JPWO2013125470A1 - 着色コンタクトレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】コンタクトレンズ装着者の瞳に自然な外観を与えつつ、本来の色や質感を他覚的に変化させることができるデザインを提案することであり、コンタクトレンズ本来の諸物性に悪影響を与えることなく、製造コストの増加を抑えた着色コンタクトレンズを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の着色コンタクトレンズは、透明な中央視覚領域と、それを取り巻く着色領域を有する着色コンタクトレンズであって、前記着色領域が基本的には、海部分の連続した透明部と、島部分の不連続な着色不透明部とからなる海島構造を形成し、前記着色不透明部が鱗状の形状を有し、レンズの径方向で70〜600μm、レンズの周方向で40〜300μmの大きさを有することを特徴とする。

Description

本発明は、非常に自然な外観を与え、装用者の瞳の外見を変えることができる着色パターンを有する着色コンタクトレンズに関する。
着色コンタクトレンズは視力矯正のためというよりは、むしろおしゃれを楽しむためのもので、ソフトコンタクトレンズを主流として販売されている(一部には、目の虹彩や角膜に外観上の異常がある患者が美容を目的とした義眼として使用される例もあり、これはハード系も販売されている)。
従来、着色コンタクトレンズの中でも視力矯正を目的としない場合は、薬事法の規制対象ではなかった。そのため、製品の完成度や、販売・使用指導が適切でないこと等に起因すると思われる健康被害の報告があったことを受け、行政側の対応として薬事法の枠内で規制を行う方針を固め、平成21年11月4日以降は「医療機器」として規制の対象とされた。おしゃれ用の着色コンタクトレンズは瞳の色又は質感を他覚的に変化させるものである。特に虹彩の色が濃い日本人の瞳の色を変えるには、レンズを通して背後の虹彩の色が見えない程度にまで不透明な着色剤等を使用する必要があり、このような事情により、レンズからの着色剤溶出を誘発させ、或いは着色部分におけるコンタクトレンズ表面の粗さやレンズ素材の酸素透過性を阻害するなどの悪影響を与えたことが、健康被害の要因の一つと推察される。
コンタクトレンズの着色方法としては、大きく分けると、染料を用いてレンズを均一に着色する方法と、透明(薄く着色されたレンズも含む)レンズの表面もしくは内部に部分的に模様を印刷する方法があり、装用者の瞳の外見を変える着色コンタクトレンズに関しては、後者の方法が主に採用されている。例えば、レンズ成形金型表面の虹彩部分を形成する部位に色付きモノマー成分を被覆してフィルム形成後、レンズ用モノマー成分を充填・重合して金型から取り出されたときには着色コンタクトレンズが形成されている方法(特許文献1)、着色部分がレンズ素材の内部に埋め込まれているコンタクトレンズ(特許文献2)などがある。これらは着色剤の溶出を抑えレンズ表面の平滑性を担保するという点で、着色コンタクトレンズの製造方法として有力なものである。
これらの製法の他、視覚的な効果を考えたデザイン面での提案も多い。例えば、型表面に少なくとも2つの異なるデザインを設け、コンタクトレンズの成形および硬化中に型表面と接触するレンズの表面に転写するもの(特許文献3)、二つの着色部分が異なる色相から成り、ぎざぎざの境界領域をもって接しているパターンを有するもの(特許文献4)、陰影比の異なる二つのサブパターンと、主観的サブパターンが一連の放射状の断続的な線模様からなるパターンを有するもの(特許文献5)、三つの部分からなる虹彩セクションを有し、各セクションの範囲を適宜設定することで複数の箇所にオーバーラップする領域が生じ、非常に自然な外観を呈するもの(特許文献6)、角膜縁リングと繊維状ドットパターンを有し使用者の虹彩の鮮明度を強調するもの(特許文献7)、色付き領域が、円形、楕円形、三角形、線形などの形を有する組合わせから構成され、半径方向に徐々に変化する色を有するもの(特許文献8)などである。
自然に見える虹彩の構造は、日本人のように濃色であっても単一色ということはなく、多くの色や異なる形状の模様を含んでいる。この自然な外観を呈することが使用者にとって好まれることは当然であり、そのために前記各種のデザインが工夫されてきたのである。前記デザインを形状という点から考察すると、基本的には、一定の(使用者の虹彩領域をカバーするような)広がりを有する平面、連続的又は断続的な線、円・楕円・三角形などの形を有するドット(点)の三種類に大別される。平面デザインは装用者の瞳の外見を変える機能の点で優れているが、レンズ素材のいわゆる酸素透過性を阻害するおそれが高いので必ずしも好ましいとはいえず、線またはドットは濃色な瞳の外見上の色を変える点で困難である。
さらに、線またはドットの場合には、レンズが目に装着されたときの、装用者の虹彩との係わり(重なり)によって見え方の予測がむずかしいという事情もあり、所望のデザインを形成するには、ある程度の試行錯誤が必要で、着色コンタクトレンズの最適デザインが求められているのである。
特開平2−134612号公報 特開平3−15020号公報 特開平4−265710号公報 特表平4−505972号公報 特開2000−66147号公報 特表2002−507001号公報 特表2007−537492号公報 特表2004−533629号公報
