JP2015197679A - 真珠光沢の強膜を有するコンタクトレンズ - Google Patents

真珠光沢の強膜を有するコンタクトレンズ Download PDF

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Abstract

【課題】 真珠光沢顔料を含む、明るく着色された強膜を有するコンタクトレンズを提供する。
【解決手段】 真珠光沢顔料は、化粧用コンタクトレンズの1つ又は2つ以上の領域に含有され、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を化粧用コンタクトレンズに付加する。更に具体的には、二酸化チタン又は酸化鉄などの酸化物でコーティングされ、コンタクトレンズの1つ又は2つ以上の領域に含有されたマイカ系真珠光沢顔料は、自然な、濡れた感じの反射的な外観を有する1つ又は2つ以上の領域となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼用レンズに関し、更に具体的には、強膜に、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観がもたらされる領域において真珠光沢顔料を含有するコンタクトレンズに関する。
コンタクトレンズ(contact lenses)又はコンタクト(contacts)は、単に、眼上に設置されるレンズである。コンタクトレンズは医療装置とみなされ、視力を矯正するために、及び/又は美容上若しくは他の治療上の理由から装着される場合がある。コンタクトレンズは、視力を向上させるために、1950年代以降商業的に利用されている。硬質材料で製造又は作製された初期のコンタクトレンズは、比較的高価で脆かった。加えて、これらの初期のコンタクトレンズは、コンタクトレンズを通って結膜及び角膜に十分な酸素を透過しない材料から作製され、このことは、いくつかの臨床的副作用を引き起こす場合があった。これらのコンタクトレンズは、依然として利用されているが、それらは、初期快適性が低いため、すべての患者に適するわけではない。当分野におけるその後の開発によって、ヒドロゲル系のソフトコンタクトレンズが生み出され、これは現在非常に好評であり、広く利用されている。今日、入手可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証済みの快適性及び臨床的性能と組み合わせたものである。本質的に、シリコーンヒドロゲル系のコンタクトレンズは、より高い酸素透過性値を有し、初期の硬質材料で製造されたコンタクトレンズより着用が概ね快適である。一方、硬質のガス透過性ハードコンタクトレンズは、シロキサン含有ポリマーから製造されるが、ソフトコンタクトレンズよりも硬く、したがって、それらの形状を保持し、より耐久性がある。
現在利用可能なコンタクトレンズは、依然として、視力矯正の費用効果の高い手段である。薄いプラスチックレンズは、近視(myopia)又は近眼(nearsightedness)、遠視(hyperopia)又は遠眼(farsightedness)、乱視、すなわち、角膜における非球面性、及び老眼、すなわち、遠近調節をする水晶体の能力の喪失を含む、視力欠陥を矯正するために、目の角膜の上にはめられる。コンタクトレンズには、様々な形態のものがあり、様々な材料で製造され、様々な機能性を提供する。終日装用ソフトコンタクトレンズは、典型的には、酸素透過性を目的として水と合わせられた軟質ポリマー材料から製造される。終日装用ソフトコンタクトレンズは、1日使い捨て又は長期装用使い捨てであってもよい。終日装用使い捨てコンタクトレンズが、通常、1日間装着されて捨てられる一方で、長期装用使い捨てコンタクトレンズは、通常、最大30日間装着される。カラーソフトコンタクトレンズは、異なる材料を使用して、異なる機能性を提供する。例えば、識別用着色コンタクトレンズは、落としたコンタクトレンズを発見する際に装用者を支援するために、明るい色合いを用いるものであり、強調着色コンタクトレンズは、装用者の生来の眼色を強調することを意図した透明又は半透明の色合いを有するものであるが、着色カラーコンタクトレンズは、装用者の眼色を変化させることを意図した、不透明な色合いを備え、光フィルタリング着色コンタクトレンズは、特定の色を強調する一方で他の色を弱めるように機能する。二重焦点及び多焦点のコンタクトレンズは、特に老眼を有する患者用に設計され、ソフトとハードの両方がある。円環状のコンタクトレンズは、特に乱視を有する患者用に設計され、同様に、ソフトとハードの両方がある。上の異なる態様を組み合わせたコンビネーションレンズもあり、例えば、ハイブリッドコンタクトレンズが挙げられる。
