JPWO2013125534A1 - 熱電変換材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナノオーダーに制御された微細孔を有する構造であって、熱伝導率が低く、熱電性能指数が向上した熱電変換材料を提供するものであり、微細孔を有するブロックコポリマーからなるブロックコポリマー基板上に熱電半導体層が形成された熱電変換材料において、前記ブロックコポリマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるモノマーからなるポリマーユニット(A)と、共役ジエン系ポリマーからなるポリマーユニット(B)から構成される熱電変換材料である。

Description

本発明は、熱と電気との相互エネルギー変換を行う熱電変換材料に関し、特に、高い熱電性能指数を有する、熱電変換材料及びその製造方法に関する。
近年、システムが単純でしかも小型化が可能な熱電発電技術が、ビル、工場等で使用される化石燃料資源等から発生する未利用の廃熱エネルギーに対する回収発電技術として注目されている。しかしながら、熱電発電は一般に発電効率が悪いこともあり、さまざまな企業、研究機関で発電効率の向上のための研究開発が活発になされている。発電効率の向上には、熱電変換材料の高効率化が必須となるが、これらを実現するために、金属並みの高い電気伝導率とガラス並みの低い熱伝導率を備えた材料の開発が望まれている。
熱電変換特性は、熱電性能指数Z(Z=σS2/λ)によって評価することができる。ここで、Sはゼーベック係数、σは電気伝導率(抵抗率の逆数)、λは熱伝導率である。上記、熱電性能指数Zの値を大きくすれば、発電効率が向上するため、発電の高効率化にあたっては、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率λが小さい熱電変換材料を見出すことが重要である。
一般に、固体物質の熱伝導率λと電気伝導率σは、材料の密度やキャリア濃度をパラメータとして設計することが可能ではあるが、両物性はヴィーデマンフランツの法則から、互いに独立ではなく、密接に連動するため、大幅な熱電性能指数の向上が図れていないのが実情であった。このような中で、特許文献1には、半導体材料内部に電子とフォノンの平均自由行程と同程度、あるいはそれ以下の間隔で分散した非常に微細な空孔を、多数導入して多孔質化し、熱伝導率の減少やゼーベック係数を増加させた熱電変換材料が提案されている。特許文献1の実施例によると、熱伝導率は低減したものの、電気伝導率もともに低下(抵抗率が大幅増加)してしまい、無次元熱電性能指数ZT(T:絶対温度300Kの時)としては、0.017から多孔質化により0.156に増加したにすぎず、絶対値としては、実用化に向けての指標値となるZT≧1にはほど遠い状況であった。
また、特許文献2には、ポリスチレン等の汎用ポリマーと塩化メチレン等の疎水性有機溶媒とを含む塗布液から形成した塗布膜に、ナノあるいはミクロスケールの塗布膜の温度より露点を高く調整した水蒸気含有気体を吹きかけ凝結させ、前記疎水性有機溶媒に凝結した水分の蒸発を段階的に繰り返すことにより、微細なシリンダー構造体を形成させる検討がなされているが、制御が難しく、特に孔と孔の間隔がばらつき、孔の面積割合が小さく、熱電変換材料に用いる多孔質構造体としては、適切なものではなかった。
登録番号第2958451号 特開2011−105780号公報
本発明は、上記実情を鑑み、ナノオーダーに制御された微細孔を有する構造であって、熱伝導率が低く、熱電性能指数が向上した熱電変換材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、微細孔を有する、ポリマーユニット(A)とポリマーユニット(B)から構成されるブロックコポリマー(ポリマーユニット(A)−b−ポリマーユニット(B)。ここで、bは、ポリマーユニット(A)とポリマーユニット(B)がブロックコポリマーを形成していることを意味する)基板に、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライドを成膜してなる熱電半導体層を形成することにより、熱電性能指数が大幅に向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供するものである。
(1)微細孔を有するブロックコポリマーからなるブロックコポリマー基板上に熱電半導体層が形成された熱電変換材料において、前記ブロックコポリマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるモノマーからなるポリマーユニット(A)と、共役ジエン系ポリマーからなるポリマーユニット(B)から構成されることを特徴とする熱電変換材料。
(2)前記ポリマーユニット(A)が、ポリスチレンからなる上記(1)に記載の熱電変換材料。
(3)前記ポリマーユニット(B)が、ポリイソプレンからなる上記(1)又は(2)に記載の熱電変換材料。
(4)前記ブロックコポリマーにおける前記ポリマーユニット(A)の数平均分子量が500〜500000、及び前記ポリマーユニット(B)の数平均分子量が500〜500000であり、かつ前記ポリマーユニット(B)の含有量が1〜40質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(5)前記微細孔の深さが5〜1000nm、平均直径が5〜1000nmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(6)前記熱電半導体層の膜厚が10〜500nmである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(7)前記熱電半導体層が、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライドから成膜されてなる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(8)前記p型ビスマステルライドが、BiXTe3Sb2-Xであって、0<X≦0.6である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱電変換材料。
