JPWO2013136630A1 - 雨水貯留積層構造体に用いる構造部材 - Google Patents

雨水貯留積層構造体に用いる構造部材 Download PDF

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Abstract

地面下に設けた貯水槽内に上下方向に直角に交差させながら積み重ねて雨水貯留積層構造体を構築するための構造部材であって、上下からの荷重に対して変形することなく強固な耐圧強度を発揮することができる構造部材を提供する。構造部材1は長方形状の天板部3aの四方縁片から下方に向かって前後左右の傾斜壁板部3b〜3dを設けてなる中空の四角錐台3を底板2上に、その下端を底板2の下面から下方に開口させた状態にして前後左右に並設してなり、これらの中空角錐状台3の中央部に、天板部3aを二分するようにV字状の中央溝部5を形成してこの中央溝部5の溝底下面を下側の構造部材1の天板部3a上に突設している一対の中空突起部4、4上に支持させると共に、両側傾斜壁板部3c、3cの下端中央部に形成している係合凹部7、7を下側の構造部材1の天板部3aの両端部上に被せるように構成している。

Description

本発明は、公園、駐車場又は道路等の施設が構築されている地面の下に設けられる雨水貯留施設の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材に関する。
従来から、公園や駐車場等の地下には、大雨による河川や下水道の氾濫を抑制したり、溜めた雨水を必要に応じて活用するための雨水貯留施設が設けられている。
雨水貯留施設は、例えば、特許文献1に記載されているように、地面を掘り下げることによって貯水槽を形成し、この貯水槽内に雨水を貯留する内部空間を有する合成樹脂製の構造部材を縦横に並設すると共に複数段に積み重ねることによって雨水貯留積層構造体を形成し、この雨水貯留積層構造体をシート材や舗装材等の被覆材によって被覆する一方、貯水槽に隣接してマンホールを設けてなり、大雨の際には雨水をこの雨水貯留部内に導入して貯留するように構成している。
このように構成した雨水貯留施設において、雨水貯留積層構造体を形成している構造部材としては、上記特許文献1に、正方形の枠部内に上端が上方に向かって開口している複数本の有底円筒形状の脚部を前後左右に一定の間隔を存して並設し、隣接する脚部の上端部間をリブによって一体に連結すると共に枠部の内周面に沿って配設している外側の脚部の上端部を枠部に一体に連結してなる構造部材が記載されてあり、この構造部材を貯水槽内に縦横に並設すると共に下側に配置する構造部材の脚部の上端開口部に上側に配置する構造部材の脚部の下端部を支持させることによって積み重ねて雨水貯留積層構造体を構成している。
また、別な構造部材として、特許文献2には、長方形状の天板部の四方縁辺から下端に向かって外方に傾斜した四方の傾斜壁板部を延設してなる下端が全面的に開口した中空の四角錐台を小間隔を存して前後左右に並設し、隣接する四角錐台の下端部同士を連結部を介して一体に連結していると共に天板部における長さ方向の両端部に段部を形成してなる構造部材が記載されている。
このように構成した構造部材は、貯水槽内に縦横に並設すると共に下側の構造部材に対して上側の構造部材を直角に交差させながら上下方向に積み上げることによって積層構造体を築造していく際に、下側に配置した構造部材の四角錐台における天板部の両端部の上記段部に、上側に配置する構造部材の四角錐台の下端開口部を跨がらせるようにして支持させている。
特開2006−342520号公報 特開2009−24447号公報
しかしながら、前者のように、正方形の枠部内に複数本の円筒形状の脚部を縦横に配列してなる構造部材によれば、運搬時や保管時において積み重ねると嵩張りが生じるといった問題点があり、また、この構造部材を多数、使用して上記のように雨水貯留施設を構築した場合、上からの大きな荷重に対して構造部材における円筒形状の脚部が充分な耐圧強度を発揮することができるが、隣接する円筒形状の脚部に係る荷重が変動すると、これらの脚部の上端間を連結している細いリブがその変動荷重によって亀裂が生じたり破断する虞れがあり、強度面においても問題がある。