他の化粧用コンタクトレンズは、虹彩の代わりに又は虹彩に加えて強膜に焦点を当てるものである。例えば、コンタクトレンズは、不透明、半不透明、及び/又は半透明であり得る明るく着色された周辺部すなわち虹彩領域の外側を含むことができる。その明るい部分は、角膜縁からコンタクトレンズの縁まで延びて、より明るい又はより白い強膜の印象を作り出すことができる。これらのコンタクトレンズは、実際より虹彩をより大きく、より暗く、及び/又はよりくっきりと見せることができるように縁リングを含んでもよい。縁リングは、本質的には、色の環状帯であり、レンズが目の上にあり、中心合わせされたときに、レンズ装着者の強膜と角膜の接合部である角膜縁領域の上に部分的に又は完全に重なる。
上記の化粧用コンタクトレンズは、眼の外観を美しくする一方、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観をもたらす効果顔料を含むレンズに対する、化粧用レンズ分野におけるニーズが存在する。
真珠光沢顔料を含む、明るく着色された強膜を有するコンタクトレンズは、上に簡単に説明した問題を解決する。
化粧用コンタクトレンズは、目全体及び/又は目の異なる領域の色を含む様々なやり方で、それらが着用された目の外観を変えるように設計され得る。必要条件ではないが、化粧用コンタクトレンズは、屈折異常を補正するために使用してもよい。化粧用コンタクトレンズはまた、直接的な医療用途も有する。例えば、化粧用コンタクトレンズを使用して、損傷のある目の外観を修復することができる。化粧用コンタクトレンズは、透明、半透明、不透明な色の強調又は色合いを含み得る。色合いは、有機/無機顔料、染料、又は特殊効果顔料を含み得る。コンタクトレンズ上の印刷された領域は、虹彩領域(虹彩パターン)、角膜縁領域(縁リング)、強膜領域(強膜を明るくする)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。加えて、パターンは、連続、断続、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
本発明の化粧用コンタクトレンズは、着用者の眼に光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を付加する真珠光沢顔料を含有する上記のレンズのいずれかを含んでもよい。顔料は、レンズの任意の領域に加えられてもよいが、好ましくは、強膜に重なる領域に加えられる。真珠光沢顔料の組み合わせ又は含有の結果、濡れた感じの反射性の強い外観を有し、自然に見える、より明るい白色の強膜領域が得られる。
真珠光沢顔料を含有しても化粧用コンタクトレンズの製造プロセスに大きな影響を一切与えないので、大きな変化なく、自然で光沢がある外観を得ることができる。
本発明の前述及び他の特徴及び利点は、添付図面に示されるような、本発明の好ましい実施態様の以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
例示の非化粧用コンタクトレンズの平面図である。 第1の例示の化粧用コンタクトレンズの平面図である。 第2の例示の化粧用コンタクトレンズの平面図である。 第3の例示の化粧用コンタクトレンズの平面図である。 第4の例示の化粧用コンタクトレンズの平面図である。 パッド印刷プロセスを概略的に表す図である。 パッド印刷プロセスをより詳細に表す図である。 本発明による真珠光沢顔料を有する明るく着色された強膜を有する化粧用コンタクトレンズを表す図である。
コンタクトレンズ(contact lenses)又はコンタクト(contacts)は、単に、眼上に設置されるレンズである。コンタクトレンズを医療装置と見なし、視力を矯正するために、及び/又は美容上若しくは他の治療上の理由から装着してもよい。コンタクトレンズは、視力を向上させるために、1950年代以降商業的に利用されている。初期のコンタクトレンズは、硬質材料で製造又は作製されており、比較的高価で脆かった。加えて、これらの初期のコンタクトレンズは、コンタクトレンズを通って結膜及び角膜に十分な酸素を透過しない材料から作製され、このことは、いくつかの臨床的副作用を引き起こす場合があった。これらのコンタクトレンズが依然として利用されているが、それらは、初期快適性が低いため、すべての患者に適しているわけではない。当分野におけるその後の開発によって、ヒドロゲル系のソフトコンタクトレンズが生み出され、これは現在非常に好評であり、広く利用されている。今日、入手可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過性を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証済みの快適性及び臨床的性能と組み合わせたものである。本質的には、これらのシリコーンヒドロゲル系のコンタクトレンズは、以前の硬質材料で製造されたコンタクトレンズよりも高い酸素透過率を有し、概して、着け心地がよい。しかしながら、これらの新しいコンタクトレンズに制約がまったくないわけではない。
