JPWO2016024431A1 - 着色コンタクトレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】トーリックレンズの角膜上での安定状態を確認することができる表示と、レンズ装用者の虹彩に自然な外観を与えつつ、本来の色や質感を他覚的に変化させることができる虹彩模様とを組み合わせたデザインを提供することを目的とする。【解決手段】虹彩模様が円環状に形成されるとともに、360°/2n(n:1〜12の整数)の円弧単位で繰り返される規則的なパターンで構成され、レンズの回転制御を確認する表示が、前記虹彩模様を二等分する位置に配置されていることを特徴とする着色トーリックコンタクトレンズ。【選択図】図7
Description
本発明は、コンタクトレンズ着用者の虹彩の色等を、その自然な外観を損なうことなく変化させることができる虹彩模様を有する着色コンタクトレンズに係わり、特に虹彩模様と共にその模様の中或いは模様とは離間して、トーリックレンズの円柱軸の情報が表示されている着色コンタクトレンズに関するものである。
コンタクトレンズ(以下、単に「レンズ」という)に虹彩模様が付された着色レンズは、視力矯正よりも、主として目の自然な美しさを強調したり、装用者の瞳の色又は質感を他覚的に変化させるものとして提供されている。
近年のレンズの虹彩模様に関するデザインの傾向は、おおよそ二つに分類できると思われる。一つは、虹彩模様がより自然に見える事を優先するためにランダムな模様を付したもの、一つは、装用者のおしゃれ感覚を満足させるために虹彩の忠実な再現よりも美しさを強調することを優先させた規則的パターンの模様を付したものである。
ランダム模様に関するものとしては、不規則なパターンの二つの着色領域が異なる色相から成り、ぎざぎざの境界領域をもって接しているもの(特許文献1)、三つの部分からなる虹彩セクションを有し、各セクションの範囲を適宜設定することで複数の箇所にオーバーラップする領域が生じ、非常に自然な外観を呈するもの(特許文献2)などがある。これらの虹彩模様は必ずしも人の虹彩をそのまま模したものではないが、単調で一様に着色されたデザインとは異なり、他覚的に自然な虹彩として認識される。
また、規則的なパターンの模様を付した例としては、角膜縁リングとスポークドットパターンを有し、装用者の虹彩をより大きくみせるもの(特許文献3)や、三日月形のパターンを有し、コンタクトレンズ着用者の虹彩を強調するもの(特許文献4)などがある。これらは、それぞれ装用者の虹彩の外観を不自然にすることなく、虹彩を強調させる効果を有するデザインであるといえる。
一方、乱視矯正に使用されるトーリックレンズは、一般の球面レンズと異なり、角膜上での回転が抑制されている。レンズの円柱軸が乱視の軸とマッチするように設計されているからである。そのため、レンズが装用された状態で、安定位置を確認するためのマークがレンズに付されている。例えば、円柱軸とバラスト軸との間のオフセットを同定できる様式で、円柱軸と整列する第一の同定可能マーキングと、バラスト軸と整列する第二の同定可能マーキングとを備えるレンズ(特許文献5)などである。そしてトーリックレンズにも虹彩模様を付したいという要望は当然に存在するのであり、そのような場合の例としては、虹彩模様が鱗状の形状をしたドットから構成され、バラスト軸や円柱軸を示す棒状の表示を含むデザイン(特許文献6)も提案されている。
なお、トーリックレンズではないが、虹彩模様中にマークを含む例として、レンズが診断用レンズであることを示すマークを組み入れている例(特許文献7)や、識別用のマークを表示する例(特許文献8)等がある。しかし、提示されているデザインは、虹彩模様とマーク部分との差異が明確でありすぎる点が課題であり、トーリックレンズの安定状態を確認するためのマークと、虹彩模様とが調和された最適なデザインが求められているのである。
本発明の課題は、レンズ装用者の虹彩に自然な外観を与えつつ、本来の色や質感を他覚的に変化させることができる模様を提案することであり、特にトーリックレンズの角膜上での安定状態を確認することができる表示と虹彩模様とを組み合わせたデザインを提供することを目的とする。
本発明は、角膜上での回転が制御された虹彩模様を有するトーリックレンズであって、該虹彩模様が円環状に形成されるとともに、360°/2n(nは1〜12の整数で、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8、最も好ましくは4〜6である。)の円弧単位で繰り返される規則的なパターンで構成され、レンズの回転制御を確認する二つの表示が、前記虹彩模様を半円に二等分する位置に配置されていることを特徴とする。
本発明では虹彩模様が、繰り返し単位の規則的パターンで構成されているので、ランダムな模様よりも虹彩模様を強調するまたは変化させる点で有利である。また、円弧単位で繰り返されるので、第三者に安定した印象を与えることもできる。虹彩模様が円環状に形成されているとは、単純な円ではなく、ドーナッツ様の幅を有する円環を意味している。この円環状の領域は全てが着色されている場合に限らず、後述するように着色部とレンズの透明部とが混在する領域であっても良い。
本発明の「円弧単位」とは、前記円環を2n個に等分し中心角を360°/2nとする円弧を意味し、繰り返しパターンの最小の纏まりであるという意味で単位と称する。例えば、中心角を30°(n=6)とする円弧で繰り返しパターンを構成する場合には、60°あるいは90°を単位として繰り返しているということもできる。そのような場合であっても、「最小」の纏まりという意味から30°を円弧単位として規定する。
トーリックレンズが角膜上で安定した状態を他覚的に観察する際には、通常装用時の角膜を二等分する水平ラインまたは垂直ラインを、レンズに表示されたマークと重ね合わせて観察する。本発明の着色トーリックレンズには、前記虹彩模様を半円に二等分する位置にレンズの回転制御を確認するための表示(以下「制御表示」とも言う)を配置しており、この表示と、角膜上のレンズの水平ラインまたは垂直ラインとが一致するか否かによりフィッティングの良否を判断することができる。なお、この「表示」は、虹彩模様とは別に設けられる表示の他に、虹彩模様の一部が制御表示も兼ねる場合を含むものである。
この制御表示は二つのみが好ましい。仮に、水平方向に赤色で二つ、垂直方向に青色で二つの計四つを表示すると、検査者が赤の水平と青の垂直とを混同した場合に、不具合が生じるからである。しかし、回転制御機構に上下の方向が定まっているプリズムバラスト等を利用している場合には、上下が反転していないことが確認できれば良く、制御表示を一つとすることも可能である。
前記虹彩模様を二等分する位置は、繰り返し単位である所定の円弧から見て、そのパターンの開始位置と、その円弧からn番目の円弧のパターン終了位置となる。制御表示は虹彩模様を二等分するので、必然的にこのように配置される。前記の通り360°/2n(nは1〜12の整数で、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8、最も好ましくは4〜6である。)の円弧単位で繰り返されるので、円環の虹彩模様を、中心角が360°/2nとする円弧で切り出せば、必ずその切り出したパターン(模様)は、全てが繰り返しのパターンとなるからである。例えば60°(n=3)の円弧単位で繰り返される虹彩模様について考えてみる。円環のある外周位置Pを基点としてそこから時計回りに60°の中心角を有する円弧の模様と、位置Pから15°進んだ箇所を基点としてさらに60°進んで(Pからは75°)同じ中心角を有する円弧の模様とは、模様自体は異なるものの、虹彩模様を構成する繰り返しパターンである点については変わりがない。これは閉じた系(円環)での繰り返しだからである。そして虹彩模様を二等分するということは180°の直径線で区切られることになるが、360°/2nは、180°/nであり、その位置は、繰り返し単位である所定の円弧から見て、そのパターンの開始位置と、その円弧からn番目の円弧のパターン終了位置となるのである。