本発明の課題は、コンタクトレンズ装用者の瞳に自然な外観を与えつつ、装用者の瞳の色や質感を他覚的に変化させることができるデザインを提案することであり、コンタクトレンズ本来の諸物性に悪影響を与えることなく、製造コストの増加を抑えた着色コンタクトレンズを提供することを目的とする。
本発明は、透明な中央視覚領域と、それを取り巻く着色領域を有する着色コンタクトレンズであって、前記着色領域が基本的には、海部分の連続した透明部と、島部分の不連続な着色不透明部とからなる海島構造を形成し、前記着色不透明部が鱗状の形状を有し、レンズの径方向で70〜600μm、レンズの周方向で40〜300μmの大きさを有することを特徴とする。着色不透明部によってレンズ装用者本来の瞳の色や模様が、観察者から見ると変わったように見えるのである。さらに、各鱗模様をレンズ装用者本来の瞳より広く配置すると、虹彩部分をより際立たせて、瞳を大きくみせる効果がある。例えば、瞳の外径が12mmの装用者が、着色不透明部の外径が13mmの着色コンタクトレンズを装用すると、瞳が大きく見えるのみでなく、目のパッチリとした美顔に見えることもある。
また、例えば含水性のソフトコンタクトレンズを着色コンタクトレンズとして製造する際に、製造時と使用時とのレンズサイズが含水によって膨潤し大きくなるような場合でも、本発明の着色領域は、海島構造を有しているので、膨潤に伴う変形などのおそれがない。詳細は後述するが、所謂ドライモールド法によりレンズを製造すると、製造時と使用時(含水時)ではレンズサイズが大きく異なる。通常、着色不透明部には含水しない成分等が含まれるので、透明部と不透明部との含水率は必ずしも一致せず、その影響で変形する場合がある。この際、平均の含水率を一致させたとしても、色の濃い部分と薄い部分とでは部分的に含水率が異なることもある。本発明では、そのような状況にも対応し得るデザインなのである。
前記着色不透明部の鱗状の形状は、レンズの中心に向かって配列されているとともに、レンズの外周方向よりもレンズの中心方向において大きな曲率を有することを特徴とする。鱗の形状は後述するように、二等辺三角形のそれぞれの角を丸めて、各辺を適宜湾曲させたような形状であり、その底辺側をレンズの外周方向に向けて配列している。そして二等辺部分で形成する湾曲(以下「先端側」ともいう)が、レンズの中心に向けられ、底辺側に形成された湾曲(直線状も含む。以下「後端側ともいう)よりも大きな曲率を有しているのである。着色不透明部をこのような配列および形状にすることで、虹彩模様をより自然な外観に表現することができるのである。
前記着色領域は、完全な海島構造を形成している場合もあるが、島部分の着色不透明部が、一部接続されていても良い。より具体的には、着色領域の周縁からレンズ中心方向へ向かって幅1〜3.5mmの環状範囲内、より好ましくは1.5〜3.0mmの環状範囲内において、複数の鱗状の島部分が、レンズの中心方向とレンズの外周方向とで相互に接続されていても良い。着色不透明部をより多く配置して、レンズの背後にある強膜部分を適度に遮蔽し、着色領域により瞳の色や模様を変え、また瞳を大きく見せることができるからである。なお、島部分の着色不透明部のサイズを大きくすることによって、島部分を接続しなくても同様の効果を得ることができる。
前記着色不透明部は、レンズの中心方向に行くに従って、その大きさが小さくなったり、その数が少なくなるようにデザインされることが好ましい。着色不透明部の大きさや数は双方が独立して変更することができ、厳密にレンズの中心側が外周側に比べてサイズが小さいとか数が少ないように着色する必要はない。あくまでデザインの傾向として理解すればよく、適宜調整することができる。これによって虹彩をコンタクトレンズの曲面上により自然な外観として表現することができる。従来のドットパターンでは数が少なくなるような密度勾配を持たせることについては提案されていた(例えば特許文献7等参照)が、ドット自体の大きさを小さくするような提案はみられなかった。本発明では、自然な虹彩が角膜と水晶体の間にある薄い膜状のものであることを考慮し、これをレンズの曲面にデザインして虹彩部分をより際立つようにするには、遠近感(3D効果)を持たせた方が好ましいという思想に基づく。
また中央視覚領域は直径が7〜11mmを確保することが好ましい。不透明部により視野が妨げられないようにするためである。
さらに、環状着色領域の外径は11〜14mmであり、好ましくは12〜13.8mmであり、より好ましくは12.5〜13.5mmである。着色不透明部は虹彩または虹彩よりやや広い領域をカバーすればよいので、その外側に透明な部分を有していても良い。特にソフトコンタクトレンズは、角膜から強膜に至るまでのサイズを有しており、必要以上に広範囲な着色領域を作成しなくてもよく、瞳が大きく見えすぎると外見上も好ましくないからである。
本発明の着色コンタクトレンズは、鱗状に形成した着色不透明部を有するので、従来の平面、線、ドットのいずれのデザインとも異なり、濃色の瞳であっても観察者に対して本来の瞳の色とは異なる感覚を効果的に与えることができる。しかも、その見え方が極めて自然な瞳に近いので、違和感を与えることもない。さらに、鱗形状を瞳の径より大きく配置すると、瞳を大きく見せることができる。
また、特にドライモールドにより含水性ソフトコンタクトレンズを製造する方法に対して、本発明のデザインを適用しても、含水時のレンズの変形を抑えることができる。