一方、後者の構造部材によれば、下端が開口している中空の四角錐台の長さ方向を同一方向に向けた状態にして構造部材を重ね合わせれば、上側の構造部材の四角錐台に下側の構造部材の四角錐台を嵌め込むことができるので、嵩張ることなく積層することが可能となって運搬や保管が容易となり、また、この構造部材を多数、使用して上記雨水貯留施設を構築する際に、複数個の構造部材を順次、直角に交差させながら上下方向に積み上げて、下側に配置した構造部材の四角錐台における最も強度面において優れた個所である天板部両端の上記段部に上側に配置する構造部材の四角錐台における両側傾斜壁板部の下端部を支持させているので、この段部においては荷重を安定した状態で支持することができるが、段部に掛かる荷重を構造部材におけるこの段部間の両側傾斜壁板部を介して下側の段部に支持させているので、両側傾斜壁板部に上下方向からの圧縮力が作用することになって座屈変形が生じ易くなる。
このため、構造部材における四角錐台の上記両側傾斜壁板部に縦方向に補強リブを突設しているが、この補強リブの上下端に応力が集中してその部分に亀裂が生じる虞れがある。さらに、補強リブの存在によって運搬時や保管時に構造部材を積層する際に、補強リブが邪魔になって四角錐台同士を深く嵌合させることができなくなり、嵩張りが生じるといった問題点がある。また、四角錐台の壁板部の厚みを厚くして増強すると雨水を貯留する内部空間が狭くなる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、運搬時や保管時においては嵩張りを生じさせることなく整然と積み重ねることができ、また、積み重ねて雨水貯留積層構造体を構築した際には、上方からの荷重に対して全体に亘って安定した強固な耐圧強度を発揮することができる雨水貯留積層構造体に用いる構造部材を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材は、請求項1に記載したように、地面を掘削することによって形成した貯水槽内に縦横に並設すると共に上下方向に直角に交差させながら積層することによって雨水貯留積層構造体を構築するための構造部材であって、平面四角形状の底板に下端がこの底板を貫通して下方に向かって全面的に開口している一定高さの中空の四角錐台を前後左右に並設してなり、これらの四角錐台は、長方形状の天板部と、この天板部の四方縁辺から下方に末広がり状に延び、且つ、下端が上記底板に一体に連結している四方傾斜壁板部と、上記天板部における中央部に天板部の長さ方向に一定の間隔を存して突設している一対の中空突起部と、この中空突起部の対向面間の天板部の中央から下方に向かってV字状に窪ませて形成されている中央溝部とを有し、構造部材を直角に交差させながら上下方向に積層した際に、上側の構造部材の四角錐台における上記中央溝部の底部を下側の構造部材の四角錐台における天板部に突設した中空突起部に支持させると共に、上側の構造部材の四角錐台における両側の傾斜壁板部の下端を天板部の長さ方向の両端部上面に支持させるように構成している。
このように構成した雨水貯留積層構造体に用いる構造部材において、請求項2に係る発明は、四角錐台における天板部の長辺側から下方に延びている両側傾斜壁板部の下端中央部と、この両側傾斜壁板部の下端に一体に連結している底板部に、下側に配する構造部材の四角錐台の天板部における両端部に被せて該両端部に係合させる係合凹部と、この係合凹部と同一断面形状でもって上方に向かって膨出した凹み底板部をそれぞれ形成していることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、四角錐台の天板部における長辺側から下方に延びる両側傾斜壁板部に、数条の補強溝を四角錐台の全高に亘って形成していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、四角錐台の天板部に突設している一対の中空突起部における対向面と反対側の面の天板部と連なる下端に、天板部の幅方向に長い補強リブを下方に向かって突設していることを特徴とする。