このような位置関係で制御表示を置くことができるので、違和感がなく、また該表示を虹彩模様から際立たせることもなく表記することができる。さらに、表示そのものが目立たなくても、検査者(眼科医や医療スタッフ)にはその位置の把握が容易になるのである。
前記制御表示は、ドット又は線で構成されていることが好ましい。虹彩模様との構成比率を出来るだけ小さくし、全体の調和を図り、自然な虹彩模様を提示することができるからである。
また、前記制御表示は、レンズの直径線を対称軸として線対称に配置され、かつレンズの中心で直交する二つの線対称軸を有していることが好ましい。前記二つの線対称軸のうち、一つの対称軸は二つの制御表示を結ぶ直線であり、もう一つの対称軸は二つの制御表示を結ぶ直線の中間点(レンズの中心と等しい)を通る垂直二等分線となる。いずれもレンズの直径線である。このような対称性を付与することで、前記同様に検査者にその表示位置の把握を容易にすることができる。
一般的には、二つの制御表示は同色で同形状であることが好ましい。所定の円弧の2n個の繰り返し単位からなる対称性のある虹彩模様に良く適合するからである。しかし、目的によっては、色を変えたり、形状を異ならせてもよい。異なる場合は、二つの何れかの制御表示を基準点にして、レンズの他の位置が一義的に決まるため、レンズ上の汚れや欠陥の位置等が特定される利点を有するからである。また、色や形状が異なる表示にすることで、レンズの表裏反転や上下反転などが確認しやすくなる。
前記二つの制御表示の線対称軸は、前記虹彩模様の線対称の対称軸でもあることが好ましい。虹彩模様が、円弧単位の繰り返しパターンから構成されているだけでなく、レンズの直径線を対称軸として線対称に描かれていることにより、整然と配置された状態から落ち着いたイメージを与えることができる。また制御表示の対称軸と一致させることで、より一層の安定感を与え、虹彩模様の中に制御表示を組み込み易くなる。なお、制御表示の線対称軸は多くて2つであるが、虹彩模様の線対称軸は1つ以上であり得る。
また制御表示が1〜8個のドットで構成されていることが、より好ましい。制御表示は、レンズ装用者から判別される必要はないものである。レンズが角膜上でどのような状態で安定しているかを確認するのは検査者であり、それ以外の者に識別できる必要はないからである。そこで、装用者および第三者に対してはできるだけ目立たない表示にする方が良い。ドットの大きさにもよるが、面で表示するよりも相対的に虹彩模様と融合しやすく、目立ち難くすることができる。
さらに、制御表示の位置を示唆する示唆表示を有していてもよい。前記示唆表示は必ずしも必要なものではないが、制御表示が虹彩模様と融合して目立ちにくい場合には、制御表示を見つけ出す手掛かりにすることができる。前記示唆表示は、円環状の円弧単位で繰り返される規則的なパターン内の一つ又は複数が組み合わされた模様であってもよい。また、制御表示の一部として、或いは別途設けてもよい。
制御表示を見易くするために、制御表示の周囲を非着色または着色透明とし、制御表示を不透明な着色とすることもできる。この際の周囲の非着色または着色透明部分が、円環状の円弧単位で繰り返される規則的なパターンと異なる場合には、この部分は示唆表示と考えることが出来る。前記示唆表示は制御表示よりも目立つことが好ましい。従って、周囲の配色や着色状況にもよるが、一般的には、前記示唆表示は制御表示より大きく、その面積は0.05〜5mm2、好ましくは0.07〜1mm2、より好ましくは0.1〜0.5mm2である。
レンズの虹彩模様については、外周方向において円形であるとともに、内周方向においてレンズの中心に向けた山と谷が繰り返される規則的なパターンで構成されていることが好ましい。また、制御表示は、対向する山頂又は谷の中心部のいずれかに存在していることが好ましい。レンズの虹彩模様が外周方向において円形であれば、レンズ装用者の虹彩をより大きく強調させることができ、内周方向で山谷の繰り返しパターンにより華やかな印象を与えることができる。また、制御表示を山頂或いは谷の中心部に現すことで、そのほかの部分に表示するよりも、検査者にとって発見し易い。なお、360°/2nの繰り返し単位であることにより、二つの制御表示は、山頂同士又は谷の中心部同士にあり、山頂と谷の中心部の組み合わせという場合はない。
外周方向において円形であるとは、実質的に円形であればよい。例えば、模様がドットからなる場合は、ドット間にある程度の隙間があってもよい。隙間によって、酸素やイオンの透過性が向上するのみではなく、膨潤時の変形も低減するからである。なお、内周方向で山谷の数は、一つの規則的なパターンの内に、二つ以上の山や谷を有していてもよく、山の高さや谷の深さは異なっていてもよい。山から谷に低下するのみでなく、途中で水平になったり、小さい崖があってもよい。
前記虹彩模様を構成するパターンは、外周から山頂までの幅と外周から谷底までの幅の比は10:3〜5:4の範囲が一般的であり、2:1〜3:2の範囲で形成されていることが好ましい。虹彩模様は外周方向が白眼の部分を覆うので(谷部分の厚みによって)より着色部の密度を高くし、内周方向においては装用者の虹彩との融合を滑らかにするために着色部を徐々に少なくする(山部分により虹彩模様の領域を暫減する)ように表現することができる。
また、前記山頂部分は、2〜5個のドットをレンズ中心に向けて直線上に積み重ねて形成されていることが好ましい。山頂部分を細く表現することで必要以上に虹彩模様の領域を拡張することなくより強調する効果が期待できる。
本発明の着色トーリックレンズは、虹彩模様が規則的なパターンで繰り返される円弧単位により構成されているので、第三者に対して自然な外観を与えつつ、本来の色や質感を他覚的に変化させることができる。またレンズの回転制御を確認する二つの表示を、繰り返し単位の中にさりげなく挿入することができるので、虹彩模様に違和感がなく全体としてまとまりのある印象を与えることができるとともに、検査者にとっては確認し易い表示となっている。
さらに、虹彩模様を外周方向において円形であるとともに、内周方向においてレンズの中心に向けた山と谷が繰り返される規則的パターンで構成することにより、レンズ装用者の虹彩をより大きく強調させることができ、またより華やかな印象を与えることができる。
本発明の着色トーリックレンズは、虹彩模様が規則的なパターンで繰り返される円弧単位より構成されているので、制御表示を組み合わせても一体感を損なうことが無く、該制御表示が第三者に観取されにくいという特徴を持つ。
トーリックレンズは、乱視矯正用のレンズで一経線方向の曲率とそれに直交する経線方向の曲率が異なり、球面レンズのように自由に角膜上を回転することが制御される。回転を制御する機構としては、一般的に以下の三種類の機構がある。レンズの一方の厚みを増して重力の影響で厚い方が下方を向けて安定化されるプリズムバラスト、レンズの上下に位置する部分を薄く加工することでこの部分を上下の眼瞼に挿入させて安定化されるダブルスラブオフ、レンズのベースカーブ面をトーリック面にすることで、ベースカーブの大きい方向と角膜の弱主経線の方向を一致させて安定化される後面トーリックである。本発明のトーリックレンズは前記いずれの機構によるものであっても良い。