図1は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図2は、本発明の着色コンタクトレンズの製造方法の一例を示す図である。 図3は、比較例1としてデザインをドットで示した図である。 図4は、比較例2としてデザインを曲線で示した図である。 図5は、比較例3としてデザインを太さの異なる線の組み合わせで示した図である。 図6は、比較例4としてデザインをリングで示した図である。 図7は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図8は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図9は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図10は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図11は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図12は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図13は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図14は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図15は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。 図16は、本発明の着色コンタクトレンズのデザインの一例を示す図である。
本発明の着色コンタクトレンズは、特定形状の着色不透明部によって、濃色の瞳をもつ人でも外観上の変化を感じさせることができ、しかも自然な瞳に映るので、それがレンズ装用に起因することを第三者に観取されにくいという特徴を持つ。以下に、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明の着色コンタクトレンズは、おしゃれを楽しむためのいわゆる「カラコン」と称されるレンズの他、視力矯正を目的とするレンズも含む。そのようなレンズの材質は、水を含んで柔軟性を有する含水性ソフトコンタクトレンズ、シリコーンヒドロゲルソフトコンタクトレンズ、非含水性ソフトコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズのいずれであってもよい。
本発明の特定形状のデザインは、前記どのタイプのレンズ材質にも適用でき、近年の着色コンタクトレンズ市場の主流である含水性ソフトコンタクトレンズに対してより好適である。各レンズ材質は公知のモノマーの重合体であって、例えば含水性ソフトコンタクトレンズとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸等の高分子重合体が、また非含水性ソフトコンタクトレンズの素材はガラス転移点の低い高分子重合体を与えるモノマー、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ〉アクリレート等の重合体が挙げられ、シリコーンヒドロゲルソフトコンタクトレンズと酸素透過性ハードコンタクトレンズの素材としては、シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレート等のモノマーやシリコーン含有マクロマーなどと上記の含水性ソフトコンタクトレンズのモノマーとの重合体が挙げられる。
前記の通り本発明では特にコンタクトレンズの構成モノマーを限定するものではない。しかし、着色不透明部を構成する素材を選択する際は、着色成分以外にモノマー成分を配合してもよい。配合されるモノマー成分としては、その着色が適用されるコンタクトレンズの構成モノマー成分と親和性の高い、例えば構成モノマーと同一のモノマーを選択的に使用することが好ましい。より具体的には、着色コンタクトレンズの素材として、ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする高分子重合体を選択するのであれば、着色不透明部を構成する素材としてもヒドロキシエチルメタクリレートを配合することが望ましいのである。これにより、コンタクトレンズ本体に対する着色成分がより強固に結合し、着色剤の溶出などを効果的に防止するとともに、成形後のレンズの変形を防止することができるのである。特に含水性ソフトコンタクトレンズの場合には水を含んで膨潤するために、製造方法によっては着色不透明部とコンタクトレンズ本体との間の膨潤率に大きな隔たりが存在すると変形の要因となりうる。その点本発明のような着色パターンは、着色不透明部がそれぞれに分離されているので変形の要因を回避する効果が高く、含水性ソフトコンタクトレンズの着色に適しているのである。