ここで図1を参照すると、例示の非化粧用コンタクトレンズ100の平面図が示されている。コンタクトレンズ100は、光学ゾーン102、光学ゾーン102を包囲する周縁ゾーン104、装着時に個人の目に接触するよう設計された後方湾曲面、及び後方湾曲面と反対側の前方湾曲面を含む。光学ゾーン102は、それを通して視力矯正が得られるコンタクトレンズ100の部分である。言い換えると、光学ゾーン102は、視力矯正を提供し、単焦点の近視又は遠視の矯正、乱視の視力矯正、二焦点の視力矯正、多焦点の視力矯正、カスタム矯正等の特定のニーズ、又は視力矯正を提供し得る任意の他のデザインのために設計される。周辺ゾーン104は、光学ゾーン102を包囲し、眼上のコンタクトレンズ100に機械的安定性を提供する。言い換えると、周辺ゾーン104は、セントレーション及び配向等の眼上でのコンタクトレンズ100の位置決め及び安定化に影響を及ぼす機械的特性を提供する。配向は、光学ゾーン102が乱視矯正及び/又は高次収差補正等の非回転対称特性を含むときの基本となる。いくつかのコンタクトレンズの設計では、光学ゾーン102と周辺ゾーン104との間の任意の中間ゾーンが利用されてもよい。任意の中間ゾーンにより、光学ゾーン102及び周辺ゾーン104は確実に、円滑に融合される。
図1に示すレンズ100は円形であるが、楕円形状又は先端を切ったような形の円形状など、コンタクトレンズに好都合な任意の形状であってもよい。円形であってもよく、又は非円形であってもよいことに加えて、コンタクトレンズ100は平面であってもよく、又は非平面であってもよい。
化粧用コンタクトレンズは、それが着用された目の外観を向上させる又は変えるように設計される。必要条件ではないが、化粧用コンタクトレンズはまた、屈折異常の補正にも利用され得る。加えて、化粧用コンタクトレンズはまた、例えば損傷のある目の外観を修復するためなど、直接的な医療用途を有し得る。無虹彩症、虹彩の欠乏、又は瞳孔異常、虹彩の損傷を患う人々は、完全な虹彩の外観をもたらす着色されたコンタクトレンズを利用することができる。化粧用コンタクトレンズは、半透明/透明色の強調、色合い、不透明色の色合い、人工的な虹彩のパターン、縁リング、強膜を明るくする色合い、及び/又は上記の任意の組み合わせを含むことができる。
図2を参照すると、第1の例示の化粧用コンタクトレンズ200が図示されている。このレンズ200は、図1のコンタクトレンズ100に関して上述した意味の範囲に含まれる光学ゾーン及び周辺ゾーンを含むが、化粧用コンタクトレンズの種々の領域を記述するための異なる用語が使用されている。化粧用コンタクトレンズ200は、個々の瞳孔の大きさ及び場所に実質的に対応する大きさの中心領域202を含む。中心領域202は、視力を妨害しないように、通常、着色又はデザインを有さない。中央部204は中心領域202を囲んでおり、人の虹彩の大きさ及び場所に実質的に対応する大きさを有する。中央部204は、着用者の虹彩の外観を向上するために、1つ又は2つ以上の色、及び/又は、1つ又は2つ以上の色により形成されるパターンを含んでもよい。周辺部206は、中央部204の周囲に配置され、コンタクトレンズ200の周縁まで延在する。周辺部206は、ポイント201から測定される内径と、ポイント203から測定される外径とを有する環状形を含み、外径は、必ずしも全体としてコンタクトレンズ200の外縁と一致しなくてもよい。周辺部206は、例えば、白色、白近似色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、薄紅色、淡緑色又は上記の任意の組み合わせで着色することができる。明るい色は、装着者の強膜と徐々に融合するように配置される。
周辺部206は、強膜の外観を向上するように着色される。この周辺部206の着色は、不透明、半透明、又はこれらの2つの間の何かの色、若しくは半不透明でもよい。例示の実施形態は、爽やかで自然な外観を強膜に与えることにより、強膜の外観を向上する。本明細書で使用される「不透明」は、380〜780nmの範囲で0〜約50%、好ましくは7〜約50%の平均光透過率が可能な色を意味すると理解されたい。本明細書で使用される「半透明」は、380〜780nmの範囲で約50〜約85%、好ましくは約65〜約85%の平均光透過率が可能な色を意味すると理解されたい。
図3は、第2の例示の化粧用コンタクトレンズ300を示す。化粧用コンタクトレンズ300は、中心領域302と、中心領域302を囲む中央部304と、中央部304を囲む周辺部306と、縁リング308と、を含む。本明細書で述べられるように、縁リングは、本質的には色の環状帯であり、レンズが目の上で中央にあるときにレンズ装着者の角膜縁領域の上に部分的に又は完全に重なる。一部の例示の実施形態では、縁リングは、ハロー効果を生み出すためにもっと大きくてもよい。本例示の実施形態では、周辺部306の着色は、ポイント301から計測される内径からポイント303から計測される外径に向かって不透明から半透明又は透明に徐々に変化するか、又は変化してもよい。前述の例示の実施形態のように、中央部304は、着用者の虹彩の外観を向上するために、1つ又は2つ以上の色、及び/又は1つ又は2つ以上の色により形成されるパターンを含むことができる。この組み合わせにより、暗い縁リングのコントラスとともに最も自然な瞳孔が提供され、その一方、周辺部306に付与される明るい着色という付加的な利点がもたらされる。縁リング308は、リング308が虹彩、中央部の着色/パターン304、及び明るく着色された周辺部306に自然に融合するように任意の適当な幅又はパターンを有してもよい。縁リング308は、半透明又は不透明であってもよい。