患者によって乱視軸が異なるので、レンズの円柱軸と角膜の水平軸又は垂直軸等とのなす角度(通常、トーリックレンズは0°から180°の範囲で5°または10°の間隔で製造される)がいくつのものであるのかが重要であり、患者に装用させた状態でフィッティングを検査者に判るようにする必要がある。レンズ素材は透明なので、角膜上ではレンズにその指標(レンズの安定位置を確認するための表示、本発明では「制御表示」ともいう)が必要となる。
しかし、患者からみれば前記制御表示は不要なものである。該表示がデザイン的に優れたもの(或いは個人の嗜好に合ったキャラクターなど)であればともかく、自分にとっては直接利用する機会もデザイン的な価値もないものであれば、乱視矯正ができて、おしゃれ感覚で利用できる着色レンズでありさえすれば良いからである。
そこで本発明の着色トーリックレンズは、虹彩模様を規則的なパターンでかつ偶数回の繰り返しを有するように構成し、虹彩模様を二等分する位置に前記制御表示を挿入することとした。これにより、模様全体として一体的に表示することができ、患者にとっては目立つことなく、検査者にとっては発見し易い表示となるのである。以下に、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、虹彩模様1が円形の濃色ドット2と淡色ドット3の組み合わせで円環状に形成された例である。(b)図は中心角αを90°(360°/4(n=2))とする円弧単位を示しており、この円弧5が4つ規則的に繰り返されて、全体で虹彩模様1を形成していることがわかる。なお、繰り返し単位が中心角を90°とする円弧であるというだけで、繰り返しの模様は何通りでも存在する。(b)図はその一例であって、例えば(a)図において位置PからP’に時計回りに90°の中心角を有する円弧を切り出した模様も、(位置Pから時計回りに40°進んだ)位置QからQ’に時計回りに90°(Pからすると130°進むことになる)の中心角を有する円弧を切り出した模様も、いずれであっても繰り返し単位の模様となる。これは虹彩模様が360°の閉じた円環であるためで、本発明においては中心角が何度の円弧で繰り返しているのかが重要であって、その中に描かれる模様については、虹彩模様から該円弧を切り出す箇所によって様々な模様(パターン)を取り得るのである。
図1の虹彩模様には(a)図に示すように水平ラインH1、垂直ラインV1上の4箇所に透明部(斜めの空間)6があり、そこから、時計回りに30°程回転した所に2連の特徴的な透明部(星型の空間)7がそれぞれ形成されている。この星型のような空間7は濃色ドットが一つ抜けた状態であり、他の部分と比べてドットが蜜に配置されている中で抜けているためにやや目立つ模様となっている。第三者にとっては、デザイン的に華やかな印象を受けると思われる。
(a)図に示すように濃色ドット2はレンズの中心に向けて円の大きさが徐々に小さくなり、逆に淡色ドット3はレンズの中心に向けて円の大きさが徐々に大きくなるように形成されている。また各ドットの配列は碁盤の目状に整然と配置されているので、丁度水平ライン上のドットと垂直ライン上のドットがレンズの中心を向いている様に示される。
また(a)図において垂直ライン上には4つのドットが直線上に配列された制御表示8(直径0.3mm)が示されている。制御表示8の各ドットを囲む幅0.15mmの円環部分は、円弧単位で繰り返される規則的なパターンが削除され、無着色の示唆表示になっている。この制御表示は虹彩模様を半円に二等分する位置に配置されており、検査者は、この表示が装用時に患者の角膜の垂直ラインもしくは水平ラインと重なるか否かを見ることによって、フィッティングの状態を確認することができる。他の部分のドットと同じような形状を採用しているので第三者にとっては不自然さがなく、配列の仕方においてレンズの中心に向けた直線上に載っているので、検査者にとっては見分け易い表示となっているのである。また各ドットの大きさを一定にして並べてあるので、濃色ドットのように外周から内周に向けて大きさを小さく表示するものとの差異があり、検査者が識別することに難しさはない。この制御表示8は、前記斜めの空間6の部分を利用して設けられており、すべてが円形のドットから構成されている虹彩模様の中において、その存在を主張する上で適切な構図となっている。
また、制御表示8の周囲の円弧単位で繰り返される規則的なパターンの一部が削除され、無着色部になっている。この無着色部は制御表示を示唆する示唆表示である。また、前記2連の特徴的な透明部(星型の空間)7は制御表示8より目立っているため、この星型の空間7を目印として制御表示8を見出す場合には、この星型の空間7は制御表示8の示唆表示を兼ねていることになる。
この制御表示8は、(b)図に示す円弧単位のパターン開始位置と、2番目の円弧単位のパターン終了位置に存在する。この配置は違和感がなく、また虹彩模様から際立たせることもなく自然に存在しているように見せることができている。また、この制御表示はレンズの直径線でありレンズの中心で直交する二つの線(垂直ラインと水平ライン)を対称軸とする線対称に配置されている。これにより目立つ表示にしなくても、検査者は一方の表示を認識できれば他方の表示を推定でき、発見が容易になるのである。
この例では虹彩模様を形成する濃色ドットが外周方向において大きくかつ重なりが多くなるように形成され、内周方向においては互いのドットが接するかまたは離間して存在し大きさも小さくなる。淡色ドットは内周方向において濃色ドットの隙間を埋めるように存在している。外周方向をより濃く表現することで、装用時の虹彩部分を強調する効果があり、内周方向において本人の虹彩と自然に調和するようになっている。
図2は、図1における4つのドットから構成される制御表示を、ドットを連結させて一本の直線として現したものである。この制御表示9(幅0.35mm、高さ1.8mm)は図1と比較すると虹彩模様の他の部分との相違が明確になるので、レンズ使用者にもその存在を識別することができる。ただ、短線であること、隣接する星型の空間7との間で一つの模様として把握可能であるので、虹彩模様中に表示されていても違和感がない。なお、制御表示9の周囲の示唆表示である無着色部分の幅は0.15mmである。
このように制御表示はドットや線として現すことができ、ドットの数・大きさ・配列など、線の本数・太さ・長さなどは、虹彩模様との調和において適宜調整することができる。虹彩模様が図1,2のようにドットで表示されている例で説明すると、制御表示をドットで示す場合(図1)には、大きさについては虹彩模様中の最大のドット以下、最小のドット以上とし、構成数は2〜5個程度、直線的な配列が好ましい。一方、制御表示を線として示す場合(図2)には、線の太さは最大のドット以下(一つの表示を複数本で構成する場合には全体で最大のドットよりも細くする)、長さはドット5つ分よりも短くすることが適切である。これらの制限により、虹彩模様と制御表示の調和が保たれることとなる。
図3は、濃色の円環を背景として淡色の円形のドットを碁盤目に配置したもので、ドットの大きさを調整して渦巻き状の外観を呈するように現したものである。(b)図は中心角βを60°(360°/6(n=3))とする円弧単位の一例を示しており、この円弧15が6つ規則的に繰り返されて、全体で虹彩模様11を形成していることがわかる。この虹彩模様には(a)図に示すように、該虹彩模様を半円に二等分する垂直ラインV2上の2箇所に制御表示18が示されている。制御表示18は、各2つの円形の白地に濃色の円形ドットを、レンズの中心に向けて垂直ライン上に配置されている。