さらに、請求項5に係る発明は、四角錐台における天板部と中央溝部の溝底部、及び隣接する四角錐台の下端縁間を連結している底板部とに上下面間に亘って貫通した通水孔をあけていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、底板の四方縁辺に一定高さを有する周枠を一体に設けていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、地面を掘削することによって形成した貯水槽内に縦横に並設すると共に上下方向に直角に交差させながら積層することによって雨水貯留積層構造体を構築する構造部材において、これらの構造部材は平面四角形状の底板に下端がこの底板を貫通して下方に向かって全面的に開口している一定高さの四角錐台を前後左右に並設してなり、下側の構造部材の四角錐台における天板部の長さ方向の両端部上面に、上側に積み重ねる構造部材の四角錐台における両側傾斜壁板部の下端を支持させるように構成しているので、構造部材を上下方向に順次直角に交差させながら安定した状態で積み上げることができると共に、四角錐台の両端部にかかる上方からの荷重を均等に受止することができ、その上、上下の構造部材同士の重なり部分が極めて少なくて雨水の貯留空隙率の大きい雨水貯留積層構造体を構築することができる。
さらに、構造部材を構成している下端が全面的に開口した上記四角錐台の天板部における中央部に天板部の長さ方向に一定の間隔を存して一対の中空突起部を突設していると共にこの中空突起部の対向面間の天板部の中央から下方に向かってV字状に凹ませてなる中央溝部を形成して、構造部材を互いに直角に交差させながら積み重ねる際に、上側の構造部材の四角錐台における中央溝部の底部を下側に配設される構造部材の四角錐台における天板部に突設した中空突起部に支持させるように構成しているので、上側に配した構造部材の四角錐台における中央溝部の外底面と両側傾斜壁板部の下端面とを下側に配した構造部材の四角錐台における中空突起部の頂面と天板部の両端部上面とにそれぞれ支持させて、上方からの荷重を四角錐台全体に均等に且つ強固に受止させることができると共に、四角錐台の両側傾斜壁板部に中央溝部の対向する溝壁面の両側端を直角に連設させているので、四角錐台にかかる上下方向からの圧縮力に対してこれらの中央溝部と両側傾斜壁板部とが大きな耐圧強度を発揮して補強リブなどを設けることなく座屈変形などの発生を抑制することができる。
従って、本発明の構造部材は、保形性に優れて精度のよい雨水貯留積層構造体を築造することができると共に、運搬時や保管時には構造部材の対向する四角錐台同士を深く嵌め込みながら嵩張りを生じさせることなく積み重ねることができる。
請求項2に係る発明によれば、四角錐台における天板部の長辺側から下方に延びている両側傾斜壁板部の下端中央部と、この両側傾斜壁板部の下端に一体に連結している底板部とに、下側に配する構造部材の四角錐台の天板部における両端部に被せて該両端部に係合させる係合凹部と、この係合凹部と同一断面形状でもって上方に向かって膨出した凹み底板部をそれぞれ形成しているので、構造部材を上下方向に順次直角に交差させながら四角錐台の両側傾斜壁板部の下端中央部から底板部に亘って設けている上記係合凹部と凹み底板部を下側の構造部材の四角錐台における天板部の両端部に被せて係合させることによって複数個の構造部材を円滑且つ正確に積み上げることができると共に、構造部材が前後左右にぐらつく虞れのない安定した雨水貯留積層構造体を構築することができる。
請求項3に係る発明によれば、上記四角錐台の天板部における長辺側の縁辺から下方に延びる両側傾斜壁板部に数条の補強溝を全高に亘って形成しているので、補強リブなどを設けることなくこの補強溝によって四角錐台の耐圧強度を増大させることができると共に運搬時や保管時には構造部材同士を深く嵌合させながら積層することができ、その上、四角錐台をできる限り薄肉にして雨水貯留空間を大きくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、上記四角錐台の天板部に突設している一対の中空突起部における対向面と反対側の面の天板部と連なる下端に、天板部の幅方向に長い補強リブを下方に向かって突設しているので、四角錐台の天板部上にかかる上方側からの荷重によって天板部が下方に撓むのをこの補強リブによって確実に抑止することができると共に、構造部材を積み重ねて雨水貯留積層構造体を構築する際には、この補強リブが何ら邪魔になることなく正確に且つ安定した雨水貯留積層構造体を構成することができる。
請求項5に係る発明によれば、上記四角錐台における天板部と中央溝部の溝底部、及び隣接する四角錐台の下端縁間を連結している底板部とに上下面間に亘って貫通した通水孔をあけているので、四角錐台内への雨水の受入れや四角錐台内からの排出が円滑に行えると共に四角錐台内に空気を残留させることなく下端が全面的に開口している四角錐台内に全体に亘って雨水を貯留することができる。
