場合は、前記第1の期間の長さを前記維持期間の長さとして決定し、
    前記閾値が前記第1の期間以上の場合は、前記閾値以上の長さを前記維持期間の長さとして決定する
    請求項8に記載の劣化状態推定方法。
  10. 前記制御ステップでは、さらに、第2の期間に取得した複数の前記指令値の前記第2の期間における変化量に基づいて、前記電流の電流値と前記維持期間との複数の組を決定する
    請求項8または9に記載の劣化状態推定方法。
  11. 前記制御ステップでは、前記第2の期間に取得した前記複数の指令値により定められる当該第2の期間における前記充放電電流の電流値の変化量と、当該複数の指令値に対応して決定した前記複数の組の、当該第2の期間における前記充放電電流の電流値の変化量とが一致するように、前記複数の組を決定する
    請求項10に記載の劣化状態推定方法。
  12. 前記制御ステップでは、連続したタイミングで決定すべき前記電流の電流値である第1の電流値と第2の電流値との差が所定の基準値未満の場合には、前記第1の電流値と前記第2の電流値との差が前記所定の基準値以上となり、かつ、前記第1の電流値と前記第2の電流値との和が前記所定の基準値未満となるように、前記第1の電流値及び前記第2の電流値を決定する
    請求項8から11のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  13. 前記制御ステップでは、所定期間に連続して取得された複数の前記指令値を示す波形と、当該複数の指令値に対応して決定すべき複数の前記電流値を示す波形との差である差分波形を、前記第2の期間において積分して得られる面積が0に近づくように、前記電流値を決定する
    請求項8から12のいずれか1項に記載の劣化状態推定方法。
  14. 2次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定装置であって、
    前記2次電池の劣化状態を推定するためのモデルを記憶している記憶部と、
    前記2次電池に電流を流すための電流制御を行う制御部と、
    前記2次電池に前記電流が流れたときにおける前記2次電池の少なくとも電圧値を計測情報として取得する計測部と、
    前記モデルと、前記計測部で得られた計測情報とに基づいて、前記2次電池の劣化状態を推定する推定部とを備え、
    前記制御部は、前記電流制御においては、前記2次電池に流す電流について、当該電流の電流値と、当該電流を所定の電流値で維持する維持期間との少なくとも一方を、前記2次電池の暫定的な劣化状態に応じて決定する
    劣化状態推定装置。
  15. 請求項14に記載の劣化状態推定装置を備える制御装置と、
    2次電池と、
    前記制御装置において決定された前記電流の電流値および前記維持期間の少なくとも一方に基づき、前記2次電池の充放電を制御する充放電装置とを備える
    2次電池システム。
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