本発明の着色コンタクトレンズは、既存のカラーコンタクトレンズと同様に、透明な中央視覚領域と、それを取り巻く着色領域を有する。基本的には装用者の視野に入らない部分に着色を施し、自らの虹彩の色をマスキングするように着色領域が形成されている。従来の着色領域は前記の通り、平面、線、ドットのいずれか若しくはこれらの組合せから構成されていた。本発明では、着色領域が基本的には、海部分の連続した透明部と、島部分の不連続な着色不透明部とからなる海島構造を形成しており、前記ドットによる着色の分類に入る。ドットにより虹彩領域を形成する場合の最大の課題は、他の分類と比較してマスキング効果が低いことにあるが、本発明では特定のデザイン、形状を有することにより、この課題を克服し、従来既知のカラーコンタクトレンズよりも自然に見える外観を作り出したのである。
本発明の着色領域における「海部分の連続した透明部」は、着色領域の20%〜70%を占め、好ましくは45%〜65%で、最も好ましくは50%〜60%である。従って残余部分が「島部分の不連続な着色不透明部」となるが、この海島構造は、例えば島部分同士が一部繋がった状態や、島部分同士が一部繋がって、その間に透明な湖部(或いは川部)が存在することを完全に排除しているものではない。着色不透明部は基本的には一つ一つが独立した島となっていることが好ましいが、島部分の密度が高い領域では、それらが接触し或いは一部が重なり合っても良いのである。
着色不透明部の接触している例としては、図1や、図8等に示されている。これらの図に示すように、着色領域の周縁からレンズの中心方向へ向かって、幅1〜3.5mm、好ましくは幅1.5〜3.0mmの環状範囲内において、複数の鱗状の着色不透明部が、その先端側と後端側とで相互に接続され、数珠つなぎになっている。このような連結された鱗状の島部分は3〜20個、好ましくは10個以下で構成される。特に着色領域の周縁部において、瞳を大きく見せるために必要であって、着色不透明部は中心に向かう程粗となるために、むしろ島部分として独立しているほうがより自然に見えるからである。
着色不透明部の配置については、前記図1等に示されているように、直列に並べるようにして配置するデザインや、図16に示されているように前列の隣り合う鱗形状の中間に、後列の鱗形状の先端側が位置するように配置することができる。もちろん、これらは配置の一例を示したのであって、限定されるものではない。前列と後列との位置関係をランダムに変化させること、前後左右に存在する他の不透明部の少なくとも一つと接触させて配置すること等、種々の配置を適宜選択することができる。
「透明部」とは、可視光線(380nm〜750nm)透過率が、80%〜100%であり、無色透明または有色透明である。一方、「不透明部」の透過率は0%〜50%で、虹彩の色を変える対象者(例えば日本人、欧米人、男女など)や、表現したい虹彩の色(例えばグリーン、ブルー)の相違によって、適宜調整される。例えば、虹彩の色が濃い日本人を対象とすれば、着色不透明部の透過率をほぼ0〜30%として、表現したい虹彩色がより鮮明になるようにすることが好ましい。
本発明の着色不透明部の大きさは、径方向で70〜600μm、好ましくは100〜400μm、周方向で40〜300μm、好ましくは70〜250μmの大きさを有する。また、その形状は前記の通り二等辺三角形のそれぞれの角を丸めて、各辺を適宜湾曲させたような形状である。そして、レンズの中心に向けて二等辺部分が形成する曲率の大きな円弧(先端側)をなし、レンズの外周に向けて底辺部分が形成する曲率のより小さい円弧(後端側)をなしている。
具体的には図1に示すような着色不透明部(2)である。着色コンタクトレンズ(1)の着色不透明部(2)は、後端側の円弧(3)が緩やかなカーブを描いている。当該円弧(3)の曲率(曲率半径の逆数)は円孤とレンズの中心との距離の逆数の3倍以内で、好ましくは2倍以内であり、より好ましくは0.3〜1.5倍であり、最も好ましくは0.5〜1.2倍である。一般に、平面や線で着色領域を形成する場合には境界線が明確になりやすく、本発明のようにドットに類するパターンを採用する場合には、境界が不明確となりやすい。従って、このような円弧状に形成することによって、各着色不透明部が繋がっていなくても、境界領域をくっきりとさせる効果を際立たせることができる。
特に最外周(レンズの中心から最も離れた所)に位置する着色不透明部は、瞳の外側の輪郭(外縁を表す線)を形成することになる。この着色不透明部についてその後端側の形状は、必須ではないが前記のような円弧状であると、輪郭を強調する効果をより高めるので、瞳を大きく見せることができ、従来の平面、線によって表現された虹彩と同等以上に、虹彩の質感を向上させることができるのである。なお、図1のような円弧以外の形状、例えば、弦(直線)(13)(図7、図8参照)や、円弧上の幾つかの点を直線で結んだような形状(23)など(図10を参照)であっても良い。これらの形状でも、着色不透明部の大きさが前記の範囲内であれば、円弧と同等の効果を有するからである。
一方、最外周以外の所に位置する着色不透明部の後端側の形状としては、図1のような円弧(3)や図7に示す直線状の形状(13)の他、その着色不透明部の後列に存在する着色不透明部の先端側を包み込むような形状(33)(図9を参照)であってもよい。最外周に位置しない着色不透明部の後端側の形状が、虹彩の輪郭の一部を形成することはないからである。なお、前記形状の着色不透明部が、最外周に位置することを必ずしも排除するものではない。着色不透明部の大きさ、配置によって、虹彩模様の輪郭を充分に形成することができるからである。