請求項6に係る発明によれば、上記構造部材における底板の四方縁辺に一定高さを有する周枠を一体に設けているので、地面を掘り下げることによって形成した貯水槽内に構造部材を互いにその周枠同士を突き合わせ状に接合させながら簡単且つ正確に縦横に並設させることができると共に、多数個の四角錐台を縦横に並設してその四方縁辺に周枠を設けてなる大版サイズの構造部材と、少数個の四角錐台を縦横に並設してその四方縁辺に周枠を設けてなる小版サイズの構造部材とを組み合わせることが可能となり、貯水槽の空間広さに応じた雨水貯留積層構造体を容易に構築することができる。
構造部材の斜視図。 その正面図。 側面図。 平面図。 図4におけるX1−X1線縦断正面図。 図4におけるX2−X2線縦断正面図。 図4におけるX3−X3線縦断正面図。 図4におけるY1−Y1線縦断正面図。 図4におけるY2−Y2線縦断正面図。 サイズの異なる構造部材の斜視図。 構造部材を互いに嵌合させた状態の縦断正面図。 その縦断側面図。 構造部材の配設によって構築した雨水貯留施設の簡略断面図。 構造部材を積み上げた状態の雨水貯留積層構造体の一部断面図。
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、雨水貯留施設は、図13に示すように、公園や道路等の地面を掘り下げることによって形成した貯水槽20の底面及び四方の側壁面を遮水シート(図示せず)によって被覆したのち、この貯水槽20の底面に雨水貯留空間を有する多数の構造部材1を縦横に敷き並べて設置すると共に、上下方向に積み上げることによって雨水貯留積層構造体21を構築し、この雨水貯留積層構造体21の上面を一定厚みを有するスペーサ部材22によって被覆したのち、保護シート、コンクリート舗装等の被覆層23を設けてなり、この雨水貯留施設の一端部に隣接して貯水槽20の一端部等に連通しているマンホール24を設け、このマンホール24を通じて雨水を雨水貯留積層構造体21内に貯留させたり、雨水貯留積層構造体21内からマンホール24を通じて外部に排水が行えるように構成している。
上記雨水貯留積層構造体21を構成するための構造部材1は、合成樹脂からなる成形品であり、図1〜図9に示すように、平面四角形状の一定厚みを有する底板2上に下端がこの底板2を貫通して下方に全面的に開口している一定高さを有する四角錐台3を前後左右に一定間隔を存して並設し、隣接する四角錐台3の下端間を底板部2a、2bによって連結してなる構造を有する。なお、これらの図面においては、底板2を正方形状に形成してこの底板2上に4個の四角錐台3を前後左右に並設した構造部材1を示しているが、この構造に限定されることなく、後述するように、前後左右にそれぞれ2列以上の四角錐台3を並列してなる構造部材であってもよい。
上記四角錐台3は、図4の平面図における上下方向を前後方向とした場合に、前後方向に長い平面長方形状の天板部3aと、この天板部3aの前後左右の縁辺からそれぞれ下方に向かって末広がり状に延びる前後傾斜壁板部3b、3c及び両側傾斜壁板部3c、3cとからなり、さらに、上記天板部3aの長さ方向の中央部から下方に向かって、両側端が両側傾斜壁板部3c、3c間に亘って貫通している一定深さの中央溝部5が設けられていて、この中央溝部5によって天板部3aを前側の一半部3a-1と後側の他半部3a-2とに分断してあり、この天板部3a上に、上記中央溝部5の上端開口部を中央にしてこの開口端を前後から挟むようにして、上端面が閉止された小径筒状又は断面台形状の前後一対の中空突起部4、4を天板部3aの長さ方向に一定間隔を存して突設している。
上記中央溝部5は、四角錐台3の天板部3aに突設している上記前後中空突起部4、4の対向面間の天板部3aの中央部を全幅に亘って四角錐台3の下端近傍部に達する深さまで下方に向かってV字状に凹ませてなり、この中央溝部5によって天板部3aを上記のように一半部3a-1と他半部3a-2とに二分していると共に、天板部3aの前後方向に長い長辺側両端縁から下方に延設している上記両側傾斜壁板部3c、3cをこの中央溝部5によって前側の一半部3c-1と後側の他半部3c-2とに二分している。なお、V字状の中央溝部5の溝底部5aの底面は水平方向に平坦な底面に形成されている。