(9)前記n型ビスマステルライドが、Bi2.0Te3-YSeYであって、0<Y≦3である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱電変換材料。
本発明によれば、ナノオーダーに制御された微細孔を有する構造であって、熱伝導率が低く、トータルとして熱電性能指数が向上した熱電変換材料が得られ、高い変換効率を実現することができる。
本発明の熱電変換材料におけるブロックコポリマー基板の断面を模式的に示し、(a)はポリマーユニット(B)相を一部エッチング除去した一例であり、(b)はポリマーユニット(B)相を一部エッチング除去した他の一例であり、(c)はポリマーユニット(B)相をオーバーエッチングしてすべて除去した図である。 実施例及び比較例で使用されたフラッシュ蒸着装置の概略図である。 本発明の実施例1で得られた細孔の平面を示し、(a)はミクロ相分離後のAFM写真(測定範囲1000nm×1000nm)であり、(b)は紫外線−オゾン処理後のAFM写真(測定範囲5000nm×5000nm)である。 本発明の実施例1で得られた、p型ビスマステルライドを用いた熱電変換材料の細孔の平面を示すSEM写真(測定倍率30000倍)である。 本発明の実施例1で得られた、p型ビスマステルライドを用いた熱電変換材料の細孔の断面を示すAFMの表面プロファイル(測定範囲100nm×2700nm)である。
[熱電変換材料]
本発明の熱電変換材料は、微細孔を有するブロックコポリマーからなるブロックコポリマー基板上に熱電半導体層が形成された熱電変換材料において、前記ブロックコポリマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるモノマーからなるポリマーユニット(A)と、共役ジエン系ポリマーからなるポリマーユニット(B)から構成されることを特徴とする。
本発明の熱電変換材料に用いる熱電半導体層は、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライドであることが好ましい。
前記ポリマーユニット(A)としては、後述するポリマーユニット(B)と非相溶であることが好ましく、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上のモノマーからなるものである。
このようなポリマーユニット(A)としては、例えば、ポリスチレン;o−ポリメチルスチレン、p−ポリメチルスチレン、ポリプロピルスチレン、ポリメトキシスチレン等のポリスチレン誘導体;スチレン及び/又はスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸t−ブチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、ポリメタクリル酸ベンジル等のポリメタクリル酸エステル; ポリ2−ポリビニルピリジン、ポリ4−ビニルピリジン等のポリビニルピリジン誘導体;等が挙げられる。ポリマーユニット(A)は、1種の樹脂を単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、耐熱性、相分離のし易さの点から、ポリスチレン;o−ポリメチルスチレン、p−ポリメチルスチレン、ポリプロピルスチレン、ポリメトキシスチレン等のポリスチレン誘導体;スチレン及び/又はスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体等のスチレン系ポリマーが好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
前記ポリマーユニット(A)は、ホモポリマーのガラス転移温度は、50℃以上であるモノマーから構成される。ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるモノマーであれば、耐熱性に優れ、熱電変換材料用の基板として好ましく用いることができる。したがって、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは90℃以上である。前記ポリマー(A)のガラス転移温度の上限は、特に制限はないが、通常200℃以下である。
ポリマーユニット(A)のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定できる。
前記共役ジエン系ポリマーユニット(B)は、上述のポリマーユニット(A)と非相溶であることが好ましい。例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン等の鎖状共役ジエン;ポリシクロペンタジエン、ポリシクロヘキサジエン、ポリシクロヘプタジエン、ポリシクロオクタジエン及びそれらの誘導体等のポリ環状共役ジエン;等が挙げられる。ポリマーユニット(B)は、1種の樹脂を単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、相分離のし易さ、後述するエッチングのし易さの点から、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン等の鎖状共役ジエンが好ましく、ポリイソプレンがより好ましい。
前記ポリマーユニット(B)は、ホモポリマーのガラス転移温度は、20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が20℃以下であれば、上述のポリマーユニット(A)と相分離をし易く、制御された構造の微細孔を得ることができる。好ましくは、10℃以下であり、より好ましくは、0℃以下である。前記ポリマーユニット(B)のガラス転移温度の下限は、特に制限はないが、通常−50℃以上である。