図1において、着色不透明部(2)の先端側の円弧(5)は、後端側の円弧(3)の曲率よりも大きな曲率(小さい曲率半径)のカーブを描いている。このような形状とすることにより、従来の単純な円・楕円・三角形などの形状と比較して、レンズ中心へ向かって収束するように表現しやすく、レンズ装用者の虹彩をより自然に見せることができるからである。レンズは球面であり、そこに描く図形もより立体感のあるものにすることがふさわしい。尤も、図に示すような曲線だけに限らず、円弧上の幾つかの点を直線で結んだような形状(図10を参照)であっても良い。また、最外周以外の所には異なる色相からなるサブパターン(例えば、放射状の断続的な線模様など)を公知の方法によって重ねてもよい。
要するに、本発明の「レンズの中心方向がレンズの外周方向よりも大きな曲率の鱗状」の「曲率」が意味するところは、巨視的に見てカーブを描いていると捉えれば良く、微視的にも全体に渡ってカーブである必要はない。「複数の曲線」及び又は「複数の直線」の組合せにより、全体として曲線を表現しているものを含むという意味である。
前記形状の着色不透明部は、レンズの中心方向に向かって漸次小さくなることが好ましい。先端側が後端側よりも大きな曲率でデザインされているので、周辺から瞳孔に対して人の関心を引くように表現できるのであるが、徐々に大きさが小さくなることによってその効果がさらに増幅される(例えば図1、図7等参照)。また、レンズの中心に向かえば当然に面積が小さくなり、小さな着色不透明部の方が多く配置することができるので、虹彩の質感を変えやすいという効果もある。そして最終的には中央視覚領域へと連続していくために、その遷移部分ではあまり明確な変化があると自然な外観を損なうおそれがあり、このような適当な勾配を持って着色領域と中央視覚領域とが接続されていることが望ましいのである。
また、着色不透明部の数が、レンズの中心方向に向かって漸次減少するようにしても良い。特にそれぞれの着色不透明部の大きさが同じであるような場合、レンズ中心に向かうに従って面積が小さくなることに対応する必要がある(例えば図8参照)。このように減少させる技術は、前記の通り従来公知のデザインであり、ドットパターンの着色方法では当然に採用されてきたものである。
図1に例示する本発明の着色コンタクトレンズ(1)の中心部には透明な(全体に薄く着色した透明であるものを含む)中央視覚領域(7)が形成されている。中央視覚領域の可視光線透過率は、着色領域(8)の透明部(9)と同等以上であり、瞳孔への光の進入を許容するもので、その大きさは、径が7〜11mm、好ましくは7〜10mmである。十分な視野を確保するためである。その中央視覚領域(7)を取り巻く着色領域(8)は、半径方向の幅が1.0〜3.5mmの範囲、好ましくは1.5〜3.0mmの範囲に、円環状に形成されている。瞳を大きく見せるために、着色領域がレンズ外周方向へより拡がって形成されているのである。
さらに、前記着色領域(8)を取り巻くように透明周辺領域(10)を有していても良い。レンズサイズとの関係で適宜形成されるものである。透明周辺領域の可視光線透過率は、中央視覚領域と同等であり、無色または有色透明である。
図11に例示する本発明の着色コンタクトレンズは、着色領域(28)の幅が狭く、中央視覚領域(27)へ向かって、着色不透明部の数を急激に減少させた例である。このデザインはリングが際立つように表現され、装用者の虹彩模様をそのまま利用しつつ、さらに瞳を大きく見せる効果がある。
図12には、着色領域(37)が二重リングを形成するように示され、その間に着色不透明部が分散している例である。この例では、着色不透明部の数が中央視覚領域(36)に向けて漸次減少しつつ、中央視覚領域との境界部分で再び数を増すとともに、リング状に整然と並べられている。このデザインには、瞳をパッチリ見せる効果がある。
図13は、着色領域(38)の内側の輪郭がぎざぎざに見えるようにしたデザイン、図14は、着色領域(39)にハート型の模様を表すようにしたデザインである。これらは自然に見せるというよりは、いわゆるおしゃれを楽しむためのデザインである。
図15は、着色領域(41)の中に、例えばトーリックレンズに必要なバラスト軸や円柱軸を表す表示(43)を含むデザインである。この例では、医師など特定の者によって観察される場合を除いて、これらの表示が着色領域にうまく紛れて、第三者からは見分けが付きにくくなるという効果を奏する。これらの表示から得られる情報は、使用者や第三者には特に認識する必要がないからである。
図16は、着色領域(48)の着色不透明部について、前列の隣り合う鱗形状の中間に、後列の鱗形状の先端側が位置するように配置した例である。直線状でかつ放射状に並べた例に比較して、ランダムに並べられた感じが、第三者からはより自然なデザインとして映るという効果がある。
本発明の着色コンタクトレンズとして、着色部分がレンズ素材によって挟まれている場合の両面モールドによる製造方法は、例えば図2に示すように、以下の工程を含む。
(I)コンタクトレンズの一方の面を形成する型Aと、コンタクトレンズ製品よりも薄い厚みの半製品が形成できる型Bとの間に、コンタクトレンズ形成用モノマー組成物(50)を充填して重合する工程。
(II)型Bを外してコンタクトレンズ半製品(51)の露出面に着色不透明部を形成するように着色用組成物(52)を塗布し、コンタクトレンズ半製品に固定する工程。
(III)コンタクトレンズの他方の面を形成する型Cと、着色用組成物が塗布されたコンタクトレンズ半製品を有する型Aとの間に、前記コンタクトレンズ形成用モノマー組成物(50)をさらに充填して重合する工程。