また、四角錐台3における上記両側傾斜壁板部3c、3cの一半部3c-1と他半部3c-2との壁面には、一定の溝幅でもって四角錐台3内に向かって横断面U字状に屈曲してなる補強溝6を2条ずつ、それぞれ天板部3aから両側傾斜壁板部3c、3cの下端に達する全高に亘って形成していると共に、中央溝部5の前後に対向する溝壁面の両側端の下方に位置するこれらの両側傾斜壁板部3c、3cの下端中央部を図8に示すように、四角錐台3の天板部3aの左右方向の幅よりも僅かに幅広い寸法でもって下端から上方に向かって一定高さだけ切除して、多数個の構造部材1を順次直角に交差させながら積層することによって雨水貯留積層構造体を構築する際に、図14に示すように、下側の構造部材1の四角錐台3の頂部における前後部に被せて該頂部における天板部3aの両端部上面に係合、支持させる下向きに開口した係合凹部7、7を形成している。
さらに、図8に示すように、中央溝部5によって二分されている上記天板部3aの一半部3a-1と他半部3a-2とにそれぞれ突設した上記中空突起部4、4の下端に、両側端を両側傾斜壁板部3c、3cの上端部の対向内面に直角に連続させている補強リブ8aを下方に向かって突設していると共に、上記天板部3aの上面における前後端部に天板部3aの幅方向に長い補強リブ8b、8bを突設している。さらにまた、両側傾斜壁板部3c、3cの一半部3c-1と他半部3c-2との外壁面の下端部に、図5に示すように、下端が底板2に一体に連結している一定高さの補強リブ8c、8cを突設してあり、その上端部を先細りに形成して、運搬時や保管時に構造部材1を積み重ねた際に、下側の構造部材1のこの補強リブ8c、8cを突設している深さまで、上側の構造部材1を外嵌させるように構成している。
また、天板部3aの一半部3a-1と他半部3a-2と、上記一対の中空突起部4、4の頂面には四角錐台1内に連通する上下方向に貫通した通水孔9a、9bをそれぞれあけていると共に上記V字状の中央溝部5の溝底部5aに該溝底部5aの長さ方向に一定間隔毎に複数個の通水孔9cをあけている。
このように形成している四角錐台3は、その天板部3aの長さ方向を前後方向に向けて複数個(図においては4個)、前後左右に並設していると共に、前後に隣接する四角錐台3、3の対向する前後傾斜壁板部3b、3dの下端間と左右に隣接する両側傾斜壁板部3c、3cの下端間とを上記底板2の底板部2a、2bによってそれぞれ一体に連結してあり、さらに、底板2の四方周縁に上方に向かって、上記前後左右に並設した四角錐台列の下端部周囲を囲む一定高さを有する周枠10を突設している。
上記構造部材1において、左右に隣接する四角錐台3、3の天板部3a、3aに突設した中空突起部4、4における左右に対向した中空突起部4、4の中心間の寸法は、前後に隣接する四角錐台3、3の中央溝部5、5の中心間の寸法に等しくなるように形成されていると共に、全ての四角錐台3における両側傾斜壁板部3c、3cの下端間の開口幅寸法は、下側に配する構造部材1の四角錐台3における天板部3aの一半天板部3a-1と他半天板部3a-2とにそれぞれ突設している中空突起部4、4を跨いで天板部3aにおける前後両端部上に支持させることができる寸法に形成されている。
さらに、四角錐台3の前後方向の中央部に設けている上記中央溝部5の深さ、即ち、中空突起部4aの頂面から中央溝部5の外底面間の寸法は、四角錐台3の下端から天板部3aの上面までの高さ寸法から両側傾斜壁板部3c、3cの下端部に設けている上記係合凹部7、7の深さを減じた寸法に等しくなるように形成されていて、多数個の構造部材1を上下方向に直角に交差させながら積層することによって雨水貯留積層構造体を構築した際に下側の構造部材1の四角錐台3における中空突起部4、4上に上側の構造部材1の四角錐台3における中央溝部5の外底面を当接、支持させるように構成している。
上記構造部材1の底板2は、図4に示すように、前後に直列状に配列している隣接する四角錐台3、3の対向する前後傾斜壁板部3b、3dの下端間を一体に連結している左右方向に細長い底板部2aと、左右方向に隣接する四角錐台3、3の対向する左右の傾斜壁板部3c、3cの下端間を一体に連結している前後方向に長い中央底板部2bとを備えていると共に、周枠10の両側枠部10b 、10b と、この両側枠部10b 、10b に沿って前後に直列状に配列した四角錐台3、3の両側傾斜壁板部3c、3cにおける外側に向けている傾斜壁板部3cの下端とを一体に連結している前後方向に長い両側底板部2c、2cを備えている。