ポリマーユニット(B)のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定できる。
前記ブロックコポリマーにおける前記ポリマーユニット(A)の数平均分子量は、500〜500000が好ましく、より好ましくは10000〜300000である。
ポリマーユニット(A)の分子量が500以上であると、高温での熱処理で揮発・蒸発等により失われることもなく、基板としての性能が維持されるため、好ましい。また、ポリマーユニット(A)の分子量が、500000以下であると、分子運動性が維持され、相分離が進み、微細孔の制御ができるため、好ましい。
また、前記ポリマーユニット(B)の数平均分子量は、500〜500000が好ましく、より好ましくは、1000〜100000である。
ポリマーユニット(B)の分子量は、上記範囲であれば、相分離後にポリマーユニット(B)相を除去することが容易となり、制御された微細孔を形成することができる。
また、前記ポリマーユニット(A)の分子量分布(PDI:Polydispersity Index)は、1.3以下であることが好ましく、前記ポリマーユニット(B)の分子量分布(PDI)は、1〜1.2であることが好ましい。ポリマーユニット(A)のPDIが上記範囲であれば、相分離の形状を制御でき、微細孔の制御が容易となるため好ましい。
なお、前記ポリマーユニット(A)及び(B)の分子量分布は、標準ポリスチレンの分子量を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、算出した。
ブロックコポリマー中のポリマーユニット(B)の含有量は1〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。前記ポリマーユニット(B)の含有量が、1質量%以上であると、シリンダーないし孔状構造体を形成できるという観点から、好ましい。また、ポリマーユニット(B)の含有量が、40質量%以下であると、相分離構造を形成するため、好ましい。
本発明のブロックコポリマーは、少なくとも上述のポリマーユニット(A)と、ポリマーユニット(B)から構成されるものであればよい。例えば、ポリマーユニット(A)と、ポリマーユニット(B)とが結合した、A―B型、A−B−A型、B−A−B型のブロックコポリマーが挙げられる。また、他のポリマーユニットが含まれたA−B−C型、A−B−C−A型であってもよい。
ブロックコポリマーの具体例としては、ポリスチレン−ポリイソプレン(PS−b−PI)、ポリスチレン−ポリブタジエン(PS−b−PBD)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SIBS樹脂)、ポリビニルピリジン−ポリブタジエン(PVP−b−PBD)、ポリビニルピリジン−ポリイソプレン(PVP−b−PI)、ポリメチルメタクリレート−ポリイソプレン(PMMA−b−PI)、ポリメチルメタクリレート−ポリブタジエン(PMMA−b−PB)などが挙げられる。
なかでも、相分離のし易さ、微細孔の制御のし易さ、耐熱性の点から、ポリスチレン−ポリイソプレン(PS−b−PI)、ポリスチレン−ポリブタジエン(PS−b−PBD)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SIBS樹脂)が好ましく、ポリスチレン−ポリイソプレン(PS−b−PI)がより好ましい。
なお、上記に挙げたポリマーユニット(A)とポリマー(B)とから構成されるブロックコポリマーは、重合して得られたものを用いることもできるし、市販品を用いることもできる。重合方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、sec−ブチルリチウムを開始剤に用いたリビングアニオン重合により合成することで得られる。また、市販品としては、例えば、Polymer Source社等からも市販されている。
(ブロックコポリマー基板)
本発明で用いるブロックコポリマー基板は、前記ポリマーユニット(A)と、共役ジエン系ポリマーからなるポリマーユニット(B)から構成されるブロックコポリマーからなり、微細孔を有するものである。
本発明で用いるブロックコポリマー基板は、支持体1上にブロックコポリマー層を形成し、ブロックコポリマー層をミクロ相分離させ、相分離したブロックコポリマー層内のポリマーユニット(B)からなる相を一部又はすべてを除去して、微細孔を形成することで得られる。
まず、ブロックコポリマーの前記ミクロ相分離について、簡単に説明する。
ブロックコポリマーにおいて、異種のブロックがお互いに混ざり合うことなく、相分離する場合は、所定の秩序をもった特徴のあるミクロドメイン構造をとる。これをミクロ相分離構造と呼ぶ。例えば、ミクロ相分離構造は、ブロックコポリマーを構成する2種のポリマーユニットが、分子鎖長程度のスケール、すなわち数10ナノメートルオーダーで相分離したミクロドメイン構造をとる。
前記ミクロ相分離構造は、基本的には、前記ブロックコポリマーの組成に応じて変わり、ラメラ構造、シリンダー構造、球構造、ジャイロイド構造等に分類することができる。さらに詳しくは、ミクロ相分離構造は、ブロックコポリマーを構成するモノマーの種類、それらの組み合わせ、体積分率、及び成膜時に使用する異種ポリマーを溶解させる溶媒の種類によって異なる。本発明では、ポリマーユニット(A)からなる相(以下、ポリマー(A)相ということがある。)中に、ポリマーユニット(B)からなる相(以下、ポリマー(B)相ということがある。)が円柱(シリンダー)として存在するシリンダー構造をとる。