図4は、幾何学パターンの形態の周辺部406が明るい色である、第3の例示の化粧用コンタクトレンズ400を示す。化粧用コンタクトレンズ400は、中心領域402と、中心領域402を囲む中央部404と、中央部404を囲む周辺部402と、縁リング408と、を含む。図3と図4のコンタクトレンズの違いは、周辺部406の幾何学パターンである。本例示の化粧用レンズ400では、幾何学パターンは、白色に着色されるであろうレンズ表面から除去される円410の外観を呈するので、各円410は、隣接する円410に互いに触れ合わない。本例示の実施形態では、円410を幾何学形状として利用しているが、任意の幾何学形状を利用してもよいことに留意することが重要である。パターンは、円410によって形成された十字形の明るく着色された構造物の行列としても考えることもできる。図示するように、円412は、また、中央部404内のパターンの中へ延在してもよい。
幾何学形状を含むパターン形成は、図4を参照して上述したように規則的に形状化した構造物により形成されてもよく、又は、図5に示すように、化粧用コンタクトレンズ500の中央部504と周辺部506の両方に存在する複数のランダムなドット又は形状510から形成されてよい。本例示のコンタクトレンズ500において、中心領域502と縁リング508とは、例えば、スポークのパターン又は融合するパターンなどのパターンを有さない。実際の又は強調された色彩感覚を伝えるために都合のよい任意の形状が使用されてもよく、具体的にはかかる幾何学形状は、所望の色相又は濃淡に寄与する。利用されるドットは、任意のサイズ及び形状を含んでもよい。ドットにより、化粧用コンタクトレンズの異なる要素の境界が融合しやすくなる。
本明細書に記載の化粧用コンタクトレンズのいずれのパターンでも、中心部は、好ましくは、クリアである。しかしながら、中心領域は、半透明/透明若しくは不透明の色、又は不透明及び半透明/透明の色の任意の組み合わせの領域であってもよい。
着用者の眼の色を強調又は変化させるためのコンタクトレンズに使用される際、好ましくは、縁リング要素は、レンズ装着者の角膜縁領域の色を覆う色の塗りつぶし帯であり、更に好ましくは、覆う色は不透明色である。更に、適切な大きさを有する縁リングが、ハロー効果を生成するために利用されてもよい。残りの要素、スポーク、ドット、及び他のパターン要素は、所望される美容的な眼上の成果に応じて半透明であっても不透明であってもよい。
角膜縁リング要素と虹彩パターン要素のそれぞれに選択される色は、レンズ装着者の虹彩の天然色素と、所望の強調又は色の変更によって決定される。したがって、要素は、任意の多様な色相及び彩度の、青色、緑色、灰色、茶色、黒色、黄色、赤色、又はそれらの組み合わせを含む、任意の色であってもよい。縁リングに好ましい色として、様々な色相及び色度の黒色、茶色、灰色、黒青色及び暗緑色のいずれかが挙げられる。
周辺部を含む明るく着色された要素は、純粋な白色、白近似色、オフホワイト、淡黄色、淡青色、薄紅色、淡緑色又は上記の色の任意の組み合わせであってもよい。この要素は、レンズによって覆われていない強膜の可視部分とくっきりと際立たないように調和することが好ましい。これらの色は、不透明度とコントラストがより高められるより多量のTiOの使用によって得られることが好ましい。色素の添加として、より白い要素を調整するための少量の黒色酸化鉄、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、二酸化チタンなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの顔料に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含む、可溶性及び不可溶性の染料が使用されてもよい。1つの例示の実施形態は、適切な透光性をもたらす、10〜20%のTiOと、80〜90%のクリアな結合性ポリマーと、を有する、着色剤である。
一般的に、着色された要素は、コンタクトレンズにおける使用に適した任意の有機若しくは無機顔料、又はこれらの顔料の組み合わせから製造することができる。不透明度は、使用される顔料及び二酸化チタンの濃度を変化させることによって調整されてもよく、多量になるにつれてより高い不透明度がもたらされる。例示の有機顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、バットオレンジ1号など、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。有用な無機顔料の例としては、黒色酸化鉄、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、二酸化チタンなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの顔料に加えて、ジクロロトリアジン及びビニルスルホン系染料を含む、可溶性及び不可溶性の染料が使用されてもよい。有用な染料及び色素は、市販されている。