この両側底板部2c、2cは、周枠10の両側枠部10b 、10b の下端とこれらの両側枠部10b、10b にそれぞれ平行して対向する四角錐台3の上記外側の傾斜壁板部3c、3cの下端とを一体に連結させている一定幅を有する底板部であって、その長さ方向に一定間隔毎に上下方向に貫通する通水孔9dをあけている一方、周枠10における前後枠部10a 、10c とこれらの前後枠部10a 、10c に平行に対向する四角錐台3の前後傾斜壁板部3b、3dの下端とは底板部を設けることなく直接、一体に連結している。
さらに、左右に隣接する四角錐台3、3の両側傾斜壁板部3c、3cにおける内側、即ち、周枠10の中央部側に向けた傾斜壁板部3c、3cの下端間は、図5に示すように、上記両側底板部2c、2cよりも幅広い一定幅の前後方向に長い上記中央底板部2bによって一体に連結している。この中央底板部2bにおいて、この中央底板部2bを挟んで左右に対向する上記内側の傾斜壁板部3c、3cの前後方向の中央部下端に設けている上記係合凹部7、7間以外の底板部分は、図5に示すように、上記周枠10の両側枠部10b 、10b の下端に連結している両側底板部2c、2cと同一水平面上にして、地面上等に安定した敷設が可能となるように平坦な底板部に形成してあり、この平坦な底板部2bに上下方向に貫通した横長長円形状の通水孔9eをあけていると共に天板部3aの長さ方向に平行する2条の補強リブ8d、8dを突設している。
一方、左右に隣接する四角錐台3、3における対向する上記内側の傾斜壁板部3c、3cの下端係合凹部7、7間を連結している底板部2b' は、図7、図9に示すように、該係合凹部7、7と同一断面形状でもって上方に向かって膨出している凹み底板部に形成されてあり、この凹み底板部2b' を係合凹部7と共に下側に配する構造部材1の前後に隣接する四角錐台3、3の頂部における天板部3a、3aの対向する一半部3a-1と他半部3a-2との端部に被せてその下向きに開口した下面を一半天板部3a-1と他半天板部3a-2の対向端部に係合、支持させるように構成している。
なお、この凹み底板部2b' の下面両側部には構造部材1、1を互いに直角方向に向きを変えて重ね合わせた際に、図14に示すように下側の構造部材1における天板部3aの一半部3a-1と他半部3a-2との上面に突設した上記補強リブ8b、8bの内面に係合する補強リブ8e、8eを突設している。また、この凹み底板部2b' の中央部を図9に示すように、さらに上方に凹ませて下側の四角錐台3の天板部3aにおける両端部に上方に向かって突設している補強リブ8b、8bを受け入れ可能な空間部を形成していると共にこの底板部2b' の中央部に通水孔9e' をあけている。
同様に、周枠10の両側枠部10b 、10b と、この両側枠部10b 、10b に沿って前後に直列状に配列した四角錐台3、3の両側傾斜壁板部3c、3cにおける外側、即ち、周枠10の両側端縁側に向けている傾斜壁板部3c、3cの下端とを一体に連結している上記両側底板部2c、2cにおいても、周枠10の両側枠部10b 、10b に対向した四角錐台3、3の上記外側傾斜壁板部3c、3cの長さ方向(前後方向)の中央部下端に設けている上記係合凹部7、7とこの係合凹部7に対向する両側枠部10b 、10b の下端間の底板部2c' を図3、図7に示すように、該係合凹部7と同一断面形状でもって上方に膨出している凹み底板部に形成してあり、この凹み底板部2c' を係合凹部7と共に、下側に配する構造部材1の四角錐台3の頂部における天板部3aの、周枠10に面した端部に被せてその下向きに開口した下面を天板部3aの端部上面に係合、支持させるように構成している。なお、この凹み底板部2c' の中央部もさらに上方に凹ませて下側の四角錐台3の天板部3aにおける端部上に突設している補強リブ8bを受け入れ可能な空間部を形成していると共にこの底板部2c' の中央部に通水孔9d' をあけている。
また、前後方向に隣接する四角錐台3、3の対向する前後傾斜壁板部3b、3dの下端部間、即ち、天板部3a、3aの長さ方向を前後方向に向けて一列状に配設している四角錐台3、3の対向する傾斜壁板部3b、3eの下端部間を連結している上記左右方向に細長い底板部2aは、周枠10の高さに等しい高さを有する細幅の壁体部からなり、その長さ方向に一定間隔毎に上下面間に貫通する小径の通水孔9fをあけていると共に長さ方向の両端部は周枠10の対向内面に一体に連結している。