(a)図に示すように、虹彩模様の着色部(本発明では、ドット、線、面のいずれか一つ以上の組み合わせで構成される着色された部分を意味し、基本的に不透明)が面で広がっているので、図1、2に比較して装用者の虹彩模様を確実に隠蔽する。渦巻き模様であるために面で形成されていてもそれほど不自然な印象を与えることはないと思われる。
また、制御表示18は円弧単位のパターン開始位置と、そこから3番目の円弧単位の終了位置にあり、レンズの直径線とも重なる水平ラインH2と垂直ラインV2を対称軸とする線対称となっていることが分かる。
図4は、図3における2つのドットから構成される制御表示を、ドットを連結させて一本の直線として現したものである。この制御表示19は、図3と比較すると虹彩模様の濃色を背景として表示されていることから、図1、2との関係とは逆に、直線として現した方が第三者に存在を認識し難くなる傾向がある。従って、虹彩模様中に表示されていても、より違和感のないものとなる。
これらに例示されるように、制御表示がドットから構成されている場合、虹彩模様の面積:制御表示の面積の比は340:1〜60:1の範囲にあることが好ましい。また制御表示が線から構成されている場合、両者の面積比は110:1〜30:1の範囲にあることが好ましい。レンズの装用者としては自分の虹彩を他覚的に変化させてくれることに期待しており、トーリックレンズによる視力矯正ができることは前提と考えているからである。そのため、虹彩模様が主、制御表示は従とした構成比率になるのである。
図5には、円環状に形成された虹彩模様21が、外周側から、円形の濃色ドット層22と、曲率半径の小さい円弧を環状に連結させ、曲線と直線とで形成される線状層23と、濃色ドット24と四角形を変形させたような模様26との混合層27と、最内周を山と谷の繰り返しで形成される交差線層12との各層が、重なって構成されていることが示される。(b)図は中心角γを30°(360°/12(n=6))とする円弧単位を例示しており、この円弧25が12個規則的に繰り返されて、全体で虹彩模様21を形成していることがわかる。
この虹彩模様には(a)図に示すように、該虹彩模様を半円に二等分する垂直ラインV3上の2箇所に制御表示28が示されている。制御表示28は、各3つの濃色円形ドットが、レンズの中心に向って垂直ライン上に直列配置されている。虹彩模様の他の部分との関係で、制御表示は十分に一体化されて、目立たない状態で現されている。制御表示は、(b)図を円弧単位とする繰り返しであると考えれば、該パターンの開始位置と、その円弧から6番目の円弧のパターン終了位置に存在することが分かる。この虹彩模様の例では、繰り返しパターンを(c)図として捉える方が自然であるとも考えられる。(b)、(c)いずれも中心角を30°とする円弧単位であることに違いはないが、(c)図の方は混合層27における四角形を変形させたような模様26を閉じた領域として中心に有しており、纏まりとして把握し易いからである。そこで、図5の例とは別に、レンズの中心と交差線層12の谷部分13を通るラインL上に制御表示を配置することもできる。これにより混合層27のドット24に紛れて、制御表示をより目立つことなく虹彩模様との融合が図られる。
図6は、図5における3つのドットから構成される制御表示を、ドットを連結させて一本の直線として現したものである。この制御表示29は、図5と比較すると制御表示の存在をより鮮明に現している。ただ、図2の例と異なり虹彩模様21がドット以外に線でも構成されているので、全体的に統一感が増しているように思われる。
ここまでの例では、虹彩模様がドット、線、面などで形成されているものに関して説明した。以下には、本発明の好ましい態様として、ドットを用いた虹彩模様について詳述する。線や面と比較してドットで表現することの利点の一つは、レンズ素材の酸素透過性を局部的に阻害するおそれが少ないということである。虹彩模様としてレンズに着色する成分は、装用者の虹彩模様を隠蔽するために基本的には無機物質(例えば酸化チタンなど)を使用している。これらの成分はレンズ素材と比較して、酸素透過性を阻害する要因となる。そして、本発明のように角膜上でのレンズの回転が制御されると、常に同じ着色部が角膜の同じ位置を覆うことになり、線や面を模様に採用した場合には、レンズ下への酸素供給の阻害が部分的(着色部が覆う部分)に集中することになる。一方、ドットを採用すれば、各ドット間でのレンズ素材を通した酸素の透過がある程度確保されて、酸素透過性の低い部分(=着色部)が適当に分散される。従って眼への負担をより軽減できるのである。
ドットの形としては鱗形状を採用することが好ましい。本発明における鱗形状は、レンズの中心に向かって配列されているとともに、レンズの外周方向よりもレンズの中心方向において大きな曲率を有することを特徴とする。鱗の形状は、二等辺三角形のそれぞれの角を丸めて、各辺を適宜湾曲させたような形状であり、その底辺側をレンズの外周方向に向けて配列している。そして二等辺部分で形成する湾曲(以下、「先端側」ともいう)が、レンズの中心に向けられ、底辺側に形成された湾曲(直線状も含む。以下、「後端側ともいう)よりも大きな曲率を有しているのである。先端側が後端側よりも大きな曲率でデザインされているので、レンズ周辺から中心に向けて人の関心を引くように表現できる。
ドットの大きさとして具体的に前記の二等辺三角形で表現すると、その高さが70〜600μm、好ましくは100〜400μm、底辺の長さが40〜300μm、好ましくは70〜250μmの大きさを有する。レンズの外周方向において大きく、内周方向に行くに従って小さくなるように形成することが好ましい。外周のドットを大きくして、レンズの背後にある強膜部分を適度に遮蔽し、瞳の色や模様を変え、瞳を大きく見せることができるからである。また、レンズの中心に向かえば当然に面積が小さくなり、小さなドットの方が多く配置することができるので、虹彩の質感を変えやすいという効果もある。
例えば、ドットにより幾つかの同心円を形成し、該同心円を用いて虹彩模様の一部として表現する場合を考えてみる。各同心円上に配置されるドットの数を同じになるように設定すると、レンズの中心に行くに従って円周が小さくなるので、円周の長さの比をドットの後端側の大きさの比として調整する。また、各円周の線幅(=ドットの高さ)を一定にすることにより、内側ほど後端側の大きさが小さくなるので、それに合わせて先端側の曲率が大きくなって、ドットがより先鋭化し、模様がレンズ中心へと収束するように表現することもできる。このように、ドットの先端側の曲率は、虹彩模様の外周方向においては小さく、内周方向においては大きくなるように形成することが好ましい。
ドットの積層の仕方として、直径方向に前後のドットを直線的に並べるよりも、内側のドットはその外側の隣り合うドットの中間に位置するように積み重ねれば、レンガを積み重ねたように安定感のある模様として表すことができる。
虹彩模様の領域は幅のある円環状であり、この幅は外円の直径14mmから内円の直径6mmの範囲に渡って形成されていることが好ましい。ある程度の幅を持って形成されていないと装用者の虹彩の外観を変化させ難いからである。また、この幅の範囲において、着色面積と非着色面積との面積比が、7:1〜1:2の範囲で設定することが好ましい。ドットによる虹彩模様は、線や面で構成するよりも装用者の虹彩をマスキングする効果が低いので、前記比率よりもドットが少なくなると、装用者の虹彩模様が前面に現れ易くなり、逆に前記比率よりも多くすれば、ドットが結合して線や面を形成するようになるので、ドットにより虹彩模様を現したときの上記効果(酸素透過性の低い部分を分散させる効果)が得難くなるからである。