(IV)型Aと型Cを開いて、重合後の着色コンタクトレンズ(61)を取り出す工程。
前記(I)の工程において型Aは、コンタクトレンズの内面側を形成する型であることが好ましい。内面側は角膜に接触する側であり、着色不透明部が確実に表面に出ないこと、最悪でも角膜側に露出しないことを担保できるからである。また型Bと組み合わせて形成される空間は実際のコンタクトレンズ製品よりも薄い厚みでなければならない。着色部分をレンズ素材で挟むためである。
型Bは工程(II)で外され、重合後のコンタクトレンズ半製品は型Aに選択的に残存させる必要がある。この選択性を確保するために、型Aと型Bを異なる樹脂で成形したり、型Aまたは型Bのいずれかにコンタクトレンズ半製品が吸着しやすい或いは剥がれやすい処理を施すこと(例えば、界面活性剤を塗布したり、プラズマ処理等)が好ましい。または、特許第4695797号のような装置を用いたり、一方の型に熱を加えたり冷やしたりして型Aに選択的に残存させてもよい。
工程(II)では、着色用組成物が塗布されるが、この方法は各種の方法が適宜採用でき、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、インクジェット印刷などがある。いずれの塗布方法を選択するかは、着色用組成物の物性やレンズ素材の物性などを勘案して定められる。コンタクトレンズ半製品への固定方法についても、各種(加熱、乾燥、電子線照射など)の方法がある。また、着色用組成物の塗布は1回に限られず、公知の方法によって、異なる色や模様を2回以上塗布してもよい。
工程(III)では、着色用組成物が固定されたコンタクトレンズ半製品を有する型Aと、型Cとの間に前記コンタクトレンズ形成用モノマー組成物が充填され、着色用組成物を間に挟んだ着色コンタクトレンズが重合される。着色コンタクトレンズとして含水性のソフトコンタクトレンズを製造する方法においては、コンタクトレンズ形成用モノマー組成物中に、重合性モノマー以外の溶媒等を含む場合(通称ウェットモールドという)と、溶媒等を含まない場合(通常ドライモールドという)がある。ウェットモールドは、該溶媒が水和後に水と置換されるので、重合後と水和後の状態ではサイズ変化が少ないが、ドライモールドは、水和後にサイズが膨潤した状態になる。従って、型Aと型Cで形成されるコンタクトレンズ形状の空間は水和後のサイズを考慮したものでなければならない。
工程(IV)では型Aと型Cを開いて、重合後の着色コンタクトレンズを取り出し、必要に応じて水和処理や表面親水化処理などが行われる。本発明は、着色コンタクトレンズのデザインに係わる発明であるので、製造方法は簡易的に示すに留めるが、各工程における重合温度、時間、各組成物中のモノマーの種類・組成比、着色剤の種類などは、適宜定められる。
ところで、コンタクトレンズの規格は、内面側の曲率半径(BC)と、中心厚み(CT)、度数(PW)、直径(DIA)、レンズエッジの形状などがある。PWは、屈折率、BCと外面側の曲率半径(FC)によって定まるが、角膜の曲率半径の範囲は7.5〜8.2mmと狭いためBCの規格数は予め決められており、FCの規格数よりも少ない。特に、ソフトコンタクトレンズのBCは1種類のみの場合もある。そこで、前記(I)の工程において型Aを内面側の形成用型を用い、前記(III)の工程において型Cを使用する代わりに、コンタクトレンズ製品よりも厚い半製品が形成されるような型Dを使用して、必要に応じてFC側を切削し、所望のPWのレンズを製造するいわゆる片面モールド製法がある。このような方法は、各PW毎の型Cを予め準備する必要がなく、オーダーメイドにも対応可能で在庫管理がしやすいなどの利点を有している。着色コンタクトレンズは、どちらかと言えば流行に左右されるようなところがあるので、生産規模やデザイン数にもよるが、在庫として品揃えすることには向いていない場合がある。この様な場合には、片面モールド製法が適していると考えることができる。
また、着色部分がレンズの表面に現れる場合の両面モールドによる製造方法は、例えば以下の工程を含む。
(I)コンタクトレンズの一方の面を形成する型Aに、着色用組成物を塗布し、型表面に固定する工程。
(II)コンタクトレンズの他方の面を形成する型Cと、型Aとの間に、コンタクトレンズ形成用モノマー組成物を充填して重合する工程。
(III)型Aと型Cを開いて、重合後の着色コンタクトレンズを取り出す工程。
この方法の利点は、着色部分がレンズ素材によって挟まれている場合に比較して、工程数、型の数が少ないことにある。従ってコスト面で非常に有利であるが、着色部分が埋め込まれているだけで表面にも現れているので、安全性においては若干の課題を有する場合がある。基本的に着色部分の材料も眼への安全性が確認された化合物を使用するので、化学的には大丈夫ではあるが、着色不透明部と、透明部や中央視覚領域とのレンズ素材の硬さに差違が生じ易いため、物理的な刺激にはなり得る可能性があるからである。また、着色不透明部が剥落してしまうというリスクも考えられる。
本発明の着色コンタクトレンズは、基本的に前記のようなモールド重合法により製造されるが、例えば、切削加工法によりレンズを製造した後、所定形状の模様になるように表面をレーザー加工等で削った後、当該部分に着色剤組成物を固定する方法も可能であり、モールド重合法に限定されるものではない。