図1は、本発明の熱電変換材料におけるブロックコポリマー基板の断面を模式的に示し、(a)はポリマー(B)相を一部エッチングにより除去した一例であり、(b)はポリマー(B)相を一部エッチングにより除去した他の一例であり、(c)はポリマー(B)相をオーバーエッチングしてすべて除去した図である。図1において、ブロックコポリマー基板2は、ガラス、シリコン等からなる支持体1に形成され、微細孔5を有している。ブロックコポリマー基板2は、ポリマー(A)相3A、ポリマー(B)相4及びブロックコポリマー基板2の厚み方向に多数の微細孔5からなる。
前記ブロックコポリマー基板2は、支持体1上の全面にわたり配置されていてもよいし、独立な基板として複数配置されていてもよい。
微細孔5の形状は、特に限定されず、例えば、図1(a)のように内底部6が平坦であってもよく、図1(b)のように、平坦でなくてもよい。
また、図1(c)のように、ポリマー(B)相4が、すべて除去されていてもよい。図1(c)のような場合は、微細孔5は貫通孔となっている。
ブロックコポリマー基板2の膜厚は、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは50〜250nmである。膜厚が10nm以上であると、熱伝導率が十分に低下するため、好ましい。膜厚が1000nm以下であると、結晶性が高くならず、成膜がし易くなるため好ましい。微細孔5の平均直径は、好ましくは5〜1000nm、より好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは、30〜150nmである。平均直径が5nm以上であると、例えば、蒸着等による成膜後も、熱電半導体層により微細孔5が塞がれてしまうこともなく、独立した微細孔5が維持されるので好ましい。平均直径が1000nm以下であると、熱変換材料の機械的強度が確保でき、さらに熱伝導率が十分に低下するため好ましい。なお、微細孔5の平均直径は、ブロックコポリマー基板2の表面(図1における上面)を測定倍率3万倍で、SEMで観察することで求めることができる。具体的には、SEM写真から、視野内に存在する独立した微細孔5の個々の孔径の最大径、最小径を読み取り、平均径を求め、次いで、得られた平均径から、測定した全数にわたり単純平均することにより算出することができる。
微細孔5の深さは、好ましくは5〜1000nm、より好ましくは10〜300nmである。深さが5nm以上であると、独立した微細孔5が維持されるという観点から好ましい。
また、微細孔5の配列する平均間隔(隣接する孔と孔との中心間距離)は、好ましくは10〜1500nmであり、より好ましくは10〜300nmであり、さらに好ましくは10〜150nmである。平均間隔が10nm以上であると、電子の平均自由行程より長くなり、電子の散乱因子となりにくくなるため、電気伝導率の低下が抑制され好ましい。平均間隔が1500nm以下であると、1500nm以上の平均自由工程のフォノン熱輸送を低減できるため好ましい。微細孔5の個数は、平均間隔を10〜150nmとした場合、1mm2当たり0.44×108〜100×108個程度となる。
微細孔5内を基板の厚み方向に貫通する中心線7とブロックコポリマー基板2上に立てた法線8とのなす角度9は、好ましくは±15°以内、より好ましくは±5°以内である。法線8とのなす角度9が±15°以内であると、例えば、p型ビスマステルライド等の熱電半導体材料を成膜した時、微細孔5内部の壁面にp型ビスマステルライドが付着しにくくなるため、好ましい。なお、前記微細孔5内を基板の厚み方向に貫通する中心線7とブロックコポリマー基板2上に立てた法線8とのなす角度9は、測定倍率3μm角でのAFM写真(ブロックコポリマー基板2の断面プロファイル)を用い測定した。
なお、図1において、支持体1内にある点線は、ブロックコポリマー基板2の面方向と平行な仮想線10をあらわす。
(熱電半導体層)
本発明の熱電変換材料に用いる熱電半導体層は、熱電半導体材料を成膜してなる層であり、上記のブロックコポリマー基板2に形成される。本発明において、熱電半導体材料は、例えば、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、Bi2Te3等のビスマス−テルル系熱電半導体材料、GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料、アンチモン−テルル系熱電半導体材料、ZnSb、Zn3Sb2、Zn4Sb3等の亜鉛−アンチモン系熱電半導体材料、SiGe等のシリコン−ゲルマニウム系熱電半導体材料、Bi2Se3等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料、β―FeSi2、CrSi2、MnSi1.73、Mg2Si等のシリサイド系熱電半導体材料、酸化物系熱電半導体材料、FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料などが用いられる。これらの中でも、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、Bi2Te3等のビスマス−テルル系熱電半導体材料が好ましい。
熱電半導体材料を成膜する方法としては、特に限定されない。例えば、ブロックコポリマー基板2に、p型ビスマステルライド等の熱電半導体材料をフラッシュ蒸着法等により成膜することにより、熱電半導体層を形成し、本発明の熱電変換材料を得ることができる。
前記熱電半導体層は、ブロックコポリマー基板2に熱電半導体材料を成膜することにより形成される。熱電変換材料の熱伝導率を低下させるため、熱電半導体層は、微細孔5の内底部6とブロックコポリマー基板2の頂部3との絶縁性が維持されていることが好ましい。熱電半導体層は、ブロックコポリマー基板2の頂部3と微細孔5の内底部6に存在していてもよく、微細孔5の内底部6に存在せず、ブロックコポリマー基板2の頂部3にのみに存在していてもよい。なかでも、熱電半導体層は、ブロックコポリマー基板2の頂部3と微細孔5の内底部6に存在していることが好ましい。