図7には、虹彩模様31の表現に前記鱗形状のドット32を採用した例を示している。内周側から、外周に向けてサイズが徐々に大きくなるドットが積層されている。この例では内周側の一つのドットは、その外周側の隣り合うドットの中間に位置して、外周側の二つのドットに支えられるように配置されている。一周置きのドットに着目すると、レンズ中心からの直線上に並んでいるので、放射状に外方向に拡大していくようにも見える(つまり、黒目がより大きく見えるのである)。また、最外周から内周に向けて同心円が7周形成されているが、構成ドット数が各周で同じであること、各周毎に隣合うドットの間隔を等しくしていることで、統一感のある印象を与える。
7周の同心円からさらに内側には、山部分33を構成するドットが数を減らしつつ積み上げられ、最後に4個のドットがレンズ中心に向けて直線上に積層されて山頂部34を形成している。また、ドットが現れない箇所が谷部分36を形成し、内周方向において山と谷が繰り返される規則的なパターンで構成されている。このように、円環状の虹彩模様の領域からレンズ中心部の透明な視覚領域へとドットを減少させる勾配を持って接続されていることにより、自然な外観を提示できるのである。なお、谷底部分にドット37を一つ配置しているので、着色されていない部分(図で白く見える部分)は、ちょうど花びらのようにも見え、華やかな外観を呈している。
レンズの垂直ラインV4上であって、対向する谷の中心部には、それぞれ3つの円形ドットで構成される制御表示38が存在している。虹彩模様を構成する鱗形状のドットとは異なるが、拡大しない限り明確な差異を認め難いため、検査者にとっては視認し易く、第三者にとっては虹彩模様にまぎれ易い表示となっている。また3つの円形ドットは、レンズの中心に向かって徐々に大きさが小さくなっていく(直径が0.26,0.23,0.20mm)が、逆に大きくなっていったり、同じ大きさで形成されていても良い。さらに3つの円形ドットの間隔は同一、あるいは偏りがあっても良い。
制御表示38は、虹彩模様31を二等分する位置にあり、レンズの直径線の延長である垂直ラインV4と、レンズの中心で直交する水平ラインH4を対称軸として線対称に配置されている。
内周側の山頂部34の高さ(前記7周の同心円の最内周を基準として、先端までの法線の長さ)と、制御表示38の高さ(同前)とがほぼ等しく表示されているので、制御表示が山頂部と調和されており、装用者にとってはデザインの一種であるとして受け入れ易い。また、制御表示38の二つの線対称軸(垂直ラインV4、水平ラインH4)は、虹彩模様31の線対称の軸でもあるので、全体的にバランスがとれた構図であり、安定感を与えている。仮に、この制御表示を谷の中心からずらして山頂までの任意の位置に配置した場合には、制御表示の線対称軸は、虹彩模様の線対称の軸ではなくなり、同じ数・大きさのドットで構成しても制御表示が目立たない傾向がある。
図7において前記山頂部を通る内円(虹彩模様が幅のある円環状とは、最外周の円からこの内円までの幅のある領域をいう)は直径7mm程であり、該直径は6〜10mmの範囲に形成することが好ましい。前記範囲よりも小さい内円になると、山頂部のドットが視界を妨げるようになり視力矯正に支障があるからである。また前記範囲よりも大きな内円になるとドットが形成する同心円の全体幅が圧縮され、装用者の虹彩模様を変化させ難くなる恐れがある。
レンズ装用者の虹彩に自然な外観を与えつつ、本来の色や質感を他覚的に変化させる模様にするためには、虹彩模様31の構成が、最外周から山頂までの幅と同外周から谷底までの幅の比を2:1〜3:2の範囲で形成されていることが好ましい。図7においては、2:1の比率を有しており、最外周から谷底までの幅によって装用者の虹彩をカバーして、第三者に外観上の変化を十分に認識させることができるものとなっている。
(b)図は中心角σを36°(360°/10(n=5))とする円弧単位を例示しており、この円弧35が10個規則的に繰り返されて、全体で虹彩模様31を形成していることがわかる。上述の通り円弧単位は、中心角を36°として虹彩模様31から切り出したもの全てが繰り返しパターンとなるので、(b)図はその一例を示すものである。ただし、一例ではあるが切り出した際の半径のラインが、虹彩模様の線対称軸と一致する(他に一致するのは谷底を中心とするパターンだけである)ので、代表的な繰り返しパターンの一つであると言える。
図8は、図7と同様の虹彩模様に、制御表示として別の形状を適用した例である。この図の制御表示39は、五つの鱗形状のドットで環40、42を形成し、二つの円形ドット(直径0.15mm)でそれを支える柱43を表現している。この例では、垂直ラインV5は線対称軸であるが、水平ラインH5は線対称軸ではない(環40又は42の上下を反転させることによって、水平ラインH5も対称軸となる)。あえて水平ラインを対称軸としないことにより、角膜上におけるレンズの上下方向を確認することができる点で有利である。
環40、42は、鱗形状のドットの後端側がそれぞれ他の2つのドットと接するようにして環を形成している。この環は、ドットの大きさを調整したり、適当な間隔を空けて並べたり、逆に先端側を接するように配置したり或いは円形ドット等を使用することによっても表現することができる。制御表示39で使用するドットの大きさは虹彩模様中の鱗形状のドットと同等以下の大きさである方が、全体のバランスが良くなる。
柱43を表現する円形ドットは、鱗形状等の他の形状であっても良い。またこの円形ドットは必ずしも必要ではないが、虹彩模様とのつながりを表現するためには形成してあった方が好ましい。構成数としては1〜5個で形成されていても良い。円形ドットの配置・大きさ等も前記図7と同様の各種態様をとり得る。
図9は、図7と同様の虹彩模様に、制御表示として他の方法を適用した例である。上下の各2箇所(計4つ)の谷部分に円形ドット52(直径0.2mm)を各1つ配置したものである。この例では、円形ドット52が制御表示を直接現しているのではなく、円形ドットに挟まれた山頂部58が制御表示58であることを間接的に示しているのである。各円形ドットは、図において垂直ラインV6上にはなく、対向する山頂部58が垂直ラインV6上に存在する。
この例における垂直ラインV6および水平ラインH6は、制御表示58の線対称軸であり、制御表示を特定するための表示52の線対称軸であり、さらには虹彩模様51の線対称軸でもある。このように対称性を持たせて表示することが本発明の大きな特徴である。
本発明の虹彩模様および制御表示は、角膜上での回転が制御されたトーリックレンズに対して好適に付与される。そのようなレンズの材質は、水を含んで柔軟性を有する含水性ソフトレンズ、シリコーンヒドロゲルソフトレンズ、非含水性ソフトレンズ、酸素透過性ハードレンズのいずれであってもよい。近年の着色レンズ市場の主流は含水性ソフトレンズやシリコーンヒドロゲルソフトレンズであり、これらに対しても好適である。各種レンズの材質は公知のモノマーの重合体であって、例えば含水性ソフトレンズとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸等の高分子重合体が、また非含水性ソフトレンズの素材はガラス転移点の低い高分子重合体を与えるモノマー、例えばn−ブチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の重合体が挙げられ、シリコーンヒドロゲルソフトレンズと酸素透過性ハードレンズの素材としては、シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレート等のモノマーやシリコーン含有マクロマーなどと上記の含水性ソフトレンズのモノマーとの重合体が挙げられる。