このように構成した構造部材1は、運搬時や保管時においては図11、図12に示すように、下端が底板2を貫通して底板2から下方に全面的に開口している四角錐台3、3同士を深く嵌合させて嵩張りを生じさせることなく整然と積み重ねることができる。また、使用時には、多数個、図13に示すように、公園や道路等の地面を掘り下げることによって形成した貯水槽20内に互いにその周枠10の対向する枠部同士を突き合わせ状に接合させながら縦横に敷設すると共に、下側の構造部材1に積み重ねる上側の構造部材1を、その四角錐台3における長方形状の天板部3aの長さ方向に対して下側の構造部材1の四角錐台3における天板部3aの長さ方向を直交させるように向きを代えながら積層することによって雨水貯留積層構造体21を構成する。
このように、下側の構造部材1上に上側の構造部材1を下側の構造部材1に対して直角に交差させするように向きを変えて積み重ねると、図14に示すように、上側の構造部材1の四角錐台3の両側傾斜壁板部3c、3cの下端が、下側の構造部材1における中央溝部5によって分断されている天板部3aにおける一半天板部3a-1と他半天板部3a-2の上面間に跨がってこれらの一半天板部3a-1と他半天板部3a-2の端部上に両側傾斜壁板部3c、3cの下端部中央に設けている係合凹部7、7とこの係合凹部7、7に連なる上方に向かって膨出、形成されている凹み底板部2b' 、2b' とを被せるようにして支持されると共に、凹み底板部2b' の下面両側部に突設している補強リブ8e、8eが下側の構造部材1における天板部3aの一半部3a-1と他半部3a-2との上面に突設した上記補強リブ8b、8bの内面に係合し、さらに、上側の構造部材1の中央溝部5の溝底下面が下側の構造部材1の一半天板部3a-1と他半天板部3a-2とに突設している中空突起部4、4の頂面に当接、支持される。
また、周枠10の両側枠部10b 、10b の下端に平行に対向した四角錐台3、3の両側傾斜壁板部3c、3cにおける外側に向けている傾斜壁板部3cの中央部下端に設けている上記係合凹部7、7とこの係合凹部7に連なる凹み底板部2c' は、この凹み底板部2c' の下方に位置する下側構造部材1の四角錐台3の天板部3aにおける端部上に係合、支持される。
従って、構造部材1の積み上げ作業が容易に且つ正確に行えると共に、下側構造部材1の天板部3aにおける一半天板部3a-1と他半天板部3a-2とに突設している中空突起部4、4が上側の構造部材1における四角錐台3の両側傾斜壁板部3c、3cの下端部内面に沿うようにこの四角錐台3に内包された状態となって上側の構造部材1が下側の構造部材1の天板部3aの長さ方向に移動するのを、中空突起部4、4と四角錐台3の両側傾斜壁板部3c、3cの下端部内面との当接により防止することができ、さらに、上側の構造部材1の両側傾斜壁板部3c、3cの下端に設けている上記係合凹部7、7と下側の構造部材1の天板部3aの両端部との係合によって上側の構造部材1が下側の構造部材1の天板部3aの幅方向に移動するのを防止することができ、雨水貯留容積が大きく且つ安定した雨水貯留積層構造体21を構築することができる。
また、構造部材1における四角錐台3に設けている上記中央溝部5と、四角錐台3の両側傾斜壁板部3c、3cに形成している横断面U字状の補強溝6、及び、両側傾斜壁板部3c、3cの下端部に突設している補強リブ8c等によって構造部材1が、上方からかかる荷重に対して大きな耐圧強度を発揮して四角錐台3の四方傾斜壁板部3b〜3dの座屈変形を抑止することができ、その上、上記凹み底板部2b' の下面両側部に突設している補強リブ8e、8eが下側の構造部材1における天板部3aの一半部3a-1と他半部3a-2との上面に突設した上記補強リブ8b、8bの内面に係合しているので、最上段の構造部材1に加わる鉛直荷重によって下側の構造部材1の末広がり状に傾斜した両側傾斜壁板部3c、3cが拡開、変形しようするのを防止することができ、また、四角錐台3の天板部3aが補強リブ8a、8bによって下方に撓み変形するのを防止することができて強固な雨水貯留積層構造体21を構築することができる。