前記熱電半導体層は、前記ブロックコポリマー基板2の頂部3における膜厚は、好ましくは、10〜500nmであり、より好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは50〜250nmである。頂部3における膜厚が上記範囲内であれば、内底部6と頂部3とが連続した層とならず絶縁性を維持でき、熱電半導体層を形成でき、かつ材料コストを削減でき生産性が向上するという点で好ましい。
また、前記微細孔5の内底部6における、熱電半導体層の膜厚は、好ましくは、5〜200nmであり、より好ましくは、5〜100nm以下である。内底部6における膜厚が上記範囲内であれば、微細孔5が熱電半導体層で埋まらず、微細孔5が維持され好ましい。
また、熱電半導体材料を成膜する方法は、特に限定されず、例えば、フラッシュ蒸着、真空アーク蒸着法等が挙げられる。
(p型ビスマステルライド)
本発明の熱電変換材料に使用されているp型ビスマステルライドは、キャリアが正孔であり、ゼーベック係数が正値であるものである。p型ビスマステルライドは、BiXTe3Sb2-X(この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.6であり、より好ましくは0.4<X≦0.6)であることが好ましい。Xが0より大きく0.6以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、p型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。p型ビスマステルライドは、具体的には、Bi0.4Te3Sb1.6が挙げられる。
(n型ビスマステルライド)
本発明の熱変換材料に使用されているn型ビスマステルライドは、キャリアが電子であり、ゼーベック係数が負値であるものである。n型ビスマステルライドは、Bi2Te3-YSeY(この場合、Yは、好ましくは0<Y≦3であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7)であることが好ましい。Yが0より大きく3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、n型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。n型ビスマステルライドは、具体的には、Bi2Te2.7Se0.3が挙げられる。
本発明のp型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライドは、単独で用いることもできるが、一対にし、使用することが好ましい。例えば、複数対を、電気的には電極を介して直列に、熱的にはセラミックス等の絶縁体を介して並列に接続して、熱電変換素子として、発電用及び冷却用として使用することができる。
本発明の熱電変換材料は、微細孔を有するブロックコポリマー基板2を作製する基板作製工程と、熱電半導体材料を成膜して熱電半導体層を形成する成膜工程により製造することができる。さらに詳述すると、基板作製工程は、ブロックコポリマー層を形成する工程、該ブロックコポリマー層を溶媒雰囲気下でアニーリングしミクロ相分離させる、相分離工程、及びミクロ相分離したブロックコポリマー層の一部又はすべてを除去して微細孔を形成する、微細孔形成工程を含むことが好ましい。
(1)基板作製工程
(1)−1 ブロックコポリマー層形成工程
ブロックコポリマー層形成工程は、上述のブロックコポリマーを、例えば、有機溶媒に溶解させた溶液を、支持体1上に塗布して、ブロックコポリマー層を形成する工程である。
前記支持体1としては、ブロックコポリマー層が均一に形成され、かつ熱電変換材料の電気伝導率の低下、熱伝導率の増加に影響を及ぼさないものであれば、特に制限されない。例えば、ガラス、シリコン、ITO基板、プラスチック基板等が挙げられる。
なお、支持体1は、基板作製工程または後述する成膜工程の後に剥離されてもよいが、微細孔5を有する基板を機械的に維持することができるという点から、図1のように、ブロックコポリマー基板2と積層することが好ましい。
ブロックコポリマー層の形成方法としては、例えば、スピンコート、ロールコート、ディップコート、ダイコート、グラビアコート等が挙げられ、特に制限されない。なお、数nmのオーダーのブロックコポリマー層を基板面内全域に均一に形成する場合は、スピンコート、ダイコート、グラビアコートが特に好ましく用いられる。
本発明で使用される、ブロックコポリマーを溶解する溶媒としては、シリンダー構造を有するミクロ相分離構造を得る観点から、シクロペンタノン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、THF、ベンゼン、シクロヘキサノンが挙げられ、特に蒸発速度の観点からシクロペンタノンが好ましい。
また、前記ブロックコポリマー溶液中のブロックコポリマーの濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。ブロックコポリマーの濃度が0.1質量%以上であると、厚みが数nmのオーダーのブロックコポリマー層を均一に形成するという観点から、好ましい。ブロックコポリマーの濃度が20質量%以下であると、成膜時の結晶化を抑えられるという観点から、好ましい。
(1)−2 ミクロ相分離工程
相分離工程は、(1)−1で得られたブロックコポリマー層を、溶媒処理により、シリンダー構造を有するミクロ相分離構造を形成する工程である。