前記の通り本発明では特にレンズの構成モノマーを限定するものではない。しかし、着色部を構成する素材を選択する際は、着色成分以外に配合されるモノマー成分に、その着色が適用されるレンズの構成モノマー成分と親和性の高い、例えば構成モノマーと同一のモノマーを選択的に使用することが好ましい。より具体的には、着色レンズの素材として、ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする高分子重合体を選択するのであれば、着色部を構成する素材としてもヒドロキシエチルメタクリレートを配合することが望ましい。これにより、レンズ本体に対する着色成分がより強固に結合し、着色剤の溶出などを効果的に防止するとともに、成形後のレンズの変形を防止することができるのである。特に含水性ソフトレンズの場合には水を含んで膨潤するために、製造方法によっては着色部とレンズ本体との間の膨潤率に大きな隔たりが存在すると変形の要因となりうる。従って、レンズの構成モノマーと着色成分中のモノマーに共通性・親和性を持たせることが大切なのである。
ところで、本発明のレンズの「透明部」は、可視光線(380nm〜750nm)透過率が、80%〜100%であり、無色透明または有色透明である。一方、ドット等の「着色部」の透過率は0%〜50%で、虹彩の色を変える対象者(例えば日本人、欧米人、男女など)や、表現したい虹彩の色(例えばグリーン、ブルー)の相違によって、適宜調整される。例えば、虹彩の色が濃い日本人を対象とすれば、着色部の透過率を30%以下として、表現したい虹彩色がより鮮明になるようにすることが好ましい。
従って、図7のように虹彩模様がドットで構成されている場合には、透明部と着色部とが混在するため、虹彩模様領域の可視光線透過率は5〜80%となる。また、図3のように着色部が面で広がっている場合には、透過率は10〜50%となる。酸素やイオン等の透過性や模様の効果を総合的に考慮すると、レンズの内円8mmから外円12.5mmの円環部の透過率としては、10〜80%が好ましく、15〜70%がより好ましく、20〜60%がさらに好ましく、25〜50%最も好ましい。
さらに、前記虹彩模様を取り巻くように透明周辺領域を有していても良い。レンズサイズとの関係で適宜形成されるものである。透明周辺領域の可視光線透過率は、透明部と同等であり、無色または有色透明である。
本発明の着色トーリックレンズの製造方法の一例として、着色部がレンズ素材によって挟まれている場合の両面モールドによる製造方法は、例えば以下の工程を含む。
(1)レンズの一方の面を形成する型Aと、レンズ製品よりも薄い厚みの半製品が形成できる型Bとの間に、レンズ形成用モノマー組成物を充填して重合する工程。
(2)型Bを外してレンズ半製品の露出面に着色部を形成するように着色用組成物を塗布し、レンズ半製品に固定する工程。
(3)レンズの他方の面を形成する型Cと、着色用組成物が塗布されたレンズ半製品を有する型Aとの間に、前記レンズ形成用モノマー組成物をさらに充填して重合する工程。
(4)型Aと型Cを開いて、重合後の着色レンズを取り出す工程。
(1)レンズの一方の面を形成する型Aと、レンズ製品よりも薄い厚みの半製品が形成できる型Bとの間に、レンズ形成用モノマー組成物を充填して重合する工程。
(2)型Bを外してレンズ半製品の露出面に着色部を形成するように着色用組成物を塗布し、レンズ半製品に固定する工程。
(3)レンズの他方の面を形成する型Cと、着色用組成物が塗布されたレンズ半製品を有する型Aとの間に、前記レンズ形成用モノマー組成物をさらに充填して重合する工程。
(4)型Aと型Cを開いて、重合後の着色レンズを取り出す工程。
前記(1)の工程において型Aは、レンズの内面側を形成する型であり、トーリック面を形成する型であることが好ましい。内面側は角膜に接触する側であり、着色部が確実に表面に出ないこと、最悪でも角膜側に露出しないことを担保できるからである。また型Bと組み合わせて形成される空間は実際のレンズ製品よりも薄い厚みでなければならない。着色部をレンズ素材で挟むためである。
型Bは工程(2)で外され、重合後のレンズ半製品は型Aに選択的に残存させる必要がある。この選択性を確保するために、型Aと型Bを異なる樹脂で成形したり、型Aまたは型Bのいずれかにレンズ半製品が吸着しやすい或いは剥がれやすい処理を施すこと(例えば、界面活性剤を塗布したり、プラズマ処理等)が好ましい。また、機械的な力の作用により、一方の型を剥離方向に大きく撓ませて剥離し、他方の型に残存させてもよい。
工程(2)では、着色用組成物が塗布されるが、この方法は各種の方法が適宜採用でき、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、インクジェット印刷などがある。いずれの塗布方法を選択するかは、着色用組成物の物性やレンズ素材の物性などを勘案して定められる。またレンズ半製品への固定方法についても、各種(加熱、乾燥、電子線照射など)の方法がある。このとき虹彩模様と同時に制御表示も塗布することが好ましい。両者を別途組み合わせて塗布するよりも正確に位置決めができるからである。なお、工程(2)の着色用組成物の塗布を、予め、工程(1)の型Bに塗布しておけば、工程(2)が不要となり、生産時間を短縮できる。
工程(3)では、着色用組成物が固定されたレンズ半製品を有する型Aと、型Cとの間に前記レンズ形成用モノマー組成物が充填され、着色用組成物を間に挟んだ着色レンズが重合される。着色レンズとして含水性のソフトレンズを製造する方法においては、レンズ形成用モノマー組成物中に、重合性モノマー以外の溶媒等を含む場合(通称ウェットモールドという)と、溶媒等を含まない場合(通常ドライモールドという)がある。ウェットモールドは、該溶媒が水和後に水と置換されるので、製造後と水和後の状態ではサイズ変化が少ないが、ドライモールドは、水和後にサイズが膨潤した状態になる。従って、型Aと型Cで形成されるレンズ形状の空間は水和後のサイズを考慮したものでなければならない。
工程(4)では型Aと型Cを開いて、重合後の着色レンズを取り出し、必要に応じて水和処理や表面親水化処理などが行われる。また、各工程における重合温度、時間、各組成物中のモノマーの種類・組成比、着色剤の種類などは、適宜定められる。
ところで、前記(1)の工程において型Aを内面側の形成用型を用い、前記(3)の工程において型Cを使用する代わりに、レンズ製品よりも厚い半製品が形成されるような型Dを使用して、必要に応じてレンズの前面側を切削し、所望の度数のレンズを製造するいわゆる片面モールド製法がある。このような方法は、各度数毎の型Cを予め準備する必要がなく、オーダーメイドにも対応可能で在庫管理がしやすいなどの利点を有している。着色レンズは、どちらかと言えば流行に左右されるようなところがあるので、在庫として品揃えすることには向いていないと思われる。従って片面モールド製法が適していると考えることもできる。
なお、前記片面モールド製法を利用した、初期投資が少なく、生産効率が高く、着色成分が露出しない製造方法は、例えば以下の工程を含む。