好適な例示の実施形態によると、真珠光沢顔料は、化粧用コンタクトレンズの1つ又は2つ以上の領域又は部分に含有され、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を化粧用コンタクトレンズに付加することができる。更に好ましくは、これらの真珠光沢顔料は、着用者の強膜に対応するレンズの少なくとも一部に付加される。真珠のような光沢及び干渉効果は、異なる屈折率を有する透明材料の交互に積層した層からもたらされる。真珠光沢顔料は、他の真珠光沢顔料と組み合わされてもよく、かつ/又は酸化鉄、フタロシアニン(phthalocyanime)、二酸化チタンなどの異なるタイプの顔料、又は染料と組み合わせてもよい。結果得られる色の幾つかは、銀、金、並びに赤、青、及び緑の様々な濃淡であってもよい。
一般的に、明るく着色された強膜領域を化粧用コンタクトレンズ上に生成するために現在利用されている好ましい顔料は、二酸化チタンである。本発明の好適な実施形態による化粧用コンタクトレンズは、着用者の強膜に対応する領域に真珠光沢顔料を含有させ、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を生成する。換言すれば、例えば、二酸化チタンコーティングされたマイカ系真珠光沢顔料のような真珠光沢顔料を組み合わせ又は含有すれば、濡れた感じの反射性の強い外観を有し、自然に見える、より明るい白色の強膜領域が得られる。好ましい真珠光沢顔料は、二酸化チタンコーティングされたマイカ系顔料である銀タイプのものである。例示のマイカ系顔料は、珪酸アルミニウムカリウムであり、二酸化チタン、TiO、又は酸化鉄(Fe)でコーティングされてもよい。EMD Chemicals Inc.は、Candurin(登録商標)の商品名で、二酸化チタンと結合させた米国食品医薬品局認可の自然珪酸塩を提供している。ただし、任意の真珠光沢顔料は、他の真珠光沢顔料と組み合わせてもよく、かつ/又は異なる種類の顔料又は染料と組み合わせてもよく、かつ強膜領域に使用されてもよいことに留意することが重要である。
真珠光沢顔料を含有する、本発明の化粧用コンタクトレンズは、縁リング、着用者の虹彩に重なるパターン、瞳孔領域に重なるパターン、クリアな瞳孔領域、明るく着色された強膜領域、幾何学パターンを有する明るく着色された強膜領域、及び/又は任意のそれらの組み合わせを含んでもよい。縁リングは、好ましくは、不透明又は半透明である。虹彩領域は、半透明、不透明又は透明であってもよい。瞳孔領域は、透明であり、いずれのパターンも含まない。顔料及び染料の両方を使って、コンタクトレンズの角膜縁領域、虹彩領域、瞳孔領域のパターン要素を着色してもよい。任意の有機顔料、無機顔料、効果顔料、染料、又は任意のそれらの組み合わせを使ってパターンの要素を着色してもよい。
化粧用コンタクトレンズの様々な領域の意匠/パターン/色は、市場調査に基づいて開発される。これらのパターンは、一般に印刷版(クリシェ)と呼ばれる金属構造物に刻み込まれる。印刷版が作製されると、複数工程のプロセスを用いて、以下のように化粧用コンタクトレンズを製造する。図6は、その製造プロセスに使用するパッド印刷プロセスの概要を示す。プロセスの第1の工程602で、所望の着色剤で印刷版の窪みを充填する。プロセスの第2の工程604は、印刷版の表面から余分なインクを取り除くことを含む。余分なインクは、通常、1つ又は2つ以上のドクタリングブレードを用いて印刷版の表面から取り除かれる。プロセスの第3の工程606で、印刷版上の着色剤を乾燥させる。プロセスの第4の工程608で、印刷版内の着色剤をパッドに取り上げる。プロセスの第5の工程610で、着色剤を乾燥させる、又は、パッドの上で乾燥させる。プロセスの第6の工程612で、着色剤をパッドから前側曲面に移し、以下に説明する追加の加工を行う。プロセスの第7の工程614で、着色剤を乾燥させる、又は、前側曲面鋳型半体の前側曲面上で乾燥させる。図7は、より詳細なプロセスの説明を提供する。第1の工程702で、コンタクトレンズの印刷されていない前側曲面鋳型を提供する。第2の工程704で、クリアベース、すなわち顔料又は染料のないものが、前側曲面に適用される。第3の工程706で、溶媒、クリアベース、及び顔料を含むインクが、クリアベース印刷された前側曲面に適用される。次に、第4の工程708で、印刷された前側曲面に反応性モノマー混合物、例えばエタフィルコンAが投与される。プロセスの第5の工程710で、コンタクトレンズの後側曲面鋳型を前側曲面鋳型上に位置づけ、70℃に温度を維持しながら2分間そこにそのまま維持する。プロセスの第6の工程712で、前側と後側の曲面の間の反応性モノマー混合物を可視光に曝露して硬化する。この硬化工程は、70℃の温度で4分間、5mWの可視光を用いる。プロセスの第7の工程714で、鋳型からのコンタクトレンズを800ppmのTween 80と脱イオン水の70℃の溶液中にて1時間、更に45℃の脱イオン水にて1時間、水和する。プロセスの第8の工程716で、コンタクトレンズはその独自のパッケージ化された生理食塩水溶液にて、124℃の温度で18分間蒸気滅菌される。上述したプロセスは説明の容易さのために簡略化されていることに注意することが重要である。