前記シリンダー構造を有するミクロ相分離構造の形成方法としては、(1)−1で得られたブロックコポリマー層を溶媒蒸気雰囲気下で、一定時間保持することにより、シリンダー構造を有するミクロ相分離構造を形成する方法(溶媒アニーリング法)が挙げられる。溶媒アニーリング法を用いることで、シリンダー構造を有するミクロ相分離構造がブロックコポリマー基板2の表面に対し垂直に配向する。 前記溶媒アニーリングで使用する溶媒としては、ポリマーユニット(A)及びポリマーユニット(B)の両成分との良溶媒であることが好ましく、例えば、トルエン、トルエン及びヘキサンの混合溶媒、二硫化炭素、ベンゼン、THF等が挙げられる。前記溶媒の中で、ブロックコポリマーを構成する2種のポリマー成分と親和性が高いという観点から、トルエン及びヘキサンの混合溶媒が好ましく用いられる。
このように、上記溶媒を用いることで、溶媒アニーリング法において、ミクロ相分離構造が高度に制御され、深さ、平均直径及び形状等が制御された微細孔5を得ることができる。
本発明で用いた溶媒処理によるミクロ相分離構造の形成メカニズムは、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられている。まず、使用した溶媒蒸気雰囲気下で、ブロックコポリマー層に該溶媒が浸透し、ブロックコポリマー層が膨潤する。次に、ブロックコポリマー層形成時に固定化されていたポリマー鎖が再び動き易くなり、異種ポリマー間の斥力による相互作用により再自己組織化が生じ、明瞭なミクロ相分離構造となってくる。また、同時に、ポリマーユニット(A)及びポリマーユニット(B)成分は前溶媒と親和して、ブロックコポリマー層の表面にそれぞれドメインを形成する。ただし、このとき、どちらか一方のポリマーでは表面偏析は起こらない。さらに、溶媒と接するブロックコポリマー層の表面がトリガーとなり基板の膜厚方向に自己組織化が進み、最終的には、シリンダー構造を有するミクロ相分離構造が基板表面に対し垂直に配向したブロックコポリマー層となる。
(1)−3 微細孔形成工程
微細孔形成工程は、(1)−2によりシリンダー構造にミクロ相分離されたブロックコポリマー層のポリマー(B)相を、一部又はすべてを除去して微細孔を形成する工程である。
ポリマー(B)相を除去する方法は、特に制限されず、例えば、オゾン処理、酸素プラズマ処理等によりエッチングする方法が挙げられる。なかでも、微細孔の深さ、平均直径、形状等の制御が容易であるという点から、オゾン処理が好ましい。 ミクロ相分離したブロックコポリマー層において、前記オゾン処理に対する耐エッチング性は、ポリマー(B)相に比べ、ポリマー(A)相が高く、エッチング速度比が1オーダーほど異なる。このため、オゾン処理により、耐エッチング性の低い、つまり、エッチング速度が大きいポリマー(B)相が、選択的にエッチングされ除去されることにより、微細孔が形成される。前記オゾン処理は、対象となる被処理物の有機化合物をオゾンにより、水と二酸化炭素に化学変化させることにより除去する処理である。
前記オゾン処理としては、具体的には、例えば、光源として波長184.9nm及び波長253.7nmの紫外光を同時に放射する低圧水銀ランプ等を備える装置を使用し、酸素雰囲気(空気中の酸素の使用も可)下で、オゾンを発生させ、対象となる被処理物の有機化合物を前記オゾンにより、水と二酸化炭素に化学変化させることにより除去する処理(紫外線−オゾン処理)が好ましい。オゾン処理の条件(酸素量、処理時間等)により、エッチング量すなわち微細孔の深さを制御することができる。
しかしながら、この紫外線−オゾン処理方法では、選択的に一方の有機化合物、すなわち、本発明においては、ポリマー(B)相を選択的に除去することが困難な場合がある。そこで、ポリマー(B)相がポリマー(A)相に比べ、オゾンで選択的にエッチングできることから、オゾン処理時にオゾンの分解を促進する波長253.7nmをカットし、オゾンの生成を促進する波長184.9nmのみを透過させて、紫外線−オゾン処理を行うことが好ましい。このような方法としては、特に限定されないが、例えば、253.7nm近辺の波長をカットし、184.9nmの波長を透過する光学フィルターを用いればよい。これにより、選択的にポリマー(B)相を除去することができる。エッチングは、図1(c)に示したように、微細孔5が貫通孔となるまでポリマー(B)4相をオーバーエッチングして、ポリマー(B)相4をすべて除去してもよいし、エッチングを途中でやめ、図1(a)、(b)に示したように、ポリマー(B)相の一部を残してもよい。微細孔5の深さは熱電変換素子としての性能を制御する一つのパラメーターとなるため、ポリマー(B)相の除去量は、適宜選択することが好ましい。
以上のように、オゾン処理により、選択的にポリマー(B)相を除去することにより、微細孔5を形成することができ、深さ、平均直径及び形状等が高度に制御された微細孔5を有する本発明のブロックコポリマー基板2が作製される。
(2)成膜工程
本発明においては、成膜工程は、前記基板作製工程の後に、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライド等の熱電半導体材料をブロックコポリマー基板2へ成膜し、熱電半導体層を形成する工程である。ここで、成膜方法としては、特に限定されないが、フラッシュ蒸着法もしくは真空アーク蒸着法が好ましく用いられる。なかでも、精度よく成膜できるという点からフラッシュ蒸着法がより好ましい。
(フラッシュ蒸着法による成膜)
フラッシュ蒸着法とは、粒子状にした成膜材料を、例えば、材料の沸点以上に予め加熱したるつぼ、又はボート型ヒータに、連続的に少量ずつ供給して、瞬間的に材料を蒸発させ、成膜する蒸着法である。このようなプロセスで蒸着すると、瞬時に材料が蒸発するため、特に蒸気圧の異なる2種類以上の元素からなる合金を蒸着する場合、蒸着材料である蒸着源をヒータ上に固定し、加熱蒸着する蒸着法に比べ、組成比をより一定に保つことができる。
また、蒸着材料の飛散、未蒸発物の残留等がなく、蒸着材料を効率良く利用でき、製造コスト的にも好ましい。さらに、フラッシュ蒸着法では、蒸着時の蒸着材料の直進性が高く、微細孔内の壁面に材料が蒸着されにくくなるためより好ましい。
フラッシュ蒸着法に使用できる装置の例を説明する。図2は、実施例及び比較例で使用されたフラッシュ蒸着装置の概略図である。図2において、11はフラッシュ蒸着装置、12は真空チャンバー、13は蒸着材料、14はヒータである。