また、本発明の着色コンタクトレンズは、前記のような含水性ソフトコンタクトレンズ以外にも、非含水性ソフトコンタクトレンズや、シリコーンヒドロゲルソフトコンタクトレンズ及び酸素透過性ハードコンタクトレンズなどで製造することも可能であり、必ずしもレンズ素材の種類を特定するものではない。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、いくつかの例を示す。
図1(実施例1)に示すようなデザインパターンの他、図3(比較例1)に示すドット(20)、図4(比較例2)に示す曲線(25)、図5(比較例3)に示す棒状(30)、図6(比較例4)に示すリング状(35)、の各デザインで着色コンタクトレンズを作成し、被験者が片眼に装用し、鏡を用いて裸眼の他眼との外観上の相違を比較した。さらに、装用眼を変更し、同様にして両眼とも評価した。
着色コンタクトレンズは、以下のようにして作成した。
ポリプロピレン(PP)製の雌型Bにコンタクトレンズ形成用モノマー組成物(2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、2−HEMAという)59w/w%、グリセロールメタクリレート(以下、GMAという)30w/w%、エチレングリコールジメタクリレート(以下、EDMAという)0.5w/w%、光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)0.5w/w%、グリセリン:10w/w%)を23μl入れ、プラズマ処理したPP製の雄型Aと嵌合し、窒素雰囲気下で、光(波長:365nm、1mW/cm)を5分間照射し、コンタクトレンズ形成用モノマー組成物を重合させた。
両型を分離したところ、雄型Aをプラズマ処理した効果により、コンタクトレンズ半製品は雄型Aに付着していた。雄型Aと雌型Bとは、両型を組み合わせた空間内に、前面曲率半径6.6mm、後面曲率半径6.6mm、中心厚み0.024mm、外径10.92mmのコンタクトレンズ半製品が形成されるようになっている。
コンタクトレンズ半製品の露出表面を図1のデザインパターンにするために、着色剤組成物(2−HEMA:30w/w%、酸化鉄:40w/w%、酸化チタン:20w/w%、増粘剤(ポリビニルピロリドン):10w/w%)を厚み10μmになるようにパッド印刷し、送風器中で10分間約25℃にて放置した。塗布した着色剤組成物の表面は乾燥したように固定された。
PP製の雌型Cに前記コンタクトレンズ形成用モノマー組成物35μlを充填し、送風器中で放置して着色剤組成物を固定したコンタクトレンズ半製品の付着した雄型Aと嵌合して、窒素雰囲気下で、光(波長:365nm、3mW/cm)を5分間照射した。この照射によりコンタクトレンズ形成用モノマー組成物は重合した。次に、雌型Cと雄型Aを分離すると、重合物は雄型Aに付着されていた。
重合物の付着した雄型Aを精製水5ml中に浸漬すると、重合物は膨潤して型Aから外れた。新たな精製水5mlに膨潤した重合物を10分間室温で浸漬した。前記精製水の交換を5回繰り返し、重合物内の溶出性成分を除去した。次に、塩化ナトリウム0.9w/v%とエチレンジアミン四酢酸3ナトリウム0.03w/v%とを含む精製水1ml入りPP製容器内に重合物を入れ、多層フィルムでシールして、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。冷後、多層フィルムを剥がし、重合物を検査した。PW:−3.00D、CT:0.11mm、直径:14.2mmで図1の鱗模様がレンズ内部に形成された着色コンタクトレンズが得られた。このレンズは、中央視覚領域の径が8.0mm、着色領域は半径方向の幅2.5mmで円環状に形成されている。
比較例1〜比較例4のデザインについても、前記同様の製造方法により着色領域を形成した。これら5種類の各着色コンタクトレンズを片眼に装用させ、装用者が鏡で自分の目を観察し、瞳が自然に大きく見えるか裸眼の他眼と比較した。室内で装用15分後に比較した。装用眼を変更し、同様にして、両眼とも確認した。なお、改めていうまでもないが、各コンタクトレンズの装用前には、溶出物試験等の化学的分析や、細胞毒性試験、家兎眼装用試験などの各種試験を行い、十分に安全性を確認した。
被験者による評価基準は、
評価点2:黒い瞳が自然(着色レンズを装用していない様)に大きくなっているように見える。
評価点1:黒い瞳がやや不自然(時に着色レンズを装用している様)であるが、大きくなっているように見える。
評価点0:黒い瞳が不自然(着色レンズを装用している様)か、又は、大きくなっているようには見えない。
とした。その結果を表1に示す。
Figure 2013125470
表1の結果から以下のことが言える。
実施例1に使用した図1の鱗模様は自然に大きく見えた。
一方、比較例1に使用した図3のドット模様は、白目との境界部にてドット模様の濃い黒色と白目の白色とが混在した不鮮明な境界となり、やや不自然に見えた。比較例2に使用した図4の曲線模様は、白目との境界部は自然に見えたが、レンズ中央側の模様の濃い黒色と虹彩の黒色とのコントラストの差が明快で、着色コンタクトレンズを装用している感じを与え、不自然であった。比較例3に使用した図5の棒とスポーク模様は、白目との境界部にて直線状の棒とスポーク模様の濃い黒色と白目の白色とが混在した明瞭な境界が内部深くまで入り込み、不自然に見えた。比較例4に使用した図6のリング模様は、白目との境界部は自然に見えたが、レンズ中央側の濃い黒色と虹彩の黒色とのコントラストの差が明快で、着色コンタクトレンズを装用している感じを与え、不自然であった。