ここで図8を参照すると、本発明による真珠光沢顔料を含む混合物から形成される明るく着色された強膜領域802を有する化粧用コンタクトレンズ800を表す図が示される。真珠光沢顔料を有する明るく着色された強膜領域802は、以下のように製造されてもよい。クリアベースインクを、35.35グラムの1−プロパノールを588.11グラムの1D Clear Baseに添加することによって調製した。クリアベースインク組成物の更に詳細な説明及びその調製方法を以下に記述する。その後、インクのサンプルを、Servodyne混合機で1800rpmで3分間混合した。20パーセントのSilver Fineインクを、5.98グラムの1−プロパノールを20.05グラムのSilver Fine顔料(EMD Cemicals,Candurian(登録商標)Pearl Effect Colors)及び80.01グラムの1D Clear Baseに添加することによって調製した。その後、混合物は、手で混合された。エッチングパターンを有する鋼製の印刷板をインク混合物で充填し、上記のように、鋳型の表面に印刷した。インクを印刷版から鋳型の表面に対してシリコンパッドを使って移動した。クリアベースインクを最初に印刷し、その後、Silver Fineインクを印刷した。レンズ形成材、すなわち、エタフィルコンA反応性モノマー混合物を印刷された鋳型に堆積させ、その後、相補の鋳型半体を使用して鋳型アッセンブリを完成させた。全て上記に更に詳細に記載されるように、その後、レンズ材料を硬化し、鋳型から離型し、緩衝生理食塩溶液の中で平衡化させた。真珠光沢顔料は、レンズ材料内に封入させる。
96gの1−ドデカンチオール(DODT)、56.54gのメタクリル酸ラウリル(LMA)、7.40gのメタクリル酸(MAA)、1367gのヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、68.5gのグリセロール、378gの1−エトキシ−2−プロパノール(EP)、1511gのイソプロピルラクテート(IPL)、及び8.89gの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)を用いて、クリアベースインク用の結合性ポリマーを調製した。最初に、約50〜100ccのIPL以外の、DODT、モノマー及び溶剤を5リットルのブルーキャップボトル内で混合し、10分間撹拌した。次いで、この混合物を攪拌棒及び窒素を用いて5リットルのステンレス鋼リアクターに注ぎ入れた。混合物を温度が68℃に達するまで約25分間撹拌し加熱した。温度が68℃に安定した後、窒素排出部(nitrogen bleed)を開放しながら、残存するIPL内でAMBNが溶解した。16〜24時間重合を進行させた後、温度を80℃に昇温して反応が完了した。次いで、混合物を室温に平衡化させた。混合物の粘度を、4部のIPLを1部のEPと混合することによって所望に応じて調節した。
上記のように、レンズ形成材料はエタフィルコンAを含む。エタフィルコンAは、既知であり、コンタクトレンズの製造用に特許取得された材料である。エタフィルコンAは、1、1、1−トリメチロールプロパン(trimethyol propope)トリメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートで架橋されたメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(hydroxyethal)及びメタクリル酸のコポリマーである。エタフィルコンAは、Johnson & Johnson Vision Care,Inc.の一部門であるVISTAKON(登録商標)から入手可能な多数のコンタクトレンズに使用されている。エタフィルコンAは、本明細書に記載されている例示の実施形態に使用される一方、任意の好適なレンズ形成材料が利用されてもよいことに留意することが重要である。
図示及び説明されたものは、最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるが、説明及び図示された特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、説明及び図示される特定の構造に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得るすべての改変例と一貫性を有するものとして解釈されなければならない。
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズであって、