真空チャンバー12において、蒸着材料13を加熱蒸発させるヒータ14として、例えば、ボート型を有したヒータ14を使用する。ヒータ14の材料としては、通常、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ等に代表される高融点金属が使用され、蒸着材料13の融点、沸点、昇華温度等の物性に合わせ、適宜選択される。ブロックコポリマー基板15は、通常ヒータ14に対向する位置に設置する。
また、フラッシュ蒸着装置11にはフラッシュ蒸着の特徴の一つである、蒸着材料13を連続的に少量ずつ供給する機構を備えている。該機構は、具体的には、例えば、フラッシュ蒸着装置11の上部に、電磁フィーダ16を設け、電磁フィーダ16から蒸着材料13の粒子を漏斗17へ供給し、所定量の蒸着材料13が漏斗17を介して連続的にヒータ14上に落下するように設計されている。
蒸着は、以下のようにして行われる。フラッシュ蒸着装置11の真空排気口18より排気をし、真空チャンバー12を所定の真空度まで減圧し、一定時間保持した後、電流をヒータ14に供給し、ヒータ14を加熱する。
ブロックコポリマー基板15を所定温度まで加熱し、一定時間保持した後、蒸着材料13をヒータ14上に落下させることで、蒸着を開始する。蒸着材料13が瞬時に蒸発して、対向するブロックコポリマー基板15に付着し、蒸着が行われる。
蒸着終了後、ヒータ14への電流供給を停止し、基板15の温度を所定温度以下まで冷却し、真空チャンバー12を開放することでフラッシュ蒸着が完了する。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例で作製した熱電変換材料の熱電性能評価は、以下の方法で、熱伝導率、ゼーベック係数及び電気伝導率を算出することにより行った。
(a)熱伝導率
熱伝導率の測定には3ω法を用いて熱伝導率を算出した。
(b)ゼーベック係数
JIS C 2527:1994に準拠して実施例及び比較例で作製した熱電変換材料の熱起電力を測定し、ゼーベック係数を算出した。作製した試料の一端を加熱して、試料の両端に生じる温度差をクロメル−アルメル熱電対を使用し測定し、熱電対設置位置に隣接した電極から熱起電力を測定した。具体的には、温度差と起電力を測定する試料の両端間距離を25mmとし、一端を20℃に保ち、他端を25℃から50℃まで1℃刻みで加熱し、その際の熱起電力を測定して、傾きからゼーベック係数を算出した。なお、熱電対及び電極の設置位置は、薄膜の中心線に対し、互いに対称の位置にあり、熱電対と電極の距離は1mmである。
(c)電気伝導率
実施例及び比較例で作製した熱電変換材料を、表面抵抗測定装置(三菱化学社製、商品名:ロレスタGP MCP−T600)により、四端子法で試料の表面抵抗値を測定し、電気伝導率を算出した。
(実施例1)
(1)ブロックコポリマー基板の作製(基板作製工程)
支持体1上へ、以下のようにしてブロックコポリマー層を形成し、溶液中でのミクロ相分離処理、続く紫外線−オゾン処理によるポリマー(B)相の除去により、ブロックコポリマー基板2を作製した。
(ブロックコポリマー層形成工程)
ポリスチレン(PS)ユニットとポリイソプレン(PI)ユニットから構成されるPS−b−PIのブロックコポリマー(PSユニットのガラス転移温度が100℃、PSユニットの数平均分子量が72000、PIユニットの数平均分子量が13000、ブロックコポリマー中のPIの含有量:15質量%、「72000−b−13000」)(Polymer Source社製、「P4014−PIp」)をシクロペンタノン(東京化成工業株式会社試薬)に溶解し、溶液濃度1質量%のポリマー溶液を調製した。調製したポリマー溶液を使用し、スピンコート法により支持体1であるガラス基板上に塗布し、厚さが150nmのブロックコポリマー層を作製した。
(ミクロ相分離工程)
次いで、作製した該ブロックコポリマー層を、トルエン/へキサン=70/30体積%の溶液を用いて、溶媒蒸気雰囲気下で、溶媒アニーリング処理を30分間行った。得られた該ミクロ相分離後の薄膜の構造評価をAFMで行った。
(微細孔形成工程)
その後、微細孔形成工程として、前記薄膜に波長253.7nmをカットする光学フィルターを使用し、紫外線−オゾン処理(Samco社製、UV-Ozone dry stripper)をし、へキサン溶媒で洗浄することで、ポリイソプレン相の除去を行い、ブロックコポリマー基板15を作製した。得られたブロックコポリマー基板15の評価をSEM観察により行った。図3は、本発明の実施例1で得られた細孔の平面を示し、(a)はミクロ相分離後のAFM写真であり、(b)は紫外線−オゾン処理後のAFM写真である。
(2)p型ビスマステルライドの成膜(成膜工程)
前記(1)で作製したブロックコポリマー基板15を使用し、フラッシュ蒸着法でp型ビスマステルライドを成膜することにより熱電半導体層を形成し、熱電変換素材料を作製した。
図2に示したフラッシュ蒸着装置11の真空チャンバー12において、蒸着材料13を加熱蒸発させるヒータ14としてボート型のタングステンヒータを使用し、ヒータ14に対向する位置(15cm)に(1)で作製したブロックコポリマー基板15を配置した。
次いで、フラッシュ蒸着装置11の真空排気口18より排気をし、1.4×10-3Paの真空度まで減圧し、真空度を安定させた後、80Aの電流をタングステンヒータ14に供給し、加熱した。基板温度は、冷却水を流し100℃以下になるように制御を行った。蒸着材料13であるp型ビスマステルライド(Bi0.4Te3Sb1.6)をボート型のタングステンヒータ上に連続的に少量ずつ落下させ、平均蒸着速度0.17(nm/秒)、蒸着時間600(秒)で成膜を行い、熱電変換材料を作製した。