なお、図1〜図9に示した上記構造部材1は、天板部3aの長さ方向を同一直線上に配して2個の四角錐台3、3を前後に直列状に設けてなる四角錐台列を2列、互いに左右に並設した4個の四角錐台3からなる小版サイズの構造部材を示しているが、本発明はこの構造部材1に限定されることなく、例えば、図10に示すように、4個の四角錐台3を前後に直列状に配置している四角錐台列を2列、左右に並設してなる中版サイズの構造部材1Aや、2個の四角錐台3、3を前後に直列状に設けてなる四角錐台列を4列、左右に並設してなる中版サイズの構造部材1B、4個の四角錐台3を前後に直列状に配置している四角錐台列を4列、左右に並設してなる大版サイズの構造部材1Cであってもよい。
このような大小の構造部材1、1A〜1Cを組み合わせて上記貯水槽20の底面にその天板部3aの長さ方向を同一方向に向けた状態にして縦横に敷き並べて設置すると共に、これらの構造部材群を下段として、上段に配する構造部材1、1A〜1Bの天板部3aの長さ方向を下段の構造部材の天板部3aの長さ方向に直角に交差させながら順次積み重ねることにより、雨水貯留積層構造体21を構築するように構成している。
公園、駐車場又は道路等の施設が構築された地面の下に設けた貯水槽内に四角錐台を縦横に敷設すると共に直角に交差させながら積み重ねることにより、上方からの荷重に対して優れた耐圧強度を発揮する積層構造体を形成することができ、公園、駐車場又は道路等の施設が構築された地面の下に貯水可能な雨水貯留施設を築造することができる。
1 構造部材
2 底板
3 四角錐台
3a 天板部
3b〜3d 傾斜壁板部
4 中空突起部
5 中央溝部
6 補強溝
7 係合凹部
8a〜8e 補強リブ
9a〜9f 通水孔
10 周枠
20 貯水槽
21 雨水貯留積層構造体

Claims (6)

  1. 地面を掘削することによって形成した貯水槽内に縦横に並設すると共に上下方向に直角に交差させながら積層することによって雨水貯留積層構造体を構築するための構造部材であって、平面四角形状の底板に下端がこの底板を貫通して下方に向かって全面的に開口している一定高さの四角錐台を前後左右に並設してなり、これらの四角錐台は、長方形状の天板部と、この天板部の四方縁辺から下方に末広がり状に延び、且つ、下端が上記底板に一体に連結している四方傾斜壁板部と、上記天板部における中央部に天板部の長さ方向に一定の間隔を存して突設している一対の中空突起部と、この中空突起部の対向面間の天板部の中央から下方に向かってV字状に窪ませて形成されている中央溝部とを有し、構造部材を直角に交差させながら上下方向に積層した際に、上側の構造部材の四角錐台における上記中央溝部の底部を下側の構造部材の四角錐台における天板部に突設した中空突起部に支持させると共に、上側の構造部材の四角錐台における両側の傾斜壁板部の下端を天板部の長さ方向の両端部上面に支持させるように構成していることを特徴とする雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
  2. 四角錐台における天板部の長辺側から下方に延びている両側傾斜壁板部の下端中央部と、この両側傾斜壁板部の下端に一体に連結している底板部に、下側に配する構造部材の四角錐台の天板部における両端部に被せて該両端部に係合させる係合凹部と、この係合凹部と同一断面形状でもって上方に向かって膨出した凹み底板部をそれぞれ形成していることを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
  3. 四角錐台の天板部における長辺側から下方に延びる両側傾斜壁板部に、数条の補強溝を四角錐台の全高に亘って形成していることを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
  4. 四角錐台の天板部に突設している一対の中空突起部における対向面と反対側の面の天板部と連なる下端に、天板部の幅方向に長い補強リブを下方に向かって突設していることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
  5. 四角錐台における天板部と中央溝部の溝底部、及び隣接する四角錐台の下端縁間を連結している底板部とに上下面間に亘って貫通した通水孔を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
  6. 底板の四方縁辺に一定高さを有する周枠を一体に設けていることを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留積層構造体に用いる構造部材。
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