眼の強膜部に実質的に対応する第1の領域と、
眼の非強膜部に実質的に対応する第2の領域と、
該第1の領域に含有され、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を有する強膜領域を生成するように構成された、マイカ系真珠光沢顔料と、を含む、コンタクトレンズ。
(2) 前記マイカ系真珠光沢顔料は、酸化物層でコーティングされている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(3) 前記酸化物層は、二酸化チタンを含む、実施態様2に記載のコンタクトレンズ。
(4) 前記酸化物層は、酸化鉄を含む、実施態様2に記載のコンタクトレンズ。
(5) 前記マイカ系真珠光沢顔料は、珪酸アルミニウムカリウム(potassium aluminum silicate)を含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(6) 前記マイカ系真珠光沢顔料は、ランダムなパターンで配置される、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(7) 前記マイカ系真珠光沢顔料は、非ランダムなパターンで配置される、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(8) 前記マイカ系真珠光沢顔料は、前記第1の領域に包含される、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(9) 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の非マイカ系真珠光沢顔料を更に含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(10) 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の非真珠光沢顔料を更に含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(11) 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の染料を更に含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。

Claims (11)

  1. コンタクトレンズであって、
    眼の強膜部に実質的に対応する第1の領域と、
    眼の非強膜部に実質的に対応する第2の領域と、
    該第1の領域に含有され、光沢があり、光輝き、かつ真珠光沢がある外観を有する強膜領域を生成するように構成された、マイカ系真珠光沢顔料と、を含む、コンタクトレンズ。
  2. 前記マイカ系真珠光沢顔料は、酸化物層でコーティングされている、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記酸化物層は、二酸化チタンを含む、請求項2に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記酸化物層は、酸化鉄を含む、請求項2に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記マイカ系真珠光沢顔料は、珪酸アルミニウムカリウムを含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記マイカ系真珠光沢顔料は、ランダムなパターンで配置される、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記マイカ系真珠光沢顔料は、非ランダムなパターンで配置される、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  8. 前記マイカ系真珠光沢顔料は、前記第1の領域に包含される、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  9. 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の非マイカ系真珠光沢顔料を更に含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  10. 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の非真珠光沢顔料を更に含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  11. 前記マイカ系真珠光沢顔料と組み合わせられる1つ又は2つ以上の染料を更に含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
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