(1)トーリック機能と回転を制御する機能とを有するデザインを含む第一の型のレンズ形成面に、被覆層を形成する被覆用組成物を塗布し、次いで、着色部を形成する着色用組成物を前記被覆層に塗布または印刷する工程。
(2)前記第一の型と組み合わせて、レンズ製品よりも厚い厚みの半製品を形成するための第二の型との間に、レンズ形成用組成物を充填して重合し、硬化する工程。
(3)前記第一の型に硬化物を固着させた状態で両型を開き、硬化物の露出面を所望の形状に切削する工程。
(1)トーリック機能と回転を制御する機能とを有するデザインを含む第一の型のレンズ形成面に、被覆層を形成する被覆用組成物を塗布し、次いで、着色部を形成する着色用組成物を前記被覆層に塗布または印刷する工程。
(2)前記第一の型と組み合わせて、レンズ製品よりも厚い厚みの半製品を形成するための第二の型との間に、レンズ形成用組成物を充填して重合し、硬化する工程。
(3)前記第一の型に硬化物を固着させた状態で両型を開き、硬化物の露出面を所望の形状に切削する工程。
前記(1)工程の第一の型は、レンズの内面側及び外面側の何れの面を有していてもよい。トーリック機能と回転を制御する機能とを内外の何れの面にするのがデザイン上好ましいかは、材質上の問題や製造上の問題等を考慮して、適宜決定すればよい。内面の場合は、外面より強いトーリック性が要求されるため、角膜との間に大きなギャップが生じることがある。このギャップは涙を貯蔵するため安全性が高まる利点がある。外面の場合は、着色剤が角膜から離れた位置にあるため安全性が高まり、内面が自由に設計できるため、装用感に優れる利点がある。一方、型材は被覆用組成物やレンズ形成用組成物の硬化物の剥がれ易さや硬化性を考慮して決定すればよい。第一の型は、レンズのエッジ部を含むレンズの他面側の周辺部の一部を含んでもよい。こうすることによって、前記(3)工程の切削の範囲・手間や難易度が改善される上、良品率も向上する利点を有しているからである。
被覆用組成物は脱離時に型より剥がれる必要があり、増粘剤、高分子物質や重合性成分の少なくとも1種類を含ませてレンズ側に固着させることが望ましい。また、塗布後の乾燥、重合、硬化等の処理にて着色用組成物が滲み過ぎないようにするためにも、これ等の増粘剤や高分子物質は利用される。均一に塗布するために、薄め液(溶剤)が適宜使用される。このことは、着色用組成物にも当てはまる。
第二の型のレンズ側の形状により、両型間に充填されるレンズ形成用組成物の量や形状が決定される。一般的に、レンズ形成用組成物は複数の異なる成分から構成されるため、均一に重合させるのが難しい。また、重合収縮により、硬化前後で型間のキャビティーの形状が異なる。そのため、切削後の水和時に膨潤率が場所毎に多少でも異なると、レンズは中心と周辺の厚みが異なるため、特に、中心が薄くて周辺が厚い中程度以上の負の度数のコンタクトレンズの場合に、膨潤率の違いが増幅されて変形や光学性能の低下したレンズが生じやすくなる。この際に、中心厚みを一般的な0.07mmから0.20mm程度まで厚くすれば、この問題は相当解消されるが、酸素透過量が厚みに反比例して減少するため好ましくない。そこで、最終製品の直径や度数から、所定の分類(例えば、直径14mmで度数が0〜−2.5D、−3〜−6.5Dと−7〜−10Dの3分類)毎に望ましい第二の型の形状を検討して決定し、適用すれば、変形が少なく光学性能に優れた良品を高収率で得ることができる。
前記(3)工程の切削は、球面形状に切削するのが好ましい。切削機の価格が安く、切削時間も短く、切削面の精度も高いためである。しかし、レンズ上の要求から、非球面に加工したり、トーリック性や回転制御の機能を設ける切削をすることも可能であるが、高機能の切削機を必要とする欠点を有する。
また、着色部がレンズの表面に現れる場合の両面モールドによる製造方法は、例えば以下の工程を含む。
(1)レンズの一方の面を形成する型Aに、着色用組成物を塗布し、型表面に固定する工程。
(2)レンズの他方の面を形成する型Cと、型Aとの間に、レンズ形成用モノマー組成物を充填して重合する工程。
(3)型Aと型Cを開いて、重合後の着色レンズを取り出す工程。
(1)レンズの一方の面を形成する型Aに、着色用組成物を塗布し、型表面に固定する工程。
(2)レンズの他方の面を形成する型Cと、型Aとの間に、レンズ形成用モノマー組成物を充填して重合する工程。
(3)型Aと型Cを開いて、重合後の着色レンズを取り出す工程。
この方法の利点は、着色部がレンズ素材によって挟まれている場合に比較して、工程数、型の数が少ないことにある。従ってコスト面で非常に有利であるが、着色部が埋め込まれているだけで表面にも現れているので、安全性においては若干の課題を有する場合がある。基本的に着色部の材料も眼への安全性が確認された化合物を使用するので、化学的には大丈夫ではあるが、着色部と他の部分とのレンズ素材の硬さに差違が生じ得るため、物理的な刺激の可能性があるからである。また、着色部が剥落してしまうというリスクも考えられる。このような課題を解決する手段として、型Aの表面に着色用組成物を塗布する前に、予めレンズ形成用モノマー組成物または該組成物と親和性の高い高分子等を薄く塗布して被覆層を形成しておくことが好ましい。これにより、前記の着色部がレンズ素材によって挟まれている程ではないが、その状態に近づけることができるからである。
本発明の着色レンズは、基本的に前記のようなモールド重合法により製造されるが、例えば、切削加工法によりレンズを製造した後、着色用組成物を固定する方法も可能であり、モールド重合法に限定されるものではない。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、いくつかの例を示す。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、いくつかの例を示す。
(実施例1)
円柱度数が+1.0Dで、円柱軸が180°、ダブルスラブオフが形成されるように設計されたナイロン製の雄型のレンズ形成表面の中心から2.1mm〜4.35mmの円周範囲に、増粘剤を20重量部、N−ビニルピロリドン(N−VP)を6重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を9重量部、溶剤を65重量部、を含む被覆層組成物0.7mgを均一に塗布し、60秒間放置して乾燥した。
円柱度数が+1.0Dで、円柱軸が180°、ダブルスラブオフが形成されるように設計されたナイロン製の雄型のレンズ形成表面の中心から2.1mm〜4.35mmの円周範囲に、増粘剤を20重量部、N−ビニルピロリドン(N−VP)を6重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を9重量部、溶剤を65重量部、を含む被覆層組成物0.7mgを均一に塗布し、60秒間放置して乾燥した。
次いで、中心から2.2mmから4.30mmの円周範囲に、増粘剤を20重量部、N−VPを4重量部、DMAを8重量部、溶剤を48重量部、着色成分(酸化鉄)を20重量部、を含む着色用組成物1.2mgを図7の模様になるように塗布し、60秒間放置して乾燥した。
次に、MMAを23重量部、N−VPを18重量部、DMAを34重量部、重合性基を有するポリマーを25重量部、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)を0.2重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.05重量部、を含むレンズ形成用モノマー組成物を40mg注入された雌型に前記雄型を嵌合し、90℃で30分間放置して重合して硬化した。冷後、半製品(重合体)を雄型に吸着させて両型を分離した。