図1のデザインパターンを、図7〜図10に示すデザインに変えた他は実施例1と同様にして各着色コンタクトレンズを作成した。図7〜図10のデザインはいずれも着色不透明部の形状において、後端側の曲率を種々変更した例であり、直線状(13)(図7、図8)、レンズの中心方向に向けて湾曲したもの(33)(図9)、円弧上の2点を直線で結んだような形状(23)(図10)である。なお図7と図8の相違点は、図7は着色不透明部の大きさが、レンズの中心方向に向かって漸次小さくなるのに対して、図8では、大きさを変えない例である。これらの各レンズについて、実施例1と同様の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2013125470
表2に示すように本発明に係る着色コンタクトレンズは瞳を大きく、しかも自然に見えることが分かった。
実施例1と同様にしてPP製の雌型Cと雄型Aと嵌合し、重合した。雌型Cに前記コンタクトレンズ形成用モノマー組成物を60μl充填した。また、この雌型Cにて形成された重合物は実施例1のレンズより厚くなるように設計した。雌型Cと雄型Aを分離すると、重合物は雄型Aに付着されていた。この雌型をコンタクトレンズ製造用旋盤の軸に固定し、300RPMにて回転させ、ダイヤモンド刃にて重合物を切削し、コンタクトレンズ形状に仕上げた。実施例1と同様に、コンタクトレンズ形状に仕上げた重合物の付着した雄型Aを精製水5ml中に浸漬し、同様な処理を実施し、重合物を検査した。PW:−3.00D、CT:0.11mm、直径:14.2mmで図1の鱗模様がレンズ内部に形成された着色コンタクトレンズが得られた。
本発明は、非常に自然な外観を与え、装用者の瞳の外見上の色を変えることができるパターンを有する着色コンタクトレンズが、従来技術の延長で製造することができるので、新たな設備導入や、コスト上昇を抑えることなしに、消費者の広いニーズに応えることができる。
1、61 ・・・着色コンタクトレンズ
2 ・・・着色不透明部
7、27、36 ・・・中央視覚領域
8、28、37、38、39、41、48・・着色領域
10 ・・・透明周辺領域
50 ・・・コンタクトレンズ形成用モノマー組成物
51 ・・・コンタクトレンズ半製品
本発明は、透明な中央視覚領域と、それを取り巻く着色領域を有する着色コンタクトレンズであって、前記着色領域が基本的には、海部分の連続した透明部と、島部分の不連続な着色不透明部とからなる海島構造を形成し、前記着色不透明部が、二等辺三角形のそれぞれの角を丸めて、各辺を適宜湾曲させた鱗状の形状を有しており、最外周(レンズの中心から最も離れた所)に位置する着色不透明部は、前記二等辺三角形の底辺部分で形成する湾曲形状をレンズの外周方向に対して向け、円弧、直線または円弧上の幾つかの点を直線で結んだような形状のいずれかであり、レンズの径方向で70〜600μm、レンズの周方向で40〜300μmの大きさを有することを特徴とする。着色不透明部によってレンズ装用者本来の瞳の色や模様が、観察者から見ると変わったように見えるのである。さらに、各鱗模様をレンズ装用者本来の瞳より広く配置すると、虹彩部分をより際立たせて、瞳を大きくみせる効果がある。例えば、瞳の外径が12mmの装用者が、着色不透明部の外径が13mmの着色コンタクトレンズを装用すると、瞳が大きく見えるのみでなく、目のパッチリとした美顔に見えることもある。

Claims (7)

  1. 透明な中央視覚領域と、それを取り巻く着色領域を有する着色コンタクトレンズであって、
    前記着色領域が基本的には、海部分の連続した透明部と、島部分の不連続な着色不透明部とからなる海島構造を形成し、
    前記着色不透明部が鱗状の形状を有し、レンズの径方向で70〜600μm、レンズの周方向で40〜300μmの大きさを有することを特徴とする着色コンタクトレンズ。
  2. 前記着色不透明部の鱗形状が、レンズの中心に向かって配列されているとともに、レンズの外周方向よりもレンズの中心方向において大きな曲率を有することを特徴とする請求項1記載の着色コンタクトレンズ。
  3. 前記着色不透明部の大きさが、レンズの中心方向に向かって漸次小さくなる請求項1または2に記載の着色コンタクトレンズ。
  4. 前記着色不透明部の数が、レンズの中心方向に向かって漸次減少する請求項1乃至3のいずれかに記載の着色コンタクトレンズ。
  5. 前記中央視覚領域の径が、7〜11mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の着色コンタクトレンズ。
  6. 前記着色領域の周縁からレンズの中心方向に向かって幅1〜3.5mmの環状範囲内において、複数の前記着色不透明部が、レンズの中心方向とレンズの外周方向とで相互に接続されている請求項1乃至5のいずれかに記載の着色コンタクトレンズ。
  7. 前記着色領域を取り巻く透明周辺領域をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の着色コンタクトレンズ。
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