図4は、本発明の実施例1で得られた、p型ビスマステルライドを用いた熱電変換材料の細孔の平面を示すSEM写真である。図4に示すように、p型ビスマステルライド(Bi0.4Te3Sb1.6)が成膜されたブロックコポリマー基板15の表面は独立した微細孔になっていることがわかる。成膜したp型ビスマステルライド(Bi0.4Te3Sb1.6)のブロックコポリマー基板の表面の膜厚は100nm、微細孔5の底部の膜厚は20nmであった。また、図4より微細孔5の平均直径を算出した。結果を表1に示す。
また、図5は、本発明の実施例1で得られた、p型ビスマステルライドを用いた熱電変換材料の微細孔5の断面を示すAFMによる断面プロファイルである。図5より微細孔5の深さを算出した。結果を表1に示す。図5より明らかなように、微細孔5の断面は、ブロックコポリマー基板15の厚み方向にやや傾きを有している場合があるが、各微細孔内を貫通する中心線7が、ブロックコポリマー基板2上に立てた法線に対し、±15°内に十分収まっていることがわかる。
熱電性能評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ブロックコポリマーとして,PSユニットの数平均分子量が36000、PIユニットの数平均分子量が7500である、PS−b−PIのブロックコポリマー(「36000−b−7500」、PSユニットのガラス転移温度が98℃、ブロックコポリマー中のPIの含有量:17質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例3)
ブロックコポリマーとして,PSユニットの数平均分子量が144000、PIユニットの数平均分子量が26000である、PS−b−PIのブロックコポリマー(「144000−b−26000」、PSユニットのガラス転移温度が105℃、ブロックコポリマー中のPIの含有量:15質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(実施例4)
熱電半導体材料として、n型ビスマステルライド(Bi2.0Te2.7Se0.3)に替えて、成膜した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(比較例1)
ブロックコポリマー基板のミクロ相分離工程及び微細孔形成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料を作製した。
(比較例2)
ブロックコポリマー基板のミクロ相分離工程及び微細孔形成工程を行わなかったこと以外は、実施例4と同様にして、熱電変換材料を作製した。
熱電性能評価結果を表1に示す。
実施例1〜4の熱電変換材料は、ミクロ相分離工程及び微細孔形成工程を行なわず、微細孔が形成されていないブロックコポリマー基板を使用した比較例1、2の熱電変換材料と比べて、熱伝導率が大幅に低下し、かつ電気伝導率が高く、無次元熱電性能指数ZTの値としても高い値が得られた。
本発明の熱電変換材料は、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子にして、モジュールに組み込み、利用される。具体的には、高効率な熱電変換材料であるので、工場や廃棄物燃焼炉、セメント燃焼炉等の各種燃焼炉からの排熱、自動車の燃焼ガス排熱及び電子機器の排熱を電気に変換する用途への適用が考えられる。
1:支持体
2:ブロックコポリマー基板
3:頂部
3A:ポリマー(A)相
4:ポリマー(B)相
5:微細孔
6:内底部
7:微細孔内を貫通する中心線
8:ブロックコポリマー基板上に立てた法線
9:微細孔内を貫通する中心線と法線のなす角度
10:ブロックコポリマー基板に対して平行に引いた仮想線
11:フラッシュ蒸着装置
12:真空チャンバー
13:蒸着材料
14:ヒータ
15:ブロックコポリマー基板
16:電磁フィーダ
17:漏斗
18:真空排気口

Claims (9)

  1. 微細孔を有するブロックコポリマーからなるブロックコポリマー基板上に熱電半導体層が形成された熱電変換材料において、前記ブロックコポリマーが、ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上であるモノマーからなるポリマーユニット(A)と、共役ジエン系ポリマーからなるポリマーユニット(B)から構成されることを特徴とする熱電変換材料。
  2. 前記ポリマーユニット(A)が、ポリスチレンからなる請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記ポリマーユニット(B)が、ポリイソプレンからなる請求項1又は2に記載の熱電変換材料。
  4. 前記ブロックコポリマーにおける前記ポリマーユニット(A)の数平均分子量が500〜500000、及び前記ポリマーユニット(B)の数平均分子量が500〜500000であり、かつ前記ポリマーユニット(B)の含有量が1〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換材料。
  5. 前記微細孔の深さが5〜1000nm、平均直径が5〜1000nmである請求項1〜4のいずれかに記載の熱電変換材料。
  6. 前記熱電半導体層の膜厚が10〜500nmである請求項1〜5のいずれかに記載の熱電変換材料。
  7. 前記熱電半導体層が、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライドから成膜されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の熱電変換材料。
  8. 前記p型ビスマステルライドが、BiXTe3Sb2-Xであって、0<X≦0.6である請求項1〜7のいずれかに記載の熱電変換材料。
  9. 前記n型ビスマステルライドが、Bi2.0Te3-YSeYであって、0<Y≦3である請求項1〜7のいずれかに記載の熱電変換材料。
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