雄型を旋盤に固定し、半製品の露出面を所望の度数と厚みのレンズ形状になるように切削した。雄型を旋盤から外し、雄型を撓めてレンズ形状の硬化物と雄型とを分離した。
レンズ形状の硬化物を出荷用容器に入れ、精製水を加えて膨潤させ、溶出してくる未反応モノマー等を除去するために、精製水を捨て新たな精製水を注入する操作を10分ごとに5回繰り返して水和させた。容器内の精製水を捨て、精製水と0.9%の塩化ナトリウムと0.03%のEDTA3Naとを含む保存液3mlをこの出荷用容器に注入し、剥離可能な多層フィルムで密封し、121℃で20分間高圧蒸気滅菌し、冷却してレンズ製品を3個製造した。
多層フィルムを剥離し、レンズを検査した。レンズは外径14.5mm、−2D、円柱度数が+1.0Dで円柱軸が180°、中心厚み0.1mm、ダブルスラブオフの基準部位の厚み0.03mm、中心から3.5〜6.5mmの範囲に図7の茶褐色の不透明な模様を有する良品レンズであった。
前記製造方法と同様の方法により、対照として図7における制御表示38を除いた模様の着色レンズを作製した。これらを3名の被験者に左右の目の両方に交互に装用し、被験者自身の観察により瞳が満足するような変化を見せているか否か、左右どちらがより自然に見えるのか(両者に差異があるのかを含めて)、下記の評価基準により判定してもらった。同時に、制御表示付き着色レンズの装用眼については、検査者によりフィッティングの状況が観察し易いか否かについて評価した。
被験者による評価基準は、虹彩模様について
評価点2:何れのレンズも黒い瞳が自然(着色レンズを装用していない様)に大きくなっているように見える。
評価点1:少なくとも1つのレンズで黒い瞳がやや不自然(時に着色レンズを装用している様)であるが、大きくなっているように見える。
評価点0:黒い瞳が不自然(着色レンズを装用している様)か、又は、大きくなっているようには見えない。
制御表示について
評価点1:両レンズ間で差違がない。
評価点0:両レンズ間で差違を認める。
とした。
評価点2:何れのレンズも黒い瞳が自然(着色レンズを装用していない様)に大きくなっているように見える。
評価点1:少なくとも1つのレンズで黒い瞳がやや不自然(時に着色レンズを装用している様)であるが、大きくなっているように見える。
評価点0:黒い瞳が不自然(着色レンズを装用している様)か、又は、大きくなっているようには見えない。
制御表示について
評価点1:両レンズ間で差違がない。
評価点0:両レンズ間で差違を認める。
とした。
また、検査者によるフィッティングの確認(スリットランプで10倍)の際の制御表示の評価について
評価点1:制御表示が容易に確認できる。
評価点0:制御表示の確認が困難である。
とした。以上の評価結果を表1に示す
評価点1:制御表示が容易に確認できる。
評価点0:制御表示の確認が困難である。
とした。以上の評価結果を表1に示す
表1に示すように本発明に係る着色レンズは、装用者にとって瞳を大きく、しかも自然に見せることができる。また、制御表示は気にならない。一方、検査者にとっては、制御表示の確認が容易に行えるので、フィッティング検査に支障がない。この結果の原因は、装用者の注目する肉眼での全体の外観と、検査者の注目する拡大観察による水平又は垂直ラインとの違いであると考えられる。
(比較例1)
実施例1と同様にして、レンズを作製し評価した。但し、図10の不規則な模様に塗布した。この評価結果を表2に示す
実施例1と同様にして、レンズを作製し評価した。但し、図10の不規則な模様に塗布した。この評価結果を表2に示す
表2に示すように比較例である不規則な模様のレンズは、装用者にとって瞳がやや不自然に見える。また、制御表示に差を認める。さらに、検査者にとっては、制御表示の確認がやや困難である。この結果の原因は、不規則な模様は違和感を生じさせのみでなく、制御表示の認識もやや困難にしていると思われる。
本発明は、非常に自然な外観を与え、装用者の虹彩の外見上の色を変えることができるパターンを有する着色トーリックレンズが、従来技術の延長で製造することができるので、新たな設備導入や、コスト上昇を抑えることなしに、消費者の広いニーズに応えることができる。また、繰り返しパターンを採用することで、トーリックレンズの安定位置確認のための表示を虹彩模様にさりげなく組み込むことができる。
1、11、31、51・・・虹彩模様
5、15、25、35・・・円弧単位
8、9、18、19、28、29、38、39、58・・・制御表示
V1、V2、V3、V4、V5、V6・・・垂直ライン
H1、H2、H4、H5、H6・・・水平ライン
5、15、25、35・・・円弧単位
8、9、18、19、28、29、38、39、58・・・制御表示
V1、V2、V3、V4、V5、V6・・・垂直ライン
H1、H2、H4、H5、H6・・・水平ライン
Claims (7)
- 角膜上での回転が制御された虹彩模様を有するトーリックコンタクトレンズであって、
該虹彩模様が円環状に形成されるとともに、360°/2n(n:1〜12の整数)の円弧単位で繰り返される規則的なパターンで構成され、
レンズの回転制御を確認する表示が、前記虹彩模様を二等分する位置に配置されていること特徴とする着色トーリックコンタクトレンズ。 - 前記レンズはレンズの回転制御を確認する表示の位置を示唆する表示を有することを特徴とする請求項1に記載の着色トーリックコンタクトレンズ。
- 前記レンズの内円8mmから外円12.5mmの円環部の可視光線(380nm〜750nm)透過率が10〜80%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色トーリックコンタクトレンズ。
- 前記虹彩模様は外周方向において円形であるとともに、内周方向においてレンズの中心に向けた山と谷が繰り返される規則的なパターンで構成され、
回転制御を確認する表示が、対向する山頂又は谷の中心部のいずれかに存在していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の着色トーリックコンタクトレンズ。 - 前記虹彩模様を構成するパターンが、外周から山頂までの幅と外周から谷底までの幅の比を10:3〜5:4の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の着色トーリックコンタクトレンズ。
- 前記山頂部分は、2〜5個のドットをレンズ中心に向けて直線上に積み重ねて形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の着色トーリックコンタクトレンズ。
- 前記レンズは、下記(1)〜(3)の製造工程、
(1)トーリック機能と回転を制御する機能とを有するデザインを含む第一の型のレンズ形成面に、被覆層を形成する被覆用組成物を塗布し、次いで、着色部を形成する着色用組成物を前記被覆層に塗布または印刷する工程、
(2)前記第一の型と組み合わせて、レンズ製品よりも厚い厚みの半製品を形成するための第二の型との間に、レンズ形成用組成物を充填して重合し、硬化する工程、
(3)前記第一の型に硬化物を固着させた状態で両型を開き、硬化物の露出面を所望の形状に切削する工程、
を経て製造されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の着色トーリックコンタクトレンズ。
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